総務委員会速記録第三号

平成十二年三月三日(金曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十五名
委員長石井 義修君
副委員長吉住  弘君
副委員長田島 和明君
理事西条 庄治君
理事星野 篤功君
理事野村 友子君
東野 秀平君
菅原 一秀君
藤岡 智明君
比留間敏夫君
萩谷 勝彦君
藤沢 志光君
川島 忠一君
河合秀二郎君
木村 陽治君

 欠席委員 なし

 出席説明員
政策報道室室長柿沼 伸二君
理事高橋 信行君
政策調整部長岡田 重信君
循環型社会づくり担当部長齊藤 建一君
特命担当部長三好 勝則君
参事三枝 修一君
広報部長中村 正彦君
計画部長関谷 保夫君
調査部長鳥飼 源宏君
首都機能調査担当部長二村 保宏君
都民の声部長中島 建夫君
総務局局長横山 洋吉君
理事行政改革推進室長事務取扱南  靖武君
理事早川 良躬君
理事人事部長事務取扱前川 燿男君
知事室長松田 曉史君
総務部長三宅 広人君
行政改革推進室行政改革担当部長飯山 幸雄君
行政改革推進室組織担当部長山内 隆夫君
主席監察員砂岡  攻君
行政部長松澤 敏夫君
地方分権推進担当部長尾井 幹男君
地域振興担当部長和田 正幸君
参事大原 正行君
災害対策部長佐藤 兼信君
勤労部長高橋  功君
法務部長金岡  昭君
統計部長山本 碩一君
学事部長幸田 昭一君
人権部長田口 正一君

本日の会議に付した事件
 政策報道室関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 政策報道室所管分
 総務局関係
  報告事項
  ・東京都監理団体総点検のための基本指針について(説明)
  ・平成十一年度都区財政調整再調整について(質疑)
  付託議案の審査(質疑)
  ・第三十四号議案 東京都組織条例の一部を改正する条例
  ・第四十号議案  平成十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 総務局所管分
  ・二百二号議案  平成十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 付託議案の審査(決定)
 ・第三十四号議案 東京都組織条例の一部を改正する条例
 ・第四十号議案  平成十一年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
 ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 総務委員会所管分
 ・第二百二号議案 平成十一年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)

○石井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、政策報道室及び総務局関係の平成十一年度関係の付託議案審査並びに総務局関係の報告事項の説明聴取及び質疑を行います。
 これより政策報道室関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、政策報道室所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策報道室関係を終わります。

