財政委員会速記録第六号

令和四年三月十七日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長森口つかさ君
副委員長池川 友一君
理事伊藤しょうこう君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
吉住はるお君
たかく則男君
米川大二郎君
五十嵐えり君
三宅 正彦君
長橋 桂一君
石川 良一君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長吉村 憲彦君
理事主計部長事務取扱山田 忠輝君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務古川 浩二君
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
会計管理局局長堤  雅史君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
収用委員会事務局局長後藤 啓志君

本日の会議に付した事件
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 令和四年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為—財政委員会所管分、都債
 ・第三号議案 令和四年度東京都地方消費税清算会計予算
 ・第十六号議案 令和四年度東京都用地会計予算
 ・第十七号議案 令和四年度東京都公債費会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第四十七号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計条例
 ・第四十八号議案 東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十九号議案 租税特別措置法施行令に基づく譲渡予定価額審査に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
 ・第五十号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
 ・第九十六号議案 土地の信託の変更について
 請願陳情の審査
  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
 1 三第一五号
 2 三第一六号
 3 三第一七号
 4 三第一八号
 5 三第一九号
 6 三第二〇号
 7 三第二一号
 8 三第二二号
 9 三第二三号
 10 三第二四号
 11 三第二五号
 12 三第二六号
 13 三第二七号
 14 三第二八号
 15 三第二九号
 16 三第三〇号
 17 三第三一号
 18 三第三二号
 19 三第三三号
 20 三第三四号
 21 三第三五号
 22 三第三六号
 23 三第三七号
 24 三第三八号
 25 三第三九号
 26 三第四〇号
 27 三第四一号
  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
 28 三第七七号
 29 三第七八号
 30 三第七九号
 31 三第八〇号
 32 三第八一号
 33 三第八二号
 34 三第八三号
 35 三第八四号
 36 三第八五号
 37 三第八六号
 38 三第八七号
 39 三第八八号
 40 三第八九号
 41 三第九〇号
 42 三第九一号
 43 三第九二号
 44 三第九三号
 45 三第九四号
 46 三第九五号
 47 三第九六号
 48 三第九七号
 49 三第九八号
 50 三第九九号
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和四年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十六号議案及び第十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○吉住委員 東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された令和四年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和四年度予算案は、コロナの感染拡大防止、ワクチン接種の促進と都民生活、都内経済との両立を図るとともに、東京の発展に向けて、東京二〇二〇大会のレガシーをスポーツ振興、文化振興につなげ、災害対策、少子高齢化対策、子供、子育て支援、環境対策やデジタル化推進といった様々な課題に対応していくための予算です。
 こうした多岐にわたる課題に対応するため、令和四年度の一般会計予算は、税収増を背景に過去最大となっていますが、景気下振れの懸念など都財政の先行きは不透明であり、引き続き、中長期的視点をもって財政の持続可能性を維持していくことが求められています。
