総務委員会速記録第六号

平成十二年三月二十三日(木曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十五名
委員長石井 義修君
副委員長吉住  弘君
副委員長田島 和明君
理事西条 庄治君
理事星野 篤功君
理事野村 友子君
東野 秀平君
菅原 一秀君
藤岡 智明君
比留間敏夫君
萩谷 勝彦君
藤沢 志光君
川島 忠一君
河合秀二郎君
木村 陽治君

 欠席委員 なし

 出席説明員
政策報道室室長柿沼 伸二君
政策調整部長岡田 重信君
総務局局長横山 洋吉君
総務部長三宅 広人君
選挙管理委員会事務局局長鳴川 智久君
次長宇口 昌義君
人事委員会事務局局長中山 弘子君
任用公平部長伊藤 章雄君
監査事務局局長石綿 昌男君
次長銅谷 勝子君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 総務委員会所管分
 ・第二号議案 平成十二年度東京都特別区財政調整会計予算
 ・第四号議案 平成十二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第三十二号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例
 ・第三十三号議案 東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十五号議案 東京都行政手続条例の一部を改正する条例
 ・第三十六号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
 ・第三十七号議案 東京都恩給条例の一部を改正する条例
 ・第三十八号議案 雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十九号議案 東京都行政書士試験手数料条例
 ・第四十一号議案 東京都特別区財政調整会計条例の一部を改正する条例
 ・第四十二号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十三号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十四号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十五号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
 ・第四十六号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十七号議案 東京都立科学技術大学条例の一部を改正する条例
 ・第四十八号議案 東京都立短期大学条例の一部を改正する条例
 ・第四十九号議案 東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
 ・第五十号議案  東京都育英資金貸付条例
 ・第五十一号議案 東京都監査委員の給与の特例に関する条例
 ・第百八十九号議案 包括外部監査契約の締結について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○石井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、意見書について申し上げます。
 さきに理事会にご一任いただきました意見書につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   北方領土問題の解決促進に関する意見書(案)
 我が国固有の領土である歯舞、色丹、国後及び択捉等の北方領土の返還の実現は、我々に残された国民的課題であり、日本国民すべての悲願である。
 しかるに、戦後五十四年を経た今日もなお、この問題は未解決であり、日露両国間に平和条約が締結されていないことは誠に遺憾なことである。
 日露両国間における政治対話を促進し、人的、物的交流の一層の拡充を通して相互理解を深め、北方領土問題を解決して、平和条約を締結することは、両国間の基本関係の正常化のみならず国際社会の平和と安定に大きく貢献するものと確信する。
 よって、東京都議会は、政府に対し、国民の総意、熱望にこたえるため、本年中に北方領土問題を解決し、平和条約を締結するため最善の努力をされるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
  平成十二年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
内閣総理大臣
外務大臣
自治大臣
総務庁長官 あて

○石井委員長 本件は、議長あて提出の手続をとらせていただきます。ご了承願います。

