財政委員会速記録第五号

令和七年三月十八日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長林あきひろ君
副委員長成清梨沙子君
副委員長和泉なおみ君
理事北口つよし君
理事鈴木  純君
清水やすこ君
河野ゆうき君
長橋 桂一君
中田たかし君
まつば多美子君
川松真一朗君
村松 一希君
竹井ようこ君

欠席委員 一名

出席説明員
財務局局長山下  聡君
経理部長DX推進担当部長兼務稲垣 敦子君
契約調整担当部長須藤  哲君
主計部長佐伯  亮君
財産運用部長松井  裕君
利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務小西  拓君
建築保全部長金子 陽子君
収用委員会事務局局長有金 浩一君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第六十五号議案 東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 財務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入—財務局所管分、歳出—議会局・財務局所管分、債務負担行為—財務局所管分、都債
  ・第十六号議案 令和七年度東京都用地会計予算
  ・第十七号議案 令和七年度東京都公債費会計予算
  ・第百五十九号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
  付託議案の審査(質疑)
  ・第六十号議案 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
  付託議案の審査(説明・質疑)
  ・議員提出議案第一号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

○林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の予算の調査並びに付託議案の審査を行います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分及び第六十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○林委員長 これより財務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局、財務局所管分、債務負担行為、財務局所管分、都債、第十六号議案、第十七号議案、第六十号議案及び第百五十九号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 よろしくお願いします。
 令和七年度予算に関連して伺いたいと思います。
 令和七年度予算は、過去最大の予算規模となっておりますが、その中身が真に都民のためとなるものであり、花も実もある予算となっていなければなりません。
 先日の予算特別委員会で我が会派の質疑でも取り上げましたが、都民ニーズを感度高く捉え、施策効果の高い取組を積極的に展開していくことが重要であります。
 この三十年を振り返りますと、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍など、幾つもの時代の転換点を経験してきました。同時に、インターネットの普及からスマホの登場、さらにはAIなど新たなテクノロジーが人々の生活を変え、都民のニーズや価値観は大きく変化していると思います。
 こうした変化に応じて都の予算の中身はどう変わっているのか、来年度の予算はどこに重点を置いているのか、財務局が作成している予算案の概要に過去と比較している資料がありますが、分野別の状況をもう少し深掘りしたいと思います。
 予算議案では款項に分かれておりますが、令和七年度予算と三十年前の平成七年度予算を予算科目別に比較した場合、一般歳出の伸びと比べ特に増えている項目はどういったものか伺わせていただきます。

○佐伯主計部長 令和七年度と平成七年度の予算を比較いたしますと、政策的経費である一般歳出が約一・二倍に増加しているのに対しまして、少子高齢化対策や産業の活性化などの項目は、それを上回る増加率となっております。
 具体的には、子供や高齢者施策をはじめとした福祉費が約二・五倍の一・二兆円、中小企業支援や雇用環境の整備をはじめとした産業労働費が約一・六倍の〇・八兆円、学校教育の充実をはじめとした教育費及び学務費の合計が約一・三倍の一・四兆円に増加をしております。
 今後も、時代とともに変化する都民のニーズを的確に把握しながら、限られた財源を必要な施策に適切に配分してまいります。

○鈴木委員 私も今回の予算に合わせて人口構成の推移を調べてまいりましたが、三十年前と比較すると、確かに都の六十五歳以上の人口は約百五十万人から約三百万人に倍増しておりまして、高齢分野の予算が増えているのはよく分かります。また、教育ですが、十八歳未満の人口は約二百万人から百九十万人に減少している中にあって、教育関係の予算は一般歳出の伸び以上となる一・三倍の一・四兆円に増えていることも分かりました。
 先週の予算特別委員会においても様々な議論がありましたが、教育関係の予算に財源をしっかり振り向けていることを数字の上でも確認いたしました。
 平成七年度当時は、様々な公共投資をしていた時期と認識しております。この時期に整備したインフラの更新時期を今後迎える中、これらの維持更新に係る予算も必然と増えていくことは容易に想像できます。加えて、既存インフラの維持更新と併せ、都民の命と暮らしを守る都市の強靱化も不可欠です。また、荒川氾濫などの大規模水害も危険性が増していく中で、また私の地元台東区でも木造住宅が密集しているところも多く、一方で不燃化、耐震化も課題となっており、いつ起こるとも知れない災害に備えた防災、減災対策なども都民にとって重要なものです。
 こうした様々な財源需要を抱える中、効果的な施策を継続的に実施していくためには安定的な財源確保が必要であり、基金の活用が重要な役割を今後果たしていくと考えます。
 そこで、中長期の財政需要を見据え、持続可能な財政運営の観点から、今後の基金の活用について伺わせていただきます。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、将来の財政需要に備えるため、歳出精査などにより生み出した財源を基金に積み立てますとともに、着実な施策展開に向けて戦略的に活用を図ってまいりました。
 令和六年度最終補正予算におきましても、地下鉄八号線、品川地下鉄などの鉄道新線の整備費や、TOKYO強靱化プロジェクトの将来需要を踏まえ、東京地下鉄株式会社の株式の売払い収入一千六百二十四億円を鉄道新線建設等準備基金と東京強靱化推進基金に同額ずつ積み立てております。
 また、令和七年度予算では、必要な施策を積極的かつ着実に進めるための財源といたしまして、これまで計画的に積み立ててきた基金を合計で七千百四十四億円活用しております。
 一方で、年度末の残高はリーマンショック前とほぼ同水準の約一・七兆円となっておりまして、持続可能な財政運営の観点から一定の残高を確保しております。
 今後とも、中長期的な視点に立ち、将来の財政需要などをしっかりと見極めながら、基金の活用を図ってまいります。

○鈴木委員 今後も、都民、そして東京の将来のためにすべき施策を安定的、継続的に進めていただきたいと思います。
 今、好調な税収に支えられておりますが、アメリカとの関税の問題やウクライナとの停戦交渉など、今後の社会経済情勢は不確実性が高まっており、景気後退のリスクも懸念されております。
 先ほどの答弁にあった基金の活用はもちろんですが、事業評価の取組強化や都債の戦略的な活用など、財政運営上の努力や工夫を駆使して、現在、そして将来にわたって都民が真に必要とする施策を着実に進めていただくことを求めて、質問を終わります。

○成清委員 令和七年度当初予算案について伺います。
 一般会計は、過去最高の九兆千五百八十億円となり、前年度から七千億円の増加となっております。
 まず、歳出予算の主な増加理由について伺います。

○佐伯主計部長 令和七年度予算では、前年度と比べまして七千五十億円の増となっておりますが、主な増加理由といたしまして、税収に連動する経費と政策的な経費でございます一般歳出に分けられると考えます。
 まず、税収に連動する経費でございますが、合計で二千百四十一億円の増となっております。この内訳といたしましては、法令等の定めにより税収の一定割合を区市町村に対して交付する経費などで一千八百七十九億円、財政調整基金への義務積立てで二百六十二億円の増となっております。
 また、一般歳出は、合計で五千二百七十六億円の増となっております。これは、職員の給与改定に伴います影響額六百四十九億円や、都が発注する工事におけます資材価格等の高騰の影響額六百三十四億円など、給与関係費や物価高騰に伴う所要額を適切に予算に反映いたしますとともに、三つのシティを進化させる取組に積極的かつ重点的に財源を振り向けたことなどによるものでございます。

