財政委員会速記録第十七号

令和三年十二月十日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長森口つかさ君
副委員長池川 友一君
理事伊藤しょうこう君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
吉住はるお君
たかく則男君
米川大二郎君
五十嵐えり君
三宅 正彦君
長橋 桂一君
石川 良一君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長吉村 憲彦君
理事主計部長事務取扱山田 忠輝君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務古川 浩二君
財産運用部長五十嵐 律君
建築保全部長渡辺 正信君
会計管理局局長堤  雅史君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
警察・消防出納部長磯貝  宏君
会計企画担当部長筒井 宏守君

本日の会議に付した事件
決議について
会計管理局関係
報告事項(質疑)
・令和三年度公金管理実績(上半期)について
財務局関係
付託議案の審査
・第二百二十六号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、予算総則、歳入(説明・質疑)
・第二百十号議案 都立光明学園(三)南棟改築工事請負契約(質疑)
・第二百十一号議案 都営住宅三H-一〇九東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約(質疑)
・第二百十二号議案 都営住宅三H-一一二西(多摩市諏訪四丁目)工事請負契約(質疑)
・第二百十三号議案 都営住宅三H-一〇七西(世田谷区下馬二丁目)工事請負契約(質疑)
・第二百十四号議案 都営住宅三M-一〇一西及び三CM-一〇一西(杉並区天沼二丁目・杉並区施設)工事請負契約(質疑)
・第二百十五号議案 東京都しごとセンター(三)改修給水衛生設備工事その二請負契約(質疑)
・第二百十六号議案 志茂立体(仮称)(三)擁壁築造工事請負契約(質疑)
・第二百十七号議案 街路築造工事(三 一整-補三百十四ほか四路線晴海)請負契約(質疑)
・第二百十八号議案 当せん金付証票の発売について(質疑)

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山加委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び会計管理局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第二百十号議案から第二百十七号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 報告事項、令和三年度公金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○米川委員 それでは、令和三年度公金管理実績(上半期)について伺ってまいります。
 平均残高六兆七百一億円と巨額ではありますが、〇・〇三一%と低利回りのため、運用収入は九億四千八百四十万円と低い額となっております。
 令和二年度と同じような状況でしたが、公金管理の運用上、どのような点に注意しているのか、また、運用の苦労、困難はどのようなものがあるのかを伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公金管理につきましては、東京都公金管理ポリシーに基づきまして、安全性を最重要視し、流動性を十分に確保した上で、預金と債券を中心として、柔軟かつ効率的な保管、運用を行っております。
 こうした中におきまして、平成二十八年二月の日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、金融機関の預金獲得ニーズが低下し、預金受入れ先が限定されますとともに、提示される金利も極めて低い水準にとどまっております。
 さらに、相対的に利回りの高い基金の残高が減少していることに加え、コロナ禍における突発的な支出に備えるため、歳計現金等において運用可能資金が減少し、運用期間が短縮化していることも利回り低下及び運用収入減少の要因となっております。
 そのような厳しい環境の中、都では、金融機関に対しまして、受入れ可能な金額や期間についてきめ細かに調整を行うなど様々な工夫に取り組むことによりまして、安全性と効率性の両立を図っております。

○米川委員 運用に当たっては、運用先も限られる中、様々な工夫をしながら取り組んでいることが分かりました。しかし、現在の金融情勢では、都に選択の余地が限られていることは十分に理解できますが、一方で、巨額の公金の運用先がどこでもよいというわけにはいかないと考えております。
 近年、世界が持続可能な社会の構築に向けてかじを切る中、世界的に脱炭素社会の実現に向けた取組が進んでおり、金融機関にとってもESGへの対応は経営上の重要な課題となっております。
 また、東京都はゼロエミッション東京の実現を目指すことを宣言し、二〇一九年十二月、ゼロエミッション東京戦略を策定し、知事による気候危機行動宣言を行っております。
 このような大きな流れを受け、将来的には、金融機関のESGに関する取組状況を踏まえ、例えば、ダイベストメントという観点で金融機関を選定することも必要となる時期も来るのではないでしょうか。
 そこで、今後、都は、公金管理に当たりESGの視点も必要になってくるのではないかと考えますが伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 脱炭素社会への取組につきましては、都におきましても、未来の東京戦略などにおいてその推進姿勢を明確にし、持続可能な社会を目指しております。
 金融機関におきましても、経営上の課題となっているESGへの対応につきましては、将来の収益性等にも影響する重要な要素であるとの考え方が浸透しております。
 こうした状況も踏まえまして、公金管理においては、預金等の安全性確保のために行っている金融機関評価など、リスク管理の視点からもESGの取扱いについて検討の必要性を認識しております。
 一方、現在は、様々な機関におきまして、ESGの取組状況と業績の関連性に係る実証分析やESGの取組を評価する指標の整備などが進められている途上であることから、引き続き、こうした動向を注視してまいります。

○米川委員 今後、会計管理局も自らの業務分野において主体的に脱炭素社会の実現に向け積極的に取り組むことを期待しまして、質疑を終わります。

○中村委員 それでは、令和三年度公金管理実績(上半期)について質問します。
 令和三年度上半期の公金管理実績における金融機関種別預金の内訳では、期中の預金平均残高四兆九千八十四億円のうち都市銀行が三兆三千三十億円となっており、全体の六割以上を占めています。
 個別の金融機関ごとの残高については明らかになっていませんが、都の指定金融機関であるみずほ銀行はメガバンクであり、相応の額が運用されているのではないかと推測するところです。
 そのみずほ銀行ですが、今年二月末以降、度々システム障害を発生させており、先日、担当官庁である金融庁から、経営責任の明確化を求める業務改善命令が出され、親会社であるみずほフィナンシャルグループの社長をはじめとした経営陣の退任について大きく報道がなされました。
 大手都市銀行であり、指定金融機関でもあるみずほ銀行の不祥事に対する都の考え方と対応を確認することは重要であると考えます。
 そこでまず、みずほ銀行による一連のシステム障害について、都の認識について伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 みずほ銀行でございますけれども、多くの都民が利用するメガバンクであるとともに、都の指定金融機関として公金を管理する立場にありますが、令和三年二月から九月にかけまして、計八回のシステム障害を発生させたところでございまして、ATMにおける通帳、キャッシュカードの取り込みや外為取引の処理遅延等を引き起こしております。
 こうした今般の一連のシステム障害により、都の公金収納、支払いには直接の影響はなかったものの、都民、事業者に不都合を生じさせたことにつきましては、都といたしまして、誠に遺憾であると認識しております。

