委員長 | 上野 和彦君 |
副委員長 | 田村 利光君 |
副委員長 | ひぐちたかあき君 |
理事 | 池川 友一君 |
理事 | 森村 隆行君 |
理事 | 山田ひろし君 |
けいの信一君 | |
成清梨沙子君 | |
細田いさむ君 | |
三宅 正彦君 | |
清水ひで子君 | |
大津ひろ子君 | |
宇田川聡史君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 武市 敬君 |
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 初宿 和夫君 | |
契約調整担当部長 | 新田見慎一君 | |
主計部長 | 山田 忠輝君 | |
財産運用部長 | 五十嵐 律君 | |
建築保全部長 | 佐藤 千佳君 | |
技術管理担当部長 | 飯泉 洋君 | |
収用委員会事務局 | 局長 | 斎藤 真人君 |
本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
財務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、債務負担行為-財務局所管分、都債
・第十五号議案 令和二年度東京都用地会計予算
・第十六号議案 令和二年度東京都公債費会計予算
・第百三号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入-財務局所管分
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出-財務局所管分
報告事項(質疑)
・「東京都の財政収支の長期推計」について
・都民の城(仮称)改修基本計画について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
○上野委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の予算の調査並びに財務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより収用委員会事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○上野委員長 これより財務局関係に入ります。
初めに、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局・財務局所管分、債務負担行為、財務局所管分、都債、第十五号議案、第十六号議案、第百三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財務局所管分及び報告事項、東京都の財政収支の長期推計について外一件を一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○初宿経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
最初に、表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。今回要求のございました資料は二件でございます。
目次をおめくりいただき、一ページをごらんください。要求資料第1号、中小企業受注実績(局別)です。
こちらは、中小企業の受注実績を局別にお示ししたものでございまして、平成三十年度までの過去五年分を一ページから五ページにわたって記載してございます。
六ページをお開き願います。要求資料第2号、用地会計による用地取得の年度別推移(平成二十七年度から令和元年度)でございます。
こちらは、用地会計による用地取得について、五年にわたってその推移をお示ししたものでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○上野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○ひぐち委員 昨日は、主税局に都税収入など質疑いたしました。
グローバル化した世界で人と物が動かず実体経済への影響が大きいこのコロナショックについては昨日も申し上げましたので繰り返しませんけれども、やはり足元の東京都の経済がこれまでにない事態に直面していると思います。
けさも、ある観光産業の方と意見交換、お話ししてきたんですが、今まで伺った中でもかなりひどく、前年比一割と、前年比一割減ではなく前年比一割ということで、これから書き入れどきである花見シーズン、ゴールデンウイークまでも予約がほとんどないとおっしゃっていました。
都財政の歳入面、まさに景気変動の影響を受けやすいという、この法人二税の割合が高い構造的な課題を私も肌身で実感しているところであります。本年夏ごろから見えてくるであろう税収が令和三年度の予算を直撃してしまうのではないかと個人的にも懸念しているところであります。
しかし、過去の危機を振り返りますと、平成二十年のリーマンショックのように大きく経済が縮小し、また税収も大きく減る中で、機動的な施策展開を支えたのが二次にわたる財政再建推進プランに取り組み、内部努力や施策の見直し、事業評価を徹底することで、財務局が築き上げてきた健全な財政基盤でありました。また、都債と基金を計画的かつ戦略的に活用し、財政対応力を持ってこのような難局を切り抜けてきたんだと私は認識しております。
