財政委員会速記録第十号

令和六年九月十七日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長林あきひろ君
副委員長清水やすこ君
副委員長和泉なおみ君
理事吉住はるお君
理事清水とし子君
理事慶野 信一君
かつまたさとし君
長橋 桂一君
増子ひろき君
阿部祐美子君
藤井とものり君
菅野 弘一君
河野ゆうき君
荒木ちはる君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長山下  聡君
経理部長DX推進担当部長兼務稲垣 敦子君
主計部長佐伯  亮君
財産運用部長松井  裕君
利活用調整担当部長運営・調整担当部長兼務小西  拓君
建築保全部長金子 陽子君
主税局局長佐藤  章君
次長武田 康弘君
総務部長DX推進担当部長兼務入佐 勇人君
税制部長辻谷 久雄君
税制調査担当部長筒井 宏守君
調整担当部長小林 孝幸君
課税部長蓮沼 正史君
資産税部長齋藤 栄一君
徴収部長小谷  健君
特別滞納整理担当部長上野 正之君

本日の会議に付した事件 委員長報告
・石川良一委員の逝去について
主税局関係
陳情の審査
(1)六第二四号 自動車税環境性能割及び自動車税種別割の精神障害者に対する減免制度に関する陳情
財務局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
・都立北多摩地区特別支援学校(仮称)(六)新築工事請負契約
・都営住宅六H−一二九東(北区桐ケ丘二丁目GN十二街区)工事請負契約
・都営住宅六H−一三八東(足立区江北七丁目)工事請負契約
・東京国際展示場(六)東展示棟改修空調設備工事その二請負契約
・東京国際展示場(六)東展示棟改修給水衛生設備工事その二請負契約
・稲城多摩トンネル(仮称)(六)トンネル及び擁壁築造工事請負契約
・環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事(その二)請負契約
・新中川護岸耐震補強工事(その二十三)及び中川護岸耐震補強工事(その五十四)請負契約
報告事項(説明)
・ 「令和五年度東京都年次財務報告書」について

○林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、謹んでご報告を申し上げます。
 石川良一委員におかれましては、去る六月十六日、ご逝去されました。
 故石川良一委員は、都議会議員在職中、近年では、この財政委員会委員としてご活躍をされました。誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 故石川良一委員のご冥福をお祈りし、ここで黙祷をささげたいと思います。
 皆様ご起立をお願いいたします。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○林委員長 黙祷を終わります。ご着席願います。ご協力ありがとうございました。

○林委員長 次に、委員の辞職及び所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月九日付をもって、地方自治法第百二十六条ただし書の規定により、たきぐち学議員の辞職を許可した旨、また、去る九月十一日付をもって、増子ひろき議員が環境・建設委員会から本委員会へ所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告をいたします。
 次に、委員の選任について申し上げます。
 議長から、去る九月十一日付をもって、新たに本委員会委員に河野ゆうき議員、荒木ちはる議員を選任した旨の通知がありましたので、ご報告をいたします。
 この際、新任の委員のご紹介をいたします。
 増子ひろき委員でございます。

○増子委員 増子ひろきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○林委員長 河野ゆうき委員でございます。

○河野委員 河野ゆうきです。よろしくお願いします。

○林委員長 荒木ちはる委員でございます。

○荒木委員 荒木ちはるです。どうぞよろしくお願いいたします。

○林委員長 紹介は終わりました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承をお願いいたします。

○林委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びに主税局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 これより主税局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○佐藤主税局長 去る七月八日付で幹部職員の異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 総務部長でDX推進担当部長、子供政策連携室企画調整担当部長、スタートアップ・国際金融都市戦略室スタートアップ戦略推進担当部長を兼務いたします入佐勇人でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○林委員長 紹介は終わりました。