○成清委員 増加した七千億円のうち三割程度は、税に連動した経費ということです。
 一般歳出の増加については、給与費や物価上昇分なども含まれているということでしたが、どのような分野、また施策に振り向けられているかということが重要です。
 そこで、一般歳出を目的別に見たとき、前年度からの増減が大きな分野の増減額と主な新規拡充事業を伺います。

○佐伯主計部長 令和七年度予算案におけます一般歳出の目的別のうち、前年度予算と比べまして最も増減額が大きい分野は福祉と保健でございまして、一千六百十一億円の増となっております。主な新規拡充事業といたしましては、新たに保育料等の無償化を第一子まで拡大をいたします保育所等利用世帯負担軽減事業や東京都認証学童クラブ事業などを計上しております。
 このほか、労働と経済では、EVバス・EVトラック導入促進事業やカスタマーハラスメント防止対策推進事業などにより八百九十四億円の増、都市の整備では、中小河川整備や災害時も生活継続しやすいマンションの普及促進などによりまして八百四十七億円の増となっております。
 こうした取組に的確に財源を振り向けることで、世界で一番の都市東京の実現に向けた施策を積極的かつ着実に展開してまいります。

○成清委員 私たち都民ファーストの会の要望を踏まえ、幅広い分野で様々な取組が多数盛り込まれていることを評価いたします。
 続いて、ワイズスペンディング評価制度について質問いたします。
 これまで私たちも、多角的な観点で評価制度の強化を提案してまいりましたが、都は、全ての事業に終期を設定し、実効性、効率性を高めるために事業の検証を実施しております。
 令和七年度予算編成における事業評価について、強化したポイントを伺います。

○佐伯主計部長 令和七年度予算編成の事業評価では、終期が到来する事業の事後検証の徹底に加えまして、類似事業の整理やBPRの実施、先端技術の活用などによる業務の見直しなどの取組を強化いたしました。
 この結果、千五百五十八件の評価結果を公表いたしますとともに、過去最大となる一千三百三億円の財源確保につなげております。特に類似事業の整理では、都民や事業者の視点に立って見直しを徹底することで、前年度対比で約四倍となります百十件の事業の集約、統合を行いまして、利用者の利便性の向上や業務の効率化を図っております。

○成清委員 今、ご答弁にありました類似事業の整理に力を入れているということでしたが、その具体例をお伺いします。

○佐伯主計部長 類似事業の整理に関します主な具体例といたしまして、農作物獣害防止対策事業がございます。この事業は、野生獣による農作物被害の軽減を図るため、区市町村等の対策経費に対して補助をしておりまして、これまでイノシシなど大型野生獣への対策、ハクビシンなど中型野生獣への対策、デジタル技術を活用した対策、被害減少に貢献する人材育成、これら四つの事業から構成をされておりました。しかし、複数の事業を同時に活用する場合でも別々に申請を必要とするなど、事務手続上の利便性や支援メニューの分かりやすさの点で課題が生じておりました。
 そこで、これらの既存の四事業を統合再構築いたしまして、補助申請を行う区市町村等の事務負担を軽減いたしますとともに、支援メニューも分かりやすくいたしますことで、獣害対策事業のさらなる活用を推進していくこととしております。

○成清委員 都の抱える事業数は非常に多いため、都民としても行政としても類似事業の整理は重要であると考えます。引き続きの取組をよろしくお願いいたします。
 こうした取組に加え、一つ一つの事業への専門家の知見の活用、財源確保の考え方や評価シートの分かりやすさのチェックなど、外部有識者の意見を一層活用することが重要です。
 評価の仕組みや公表内容の充実に向け、第三者の意見も踏まえながら速やかに検討すべきと考えますが、これまでの外部有識者の活用状況も含め、見解を伺います。

○佐伯主計部長 財務局では、事業評価に加えまして、令和四年度予算編成から政策評価、令和六年度予算編成からグループ連携事業評価を予算編成の一環として一体的に実施しておりまして、これまで外部有識者の知見も活用しながら事業の見直しに取り組んでまいりました。
 この間の外部有識者の活用状況といたしましては、例えば政策評価では四十三ユニット、四百四事業につきまして外部有識者から意見をいただき、施策全体の方向性や個別事業の効果などの評価に反映いたしますとともに、意見に対する都の考え方などと併せて公表を行っております。
 こうした取組を踏まえつつ、より効果的な仕組みの構築やアカウンタビリティーの向上を図る観点から、今月中に外部有識者による会議を新たに立ち上げ、外部の目を取り入れながら評価制度のバージョンアップを図ってまいります。

○成清委員 国の行政事業レビューでは、事業ごとに評価シートに五年分の要求額、当初予算、補正予算、執行額、執行率、増減理由、外部有識者のコメント、そして支出先が個別の事業者や個人ではない場合には支出先上位者リストなどが記載されております。
 一方、都では、CSV形式で一件別に評価結果を公表していただいておりますが、私自身毎年目を通しておりますが、一般の方には分かりにくい部分もあり、改善の余地があります。ぜひ充実を図っていただきたいと思います。
 こうした評価制度など財政運営の工夫は、納税者でもあり施策の対象者ともなる都民に知ってもらうことも重要です。都民に興味を持ってもらう、また知ってもらうため、どのような取組を行っているのか伺います。

○佐伯主計部長 都はこれまで、予算の全体像や財政運営の工夫を東京都予算案の概要でイラストを用いて紹介いたしますとともに、ホームページ上の都財政の見える化ボードにおきまして、表やグラフなどを用いて分かりやすく公表するなど、様々な機会を捉えて効果的な発信に取り組んでまいりました。
 また、今年度からは、新たな取組といたしまして、政策評価、事業評価、グループ連携事業評価の三つをまとめて、TOKYOメリハリレビューといたしましてPRをしているところでございます。
 加えまして、日頃、都財政になじみの薄い方々にも分かりやすく伝えることができるよう、スマートフォンでも見やすい縦型の動画を作成いたしまして、SNSやユーチューブなどでも発信をしております。
 このように、情報発信の取組も強化した結果、予算案発表後の二月におけますダッシュボードの閲覧数は前年同月比で一・七倍となるなど、一定の効果も現れております。
 今後とも、より多くの都民の皆様に都の取組への理解を深めていただけるよう、創意工夫を凝らしながら、効果的な発信に取り組んでまいります。

○成清委員 今年度からは、縦型の動画を作成し、広報を展開しているという取組を評価いたします。
 改めて、このTOKYOメリハリレビューが都民に認知されること、そして外部有識者によるレビューの充実やアカウンタビリティーのさらなる向上に取り組むことを求めて、質問を終わります。

