財政委員会速記録第ニ号

令和七年三月三日(月曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長林あきひろ君
副委員長成清梨沙子君
副委員長和泉なおみ君
理事北口つよし君
理事清水とし子君
理事鈴木  純君
清水やすこ君
河野ゆうき君
長橋 桂一君
中田たかし君
まつば多美子君
川松真一朗君
村松 一希君
竹井ようこ君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長山下  聡君
経理部長DX推進担当部長兼務稲垣 敦子君
主計部長佐伯  亮君
財産運用部長松井  裕君
建築保全部長金子 陽子君
主税局局長武田 康弘君
総務部長DX推進担当部長兼務入佐 勇人君
税制部長辻谷 久雄君
税制調査担当部長筒井 宏守君
調整担当部長小林 孝幸君
課税部長蓮沼 正史君
資産税部長齋藤 栄一君
徴収部長小谷  健君
特別滞納整理担当部長上野 正之君
会計管理局局長梅村 拓洋君
管理部長前田  豊君
警察・消防出納部長直井 克彰君
会計企画担当部長DX推進担当部長兼務菊地 顕行君

本日の会議に付した事件 会計管理局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳入、歳出 主税局所管分
・第百五十三号議案 令和六年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入―財務局所管分、歳出―議会局・財務局所管分、都債
・第百五十六号議案 令和六年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
・第百二十一号議案 都営住宅六H―一一七・一一八東(板橋区新河岸二丁目)工事請負契約
・第百二十二号議案 都営住宅六H―一〇七西(練馬区東大泉三丁目第四)工事請負契約
・第百二十三号議案 都営住宅六H―一〇六西(立川市一番町五丁目)工事請負契約
・第百二十四号議案 都営住宅六H―一〇五西(立川市一番町五丁目)工事請負契約
・第百二十五号議案 都営住宅六H―一〇一西(国立市富士見台四丁目)工事請負契約
・第百二十六号議案 都営住宅六H―一一二東(足立区南花畑四丁目)工事請負契約
・第百二十七号議案 都営住宅六M―一〇五東(北区田端新町一丁目)工事その二請負契約
・第百二十八号議案 都営住宅六M―一〇一西(調布市緑ケ丘二丁目)工事請負契約
・第百二十九号議案 都立萩山実務学校(六)学校管理棟ほか改築工事その二請負契約
・第百三十号議案 東京消防庁豊島消防署目白出張所(仮称)庁舎(六)改築工事その二請負契約
・第百三十一号議案 東京消防庁秋川消防署秋留台出張所庁舎(六)改築工事その二請負契約
・第百三十二号議案 都立北多摩地区特別支援学校(仮称)(六)新築電気設備工事その二請負契約
・第百三十三号議案 都立北多摩地区特別支援学校(仮称)(六)新築空調設備工事その二請負契約
・第百三十四号議案 都立清瀬特別支援学校(六)改築及び改修給水衛生設備工事その二請負契約
・第百三十五号議案 都立清瀬特別支援学校(六)改築及び改修電気設備工事その二請負契約
・第百三十六号議案 城北中央公園調節池(二期)工事請負契約
・第百三十七号議案 呑川防潮堤耐震補強工事(その二百七)請負契約
・第百三十八号議案 善福寺川整備工事(その九)請負契約

○林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る二月十四日付をもって、山口拓議員が本委員会委員から警察・消防委員会委員に変更になり、中田たかし議員が警察・消防委員会委員から本委員会委員に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の中田たかし委員をご紹介いたします。

○中田委員 改めまして、よろしくお願いします。

○林委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局、主税局及び財務局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 また、付託議案中、第百二十一号議案から第百三十八号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承を願います。
これより会計管理局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○梅村会計管理局長 去る二月十七日付で異動のありました幹部職員をご紹介申し上げます。
 警察・消防出納部長の直井克彰でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○林委員長 紹介は終わりました。

