財政委員会速記録第五号

令和八年三月十八日(水曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長平田みつよし君
副委員長北口つよし君
副委員長山田ひろし君
理事吉住はるお君
理事岩佐ゆきひろ君
理事あかねがくぼかよ子君
藤崎こうき君
山口せいや君
竹内  愛君
もがみよしのり君
国崎たかし君
大松あきら君
中田たかし君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長山下  聡君
経理部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務稲垣 敦子君
契約調整担当部長須藤  哲君
主計部長佐伯  亮君
財産運用部長松井  裕君
利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務小西  拓君
建築保全部長金子 陽子君
施設整備担当部長五嶋 智洋君
技術管理担当部長検査技術担当部長兼務三宅 雅崇君
庁舎運営担当部長鈴木 光祐君
収用委員会事務局局長小平 基晴君

本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十八号議案 東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
財務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入−財務局所管分、歳出−議会局・財務局所管分、債務負担行為−財務局所管分、都債
・第十六号議案 令和八年度東京都用地会計予算
・第十七号議案 令和八年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十三号議案 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第一号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

○平田委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の予算の調査並びに付託議案の審査を行います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分及び第四十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○平田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○平田委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○平田委員長 これより財務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局、財務局所管分、債務負担行為、財務局所管分、都債、第十六号議案、第十七号議案及び第四十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○稲垣経理部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をお開きいただきたいと存じます。
 最初に、一ページお進みいただきまして、目次をご覧ください。
 資料は、記載のとおり一件でございます。
 一ページをご覧ください。要求資料第1号でございます。
 一九九〇年以降の都議会議員の議員報酬額の推移をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○平田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山田委員 それでは、私からは、これまで本会議であったり予算特別委員会などでも議論になりました地方税制度の見直しと事業評価の取組について詳しく伺っていきたいと思います。
 まず、我が会派は本会議代表質問でも取り上げましたけれども、令和八年度の与党税制改正大綱では、いわゆる偏在是正に向けた追加措置に関する考えが示されております。これまで累次にわたる措置によって、法人二税の国税化が進められてきていますけれども、都の令和八年度予算における影響額は約一・六兆円にも及んでおります。これは、八年度の歳入予算における法人二税の計上額が約二・七兆円だということからすると、仮にこれまでの国の措置がなければ、本来は約四・三兆円の法人二税が歳入計上されていたであろうということです。つまり、国の偏在是正措置によって、都の法人二税のうち実に三七%、四割近くが今、奪われてしまっているということになりまして、これは非常に大きな金額であり、割合としては相当なものだというふうに受け止めております。
 既に、現在、これだけの金額が既に国の方に取られてしまっているということでありまして、さらなる追加措置を行うというふうな道理はないのではないかと思っております。
 国に対してしっかりと都の主張を行っていくべきと思いますけれども、国への反論に当たっては、まず、その措置の根拠とされている内容を把握していくことが重要です。
 そこで、確認の意味も込めまして、直近の措置である令和元年度の税制改正時、国が改正を行った基準はどのようなものであったのか、また、その基準を踏まえたときに、現在において追加措置を行うことは適当といえるのかについて、見解を伺います。

○佐伯主計部長 令和元年度におけます地方法人課税の不合理な見直しの際に、国は、全体に占める地方法人二税の税収のシェアと県内総生産シェア、都の場合は都内の総生産シェアとなりますけれども、これらを比較する新たな考え方を示しております。
 その上で、都の法人二税のシェアがそのときは二六・三%、それから都内の総生産のシェアが一九・九%、これを上回っていたということを根拠に都に税収が集中しているといたしまして、それぞれのシェアを一致させるという観点から税制改正を行っております。
 しかし、現在におきまして、都の法人二税のシェアは一八・五%と、現状の都内総生産シェア、二〇・二%を下回っております。
 このように、令和元年度の税制改正の根拠とされた基準はそもそも現在の状況に当てはまっておらず、さらなる見直しを行うべきという主張は極めて不合理なものであると、このように考えております。

○山田委員 ありがとうございます。つまり、前回の偏在是正措置の拡大の際には、国は総生産に着目して、都の総生産が国全体のGDP総生産の約二〇%であるにもかかわらず、国全体の法人二税のうち都の法人二税が占める割合が二六%だから、都に税収が偏っているというふうな根拠、そういった主張であったということですけれども、現在はそのような状況ではないというふうなご答弁でありました。
 直近の偏在是正の改正のときに根拠とした状況は、現在、既に解消されているということでして、それにもかかわらず、さらに追加の措置を行おうというのは、本当にちょっとなかなか理解が難しいなというところがございます。
 現在において、じゃ、今回、国はどういった理屈でさらなる措置に向けて議論を進めているのかについても、確認と検証を行っていかなければなりません。
 そこで、今般の与党税制改正大綱では、どのような理由で法人二税に関する追加措置を検討すべきとされているのか、それに対する都の見解と併せて伺います。

○佐伯主計部長 令和八年度与党税制改正大綱におきましては、都の財源超過額の状況などを取り上げ、都市と地方の財政力の違いが拡大しているなどといたしまして、法人事業税の不合理な見直しの追加措置を検討し、令和九年度税制改正において結論を得る旨が明記をされました。
 しかしながら、そもそも財源超過額というものは、国が地方交付税の算定に際して、国が独自に定めた基準で計測した理論値にすぎませんで、大都市特有の財政需要が十分に反映されていないといったことなど、都の実態と大きく乖離をしております。
 加えまして、法人二税の令和五年度と六年度の決算の伸び率を比較いたしますと、都は四十七の都道府県の中、三十四位となります七%であるなど、都の法人二税の税収のみが大きく伸びているかのような主張も全くの誤りでございます。
 このように、今回の税制改正大綱で示された内容は事実に基づくものではなく、東京を狙い撃ちするこうした措置に対しては、都は断固として反対をしてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。今、答弁いただいたように、国が根拠として持ち出している財源超過額というのは、国が交付税を算定するために用いている理論上の数字であって、いろんな実態を適切に把握していないのではないかというふうなことだと思います。
 国がいう財源超過額の算定に当たって、都の実態が適切に反映されていない要素というのは幾つもあるというふうに理解しておりますけれども、例えば警察業務に関していって、警視庁、自治体としての警察業務に加えて、国会だったり官邸だったりと、そういった重要施設の安全確保は要人警護など首都警察の業務を遂行しているということですけれども、こういった警察の給与の関係費や首都警察の関連経費の範囲は十分にそういった財源超過額の議論においてはされていないと。
 また、あわせて、消防活動についても、ほかの道府県では一般的に市町村が行っているものですけれども、東京では都が実施している。ただ、こういった消防費の方の反映も適切にされていないと、そういったことがあると思います。
 そういった実態を十分に反映していない、国の一方的な数値に基づき偏在是正を正当化していこうというのは、やっぱり不合理といわざるを得ないというふうに受け止めております。
 また、最近、やはりいろんな議論がある中で、都の行政サービス、特に先進的な子育て支援策、行ってきていますけれども、これをやり玉に上げて、都はお金があるからできるんだとか、やっぱり偏在是正が必要だというような議論もされているようなんですけれども、私はやっぱりそうした主張はあまりに乱暴だというふうに思っています。
 今、日本社会の構造の中で、子供を持つと、キャリアと収入に多大な影響が出てしまう、仕事と家庭の両立が難しい、子育て世代が経済的、社会的に追い詰められてしまうというふうな側面を備えた子育て罰といわれたり、外国ではチャイルドペナルティーとかいわれてしまっているような状況がございます。
 都が子育て支援策を充実させてきたと、それを理由に偏在是正措置を正当化するようなもの、これはいわば子育て支援を罰している、子育て支援罰だというふうに、私としては非常に大きな憤りを感じておるところでございます。
 先ほども述べましたけれども、これまでの措置によって、都民一千四百万人と考えますと、赤ちゃん、子供から含めて、全ての都民一人当たり年間十万円ですね、これ、月額九千円ぐらいになりますけれども、これが既に地方のために使われているということになります。
 既にかなりの金額が地方のために利用されているということなんですけれども、具体的に何に使われているのかというのも、その実態もよく分からない状況があると思っています。
 そこで、これまで偏在是正措置として地方に配分された税金の使途について、具体的な内容は示されているのか、見解を伺います。

○佐伯主計部長 一連の不合理な措置によりまして、国に奪われております都の法人二税は、地方交付税や地方譲与税の原資となっておりまして、一般財源といたしまして他の自治体に配分をされております。
 このため、各自治体におけます使途は明らかではありませんで、納税者でございます都民に対して説明できる状況にはなっていないと、このように認識しております。

○山田委員 今ご答弁いただきましたように、使途が明らかになってはおりませんでして、効果の検証が行われていない中では、じゃ、追加の措置が本当に必要なのかどうなのかというところもやっぱり疑問を禁じ得ません。
 今、法人二税のお話でしたけれども、今回、そればかりか、今般の税制改正大綱においては、特別区の土地に係る固定資産税についても著しい税収の偏在が見られるとして、必要な措置について検討するとされております。
 私としては、特にこの点について強い懸念を抱いておりますけれども、まずそこで、固定資産税を対象にしたこの措置について、今の都の見解を伺いたいと思います。

○佐伯主計部長 固定資産税は、土地や建物などの資産価値に応じまして、行政サービスの対価としてご負担いただいておる市町村税でございます。
 都は、地方に比べて地価が高く、都民や都内事業者には地価に応じた相応の固定資産税をご負担いただいているにもかかわらず、こうした税収を収奪し、所在地以外の自治体に配分することは、応益性の原則をゆがめるものであると考えております。
 こうしたことから、固定資産税を東京から奪い地方に配分する措置は、地方税制の根幹を真っ向から否定する行為にほかならず、都は断固として反対してまいります。

○山田委員 ただいまのご答弁にもありましたとおり、固定資産税は、やっぱり都民が都内に所有する固定資産を根拠に徴収されるものでありまして、固定資産税は、土地、建物といった不動産の周辺環境を形成する都市インフラであったり、公共施設の整備などに充てられるべき性質のものです。これを地方に配分する理屈は私はちょっと理解ができませんでして、現状において、あまりにもちょっと国の政策立案が稚拙ではないかというふうにいわざるを得ないと思っております。
 さらに、都民の特別区の不動産についてだけ、固定資産税の税収がその不動産自体と全く関係がないほかの地域のために使われるということであれば、これ、都内の土地所有者が不当な差別的な取扱いを受けているとして、憲法の平等原則違反の疑いすら私は出てくるのではないかというふうに考えています。
 先ほど話にあった法人二税は、例えば東京に本社が集中していまして、地方の工場などの利益を吸い上げているのであるとか、地方が育てた人材が東京で働いているのであると、そういった指摘もされているところでございまして、私としては、偏在是正すべきとの意図自体は理解はできる面がございます。
 ただ、そういった法人二税に関しても、当然合理的な算定根拠というのは必要であります。しかも既に、現状、法人二税についても三七%、約四割が地方に配分されていますので、これ以上、さらに地方へ税財源を配分していこうというのはエビデンスを欠くのではないか、あまりに合理性を欠く手段は、先ほども憲法の話をしましたけれども、立法目的との関係で、著しく不合理な措置として、これもやっぱり憲法違反というふうなこともいわれかねないというふうに思っております。
 アメリカでは、やっぱり最近のトランプ関税が憲法違反というふうにされたこともありましたけれども、法令だったり施策の憲法違反の有無、これは積極的に司法の場でも争われております。
 今後、政府が講じようとするさらなる措置については、その内容が憲法違反という内容となっていないかどうかをしっかりと検証、反論していただくことも求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 それでは、次は、事業評価、政策連携団体の出捐金について伺っていきたいと思います。
 先日の予算特別委員会において、我が会派からの質問に対し、知事から、令和八年度予算では事業評価の取組の中で有識者意見の活用を進めていくという旨の答弁がありました。有識者の活用は、デジタル、広報、出捐金の三つの重点テーマについて行われるということですけれども、デジタルと広報に関しては、民間企業など行政以外の専門的知見を取り入れることが事業のブラッシュアップにつながっていくというふうなイメージを持ちやすい一方で、政策連携団体に対する出捐金については、都民にあまりなじみがないような事柄であるようにも思われます。そのため、本日、出捐金に関する事業評価について、趣旨や意義を明らかにしていきたいと思います。
 そこで、事業評価の重点テーマの一つとして出捐金を選定した意義について伺います。

○佐伯主計部長 いわゆる出捐金事業でございますが、政策連携団体に対しまして、複数年度にわたる所要額を一括して支出した上で、団体において基金に積み立て、事業を実施する手法でございます。あらかじめ財源を確保することで、年度をまたいだ機動的かつ柔軟な事業の実施につながるものでございます。
 一方、都以外の団体が複数年度にわたる事業の実施を担うことから、事業の実績や成果などを公表することで透明性を確保するとともに、施策の実効性を高めていくことが必要でございます。
 こうした観点の下、令和八年度予算の事業評価におきましては、重点テーマの一つといたしまして出捐金を選定し、行政評価の専門家など外部有識者の意見を活用することで評価の客観性をも高めますとともに、こうした評価を通じて事業の透明性と実効性の向上を図ってございます。