○石井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十二年度予算の調査及び付託議案の審査、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、総務委員会所管分、第二号議案及び第四号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○吉住委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十二年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 都財政は、今重大な危機に直面しています。また、都政運営も著しい制度疲労を生じております。そうした中、我が党は、これまで、今日的な改革と中長期的改革の二つの視点に立って、都の行財政改革を断行していかなければならないと主張してまいりました。
 ここ数年の都財政の課題は、税収の落ち込みを、歳入、歳出の両面からどのようにカバーし、限られた財源をいかに効果的に生かして行政水準を保持していくかであります。このように厳しい行財政状況の中で編成された平成十二年度予算案は、財政構造改革に取り組むとともに、都民の生活を守りつつ、巨額の財源不足の解消と財政再建の達成に向けて確実な第一歩を踏み出す予算と知事は位置づけております。
 財源の確保に当たっては、職員給与の削減を初め、減債基金積み立ての一部計上見送りなどの特別な財源対策を行うとともに、都税収入の徴収率を引き上げる努力をしております。また、我が党を初めとして都議会でつくった議員連盟が、知事とともに国に強く働きかけた結果、富裕団体としての財源調整措置を一部改善することができました。加えて、大手銀行等に対する外形標準課税と、特別区内の新築住宅に対する固定資産税と都市計画税の減免の提案は、都民生活を守り、都財政の再建を図るとともに、景気回復の刺激策として高く評価しております。
 しかし、このような特別な財源対策は、いつまでも続けることはできません。今後も一層の財政構造改革の取り組みを強化する必要があります。今回の外形標準課税導入を契機として、地方分権の時代に相応し、財政自主権を実現するため、一層の取り組みをしていただきたいと思います。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも一層効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく最大限の努力を重ねられるよう、強く要望します。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、政策報道室関係について申し上げます。
 一、東京を取り巻く環境の厳しい変化に的確に対応するとともに、新しい課題に積極的に挑戦するため、政策立案、総合調整機能、広報広聴機能を充実し、トップマネジメントの補佐機能を強化されたい。
 二、東京構想二〇〇〇(仮称)を速やかに策定し、東京の目指すべき中長期的な都市像、生活像を明らかにするとともに、その実現に向けた施策を強力に推進されたい。
 三、首都機能移転問題は、二十一世紀の我が国の政治経済及び文化のあり方に大きな影響を及ぼす重大な問題である。国会等移転審議会は、移転先候補地を答申したが、都として、移転先候補地との比較考量に関し十分な調査分析を行うとともに、移転反対の世論を喚起するため、幅広い活動を強力に展開されたい。
 四、テレビ、ラジオ、刊行物及びインターネットなどの各種媒体を活用して、都の重点課題などに対して、より一層効果的、かつ効率的な都政広報の展開に努められたい。
 五、情報公開条例を適正に運用するため、庁内の指導、調整を行うとともに、実施機関の拡大に努め、情報公開制度を充実し、より一層開かれた都政を推進されたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、東京を今後とも持続的に発展させ、ますます魅力ある都市としていくため、東京の将来像を見据えた中長期的な視点から、簡素で効率的な組織への再編成や東京都監理団体の改革など、行政改革の一層の推進に努められたい。
 二、区市町村の振興については、行政水準の維持向上を図り、地域の均衡ある発展を推進するため、施策の一層の充実に努められたい。
 多摩、島しょ地域の振興に当たっては、都市基盤整備を着実に推進するとともに、市町村の創意と地域特性を生かした諸施策の推進に努められたい。
 三、基礎的な地方公共団体として新たに出発する特別区が、今後の事業執行に支障を生じることなく、自主的、計画的に財政運営を行えるよう、今後の財源配分の割合については柔軟に対応するよう努められたい。
 四、震災対策については、より実践的な総合防災訓練の実施や応急給水槽の建設、学校の避難所機能の強化を推進するとともに、都民の防災意識や対応能力の一層の向上を図るなど、総合的な震災対策の確立に努められたい。
 五、私立学校に対する助成については、私立学校が長い歴史と伝統のもとに特色ある教育を実践し、公立学校とともに公教育において果たしている役割の重要性と、都議会における私立学校助成に関する意見書にかんがみ、厳しい財政状況にあっても各種助成制度の一層の充実に努められたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○藤岡委員 私は、日本共産党都議団を代表して、来年度予算関連議案の本委員会所管部分について、意見開陳を行います。
