財政委員会速記録第六号

令和二年三月十九日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長上野 和彦君
副委員長田村 利光君
副委員長ひぐちたかあき君
理事池川 友一君
理事森村 隆行君
理事山田ひろし君
けいの信一君
成清梨沙子君
細田いさむ君
三宅 正彦君
清水ひで子君
大津ひろ子君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務初宿 和夫君
主計部長山田 忠輝君
主税局局長塩見 清仁君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務大久保哲也君
会計管理局局長佐藤  敦君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松丸 俊之君
収用委員会事務局局長斎藤 真人君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為-財政委員会所管分、都債
・第三号議案 令和二年度東京都地方消費税清算会計予算
・第十五号議案 令和二年度東京都用地会計予算
・第十六号議案 令和二年度東京都公債費会計予算
・第百三号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出-財政委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第四十二号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第二号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
1 一第一五号
2 一第一六号
3 一第一七号
4 一第一八号
5 一第一九号
6 一第二〇号
7 一第二一号
8 一第二二号
9 一第二三号
10 一第二四号
11 一第二五号
12 一第二六号
13 一第二七号
14 一第二八号
15 一第二九号
16 一第三〇号
17 一第三一号
18 一第三二号
19 一第三三号
20 一第三四号
21 一第三五号
22 一第三六号
23 一第三七号
24 一第三八号
25 一第三九号
26 一第四〇号
27 一第四一号
28 一第四二号
29 一第四三号
30 一第四四号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
31 一第五二号
32 一第五三号
33 一第五四号
34 一第五五号
35 一第五六号
36 一第五七号
37 一第五八号
38 一第五九号
39 一第六〇号
40 一第六一号
41 一第六二号
42 一第六三号
43 一第六四号
44 一第六五号
45 一第六六号
46 一第六七号
47 一第六八号
48 一第六九号
49 一第七〇号
50 一第七一号
特定事件の継続調査について

○上野委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十五号議案、第十六号議案、第百三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入及び第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○森村委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和二年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和二年度予算は、東京二〇二〇大会を確実に成功させるとともに、成長と成熟が両立した輝ける未来の東京をつくる予算として、第一に、東京二〇二〇大会を確実な成功へと導き次世代へのレガシーをつくり上げること。
 第二に、都政が直面する諸課題への対応とともに、ソサエティー五・〇の実現など、東京が成長を生み続ける成熟都市として進化を図るための取り組みを積極果敢に進めること。
 第三に、都政改革をさらに進め、ワイズスペンディングの視点により無駄の排除を徹底し、財政基盤をより強固なものとすることの三点を基本に編成されています。
 一般会計予算七兆三千五百四十億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十五兆四千五百二十二億円の令和二年度予算には、子育て支援、未来を担う人材の育成、健康長寿の実現、地域コミュニティの強化、災害対策を初め、安全・安心の確保、東京の稼ぐ力の強化、中小企業支援、スマート東京の実現、都市環境の整備、多摩・島しょ振興、そして史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な経費が数多く盛り込まれています。
 さらに、今月十一日には、WHOが世界的な流行を意味するパンデミックを宣言するなど、刻一刻と状況が変化する新型コロナウイルス感染症対策に関し、令和二年度補正予算においては、緊急対応、今後の備えの強化、都内産業、中小企業対策、情報発信の充実を柱とする対策が盛り込まれています。
 人口減少、少子高齢化、日本経済の国際競争力の低下、世界規模での地球温暖化、そして新型コロナウイルス感染症など、東京が今まさに歴史的な転換点に直面している中、都民ファーストの視点で東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず、財務局関係について申し上げます。