○中村委員 一連のシステム障害により公金に直接の影響がなかったことは不幸中の幸いともいえます。しかし、仮にシステム障害で支払いに遅れが生じれば、ぎりぎりの資金繰りを行う企業にとっては、決済が遅れ、多大な影響が出ていたかもしれません。さらには、下請への支払いや従業員への給料の支払いにも影響が出れば、都民生活にも大きく影響が出る大問題になった可能性も否定できません。
 金融庁は、日本の決済システムに対する信頼を損ねたとして、先ほども触れたように、みずほ銀行に対して業務改善命令を出しています。
 そこで、みずほ銀行に対する都の対応を伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 金融庁は、銀行法第二十六条に基づきまして、十一月二十六日に業務改善命令を行いましたが、都は、行政処分があった当日に、その内容につきまして、みずほ銀行から直接報告を受けた上で、再発防止等の申入れを行ったところでございます。
 具体的には、指定金融機関業務に遺漏がないように行内の組織間連携に万全を期するとともに、システム等に係る改善策の進捗状況につきまして、定期報告することを文書にて求めました。
 引き続き、日々の業務や定期報告の機会を捉えまして、みずほ銀行の状況を的確に把握するとともに、都民の信頼を一日も早く回復するよう要求してまいります。

○中村委員 都が、みずほ銀行の一連のシステム障害に適切に対応することは分かりました。
 都の指定金融機関は、都の膨大な公金の収納、支払いを取り扱うための事務処理能力、多額な公金の取扱いに対応できる経営規模、財務の健全性などが必要です。
 みずほ銀行に対しては、公金管理と指定金融機関業務の両面を担っていることを改めて自覚していただき、今回のようなトラブルを二度と引き起こさないよう、常に緊張感を持って業務に当たるよう、都がしっかりと指導していただくことを求めて、私からの質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○山加委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、予算総則、歳入及び第二百十号議案から第二百十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案のうち、追加提出されました第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、予算総則、歳入について理事者の説明を求めます。