○まつば委員 財政運営について質問いたします。
 都議会公明党は、一貫して人への投資を求めてまいりました。中でも、子育て、教育施策の充実を主張いたしまして、議会質問など重ねてまいりました。
 都は、令和七年度予算で第一子保育料無償化や子供の医療費助成における所得制限撤廃など、国に先駆けた施策を新たに展開することを評価いたします。
 こうしたチルドレンファースト社会実現に向けた予算のほかにも、都議会公明党は、安全・安心の東京へ、に向けての施策の充実も力を入れてまいりました。特に、激甚化する災害への備えなど、都が抱える課題は膨大であります。
 我が党は、さきの予算特別委員会におきましても、都市の防災力を高め、都民の命と暮らしを守る取組を都に重ねて求めたところです。東京の強靱化に向けた取組を強化するため、都は昨年度、TOKYO強靱化プロジェクトをアップグレードし、令和五年度から十年間の概算で約七兆円の事業規模を見込んでおります。
 そこで、プロジェクトの推進のため、令和七年度予算ではどのように反映しているのか、また、将来にわたって強靱化を実現していくため、財政面からどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

○佐伯主計部長 令和七年度予算では、気候変動に伴い激甚化する風水害や首都直下地震、火山噴火など、東京が直面する危機に対しまして、都民の命と暮らしを守るため、中小河川の整備や都市の不燃化に向けた取組の強化など、TOKYO強靱化プロジェクト全体といたしまして、前年度から五百四十四億円の増となります八千百六十一億円を計上しております。
 また、将来にわたり着実かつ計画的にプロジェクトを推進していくため、令和四年度に東京強靱化推進基金を創設いたしまして、事業の財源として活用いたしますとともに、令和六年度最終補正予算では八百十二億円を積み立てるなど、残高の確保に努めております。
 今後も、この東京強靱化推進基金や都債などを戦略的に活用しながら、TOKYO強靱化プロジェクトを財政面からしっかりと下支えしてまいります。

○まつば委員 東京の強靱化を着実に実現していくためには、基金や都債といった財政対応力の戦略的な活用が不可欠です。
 こうした考えの下、さきの予算特別委員会におきまして、感染症によるパンデミックやリーマンショックのような経済恐慌が起こっても安定的に施策展開を図るべく、中長期を見据えた基金のさらなる積立てを求めたところであります。
 そこで、本日は、財政運営上、もう一つの重要な要素である都債について確認してまいります。
 まず、都債の現状を明らかにするため、令和七年度予算での都債の発行額はどの程度であり、結果として残高見込みはどうなっているのか、起債依存度の水準と併せて確認いたします。

○佐伯主計部長 令和七年度当初予算案では、将来世代への負担も考慮いたしまして、都債の発行を抑制し、将来に向けての発行余力を培うことといたしました。
 その結果、都債の発行額は、前年度当初予算と比べまして一千九十三億円、三四・九%減の二千三十四億円となっておりまして、七年度末の都債残高は、前年度当初予算時から二千八百九十三億円の減となります四兆四千四百三十一億円を見込んでおります。
 また、歳入に占める都債の割合を示す起債依存度は、前年度より一・五ポイント低い二・二%となっております。これに対しまして、国や地方財政計画の起債依存度はそれぞれ二四・八%、六・一%となっておりまして、国や地方と比べても都財政は健全な状態にあると考えております。

○まつば委員 都はこれまで、残高を着実に減少させ、起債依存度も国等と比較して低く、将来に備えた発行余力がしっかりと培われていることを確認いたしました。
 しかしながら、都債を発行したとしても購入をしていただけなければ、着実な資金調達にはつながらないものと思います。そのためには、金融市場と対話しながら、そのニーズや声に応じた商品を展開していかなければなりません。
 そうした観点から、都は、グリーン・ブルーボンドなど、投資家に選ばれるSDGs債を発行し続けていると認識をしています。
 そこで、都が今年度発行したSDGs債につきまして、具体的な成果をお聞きいたします。

○佐伯主計部長 今年度のSDGs債の発行についてでございますが、国内市場におきまして、環境施策の推進に資する事業を充当対象といたしましたグリーン・ブルーボンドを二百億円、また、社会課題の解決に資する事業を充当対象といたしましたソーシャルボンドを四百五十億円発行いたしまして、国内投資家の高い関心を集めております。
 さらに、海外市場におきましては、環境対策と社会課題の解決の双方を目的といたしましたサステナビリティボンドを、国内自治体として初めて四百八十七億円相当額を発行いたしまして、ヨーロッパを中心として多様な投資家からご購入をいただきました。
 このように、それぞれの債券におきまして、充当対象である都の取組への共感を得ながら、新規も含めた幅広い投資家の参入を実現することができたと考えております。

○まつば委員 さらに、都は来年度、新たに資金の充当先をTOKYO強靱化プロジェクトに特化したTOKYOレジリエンスボンドを海外市場で発行するとしています。このTOKYOレジリエンスボンドは、災害対策等に資金を充当するとのことですが、まず、どのような事業に資金を充当するのかを伺います。

○佐伯主計部長 TOKYOレジリエンスボンドでございますが、サステナビリティボンドをバージョンアップいたしまして、TOKYO強靱化プロジェクト事業のうち、気候変動により激甚化する風水害への対策事業等に充当先を特化いたしました都債でございます。
 具体的には、局地的な集中豪雨等によります溢水を防ぐための調節池の整備や、平均海面水位上昇による浸水を防ぐための防潮堤のかさ上げなどに充当してまいります。

○まつば委員 それでは、TOKYOレジリエンスボンドの海外市場での発行に向けてどのように取り組んでいくのかを伺います。

○佐伯主計部長 都はこれまで、SDGs債の発行に当たりまして、調達した資金の使途の適格性や管理の透明性などが国際基準に適合していることを明らかにするため、第三者機関による評価を取得いたしまして、投資家に明示をしております。
 今回発行いたしますレジリエンスボンドにつきましても、海外投資家からの都債に対する信頼性を高める観点から、気候変動による風水害への対策等も含めて対象といたしますサステナビリティボンドの基準に基づきまして、本年八月頃に第三者評価を取得した上で、秋を目途に発行いたします。
 加えまして、現在新たにレジリエンスボンド独自の国際基準の検討が進められておりますことから、この基準への適合も目指すとともに、発行体として意見を提供するなど、都として国際基準の策定にも寄与してまいります。

○まつば委員 TOKYOレジリエンスボンドが国内外の金融市場に新たな一石を投じるとともに、その発行によって、東京が気候変動対策にも備えた強い都市であることが世界の方々にも伝わることを期待しております。
 激甚化する風水害に加え、地震や火山噴火などに備え、TOKYO強靱化プロジェクトを踏まえた計画的な防災、減災対策が重要であります。都債や基金という財政上の備えを戦略的に活用することで、いかなる財政環境にあっても都民の命と暮らしを守り抜いていく、このことを改めて強く求め、質問を終わります。

○和泉委員 日本共産党都議団の和泉なおみです。よろしくお願いします。
 私は、予算の編成や執行状況について、財政民主主義の観点から、財務局が果たすべき責任について、本委員会を含め、予算特別委員会、決算特別委員会を通じて繰り返し質疑を行ってきました。巨大な都財政において、各局から提出される予算要求を精査して予算案の編成を行い、歳入歳出を管理する財務局の業務量の多さは、想像するに余りあります。
 しかし、だからといって、財務局の目が届かない方法によって予算がどのように使われたのか不明なまま執行されることは見過ごすことはできません。都民の大事な税金がどのように使われているのか、都民の共有の財産である都有財産がどのように活用され、また保全されているのか、財務局が所管する業務は大変責任が重いものです。そして、それをチェックするのは、私たち議会の重要な責務の一つであり、その責任もまた重いものだと認識しています。
 その立場から、予算案について質疑します。
 この間、英語スピーキングテストも、プロジェクションマッピングも、事業に係る費用は全額都の負担であるにもかかわらず、協定が民間との間で行われることを理由に、情報の公開が不十分なまま進められています。
 今日は、これまで私たちが取り上げてきた幾つかの問題について質疑します。
 協定書には、収支報告書の提出や、事業の終了に当たっては都の負担金に係る費用の精算を行うことが記載をされています。各局が行っている実行委員会形式のイベントや事業について、都の負担金の収支報告や精算結果を財務局には報告があるんでしょうか。

