財政委員会速記録第十四号

令和二年九月十六日(水曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長田村 利光君
副委員長ひぐちたかあき君
理事池川 友一君
理事森村 隆行君
理事山田ひろし君
けいの信一君
成清梨沙子君
細田いさむ君
三宅 正彦君
鈴木あきまさ君
清水ひで子君
小山くにひこ君
大津ひろ子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長潮田  勉君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務古川 浩二君
主計部長山田 忠輝君
財産運用部長五十嵐 律君
利活用調整担当部長小泉 雅裕君
建築保全部長佐藤 千佳君
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
税制部長丹羽恵玲奈君
課税部長萱場 明子君
資産税部長池田 美英君
徴収部長菊澤 道生君

本日の会議に付した事件
議席について
主税局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都都税条例の一部を改正する条例
財務局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、予算総則、歳入、歳出-財務局所管分、都債
・東京消防庁国分寺消防署庁舎(二)改築工事請負契約
・環二築地虎ノ門トンネル(二)遠隔制御設備工事請負契約
・綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十八)請負契約
・小名木川護岸耐震補強工事(その六)請負契約
・中川護岸耐震補強工事(その二百五)請負契約
・土地の信託の変更について
報告事項(説明)
・「令和元年度東京都年次財務報告書」について

○上野委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、議席についてお諮りいたします。
 本日及び令和二年第三回東京都議会定例会における議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○上野委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局及び財務局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに財務局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより主税局関係に入ります。
 第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○砥出主税局長 令和二年第三回定例会に提出を予定しております主税局関係の議案につきまして概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)の概要(令和二年第三回定例会審議分)をごらんいただきたいと存じます。
 主な改正内容は、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置として地方税法が改正されたことに伴い、固定資産税について課税標準の特例割合を定めるもの及び個人都民税について寄附金税額控除の対象を定めるものでございます。
 以上で第三回定例会に提出を予定しております条例案の概要についてのご説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、税制部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○丹羽税制部長 局長からの概要説明に引き続きまして、第三回定例会に提出を予定しております議案の詳細についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、引き続き、お手元の資料第1号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)の概要(令和二年第三回定例会審議分)をごらんいただきたいと存じます。
 一点目は、固定資産税についてでございます。
 中小事業者等が取得した、生産性向上に資する一定の事業用家屋及び構築物については、翌年度から三年間、条例で定める割合に軽減する措置が地方税法において講じられたところでございます。
 本条例案は、軽減が最大となるよう、この割合をゼロと定めるものでございます。
 二点目は、個人都民税についてでございます。
 中止等されたイベントのうち国が指定するものについて、観客等がチケットの払い戻しを放棄した場合、条例で定めるものを対象として、寄附金税額控除を適用する措置が地方税法において講じられたところでございます。
 本条例案は、国が指定した全てのイベントを対象に定めるものでございます。
 なお、お手元には、資料第2号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)関係資料をお配りしておりますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、第三回定例会に提出を予定しております条例案についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で主税局関係を終わります。