これから起こり得る厳しい局面にどう立ち向かうか、私からは、この都債の活用について伺います。
まず、過去の経緯も踏まえ、都の基本的な考え方を伺います。
○山田主計部長 都財政は、バブル経済崩壊後、都税収入が大幅に落ち込む中で高い歳出水準を維持し、その財源不足を補うために都債を大量発行した結果、後年度に都債償還のための公債費が増大し、財政運営の負担となった苦い経験があります。
一方で、リーマンショック後の平成二十一年度に、都税収入は一年間で約一兆円という大幅な減収に直面をしましたけれども、こうした中にありましても、基金の取り崩しに加え、十二年度以降の財政再建の取り組みを通じて培ってきた発行余力を生かし、都債を財源として活用することで安定的な行政サービスを提供することができたものでございます。
このように、都におきましては、財政再建の取り組みを通じ、都債の発行を抑制するとともに、都税収入の増減に応じて発行調整を行うなど堅実な財政運営に努めております。令和二年度予算におきましては、発行の抑制を図り、残高についても継続して減少させるなど、将来の発行に向けた余力を培ったところでございます。
都債は、年度間の財源調整と世代間の負担の均衡を図る重要な機能を有しており、その発行に当たりましては、将来世代への受益と負担のバランスを十分考慮しながら、その時々の経済環境や事業の動向等を注視し、適時適切に活用してまいりたいと思っております。
○ひぐち委員 今ご答弁されたとおり、都は、バブル経済崩壊後、税収の低迷が続く中、国の経済対策に呼応した公共投資に対応するための財源として都債を最大限活用してきましたが、その結果として、一般会計の都債残高は、平成四年度以降急増し、ピークとなる平成十三年度には約七・六兆円まで膨らんでしまったと認識しています。以降は、歳出抑制に努め、新規発行額も抑制し、それにより、将来の発行に向けた余力を培ってきたということでありました。
では、その余力はどの程度であるかと。はかる指標としては、都債残高と起債依存度が挙げられますが、厳しい局面において、都債の発行余力について、都債残高と起債依存度にどうあらわれているのか、また、これまで蓄えてきた発行余力を今後の財政運営に生かすべきと考えますが、都の見解を伺います。
○山田主計部長 令和二年度予算における一般会計の都債残高は、過去最大でありました平成十三年度決算の七兆六千三百八十四億円と比較し、約四割減の四兆七千八百七十五億円となっております。また、歳入に占める都債の割合であります起債依存度は二・八%と低い水準を維持しており、国や地方と比べても、都財政は健全な状態にあるといえると思います。
本格的な少子高齢、人口減少社会の到来、激甚化する自然災害などに加えまして、足元では日々刻々と変化する新型コロナウイルス感染症の拡大など、都財政を取り巻く状況は大きく変化しております。
今後、税収動向や将来の財政需要などを勘案しつつ、将来世代への負担や財政の健全性にも配慮しながら、これまで培ってきた発行余力を必要に応じて活用するなど、中長期的な視点に立って都債を計画的かつ戦略的に活用してまいりたいと思っております。
○ひぐち委員 やはり都の財政フレーム全体の視点に立てば、社会資本の整備や環境対策に充当できるこの都債や基金、こうしたものを戦略的に活用していくことは、今のご答弁のとおり重要であると思います。
平成二十四年度からは、地方債制度の見直しが図られ、新たに届け出制度ということで導入され、地方自治体の財政の自主性、自立性が高められました。また、これまでしっかりと都債残高を減らし、その発行余力もつけてきたということであります。
そうした中、今求められているのは、この大災害ともいえる有事への対応であります。つまり、これまで経験したことのない困難に直面している都民の皆さんの不安に寄り添い、生活や経済を守り、安全・安心の日常を取り戻すための積極的、機動的な施策を展開することが求められています。
都が、さまざまな財政需要に対して、時期を逸することなく、スピード感を持って実効性の高い施策を打ち出す、そのためにも、都財政を預かる安定的な財政の対応力を培ってきた財務局には、今後も力を尽くしていただくようお願いしまして、質問を終わります。
○細田委員 私からも、大綱四点にわたって質問させていただきます。
まず、今後の財政運営についてです。
都は、都議会公明党のたび重なる要請をしっかりと受けとめていただき、補正予算、予備費や繰越制度の活用など、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制し、都民生活、学校、企業などの不安を払拭するために全力を挙げてこれまで取り組んできています。一方、コロナウイルスによる経済への打撃は、都税収入にも大きく影響を与えるのではないかと危惧をしているところであります。
そもそも都の歳入構造は、法人関係税収の占める割合が高いために、景気の変動に左右されやすく、こうした形にある都財政にとって、財政運営の重要な鍵となるのが基金の活用であります。