○山田委員 出捐金は、例えば環境施策だったり中小企業支援など、特定の政策分野に精通した団体に対して支出することで、施策の実効性を高めながら、年度にとらわれない機動的な政策実現を行っていけるという面があります。
 ただその一方、議会などによるコントロールが及びにくくなる面もありますから、事業評価の取組を通じてアカウンタビリティーの確保につなげていくということが重要です。
 ただいま答弁のありましたように、そうした観点から、令和八年度予算では事業評価の強化が図られたということですけれども、実際にどのような成果につながったのか確認したいと思います。
 そこで、出捐金に関する事業評価について、令和八年度予算における具体的な事例を伺います。

○佐伯主計部長 令和八年度予算におけます出捐金に関する重点テーマ評価の事例といたしまして、例えば中小企業の設備導入等を支援する、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業がございます。
 具体的には、本事業の採択件数に関する目標と実績の推移につきまして、年度末残高見込みと併せて公表するなど、事業の透明性を高めております。
 また、本事業の成果の分析に当たりましては、採択件数のみではなく、企業の成長に関する実績データが必要であるとの有識者意見を踏まえ、新たに営業利益が増加した事業数、これをアウトカム指標といたしまして設定をし、効果検証を強化するなど、事業の実効性の向上にもつなげております。
 今後とも、事業評価の取組を通じまして、透明性や客観性を確保しながら、より実効性の高い事業の構築につなげてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。出捐金の事業について多角的な検証が行われているということは理解できました。
 今年度、有識者の意見を用いた六事業については、意見の内容や検証の事例を庁内に広く展開するとともに、今後も引き続き、さらなるアカウンタビリティーや都政課題への対応に向けて取り組んでいただくことを要望いたします。
 最後に、もう一点伺います。
 我々、今回の予算議会では、本会議や予算特別委員会なども通じて、財源確保に関する重要なテーマである偏在是正措置であったり、またワイズスペンディングを制度的に担保する事業評価と財政運営に関する二つの重要なテーマについて伺ってまいりました。
 これらは一見、別の議論のようにも思えますけれども、事業評価は、都の財政再建期、これ、自助努力で乗り越えてきた事業見直しというのを引き継いだものであると。また、財政再建を達成後すぐに導入されてしまった偏在是正措置による財源の収奪にも対応していくということにも役割を果たしてきたというふうなことも伺っております。
 現在、今般、さらなる偏在是正の動きも見える中で、こういった国の不合理な動きにも対応しながら、やっぱり都政を前に進めていこうというためには、こういった過去の歴史から学ぶ必要も重要ではないかと考えております。
 こうした観点から、最後に、財政再建期の対応のご経験もあるというふうに伺っております山下財務局長にもお伺いをしたいと思っております。
 改めて、都財政の歴史を振り返りながら、今後の都の施策展開を支える財政運営の在り方について、局長の考えを伺いたいと思います。

○山下財務局長 お答え申し上げます。
 今、副委員長からお話しいただきましたとおり、私は、実は平成六年に財務局主計部に異動、転入となりまして、一旦平成十五年に離れたんですけれども、その間の財政環境というのは、今の状況とは全く異なる状況でございました。ちょうど平成になると同時にバブル経済が崩壊して、その対策として国は公共投資の拡大を方針としていたわけですけれども、当時、自治省出身の知事もいたということもあって、その国の対策に呼応するように投資的経費を増やして、その財源は起債に頼ると、こういう状態でございました。
 ところが、一方で都税収入は低迷をしていて、時には四兆円を下回る、こういう財政環境でありました。
 平成十年度の一般会計の決算におきましては、実質収支で一千六十八億円の赤字ということになりまして、ところが、先ほどもご議論いただきましたけれども、そのときですら、交付税、地方交付税上の算定は、東京都は財源超過があるということで、地方交付税の不交付団体ということで、国は何らの支援もしないという状況でございました。
 したがいまして、まさに財政再建団体転落の一歩手前というところまで来ましたけれども、東京都は自力で財政再建に取り組むということで、その取組、例えば職員給与の四%一律カットというようなことまで踏み出しましたけれども、まさに全庁一丸となって財政再建に取り組みまして、先ほどのお話のとおり、それが今の事業評価の取組につながっているものというふうに認識をしております。
 その後も、都財政はリーマンショック、あるいは新型コロナウイルスのパンデミックといった経済の影響を受けて、都税収入の大幅な減少に直面した際にも、都民サービスを維持するために様々な努力や工夫により乗り越えてきた歴史がございます。
 また、もう一面には、国による不合理な措置に代表されますように、国との間で厳しい財源をめぐる闘いの歴史もございます。
 こうした経験の中で分かりましたことは、必ず景気の波は訪れ、都財政はその影響を避けられないということであるというふうに思っております。このため、ワイズスペンディングの観点で無駄をなくす不断の努力を日々徹底すること、そうして生み出した財源を、税収が好調なときには将来への備えとする。一方で、都民や事業者が厳しい状況に直面した際は、この培った財政対応力をいかんなく発揮することで、財政面から都民生活を支えていくことが求められているというふうに認識をしてございます。
 また、いわゆる偏在是正につきましては、これは今お話がありましたように、財政再建を果たした、一息ついたときに、平成二十年の税制改正から襲いかかってきたものでございますけれども、これに対しましては様々なファクトを示して反論をいたします。
 そもそも限られたパイを奪い合うような内向きな議論を行っているばかりでは、激動する世界に向き合っていくことはできないというふうに考えております。やはり真の地方創生につながる、日本全体の成長戦略にも資する地方税財源全体の拡充に向けて、国に働きかけていくことが必要であるというふうに考えてございます。
 今後とも、都政に課せられた使命を財政運営の面から果たしていけますよう、各局とも十分に連携をしながら全力を尽くしてまいりたいというふうに考えてございます。

○山田委員 ありがとうございます。力強いご答弁いただきまして、ありがとうございます。困難な状況が続く中でございますけれども、引き続き都政を支える財政運営に全力で取り組んでいただきたいと思います。以上です。

○吉住委員 私はまず、都民広場のにぎわい創出などについて伺います。
 都は、令和六年三月に、都庁周辺の空間再編計画を策定し、都民広場を誰もが自由に憩い、交流できる場として、にぎわい創出に取り組んでいます。昨年度には、都民広場に芝生が整備されるとともに、椅子やテーブルなどが設置され、飲食や休憩を楽しむ来庁者の姿が徐々に増えてきているように感じています。
 また、ピックルボール等のスポーツ体験機会の提供やキッチンカーの出店など、誰もが立ち寄れる親しみやすい都民広場となってきています。
 西新宿地区全体の再整備に先駆けた都民広場での様々なにぎわい創出の取組は、都庁のみならず、西新宿地区の魅力向上への貢献も目指していただいていると私は理解しています。
 この都民広場において、さらなる取組を行い、日常的に国内外からの来庁者でにぎわう場となってもらうとともに、都政に対してもより親しみを感じてもらう機会を増やしていただきたいと思っています。
 年間二百万人を超える観光客が訪れる展望室と都民広場との連携や、SNSでの情報発信の工夫により、これまで以上に都民広場への人の流れを生み出していただければと思います。
 そこで、都民広場で楽しく滞在できる取組に加えて、新たな人の流れをつくり出すことで、さらなるにぎわいの拠点とするための取組が必要と考えますが、見解を伺います。

○鈴木庁舎運営担当部長 これまで、都民広場におきまして、椅子やテーブルの設置に加え、子供も楽しめるハンモックや、日差しをしのげるパラソルも用意するなど、日中から夜間まで飲食や休憩ができる憩いの空間を演出してまいりました。
 来年度は、都庁のお勧めスポットの写真を広く募集したフォトコンテストの結果を踏まえまして、展望室に入選作品を紹介するとともに、都民広場に写真映えするスポットを設置し、撮りに来る、SNSで発信する、また訪れるという好循環を生み出してまいります。
 また、集客力の高い展望室を生かし、入り口での行列から一旦離れて都民広場等でゆっくり過ごした後に、スムーズに展望エレベーターに乗っていただく仕組みを整えることで、展望室から都民広場への新たな人の流れを創出してまいります。
 これらの取組によりまして、都民広場の魅力と認知度の向上を図り、国内外からの来庁者にとって日常的ににぎわいを感じられる空間となるよう取り組んでまいります。

○吉住委員 今後、都民広場に、写真映えするスポットに加え、ウッドデッキを設置していくとのことですが、ぜひ多くの方々がそこで楽しみ、滞在できる、魅力ある場をつくってもらいたいと思います。
 都民広場のにぎわい創出の取組をより効果的なものとするためには、新宿駅や都庁前駅から、またはタクシーなどの車で都庁を訪れた方が、都民広場や展望室などに迷うことなく快適にアクセスできる環境を整えることが重要です。
 しかしながら、都庁舎は一階、二階が立体構造となっており、来庁者が目的地にたどり着けずに周辺で迷っている姿を見かけることも少なくありません。にぎわい創出の取組を真に定着させていくためには、ハード、ソフト両面からの案内の分かりやすさの向上が不可欠です。
 都は、来庁者が都民広場や展望室に向かう際などに迷わずスムーズに移動できるよう、今後どのような案内の工夫に取り組んでいくのか、見解を伺います。

○鈴木庁舎運営担当部長 来庁者が都庁舎内のそれぞれの目的に応じた行き先にお越しいただくために、様々なアクセス手段に応じて、エレベーターなどの場所や動線について分かりやすくお知らせする各種サインの充実を図ってまいります。
 具体的には、議会棟地下のサンクンプラザから一階に上がるエレベーターやエスカレーターの場所を分かりやすくお知らせし、展望室入り口や都民広場への円滑な移動を実現するなど、実際の動線を想定したサインを設け、来庁者の利便性を高めてまいります。
 また、ベビーカーや車椅子をお使いの方などのスムーズな通行のため、都庁前駅、四号街路、新宿中央公園からそれぞれ一階と二階を移動できるよう、バリアフリールートのサインの設置について、引き続き取り組んでまいります。
 今後、こうした取組を検証しつつ、ユニバーサルデザインや多言語対応にも配慮しながら、関係局と連携し、来庁者目線に立った分かりやすい案内の取組を進めてまいります。

○吉住委員 都民広場を誰もが自由に訪れ、快適に滞在できる場所とするためには、分かりやすい案内の取組が大切だと考えます。また、エスカレーターの上り下りの運用の見直しなど、検討をお願いします。
 また、今後計画されている都庁周辺の空間再編計画に基づいた工事により、四号街路から都庁へ迎え入れるスムーズな動線が整備され、誰もがアクセスしやすい都民広場となることを期待しています。
 都庁舎は東京のシンボルであり、これまで以上に魅力的な空間として気軽に立ち寄り、楽しめる場所になることを改めて要望して、次の質問に移ります。
 次に、物価高騰対策について伺います。
 物価高騰の影響は長期化しており、都民や都内事業者は引き続き厳しい状況にあります。アメリカとイランの紛争など、中東情勢はさらに悪化しており、原油価格への影響は予断を許しません。
 社会経済情勢の先行きが見通しにくい中、都民や事業者に対し、行政としてどのように寄り添い支えていくのかが、これまで以上に問われていると考えます。
 こうした中で、令和八年度予算において、都は、今年度に引き続いて水道基本料金の無償化を実施することとしています。
 我が会派の要望を踏まえ、都民の命と健康と暮らしを守るため、迅速かつ直接的に都民や都内事業者へ支援を行うことは評価しています。一方で、物価高騰が長期化する中にあっては、なぜ水道基本料金の無償化という手法を選択したのか、その政策的な位置づけや狙いを改めて確認したいと思います。
 都は、どのような考えに基づき、水道基本料金を無償とすることにしたのか、見解を伺います。

○佐伯主計部長 物価高騰の影響が続く中、今年の夏に予想される猛暑におきまして、都民がエアコン等の利用を控えることのないよう必要な支援を行うことが重要であると考えております。
 そこで、光熱水費の負担軽減に向け、スピード感を持って都が独自になし得る対策といたしまして、自らが水道事業を運営する立場であることを踏まえ、今年の夏に限り、水道料金の基本料金を四か月分無償とする臨時的な特別措置を実施いたします。
 こうした都民生活の応援にも資する暑さ対策を実施することで、この夏を都民が安心して暮らせるよう、環境を整えてまいります。

○吉住委員 本来、水道料金は、基本料金も含め、受益者負担が原則であり、施設の維持管理や更新をはじめ、サービスを適切に提供するために必要な経費を、利用者に料金として応分の負担をしていただくというのが東京都水道局の見解です。
 ただし、物価高騰の影響は続いており、実質賃金はマイナス傾向であることなどから、今回に限っては、財源を一般会計から充て、水道事業の維持に影響を与えないようにした上で、臨時的な特別措置として行うものと理解をしています。
 他方、今回の基本料金無償化の財源は、使用料から出ているのか、税金から出ているのか、都民にとっては分かりづらいと思います。ややもすると、今後も基本料金を負担しなくてもサービスが受けられるのではという誤解を招くおそれもあります。
 こういった問題意識から、改めて基本料金無償化の考え方を確認させていただきました。
 一部では、年間を通じて行うべき、従量部分も行うべきという声も聞かれますが、都全体の政策決定や財政運営などに与える中長期的な影響も踏まえた十分な検討が必要だと考えます。その時々の状況に応じて施策の効果を見極め、的確な支援を講じていくことこそが重要だと考えます。
 そこで、物価高騰対策について、都はどのような考えに基づき実施しているのか、見解を伺います。