○林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○林委員長 これより主税局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳入、歳出、主税局所管分及び第百五十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○林委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局、財務局所管分、都債、第百五十六号議案及び第百二十一号議案から第百三十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をお開きいただきたいと存じます。
 最初に、一ページお進みいただきまして、目次をご覧ください。
 今回要求のございました資料は、記載のとおり一件でございます。
 一ページをご覧ください。要求資料第1号でございます。
 各種基金の残高状況につきまして、令和七年度補正後見込みを反映させた状況をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○成清委員 最終補正予算で取り組んだ財政対応力の確保について伺います。
 先日の我が会派の代表質問において、小池都知事から、将来を見据えた財政対応力の確保が重要であり、また、メトロ株売却による基金の積立てや都債の繰上償還を進めるとの答弁がありました。
 財政対応力の確保なくして着実な施策展開は不可能です。本日は、この点について、もう少し細かく確認していきます。
 まずは、基金についてです。
 令和六年度最終補正予算で、いわゆるメトロ株の売払い収入を鉄道新線建設等準備基金と東京強靱化推進基金に積み立てたとのことですが、その考え方について伺います。

○佐伯主計部長 都の歳入構造は、法人二税の占める割合が高く、景気変動の影響を受けやすい特徴を有しております。
 こうした中、都民の利便性の向上や、安全・安心の確保に資するインフラ整備は、中長期にわたるものが多いことから、その時々の税収の状況に左右されることなく、継続的かつ計画的に進めていくことが重要でございます。
 このため、今回、都民共有の財産でございます東京地下鉄株式会社の株式の売払い収入につきまして、鉄道ネットワークの充実と、都の喫緊の課題であります東京の強靱化に向けた取組に活用することといたしまして、それぞれの基金に同額を積み立てております。

○成清委員 鉄道ネットワークの充実も都市の強靱化も、いずれも都にとって重要な取組ですが、多くの財政需要を抱えています。メトロ株の売払い収入をそれぞれの基金に積み立てる趣旨を確認いたしました。
 なお、交通ネットワークにおいて、鉄道だけではなく、地域の足である公共バスも大変重要な役割を果たしています。現在、バス事業者は、人材不足や経営難などにより苦境に立たされており、路線の廃止や減便が課題となっています。バス事業の存続に向けた取組についても同様に、着実に行っていただきたいと思います。
 次に、都債の繰上償還について伺います。
 聞くところによりますと、日銀のゼロ金利政策などにより、少なくとも、ここ二十年程度は繰上償還を行っていないとのことです。
 財政当局として、このタイミングであえて実施する理由があるのではと思いますが、今回、都債の繰上償還を実施する狙いを伺います。

○佐伯主計部長 都は、これまで計画的に都債の償還を進め、将来負担を見据えながら発行額を抑制することで、都債残高を着実に減少させてまいりました。
 一方で、今後、金利が上昇した場合、新たに発行する都債の利払い費の増加が見込まれることから、後年度負担の軽減を図りますため、過去に発行した都債の繰上償還を行うことといたしました。
 具体的には、過去に発行した比較的金利の高い都債のうち、繰上償還が可能な銀行等引受債の証書貸付けなどを対象に、今後の利払い総額と、繰上償還時に必要となります保証金を含めた返済コストを試算、比較をいたしまして、利払い費の縮減を図ることができるものを償還いたします。
 その結果、繰上償還を実施しない場合の利払い総額が約百六十三億円であるのに対しまして、実施した場合の返済コストの合計は約六十六億円となりまして、差引きで約九十七億円の利払い費の縮減を見込んでおります。

○成清委員 今の答弁で、今回の取組は、今後の金利の上昇に備えた財政運営上の工夫であるということが分かりました。
 この財源をどのようにしたのか。発表資料を確認しますと、歳出の精査などを活用しているとのことです。
 そこで、この歳出の精査の具体的な内容を伺います。