現在の都政においては、コロナウイルス感染症への対応に加えて、目前に迫りました東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会、そして、激甚化する豪雨、風水害対策、また未来の東京への投資など多くの財政需要があり、さらには令和二年度、三年度にかけて顕在化する地方法人課税のいわゆる偏在是正措置の影響による税収減も避けて通ることはできない、こういう状況であります。
こうした将来を見通して、踏まえて、都はこれまで、どのような戦略を持ってこの基金を積み立てて、そして取り崩しを行ってきたのか、見解を求めます。
○山田主計部長 これまでも都は、事業評価による施策の見直しにより生み出した財源を計画的に基金へ積み立て、戦略的な活用を図ってまいりました。
東京二〇二〇大会の開催に当たりましては、将来に負担を残さないという考え方に基づき、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を計画的に積み立て、大会開催のための経費に充当してまいりました。また、三つのシティー実現に向けては、防災街づくり基金などへの積み立てと、その活用を行っているところでございます。
令和二年度当初予算案におきましては、大会開催準備や三つのシティー実現に向けた施策などの展開のために、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金、社会資本等整備基金、福祉先進都市実現基金など十三基金を取り崩し、施策展開の財源として充当をしているところでございます。
また、先般ご承認いただきました令和元年度最終補正予算では、平成三十年度決算剰余金や都税収入の伸びなどを活用いたしまして、ゼロエミッション東京推進基金など、三つの基金を新設したほか、将来の財政需要への備えとして、既存の四基金への積み増しを行い、財政基盤の強化を図ったところでございます。
○細田委員 東京二〇二〇大会や三つのシティー実現に向けた積極的な施策展開のために、これまで積み立ててきた基金を有効に活用する一方で、直近の税収状況を踏まえて、将来に向けた備えも図っているとのことでありますが、この令和二年度予算編成における取り組みは、リーマンショックを初め、これまで都財政が直面して乗り越えてきた難局の教訓をしっかりと受け継いで、令和の時代に生かそうとするものであり、こうした財政運営の工夫を不断なく継続していくことを求めるものであります。
一方、現在の情勢では、新型コロナウイルス感染症が都内の経済に与える影響を最小限にとどめることにより、税収減を未然に食いとめていくことは非常に重要でありまして、これまで発表された対応策を初め、必要な取り組みを迅速、そして的確に実行していく財政運営が大変に重要となってまいります。
そこで、直面する課題に対して今後どのような財政運営を行っていくのか、局長の考えを尋ねます。
○武市財務局長 お話にございました新型コロナウイルス感染症対策を初めといたしまして、東京都が直面する課題に的確に対応していくためには、必要な施策を財政面から支える財政基盤の維持、構築が重要でございます。
ただいま先生からは、基金の重要性についてご指摘をいただいたところでございますが、今般の新型コロナウイルス感染症対策の対応におきましても、積み立ててきた財政調整基金を取り崩し、財源として活用することで、機動的に補正予算編成し、迅速な施策展開につなげることができたと考えております。
また、日々刻々と変化する事態に対応するため、先般、新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策(第三弾)といたしまして発表した追加対策におきましては、予備費などを活用し、直ちに実行することが求められる施策の実行を財政面から後押しをしております。
このように、状況に応じて的確な施策を展開していくことができますのも、基金を初めといたしまして、これまで培ってきた強固で弾力的な財政基盤があったからであるというふうに考えております。
今後とも、都財政の将来を見据えながら、都民生活を守り、成長と成熟が両立した都市東京の実現に向けた施策を下支えするべく、健全な財政運営に取り組んでまいります。
○細田委員 厳しさを増しているこの都政を取り巻く現状に対して、敢然と立ち向かおうとする決意を込めた財務局長のご答弁だと理解いたします。
事態は日々刻々と変化しております。情勢の変化に機敏に対応しながら、財政面から都政をしっかりと支えていただくことを改めて強く求めておきます。
新型コロナウイルス感染症による工事の工期の延長や一時中止についてお尋ねいたします。
今回の新型コロナウイルス感染症東京都対応策(第三弾)では、財政面からの工夫がなされています。都発注工事等の一時中止や工期延長などの実施が盛り込まれております。
都議会公明党は、予算特別委員会の総括代表質疑において、新型コロナウイルス対策としての工事の延長、一時中止の対応を求めました。
都は、受注者の意向を確認した上で、申し出がある場合には一時中止などを行い、また必要に応じて契約変更を行うなど、受注者が過度な負担を負わない、このための適切な対応をしていく、そのことを表明したわけであります。
また、予算委員会一般質問では、受注者が負担した費用について、個別案件の実態に即して、協議の上で適切に対応していくとのことであり、既に一時中止を行っている案件があるとの答弁がございました。