○山田理事 それでは、追加提案いたしました令和三年第四回定例会補正予算案についてご説明申し上げます。
 資料第1号をご覧願います。
 まず、1の補正予算編成の考え方でございますが、新型コロナウイルス感染症対策として、第六波に備えた医療提供体制の確保等や都民生活の支援のさらなる充実、東京の経済を再生、回復の軌道に乗せるための取組などの実施に加え、原油価格高騰に対する事業者への緊急支援を実施するとともに、脱炭素化の契機と捉え、来年度予算に先駆けて取組を強化するため、予算措置を行うものでございます。
 2の財政規模でございますが、補正予算の規模は、一般会計で一千四十七億円でございます。
 補正予算の財源でございますが、内訳といたしましては、国庫支出金が七百四十億円、財政調整基金繰入金が二百八十二億円、地域医療総合確保基金繰入金が〇・三億円、諸収入が二十四億円となってございます。
 一ページおめくりいただき、二ページをお開きください。今回の補正事項の一覧でございます。
 まず、上段のローマ数字Ⅰ、新型コロナウイルス感染症対策には九百八十九億円を計上しております。
 このうち、1、新型コロナウイルス感染再拡大を阻止する対策には四百四十三億円を計上しております。
 中段の2、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実には十九億円を計上しております。
 三ページをご覧ください。
 上段の3、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組には五百二十七億円を計上しております。
 中段のローマ数字Ⅱ、原油価格高騰への対応には五十八億円を計上しております。
 このうち、1、事業者支援に係る取組には〇・七億円を、2、脱炭素化に資する取組には五十七億円を計上しております。
 一ページおめくりいただき、四ページをご覧ください。ここからが補正予算の具体的な内容でございます。
 まず、ローマ数字Ⅰ、新型コロナウイルス感染症対策の1、新型コロナウイルスの感染再拡大を阻止する対策でございます。
 医療提供体制等の強化充実に二百七十六億円を計上しております。
 地区医師会等が設置する地域外来・検査センターの運営に係る経費の支援について、感染拡大時等に検査体制を強化した場合に加算を実施いたします。
 また、軽症等の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるホテル等の宿泊施設について、受入れ可能規模をさらに拡大いたします。
 五ページ中段をご覧ください。保健所のデジタル化の推進といたしまして、デジタルを活用した業務の効率化を図るとともに、自宅療養者の健康観察等において、ウエアラブル端末の活用を先行実施いたします。
 一ページおめくりいただきまして、六ページ下段をご覧ください。
 感染の終息に向けた取組に百六十六億円を計上しております。
 大規模接種会場において、医療従事者等に対する三回目の追加接種を十二月から開始いたします。
 七ページ上段をご覧ください。2、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実でございます。
 経済活動を支えるセーフティーネットに十五億円を計上しております。
 デジタル求人企業を集めたマッチングイベントを開催し、合同就職面接会や個別相談会等を実施するなど、デジタル分野への人材シフトを強力に展開いたします。
 一ページおめくりいただき、八ページをご覧ください。
 都民生活を支えるセーフティーネットに四億円を計上しております。
 年末年始において、支援を必要とする女性が孤立することのないよう、東京ウィメンズプラザで女性に対する電話相談を実施いたします。
 また、住居喪失者等に対しまして、年末年始に一時的な宿泊場所を提供するとともに、支援情報を今まで届かなかった層にも届けられるように取り組んでまいります。
 一ページおめくりいただきまして、一〇ページ中段をご覧ください。3、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組でございます。
 健康上の理由等によりましてワクチン接種ができない方の検査を無料化するとともに、感染拡大の傾向が見られる場合において幅広く感染不安などの理由により受検した検査を無料化いたします。
 また、感染防止対策を徹底しながら、観光産業の回復を図るとともに、東京観光への都民ニーズに応えるため、国のGo Toトラベル事業とも連携し、旅行商品への定額の支援を実施いたします。
 一ページおめくりいただきまして、一二ページをご覧ください。ローマ数字Ⅱ、原油価格高騰への対応でございます。
 1、事業者支援に係る取組に〇・七億円を計上しております。
 原油価格高騰により事業活動に影響を受けている中小企業者等を支援するため、中小企業制度融資の信用保証料補助を拡充いたします。
 下段の2、脱炭素化に資する取組には五十七億円を計上しております。
 環境性能の高いユニバーサルデザインタクシーの導入支援について、中小規模事業者が導入する場合の補助額を拡充いたします。
 一三ページの下段をご覧ください。
 東京ゼロエミ住宅の認証を受けました都内の新築住宅の建設及び当該住宅への太陽光発電設備の設置について、一層の導入促進を図るため、支援対象件数を拡充いたします。
 補正予算の内容は以上でございます。
 次ページ以降でございますが、こちらには局別総括表及び補正予算案の議案を添付してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 私からは、議会局及び財務局所管の令和三年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和三年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和三年度一般会計補正予算議会局・財務局総括表でございます。
 今回の補正は財務局分のみでございまして、表中の補正予算額欄の下から三段目にございますとおり、特定財源を七百三億三千百万円余計上してございます。
 次に、二ページをお開き願います。今回の補正予算事業別説明でございます。
 番号1、特定財源充当歳入は、財務局が所管する歳入のうち、他局の特定事業に充当する歳入で、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を四百二十一億八百万円余計上しております。
 次に、三ページをご覧ください。
 番号2、一般歳入は、今回の補正予算の各局事業の財源として、財政調整基金からの繰入金を二百八十二億二千三百万円余計上してございます。
 次に、四ページをお開き願います。財務局合計でございます。
 今回の補正により、歳入予算は、表の右端、下から三段目の特定財源計欄にございますとおり、既定予算額と合わせまして、三兆六千七百五十六億八千九百万円余となります。
 なお、歳出予算は変わらず、表の右端、上から五段目の歳出計欄にございますとおり、五千八百四十八億五千八百万円余でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山加委員長 説明は終わりました。
 その他の議案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉住委員 私は、第二百十八号議案、当せん金付証票の発売、いわゆる宝くじについてお尋ねします。
 宝くじは、昭和二十年の発売開始以来、長年庶民の夢として親しまれており、誰もが安心して楽しめる身近な娯楽の一つとなっています。
 この宝くじは、当せん金付証票法により、地方財政資金の調達に資することを目的に、四十七都道府県と二十指定都市、つまり、地方自治体のみが発売することができることになっており、東京都においても、厳しい財政状況の中、宝くじ収益金は都民サービスを充実させることに大きく貢献する大変貴重な財源の一つとなっています。
 そこでまず、東京都における近年の宝くじ販売実績とその分析について伺います。

○山田理事 都における宝くじの販売実績でございますが、平成十三年度の一千八百二十億円をピークに近年減少傾向にございます。令和元年度は一千百四十八億円、令和二年度は一千二十七億円となっております。
 減少の主な要因は、主要購買層の高齢化による購買力の低下や、趣味嗜好が多様化する中、若年層を取り込めていないことが一因と考えられております。
 加えまして、昨年度、今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして人流が減少しているなど、販売環境が厳しい状況にあることも一因となっております。

○吉住委員 都における販売実績は、残念ながら、近年減少傾向にあるということでした。
 一方で、一部の公営競技、例えば、地方競馬においては、インターネット販売の効果などから、近年売上げが回復傾向となっています。
 社会経済情勢が絶えず変化する昨今の状況においては、宝くじにおいても、例えば、インターネット販売の拡充や当せん金引上げなど様々な取組を継続的に行っていくことが必要ではないかと考えます。
 そこで、宝くじの売上げ向上の取組について伺います。

○山田理事 都といたしましても、売上げ向上に向けた取組は極めて重要であると捉えておりまして、顧客利便性向上や商品の魅力向上に継続的に取り組んできたところでございます。
 平成三十年より宝くじ公式サイトでのインターネット販売を本格開始いたしまして、その後も、宝くじ公式アプリを導入するなど、取組の強化を行っております。
 また、当せん金につきましては、発売総額の五割が法律上の上限となっておりますけれども、その範囲内で魅力的な賞金体系の設定に努めているところでございます。例えば、現在発売中の年末ジャンボ宝くじにおきましては、一等前後賞合わせまして十億円の当せん金に加えまして、一万円、五万円の当せん本数を確保するなど、アンケート結果等を踏まえまして、高額当せんの需要にも配慮しつつ、当たり実感を持ってもらう取組も実施しているところでございます。
 引き続き、関係機関と連携しながら、公式サイトアプリの機能強化や、売場におけますキャッシュレス決済の導入などの顧客利便性の向上を図るとともに、賞金体系見直しなど、商品の魅力向上の取組を実施してまいりたいと思っております。