 まず、政策報道室関係です。
 一、財界、ゼネコン奉仕の首都機能移転計画には反対を貫くこと。
 一、危機突破・戦略プランで打ち出した方向は、東京の福祉施策の根幹を根こそぎにする一方、破綻が明らかな臨海開発の拡大と、都心部の大規模開発、圏央道、外郭環状などの環状道路を初めとする首都圏規模での大企業奉仕の大規模開発であり、都財政を泥沼に引き込むプランの実施は行わないこと。
 一、東京都情報公開条例については、知る権利の保障を明確にするとともに、警視庁、東京都公安委員会、都の監理団体、第三セクターも実施機関に加えること。
 一、新日米防衛協力の指針及び周辺事態措置法に反対し、その具体化と発動を許さず、東京港の軍事利用を初め、すべての都市施設、職員の協力を拒否すること。
 また、羽田空港など民間空港、輸送会社や民間病院の提供に反対すること。
 一、日米地位協定の抜本的見直しを国に強く要求すること。
 一、横田基地、米軍多摩サービス補給施設など、すべての米軍基地の全面返還を、知事が直接、日米両国政府に申し入れること。
 横田基地の軍民共用は基地固定化につながるので、反対すること。
 多摩サービス補給施設については、返還前でも住民に大幅に開放するように求めること。
 一、横田基地が使用する下水道料金の優遇、自動車税の軽減、米軍人家族などに対する税金の特権的減免を廃止すること。
 一、米軍麻布ヘリポートの都立青山公園用地不法占拠に対し、東京都、東京防衛施設局、米軍の三者協定書に基づき、港区、地元住民と一体となって即時返還を求めること。
 一、騒音被害軽減のために、防音対象基準を七〇WECPNLに引き下げるとともに、防音対象指定地域に八王子、町田を加えること。
 一、日米地位協定にもよらず、首都圏上空を固定的訓練空域としている夜間離発着訓練NLPは、即時全面禁止させること。
 大惨事につながる低空飛行訓練を禁止させること。
 一、三宅島のNLP基地建設に反対すること。
 一、非核三原則の厳正な実施と法制化を国に要求すること。
 一、二十一世紀を核も基地もない平和な東京とするために、憲法の平和的、民主的条項の徹底を図るとともに、非核平和東京都宣言を行うこと。
 次に、総務局関係です。
 一、財政再建推進プランは、財政難の原因である臨海副都心開発や大型幹線道路建設などは引き続き温存、拡大しながら、その一方、財政危機を理由に、都民の暮らし、かけがえのない福祉を切り捨てるものである。大型公共事業を見直しするなど都財政運営を転換し、都民施策の一層の拡充と財政再建の両立に足を踏み出すこと。
 一、公正で民主的な行政を効率的に執行する見地で、都政機構や運営の改善と、職員の適切な配置を行うこと。
 財政難を理由に、職員定数、人件費などにしわ寄せさせないこと。
 一、外郭団体の組織と管理運営は、公益性、効率性の立場から抜本的に見直すこと。
 一、第七次東京都震災予防計画を踏まえ、震度七、直下型地震の最悪の事態に対応するため、予知、観測体制、地震に強いまちづくり、住民による自主的な防災活動支援、防災弱者救済など、総合的な取り組みを強化すること。
 一、庁舎、学校など、すべての公共施設について耐震診断を実施し、必要な補強、改築を行うこと。
 一、都区財政調整については、特別区が基礎的自治体として自立した財政権を確立するよう、都区の対等平等の立場を貫き協議を尽くすこと。
 一、介護保険制度などの財政需要に対応して市町村調整交付金や市町村振興交付金は増額し、多摩格差解消を図ること。
 一、区市町村振興基金を増額し、貸付枠の拡大、貸付利子の減免、借りかえ制度の新設などの拡充を行うこと。
 一、区市町村合併については、当該自治体の自主性を保障し、住民を無視した合併を行わないこと。
 一、私学助成については、教育条件の向上、父母負担軽減、経営の健全化の立場で、標準運営費二分の一補助方式を堅持し、経常費補助の削減は行わないこと。
 一、私立学校での学級規模縮小を促進するために、運営費特別補助とは別枠に予算を措置すること。
 一、私立幼稚園への経常費補助について、標準運営費二分の一補助を早期に実現するとともに、保護者負担軽減補助は所得制限を撤廃すること。
 一、私立学校特別奨学金制度については、補助単価を増額し、所得基準を緩和するとともに、随時募集を行うこと。
 また、家計急変時の特別補助制度を拡充すること。
 一、都の同和対策事業は直ちに終了し、差別の固定化につながる属人的事業は廃止し、一般施策に転換すること。
 一、東京都同和事業促進協会を改組した人権啓発センターの事業については、同和優先でなく、憲法に基づき、すべての人権擁護を課題とすること。
 以上です。

○東野委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました平成十二年度予算について、意見の開陳を申し上げます。
 初めに、各局共通でございます。