 そして、コロナ感染の再拡大への懸念が拭えない中、ロシアの侵攻を契機とするウクライナ危機への対応も含め、今後、緊急対応が必要な事態が発生することも予想されます。計画的な事業執行に努めるとともに、状況変化への柔軟な対応も必要です。
 コロナの感染状況の動向など、東京を取り巻く環境変化に柔軟に対応しつつ、東京都が直面する様々な行政課題に的確に対応するため、都内区市町村ともしっかり連携し、都民が事業効果を実感できる、円滑かつ効率的な事業執行に取り組んでいくことを求めておきます。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、財務局関係について申し上げます。
 一、新型コロナウイルス感染症対策については、刻々と変化する状況を捉え、国や区市町村とも連携して、あらゆる財政支援も含め、真に効果的な対策を展開されたい。
 一、世界で一番の都市東京の実現に向け、将来にわたり東京がその使命を確実に果たしていけるよう、持続可能な財政基盤の堅持に努められたい。
 一、経済の力強い成長を実現するため、都民や中小企業ができる限り早期に予算の効果を享受できるよう、円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、入札契約制度については、公共工事における品質を確保するとともに、建設業の働き方改革が進められている中、工事の平準化などを通じ、将来の担い手確保に資するよう、都民生活を持続的に支えていく礎となる制度を構築されたい。
 一、全庁的な観点から、土地建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を確保するとともに、質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、コロナ感染症対策をはじめ、災害対策など都民の命と安全を守る施策の充実強化、東京の発展と社会活動を支える都市基盤整備、デジタル化や環境問題への対応など、東京が抱える様々な課題の解決につながる施策を支えるため、歳入所管局として、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、地方自治体の事務と権限に見合うものとなるよう、総体としての地方税財源の拡充を国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制の在り方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、公金管理においては、経済金融環境の厳しさが世界的に継続する中、リスク管理をより一層強化し、引き続き公金の安全性を最優先にして取り組まれたい。
 一、新公会計制度について、円滑な運用により行政運営の効率化を推進されたい。また、都方式を採用する都内自治体に対する支援とともに、総務省の要請により新公会計制度を導入した都内自治体に対しても着実な支援を進められたい。
 一、都と事業者、双方の効率化に資する契約、支出関連事務のデジタル化を、関係局と連携し、適切に推進されたい。
 今後の東京の発展を支えていくためにも、財政基盤の強化は不可欠です。
 コロナの影響が続く中、事業の優先度を厳しく選別し、予算の執行に努めることを求め、意見の開陳を終わります。

○森口委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和四年度予算は、長期化するコロナ禍において、都民の命と暮らしを守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えた予算として、ワイズスペンディングを徹底しながらも、めり張りをつけた予算となっています。
 令和四年度予算には、新型コロナウイルス感染症対策、医療体制の充実、経済対策の強化、子育て支援、新しい時代を切り開く人材の育成、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれています。
 都民ファーストの会東京都議団が要望し実現しました出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と、産後ケア支援のデジタル家電への拡大、子供たちの居場所や学びを確保する学童クラブやフリースクール等への新たな支援や塾代支援の対象拡大、介護人材の処遇改善や介護宿舎借り上げの補助拡充、町会、自治会による防災グッズ配布など地域防災の強化、デジタル人材を年間一万人確保、育成する東京版ニューディールの強化等に対応する予算が計上されました。
 東京二〇二〇大会のレガシーを踏まえ、サステーナブルリカバリーやデジタルによる構造改革など、東京の未来を示し、東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効率的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず、財務局関係について申し上げます。
 都財政に甚大な影響を及ぼす、いわゆる偏在是正措置の撤廃に向け、国に対し強く働きかけるとともに、都民にもこの事実をしっかり伝え、理解を得ること。
 政策評価、事業評価におけるワイズスペンディングの徹底に努めること。
 都債の活用に当たっては、人口減少社会を迎える中で、将来世代への負担に配慮すること。