○佐伯主計部長 一般に各局が関わります実行委員会が実施する事業の決算等につきましては、それぞれの実行委員会で定める規程等に基づきまして手続が行われているものと承知をしております。
 また、東京都への決算状況等の報告につきましては、都と各実行委員会が締結いたします協定書に基づき、実行委員会から所管局に対しまして適切に報告がなされているものと認識をしております。
 なお、財務局では、毎年度の予算編成過程におきまして、実行委員会方式で実施しているか否かにかかわらず、事業の決算状況等を確認しております。

○和泉委員 実行委員会から所管局に協定書に基づいて決算状況の報告が行われているということですけれども、その所管局に対して行われている収支報告、決算状況の報告が財務局にはあるんですかということを伺いました。もう一度繰り返します。お願いします。

○佐伯主計部長 財務局では、毎年度の予算編成過程におきまして、実行委員会方式で実施しているか否かにかかわらず、事業の決算状況等を確認しております。

○和泉委員 収支報告書の提出を求めてチェックしているというふうにはいえない。財務局には報告はなく、財務局として収支報告書の提出を求めて精査しているわけではないが、事業局の責任において適切に行われているはずだということなんだと思います。
 適切だと私たちが判断するためには、そのための材料が必要ですが、財務局はその重要な判断のための情報を把握していないということになります。
 プロジェクションマッピング事業は実行委員会との協定書が、英語スピーキングテストは事業者との協定書が、それぞれ締結されていますが、この協定書の締結は地方自治法上の契約ではないので議会の議決は要しないというのが、この間の東京都の姿勢です。
 私は、それ自体も問題だというふうに思いますが、協定書の締結に議会の議決を要しないとしても、予算や決算の審査では、議会にちゃんと情報を出してもらわなければ審査に堪えません。
 各局が行う実行委員会との協定について、財務局は協定書の内容などを把握していますか。

○佐伯主計部長 都と実行委員会が協定書を締結するに当たりまして、所管局から特に協議を受けておりません。

○和泉委員 協定書の内容については、所管局から協議を受けていない。つまり、その協定書の内容は把握していない。これも、所管局において適切に行われているはずだから、財務局としては協定書の内容まで口出ししない、把握する必要はないということなんでしょうか。
 先ほども述べましたけれども、都が実行委員会形式で行う事業については、地方自治法に定める契約の手続が行われません。
 財務局は、現在、実行委員会形式の事業が各局においてどのぐらい行われているのか把握していますか。

○佐伯主計部長 先ほど、副委員長の方から、協定書の内容を全く把握されていないんではないかというようなご指摘もあったかと思いますが、私ども、毎年度の予算編成過程におきまして、必要に応じ、実行委員会方式で行われている個々の事業の協定書を確認するケースはございます。
 それから、先ほどのご質問でございますが、各局の事業実施に当たりまして、予算執行に関する副知事依命通達に基づき、各局が執行管理を行っているため、それぞれの実行委員会に係る協定の締結に際し、財務局は各局から特段の協議を受けておらず、事業手法に関する件数などの集計は行っておりません。

○和泉委員 私の今の質問に対しては、実行委員会形式で行われている事業がどのぐらいあるかも把握していないというご答弁でした。そして、私が、協定書の内容を把握していないということに対しては、協定書の内容を把握することもあるんだというご答弁でした。
 全体の中で、今まで財務局がこの協定書の内容について精査した案件というのは、一体どのぐらいあるんでしょうか。

○佐伯主計部長 今のご質問でございますが、個々に何件精査を行ったのか、またその精査の定義にもよりますので、今ここで詳細に件数をお答えすることはできません。

○和泉委員 私の質問に対して、協定書の内容を確認していることはあるというふうにお答えになったので、そのように伺いました。
 では、これまで全体に何件のうち何件、協定書の内容について把握をしたのか、後ほど私のところに答えを持ってきていただきたいというふうに思います。
 実行委員会や協定書の締結の手法を使えば、議会の議決も要らない、財務局に収支報告をする必要もない。
 私は、予算編成の過程の財務局の精査において、少なくとも実行委員会の収支報告くらいは提出を求めてチェックすることが必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。

○佐伯主計部長 先ほどもご答弁したとおり、財務局におきましては、毎年度の予算編成過程におきまして、実行委員会方式で実施しているか否かにかかわらず、事業の決算状況等の確認を行っております。

○和泉委員 先ほどご答弁があったとおり、収支報告書については、提出を求めてチェックしているとはいえないわけですよ。少なくとも、契約であれば議会の議決が必要になるぐらいの都の負担金が設定されている、そういう事業くらいはしっかりと協定書の内容を把握する、収支報告書の提出を求めて精査する、こういったことをやるべきだというふうに思います。そして、議会に対しても、しっかりきちんと情報を出していただく必要があるということを指摘しておきます。
 予算の編成過程において、どのような精査が行われたのかという点について、いま一つ確認しておきたいのが、お台場の噴水です。
 本定例会で、港湾局は、突然、噴水の噴射をこれまでの海水から上水へと替えました。
 まず伺いますが、臨海地域開発事業会計の噴水整備はどのような予算要求がなされていたんでしょうか。財務局は、噴水整備費の中身について精査したんでしょうか、伺います。

○佐伯主計部長 令和七年度予算編成では、臨海地域開発事業会計の当初要求といたしまして、港湾局から財務局に対しまして、お台場海浜公園の噴水整備に係る費用として約二十六億円の要求がございました。必要性や有効性など、様々な角度から分析や検証を行った上で、予算を計上したところでございます。

○和泉委員 二十六億円という当初要求に対して、財務局は必要性や有効性などを検証して、そしてこの二十六億円という予算案を立てたというご答弁です。
 続けて伺いますが、財務局は噴水整備費の積算根拠については説明を受けていましたか。

○佐伯主計部長 予算編成過程におきまして、港湾局より、工事費などの積算根拠の説明は受けております。

○和泉委員 工事費の積算根拠の説明を受けていたということなので、続けて伺います。
 海水噴射でしたか、それとも上水噴射でしたか。

○佐伯主計部長 予算編成過程におきまして、港湾局からは、海水を利用する噴水整備として説明を受けております。

○和泉委員 海水を利用する噴水整備としての工事費、これが二十六億円ということで、その内容を財務局としては精査したということなんだと思います。ただ、海水の噴射であれば、噴水設備から直接海水を吸い上げればいいわけですけれども、上水ということになれば、まずはその水を海の中にある噴水設備まで引き込まなければなりません。水の中に水道管を浮かせるわけにはいきませんから、当然地中をはわせることになります。相当大がかりな設計変更が必要なんではないんでしょうか。
 しかし、港湾局は、基本設計、実施設計ともに海水噴射方式で行っており、当然、予算要求もその仕様で積算していたということです。しかも、整備費だけではなくて、上水を使うということになれば、ランニングコストもこれまでの計算とは全く違ってくるはずです。
 噴水整備費用について、予算原案が発表された後で、突然、海水噴射から上水噴射へと変更になった、予算案の発表後に積算の根拠がこれほど大きく変わるということは通常あり得るんでしょうか。

