委員長 | 林あきひろ君 |
副委員長 | 成清梨沙子君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 北口つよし君 |
理事 | 清水とし子君 |
理事 | 鈴木 純君 |
清水やすこ君 | |
河野ゆうき君 | |
長橋 桂一君 | |
中田たかし君 | |
まつば多美子君 | |
川松真一朗君 | |
村松 一希君 | |
竹井ようこ君 |
欠席委員 なし
出席説明員主税局 | 局長 | 武田 康弘君 |
総務部長DX推進担当部長兼務 | 入佐 勇人君 | |
税制部長 | 辻谷 久雄君 | |
税制調査担当部長 | 筒井 宏守君 | |
調整担当部長 | 小林 孝幸君 | |
課税部長 | 蓮沼 正史君 | |
資産税部長 | 齋藤 栄一君 | |
徴収部長 | 小谷 健君 | |
特別滞納整理担当部長 | 上野 正之君 | |
会計管理局 | 局長 | 梅村 拓洋君 |
管理部長 | 前田 豊君 | |
警察・消防出納部長 | 直井 克彰君 | |
会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 菊地 顕行君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
会計管理局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 令和七年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第六十一号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第六十二号議案 東京都宿泊税条例の一部を改正する条例
・第六十三号議案 東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・令和七年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)六第一〇号
(2)六第一一号
(3)六第一二号
(4)六第一三号
(5)六第一四号
(6)六第一五号
(7)六第一六号
(8)六第一七号
(9)六第一八号
(10)六第一九号
(11)六第二〇号
(12)六第二一号
(13)六第二二号
(14)六第二三号
(15)六第二四号
(16)六第二五号
(17)六第二六号
(18)六第二七号
(19)六第二八号
(20)六第二九号
(21)六第三〇号
(22)六第三一号
(23)六第三二号
(24)六第三三号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(25)六第五四号
(26)六第五五号
(27)六第五六号
(28)六第五七号
(29)六第五八号
(30)六第五九号
(31)六第六〇号
(32)六第六一号
(33)六第六二号
(34)六第六三号
(35)六第六四号
(36)六第六五号
(37)六第六六号
(38)六第六七号
(39)六第六八号
(40)六第六九号
(41)六第七〇号
(42)六第七一号
(43)六第七二号
(44)六第七三号
(45)六第七四号
(46)六第七五号
(47)六第七六号
(48)六第七七号
(49)六第七八号
○林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○林委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
令和七年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和七年三月十四日
東京都議会議長 増子ひろき
(公印省略)
財政委員長 林あきひろ殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十一日(金)午後五時
(別紙1)
財政委員会
第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中 予算総則 歳入 歳出 債務負担行為 都債 財政委員会所管分
第三号議案 令和七年度東京都地方消費税清算会計予算
第十六号議案 令和七年度東京都用地会計予算
第十七号議案 令和七年度東京都公債費会計予算
第百五十九号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
(別紙2省略)
○林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び主税局関係の予算の調査並びに主税局関係の付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
これより会計管理局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○成清委員 令和七年度の基金運用について伺います。
さらなるワイズスペンディングの取組を推進するため、この間、私たちは税外収入の柱として約三兆六千億円にも上る基金運用の在り方を見直すべきだと求めてまいりました。
先日の予算特別委員会での私たちの質問に対し、会計管理局は、令和七年度からの基金運用について、債券割合の引上げをはじめとする、より効率的な運用の方針を示したことを評価しております。
本日、改めてこの間の経済情勢や外部有識者の意見などを整理した上で、令和七年度に向けて取り組む内容とその考え方について、具体的に確認をさせていただきます。
我が国の経済情勢を振り返りますと、日銀による平成二十五年の量的、質的金融緩和の導入以降、昨年のマイナス金利政策解除までの間、極めて低い金利状況が継続し、基金の運用も非常に厳しい環境が続いてきました。しかし、昨年三月の日銀のマイナス金利政策解除など金融政策の転換により、メガバンクの普通預金金利も〇・二%となるなど、まさに金利のある世界に入ってきたと考えています。
実際、都における令和六年度上半期の基金の運用収入は約二十億二千万円であり、この半期で令和五年度の年間実績を上回る水準となっております。また、直近の令和六年度第三・四半期では、利回りは〇・一四九%、運用収入は約十四億六千万円で、昨年同期の利回り〇・〇五九%、運用収入五億五千万円と比べても約三倍近くに増加をしております。令和七年度予算案を見ても、歳入のうち財産収入額は百十七億円を超え、昨年度の五億円余りから大幅に増加しておりまして、金利上昇の効果を実感しております。
今後も、こうした好調な運用環境が続くことが望ましいと考えますが、都は、当面の経済金融環境について、どのように認識しているのか伺います。
○前田管理部長 本年一月の日銀の金融政策決定会合におきまして、引き続き、政策金利を現在の〇・五%程度から引き上げていくとの見解が示されたものと認識しております。
また、市場金利の一般的な指標であります十年物国債の利回りは、直近では一・五%を超える水準まで上昇しております。物価や賃金の動向から、今後も金利の上昇基調が続くと想定しております。
こうした環境は、これまで厳しかった基金の運用にとって、状況が好転してきたものと考えております。
○成清委員 今後も日銀の政策金利引上げが想定される中、基金の運用にとっては前向きな環境が訪れつつあるとのことでした。
一方、欧米におけるインフレ懸念や中国における経済成長の停滞の継続に伴う影響など、世界経済の先行きには不透明感も存在します。国内に目を向けても、厚生労働省が発表した一月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比一・八%減と三か月ぶりにマイナスとなるなど、物価高に賃金上昇が追いついていない状況もあり、景気の先行きには懸念もあります。