ここで伺いたいんですが、どのような案件があって、そして今までどんな対応をしてきたのか、また、工事の延長がある場合には、施設などの供用がおくれることも考えられますが、都民に対する周知はいかに行っていくつもりなのか、この点についての見解を求めます。
○飯泉技術管理担当部長 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためには、都発注工事等においても予防対策を適切に実施していくことが重要でございます。
このため、都は、工事などの一時中止について受注者の意向を確認し、申し出がある場合には一時中止を行うこととしており、これまでの財務局における実績は、工事で九件、設計などの業務で三件となっております。
具体的には、いながらの改修工事において、施設利用者と工事の作業員との接触を避けるため、中止の申し出を受けた事例や、政府による臨時休校の要請に伴い、設計業務の従業員が子供の面倒を見るために休まざるを得ない事例がありまして一時中止を行いました。
今後、一時中止に伴う工期の延伸により施設の供用開始のおくれが明らかになった場合には、施設の所管局と連携し、適切に周知してまいります。
○細田委員 それでは、次に、イベントの中止の場合についてですけれども、受注者の負担の費用について、案件ごとに適切に対応していくとのことですけれども、これは具体的にはどのような対応を想定しているのでしょうか。
これまでのやむを得ない履行中止の際には、いかなる対応を行ってきたのか、答弁を求めます。
○新田見契約調整担当部長 契約案件それぞれに個別の事情があるため、一般論で申し上げさせていただきますが、通常、受注者の責めに帰することができない事由によって予定していたイベントが中止された場合には、その状況に応じて、受注者がイベントの開催準備に費やした経費、例えば、開催を周知する広告掲載費や会場予約費などが発生した際に、その実費相当分を都が負担するなどの取り扱いを行っております。新型コロナウイルス感染症に伴うイベント中止時の対応についても同様の対応が考えられるところでございます。
今後も、契約約款に基づき、それぞれの案件の事情に応じて受注者と協議を行った上で適切に対応してまいります。
○細田委員 イベントの中止の対応におきましても、工事の延伸、また中止におきましても、どうぞ個々の状況に適切に適応していただいて、しっかりと都民の、事業者の声を受けとめて、対応をしっかりやっていっていただくことを求めておきます。
さて、次に、最低制限価格の導入についてお聞きします。
我が党が予算委員会総括の代表質疑で行った設計等の委託における最低制限価格制度の導入について、都は、令和二年度下半期から試行を開始するという、今までにない大きく前進をしていく答弁がありました。これは、平成三十年度の入札制度改革のずっと前より、ダンピング受注の根絶を目指して都議会公明党がずっと求め続けてきたものでありまして、ここで改めて確認をさせていただきたいと思います。
設計や測量、地質調査などの工事関係の委託業務については、工事と異なりまして、労務費が、この価格がほとんどを占めているため、企業の努力で価格を抑えるには、皆様方もよくご存じのとおり限界があります。ある一定の水準以下になることは非常に難しい、即それがダンピングにつながってしまうという、そういう委託業務であります。
このために、品質の確保を確実に行っていかなくてはいけない。設計を行って、現場で、これじゃできないじゃないかという、こういう繰り返された歴史は取り除いていかなくてはいけない、このように強く思っております。
この品質確保を確実に行っていくためには、最低制限価格制度の導入は極めて有効な取り組みであります。都が今回導入をしようとした背景とその効果について、都の所見を求めます。
○新田見契約調整担当部長 都有施設を適切に整備するためには、工事の品質を高めることに加え、その前段である設計等委託業務の品質を高めることは重要でございます。
昨年六月には品確法が改正され、設計、測量、地質調査といった設計等委託についても法律の対象として広く位置づけられたところでございます。
都は、品質確保の取り組みとして、これまでも、適正な予定価格の設定などに努めてまいりましたが、加えて今回、ダンピング受注の防止対策として最低制限価格制度の導入を図っていくこととしております。
本制度の導入は、過度な低価格での契約を防止することを可能とし、品質の確保はもとより、業界の担い手確保や育成にも資するものであると考えております。
○細田委員 今の部長のご答弁で、都が、有効な取り組みである、こういうふうに認識している、この認識を共有しているということはわかりましたが、肝要なことは、今後、この最低制限価格制度を財務局が管轄する庁内の各局や、また局最前線における契約に、素早く、しっかりと、漏れがなく展開していくことであります。また、この都の制度を大いに参考にしている状況にあります公営企業の契約で実施されていくことが何より重要であると思います。
スピード感を持って早く展開していくことが必要です。どうすれば早く前へ進むのか、それを考えていかなくてはいけない、このように思います。
都道府県で最低制限価格制度などをいまだに導入、実施できていない、していないところは、都のほか二つの県しかありません。都内の基礎自治体でも多くが採用している、このように理解をしております。聞いております。せっかくのよい取り組みであっても、しっかりと周知がされなければ、制度の趣旨や内容が正確には把握されず、業界や団体の混乱を招くだけになってしまいます。