○上野委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○潮田財務局長 第三回定例会に提出を予定しております財務局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りをしてございます資料、令和二年第三回東京都議会定例会提出予定議案等件名表をごらんいただきたいと存じます。
 今回提出いたします議案は七件ございまして、予算案一件、契約案五件、事件案一件でございます。
 初めに、予算案についてご説明申し上げます。
 資料第1号、令和二年度九月補正予算(案)についてをごらん願います。
 まず、1の補正予算編成の考え方でございますが、今回の補正予算は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策や経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実を図るための施策等について、時期を逸することなく実施するとともに、財政調整基金の義務積み立てなどを行うものでございます。
 次に、2の財政規模でございますが、今回の補正予算の規模は、一般会計で三千四百十三億円でございます。
 恐れ入りますが、最初の件名表にお戻り願います。
 契約案でございますが、今回提出いたします五件の内訳は、建築工事が一件、設備工事が一件、土木工事が三件でございます。契約金額の総額は約六十一億円でございます。
 最後に、事件案でございますが、土地の信託の変更についてでございます。
 以上が提出を予定しております議案の概略の説明でございます。
 詳細につきましては、それぞれ所管の部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山田主計部長 それでは、資料第1号、令和二年度九月補正予算(案)についてご説明申し上げます。
 1の補正予算編成の考え方と、2の(1)、補正予算の規模につきましては、ただいま局長から説明したとおりでございます。
 一ページ目最下段、(2)の補正予算の財源でございますが、内訳といたしましては、国庫支出金が九百四十三億円、財政調整基金繰入金が九十八億円、福祉先進都市実現基金繰入金が百五十億円、諸収入が四十七億円、都債が一千四百七十三億円、繰越金が七百二億円でございます。
 一ページおめくりいただき、二ページをお開きください。今回の補正事項の一覧でございます。
 まず、上段の新型コロナウイルス感染症への緊急対策として二千七百十一億円を計上しております。
 その内訳といたしまして、1、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策には八百八十二億円を計上しております。
 中段の2、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実には一千七百四十億円を計上しております。
 三ページをごらんください。
 上段の3、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組みには八十七億円を計上しております。
 中段の4、社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組みには二億円を計上しております。
 下段のその他の事項には、財政調整基金への義務積み立てとして七百二億円を計上しております。
 一ページおめくりいただき、四ページをごらんください。ここからが具体的な補正予算の内容でございます。
 まず、1、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策でございます。
 感染拡大の防止に向けた取り組みに十二億円を計上しております。
 新型コロナウイルス感染症に係る相談体制を確保するため、新型コロナコールセンターを継続して設置するほか、新型コロナ受診相談窓口の継続及び回線増設経費等を計上しております。
 中段の医療提供体制等の強化充実に八百七十億円を計上しております。
 感染者が発生した場合に影響が大きい特別養護老人ホームや障害者支援施設等を対象として、スクリーニングを含むPCR検査等を実施した場合の経費を支援してまいります。
 五ページをごらんください。
 入院治療が必要な患者を確実に受け入れられるよう、医療機関に対して空床確保料を補助し、必要な病床数を確保するとともに、仮称でございますが、東京版CDCの運営等に要する経費を計上しております。
 また、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据え、重症化リスクの高い高齢者等が季節性インフルエンザの定期予防接種を受ける際に要する実費負担を軽減するため、区市町村に対し補助を実施してまいります。
 続きまして、一ページおめくりいただき、六ページをごらんください。2、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実でございます。
 まず、経済活動を支えるセーフティーネットに一千五百三十億円、債務負担行為一千五百六十億円を計上しております。
 中小企業制度融資について、申し込み状況を踏まえ、令和二年度の融資目標額を三兆八千億円まで引き上げ、その融資に必要となる預託金を増額するとともに、実質無利子融資に係る利子補給額のほか、融資に係る信用保証料補助額を計上いたします。
 また、東京の特産品販売事業者の販路開拓を支援するため、民間ECサイト内に特産品販売の特設ページを創設いたします。
 七ページ上段をごらんください。
 都民生活を支えるセーフティーネットに二百十億円を計上しております。
 休業等により、一時的な資金需要に対応する生活福祉資金貸付について、当面必要となる原資を追加で計上いたします。
 七ページ中段をごらんください。3、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組みでございます。