 都民による事業提案制度は、予算編成プロセスに参加する有効な機会であり、都としても、行政にない発想を取り入れる貴重な機会でもあるため、効果的な周知とともに、参加しやすい制度へと常に改善充実を図っていくこと。
 公共調達に関しては、競争性、公平性、透明性を確保した上で、技術革新の促進、中小企業育成、女性活躍、就業支援、事業者の働き方改革といった政策誘導効果を発揮すること。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 税収確保と納税の公平性の確保のため、個々の納税者の状況に配慮をし、多様な徴収対策により都税収入の確保に努めること。
 気候危機、税務行政のDX推進など、国内外の情勢を踏まえた今後の税制の在り方については、引き続き東京都税制調査会を活用し、検討を重ねること。
 都民サービスの向上、行政コストの削減につながるよう、税務の現場におけるICTの活用、税務行政のデジタル化に努めること。また、費用や期間に留意をしながら次期税務基幹システムの構築を進めること。デジタルになじみにくい層に対しても丁寧な窓口業務を維持し、納税者の信頼確保に努めること。
 コロナ禍における経済状況を踏まえ、申告納付期限の延長の措置を必要に応じて検討していくこと。また、滞納、未納に関する事業者からの相談には、猶予制度を適切に案内するなど丁寧な対応に努めること。
 続きまして、会計管理局関係について申し上げます。
 新公会計制度については、都内自治体に対して、先行自治体の活用事例も含め、ノウハウの共有を行うとともに、連携の強化を図ること。
 公金管理については、安全性の確保を最優先に図りながら流動性を担保し、効果的な運用に努め、適切な管理を図ること。
 都政のQOSを向上させ、都民や事業者のQOLを高める契約、支出関連事務のデジタル化を、関係各局と協力し推進すること。
 以上、都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。

○たかく委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和四年度一般会計予算案は、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、安全・安心な東京の実現、サステーナブルリカバリーで世界をリードする東京への進化、あらゆる面で段差のない共生社会の形成など、希望ある未来を切り開いていくための様々な取組を事業化しております。
 具体的には、高校生等医療費の助成や重粒子線治療施設導入に向けた調査、高校段階における一人一台端末の整備、新たな調節池の整備、ホームドアの整備促進、東京都同性パートナーシップ制度の導入など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれたことについては、高く評価するものであります。
 また、政策評価と事業評価を一体的に実施し、より成果重視の視点などから評価制度のさらなる充実を図るとともに、事業評価では一千三百六十八件の見直し、再構築、一千百十七億円の財源確保へとつなげています。
 基金については、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二で掲げる政策を着実に進めるための財源として戦略的に活用するとともに、税収増を活用し都債の発行抑制を図るなど、中長期を見据え、財政対応力の堅持にも努めています。
 しかし、基金残高は、コロナとの闘いに突入した令和元年度の半分以下の水準であり、コロナ禍での基金活用の実績を踏まえれば、現状では、財政面の備えが弱いといわざるを得ません。加えて、緊迫する国際情勢に伴う社会経済への様々な影響も懸念されます。
 引き続き、コロナ禍への万全の対策を講じることはもとより、目まぐるしく変わる社会経済情勢をしっかりと見極め、時機を逸することなく対策を講じることができるよう、基金残高の確保も含め、戦略的な財政運営を行うべきことを強く求めておきます。
 あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や、迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、財務局関係について。
 一、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、誰一人取り残すことのない持続可能な都市へと進化するサステーナブルリカバリーを実現するための施策を積極的に展開すること。また、評価制度のさらなるブラッシュアップを図り、より一層、実効性と効率性の高い施策の構築へつなげていくこと。
 一、基金については、一層の残高確保に努めるとともに、東京が抱える様々な課題解決に向けた施策展開を支える貴重な財源として、税収動向を勘案しながら戦略的に活用していくこと。また、都債については、将来の負担を見据えた上で、ESG債の発行拡大を含め、計画的な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、職員の意識改革を一層推進するとともに、将来の財政負担なども踏まえた中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、感染状況を見極めつつ、景気や国の動向も注視しながら、令和四年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、技術者不足など、都内の中小企業が抱える課題に適切に対応するため、引き続き、受注機会の拡大など中小企業の入札参加への促進を図ること。
