委員長 | ほっち易隆君 |
副委員長 | おじま紘平君 |
副委員長 | 米倉 春奈君 |
理事 | うすい浩一君 |
理事 | 池川 友一君 |
理事 | 川松真一朗君 |
かまた悦子君 | |
玉川ひでとし君 | |
土屋 みわ君 | |
もり 愛君 | |
中田たかし君 | |
宮瀬 英治君 | |
三宅 正彦君 | |
後藤 なみ君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 吉村 憲彦君 |
理事主計部長事務取扱 | 田中 慎一君 | |
経理部長 | 五十嵐 律君 | |
契約調整担当部長 | 前山 琢也君 | |
財産運用部長 | 小泉 雅裕君 | |
運営・調整担当部長 | 佐藤 直樹君 | |
利活用調整担当部長 | 高島 慶太君 | |
建築保全部長 | 渡辺 正信君 | |
技術管理担当部長 | 金子 陽子君 | |
庁舎運営担当部長 | 鈴木 光祐君 | |
収用委員会事務局 | 局長 | 杉崎智恵子君 |
本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
財務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入−財務局所管分、歳出−議会局・財務局所管分、繰越明許費、債務負担行為−財務局所管分、都債
・第十六号議案 令和五年度東京都用地会計予算
・第十七号議案 令和五年度東京都公債費会計予算
・第百十号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
付託議案の審査(質疑)
・第三十五号議案 東京都工業用水道事業清算会計条例
・第九十二号議案 土地の信託の変更について
・第九十三号議案 土地の売払いについて
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第三号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
○ほっち委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の予算の調査並びに財務局関係の付託議案の審査を行います。
なお、付託議案中、第九十二号議案の土地の信託に関する議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
これより収用委員会事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ほっち委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ほっち委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○ほっち委員長 これより財務局関係に入ります。
予算の調査及び知事提出の付託議案の審査を行います。
第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局・財務局所管分、繰越明許費、債務負担行為、財務局所管分、都債、第十六号議案、第十七号議案、第三十五号議案、第九十二号議案、第九十三号議案及び第百十号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○五十嵐経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元配布の財政委員会要求資料をご覧ください。
最初に、表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。今回要求のありました資料は、記載のとおり一件でございます。
それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、都庁舎の主な省エネ・再エネ導入状況です。
こちらは、現在の都庁舎が開庁した平成三年四月から現在に至るまでの都庁舎における主な省エネ、再エネ導入状況をお示ししたものでございます。
説明は以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○ほっち委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○土屋委員 先週の予算特別委員会では、都財政の現状認識として、財務局長から、基金や都債などの財政対応力は維持されているとの答弁がありました。利息面では十分な水準であるということですが、では、フロー面、お金の出と入りを見た場合にどうなのか、他道府県との比較も交えながら、基本的事項を含めて確認してまいりたいと思います。
まず、令和五年度の歳出予算を見ますと、政策面の経費が伸びているだけでなく、税収が増えたことで、いわゆる税連動経費も大きく伸びています。税収増という歳入面の動きが歳出面にも大きく影響を及ぼしています。都の歳入水準を正しく把握するためには、歳出予算に計上されている税連動経費の理解が必須であります。
そこで、令和五年度予算に計上されている税連動経費について、主な内訳と財源をお伺いいたします。
○田中理事 税連動経費は、法令に基づいて、税収の一定割合を区市町村に交付するものでありまして、令和五年度予算では、特別区財政調整会計繰出金や地方消費税交付金をはじめ、九項目で合計で一兆六千五百九十四億円を計上しております。
このうち、特別区財政調整会計繰出金は、特別区に交付する特別区財政調整交付金の原資として、特別会計である特別区財政調整会計に繰り出すものでございます。その財源は、都区制度における市町村税の一部を都税とする税制上の特例により、都が特別区内の区域内で徴収する固定資産税や市町村民税法人分等の一部でございます。
また、地方消費税交付金は、都道府県間の精算後の地方消費税を財源として、その二分の一相当額を人口及び事業者数に応じて各区市町村に交付するものでございます。
○土屋委員 都税収入には、都区制度により、特例的に都が徴収している固定資産税などの市町村税相当分が含まれているとのことで、また、地方消費税などは、一旦、都の税収になっても、一定割合が区市町村に交付されるため、都の手取りの税収が減少するという実態があります。
ここで、都の歳入の水準をはかるために、過去との比較や全国の道府県との比較をしてまいりたいと思います。
まず、前提として、今の答弁で触れられていた市町村税相当分や区市町村に交付する地方消費税などを税収総額から差し引くのも一つのやり方かと思います。
そこで、他道府県との比較のため、都の令和五年度歳入予算のうち一般財源の額をお伺いするとともに、都民一人当たりの金額は幾らとなるのか、過去数年間の数値と併せてお伺いいたします。
○田中理事 令和五年度予算における都税収入から固定資産税等の市町村税相当分、地方消費税交付金等の区市町村への交付金、法人二税の超過課税及び法定外目的税である宿泊税を除きますと、三兆一千四百二十六億円となります。これに地方譲与税及び地方特例交付金を加えました使途が特定されていない財源、いわゆる一般財源は三兆二千百七十億円となります。
この金額を令和五年一月一日時点の都の人口で割った都民一人当たりの一般財源額は二十二・九万円でございます。
過去の数値を見ますと、コロナの影響を大きく受ける前の令和元年度決算ベースでは二十三・二万円、コロナの影響により企業収益が悪化した二年度決算ベースでは十九・五万円、企業収益が持ち直した三年度決算ベースでは二十一・八万円でありまして、法人二税の増減が大きく影響しているといえると思います。
○土屋委員 法人二税の動向に左右されやすい都の歳入構造が現れている結果といえます。
また、令和五年度予算の都民一人当たり一般財源額はおよそ二十三万円で、コロナ前の令和元年度とほぼ同額です。本年度予算は過去最高の税収といわれますが、固定資産税などの市町村税の影響を除くと、元年度の税収と同水準という見方もできます。
そこで、コロナ前の令和元年度決算ベースの都民一人当たり一般財源額について、全国平均や他道府県と比較するとどのような水準にあるのかお伺いいたします。
○田中理事 令和元年度決算をベースといたしまして、住民一人当たり一般財源額を都道府県別に比較いたしますと、全国平均では二十・六万円、一番高い県は三十八・九万円であるのに対し、都は二十三・二万円であり、全国平均よりは若干高いものの、一番高い県と比べると約六割の水準であります。
これは、他道府県の一般財源額には、地方税等に加えまして、都が交付を受けていない地方交付税が含まれていることによるものでございます。
○土屋委員 都税収入が好調のときで比較しても、一番高い県と比べると六割程度、東京都は地方交付税の不交付団体であるため、交付団体である他の道府県と比べると一般財源額の水準は高くはないということは分かりました。
先日の予算特別委員会で財務局長が答弁されたように、都職員の目線からは、都は、行政経費を地方税を中心に賄う必要があるため、他道府県よりも自立した財政運営を行う必要があるということなのでしょうが、都民目線では、自分たちが納めた税金で行政サービスを支え続ける必要があるともいえます。都税を納めていただいている都民と事業者が安心して生活でき、事業活動を継続、発展させる施策を講じていくことが、他道府県以上に求められているのではないでしょうか。
令和五年度予算案において、都は、未来への投資と銘打ち、〇一八サポートなどの事業に巨額の予算を投じています。
一方で、長引く物価高騰の中で賃上げが進まず、実質賃金が減少している現状があるのにもかかわらず、新年度予算案に含まれているはずの都民や事業者への支援策は、残念ながら余り見えていません。
そこで、令和五年度予算において、物価高騰を踏まえた都民に対する生活面、雇用面の支援策、そして、事業者に対する支援策はどのように盛り込まれているのかお伺いいたします。
○田中理事 令和五年度予算では、生活面での支援策といたしまして、フードバンクを通じた地域における食の提供支援を強化するほか、離職者等に対する生活相談、就労支援、住まいの確保など、物価高騰により苦境に立たされている都民に対する重層的な支援策を盛り込んでおります。
雇用就業面では、非正規雇用労働者に対するキャリアチェンジに向けた支援や、賃上げに取り組む中小企業に対する奨励金の支給などにより、働く方々の所得水準の向上を後押しいたします。
また、事業者支援といたしましては、中小企業制度融資により資金繰りの安定化を図るとともに、省エネ、再エネ設備導入への支援などにより、経営基盤の改善、強化を後押ししてまいります。
○土屋委員 低所得者への支援を中心に、物価高騰対策が一定程度盛り込まれていることは確認できましたが、物価の上昇は、低所得層のみならず、中間層にも重大な影響を与えています。我が会派が提案している都民住民税の減税は、こうした課題へ対処するとともに、東京の経済の好循環につなげていこうというものであります。
こうした減税策も念頭に、今後、実効性のある大胆な支援策を機動的に講じていただくことを求めて、次の質問に移ります。
都有建築物のゼロエミッション化について伺います。
二〇二二年は、深刻化する気候危機に加えて、ロシア、ウクライナ情勢によるエネルギー危機という二つの危機に直面した年となりました。
そうした中、我が国では、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向け、化石燃料に頼らず、CO2の排出量を減らす取組であるグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXに関する議論が進められています。
都においても、昨年九月に東京都環境基本計画を改定し、ゼロエミッション東京の実現をはじめとする二〇五〇年のあるべき姿の実現に向けて、二〇三〇年までの行動が極めて重要との認識の下、具体的な目標の施策の在り方を示しました。
東京には数多くの建物が集積し、ビジネスや都民生活の基盤を担っています。一方で、CO2排出量の大部分は建物からの排出であり、オフィスビルや学校などの業務部門から排出されるCO2は全体の四割に当たるといわれています。
二〇五〇年に向けては、二〇三〇年カーボンハーフを目指して、建築物のゼロエミッション化を推進することが重要であり、室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間のエネルギー消費量の収支が実質ゼロを目指すZEB化が必要であります。
そこで、財務局は、本年一月に省エネ・再エネ東京仕様を改正し、本仕様を活用して都有建築物のゼロエミッション化を推進するとしていますが、前回の事務事業では、ゼロエミッション東京の実現に向けて、見直し後の省エネ・再エネ東京仕様を最大限活用した施設整備に取り組んでいくとのことでありました。
省エネ・再エネ東京仕様の改正内容と、その効果についてお伺いいたします。
○金子技術管理担当部長 都は、ゼロエミッション都庁行動計画におきまして、都有建築物の改築時等にZEB水準相当のエネルギー削減を図った上で、太陽光発電などの再エネ設備を導入し、ゼロエミッション化を目指すこととしております。
そのためには、省エネにより一次エネルギー消費量を五〇%削減したZEBレディや、規模、用途によってはZEBオリエンテッドとなる水準相当のエネルギー削減を図ることが重要でございます。
今回の改正では、ZEB化に向けて、ハイグレード高効率空調機器やDCモーター換気扇を原則導入とするなど技術項目例を見直しました。
このことにより、窓が大きく熱負荷が多いなどの特性からZEB化が難しいといわれる学校におきまして試算した事例では、省エネで約五割のエネルギー削減の見込みとなりました。
○土屋委員 改正により、およそ五割のエネルギーを削減できる試算になったことを踏まえ、東京仕様は都有建築物のゼロエミッション化に大きく寄与するものと考えます。
その一方で、持続可能な財政運営の観点から、ZEB化に係る費用について適切に把握する必要があると考えます。
そこで、学校のZEB化によるコストの増加はどの程度かお伺いいたします。
○金子技術管理担当部長 令和元年の国の資料によりますと、ZEB化に係る費用は、省エネルギー基準相当の建物に比べて、用途によりますが、一般的に、工事費が約一から二割増加するといわれております。
今回、学校事例の試算では、ZEB化に係る費用は一割弱程度の増加でございました。
○土屋委員 東京都公文書館のZEB化に係る費用も、全体工事費のおよそ一割だったことも踏まえ、ZEB化に関わる費用については理解いたしました。
次に、今回、新たに設計時に配慮する事項をまとめたZEB化の手引きを作成したとのことですが、具体的にはどのようなものかお伺いいたします。
○金子技術管理担当部長 ZEB化の手引きにつきましては、省エネ・再エネ東京仕様を最大限活用し、都有建築物のZEB化を推進するため、設計時の検討フローや配慮事項を解説したものでございます。
具体的には、まず、ひさしによる日射遮蔽や外壁や窓の高断熱化を徹底し、それによる空調設備のダウンサイジングや設備機器の高効率化など、より省エネ化を図るためのポイントや手法について整理しております。
手引きは、主に学校のZEB化に向けた基本的な考え方についてまとめた上で、学校以外の建物におきましても参考となる内容とし、広く活用することができるものとなっております。
○土屋委員 しっかりと、このZEB化を進めていっていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。
○おじま委員 令和五年度予算案について伺いたいと思います。
一刻の猶予も許さない気候変動問題、また、世界経済における景気後退の懸念に加えて、国内では、少子化、そして自然災害の激甚化など、東京が直面する課題はまさに試練そのものだと思います。
こうした試練にしっかりと向き合い、着実に乗り越えていくためには、必要な取組を継続的に実施できる持続可能な財政運営が不可欠だと思います。
未来への投資に大胆に財源を振り向けた五年度予算ですが、財政対応力は確保されているのかについて、まず、東京二〇二〇大会やコロナ等の特別な財政需要が生じる前、東京二〇二〇大会の役割分担、いわゆる大枠の合意が行われる前である平成二十八年度との比較を中心に確認していきたいと思っております。
なお、東京都予算案の概要では、都民一人当たりの予算をコラムとして掲載をしており、兆とか億とかいった単位よりも、より身近にイメージしやすいと思いますので、本日は、都民一人当たりの予算を基本に質問をしていきたいと思います。
まずは、行政サービスを実施するための収入についてであります。
平成二十八年度予算から令和五年度予算にかけて、収入である歳入を都民一人当たりで見たときに、主な科目の増減にどのような特徴があるのか伺いたいと思います。
○田中理事 都の歳入を都民一人当たりに換算いたしますと、平成二十八年度は五十一万八千円だったのに対し、令和五年度は五十七万三千円と、五万五千円、約一割増加してございます。
主な科目の増減といたしましては、企業収益の持ち直しを背景に、税の大宗を占めます法人二税が増加したことなどにより、都税収入が、二十八年度は三十八万五千円だったのに対し、五年度は四十四万二千円と、五万七千円増加している一方で、令和元年度に新たな偏在是正措置が講じられたことなどによりまして、地方譲与税が一万八千円から五千円へと、一万三千円減少してございます。
また、繰入金は、基金の活用などにより一万七千円から三万六千円へと、一万九千円増加しているほか、都債は、発行の抑制により二万六千円から二万一千円へと、五千円減少しております。
○おじま委員 五年度予算は、都税収入が過去最大となっていることが注目をされておりまして、実際、都税収入だけを見れば五万七千円の増加ということになっておりますが、都の人口一人当たりの収入額というのは決して高い水準にはなくて、また、地方全体でも地方税の伸びというのは同程度と聞いております。
加えて、平成二十年度税制改正以来の累次にわたる地方法人課税の見直し、いわゆる偏在是正措置によって法人二税の国税化も進められております。こうした措置の撤廃に向けた取組はもとより、地方交付税の不交付団体である都は、税収の波に翻弄されることなく、大都市が抱える財政需要に的確に応えていかなければなりません。
そこで、次は、都税以外の主な収入である都債と基金について確認をしたいと思います。
まず、都債についてですが、都債は、よく都民の借金に例えられます。
先日の予算特別委員会の我が会派の質疑に対して、都民一人当たりの都債残高は、この七年間で四十三万円から三十四万円に減少しているとの答弁がありました。この二割も減少しているという成果は大変重要である一方で、さらに支出を減らすことによって借金をしない方がいいのではないか、これまでも減らしてきたものの、過去最大規模となった五年度予算も借金に頼ったのではないかと不安に思う都民もいらっしゃるのではないかと思います。
改めて、都債を活用する意義及び都民一人当たりの年度末残高について、四年度当初予算から五年度への増減を伺いたいと思います。
○田中理事 都債は、長期にわたって便益を提供するインフラ整備の恩恵を受ける将来世代にも負担を求めるということで世代間の負担の均衡を図るほか、財源の年度間調整を行う機能を有するとともに、近年では、ESG投資のさらなる促進や、金融分野からのSDGsの実現を後押しする側面も有してございます。
都債の活用に当たりましては、将来世代の受益と負担のバランスを考慮するとともに、その時々の財政環境や金融市場の状況、事業の動向等を踏まえながら、全体として発行抑制を基調とする一方で、グリーンボンドやソーシャルボンドについては一定の発行規模を確保するなど、適切に活用しております。
この結果、都民一人当たりの残高は、四年度の三十五万五千円から五年度の三十四万四千円へと、一万一千円減少しております。
○おじま委員 世代間の受益と負担の均衡を図るために、単にゼロにするということではなくて、将来世代の負担を考慮しながら活用するということが大事とのご答弁がありました。また、四年度よりも借金が減っていまして、都債に頼った予算編成にはなっていないということも確認をいたしました。都債の発行余力という観点で、一定の財政対応力を有しているということだと思っております。
次に、基金についてであります。
四年度最終補正予算では、将来の財政需要に備えるために、既存基金の廃止分に加えて、税収増や歳出精査などによって生み出された財源も含めて約七千億円の積立てを行っていまして、この活用も求められるところであります。