○佐伯主計部長 都はこれまで、物価高騰の影響から都民生活や中小事業者等を守るため、セーフティーネット支援や賃上げ等の取組への支援など重層的な対策を講じ、着実に実施しております。
 物価高騰対策につきましては、国の経済対策の動向を踏まえつつ、物価の状況など社会経済情勢を的確に把握した上で、総合的な判断により必要な取組を実施しております。

○吉住委員 引き続き、情勢を的確に捉え、効果的な施策を展開していただきたいと思います。
 物価高騰対策はもとより、強靱化の取組や道路整備、鉄道ネットワークの強化など、東京には膨大な財政需要があります。日本の持続的な成長のためには、東京の成長は欠かせません。東京一極集中を懸念する声もありますが、東京の集積のメリットを生かさなければ、この熾烈な国際競争を勝ち抜くことはできないと考えます。
 加えて、加速度的に進む高齢化に伴う社会保障費の増加など、東京には様々な課題も山積しています。このような課題に適切に対応していくためには、都財政としてのいわば体力が必要です。財政当局の言葉でいうと、強固な財政運営ということになると思いますが、中長期的な視点に立ち、これを維持していくことが重要です。
 一方で、そもそも都の税収は、先ほどからお話がございますが、景気動向に大きく左右されるものです。中長期的な視点に立ち、先ほど私がいろいろ申し上げたような都政の課題に的確に対応していくためには、堅実な財政運営を行っていくべきと考えますが、最後に、財務局長の見解を伺います。

○山下財務局長 今、理事からお話しいただきましたとおり、日本が今後とも成長していくためには、東京の成長は欠かせないというふうに認識しております。
 今ご指摘ありましたが、東京には既に政治経済の機能が集積をしておりまして、また、物流にせよ情報にせよ、様々なものがつながっております。いわば我が国最大の、ちょっと横文字になって恐縮ですけど、コネクターハブではないかというふうに考えております。国家としても、国家が成長していく上で、この東京をうまく使わない手はないんではないかというふうに思っております。
 そのためにも、東京へのさらなるインフラ投資というのは重要であるというふうに考えてございます。
 また、今ご議論いただきました足元の物価高騰への対応、あるいはお話にあった社会保障費の増加、または安全・安心、首都の強靱化など、都政を取り巻く課題は山積をしております。
 こうした中で、東京都が今後とも必要な施策を講じていくためには、すなわち今お話のあった都政の体力といいますか、私どもの言葉でいうところの強靱な財政基盤を堅持することが重要であるというふうに考えてございます。
 このため、令和八年度予算では、予算要求の段階でマイナスシーリングをいたしまして、これに加えて、事業評価を通じた見直しにより、過去最高の一千三百五十億円の財源を確保したところでございます。
 加えまして、補助金の執行状況の総点検を行いまして、過去の実績を踏まえ、百二十六億円を精査するなど、無駄をなくす取組を一層強化をいたしました。
 また、ご指摘のあった中長期的な視点から、基金残高はリーマンショック前とほぼ同水準の残高を確保いたしました。と同時に、都債残高はこれを着実に減少させておりまして、将来に備えた財政対応力を培う手だてを講じております。
 今後とも、いかなる財政環境におきましても、東京の成長に向けた施策を積極的に展開できますよう、堅実で持続的な財政運営に努めてまいります。

○吉住委員 ありがとうございました。我が国は、長きにわたり続いてきた低成長の状況を打破し、将来に向けた発展へと展開していくため、積極果敢に行動を起こすべき局面にあります。
 首都東京が、ポテンシャルを最大限に発揮して、日本全体の成長に資する取組を積極的に展開するとともに、それを支える堅実な財政運営を継続していくことを求めて、私の質問を終わります。

○岩佐委員 では、今、吉住理事からも質問がありました水道料金の無償化について、今回質問させていただきたいと考えております。
 今年度は補正予算で、私、審議のときにいなかったんですけれども、この予算を計上して、今回は本予算に計上というところで理解をいたしました。
 今、この質疑の中で、物価高騰で実質賃金がマイナスの状況が続く中で、今年の夏もこの暑さ対策というところで、熱中症対策ということで、光熱費、水道料金の負担軽減を図るために、新年度も四か月間、基本使用料の無償化をするというところで大体は理解をしたところであります。
 昨年の十二月の補正予算の際に、この東京アプリ、このもともとの七〇〇〇ポイントにプラスで四〇〇〇ポイントで無償化をしたというところで、その中で、この予算が四百億円というところでございました。物価高対策というのは当然全ての方に関わるものなので、当然にできるだけ広くに恩恵ができる物価高対策の方がいいんではないかということの中で、この東京アプリに関しましては、やはり制度として、マイナンバーがなくてはいけない、そしてそれにひもづけて、当然、このスマホを持って東京アプリからひもづけて申請をしなくてはいけない。当然、この水道料金の無償化の方が、同じ四百億規模であれば適しているのではないかというところの中で質問させていただいたと思います。
 その中で、この水道料金の基本料金を無償とする取組の予算化を主張してきたわけでございますけれども、さきに四定補正で東京アプリ生活応援事業を予算化した理由と、その後、八年度当初予算で水道料金の基本料金を無償とする取組を予算化した理由をお伺いいたします。

○佐伯主計部長 東京アプリ生活応援事業につきましては、物価高騰の影響が長期化し、都民生活が依然として厳しい状況にある中、東京アプリのポイントを活用し、都民の生活応援を強化するため、国の重点支援交付金も活用いたしまして、令和七年度十二月補正予算において措置をしたものでございます。
 また、水道料金の基本料金を無償とする取組でございますが、昨年末に公表された今年の夏の暑さ予想を踏まえまして、都民生活の応援にも資する暑さ対策といたしまして、令和八年度当初予算案に計上したものでございます。

○岩佐委員 答弁ありがとうございます。十二月補正の際も、東京アプリの部分の増額というのがあったんですが、金額的には増額にはなったんですが、制度上は変わっていない。つまり、先ほどいったように、マイナンバーの申請をするというところは、取って申請をするというひもづけの部分も変わってはいなかったところであります。
 今回のこの補正の部分では、ゼロ歳から十四歳に関しましてはプッシュ型の通知という形で、かなり広く受け取れるようになりました。この点は高く評価をするとともに、今回私どものいっていた水道料金の基本使用料の無償化、この部分が無償化したという部分も大変高く評価をするところであります。
 令和八年度の当初予算における水道料金の基本料金を無償とする取組は、どのような経緯で、この財源も含めて予算化に至ったのか、この点についてお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 水道料金の基本料金を無償とする取組は、昨年末に公表された今年の夏の暑さ予想を踏まえ、関係局から追加要求がございまして、財務局におきまして、財源も含めて要求内容を精査した上で、一月の知事査定において報告をいたしまして、了承を得た後、予算案として発表したものでございます。

○岩佐委員 都において様々な物価高対策があるという中で、ただ財源という部分では当然限りがある中で、その中で予算化する優先順位というのがあると思います。当然、この物価高対策も、各局がいろんなものを上げてきて、最終的に水道料金の基本使用料の無償化というのを今回していこうということになったと思うんですが、予算化する優先順位として、水道料金の基本料金を無償とする、四か月間無償化した理由、この点についてお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 令和八年度予算におきましては、物価高騰の影響を踏まえた取組といたしまして、水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置に加えまして、フードパントリー緊急支援事業や、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業など、合計一千九百九十一億円を計上いたしまして、必要な対策を講じております。
 あわせて、令和七年度最終補正予算におきましても、子育て応援プラスなど、合計九百二十七億円を計上しており、当初予算と合わせて重層的な支援を講じております。

○岩佐委員 ありがとうございます。先ほど申したように、いろいろな財源がある中で、東京都としてその予算化をしていく上で、各局からもいろんなことがあって、そういう中で、財務局が、その中で予算化をしていくわけでございますけれども、その中で、例えばどんな案が出て、例えば誰かがいわなきゃ必ずその案は出てこないわけで、どんな案があって、最終的にどういうふうに協議をして、その部分がこれは都民のために必要だということで予算化されたかと、この点については、今、一つ前の質問でこの財源の部分も聞かせていただいたんですが、都民が納めた税金ですので、より都民に分かるような形で、なるべく公表していただければ、都民としても分かりやすいのかなというふうに感じます。今後、ご検討よろしくお願いいたします。意見です。

○大松委員 私からも、令和八年度予算案について質問いたします。
 東京では、首都直下型地震発生の切迫性が年々高まっているとともに、近年の気候変動によりまして記録的な豪雨や台風が相次ぎ発生するなど、大規模水害の危険性も顕在化してきているところでございます。
 都議会公明党はこれまでにも、一貫して大都市首都東京の防災力を高め、都民の生命と暮らしを守る対策の強化を東京都に求めてまいりましたけれども、来年度もさらにこれを、着実に取組を進めていっていただきたいというふうに思います。
 そこで、災害対策で重要なことは、災害を未然に防ぎ、被害を最小限にとどめるためには、大規模の建設、土木工事が、これが必要でありまして、それを前に進めていくためには、財政の裏づけが不可欠であるということでございます。
 この点、令和八年度予算案には、TOKYO強靱化プロジェクトに関する予算が、前年度に比べて六百九十二億円を積み増した約九千億円が計上されておりますので、来年度、防災、減災対策はさらに加速をされていくものと評価をしたいと思います。
 その上で、この財政運営におきまして重要な柱となりますのが、基金と都債の活用であります。
 本日は、この基金と都債の観点から、防災力の向上に向けた東京都の取組について質問をいたしたいと思います。
 まず、基金の活用についてでありますが、TOKYO強靱化プロジェクトを着実に推進していくための財源として、都は、東京強靱化推進基金を設置しております。
 そこで、令和八年度予算におきまして、東京強靱化推進基金が具体的にどのような事業に充当をされているのか、説明を求めます。

○佐伯主計部長 令和八年度予算におけます東京強靱化推進基金につきましては、合計二千六百五十二億円を活用し、調節池の整備や無電柱化の推進などのハード面の対策に加えまして、マンションの耐震化に係るプロモーションや、感震ブレーカーの設置促進に向けた普及啓発など、ソフト面の対策にも充当しております。
 今後も、TOKYO強靱化プロジェクトを推進し、自然災害等の危機から都民の命と暮らしを守るため、東京強靱化推進基金を戦略的に活用してまいります。

○大松委員 この強靱化推進基金が、調節池の整備に活用をされているということであります。申し上げるまでもなく、調節池は東京の防災力を向上させるために極めて重要な設備でございます。
 私の地元北区は、石神井川が流れておりまして、JR王子駅付近で隅田川に合流をしております。私、二十一年前に都議会議員に初当選をいたしましたけれども、それ以降、これまでに、この石神井川、二回、この王子駅周辺で氾濫をいたしまして、多くの床上浸水、この被害が発生をしております。このため、今、この石神井川には、中流、上流に地下調節池の整備が進められているわけでございまして、この進捗によりまして、河川氾濫の危険性は着実に減少してきております。
 二〇一九年の台風十九号では、JR王子駅付近で、この石神井川の水位が天端まであと一・七メートルというところまで来まして、いよいよ溢水をしてしまうかなというような状況でありましたけれども、その当時、既に練馬区内に完成をしておりました白子川地下調節池にこの石神井川の水を流し込むことによりまして、下流でありますJR王子駅周辺の水位を下げることができました。それ以上上がらなかったということでございます。
 また、北区内には、石神井川とともに荒川も流れております。もしこの荒川が氾濫をすれば、江東四区を含む流域十七区内で約二百七十万人の住民が避難しなければならないという未曽有の大規模水害になります。
 そこで、この荒川につきましても、石神井川と同様、洪水を防ぐために、上流の埼玉県内の河川敷に調節池の整備が進められております。これは国の事業ではありますけれども、東京都民の安心・安全のためでありますので、都は事業費の約二〇%拠出をしているところでございます。
 先ほど申し上げました二〇一九年、台風十九号のときには、この荒川も北区岩淵付近で、避難勧告が発令される氾濫危険水位まであと五十センチというところまで水位が上昇いたしましたけれども、このときも、既に一部完成をしておりました荒川第一調節池に水を流し込むことによって、この水位をそれ以上上げなかったというようなことがございました。
 近年、各地で発生する水害が激甚化していく中で、こうした防災効果の高い調節池の整備は急がなければなりませんけれども、地下、河川敷に雨水をためる巨大な空間をつくるという、非常に大きな事業で、大規模事業でありますから、巨額の予算や整備に、また期間を要するということも事実でございます。
 また一方、この調節池整備による恩恵は、現在の都民にとどまらず、将来世代まで長期に及びます。こうした観点を踏まえれば、調節池などの整備を進めるには、基金の活用に加えて、都債を活用することも考えていかなければなりません。
 東京都は、こうした事業に基金のみならず都債を活用して、東京の強靱化をたゆみなく進めていくべきと考えます。東京都の見解を求めます。