 一、国の税源収奪に関しては、行政、議会、そして都民が一体となって都民にその内容を広く周知するとともに、都民生活への影響を及ぼさぬよう尽力すること。
 一、昨年末に示された中長期的な財政収支推計に基づき、事業評価の取り組みを一層強化するなど、計画的かつ戦略的な財政運営を行うこと。
 一、都債の活用に当たっては、人口減少社会を迎える中で、将来世代への負担に配慮すること。
 一、都民提案制度のより一層の普及促進を図ること。そのために、ユーザー目線でわかりやすく使い勝手のよいウエブサイトへと改良を図ること。
 一、仮称都民の城の活用に当たっては、こどもの城が担ってきた役割を十分に踏まえつつ、施設整備のコスト等についても十分に精査をし、東京の未来にとって重要な投資となるよう、中長期的な視点に立った活用を検討すること。また、広く都民の声、地元の声等を反映させ、健全な政策形成過程を経ていくこと。
 一、公共調達に関しては、競争性、公平性、透明性を確保した上で、技術革新の促進、中小企業育成、女性活躍、就業支援といった政策誘導効果を発揮すること。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、新公会計制度については、全国自治体の活用事例も参考に、都内自治体における円滑な導入支援を行うとともに、連携の強化を図ること。
 一、公金管理については、安全性の確保を図りながら流動性を担保し、効率的な運用に努め、適切な管理を図ること。
 一、官民連携ファンドは、東日本大震災後の電力の安定供給、再生可能エネルギーの普及や待機児童解消のパイロット事業等を目的としてきましたが、政策手法として有効に機能していることを所管局で連携し、検証すること。
 一、都民の利便性向上、インバウンド対応、東京都の行政コストの削減に寄与するキャッシュレス化に向けた取り組みを推進すること。
 続きまして、主税局関係について申し上げます。
 一、税収確保と納税の公平性の確保のため、また、税の徴収率のさらなる向上のため、多様な徴収対策により、滞納徴収等の強化を図り、都税収入の確保に努めること。
 一、国内外の情勢を踏まえた今後の税制のあり方については、引き続き都税調を活用し、検討を重ねること。デジタル課税にかかわる地方自治体としての提言を引き続き行うこと。
 一、都民サービスの向上、行政コストの削減につながるよう、税務の現場におけるICT活用、税務行政のデジタル化に努めること。また、費用や期間に留意しながら次期税務システムの構築を進めること。デジタルになじみにくい層に対しても丁寧な窓口業務を維持し、納税者の信頼確保に努めること。
 以上、都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。

○けいの委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和二年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和二年度一般会計予算案は、東京二〇二〇大会の確実な成功、また、成長と成熟が両立した、人が輝く東京の実現に向けて、東京の持続的成長につながる施策に重点的に予算措置を行うとともに、新型コロナウイルス感染拡大を抑制し、都民生活、学校、企業等の不安を払拭するため、補正予算、予備費の活用、繰越制度や予算執行の柔軟な運用など、あらゆる手段を使い、令和元年度補正予算と合わせて五百億円を超す対策を講じています。
 具体的には、未来の東京戦略ビジョンを先導する事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた私立高校授業料の実質無償化の対象拡大、市町村総合交付金の拡充、多子、多胎児家庭の子育て支援、高齢者の移動支援、豪雨水害対策、ドクターヘリの導入推進など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれております。
 一方、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、令和元年度税制改正で講じられた地方法人課税の、いわゆる偏在是正措置の影響が顕在化することや、新型コロナウイルスの社会経済への影響など、都の歳入の根幹をなす都税収入の先行きは予断を許す状況にありません。
 こうした状況の中、令和二年度予算編成における事業評価の取り組みでは、新たにICT関係評価を開始するとともに、我が党がこれまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる八百八十四件の見直し、再構築、約一千三十億円の財源確保額へとつなげています。
 また、令和元年度最終補正予算における新たな基金の創設を含め、中長期的な視点から基金残高の確保を行うなど、強固で弾力的な財政基盤を堅持しています。
 今後とも、いかなる状況にあっても、現場第一主義で都民生活を守ることを最優先に考え、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努められることを強く望むものであります。
 あわせて、都民の負託に的確に応えられるよう、予算の執行段階においてもさらなる精査を行うことで、各施策の効率性、実効性をより一層高め、早期に展開させていくことを強く求めておきます。