試行を開始するに当たって、具体的にどのように周知を行い、また、その後はどのように展開をしていくことを都は考えているのか、所見を求めます。
○新田見契約調整担当部長 最低制限価格制度の適正な運用を図るためには、事業者、都庁内双方への周知が必要であると考えております。
事業者への周知については、都のホームページに基準類を公表するだけでなく、都職員が業界団体に直接伺わせていただきまして、基準や運用方法について丁寧に説明をさせていただくことなどにより、制度についてご理解をいただき浸透を図ってまいります。
また、都庁内においては、設計等の担当部署や契約担当部署に対して、趣旨や内容に加え、最低制限価格の算出方法について具体例を示しながら説明するなど、運用面での誤りが生じないよう周知の徹底を図ってまいります。
こうした取り組みを着実に行いまして、来年度下半期から財務局契約の一部の案件で試行を開始する予定であり、さらに令和三年度中を目途に各局契約の一部の案件に試行範囲を拡大し、その後の本格実施に向けて取り組みを進めていくこととしております。
○細田委員 わかりました。部長、どうぞ、一部のこの試行、これを令和三年度中を目途に拡大していただく、こういうようなことでありますけれども、その後の本格実施に向けた加速度的な展開、この取り組みに万全にご尽力をいただくことを改めて求めておきます。
庁内外への制度の浸透は重要でありまして、業界団体だけでなく都の内部にもしっかりと周知を図った上で試行を開始していただきたいと思います。また、試行の中で、業界団体から出る意見にも真摯に耳を傾けるなどして、改善すべき点があれば、制度の見直しも図りつつ、早期に全庁への展開につなげていただきたい、このように要望いたします。
さて、大きなテーマとしては最後なんですが、都民の城(仮称)についてお伺いいたします。
東京二〇二〇大会での活用に向けて、現在、精力的に短期利用に向けた工事が進められております。オリ・パラ大会後の中期利用に向けての事業スケジュールは、本年度に策定する改修基本計画を経て、令和二年、二〇二〇年度から令和四年、二〇二二年度までの三年間で令和五年度からの供用開始を目指すと示されております。これに向けて設計等と改修工事が行われます。
我が党からではありませんが、二月の本会議の質問で、最短で令和十一年に取り壊すことも想定される条件つきの改修予算百三十六億円が来年度予算に計上されているとの趣旨の発言がありましたが、ここで改めて確認をしておきたいと思います。
令和二年度の来年度予算では、何をどこまでやる予定なのか、答弁を求めます。
○五十嵐財産運用部長 令和二年度予算では、東京二〇二〇大会利用に向けて、今年度施工している改修費の残額が約七億円、仮称都民の城基本設計費が約二億五千万円及び実施設計費の前払い金が約一億三千万円、建物管理経費で約二億円、そのほか検討調査費、委託費と外部有識者報酬で合計約十三億円でございます。また、実施設計につきましては、債務負担行為として、令和三年度の支払い分約三億円を計上しております。
令和二年度は、今年度施工している改修工事を工期内に確実に完了させ、東京二〇二〇大会時に有効活用すること、また、基本計画に基づき基本設計を完了させるとともに、実施設計に着手することを目指しております。
○細田委員 ということは、令和二年度は、基本設計が二・五億円と実施設計が一・三億円と。翌三年度に実施設計が債務負担行為で三億円で、設計、予算合わせて約七億円であると、このように思います。
これに加えて、改修工事費用が百三十六億円であり、令和三年度以降の予算ということでよいのでしょうか、確認をいたします。
○五十嵐財産運用部長 百三十六億円につきましては、改修に要する概算工事費として試算し、基本計画の中でお示しした額でございますが、今後、基本設計、実施設計を進めていく中で、劣化の状況等を詳細に調査し、利用可能なものは最大限継続利用を図るなど、改修内容をさらに徹底して精査し、工事費削減に努めてまいります。
改修工事は、実施設計完了後に着手することを予定しておりまして、現時点では、令和三年度以降に予算計上することとなる見込みでございます。
○細田委員 長期利用の具体的な検討を進める中で、都民の城については、最短で令和十一年、二〇二九年の解体の可能性を含めてその取り扱いを定めるとともに、四敷地のうち可能な場所から先行開発に着手することも検討すると述べております。これは平成三十一年二月の、昨年二月の旧こどもの城活用の基本的考え方からですけれども、国連大学の契約更新が令和十一年であることから、最短のターゲットとして示したものであるということでありました。
仮の話ですけれども、二〇二九年以降、周辺都有地との一体活用を行うとなると、解体に要する期間なども考慮をすれば、その数年前には結論を出していく必要がある、このように思います。
そこで、一体となった敷地の活用案については、いつ、どのように検討していくのか、都の見解を求めます。
○五十嵐財産運用部長 一体活用に向けましては、あらゆる視点から価値の最大化を図ることが重要であり、地元まちづくりの専門家、文化関係者、その他の関係者といったさまざまな分野の方のご意見を伺いながら進めていく必要があると考えております。