○石井委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告事項の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山内行政改革推進室組織担当部長 それでは、東京都監理団体総点検のための基本指針についてご説明いたします。
 資料第1号、東京都監理団体総点検のための基本指針(概要)をごらんください。
 1、策定の経緯にありますように、この東京都監理団体総点検のための基本指針は、都政改革の大きな柱の一つである監理団体改革を確かなものとしていくため、都及び各団体が個別に取り組むべき課題に対する解決に向けての基本的方向を示したものでございます。策定に当たりましては、都内部だけでなく、東京の問題を考える懇談会・外郭団体専門部会の委員の方々から、企業経営者の視点に立った意見もいただき、取りまとめたものでございます。
 具体的には、2、基本指針の概要にありますとおり、三つの基本的考え方に立って取り組むこととしております。
 一点目は、団体の設立趣旨等の見直しでございます。民間でできるものは民間でを原則に、団体の設立趣旨等を見直した上で、都民サービスの向上が期待できる団体については引き続き活用し、社会経済状況の変化によって必要性が薄れたものは、団体事業や団体そのものの廃止も含めて検討してまいります。
 二点目は、自律的経営の促進でございます。経営改善計画の策定等により、団体の経営責任を明確にするとともに、人事、給与などは、都と横並びの制度を廃し、団体の経営状況や職員の能力、業績に応じたものとしてまいります。
 三点目は、経営の透明性の向上でございます。引き続き経営評価制度や外部監査制度を活用するとともに、平成十二年四月一日から情報公開制度を実施し、団体の経営内容を明らかにすることによって、経営やサービスの質的向上を図ってまいります。
 以上のような基本的考え方を踏まえ、七つの基本指針のもとに、具体的な取り組みの方向を提示しております。
 最後に、3、今後の取り組みについてでございます。改革を確実に進めていくためには、何よりも団体みずからが改革意識を持って経営改善に取り組むことが重要でございます。そのため各団体は、この基本指針をもとに、平成十二年度から十五年度までの四カ年間の経営改善計画を策定いたします。また、都においても、これと並行して個別団体の点検を行い、総点検結果は、本年秋を目途に取りまとめて公表いたします。点検結果は、平成十三年度予算から反映させていくとともに、早急に対応が必要な団体については、スケジュールにとらわれず、前倒しで適切に対応してまいります。
 続きまして、平成十一年度東京都監理団体経営評価の実施結果についてご報告いたします。
 恐れ入りますが、資料第2号、平成十一年度東京都監理団体経営評価実施結果(概要)をごらんください。
 平成九年度から実施しております経営評価は、本年度で三回目となりましたが、今回はこれまで評価の対象外であった協議団体を新たに評価対象に加え、東京都監理団体全六十四団体について実施いたしました。
 なお、総合評価につきましては、現在取り組んでいる監理団体総点検の中で経営評価制度そのものを見直すこととなったため、今年度は実施しないことといたしました。
 では、財務、事業、組織の各評価項目について概要をご説明いたします。
 まず一、財務でございますが、全団体の事業収入は、対前年度比七・八%増加いたしましたが、総収入に占める都の財政支出の割合は、前年度に比べ四・四ポイント減少し、二九・一%となりました。また、株式会社の十五団体が累積損失を計上し、そのうち四団体が既に債務超過、一団体が債務超過に陥るおそれがあるなど、株式会社の経営状況は引き続き厳しいものとなっております。
 次に、右側のページをごらんください。二、事業ですが、都施設の管理運営事業、ビル賃貸事業、公共交通事業の主要事業のいずれもが厳しい経営状況となっております。
 最後に、三、組織でございますが、団体の常勤役員数は七年度をピークに減少傾向にありましたが、十一年度は団体統廃合の実施などにより対前年度比八・〇%減少し、百六十二名となりました。また、常勤職員数は、社会福祉法人東京都社会福祉事業団の職員数増などにより、対前年度比一八・五%増加し、九千五百四十七名となりました。
 また、平成十二年度予算において、監理団体に対する都の財政支出を六百二十億円、対前年度比二二・六%減、団体職員数は新規委託を除き三百二十三人減とすることとしております。
 なお、資料第3号、東京都監理団体総点検のための基本指針本文及び資料第4号、平成十一年度東京都監理団体経営評価報告書を添付させていただいておりますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 以上で私からの報告を終わらせていただきます。

○石井委員長 説明は終わりました。
 ただいま聴取した報告事項につきましては、資料要求を行うことにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 それではこの際、資料要求のある方は発言を願います。

○東野委員 監理団体の数値的なことは先般資料要求いたしましたので、きょうは監理団体の、中にはというふうに思いますけれども、子会社のようなものがありましたら、それの一覧。
 それから、子会社ではなくても、いわゆる協力会社、もしくは協力団体。
 それから、恒常的というか、日常的に、例えば株式会社等で、パーセンテージを多く占める取引先の一覧をお願いいたします。

○石井委員長 ほかに。――ただいま東野委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認めます。理事者におきましては、要求された委員と調整の上、ご提出いただきたいと思います。

○石井委員長 これより付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第三十四号議案、第四十号議案、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、総務局所管分及び第二百二号議案を一括して議題といたします。
 また報告事項、平成十一年度都区財政調整再調整につきましては、付託議案と関連がありますので、あわせて議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○木村委員 提案されております補正予算の中にございます、市町村合併研究事業について質問いたします。
 まず、この補正予算の中に盛り込まれました市町村合併研究事業とは一体どういうものなのか、ご説明願いたいと思います。