 初めに、財務局関係について。
 一、新型コロナウイルス感染症へのあらゆる方面からの対策、都民福祉の充実による生活の質の向上、日本全体の成長における施策を積極的に展開するとともに、事業評価の取り組みなどにより施策の無駄をなくし、効率性、実効性の向上に努め、将来にわたり安定的に都政の責任を果たし得る強固な財政基盤を堅持すること。
 一、基金については、東京が抱えるさまざまな課題の解決に向けた施策展開を支える貴重な財源として、税収動向を勘案しながら効率的に活用していくこと。また、都債については、将来の負担を見据えた上で、都民生活の向上に資する投資的な経費などの財源として適切な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、職員の意識改革を一層推進するとともに、将来の財政負担なども踏まえた中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、景気回復の動きを確かなものとするべく、国の動向も注視しながら、令和二年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、技術者不足など、都内の中小企業が抱える課題に適切に対応するため、引き続き、受注機会の拡大など、中小企業の入札参加への促進を図ること。
 一、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用を図ること。
 一、品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など、入札契約制度の活用により、公共工事だけでなく、業務委託においても、品質確保と中長期的な担い手の育成、確保を図ること。
 一、災害時などに即時に活用可能な未利用都有地を効率的、効果的に利活用すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。整備に当たっては、技術革新の動向に十分注視し、省エネ・再エネ東京仕様を適宜見直し、環境負荷の少ない都市の実現に向けた取り組みを一層進めること。また、高齢化を配慮し、床の滑り防止対策を進めること。
 次に、主税局関係について。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生防止に努めるとともに、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、地方の役割と権限に見合う財源が不足する現状において、総体として地方税財源の拡充を国に強く働きかけること。
 一、スマートフォン決済アプリを活用したキャッシュレス納税の導入など、納税者の利便性向上をより一層図ること。
 一、固定資産税及び都市計画税における条例減額制度を継続するなど、商業地等における過重な税負担の緩和に努めること。
 次に、会計管理局関係について。
 一、都が全国に先駆けて導入した新たな公会計制度について、引き続き、国や他自治体との連携による情報共有、発信に努めるとともに、その成果を都の政策形成に生かせるよう、さらなる制度の利活用に積極的に取り組むこと。
 一、公金管理に当たっては、国内外で厳しさを増す経済金融環境を的確に踏まえた上で、引き続き、安全性の確保を最重要視し、万全を期すこと。
 一、多様な決済手段を施設の特性に合わせて導入することで、多くの都民や外国人観光客等が利用する施設のキャッシュレス対応を早期に図ること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○三宅委員 東京都議会自由民主党を代表しまして、当委員会に付託された令和二年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 提案されている令和二年度予算は、現在、都民の日常生活や東京の経済活動に深刻な影響を及ぼしている新型コロナウイルス対策に迅速かつ的確に対応するとともに、東京二〇二〇大会を成功させ、同時に、防災対策、医療福祉、子育て支援、女性活躍、中小企業支援などの行政課題に適切に対応することで、大会後の東京の発展につなげていくための予算であるべきです。
 しかし、来年度予算案では、築地地区まちづくり調査費用一億四百万円が計上されていますが、全体計画も、五千四百二十三億円に上る投資経費の回収計画も、ほぼ白紙の状態です。
 また、当初計画より百五十五億円も高い五百二十五億円で購入した旧こどもの城跡地も、最短で六年だけ使って取り壊すこともあるという条件つきの改修に総額百三十六億円を投じるとして、来年度予算案に、検討経費のうち中期利用の設計費が三億八千百万円計上されています。
 都区財政調整制度については、積算根拠もなく、配分割合を変更しようとしています。
 突然の有償所管がえや唐突な方針変更で、東京の将来に大きな影響を与える事業や制度変更が、都議会との議論も、都民への説明も不十分なまま予算案に計上されています。
 予算執行に当たっては、今後も、都民福祉向上に役立つ実効性のある施策を計画的に推進するとともに、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことが求められます。