こうした状況下、リスクを踏まえた上で的確な運用を行うためには、担当する職員の知識、スキルをさらに高めることはもちろんですが、外部有識者の知見を活用することが大変重要であると考えます。
今後の公金運用については、安全性をしっかり確保した上で運用収益を高めていくべきと考えますが、本年一月に開催された東京都公金管理アドバイザリー会議では、その点について、外部有識者からどのような見解が示されたのか伺います。
○前田管理部長 公金管理は、地方自治法等の関係法令に基づき実施しており、都は、公金管理ポリシーにおきまして、安全性、流動性、効率性の順に確保することを定めております。
この点に関して、外部有識者からは、安全性を最優先とする公金管理ポリシーの考え方については引き続き維持していくべきという見解が示されています。
一方で、金利のある世界が当たり前となることや金利上昇を踏まえた対応が必要、三要素の適切なバランスを考えていくことが重要などの意見がございました。
○成清委員 安全性を最優先としつつ、現在の金利上昇を踏まえたバランスの取れた運用が重要であるとの意見があったとのことです。
一方で、今後も金利が上昇することが見込まれる金融環境の変化を考えた場合、より効率性を重視した運用が重要だと考えています。
そこで、外部有識者からは、効率性の観点についてどのような見解が示されたのか伺います。
○前田管理部長 外部有識者からは、基金の運用をめぐる環境について、金利環境は正常化へ向かうとして、現下の金融環境を踏まえると、今後の公金運用をどのような方向性で進めていくかを考えるにはよいタイミングとの意見がございました。
具体的に、預金に比べ債券の方が利回りが高い状況も見えてきているといった意見や、預金に比べ比較的利回りの見込める債券の比重を高めることが合理的といった趣旨の発言がありました。
また、現在三割となっている債券の割合をより高めていくための議論が必要といった見解も示されました。
○成清委員 外部有識者からは、金利環境が正常化に向かう中、債券のシフトなど、より効率的な運用にかじを切っていいタイミングであるという趣旨の意見が多かったとのことです。まさに私たちの主張に合致する見解であると考えます。
では、具体的に債券のシフトについて聞いてまいりますが、先日の答弁においては、短期債券の組入れや購入時期の分散といった運用上の工夫についても取り上げられていました。それぞれどのような狙いがあるのか伺います。
○前田管理部長 期間三年程度までの短期の債券を組み入れることで、現時点で一般に預金よりも高い利回りを獲得しつつ、今後の金利上昇時にも、満期償還を迎えた資金で新たな金利での債券購入を行うことができます。
また、購入時期をずらしたラダー型運用を行うことにより、定期的に償還が訪れ、常に一定の流動性資金を確保できることから、取崩しに対しても柔軟に対応することが可能になります。
引き続き、購入時期の分散の在り方や期間の組合せなどについて、外部有識者から定期的に助言を得ながら、安全性と流動性を確保しつつ、運用収益の一層の拡大を図ってまいります。
○成清委員 債券の購入の仕方を工夫することで、より安定的かつ効率的な運用を目指していくということが分かりました。今後、外部有識者の意見を聞きながら、最適な運用を目指していただきたいと思います。
一方、債券は、一般に金利が上昇すると債券価格は低下するといわれております。報道などにもよりますと、二十年を超える長期債券が運用の中心となっている一部自治体では、金利上昇に伴う価格下落の中、中途売却により損失を出してしまったところもあったと聞いておりますが、都にはそのような懸念はないのか伺います。
○前田管理部長 都は、景気に左右されやすい不安定な税収構造や基金払出しの見通しなども考慮し、運用に当たっては最長十年までの期間としております。
債券については満期保有を原則としており、中途売却は行わないため、債券価格に変動があっても、これによる元本の毀損は生じません。
なお、外部有識者の意見も踏まえながら、資金の安全性や流動性に十分留意したポートフォリオを組んでおり、資金繰りの必要性から中途売却をすることは想定しておりません。
○成清委員 都の債券運用では満期保有を原則としており、中途解約による元本割れが生じることはないということが分かりました。
今回、基金において債券運用割合を高めるという新たな方針の中で、外部有識者の知見も取り入れ、安全性、流動性をしっかりと確保しつつ、効率性の最大化を図る取組となっていることを確認いたしました。
最後に、こうした積極的な運用の取組を、基金以外の公金についても可能な限り取り入れていただきたいと思います。特に、一年未満の運用を基本としている歳計現金については、令和六年度第三・四半期における平均残高は約一兆七千億円となっています。現在、全て預金で運用していると聞いておりますが、こちらについても、日々の支払いに充当する性格の資金であることは理解しつつも、より効率的な運用を目指していただきたいと考えますが、見解を伺います。
○前田管理部長 歳計現金は、日々の収支の状況を把握した上で、支払準備金と運用可能資金に区分しており、支払準備金は普通預金や当座預金などで、運用可能資金は定期性預金を基本として保管しております。
今回、外部有識者からは、一年以内の運用資金については、キャッシュ・フローの見通しが立ちやすいことから、預金から債券にシフトするのも合理的な考え方であるとの意見もありました。
そうしたことから、運用可能資金について、基金と同様、一部を定期性預金から安全性の高い短期の債券に振り分けることを検討しております。
より流動性が重視される歳計現金におきましても、債券運用の知見を積み重ねながら、可能な限り運用収益の拡大を図ってまいります。
○成清委員 ご答弁があった取組については、引き続き外部有識者の見識も活用しながら、今後策定する令和七年度公金管理計画に着実に反映させ、運用収入の最大化に向けてしっかりと進んでいただくことをお願いして、質問を終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で会計管理局関係を終わります。
○林委員長 これより主税局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第六十一号議案から第六十四号議案まで及び報告事項、令和七年度地方税制の改正について並びに請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(24)までの請願六第一〇号外二十三件の同内容の請願及び整理番号(25)から(49)までの陳情六第五四号外二十四件の同内容の陳情を一括して議題といたします。
請願陳情について理事者の説明を求めます。
○辻谷税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の請願陳情についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをご覧いただきたいと存じます。
初めに、請願六第一〇号から第三三号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願についてご説明申し上げます。
この請願の要旨は、小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置を令和七年度以後も継続すること、小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減額する減免措置を令和七年度以後も継続すること及び商業地等における固定資産税及び都市計画税について負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置を令和七年度以後も継続することを求めるものでございます。
この請願に係る現在の状況でございますが、小規模住宅用地に係る都市計画税を二分の一とする軽減措置は、昭和六十三年度に創設し、過重となっている住宅用地の税負担を緩和するため実施しているものでございます。
