財政委員会速記録第十一号

令和三年九月二十九日(水曜日)
第二委員会室
午後一時四十五分開議
出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長森口つかさ君
副委員長池川 友一君
理事伊藤しょうこう君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
吉住はるお君
たかく則男君
米川大二郎君
五十嵐えり君
三宅 正彦君
長橋 桂一君
石川 良一君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長潮田  勉君
理事主計部長事務取扱山田 忠輝君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務古川 浩二君
財産運用部長五十嵐 律君
建築保全部長渡辺 正信君
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
会計管理局局長堤  雅史君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
収用委員会事務局局長後藤 啓志君

本日の会議に付した事件
財務局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第百九十三号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入
付託議案の審査(決定)
・第百九十三号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、先ほどの本会議において付託されました財務局関係の付託議案の審査を行います。
 なお、本日は、説明聴取の後、直ちに質疑を行い、質疑終了後、決定まで行いますので、ご了承願います。
 これより財務局関係に入ります。
 初めに、潮田財務局長から発言の申出がありますので、これを許します。

○潮田財務局長 議案の訂正についてご報告いたします。
 令和三年九月二十九日付で中途議決に係る一般会計補正予算案の追加提出を行ったことに伴い、第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)を(第十五号)に変更するとともに、既定予算額等に一部変更が生じましたことから、先日の委員会でお配りした資料を再度提出させていただきます。
 なお、補正予算の規模や事項等に変更はございません。
 ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○山加委員長 発言は終わりました。

○山加委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百九十三号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入を議題といたします。
 本案について理事者の説明を求めます。

○山田理事 それでは、追加提案いたしました令和三年度九月補正予算(案)(追加分)についてご説明申し上げます。
 資料第1号をご覧願います。
 まず、1の補正予算の趣旨でございますが、都内の飲食店等に対し、リバウンド防止措置期間中の営業時間短縮等の要請に伴い、感染拡大防止協力金を支給するため、追加提案するものであります。
 2の財政規模でございますが、補正予算の規模は、一般会計で二千二百八十三億円でございます。
 補正予算の財源でございますが、内訳といたしましては、国庫支出金が二千二百六十一億円、財政調整基金繰入金が二十二億円でございます。
 一ページおめくりいただき、二ページをお開きください。今回の補正事項でございます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、都内の飲食店等に対して、十月一日から十月二十四日まで営業時間短縮等を要請いたします。これに伴い、全面的に協力いただいた事業者の店舗を対象として、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金を支給いたします。
 補正予算の内容は以上でございます。
 次ページ以降でございますが、こちらには補正予算案の議案を添付してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 私からは、議会局及び財務局所管の令和三年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和三年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和三年度一般会計補正予算議会局・財務局総括表でございます。
 今回の補正は財務局分のみでございまして、表中の補正予算額欄の下から三段目にありますとおり、特定財源を二千二百八十三億四千万円計上してございます。
 次に、二ページをお開き願います。今回の補正予算事業別説明でございます。
 番号1、特定財源充当歳入は、財務局が所管する歳入のうち、他局の特定事業に充当する歳入で、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を二千二百六十一億一千百万円余計上してございます。
 次に、三ページをご覧ください。
 番号2、一般歳入は、今回の補正予算の各局事業の財源として、財政調整基金からの繰入金を二十二億二千八百万円余計上してございます。
 次に、四ページをお開き願います。財務局合計でございます。
 今回の補正により、歳入予算は、表の右端、下から三段目の特定財源計欄にございますとおり、既定予算額と合わせまして三兆五千五百八十九億五千八百万円余となります。
 なお、歳出予算は変わらず、表の右端、上の方にお戻りいただきまして、上から五段目の歳出計にございますとおり、五千八百四十五億七千八百万円余でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山加委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森口委員 都民、事業者の皆様のご協力の下、新型コロナウイルスの新規陽性者数は減少傾向にあるものの、冬場に向けて再び感染拡大する懸念など、いまだ予断を許さない状況であります。
 こうした中、引き続き感染終息に向けた取組を万全に進めるとともに、都民、事業者が希望を持って生活を営むことができる行動制限の緩和、経済の再生、そして回復といった観点も大変重要であります。
 これまで相次ぐ緊急事態宣言の下、時短や酒類の提供禁止に協力をいただいてきた都内飲食事業者に対して、来月十月一日からは、感染対策が徹底されていると都が認証した店舗において、営業時間の延長や酒類提供を認めるなど、段階的な営業制限の緩和を進めていくことになります。
 今回十月一日からの協力金の支給として、この財政委員会に付託されている歳入予算額は二千二百八十三億円であり、そのうち国の財政措置が九九%とのことでありますが、どのような経緯でこの割合となったのかお伺いいたします。