○松澤行政部長 市町村合併研究事業についてのお尋ねでございますが、ご案内のとおり、市町村を取り巻く環境につきましては、少子高齢化あるいは情報化の進展、住民ニーズの多様化、こうした大きな変化の中で、市町村については、新たな行政需要また広域的な行政需要への対応、行財政基盤の強化、こういうことが強く求められているわけでございます。こうした中で、いわゆる市町村の合併につきましては、そのための対応策としまして、地方分権を推進する観点から、重要な選択肢の一つとなっているわけでございます。
 こうしたことから、東京都におきましては、都内四十市町村あるわけでございますが、都内の市町村における合併の検討に資するために、合併に関する要綱を平成十二年中に作成することとしているところでございます。この要綱の作成に当たりまして、市町村の地域特性や地域的なつながりを踏まえる必要があることから、そのための現状分析を行うということで、今回市町村合併研究事業を行う、こういうことにしたものでございます。

○木村委員 今の説明ですと、合併研究事業といいますけれども、これは、ことしじゅうに市町村合併推進要綱という要綱をつくるための事業であるということがわかりました。
 それで、つくろうとする市町村合併推進要綱というのはどのようなものなのか、それから、どういう根拠を持ってやられようとしているのか、その点を説明してください。

○松澤行政部長 東京都がつくる合併の要綱についてでございますが、この市町村合併の要綱につきましては、昨年の七月に市町村合併特例法が改正になりまして、国の方から、八月に市町村の合併に対する指針というものが出されたわけでございます。これを踏まえまして、それぞれの都道府県が合併の要綱を十二年中につくるということで、東京都におきましても、この要綱が都内の市町村においての合併の検討のための素材の一つとして活用されるのじゃないかということでこれをつくると、こういうようなことでございます。
 具体的にこの合併の要綱に盛り込む内容でございますが、この要綱は、市町村が主体的な立場から、市町村の合併について検討するために参考としてつくるものでございまして、中身としましては、市町村合併の意義と市町村合併に対する都の基本的な考え方、あるいは市町村合併を取り巻く状況、さらには市町村の地域の現況、いろんな自然的な条件だとか地理的な条件だとか、公共交通の配置状況、あるいは公共施設の利用、いろいろあると思いますが、こういうような現況、それから市町村の地域ゾーニングを基本としました合併パターン、こういうようなものを盛り込むということでございまして、今年中にそのための基本的な調査等を行いまして、今年中に要綱をつくる、こういうものでございます。

○木村委員 つくられる要綱というのは、昨年自治省が発表した指針、事務次官通達でおりていますけれども、これに基づいてつくったという話なんですね。この通達を見てみますと、今説明がありましたけれども、もっと具体的に踏み込んで、あれこれ書かれています。それは、今部長は、合併というのは、主体的に市町村が進める問題だといいましたけれども、通達によれば、すべての市町村を五つのパターンに分けて、パターンを作成するということになっています。例えば人口五十万人を超える場合は、想定される典型的な地域は、複数の地方中核都市が隣接している場合はどうするか、大都市圏における複数の中小規模の市が隣接している場合はどうするか、人口三十万、二十万程度の場合はどうか、地方中核都市とその周辺の市町村で一つの生活圏を形成している場合、あるいは大都市圏において市街地が連檐した複数の小面積の市が隣接している場合という形で、いろいろパターンに分けて作業を進めるようにということになっているわけです。
 二月二十五日に市長会が行われて、東京都がそこに配った資料というのを私、手元に持っています。東京都市町村合併推進要綱(仮称)の策定についてという資料ですが、今部長がいわれましたように、今の状況の中で、市町村合併が、対応策が――新しい行政需要などに応じていく一つの方策だということが書いてありまして、ここには要綱の主な内容という中に、想定される市町村の組み合わせ、合併パターンということが明記されておって、その合併パターンは、人口規模や面積規模に留意しながら、地域的な特性、地域的なつながり、行政上のつながりなどを踏まえて市町村を組み合わせ、合併パターンを作成する。自治省の通達によって合併パターンをつくる。そして、今後のスケジュールとしては、平成十二年末までに具体的な合併パターンを含む要綱を策定して、関係方面に公表するという資料が配られた。
 これがこの補正予算に組まれている合併研究事業のつながりといいますか、全体像ということになるわけですね。こうなりますと、今東京都下では、保谷市、田無市の合併問題、これは大分具体的になっております。しかし、全市町村がこれからはすべてこの合併パターンに組み入れられて、うちは関係ないということでは済まなくなる、そういう状態になっていくものであります。いずれにしても、市町村にとっては、みずからの地方行政のスタンス、これをどうするかということにいろいろな意味で制約を受ける、そういう非常に根本的な問題、重大な問題だというふうに思うんですけれども、どのように認識をされておりますか。