 一、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用を図ること。
 一、品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など入札契約制度の活用により、公共工事だけではなく、業務委託においても、品質確保と中長期的な担い手の育成、確保を図ること。
 一、災害時などに即時に活用可能な未利用都有地を効率的、効果的に利活用すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。整備に当たっては、技術革新の動向に十分注視し、省エネ・再エネ東京仕様を適宜見直し、環境負荷の少ない都市の実現に向けた取組を一層進めること。また、高齢化を考慮し、床の滑り防止対策を進めること。
 次に、主税局関係について。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生防止に努めるとともに、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、地方の役割と権限に見合う財源が不足する現状においては、総体としての地方税財源の拡充を国に強く働きかけること。
 一、スマートフォン決済アプリを活用した納税手段の拡充などによりキャッシュレス納税を推進し、納税者の利便性向上をより一層図ること。
 一、固定資産税及び都市計画税における条例減額制度を継続するなど、商業地等における過重な税負担の緩和に努めること。
 最後に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、都が全国に先駆けて導入した新たな公会計制度について、引き続き、国や他自治体との連携による情報共有、発信に努めるとともに、その成果を都の政策形成に生かせるよう、さらなる制度の活用促進に積極的に取り組むこと。
 一、公金管理に当たっては、国内外で厳しさが続く経済金融環境を的確に踏まえた上で、引き続き安全性の確保を最重要視し、万全を期すこと。
 一、契約、支出関連事務のデジタル化について、全ての都民、事業者の利便性の向上に資するよう、関係各局とも連携し、適切に実施すること。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○池川委員 日本共産党都議団を代表して、財政委員会に付託された二〇二二年度予算案に対する意見を述べます。
 新型コロナ危機から都民の命と暮らしを守るために、東京都の財政力を発揮することが必要です。特に、貧しい者はさらに貧しく、富める者はさらに豊かにという東京と日本社会の大問題を解決するために、貧困と格差を正すための予算にすることが重要です。
 都民の命を守るという点では、都立病院、公社病院を、コスト削減などを目的に、都が直接責任を放棄して、独立行政法人化をしようとしていることは重大です。コロナ禍の下で重大な不都合はなかったことは明らかです。
 今、求められているのは、不採算であっても都民に必要な医療を提供している感染症医療をはじめ、小児医療、周産期医療、障害者医療、難病、災害医療などの充実であり、独法化は中止すべきです。
 都営住宅の新規建設は二十三年連続ゼロ、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の整備費は四年連続大幅削減、認可保育園の整備支援の予算は半減となっています。
 一方で、国際競争力を口実にした臨海部、築地市場跡地、有楽町周辺、日本橋、渋谷、青山などの大規模開発予算が四割増。陥没事故が大問題になっている外環道、住民の反対が強い特定整備路線などの大型幹線道路建設予算は、今年度より増え、約一千億円に膨らんでいます。IR、カジノ誘致検討予算は九年連続計上され、大型旅客機の都心上空低空飛行を固定化、拡大する羽田空港機能強化の調査も予算に入っています。
 同時に、十八歳までの医療費助成制度の準備経費、ヤングケアラー支援、東京都こども基本条例に基づく子供の意見表明や権利擁護の促進、多摩地域への新たな都立児童相談所の設置に向けた調査、保健所の公衆衛生医師確保、三十五人学級の小学三年生までの拡大、パートナーシップ制度、ワンストップ支援センターの強化、気候危機対策予算の大幅増など貴重な前進もあります。より一層、都民の暮らし、福祉の予算の充実を求めるものです。
 各局事業について申し上げます。
 財務局です。
 新型コロナウイルス感染症対策の影響から暮らしや営業を守るために、国の対策も踏まえながら、都として独自対策を行うなど、機動的で迅速な対応を取ること。特に、税収増の分については、貧困と格差を正すために振り向けること。