○佐伯主計部長 令和六年度予算の執行に当たりましては、施策の目的が確実に達成できるよう着実な執行を図ることはもとより、各局に対しまして、最少の経費をもって最大の効果を上げることができるよう、不断の見直しを求めております。
 このため、令和六年度最終補正予算では、予算の執行状況の総点検を行い、予算編成時点で執行しないことが明らかな事項や経費の節減が図られたものなどを精査することといたしました。
 具体的には、各事業の実施に当たりまして、契約時に生じた落札差金、現場の知恵や創意工夫による経費の節約、工事の進捗状況による事業費の見直しなどによりまして、合計千七百二十五億円の歳出を精査しております。
 こうした財源などを都債の繰上償還に活用することで、持続可能な財政基盤の構築につなげております。

○成清委員 千二百億円の繰上償還で百億円の将来負担の縮減を実現したということ、そして、その財源は都税収入の増加ではなく、既存予算の歳出の精査などを活用したとのことで、財政当局のノウハウを駆使したワイズスペンディングの取組であると認識をしております。
 また、今回の補正予算には、都税収入の増加を活用した財政調整基金への義務積立てである八百三十三億円も計上されております。
 現下の状況を踏まえた物価高騰対策や都民生活の応援にも資する東京アプリのキャンペーンなど、今まさに取り組むべき対策に加え、今後の財政需要への備えや将来負担の軽減を図る取組など、先を見据えた対策の双方がバランスよく計上されているものであり、高く評価いたします。
 日銀による利上げが十七年ぶりに行われるなど、今は金利上昇の局面にあり、都財政にとって大きな転換点に直面しているのだと思います。こうした状況の変化も適切に捉えながら、中長期的な視点で財政運営を行っていくことを求めて、質問を終わります。

○和泉委員 私からも、公債費の繰上償還について伺います。
 私の質問と成清委員の質問と重なりますけれども、私、全く別の立場からの質問ですので、あえて、もう一度伺いたいと思います。
 銀行等引受債を八百十六億円、他会計支出で下水道事業会計の企業債のうち一般会計に係る元金三百十六億円を繰上償還することとした理由について、もう一度伺います。

○佐伯主計部長 足元の市場金利は上昇局面にございまして、今後、金利が上昇した場合、新たに発行する都債の利払い費の増加が見込まれますことから、後年度負担の軽減を図るため、過去に発行した金利の高い都債のうち、繰上償還が可能な証書形式を対象に実施することといたしました。

○和泉委員 金利が上昇傾向にある中で、後年度の負担軽減を図るために、金利の高い都債のうち、可能な部分に対して繰上償還するということです。
 これも、先ほどの成清委員の質問の中にお答えがありましたけれども、繰上償還を行う都債について、コスト面での効果はどのくらいになるんでしょうか。都債と企業債、それぞれの金額と合計額、併せて伺います。

○佐伯主計部長 今回の都債の繰上償還に当たりまして、コスト面での効果を試算した結果、繰上償還を実施しなかった場合と比較いたしまして、銀行等引受債相当分は七十五億円、下水道事業相当分は二十二億円、トータルで約九十七億円の利払い費の縮減を見込んでおります。

○和泉委員 この間、都債の発行を抑制すると。その意味では、償還を前倒しに進め、後年の負担を極力減らすと。そういう努力を行うというのは、都民の大事な税金である以上、その努力、必要なことだというふうに私たちも思っています。けれども、今年度の最終補正予算は、都税収入が増えた分だけでも約三千億円に上っている一方で、物価高騰対策は百五十三億円にとどまっています。物価高騰に苦しむ都民の暮らしや中小、小規模事業者の営業を支えるべきときに、八百十六億も繰上償還を行うことは果たして適切でしょうか。
 補正予算編成の基本的考え方で、都は、歳入、歳出の精査などにより生まれた財源を、都債の繰上償還などに活用することで、持続可能な財政基盤を構築するとしていますが、都民の暮らしの持続可能性が保障されてこそ、都財政の持続可能性もあるということを忘れてはならないと思います。
 税収が堅調な伸びを示す一方で、都民は物価高騰にあえいでいる。こういうときこそ、所得の再分配という税の役割を都がしっかりと機能させる必要があるのではありませんか。これほどの税収増なのに、都民の暮らしに回すより、都債の繰上償還を優先する都の姿勢は厳しく指摘しておきます。
 税収増を最大限、都民の暮らしや中小、小規模事業者の営業を支えるために使うよう重ねて要求し、質疑を終わります。
 以上です。