○松澤行政部長 先ほども申し上げましたが、市町村の合併というものは、何よりもまず、市町村の自主性あるいは住民意思を尊重しながら、市町村みずからが主体的に取り組むことが重要である、必要である、このように考えているわけでございます。
 ただ、市町村が合併を考えるに当たって、やはり都道府県として、広域的な団体として、この合併については必要に応じて助言する、あるいは情報提供するということも、これもまた都道府県の責務でございます。そういうこともございまして、今回の要綱というものは、市町村の皆様が合併を検討する素材あるいは参考資料として、こういうものを使っていただくと。もちろん、合併についてのいろんなお考えはあると思います。合併をする必要がない、あるいは合併をしたいんだけれども、なかなか材料がない、それから合併を検討してみたい、あるいは田無、保谷のように、先生がおっしゃったように、今もう具体的に合併をしている、いろんな状況があると思います。そういうことも含めまして、この合併要綱の中で、いろいろ考える素材を提供していきたい。こういう考え方で、この合併についても考えております。

○木村委員 市長会に配られた資料は、市町村合併推進要綱ですよ。推進が入っているんですよね。あくまで市町村の自主性、住民意思を尊重すると言葉ではいうけれども、東京都のスタンスは、最初から合併推進、そのための要綱じゃないですか。しかも、合併のパターンというのをどういうふうにつくるかわかりませんけれども、一たん、何市と何市はこういうパターンに当てはまるからというようなことが発表されれば、それはそれなりに、ひとり歩きしていくのは、当然目に見えることですよね。
 ですから、幾ら言葉で、東京都はあくまで参考資料を出すんだとかいうふうにいっても、こういう策定の方向に歩み出して、推進の方向でパターンを作成して公表するということになれば、自分たちは合併の問題などは考えていないといっても、おのずと、すべての市町村が国と東京都のそういう方向に制約をされ、誘導される。時間が長くたつか、短いうちに話が具体化するかは別にして、東京都のイニシアチブというものが発揮されて、誘導されていくということに私はなると思うんですね。
 そういう意味では、非常に重大な話なんですよ。こういう重大な話が、なぜ補正予算なのか。なぜ、この年度末のどん詰まりに、いきなり研究事業として議会に提案される、市長会にも説明されるということなのか。これは、全く私はわからないですね。口では、市町村の自主性とか、市町村が主体的に取り組むべき問題だとかいっていながら、腹の中では、ともかくそんなことはお構いなしに、都が考えたスケジュールに合わせて布石を打つということになるんじゃないでしょうか。その点を説明してください。

○松澤行政部長 まず、補正予算に計上した理由でございますが、先ほども申し上げましたように、昨年五月に国の、政府の地方分権推進計画が閣議決定されまして、その後、先ほど申し上げたような経緯があったわけでございます。そういうことを踏まえまして、東京都としても、合併の要綱をつくっていく必要があるというふうなことで、平成十二年中に策定するということでございます。そういうことになりますと、十一年度には、市町村の地域特性あるいは地域的なつながりを踏まえるような、そういう調査をやらなきゃいけないということで、年度途中からそういう話が出てきたこともございまして、補正予算に今回計上をお願いしている、こういうことでございます。
 それから、先ほど合併につきまして、市町村のそれぞれの個々の組み合わせについてやれば、結果的に合併をどんどん進めることになるじゃないかというようなお話もございましたが、この合併のパターンのつくり方については、我々は今まさに検討中でございまして、はっきりしたことは申し上げられませんが、基本的な考え方としては、今後の地域全体の発展を展望しながら、先ほど申し上げましたような、いろんな地理的、歴史的条件などの地域的な特性、あるいは住民の日常生活圏であるとか公共交通の状況とか、いろんなそういう地域的なつながり、こういうふうなものを踏まえまして、まず地域的なゾーニング、地域エリア、こういうものを基本的に置きながらつくっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