五年度予算における基金の活用方針を伺いたいと思います。
○田中理事 令和五年度予算では、特定目的基金を、明るい未来の東京の実現に向けた施策の財源といたしまして積極的に活用することとしております。
具体的には、都市の強靱化や社会資本等の整備、福祉先進都市の実現などを着実に進めるため、四年度最終補正予算で創設、増額した基金も含め、四千八百六十七億円を取り崩しております。
同時に、持続可能な財政運営の観点から、条例に基づく財政調整基金の義務積立てを行っており、その結果、基金全体の残高は追加補正後で一兆六千九百三十五億円となっております。
○おじま委員 最初にいただいた答弁で、基金などからの繰入金が、都民一人当たりで一万九千円増えているということだったんですが、この基金という仕組みを通じて、税収増や歳出精査などによって生み出された財源を積み立てて、それを積極的に活用するということで、こうした財源が都民に還元されるということであります。
このほか、さきの予算特別委員会における我が会派の質問に対して、事業評価に取り組むことで、この七年間で合計六千九百億円もの財源確保につなげたという答弁もありました。積極的な施策展開を継続的に支えられるように、引き続き、戦略的な都債や基金の活用、そして、節約ともいえる事業評価の取組を推進するように要望しておきたいと思います。
さて、県民経済計算によれば、都内総生産は、平成二十八年度の百十一兆円から令和元年度には百十六兆円へ拡大をしておりまして、経済成長に合わせて税収も増加するのが一般的だと思います。
税収が増えたから施策を構築できたという議論に終始するのではなくて、都税収入が不安定な構造にあることを念頭に置いた上で、いかにして都内経済を活性化して税収の増加基調につなげて、この収入を行政サービスに還元していくのかという視点が大切だと思います。
これまで確認してきた収入がどういうふうに使われているのか、次は、支出を確認したいと思います。
そこで、平成二十八年度予算と令和五年度予算の比較において、都民一人当たりの目的別予算の増減が大きな分野の増減額とともに、増加に寄与した具体的な取組を伺いたいと思います。
○田中理事 都民一人当たりの目的別予算について、平成二十八年度から令和五年度の増加額が大きな分野及び金額といたしましては、福祉と保健で二万三千円の増、労働と経済で一万三千円の増となっております。
具体的な取組といたしましては、福祉と保健では、〇一八サポートや東京都出産・子育て応援事業などの少子化対策、介護職員宿舎借上げ支援事業などの福祉人材の確保の取組など、労働と経済の分野では、スタートアップ支援や中小企業の設備投資支援、女性や就職氷河期世代等の雇用就業対策などが挙げられます。
一方、減少額が大きな分野及び金額といたしましては、都債の元利償還などの公債費で平成二十八年度の三万三千円から令和五年度の二万五千円へと、八千円の減となっております。
○おじま委員 借金返済などの義務的な支出が減って、少子高齢化対策や産業の活性化などの支出が増えることは、都民のQOS、クオリティー・オブ・サービスの向上の観点からも極めて重要だと思います。
振り返ってみれば、このほかにも、待機児童対策を筆頭に、脱炭素社会の実現、教育の充実、文化振興、デジタル化の推進など、実に様々な分野における課題の解決に向けて力を注いできているということだと思います。
社会の変化するスピードが早まる中で、こうした課題への対処に加えて、高齢化の進展による社会保障費の増加など、今後の財政需要は増加の一途をたどるということが懸念されますが、財政対応力を強化して、まさに筋肉質ともいえる財政運営を行っているというふうに評価をしております。
我が会派の重点要望でありましたゼロ歳から十八歳までの子供に対して月五千円を給付するという、いわゆる〇一八サポートや第二子の保育料無償化などは、こうした財政運営の成果などを都民の方々に還元したものだと考えております。この〇一八サポートなどは、まさに都が本気で子供を産み育てたい都民の願いを応援していくというメッセージの籠もった事業だと改めて感じました。
こうした積極的な施策展開と持続可能な財政運営を両立して、都政のQOS向上につなげるよう改めて求めたいと思います。
さて、都政のQOSの向上に向けて様々な対策を講じる都においては、こうした取組が行政目線に偏っていないのか、都民の声を反映できているのかといった視点も大事ですので、最後に、都民参加型予算についても確認をしておきたいと思います。
都は、平成三十年度予算編成から都民提案制度を実施しまして、これまでに四十一件の事業を構築してきたということで、五年度予算にも七件の事業が計上をされております。新たな視点でゼロから事業がつくられるだけではなくて、これまで都が取り組んできている事業について、都民目線でよりよいものに改善されることも、都民提案制度で実現できていることではないでしょうか。
令和五年度予算に計上された都民提案の事業について、都民の提案などを踏まえて改善を図ったという事例を伺いたいと思います。
○田中理事 今回の都民提案におきまして、既存事業の改善につながった主な事例といたしましては、総務局が平成三十年にリリースした東京都防災アプリの機能拡充の提案がございます。現在、東京防災などの防災ブックの閲覧、東京マイ・タイムライン、防災マップなどの機能を有しておりますが、都民による提案や投票を通じた事業選定の際に寄せられた意見を踏まえ、やさしい日本語の使用、振り仮名の表示、子供にも親しみやすいコンテンツの充実など、アプリの機能を拡充し、子供や高齢者、外国人など誰もが使いやすいアプリへと改善を行うことで、災害対応力の向上を図ることとしてございます。
○おじま委員 今、防災アプリというご答弁をいただいたんですが、都民の提案、さらには投票者の意見も基に改善するという画期的な仕組みだと思います。都民が提案し、都民が選ぶをコンセプトに、これまでも制度の見直しや広報の充実に取り組んでいただいていることと思いますが、大学提案と併せて、引き続きの制度の充実を図っていただきたいと思います。
ここまで、戦略的に収入を確保する、支出を見直して節約もする、様々な分野に支出をする、さらには都民の声を直接的に聞く、こうした観点を踏まえた予算になっているということを確認させていただきました。こうした取組は、まさに都民ファーストに資するものだと思います。
今後とも、都民ファーストの視点を大切に継続して都の責務を果たせるように、持続可能な財政運営に取り組んでいただくということを求めて、次の質問に移りたいと思います。
次に、指名停止措置について伺いたいと思います。
都は、東京二〇二〇大会組織委員会が発注をしたテストイベントの計画立案業務委託等において不当な取引制限を行ったとして、独占禁止法違反の罪に問われている六事業者について、二月九日と二月二十八日に終期未定の指名停止措置を行いました。本件については、さきの都議会本会議における我が会派の代表質問においても取り上げたところではありますが、改めて制度の概要などについて確認をしたいと思います。
まず初めに、指名停止措置の目的と効果について、確認のため伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 指名停止措置は、都における契約事務の適正な執行を確保するため、契約履行上の事故や法令違反など、あらかじめ基準を定め、当該基準に該当する事実を発生させた入札参加資格を有する者に対して一定の期間講ずる措置でございます。
指名停止措置が行われた場合には、当該有資格者は、指名停止の期間が満了するまで、都の競争入札等への参加のほか、都の契約における下請としての参加も認められないという効果がございます。
○おじま委員 事故や法令違反などを起こした事業者を都の契約に一定期間参加できなくする制度ということであります。
それでは、指名停止措置の対象範囲というのはどのようになっているのか、事故や法令違反などを起こした企業の関連企業に対しても及ぶのか伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 指名停止措置は、都の要綱に定める基準に該当する事実を発生させた当該有資格者に対して行うものでございます。
指名停止措置の対象となる有資格者が、合併等により他の有資格者に移行する場合など特別な場合を除きまして、当該有資格者以外の他の法人が指名停止措置の対象となることはございません。
○おじま委員 あくまでも指名停止措置というのは、都の基準に該当する事実を引き起した企業に対して行われるものでありまして、関連企業も含めて都の契約に参加させないということは制度上困難ということを確認しました。
基本的な制度を確認したところで、今般の組織委員会の契約に関連した指名停止措置について伺いたいと思います。
組織委員会の契約に関連して指名停止を行った六者というのは、現在、終期が定まっていませんが、今後どのような手続を経て決定していくのか伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 お話の六者につきましては、大会組織委員会発注の契約において、独占禁止法違反の容疑により役員等が逮捕または逮捕を経ずに起訴されたことを受け、指名停止等措置要綱に基づき、当該事実を把握した当日に、終期未定で即日指名停止を行ったものでございます。
即日指名停止を講じた場合は、措置後に、対象有資格者から措置事由に関する報告書を徴取した上で、毎月開催される庁内会議体である契約事務協議会での協議を経て、要綱に基づいて指名停止措置期間を決定することといたしております。
本件指名停止につきましては、こうした手続にのっとり、三月下旬に措置期間を決定する見込みでございます。
○おじま委員 今月下旬に措置期間を決定する見込みというご答弁でありました。都民の税金を多額に投入した東京二〇二〇大会での談合という社会的影響の大きさを踏まえた対応を改めて求めたいと思います。
また、先般の我が会派の代表質問では、過去に指名停止を受けた事業者の総合評価方式における取扱いについても論点となりました。
この点についても、具体的な状況を確認したいと思います。
工事契約における総合評価方式においては、過去に指名停止措置を受けた事業者を具体的にどのように扱っているのか伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 工事契約における総合評価方式では、技術点につきまして、企業の技術力と企業の信頼性、社会性の両面から評価することといたしております。
企業の信頼性、社会性の評価に当たっては、事故及び不誠実な行為の実績点といたしまして、入札参加者が入札参加する時点から過去三年間に都の指名停止措置を受けたことがある場合は、技術点の一割を減じる仕組みとなっております。
○おじま委員 工事契約においては、指名停止措置満了後三年間は総合評価方式において技術点の一割が減点をされるということであります。確認したところ、技術実績評価型総合評価方式であれば三十点満点なので三点、技術力評価型総合評価方式であれば五十点満点なので五点が減点をされるということでありまして、事業者に一定の影響力があるものと認識をしております。
一方で、今回指名停止を受けた六事業者が主に受注する業務委託契約で行う総合評価方式では、工事のような減点の仕組みは現在取り入れられていないというふうに聞いております。
業務委託契約における総合評価方式においては、技術点の評価基準はどういうふうに扱われているのか、また、過去に指名停止を受けた事業者を今後どのように取り扱っていくのか、見解を伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 業務委託契約における総合評価方式につきましては、業務委託等総合評価方式事務処理要綱におきまして、各局における事務処理の基本的事項を定めているところでございます。
本要綱において、技術点の評価項目につきましては、従事予定技術者の実績や資格などの基本的な評価項目のほか、環境配慮など都の政策目的の実現を支援する事業者の取組につきまして、財務局が示す評価項目例に準じて政策的評価項目を設定することとしております。
業務委託契約等における指名停止を受けた事業者の総合評価方式での取扱いにつきましては、工事契約における減点の取組を参考といたしまして、今後検討してまいりたいと思います。
○おじま委員 業務委託契約というのは、これまで、工事と比較すると談合などの事件が少なかった分野だと思うんですが、今回のような社会的影響の大きな事件が起き得るということを踏まえて、工事と同様に、一定の抑止力につながる制度の構築というのが必要だと考えます。
公正な入札契約制度の構築に今後とも取り組んでいただくということを強く求めて、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○かまた委員 それでは、初めに、都の財政運営についてお伺いをいたします。
令和五年度予算では、過去最高となります六・二兆円の都税収入に支えられ、積極的な施策展開が図られており、我が党の要望も数多く反映していただき、高く評価をいたします。
しかしながら、今回、財務局が作成をしました令和五年度東京都予算案の概要を確認しますと、過去三十年間において、都税収入は大きく増減を繰り返しております。
こうした都税収入の増減という都の歳入構造の特徴を考えますと、令和五年度予算案に盛り込まれた都民の暮らしを守り抜くための様々な事業を継続的に実施していくためには、都ならではの対策が必要であり、その対策こそ、景気の上昇局面で基金残高を確保し、景気の下降局面では基金を活用して施策を推進するという財政運営の工夫が必要不可欠であります。
そこで、施策の推進に活用するための特定目的基金、具体的に、三つのシティ実現に向けた基金について、令和四年度最終補正予算で積み増しを行った額と、令和五年度末の残高見込みについてお伺いをいたします。
○田中理事 令和四年度最終補正予算では、税収増や歳出精査などにより生み出された財源を活用し、三つのシティ実現に向けた基金に約三千七百七十四億円の積み増しを行いました。その内訳は、新築建築物再生可能エネルギー設備設置等推進基金に千五百億円、東京強靱(じん)化推進基金に千二百七十四億円、福祉先進都市実現基金に一千億円などとなっております。
令和五年度予算では、都市の強靱化や社会資本等の整備、福祉先進都市の実現などを着実に進めるため、四年度の最終補正予算で積み増ししたものも含めまして基金を積極的に活用することとしておりまして、五年度末の残高は一兆四十六億円となる見込みでございます。
○かまた委員 令和四年度最終補正予算においては、安定的な施策運営のために税収増などを活用した基金への積立てを行ったことについて、都議会公明党の考え方とも一致しますので評価をしております。
ただし、一方で、この一兆円という残高がどの程度の水準にあるのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
令和五年度末における三つのシティ実現に向けた基金の残高見込みはどの程度の水準にあるのか、過去の残高水準との比較で説明をお願いいたします。
○田中理事 現在、三つのシティ実現に向けた基金に相当する基金の残高につきましては、財政危機に直面し財政再建の取組を進めた平成十年度から十七年度にかけまして一千億円前後の水準で推移していましたが、財政再建達成後に着実に積立てを行った結果、二十年度には一兆二百八十六億円まで増加したところでございます。
その後、リーマンショックの影響により税収が落ち込んだことなどから、平成二十三年度には七千四十五億円まで減少したものの、以降は都税収入が堅調に推移したことなどにより再び増加に転じ、二十六年度には一兆三百四十七億円、二十九年度には一兆八千百十七億円にまで増加いたしました。
平成三十年度以降は、東京二〇二〇大会の開催に向けた取組等に活用した結果、令和三年度は一兆三千二百七十三億円となっております。
令和五年度末における残高見込みの約一兆円という水準は、平成二十年度や二十六年度と同程度でありまして、先日の予算特別委員会でもご答弁いたしたとおり、一定の残高は確保できているものと認識しております。
○かまた委員 ここ十年ほどは、東京二〇二〇大会に向けて特定目的基金を多く積み立てていた時期でもありますから、今ご答弁をいただいたように、リーマンショック前と同水準の一兆円という残高を確保している点については、重要な施策を今後も継続的に進めていくという都の姿勢の現れだとは思います。
ただ、一方では、予算特別委員会における我が党の代表質問でも指摘をさせていただきましたが、リーマンショックの際には一年間で一兆円の税収減に見舞われ、コロナ禍では都の財政負担として、令和二年度だけでも一兆円もの財源を投じたわけであります。こうした突発的な税収減や財政支出にも十分に対応ができるよう、引き続き、財政調整基金も含めて、基金残高の確保に努めることを改めて強く求めておきます。
では、次に、施策の迅速化についてお伺いをいたします。
近年、豪雨災害が激甚化、頻発化しており、私の地元でもあります板橋区では、荒川をはじめ区内を流れる河川の水害対策が急務となっております。
令和五年度予算では、都市強靱化に向けた施策として約七千四百億円が計上され、中小河川の整備など、我が党が要望してきた対策が随所に盛り込まれておりますが、事業の具体的な取組の内容と併せて、もう一点重要なことは、こうした施策の効果を少しでも早く都民の下に届けることであります。
しかし、従来の単年度主義の考え方だけではどうしても事業着手の時期が年度後半になってしまうなど、迅速化の観点からは課題もあったところです。
こうした中、都は、事業執行の迅速化に向けて債務負担行為を積極的に活用することとしておりまして、令和五年度予算では、昨年度から九十件の増となります九十七件で活用を図っているとのことであります。
そこで、改めて、事業執行の迅速化に向けて債務負担行為を活用する目的と主な手法について求めます。
○田中理事 地方自治体におきましては、地方自治法における会計年度独立の原則に基づき、年度単位での事業執行が原則となっております。
一方、社会の変化のスピードがこれまで以上に早まる中、時期を逸することなく早期に事業効果を都民に還元させるためには、年度の切れ目ない事業実施が求められるケースが増えております。
このため、そのような場合には、会計年度独立の原則の例外の一つである債務負担行為を積極的に活用することにより、例えば、各種工事では、調査、設計、工事などの一連の手順を年度をまたいで切れ目なく実施できる体制を整えることで事業期間の短縮を図っております。
また、初年度の歳出をゼロとして、翌年度以降への債務負担行為を設定する、いわゆるゼロ都債の活用により、事業開始の前年度に契約手続を行えるようにすることで、新年度当初からの事業着手を可能とするなど、事業着手時期の前倒しを進めております。
○かまた委員 原則として年度単位で仕事を行うべき行政が、従来の仕事の在り方を見直し、少しでも早く都民に施策の効果を還元しようとしている点は高く評価したいと思いますし、その手法をぜひ区市町村へも伝えていただきたいと考えております。
一方で、肝腎なことは、こうした手法をしっかりと活用し、具体的な成果へとつなげていくことであります。
そこで、主な手法ごとに、令和五年度予算における具体的な活用例とその効果についてお伺いをします。
○田中理事 事業期間の短縮に向けた取組事例といたしましては、港湾局の東京みなとDXシステムの構築がございます。これまで年度ごとの分割発注を原則としていた基本検討と詳細検討を、債務負担行為を活用して年度をまたいで一括発注することによりまして、分割発注の場合と比べ半年程度期間の短縮を見込んでおります。
また、事業着手時期の前倒しに向けた取組事例といたしましては、東京消防庁が令和六年度に実施する防火水槽の再生工事があり、ゼロ都債を活用し、契約手続を令和五年度中に行うことで、事業着手時期をもともと令和六年八月に予定したものを令和六年四月ということで四か月の前倒しを図ることとしてございます。
○かまた委員 履行完了までの期間を半年程度短縮したり、また、ゼロ都債の活用で事業着手を四か月早めたりと、迅速化に向けてそれぞれの手法ごとに債務負担行為を活用した効果の大きさを確認することができました。
債務負担行為は、次年度以降の予算を拘束する側面もありますので、その必要性はしっかり確認する必要がありますが、都民にとっては非常に有益な取組ですので、ぜひ有効に活用していただきたいと思います。
