財政委員会速記録第二十三号

令和二年十二月十四日(月曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長加藤 雅之君
副委員長清水 孝治君
副委員長山内  晃君
理事池川 友一君
理事成清梨沙子君
理事入江のぶこ君
小林 健二君
増田 一郎君
伊藤しょうこう君
大松あきら君
本橋ひろたか君
清水ひで子君
森村 隆行君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長潮田  勉君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務古川 浩二君
主計部長山田 忠輝君
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
会計管理局局長佐藤  敦君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
収用委員会事務局局長斎藤 真人君

本日の会議に付した事件
決議について
付託議案の審査(決定)
・第百八十七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為−財政委員会所管分、都債
・第二百一号議案 東京都東村山福祉園(二)改築工事請負契約
・第二百二号議案 神津島港津波避難施設(二)新築工事その三請負契約
・第二百三号議案 都営住宅二H−一〇七東(北区浮間三丁目)工事請負契約
・第二百四号議案 都営住宅二H−一一二東(足立区花畑七丁目)工事請負契約
・第二百五号議案 雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約
・第二百六号議案 中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約
・第二百十六号議案 当せん金付証票の発売について
・第二百十七号議案 土地の信託の変更について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○加藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました決議一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する決議(案)
 我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある。とりわけ、外出自粛等による個人消費の縮小は、中小企業等に極めて大きな影響を与えている。感染症の収束への見通しはいまだ不透明であり、再拡大の状況によっては更なる景気の下振れも懸念される。こうした中、二十三区の地価水準は、全国と比較して依然として高く、固定資産税等の税負担は過大なものとなっている。
 都は、これまで独自に固定資産税等の軽減措置を実施することで税負担の緩和を図り、都民の暮らしや中小企業者の事業継続等を支援してきた。
 今、これらの軽減措置を廃止することは、都民や厳しい経営状況にある中小企業者等に対し、多大な税負担増を求めることになりかねない。
 よって、東京都議会は、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の税負担感に配慮する観点から、次の事項を実施するよう強く求めるものである。
一 商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引下げを令和三年度も継続すること。
二 小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を令和三年度も継続すること。
三 小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置を令和三年度も継続すること。
四 税額が前年度の一・一倍を超える住宅用地等に対する固定資産税等の軽減措置を令和三年度も継続すること。
 以上、決議する。
  令和二年十二月 日
東京都議会

○加藤委員長 本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○加藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第二百一号議案から第二百六号議案まで、第二百十六号議案及び第二百十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第二百一号議案から第二百六号議案までの契約議案及び第二百十七号議案の土地の信託に関する議案につきましては、事業所管の常任委員会からお手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

令和二年十二月十日
都市整備委員長 米川大二郎
財政委員長 加藤 雅之殿
   議案の調査について(報告)
 十二月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 (1) 契約議案
  第二百三号議案 都営住宅二H−一〇七東(北区浮間三丁目)工事請負契約
  第二百四号議案 都営住宅二H−一一二東(足立区花畑七丁目)工事請負契約
 (2) 土地の信託に関する議案
  第二百十七号議案 土地の信託の変更について
2 調査結果
 (1) 都ファースト、自民党、公明党、立憲民主党、東京みらいは、全議案に対し異議はありません。
 (2) 日本共産党は、第二百十七号議案に対し、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
  (意見)
   今回の、土地信託契約の変更は、令和三年二月二十八日で信託期間が切れる勝どきサンスクエアについて、令和四年二月二十八日まで信託期間の延長を行うものである。
   この案件は、通常の土地信託と違って、敷地権設定され、土地と建物の所有権が一体となっている区分所有である。そのうち、都の持ち分は、全体の六六・九%で、地下の駐車場と、地下一階から地上二階まで店舗部分の一部、三階から九階までのオフィス部分になる。これをみずほ信託銀行に信託しているわけである。
   都は、信託期間を一年延長している間に、信託受益権を売却することにしていて、その売却収益が、来年度予算概要にはすでに歳入として見込まれている。
   信託受益権の売却とともに、本来、都に戻ってくるはずの所有権も手放すことになる。
   もともと、我が党は、バブルに踊らされて、土地信託で運用益を得ようなどという考え方そのものに、一貫して反対してきた。どの案件も、信託配当など期待できないのに、信託契約を継続するしかないという状況に陥っている。率直な反省を求める。
   地方自治法は、普通財産の土地信託にあたって、その受益者を「当該普通地方公共団体」に限っている。その解釈については、「要するに、他益信託は認められない」「信託期間終了後の財産権を享受させることは、実質的に予算の審議を経ることなく補助金の交付などと同様の効果をもたらすこととなる」「受益権の処分は、正当な事由のある場合を除き、行うことは適当でない」と指摘されている。この点での整合性については、当然検討されていると思うが、必ずしも明らかではない。
   とりわけこの案件については、土地も建物も共有という使い勝手の悪い方法で、土地信託を行い、結局信託受益権の売却という形で処分しようとしている。
   心配なのは、テナントの方たちの営業権である。現在、地下一階から二階の四十五店舗のうち、都の信託に係る部分は二十六店舗ということであるが、コロナ禍で営業が厳しくなっている中で、都には、この方たちが今までと同様に営業を継続できるようにする責任がある。
   答弁では、勝どきを含むエリア全体のポテンシャルが高まっているとの話があったが、信託受益権の購入者が、ビジネスとして不動産の運用益を増やすことを優先すれば、賃料の値上げや払えない事業者が店を閉めて廃業に追い込まれることもあり得る。
   事業に着手した当時、土地を占有していた方たちの営業権を保全しながら、複雑に入り組んだ権利関係を整理するために採用した手法だと、都は説明するが、そうであるならば、今回もまず何よりも当事者の意向や、不安に寄り添い、その方たちの営業を保全するために、最善の方法をとることこそ、都の果たすべき責務である。
   使い勝手が悪いからといって、最も手っ取り早い方法で信託受益権を売却するということには、反対であり、それを前提とした土地信託の一年延長も反対である。
   最後に、都有地は都民共有の財産であり、都民の役に立つ形で運用するべきであるということを申し述べる。