○木村委員 だから、そういう重要な問題、根本的な問題、地方自治権の根幹に触れるような問題をなぜ補正予算で出すのか。十二年中にはつくらなきゃならぬから、今出すというふうにいっていますけれども、今年度は、あと二十日かそこらでしょう。新年度の予算で、そして、十分に市町村に提起して事業を進めればいいじゃないですか。
 この補正予算の説明書を見ますと、緊急地域雇用特別交付金を活用して行うと書いてあるんですね。財源は、一般財源は充当せずに、いわゆる雇用特別交付金を使ってやる。なぜ、この問題が雇用特別交付金なんですか。

○松澤行政部長 お尋ねの今回の市町村合併研究事業が、なぜ緊急地域雇用特別基金事業になるんだというようなお話でございますが、ご案内のとおり、緊急地域雇用特別基金事業につきましては、今回、都が緊急に対応すべき事業を民間企業等に事業を委託することによりまして、雇用あるいは就業機会の創出を図ることを目的とした事業でございます。
 今回、市町村合併研究事業につきましては、住民の日常行動圏についてのアンケート調査であるとか、いろんな現状分析調査をやるものでございまして、この調査の実施に当たりましては、新たな雇用の創出が見込まれることから、こうした地域雇用特別基金事業として位置づけている、こういうことでございます。

○木村委員 市町村合併が雇用対策としてやられるというのは、どう考えたって論理的につながらないというふうに思うんですよ。
 この労働省の緊急地域雇用特別交付金の要綱を見ますと、委託事業の範囲というのは、こう書いてありますよ。教育、文化、福祉、環境、リサイクルなど、緊急に実施する必要性が高い事業であると。だから、めぐりめぐって、教育にも文化にも、市町村合併というのは、それは関係はするでしょう、地方自治の話だから。だけれども、市町村の合併というのが、緊急に実施する必要性の高い事業かという話なんです。本当にじっくりと腰を据えて、住民合意をつくっていく、そういうたぐいの事業でしょう。
 さらに、新規雇用・就業の機会を生ずる効果が高い事業であるということなんですよ。どのぐらい大規模な現状分析の作業をやるのかわかりませんけれども、その作業を企業に委託して、そしてやるわけですね。そうすると、雇用の効果が高い事業じゃなきゃいけないというんですから、その受けた会社がそのままやれる事業じゃ、これはまずいわけですね。新たに人を雇うと。しかも、六カ月未満の期間に雇用を限定して、雇用期間は更新しないということが条件です。
 ある会社に、こういう仕事をしてくれと。これは、市町村合併の基礎資料なんですから、かなり専門的な、水準の高い作業になると思います。それを臨時に人を雇って、六カ月間の臨時雇いの人に、いわば仕事を任せる、やってもらうということになるわけですから、これはどう考えても、市町村合併の基礎となる研究事業にはふさわしくないというふうに思うんですね。その点はどういう検討をされたのですか。

○松澤行政部長 先ほど申し上げましたように、この市町村合併研究事業につきましては、もちろん委託先で直接、いろんな専門機関でございますので、調査分析するものもございますが、いわゆる日常行動圏について、住民の方のアンケート調査等もやる、こういう予定になっているわけでございます。
 そういう意味で、この調査の中には、研究員の方もいらっしゃいますが、いわゆる調査員の方、こういう方も一応雇用しながら調査をやっていく、こういうことになっているわけでございまして、そういう意味からも雇用の創出は図られるのじゃないか、このように考えております。

○木村委員 私はやっぱり、そういうところに都の地方分権に対するスタンスが問われるというふうに感ぜざるを得ません。
 それで、補正予算まで組んで、しかも、緊急を要する事業として雇用対策の一環として始める、新年度まで待てないというようなお話でやるわけですけれども、この問題は、市町村にはどういうようにこれまで説明をし、論議を重ねてきたのですか。