○林委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情六第二四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○蓮沼課税部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 この陳情は、練馬区、小松凜太氏から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、自動車税環境性能割及び自動車税種別割の精神障害者に対する減免制度の対象範囲を拡大することを求めるものでございます。
 この陳情に係る現在の状況でございますが、自動車税環境性能割及び自動車税種別割の減免制度は、下肢等に障害を有し歩行が著しく困難な者、その他の心身障害者で単独歩行が困難とされる程度の障害を有する者の足代わりとして専ら使用される自動車に係る税負担の軽減を図ることにより、障害者の方が積極的に社会参加できるよう、税制上配慮した制度でございます。
 減免の対象範囲は、制度の趣旨及び各障害の程度を踏まえて定めており、精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳一級を対象としております。
 本件陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○清水(と)委員 日本共産党都議団の清水とし子です。
 最初にお伺いします。
 自動車税環境性能割及び自動車税種別割の精神障害者に対する減免制度の趣旨についてお伺いします。

○蓮沼課税部長 自動車税の障害者向けの減免措置は、障害者の積極的な社会参加を促進することを目的としており、日常生活において自動車を移動手段として利用する必要があることに配慮したものでございます。

○清水(と)委員 本減免制度の対象となる障害者の範囲はどのように定められていますか。

○蓮沼課税部長 減免の対象は、国の通達に基づき、下肢等に障害を有し歩行が著しく困難な程度の方、その他の心身障害者で単独歩行が困難とされる程度の障害がある方としており、具体的には、該当する障害者手帳等の等級により定めております。

○清水(と)委員 減免の対象は、国の通達に基づいて、該当する障害者手帳の等級などによって定められているということでした。
 これまで、日本の障害者支援制度というのは、障害者手帳の等級によって、その対象がずっと定められてきました。障害者が日常生活や社会生活において受ける制限、それはその人の障害に起因するいわゆる医学モデル、こういう考え方に立って制度がつくられてきたからです。
 しかし、例えばですね、精神障害の方、発達障害の方の中には、人が乗っている公共交通、バスや電車、知らない人たちが乗っている、その中に入って移動するということが困難な方たちがおられます。そういう方たちにとっては、日常生活においての移動手段というのは自動車以外にありません。ですから、日常生活において自動車を移動手段として利用する必要がある障害者だといえると思います。その困難は、精神障害者手帳の一級の方と差がありません。移動ができないわけですから。このように、障害の等級と、その人が置かれている環境からもたらされる障害、これのずれがあるんですね。
 これに対して、国連の障害者権利条約、これは、日常生活や社会生活において受ける制限は、障害に起因するものではなく、社会的障壁と相対することによって生ずるものであって、問題は社会の側にある、こういう考え方。医学モデルに対して、社会モデルや人権モデル、こういわれる、そういう考え方を基本にしています。
 そして、二〇二二年、国連は日本政府に対して勧告を出しているんですが、その中で、障害認定及び手帳制度を含め、障害の医学モデルの要素を排除するとともに、全ての障害者が、機能障害にかかわらず、社会における平等な機会及び社会に完全に包容され、参加するために必要となる支援を地域社会で享受できることを確保するため、法規制を見直し、必要な支援を提供することを求めているんです。
 さらに、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例、東京都の障害者差別解消条例も、その前文で、障害者が日常生活や社会生活で受ける差別や制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁によってつくり出されているものであって、障壁を取り除くことは社会全体の責任であるというふうに述べています。そして、東京都の責務として、社会モデルについて、都民及び事業者の関心と理解を深め、適切に行動するために必要な啓発活動を行うものとするというふうに定めているんです。
 この国連の勧告や、東京都の障害者差別解消条例を踏まえたら、障害者手帳の等級によって対象範囲を定める、いわゆる医学モデルの考え方に立った現在の減免制度というのは、見直していくべきではないかというふうに考えますが、いかがですか。

○蓮沼課税部長 障害者手帳等の等級を用いる方法は、国の通達に基づき、全国の地方自治体においても採用されており、都においても、国の通達を踏まえて対象を定めているところでございます。