 都政における現下の最大課題は、何としても財政再建団体への転落を回避することである。したがって、平成十二年度東京都一般会計予算案が対前年度比三千百億円、四・九%減となり、経常経費が四年連続、投資的経費が八年連続マイナスという超緊縮予算となったことは、やむを得ない事態といえる。
 このような厳しい財政状況にあって、自治体の課税自主権の確立、さらに、地方分権の財政的裏づけを確保するため、大手銀行への外形標準課税の導入に踏み切ったことは高く評価できる。これを契機に、今後も引き続き自治体の財政確保、あるいは国と地方をめぐる税財政制度の議論を深め、具体的に改善を図っていく必要がある。
 今回の新年度予算は、財政構造改革に着手しつつ、効果的な景気対策の実施や多様な都民ニーズに的確に対応するという二律背反的な要請にもこたえていかなくてはならない。その意味で、対前年度比二〇%減という投資的経費ではあっても、都営住宅へのエレベーター設置などの改善、渋滞解消など都市交通網の整備、病院や学校等の耐震化促進等、景気効果の高い都市型公共事業、生活関連、防災関連公共事業を着実に実施していく予算となっていることを評価する。
 一方、保健と福祉にかかわる予算は、歳出の構成比で過去最高の一一・五%となり、当局の工夫と努力の跡がうかがえる。我々は、将来への明るい展望を伴わない安易な施策の見直しは認められないと、一貫して主張してきた。その結果、元気な高齢者の社会参加に必要なシルバーパス制度が存続し、病気や災害の被災者など真に必要とする人々への都営住宅の家賃減免制度は存続し、乳幼児医療費助成は五歳未満児まで対象が拡大された。また、かねてより主張してきた精神障害者の都営交通無料乗車券交付事業も発足することになった。今後とも、社会のセーフティーネットといえる保健、福祉サービスの整備に取り組んでいくべきである。
 都の財政再建プランでは、平成十五年度までに六千三百億円の恒常的な歳出削減を達成することとしている。しかし、施策の見直しは一定の達成率を確保しているものの、内部努力や歳入確保策については、さらなる努力が必要である。
 二千人超の職員定数削減、全国で最も厳しい給与の見直しなどは高く評価するものの、組織の見直し、民営化やアウトソーシングなどの手法の活用、外郭団体の再編、統廃合、効果的でわかりやすい行政評価制度の導入など、一層の行政改革への取り組みを求めるものである。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、政策報道室についてであります。
 一、都政における重要施策の決定が迅速かつ適切に行われるようトップマネジメントの補佐機能を十分に発揮し、各局にまたがる事業が円滑に推進されるよう積極的に取り組むこと。
 一、東京の直面する危機的状況を解消し、首都東京を再生するため、東京構想二〇〇〇の策定を推進すること。
 一、首都機能移転問題については、本質的な論議が十分に行われないまま、国会等移転審議会から移転先候補地が答申されたが、都として、幅広い反対の世論を喚起し、国に方針転換を強く求めること。
 一、東京都情報公開条例を適切に運用し、都民により一層開かれた都政を確立するとともに、実施機関の拡大を図ること。
 一、テレビ、ラジオや刊行物に加え、インターネットやパソコン通信など、さまざまな媒体を活用し、都民にわかりやすく、きめ細かい広報広聴活動を進めること。
 一、都民の生活に密着した都民相談のさらなる充実を図ること。
 昨今のストーカー被害に関する相談など、新たな事柄にも適切にこたえていくこと。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、スリムで柔軟な行政体質を構築するため、組織定数の見直しや一層の事務改善に努めるなど、徹底した行政改革に努められたい。
 一、東京都監理団体については、統廃合や民営化を推進するとともに、団体の経営評価結果等を踏まえ、役員数及び役員報酬についても経営者の視点から一層の適正化を図られたい。
 さらに、監理団体総点検のための基本指針に基づき、着実に改革を進められたい。
 一、都民生活と深くかかわる情報提供を行っている都のホームページに対するセキュリティーを確立し、都民生活に混乱を来すことがないよう早急に対策を講じること。
 一、地方分権については、国に対し着実な実施を求めるとともに、地方財源の充実確保を働きかけること。
 また、事業の性格を考慮し、区市町村への権限移譲を促進すること。
 一、基礎的な地方公共団体となる特別区の事業実施に支障を生じないよう、必要に応じて都区財政調整の配分割合について適切に対応すること。
 一、区市町村との役割分担の明確化に努めつつ、行政水準の維持向上を図るため、適切な財政補完を行うこと。
 また、多摩、島しょ地域においては、交通基盤の整備を初め、自立化と活性化のための諸施策を推進すること。
 一、大震災から都民の生命と財産を守るために、平素から、警視庁、消防庁、自衛隊との連携強化を図る体制をつくり上げ、情報連絡、避難誘導、救出救護など、総合防災対策の強化に努めること。