○吉住委員 高額当せん金を求める声と当たりやすさを求める声の双方に配慮しつつ、工夫していることがよく分かりました。
 趣味嗜好が多様化し、さらには社会経済状況が変わりゆく中においては、新たな取組を行わなければ、宝くじ売上げの維持向上は困難であると考えます。ぜひ継続的な取組をお願いしたいと思います。
 最後に、貴重な財源として活用されている宝くじ収益金の具体的な使途について伺います。

○山田理事 宝くじの収益金は、地方財政法の規定によりまして、公共事業のほか、国際化推進や高齢化、少子化等への対応などの事業に充当することが可能となっております。
 また、宝くじの中には、国際交流推進くじ、芸術文化振興くじ、市町村振興くじのように、あらかじめ使途を決めた上で発行しているものもございます。
 都におきましては、その時々の行政課題を踏まえながら具体的な充当事業を決定しておりまして、令和二年度では、公園整備事業のほか、少子化対策事業に重点的に充当しているところでございます。

○吉住委員 宝くじの収益金について、検診車などに使われているのを見たことがございますが、都事業としては、各局の意見も踏まえ収益金の活用先を決めているということで、令和二年度は、少子化対策事業に多く使われたということです。
 宝くじ収益金は、いわば都民の皆様から託された夢でございますので、都民に身近なサービスなど貴重な財源として有効に活用していただくことを要望し、私の質問を終わります。

○米川委員 私は、まず、第二百十八号議案、当せん金付証票の発売について伺います。
 宝くじの収益金は様々な事業に使われる重要な歳入の一つですが、この宝くじ財源の意義について、まず伺います。

○山田理事 宝くじは、当せん金付証票法によりまして、浮動購買力を吸収し、もって地方財政資金の調達に資することを目的に発売するものとされております。
 宝くじの収益金は、地方財政法の規定の範囲内で公共事業等に活用できる一般財源でございまして、都におきましても、都民サービスの維持向上に欠かせない貴重な財源の一つであると考えております。

○米川委員 発売計画額についてですが、この金額の算定はどのように行われているのでしょうか。また、昨年よりも額が少なくなっていますが、その理由を伺います。

○山田理事 発売計画の算定方法でございますけれども、まず、全国の発売団体により構成されます全国自治宝くじ事務協議会におきまして、過去の売上実績などを基に全国の発売計画が決定されます。
 この発売計画に基づきまして、都では、直近の発売実績のシェアなどを考慮いたしまして、東京都の発売計画を算定しているところでございます。
 都の発売計画額が減となった要因でございますけれども、コロナ禍におきまして、都内の宝くじ売場での販売が減少する一方で、インターネットでの販売が増加していることによりまして、全国の売上額に対する東京都のシェアが低下したことなどが主な要因となっているところでございます。

○米川委員 次に、宝くじの発売体制と、その費用はどのようになっているのかを伺います。

○山田理事 宝くじを発売できるのは、当せん金付証票法によりまして、四十七都道府県と二十政令指定都市となってございます。
 都が発売する宝くじには、都が単独で発売する東京都くじと、ジャンボ宝くじやロト7など全国で共同発売する全国自治宝くじがございます。
 全国自治宝くじにつきましては、全国自治宝くじ事務協議会を設置いたしまして、共同して事務を行っているところでございます。
 宝くじの発売等の事務は金融機関に委託して行っておりますけれども、令和二年度の全国における宝くじ販売の経費は、くじの販売や当せん金支払いを行う店舗への手数料、くじ券の印刷、運送費、広告宣伝費など、総額一千三百三十九億円となっているところでございます。

○米川委員 次に、四十七都道府県と二十政令指定都市から成る発売団体は、受託銀行などに発売などの事務を委託しておりますが、受託銀行の選定方法や、過去どのような金融機関が受託してきたのかを伺います。

○山田理事 宝くじの発売等の事務につきましては、当せん金付証票法によりまして、あらかじめ公告手続を経た上で、銀行等の金融機関に委託することができるとされております。
 昭和二十三年度に当せん金付証票法が制定されまして、日本勧業銀行が受託銀行となって以来、昭和四十六年度からは第一勧業銀行、平成十四年度からは現在のみずほ銀行が、全国自治宝くじ及び東京都宝くじ発売事務の受託銀行となっているところでございます。

○米川委員 近年、世界では、ESGへの取組の機運が急速に高まっております。
 都においても、二〇一九年十二月にはゼロエミッション東京戦略を策定し、知事による気候危機行動宣言を行いましたが、気候危機が一層深刻化する状況を受け、より取組を加速するため、今年の三月にはゼロエミッション東京戦略二〇二〇を策定し、二〇三〇年カーボンハーフに向けて必要な社会変革のビジョンを提起しております。
 このような大きな流れを受け、受託金融機関の選定においても金融機関のESGに関する取組を考慮すべきと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 持続可能な社会を実現するため、都庁だけでなく、多様な社会の担い手とともに、環境問題や社会的課題の解決に向けた取組を推進していくことは重要であると考えております。
 金融機関におきましても、経営戦略にESGの視点を織り込むなど多様な取組が進められていることは認識しております。
 現時点では、取組を評価する指標や判断基準につきまして様々な考え方がありますために、国や他の発売団体とも連携しつつ、引き続き、状況を注視していきたいと考えております。

○米川委員 続きまして、第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正の第十七号について伺ってまいります。
 新規感染者数も減少し、ようやく経済を再生させる雰囲気が出てきたように感じております。
 そのような中、オミクロン株の世界的な広がりも見られ、第六波への備えと経済を動かすという両にらみの取組が求められております。
 そこで、今回の補正予算は、これまでの補正予算とどのような違いがあるのかを伺います。