○清水(と)委員 国の通達を踏まえて対象を定めているという答弁だったんですが、この国の通達というのは随分昔につくられた、いわゆる医学モデルが当たり前というふうな考え方のときにつくられた通達ですよね。その後、国連の勧告があって、東京都では、自らも障害者差別解消条例をつくって、こういう考え方を変えていかなければいけないんだと、事業者や企業に理解を広めていくんだというふうにうたったにもかかわらず、旧態依然とした国の通知の制度のままでよいのかということが問われているんだというふうに思います。
 特に、東京都は自らの障害者差別解消条例で、障害者が日常生活や社会生活で受ける差別や制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁によってつくり出されるものであって、障壁を取り除くことは社会全体の責任であると述べて、都の責務に、社会モデルについて、都民及び事業者の関心と理解を深め、適切に行動するために必要な啓発活動を行うもの、こういうふうに定めているんですね。だとしたら、まずは東京都自らが率先して、そういう転換を図って、示していく、こういうことが大事だというふうに思うんです。
 先ほどのように、国の通達、国の制度に基づいて、いわゆる医学モデルでつくられている制度というのは、ほかにもたくさんあるというふうに思います、東京都の中に。そうした制度を、国連の勧告や都条例に照らして、きちんと見直しをして、その考え方をちゃんと定めた上で、国に対してもきちっと見直しを求めていく。これが東京都の責務ではないかというふうに思うんです。条例でうたっている責務というのは、これが一番大事ではないかというふうに思うんです。
 それは、主税局だけではできないと思います。福祉やいろんな制度を持っている局ともよく相談をしながら、どうしたら対象を定めることができるのか、どうしたら公平な制度にできるのか、そうしたことも含めて、ぜひ研究をしていただいて、こうすべきだという提言を国に積極的に上げていただくように求めておきたいと思います。
 よって、この陳情は趣旨採択を求めて、日本共産党都議団の意見といたします。

○阿部委員 私からも、この陳情に対して趣旨採択を求めて質問したいと思います。
 趣旨は、ほぼ重なるところがありますので、重なる部分については少し飛ばしながらいきたいと思いますけれども、まず確認をしたいのが、この障害者に対する自動車税の減免制度、これによる精神障害者及び知的障害者への東京都の適用実績を教えてください。

○蓮沼課税部長 令和五年度の自動車税環境性能割及び種別割における障害者減免の適用件数及び減免額は、八万一千七百五十四件、約三十億七千七百万円であり、うち精神障害者は五百十一件、約一千九百万円、知的障害者は一万一千百六十二件、約四億一千八百万円となっております。

○阿部委員 全体で約八万件、三十億円、知的障害者が約一万件で約四億円、そして精神障害者は五百件余り、五百十一件で約一千九百万円、精神障害の方々が手帳を持っておられる数、知的障害とほぼ同レベルであると思っております。
 また、外出のしにくさということであれば、知的障害の方もそうなんですけれども、精神障害の方、先ほどもお話がありましたように、単に機能的に足が動く、動かない、歩ける、歩けないというだけではなくて、集団の中に入りにくい、あるいは公共交通機関を使えないといった様々な背景を持って、外出のしづらさというのが極めて深刻、あるいは車でなければ、自動車で家族に送ってもらわなければ通院もできないというような状態の方々も大勢いらっしゃる中での、この五百十一件というのが、実際にそのニーズに十分応えている数なのかというと、これは決してそうではないと思います。そうした意味では、この陳情の中で理由としても挙げられております、精神障害者の対象範囲が圧倒的に狭いというのが現状であるというのは、これはまさに、いえていることだと思います。
 これは改善が必要だと思いますし、そのことによって、精神障害に置かれている立場の方々が、より医療にアクセスしやすい、あるいは社会にアクセスしやすくなる、そうしたことを、今、一千九百万円ということですからね、東京都の財政力から見ても、決してこれが無駄になることではないのではないかと思います。
 ちょっと繰り返しになりますけれども、障害者に対する減免制度の趣旨、そして導入の経緯も教えていただきたいと思います。

○蓮沼課税部長 自動車税の障害者向けの減免制度は、障害者の積極的な社会参加を促進することを目的としており、日常生活において自動車を移動手段として利用する必要があることに配慮したものでございます。
 都においては、国の通達に基づき、昭和四十一年から減免を実施しております。