 一、私立学校に対する助成については、私立学校が公教育の一翼を担っていることの重要性や都議会決議にもかんがみ、厳しい財政状況にあっても、これまでの助成水準の堅持充実に努めること。
 一、専修学校の充実を図るため、適切な指導に努めるとともに、高等課程に対する教育振興補助の充実及び専門課程に対する補助を新設すること。
 また、実学教育を支える専修学校については、幅広い視野からの検討を重ね、中長期的、総合的な振興方策を明示されたい。
 最後に、選挙管理委員会事務局について申し上げます。
 一、各種の選挙を運営する選挙管理委員会事務局として、来る衆議院議員選挙に当たっては、公職選挙法の精神にのっとり、厳正、公平の選挙が推進されるよう図ること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○河合委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十二年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 平成十二年度東京都予算案は、一般会計において、昭和六十三年、一九八八年度以来、十二年ぶりに六兆円を割り込む五兆九千八百八十億円、前年度比三千百億円、四・九%の減となりました。しかし、歳入歳出の両面にわたる徹底した見直しにもかかわらず、確保された財源は千九百四十億円にとどまり、なお三千二百四十二億円もの財源不足が生じています。引き続き財政構造の転換を図っていくことは当然ですが、分権改革において先送りされている国から自治体への税財源の移譲を早期に図る必要があります。
 石原知事が提案した銀行業等に対する外形標準課税の導入は、このような状況に対する鋭い問題提起であり、将来世代の借金となる国債を乱発しながらも、肝心な課題を先送りし続ける政府を告発するものでもあります。
 福祉と保健は、前年度に比べ減少しましたが、構成比は過去最大の一一・五%となりました。福祉、高齢施策の見直しについては、第四回定例会での私たちの代表質問などを反映したものと評価していますが、障害者施策の見直しについては、障害者及びその家族に大きな負担を強いるものとなっており、より一層の配慮を求めるものであります。
 その他、福祉と保健以外でも私たちが主張してきた都立高校の活性化、創業の支援、自動車公害対策、防災都市づくりなどにおいて意欲的な姿勢も見られることは評価したいと思います。
 使用料、手数料の改定も提案されていますが、これらにかかわる施設、施策については、個々に行政サービス計算書を作成し、収支の現状を都民に公開するよう求めるものであります。
 また、私たちは、現在の財政再建を単なる歳出削減にとどめることなく、国、都、区市町村、そして都民との役割分担の見直し、行政評価制度の導入、PFIの活用など事業執行手法の改革、予算編成、人事制度の見直し、組織体制の再編整備などの都政改革の推進につなげていくべきと考えます。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
 まず、政策報道室関係について述べます。
 一、東京構想二〇〇〇の策定に当たっては、福祉、教育、文化、環境など東京の将来像にかかわる多様な課題について、総合的、体系的に明らかにするとともに、区市町村合併に向けた各自治体の主体的な取り組みや、新たな役割分担を踏まえた広域自治体としての東京都のあり方を見据えて策定すること。
 一、七都県市の連携による東京圏のあり方についての調査検討を積極的に進めるとともに、東京州を初めとした道州制についても調査検討すること。
 一、地域情報化の推進により、経済の活性化、都民の利便性の向上を図るとともに、都民の情報リテラシーの向上、ディジタルデバイドの解消に努めること。
 一、東京都公安委員会(警視庁)の情報公開に向けて、速やかに東京都情報公開条例の改正を図ること。
 一、首都機能移転に関する比較考量に必要な調査分析を行い、都民が首都機能移転問題について判断するために必要な情報提供を図ること。
 次に、総務局関係について述べます。
 一、都政運営の透明性、政策選択の民主化、科学化を進めるため、数値指標を活用した行政評価の本格実施に向けた体制を整備するとともに、来年度の試行結果については施策の見直しや予算編成に適切に反映させること。
 一、おくれている都庁の高度情報化を促進するため、事務手順、組織や制度の見直しを進めるとともに、強力な推進体制の整備を図ること。
 一、これからの都政のあり方を踏まえ、政策課題別の大くくりの局編成と行政分野の統廃合によって間接業務の大幅な縮減を図るとともに、政策部門と事業実施部門の分離、事業実施部門への企業会計の導入等によって、政策形成能力の強化、事業部門の効率化を促進する組織再編成を実施すること。
 一、区市町村の自主性、自立性の向上を図るため、第二次東京都地方分権推進計画を策定し、都から区市町村への一層の権限移譲を進めるとともに、全国の自治体と連携した第二次分権改革に向けた取り組みを強めること。
 一、今後の社会経済状況の著しい変化に際しては、都区財政調整の調整率等について速やかに都区間協議を行い、適正なものに見直すこと。