 感染防止徹底宣言ステッカーの実効性を確保するため、業界団体と連携し、感染拡大防止に向けた自主点検等を支援するとともに、専門家派遣等により、事業者の感染拡大防止に資する取り組みを支援してまいります。
 また、事業者が宿泊施設をテレワーク利用する際の経費及び宿泊施設が利用環境を整備する経費を支援することで、宿泊施設の新たなビジネス展開や新しい日常における事業者の働き方改革を促進してまいります。
 一ページおめくりいただき、八ページ中段をごらんください。4、社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組みでございます。
 国のGIGAスクール構想に基づき、都立特別支援学校における児童生徒一人一台の学習用PC等の整備を今年度中に前倒しして実施するとともに、障害に対応した入出力支援装置を整備してまいります。
 続きまして、八ページ下段のその他の事項といたしまして、今後のさらなる対策に備えるため、法律に基づき、令和元年度決算剰余金の財政調整基金への積み立てを実施してまいります。
 補正予算の内容は以上でございます。
 次ページ以降でございますが、こちらには、会計別総括表、局別総括表及び補正予算案の議案を添付してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 私からは、まず、議会局及び財務局所管の令和二年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和二年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和二年度一般会計補正予算議会局・財務局総括表でございます。
 今回の補正は財務局分のみでございます。
 歳出は、表中の補正予算額欄の上から六段目にありますとおり、七百一億六千七百万円余、特定財源は、同じく下から三段目にありますとおり、七百九十九億五千九百万円余計上するものでございます。
 二ページをお開き願います。今回の補正予算事業別説明でございます。
 番号1、財政調整基金積立金でございます。
 これは、地方財政法第七条の規定に基づき、令和元年度決算剰余金の二分の一を下らない額を積み立てるものでございまして、補正予算額は七百一億六千七百万円余を計上してございます。
 三ページをごらんください。
 番号2、一般歳入は、財政調整基金からの繰入金及び前年度からの繰越金を計上するものでございまして、補正予算額は、合わせまして七百九十九億五千九百万円余を計上してございます。
 次に、四ページをお開き願います。財務局合計でございます。
 今回の補正により、歳出予算は、表の右端、上から五段目の歳出計にございますとおり、既定予算額と合わせまして七千六十七億八百万円余となります。
 また、歳入予算は、表の右端、下から三段目の特定財源計欄にございますとおり、既定予算額と合わせまして一兆六千七百三億六千八百万円余となります。
 以上で令和二年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、契約案についてご説明いたします。
 お手元の資料第3号、令和二年第三回定例会提出予定工事請負契約議案の概要をごらんください。
 一ページをお開き願います。工事請負契約議案一覧でございます。
 1の総括をごらんください。今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄のとおり、合計五件、契約金額の総額は六十億五千二百九万円でございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明いたします。
 番号1は、国分寺市泉町二丁目地内におきまして、東京消防庁国分寺消防署庁舎の改築工事を施行するものでございます。
 番号2は、中央区築地五丁目地内から港区虎ノ門一丁目地内にかけまして、環二築地虎ノ門トンネルの遠隔制御設備工事を施行するものでございます。
 番号3は、足立区青井四丁目地内から同区西加平一丁目地内にかけて及び同区綾瀬六丁目地内外二カ所において、綾瀬川の護岸耐震補強工事を施行するものでございます。
 番号4は、江東区白河三丁目地内から同区森下四丁目地内にかけまして、小名木川の護岸耐震補強工事を施行するものでございます。
 番号5は、葛飾区青戸二丁目地内におきまして、中川の護岸耐震補強工事を施行するものでございます。
 次に、契約の方法でございますが、提出予定の五件につきまして、いずれも一般競争入札によるものでございます。それぞれの契約金額及び契約の相手方は、表の右側に記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページから四ページにかけまして、それぞれ案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載しておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
 また、各案件の入札経過等につきましては、五ページ以降に記載しておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
 以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小泉利活用調整担当部長 私からは、資料第4号についてご説明申し上げます。
 本件は、昭和六十一年十二月十六日、平成二十二年十月七日及び平成二十七年十月八日に議決されました、現在、新宿モノリスが建っております東京都新宿区西新宿二丁目三番一の土地の信託につきまして、信託期間を変更するものでございます。
 本土地の信託は、令和二年十一月二十六日をもって信託期間が満了いたしますが、信託を当面継続することが、現時点において最も有効であることから、信託期間を現在の信託期間満了日から五年後の令和七年十一月二十六日まで延長するものでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○池川委員 各補正予算の時点における基金残高の状況について、前回出していただいたものに追加で、今回の補正予算分まで含めてお願いいたします。