○阿部委員 国の通達に基づき、昭和四十一年から実施ということなんですよね。昭和四十一年、それまでは制度がなかったけれども、やはり外出が必要だと、支えていこうという、その流れの中でこの制度が始まり、身体から知的へ、そして精神の方へと、段階的に減免制度が広げられていった、まさに今、その途上にあると思っております。
 この税の減免制度だけではなくて、様々な障害者に対する制度というのは、段階的に広がってきている。特に障害種別でいえば、まずは身体障害の方々から知的障害へ、そして比較的新しい障害として、精神障害の方々に対する支援の制度というのも、段階的に、今、整えている途上であるといえます。
 そうした意味ではですね、特に新しい障害である、障害自体は新しいわけでありませんが、社会の認識が新たにできてきている精神障害に対しても、まだまだ支援の向上、あるいは拡充ということは、見直しを続けていかなければいけない、その段階にあるのではないかと思っております。
 先ほどからありますように、知的障害者、総合判定一から三度に対して、精神障害は一級のみということですが、これは先ほどのご答弁にもありましたように、歩行困難な程度の障害がある方で、それに該当するのが、精神の場合は一級のみですよ。それが判断基準になっているということでした。
 しかし、国の通達は国の通達であります。条例自体は、これは東京都あるいは都道府県が定めることで、これを都独自の考え方で対象を拡大することは可能だと思いますが、いかがでしょうか。

○蓮沼課税部長 減免対象は、国の通達に基づき、単独歩行が困難とされる程度の障害がある方としており、関係部局との調整の上、該当する手帳の等級により条例等で定めております。

○阿部委員 まさにその部分の考え方を、現実に合わせていただきたいと思います。
 国というのは、税の話と、それから障害の話、厚労省と財務省にまたがる話であるんですけれども、東京都の場合は東京都なんですよね。で、省がまたがるよりも、局は違っても東京都、自治体ですから、現場に近いところで、より離れた分野であっても、一つの組織として、これは考えることができる。
 そして、より障害を持った方々、あるいは都民、区民に近いところにおられるわけですから、もし現実が、あるいは認識が変わってきたのであれば、社会に対する障害の考え方が変わってきた、あるいはその障害に対する知見がどんどんと広がってきたのであれば、それは地域から、あるいは当事者から声が出てくる。それを、まずは自治体で引き取って、現実に合わせていって、それを国に提案する。それが自治体のあるべき姿の一つではないかと私は思います。
 先ほどから出ております障害に対しては、もう医学モデルから社会モデルへと、どんどんと変わっていく中で、それより前に作られた様々なルールが、まだ置き去りになってしまっている。これをいち早く改善して、あるいは見直して、そして国に対しても改善を求めていくというのが、自治体のあるべき視点であると私は思っております。
 そうした意味では、この判断の基準、身体の歩行機能か、あるいは公共交通機関等での外出のしやすさなのか、医学モデルから、ちょうど社会モデルへと移行させていく推進役として、東京都は役割を果たすべきだと考えております。
 この税制についても、外出支援の一環として捉え直すべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○蓮沼課税部長 国の通達に基づき、減免対象は、単独歩行が困難とされる程度の障害がある方としており、全国の地方自治体においても採用されております。

○阿部委員 繰り返しになり、もう最後にしますけれども、こうしたルールというのは、社会の認識、あるいは医学的な知見、様々な社会の進化によって変化をさせていくべきものであると考えております。
 今、この状態になっているということは、いろいろな背景、歴史的な経緯があると思いますけれども、やはり今後に向けてですね、これは関係部局とぜひ検討をしていただき、この税の減免制度だけではなくて、様々な分野でモデルを変えていくように、各部署から提案をしていっていただきたいと思います。
 こうした思いを込めて、今回の陳情についても、私たちとしては、趣旨採択を主張したいと思います。
 以上です。

○林委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○林委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第二四号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で主税局関係を終わります。

○林委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、財務局長から紹介があります。

○山下財務局長 過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介させていただきます。
 利活用調整担当部長で運営・調整担当部長を兼務いたします小西拓でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○林委員長 紹介は終わりました。