 道路、橋梁など都市のインフラ整備の投資的経費について、新規、とりわけ不要不急の大規模事業は最大限抑制して、耐震強化、維持管理重視に転換すること。そのための都市インフラの維持更新計画を改善すること。
 コロナ禍で深刻になっている中小企業、小規模企業への支援と育成にこれまで以上に取り組むこと。
 建設業の担い手不足の解消に向けて、賃金引上げの処遇改善策が労働者まで行き届くように徹底するよう、都として力を尽くすこと。
 都発注の工事等について、年間を通して平準化されるよう、さらなる改善を行うこと。また、都内事業者に仕事が回るように努めること。
 公契約条例について、都として条例制定の検討を始めること。
 障害者就労支援施設からの優先調達を全庁的にさらに進めるために、分離分割発注など、各局と連携して取り組むこと。
 国有地を積極的に取得し、都有地として、保育や介護、福祉施設等に提供すること。都有地の提供価格をさらに引き下げること。
 神宮前五丁目地区のまちづくりは、四敷地一体活用ありきではなく、都民の意見を聞いてつくってきた都民の城改修基本計画を進め、都民の城を継続的に使うこと。
 都有施設の維持更新に当たっては、ZEBを目指して徹底した省エネと再エネの拡大を行うこと。
 省エネ、再エネを進めるために、財務局として各局に対して技術的支援を行うとともに、職員の育成を行うこと。
 都有施設におけるユニバーサルフリーの取組をさらに推進すること。特に、都庁舎における視覚障害者への対応を改善すること。聞こえのバリアフリーについて、利用者の視点も踏まえ、さらなる改善に取り組むこと。
 各局と連携して、都有施設における再生可能エネルギーの導入をさらに進めること。
 次に、主税局関係です。
 新型コロナの影響を軽減する税制面からの支援をさらに行うこと。都民生活における所得格差の実態について調査、分析を行うこと。
 都税の徴収に当たっては、生活が困窮することが明白な預金口座の差押えを行わないこと。区市町村と連携して生活再建型の滞納整理を進めること。
 徴収猶予となっている方々に対して、事情を踏まえて、より一層丁寧な対応を行うこと。その際、積極的な滞納整理を行い、生活再建に結びつくよう支援すること。
 税務基幹システムは、セキュリティの確保をしっかりと行うとともに、更新に係る費用については、多面的な角度から検討を行うチェック体制を構築すること。また、都民や職員の意見を聞く機会を確保すること。
 民有地を活用した高齢者施設、障害者施設整備についても、保育所等の整備同様に固定資産税の減免を行うこと。
 都市農業の振興のために、農業用倉庫や屋敷林等について、固定資産税等の減免制度をつくり、都市農地の保全を図ること。
 気候危機への対応など、税制面からの支援についてさらに検討すること。
 米軍関係者が所有する車両への自動車税の特権的な優遇措置を廃止するよう、政府と米軍に求めること。
 消費税増税と新型コロナウイルスによる大幅な消費の落ち込みに苦しむ都民生活や地域経済を守る立場から、消費税の引下げを国に求めること。
 次に、会計管理局関係です。
 公金管理について、安定的な運用を行うこと。
 指定金融機関については、みずほ銀行のシステム障害問題に対して、都として厳しい対応を取ること。また、ゼロエミッションなど都が重視して行う施策や事業について、指定金融機関の取組をチェックすること。
 最後に、収用委員会関係です。
 特定整備路線の用地取得の裁決申請に当たっては、本来は任意の買取りが大原則であることを踏まえ、裁決処理は慎重に対応すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○五十嵐委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和四年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 ロシアによるウクライナへの武力攻撃は暴挙であり、断じて容認できません。
 国内では、原油などのエネルギー価格の上昇、小麦などの穀物価格の上昇、円安に伴う輸入品の高騰など、都民生活に大きな影響が出ており、事業者や都民に手厚く支援することを求めるものです。
 四年度予算案では、コロナ対策経費のうち、医療供給体制の強化充実などに係る経費はおおむね三か月分を計上し、それ以降は、感染状況に応じ、補正予算等を措置するとしております。
 都の新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと検証し、都民の納得が得られる公正で効果的な対策を迅速に講じることを改めて強く求めます。
 私たちは、増えた税収が弱い立場にある人々に十分に振り向けられているかとの観点から質疑を積み重ねてきました。
 仕事を失った方や苦境にある事業者への支援、女性の貧困等、コロナ禍で浮き彫りになった課題に積極的に取り組んでいただくよう求めます。
 また、学校給食の無償化や家賃補助の拡充、賃上げ機運の醸成などへの取組も強く要望いたします。
 また、私たちも要望してきた子供政策の専門組織である子供政策連携室では、都庁内の連携のみにとどまらず、子育て世帯への継続的な支援策の拡充など、抜本的な政策の強化にも取り組むよう求めます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まず、財務局関係について申し上げます。