○上野委員長 ただいま池川理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○上野委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山田主計部長 令和元年度の決算につきまして、お手元の資料第5号、令和元年度東京都年次財務報告書により報告をさせていただきます。
 中にA4の資料四枚組の概要版、こちらの概要版を用意させていただいておりますので、こちらをごらんいただければと思います。
 まず、一ページをごらんください。令和元年度普通会計決算の概要でございます。
 一番上の表が決算収支等でございます。上から五段目が実質収支でございまして、一千二百七十七億円の黒字となりました。その下が財政の弾力性を示す経常収支比率でございますけれども、七四・四%と健全な水準となってございます。さらに、表の一番下が都債現在高でございまして、前年度と比べて五・一%、二千七十七億円の減となっております。
 その下の表が歳入の内訳、さらにその下が歳出の内訳となっております。
 一番下の表が財政健全化法に定める比率でございます。上段に都の数値をお示ししており、実質公債費比率は一・五%、将来負担比率は二三・六%となっておりまして、いずれも国が定める財政の早期健全化等の必要性を判断する基準を大きく下回り、健全な状態にあります。
 続きまして、二ページをごらんください。新たな公会計手法による分析でございます。
 まず、一番上の表が貸借対照表でございます。東京都の資産は、全体で三十五兆一千八百八十二億円、負債は六兆五千百八億円、資産から負債を差し引いた正味財産は二十八兆六千七百七十四億円となっております。
 その下の表が行政コスト計算書でございます。表の一番下の段、当期収支差額は七千二百億円となり、収入が費用を上回っております。
 三つ目の表がキャッシュ・フロー計算書でございます。表の一番下の段、形式収支は五千三百十七億円の黒字となっておりまして、これは翌年度に繰り越すものでございます。
 一番下の表が政策連携団体などを含めました東京都全体の財務諸表でございまして、貸借対照表上の資産は四十九兆円余、負債は十三兆円余、差し引きで正味財産は三十五兆円余となっております。
 続きまして、三ページをごらんください。現在の財政状況を分析するとともに、今後の財政運営の方向性についてまとめたものでございます。
 まず、令和元年度の財政状況等といたしまして、基金と都債の残高をお示ししております。
 中段のグラフでございますが、財政調整基金の令和元年度末残高は九千三百四十五億円でございましたが、新型コロナウイルス感染症対策の主な財源として積極的に活用したことから、令和二年度九月補正予算案までを反映した予算ベースの残高見込みは一千七百四十一億円となっております。
 一方、三つのシティー実現に向けた基金などを含む残高は、財政再建期を上回る水準を確保しており、今後も、新型コロナウイルス感染症対策を初め、施策を着実に推進していくため、各基金を計画的に活用してまいります。
 次に、下段のグラフですが、一般会計ベースの都債残高は、平成十三年度の七・六兆円をピークに、都債の新規発行や借りかえを抑制したことにより、令和元年度末時点で四・八兆円まで圧縮され、ピーク時と比べて約四割減少しております。
 このように、都は、将来の減収局面などに備え、都債を追加発行する体力を着実に蓄えてきていると考えております。
 四ページをごらんください。上段でございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応として、これまでに総額約一兆六千億円の緊急対策を講じてまいりました。
 その財源としては、右のグラフにございますとおり、主に財政調整基金や国庫支出金を活用しているところでございます。
 次に、中段左側でございますが、三つのシティー実現に向けた基金の活用についてお示ししております。
 都はこれまで、将来の財政需要に備え、特定目的基金を計画的に積み立て、感染症対策の財源としても積極的に活用してまいりました。
 このうち、三つのシティー実現に向けた基金は、財政再建期の平成十一年度末と比較し、約九倍の残高を確保しており、引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応も含め、多岐にわたる都政課題に対処するための施策の財源として活用できる状況にございます。
 中段右側には、都債の活用についてお示しをしております。
 都債は、財源の年度間調整機能などを有しており、目的や状況に応じて有効に活用することが重要でございます。
 現状においては、起債依存度や都民一人当たりの都債残高など、フロー、ストック両面から見ても、将来世代に大きな負担を負わせずに、こうした都債の機能を最大限発揮することができる状態にあるといえます。
 下段には、事業評価の取り組みについてお示ししております。
 限られた財源の中で都政の諸課題に対応していくためには、事業評価の取り組みをさらに深化させていくことが重要でございます。
 そのため、令和三年度予算編成では、事後検証による評価の中で、新型コロナウイルス感染症の状況や社会情勢の変化を踏まえた施策の見直しを行うなど、より一層効率的で実効性の高い事業を構築してまいります。
 今後の財政運営に向けましては、都財政を取り巻く環境が一層厳しくなることが想定される中にあっても、感染症対策を初め、直面する喫緊の課題に的確に対処していくことに加え、東京の持続的成長につながる施策などを積極的に展開していくことが必要でございます。
 また、デジタル化の加速による生産性の向上など、新しい社会をつくり上げていくための取り組みも重要であります。
 そのため、基金や都債といった都財政の対応力を発揮するとともに、事業評価の取り組みを一層強化し、健全な財政基盤を堅持していくことで、都政に課された使命を確実に果たしてまいります。
 資料の説明は以上でございます。

○上野委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十八分散会

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