また、債務負担行為以外にも、事業の迅速化につきましては、シン・トセイ加速化方針二〇二二やシン・トセイ3においても多くのメニューが示されております。様々な施策を駆使しながら、さらなる迅速化に取り組んでいただけるようお願いいたします。
最後に、都債に関連しまして、ESG債についてお伺いをいたします。
財政面において、都債は、世代間の負担の公平性の確保や年度間の財源を調整する大事な機能を有しておりますが、持続可能な財政運営を図るために、基金と並び重要な役割を担っていることはいうまでもありません。
一方、ESG債は、環境や社会貢献事業に使い道を限定したものであり、こうした都債としての本来の役割に加えて、発行を通じて環境問題や社会課題の解決を後押しするプラスアルファの機能を兼ね備えているものであります。
都は、ESG債としまして、平成二十九年度からグリーンボンドを、また、令和三年度からソーシャルボンドの発行に取り組んできました。また、さらには近年、財政の健全性の観点から、年々都債の残高を減少させていく中にありましても、このESG債に関しましては、当初の二百億円から大きく増やしております。
ESG債につきましては、金融の関係者だけではなく、社会全体でも関心が高まりつつありますので、都民の皆様にもこのESG債を知っていただくために、都が来年度どのように取り組むのか確認をさせていただきたいと思います。
都は、来年度予算ではESG債を約一千億円発行するとしておりますが、その内訳や対象事業をどのように考えているのか、具体的な内容をお伺いいたします。
○田中理事 来年度当初予算では、将来世代への負担を考慮し、都債の発行額全体を前年度対比で減額する中、ESG債につきましては昨年度と同水準を確保し、新たに一千億円程度を発行することとしております。
このうち、グリーンボンドは四百億円程度の発行を予定しており、主に都有施設への太陽光発電設備の導入など脱炭素化の取組や調節池の整備など、気候変動への対応策に対する充当を想定してございます。
また、ソーシャルボンドでは六百億円程度の発行を予定しており、無電柱化の推進や特別支援学校の整備に加えて、障害者施設の整備費補助など新たな事業への充当を想定しております。
最終的な充当事業や充当額につきましては、環境改善など各事業の効果等に関する第三者機関の評価や事業の進捗状況を踏まえて対応してまいります。
○かまた委員 最終的な充当事業につきましては、今後決定されるとのことですけれども、このESG債は、通常の都債の発行額を抑制する中にあっても、例外として発行額を増加させております。
ESG債は、別名SDGs債とも呼ばれていまして、持続可能な社会の実現に向けた重要な取組であり、その推進は非常に重要であると考えておりますので、ぜひ、引き続き積極的に取り組んでいただくことを求め、私の質問を終わります。
○米倉委員 私からは、都有施設の気候危機対策に関わって取組を伺いたいと思います。
まず、省エネ・再エネ東京仕様についてです。
都は、二〇三〇年までにカーボンハーフを達成するため、率先的取組として、都有施設のゼロエミッション化を目指すとしてきました。その具体化として、省エネ・再エネ東京仕様を活用し、新築、改築時に建物の熱負荷を減らす最新の省エネ設備、再エネ設備を導入していくとしています。私も財政委員会で、この都有施設の対応強化について求めてまいりました。
今年一月に、都は、省エネ・再エネ東京仕様を改正いたしました。環境性能の目標にZEB化を目指すことを盛り込むということがその一つです。これは、私も繰り返し求めてきたことで、重要だと思っています。
この目標を追加したということの理由と、具体的にはどういう中身となっているのか伺います。
○金子技術管理担当部長 都有建築物のゼロエミッション化を推進するためには、改築時等に省エネにより一次エネルギー消費量を五〇%削減したZEBレディや、規模、用途によりましてはZEBオリエンテッドとなる水準相当を目指すことが重要でございます。
このことから、今回の改正では、従来目標の建築物環境計画書制度の最高評価段階三に加え、ZEB化を目指すことを追記し、高効率機器の原則導入などZEB化に有効な省エネ技術項目例の見直しを図ったところでございます。
○米倉委員 今回、明確にZEB化を目指すということが記載されたことは大切です。東京仕様の技術項目例についても、新たな技術の導入や性能を引き上げるということが盛り込まれています。
具体的にはどういう改正になっているのか伺います。また、今回の技術項目例の追加や引上げによって、エネルギー削減はどの程度進むのかも伺います。
○金子技術管理担当部長 技術項目例についてでございますが、例えば、学校では、ハイグレード高効率空調機器やDCモーター換気扇などを原則導入といたしました。
ハイグレード高効率タイプの空調機は、従来の高効率空調機に比べて一割程度の省エネを図ることができると見込んでおります。
DCモーター換気扇につきましては、駆動用に直流モーターを採用しており、従来の交流モーターの換気扇に比べて、カタログデータによりますと、消費電力を三分の一程度に抑えられるものとなっております。
○米倉委員 建物の省エネに関わって大きいのは断熱と空調と照明といわれますが、主に空調、また換気の部分で大きく引き上がるということです。
これの中身も、庁舎、学校、病院だとか、それぞれの公共施設について、新たに技術のレベルを引き上げるということが示されていますが、ご答弁にもあったように、主に学校で最も強化されているということです。
今回の東京仕様ですが、初めて学校施設のエネルギーを約五割削減できる設計事例を試算で示されています。これも大事だと思っています。
こうした省エネを達成するために、都は、設計配慮事項をまとめたZEB化の手引きを新たに公表していますが、学校施設でZEB化を目指すに当たって、設計や、また、省エネ設備を検討する際にポイントとなるということはどういうものですか。
○金子技術管理担当部長 学校は、窓が大きく熱負荷が多いという特徴があることから、ZEB化を目指すには、ひさしによる日射遮蔽や外壁や窓の高断熱化を徹底することがポイントでございます。
その上で、空調設備のダウンサイジングや高効率機器の導入など、より省エネ化を図ることが重要でございます。
○米倉委員 結構、学校施設のZEB化は大変だということを関係者の皆さんから聞いてきたんですけれど、今おっしゃるような、設計時の配慮、抑えるべきところを抑えていくということで五割は削減できるという試算を示されたということは、非常に大切なことだなと思っています。
私も都内の各自治体からお話を伺っていますが、今、この先進的な取組を始めている自治体では、学校施設のZEB化ということを始めていらっしゃいます。私の地元豊島区もですし、目黒区や板橋区でも、今、設計段階ですとか、その先に進むというような段階になっています。
どこも初めての試みという状況ですから、都としての知見が都内の自治体に共有されるということは大事だなと思います。それは、これから、都立学校だけではなくて、区市町村の学校で進めていくというときにも大切になってくると思います。
そこで伺いたいのですが、この学校施設のZEB化の手引きですが、どのように関係する自治体に周知をする予定ですか。
○金子技術管理担当部長 省エネ・再エネ東京仕様及びZEB化の手引きをホームページに公開し、広く周知を図るほか、庁内や区市町村の関係部署への説明会を実施しておりまして、ZEB化への自主的な取組を技術支援してまいります。
○米倉委員 各自治体の実務者に説明されているというふうに聞いています。
役に立つ周知とともに、これは、国だけでなくて、東京都としても、区市町村が学校施設のZEB化を進めるということに補助も行っていただきたいと思っているんですね。これ、教育庁とも連携して、ぜひ具体化していただきたいと要望します。
次に、学校の体育館についても伺います。
東京仕様の技術項目例では、学校の体育館以外の施設、つまり校舎だとか、そうした学校施設、そして、庁舎や病院、その他、研究所、福祉関連施設など、つまり体育館以外の施設は、断熱は原則として導入というふうになっています。学校の体育館だけが、施設の特性、立地状況等に応じて導入となっています。
そこで伺いたいのですが、この学校体育館において、屋根や壁、窓、床などの断熱の導入の考え方はどういうふうになっているのかということと、また、過去三年で、新築と改築を行った体育館で断熱化されたものはどの程度あるのか伺います。
○金子技術管理担当部長 体育館は、体育館だけ単独で建築する場合や教室や武道場などと合築する場合があり、建て方は様々でございます。また、教室や職員室などと比べ、天井が高く大空間であることから、噴き出し位置が低い空調方式を採用しております。
こうした特性を踏まえまして、設計に当たっては、それぞれの体育館の状況に応じて最適な断熱性能レベルや導入する空調機の能力を選定しております。
なお、過去三年間に改築や新築を行った高校及び特別支援学校の体育館は、全て断熱化を行っております。
○米倉委員 今のご答弁で分かったのですが、東京仕様を読むと、この断熱対応がされていない体育館もあるかのようにも読めるのですが、これは、施設の状況、つまり校舎と一体なのか、または独立しているのかなどに応じて断熱の状況を判断するということです。レベルをどうするかということだと伺っています。過去三年間、対象となる都立学校も全て断熱対応だということです。それは大事だと思います。
東京仕様では、体育館だけでなくて、武道場についても断熱は行われているということです。ただ、体育館はエアコンがついていますが、武道場はエアコンはついていないという状況になっています。これは、教育現場として適切な環境を確保するということからしてもですし、災害時には、体育館だけでなくて武道場も避難所となるということを考えたら、やはり武道場も、断熱だけでなくて、セットで高効率エアコンを導入していくということが必要です。これは早期に導入していただきたい、教育庁とも、そのために連携していただきたいと求めておきます。
東京仕様の改正について伺ってきました。内容がバージョンアップされたということは、私も求めてきましたし、重要だと思います。ただ、これでもういいというふうにはならないということは申し上げておきたいと思います。
そもそも、日本の断熱基準というのは、ほかの先進国と比べたら甘いと指摘をされています。ですから、今、環境省が示しているZEBレディ五〇%削減を公共施設で達成していくということは、これはもう今後当然となっていくわけですが、さらに引き上げていくということは必要だと思います。これは、国待ちにならず、東京都として研究もしていただきたいですし、国内で先進事例をつくっていくという立場で取り組んでいただきたいと要望しておきます。
次に、都庁舎の具体的な取組も、これは初めて伺いたいと思います。
それに関わって資料をつくっていただきました。ありがとうございます。
まず初めに、電力高騰が深刻という状況ですので、都庁舎、第一庁舎、第二庁舎、議会棟の影響がどうなっているか伺いたいと思います。
今年と昨年について、四月から十二月について、電気使用量と電気料金の状況を伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 令和四年度の十二月までの電気使用量は約二千四百四万キロワットアワー、令和三年度の同期間は約二千四百九万キロワットアワーでございます。
また、電気料金は、令和四年度の十二月までは約六億一千万円、令和三年度の同期間は約三億九千万円でございます。
○米倉委員 今年と昨年の同時期で比べますと、電気使用量は今年僅かに減らしているということですが、電気料金は一・六倍に大幅に増えているということです。都庁でこういう状況ですから、都民も事業者も大変な負担になっていると思います。悲鳴が上がっているという状況です。
同時に、こうした状況の中で、都庁舎でもエネルギー消費削減の取組を、今、改めて把握して対策を強化することが必要です。それは、気候危機の対応としても、ここが一番重要だと思いますが、必要なこととなっています。
その際、特に大事な要素となる断熱、空調、照明について、都庁舎について伺います。
まず、都庁舎の窓断熱の仕様と、その効果がどうなっているか伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 都庁舎では、開庁時から窓ガラスに熱が伝わりにくい熱線吸収、反射式の複層ガラスを設置し、屋外からの熱の侵入を防いでおります。また、外壁の内側に断熱材を吹きつけて、室内温熱環境の均一化や結露の防止を図っております。
これらの効果により、都庁舎の熱負荷が低減されております。
○米倉委員 窓は太陽光を吸収、反射するコーティングがされているということで、複層ガラスだということです。複層ガラスとしては普通のものだと聞いています。
議会棟の執務室でも、やはり今の窓ガラスの水準というのはちょっと低いなというふうに実感があります。冬に、窓に近い席の方は、そこが定席という方などは寒いということで、ブラインドはもう開けられないと。ブランケットを足に巻かないとつらいというような状況です。
窓の断熱性能というのは、今の東京仕様と比べても差はあると思います。窓の断熱性能を、今ある窓を外すというのは恐らく現実的ではないと思うのですが、内窓をつけたり、または、その他、もう少し簡易な対応が可能だということでしたら、そういった対応は必要だと思いますが、いかがですか。
○鈴木庁舎運営担当部長 都庁舎のほぼ全ての窓には、冷暖房負荷が抑えられるブラインドやロールスクリーンが設置されております。
令和四年六月一日からの都の率先行動といたしまして、ブラインド下げの徹底などを実施し、その効果をさらに発揮するための取組を全庁的に推進したところでございます。
○米倉委員 今年の節電の取組としてブラインドを下げる対応をしたと、緊急的な取組としてされたということは理解できるんですね。ただ、一日の大半を過ごす執務室で、光も遮って、これからずっと対応するというふうにはやはりいかないと思います。建物の中の熱は窓から最も出ていくということもいわれていることですし、室内の快適性等、最新の大型ビルの省エネ改修、ZEB改修の知見に学んで、対応を今後検討していただきたいと要望します。
空調についてですが、都庁舎では大温度差空調を導入しています。
これをいつから導入してきたのか、またどのようなものなのか、省エネの効果についても伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 大温度差空調システム、いわゆる省エネ型空調設備でございますが、都議会議事堂は平成二十四年から、第一本庁舎と第二本庁舎は平成二十六年から、都庁舎改修プロジェクトにより導入いたしました。
同システムは、空調設備に利用する水や送風の行きと帰りの温度差を大きくすることにより、空気の送風量と冷温水の搬送量を減らし、動力エネルギーを低減するシステムでございます。
この大温度差空調システムと高効率ポンプを設置することで、改修前と比較して省エネ効果は約三割となっております。
○米倉委員 ありがとうございます。
照明についてです。
都庁舎の照明について、LED照明が導入されていると思います。
この導入の経緯と、どういうところに導入されているのか、また、その効果も伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 LED照明も、都庁舎改修プロジェクトにおいて、都議会議事堂は平成二十四年から、第一、第二本庁舎は平成二十六年から順次導入いたしました。
しかし、都議会議事堂の当プロジェクト設計作業終了時は、LEDダウンライトを除いて統一的な基準、規格がなかったため、廊下、トイレの共用部などにLEDダウンライトを導入いたしました。
その後、LED照明が電気用品安全法の指定を受け規格化が進んだことから、第一、第二本庁舎において、設備機械室などを除いてLED照明を導入いたしました。
LED照明の導入による消費電力の削減効果は、一般的な執務フロアにおいて、改修前と比較して約三割減となっております。
○米倉委員 各庁舎でのLED照明の導入割合はどうなっていますか。
○鈴木庁舎運営担当部長 第一本庁舎は約九割、第二本庁舎は約八割、議会議事堂は約四割でございます。
○米倉委員 第一、第二庁舎は大半がLEDということですが、議会棟はかなり遅れている、約四割ということです。
廊下やトイレ以外は基本的にLEDではないHf蛍光灯だと伺っています。つまり、どういうことかというと、この委員会の照明も蛍光灯だと、LEDではないと。各議員の執務室もLEDではないということです。
蛍光灯と、ここに入っているHf蛍光灯、また、LEDは、どの程度エネルギー消費が変わるものですか。
○鈴木庁舎運営担当部長 一般的に、LED照明の消費電力は蛍光灯と比較して約六割減、また、高効率型の蛍光灯でありますHf蛍光灯と比較して約五割減となります。
○米倉委員 議会棟で多く使われているHf蛍光灯は高効率型だと、今、話があったのですが、それでも、LEDと比べると、消費電力はLEDが一だとするとHf蛍光灯は二倍だということです。つまり、かなり差は大きいということです。
知事は、都民に対して、LED購入をキャンペーンも行って推進をしています。今、手厚い支援も始めています。そうした中で、この取組を進める中心の議会棟が実はかなり遅れていると。それはもちろん、改修のタイミングのこともあって、事情はあるんですけれども、やはり、これをこのままにしておくというふうにはならないと思います。
議会棟のLED化については、計画的に、また、早期に導入をする必要がありますが、いかがですか。
○鈴木庁舎運営担当部長 都議会議事堂は、省エネ効果の高い高効率蛍光灯が多く使われておりますが、LED化するためには、照明器具と一緒に取り付けられた温度センサーやスピーカーなどを同時に取り外し、再設置する必要があり、工事は複雑で工期も長期間にわたることが想定されます。
そのため、LED照明の更新に当たりましては、議会の業務に多大な支障を来すことがないようにし、高効率蛍光灯のライフサイクルコストの点を考慮するなど、議会事務局側と緊密な検討を進めながら判断してまいります。
○米倉委員 政府は、政府実行計画として、既存設備を含めた、つまり既存建築の政府の建物についてもLED照明を二〇三〇年度までに一〇〇%にするとしています。これは、質問はしませんが、ご存じのことだと思います。
これはやはり、二〇三〇年にカーボンハーフを必ず達成するということとの関係ですよね。
やはり、今、この分野は民間にも頑張ってもらうということなんですが、公共施設が率先して取り組んで、実践もして実例もつくって、民間、また、個人のお宅だとかでも広げるというふうなことが重要になっているわけです。これを、ぜひ、今、議会事務局と緊密に検討していくということだったのですが、これを早期に相談を進めていただきたいと思います。
議会棟は、こうした委員会室は、定例会のない時期には使われていないですから、あまり懇談だとかで使わない限りは。工事を進めることができるわけですよね。議員の執務室も、執務をしている最中に進めるのは夜間でとても大変と話を伺っています。そういうことが大変ということでしたら、次の都議選改選時に、執務室の変更を加える際に空になるわけですよね、そういうタイミングで一気に取り替えるということも、これは現実的に可能だと思います。ぜひ、早急に相談を進めていただきたいと要望しておきます。
民間でも、公共施設でも、ZEB改修の実績というものは複数生まれています。そこでの知見が蓄積されてきています。
今日は、私、そこまで都庁舎については求めていませんが、そこに学んで、少なくとも窓断熱は早急に、もう少し向上していただきたいと思いますし、その他、効果的な取組も検討して進めていただきたいと要望して、質問を終わります。
○中田委員 私からも何点か質問させていただきます。よろしくお願いします。
令和五年度予算は、一般会計八兆四百十億円、特別会計と公営企業会計も含めると、オーストリアの国家予算に匹敵する十六兆八百二十一億円となっています。ここまで膨大な予算を一つの自治体でつくり上げていくのは大変な作業と苦労があると考えています。
しかし、編成作業が膨大であるからといって、都民の皆様から預かった大切な税金を無駄に使うような予算となるのは許されることでありませんので、そういった観点から、予算編成プロセスにはいろいろな工夫が施されているものと考えますので、こうしたことを確認していく意味で、予算編成のプロセスに沿って幾つか質問をさせていただきます。