○山田理事 国の交付金については、緊急事態措置区域及び蔓延防止等重点措置区域以外の区域についても、効果的な感染症対策が求められていることから、これまで、緊急事態措置区域等と同様、国の分担割合が九九%となっておりました。
 都は、緊急事態宣言の解除後も地域の感染状況に応じた対策を引き続き推進する必要があるとの認識から、協力金の支給に対する確実な財源措置を一都三県で連携して国に対して要望してまいりました。
 こうした中、昨日、国が決定した基本的対処方針において、緊急事態措置区域から除外された都道府県の取組として、飲食店に対する営業時間の短縮の要請を行うこととされたところでございます。
 その上で、この要請に係る協力金の財源は、九月二十八日付の国の通知において、これまでと同様に国が九九%負担するものとされ、従来の負担スキームが継続されたところでございます。

○森口委員 新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化等から、都税収入は九年ぶりに減少しており、引き続きこの新型コロナウイルスとの闘いや財政調整基金の減少、また、今後の財政需要や不透明な景気動向を踏まえると、都財政は予断を許さない状況でもあります。
 今後も、感染状況を注視しながら、協力要請が続くこととなり、厳しい都財政が続く中においては、しっかりと特措法に基づき、同様の国庫負担の割合となるよう、国からの財政措置を継続的に確保する必要があると考えますが、見解を伺います。

○山田理事 今回の協力金のように、国の方針に基づいて地方が行う飲食店等に対する営業時間短縮の要請に係る事業者支援については、国の責任で財源を確保し、地方が確実に取組を実行できるよう財政的支援を行っていくことが必要であり、都はこれまでも、国に対して強く要望してきたところでございます。
 こうした都の働きかけもあり、これまでのコロナ対策経費六・四兆円のうち、七三%に当たる四・七兆円について、国庫支出金を充当することにより、対策に積極的に取り組むことができております。
 今後の財政需要や不透明な景気動向を踏まえれば、都の財政状況は、引き続き状況を注視していく必要があります。
 このような財政環境の中にあっても、必要な対策を講じていくために、引き続き、国からの財源措置をしっかりと確保できるよう、機会を捉えて働きかけてまいりたいと考えております。

○森口委員 ありがとうございます。長引くコロナ禍においても、健全な財政運営に努め、今回の補正予算に掲げた施策を速やかに実施し、都民の命を守り、東京の経済を早期に回復させていただきたいと要望し、質問を終わらせていただきます。

○大松委員 本日、第三回定例会に追加提案されました補正予算案について何点か質問いたします。
 政府は、昨日、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開きまして、東京都を含む二十七都道府県に適用されております緊急事態措置及び蔓延防止等重点措置につきまして、明日三十日を期限に全面解除することを決定いたしました。
 都の感染状況は、今年の八月には、一日当たりの新規感染者数が五千人を超えるなど非常に厳しい事態に直面いたしましたけれども、現在は、一日当たりの新規感染者数が、週平均では五週連続で減少し、病床使用率など各種指標も改善し、昨日の解除決定になったわけであります。
 これは、都民の皆様方、そして事業者の皆様方が、外出自粛や営業時間の短縮など長きにわたりまして、大変なご協力、ご努力をいただいたたまものでありまして、心から感謝申し上げるものでございます。
 また、東京都におきましても、都議会公明党の要望を受け止めながら、国や区市町村と一体となって、総力を挙げてコロナ対策に取り組んできた結果であると思います。
 しかしながら、ここで対策の手を一気に緩めてしまいますと、またいつ感染が再拡大してもおかしくないわけであります。
 こうした観点から、政府が今回決定いたしました基本的対処方針におきましては、対策の緩和は段階的に行うとしたことにつきましては、大変よく理解できるものでございます。
 こうした国の方針を受けまして、東京都は、十月一日から二十四日までの約三週間をリバウンド防止措置期間として、飲食店等の事業者に、営業時間の短縮等を要請し、引き続き感染拡大防止協力金を支給することとしております。
 そして、その予算として、本日、二千二百八十三億円の補正予算案を追加提案されました。財源は、その九九%の二千二百六十一億円が国庫支出金であります。
 そこで、この国庫支出金の具体的な内容と制度の詳細について確認をしておきたいと思います。答弁をお願いいたします。