○山田理事 これまでの補正予算では、感染が拡大する局面などにおきまして、医療提供体制の確保や国の緊急事態宣言の発令に伴う飲食店等に対する協力金の支給など、感染拡大を阻止し、都民生活、経済活動のセーフティーネットの強化などに必要となる予算を主な内容として措置してきたところでございます。
 これに対しまして、今回の補正予算では、年末年始や今後の感染再拡大に備え、医療提供体制の一層の強化を図るなど、これまでのコロナ対策にさらに上乗せをする取組に加えまして、社会経済活動との両立が図られた新しい日常の実現に向けて、検査の無料化や国の施策と連携した旅行助成など、東京の経済を再生、回復の軌道に乗せるための取組を拡充したところでございます。
 また、悩みを抱える女性への相談支援や自殺防止対策など、孤独、孤立状態にある方々への支援を強化するなど、よりきめ細かな対策を講じております。
 さらに、現下の原油価格高騰を踏まえました対策では、カーボンハーフの実現に向けた取組など、中長期的な観点を踏まえた施策等を具体化したところでございます。

○米川委員 補正予算の財源を見ますと、約三割が自主財源となっておりますが、都財政への影響はどのように考えているのかを伺います。

○山田理事 今回の補正予算におきまして、まずは国庫支出金の確保に努めた上で、都の実情を踏まえた独自の対策を実施していくための財源といたしまして、基金の有効活用を図ったところでございます。
 具体的には、宿泊施設活用事業や三回目のワクチン接種の実施など、感染再拡大を阻止する取組に国の緊急包括支援交付金を充当するほか、ワクチン検査パッケージの活用に向けた検査の無料化に国の地方創生臨時交付金を充当することで、都の負担を抑えたところでございます。
 一方、業態転換支援や孤独、孤立対策などの経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実や、都内観光促進事業などの感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組、原油価格対策のうち都独自の取組につきましては財政調整基金を財源としたところでございます。
 これらの結果、財政調整基金の令和三年度末の残高は一千五百七十七億円となる見込みでございます。
 今後とも、財源確保に工夫を凝らすことで、財政対応力の確保と必要な対策の実現に取り組んでまいりたいと思っております。

○米川委員 今回の補正予算は、原油価格の高騰への対応に加え、脱炭素化に向けた取組も含まれております。
 コロナや経済再生、原油価格への対応と並行し、十年、二十年先を見据えたゼロエミッション東京の実現という課題に取り組むためには、持続可能な都財政が基盤になると考えております。
 最後に、補正予算及び来年度予算編成に対する考えを局長に伺います。

○吉村財務局長 各国でオミクロン株の感染が拡大する中、医療提供体制をさらに強化することで年末年始や第六波に対する万全の備えを固めるとともに、東京の経済を再生、回復の軌道に乗せていく取組を積極的に進めていくことが必要でございます。
 加えまして、昨今の原油価格の高騰により厳しい経営環境にございます事業者への支援や原油高を脱炭素化の契機と捉えまして、省エネ、再エネ化を加速していくことも重要でございます。
 こうした考えの下で編成いたしました今回の補正予算の取組を着実に実行することで、感染再拡大防止と社会経済活動の両立を図るとともに、コロナ禍を乗り越えた先のサステーナブルリカバリーを実現していきたいというふうに考えてございます。
 これに加えまして、東京を持続的な成長へと導くためには、二〇三〇年のカーボンハーフに向けた取組をはじめとするゼロエミッション東京の実現や、国際金融都市の実現、デジタル化の推進、自然災害への備えなど、取り組むべき課題が山積しております。
 こうした課題に的確に対応するため、現在編成作業中の来年度予算では、これまで取り組んできた政策の成果を踏まえつつ、実効性の高い施策を積極的に展開していくことが重要でございます。
 今後とも、持続可能な財政運営に留意した上で、東京が直面する課題を解決していくための取組を財政面からしっかりと支えてまいります。

○米川委員 来年度の予算編成作業も、局内の調整、これも佳境に入る時期と思いますが、事業局を強力に後押しするようなものになることを期待しまして、質疑を終わります。

○たかく委員 私の方からも、本定例会に提案されております当せん金付証票の発売、いわゆる宝くじについてお尋ねさせていただきます。
 先ほども、他会派からの説明がありましたように、地方財政にとって極めて重要な財源であるこの宝くじの収益金は、公共事業等に活用される重要な財源でありますが、残念ながら、近年宝くじの売上げは減少傾向になっているとのことでありました。この宝くじ売上げの確保のために、当然のことながら、適切に広告宣伝をしっかりと行っていく必要があると考えます。
 そこでまず、宝くじの広告宣伝の現状について伺います。

○山田理事 これまでの広告宣伝におきましては、宝くじの主な購買層であります中高年層から支持されるタレントを中心に起用してまいりましたが、令和二年度より、主要購買層への商品告知を行いつつ、若年層にも魅力を伝えていくために、若手のタレントを起用いたしました宝くじのイメージ向上を図る新たなブランディング広告を展開しているところでございます。
 新シリーズの広告展開後に行った調査では、二十代、三十代など、近年宝くじ購入経験が減っている世代におきまして、購入率の上昇が見られているところでございます。
 このほか、今年度より、ティックトックの活用など、インターネット広告の拡充なども行っているところでございます。
 今後も、関係機関と連携いたしまして、具体的なターゲットを念頭に置きながら、その時々の社会経済情勢に応じました広告宣伝を積極的に行ってまいりたいと思っております。

○たかく委員 今ご説明いただきましたように、宝くじ売上げの維持向上のため、商品告知CM等を効果的に行うことは必要なことと考えます。
 一方で、都民の皆さんに、この宝くじの収益金がどのように活用されているのか、十分に理解されていないのではと考えております。
 世界的にSDGs機運が高まる中、社会的課題の解決に協力をしたい、社会貢献をしたいという声は若者を中心に増えているところであり、広く都民に対して、収益金がどのような施策に生かされたかを具体的にPRし、宝くじが有する公益性、社会貢献的性格への理解と共感を得ていくべきと考えます。また、それが、結果的に売上増にもつながるものと考えます。
 そこで、宝くじ収益金のPR施策について伺います。