まず、都の予算編成プロセスとしての最初の段階は、毎年夏頃の各局に対する予算の見積り方針の発出です。都がなすべきことがどういうことなのかということに加え、各局の事業の見積り方についても、各種補助金や施設の管理運営、ワーク・ライフ・バランスの視点など、事細かに記載をされています。
その中でも、いわゆるマイナスシーリングについてでありますが、令和四年度予算編成に引き続き、令和五年度編成においてもマイナスシーリングとした理由と、対象となる事業の考え方について見解を伺います。
○田中理事 令和五年度予算編成に当たりましては、明るい未来の東京の実現に向け、都政の諸課題の解決に取り組むとともに、従来の発想を打ち破る大胆な施策を積極的に展開することに加え、限られた財源の中、積極的な施策展開を推進していくため、無駄をなくす取組を徹底し、強靱な財政基盤を堅持することを基本方針としております。
そのため、見積り段階から、各局における主体的な見直しを促す仕組みとして、事業実績や執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しが必要な事業を対象に、原則として事業費の総額でマイナス一〇%のシーリングを導入することとしたものでございます。
○中田委員 事業の実績が大きく下回るもの、執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しが必要な事業が一〇%マイナスシーリングの対象となるということでした。各局の要求段階から事業をしっかりと見直しをし、無駄な予算を積まないことを、仕組みとして取り組んでいることは有効だと考えています。
そこで、一点、具体的な事業についてお聞きをしますが、我が会派が計上を見送るように求めている港湾局のIRに関する調査費に関してです。
港湾局に聞くと、令和二年度以降、一円も使われておらず、今年度についても、いまだ執行されていません。先ほど伺ったマイナスシーリングの考え方からいくと一〇%減の対象となるのではないでしょうか。実際に、港湾局から本事業に関する予算要求額は令和四年度予算額と同額であり、一〇%減の対象にはなっていないようです。もちろん我が会派としては、IRの調査費自体を計上しないことを求めているところではありますが、マイナスシーリングの考え方に沿っていない要求となっているのではないでしょうか。
予算が一〇%減となっていないことについて、マイナスシーリングのルールを定める財務局としての見解を伺います。
○田中理事 先ほどのご答弁のとおりでございますが、マイナスシーリングにつきましては、事業実績が目標を大きく下回るものや執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しが必要な事業について、令和四年度予算額に対して一〇%減の範囲内で所要額を見積もることとしており、これにより難いときは、事前に財務局と協議を行うということとしてございます。
この委員お示しの当事業は、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、令和二年度、三年度の予算執行が困難であったと聞いておりまして、そうした事情を鑑み、もともとの原則であるゼロシーリングの対象の予算要求となったものというふうに考えてございます。
○中田委員 令和三年度は、コロナの影響で執行ができなかったという特殊事情を踏まえて港湾局が金額を落とさずに要求することを財務局が認めたという答弁でした。
そうであるならば、コロナ禍の感染終息が進んでいる中で、この五月にもコロナは五類に移行することが決まっています。その中で計上されているこの調査費については、令和五年度予算においては、執行されない理由がなくなったということになります。
IRの整備計画の申請も既に締め切られ、そもそも予算の計上自体、する必要のないものであると考えますし、シーリングの協議において、財務局がしっかりと検証を求めることもできたのではないかと考えております。
さきの予算特別委員会で我が会派が主張したように、カジノ予算は計上自体を見送るべきだということを改めて主張させていただきたいと思います。
さて、次の質問に移ります。
各局からの予算要求を財務局が受け取った後のプロセスにおいて重要なのが事業評価です。政策評価、事業評価の取組は、一つ一つの事業の検証を行う仕組みとして、都政、都財政に大きな役割を担っていると認識しています。その仕組みについて確認をさせていただきたいと思います。
都は、平成二十九年度予算編成から、全ての事業に終期を設定し事後検証を徹底したということですが、まず、この事業の終期の考え方、終期の設定の仕方について見解を伺います。
○田中理事 都では、限られた財源の中で都政の諸課題に的確に対応していくため、予算編成の過程で多面的な検証を行う仕組みとして事業評価を実施するなど、一つ一つの事業の実効性と効率性を向上させる取組を継続的に行っております。
平成二十九年度予算編成から、全ての事業に原則五年以内の終期を設け事後検証を徹底しておりますが、これは、一定期間経過したところで一度立ち止まり評価を行うことで、事業を継続するのか、見直し、再構築を行うのか、拡充を図っていくのか、多角的な検証を行って予算に反映させるためであり、こうした取組を通じてPDCAサイクルの一層の強化を図っております。
○中田委員 事業が終了するということではなく、PDCAサイクルのチェックのタイミングとして振り返りをしっかりと行うタイミングであるということで理解をしました。
事業者への補助事業が、例えば終期三年と設定された場合、期間限定の雰囲気を感じ取ってしまい、事業者が手を挙げづらくなるという声も聞こえています。継続すべきものは継続すべきですし、検証の結果、終了すべき事業であればしっかりとその旨を説明すべきですが、終期の仕組みや考え方を都民、事業者の皆さんに理解してもらうよう、説明に努めてもらいたいと思います。
事業の終了という点についてですが、これに絡む財源確保の考え方について、さきの予算特別委員会で、我が会派から、少しおかしな部分があるのではないかと指摘をさせていただきました。
例えば、前年度に終了した工事について、前年度に計上された予算額を丸々財源確保額に組み入れていることですが、当然、終了するものを、あたかも財源を頑張って見つけてきたかのごとく財源を捻出したと主張するのはおかしいのではないでしょうか。
工法の工夫など、様々な取組の結果から得られた財源であれば理解するところですが、財源確保の考え方と一致しないのではないかと考えますが、見解を伺います。
○田中理事 事業評価におきましては、終期が到来した事業について、事業の成果や決算状況を厳しく検証した上で評価を行い、翌年度予算に反映させております。
各種工事をはじめとした、当年度で終了が見込まれる事業につきましても、当初計画と実際の事業進捗を経費、工期等の両面から検証することは重要であることから、事業評価の対象とし、事後検証を徹底しているところでございます。
事業の見直しにより捻出した財源はもとより、こうした進捗管理の下、計画どおり適切に終了させた事業の財源につきましても、翌年度の新規事業に生かされていることから、これまでも財源確保額として計上しております。
○中田委員 事業の進捗管理を徹底した結果だということですが、事業の進捗管理がうまくいかず延長される土木事業などもあります。財務局の今の主張を踏まえると、そういった延長による影響額を財源確保額から抜かないとおかしいのではないでしょうか。事業評価自体の取組は、先ほど申し上げたとおり、都財政運営に有効な取組だと考えますが、予算案の概要に書いてある七か年で約六千九百億円も確保したというその中身が本当に適切なものか、疑念を抱かれないようにしてもらいたいと思います。
次に、政策連携団体に関する新たな評価制度についてです。
我が会派は、政策連携団体における障害者雇用率の達成に向け、都が積極的に関与していくべきだと総務局に投げかけをしてきました。すると、総務局は、各団体を所管する各局を通じて指導しているということでした。
そこで、この新たな評価制度が対象となる評価の範囲と、障害者雇用率のような指標が評価の中に組み込まれるのか、現時点での考えを伺います。
○田中理事 政策連携団体に対する評価について、これまでの組織運営に軸足を置いた経営目標評価制度が各局及び各団体に定着したことを踏まえ、より成果重視の視点から、都民のQOL、クオリティー・オブ・ライフの向上に直結するような見直しにつなげる仕組みとして、令和六年度予算編成より、グループ連携事業評価制度を構築し、政策評価、事業評価と一体的に実施いたします。
具体的には、都と団体で共同で生み出すべき目標を設定の上、外部有識者の意見も踏まえながら、目標の達成状況や課題等の分析、評価を行い、都と団体双方の事業について、予算編成過程の中で具体的な見直しへとつなげていくことを想定しております。
なお、障害者雇用をはじめとした団体の組織運営につきましては、引き続き、総務局において指導監督を行っていくこととしてございます。
○中田委員 この新たな評価制度では、政策連携団体が各局と共に行う政策的な面を評価していくものであると理解をしましたが、政策面の評価の強化は結構なことですが、都と共に政策を推進する団体は、障害者雇用率のような当然守るべき事項を達成していることが前提であるべきです。所管が異なるからということですが、そういった面も、引き続き指導監督を徹底していただきたいと思います。
ここまで、様々いろいろ聞いてまいりましたが、いろいろな工夫を加え予算編成を行っている令和五年度予算編成案については、一月二十七日に公表をされました。
今回は、〇一八サポートや第二子保育料無償化など、都民の皆さんのみならず、日本全国から注目を浴びる予算になっていると思います。そういった面から、都民の税金の使われ方、都財政の状況など正しい情報をしっかりと都民、国民の皆さんにお知らせをしていかなければいけないと思っております。
先日、財務局が作成している予算まるわかりブックを地元の渋谷区の皆さんにお見せしたところ、非常に分かりやすいという声もいただいております。
そのまるわかりブックにも紹介されましたが、都財政のダッシュボードというものをつくっています。予算案の概要に記載された事業や都財政の状況などを可視化するために、令和三年一月に初めて公開されたようです。財務局もいろいろと工夫しているところだと思いますが、少なくともこのダッシュボードについては、地元の皆さんに聞くと、残念ながらほとんど知られていませんでした。
そこで、都財政のダッシュボードのうち、TOKYO予算見える化ボードについて、令和三年、令和四年の一か月当たりのページビュー数の推移について伺います。
○田中理事 都では、デジタルを活用した都財政の見える化の取組として、様々なデータを表やグラフを用いて視覚化するTOKYO予算見える化ボードを公開しており、一か月当たりのレビュー数の平均は、令和三年が約千四百件、令和四年は約千五百件であります。
○中田委員 一か月当たりのページビュー数は千数百件という水準でした。都財政の規模や取り組んでいる内容の注目度などから考えると、少し寂しい数字に思います。
都民の税金の使われ方、都財政の状況、そういったことをしっかりと知ってもらうことは非常に重要ですし、先日の予算特別委員会でも、我が会派の中村都議から、戦略的広報について広報の効果測定を行うべきであると主張したところです。先日は動画作成について議論を行いましたが、こうしたウェブサイトについても、つくりっ放しではなく、効果を見ながら工夫を行っていくべきです。
財政広報についてのその必要性の認識と、今後どのような広報を行っていくのか、見解を伺います。
○田中理事 都政や都財政への関心が高まる中、都民の皆様に対する説明責任をしっかりと果たしていくことが、これまで以上に必要になっていると認識しております。
こうした考えの下、都はこれまでも、年次財務報告書や主要施策の成果などの作成、都財政の見える化ボードの開設に加えまして、予算の内容をコンパクトにまとめた東京都予算まるわかりブックの発行、子供向けの予算説明動画の作成など、DXの活用や、世代、年齢層に応じたきめ細かな広報を行ってきたところでございます。
今後も、こうした取組を通じまして、都民の皆様に都財政への理解を深めていただけるよう工夫を重ねるとともに、様々な機会を捉え、積極的に情報発信を行うなど、アカウンタビリティーの向上に努めてまいります。
○中田委員 予算編成のプロセスに沿って質問をさせていただきましたが、東京都の予算は、一つの自治体の枠組みを超えて、国や他の自治体に影響を与えるものとなっています。
そうしたことからも、一つ一つの事業を丁寧に検証し、無駄のない予算にしていただくとともに、いい事業を継続して実施できるように健全な都財政運営に努めてもらうことを要望して、質問を終わります。
○川松委員 まず初めに、私からは、旧こどもの城をはじめとしました神宮前五丁目の都有地について伺います。
東京都は、神宮前五丁目地区にある四つの都有地を一体活用するとしていますが、いまだどのようになるか見えてきておりません。
過去には、一体化としての活用を最短で令和十一年から開始と議会でもいっておられましたが、まずは、確認の意味で、四つの都有地、それぞれの現状について伺います。
○佐藤運営・調整担当部長 まちづくりの対象としている四つの都有地の現状についてでございますが、まず、旧こどもの城の敷地につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、建物を令和四年十二月から高齢者等医療支援型施設で活用してございます。
次に、青山病院跡地につきましては、令和五年四月から、最長で令和十一年三月まで、渋谷区立学校施設の仮校舎整備用地として一時貸付けを実施する予定でございます。
また、コスモス青山の敷地につきましては、平成元年から土地信託契約を継続しており、現在の契約期間は令和七年九月までとなっております。
最後に、国際連合大学の敷地につきましては、平成元年から国際連合大学の本部施設用地として貸付けを実施しており、現在の契約期間は令和十一年二月までとなっているところでございます。
○川松委員 旧こどもの城は、令和元年度に国から五百二十五億円で購入したにもかかわらず、いまだに臨時の利用であって、青山病院跡地についても、これまで同様、一時利用が続くということでございました。
都心の一等地にある都有地が、今後もこのような状況に置かれるのでは、都民の長期的な利益につながっているとはいい難く、スピード感を持って後戻りすることなく長期的な利用に移れるよう進めていくべきであります。
そもそも、平成二十八年に、二十八年度当初予算として、首都災害医療センター(仮称)になっていましたけれども、こちらの整備のため、国有財産取得費三百七十億円を計上していたものの、その後、広尾病院建て替え議論が進まず、翌年三月に減額補正がなされ議決をされました。
その後は、今、話にあったように、令和元年に国から五百二十五億円で購入したわけですが、当初案をひっくり返したことで、三百七十億円で買えたものが、全く同じ面積の土地なのに五百二十五億円、百五十五億円の都にとっては増負担となって、かつ、広尾病院に関しては、現地建て替えという困難と高いリスクも抱えたということになっています。
それは、都政の方針がぶれると様々な面で影響が出てくるんだということを意味しているわけですが、そこで、都有地の一体活用に向けたまちづくりについて、現在の検討状況、今後のスケジュールはどのようになっているのかを伺います。
○佐藤運営・調整担当部長 都では、神宮前五丁目地区における将来的な都有地の一体活用に向けたまちづくりにつきまして検討することを目的とし、神宮前五丁目地区まちづくり検討会を設置し、先月、第一回を開催いたしました。
検討会では、合計六回程度議論を行いまして、この議論も参考にしつつ、庁内において検討を深め、渋谷区への貸付け終了を予定しております令和十一年の一体活用の開始に向けて、引き続き取り組んでまいります。
○川松委員 今お話がありましたように、現在取組を進めているとはいえ、これ、最短で六年先ということであるため、現在の一時的な利用がまだ当分の間継続されるということは変わりません。一時利用という限られた利活用しかできない建物であっても、建物の管理等には都民の税金が投入されているわけですね。
仮に、コロナ対策としての建物活用も終わる場合、その後、まちづくりまでの間、敷地が何にも使われない。つまり、そことしてお金、収入というものは得られないけれども、多額の維持費用だけを支払うことになるわけです。これはもったいないんじゃないですかというのが我々の指摘です。
維持管理費用を抑えながら、少しでも活用する方策を考えていかなければなりません。
現在、旧こどもの城敷地の屋外においては、建物管理等に支障がない範囲で撮影のロケ等に一時利用されているということも伺っていますが、一体活用、四都有地、地区の一体活用が始まるまでの間、少しの期間でも、持っている建物などを有効に利用することを検討し、収入を得るなどの工夫をしていくべきであるということを強く主張しておきます。
こうした観点において、旧こどもの城の土地建物については、利用上の制約はあるとは思いますが、支出を抑えながら、この財産を少しでも有効活用すべきじゃないかと考えているわけですが、現在の見解を伺います。
○佐藤運営・調整担当部長 高齢者等医療支援型施設の終了後におけます旧こどもの城建物の取扱いにつきましては、現在、技術的な調査検討を進めているところであり、効率的な維持管理方法などを模索して、支出を抑えながら、まちづくりに向けて建物の今後のスケジュールを詰めてまいります。
その上で、旧こどもの城建物については、設備等の老朽化が著しいため、一般都民の方の建物利用を制限せざるを得ない状況でございますけれども、過去には、敷地内に東京二〇二〇大会の文化プログラムの一環として屋外展示を実施した実績もございますので、引き続き、行政利用を中心に、本件敷地の活用も含めて方策を検討してまいります。
○川松委員 ここを解体する、あるいはその地下の構造物まで含めると、相当な時間、お金がかかる。でも、その先のことがどうなるか分からないというところで二の足を踏んでいるような状況ですけれども、冒頭いったように、これは国から取得した財産で、しかも当初予定していたよりも高い金額、百五十五億円増で買っています。
都民の視点に立って、都民の財産の活用という観点から、これ、無駄があってはならないわけですね。まちづくりに向けて長期的な視点で検討を進めるに当たり、財産利活用の観点を忘れずにして、その時々で、当然いろんな社会情勢、変わると思いますけれども、その瞬間、瞬間で最大の効果を発揮できるよう、十分取り組むとともに、地元区をはじめとする関係者との意思疎通など隅々まで細心の配慮をしながら、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。
これは、都市整備局、都市整備委員会でも議論されていると思いますが、この財産の活用ということについては財務局がキーでございますので、力を入れていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
現在、私は、福祉保健局所管ではありますが、東京都若年被害女性等支援事業について、公金の管理という視点に絞って調査を進めてまいりました。
先日の予算特別委員会総括質疑でも本件を取り上げたのですが、その中で、福祉保健局がいう公法上の契約に類する契約という、この福祉保健局が委託契約の際に使用した契約について、武市副知事に、これが一般的な東京都の契約の在り方なのかということを質問しましたが、副知事は、突然聞かれたのではすぐに答えられないという答弁をされました。
ですので、今日は、その中身を精査するために、財務局にお尋ねをしていきますが、まず、確認の意味を込めて、地方公共団体が締結する契約とはどんなものをいうのか、教えていただきたいと思います。
○前山契約調整担当部長 地方自治法第二百三十四条において、普通地方公共団体が締結する売買、賃借、請負その他契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約または競り売りの方法により締結するものとされております。
公共調達は、都民の貴重な税金を原資として行われるものであることから、最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治法の理念の下、競争入札によることが原則とされております。