○林委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山下財務局長 第三回定例会に提出を予定しております財務局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の配布資料一覧、令和六年第三回東京都議会定例会提出予定議案等件名表をご覧いただきたいと存じます。
 今回提出いたします議案は九件でございまして、内訳は、予算案一件、契約案八件でございます。
 初めに、予算案についてご説明申し上げます。資料第1号、令和六年度九月補正予算(案)についてをご覧願います。
 まず、1の補正予算編成の考え方でございますが、物価高騰対策を講じるとともに、学校給食費の市町村負担の軽減など喫緊の課題等に対応するため、予算措置を行うものでございます。
 次に、2の財政規模でございますが、今回の補正予算の規模は、一般会計で三百七十七億円でございます。
 恐れ入ります、最初の件名表にお戻り願います。
 契約案でございますが、今回提出いたします八件の内訳は、建築工事三件、設備工事二件、土木工事三件でございます。契約金額の総額は約七百六十七億円でございます。
 以上が提出を予定しております議案の概略の説明でございます。
 詳細につきましては、それぞれ所管の部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○佐伯主計部長 それでは、資料第1号、令和六年度九月補正予算(案)につきましてご説明申し上げます。
 1の補正予算編成の考え方と、二ページの2、(1)、補正予算の規模につきましては、ただいま局長から説明したとおりでございます。
 (2)、補正予算の財源でございますが、全額、前年度からの繰越金となってございます。
 中段以降が、今回の補正事項の一覧でございます。
 まず、Ⅰ、物価高騰対策には三百三十七億円を計上しております。
 三ページをご覧ください。
 Ⅱ、喫緊の課題等への対応には三十九億円を計上しております。
 四ページをご覧ください。ここからが具体的な補正予算の内容でございます。
 まず、Ⅰ、物価高騰対策でございます。
 下から二つ目の医療機関等物価高騰緊急対策事業では、物価高騰に直面する医療機関等の負担軽減に向けた緊急対策として、支援金を支給いたします。
 五ページ中段をご覧ください。
 家庭等に対するLPガス価格高騰緊急対策事業では、LPガスを利用する家庭等の負担軽減に向けて、販売事業者を通じて使用料金の値引き支援を実施いたします。
 その下の、もっと!暮らし向き向上緊急サポート事業では、都民生活を支援するとともに、消費を下支えし、経済を活性化するための緊急対策といたしまして、都内店舗においてQRコード決済により支払いを行った利用者に対し、ポイントを還元するキャンペーンを実施いたします。
 続きまして、Ⅱ、喫緊の課題等への対応でございます。
 市町村総合交付金では、全ての市町村が学校給食の無償化を実施できるよう、国が無償化について自らの責任で実施するまでの間、市町村総合交付金を拡充いたします。
 六ページ上段をご覧ください。
 新型コロナウイルスワクチン定期接種化に係る特別補助事業では、令和六年十月から区市町村において開始いたします新型コロナワクチンの定期接種につきまして、接種率の向上を図り、感染拡大を防ぐため、区市町村を通じた都独自の自己負担軽減策を実施いたします。
 その下の令和六年能登半島地震における災害廃棄物の広域処理支援では、石川県の復旧、復興に向けて、鉄道用コンテナ百基を新たに製造し、災害廃棄物の広域処理に円滑かつ迅速に対応いたします。
 次ページ以降でございますが、こちらには局別総括表及び補正予算案の議案を添付しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 私からは、まず、議会局及び財務局所管の令和六年度一般会計補正予算案につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和六年度補正予算説明書をお開き願います。一ページの令和六年度一般会計補正予算議会局・財務局総括表でございます。
 今回の補正は財務局分のみでございまして、表の補正予算額の欄、下から三段目にございますとおり、特定財源を三百七十六億七千二百万円余計上してございます。
 次の二ページをご覧ください。今回の補正予算事業別説明でございます。
 番号1、一般歳入は、前年度からの繰越金を計上するもので、三百七十六億七千二百万円余計上してございます。
 次の三ページをご覧ください。財務局合計でございます。
 今回の補正によりまして、歳入予算は、下から三段目、特定財源計の欄にございますとおり、既定予算額と合わせまして五千百九十五億九百万円余となります。