小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税を二割減免する措置は、平成十四年度に創設し、過重となっている二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため実施しているものでございます。
商業地等に係る固定資産税及び都市計画税の税額を負担水準六五%の水準まで減額する措置は、平成十七年度に導入し、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の税負担の緩和を図るため実施しているものでございます。
これらの軽減措置につきましては、都民の税負担感に配慮する必要から、令和七年度においても引き続き実施することとし、本定例会において所要の改正を行う条例を提案しているところでございます。
次に、五ページをご覧ください。
陳情六第五四号から第七八号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情についてでございます。
この陳情の要旨は、さきの請願と同じでございますので、説明は省略させていただきます。
本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 去る二月十三日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料第2号、財政委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次をご覧いただきたいと存じます。今回要求のございました資料は二件でございます。
初めに、一ページ及び二ページの要求資料第1号、滞納整理に係る都内区市町村への都職員の派遣及び実務研修生の受入についてでございます。
まず、一ページの表でございますが、滞納整理に係る都内区市町村への都職員の派遣状況をお示ししたものでございます。
また、一枚おめくりいただきまして、二ページの表でございますが、こちらは、都内区市町村からの実務研修生の受入れ状況をお示ししたものでございます。
次に、三ページ、要求資料第2号、都税収入実績及び税目別構成比の推移をご覧いただきたいと存じます。
この表は、過去十年度分の都税収入実績及び税目別構成比の推移をお示ししたものでございます。
要求のございました資料に関する説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 二〇二四年の訪日外国人は約三千七百万人に達し、訪日外国人旅行消費額も八兆円を超えるなど、過去最高を記録しました。国内全体のインバウンド需要が極めて好調である中、引き続き旅行者を東京へと取り込んでいくことは、都内経済の活性化のために重要であると考えます。
先般、都が発表した二〇五〇東京戦略でも、施策の柱の一つとして観光を位置づけ、様々な施策を展開していくこととしておりますが、このように観光施策への期待と重要性はますます高まっている状況にある中で、都は、この観光施策の財源の一つとして、約二十年前から法定外税である宿泊税を課しており、今後もこの税収を確保していくことは重要です。
そこでまず、令和七年度当初予算における宿泊税の税収見込みについて伺わせていただきます。
○辻谷税制部長 令和七年度の宿泊税は、訪日外国人旅行者数の堅調な推移などを背景に、課税宿泊件数の増加が見込まれることから、令和六年度当初予算と比べて約二十一億円、四四・七%増の約六十九億円と見込んでいます。
○鈴木委員 旅行者の増加などに伴い、令和七年度当初予算において約七十億円に迫る税収を見込んでいるとのことでありますが、この税収が過去と比較してどのような水準にあるのかを把握することは、税収見積りの適正性を考える上で重要です。
一方で、さきのコロナ禍においては、人流抑制により観光業界は厳しい状況にあり、宿泊税の税収に影響がありました。
そこで、コロナ禍以前の平成三十年度の宿泊税の税収と、コロナ禍に見舞われた令和元年度以降で最も宿泊税の税収が低くなった年度とその税収について伺わせていただきます。
○辻谷税制部長 平成三十年度における宿泊税は約二十七億円でした。また、令和元年度以降で宿泊税収が最も低かったのは令和二年度で、前年度比九六・七%減の約八千九百万円でした。
○鈴木委員 コロナ禍前には二十七億円であったものが、一億円を割り込むまで低下したということが分かりました。率にして九割以上の大幅な減収とのことであり、その要因についても深掘りをさせていただきたいと思います。
今、答弁にもありました令和二年度の宿泊税の減収理由については、どのように捉えているのか伺わせていただきます。
○辻谷税制部長 令和二年度の宿泊税については、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う令和二年七月一日から令和三年九月三十日までの課税停止や、新型コロナウイルス感染症による影響により大幅に落ち込んだことが減収要因でございます。
○鈴木委員 令和二年度の大幅な減収は、二〇二〇東京大会開催に伴う課税停止という臨時的な措置と、コロナ禍という未曽有の状況という二つの要因によるものであることが改めて確認できました。
確かに、当時の東京都内は人流が抑制され、観光産業も大きな打撃を受け、緊急的な資金の借入れなどで何とか経営をしのいだとの声をたくさん聞いております。
一方、コロナ禍で厳しい状況にあった都内の観光産業は、新型コロナウイルスが五類相当に分類されてからは力強く回復しつつあり、東京の観光名所は多くの旅行客でにぎわいを見せております。
宿泊税の昨年度決算は約四十四億円、先般可決された令和六年度補正予算における宿泊税の税収見込みは六十四億円となっております。コロナ禍により一度は大きな減収となった宿泊税も、都内観光客の回復とともに急激に回復しているということであり、令和七年度の宿泊税の税収を約七十億円と見積もることは妥当な水準であると考えております。
現在、都は宿泊税の制度の見直しを進めており、年内をめどに素案を示すとのことであります。
これまで、都議会自由民主党は、本委員会などを通じて、宿泊税の見直しについて様々な角度から質疑を行ってまいりました。宿泊税は、税の徴収をホテル、旅館の事業者が行う特別徴収制度を採用しており、制度の見直しにおいては、こうした事業者の理解を得ていくことが重要です。
そこで、宿泊税の見直しについて、どのように事業者の理解を得ていくのか伺わせていただきます。
○辻谷税制部長 制度の創設から二十年以上が経過する中、高額な宿泊の増加や他の自治体における制度の導入など、宿泊税をめぐる状況は大きく変化しています。
この間、都は、宿泊税の在り方に関する東京都税制調査会の報告も参考にしながら、宿泊料金の動向調査や宿泊施設事業者が行っている実務の実態把握などを進めてまいりました。
今後は、年内の素案公表に向けて、納税者や宿泊施設事業者の負担感にも十分配慮しながら検討を進めてまいります。
○鈴木委員 東京の観光産業をさらに盛り上げていくためには、都が効果的な観光施策を継続的に展開していくことが不可欠であると考えます。歳入所管局である主税局として、観光施策の安定財源である宿泊税の税収確保を図るとともに、今後、宿泊税の在り方を検討していくに当たっては、宿泊者や、特別徴収義務者である宿泊事業者の皆様の負担感に十分に配慮していくことを改めて求めまして、質問を終わります。
○成清委員 まず、ワイズスペンディングについて伺います。
都の先進的な事業を支えるのが、健全な財政運営です。私たちの提案も受け、都は事業評価の仕組みを多面的に強化することで、年間一千億円以上、九年間で約九千四百億円の財源を新たに生み出し、人への投資にも充てられてきています。
今年度の財源確保額は過去最大の千三百三億円となり、財務局ホームページに公表されています。