○松澤行政部長 市町村に対する説明等のお話でございますが、市町村に対しましては、昨年八月の市長会及びその後の町村会におきまして、国の合併についての指針の内容等を説明いたしました。それから、都においても、合併についての要綱を作成する旨を報告したわけでございます。
 その上で、ことしに入りまして、二月十五日の町村会、それから二月二十五日の市長会におきまして、木村先生の方からも先ほどお話がございましたが、東京都の市町村の合併に関する要綱について、その策定の趣旨あるいは主な内容、策定スケジュールなどについて説明をさせていただいた、こういうふうなことでございます。

○木村委員 説明は、昨年から一、二回あったかもしれませんが、私、先ほどいいましたように、これが合併推進の要綱であるということ、パターンすべてのゾーニングといわれましたけれども、関係のない市町村はないように、この自治省の通達ではなっています。そして、それを作成して公表するということが、市長会に配られている資料の中には出ています。もう明確に一定の方向ですね。私は、これは市町村の自治権を乱暴に踏みにじるやり方だと思うんですね。都と市町村は、上下関係ではないはずなんですよね。ですから、一定の方向を出す前に、どのような作業で、どういう手順で進めていくのか、そういうことをお互いに相談する。そして、東京都の役割分担についてはこうだというふうに明確にして、その役割分担の中で作業に対応するということがあってしかるべきだと思うんですね。
 ところが、市長会に出されている資料では、十一年度においては、市町村における地域的なつながり等を把握するために、現状分析、住民行動圏調査を行うと。これは、三月はあと何日もないのにやるんですね。そして、市町村長に対する合併に関する意向調査をやる。市長は聞かれるわけですよ、あなたのところはどうですかと。これは、一体市町村の自治権というものをどう考えて、こういうことをいったのかということを疑わざるを得ないんですけれども、もう一度答弁してください。

○松澤行政部長 市町村長に対する調査の件でございますが、先ほど申し上げましたように、この合併の要綱の作成に当たっては、まず何よりも、合併に対する市町村長さんの考え方を聞く、あるいは参考にするということが大事だということでございまして、市町村長に対する調査をお願いする、こういうことでございます。
 なお、この調査に当たっては、あくまで合併に対する一般的な考え方を問うものでございまして、例えば市町村長さんに、今後の行政課題はどんなものがあるのか、あるいは市町村の合併の必要性についてどうお考えになっているのかとか、それから、合併の必要性を感じる理由はどういうことですかと、そういうような課題といいますか、そういうものを問うものでございまして、個別具体的に自治体名を挙げた合併の意向を調査するというものではございません。

○木村委員 私は、そういう意向を聞く上でも、要綱の方向を前提にするんじゃなくて、しかも、補正予算で年度末で作業するなどというやり方ではなくて、本当に対等の立場で、自治省が出した通達を、どう東京では具体化するかという話から入るべきだというふうに思います。
 本会議で藤岡議員もお話ししましたけれども、今回の福祉見直しで、老人福祉手当などについては、三月三十日に議会で最終的に条例の決着がつくのに、実施が四月一日からだと。そうすると、市町村にとってみれば、残る一日、間の一日間だけでどうするかということを形式上決めざるを得ない。専決処分をやるか、あるいは東京都が決める前に市町村が決めておかなきゃならないか。いずれにしても、市町村の自治権というのが、そこではもみくちゃにされているわけですよね。それは非常にひどいじゃないかということを、藤岡議員が本会議で質問されましたけれども、私は、ああいうことが、今回の老人福祉手当のようなことが起きるのは、決して偶然ではないというふうに思うんですよ。
 この市町村合併の話だって、こうやって、いきなり雇用対策として補正予算に出される。その直前に、その方向が市長会や町村会に説明がある。何人かの市長に話を伺いましたけれども、はらわたが煮えくり返るような思いをしたというんですよね。一体、市町村をどう考えているんだという、そういうご意見でしたよ。
 石原さんは、今、銀行新税でもって、やれ課税自主権だ、やれ地方主権だということをいっているけれども、区市町村に対しては、一体どういうことをやろうとしているのか。市町村の主権はどうなるんだ、全く矛盾しているじゃないか、そういうご意見もありました。私も、そのとおりだと思うんです。
 ですから、補正予算に盛り込まれたこの方向というのは、地方分権の流れに沿うものではないし、また、現に石原知事がいっている地方主権とも相矛盾するというふうに思いますが、そういう点で、自治省の通達を、ただ単に垂れ流すように具体化するというんじゃなくて、もっと立ちどまって、市町村と会話を深めるということが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○松澤行政部長 この市町村に対する合併の要綱の作成については、先ほども申し上げて、繰り返しになるかもしれませんが、東京都としましては、広域的な自治体として、こうした合併の機運がまず醸成される契機となるように、また、都内の市町村において、市町村合併の検討の素材あるいは参考の目安となるようなものとして、地域の実情を踏まえながら要綱を策定していく、こういうふうに考えているものでございまして、基本的には、市町村合併は、何よりもまず、先ほども申し上げましたが、市町村の自主性あるいは住民意思を尊重しながら、合併機運の高まりのもとで、市町村みずからが主体的に取り組むことがまず基本である、こういうふうに認識しております。