○佐伯主計部長 積算根拠が変わることがあるのかというお尋ねですけれども、個々のケースによりましてそういったことも想定はされますけれども、今ご指摘いただいております噴水整備の費用につきましては、さきの予算特別委員会におきまして、港湾局長は、高射噴水への上水利用につきましては現在技術的な検討を進めていると答弁しておりまして、ご提案している予算案の積算内容は変更されていないと我々は認識をしております。
 また、一般に予算執行の段階におきまして、予算に計上した事業については、社会情勢の変化などを適切に見極めながらあらゆる工夫を凝らし、その目的が確実に達成できるよう着実な執行を図ることとしておりまして、予算執行に関する副知事依命通達におきましても、その旨を各局に通達しておるところでございます。

○和泉委員 高射噴水の上水利用について現在技術的な検討を進めているというふうに港湾局が答弁したと、積算内容は変更されていないと、財務局がそのように認識しているということですけれども、先ほど私、述べたとおり、ちょっとやそっとの変更じゃないですよ。もう根本的に、海水を使う場合と上水を使う場合とでは、仕様そのものが大きく変わってくるわけです。その水を海の中にある噴水設備まで引き込まなければならないという根本的な設計変更が必要になるわけです。私は、そういうことを考えれば、いまだ予算を計上して審議に付すに至っていないというのが、この事業の今の現在の到達だというふうに思います。
 予算執行の段階で変化する社会情勢などを踏まえると、一般的にはそうだというふうに、先ほどそういう答弁もありましたけれども、このお台場の噴水は、例えば工事の途中で資材が値上がりしてしまった、そのために予算の範囲の中で収まらなくなった、あるいは、もともと上水を使ってパイプを引く予定だった、そのパイプのコースが何らかの事情によって変えなければいけなくなった、そういう性質のものではありませんよ。
 予算執行の段階で変化する社会情勢を踏まえということが答弁ありましたけれども、この事業の目的はにぎわい創出だというふうに思いますが、今回の変更は、そのにぎわいを支える屋形船の皆さんから重大な懸念が示され、その結果、根本的に計画を変更せざるを得なくなったものです。目的を確実に達成するための前提が崩れているということではないんでしょうか。
 以上を踏まえて、ふさわしく、積算や予算計上を根本から見直すべき性質のものだというふうに思います。その責任を負う財務局のその責任において、お台場の噴水について改めて予算の積算を示すよう、港湾局に強く求めていただきたいというふうに思います。
 続いて、固定資産税の問題を質疑します。
 昨日の我が党の清水とし子議員の主税局質疑で、地価の上昇で固定資産税が上昇しているということが明らかになりました。本日の財政委員会では、固定資産税額の基になる地価公示価格について質問いたします。
 二〇二四年、令和六年の東京二十三区における地価公示価格の動向について伺います。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 昨年度末に国土交通省が公表した令和六年の地価公示価格についてでございますが、区部住宅地での変動率は五・四%、区部商業地での変動率は七・〇%でございます。

○和泉委員 二〇二四年の二十三区の地価公示価格の変動率は、住宅地で五・四%、商業地で七・〇%と、バブル期を除くと最高の上昇です。
 本日、財務局が発表した地価公示価格の概要を見ても、さらに住宅地が区部で七・九%、多摩で三・四%、商業地では一一・八%、さらに上昇率が、上昇幅が拡大しているという状況です。
 次に、住宅地の地価動向の背景について伺います。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 昨年三月公表の令和六年地価公示価格東京都分の概要によりますと、コロナ禍後、経済活動がさらに正常化に近づいており、テレワークなどによる広い住宅を求めるニーズや、富裕層を中心に資金に余裕があることを反映して、住宅地の地価は全般に上昇傾向にあると記載されてございます。
 なお、都心区及びこれに隣接する区では、マンション需要が引き続き旺盛である一方、区部外縁部では地価上昇の勢いが弱まりつつある地域も見られるなど、地価の動向は地域によって異なり、その理由としては様々な要因が考えられます。

○和泉委員 コロナ禍で地価公示価格の変動率がマイナスになったのは、住宅地も商業地も二〇二一年のみで、翌年からプラスに転じています。その点では、地価動向はコロナ禍の影響は小さかったといえます。しかも、中小企業などの経済状況が回復するよりも早く地価は回復し、上昇が始まっているということを見ると、コロナ禍を脱したこと以外の要因、富裕層を中心にしたマンション需要による影響なども大きいと思われます。
 次に、商業地の地価動向について伺います。

○小西利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務 昨年三月公表の令和六年地価公示価格東京都分の概要によりますと、商業地におきましては、国内外の観光客でにぎわう地域、再開発事業が進捗している地域などを中心に、都心区に隣接する住商併用地域で上昇が大きいことが挙げられてございます。
 なお、都心区では、大規模オフィス賃料の低迷傾向などを反映して上昇率が低い地域も見られるなど、地価の動向は地域によって異なり、その理由としては様々な要因が考えられます。

○和泉委員 主税局と財務局の質疑で、また都の資料でも、地価の上昇が固定資産税を引き上げている、その要因として再開発がある、これが明らかになりました。
 その結果、マンション価格が高騰し、若い方々や子育て世代が住めないまちになっているんじゃないでしょうか。この実態をしっかりと受け止めて、根本から都の都市づくり政策を改めることを強く求めて、次の質問に移ります。
 総合評価方式についてです。
 設計等委託における総合評価方式について、実施状況の調査とそれを踏まえた制度設計の方向性についての検討が行われています。
 最初に、設計等委託の価格競争に最低制限価格制度を導入した効果について伺います。

○須藤契約調整担当部長 設計等委託において最低制限価格制度を導入して以降、平均落札率は上昇しております。

○和泉委員 設計等委託の総合評価方式に関して見直しの検討がされているというふうに聞いていますが、今後の制度設計の方向性についても併せてお答えください。

○須藤契約調整担当部長 設計等委託の総合評価方式におきましては、過度な低価格での受注の防止策をより強化する方向で検討を行うこととしております。
 現行制度では、調査基準価格未満での応札においても、入札価格の低下に伴って価格点が僅かに上昇していく算定式となっておりますが、調査基準価格未満においては、価格点が逓減する算定式とするよう検討を進めております。

○和泉委員 今後、設計等委託の総合評価方式と同様に、一定価格以下の入札は価格点を逓減させる取組をほかの業務委託等にも広げていくことが必要だと思いますが、対象業務を拡大していく上での課題は何だというふうに認識されているでしょうか、伺います。

○須藤契約調整担当部長 ご指摘の取組を導入するためには、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがある水準とされる調査基準価格を設定する必要がございます。
 調査基準価格は予定価格から算出するものでありますが、業務委託はその種類や内容が多岐にわたるため、各案件の性質により様々な予定価格の積算手法が存在しており、これらの積算の共通化を図るには、適用範囲の設定や影響の分析などの課題があると認識しております。