○川松委員 ありがとうございます。今お話ありましたように、売買、賃借、請負そのほかについては四つの方法しかないんだ。でも、福祉保健局は、この公法上の契約に類する契約という文言を使って契約をしていますが、さきの質疑の中では、これは今、部長がおっしゃった中の四つの契約のうちの随意契約だといい切っておられました。
では、随意契約とはどのようなものを指すのか、改めて確認の意味も込めて伺います。
○前山契約調整担当部長 随意契約は、競争の入札の方法によらないで、普通地方公共団体が任意に特定の相手方を選定して締結する契約方法で、随意契約ができる場合は地方自治法の施行令第百六十七条の二により制限列挙されているところでございます。
具体的には、予定価格が少額のときや緊急の必要により競争入札に付することができないとき、その契約の性質または目的が競争入札に適しないものをするときなどとなっております。
○川松委員 ありがとうございます。
つまり、地方自治法において、地方公共団体の契約には随意契約というものが定められていて、地方自治法施行令において、競争入札に適さないようなケースでは随意契約にできるということになっているわけですね。
このできる場合が規定されているというお話でしたけれども、その内容については、ポイントは、この先は東京都の規則になっていきます。といっても、随意契約ですから、なお一層透明性が担保されなければなりません。そして、随意契約の中でも、特定の相手方を選定する特命随意契約については、より慎重な取扱いが求められるものと考えます。
では、今お話をしました特命随意契約を行おうとする場合、東京都においてはどのような手続を行うことになっているのか伺います。
○前山契約調整担当部長 財務局では、特命随意契約につきまして、合議制の委員会において、案件ごとに特命随意契約の必要性や特命理由が基準に沿ったものであるかをよく吟味した上で、採用の可否を判断するよう各局に通知しているところでございます。
加えて、特命随意契約を行った場合には、件名、相手方、契約金額のほか、当該事業者を採用した特命理由などを明らかにした見積経過調書を作成し、東京都電子調達システムなどで公表することとしており、契約の透明性確保を図っているところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。
この慎重に取り扱うべく、特命随意契約について、今の部長の答弁で二つのキーワードがありました。一つが合議制の委員会、もう一つが見積経過調書ということになります。
まず、全庁的に関わる入札契約制度改革の本格実施により実施する具体的に係る基本的な取扱いについてという規則によれば、八、特命随意契約の適切な取扱いにおいて、合議制の委員会において、その必要性、特命理由について慎重に判定することというふうになっておりました。
まず、この件について、福祉保健局では、この合議制の委員会はあるんだと。先ほどいった若年被害女性等支援事業についてはあるんだといっていますが、その委員会は、当該事業で出てくるものを調べてみたら、福祉保健局の書類など全部見てみると、事業評価委員会というものが出てきていて、それはあくまで、行われている事業について、どのように事業がなされているかを評価する委員会であって、恐らくこの財務局が各局に通知している合議制の委員会、特命随意契約に係る合議制の委員会にはならないんじゃないのかなと考えるのが一般的です。これだけでも、今、私が話した内規に、福祉保健局の契約の方法は抵触しているといわざるを得ません。
もう一つ、見積経過調書の有無についてです。
当該事業について、福祉保健局の契約書類を、いろんなものを見てきましたけれども、今お話のあった透明性を確保するために必要なんだという見積経過調書については全くもって添付されていないわけですね。そうすると、これは透明性を確保されていない契約であるといわざるを得ません。今いったこの見積経過調書についても、東京都契約事務規則第三十四条の三に記されていますから、これ、併せて規則違反にならないかということを指摘しておきます。
さて、今、話してきた内容について、ちょうど昨日の厚生委員会において、我が党の浜中都議が取り上げておりましたが、私も含めて、ほかの方も含めて、全く一般的に理解することが難しい独自の見解を福祉保健局が述べられておりました。
その中で、都が行う契約には、財務局が行うものと各局で行うものがあるんだという点についても質疑をされたわけです。
では、この私が追いかけている事業は業務委託契約なんですが、業務委託における契約締結権限はどのようになっているかを伺います。
○前山契約調整担当部長 契約締結は、予算の執行に当たる行為でございまして、知事部局におきましては、知事の権限に属するものでございます。
都においては、東京都契約事務の委任等に関する規則に基づき、知事の権限に属する契約に関する事務のうち、予定価格が一定金額以下のものにつきましては、効率的な行政運営の観点から、各局長等に権限を委任しているところでございます。
設計等工事関係委託を除く業務委託契約につきましては、原則として予定価格一千万円未満のものにつきまして、事業を執行する各局において契約事務を直接処理することとなっております。
○川松委員 契約締結は知事の権限に属しています。そして、業務委託契約については、一千万円未満のものについては、各局で直接契約を行うということでありました。
今お話にありました東京都契約事務の委任等に関する規則第三条で定められていますけれども、これについても規則違反ではないかと思うんですね。というのは、福祉保健局が今こうやって取り上げられているのは、住民監査請求をされたことによって注目をされているわけですけれども、この住民監査請求をされたのは令和三年度の事業で、契約金額二千六百万円の事業です。ですから、今お話にあった一千万円を超えていますが、福祉保健局が契約をしているわけです。
これについて、昨日の厚生委員会を見ていても、個別の協議の上でやっているから問題ないんだという趣旨の発言を福祉保健局の部長が答えていましたけれども、そこから、昨日の委員会が終わって、私も調べてみたら、文言整理をしていると、個別的委任という言葉が出てきたんですね。
この個別的委任というのはどういうことなのか、教えていただきたいなと思います。
○前山契約調整担当部長 個別的委任は、東京都契約事務の委任等に関する規則に基づき、予定価格が各局への委任限度額を超えているものにつき、知事への申請、承認を経て、個別に権限の委任を受けることとされております。
具体的には、知事の権限に属する契約のうち、各局の事業に密接に関連し、その専門性から、契約事務の適正、円滑な処理のため、各局で行うことが適当な契約等につきまして、各局からの申請により、財務局において委任の手続を行っているところでございます。
○川松委員 つまり、原則一千万円未満のものについては各局で契約してください。でも、今のような手続を踏んでいれば、各局から申請があれば、財務局から委任手続を行うことによって、一千万円以上でも各局で契約していいよということになりますが、では、この事業について、福祉保健局と財務局は個別の協議はあったんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 福祉保健局からは、本契約の個別委任に関わる協議は受けていないところでございます。
○川松委員 ということは、昨日の厚生委員会での答弁は一体何だったのか。間違った答弁をしたのか。明らかに、これは福祉保健局と財務局と、完全に話が、全く逆の答弁が出てきています。これはこれで問題であり、また新たな規則違反の可能性があるということを指摘しておきます。
そして、本件は、我々は、地方自治法に反しているのではないかとして調査を進めてきたわけですが、自治法及び施行令を補完するための東京都規則も含めて、これはないがしろにされていると。その点について、福祉保健局のいう公法上の契約に類する契約は、地方自治法違反の疑いは全くもって拭うことはできません。
改めて財務局長に申し上げますが、これ、今日の今のやり取りが実態なんです。都庁舎内の仲間を助けるために言い訳に言い訳を重ねるのか。果たして一体何が起きているのかというのは、これ、契約を所管する、今の部長の話も含めて、財務局長には毅然とした姿勢で本件に向き合っていただきたいなということを要望します。
都民の皆さんから納めていただいた税金は、都民の、納税者お一人お一人のものであるという視点に立つならば、公金がどのように支出されて、公金が管理されているかということをチェックしていかなければならないと思うんですね。そのことについて、改めて、私が予算特別委員会で副知事に投げかけたままになっているこの契約についての質問について回答をいただくよう、財務局長には強く働きかけていただきたいと思います。
そのことによって、一体何が起きているのか。各局で独自に公法上の契約に類する契約という言葉を使ったら何でもありになってしまっている状態に、もう今、分かったんだから、くぎを刺して、都民の皆さんお一人お一人が納得される東京都庁舎の契約体制というものを皆さんとつくり上げていきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○ほっち委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十八分休憩
午後三時十五分開議
○ほっち委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○もり委員 令和五年度予算についてお伺いをいたします。
我が会派の予算特別委員会の質疑でも取り上げましたが、令和五年度予算は、東京の未来を見据え、日本を牽引する予算となっており、こうした積極的な施策展開を支えている東京大改革の取組は重要です。中長期的な財政運営の視点を持ち、ワイズスペンディングの取組を一層強化していくため、本日は、特に評価制度に関連して質疑をしてまいります。
まず、政策評価についてお伺いいたします。
さきの予算特別委員会において、データ分析の強化に取り組んだとのご答弁があったところです。我が会派から度々主張してきた政策評価におけるデータ分析の充実、EBPMの積極的な活用は重要です。具体の取組を確認させていただきます。
政策評価におけるデータ分析の強化について、具体の事例に沿ってどのような分析を行い、どのように政策に反映したのか、ご説明をお願いいたします。
○田中理事 政策評価におきまして、データ分析を強化した主な事例として、学校現場での定期考査採点分析システムの導入効果の検証に際して、システム導入前後で、教員の時間外の在校時間の削減時間を分析したものがございます。
分析に際しましては、外部有識者の意見も踏まえ、導入前後の単純な比較を行うのではなく、学校ごとの人員体制の差異など、事業以外の影響を排除した、システム導入の効果を算出した上で、統計的手法を用いて分析を行いました。
分析を通じて、導入校と未導入校では教員の時間外の在校時間の差が、統計的にも有意な差が示唆されたことから、システムの導入は教員の時間外在校時間の削減に一定の効果があるということが確認できました。
こうした結果も踏まえ、これまでの取組を充実させるなど、学校現場のDX化を一層推進していくこととしました。
○もり委員 ありがとうございます。
教員不足は東京都にとっても喫緊の課題であり、その背景にある教員の働き方改革を進めていく上で、政策の裏づけとなるEBPMの活用により、時間外勤務の削減等、学校現場のDX化の効果についてご答弁をいただきました。有識者の意見などを踏まえ、統計的手法を活用し、エビデンスを確認しながら評価を実施したとのことです。
データを活用したエビデンスベースでの政策評価、そして、それに基づく政策立案が浸透するように、こうした事例を各局と共有し、引き続き取組を強化していただきたいと思います。
次に、事業評価についてお伺いします。
政策は、都民に届くことで初めて効果を発揮します。都民ファーストの施策展開を進めていくためには、社会の変化に乗り遅れることなく、いち早く施策を実現していくことが重要であり、我が会派は、度々事業執行の迅速化を求めてまいりました。
都はこれまでも、構造改革の取組を中心に都政のスピードアップに取り組んできておりますが、令和五年度予算編成では、事業評価の中で事業展開のスピードアップの検証に取り組んだとのことです。
そこで、事業展開のスピードアップに向け、令和五年度予算編成の事業評価でどのような検証を行ったのか、具体例も含めてお伺いをいたします。
○田中理事 都では、事業効果を可能な限り早期に都民に還元するため、令和四年度予算編成から、債務負担行為の活用など、事業執行の迅速化に取り組んでまいりました。
五年度予算編成では、事業執行の迅速化を一層推進する観点から、事業評価において、さらなる早期着手、スケジュールの前倒しができないかなど、事業の開始時期についても各局と連携して検証を行いました。
具体例といたしましては、都有施設への太陽光発電設備設置について導入に向けた調査の開始を四年度に前倒すとともに、対象施設数を拡大することで、カーボンハーフの早期実現に向けて取組の加速化を図ったところでございます。
また、ドローン物流サービスの早期社会実装に向けた検証について、単年度契約では実証時期、回数が限定されるところ、債務負担行為を活用し、年度をまたいだ実施を可能とすることで実証回数を増やし、様々な条件の下で実証を行うなど、検証のサイクルを加速化させております。
○もり委員 ありがとうございます。
様々な場面で事業評価における検証を行っていただいたのを確認させていただきました。予算編成の一環として、こうした取組を導入したことを大変評価しております。
次は、その効果を確認させていただきます。
こうした事業開始時期の検証など、事業展開のスピードアップに取り組んだことにより、どのような効果があったのかお伺いをいたします。
○田中理事 令和五年度予算では、事業執行の迅速化に向けて、事業の早期着手と債務負担行為の積極的活用を一層推進しております。
この結果、事業に着手する時期が第一・四半期となる割合が全体の九五%となったほか、新規事業につきましても、第一・四半期の割合が、三年度の予算では六三%であったところ、五年度予算では九〇%まで向上してございます。
また、事業執行の迅速化に関連する債務負担行為につきまして、四年度予算では三局七件であったところ、五年度予算では二十二局九十七件へと大きく拡大してございます。
○もり委員 ありがとうございます。
昨年度からの迅速化への取組の成果が現れてきているように感じます。ぜひ、こうした取組をより一層全庁に浸透させ、スピードアップの観点も考慮しながら予算を編成していただきたいと思います。
また、こうした取組は、予算編成での検証のみならず、執行段階での取組も重要です。
令和五年度予算に盛り込んだ施策の効果がしっかりと都民に届くよう、スピードアップの視点を持つとともに、着実な執行につなげる必要があると考えます。見解をお伺いいたします。
○田中理事 時代はますます変化のスピードを速めておりまして、高齢化の進行や都市の強靱化、産業構造の転換への対応など、東京が抱える課題は一層の高度化が見込まれております。
こうした中で、持続可能な未来へと歩みを進めるためには、予算に盛り込んだ施策の効果を時期を逸することなく確実に都民に還元していくことが重要でございます。
こうした考えの下、各局と連携しながら、従来の業務の進め方にとらわれず、計画の前倒しや手続の短縮化を図るなど、適切かつ効率的な執行管理に努めるとともに、必要に応じて債務負担行為を活用しながら、事業効果の早期発現につなげてまいります。
加えて、より成果重視の視点から、施策の効率性や実効性を高める努力や工夫を徹底して行い、導き出された改善の方策等を事業に的確に反映するなど、創意工夫を凝らし、賢い支出に努めてまいります。
こうした取組を多くの事業に波及させていくことで、都政のクオリティー・オブ・サービスのさらなる向上につなげてまいります。
○もり委員 ありがとうございます。
事業執行の迅速化に向けて、施策の効率性が実効性を高める努力や工夫の徹底に取り組んでいただき、都政のQOSのさらなる向上につなげていく旨のご答弁をいただきました。
一刻の猶予も許さない気候変動問題や少子化、激動の世界情勢と山積する課題に対して、チルドレンファーストの社会の実現、都市の強靱化、脱炭素社会の実現に向けた取組など、我が会派の政策提言や要望が数多く盛り込まれた令和五年度予算案は、まさに日本を牽引する明るい未来の東京につながる予算であると考えます。ワイズスペンディングの取組のさらなる充実はもとより、適切な執行管理により、東京の未来につながる施策を迅速かつ着実に展開していただくよう求め、質問を終わります。ありがとうございます。
○うすい委員 よろしくお願いします。
令和五年度予算案は、コロナ対策に関する追加補正予算も含めますと、前年度比で約四千億円の増加で、約八・二兆円となっております。堅調な都税収入にも支えられ、様々な新規事業が盛り込まれたわけでございますけれども、第二子の保育料無償化、高校三年生世代までの医療費無償化、さらには私立中学校等の授業料負担軽減や帯状疱疹ワクチン接種への助成、耐震改修への補助の拡大など、我が党のこれまでの政策提言や要望が幅広い分野で反映されており、この点について、まずは評価するものであります。
今回の予算特別委員会での我が党の質疑では、こうした都民の暮らしを守り抜くための重要な政策が一過性のものであってはならないと訴え、重要な政策を継続していくための都の財政対応力について確認をしてまいりました。
本日、私からの質疑では、都の財政対応力について改めて確認させていただくとともに、令和五年度予算において、都の政策分野ごとにどのように予算を配分したのか、今後の方向性も含めて確認をさせていただきたいと思います。
まず、現在の都の財政対応力を確認させていただきますが、基金残高、都債残高、そして、事業評価による財源確保額について、過去との比較も含めて答弁を求めます。
○田中理事 令和五年度末の基金残高見込みは約一・七兆円でありまして、リーマンショック前の平成二十年度末や、リーマンショック後に基金残高が増加局面にあった二十六年度末とほぼ同程度の水準になってございます。
令和五年度末の都債残高見込みは約四・八兆円でありまして、都債残高が過去最大の七・六兆円となった平成十三年度末と比べ、約三七%減少してございます。
また、事業評価による財源確保額は、約五千ある全ての事業に終期を設定した平成二十九年度予算編成以降、一貫して増加しておりまして、令和五年度予算では、過去最高の一千百四十一億円となっており、事業評価の取組を開始した平成十九年度からの合計では、約八千八百億円の財源確保を図っております。
○うすい委員 コロナ禍で、一時、財政調整基金が枯渇寸前となったという事実は大変にショッキングでありましたが、先日議決された令和四年度最終補正予算案での基金への積立てもあり、令和五年度末の基金残高見込みは一・七兆円と一定の規模は確保されているものと認識をしております。
また、都債残高は相当程度圧縮されており、都議会公明党が推進した複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用した事業評価の取組により、平成十九年度からの合計で約八千八百億円の財源確保ができたということであり、事業見直しが継続的に行われていることも確認をすることができました。
単に増収増ということだけではなく、これまで培ってきた都の財政対応力を生かしながら、令和五年度予算において、我が党がチャレンジエイトで掲げた政策などが予算化されたということと理解をしております。引き続き、こうした都民の暮らしを守り抜くための政策を着実に継続できるよう、財政対応力の堅持に努めていただくことを改めて求めるものでございます。
次に、政策分野ごとの予算配分について確認をさせていただきます。
都は、令和五年度予算において、チルドレンファースト社会の実現に向けた施策の強化、都市強靱化に向けた施策の強化、脱炭素社会の実現に向けた施策の強化の三つの分野について、特に重点的に予算を配分したと説明をされております。
特に子供施策については、令和四年度の一・四兆円から一・六兆円と、一年で実に二千億円もの増加、また、東京の強靱化に向けた取組には、今後十年間で六兆円、過去十年間、約一・五倍の増加としております。
未来を担う子供への投資、そして、都民の命を守る取組への積極的な投資は大変に重要であります。