○佐伯主計部長 景気変動の影響を受けやすい歳入構造にございます都が、様々な課題に対し、安定的かつ計画的に対策を講じていくためには、基金に加えまして、年度間の財政調整機能や世代間の負担の均衡を図る機能を有します都債について、将来負担も見据えながら、適切に活用していくことが重要でございます。
 こうした考えの下、都は、調節池の整備や防潮堤のかさ上げなど、大変期間がかかる、複数年度にわたりまして整備が必要となります都市の強靱化に資するインフラ等の整備、これの費用などに、財源として都債を充当しております。
 今後とも、将来にわたり、TOKYO強靱化プロジェクトを着実に推進していくため、都債を戦略的に活用してまいります。

○大松委員 この調節池などのインフラ整備の恩恵は、現在の都民にとどまらず、将来世代まで長期に及びます。そうした点を踏まえますと、適切に都債を活用することは重要であります。
 そして、この都債の中で特に注目されておりますのが、都が今年度、新たに発行したレジリエンスボンドでございます。
 レジリエンスボンドは、TOKYO強靱化プロジェクトを推進するために発行されたものでありまして、東京の強靱化、防災対策のために必要な資金を安定的に確保していこうとする都の姿勢を世界の投資家にアピールできる取組でもあると思います。
 そこで、このレジリエンスボンドにつきまして、発行の意義と七年度に発行した成果につきまして伺います。

○佐伯主計部長 お話しのTOKYOレジリエンスボンドの発行意義でございますが、TOKYO強靱化プロジェクトを財政面から下支えするとともに、国際社会に向けて、東京都の強靱化の取組を発信することと考えております。
 今年度は、世界で初めてレジリエンスボンドといたしましての国際認証を取得した上で海外市場で発行いたしまして、三億ユーロ、日本円にいたしまして約五百二十八億円の資金を調達いたしました。
 海外の投資家からは、発行額の七倍を超える購入希望が寄せられましたほか、レジリエンスに特化した債券を発行したことにつきまして、マーケットを切り開くすばらしい取組であるとのお声をいただくなど、注目度も高い起債となりました。
 気候変動によってもたらされる自然災害などに対します都市のレジリエンスが世界の共通課題となります中、都は、TOKYOレジリエンスボンドの発行を通じまして、この分野への世界的な投資を促進してまいります。

○大松委員 海外の投資家からも大変高評価を得たということでございます。海外からの資金を呼び込みながら強靱化の取組が進められる、このレジリエンスボンドの取組をさらに発展させていくことが重要であると考えます。
 そこで、令和八年度におけるレジリエンスボンドの具体的な取組について伺います。

○佐伯主計部長 令和八年度のレジリエンスボンドの取組でございますが、資金調達先の多様化を進め、投資家層の拡大を図りつつ、全体の発行額を前年度と比べましておよそ二倍の規模となります一千億円程度といたします。
 具体的には、国内市場におきましてもレジリエンス分野への投資に注目が高まっている状況を踏まえ、新たに国内投資家向けにレジリエンスボンドを発行いたしますとともに、海外市場におけます発行額をさらに拡大をしてまいります。
 調達した資金の充当先につきましては、TOKYO強靱化プロジェクトの中から、豪雨による内水氾濫の被害を軽減するための下水道施設の整備などの新たな事業を加えながら、気候変動により激甚化する風水害への対策事業などを対象とすることを想定しております。

○大松委員 八年度には、海外投資家向けに加えまして、国内市場向けにも新たに発行されるとのことであります。発行予定額も一千億円程度に倍増するなど、取組が大きく拡充されるということでもございます。
 一方、都債の活用は重要でありますけれども、昨今の金利上昇の動きを踏まえれば、将来世代の負担が過大にならないように十分に留意をしていく必要があることはいうまでもございません。
 その点におきまして、海外市場と国内市場の双方でレジリエンスボンドをはじめとする都債を発行するということ、特に本来であれば国内より発行手続が煩雑でありますこの外債を、あえて手間をかけて発行することにはどのような効果があると考えてのことであるのか、このレジリエンスボンドをはじめとした外貨建て債の発行の効果と今後の方針につきまして、東京の国際的な地位向上という観点も含め、財務局長の見解を伺います。

○山下財務局長 お答えいたします。
 東京都は、昭和三十九年度に初めて海外市場で都債を発行いたしました。それ以来、継続的にこれまで外債を発行しておりまして、実績を積み重ねてまいりました。
 海外市場における都債の発行は、まず資金調達手段の多様化が図れるというメリットがございます。そして、一度に大規模な発行が可能となります。これは、国内発行と異なるスケールで発行ができるということでございまして、手段の多様化とともに、安定的かつ円滑な資金調達に期するものであるというふうに考えてございます。
 加えまして、委員お話しのとおり、調節池のような水害対策は、我が国はもとよりですけど、特にアジア諸国で非常に関心の高い取組であるというふうに認識しておりまして、その国の政府関係者でありますとか土木の技術者が日本に視察に来られて、これが最終的に日本の技術力のアピールにもなりますし、その技術を通じてアジアへの貢献にもつながっているというふうに考えておりますけれども、一方で、金融は経済の血液というふうにいわれていますとおり、幅広い投資家が参加する市場におきまして、私ども、レジリエンスボンドを発行する、このことを通じて、東京の水害対策が投資家、あるいは血液ですので、その先の関係者にも知れ渡るということになりまして、政府関係者や土木技術者に限らない多くの方々が自らの国の水害対策を具体的に考えられる、こういうきっかけになると、こういうものにつながるものというふうに考えてございます。
 さらには、国際金融都市東京の取組ですとか、これを下支えする極めて良好な都の財政状況等をアピールすることができるというふうに認識してございます。
 こうした考え方の下、市場環境が変化する中にありましても、貴重な資金調達と海外における東京のプレゼンス向上の実現などのために、引き続きTOKYOレジリエンスボンドなどの都債を海外市場で発行してまいります。

○大松委員 大変力強い答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。これからも、レジリエンスボンドを発行し、これを契機として、東京のプレゼンス向上を目指していくということでございます。こうした取組が国内外に広く発信されるということを大いに期待をするものでございます。
 冒頭にも申し上げましたように、首都東京は、巨大地震、大規模水害など様々な自然災害の脅威に直面をしております。こうしたリスクの中にありましても、都市機能を維持しながら、一千四百万人もの人々が日々安心・安全に暮らすことができる東京は、世界トップレベルのレジリエンス、強靱性を備えた都市であるというふうに思います。
 今後とも、日本、さらには世界を先導する先進的な役割を果たしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。

○竹内委員 日本共産党の竹内愛です。
 私からは、財政運営、そして都有施設の保全、第三次担い手三法について伺っていきたいと思います。
 初めに、財政運営についてお伺いします。
 都は、国際金融都市東京を実現するとし、新年度予算では、新たなファンドの組成や海外の金融企業の誘致などに、令和七年度比の四・六倍となる百三十五億円の予算を投じています。また、アフォーダブル住宅の供給など、官民連携ファンドを活用した事業が新たに盛り込まれています。
 財源確保の一つの手法として、ファンドの活用が広がっていますが、リスク回避など財政運営上の課題について、財務局としてどのように認識し取り組んでいるのかをお聞きしていきたいと思います。
 まず、事業を実施するに当たって、ファンドを活用する場合に、予算編成において、財務局としてどのように関わっているのかお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 一般的にではございますが、予算編成におきましては、各局からの要求を踏まえ、事業の有効性など様々な角度から分析と検証を行い、都として必要な予算を計上しております。

○竹内委員 通常の他の事業と同様に、予算編成の取組の中で検証しているということです。
 それでは、ファンドの場合、出資金が戻ってこないリスクも伴うと思うんですが、この安全性についての確認はどのように行っているのかお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 官民が連携して施策目的の達成を図るファンドを活用した事業につきましては、事業を所管する関係各局におきまして、専門家から意見を聴取しながら、出資金の毀損リスクを抑える仕組みなどを検討されているものと認識しておりまして、財務局では、他の事業と同様に、各局の予算要求内容を精査する中で確認をしております。

○竹内委員 つまり、ファンドの活用にはリスクがあるということだと思います。
 その上で、各局においてリスクマネジメントがなされているということなんですが、財務局としては、それを確認するルールがないということなんでしょうか。
 産業労働局総務部国際金融都市推進課では、昨年五月に、官民連携ファンドのマネジメント方針を策定し、安全性を確保した上で実施するというふうに記載をされています。各局がファンドの活用を検討する際には、この国際金融都市推進課と相談することになっているとも伺いました。ファンドの活用は高度な専門性が問われますので、当然のことと思います。
 同時に、財政運営を所管する財務局でも、安全性を確認するプロセスを持ち合わせていると思うんです。各局でやっているはずということではなく、この財務局としての確認するプロセス、これをルール化して、安全性の確保を一層高めていただきたいということをお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、都有施設の保全についてです。
 都有施設の保全は、原則として、所有する所管局において行われていると伺っています。一方で、建築保全部では、都有施設の適正な保全を実施するため、東京都建築物等保全規程に係る基準や指針、標準仕様書、標準単価等を示して、各施設の保全業務に活用されているということです。
 そこで、膨大な都有施設の保全の取組について質問をしていきたいと思います。
 まず、建物の保全には、築年数などの情報をデータで管理することが必要だと思います。それらの情報は、保全業務支援システムに入力されていると伺いました。このシステムはどのようなものなのかお伺いをいたします。

○五嶋施設整備担当部長 保全業務支援システムは、計画的な保全に活用することを目的に平成二十二年度から運用を開始しておりまして、築年数などの基本的な情報に加えまして、建物の運用期間中に発生する改修工事内容などの保全履歴を管理するものでございます。
 具体的には、各局の施設管理者が各施設のデータを入力し、保全履歴を継続的に把握することが可能となっておりまして、日常的な点検などにこのデータを利用することに加えて、修繕計画の立案などに活用しております。
 一方、財務局は、システムの管理者といたしまして、システムの保守、運用を行うとともに、庁内の講習会等におきまして、必要なデータを登録することを各局へ促し、また操作方法や活用例を提示することで、各局が保全業務において本システムを有効活用できるように支援しております。

○竹内委員 たくさんあります都有施設の保全履歴を一元化して共有することができるシステムということで、大変重要だなというふうに思います。
 同時に、建築保全部では、このシステムを各局が有効活用できるよう支援しているとの答弁でした。
 そこで、どのように支援を行っているのかお聞きしていきたいと思います。
 財務局では、各局の施設管理者に建築物の保全に関する情報提供を行う、東京都建築物等保全情報連絡協議会を運営していると聞いておりますが、この協議会は、いつ開催をし、どのような情報提供を行っているのか、また参加対象は都の全ての局か、お伺いをいたします。

○五嶋施設整備担当部長 東京都建築物等保全情報連絡協議会は、毎年度、七月と三月の年二回開催しておりまして、その中では、建築物等の保全に関わる基準類及びマニュアルの改正内容や保全に関する各種講習会の案内等、情報提供を行っております。
 本協議会では、施設を保有する全ての局が参加しておりまして、保全に関する必要な情報が全庁に行き渡る仕組みとなっております。

○竹内委員 建築物の保全に係る基準やマニュアルを示し、施設を保有する全ての局を対象に情報提供を行う機会ということです。
 都有施設の保全について、財務局が規程を策定しているわけですから、その徹底を図ることは重要な役割の一つだと思います。同時に、この取組の結果、適正な保全につながっているのかということを確認していくことが必要ではないかなというふうに思います。
 そこでお聞きいたしますが、各局が管理する都有施設が適切に保全されているかどうか、それは誰がどのように確認しているのか、また建築保全部としての関わりについてもお聞きしたいと思います。

○五嶋施設整備担当部長 都有施設につきましては、施設を所管する各局が、都民サービスを提供する場として活用する中で、法令上必要な点検に加えて、施設の劣化状況等を把握し、適切な保全が行われているかを確認しております。
 建築保全部は、各局における施設の状況に応じた効果的な保全業務を推進していくため、基準類及びマニュアルの改正、建築物等の定期点検講習会の開催など、技術的な支援を行っております。

○竹内委員 確認については所管局がやっているということなんですね。
 私は、全ての都有施設をというふうには思っていないんですけれども、基準を示している財務局として、結果においても役割を担う必要があると思うんですね。全てを確認するということは、それは難しいと思います。しかし、やっぱり部分的にでも適切に行われているのかということを確認していく、このことにも責任を負うことが必要ではないかなというふうに思います。
 この都有施設の保全が適切に行われているかということを財務局として確認していくためには、体制強化が必要なんではないかなというふうに思いますが、見解をお伺いします。