○山田理事 今回追加提案いたしました補正予算の歳入に計上しております国庫支出金は、内閣府所管の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金でございます。
 この交付金は、経済対策などの地方単独事業への充当分などのほか、飲食店等に対する営業時間短縮の要請等に伴う協力金の財源として国から交付されるものでございます。
 具体的には、協力金本体の八〇%を協力要請推進枠交付金として、また、一九%を即時対応特定経費交付金として措置されており、合計で九九%を国が負担しているほか、事務費に対する支援も行われているところでございます。
 このうち一九%の即時対応特定経費交付金は、全国的な感染状況を踏まえた時限的な措置とされていたことから、今回のリバウンド防止措置期間においても、継続して措置するよう、国に要望してきたところでございます。

○大松委員 協力金の財源として、内閣府の地方創生臨時交付金が措置をされますけれども、そのうちの即時対応特定経費交付金は、時限的な措置となっているとの答弁がございましたけれども、財源としては、不安定さが拭い切れないわけでございます。
 感染症対策では、国の要請に基づいて、各都道府県が協力をしながら取り組んでいく安定的な体制が必要でありまして、そのために、財政面につきましても、国が全面的に責任を持って、安定的に財政措置を行っていくべきものと考えます。
 東京都におきましては、引き続き、あらゆる機会を捉えて、国に対し、全面的な財政支援が継続するように強く働きかけをしていただくよう、改めて求めておきます。
 今回の補正予算の財源の大半は、内閣府の地方創生臨時交付金でありますけれども、それに比べて二十二億円と少額ではありますけれども、都の財政調整基金が一部取り崩されます。
 そこで、今回の補正予算の編成によりまして、財政調整基金の残高が幾らになるのか、令和二年度末の残高からの推移も含めまして、答弁をお願いいたします。

○山田理事 令和二年度決算における財政調整基金の残高は五千三百二十七億円でございました。
 今年度も引き続き、コロナ対策に迅速かつ的確に対応するための財源として有効に活用した結果、第二回定例会後には、令和二年度決算の確定前の数値でございますけれども、今年度末残高見込みが二十一億円まで減少をいたしました。
 その後、決算見込みの反映により、残高は回復する一方で、緊急事態宣言の延長に伴う協力金の支給や第三回定例会補正予算の編成などに的確に対応するために、国庫支出金の獲得と有効活用を図りながら財政調整基金を活用した結果、今回の補正予算編成後の残高見込みは一千九百五十三億円となっております。
 都財政は、景気変動の影響を受けやすいという構造的な課題を抱えておりますけれども、こうした中にあっても、喫緊の課題への対応や東京のさらなる成長創出に向けた施策の展開の財源として基金は重要な役割を果たしており、引き続き残高の確保を図ってまいりたいと考えております。

○大松委員 ただいま答弁がありましたとおり、第二回定例会後には、財政調整基金の残高がほぼ底をつきかけましたけれども、決算見込みの反映によりまして、残高は回復をしたとのことであります。
 その後、新規感染者数が過去最高を更新して、医療提供体制も逼迫するなど、厳しい局面が続いたわけでありますけれども、その中にありまして、コロナ対策にしっかり取り組みながらも、この国庫支出金の獲得、そして、この有効活用を図りながら、財政調整基金を活用した結果、現在の先ほどの一千九百五十三億円という一定程度の水準を維持できていることでありまして、このことにつきましては、評価をしていきたいというふうに思っております。
 感染症との闘いは、今後も予断を許しませんけれども、刻一刻と変わる状況を的確に見極めながら、感染症の脅威という大きな危機を乗り越えて、都民の暮らしを守る取組をしっかりと前へ進めていただくことを求めまして、質問を終わります。