 社会経済情勢が不透明な中でも、新型コロナ感染症対策等に適時適切に対応していくため、基金の在り方について検討するなど、引き続き財政対応力確保に取り組むこと。
 最小のコストで最大の効果を上げる観点から、事業の効果測定、実効性の担保に取り組むこと。
 ESG債の発行に当たっては、公共性が高く社会的に支援を必要とする方に向けた事業を選定して充当し、その情報公開を積極的に行うことで都債への信頼感を醸成すること。
 土地信託については、今後の出口戦略を検討する専門家チームを設置し、しっかりと利活用を図るべく取り組むこと。
 主要施設十か年維持更新計画による都有施設の更新については、維持管理費、改修費等のトータルコストを考慮すること。また、適切な改修、改築により長寿命化を図るなど、長期間使える施設を整備すること。
 財政収支の長期推計については、コロナ禍における大幅な財政出動や今後の厳しい税収見通しなどを踏まえ、厳しいシナリオでの推計も行い、十分な備えをすること。
 東京都予算の全てをジェンダー平等の視点から総点検するジェンダー予算への取組を推進すること。
 入札契約制度改革は、都民に信頼され、還元できる制度を構築すること。また、官製ワーキングプアをなくすとともに、公共サービスの質向上を図る観点から公契約条例の制定に取り組むこと。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 コロナ禍、ウクライナ危機による原油、原料価格等の高騰により、厳しい状況にある都民、事業者に対しての徴収緩和制度の適用について丁寧に対応すること。
 税基幹システムの再構築については、コストダウンや省力化につながるよう取り組むこと。また、個人情報の徹底した保護に取り組むこと。
 太陽光パネル付きゼロエミ住宅導入促進税制の導入に当たっては、日照条件等の立地によって著しく不利にならないよう、断熱、省エネ性能による減免も行うこと。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 都の公金管理については、安全性の確保を最優先とするとともに、今後とも、紛争当事国の金融機関等での運用は行わないこと。また、預金先金融機関の経営状況等を適時適切に把握し、突発的なリスクにも適切な対応をできるよう取り組むこと。
 財務諸表については、精度向上に加えて、予算編成、各局事業の見直しや費用対効果検証などへのより一層の活用が図られるよう積極的に取り組むこと。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○山加委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○山加委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十七号議案から第五十号議案まで及び第九十六号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○米倉委員 都立病院、公社病院の地方独立行政法人化に関わり、財政委員会に、公営企業の中から病院事業を廃止する地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例など二つの条例が付託されています。
 第四十八号議案は、都において、地方公営企業法の規定が適用される事業を定めている条例から、都立病院の独法化に伴い、病院事業、住民の需要に応じて近代的医療の給付を行うとともに公共医療活動を行うという条文を削除するという内容です。
 都条例に、東京都から直営の病院を持つ意味が条文に盛り込まれている大事な内容にも関わらず、今回の条例改正についての提案理由は、病院事業を廃止する必要があるということで、とんでもないことです。
 コロナを経験し、都立病院、公社病院が担う行政的医療が都民の命を守るかけがえのない役割を担っているということは、全国約二千三百の病院のうちコロナ確保病床数のトップ一位から十一位までを都立病院、そして公社病院が占めている、こういう状況の中で、コロナ対応で、独法化しなければならないことは、そういう問題がないということは明白です。
 また、日頃から、都立、公社病院は、都民や地域の医療ニーズに応えてきました。私の地元豊島区にも都立大塚病院がありますが、住民にとっても、また、地域のお医者さん、医療機関にとってもなくてはならない病院です。地域の医師からは、板橋区にある健康長寿医療センターが独法化されたときのように、ベテランの看護師がたくさんいなくなってしまうのではないか、医療の質について心配の声が寄せられています。
 豊島区などの住民が立ち上げた大塚病院の存続を求める会は、独法化の問題が起きて以降、地域や病院の近くで署名や宣伝行動に取り組み続けてきました。次々と署名が寄せられるという状況です。中には、末期がんで大塚病院に入院しているお父さんが署名を集めていることを聞いて、お見舞いにたまたま来た家族に自分の分を含めて家族で署名してきてほしいと頼まれて、お母さんと息子さんが、病院を守ってほしいと、その署名をしに来られるということもありました。まさに命のとりでです。