 一、東京都監理団体については、統廃合等を含めた対策を講じるとともに、各団体の自主性、自立性を高め、経営評価を踏まえた経営改善を促進すること。
 一、私立学校の教育条件の向上、学校経営の健全化、保護者の経済的負担軽減のために、各種助成制度の充実を図ること。
 また、学校財務情報の公開を進めるなど、教育条件のより一層の向上が図られるよう、制度の改善に努めること。
 一、地震等の災害から都民の生命、財産を守り、被害を最小限に防ぐため、学校の避難所機能を強化するなど、各種施策を実施すること。
 一、多摩、島しょ地域の特性を生かした振興発展のために、総合的な施策の実現を図ること。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○田島委員 無所属クラブの意見を開陳します。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が会派は、平成十二年度予算案の編成に当たり、都民生活を守る施策と財政健全化とを二律背反としてとらえることなきよう、徹底した内部努力はもとより、民間企業に負けない効率性を求めた都政運営の実現とともに、歳入確保に結びつく施策の展開が期待できる編成となるよう、強く求めてきたところである。
 特に、銀行業への外形標準課税導入等による税収確保を目指す以上、都としても、構造的改革を先送りすることなく、行政改革、歳出削減、歳入確保により一層努めるべきことも忘れてはならない。借入金に余りにも頼り過ぎ、借入金と自主財源とを混同した歳入歳出構造への懸念を指摘してきた我が会派としては、都債発行額三千九百八十六億円、前年比三〇・四%減、一般会計五兆九千八百八十億円、前年比四・九%減とする緊縮型予算は、厳しいながらも一定の評価をする。
 行財政改革については、特にバランスシート、行財政評価制度、資産アセスメント等々を、単なる資料とすることなく、有効に生かし、将来の都の行方を見据えた真のスクラップ・アンド・ビルドの実現に全力で取り組まれるよう強く要望するものである。いうまでもなく、ゆとり、豊かさの実感できる都民生活の実現こそが都政の目指すべき方向である。あらゆる改革が、そのために展開されなければならない。福祉改革、医療改革の推進はもちろんのこと、道路、公園等々、都市基盤整備の促進、ディーゼル車対策を中心とした大気汚染解消への取り組みを初め、生活環境の改善等、都民生活に直結する課題も山積している。加えて、少子高齢化、世界規模で進むボーダーレス化等を背景に新たに生まれる都民ニーズに迅速に対応しなければ、活力ある都政の実現は望むべくもない。社会構造の変化におくれることのないよう、スピードある事業展開を図ることをモットーに、全庁挙げて日々の業務に励まれるよう強く希望するものである。
 次に、政策報道室に対する意見。
 一、都政から国政を変えるという石原知事が打ち出すさまざまなアイデアや問題提起に対し、迅速かつ的確に対応し、トップマネジメントの補佐機関としての重責を果たされたい。
 一、東京構想二〇〇〇においては、首都東京のあるべき姿をみずから描き、東京から日本を再生していくビジョンを示されたい。
 一、首都機能移転問題については、これまでの一連の流れを払拭するような新たな行動を展開されたい。
 一、東京から日本を再生し、魅力ある首都圏を構築していくために、近隣県市との連携を一層密にするとともに、国や全国知事会等との情報交換をより活発に行われたい。
 一、最少の経費で最大の効果が上がるよう、広報ツールを精査し、都民一人一人が激動する都政の状況を理解できるように努められたい。
 一、都民の声が都政に反映できるよう、情報公開制度の適正な運用に努めるとともに、広聴機能の充実を図られたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、都庁全般にわたる事務事業の抜本的な見直しを行い、組織の再編整備を推進するなど、東京の価値そのものを高めていく行政改革を一層推進されたい。
 一、外部監査制度を積極的に活用し、行政の公正性の確保に努めるとともに、都民の視点に立った行政を推進されたい。
 一、地方分権について、地方自治の本旨を実現するために、国に権限の移譲と自主財源の充実強化を働きかけるとともに、市町村に対する分権についても積極的に取り組まれたい。
 一、多摩地域の振興については、商業、文化、居住環境など都市生活機能の充実や都市基盤整備を推進し、地域の均衡ある発展に努められたい。
 また、島しょ地域の振興に当たっては、地域特性を生かした産業振興や個性豊かな島づくりに一層の支援を行い、島しょ地域の活性化に努められたい。
 一、災害から都民の生命と財産を守るため、都民の防災意識の向上を図るために普及広報を一層推進するとともに、初動対応の迅速化など防災体制の確立に努めること。
 一、私立学校における教育諸条件の整備と保護者負担の軽減を図るため、都議会決議も踏まえ、経常費補助を初め各種助成制度の維持充実に努められたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○石井委員長 以上で予算に対する意見の開陳は終了いたしました。