○中田委員 私からも、何点か質問をさせていただきます。
 まず、メトロの株式の売却についてですが、鉄道新線建設準備基金と東京強靱化推進基金にそれぞれ八百十二億円ずつ、単純に半分ずつ積み立てていますが、この理由、半分ずつになっている理由と額の根拠について教えてください。

○佐伯主計部長 都の歳入構造は、景気の変動の影響を受けやすい特徴を有しております。
 こうした中、都民の利便性の向上等に資するインフラ整備は中長期にわたるものが多いことから、その時々の税収の状況に左右されることなく、継続的かつ計画的に進めていくことが重要と考えております。
 このため、今回、都民共有の財産でございます東京地下鉄株式会社の株式の売払い収入千六百二十四億円につきましては、鉄道ネットワークの充実と、都の喫緊の課題でございます東京の強靱化に向けた取組に活用することとし、それぞれの基金に同額を積み立てることとしたものでございます。

○中田委員 今、八百十二億円ずつ同額で積み立てた理由というのを聞いたんですが、ちょっとそこに対するお答えはなかったんですけれども、そもそもメトロ株の売却益のように、いわば臨時収入みたいなものに対する使途に関するルールや様々な取決めなどはあるのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 今回の東京地下鉄株式会社の株式売払い収入を含め、あらかじめ使途が決められていない臨時的な歳入は、毎年度予算編成の中で、当該年度の歳入歳出全体の見通しや将来の財政需要など、様々な観点から総合的に判断をいたしまして、適切に活用することとしております。

○中田委員 総合的に判断をしてというと聞こえはいいですけれども、やっぱり株式の売却等の収入等の一般財源については、様々、景気の動向を含めて、どれくらいの期間にわたって積み立てていくのかというようなルールというのが、やっぱり必要ではないかなと思いますが、その点、いかがでしょうか。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、主要施設十か年維持更新計画やTOKYO強靱化プロジェクトなど、大規模かつ長期にわたる取組について、将来にわたり着実かつ計画的に取り組むため、整備費等の全体概算額をお示しした上で、その財源の一部として基金への積立てを行っております。
 基金に積み立てる時期や金額につきましては、毎年度の予算編成におきまして、当該年度の歳入歳出全体の見通しや、それぞれの取組の将来需要などを踏まえながら、適切に判断をしております。

○中田委員 TOKYO強靱化プロジェクトは、十か年で七兆円というような規模がもう示されていますけれども、この鉄道新線に関しては、まだ全体の規模感であったり、また都の負担額というものも示されていない現状がやはりありますので、そうした中で、やっぱりどういうふうにこの税収増の何%を積み立てていくんだ、これから使う予想額が幾らだからどうやっていくんだというような説明というのを、やっぱりちゃんとしてもらいたいなと思います。引き続き、この点については様々質問をさせていただければと思います。
 続きまして、都債の繰上償還についてお聞きをします。
 繰上償還に要する経費として一千二百三十九億円を計上しておりますけれども、この償還の繰上げというものは計画的に行っているのか、これについてもルールや考え方があればお伺いをします。

○佐伯主計部長 都債の繰上償還に当たりましては、繰上償還をせず継続した場合の利払い総額と、繰上償還時に必要となる補償金を踏まえた返済コストを試算比較した上で、利払い費の縮減を図ることができるものを対象としております。
 都債の発行金利は、昨年五月に一%を超えまして、上昇局面にございます。今後、新たに発行する都債の利払い費の増加が見込まれることから、後年度負担の軽減を図るため、今回の最終補正予算におきまして、過去に発行した都債の繰上償還を行うことといたしました。