○中村委員 それでは、私からも、補正予算について質問いたします。
 明日九月三十日で新型コロナの緊急事態宣言が終了し、十月一日からはリバウンド防止措置期間に移行することになりました。
 今回は、十月一日から二十四日までの飲食店への協力金の補正予算が組まれ、その九九%が国庫から支出をされます。
 今回、緊急事態宣言でも蔓延防止重点措置でもないにもかかわらず、国庫支出金が九九%出るとのことですが、その法的根拠は何でしょうか伺います。

○山田理事 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく営業時間短縮の要請等に応じた事業者に対する協力金に係る財源として措置されるものでございまして、制度要綱により、協力金に対する国の分担割合は、区域を問わず、九月三十日まで九九%となっていたところでございます。
 今般、九月二十八日付で、同制度要綱に基づく通知が新たに発出されました。全国的に多くの都道府県において段階的な緩和が行われている途上であることを踏まえ、国の分担割合につきまして、十月三十一日まで、現行の九九%が延長されることとなったものでございます。

○中村委員 国庫からの支出が、九月二十八日付の国の通知で十月三十一日までとされたとのことです。
 いつも直前になるまで決まらないので、都の対応もそれまでなかなか決まらなかったり、また、そのことで、現場の飲食店が、仕入れや人の手当てなど準備が間に合わないとの悲鳴も出ています。国に対しては、現場の状況も伝えて、早急に財源の確保が可能になるように求めていただきたいと思います。
 さて、コロナの感染が早く終わってほしいので、あってほしくはないのですが、十月二十四日に感染が再拡大していた場合には、協力金を延長せざるを得ない状況になるかもしれません。
 そうなった場合に、国からの補助は同様の比率で出るのでしょうか伺います。また、緊急事態や蔓延防止でなくても、この補助の枠はそのままにするように国に求めるべきですが、併せて見解を伺います。

○山田理事 今般、九月二十八日付の国の基本的対処方針において、対策の緩和については段階的に行い、期間は一か月をめどとすることが示されるとともに、十月三十一日までは、国の分担割合を九九%とすることが通知されたところでございます。
 十一月一日以降の国の協力金に対する方針は示されておりませんが、営業時間の短縮等の要請は、国の基本的対処方針に基づき地域の実情に応じて実施されることから、その要請に応じた事業者に対する協力金の財源は、国が責任を持って措置するべきと考えております。
 こうした観点から、都は、協力金をはじめとする事業者支援の財源措置について、今後も機会を捉えて国に働きかけてまいりたいと考えております。

○中村委員 十月三十一日までは九九%ということですが、場合によっては、その後も対応が必要になる可能性があるだけに、お答えはありましたが、引き続き、国に対して強く求めていただきたいと思います。
 ただ、一方、国であろうと都であろうと、税金には変わりません。こうした危機のときにあっては、財政出動すべきときではありますが、当然のことながら貴重な税金ですので、有効な使われ方をしなければなりません。
 繰り返し述べてもきましたが、都としても、施策の検証を行い、次の感染症のためという以前の問題として、第六波への対応のためにも、早急な検証が必要です。もちろん、一義的には事業局自身が行うことですが、財政当局としても、適切な施策かどうかの検証をすることを求めたいと思います。
 さて、今回、国庫支出金のほかの一%に当たる二十二億円は財政調整基金から出されます。そこで、財政調整基金の残高を伺います。
 また、十月二十四日以降もリバウンド防止措置など続ける場合には、協力金を延長する場合、国から補助が出ない、もしくは補助率が低い場合も考えられます。その場合には、都独自で協力金を出すことができるだけの財源の確保はできているのでしょうか、見解を伺います。

○山田理事 協力金の都負担分については財政調整基金を充当しておりまして、今回の補正予算編成後における令和三年度末の財政調整基金残高見込みは一千九百五十三億円でございます。
 協力金の支給に当たっては、引き続き、国が全面的に財源措置を図るべきものと考えておりまして、こうした観点から、今後とも、必要な財源の確保に努めながら、コロナ対策を着実に実施していきたいと考えております。