○山田理事 宝くじの収益金は、認証保育所事業をはじめといたします少子化対策や、都立学校の校舎改築などに活用されておりまして、宝くじの購入が社会貢献につながっていることを積極的にPRしていくことは重要であると認識しております。
 これまでも、宝くじ公式サイトにおきまして、収益金の具体的な活用事例を動画で分かりやすく公表するほか、都独自の取組といたしましては、宝くじ収益金の充当事業をイメージした図柄を東京都宝くじの券面に採用しております。
 また、東京都ホームページや「広報東京都」におきまして、九月二日のくじの日に合わせまして、宝くじの意義や収益金の充当事業に関する記事を掲載し、宝くじが身近な事業に役立っていることにつきまして周知を図っているところでございます。
 今後とも、ホームページなどを活用いたしまして、収益金の使途など、公益性、社会貢献的性格も含めまして、宝くじに関する情報を積極的に発信してまいりたいと思っております。

○たかく委員 今の答弁ですと、宝くじの収益金は、認証保育所事業をはじめとする少子化対策や、また、都立学校の校舎改築などに活用しているというようなことで、宝くじを買うことが社会的課題の解決に役立っているということについて、理解と共感を得ることは極めて重要と考えます。
 引き続き、分かりやすい形で、積極的に情報発信を行っていただくことを求めます。
 さて、現在、新たな変異株であるオミクロン株が確認されるなど、新型コロナをめぐる情勢は不透明であり、ここで対策の手を緩めてしまっては、感染が再拡大してしまうおそれがあります。最優先である都民の命や健康を守るため、引き続き、コロナ対策に取り組みながら、経済を再生、回復の軌道に乗せていく取組も行っていく必要があります。
 加えて、コロナ対策以外にも、災害対策、少子高齢化への対策、脱炭素社会への構築、デジタル化の推進など、東京都が抱える課題は山積しております。
 こうした諸課題に的確に対処していくためにも、この宝くじの収益金など税外収入を有効に活用することも重要でありますが、何よりも重要なのは、私ども都議会公明党が推進し導入された新たな公会計制度などをしっかり活用しながら、時代の変化に的確に対応できるよう地道な努力を積み重ね、一つ一つの事業を見直していくことであると思います。
 最後に、令和四年度予算編成に向けて、施策の新陳代謝を促し、無駄をなくす取組を一層強化していくことが重要と考えますが、財務局長の見解を求めます。

○吉村財務局長 新たな変異株の発生など、新型コロナを取り巻く環境が不透明な中、引き続き万全の医療提供体制を確保するとともに、経済を再生、回復の軌道に乗せるための取組を着実に進めていくことが必要でございます。
 さらに、東京を持続可能な都市へと変革させていくためには、脱炭素化やDXの推進、自然災害への備えなど、山積する課題への解決に向けまして取組を加速させていかなければなりません。
 そのためには、これまでの成果を踏まえつつ、事業の妥当性や有効性を改めて検証し必要な見直しを行うとともに、再構築を行うことで、お話のように施策の新陳代謝を促進し、無駄をなくす取組を徹底していくことが不可欠でございます。
 こうした考えの下、令和四年度予算編成では、政策評価と事業評価を一体的に実施することにより、より成果重視の視点から評価を行い、一層効率的で実効性の高い施策の構築を図ることとしており、現在、私ども財務局におきまして、各局の予算要求内容の精査に取り組んでいるところでございます。
 この自己改革の取組を徹底いたしまして、必要な事業に的確に財源を振り向けることで、都政に課せられました使命を確実に果たし、希望ある未来を切り開いていく予算を編成してまいります。

○たかく委員 答弁ありがとうございます。
 無駄をなくす取組を一層強化し、施策の新陳代謝を一層高めていただくことを通じて様々な施策を前に進めていただくことを改めて求めて、私の質問を終わります。

○中村委員 それでは、補正予算について質問します。
 今年度に入り、補正予算の回数は十七回に及び、総額は約四兆円にも及びます。これだけ巨額の補正予算を組んだことで、都の財政状況は大丈夫なのか心配しているところですが、先日の令和二年度年次財務報告書では、都の自主財源はもちろんのこと、国庫支出金を活用するなどにより、都の財政状況は一定程度その対応力を維持できているという見解でした。
 しかし、第六波への備え、コロナからの脱却を考えると、今後も取組を継続する必要があり、その下支えとなる財政の安定が必要です。そういった観点から質問をしたいと思います。
 今回の補正予算では、これまでのコロナ対策と同様、国庫支出金と都の基金を活用していますが、今後も安定して対策を講じていくためには、柔軟に活用できる財政調整基金が特に重要です。第三回定例会の財政委員会でも質問しましたが、財政支出に対応しながらも、財政調整基金の残高確保に努めていくべきです。
 まず、今回の補正予算の一千四十七億円の財源の内訳を確認するとともに、財政調整基金の残高見込額について、昨年度末時点から現時点までの増減の推移について伺います。

○山田理事 今回の補正予算の財源につきましては、地方創生臨時交付金など国庫支出金が七百四十億円、財政調整基金二百八十二億円をはじめとする基金繰入金が二百八十三億円、その他の財源が二十四億円となってございます。
 また、財政調整基金の残高につきましては、令和二年度決算の残高は五千三百二十七億円でございました。
 今年度も引き続き、コロナ対策に迅速かつ的確に対応するための財源として有効に活用した結果、第二回定例会後には、令和二年度決算の確定前の数値でございますけれども、今年度末残高見込みが二十一億円まで減少したところでございます。
 その後、決算見込みの反映によりまして残高は回復する一方で、定例会等における補正予算の財源として財政調整基金を活用した結果、現時点における令和三年度末残高見込みは一千五百七十七億円となっているところでございます。