しかし、行政がカバーすべき政策分野は幅広く、全体の配分にも十分に目配りをする必要があり、それぞれの時代に合わせ、各政策分野にバランスよく予算を配分することで、課題に的確に対応していくことが求められます。
こうした時代に合わせた予算の変化についてですが、東京都予算案の概要では、都民一人当たりの予算額という形で三十年前の平成五年度との比較を行っております。
そこで、令和五年度予算における政策目的別の予算構成比について、三十年前の平成五年度との比較と併せて説明を求めます。
○田中理事 一般歳出の目的別構成比につきまして、平成五年度予算と令和五年度予算を比較いたしますと、バブル経済崩壊後に国の経済対策に呼応する形で膨らんでいた道路整備など都市の整備に占める割合が減少する一方、少子高齢化に伴う子供や高齢者のための施策など福祉と保健の占める割合が大きくなっております。
具体的には、都市の整備が二六%から一五%に、企画・総務が一五%から六%に、生活環境が八%から五%に減少する一方、福祉と保健がコロナ対策費を除きますと一〇%から二六%に、文化と教育が一九%から二〇%に、警察と消防が一五%から一六%に、労働と経済が七%から一二%に増加しております。
○うすい委員 今、答弁をいただきまして、三十年前に予算の二六%を占めていた都市の整備が一五%に減少する一方、約一割であった福祉と保健が二六%に増加しているという点が印象的であり、まさに時代とともに変化する都民ニーズを踏まえて、必要な施策に財源を配分しているということだと思います。
あわせて、直近の増減についても確認をしておきたいと思います。
令和五年度予算における政策目的別の予算について、前年度からの増減額と増減率について説明を求めます。
○田中理事 令和五年度予算におけます一般歳出の目的別増減は、コロナ対策経費を除きますと、福祉と保健が千九百四十九億円、率にして一五%の増となるほか、労働と経済が八百八億円、一三%の増、生活環境が七百九十七億円、三三%の増、都市の整備が四百八十九億円、六%の増、教育と文化が二百五十五億円、二%の増、企画・総務が百二十九億円、四%の増、警察と消防が百二億円、一%の増となってございます。
○うすい委員 今、細かく答弁いただきましたけれども、増加額が最も大きい分野が福祉と保健の約二千億円の増、増減率として最も大きい分野が生活環境の三三%の増ということでありますから、全体のバランスの中でも、チルドレンファーストと脱炭素化に大きく予算を配分していることが分かります。
一方で、全ての政策分野で予算が増となっているとの答弁でありまして、都が掲げた、子供、安全・安心、環境の三つの分野以外に、きちんと予算を配分していることが確認できたところであります。
次に、都市強靱化につながる都市の整備の政策分野について、もう少し掘り下げてお聞きをしたいと思います。
先ほどの答弁では、三十年前に予算の二六%を占めていた都市の整備の構成比は一五%に減少しているとの答弁でありました。都の社会資本ストックは、昭和四十年代後半から五十年代と平成の一桁の時期にその多くが整備されたわけでありますから、当時、相当の予算額がこの分野に投入されていたということだと思います。
そこで、こうしたハード整備に関わる経費の分類である投資的経費の動向についても確認をさせていただきたいと思います。
投資的経費について、平成一桁の時代から現在までの推移、また、令和五年度予算における前年度からの増減内訳について説明を求めます。
○田中理事 投資的経費は、バブル経済崩壊後、国の経済対策に呼応した公共投資の実施などによりまして、三十年前の平成五年度には約二兆円あったところ、財政再建の取組の中で事業の重点化などを進めることにより、平成十六年度には六千億円を下回る水準まで減少しております。
その後、計画的な都市基盤の整備などにより増加に転じ、平成二十七年度には一兆円を超え、令和元年度には、東京二〇二〇大会開催に向けた施設整備などにより一・三兆円を超える水準まで増加しております。
東京二〇二〇大会の開催準備の収束に伴い令和三年度には九千四百三億円となったものの、災害の脅威から都民を守る都市づくりの推進などにより、令和四年度は九千七百七十六億円、令和五年度は一兆二百七十五億円となっており、前年度比四百九十八億円、五・一%の増となっております。
増加額の内訳としては、工事費等で四百八十二億円、用地費で十六億円となってございます。
○うすい委員 丁寧に説明いただいてありがとうございます。平成一桁の時代には約二兆円の予算が投資的経費として投入されていたとのことであり、東京二〇二〇大会の開催準備が本格化していた令和元年度には一・三兆円、令和五年度は一兆円となったとの答弁でありました。
三十年前は、ちょうど施設整備が盛んに行われていた時期でありますが、実に令和五年度の二倍の規模であったわけであります。いつ起こるか分からない首都直下型地震、また水害など、都民の命を守る取組の重要性について常々申し上げてまいりましたけれども、今いただいた答弁を踏まえて、平成一桁の時代に整備した施設の老朽化が進んでいる三十年後の今日において、改めて維持更新経費の増加が予測されるという点を指摘しておきたいと思います。
こうした社会資本ストックの老朽化への対応に加えて、自然災害の脅威に備える取組など、今後は、都市の整備の分野に対し、より重点的に予算配分を行っていく必要性が高まっていくということについても重ねて指摘をしておきたいと思います。
また、令和五年度の増加額は、主に工事費等が占めているということでありますが、これは、物価高騰の影響もあり、資材の高騰などもあると推測します。こうした点にも目を配り、都の社会資本ストックを適切に管理していくことについても要望しておきたいと思います。
次に、新規施策についてお伺いをしたいと思います。
令和五年度予算における主な新規事業は全体で六百十五件、約二千七億円とのことでありますが、この新規事業の政策目的別の内訳について説明を求めます。
○田中理事 令和五年度予算における新規事業の目的別の内訳は、福祉と保健が百二件で千四百九十三億円、労働と経済が百四十件で五百六億円、教育と文化が九十八件で二百七十一億円、企画・総務が八十八件で二百三億円、都市の整備が九十三件で百六十三億円、警察と消防が六十三件で五十四億円、生活環境が三十一件で二十七億円となってございます。
○うすい委員 今、答弁がありましたとおり、新規事業の規模としては、福祉と保健と、そして教育と文化でおよそ千八百億円と、新規事業全体の七割近くを占めておりまして、ここからも子供施策への投資の大きさが理解できます。
冒頭でも申し上げましたが、まさに今回の予算で最も特徴的な点の一つは、このチルドレンファースト社会の実現に向けた施策の強化であります。
そこで、子供関係の予算額一・六兆円、このチルドレンファースト社会の実現に向けた施策の強化による二千億円の増加について、主な新規拡充事業の説明を求めます。
○田中理事 チルドレンファースト社会の実現に向けた施策の強化に関する主な新規事業といたしましては、〇一八サポートが千二百六十一億円、第二子の保育料無償化が百十億円、私立中学校等特別奨学金補助が四十億円などでございます。
また、主な拡充事業といたしましては、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援の充実が百八十一億円の増、高校生等医療費助成事業補助が四十八億円の増、不登校等の対応が十八億円の増などでございます。
○うすい委員 〇一八サポートが大きなウエートを占めているものの、冒頭でも申し上げましたけれども、第二子の保育料無償化、高校三年生世代までの医療費無償化、私立中学校等の授業料負担軽減など、まさに我が党の政策提言による事業が多数盛り込まれたわけでございます。
我が党は、昨年十一月に、子供政策を政治の柱に据えた社会の実現と、少子化、人口減少を克服するための具体策を示した子育て応援トータルプランを発表しておりますが、私は、子供、子育て支援は、まさに今、投資すべき政策分野であると考えております。コロナ禍で少子化、人口減少が一層進み、出生数が過去最少を更新する中、少子化、人口減少の克服へ大きく社会構造を改革していくことが必要であります。
また、これまでの質疑の中で、令和五年度予算の政策分野別のバランスについて確認をしてまいりましたが、こうした子供関係予算に重点的に配分しながらも、各行政分野全体のバランスにも配慮された予算になっているものと考えております。
時代とともに変化する都民のニーズを的確に把握をし、限られた財源を必要な施策に対して適切に配分をする、コロナ禍への対応や不確実性が増す社会経済状況など、こうした柔軟な財政運営の重要性はますます高まっております。
引き続き、政策全体のバランスにも目配りをしつつ、強固な財政基盤を堅持するとともに、令和五年度予算に盛り込まれた重要な事業が適切に執行されるよう、財政当局として、各局とも連携をしながら、不断の努力を行っていただくことを改めて求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○池川委員 よろしくお願いします。
私からは、契約制度について、まず質問します。
物価高騰による建設資材の高騰は、様々な分野に大きな影響を及ぼしています。小規模の建設事業者の方からは、少し先の資材を調達しようと思っても、価格変動が激し過ぎるため、あらかじめ調達しておくことが困難だという話を複数伺っています。また、発注する側からすると、見る見るうちに価格上昇が起こり、もともと予定していた金額よりもはるかに高い状況になっているということもまれではありません。これは、公共調達も例外ではないというふうに思います。
公共調達の場合、契約後の物価変動に対応したスライド条項というのを設けています。
そこで、まず伺いたいと思いますが、工事請負契約書におけるスライド条項の目的及び内容についてはどのようになっているでしょうか。
○前山契約調整担当部長 工事請負標準契約書の第二十四条に定めるスライド条項は、契約後の受発注者間の物価等の変動リスクに対することを目的に、契約締結後、賃金または物価の変動により契約金額が不適当になった場合、契約金額の変更を請求できる制度であり、全体スライド、単品スライド、インフレスライドの三種類がございます。
○池川委員 契約後の物価等の変動リスクに対応するため、契約金額の変更を請求できる制度として、全体、単品、インフレの三つのスライド条項があるということです。
日本共産党都議団は、昨年九月の第三回定例会の代表質問で、公共工事を発注する際、賃金や物価水準の変動によって契約金額を変更できるスライド条項、今ご説明があったこれについて、全体スライドは、契約から九か月経過しなければ適用されず、資材の値上がりが繰り返される下で、これでは安心して受注できないと指摘をし、九か月という条件を短縮すべきではないかと改善を求めてきました。
こうした中で、東京都は昨年十二月に、スライド条項について運用の見直しを行い、今年一月十六日から施行するとしましたが、その理由について伺いたいと思います。また、具体的にどのような変更を行ったのかについても併せてお答えください。
○前山契約調整担当部長 国が、今般、設計労務単価の改正に合わせインフレスライドを適用するなど、適切に運用するよう地方公共団体に要請していることから、都においても、新労務単価の適用日以降、請求時点の残工事費の一%を超える変動が生じることを条件に、インフレスライドを適用できるように運用してまいりました。
昨年十二月、国は、スライド条項の質疑についてFAQを公表し、設計労務単価の改正がなくても、物価水準の上昇により残工事費の一%を超えた場合に請求が可能と、運用の解釈を明確化したところでございます。
こうしたことから、同月、都においても同様に取り扱うことといたしまして、本年一月十六日以降、請求があったものから適用していくこととしたものでございます。
○池川委員 昨年十二月に、国が、設計労務単価の変更がない場合でも、このインフレスライドを適用することができるんだと示したことによって、都も、それに基づいて対応を変えたということです。
これまでは、賃金水準の変更があった場合に適用されていたインフレスライドを、賃金水準の変更がなかった場合でも、価格水準が変更した場合には適用するということが今回の制度改正だというふうに思います。その結果、全体スライドは、当面の間、運用を見直す対応を現在取っているというふうにプレスリリースもされています。
そこで確認をしますが、この一月十六日の変更後、現在の適用状況はどうなっているでしょうか。
○前山契約調整担当部長 財務局が起工した工事におきましては、本年一月十六日以降、インフレスライドの請求があった工事につきましては一件でございます。
○池川委員 現状一件だということです。
今後も物価変動リスクというのがあり、公共工事を担っていただいている事業者の方々に対して、このスライド条項の見直しを行ったんだということを広く周知していただくとともに、分かりやすい広報、また制度にしていただくことを改めて求めておきたいと思います。今後、やはり物価変動リスクに対応するならば、ここできちんと、ある意味で救済の制度がある、対応できる制度があるということを、都としてきちんとメッセージを発信していただきたいということを強く求めておきます。
次に、委託契約における専門性について質問したいと思います。
まず、基本から伺います。
委託契約とは、どのような契約のことを指しますか。
○前山契約調整担当部長 委託契約は、一般に、仕様に定めた業務を受託者に実施させ、その対価の支払いを約するものを総称しております。
○池川委員 私、昨日、主税局の質問でも委託契約について質問をさせていただいたんですけど、委託契約の場合は、実施主体は東京都であり、事業についての最終的な責任は委託者である東京都にあるというふうに、主税局は答弁していました。
これは確認になりますが、そういう理解で間違いないでしょうか。
○前山契約調整担当部長 そのとおりでございます。
○池川委員 そのとおりだというふうに明快な答弁がありました。
その上で、専門性について伺っていきたいというふうに思います。
委託契約を行う場合、仕様書をつくるに当たり、委託を行う事業の専門性については、仕様書等でどのように考慮されているんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 委託契約における履行、品質確保及び向上を図るためには、適正な仕様書の作成が不可欠でございます。
このため、仕様書作成に当たっては、業務内容を明確に示すとともに、特に高い技術力や専門性などが求められる業務につきましては、入札の公平性や競争性に留意しつつ、配置する事業者の資格要件を定めるなどにより品質の確保を図ることが重要と認識しております。
○池川委員 公平性、競争性に留意しつつ、資格要件等を定めることによって品質を確保するんだということです。やはり適切な仕様書をつくるということがここでは大事で、資格要件、これが品質の確保につながるということだと思います。
しかし、一般競争入札の単なる価格競争だけでいいのかという側面も私はあると思うんですね。
財務局が出した業務委託等の総合評価方式に係る適用方針では、業務の専門性、個別性等が高く、高度な知識と経験が求められる業務については、原則として総合評価方式を適用していくとされていますが、具体的にはどのような業務を指しているんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 お話の業務委託等の総合評価方式に係る適用方針におきましては、業務の専門性、個別性が高く、高度な知識と経験とが求められる業務として、相談業務や大規模施設の受付案内業務などを例に挙げているところでございます。
○池川委員 これは原則そういう適用をしていきましょうということで、この適用方針で示されています。
相談業務について、少し私も調べてみました。例えば、女性の健康及び妊娠、出産に関する相談窓口運営業務委託や、東京都女性相談センター夜間休日電話相談業務委託などは、これは総合評価方式で実施をされているというものでした。
一方で、児童虐待を防止するためのLINEを活用した相談業務委託、LINEを活用した配偶者等暴力、DV相談業務委託など、LINEに関わる相談は総合評価方式ではありませんでした。また、性自認及び性的指向に係る専門相談窓口の運営委託、これも総合評価ではなく一般競争入札、いわゆる価格のみ行って、私が調べたのは一例なので、ほかに調べていくと、様々相談の業務でもまだ総合評価になっていない。それは、規模や人、かける人数、また価格、いろいろあると思うんですけど、実際には相談業務の中でもこうした差があるというのは、調べてみて改めて私も認識したところです。
私は、この相談業務というのは、極めて専門性が高いと、財務局と同じ認識でいます。
LINEなどの相談に応じている、直接事業者、やっている事業者の方からお話を伺ったことがありますが、LINEによる相談と電話による相談、何が違うのかということを伺ってみると、支援の力という点では同じだというふうにおっしゃっておられました。つまり、どういう手段で相談するのか、これは生まれ育ってきた中で、どういうものをメインの通信手段で使ってきたかによる違いであって、相談そのものというのは、どういう通信手段で来ても、やっぱり専門力が問われる、支援力が求められるということなんですね。そういう意味で、電話相談もLINEなどSNSによる相談も、世代は違っても、対応する、相談できるその対応力というところでは共通しているというのがお話でした。
タイプ力、つまり、打ち込む力よりも支援力が大事だと。文字を打つスピードが遅くても、SNSの機械に疎くても、やっぱり支援する根底の力がなければ、やはりその相談には答えていくことができないというふうに話されたのが大変印象的だったんですね。やっぱり専門性が高い業務だから、こういうことが起こっていると思います。
しかし、同時に、私がこの業務の受託をされている事業者の募集なんかを見ると、圧倒的に非正規の皆さんが多いというのも実態ですね。実際に相談業務で働いている方々が非正規雇用で働いている場合が多く、これやっぱり最初に委託を出す直接の責任は東京都、東京都が実施する本当は実施主体なわけで、直接的に負う事業で専門的な業務に従事している皆さんがみんな非正規という現実があるということも、これやっぱりちゃんと受け止めなきゃいけないと私は思っています。つまり専門性を確保し、その人たちが安定的、継続的に働く環境をやっぱりつくっていくために、総合評価、そして複数年度ということを、恐らく財務局の皆さんが、適用方針でイメージされて提起されているというふうに思うんですね。
雇用形態そのものが、最終的には受けた事業者さんの話になりますが、積算根拠、予算をどういう形で見積もるのか、これやっぱり単なる価格競争と総合評価では大きく変わってくるわけですから、総合評価と複数年度採用することによって、この専門性をきちんと高めていくための仕組みを、ぜひ財務局としても後押しをしていただきたいし、実際に相談業務の中でも、まだ総合評価方式に移っていないものも多々あるわけですから、そうしたものについても、ぜひ、きちんと総合評価でやるように促していただく、このことを強く求めておきたいと思います。
次に、東京都ができる気候危機対策について伺いたいと思います。
公共施設の省エネ、再エネ等について、先ほど米倉都議の方から質問いたしましたので、私からは、公共調達における環境負荷の低減の問題について伺いたいと思います。
公共調達部門では、やはりゼロエミッション東京戦略で、会議で使い捨てプラスチックの使用を禁止するなど明確に分かりやすい取組をして、公共部門では、プラスチック、ワンウエープラスチックを使いませんよという方針を打ち出して、それを実行することによって、それがメッセージとしてきちんと伝わっていくということもやられています。
世界を調べてみると、例えばサンフランシスコなどでは、さらに踏み込んで、公共用地内でペットボトルの飲料販売の禁止をするとか、あとほかの、世界の自治体の中では、そもそも自治体の中でペットボトルを販売することを禁止する条例を持っているところまで出てきていて、やはり自治体が、どういう姿勢でこの環境問題、とりわけ公共調達に関わるところで取組をするのかというのは、すごく大事な問題になっています。
こういう意味で、世界の都市とまさに連携をしながら、お互い切磋琢磨をして、自治体でできること、公共調達でできることは何なのかということを、ぜひ広げていただきたいと思うんです。