まずは、こうした議論の前提となる条件を事務的に整理し、有識者検討会については、来年度中に設置することを目指しております。また、活用案の検討におきましては、基本計画にお示ししているとおり、四つの敷地のうち可能な場所から先行的に開発を進めていくことも考えられるところでございます。
仮称都民の城の建物をどう取り扱うかについては、こうした一体活用案の内容によって建物を解体する可能性、継続利用する可能性のいずれもが考えられるところでございまして、有識者検討会において具体的な一体活用案の検討を進める中であわせて決定していくもので、さまざまな可能性の中から最善の選択をしていけるよう検討を進めてまいります。
○細田委員 今ご答弁の中にありました有識者会議、ぜひこの中で、有識者会議に検討を委ねて前に進めていっていただきたい、このことを強く求めておきます。
今、開発の可能性ということもありますけれども、ここで都有地の一体活用できる体制を整えたときに、一体活用というのは四つの都有地、合計四・五ヘクタールにも上る広大な都有地のことだと思いますけれども、この物理的な形を定義しているものじゃなくて、都のさまざまな政策実現にも資するために、最も効果的に、価値的に統一感を持って、さまざまに活用できるようにしていくことであって、このために地元区なども含めた、地域の方も含めた、有識者も含めた、さまざまな有識者会議で検討をして、その意見を反映させていく、このことが大変に重要であると思っております。
もし百三十六億円かけて改修して、それをオープンから六年後の令和十一年に壊すということになれば、年当たり換算すると二十四億円、月当たりで二億円の減価償却ということでありまして、一般の都民の感覚からすれば非常に高額なものであります。
継続利用の可能性があるという答弁がありましたので、これは今、有識者会議に委ねるべく、どちらの可能性もあるよというふうにいっていることであると思いますけれども、解体せずに生かしていく可能性もあるわけで、継続使用することも考えられると、このような見解であると思います。
私どもも、まさに渋谷区の意見、また、こどもの城として親しまれた、価値があったものをしっかりと今回の理念の中に残していって、そして、この四つの敷地をさまざまな政策に生かすべく活用していくんだと、こういう都の力強い答弁があったわけですから、それはどうぞ、こういうこともしっかりと考えていただいて前に進めていただきたい、このように思います。
例えば、先ごろ完成した有明体操競技場という仮設施設がありますけれども、オリンピックのときに利用されるわけですが、これは実質的には、世界に誇れる、仮設とはいえ木をふんだんに使用して、多くの木材を利用した施設となっていて、末永く使用できる施設になっています。
組織委員会、公表しているところ二百五億円という建設費ですけれども、こちらの方は設計費と合わせると百四十三億円、これを壊して再建するのではなくて、壊して再建するならば、都民に納得がいく新たな形を示さなくちゃいけないし、都民の納得を得た上でこれ以上の行政サービスをしっかりと都民に提供しなくちゃいけない。そして、地元の人たちや、また、これまでの歴史を踏まえたものを入れた上で、どうしたらより価値的なものになるんだろうかということをぜひ有識者会議に委ねて、そして、それをしっかりと都が取りまとめて、そして前に進んでいっていただかなくてはいけないなと思うんです。
さっきの有明体操競技場ですが、まずは国際展示場などとして、社会の、また多くの中小企業に貢献するために利用されていくわけでありますけれども、新耐震基準に沿って一九八五年に建築された仮称都民の城の建物は、中期利用が開始される二〇二三年には築三十七年を迎えますが、今回の改修工事を経て安全は確認されていますから、物理的に安全にどのぐらいの期間使用できるのか、東京都の見解を求めます。
○五十嵐財産運用部長 建築物の使用期間は、立地環境、事業環境及び使用状況並びに維持保全、メンテナンスでございますが、そうした状況などにより異なるため、一概に明言することはできませんが、国や学会などが示す各種指針等で、鉄筋コンクリート造では、短い場合で建築後五十年以上とされております。
○細田委員 建築後短い場合で五十年以上ということですけれども、平成二十七年三月、これが都の最新ということでありますが、主要施設の十カ年維持更新計画には、今後の都有施設の目標使用年数を六十五年以上とすると書かれております。これ五十年以上ということで考えると、十三年ですから、十三年以上これはまだ使えますよということですが、六十五年以上を目指すということであれば、二十八年以上も使用する、この百三十六億円の工事で二十八年以上を目指すことができる、そういう可能性もあるわけであります。改修工事は、この当面の間の活用を想定するものですから、工事費を最小限に抑えることを前提としております。
さて、今回の改修工事で手を加えない箇所について、これをその後のニーズ、未来の状況の変化に応じて活用していくことは、これは可能なのか、東京都の見解を求めます。
○五十嵐財産運用部長 改修の内容にもよりますけれども、一旦、供用開始いたしました施設を改修しようとする場合、利用しながら施工することとなるため、施設利用者への安全管理等の必要性、場合によっては施設全体または一部の休業の可能性、施設を利用したいというユーザーへの影響など、さまざまな課題がございまして、改修自体は可能としても、こうしたことを考慮する必要があるというふうに考えてございます。