○木村委員 要するに、合併の機運を高めるということがあたかも前提になっていますけれども、そもそもそこから議論しなきゃだめなんですよ。自治体の規模がどのぐらいがいいのかというのは、それは、行政需要や財政事情からいって、このぐらいがいいということは、一つは、一方ではいい得る話ですけれども、もう一方では、住民のコミュニティとか、そういう立場からいえば、違う見解もあり得るわけですね。ですから、合併の機運を醸成させるためにやっていかなきゃならないという、そもそもの前提から出発して、合併推進の要綱をつくる、そのためのゾーニングパターンをつくる、公表するということを、いわば市町村と合意もなしに、東京都がこの年度末から始めるということ自体に、根本的な疑問を私なんかは持つんですね。
 ですから、少なくともこの要綱は、合併推進というんじゃなくて、合併のための、あくまで基礎的なデータ、資料づくり。そして、パターンをつくって公表するなどということについては、もう一度、市町村とよく論議をして、公表するかどうかも含めて話し合うということが私は必要だと思いますけれども、その点についてもう一度説明してください。

○松澤行政部長 今回の合併の要綱につきましては、あくまで都道府県、広域的な自治体の立場として、都内の市町村が合併をする一つの目安、あるいは検討の素材という形でつくるものでございまして、そういう意味から、あくまで東京都の情報提供も含めて行うということでございます。あくまで地域の実情を踏まえながら、市町村の方とも連携をとりながら進めてまいりたい、このように考えております。

○木村委員 推進とパターンの公表というのは取り下げないようですけれども、私は、そのことはきつく要求しておきたいと思うんですね。
 広域的な自治体の立場として、検討して準備をするということは、それは広域的自治体の役割としてあり得ることですけれども、それをどういうふうに進めていくかということについては、関係する市町村、自治体との関係は、あくまで対等の立場で合意をするということが私は前提になると思うんです。今の福祉見直しでも何でもそうですけれども、やはり東京都の都合で、東京都のスケジュールに従って、相手の立場がどうあろうと進めていくということが行われているわけです。これは、石原知事がふだんいっていることとも全く相矛盾することであって、そうしたことをきちんと整理しないで、こういう一方的なことを進めることについては、私は反対です。
 したがいまして、この補正予算についても、我が党としては、この委員会付託分についても同意できないということだけ申し上げて終わります。以上です。

○石井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○石井委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第三十四号議案、第四十号議案、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、総務委員会所管分、及び第二百二号議案を一括して議題といたします。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百一号議案中、歳出、繰越明許費、総務委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石井委員長 起立多数と認めます。よって、第二百一号議案中、歳出、繰越明許費、総務委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第三十四号議案、第四十号議案及び第二百二号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石井委員長 異議なしと認めます。よって、第三十四号議案、第四十号議案及び第二百二号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十分散会

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