○中田委員 今、お話ありましたけれども、そもそも今回、繰上償還をすることによって都民の皆さんが得られるメリット、そして、併せてデメリットについてお伺いをします。

○佐伯主計部長 今回の繰上償還の実施によりまして、後年度の財政負担を軽減する効果が見込まれます。具体的には、繰上償還を実施しなかった場合と比較いたしまして、トータルで約九十七億円の利払い費の縮減を見込んでおります。

○中田委員 今、メリットについてのお話はありましたけれども、これまでも税収が右肩上がりの状況にあっても都債を活用し、将来の負担の平準化という説明を行ってきていると思いますけれども、繰上償還を実施する一方で、基金からの繰り出しや都債の新規発行も行っており、都債の発行状況や残高の推移はどのような状況なのかと、併せて今後どうしていくのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 都債は、年度間の財源調整と世代間の負担の均衡を図る機能を有すると同時に、将来の財政負担も見据え、中長期的な視点に立って活用することが重要でございます。
 このため、都は、平成十二年度以降、財政再建の取組を通じ、都債の発行抑制を努めておりまして、令和六年度最終補正後の発行額は、当初予算と比較いたしまして三百六十八億円減の二千七百五十九億円となっております。
 また、令和六年度末の都債残高は約四・六兆円でございまして、ピーク時であった平成十三年度末の約七・六兆円と比較して、約四割減少しております。
 今後とも、将来世代の負担も考慮しながら、適切に活用してまいります。

○中田委員 高い利率が繰上げ返済の理由であるとすれば、今後の利率の上昇やインフレが見込まれる中、新たな都債発行に要する規模と費用、そして金利インフレの目標など、どういうもくろみで行って判断をしていくのか、トータルで都民にどれくらいの利益があるのかお伺いをします。

○佐伯主計部長 都債の基幹年限でございます十年債の発行金利は、直近となる今年の二月の発行分では約十五年ぶりに一・四%を超えるなど、上昇局面が続いておりまして、令和七年度予算では発行金利を二・一%として算定をしております。
 こうした状況を踏まえ、今回の最終補正予算におきまして、後年度の財政負担を考慮し、新規発行額につきましては当初予算から減額するとともに、過去に発行した都債の繰上償還を実施することといたしました。
 なお、今回の繰上償還によりまして、約九十七億円の利払い費を縮減する効果を見込んでおります。

○中田委員 今、様々お話がありましたけれども、繰上償還するにも六十六億円の費用がかかっているというところもありますし、これからの将来負担を考えて平準化というところでありますが、今、都民の生活が苦しい中で、やはりそうしたところに目を向けて、様々な施策を打っていったり予算を使っていったりする必要があるのではないかなと考えております。
 もちろん、都債の発行というところも必要かもしれませんが、都債の発行額がそもそも都民一人当たりどれくらいが適正なのかということも、そろそろ考えていく必要があると思いますし、そうしたところで、やはり今の都民の生活にまず目を向けて、様々な予算の編成、また予算の執行というものも考えていただければと思います。
 その中で、予算の執行状況を精査して一千七百二十五億円の減を計上しておりますが、この内訳についてお聞きをします。

○佐伯主計部長 今回の最終補正予算では、合計千七百二十五億円の歳出精査を行っており、主な内訳としては、土木費で七百四十億円、都市整備費で百九十六億円、総務費で百七十四億円の減となっております。

○中田委員 既定予算で八兆五千五百四十五億円のうちの一千七百二十五億円、二%がもう現時点で不用額となっておりますが、例年の決算の中でも、これだけの規模の不用額が出ているというところもあり、未執行の予算ももちろんその中にもありますし、やはりこういうようなことをしていると、やっぱり税金の取り過ぎではないかといわれかねないと思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか。