主税局は歳入所管局であるため、事業評価の対象件数が少なく、他局に比べて規模は小さいと考えますが、主税局においても事業の見直しにより無駄を排除し、ワイズスペンディングを徹底していくことが重要だと認識をしています。
そこで、主税局では、事業評価によりどのような取組を行い、経費の節減に努めているのか、主な取組について伺います。
○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 事業評価制度は、都が実施している事業について、予算編成過程において事後検証等を行い、評価結果を次年度の予算に反映させていく取組でございます。
主税局では、課税に必要な情報の電子化やキャッシュレス納税の推進に向けたPR手法の見直し、またデジタル媒体を活用した広報の推進などによりまして、令和七年度予算において約八千九百万円の経費を節減したところでございます。
○成清委員 歳入所管局である主税局においても、着実な税収確保に努めるとともに、局事業については、事業評価を実施することによりワイズスペンディングに取り組んでいることが分かりました。引き続き、ブラッシュアップをよろしくお願いいたします。
以降、来年度の主税局の主要な事業について伺います。
都民ファーストの会では、都税実務の中核を担う次期税務基幹システムの構築について注視をしてまいりました。
来年度の予算案では、税務基幹システムの再構築に加え、次期税務基幹システムによる税務事務のBPR対応として新規予算三十五億円が計上されておりますが、この具体的な内容と効果を伺います。
○小林調整担当部長 主税局では、納税者へのクオリティー・オブ・サービスの向上と税務行政の構造改革を実現するために、令和八年度の稼働を目指して、税務基幹システムの再構築に取り組んでおります。
お尋ねの新規予算は、国において更改が進んでおります地方税ポータルシステム、eLTAXや国税のシステムなどと次期のシステムとの連携を一層強化し、税務事務のBPRを推進するためのものでございます。
具体的には、固定資産税などに係る納税通知書の電子化や、税務署からの照会、回答の自動化などに関するシステム改修を予定してございます。
こうした取組によりまして、納税者のさらなる利便性の向上や事務の効率化を図ってまいります。
○成清委員 納税者のさらなる利便性向上や事務の効率化に継続して取り組んでいくことは極めて重要です。今後も、eLTAXや国税などとの連携を深め、デジタル技術の進展を取り込み、さらなる業務プロセスの改善を行っていただきたいと思います。
現行のシステムは、平成十七年七月の全面稼働から十九年が経過しており、令和八年度の切替えまで約二十一年使用することとなります。
改めて、次期税務基幹システムの再構築に要する事業費と、また、本システムを何年間にわたって使用するのか伺います。
○小林調整担当部長 税務基幹システムは、都税の課税から納税、滞納整理までの業務を網羅的、集中的に管理する大規模なシステムとなってございます。
このため、次期システムへの再構築につきましては、令和四年から令和八年まで五年以上の開発期間を要する大規模なプロジェクトとなっており、その事業費は約六百十六億円と見込んでおります。
次期税務基幹システムの稼働後は、技術革新やサイバーセキュリティに関する動向、システムの維持、改修に係るコストなどを総合的に考慮しまして、どのぐらいの使用期間が最適かを判断してまいります。
○成清委員 長い開発期間をかけ、これだけの巨額の投資を行うので、稼働後のシステムが安定して運用されるよう適切にご対応いただきたいと思います。
一方で、賢い支出を実現するためには、外部の視点を取り入れた費用面での精査が不可欠です。
これまで、私たちは、外部のITコンサルタントやセカンドオピニオンといったプロジェクトマネジメントを入れることを求めてきましたが、どのように取り組んでいるのか伺います。
○小林調整担当部長 税務基幹システムは、大規模かつ複雑なシステムになってございまして、再構築を最適な方法で確実に進めていくためにも、専門的かつ客観的な視点での検証、助言は重要でございます。
そのため、再構築の準備段階では、再構築の手法や費用の妥当性などについて、ITコンサルタントから助言を受けるとともに、デジタルサービス局によるシステムアセスメントを受けてまいりました。
また、開発段階におきましては、複数の部門や開発事業者から成るプロジェクトの工程管理を的確に行うためのマネジメントや、システム経費の積算や執行を最適に行うための積算支援業務について、外部のコンサルタントを活用してございます。
○成清委員 準備段階から開発段階に至るまで、外部の専門家の助言を受けていることを確認できました。引き続き、専門的な視点を取り入れながら、システム再構築を進めていただきたいと思います。
次に、先端技術の活用について伺います。
令和七年度予算として、DX関係で主税局全体で二・五億円計上されておりますが、とりわけAI関連のものについて伺います。
今回、予算案に計上しているものとして、AIを活用した家屋評価というものがあります。家屋評価業務へのAI活用について、具体的な内容と、どのような効果が得られると見込んでいるのか伺います。
○齋藤資産税部長 AIをはじめ、先端技術を活用したDXを推進することで、納税者へのQOS向上に加え、税務行政の高度化をより一層進め、持続可能な体制を構築する必要がございます。
家屋評価業務につきましては、職員が所有者等から提出された家屋平面図などの建築資料から、資材、設備の施工量を拾い出し、その数量を計算ソフトに入力するなど、複雑な工程を経て評価額の算定を行っております。
このうち、手作業の工程においてAI活用の検討を行います。具体的には、家屋平面図を画像認識AIで解析し、自動で施工量を算出することが可能か、AIソフトの開発を行っている企業と共同研究を実施いたします。
AIの活用により、これらの作業に要する処理時間を三分の一程度に短縮することができると見込んでおります。
○成清委員 家屋評価にAIを活用することで、職員の手取り時間が増加につながる可能性があるということが分かりました。
今後は、さらにほかの分野でも課題解決のスピードアップや業務の高度化に先端技術を活用できないか、検討を進めていただきたいと思います。
次に、証明等の手数料のキャッシュレス化について伺います。
都は、都民のQOLに貢献するスマートシティの実現に向けて、キャッシュレス決済の推進に取り組んでいます。都税においても、納税者の利便性向上を図るためにキャッシュレス納税の推進に取り組み、キャッシュレス納税方法の拡充や戦略的な広報を展開するなど、着実にキャッシュレス納税比率を向上させていると聞いております。
主税局では、納税以外にも納税証明などの手数料の支払いが必要となる場面がありますが、これらの手続においても手数料をキャッシュレスで支払える環境を整備することは、申請者へのQOS向上に資する取組と考えます。
この点、主税局では、来年度、郵送による都税証明、閲覧申請における手数料のキャッシュレス化を予算案に計上しております。
そこで、都税の証明等の申請における手数料のキャッシュレス化について、これまでの進捗状況と来年度の取組について伺います。
○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 都税証明等の申請における手数料の支払い方法につきましては、これまで電子申請時や都税事務所等の窓口申請時にキャッシュレス決済を導入し、順次、キャッシュレスサービスの拡充を図ってまいりました。
来年度には、現在は定額小為替による支払いのみを受け付けている郵送申請につきましても、手数料をキャッシュレスで支払い可能とするサービスを新たに導入する予定でございます。これによりまして、申請者にとっては定額小為替一枚の購入ごとに必要な二百円の手数料負担がなくなるとともに、都にとっても換金処理などの事務負担を減らし、申請者と職員の双方の負担軽減につながるものと考えております。