○和泉委員 設計等委託の総合評価方式や最低制限価格の導入によって、導入当初六〇%だった平均落札率が七六・八%まで上がってきている、このことは重要です。
 ただ、それでも、工事契約の全業種平均落札率が九二・七五%なのに対して、設計等委託は総合評価方式で七八・二%、価格競争では七六・八%と、かなりの差があります。落札率が低い分のしわ寄せが労務費に行っているのではないかという懸念があります。
 落札率を上げるには、工事のような最低制限価格に相当する調査基準価格を設定していくことが重要です。調査基準価格を設定することは難しいという答弁がありましたけれども、難しいからできない、国がつくるまで待つというのではなく、それぞれの業界、労働者と話合いを重ねて一致点を見いだしていく姿勢、取組、それが重要ではないでしょうか。そうしてこそ、実態に見合う調査基準価格を設定することができるんだというふうに思います。
 改めて、現在、調査基準価格が設定されていない業務委託について、都独自に検討、設定していくことを強く求めて、次の質問に移ります。
 次に、下請次数調査の内容についてです。
 下請次数調査の内容、また労働者の賃金については調査内容に含まれていたんでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 今年度行いました下請次数に関する状況調査は、都が発注する一定規模以上の工事で、令和六年七月に施工中の全件を対象に、施工体系図により施工体制を確認し、土木工事については三次以上、建築及び設備工事については四次以上の下請契約があるものについて集計したものでございます。
 本調査は、施工体制の実態を把握するため行ったものであり、賃金については調査対象としておりません。

○和泉委員 この都が行った調査が、施工体制の実態を把握するためであって、賃金については調査対象としていないというご答弁でした。
 下請次数調査の結果についてはどうなっているでしょうか、伺います。

○須藤契約調整担当部長 本調査の対象工事千八件のうち、土木工事で三次、建築及び設備工事で四次以上の下請契約がある案件は百四十八件でございました。
 都は、分離分割発注を原則としており、過度な重層化傾向は見受けられませんが、財務局契約案件など大規模な工事ほど、専門化、分業化等のため下請次数の増加が確認されております。

○和泉委員 ただいま、財務局案件、財務局契約案件などというご答弁ありましたけれども、財務局契約案件というのはどのぐらいの金額の案件なんでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 財務局契約となる案件は、工事においては原則として予定価格が、建築工事では三億五千万円以上、土木工事は二億五千万円以上、設備工事は四千万円以上の契約でございます。

○和泉委員 先ほどの答弁にもありましたけれども、調査した工事のうち約一五%が重層下請だということです。特に、財務局契約案件の金額の大きな契約で下請次数が多くなるということです。公表された調査結果を見ますと、五次、六次というのもありました。
 下請次数が増えるほど労務費確保が難しくなります。今回の調査で、財務局契約案件ほど重層下請が多くなるということですので、財務局として発注した契約について、労務費や賃金の実態について調査を行うことを求めます。
 次数だけではなく、実際に一番下の作業員にどれだけの賃金が確保されているのか、ここをつかむことはとても重要だと思います。そして、そこから予定価格を積み上げていく、そういう積算方式が求められているというふうに思います。
 次に、都発注の工事業務委託等で働く労働者の人件費について伺います。
 都は、都発注の建設現場で働く労働者の適切な処遇の確保のために、品確法の理念を踏まえ、適切な工期と予定価格の設定に努め、低入札価格調査制度や最低制限価格制度の運用などダンピング対策を実施するとともに、元請業者に対し適正な請負代金による契約締結など下請契約の適正化を要請していると答弁してきました。
 都発注の工事に関して、下請事業者含めて適切に労務費が行き届いているという点について、都はどのように確認をしているんでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 公共工事品確法では、まず、受注者の責務として、適正な請負代金での下請契約の締結や技能労働者等の労働条件等の改善を定めております。
 また、発注者の責務として、適正な予定価格及び工期の設定やダンピング受注の防止などが定められており、こうした法における役割分担の下で、都は、これまで各種の取組を進めてきております。
 こうした中、令和六年六月に成立した第三次担い手三法では、将来の担い手確保に向けて適正な労務費等の確保と行き渡りに向けた規定が盛り込まれており、今後、国において予定されている政省令等の改正の動向を注視しております。

○和泉委員 発注者である都の責務は、適正な予定価格及び工期の設定やダンピング受注の防止、こうした役割分担の下で、都は取組を進めてきたということです。
 また、第三次担い手三法では、適正な労務費などの確保と行き渡りに向けた規定が盛り込まれており、今後、国の政省令等の改正の動向を注視していくという答弁です。
 適正な労務費などの確保と行き渡りに向けた規定とは、具体的には、中央建設業審議会が標準労務費を作成、勧告していくことだというふうに思います。さらに、著しく低い労務費等による見積りなどは禁止をしていく取組を国は進めようとしています。
 こういう仕組みをつくろうとしているのは、人件費や物価高騰を見込んだ予定価格を設定しても、それが下請業者、現場で働く労働者に届いていないという実態があるからじゃないんでしょうか。
 日本共産党都議団にも、労務費が適切に支払われていないという声が寄せられています。
 東京土建が行った、公共工事の現場で働く労働者の賃金調査があります。この現場は都発注工事ではありませんけれども、二〇二三年度、都内公立学校の建て替え工事で、公共工事設計労務単価では二万九千九百円とされているとび工の日給が一万円、日給二万八千八百円とされている電工が一万五千円で働いていました。
 公共工事ですから、自治体は品確法の理念を踏まえて適切な予定価格を設定して、人件費は公共工事設計労務単価を前提に積算されていたんではないでしょうか。しかし、それが現場に届いていないというのが実態なんです。
 こうした状況は、都発注の工事や業務委託等の現場でも同様ではないでしょうか。
 これから国が規定をつくるまで待ちの姿勢ではなく、まずは都発注の工事、業務委託等の実態をつかみ、直ちに改善すべきことを求めて、次の質問に移ります。
 質問に移りますというふうにいいましたけれども、ここまで下請次数調査の結果と都発注の工事業務委託で働く労働者の人件費について質問してきましたけれども、いずれの結論からも、まず都が労務費や賃金の実態をよくつかむことが必要だということは明らかだと思います。そのことを改めて強調した上で、次の質問に移りたいと思います。
 日本共産党都議団は、公契約条例を持つ自治体から聞き取り調査をしてきましたが、どの自治体でも、公労使が率直に話し合う中で互いに顔の見える関係がつくられ、合意形成が図られていました。
 東京都においても、公労使協議の場をつくり、公契約条例や都発注の工事や業務委託等について意見交換を行うことは重要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 財務局では、毎年度、複数の事業者団体及び労働者団体それぞれと、入札契約制度に関する意見交換の機会を設けております。