○五嶋施設整備担当部長 都有施設の建物用途は多様でありますことから、それぞれの施設を所管する各局が、都民サービスを提供する場として活用する中で、適切な保全が行われているかを確認することが重要でございます。
 財務局は、引き続き各局が適切に施設の保全ができるよう、技術的な支援を行ってまいります。

○竹内委員 所管する各局が保全に責任を持つということは理解するんですけれども、一方で、適切に行う基準を示している財務局がその役割を果たすということも重要だと思うんですね。
 例えば、講習会では、適切に保全されていない例なども用いて、適切な保全とはどういうことかということを示すこともあるでしょうし、実際の現場を見て、そうした例を把握することもあるんじゃないかなと思うんですね。そうじゃなければ、適切な保全とはどういうことなのかということを示すことはできないんじゃないかなというふうに思います。
 都有施設を利用している方ですとか、また教育施設なんかでは、施設がぼろぼろ、老朽化が著しいという声を私たちも耳にします。こうしたときに、きちんとその保全がやられているということを所管局はおっしゃるんですけれども、本当にその基準に照らしてどうなのかということの検証がなされているのかなというふうに思います。
 ですので、それをつくっている財務局として、しっかりその出口の部分、ここでもチェックをする体制を整えていただきたいということを求めて、最後の質問に移りたいと思います。
 最後は、第三次担い手三法についてです。
 担い手三法は、二〇一四年、平成二十六年に、建設業の担い手確保や育成などを目指し、公共工事品確法、建設業法、公共工事の入札契約に関する法を一体で改正したもので、予定価格の適正な設定やダンピング対策の徹底、建設労働者の処遇改善などの具体的措置や基本理念が規定をされました。その際、五年後の見直し規定が盛り込まれ、二〇一九年には新担い手三法として改正をされました。適正な工期や請負代金による請負契約の締結など、一層の改善を図る内容が盛り込まれました。そして、最初の一体改正から十年後となる二〇二四年に、第三次担い手三法の改正が行われました。
 こういった改正が繰り返し行われてきた背景には、建設業界が置かれている背景が影響していると考えます。従事者の高齢化や人手不足が深刻化していまして、法に基づく対策が急務となっています。
 東京都においても、この法の趣旨を踏まえた実効性ある対応が求められます。
 そこで、まずお伺いしますが、第三次担い手三法が制定された背景と法改正の意義について、都の認識をお伺いします。

○須藤契約調整担当部長 令和六年六月に成立した第三次担い手三法は、建設業への就業者の減少などを背景といたしまして、インフラ整備の担い手で地域の守り手である建設業等がその役割を果たし続けられるよう、担い手確保、生産性向上、地域における対応力強化を目的に改正が行われたものと認識しております。

○竹内委員 多くの都有施設ですとか、インフラ整備を抱える東京都にとっても、この建設業をめぐる現状というのは放置できない大変重要な課題だというふうに思います。自らの問題として捉える姿勢が求められております。そのためにも、都として担当部署を決めて、その部署でリーダーシップを発揮し、推進していく体制が必要ではないかなというふうに考えます。
 そこで伺いますが、現状、担い手三法に関わる所管局はどこになるのかをお聞きいたします。

○須藤契約調整担当部長 担い手三法は、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、公共工事の品質確保の促進に関する法律の総称でございます。各法令に規定されている内容は多岐にわたってございまして、都はこれまでも、それぞれの内容に応じて、庁内の各部署が関連部署と連携しながら適切に対応しております。

○竹内委員 公共発注の契約というのは各局ありますから、関わっているということは理解しますし、それぞれと連携して行っているということも理解するんですが、そうした中でも、財務局は契約調整機能を担っておりまして、財務局の事業概要の中でも、国や地方自治体との情報交換を行い、各局に対し、契約事務が円滑に進むよう指導や支援を行っているとあります。契約形態が複雑化する下で、契約調整機能の果たす役割は非常に大きくなっているとも書かれています。このことを踏まえれば、財務局として積極的な役割を果たすことが求められていると考えます。
 都の電子調達システムを見ますと、契約制度の中で、二〇一四年の品確法改正、最初の改正のときですが、このときに、都の取組を紹介するトピックがありました。このように、法改正を受けて都はどうするのかということを発信することは、非常に重要だと思うんです。
 そこで伺いますが、二〇二五年、昨年の十二月の全面施行を受けて、東京都として契約面でどのような取組を行ってきたのか、また取組に当たって、庁内での連携や協議はどのように行っているのかお聞きいたします。

○須藤契約調整担当部長 令和七年十二月の全面施行を受けまして、国が作成する労務費に関する基準を著しく下回る契約の締結を禁止する規定等が新設されたことを踏まえ、都は、本年四月から、入札時に事業者に対して、労務費等を明示した内訳書の提出を求めることとしております。
 こうした取組が適切に運用されるよう、各局の契約担当部署及び工事担当部署による会議などを活用し、適宜共有を図っております。

○竹内委員 四月から内訳書の提出を求める、情報の共有など取組が始まっているということです。
 先ほども少し触れましたけれども、財務局のホームページで契約制度を開きますと、制度の改正や取組を確認することができます。例えば、工事標準仕様書では、品確法などに基づく実施要領を見ることができまして、これ、令和八年四月に改定しましたとなっていて、あら、まだ三月なのにと思いながら見たんですけれども、財務局発出の工事現場環境改善ですとか、業務環境改善などを見ることができます。
 しかし、これも今回の第三次担い手三法の改正に関わって見直しが行われているものなんですが、第三次担い手三法で東京都の取組がどう変わるのか、何が変わるのか、まとまった情報を得ることはできませんでした。一つ一つ探して見つけることはできるんですけれども、全体を掌握することが難しい。また、建設局、交通局、それぞれで発信をしているということもありますので、ぜひこうした個々の情報も含めて、まとめて得ることができるように、取りまとめ部署の設置と情報の積極的な発信を求めておきたいと思います。
 第三次担い手三法の全面施行で具体的な対応が求められている点について伺っていきたいと思います。
 まず、ダンピング受注の防止についてです。
 初めに、ダンピング受注とはどういうものをいうのか、その定義を伺います。また、なぜダンピング受注を防止する必要があるのか、お答えをお願いします。

○須藤契約調整担当部長 ダンピング受注とは、国の通知において、その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結とされております。
 ダンピング受注は、工事の手抜きによる品質低下の懸念があるほか、工事従事者の労働条件の悪化、安全対策の不徹底等につながりやすく、建設工事の担い手育成及び確保に支障を来すものであり、これを防止する必要があるとされております。

○竹内委員 されていると、何か他人ごとみたいないい方なんですけど、続けてお伺いしますが、ダンピング受注を防止するために、都はこれまで、どのような対応を行ってきたのかお答えください。

○須藤契約調整担当部長 都の工事請負契約においては、最低制限価格制度や低入札価格調査制度に加え、価格だけでなく、事業者の技術力を踏まえて落札者を決定する総合評価方式を適切に活用し、ダンピング受注の防止を図っております。

○竹内委員 今、工事請負契約の取組について答弁をいただきました。
 昨年二月の入札監視委員会の部会では、設計等委託における総合評価方式について、見直しの方向性に対する意見交換が行われています。今、紹介いただきました工事契約と同様に、さらなるダンピング受注の防止の徹底が必要ではないかという都の考えが示されておりました。
 特に重要だと思ったのが、基準価格以下というのは、本来確保すべき水準の業務を行うに当たって必要な水準の金額を下回っているということで、何らかのしわ寄せが事業者に生じてきている水準と考えているというふうにおっしゃっています。そして、今、品質の低下が見られなかったとしても、将来的には企業の維持、持続性という形で徐々に影響が出てくる可能性があるとして、その防止が重要で、担い手三法の趣旨に沿っていると、このように見直しの方向性について課長さんが説明をされておりました。なかなかいいこというなというふうに思って読みました。こうした積極的な都の姿勢や取組を、もっと発信をしていただきたいなというふうに思います。
 次に伺いたいのが、法改正を踏まえて、国から、労務費ダンピングを防止するための公共発注者向けガイドラインというのが示されていると思うんですが、これに対して、都はどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○須藤契約調整担当部長 国のガイドラインにおいて、労務費ダンピング調査は、最低制限価格制度等のダンピング対策の実施が十分でない地方公共団体を念頭に、現行のダンピング対策を補完するものとして新たに実施する調査とされております。
 都はこれまでも、最低制限価格制度等を適切に活用することにより、ダンピング対策を行っておりますが、こうした取組に加え、第三次担い手三法の趣旨を踏まえ、国のガイドラインを参考に事業者から提出された内訳書の内容を確認し、入札金額に含まれる労務費等が著しく低い場合には、その理由等を確認する調査を今後実施してまいります。

○竹内委員 都はこれまでも取り組んできたということですが、新たな第三次担い手三法の趣旨を踏まえて、さらに取組を行っていくということで、内訳書の提出を求めるという取組も行っていくというわけですよね。
 今、その理由などを確認する、入札金額に含まれる労務費が著しく低い場合の確認調査については、今後実施をしていくというお話でしたが、この労務費が著しく低い場合の確認調査は、国から既にガイドラインが示されているわけなんですが、都はいつから始めるのかお伺いします。

○須藤契約調整担当部長 調査は、公正かつ効率的に行う必要がございます。調査の実施に当たりましては、労務費が著しく低い場合に実施する理由確認の方法や、契約担当部署と工事担当部署の役割分担など、詳細な制度設計を行う必要がありますが、国のガイドラインにはこうした点まで明確に示されておりません。このため、都の実態や受発注者双方の事務負担等も考慮しながら、現在検討を行っております。

○竹内委員 現在検討中ということで、確認方法などの詳細が示されていないということで、私も国の方のワーキンググループの検討会の議事録を拝見いたしました。十二月に全面施行するという段階で、十二月にガイドラインを出しますというお答えがワーキンググループの中で行われていまして、そこに東京都の部長さんも出席をされているんですが、準備をするためにも早く取組を示してほしいということをいっているんですけど、国の方がなかなかそこが示されず、法の施行があっても、これから国として調査していくと、やっていくということなので、東京都として、国の方にしっかりと行ってほしいということは当然のことかなというふうに思います。
 ただ、ガイドラインで詳細が示されていないということなんですが、例えば建設労働者の労働組合の皆さんなどが提案されているように、モデル現場を設定して調査をすることは、都としてもできるんじゃないかなというふうに思います。国の調査結果を待っていると、さらに対応が先送りになりますから、ぜひ東京都としても、国待ちにならずにこの調査を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、発注関係事務の運用に関する指針の改定についてお伺いをしますが、下請業者への賃金の支払いや適正な労働時間確保に関して、その実態を把握するよう努めると書かれております。この運用指針にですね。
 都はどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○須藤契約調整担当部長 発注関係事務の運用に関する指針におきましては、発注者は、受注者の協力の下、賃金の支払いや適正な労働時間の確保に関する実態を把握するよう努めなければならないとされております。
 一方、公共工事品確法の改正におきましては、国が、適正な請負代金、賃金が支払われるよう、賃金の支払い等に関する実態の調査を行うよう努めなければならない旨が新設されております。
 これを踏まえ、現在国において、賃金の支払い等の実態を調査する仕組みの導入に向けて試行しているところであり、その動向を注視してまいります。

○竹内委員 国に責任があることというのは当然のことなんですが、この指針は、昨年の二月に既に改正をされております。担い手三法というのは、公民かかわらず、発注者、受注者の責務と役割を明確にして、建設業界の課題解決に取り組むことが求められているわけです。それは、当然に公共発注者である自治体にも責任があるわけで、自治体がやってはいけないとも書いていませんし、先ほどの調査と同様に、モデル現場を設定して、都として調査することというのはできるんじゃないかなというふうに思います。ぜひ重ねて調査の実施を求めておきたいというふうに思います。
 最後に、コミットメント条項についてお伺いをいたします。
 コミットメント条項は、労務費の行き渡り確保のために、従事者の賃金の支払いを契約当事者間で確認、約束できる規定となっています。公共発注においても積極的な活用が求められております。
 このコミットメント条項には、下請契約を含むA方式と、個々の契約段階で個別に約束をするB方式がありますが、国はA方式の活用を基本だというふうにしておりまして、先日の国会での国会質疑でも、日本共産党の畑野君枝議員が、A方式が基本かという質問をいたしまして、大臣から基本だという答弁がありました。
 そこでお伺いしますが、今回の改正を踏まえて、今回のそのコミットメント条項の活用が求められているわけですが、都としてはどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○須藤契約調整担当部長 コミットメント条項につきましては、今後、国においてモデル工事を実施し、活用事例を蓄積するとともに、地方公共団体や民間発注者への横展開を図っていくこととされております。それを踏まえ、検討してまいります。