 このため、我が党は、開会中の予算特別委員会において、こうした課題を抱えた令和二年度予算案の取り扱いについてさらに質疑を重ね、必要な提案をしてまいります。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まず、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、財務局関係について申し上げます。
 一、新型コロナウイルス感染症の緊急対策については、刻々と変化する状況を捉え、国や区市町村とも連携して、あらゆる財政支援も含め、真に効果的な対策を展開されたい。
 一、世界で一番の都市東京の実現に向け、将来にわたり、東京がその使命を確実に果たしていけるよう、引き続き強固な財政基盤の堅持に努められたい。
 一、経済の好循環の実現に向け、都民や中小企業ができる限り早期に予算の効果を享受できるよう、円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、入札契約制度については、公共工事における品質を確保するとともに、建設業の働き方改革が進められている中、工事の平準化などを通じ、将来の担い手確保に資するよう、都民生活を持続的に支えていく礎となる制度を構築されたい。
 一、全庁的な観点から、土地建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を確保するとともに、質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、人づくり革命及び働き方改革の実現に向けた各種政策の推進等により持続的な経済成長を目指す中、歳入所管局として、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、地方自治体の事務と権限に見合うものとなるよう、総体としての地方税財源の拡充を国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制のあり方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、公金管理においては、経済金融環境が世界的に厳しさを増している中、リスク管理をより一層強化し、引き続き公金の安全性を確保されたい。
 一、新公会計制度について、円滑な運用により行政運営の効率化を推進されたい。また、都方式を採用する都内自治体に対する支援とともに、総務省の要請により新公会計制度を導入した都内自治体に対しても着実な支援を進められたい。
 最後に、東京二〇二〇大会を契機として、その後の東京の発展を支えていくためにも、財政基盤の強化は不可欠であります。都民の税金を預かる都の予算においては、その内容について、都民が納得できるものでなくてはなりません。
 それゆえ、本予算において多大な経費が計上されている事業を含め、各事業については、都民に対し説明責任を全うする必要があることを申し上げ、意見の開陳を終わります。

○清水委員 日本共産党都議団を代表して、財政委員会に付託された二〇二〇年度予算案に対する意見を述べます。
 小池知事の任期最後の予算案は、都民の福祉、暮らしを守るべき東京都の予算案として重大な問題点があります。
 何より、都立病院、公社病院を、コスト削減などを目的に、都が直接責任を放棄して、民営化に近い運営である独立行政法人化しようとしていることは重大です。
 新型コロナウイルス感染症対策など感染症医療を初め、小児医療、周産期医療、障害者、難病、災害医療など、不採算であっても都民に必要な医療を提供している都立病院、公社病院は、都の役割を強化し、拡充することこそ必要です。
 知事は、長寿を重視した予算案だといいながら、特別養護老人ホーム整備費補助、介護老人保健施設など介護のための整備費予算は軒並み大幅減額です。値上げが続く国民健康保険税、保険料の負担軽減策はありません。
 都営住宅の新規建設は二十一年間ゼロとなり、小中学校の少人数学級の拡大も具体化されていないなど、都民の暮らしを支える予算は極めて不十分なままです。
 一方で、外かく環状道路や特定整備路線など、道路建設を引き続き進めています。
 国際競争力強化を口実に、都心の上空を超低空飛行する羽田機能強化をさらに進めるための調査費や、汚職事件まで起こしたカジノ誘致の調査費検討予算を引き続き計上しています。五輪経費についても、知事が公約した縮減、透明化からはほど遠い状況です。
 私立高校に通う生徒の授業料無償化の年収九百十万円世帯までの拡大、児童虐待防止対策としての児童相談所の児童心理司の増員、視覚障害者を初め、都民を守る鉄道駅ホームの対象の拡大と整備対象駅の二倍近くの増加、防災対策としての河川監視カメラの増設、河川堤防の危険箇所の調査など、貴重な前進はありますが、東京の大きな予算から見ても、より一層都民の暮らし、福祉の予算の充実を求めるものです。
 各局事業についてです。
 財務局予算です。
 新型コロナウイルス感染症対策の影響から緊急に国民生活を防衛するあらゆる手だてをとるために、国の対策も踏まえながら、機動的で迅速な対応をとること。
 道路、橋梁などの都市のインフラ整備の投資的経費について、新規、とりわけ不要不急の大規模事業は最大限抑制して、耐震強化、維持、管理重視に転換すること。そのための都市インフラの維持更新の計画を改善すること。
 建設産業の担い手不足の解消に向けて、賃金引き上げの処遇改善策が労働者まで行き届くよう徹底するよう、都として力を尽くすこと。