○和泉委員 日本共産党都議団で聞き取りをした公契約制度を制定した自治体では、制定に当たって、労働者、事業者、自治体が協議を重ねる上で共通認識が出来上がった、制度実施後、事業者からも公契約制度をつくってよかったという声が上がっていること、入札以外の建設案件についても意見交換ができる、何よりも顔の見える関係が築けたことがよかったというお話を伺いました。
 ぜひ東京都でも、こうした公労使三者の協議の場を設け、公契約制度、入札制度についての率直な意見交換を行い、施策に反映させていただくことを求めます。
 日本共産党都議団は、引き続き、都の予算の公正性、透明性を担保するために、チェック機関としての議会の権能を果たすとともに、暮らし、福祉を都政の真ん中に据えた都政への転換を目指して全力を尽くすことを宣言し、質疑を終わります。

○中田委員 よろしくお願いします。
 私も何点か質問をさせていただきますが、物価高の中でも、子供、子育て支援、教育の無償化、家賃補助など、東京都の政策を強化していくには財政の健全性と財源確保がますます重要となってきますので、その観点から、まず都債について質問をいたします。
 都債は、毎年度の予算で歳入として計上されておりますが、外部資金調達、すなわち借金です。地方公共団体の歳出は地方債以外の歳入で賄うことが原則とされておりますが、建設事業など将来の住民にも経費を分担してもらうということが望ましい場合は地方債を財源にできるとなっています。
 毎年度の都債発行について、都度、都民、議会にきちんと説明する必要がある中で、令和七年度予算案において、都債の発行額とその内訳、また利率、支払い利息の額はどのようになっているか伺います。

○佐伯主計部長 令和七年度予算案におけます一般会計の都債は、二千三十四億円を計上しておりまして、その内訳は、全て建設事業費などの財源として発行する通常債でございます。
 また、来年度の発行金利は二・一%として算定をしておりまして、利払い費につきましては、過去に発行した都債の利子も含めまして、合計四百三十五億円を見込んでおります。

○中田委員 今、過去に発行した都債の金額も含めてのご答弁をいただきましたが、令和七年度に発行する都債が二千三十四億円ですから、単純に二・一%を掛けると年利四十二・七億円の利払いになるわけですが、つい先日、補正予算で一%台の利率が高い保証金六十六億円を払って、一千二百億円の繰上げ返済をしました。利息の支払いを九十七億円減らすという説明だったわけですが、二週間後に、今度は二・一%の利率で二千三十四億円のお金をまた借りると。都債を発行する予算案を審議するわけですから、都民から見ると不思議に思われるのではないかというところもあります。
 令和七年度の都債発行額の二千三十四億円の必要性について、改めてご説明をいただきたいと思います。

○佐伯主計部長 都債は、年度間の財源調整と世代間の負担の均衡を図る機能を有すると同時に、将来の財政負担も見据え、中長期的な視点に立って活用することが重要でございます。
 こうした考えの下、令和七年度予算案におきましては、歳入歳出全体の見込みや建設事業費等の適債事業の状況、後年度負担などを総合的に勘案いたしまして、前年度当初予算と比べまして一千九十三億円の減となります二千三十四億円を計上することとしております。

○中田委員 建設事業費など長く使うものに対しては、負担の平準化で都債を財源に充てることは理解をできますが、むやみに繰上返済をしたり都債発行額を減らせばいいというものでもないのではないかとも考えます。
 都債は住宅ローンや教育ローンとは違いますが、例えば五千万円で家を建てるとき、一割、五百万円の頭金、自己資金を入れ、四千五百万円を借りて、三十五年で返済して月々の返済額が幾らかと決めたりもします。その返済額が家計収入の二五%から三〇%ぐらいなら無理がないねというような目安がありますが、令和七年度予算案において、どんな考えで都債の発行額を算定し、計上したのか、また、そうした一般的なルール等はあるのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 地方債のうち通常債は、地方財政法第五条により対象事業が定められております。当該事業に対し起債できる充当率の範囲は、地方財政法施行令第二十条第四項により事業区分ごとに定められております。
 令和七年度予算案におきましては、これらの規定に基づきまして、対象事業の選定等を行った上で、歳入歳出全体の見込みなどを踏まえながら、都債の所要額を計上いたしました。

○中田委員 東京都予算案の概要では、都債残高は、ピークである平成十三年度の七兆六千三百八十四億円に比べて、令和七年度予算案では四兆四千四百三十一億円と四割減少となっておりますが、令和七年度は都債発行額を六年度の三千百二十七億円と比べ千九十三億円減少させたといっておりますが、令和元年度頃に比べると都債発行額は増加をしています。
 その間、税収が年々数億円ずつ増加している中で、なぜこの段階でまた借金をするのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 都債の発行に当たりましては、年度間の財源調整と世代間の負担の均衡を図る観点から、毎年度の歳出規模や税収以外の収入の状況なども踏まえ、必要な額を発行しております。

○中田委員 また最初のところに戻って、世代間の負担の均衡というような話がありました。
 先ほど来も述べておりますが、世代間の負担の均衡というのであれば、やっぱり発行額を算定するようなルール等をつくっていって、一人当たりどれくらいの都債額がいいのかとか、そういうような基準もやっぱり設けなければ、今のお金の基準と、この先の将来の基準というものが変わってくるというところもありますから、やはりそうしたルールづくりというものも必要なのではないかと思っています。
 ちょっとここからは違う視点で都債について聞いてまいります。
 今国会に提出されている地方財政計画では、全国的にも地方債の発行額は減少傾向にあります。
 深刻な財源不足を補うためというのが地方債の実情ですが、東京都の起債依存度は二・二%ということで、国や他の地方に比べて低いというのは財政当局の継続的な努力の成果だと思っておりますが、この水準がどのくらいが適正であると考えるのか、また現在の水準を維持し続けるのか、それとも、また別の観点があるのか、目安やルール等はどうなっているのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 起債依存度は、社会情勢や経済動向の変化に伴う歳入構造の変動に大きく影響を受ける指標でございまして、客観的な基準は有しておりません。
 都債に関する指標といたしましては、自治体の財政規模に対して借入金の返済額の大きさの割合を示す実質公債費比率がございまして、地方財政法に基づき、国による起債の許可が必要となる基準は一八%以上となっております。
 都におけます令和五年度決算の実質公債費比率は一・三%と、この基準を大きく下回る水準となっておりまして、こうした指標などにも留意しながら、今後も適切に財政運営を行ってまいります。

○中田委員 今、都債についてここまで質問をしてきましたが、次に、財調基金について伺います。
 年度間の財源を調整するための財政調整基金については、条例で積立額のパーセンテージが明示をされています。高度経済成長期に積立てを行わず税収増に応じて支出を拡大してきたということの反省からルール化されたと聞いておりますが、積立てについてはルールがある中で、基金の残高についてはルールがあるのか、また取崩しにはどのようなルールを用いて行っているのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 財政調整基金は、税収の減収局面や突発的な財政需要への対応など、年度間の財源調整機能を果たすものでございまして、これまでもリーマンショックなど税収が大幅に落ち込んだ際やコロナ対策などにおきまして、財源として有効に活用してまいりました。
 財政調整基金の残高や取崩し額につきましては、毎年度の予算編成におきまして、その時々の財政状況や今後の見通しなどを踏まえながら適切に判断をしております。

○中田委員 今、東京都は、令和六年度で六千六百五十八億円、令和七年度で六千五百七十三億円と、基金の積極活用として財調基金以外の各種基金を取り崩して当初予算案を編成しています。
 前々から指摘をしておりますが、毎年巨額の不用額を出している中で、各基金の残高や取崩しもルールを明確化してはどうかと考えますが、見解を伺います。