○竹内委員 群馬県では、建設工事契約約款を改正して、A方式を採用することを既に公表しております。都でもA方式を採用するということをぜひ決定をしていただきたい。
 建設業界における担い手確保は待ったなしの課題です。公共発注者として、国待ちにせず、積極的な取組を求めて、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○国崎委員 よろしくお願いします。
 私からは、まず物価高騰対策についてお伺いをさせていただきます。
 近年、エネルギー価格や原材料価格の上昇、為替の影響などにより物価上昇が続いており、食料品や光熱費をはじめとする生活必需品の価格も高い水準で推移しています。こうした状況は、都民生活や中小企業の経営に大きな影響を及ぼしており、特に家庭、家計への負担感は依然として強いものがあると認識しています。
 物価高の影響を踏まえた取組として、令和七年度の最終補正予算では九百二十七億円が計上され、医療、介護、障害、児童福祉分野の事業所などにおける賃上げや職場環境改善への支援、また十四歳以下の子供を対象に一万千円分のポイントを付与する取組などが実施されることになりました。
 また、令和八年度当初予算案では、千九百九十一億円が計上されており、光熱水費の負担軽減を図るための夏季四か月分の水道料金の基本料金の無償化をはじめとする都民生活の応援や、東京の経済を支える中小企業の収益力サポート事業をはじめとする賃上げ、価格転嫁対策等が盛り込まれているものと認識をしております。
 こうした取組は、物価高の影響を受けやすい分野、子育て世帯への支援として一定の意義があるものと評価をしております。
 一方で、令和八年度当初予算案が示された後に、アメリカやイスラエルによるイランへの軍事攻撃が勃発し、エネルギー価格や物価の動向は依然として不透明です。
 そこで、今後の状況によっては、都民生活や中小企業への影響がさらに大きくなる可能性があり、対策が必要になると考えるが、都の見解をお伺いします。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、物価高騰の影響から都民や事業者を守るため、きめ細かな対策を講じてまいりました。
 令和八年度当初予算におきましても、水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置などの都民生活の応援や、中小企業への賃上げ、価格転嫁対策など、重層的な対策を講じております。
 今後、都民や事業者への影響など、状況を注視してまいります。

○国崎委員 ご答弁ありがとうございます。これまでの対策、そして今後の対策について確認することができました。今後の物価動向等によっては、補正予算による追加的な対応も含めて検討を求めていきたいと思っています。
 次に、都債の活用についてお尋ねをさせていただきます。
 まず、令和八年度予算における都債の発行についてお伺いをさせていただきます。
 東京都では、全国の自治体に先駆けて、平成二十九年度から環境施策を対象とした東京グリーンボンド、令和三年度から社会課題の解決に資する東京ソーシャルボンドを発行してきました。さらに、令和七年度からは都市の強靱化を目的としたTOKYOレジリエンスボンドを海外市場で発行し、令和八年度には国内向けの発行も予定していると承知をしております。
 これらのSDGs債で調達した資金は、環境対策や都市の強靱化などの施策に充当されるものと理解しておりますが、まず令和八年度において、これらの都債をどのような事業に活用していくのかお伺いをさせていただきます。

○佐伯主計部長 令和八年度におけますSDGs債の活用についてのお尋ねでございますが、まずグリーン・ブルーボンドにつきましては、都有施設への太陽光発電設備の導入など、環境施策の推進に資する事業に充当してまいります。
 また、ソーシャルボンドにつきましては、特別支援学校の整備など、社会課題の解決に資する事業に充当してまいります。
 さらに、TOKYOレジリエンスボンドにつきましては、調節池の整備や防潮堤のかさ上げなど、TOKYO強靱化プロジェクト事業に特化して充当してまいります。
 これらのSDGs債を活用することで、都の環境対策や都市の強靱化などの施策を推進してまいります。

○国崎委員 ご答弁ありがとうございます。今ご答弁あったとおり、グリーン・ブルーボンド、ソーシャルボンド、レジリエンスボンドが、東京の課題解決のための施策の財源として充当されることが分かりました。
 こうした事業の財源としてSDGs債を発行することにより、どのようなメリットがあるのか、都の認識をお伺いいたします。

○佐伯主計部長 都は、平成二十九年度に国内自治体で初めてとなりますグリーンボンドを発行して以来、グリーンボンドに海洋環境の保全等を対象に加えてグリーン・ブルーボンドにバージョンアップするなど、SDGs債の積極的な活用に取り組んでおります。
 こうした取組は、発行意義に賛同する国内外の幅広い投資家が都債を購入することによりまして、安定的な資金調達につながるとともに、財源として充当する施策の推進を財政面から後押しをしております。
 今後も、多様なSDGs債への投資機会を提供することにより、円滑な資金調達に取り組みますとともに、この取組を通じてSDGs債市場の活性化を推進してまいります。

○国崎委員 ありがとうございます。都債は将来の税収で償還していくものであり、財政運営の観点からも適切な活用が重要であると考えております。都として、中長期的な観点で都債をどのような方針で活用しているのか、ご見解をお伺いします。

○佐伯主計部長 都債には、将来にわたって便益が及ぶ事業の財源として活用することによりまして、世代間の負担の均衡を図る機能と、安定的な財政運営を行うための年度間の財源調整を図る機能がございます。
 こうした機能を踏まえつつ、将来の財政負担も見据え、都税収入の動向や投資的経費の水準、基金残高等を勘案しながら、中長期的な視点に立って都債を戦略的に活用しております。

○国崎委員 ご答弁ありがとうございました。世代間の負担均衡や年度間の財政調整を図る機能があること、そしてまた中長期的に戦略的に活用される旨、確認することができました。
 不安定な社会経済状況の中で、基金を積み立てることや都債の発行を抑制することは大切です。一方で、都政の重要課題を一つ一つしっかり解決するためにも、基金や都債を積極的に活用することも大切だと考えています。
 安全・安心な東京をさらに進化させるためにも、基金や都債をより戦略的に運用されることを要望し、質問を終わらせていただきます。

○もがみ委員 財政運営について伺います。
 財務局では、毎年度の予算編成に当たり、各局の要求を踏まえた調整、いわゆる予算査定が行われております。限られた財源の中で予算の必要性を審査し、不要、または過大な要求を精査することを目的とするものであり、財務局が予算編成に果たす役割は大変重要であると認識しております。
 予算編成に当たっては、各局の予算要求の規模の内容について、費用対効果や政策目的、将来世代への負担、執行率など、様々な観点からしっかりと精査、評価をしていくことが重要です。
 そこで、財務局において、財政規律を保つ観点から、どのように令和八年度予算編成に臨んだのか、その具体的なプロセスや考え方について伺います。

○佐伯主計部長 都の予算編成は、予算見積り方針の通達に始まり、各局からの予算要求、財務局による調整、知事査定などを経て、予算案を発表しております。
 令和八年度予算編成におきましては、まず要求段階の取組といたしまして、原則ゼロシーリングとする一方、無駄をなくす取組を一層強化する観点から、さらなる見直しが必要な事業につきましては原則マイナス一〇%シーリングを設定し、各局の主体的な見直しを促しております。
 また、各局からの要求以降の予算編成過程におきましても、評価制度を活用しながら、一つ一つの事業につきまして、過去の執行状況やその原因を分析し、経費精査を図ると同時に、事業の必要性や有効性、費用対効果、後年度の財政負担など、様々な角度から検証を行い、予算に反映をしております。

○もがみ委員 財務局では、各局に主体的に事業を見直すことを促すとともに、議論を重ねた上で必要な予算が適切に計上されているとのことです。一方で、現状では、要求の締切り後に各局からの追加要求が行われるなど、編成過程の中で要求額の増額が行われるケースもあると仄聞しております。
 財政規律の観点からは、予算規模を抑制することが基本であると考えられるため、当初要求の締切り後の追加要求については、その背景や考え方を確認する必要があります。
 そこで、各局の当初の予算要求締切り後、財務局調整の中で予算が増額となることがあるのはどういった理由なのか、見解を伺います。

○佐伯主計部長 予算編成に際しましては、一定の期日を設けて各局からの予算要求を取りまとめておりますが、その後に予算が増額となる主な理由といたしましては、取りまとめ以降に生じた状況変化などに伴います追加要求や政府予算案の影響などがございます。
 こうした追加要求などにつきましても、当初要求と同様に、様々な角度から検証と精査を行った上で必要と認められるものにつきまして、予算を措置しております。

○もがみ委員 当初締切り後の状況変化を踏まえ、追加要求などは予算額が増額になるケースがあることについては理解いたしました。
 一方で、持続的な財政運営を行っていくためには、事業をつくるという視点に加え、将来に備えるという観点も極めて重要であると考えます。社会経済情勢の変化や突発的な財政需要の発生に対応するためには、新規事業の必要性や緊急性を十分に見極めることと併せて、基金への積立てにより財政基盤の強化を図るという観点も踏まえ、予算編成を行っていくことが重要です。
 そこで、将来の急激的な経済変動や突発的な財政需要に備え、どのように基金の積立てを行っているのか、令和八年度における取組内容を併せて伺います。

○佐伯主計部長 都は、歳入に占める法人二税の割合が高く、景気変動の影響を受けやすい歳入構造にあることに加えまして、地方交付税の不交付団体でもありますことから、突発的な財政需要や税収減に備えた財政運営を行うことが重要でございます。
 そのため、地方財政法で決算剰余金の積立てが規定されていることに加えまして、都独自の条例によりまして、都税の増収が見込まれる場合に、その一定の割合を財政調整基金に積み立てることを義務づけるなど、急激な経済変動に弾力的に対応できる財務体質の確立を図っておるところでございます。
 これによりまして、令和八年度予算におきましても、財政調整基金に約百五十一億円を積み立てるなど、普通会計ベースの基金全体の令和八年度末の残高でございますが、リーマンショック前とほぼ同水準の約一・五兆円となっておりまして、持続可能な財政運営の観点から、一定の残高を確保していると考えております。

○もがみ委員 本日の質疑を通じて、都では将来の財政運営にも十分配慮した予算編成が行われていることを確認しました。
 しかしながら、少子化、人口減少への対応をはじめ、都が取り組むべき課題は多岐にわたっており、将来にわたり必要な分野に予算を的確に配分していくためには、限られた財源をいかに有効に活用していくかについて、不断の検証と精査を続けなければなりません。持続的な財政運営において、何に使うか以上に何に使わないかを見極めることも重要です
 財務局には、引き続き財政規律の最後のとりでとして役割をしっかり果たしていただくことを要望し、私の質問を終わります。

○あかねがくぼ委員 私の方からは、昨日に続きまして、都政のAI利活用ということで伺ってまいります。
 AIをはじめとしたデジタル技術の急速な進展、これは社会を大きく変えております。民間企業はもとより、行政も含めて、業務やサービスの在り方というものをアップデートしていかなければなりません。
 都は、昨年七月に、東京都AI戦略を策定しまして、AIを二〇五〇東京戦略の実現を加速させるための強力なツールであると位置づけ、都政のあらゆる側面で徹底的に活用していくと、こういった方針を示したわけでございます。
 都政の現場においても、AI活用というのを進めていただいているところだと思いますけれども、全庁的な活用強化に当たりましては、戦略の策定に加えまして、この予算編成という中で具体的に活用を促していって、実際に予算に反映をさせるというところ、これが必要であります。
 そこで、令和八年度の予算編成におきまして、AIの利活用をどのように促し、予算にどのように反映させたのか、ポイントを伺います。

○佐伯主計部長 令和八年度予算編成におきましては、各局の予算要求の基準を示す見積り方針、こちら、昨年の夏に発出しておるものですけれども、この中で、生成AIなどを活用した業務の見直しに係る経費をシーリング対象外とするほか、事業評価の取組を通じまして、施策の見直しと併せたAIの利活用を促進するなど、各局におけますAI活用事業の構築につなげております。
 こうした取組を通じまして、例えばコンテナターミナルの混雑解消に向けて混雑の状況を予測するシステムの構築などAI関連事業を、事業数、予算規模ともに、都全体で前年度比約二倍となります計二百四十二件、三百八十九億円、一般会計になりますけれども、こちらを計上しております。

○あかねがくぼ委員 AIなどによる業務の見直しに係る経費というものを、シーリングの対象外ということで、令和八年度の予算編成の中でもAIの利活用、その重点事項に位置づけられていると、各局ともにしっかりと取組を進めているということが分かりました。
 答弁いただいたコンテナターミナルの混雑予想の事例にもあるように、都がAIを活用して業務改革を進めていくということによって、民間の事業も生産性が高められますし、経営力を高めるということにも直結をしていくと思います。
 一方で、AIなどデジタル技術というのは変化が非常に速く、常に学んで、常にアップデートという視点が重要になってまいります。答弁にもありましたように、事業評価の取組というところも活用しながら、最新の知見が全庁的に横展開がされるような環境づくりというものを要望いたします。
 次に、財務局局内におけるAIの利活用について伺ってまいります。
 財務局は、財政運営、契約制度、財産管理、建築物等の工事や維持保全など、都庁全体を支えるような仕事を行っておりまして、財務局の仕事にAIの卓越した処理能力、これを生かしていくということによって、都庁全体の業務の生産性向上につながるものと考えます。特に、維持保全は、各施設を保有する局の職員が担っておられまして、その多くは事務系職員でいらっしゃいます。慣れない業務で時間を割かれていってしまうということが多いと聞いております。
 また、財務局は、各局職員からの技術的な相談にも対応していらっしゃいますが、技術職員の数は非常に限られております。業務の効率化によって、そういう時間を生み出して、さらなる各局への技術的支援に時間を充てていただく、こういったことが重要だと思います。
 こうした視点を踏まえまして、建築物等の維持保全において、AIを活用していくということが有効であると考えますけれども、財務局の具体的な取組を伺います。