○成清委員 手数料のキャッシュレス化は、QOS向上と業務の効率化につながるいい取組だと思いますので、実現に向けて着実に準備を進めていただくようお願いをいたします。
本日質問させていただきました各取組を進めていただき、都民サービスの向上に加え、税務事務の効率化をより一層進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○北口委員 私からは、いわゆる百三万円の壁の見直しと、その都税への影響についてお伺いをさせていただきます。
本件は、令和七年度の税制改正における大きな話題となりまして、昨年十二月十一日には、この百三万円の壁について、自民、公明、国民民主の幹事長により、百七十八万円を目指して具体的な実施方法等について協議を進めるということが合意をなされました。その後、国会への法案提出後に修正されるなど調整が続きまして、国民、都民の関心を集めたところでございます。
そこでまず、確認のため、そもそもこの百三万円の壁とは何を指しているのかお伺いします。
○辻谷税制部長 所得税が課税される最低基準が、給与所得控除五十五万円と基礎控除四十八万円との合計で百三万円であることや、親等の扶養控除の対象となる子等の年収要件は所得金額四十八万円以下であり、給与収入に換算すると百三万円以下であることなどから、いわゆる百三万円の壁と称されているものと承知しております。
令和七年度税制改正においては、いわゆる百三万円の壁について、物価上昇局面における税負担の調整や就業調整への対応の観点から見直すこととされ、所得税及び個人住民税が課税されることとなる最低基準や、扶養控除の対象となる子等の年収要件の引上げが行われることとなりました。
○北口委員 いわゆるこの百三万円の壁の見直しについて、所得税、個人住民税の課税要件、そして扶養控除の対象となる子の収入要件、この二点がポイントであるということを確認させていただきました。
これらの見直しの内容のうち、議論の中心になったこの課税基準の引上げについて、具体的に確認をさせていただきます。
政府が当初国会に提案した法案によりますと、この百三万円の壁のうち、税が課税されることとなる基準についてどのように見直すこととされていたのか、所得税と個人住民税のそれぞれについてお伺いをします。また、見直しの結果、百三万円の基準がどのように変わるのかについても、併せて伺わせていただきます。
○辻谷税制部長 先月四日に国会に提出された税制改正関連法案では、所得税については、基礎控除額を現行の最高四十八万円から最高五十八万円に、給与所得控除の最低保障額を現行の五十五万円から六十五万円に、それぞれ十万円ずつ引き上げることとされました。
個人住民税については、地域社会の会費としての性格や、地方税財源への影響等も総合的に勘案し、基礎控除額は据え置くこととされ、給与所得控除の最低保障額のみ十万円引き上げることとされました。
この見直しにより、課税されることとなる最低基準は、所得税は年収百二十三万円に、個人住民税については百十万円に、それぞれ引き上げることとされました。
○北口委員 報道におきましては、政府案では百二十三万に引上げというふうに報じられておりましたが、具体的な見直しの内容を確認することができました。
また、あまり報道されていないようですが、地方税制への影響等も踏まえ、この個人住民税における見直しは給与所得控除のみに限定をされ、百十万円に引き上げられたとのことでございます。
さて、冒頭にも述べましたが、国会では控除額の引上げ幅をめぐって様々な議論が行われ、当初の法案に対して、与党により修正案が提出されたと承知をしております。
そこで、この修正案の内容はどのようなものだったのか、また、これにより、この百三万円の壁は幾らに引き上げられることになったのか伺います。
○辻谷税制部長 先月二十八日に国会に提出され、今月四日に衆議院において可決された税制改正関連法案の修正案では、所得税の基礎控除額について、年収に応じて引き上げることとされました。
具体的には、年収二百万円以下の場合には、基礎控除額を三十七万円上乗せするとともに、年収二百万円を超え八百五十万円以下の場合には、二年間の時限措置として、年収に応じて控除額を上乗せすることとされました。
この修正案により、所得税が課税される最低基準が、年収百二十三万円から百六十万円に引き上げられることになります。
なお、当該修正案には個人住民税の見直しは含まれておらず、地方税への影響はございません。
○北口委員 修正案は、一見かなり複雑なように見えますが、財政面での配慮もしつつ、公平な制度となるように工夫をされた案であると考えております。特に、地方財政への影響に配慮し、所得税のみ修正が行われたということも確認をいたしました。
最後に、都税収入への影響について確認をさせていただきます。
当初、全体でおよそ七兆円から八兆円、地方税収においても四兆円程度と、税収への影響の大きさが指摘をされておりました。今回の、いわゆる百三万円の壁の見直しに伴う都税収入への影響額はどれほどなのかお伺いします。
○辻谷税制部長 いわゆる百三万円の壁の見直しによる都税収入の影響額は、令和八年度から約三十六億円の減収となる見込みでございます。
今後も、国民生活や経済に与える影響等を踏まえ、国において議論が重ねられるものと承知しており、都としては、引き続き動向を注視してまいります。
○北口委員 法案は現在参議院で審議中でございますが、今回の見直しは、物価上昇局面における国民の税負担の軽減や就業調整への対応の観点と、国、地方を含めた財政への影響の両面から様々な議論がなされた上での一定の結論であると受け止めております。
この百三万円の壁の議論は今後も継続的に行われることとされておりまして、場合によっては、都税収入への影響が拡大する可能性もございます。歳入所管局である主税局には、税制改正の影響をしっかりと見極めつつ、丁寧な対応を求めて、質問を終わります。
○清水(と)委員 日本共産党都議団の清水とし子です。
私からは、固定資産税について質問をさせていただきます。
最初に、固定資産税の収入額の推移についてお伺いします。
近年、固定資産税の収入額が増加していますが、それはなぜでしょうか。
○辻谷税制部長 固定資産税の収入額が増加しているのは、土地の価格が上昇傾向にあるほか、新築家屋や設備投資の増加など、様々な要因が考えられます。
○清水(と)委員 それでは、過去と比較して、資産別の増加額、増加率にはどのような特徴がありますか。
○辻谷税制部長 コロナ禍前の平成三十年度と直近の令和五年度の決算額で比較しますと、土地は千百九十八億円、一八・四%の増、家屋は五百八十六億円、一三・二%の増、償却資産は百二十四億円、九%の増と、いずれも増加しております。
○清水(と)委員 これは、今、皆さんのお手元にもお配りしましたが、主税局が公表しております資産別の固定資産税収入額の推移を示したグラフです。(パネルを示す)青が土地、赤が家屋、グレーが償却資産というふうになっています。平成二十九年、二〇一七年まで、ここまでですね、緩やかに増加をしています。家屋、償却資産は若干の増加がありますけれども、ほぼ横ばいです。だけれども、土地の方は緩やかな増加傾向を示しています。
今、コロナ禍前の状況とコロナ禍後の状況のご説明がありましたが、例えば、これは東京都中小企業の景況調査のグラフです。(パネルを示す)ここが二〇二〇年、コロナのときなんです。コロナのときにはがくんと落ち込むんですね。だんだんと持ち直すんですけれども、まだまだ持ち直さない、こういう状況が表れていますが、固定資産税の場合には、そういうことがないんです。コロナのときでも落ち込むということはなかったんですね。ずうっと増加傾向が続いているということです。
固定資産税の増加の原因というのは、コロナ禍を脱したから増えてきた、そういうものではなくて、ずうっとコロナのときにも増加傾向を示しているということで、コロナというふうには、コロナが終わったから、脱したから、そういうことでは説明がつきません。