 なお、歳出予算は変わらず、上から五段目の歳出計の欄にございますとおり、五千六百六億八千六百万円でございます。
 以上で令和六年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、契約案につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号、令和六年第三回定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをお開き願います。
 一ページの工事請負契約議案一覧をご覧いただきたいと存じます。
 1の総括表をご覧ください。今回、ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄のとおり、合計八件、契約金額の総額は七百六十六億八千六百九十三万七千八百円でございます。
 次に、2の案件別の表によりましてご説明を申し上げます。
 番号1は、東大和市向原三丁目地内におきまして、仮称都立北多摩地区特別支援学校の新築工事を施行するものでございます。
 番号2及び番号3は、いずれも都営住宅を建設するもので、番号2は北区桐ケ丘二丁目地内、番号3は足立区江北七丁目地内におきまして、それぞれ建築工事を施行するものでございます。
 番号4及び番号5は、江東区有明三丁目地内におきまして、東京国際展示場東展示棟の改修工事に伴う設備工事を施行するもので、番号4は空調設備工事、番号5は給水衛生設備工事でございます。
 番号6は、多摩市聖ケ丘四丁目地内から稲城市長峰三丁目地内にかけまして、仮称稲城多摩トンネルのトンネル本体及び擁壁の築造工事を施行するものでございます。
 番号7は、中野区野方五丁目地内から練馬区高松三丁目地内にかけて建設中の環状七号線地下広域調節池の追加工事を施行するものでございます。
 番号8は、葛飾区高砂二丁目地内におきまして、新中川及び中川の護岸耐震補強工事を施行するものでございます。
 次に、契約の方法でございますが、番号1から6及び番号8の七件につきましては一般競争入札、番号7につきましては随意契約によるものでございます。それぞれの契約金額及び契約の相手方は、表の右側に記載のとおりでございます。
 一ページお進みいただきまして、二ページから五ページにかけまして、案件ごとに件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 また、各案件の入札経過等につきましては、六ページ以降に記載してございます。併せてご覧いただきたいと存じます。
 以上が今回提出を予定してございます契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−よろしいですか。
 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○林委員長 次に、理事者からの報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○佐伯主計部長 令和五年度決算につきまして、資料第4号、令和五年度東京都年次財務報告書によりご報告させていただきます。
 概要版の方をご用意いたしましたので、そちらをご覧いただければと存じます。
 まず、一ページをご覧ください。令和五年度普通会計決算の概要でございます。
 一番上の表が、決算収支等でございます。表の上から一段目と二段目をご覧ください。
 歳入と歳出の総額ですが、新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫支出金の減少や、それに伴う経費の減少などにより、歳入総額は八兆八千九百八十七億円、歳出総額は八兆三千五百三十三億円となりました。
 上から五段目、実質収支は六十一億円の黒字となっておりまして、令和四年度決算に引き続き、ほぼ均衡しております。
 その下、財政の弾力性を示す経常収支比率と公債費負担比率でございます。経常収支比率は、前年度から一・八ポイントの上昇となる八一・三%、公債費負担比率は、前年度同水準となる四・七%となっております。
 さらに、その下が都債残高でございまして、前年度と比べて一千八十四億円の減となっております。
 その下の二つ目、三つ目の表は、歳入と歳出の内訳となっております。
 一ページの一番下の表、財政健全化法に定める比率をご覧ください。実質公債費比率は一・三%、将来負担比率は九・七%と、いずれも国が定める基準を下回っております。
 続きまして、二ページをご覧ください。新公会計制度による財務報告でございます。