○細田委員 ありがとうございます。わかりました。
私も先日、都民の城の今の現状を見させていただきました。本当にお金をかけないようにという、一生懸命努力をされている、また考え方等も伺って、そういう取り組みをしているんだなというのはわかりましたし、例えば、屋上の部分などは、こどもの城のときは屋上遊園で、あと保育室がありましたけれども、五階には--また、それが屋上となって、そして漏水しないようにしっかりと対応して、乳児用のスペース等も残すという、こんな形でしっかりと担保はされておりますが、もし、今はお金をかけることできないし、将来的に別な判断や別なニーズや、別の状況があったときには、屋上を、例えば屋上緑化にして、親子や子供や都民が、そこで、さらにこの施設でより安らぐような、そんな場も提供をしていくことができるかもしれない。そういうようなことも含めた上で、また有識者会議に、期間が短くなるかもしれないけれども、しっかりと諮っていって合意を得ていくと、このようなことを求めたいなと思います。
都民のために将来判断するこの施策展開にも、新たな可能性が残っているということは、私は価値的であるなと、このように思っています。建物としては、令和十一年以降も使えるものでありまして、今回の改修工事を行った後にも、仮に一定のニーズの状況の変化があれば、それに合わせた改修も可能とのことです。
いずれのタイミングであれ、この建物を壊すとなれば、それにかわる都民が納得できるような新たな活用案が示されることが必要でありまして、まさに知事がいうところのさまざまな政策実現に資する土地として、最大限に有効活用が図られなくてはなりません。加えて、四敷地には高低差があることや現に建物を利用している利用者もあり、今後は、こうしたさまざまな要素を具体的に考慮しながら調整、そして協議の状況も踏まえつつ一体的な活用案を検討していく必要があると思います。都民の負託に応えて、ぜひ頑張っていただきたい。
今後の検討に向けた局長の決意を伺います。
○武市財務局長 これまでご質疑をいただいたとおり、一体的な活用案の検討につきましては、コストの問題にとどまらず、都民の城を初めといたしました既存施設の活用状況、周辺都有地の利用者との調整、建物の耐用年数、地形的条件、さらには地元の要望でございますとか、かつてのこどもの城や劇場に思いを寄せるさまざまな方の声など、非常に多面的な検討、調整の末になし得るものであるというふうに考えております。
まずは、都民の城を多くの方に愛される施設とするため鋭意設計を進めるとともに、施設運営や事業内容に関する検討を本格化させていく必要がございます。それとともに、財務局といたしましては、周辺都有地とあわせた一体的活用案を有識者の方々にご議論いただくための前提をしっかりと整理いたしまして、その上で実のある議論へと結びつけ、あらゆる観点から価値の最大化を図っていかなくてはならない、このように考えております。
本事業は、ようやくスタートラインに立ったところでございます。この先、都民の皆様のご理解をいただきながら、本事業の方向性をきちんと定めていくことが私の務めであるというふうに考えております。
全力を注いで事業執行に当たってまいりますので、引き続き先生方のご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。
○細田委員 局長から、全力を挙げて当たっていくということであります。どうぞよろしくお願いします。
以上で終了します。
○田村委員 都民の城について伺います。
都は、都民の城改修についてパブリックコメントを二回行いました。二回目は、一回目に改修費の概算が入っていないので行ったと聞いています。
改修費の概算が入っていないという我が党からの指摘がなかったら、二回目は行っていなかったのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 概算工事費につきましては、昨年十一月の段階では算定中でございまして、最終的な基本計画を策定する段階でお示しする予定としていたため、十一月のパブリックコメントではお示しいたしませんでした。
しかし、その後の都議会での議論なども踏まえ、本年一月に再度パブリックコメントを行い、概算工事費の算定終了後、直ちにお示しすることといたしました。
○田村委員 ということは、イエスかノーでいえばイエスだったということだと思います。
ということは、改修費の目安も示さず、一回目のパブリックコメントだけで終わっていた可能性もあるわけです。
まさに改革の一丁目一番地である情報公開がなされなかったことになります。所見をお聞きします。
○五十嵐財産運用部長 ご指摘の十一月のパブリックコメントではお示しできませんでしたけれども、先ほども申し上げましたが、都議会の議論などを踏まえ、本年一月に再度パブリックコメントを行い、きちんと情報公開をしたものというふうに考えております。
○田村委員 情報公開とは一体何なんでしょうか。財務局がこの状態だと、都庁のガバナンスは全くとれていないと思います。新たな都政改革ビジョンの実現などほど遠いことになると思います。
パブリックコメントでは、約七割が旧青山劇場、青山円形劇場の再開を望んでいます。