さらに、二〇二二年、ここなんですけれども、二〇二二年から家屋や土地の増加傾向が強まって、特に土地の増加傾向が家屋に比べてかなり上がっている、このことが見てとれると思います。令和四年、二〇二二年からそういう傾向が顕著になってきます。
この土地の固定資産税が五年間でどれぐらい増加していくのか、そういう試算をしてみました。一番最初の平成二十二年、二〇一〇年から五年間で大体二百十九億円でした。確定値としては、一番直近になります二〇一九年から二〇二三年まで、ここのところでは九百三十五億円増加するんです。一番最初のときが二百十九億円でしたから、九百三十五億円というと四・二倍になるんです。さらに、確定値ではないんですけれども、新年度の当初予算、これで五年間を比較すると一千四百四十七億円になるんです。一番最初の頃の六・六倍、かなり大幅に増える、それが分かると思います。土地の固定資産税は大幅に増加する、そのペースも加速している、こういうことが分かります。
そこでお伺いしますが、家屋や償却資産に比べて土地の収入額の増え方が大きい、その原因について、どうしてなのか、ご説明をお願いします。
○齋藤資産税部長 固定資産税の土地の評価額は、地価公示価格の七割を目安に設定することとされており、土地に係る固定資産税の収入額が増加しているのは、地価公示価格が上昇していることが主な要因でございます。
○清水(と)委員 固定資産税は地価公示価格に基づいて出す、その基になる地価公示価格が上昇しているからだというご説明だったんですが、それでは伺いますが、地価公示価格が上昇しているのはなぜですか。
○齋藤資産税部長 地価公示価格は、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が鑑定評価した価格を判定し、三月に公示することとされております。
地価公示の鑑定評価には土地の市場価格等も考慮されており、景気が緩やかに回復する中、地価の上昇が進んでいることを反映したものと推測されます。
○清水(と)委員 土地の市場価格も反映されているというご説明がありました。都内の地価の上昇が急激に進んでいることが、固定資産税の土地の収入額の増加という形ではっきりと表れているということは確認できました。
そして、この地価の上昇を招いている大きな要因は再開発なんです。地価公示価格の動向については財務局の担当になりますので、明日の財務局の質疑でさせていただきたいと思いますので、主税局についての質疑は以上で終わらせていただきます。
○中田委員 まず、私からは、宿泊税について質問をさせていただきます。
この間、宿泊税については何度も質問をさせていただいておりますが、その間でも、全国で様々な自治体で議論が進み、宿泊税の新規導入などが行われてきました。
そこで、全国の宿泊税の実施状況について、今後実施予定とされているものも含めて、また、それらの自治体の税率、最も高い税率も併せてお伺いをします。
○辻谷税制部長 宿泊税については、全国で三都府県、八市町、合計十一団体で施行されており、施行予定の団体としては、静岡県熱海市及び北海道赤井川村の二団体があります。
施行されている宿泊税のうち、定額で課税する仕組みを採用している自治体で最も高い税率は、北海道ニセコ町で、一人一泊十万円以上の宿泊の場合に二千円の税率を設定しています。また、北海道倶知安町では、宿泊料金の二%の定率の税率を採用しております。
○中田委員 今、ご答弁いただきましたが、定額で一泊最高で二千円、また定率で二%ということで、東京都は今、一万五千円未満で百円、一万五千円以上で二百円ですから、大きな差が出てきております。また、新たに熱海市、赤井川村で導入とのことですが、都道府県ではなく市区町村での新たな導入となっております。
そこで、市区町村も含めて、地方自治体が独自に税を課す仕組みについて、地方税法ではどのように規定をされているのか、都内の状況と併せてお伺いをします。
○辻谷税制部長 地方税法では、都道府県や区市町村が自らの課税自主権に基づいて、独自に税目を起こして課税を行う制度として法定外税が定められています。
都内では、東京都が宿泊税を、都内自治体では豊島区が狭小住戸集合住宅税を、それぞれ課税しています。
○中田委員 地方税法で、課税自主権の中、地方自治体に法定外税を設けることができるとのことで、ここで宿泊税について見ますと、福岡県で、そしてまた福岡市、北九州市で、県と市の両方で宿泊税を法定外目的税として導入をしています。
なので、東京都でも、東京都と、また併せて区市町村でも導入することができるということですが、その上で、都は、地方自治体が自主的に税目や税率を決定する課税自主権について、どのような考え方を持っているのか伺います。
○辻谷税制部長 各地方自治体が、自らの責任と権限において、自主的、自立的な行財政運営を行っていくためには、国から地方への権限や財源の移譲と併せて、地方がその実情に応じ、自らの権限で課税内容を決定する課税自主権の活用も重要だと考えております。
○中田委員 今、課税自主権の活用も重要だというところで東京都のスタンスが分かりました。
ここまで課税自主権について聞いてきましたが、ここからは、現在見直しの進んでいる都の宿泊税について、少し意見も述べさせていただければと思います。
この見直しの中で一番重要となってくると思うのが、やはり事業者の方々の意見交換であると思っております。
私の地元の渋谷区でも多くのホテルがありまして、旅館組合の皆様からも様々なご意見もいただいております。いろんな意見があるので、一律に何がいいのかというのもなかなかいいづらいところではありますが、もちろん定額がいいのか、定率がいいのか、また納付方法も毎月で手間がかかるなど様々な意見が出ています。また、最近では、外国人観光客の方々は、長期にわたり、一家族でなく何組の家族で高額な一部屋を借り切るというような宿泊形態や宿泊金額も多く変わってきております。
そうした点も考慮してほしいと組合からも要望がありましたが、その上で、都の宿泊税の見直しについて、事業者との意見交換などの現在の状況について伺います。
○辻谷税制部長 都は、宿泊税の見直しの検討に当たり、宿泊施設事業者に対し、様々な機会を通じて宿泊料金や徴収申告の実務などについてご意見を伺ってまいりました。
いただいたご意見も踏まえながら、引き続き、納税者や宿泊施設事業者の負担感にも配慮しながら検討を進めてまいります。
○中田委員 宿泊事業者の意見を考慮しながらということで、しっかりと聞いていただきたいと思っております。
ここまで質疑を行ってきましたが、この宿泊税は目的税ですから、観光振興に充てられておりますが、自治体ではオーバーツーリズムの対策に多くの予算をかけている自治体もあります。私の地元の渋谷区でも、毎年のハロウィンの対策だけでも一億円以上の予算を使っております。その点からも、この宿泊税を自治体のこうした対策へ直接的に予算を充てられるようにすべきというところも、議論として出てくるのではないかと思っております。
先ほど、課税自主権についてもお聞きしましたが、各自治体でも宿泊税の導入という議論も起こってくる可能性もございますし、しっかりとそうしたところ、検討もしていただきつつ、今、この東京都の、そもそも宿泊税の使途についての見解と、改めて宿泊税の税収と観光振興費の現在の状況についてお伺いをいたします。
○辻谷税制部長 宿泊税は、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用に充てることを目的とし、その全額を観光振興に係る事業全般に広く充てることとしています。
令和七年度当初予算では、宿泊税の税収を約六十九億円と見込んでいます。
なお、令和七年度当初予算では、観光産業振興費として約三百六億円を計上しています。