○中村委員 今後、地震や風水害など、万が一の備えが必要であり、財政調整基金は大変重要だといえます。しかしながら、先ほどご答弁もありましたコロナ前には九千億円を超えていた財調が二十一億円と、今年度、一時は底をつきかけるという状況が確認できました。
 今回計上されている脱炭素の取組にも財政調整基金が充当されているようですが、他の特定目的基金を活用することもできたのではないかと思います。今後の突発的な財政需要に備え、財政調整基金の残高確保をしっかり行うことを引き続き求めておきます。
 財政調整基金が減少している中で、事業の一つ一つの効果、実効性を上げることは極めて重要な段階だと考えます。
 都議会立憲民主党は、コロナ対策に関し、コロナ対策の検証を行うべきだと主張し続けています。
 福祉保健局や産業労働局など事業をつかさどる局がしっかりとやるべきことだと思いますが、財政調整基金が減少している中で、財務局としても予算編成の過程でコロナ対策を検証すべきだと思いますが、見解を伺います。

○山田理事 コロナ対策の具体化に当たりましては、日々刻々と変化する情勢に的確に対応していくため、感染状況や社会経済情勢はもとより、既に具体化した対策の状況も踏まえながら、各局等と連携して、より実効性の高い対策となるよう施策のブラッシュアップを図ってきたところでございます。
 今回の補正予算におきましても、今後の感染拡大に備えるため、これまでの対応で培った経験を生かし、医療提供体制の一層強化に向けた対策の構築につなげているところでございます。
 また、来年度予算の編成におきましては、コロナ対策だけでなく、幅広い施策について、最少の経費で最大の効果を上げる観点から、政策評価と事業評価の一体的実施によりまして各事業を検証するとともに、成果目標の達成にどの程度寄与しているかを分析し、結果を予算に反映するなど、より実効性、効率性の高い施策の構築につなげてまいります。

○中村委員 各事業を検証し、実効性、効率性の高い施策の構築につなげていくとの財務局の答弁でした。事業を担当する局は多忙を極めているとは思いますが、長く続くコロナ禍における対策ですから、全て終わってから検証しますでは遅いので、対策を行いつつ、本当に今行っている対策が適切なのか分析をしていただきたいと思います。そして、次の未知のウイルスへの対応のためだけでなくて、現在進行形で起きているコロナ対策に生かしていただきたいと思います。
 私は、こうした危機のときなので、財政規律も重要ですが、今は財政出動すべき時期だとは思っています。とはいえ、それも限界がありますから、そうした状況下でも、費用対効果を考えた施策を積極的に展開する必要があります。財務当局としても、事業局に対して検証を行うよう求めていただきたいと思います。
 さて、今回の補正予算では、コロナ対策に加え、原油高への対策が講じられており、原油高の取組の中に脱炭素の取組が包含される形となっていますが、予算額のほとんどは脱炭素の取組です。先日の代表質問でも質問いたしましたが、脱炭素の取組自体は重要です。しかしながら、原油高がなければこの対策は行われなかったのではないかと疑問があります。
 都民に誤解を生まないためにも、原油高対策と抱き合わせずに、気候変動への喫緊の対策として打ち出すべきであったと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 今回の補正予算では、昨今の原油価格高騰により厳しい状況にある事業者に対しまして迅速に支援する必要があることから、中小企業制度融資の信用保証料補助の拡充や、専門家派遣によるアドバイスの実施などの対策を講じたところでございます。
 一方、東京の持続的成長に向けましては、これまでも、二〇三〇年のカーボンハーフ実現に向けて重点的に財源を振り向けており、世界の潮流であります脱炭素化の推進は不可欠でございます。
 こうした観点から、原油高を、脱炭素化をさらに推し進める契機と捉えまして、次世代タクシーの導入促進やゼロエミ住宅の建設助成など、取組をより強化したところでございます。
 現在編成中の令和四年度予算におきましても、これらの取組を含め、サステーナブルリカバリーの実現に向けて果敢に取組を進めていくこととしておりまして、引き続き、積極的な施策展開を図ってまいりたいと思っております。

○中村委員 補正予算というのは本来例外的な措置です。しかし、気候危機への対応は大変重要であるのは当然ですので、もし取り組むのであれば、コロナや原油高騰への対応が仮になかったとしても補正予算を組むのだというくらい知事の強い決意が必要だと思い、あえて質問しました。
 予算は都の姿勢そのものを示すものなので、原油高への対応と脱炭素化は無関係とはいいませんが、提案するなら、より分かりやすく提案していただきたいと思います。
 最後に、オミクロン株への対応が急がれる中、万が一、感染が拡大し、第六波が危機的な状況となった場合、必要な対策を早期に判断していただき、早急に議会で議論していただきたいと思います。
 これまでのような予算の専決処分ではなくて、議会を招集して議論すべきでありますが、見解を伺います。

○山田理事 まずは、感染症の再拡大防止に向けまして、全庁一丸となって取り組んでいくことが最優先の課題であると認識をしております。
 今後とも、コロナ対策に当たりましては、その時々の状況を踏まえながら、時期を逸することなく適切に対応してまいりたいと思います。

○中村委員 第六波は来てほしくはありませんが、もし襲来した場合、補正予算を組むことも必要になります。繰り返しになりますが、コロナ対応を迅速に行うためには協力しない議員はいないと思います。今後、追加で補正予算を出さざるを得ない状況になった場合には、当然速やかな審議を行いますので、重ね重ね申しますが、専決処分をすることがないよう求めて、質問を終わります。