 小池知事は、丁寧な説明をすると繰り返し述べてきましたが、今定例会には、関係する議案を七つも出しておきながら、施政方針表明では一言も触れず、代表質問でも、予算特別委員会の質問でも、質問してもほとんど答弁に立たない、説明を拒否し続けてきました。こうした態度が許されないということは厳しく指摘するものです。
 今定例会での我が党の質問を通し、行政的医療が今後も存続する保証はないということも明らかになりました。
 東京都は、独法化の目的は、行政的医療の提供などの役割を将来にわたって果たすことと繰り返しましたが、独法化した後に統廃合は行わないと述べることはできませんでした。都が、独法化しても大丈夫ですと繰り返す説明には、根拠がないどころか、極めて意図的に、独法化による医療後退の危険性をごまかして、そして、都民を欺いているということも許されないことです。
 今定例会で、手続の違法性も明らかになりました。都は、病院経営本部が設置した都立病院経営委員会の提言を受けて独法化を本格的に進めてきました。ところが、予算特別委員会での白石都議の質疑を通し、そもそも都立病院経営委員会は、法的根拠を持った附属機関ではないため、東京都が都の重要施策について意見をまとめてほしいと求めたり、また、その求めに経営委員会が応えることはできないと地方自治法では定められている。つまり、経営委員会は、自治法違反の会議体であることがはっきりしました。
 この法律がなぜこのように定めているかといいますと、一部の専門家などによる恣意的な行政への介入を防ぐということのためです。法律や条例による設置根拠を持たない組織、会議体が機関意思の表明をすると自治法違反になり、既に裁判の判例も幾つも確定をしています。手続の違法性も明白で、都がこのまま独法化を進めることは何重にも許されません。
 既に、この問題に関わっては、都や議会に対する独法化中止を求める署名は三十五万筆を超えています。今定例会中には、都庁前に、何度も都民の皆さんが集まり抗議行動が行われています。真剣に東京の医療体制の後退をさせないために声を上げていらっしゃいます。都は今こそ、こうした都民の声を真剣に受け止めるべきです。
 よって、独法化に関わるこの第四十七号議案及び第四十八号議案は、到底賛成できるものではなく、手続の経過からすれば本来知事が撤回すべき内容です。都は、独法化について計画を白紙撤回することを厳しく求め、議案は反対という立場を申し上げ、意見とします。

○山加委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第四十八号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第四十八号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十七号議案及び第九十六号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第四十七号議案及び第九十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十九号議案及び第五十号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、第四十九号議案及び第五十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○山加委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(27)までの請願三第一五号外二十六件の同内容の請願及び整理番号(28)から(50)までの陳情三第七七号外二十二件の同内容の陳情は、いずれも趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(27)までの請願三第一五号外二十六件の同内容の請願及び整理番号(28)から(50)までの陳情三第七七号外二十二件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○山加委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山加委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、吉村財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○吉村財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただきました。
 令和四年度予算案の調査や東京都都税条例の一部を改正する条例案等につきまして、委員長をはじめ委員の皆様に、様々な視点から熱心にご審議をいただき、ありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

○山加委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後一時四十二分散会

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