 都発注の工事等については、年間を通して平準化されるよう、さらなる改善を行うこと。
 公契約条例について、都として条例制定の検討を始めること。
 障害者就労支援施設からの優先調達を全庁的にさらに進めるために、分離分割発注など、各局と連携して取り組むこと。
 国有地を積極的に取得し、都有地として、保育や介護、福祉施設として提供すること。都有地の提供価格をさらに引き下げること。
 都有施設におけるユニバーサルフリーの取り組みをさらに推進すること。特に、都庁舎における視覚障害者への対応を改善すること。聞こえのバリアフリーについて、利用者の視点も踏まえて、さらなる改善に取り組むこと。
 各局と連携し、都有施設において再生可能エネルギーの導入をさらに進めること。
 旧こどもの城の活用については、こどもの城や東京都児童会館が担ってきた子供のための機能、文化芸術機能を重視すること。青山劇場、青山円形劇場を生かして再生すること。広く都民の意見を聞き、とりわけ子供演劇関係者、子供の発達や遊びの専門的知見を持った方の意見を取り入れるようにすること。改修基本計画は再考すること。
 いわゆる偏在是正措置に対して、ほかの自治体とも共通する課題もあり、地方税全体の問題として捉える視点を示し、引き続き国に強く主張すること。
 次に、主税局関係です。
 新型コロナウイルス感染症の拡大の防止の観点から、個人事業税の申告期限をふさわしく延長すること。
 都税事務所の窓口業務、郵送センターは直営に戻し、民間委託は行わないこと。
 民有地を活用した高齢者施設、障害者施設整備についても、保育所等の整備同様に固定資産税の減免を行うこと。
 都市農業の振興のために、農業用倉庫や屋敷林について、固定資産税等の減免制度をつくり、都市農地の保全を図ること。
 固定資産評価委員会のメンバーについて、公正性、中立性の観点からも、都庁OBの起用は極力避けること。
 都税の徴収に当たっては、生活を困窮されることが明白な預金口座の差し押さえは行わないこと。区市町村とも連携して生活再建型の滞納整理を進めること。
 消費税と新型コロナウイルスによる大幅な消費の落ち込みに苦しむ都民生活や地域経済を守る立場から、消費税の引き下げを都として提案すること。
 次に、会計管理局関係です。
 官民インフラファンドは、リスクの負担は都民が負うことになるものであり、これ以上の拡大は行わないこと。また、非公開部分についての開示、議会のチェックを受けられるようにすること。
 最後に、収用委員会関係です。
 外かく環状道路の用地取得の裁決申請に当たっては、本来は任意の買い取りが大原則であることを踏まえ、裁決処理は慎重に対応すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○上野委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○上野委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十二号議案及び議員提出議案第二号を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第二号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○上野委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二号は否決されました。
 次に、第四十二号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。よって、第四十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○上野委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(30)までの請願一第一五号外二十九件の同内容の請願及び整理番号(31)から(50)までの陳情一第五二号外十九件の同内容の陳情は、いずれも趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(30)までの請願一第一五号外二十九件の同内容の請願及び整理番号(31)から(50)までの陳情一第五二号外十九件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○上野委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○上野委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、武市財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○武市財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただきました。
 令和二年度予算案の調査や報告事項等につきまして、委員長初め委員の皆様に、さまざまな視点から熱心にご審議をいただき、どうもありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。

○上野委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る