○五十嵐委員 今、中村委員から一千四十七億円の補正予算についての質問がございました。なので、私からは、第二百十八号議案の当せん金付証票の発売についての質問をさせていただきます。
 当せん金付証票法の第一条にその目的がございます。宝くじの発売によって浮動購買力を吸収して、もって地方財政資金の調達に資することを目的としております。同じく四条では、議会が議決した金額の範囲内で宝くじを発売することができるとなっております。
 宝くじに関してなんですけれども、先日ある記事を見ました。どんな記事だったかといいますと、宝くじの時効当せん金は毎年百億円以上、なぜ高額当せんでも換金されないのかという記事でございました。
 記事によると、二〇二〇年には全国で時効当せん金というものが百二十八億円あるそうです。この金額というのは、前年度の販売総額の一・六一%に相当するもので、宝くじは、全国で毎年度百億円を超える時効当せん金というものが発生しているとのことでございます。
 そこで、東京都での、宝くじを購入して当せんしたけれども換金されなかった時効当せん金について質問したいと思います。
 まず、宝くじにおける時効当せん金とは何かについて伺います。また、令和二年度の東京都における時効当せん金の額について伺います。

○山田理事 時効当せん金でございますけれども、時効当せん金とは、実際に購入されまして、当せんした宝くじのうち時効成立までの間に換金されなかったもののことでございます。
 都におけます令和二年度の時効益金は約二十億円でございます。

○五十嵐委員 ありがとうございます。確かに宝くじが売れ残った分にも当せん番号に該当するものがあると思いますけれども、今のご答弁のように、購入されて、当せん番号に該当して初めて購入者との間で当せん金を支払うという債権債務関係が発生するというところから、購入した分の中から当せんした額というのが時効当せん金だということが分かりました。
 つまり、時効当せん金の東京都における二十億円については、売れ残った宝くじは入っておらず、全てに当せん者がいて、全てその方たちが引き換えていないというものでございました。
 ちなみに、令和二年度に確定した時効当せん金は全国で百二十八億円で、これらの中には、四億円以上の当せん金が一本、一億円以上の当せん金が十本、二百万円以上の高額時効当せん金は合計で二十五億円超あるとのことでございます。
 今ご答弁いただきましたけれども、東京都でも毎年度約二十億円の時効当せん金が発生しているとのことです。
 このように、宝くじを購入したけれども、当せん番号を確認しないまま、かつ換金しないまま一年が経過してしまって時効が成立してしまった場合のこの時効当せん金の扱いについてですけれども、この時効当せん金は、どのように処理されて、どのように使われるのか伺います。

○山田理事 宝くじの当せん金の時効につきましては、当せん金付証票法によりまして一年とされております。
 時効当せん金につきましては、同法によりまして、時効により債権が消滅する日から二か月以内に各発売団体の収益にする旨が規定されております。
 時効益金は、他の収益金と同様に、各発売団体におきまして公共事業等の財源に充当しているところでございます。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 宝くじについては時効が一年というふうに、普通の一般債権と比べて短いんですけれども、その理由としては、普通は、宝くじを購入したら、抽せんの日には注目して、すぐ番号を見て、すぐ換金するだろうと思われているところ、一年も放置しているんだから必要ないだろうと推測されるので、一年と短くても合理的とされているものとのことでございます。けれども、やっぱり、購入をして当せんした方には、当然当せん金をもらう権利がありますので、ぜひ持っていって換金してほしいと思います。
 そこで、都としては、もちろん時効当せん金がなるべく発生しないように努めてほしいと思います。
 そこで、東京都における時効当せん金の発生を防止するための取組について伺います。

○山田理事 当せん金の時効につきましては、宝くじ公式サイトや新聞広告などを通じまして周知いたしまして、時効当せん金の発生防止に努めております。
 また、毎年九月二日のくじの日には、はずれ券を対象といたしまして賞品が当たるお楽しみ抽せんを行うほか、くじの日に合わせまして、東京都ホームページや「広報東京都」などにおきまして注意喚起を行うなど、手元のくじの再確認を促す取組を実施しているところでございます。
 なお、インターネット販売及びATM販売におきましては、当せん金の自動振込を行っておりまして、時効当せん金は発生しない仕組みとなっております。
 引き続き、時効の防止に努めてまいりたいと考えております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。今ご答弁いただいたように、インターネット販売やATM販売の場合には、当せんすると、登録した銀行口座に自分が指定した方法で振り込まれるために換金のし忘れなどがないとのことでございました。
 東京都の宝くじの販売の実績というものは、例えば、平成三十年度が千百九十四億円、令和元年度が千百四十八億円、昨年の令和二年度が一千二十七億円ということで、徐々に宝くじ自体の販売実績は減ってきているんですけれども、そのうち、平成三十年よりスタートした宝くじ公式サイトのインターネット販売は好評で、利用者が増えて着実に浸透しているようでございます。
 全国でのインターネット販売額なんですけれども、二〇一八年は六百三十四億円、二〇一九年は九百三十六億円、二〇二〇年度は、コロナ禍ということもあって販売額が急上昇して千五百七十二億円になっているとのことでございました。
 宝くじの収益金は、地方財政法の規定により、公共事業のほか、先ほどご答弁もいただきましたけど、令和二年度は、公園の整備だったり、都立学校の修繕だったり、少子化対策などにも使われているということで、指定された十二の事業に財源を充当するとのことでございました。
 東京都にとっては、時効当せん金が発生した方がそのまま東京都の事業に財源を充当できるので、いいのかもといっていいか分からないんですけれども、いいのかもしれませんけれども、せっかく当せんした都民に、都民の好きな方法で使ってもらって、市場で流通する方が意味があると思いますので、東京都には、引き続き有効な宝くじ事業の在り方を考えて実施していってほしいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後二時六分散会

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