○佐伯主計部長 特定目的基金は、都政の重要課題に対し、施策を安定的かつ機動的に展開していくため、それぞれの目的に応じて設置しているものでございまして、多岐にわたる都政の課題に対処するための財源として重要な役割を担っております。
 こうした特定目的基金の残高や取崩し額につきましては、毎年度の予算編成の中で、当該年度の歳入歳出全体の見通しや基金の目的に応じた将来の財政需要等を勘案しながら、適切に判断をしております。
 なお、これまでも、特定目的基金を財源として充当する予定の事業に予算執行段階で不用額が生じた場合には、その相当額は基金の取崩しを行っておりません。

○中田委員 今、適切に判断をしているといっておりましたが、この間も指摘をさせていただきましたけれども、鉄道新線の準備基金等について積立てを行っておりましたが、まだそもそもこの鉄道新線の負担金、都の負担金なども決まっていない中で積み立てていくというような基準等もやっぱり設けていくべきだと思いますので、その点は改めて指摘をさせていただきます。
 東京都の財政収支の長期推計では、上位推計で二〇二五年度の歳入が六・八兆円、歳出が六・七兆円、収支ギャップでプラス七百億円となっておりました。実際の二〇二五年度の予算案の歳入は、歳入歳出が九兆一千五百八十億円ですから、大きく上振れをしており、財政基盤も極めて強固であるといえます。
 しかしながら、一方で、物価高対策を見ると、保育や介護、障害などの公定価格でしか収入がない事業は私たちの生活の中でも欠かせないものであり、本来は国がやるべきですが、公定価格の見直しが追いつかない状況でもあります。
 やはり、そうしたところでは、都でしっかりと物価上昇分を手当てすることは必要だと考えております。しかし、物価高騰で打撃を受けている一般都民の手当てが非常に薄いというのは、私たちも再三指摘をしてきております。
 収入が増えた人から得た税収は、やはりそれができなかった人たちへの支援へ回すべきだと考えますが、見解を伺います。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、都民生活を守るため必要な取組を実施しておりまして、令和六年度最終補正予算案では、LPガスを利用する家庭への支援等を図るほか、都民生活の応援にも資する東京アプリを活用したつながるキャンペーンに要する経費を計上しております。
 同時に、令和七年度当初予算案におきましても、都民の暮らしなどを支えるため、セーフティーネット支援や賃上げに向けた取組など、前年度予算を上回る総額一千六百七十一億円を計上いたしまして、重層的な物価高騰対策を講じております。

○中田委員 都民生活の応援につながるキャンペーンといっておりますけれども、やはりこれも、マイナンバーカードを持っていない人であったり、スマホを持っていない人たちには行き渡らない施策でありますので、やはりそういうところもしっかりと考えていただきたいと思っております。
 次に、事業評価についてお伺いをします。
 生み出した財源の考え方についてお聞きをします。
 東京都予算案の概要にも出ておりますが、令和七年度、一千三百三億円であると、このグラフを見ると出ておりますが、平成二十八年から二十九年にかけて確保額が急に倍になっています。この事業評価による財源確保によって生み出した予算の考え方に何か変更等はあったのでしょうか、お伺いをします。

○佐伯主計部長 事業評価は、財政再建期に集中的に実施した事業見直しの成果を踏まえ、財政再建の達成後も見直し努力を継続する仕組みといたしまして再構築したものでございます。
 この間、評価の対象を拡大しつつ、事後検証を徹底するとともに、進捗管理を強化することで、事業の見直しや適切な終了につなげてまいりました。
 こうした取組により生み出した財源を、これまで財源確保額として計上しております。

○中田委員 評価対象を拡大したということで、金額が増えたということが分かりました。
 予算特別委員会でも、我が会派からも質問をさせていただきましたが、この財源確保額には終期を迎えた事業も入っているとのことです。例えば、百億円で三年間やる事業が終了した、予算を超えることなく終期を迎えたということで、それが財源確保額になっていくというのは、やはりこの考え方としてはおかしいのではないかということを改めて指摘もさせていただきます。
 そこで、令和七年度予算で計上している財源確保額一千三百三億円のうち、終期が到来した事業が占める割合はどれくらいあるのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 令和七年度予算におけます事業評価の財源確保額は一千三百三億円でございまして、そのうち終期が到来した事業の占める割合は五一・七%となっております。

○中田委員 財源確保額といういい方をすると、やっぱりいろんな見直しをして予算を使わずに済んだ、それを積み上げた確保額というのが普通な考え方ではないかと思っておりますし、やはりこうやって積み上げて、終了した事業を積み上げている割合が五〇%を超えているというところはおかしいのではないかと考えております。
 さらに、この事業終了が見込まれる工事などの中で、当初の計画からさらにはみ出てしまった計画、例えば三年間の事業で百億円で終わるはずだったのが四年間に延びて、例えば百五十億円かかってしまった。これは、財源確保よりも予算が伸びてしまっているから、さらに先ほどいった財源確保額から引いていかなければいけないのかなと思いますが、そのようなところはどのような対応をしておりますでしょうか、お伺いをします。

○佐伯主計部長 毎年度の予算編成におけます事業評価の財源確保額は、見直し、再構築や拡大、充実など、評価を行った事業のうち、前年度の当初予算と比較いたしまして予算が縮減された事業の縮減額を積み上げ、その合計額を事業評価の結果として分かりやすくお示ししたものでございます。

○中田委員 事業評価で見直していくというのはもちろん大切なことですし、これからもやっていかなければいけないと思いますが、やはりこういうような見せ方というところも、都民にちゃんとした分かりやすい見せ方をしていくべきだと思っております。
 例えば、無駄に予算がかかってしまったものがどれくらいあったのかというのは、やはり東京都としてはなかなか示さなかったりもしますし、そういうところも分かりやすく示した上で、今、東京都としては財政がどういう規模で、どうやってこれから将来のことを考えていくんだということも示していただきたいと思います。
 この点については、引き続き指摘もさせていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○林委員長 次に、議員提出議案第一号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○和泉委員 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の提案理由を説明させていただきます。
 本条例案は、二〇二五年六月に支給される東京都議会議員の期末手当を、二〇二四年第四回定例会で改正される前の支給割合に戻すという内容です。
 都議会議員の期末手当は、東京都議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例にその規定がありますが、その支給割合については、職員の給与に関する条例が規定する期末手当と勤勉手当の支給割合を合算した支給割合で支給することとされています。職員の期末手当の支給割合が上がれば、条例を変えなくても、連動して自動的に上がる仕組みになっています。
 しかし、議員の期末手当を職員の手当の支給割合に自動的に連動させる考え方は適切ではないと考えます。とりわけ勤勉手当については、都民の負託に応えて議員の職責を果たすことに勤勉であるのは都議会議員として当然のことであり、期末手当の支給対象として評価すべきものではないと思います。
 また、物価高騰が続く中で、都民の暮らしと営業に深刻な影響が出ていることなどを考え、議員の期末手当について、従前の支給割合に引き下げることを提案するものです。
 委員の皆さんのご賛同を心からお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十八分散会