○佐伯主計部長 令和六年度予算の執行に当たりましては、施策の目的が確実に達成できるよう着実な執行を図ることはもとより、各局に対しまして、最少の経費をもって最大の効果を上げることができるよう、不断の見直しを求めているところでございます。
 このため、令和六年度最終補正予算では、予算の執行状況の総点検を行い、契約時に生じた落札差金や工事の進捗状況による事業費の見直しなどによりまして、合計千七百二十五億円の歳出を精査いたしました。
 これらは、あらかじめ見込めるものではなく、予算の執行段階における状況変化等により生じた不用額でございまして、当初予算の編成に当たって、適切に経費を見積もっております。

○中田委員 いろいろとおっしゃっていただきましたけれども、最少の経費をもって最大の効果を上げるであったり、様々な事業費の見直しであったりとか、最初の段階では分からなかったというようなところもありますけれども、やはりこの中でも、私たちもずっと会派で指摘しておりますが、IRの調査費であったりっていうのも、これ、毎年毎年計上をされていて、この五年間、未執行がずっと続いていると。
 先日、私も文書質問させていただきましたけれども、令和二年度から続けて未執行の予算というのは本当に少ししかない中で、やっぱりそういうのって見直していかなければ、今いったことと矛盾すると思いますけれども、その辺、財務局としてはどのようにお考えでしょうか。

○佐伯主計部長 港湾局のIRの調査についてのお尋ねでございますが、この当該事業につきましては、最終補正予算の編成時点で、港湾局から執行しないことが明らかな事項として報告を受けておりませんでしたため、予算を減額しておりません。

○中田委員 これ以上はここでは質疑はしませんけれども、そもそもこの減額のときにっていう話がありますが、そもそも査定のときに毎年使っていない予算を港湾局から上げてきて、それを財務局として素通りさせているっていうふうにしか私は見えないので、やっぱり全く使っていない、もう五年も執行していない予算があるのに、それをそのまま毎年毎年計上させるっていうのは、財務局としても考えていただかないと、やっぱりそういった予算をしっかりと削っていって、都民の皆さんにしっかりと支援をするというところはやっていただきたいと思いますので、これは、またどこかで、別のところで質疑もさせていただければと思います。
 その中で、物価高騰対策について様々、保育や介護、障害など様々なところでやっておりますけれども、この物価高騰対策も令和六年度当初予算と比べて五百六十五億円の増となっておりますが、やはりこういうところ、所得が増えた人から得ている税収等は、収入を増やすことができなかった人への支援に充てるべきだと考えますが、財務局としてはどのようにお考えでしょうか。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、都民生活を守るため必要な取組を実施しております。
 令和六年度最終補正予算では、LPガスを利用する家庭への支援等を図るほか、都民生活の応援にも資する東京アプリを活用した、つながるキャンペーンに要する経費を計上しております。
 加えまして、令和七年度当初予算におきましても、都民の暮らしなどを支えるため、セーフティーネット支援や賃上げに向けた取組など、総額千六百七十一億円に及ぶ重層的な物価高騰対策を講じているところでございます。

○中田委員 今、様々やっているといっていただいておりますけれども、例えば、つながるキャンペーンでは、これはマイナンバーの認証が必要であったりといって、東京都のマイナンバーの認証率って七〇%ちょっとだと思いますし、このポイントキャンペーンだと、スマホを持っていない高齢者世帯には行き届かなかったり、そういったところにやっぱり支援策っていうのを重層的に考えていく必要があると思いますし、やはり中間層のところで困っている方々、どこの補助にも入らない、セーフティーネットで困窮世帯でもなくて、普通に暮らしている中で困っているという方々にも向けて様々支援策、必要だと思います。
 先ほど来、述べていますけれども、不用額がこれだけ出ていたりとか、様々、繰上償還するお金が今あるのであれば、困っている今の世代の人たちにしっかりと支援をしていく。やはり都民税が取り過ぎだというような話も様々なところで出てくる可能性もありますし、やっぱりそうしたことを、ほかの会派からも意見としても出ていたりもしますので、そういうところをしっかりとこれからも、これから予算の審議が始まりますけれども、私たち会派としても求めていきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十四分散会