 まず、一番上の表が貸借対照表でございます。資産の部合計は三十六兆七千二百五十四億円、負債の部合計は六兆三千九百七十九億円、正味財産の部合計は三十兆三千二百七十五億円となっております。
 その下の表が行政コスト計算書でございまして、一番下の段、当期収支差額は四千八百四十八億円のプラスとなっております。
 三つ目の表がキャッシュ・フロー計算書でございます。行政活動キャッシュ・フロー収支差額は九百三十三億円の収入超過となりました。また、財務活動収支差額は、都債の償還額が発行額を上回ったことから、一千百四十六億円の支出超過となりました。
 一番下の表が、政策連携団体などを含めました東京都全体の財務諸表でございます。貸借対照表上の資産は五十兆円余、負債は十三兆円余、差引きで正味財産は三十七兆円余となっております。
 続きまして、三ページをご覧ください。ここからは、令和五年度の振り返りと、今後の財政運営についてまとめております。
 まず、Ⅰ、令和五年度を振り返るをご覧ください。ここでは、令和五年度におけます社会や経済の動向と、都の取組についてまとめております。
 新型コロナウイルス感染症対策では、三千八十五億円を支出し、五類への移行を着実に推進しつつ、感染拡大時に機動的に対応できる体制を確保いたしました。
 物価高騰対策では、二千八百二十一億円を支出し、セーフティーネット支援や、価格転嫁が困難な事業者に対する燃料費の支援など、都民や事業者への支援を実施いたしました。
 未来への投資につきましては、子育て世帯の経済的負担の軽減やスタートアップ戦略、都市の強靱化など、大都市東京が抱える課題の解決に向け、新たな時代に先鞭をつける対策を総合的に展開をいたしました。
 次に、Ⅱ、都財政の構造と膨大な財政需要をご覧ください。
 都は、景気変動に左右されやすい歳入構造にあっても、幅広い行政サービスを提供しつつ、避けることのできない財政需要への対応や、明るい未来の東京を実現するための未来への投資を確実に行っていくことが重要でございます。
 東京都が抱える財政需要の特徴といたしまして、中段に三点お示しをしております。
 一点目は、東京都特有の財政需要でございます。
 都は、他道府県では一般的に市町村が行っている消防、水道及び公共下水道事務を担っておりまして、その経費の合計は約四千億円となっております。
 二点目は、大都市特有の財政需要でございます。
 都は、昼間流入人口など、大都市特有の需要への対応を含む自治体警察業務に加えまして、要人警護などの首都警察業務を担っており、住民一人当たりの警察費は、他道府県などと比較して約二倍となっております。
 また、用地取得費につきましては、東京の地価の高さに起因して、他道府県平均の約十倍、三大都市圏と比較いたしましても約六倍となっております。
 三点目は、避けることのできない財政需要でございます。
 社会保障関係経費や社会資本ストックの維持更新経費は、今後も増大する見通しでございます。
 また、未来の東京の実現に向けまして、チルドレンファースト社会の実現、国際競争力の強化、都市の強靱化といった取組を行っていく必要がございます。
 最後に、四ページのⅢ、将来を見据えた財政運営をご覧ください。こうした膨大な財政需要を抱える都が、将来にわたって持続可能な財政運営を推進するために必要な取組をお示しをしております。
 まず、財政対応力の堅持に重要な役割を果たします基金につきましては、突発的な事態に時期を逸することなく機動的に対応できるよう、着実に積み立て、戦略的に活用していきます。
 都債につきましては、税収が堅調な時期に発行抑制や償還を実施するなど、計画的かつ戦略的に活用することが必要でございます。
 また、令和六年三月に金融緩和策が見直しをされて以降、都債発行を取り巻く環境が変化をしております。金利が上昇した場合には、都債の利払い費の増加が見込まれます。一方で、これまで都債残高を着実に減少させてきた結果、令和九年度の利払い費の試算額は、過去最大であった平成十二年度の約四分の一にとどまります。
 今後も、後年度の財政負担等を考慮し、都債の適切な活用を図ってまいります。
 次に、ワイズスペンディングの観点から充実強化に取り組んできた評価制度でございますが、政策評価、事業評価、グループ連携事業評価を一体的に実施していくことで、より成果重視の視点から、効率性、実効性の高い施策構築に向けて取り組んでまいります。
 こうした必要な取組を進めることで、強靱な財政基盤を確保し、持続可能な財政運営を行ってまいります。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−よろしいですか。
 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十三分散会