これは、環境局が指導する取組になりますが、東京都グリーン購入ガイドラインがありまして、ここで環境仕様を様々定めていますが、やはり環境負荷を低減していく具体的な取組が、今、求められていると思います。その点では、やはり契約制度の面からも、この気候危機対策にきちんと取り組んでいくということは必要だと思います。
そこで伺いたいと思います。
具体的に、今、東京都における調達で、環境負荷の低減、どういうふうに取り組んでいっているでしょうか。
○前山契約調整担当部長 契約制度における環境配慮への取組といたしまして、資格審査の段階では、ISOなど環境マネジメントシステムの認定を取得している場合に一定の加算をしております。また、工事及び設計等委託における総合評価方式では、企業の信頼性、社会性における環境配慮への実績として、森づくり活動への参加と多摩産材の利用をより一層促進させるため、産業労働局の取組であるとうきょう森づくり貢献認証制度の認定があれば加点をしているところでございます。
二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けまして、企業の低炭素化へ向けた取組を契約制度面からも後押しすることを目的といたしまして、来年度から、SBTやエコ・ファースト制度の認定も加点の対象とするよう、制度を拡充することといたしたところでございます。
○池川委員 資格段階でやっているものと、総合評価で加点に加えているものがあるということです。
これは、総合評価における加点については、来年度、サイエンス・ベースド・ターゲット、SBTとエコ・ファースト制度の認定も加点に加えるということで、こうした様々な認証制度を使って、それをきちんと担保していくというのはとても大事だというふうに思います。
公共調達部門で環境負荷の低減をしていく、これは気候危機対策に立ち向かっていく何よりのメッセージになるというふうに思うんですね。本気の気候危機対策を進める立場で、さらに制度も、さらに技術的にも取組を強化することを求めておきたいと思います。
次に、指名停止について伺います。
五輪の談合事件に関わる独占禁止法違反によって、東京都は、二月九日に電通など三者、二月二十八日に博報堂など三者をそれぞれ指名停止といたしました。岸田総理も、今月一日、十四府省庁で指名停止の措置を取ると。国でも同様の措置が取られている、ほかの自治体でも同様な措置が取られているという状況だと思います。
五輪は、多額の公金が投入され、東京都の負担は、立候補ファイルで示していた一千五百三十八億円から五千九百六十五億円へと膨らみました。経費の精査などに尽力された方がいる一方で、五輪の中で公然と談合が行われていた事実は極めて深刻な問題であり、立場の違いを超えて、この問題、やはり解明していく必要があると思います。
今日は、その点、指名停止の問題を中心に伺いたいと思います。
契約事務をつかさどる財務局は、日常的に契約制度について適正に行われるよう努めていくことが必要です。それは、東京都のあらゆる契約行為が、公平性、公正性を確保していく、そのこと自体が都民の信頼につながるからだというふうに考えます。
ところが、事もあろうに、都から一千人の職員を派遣していたオリ・パラ組織委員会でこのような談合事件が起こったということになります。
私は、多額の税金が投入をされ、公共性が高いオリ・パラ組織委員会で談合が行われ、今回、関係六者が指名停止になった。この問題について、契約事務をつかさどる財務局としてはどのような認識をされているか伺いたいと思います。
○前山契約調整担当部長 契約制度の中でお話のような談合というものはあってはならないものと考えております。
それをもちまして、都でも、お話のあったように、六者に対して即日指名停止をしたところでございます。
○池川委員 あってはならない、本当にそのとおりだと思います。
今回、今お話あったとおりで、六者を即日指名停止にしたというお話がありました。
この即日指名停止というのはどういうケースに適用されるんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 即日指名停止のケースですが、契約事務協議会での協議を経ずに指名停止に該当する事実を把握した時点で指名停止を行う、いわゆる即日指名停止でございますが、指名停止等措置要綱に基づき、有資格者の役員等が公共機関への贈賄の容疑により逮捕または逮捕を経ずに起訴された場合、もしくは有資格者または有資格者の役員等が独占禁止法違反の容疑により逮捕または逮捕を経ずに起訴された場合などに行っているところでございます。
○池川委員 贈賄及び独占禁止法と、この二つに係るものについては、起訴もしくは逮捕、逮捕せずに起訴された場合も含めて即日指名停止にしているということです。
今回、それが適用されたということだと思います。
電通など六者は、これまでも指名停止となったことがあるのか、また、ある場合は、いつどのような案件かについて伺います。
○前山契約調整担当部長 株式会社電通につきましては、複数の社員に対し労使協定の上限を超える違法な残業をさせたとして労働基準法違反の容疑で起訴されたことにより、平成二十九年七月十九日から一月の指名停止としたほか、新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場運営等業務委託の履行中に発生した事故により、公衆に損害を与えたことにより、令和三年九月二十八日から二月の指名停止とした実績がございます。
その他の五者につきましては指名停止とした実績はございません。
○池川委員 電通は、高橋まつりさんの過労自死の問題で、労働基準法違反だということで指名停止になったと。そのほかにも、ワクチン接種の会場での事故による指名停止の二件だということです。そのほかの五者についてはないということが明確になりました。
それでは、この六者と東京都との契約実績についてはどうなっているか伺います。
○前山契約調整担当部長 お話の六者と東京都の過去五年間の契約実績の合計額でございますが、株式会社電通が九十四件、約百二十四億円、株式会社博報堂が百八十一件、約八百二十五億円、株式会社東急エージェンシーが十七件、約十二億円、株式会社フジクリエイティブコーポレーションが三件、約二億円、株式会社セレスポが二十五件、約七億円、株式会社セイムトゥーは契約実績なしとなっております。
○池川委員 電通は九十四件、百二十四億円、博報堂が百八十一件、八百二十五億円と、少なくない金額なわけです。
確認させていただいたところでは、博報堂は感染拡大防止協力金がとても多かった、この五年間で多かったと。一方で、電通は、オリ・パラ関係でかなりの案件を入札し、受注していたというお話だったわけです、事前に聞いたとき。
これはやはり、こうした都とかなりの契約を結んでいる事業者が今回指名停止になったということになるわけですね。
そこで、プロセスについて確認をしたいと思うんです、改めて。
指名停止を行う決定のプロセスというのはどのようになっているんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 都は、契約事務の適正な執行を確保するため、あらかじめ基準を定めて、有資格者が当該基準に該当した場合に指名停止措置を講じることとしております。
通常の指名停止措置につきましては、指名停止に該当する事実を把握した庁内各局がその事実を取りまとめ、都の契約事務に関する全庁的な会議体である契約事務協議会に議案として提出し、協議会における協議を経た上で、財務局長が決定することとなっております。
○池川委員 契約事務協議会で協議をした上で、最終決定は財務局長決定だということなんですね。
今回の談合に関わる指名停止も、最終的には、先ほど議論が少しありましたけど、最後の決定は財務局長決定になるということだと思います。
私たち、代表質問でも、予算特別委員会でも、今回の談合につながる入札実施前に、入札意向をまとめた一覧表を、独占禁止法で逮捕された組織委員会の森次長が、当時、組織委員会の大会準備運営第二局長だった吉村財務局長に見せたのではないかということについて追及をしてきました。
一般論でちょっと聞きたいと思うんですけど、仮にこの談合に関与、指名停止の事件に関わるところに関与していた、または捜査を受ける、その疑いがある人が、この指名停止の決定に参加するということはあり得るんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 ちょっと仮定の話ですので、ちょっと明確なご答弁は差し控えさせていただきます。
○池川委員 これは仮定の話だから答えないということなんですけどね、都の職員名簿によれば、大会準備運営第一局と第二局との二つの局に分かれたのが二〇一六年一月一日の直前、吉村財務局長は、当時、大会準備運営局長だったわけですね。二つの局に分かれた後、二〇一八年三月末まで、財務局長は大会準備運営第二局長だった。これは職員名簿等から、公開されているものから明らかにされています。ところが、この間、この問題について、本会議でも、また予算特別委員会でも、捜査に関わることであり、お答えは差し控えるということが繰り返されて、連発されてきた。公開されている事実すら認めないという事態になっていると。
一方で、毎日新聞の取材では、一覧表を見たと認めているわけですね。新聞の取材には答えられて議会で答えられないというのは、やはり説明責任を果たすということは到底いえないというふうに思うんです。
吉村局長に聞きたいと思うんですけど、ここにいらっしゃるので。
二〇一八年一月から三月の期間、大会準備運営第二局長だったことは間違いないのか、また、その期間に応札意向を取りまとめた一覧表を見たということについて、毎日新聞にはコメントをされていますが、その事実は間違いないか、その点をご確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
○吉村財務局長 予算特別委員会で政策企画局長が答弁したとおりでございます。
○池川委員 つまり、それは、捜査上答えられないと。役職そのものも答えられないんですか、そこで働いていた事実すら答えられない。
つまり東京都の出向職員として行かれていたわけですよね。そのポストにいたこと自体もお答えになれないということなんですか、確認させてください。
○吉村財務局長 先ほどと同じ答弁でございます。
○池川委員 これやっぱり不誠実だと思うんですよね。代表質問でも予算特別委員会でも、捜査に関わることでお答えできないというふうに繰り返してきたのを、今、政策企画局長がいったことと同じだというふうにいっている。それはつまり捜査対象になっているということを自ら認めるようなものだと思うんですね。
契約事務をつかさどる部署の責任者が捜査の対象となっている可能性があると。今回の談合事件に関わる指名停止の期間等について決定する最終決定権者なわけですよ。これでいいのかということが本当に問われていると思います。
普通に考えれば、これはあり得ないことだと思うんですね。契約事務について、やはり都の職員が、どの立場の人であれ、関わっていれば、これ一大事態だ、重大事態だというふうに思います。これ、談合について知っていたとすれば、これはもう大問題。一方で、談合を見抜けなかったとしても、やはり指名停止を決める財務局長として本当にどうなのかということを問われるというふうに思うんですね。
このこと自体を真剣に受け止めて、そのことに向き合うことを議会でやらなきゃいけないと思います。全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないというのは憲法十五条の規定です。
東京都の懲戒処分の指針の十、入札談合等に関与する行為では、都が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合をそそのかすこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示することまたはその他の方法により、当該入札等の公正を害するべき行為を行った職員は、免職または停職とするという極めて重い処分なんですよ。このことが、捜査に関わることで差し控えるということで、ずっとこの間、一か月間ぐらい来ちゃっているというのは、本当に改めた方がいいと私は思います。
この問題について、やはり都として、第三者機関をちゃんとつくって徹底検証することが改めて必要だと。その点では、この答弁、やっぱりきちんとしてもらう、そういう場でこういう議論をしなきゃいけないというふうに私は思います。
五輪に関わる東京都の契約についても、契約所管部署として、これも検証すること、財務局としてやっぱりやる必要はある、東京都としてやる必要があるということを求めて、質問を終わりたいと思います。
○宮瀬委員 私の方からも、オリンピック・パラリンピックの大会の件について質疑させていただきたいと思います。
私も、先ほど質疑がありましたが、大変残念に思っております。東京五輪と聞くと、やはり残念だったねという、その一部の、大会の後の話で思うわけで、私も十年この仕事をしていますが、決まる前からの経緯を見ると、最後、本当にみそがついたなと思っています。
そんな中で、やはりけじめをつけないといけないと思っています。
私は以前より、やはりこれはけじめをつけて、しっかり、やってしまったこと、やってしまった会社には、それなりに、相応のペナルティーを受けていただくべきだとずっと主張してまいりました。とりわけ昨年十二月、令和四年第四回定例議会においても、談合の主犯となった電通に対してペナルティーを科すべきだといったことを主張してまいりました。
そこで、改めて伺いますが、一般的な話で、まず伺います。
都と取引があり、法令違反の容疑により逮捕等がなされた団体や企業、個人に対して、都はどのようなペナルティーを科しているのか、基本的なことを伺います。
○前山契約調整担当部長 都は、契約事務の適正な執行を確保するため、入札参加者有資格者が法令違反行為等を行った場合などについて、あらかじめ定めた要綱における基準に基づき、一定期間、競争入札への参加資格を停止する指名停止措置を講じているところでございます。
○宮瀬委員 指名停止がありますよといったことなんですけれども、改めて、今年の二月の報道で、五輪談合事件に関連し、電通等六者を指名停止にしましたよと。
具体的な内容や指名停止の規模、期間について伺います。
○前山契約調整担当部長 大会組織委員会発注の委託契約に関連する独占禁止法違反の容疑で役員等が逮捕または起訴されたことなどを受け、株式会社電通、株式会社フジクリエイティブコーポレーション、株式会セレスポの三者につきましては、令和五年二月九日付、株式会社博報堂、株式会社東急エージェンシー、株式会社セイムトゥーの三者につきましては令和五年二月二十八日付で、逮捕または起訴の事実を確認した当日に、終期未定の指名停止措置を行っているところでございます。
指名停止期間につきましては、今後、指名停止期間措置要綱に定める基準に基づき厳正に対応してまいります。
○宮瀬委員 私ちょっと知らなかったんですけれども、てっきり期間がもう決まっていて、一年とか二年とか、そう思っていたので、まだ決まっていないと。
ご答弁にありました今後指名停止等措置要綱に基づきということでありますので、その要綱には何か月と書いてあるのかお伺いいたします。
○前山契約調整担当部長 東京都競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱では、有資格者である個人、有資格者である法人またはその法人の役員もしくは使用人が、談合または競争入札妨害で刑法または私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反した容疑により逮捕されまたは逮捕を経ないで起訴された場合で、東京都発注の契約を除く関東地方におけるものにつきましては、四月以上十八月以内、標準九月の指名停止期間を定めているところでございます。
○宮瀬委員 逮捕が出た案件で、要綱に基づくと平均大体九か月と。
私は、全世界が注目するこの大会で、東京五輪というブランドと東京というブランドの価値を著しく欠けるようなことを行った企業、団体と、単に逮捕を出した、そういった団体と、状況が大きく異なると思います。とても軽いのではないかと、私は、その要綱に基づいてやれば、今いったような理由で軽いと思っています。
改めて前例を確認するんですけれども、取引停止ということでありますが、都も、いろんな局が、いろんなお付き合いを電通としていると思いますが、都として電通とどのような取引をしてきたのか、契約内容や金額を、内訳含めて教えてください。
○前山契約調整担当部長 株式会社電通と東京都の過去五年の契約実績の合計額は九十四件、約百二十四億円となっております。
内訳につきましては、各局で所管している事業でございますので、答弁につきましては控えさせていただきます。
○宮瀬委員 合算だけを聞いているわけではなくて、合算はさきの文書質問で聞いて、私、今回の事件が起きたときに、電通と東京都は、どういう案件で、幾ら、何をしていたのかというのを、議員として、特に令和元年、六十億ですよ。令和二年度、三十五億、この辺のお金の動きから、どういった部署と、どう付き合ってきたのかというのを探ろうと思ったわけなんですけれども、どうして内訳を教えていただけないのか。それを知ろうとすれば、各局に対して私が情報公開請求を立てて、どの局がやっているか分からないですよ。どの局に情報公開請求すれば、オリ・パラ準備局、旧オリ・パラ事務局は分かりますよ、でも、お財布を握っている皆さんのところに、電通と、どういう契約の内容で、幾ら、何に払ったのかを個別に知りたいと。合算しか教えてくれないわけです。
合算を知っているということは個別の積み上げですから、こういった疑念を持たれないためにも、個別に教えてください。
○前山契約調整担当部長 繰り返しのご答弁になって恐縮でございますが、個別の契約の中身につきましては各局の所管となっておりますので、答弁につきましては差し控えさせていただきます。
○宮瀬委員 そうした場合に、網羅できない可能性があるわけですよ。例えば、生活文化局でこういう仕事をしている、いろんなところで、大きな会社ですから、それ全部チェックできないわけですよ。もうこれ以上この話をしても同じ答弁だと思うんで、これはぜひ、真相解明のためにも、お金がどういう動きをたどったのかを、ぜひ分かるような形を示していただきたいと思います。
それで、先ほどもいいましたように、停止期間が終了した後においても、違法行為を行った電通ですとか事業者について、これだけ五輪の、東京五輪及び東京のブランド価値を毀損させたわけですから、より大きな、より厳しい厳罰を処すべきだと、逮捕の案件とは違いますから、単に。所見を伺います。
○前山契約調整担当部長 今回の件につきましては、今、六者につきまして、終期未定の指名停止措置をしておるところでございます。
今後、要綱に基づき、厳正に対処してまいりたいと思っております。
○宮瀬委員 今、何か答弁が食い違っているように思いますが、再度答弁を求めます。
○前山契約調整担当部長 失礼いたしました。工事契約における総合評価方式では、入札参加する時点から過去三年間に指名停止措置を受けたことがある場合、技術点を減じる仕組みとなっております。
業務委託契約等における指名停止を受けた事業者の総合評価方式での取扱いにつきましては、こうした工事契約における減点の取組を参考に、今後検討してまいりたいと思います。
○宮瀬委員 そこで問題提起なのが、指名停止というやり方でございます。
私、出版社の広告営業をやっていまして、電通とも大分長いお付き合いをさせていただきました。電通本体、電通テック、電通東日本、電通関西、その他もろもろ、仕事をずっとしてきました。
東京マラソンというのがありますよね。東京マラソンは、どこが運営しているのか。ちょっと調べていきますと、東京マラソン財団が東京都の一定の補助金というのか負担金を受けて運営していると。そこは所管が生活文化局ということで、契約内容を確認してまいりました、東京マラソン。そうしたら、東京マラソン財団が様々な契約をしているんですけれども、今回措置対象となった株式会社フジクリエイティブコーポレーション、入っています。電通の一〇〇%子会社である電通スポーツパートナーズ、これは契約時。最近はなぜか電通という名前を変えて、会社の看板変わったみたいですけれども、そこが東京マラソンを、当日とイベント部分をやっているわけであります。いずれにせよ、措置対象となった会社や子会社が受託しているものがあるわけであります。
このような事実を確認していくと、都の政策連携団体ですよ、都の政策連携団体である東京マラソン財団が行う事業に対しては、今回の指名停止措置というのは及ぶんでしょうか。