○五嶋施設整備担当部長 財務局では、建築物等の適正な維持保全を行っていくために、基準類を所管し、技術的な支援を実施しており、その一環といたしまして、各局の施設担当者からの相談窓口となる保全コールセンターを設置しております。
 昨年度は、四百六十五件の相談を受けておりますが、各局職員は必ずしも技術的な知見を有しているわけではございませんで、相談の大半は法令や基準などに関する基本的な内容でございます。
 このため、現在、生成AIを活用して、法令や基準などに関する相談につきましては、法令等を読み込ませたデータベースから検索し、自動回答するシステムの構築に取り組んでおります。
 来年度は、外部委託も活用し、回答の精度向上やデータ整備を継続的に実施いたしますとともに、ユーザーテストも行いながら、令和八年度内の運用開始を目指してまいります。
 これらの取組によりまして、各局職員がより迅速に対応可能な環境を整備いたしますとともに、財務局では、AIの活用により創出された時間を図面の確認や現場調査などが必要な、より困難な相談に充当することで、技術的支援の拡充につなげてまいります。

○あかねがくぼ委員 財務局内の取組としても、建築物等維持保全について、生成AIというものを効果的に活用していただいているということが分かりました。
 専門的な業務に精通されている人であれば、基本的な内容はすぐ分かるということであったとしても、ほかの職種の職員からすれば、法令や基準などに関することというのは非常に複雑であったり、分かりにくかったりということで、都度都度お問合せをする、そんなことが必要になると思います。
 その際に、限られた専門職で全庁の問合せに対応するということで、人数の面でも時間の面でも限界はございますので、そこでAIというところの自動応答、これは非常に役立っていくと思います。
 今後は、その対象を設計、工事といった部分にも広げていただきまして、生成AIというものをもっと活用していただくことをご検討いただくことをさらにご期待申し上げまして、質問を終わります。

○藤崎委員 私からは、都有地の有効活用についてお伺いをさせていただきます。
 昨年の事務事業質疑において、都が活用する予定のない都有地について、地元区市町村が有効活用していく上での課題に焦点を当て、質疑を行わせていただきました。
 今回は、その延長として、都と区市町村が連携しながら、都有地をより有効に活用していく可能性について確認をさせていただきます。
 まず、おさらいとなりますが、都は、未利用都有地を活用する際に、基本的な考え方として、初めに都としての行政需要を確認し、利用しない場合には地元区市町村に対して活用意向を照会することとしております。
 都有地において、都の行政需要が優先されるという点については理解するものでございます。一方で、公有地には限りがある中、都有地を効率的かつ効果的に活用していくためには、都か区市町村かの二者択一ではなく、場合によっては両者が連携協力しながら活用するなど、多様な選択肢を持つことも重要ではないかと考えております。
 そこでお伺いしますが、貴重な都有地を効率的かつ効果的に活用していく上で、都の財産活用の基本的な考え方について、見解を伺います。

○松井財産運用部長 都有地の活用に当たりましては、限りある都有地を可能な限り有効活用し、財産価値を最大限に発揮させることが求められます。
 このため、都は、まとまった規模の都有地におきまして施設整備を行う際に、建蔽率や容積率に余裕がある場合には、建物の高層化や複数施設の集約化による用地の創出や、国、区市町村等との合同庁舎化による利便性向上などを積極的に検討することとしております。

○藤崎委員 今のご答弁において、都有地を活用した施設整備に対し、建蔽率や容積率に余裕がある場合には、国や区市町村等との合同庁舎化を積極的に検討しているとのことでありました。
 こうした取組は、限られた都有地を有効に活用するとともに、行政機能の集約や利便性向上にも資するものと考えます。
 そこでお伺いさせていただきますけれども、都有地において施設整備を行う際に、地元区市町村と連携して合同庁舎化を進めた、これまでの具体的な事例についてお示しください。あわせて、合同庁舎化によってどのような効果が得られるのか、都の見解を伺います。

○松井財産運用部長 近年の地元区市町村との合同庁舎化の事例といたしまして、現在建築中の大田都税事務所がございます。本施設は、都税事務所単独の改築では土地の容積率に余剰が発生することから、他の公共施設との合築等を検討していたところ、地元区からの申出があり、近隣に所在する出張所及び高齢者支援施設との合築施設として改築を進めております。
 こうした取組により、容積率を最大限活用した効率的な施設整備とともに、行政機能の集約化による住民サービスの向上も期待されます。
 今後とも、都有施設の整備に当たりましては、施設所管局や地元区市町村と連携し、都有財産の有効活用に取り組んでまいります。

○藤崎委員 次に、民間の力を生かした都有財産の利活用について伺います。
 私の地元である墨田区では、区内に都有地が多く点在しているものの、その規模や形状は様々であり、区として活用を図ろうとしても、各土地を一体的に取得するには財政上の課題がある場合も多いと伺っております。
 こうした中、都のみでは土地を最大限に活用し切れない場合に、区との合築などを進めていくことは、都と区の双方にとって有意義であり、先ほどの答弁にもあったとおり、住民サービスの向上にもつながるものであると認識しております。
 ここまで、都有地の活用手法として、都か区市町村かの二者択一ではなく、両者が連携し、合築による施設整備を行う手法について確認をしてまいりました。
 さらに、もう一つ、重要な視点として、公共の力だけではなく、民間の知恵やノウハウを生かしながら、より効果的な土地活用を図っていくことも重要であると考えます。
 そこでお伺いさせていただきますけれども、都は、民間の知恵と力を生かした財産利活用の推進を掲げていると認識しておりますが、これまでどのような取組を行ってきたのか、具体的な事例について、都の見解を伺います。

○松井財産運用部長 都は、直面する都政課題の解決への貢献を条件として、民間企業に都有地を貸し付ける取組を積極的に推進し、都施策の実現と収入の確保の両立を図っております。
 具体的には、区市町村と連携して、公募により選定した事業者に土地を貸し付け、保育施設や特別養護老人ホームなど、地域に密着した福祉施設の整備を推進しております。
 このほか、民間の力を活用して、複数の都有地の総合的活用を図り、まちづくりを先導する都市再生ステップアップ・プロジェクトや、水素社会の実現に向けた水素ステーションの整備など、土地の立地、面積、形状等を踏まえながら、都施策と連携して効果的な利活用を実施しております。

○藤崎委員 これまでのご答弁により、都が様々な形で民間の力を生かした財産利活用に取り組んできたことは確認をさせていただきました。今後も、こうした取組を積極的に進めていくことを期待しております。
 その上で、私の地元に関わる具体的な事例について確認をさせていただきます。
 私の地元である墨田区に所在する本所警察署の跡地についてお伺いをさせていただきます。
 当該地については、現在、更地となっていると認識しておりますが、地域にとっても重要なポテンシャルを有する土地であると考えます。
 そこでお伺いさせていただきますけれども、本所警察署跡地の今後の利用について、現在の検討状況と今後の方向性について、都の見解を伺います。

○松井財産運用部長 庁内各局において行政利用を終えた都有地は、原則として都の行政施策としての利活用を検討いたしますが、庁内での利用見込みがない場合には、地元区市町村に情報提供し、公用、公共用途での活用意向を確認いたします。
 委員お尋ねの土地につきましては、本所警察署の移転後、庁内での暫定活用を経まして、敷地の一部で両国交番の新設に伴う工事が実施され、令和六年十一月に完了いたしました。その後、土地を所管する警視庁におきまして、交番敷地を除く土地の活用を検討していたところ、警視庁としては利用しない意向が示されました。
 このため、現在も土地の所管は警視庁でございますが、都庁内での活用につきまして、検討を行っている段階でございます。

○藤崎委員 当該場所は、両国駅に隣接し、交通利便性に優れた立地にあるとともに、今月末にリニューアルオープンを控える江戸東京博物館が近くに位置するなど、文化、観光の拠点とも隣接した、極めてポテンシャルの高い重要な土地であると認識しております。
 こうした立地特性を踏まえれば、単なる土地活用にとどまらず、地域のにぎわい創出や観光振興、さらには地域経済の活性化にも大きく寄与し得る拠点として、その活用の在り方が問われるものと考えています。
 本日の質疑を通じて、都有地の活用に当たっては、都単独での活用に限らず、地元区市町村との連携による合築や、民間の知恵やノウハウを生かした多様な手法があることを確認させていただきました。
 都有地は都民共有の貴重な財産であり、その価値を最大限に引き出していくことは、都に課せられた重要な責務であります。単に一時的な利活用にとどまることなく、中長期的な視点に立ち、地域の発展や都民サービスの向上につながる持続可能な活用が図られるよう、丁寧かつ戦略的な検討を強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○中田委員 よろしくお願いいたします。
 まず、予算特別委員会で取り上げさせていただきました事業評価と財源確保額について伺います。
 改めておさらいをしますと、私は、都が令和八年度予算案の編成において千六百四件の事業評価を行い、千三百五十億円の財源を確保したという点について、単年度の予定であった事業の予定どおりの終了、工事の終了など、いわば自然減のものが幾つもあり、創意工夫で圧縮した、その圧縮額のみを財源確保額にすべきだと求めてまいりました。
 私は、予算特別委員会でも指摘をしました公社既存住宅への太陽光発電設備事業などは、協定期間終了により事業が終了、またあるいは世界陸上の事業については、世界陸上が終了したことによって終了して、財源確保額に当たるというようなことですけれども、やはりこうしたことを財源確保額という言葉でくくっているのは、やはり違和感があるなというふうに感じております。
 もちろん、だから終わらない事業はないとは思いますし、世界陸上が今続いているというわけでももちろんないですから、それを財源確保額という形で扱っていいのかというところで、また議論をさせていただければと思います。
 まず、千六百四件のうち、自然終了、適切に計画を終了した事業の予算は何件で幾らだったのか、財源確保額の内訳を教えてください。

○佐伯主計部長 事業評価では、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するとともに、進捗管理を強化することで、事業の見直しや適切な終了につなげております。こうした取組によりまして、事業終了のものも含めて生み出した財源を確保額として計上しております。
 令和八年度予算におけます事業評価の財源確保額は一千三百五十億円でございまして、そのうち事業終了の件数は百六十三件、確保額は二百億円となっております。

○中田委員 内訳ありがとうございました。
 私たちとしても、事業評価を否定しているわけではありませんし、むしろ、やはりこうしたところでしっかりと目に見える形で評価を行っていただき、さらにこの予算の使い方というのを効果を高めていただきたいというところは、やはり私たちと財務局では考え方は全く違わないんだろうなとは思っておるんですけれども、この言葉の使い方で違和感を持っているというところで、改めて申し上げさせていただいております。
 今も、終了で百六十三件で、確保した額が二百億円といっておりますけれども、やっぱり終了したからには確保というのかなというのは、すごい違和感があります。
 結論から、私たちいわせていただきますと、本当に歳出の改革を進めてその成果を示すのであれば、予定終了による自然減を分けて、事業廃止や効率化による改革効果と混ぜずに数字を出して、しっかりと分けるべきと考えておりますが、見解を伺います。

○佐伯主計部長 事業評価では、全ての事業に終期を設定いたしまして、進捗管理を的確に行うことで、事業の見直しや適切な終了につなげておりますことから、見直し、再構築や事業終了を区別することなく、一体的に財源確保額として計上しております。
 なお、評価結果につきましては、都財政の見える化ボードにおきまして内訳を全て公表しておりまして、一件ごとに見直し、再構築や事業終了などの区分を掲載し、それぞれの財源確保額についても明らかにしておるところでございます。

○中田委員 グリーンブックの二四ページに図が載っていますが、東京都は、今年度の過去最高の一千三百億円、事業終期設定以降の十年間で累計で約一兆八百億円の財源を確保したと書いています。ここで、十年で累計一兆八百億円の財源確保が積み上がっているというような印象が持たれると思っておりますけれども、この財源確保額は、よく考えると既に使ったお金であって、翌年の予算が同額かそれ以上ある場合には成り立たず、次年度のこの予算枠を何に使うのかという議論が極めて行政的な捉え方で定義されていると考えております。
 しかし、財源確保額という言葉は、直感的に、やはり使わなくなった予算が生まれたかのような印象を与えると思っています。例えば、百万円かかる家のキッチンのリフォームの工事が今年終わって、来年は百万円でバスルームのリフォーム工事をするといった場合、普通はキッチンの工事終了で百万円の財源を確保できたとはいわないですよね。使っちゃったものですから、工事が終わったというところで、来年の収入はまた別物のものに使っていくというところで、これを十年繰り返して一千万円の財源を確保したということは、絶対、家庭的にはいわないと思います。
 皆さんも多分そうだと思いますし、例えばスーパーで千円持ってお肉を買いに行くといったときに、千円で買えたらプラス・マイナス・ゼロだと。逆に、八百円で安くなったところで買えたと、そうしたら二百円の財源を確保できた。こういうことが、財源確保としては正しいのではないかなと考えています。
 だからこそ、この財源イコール現金が積み上がっているわけではなく、この累計額が銀行口座に残っているというわけでももちろんないですから、しっかりとした財源確保額の累計の示す意義とは何か、この累計額を示すことで何をアピールしているのかというところも、ちょっと改めて意図をお伺いしたいと思います。