 ただいま開陳されました意見は、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承を願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○石井委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第三十二号議案、第三十三号議案、第三十五号議案から第三十九号議案まで、第四十一号議案から第五十一号議案まで及び第百八十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了しております。
 この際、本案に対し、野村理事から発言を求められておりますので、これを許します。

○野村委員 日本共産党都議団を代表しまして、議案第三十六号、東京都職員定数条例の一部を改正する条例、議案第四十七号、東京都立科学技術大学条例の一部を改正する条例、第四十八号、東京都立短期大学条例の一部を改正する条例、第五十号、東京都育英資金貸付条例について、反対の立場から意見を述べます。
 第三十六号、東京都職員定数条例一部改正は、行革プランに基づき、職員定数を削減するものです。そのうち、清掃職員の区移管によるもの七千九百九十四人を除き、都立養護施設の廃止による二百九十六名の削減による福祉後退のように都民生活に直接つながるものも多く、反対であります。
 第四十七号、第四十八号議案は、東京都立科学技術大学と東京都立短期大学の授業料値上げと、スライド制導入の条例改正です。長引く不況は、回復どころか、さらに引き続き都民を苦しめ、学生生活にも深刻な事態が広がっているとき、既に二度も否決された値上げと、一度否決されたスライド制の導入を再提案すること自体重大ですが、その上に、二年連続値上げの提案であります。公立大学の任務に照らし、地方自治体が、よい教育を保障するための費用を負担するのは当然であり、国立大学が引き上げたからといって、それに追随して値上げをする理由は全くありません。その上にスライド制が導入されれば、来年度の入学者は二年連続の値上げです。今後、四年制の科学技術大学では、在学中に二度も値上げになる可能性も生まれ、入学時に予期しない負担増が押しつけられることとなります。今後の進学希望者に進学の不安をますます増大させることになり、学生と家族を脅かす両議案には反対です。
 さらに、第五十号議案、東京都育英資金貸付条例の改正には、これまであった、大学、短大生、大学院生への貸し付け廃止が打ち出されています。国の制度が拡充されはするものの、実績上、申請者が皆国制度に採用されるかどうか不確かなまま廃止が先行することは、許されません。よって、反対です。
 その他の議案には賛成することを述べて、意見といたします。

○石井委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第三十六号議案、第四十七号議案、第四十八号議案及び第五十号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石井委員長 起立多数と認めます。よって、第三十六号議案、第四十七号議案、第四十八号議案及び第五十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第三十二号議案、第三十三号議、第三十五号議案、第三十七号議案から第三十九号議案まで、第四十一号議案から第四十六号議案まで、第四十九号議案、第五十一号議案及び第百八十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○石井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石井委員長 この際、所管局を代表して、横山総務局長より発言を求められておりますので、これを許します。

○横山総務局長 お許しをいただきまして、当委員会所管の五局を代表し、一言お礼のあいさつを申し上げさせていただきます。
 ただいまは、本定例会にご提案申し上げておりました予算案の調査及び議案の決定を賜りまして、まことにありがとうございました。この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望につきましては、十分尊重させていただきまして、今後の事務執行に反映させてまいる所存でございます。
 今後とも、よろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、お礼の言葉にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。

○石井委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十七分散会

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