○中村委員 厳しい財政状況にあっても、財政出動せざるを得ないときもありますので、今後、こうした事態に陥らないとも限りません。国に要請をしつつも、都としても財源の確保をしておく必要があります。
 財政調整基金は、幅広い用途に使えるため使いやすいのですが、そのためにコロナ対策として真っ先に使われ、大幅に減りました。コロナで状況が大きく変わったため、改めて、私は、基金のもともと積み立てていた内容等を含めて見直さなければならないのではないかということも感じてはおります。
 今後、また、他の基金で活用が可能なものはどのくらいあるのでしょうか。他の目的の基金を安易に転用してよいとは思いませんが、緊急時に備えて、ある程度使える状況にしておくことも必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 コロナ対策に当たりましては、例えば、基金の目的に沿って、医療提供体制等の強化などの財源として、福祉先進都市実現基金を積極的に活用しておりまして、この基金の令和三年度末残高見込みは八百九億円となってございます。
 一方、都財政は、コロナ対策はもとより、豪雨災害、首都直下地震などの直面する諸課題への対応や東京が進化を図るための取組など、多くの財政需要に対応することが求められております。
 今後とも、コロナ対策の強化などの喫緊の課題に的確に対処するとともに、都政が取り組むべき重要課題についても着実かつ計画的に実施していけるよう、特定目的基金を貴重な財源として最大限活用してまいりたいと考えております。

○中村委員 財政調整基金が使いやすいということですが、それ以外には、福祉先進都市実現基金を活用するなど、特定の分野に偏った活用になっているともいえなくもありません。
 しかし、都財政として危機的な状況ですから、コロナが終息した後の都政を考えると、極端にどこかの基金だけが減ってしまわないように、全体の基金のバランスを、あるべき姿を見据えて配分していくことも重要です。
 特に、この例で挙げられました福祉先進都市実現基金が減ったことで、福祉施策が遅れてしまうようなことがないようにしなければなりません。必要があれば、他の基金も含めて、もともと積み立てた方針はあるのですが、都の財政全体を見直す中で再検討することも必要です。
 基金については、活用しやすくすることも重要ですし、基金のあるべきバランスを考慮して配分していただくことを求めたいと思います。
 さて、今回の補正予算は、リバウンドの防止でもあり、それは第六波への備えともいえます。波の大きさの想定は、総務局や福祉保健局の担当かもしれませんが、財政当局としても、どのような大きな波が来るかによって、どのくらいの財源を確保すべきかが問われてきます。
 事業局とも情報共有し、今後のコロナ対策の財政見通しを立て、財源確保すべきですが、見解を伺います。

○山田理事 今月十七日に発表いたしました補正予算案におきましては、万全な医療提供体制の確保に向けて医療資源を総動員し、災害級の感染状況にも対応し得るよう、最大限のレベルで年度末までの予算を措置したものでございます。
 こうしたコロナ対策を機動的に講じていくためにも、国庫支出金の獲得や無駄をなくす取組を引き続き強化するとともに、基金や都債の活用などによりまして、財政対応力を堅持していくことが重要でございます。
 こうした観点を踏まえつつ、今後とも、各局と連携し、必要な対策を迅速に講じることができるよう財政運営を行ってまいりたいと考えております。

○中村委員 コロナが始まってから一年半余りが経過をしました。まだまだ先は読めず、二、三年かかるという専門家の意見もあります。災害級の感染状況にもということで対応していただいているとは思うのですが、なかなか時期を見通すのも難しいところもありますけれども、できる限りの想定をして備えていただきたいと思います。
 さて、仮に十月二十四日にリバウンド防止措置期間が延長される場合には、再度協力金の補正予算が組まれることにもなると思います。その場合には、専決処分ではなく、臨時議会を開いて議会での審議を求めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 まずは、感染の終息に向けまして、リバウンド防止に全庁一丸となって取り組んでいくことが最優先の課題であると認識をしております。
 今後とも、コロナ対策に当たりましては、その時々の状況を踏まえながら、時期を逸することなく適切に対応していきたいと考えているところでございます。

○中村委員 今回は、定例会の会期中でしたので、当然専決処分はできませんでしたが、都議選後の議会構成が変わってからも専決処分が行われたのは極めて残念なことです。
 今回のリバウンド防止措置期間は十月二十四日までなので、もちろんコロナが終息していればいいとは思うのですが、仮に延長による再度の補正予算ということになれば、時期はある意味で分かっているはずなので、突然のことで議会を開く時間がないということはないはずです。
 感染が広がらずに延長をしなくてもよいことを願っていますが、万一、延長ということになった場合には、専決処分にせず、必ず議会を開くことを強く求めて、質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。

○山加委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百九十三号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百九十三号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、第百九十三号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十四号)中、予算総則、歳入は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十七分散会

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