令和二年十二月十一日
厚生委員長 うすい浩一
財政委員長 加藤 雅之殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百一号議案 東京都東村山福祉園(二)改築工事請負契約
2 調査結果
 本議案に対し異議はありません。

令和二年十二月十一日
経済・港湾委員長 菅原 直志
財政委員長 加藤 雅之殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百二号議案 神津島港津波避難施設(二)新築工事その三請負契約
2 調査結果
 本議案に対し異議はありません。

令和二年十二月十一日
環境・建設委員長 佐野いくお
財政委員長 加藤 雅之殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百五号議案 雑司が谷環状第五の一号線トンネル(仮称)(二)立坑築造工事その二請負契約
 第二百六号議案 中川護岸耐震補強工事(その五十一)請負契約
2 調査結果
 全議案に対し異議はありません。

○加藤委員長 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○池川委員 第二百十七号議案、土地の信託の変更について、反対の立場から意見を申し上げます。
 我が党は、東京都が都民共有の財産である都有地の土地信託を行うことに当初から反対をしてきました。都有地は都民のために使うという本来の立場に立つべきです。
 他の信託と同様に、信託銀行の利益は保障される制度になっている一方、都が当初見込んだ信託配当は得られていません。それに加え、本件の勝どきサンスクエアは、他の土地信託と異なり、敷地権が設定され、土地と建物が一体の区分所有となっています。
 東京都が、みずほ信託銀行に信託している部分は全体の六六・九%で、地下駐車場、地下と低層階の店舗の一部、さらに三階から九階までのオフィスとなっています。
 今回の土地信託の変更では、二〇二一年二月末日までの期間を、二〇二二年二月末日に一年間延長する内容となっていますが、信託受益権を売却することを前提としたものであることが都市整備委員会の質疑でも明らかになっています。
 来年度の予算要求の局要求の中には、売却益が歳入として計上されています。
 現在、この信託部分の土地建物の所有権は、みずほ信託銀行になっており、信託受益権の売却は、すなわち所有権を手放すことを意味します。
 都市整備委員会の質疑の中でも我が党は指摘をしましたが、都が信託しているテナントに入っている店舗の営業権がどうなるのかは重大な問題です。
 コロナ危機のもと、営業が継続できるか不安の声が寄せられています。信託受益権を売却した相手が賃料の値上げを行うことは容易に想像ができます。信託受益権の売却ありきで進めるということはあってはならないと思います。
 都自身が歴史的な経過である案件といっている以上、当事者の意向を聞き、不安に寄り添い、最善の方法を模索すべきです。一旦都の所有に戻して、今後のあり方については協議の上、決めていくことを求めておきます。
 バブル期に土地信託に突っ込んでいったことを反省し、都有地は都民のために活用するという原点に立ち戻ることが必要だということを重ねて申し上げて、意見といたします。

○加藤委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百十七号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○加藤委員長 起立多数と認めます。よって、第二百十七号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第二百一号議案から第二百六号議案まで及び第二百十六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第二百一号議案から第二百六号議案まで及び第二百十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○加藤委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○加藤委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、潮田財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○潮田財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案いたしました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 付託議案及び報告事項のご審議の過程で委員の皆様方から賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○加藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時八分散会