○前山契約調整担当部長 政策連携団体につきましては、各団体におけるルールに基づき対応しているものと認識しております。
○宮瀬委員 それはおかしな話で、東京都の、ほかの団体じゃない政策連携団体が、厳密には総務局の管轄ですので皆さんにはあまりいわないですけど、それは東京都本体が今回の六者を指名停止にしたら、政策連携団体も準じなきゃいけないですよ。それを徹底させて、都に関わる、都が補助金を出しているような政策連携団体に関しても同様にしないと私はいけないと思います。
どうも確認していくと、都の契約ルールに準じた対応を取っていると。これ公表されていないのも、東京マラソン財団、問題なんですけれども、取っているんですが、調べていくと、確かに株式会社フジクリエイティブコーポレーションは取引停止の対象になります。しかし、電通スポーツパートナーズは対象とならないことが分かりました。指名停止にならない。なぜか。そういった団体が電通のブランドでやって、私、電通さんと仕事をしていましたけど、ホームページを見たら、(資料を示す)これ百社以上あるんですよ。電通東日本、電通何とか、これだけあって、例えば電通本体と先ほど電通東日本と話しましたけれども、私、仕事していましたけど、やっている内容同じですよ、私はね。
ということは、何がいいたいかというと、一〇〇%持ち株会社ですから、一〇〇%子会社の、電通の子会社に対して、入札の制限というのをかけるべきではないかと。だって、本体が受注しない、子会社に受けさせれば、全体のホールディングスとしての売上げ、同じですか。どうなんですか。
○前山契約調整担当部長 関連会社につきましては、措置対象の有資格者とは異なる法人でございまして、一部の例外を除き、指名停止等措置の対象とはならないものであり、契約手続への参加は可能でございます。
○宮瀬委員 取引停止の対象になりませんと、子会社は。
今、政策連携団体の東京マラソン財団のことで聞きましたけど、東京都本体はどうなんですか。
○前山契約調整担当部長 法人格の異なる関連会社につきましては、東京都においても、指名停止措置の対象とならず、入札に参加することは可能でございます。
法人格の異なる関連会社に対して措置を行うことにつきましては、裁量権の逸脱として法的なリスクが高いということを複数の専門家に確認しているところでございまして、難しいものと認識しております。
○宮瀬委員 電通が駄目なら、じゃあ電通東日本がやれば、営業に行って、技術点のマイナス、総合評価方式のマイナスもないし、様々な制約、停止もないし、電通東日本と、これいますけど、本社は港区新橋ですよ。エリアが、関東地区、東北地区、静岡地区、新潟地区における広告業、東京も全然入っていますよ。
話を整理しますと、電通が談合の事件を起こして不正に高いものを都民の税金を使って購入させられていた。そのペナルティーで、電通さんは駄目ですよと。でも、一〇〇%子会社の同じホールディングの中のプレーヤーの会社が受注を受けられる。売上げ同じですよ。だって、電通の売上げ減っても、電通東日本が行って営業かければ、ちゃんと手続踏めば受注できるんですから、道義的な問題を置いて。それって本末転倒じゃないですか。
何のために指名停止したのか。これだけ百社もあるんですよ。これだけ巨大企業です。東京マラソンもしかり、そして、世界陸上も今後あります。電通は駄目ですねと。でも、電通東日本だったらいいですよと。
これだけの問題があったのに、横に流せば同じホールディングスですよ、もう一回いいます。それって都民の理解が得られると思いますか。
○前山契約調整担当部長 ちょっと繰り返しになって恐縮ですけれども、法人格の異なる関連会社につきまして措置を行うことは、裁量権の逸脱として法的なリスクがあると複数の専門家に確認をしているところでございまして、難しいものと認識しております。
○宮瀬委員 今の仕組みの中ではという話だと思うんですけれども、どう考えても、今の話、ええって都民の皆さん思いますよ。
もしそうであれば、今の制度がおかしいのであれば、都の今の制度を改善させていくとか、はたまた、国マターに関わることであれば国に改善を求める、そういった動きが必要なんじゃないですか。
○前山契約調整担当部長 法人格が異なる場合、別人格というふうに、同様になってくるというのが一般的なものでございまして、それにつきまして、現状の指名停止措置要綱では、別のものとして停止処分することはできないというのが現状でございます。
○宮瀬委員 その現状を聞いているんではなくて、現状は理解しましたから、変えていく努力が必要なんじゃないですか。別法人格といっても、持ち株会社一〇〇%子会社ですよ。どうなんですか。
○前山契約調整担当部長 現状につきましても、先ほどご答弁したとおりで、今後につきましても、法人格の異なる関連会社に対して措置を行うということは、裁量権の逸脱として法的なリスクがあるということは複数の専門家にも相談をして確認をしているところでございまして、変更につきましては難しいものと認識しております。
○宮瀬委員 多分同じ、現状のお話だけで、それを受けて変えてほしいというのを働きかけたりしてほしいといっても、現状の繰り返しの答弁になるんですけれども、それはやっぱり都民感情として、電通、指名停止だと思ったら、電通の売上げが相当痛手を食うでしょうと。でも、別会社が受注すれば、ホールディングで見たら同じじゃないですか。それって目的と手段がごちゃごちゃになっちゃっていて、何のために指名停止するんですかと。それは、皆さんがおっしゃっていることというのは、なかなか都民の理解を得られないと。
では、そもそも今回のオリ・パラの談合事件が起きた原因というのは、結局どこにあると認識されていますか。
○前山契約調整担当部長 お話の案件につきましては、東京二〇二〇大会組織委員会発注の委託契約において発生した事案でございまして、財務局として、その発生原因について申し上げる立場にはございません。
○宮瀬委員 やっぱりこのマターというのは、都庁挙げて、オール都庁でやっていくんだと知事もおっしゃっていて、今のご答弁は、本当にお役所仕事そのものですよ。だから、私は申し上げられませんと。でも今の課題というのは、いろいろ議論されて、都庁の中で、こういう課題があったねと、この課題はあなたの局、あなたの局、契約は皆さんと、そういったことをやっぱりやるべきだと思いますよ。
でも東京都は、財務局は、オリンピック・パラリンピックに、契約に関わってきたわけであります。
お金を確認しますが、オリ・パラ準備局から財務局に要求があった予算額は幾らでしょうか。
○田中理事 個別の局の予算要求の話ではありますが、例年十一月に、財務局が各局からの予算要求状況を公表しておりまして、この中から、東京二〇二〇大会が開催された令和三年度から過去五年間のオリンピック・パラリンピック準備局からの予算要求額についてお答えさせていただきます。
平成二十九年度が六百六十四億円、平成三十年度が六百六十六億円、令和元年度が三千五百二十七億円、令和二年度が三千二十四億円、令和三年度が三百七十七億円となってございます。
○宮瀬委員 では、次に、大会経費における都民の税金を使った都の負担額は幾らだったんですか。
○田中理事 令和五年度東京都予算案の概要でお示ししておりますが、大会経費の最終報告における都の負担額は、大会経費一兆四千二百三十八億円のうち五千九百六十五億円となってございます。
○宮瀬委員 今数字を確認しましたけれども、オリ・パラ準備局から約八千億、大会経費における都の負担は六千億、一・四兆円ですよ、都民の税金が。それに対して、どういうことが裏で行われていて、その原因は何にあったのかというところで、所管していないんで答えませんというのは、私は大変不誠実だと思います。
報道が出てまいりました。(資料を示す)これはTBSニュースデジタルでしょうかね、これネットにも載っているんですけれども、お茶くみをする職員に一日二十万、五輪経費費用三・六兆円オーバーの裏側と、組織委員会の元職員と東京都の元職員が実名を挙げたり、Aさん、Bさんという形で書いています。皆さん、一日、いろんなところに委託、委託を続けて、東京都なり組織委員会に請求が来ているのが一日二十万円ですよ。お茶くみの仕事が悪いとは思っていません、もちろん。ただ、常識的には考えられないことが、組織委員会も東京都も、先ほどいった六千億ですか、お金入れていますよ。お金に色ありませんけど、そういったことが現場現場で行われていて、大変私は歯がゆい思いをしました。
東京都の予算査定の中で、オリ・パラ準備局、組織委員会に一・四兆円出してきたということは、皆さん、査定をし、関連の事業じゃないですか、事業評価してきたんですよね。予算、事業評価でよく八千億とか六千億とか、七年でやってきたといっていますけれども、こういったことが最終的に行われていて、実名でもお名前を出されていて、こういった現在行われて、談合ですとか、こういった不適切な支出というのを、お金を出してきた、財布を持っていた財務局は、見抜くことができなかったんです、役割を果たせなかったんです。
それは私も責任があります。都議会議員として、この大会に無駄な経費を乗らないように、ひょっとしたらもっと頑張ればチェックできたかもしれない。
でも、皆さんは、都庁の職員として、財務局として、お財布を握っていて、こういったことが現場で起きたことに対してどう思っているんですか、見解を伺います。
○田中理事 予算編成におきましては、お話のオリ・パラ関係も含めて、全ての事業について各局と議論を重ね、社会的要請や事業の必要性はもとより、有用性や費用対効果など様々な角度から分析と検証を行って必要な予算を計上しているものでございます。
○宮瀬委員 ということは、最終的にお茶くみする職員に一日二十万円というのは、有効性、費用対効果、見積りの妥当性が合っているということですか。
○田中理事 まず、日当二十万のようなものの経費の支出という話もありましたけれども、こちらにつきましては、事実関係を把握できる立場にないため、お答えは差し控えさせていただきます。
予算編成過程における財務局の調整は、事業実施の前の年に行われ、契約の相手方の適正性ですとか、このような細かい部分の事実関係などが判断できるものではないため、お答えする立場にないと考えてございます。
なお、委員おっしゃった一・四兆円というのは、最初にお話しした五千九百六十五億円と、その後、オリ・パラ関係予算、局からの要求のあった予算額と合計をおっしゃっているのであれば、これは、オリ・パラ局から要求のあったうちの中の五千九百六十五億円が大会経費に使われているということですので、金額は重複しているということでございます。
○宮瀬委員 重複の件は私の理解力が悪くて申し訳ございませんでした。
いずれにせよ、数千億円という莫大な金額です。それに対して、私は、役割を果たせたのかといったときに、果たせたという認識で、今、答弁を聞いたので、その認識でよろしいですか。
○田中理事 予算編成におきましては、あくまで一般論でございますけれども、各局の要求に基づいて一つ一つの事業について各局と議論を重ねて、社会的要請や事業の必要性はもとより、有効性や費用対効果、見積りの妥当性など様々な角度から分析と検証を行って必要な予算を計上してございます。
○宮瀬委員 すみません、これは数千億の話で、一般論の話は聞いていないです。しかも電通の談合ですとか、余計にお金がかかったことを質疑しているのであって、一般的な話はしていないですよ。
今いったのは、通常、今いったように、有効性や費用対効果、見積りの妥当性をやっているよという、ふだんの一般論としてとおっしゃった。
今回の五輪はどうだったんですかと、今回の談合の事件に対して、皆さんは役割は果たせたんですか。
○田中理事 予算の執行過程におきまして定められた法令のルールにのっとって、適正な契約手続を行うことは当然であると考えてございます。
先ほども申し上げましたけれども、予算編成過程における財務局の調整は、事業実施の前の年に行われ、契約の相手方の適正性等を判断するものではないため、談合そのものについてお答えする立場にはないと考えてございます。
○宮瀬委員 ということは、これ複数年度にわたる事業でしたけど、事業評価はしていないということですか。
○田中理事 何度も繰り返しの答弁になりますけれども、オリ・パラ関係も含めて、全ての事業について各局と議論を重ね、社会的要請や事業の必要性はもとより、有用性や費用対効果など様々な角度から分析と検証を行い、必要な予算を計上しているものでございます。
○宮瀬委員 もうちょっと同じ話、私、違うふうに聞いているんですけど、同じ答弁を読んでいるだけなので、ちょっと私、意味が分かりませんでした。
いずれにせよ、私、今回の件を受けて、皆さんが責任、ああ、もっとここをこうすればよかったなとか、談合をもっとこうすれば見抜けたんじゃないのかなとか、いろんな、プロですから、私も都議会議員として、どうすればこの件、未然に防げたのかなと、人の問題なのか、仕組みの問題なのかなといったことをいろいろ責任を感じているわけであります。
ですので、先ほど冒頭の質問と、もう一回聞きますけれども、どこに結局原因はあったのかと財務局は総括しているんでしょうか。
○田中理事 先ほど契約の関係でも申しましたとおり、こちらにつきましては、組織委員会が契約したものでございます。
また、予算編成過程における財務局の調整は、事業実施の前の年に行われるものでございまして、お答えする立場にはないというふうに考えてございます。
○宮瀬委員 都民の税金が多額で使われていて、私の立場ではお答えする立場じゃありませんと。お金をつかさどっているのは皆さんですよ。都議会議員の私も責任を感じていると。何かできたんじゃないのか。皆さんは、責任を感じているようなご答弁というのは一切出てこないわけであります。違うところが主になっていろいろやっているかもしれないですよ。でも、そこに財務としても入っているわけですから、調査、協力しているわけですから、当然、人ごとみたいなことをいっているのは、私は問題だと思います。
端的に聞きますが、財務局としては責任はないんですか。ないと思っているんですか。
○田中理事 何度もご答弁申し上げておりますが、今回の契約につきましては、組織委員会が契約したものでございますし、予算の調整におきましては、前年度に行われるものでありまして、契約の相手方の適正性を判断するものでないということですので、お答えする立場にはないと考えてございます。
○宮瀬委員 同じ答弁の繰り返しで、盛んに組織委員会、組織委員会とおっしゃるのであれば、じゃあ私もあえて聞きますけれども、吉村財務局長は当時、大会の組織委員会の大会準備運営局長だったわけであります。
その点も踏まえて、局長、責任は感じないんでしょうか。
○吉村財務局長 東京都財務局長としてお答えいたします。
財務局では、オリ・パラに関しまして、予算編成あるいは事業執行管理、事業評価などの各場面において、適正に手続を行ってきたというふうに考えてございます。
○宮瀬委員 わざわざ財務局長としてということだったんですけど、大会運営準備局長としてはどうだったんですか、どうなんですか。
○吉村財務局長 所管外のことでございます。
○宮瀬委員 先ほど、池川委員の話も聞いていましたので、ずっとこの話になっちゃうと思うので、局長の考えは分かりました。
私が懸念しているのが、結局、けじめをつける、責任をちゃんと取ってもらう、そういったことが大事で、これがしっかりできない限り、この件が続くんではないかと。このTBSの報道の特集にも、責任はどこにあって、原因がどこにあるのかと。電通に依存するような体制ですとか、電通のいいなりになってしまったですとか、交渉ができない状況、競争入札できる状態がないからいい値になってしまうと、元東京都の職員がおっしゃっていますよ、実名で。
こういったことが課題として挙げられていて、今後、例えば五輪をはじめ大規模のイベントがありますけれども、電通など特定の巨大事業者が長期にわたって受注するような状況はなくすべきだと考えますが、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
○前山契約調整担当部長 公共調達は、都民の貴重な税金を原資とすることから、最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治法の理念に基づき、公正性、競争性、透明性などを確保することが重要と認識しております。
そのため、一般的に、契約に当たっても、競争入札を原則とした上で、過去に受注実績がない事業者でも参加ができ、かつ特定の事業者に有利に働くことがないよう仕様の設定を行うこととしており、事業の必要性から、やむを得ず参加要件を付す場合にも、あらかじめ参加可能な事業者が一定程度いることを確認し、競争性や公平性の確保に留意しながら行っているところでございます。
こうした取組につきまして、今後とも、様々な機会を通じて各局に周知を図ることで、入札契約制度を適正に運用してまいります。
○宮瀬委員 ご答弁、注意深く聞いていますと、一般的にということで、今、一般論の話をされているんですよ。今までのこと、これ、今までこういうふうにやってきましたよということなんですが、私、一般的な話や今までの話は聞いていません。
こういった問題、メディアの指摘もあって、この問題を受けてどうしていくのかと。今までのことですとか、一般論の話はいいんです。変えていくのか、変えていかないのか、どっちですか。
○前山契約調整担当部長 先ほどもご答弁したとおり、契約のルールにつきましてはしっかりとできておると考えております。
これをさらに厳密に各局が実施できるように、引き続き、連携して、また、入札契約制度の信頼を確保するよう取り組んでまいります。
○宮瀬委員 そろそろ時間なので終わりにしますが、結局、今までどおり問題ないというご答弁だったような気がしますよ。でも、このまま行ったら、次、東京で行われる世界陸上、これから組織委員会ができるんです、運営委員会。どこに運営を任せたって同じ話が起きるわけですよ。
今回の教訓を生かさないと、また同じことが出る。そのための皆さん、いうのは生意気ですけれども、もうちょっと、今の都民がどう思っているのか、今の制度がおかしければ、おかしいことを変えていく、そういった謙虚さが必要ではないでしょうか。でなければこの問題は起きていないわけであります。
以上で質問を終わります。
○ほっち委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ほっち委員長 異議なしと認め、予算案及び知事提出の付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○ほっち委員長 次に、付託議案のうち議員提出議案の審査を行います。
議員提出議案第三号を議題といたします。
本案について提出者の説明を求めます。
○池川委員 日本共産党都議団、都議会生活者ネットワーク、自由を守る会を代表して、議員提出議案第三号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の提案理由をご説明いたします。
本条例案は、二〇二三年六月に支給される東京都議会議員の期末手当を前年度の支給割合に据え置く内容です。
東京都議会議員の期末手当は、東京都議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例に規定がありますが、その支給割合については、職員の給与に関する条例が規定する期末手当と勤勉手当の支給割合を合算した支給割合で支給することとされています。職員の期末手当の支給割合が上がれば、条例を変えなくても、連動して自動的に上がる仕組みになっています。
議員の期末手当を職員の手当の支給割合に自動的に連動させる考え方は適切でないこと、長引くコロナと円安による物価高騰で、都民の暮らしと営業に深刻な影響が出ていること等を考え、議員の期末手当の引上げを行わず、現行の支給割合で据え置くことを提案するものです。
委員の皆様方のご賛同を心からお願い申し上げます。
○ほっち委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ほっち委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ほっち委員長 異議なしと認め、議員提出議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十五分散会
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