宿泊税の見直しについては、年内の素案公表に向けて、宿泊税をめぐる環境の変化も踏まえつつ、関係局とも連携しながら、使途についても検討してまいります。
○中田委員 今、観光振興の様々なところの関係局と連携しながら、使途について検討していくということでした。これ以上はほかの局になってくるのであまり議論はいたしませんが、ナイトタイム観光の推進の創出モデルなど、そういったところに予算を充てるのであれば、やはり今、まち場で困っているオーバーツーリズム対策、特にまちにごみが多くなってしまったりとか、また民泊対策へと、しっかりと予算を充てられるようにお願いをしたいと思っております。
続きまして、都市計画税の減免について話を移したいと思います。
都は、一九八八年から独自に小規模住宅用地への都市計画税二分の一の軽減を行っていますが、予算特別委員会でも我が会派からも質疑をさせていただきましたが、二十三区の固定資産評価額が全国と比較して極めて高い水準となっていることから様々実施をされており、その影響額は四百九億円とのことでした。
そこで改めて、住宅用地の定義と、住宅用地以外の土地との負担の違いについてお伺いをします。
○齋藤資産税部長 住宅用地とは、人の居住の用に供する家屋の敷地のことであり、地方税法上、特例措置が設けられ、固定資産税、都市計画税の負担軽減が図られています。
具体的には、住宅一戸につき二百平米までの部分を小規模住宅用地として、課税標準を固定資産税で評価額の六分の一、都市計画税で三分の一に、二百平米を超える部分を一般住宅用地として、課税標準を固定資産税で三分の一、都市計画税で三分の二に軽減しております。
また、二十三区の固定資産評価額が全国と比較して極めて高い水準となっていること等から、都では、小規模住宅用地に係る都市計画税について、税額の二分の一を軽減しております。
○中田委員 今回も、請願陳情も出ていることで、やっぱりこれについては重要だと思っておりますが、私たちがここで一番問題だと思っているのが、やはり空き家の取扱いであったり、投資用物件についても軽減が同じく行われてしまっているところであると考えております。
改めてお伺いをしますが、空き家となっている住宅の敷地に対する固定資産税の取扱いについて、今どのようになっておりますでしょうか。
○齋藤資産税部長 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、特定空家等、または管理不全空家等に区長が認定の上、修繕などの措置を行うよう勧告し、賦課期日までに適切な措置が実施されない場合は、翌年度の課税において住宅用地の特例の対象外とすることとされております。
○中田委員 今、ご答弁ありましたが、特定空家等に勧告をされれば対象外となるというようなことでしたが、やはりそこに至るまでの過程というのは、かなり大変なものがあるということは私たちも理解をしております。
なので、やはりもっと特例的に、空き家の敷地に対しては、この住宅用地の特例、適用すべきではないと考えますが、見解を伺います。
○齋藤資産税部長 いわゆる空家法に基づいて区長が特定空家等に認定し、勧告を行った家屋の敷地に対しては、住宅用地の特例の対象外とすることとされております。空き家であっても、構造上住宅として認められ、居住の用に供されるものである場合は、住宅用地の特例の対象とすることとされており、空き家であることのみをもって住宅用地特例を解除することはできません。
○中田委員 今、空き家であることのみをもって特例を解除することはできないということでした。
予算特別委員会でも提案をさせていただきましたが、京都市では空き家税を導入するというところです。京都市では、手頃な住宅を求めて若年、子育て層が近隣都市などに流出しており、都市の持続性を脅かす最重要課題の一つとなっていると、空き家が。空き家や別荘、セカンドハウスなどの非居住住宅の存在は、防災、防犯や生活環境に多くの問題を生じさせ、地域コミュニティの活力を低下させる原因の一つとなっていると京都市は説明をしています。
東京もこういった似たような状況にあると考えておりますし、やはり空き家税の導入というものを含めた対策、検討が必要だと思いますが、改めて空き家税の導入について、東京都の見解をお伺いします。
○辻谷税制部長 特定の対象に追加の税負担を求めることは、税の公平性、社会経済や区市町村に与える影響、実務上の課題など、様々な観点から慎重に検討することが必要でございます。
○中田委員 今、税の公平性というようなこともありましたけれども、やっぱり住んでいない家に対してこれをかけていくこと自体が、税の公平性の部分からどうなのかなと思うところもあります。しっかりとこの辺も研究していただき、今後、様々検討いただければと思います。
以上、質問を終わります。
○川松委員 先ほどから話題に出ております宿泊税について、私からも幾つか関連して質問させていただきます。
宿泊税の見直しについては、先般、知事からも発言があったわけですけれども、そもそも都が条例に基づいて実施している法定外税ということであります。現在、全国で十一の自治体でこの宿泊税が実施されているわけですが、先鞭をつけたのは、いうまでもなくこの東京都だということですね。
平成十四年から実施されているこの税でありますけれども、改めてその当時の話、創設時の状況を確認したいと思うのですが、都の宿泊税の経緯について、改めてここで教えてください。
○辻谷税制部長 宿泊税は、創設当時、観光産業の重要性を踏まえ、観光施策の財源を安定的に確保する必要があったことから、平成十二年度に東京都税制調査会から提案を受けたホテル税について検討を行い、宿泊税として創設いたしました。
○川松委員 つまり、平成十二年のときに議論されていたときの東京の観光にまつわる、その周辺の環境と、今では全くもって違う状況になっているわけですけれども、そもそも私が都議会議員になった頃というのは、課税自主権の行使こそ地方自治体のアイデンティティーだと教えられて、東京というこの大都市需要を賄うためには、具体的な税負担の在り方を議論し続けていくんだと、これが東京都の行政も議会も必要なんだということを先人たちに指導されてきたわけです。
その原点が、今まさに部長がお話をされた、平成十二年からつくられた東京都税制調査会ということでありまして、今回の宿泊税を見直そうという議論が出てくる中において、もう一度ざあっとここまでの税制調査会の足跡を私も振り返ってみましたが、当時、平成十二年頃というと、私自身は構造改革の研究室にいて、地方分権の在り方において地方財政などを研究し、まさに東大の神野教授の話を聞く機会が幾つかあったわけです。その神野教授が税調の初代会長になったわけですが、平成二十八年五月十三日に第一回の東京都税制調査会が開かれていて、当時の内田茂副会長の発言を見れば、なぜこの東京都税制調査会が設置されたかということがまさに詰まっているわけです。
要約すれば、税調というと、基本的には国の税調を皆さんイメージをしていて、国の税調は政府の税調と党税調があると。これは、その時々の情勢によって、党税調が優位になったり、いや政府税調が主導的に動くんだということで、いろんな政策の調整が行われている場になっている。でも、この平成十二年に立ち上がった東京都の税制調査会というのは、政府税調のような立ち位置となるところにこの東京都があり、そして党税調のような立ち位置として議会が加わる。つまり、政府税調と党税調が分かれているんじゃなくて、政府税調と党税調が一体となったものを、平成十二年に全国で初めて東京都が、石原都知事も発言し、つくられたわけです。そのときに、地方分権の時代においてオール東京で大きな流れをつくっていくんだというときに、この宿泊税というのが今日まで続く税制として立ち上がったわけです。
平成十二年の第一回税調の前の段階で、この年の三月の予算特別委員会の総括質疑二日目、石原都知事が、地方分権の時代であるから都の税調の意見というものを東京都から発して政府に取り次ぐと。そういう強い思いでスタートをした。でも、当時はバブルの崩壊後であり、財政状況も厳しかったわけですね。