○佐伯主計部長 事業評価は、財政再建期に集中的に実施した事業の見直しの成果を踏まえ、その後も見直し努力を継続する仕組みとして行っておりまして、平成二十九年度予算編成以降、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するなど、着実に実績を積み重ねてまいりました。
 こうした取組によります成果を多面的かつ分かりやすくお示しするため、毎年度の財源確保額と併せて、その年々の財源確保額についても、その成果の累計といたしまして、この累計額というものも公表することとしております。

○中田委員 ここまでいろいろ議論をさせていただいておりますが、私は、予定どおり空いた予算の枠は、財源確保額ではなく、予算の見直し額というべきではないかと思っています。使った予算を確保した財源ということで、ストックがあるかのような誤った印象を与えることに対して危惧をしています。
 終わった収支と確保した財源は本来別物であり、そして自然終了と歳出改革が混ざってしまっている今の現状は、やはり都民の皆さんに誤解を生じさせているのではないかと考えております。
 一般的な意味で財源を生み出したのか、予算の見直しなのか、はっきりと区別すべきと考えますが、見解を伺います。

○佐伯主計部長 予算編成に当たりましては、事業評価の取組による見直し、再構築で生み出した財源はもとよりございますが、適切な進捗管理の下で終了させた事業の財源につきましても、翌年度予算の新規、拡充事業に振り向けております。
 このため、見直し、再構築と事業終了を区別することなく財源確保額として扱うことは、適切であると考えております。

○中田委員 ここまでも話をしてきましたけれども、この財源確保額は、翌年も同等以上かそれ以上の予算がある、財政規模が維持されているということが前提になっているという点であり、財源が生まれたから新しい事業ができるのではなく、翌年も同じ財政規模がある前提で予算をつくっているかというようなことになってしまっていないかと考えております。
 毎年の予算規模は基本的に維持されている中で、その中で事業を入れ替える、その入れ替えた部分を財源確保と呼ぶような構造になっていないのか、都の見解を伺います。

○佐伯主計部長 毎年度の予算編成に当たりましては、その時々の社会経済状況等を勘案し、各局からの要求を踏まえ、様々な角度から分析と検証を行い、都として必要な予算を計上しております。このため、前年度の予算規模が維持されるという前提に立った予算編成は行っていないという認識でございます。
 また、事業評価によります財源確保額は、予算編成の一環として評価を実施し、スクラップ・アンド・ビルドの視点から不断の見直しを進めた結果として生み出された財源でございまして、財源確保額としてお示しすることは適切であると考えております。

○中田委員 繰り返しになりますけれども、事業評価自体はやはりやっていかなければいけないですし、この取組は続けていただきたいと思いますが、やはりこの言葉の使い方であったり、区分の仕方だったりということを、ちょっと改めて見直していただきたいということを要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、都有地の活用、また契約の件で、神宮前五丁目のまちづくりについて伺いたいと思います。
 これは、前回も財政委員会で取り上げさせていただきましたけれども、この計画の中身については先日も様々述べさせていただきましたので省略をさせていただきまして、今、現状、渋谷区とはどのような土地契約になっているのかお伺いをいたします。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 令和四年度に、区からの依頼を受けまして、青山病院跡地を渋谷区立学校施設の仮校舎整備用地として一時貸付けをする契約を締結いたしました。
 契約は一年ごとに更新することとしており、令和十年度末まで更新できる内容でございます。

○中田委員 令和十年度までの契約となっているという話でしたが、私も含めた保護者に対しては、その十年度以降も利用していくというような話が出ています。
 この青山病院の貸付けのさらなる延長の調整状況などについて伺います。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 土地の賃貸借契約を令和四年度に締結後、翌年度の令和五年度に、区から貸付期間を令和十三年度まで延長してほしいとの要望がございました。これに対し、区と協議を重ねた上で、子供の教育環境の整備のため、令和十三年度まで貸付期間を延長できるように、まちづくりのスケジュールについて調整を進めてきたところでございます。
 このような状況の中、昨年末に区から貸付期間をさらに延長してほしいとの話がございまして、現在、区の学校建て替えの検討状況などを伺いながら、当該土地の貸付延長以外の対応策などについて、複数回にわたり意見交換を行っております。

○中田委員 今、答弁にありましたけど、取りあえず十三年度までは延長する方向で話をしていると。ですけど、今、渋谷区の区議会の委員会でも、令和十六年まで貸付けをしてもらいたいというような意見が出ています。というよりも、区の出している資料には令和十六年まで青山キャンパスを使うというようなことが出ていますが、やはり令和十六年末まで延長すると、やはりこのまちづくりにも大きな影響を及ぼすというふうに考えておりますが、この点、どのように考えているのかお伺いをいたします。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 昨年四月のまちづくり方針の公表を経て、現在、民間事業者からの提案募集に必要な条件を整理するなど、事業実施に向けた検討を着実に進めております。
 なお、まちづくり方針につきましては、青山病院跡地の貸付けが令和十三年度末に終了することを前提としております。このため、令和十三年度末を超える延長は、都のまちづくりに非常に大きな影響を与えると考えてございます。

○中田委員 ここまで、事実確認を様々させていただきました。十六年まで延長すると今後のまちづくりに影響が大きいというようなことでした。
 しかし、子供たちの学校教育の学びということも確保しなければいけないですし、もちろんまちづくりも進めていかなきゃいけないというところで、なかなか難しい問題であるなというところで考えております。もう近い将来、民間公募も控えているというような段階だと思いますから、しっかりと区と連携を図っていただき、この問題解決に向けて取り組んでいただければと思います。
 さらに、今、こどもの城の部分も、ずっと柵で囲っておりまして、最近、絵が描かれておりますけれども、やっぱりあそこだけでもどうにか活用ができないかというような地域の声なども出ております。これからの再開発なので、壊す順番とか、つくる順番というのもいろいろあると思いますけれども、ああいうところでずっと廃墟が残っているというような状況を、一刻も早く地域のための広場にするなど、活用なども考えていただきたいということを要望させていただきまして、質問を終わりたいと思います。

○北口委員 私からも、令和八年度予算に関連して質問させていただきます。
 都議会公明党はこれまでも、都内各地に根差したネットワークを生かしまして、現場の都民の声を丁寧に都議会に届けてまいりました。私どもに寄せられる声の多くは、長引く物価高騰により、日常生活に欠かせない様々な品物の価格が年々上昇していることへの不安や負担感など、まさに生活者の置かれている切実な実情でございます。
 こうした声を真摯に受け止めて、これまで都議会公明党は、都に対しても、都民生活を守り、支えていくための具体的な施策の実現を強く求めてまいりました。
 さきの予算特別委員会においても、都議会公明党の提案や要望が的確に予算に反映されているのかを確認したところでございます。
 改めて、この来年度予算の全体像と、将来にわたり安定的かつ継続的に施策を実施できる持続可能な財政運営の観点で質問をさせていただきます。
 まずは、前年度から五千億円程度の増額となっております、この令和八年度予算の中でも、特にどのような政策分野に予算が配分をされているのか確認をするために、前年度から増となった主な政策分野と具体的な取組についてお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 令和八年度予算では、東京の未来を担う子供、若者への支援や、安全・安心な東京へのさらなる進化に向けた取組などに積極的に財源を振り向けております。
 具体的には、目的別歳出を見ますと、教育と文化が、公立小中学校におけます普通教室の空調設備更新に向けた区市町村支援などによりまして、前年度から一千三百六十八億円の増となっております。また、生活環境では、水道料金に係る基本料金無償臨時特別措置などにより一千六十九億円の増、福祉と保健では、保育所等利用世帯負担軽減事業などによりまして一千十四億円の増となっております。

○北口委員 公立小中学校における普通教室の空調設備の更新への区市町村支援といった子供の学習環境の改善や、水道料金、保育料といった都民生活の負担軽減など、これまでの都議会公明党の提案を踏まえた施策にも予算が的確に振り分けられているということを確認させていただきました。
 他方で、今般のイランでの軍事衝突など、国際情勢が急速に緊迫化する中でございます。日本の社会経済情勢への影響が懸念されるところでございますけれども、景気悪化の際には都税収入は減少しやすいことから、そのような状況の中で、都民生活への支援などの施策を確実に継続できるのかがポイントになるというふうに思っております。
 そこで重要となるのが、安定的な施策展開を支える強靱な財政基盤の確保でありまして、基金や都債の活用はもとより、事業評価などを通じて、不断の見直しを徹底して行っていくことが大事だというふうに思っております。
 今日の委員会でも様々な議論が出ましたけれども、ひとつそこに、事業評価に注目をいたしまして、この事業評価の実効性をさらに高めていくために重要だというふうに考えているのが、新公会計制度のさらなる活用であろうというふうに思っております。
 この点、第三回定例会における本委員会でも、この新公会計制度を活用して事業評価の取組をさらに充実させていくことの重要性を指摘しまして、これに対して、都からは、令和八年度予算編成において、新公会計制度の一層の活用を含め、評価制度のバージョンアップを図る旨の答弁をいただいたところでございます。
 そこで、令和八年度予算編成において、新公会計制度を活用した取組がどのように拡充されたのかお伺いをいたします。

○佐伯主計部長 令和八年度予算におきましては、事業評価の取組におきまして、フルコスト情報に基づいた分析を強化いたしますとともに、分析過程を新たに公表するなど、新公会計制度のさらなる活用を図ってございます。
 具体的には、貸借対照表に基づきます固定資産の老朽化率の検証など、新公会計制度の視点を用いた分析を、前年度の約二倍となります十一件に拡充するとともに、その全件の詳細な分析データ等をホームページ上で新たに公表しております。

○北口委員 令和八年度予算においては、この新公会計制度を活用した分析が前年度の二倍ということでございます。この積極的な取組、評価をしたいと思います。
 とりわけ重要なのが、貸借対照表を用いた詳細な分析データなどが公表された点であるというふうに考えております。これによりまして、都民に対するアカウンタビリティーの一層の向上が図られることはもとより、分析手法や検証の視点が共有されることで、各局における新公会計制度の活用が一層進むものと大いに期待をしているものでございます。
 次に、令和八年度予算編成における事業評価において、この新公会計制度をどのように活用し、効率的な施策の構築へと結びつけたのか、具体的な事例について説明を求めます。

○佐伯主計部長 令和八年度予算編成におけます新公会計制度を活用した事業評価の具体的な事例でございますが、都税事務所での電話の全件録音装置、こちらの導入がございます。具体的には、録音装置の導入に当たりまして、発生主義に基づいて、購入方式とリース方式を耐用年数の期間内でコスト比較をいたしましたところ、減価償却費や保守等に要する経費を含めましても、購入方式の方が一億円低いことを確認いたしました。より経済的に優れた購入方式を採用することといたしました。
 今後とも、新公会計制度のさらなる活用を図り、事業評価の取組に一層の磨きをかけていきたいと考えております。

○北口委員 ただいまご答弁いただいた事例のとおり、新公会計制度を活用しますことで、従来の官庁会計では十分に把握できなかった真のコストを明らかにした上で、最適な手法を判断することが可能というふうになります。これにより、より効率的かつ実効性の高い施策の構築が実現できるというふうに考えております。
 こうした取組を着実に積み重ねることで、事業の効率性、実効性を高めて無駄の削減を図るとともに、都民生活への支援など必要な施策を実現するための財源の確保にもつなげていただきたいというふうに思います。
 令和八年度予算で措置されました都民生活の支援に関する数々の施策が、早期かつ着実に実施されることを求めるとともに、今後も社会経済情勢の変化などを的確に捉え、都民生活の実態に即した施策が継続的に展開されることを強く要望申し上げまして、質問を終わります。

○平田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○平田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○平田委員長 次に、議員提出議案第一号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○竹内委員 それでは、日本共産党都議団、自由を守る会及びグリーンな東京、以上、提出者を代表いたしまして、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、提案理由を説明いたします。
 本条例は、二〇二六年六月に支給される私たち東京都議会議員の期末手当を従前の支給割合に戻す内容です。
 都議会議員の期末手当は、職員の給与に関する条例が規定する期末手当と勤勉手当の支給割合と連動しているため、都議会議員の報酬等に関する条例を改正することなく、自動的に上がる仕組みとなっています。
 日本共産党は、かねてから議員の期末手当を職員手当の変更に自動的に連動させる仕組みは改めるべきだと主張してまいりました。
 今、長引く物価高騰に賃上げが全く追いついておらず、引き続き都民生活は深刻化しています。都民の暮らしの底上げこそ優先すべきときに、議員の期末手当を引き上げるべきではないと考え、従前の支給割合に戻すことを提案するものです。
 委員の皆様のご賛同を心からお願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○平田委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○平田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○平田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十二分散会