そこで、観光振興策の推進も含めて、この財源を安定的に確保しようという中で、都税調の提案なども踏まえて宿泊税ができていったという経緯がありますけれども、東京都が課税自主権の活用策の一つとして独自の税目を実現させてきた中で、今いったように、観光施策を伸ばそうということで宿泊税はありましたが、ほかに法定外税としてどんなことを検討していたのか。こんなこともできるんじゃないかとたくさん議論していましたけれども、改めて記録上、部長、どんな議論をされていたんでしょうか。
○辻谷税制部長 平成十二年度の東京都税制調査会では、法定外税として大型ディーゼル車高速道路利用税、産業廃棄物税、パチンコ税が提案され、実施に向けて課題等を検討した結果、ホテル税を基にした宿泊税が実現したところでございます。
○川松委員 ということで、今、お話あったように、四つの税が検討されたと。大型ディーゼル車高速道路利用税だとか産業廃棄物税など出てきましたけれども、やはり時の状況の中において、これが必要だということで都独自の法定外税が議論され、それはまさに東京都の政策課題の解決の手段としての税をつくらなきゃいけないという議論があったわけですよね。
そうすると、環境が変わってきているんだから、当時導入したときの宿泊税の負担の税負担の在り方はこれでいいのかというのが、むしろ今、議論されているのが遅いぐらいで、インバウンドもそうですけれども、もっと国交省も含めて、環境に力を入れてきたはるか前から、もっと議論していてもよかったのかなというふうに私は思うわけです。
その中で、平成十二年にこの宿泊税が実現しますけれども、今お話にあったほかの税、宿泊税以外のものは、社会課題の原因を抑制するという意味では、マイナスな要素に対してどう課税していくかという議論であり、これを通称バッズ課税と、バッドの複数形でバッズ課税というものでありますけれども、今の東京にも、様々な課題解決に際して、このバッズ課税というのは平成十二年のとき以上に我々は議論しなきゃいけないんじゃないか。そこに対して法定外税を活用して、様々な東京の課題を解決していくべきじゃないかなと私は思うんですが、法定外税の新設に当たっては、どんな手続があればできていけるのか、その制度を教えていただきたいと思います。
○辻谷税制部長 法定外税は、地方自治体が課税自主権に基づいて独自に税目を起こして課税を行う制度です。
法定外税の新設に当たっては、条例の制定に加えて、総務大臣の同意を得ることが必要とされています。
○川松委員 法定外税を新設するためには、条例の制定というのが前提にあって、それが総務大臣の同意が必要になってくるということでありますけれども、今、じゃあ仮にいろんな課題があって、僕も今、頭の中にたくさんこんな課題、法定外税で解決できるんじゃないかと思うこと、ありますけれども、総務大臣の同意を得るためにはどんな要件を満たす必要があるのか、それも教えてください。
○辻谷税制部長 法定外税の創設に際する総務大臣の同意については、国税または他の地方税と課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重となること、地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること、国の経済施策に照らして適当でないことの三つの要件のいずれにも該当しない場合は、総務大臣は同意をしなければならないとされております。
○川松委員 今、答弁にありました三つの要件に該当していなければ国からの同意は得られるということになりますけれども、これは当然、課税自主権を行使するに当たって、その自治体が暴走ぎみになったときに国が止めるという側面もあるんでしょうけれども、先ほどいったように、課税自主権というのは、それぞれの自治体が特色を持っていろんなことをやっていこうと考える中でいくときに、ここに国の大臣の同意を得るということは、逆を見ると、この裁量権をどう自治体は獲得していかなければいけないかという議論も背中合わせだなと思うわけです。
そうすると、今までもいろんな自治体が法定外税に取り組もうと努力してきたわけですけれども、過去にこの法定外税創設に当たって、総務大臣の同意を得られなかった例はあるんでしょうか。あるとすればどんな理由だったのか、そして東京都も含めて、全国でどのくらいの数の自治体が法定外税を実施できているのかを伺います。
○辻谷税制部長 法定外税の新設に際し、総務大臣の同意が得られなかった事例としては、横浜市の勝馬投票券発売税があります。不同意の理由としては、勝馬投票券発売税は、国の経済施策である中央競馬により公益目的のために財政資金を確保する仕組みに影響を与えるものであり、国の経済施策に照らして適当でない場合に該当することとされました。
なお、法定外税の実施状況につきましては、令和七年二月二十五日時点で、全国五十八団体で法定外税が実施されております。
○川松委員 ありがとうございます。不同意となる場合もある中で、今の横浜市の馬券の話がありましたけれども、獲得するためにそれぞれ各自治体が頑張って、不同意のケースもあるけれども、全国で五十八の団体で既に法定外税が実施されているわけであります。
そこで、先ほどからいったように、平成十二年からいろんな議論をしてくる中で、現在、今の東京では解決しなければならない課題が山積しているし、山積しているどころか日に日にその課題は増えています。その解決は都の責務というのはいうまでもなくて、それぞれの部局が努力をしています。この東京、この新宿辺りでいえば、悪質ホストクラブ対策なども、過去には考えられなかったことが今起きていたりするわけですよね。
そうすると、税制の検討には、公平、中立、簡素の大原則というのを踏まえた上で、課税だったり、先ほどからも話が出ていたように、徴収の実務面の課題もクリアする必要があります。さらには、法定外税の場合は、今いったように国の同意も必要となるなど、実現に向けては本当にいろんなことを乗り越えていかなければならないんですが、でも、今こそ、宿泊税の見直しというだけではなくて、税制面で先駆的な取組を推進してきた、全国に先駆けて税制調査会もつくった、そしていろんなことも提言してきた東京都だからこそ、目下、宿泊税の見直しだけではなくて、バッズ課税の活用など、社会課題の解決を税制面から支援していく取組の検討が重要ではないかと思います。
今いったように、例えばホストクラブ対策の何か課税を考えるとか、いろんな課税を考えることが、これは税制調査会、事務局を担う主税局だけじゃなくて、テクニカルなこともそうだし、それぞれの現場でも、こんな課題があるんだ、こんな課題があるんだということをもっと幅広く取って、その課題解決のために、また今後の税制調査会の答申の在り方も含めて、まさにこの税制こそ行政の核になるわけですから、そして都民の皆さんに――今まではどちらかというと、都税調というのは、議会よりも、都民の皆さんよりもはるかに離れたところで議論をしていて、何か気づいたら税が決まっていたみたいなことが多いと思うので、もう一度、税制こそ、皆さん方行政、我々議会も含めて、都民に近いところで議論をし、そして皆さん方が納得された上で税負担が発生していくような仕組みに開かれた税調になり、その上で宿泊税、先ほどからもあるように、社会環境が変わってきますけど、平成十二年から今で変わっていますけれども、この後また一度、宿泊税の見直しをしたら、また来年変えるとかというわけにいきませんから、一体今のホテル需要とはどうなっているのか、観光需要ってどうなっているのかというのをしっかりと分析をした上で着手していただきたいということを要望して、質問を終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時十九分散会
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