しかし、受け入れられませんでした。なぜ受け入れられなかったのか。いつ、誰が、どのような理由で受け入れないとの判断を下したのかお聞きします。
○五十嵐財産運用部長 パブリックコメントは、計画などの策定に際しまして、広く住民から事前に意見を募ることで、行政運営の公正、透明性の向上を図るものでございますが、委員お話しのとおり、今回のパブリックコメントでは、特に劇場に関して多くの意見が寄せられたところでございます。
こうした意見を受け、財務局として、改めて改修内容とコストのバランスを考慮した結果、かつての劇場と比べれば、機能面で一定の制約はあるものの、演劇などの芸術文化活動にも十分利用可能な、都民にとって身近な、幅広い利用に応える施設とすることに決めたものでございます。
○田村委員 パブリックコメント自体の意味合いというんでしょうかね、なぜパブリックコメントをやるのか、そのことが本当に問われる事案だと思います。聞くだけ聞いて、ブラックボックスで決まった方針を押しつけるのであれば全く都民ファーストではありません。
次に、国の改修費の概算である百十七億円が示されていますけれども、都の概算の百三十六億円との算出の違いは何かお聞きします。
○飯泉技術管理担当部長 現在は、基本計画の段階であることから、概算工事費の算出に当たりましては、新築当時の建設費をもとに、経年による工事単価の変動を考慮いたしまして補正を行い、躯体工事等を除いた建設費に改修工事の費用を計算するための換算比率、いわゆる改修比率を乗じて算出をいたしました。
平成二十三年にまとめられた国の調査報告書によりますと、国は、改修比率を七〇%前後と設定しておりますが、都は、この建物が築三十四年であり、平成二十七年の閉館からも五年近く経過しているため、大規模改修を想定しておりまして、劣化の状況や外壁のガラス、建具、空調設備など継続利用できると見込まれる部分などを考慮いたしまして九五%に設定してございます。なお、エレベーターと舞台設備におきましては、専門性が高い工事でございますから、見積もりを徴取して工事費を算出しております。
今後、具体の設計を進めていく中で、改修内容を精査し、工事費の削減に努めてまいります。
○田村委員 ということは、都の概算は国の概算を参考にされていないということです。だとすれば、何のために国の概算額を参考として、一回目のパブリックコメントへ表示したのか伺います。
○飯泉技術管理担当部長 先ほどご答弁しましたとおり、第一回目のパブリックコメントにおきましては、まだ都の概算費が出ておりませんでしたので、参考として国の改修費を掲示してございます。
○田村委員 参考にならない数字を参考にするということは、到底理解できません。あのパブリックコメントにもきちんと参考としての数字として載っておりました。
いきなり百三十六億という数字を出すとハレーションが起きることを恐れて、百十七億円という数字で都民に百億円単位の改修費がかかると思わせたのではないでしょうか。であれば、都民ファーストどころではありません、都民の目を欺こうとしているようにさえ見えます。
また、使用開始から最短六年で解体するかもしれない建物に百三十六億円もの経費を投入することについて、一体いつ、誰が、どのような判断基準に基づいて決定したのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 本件地につきましては、将来的には、周辺都有地との一体活用を見据える一方で、中期的には、今ある建物を最大限有効活用という視点が重要であると認識しております。
今回の改修計画の内容やそこに含まれる概算工事費につきましては、具体的な改修内容の検討を進める中で財務局が決定いたしました。今般の概算工事費については、仮称都民の城を活用していくために必要な経費でございますが、開館に向けては、事業内容の充実とともに工事費の精査を徹底してまいります。
将来的な周辺都有地との一体的な活用については、今後設置する予定の有識者検討会の中で、仮称都民の城の建物をどの程度の期間活用するかを含め、あらゆる視点から価値の最大化を図るべく検討してまいります。
○田村委員 今、工事費の精査を徹底するとありましたけれども、であれば、先ほど申し上げた劇場の舞台装置ですけれども、青山劇場が二十五億、円形劇場が九億と記憶しています。
都民の切実な願いです。この九億を盛り込んで、ほかを削減して、この九億の円形劇場の復活だけでも検討する可能性がないのかお聞きします。
○五十嵐財産運用部長 概算経費からどのくらい経費を節減できるかにつきましては、今後の設計の中で検討するものでございますので、そうした仮定のお話については、今、答弁できるような状況ではございません。
○田村委員 それでは、最短六年で解体する可能性があったわけですけれども、それが表面化しませんでした。その理由について伺います。
○五十嵐財産運用部長 概算経費百三十六億円につきましては、第二回のパブリックコメントでお示しするとともに、今回、議会に提出しております最終的な計画の中で示しているところでございます。
○田村委員 六年で解体する可能性を公表することがおくれたのも、百三十六億円という経費の経緯が全く知らされなかったのも、情報公開とはかけ離れたことだと思います。
次に、予算特別委員会での我が党の小宮委員の代表質問で、小池知事は、子供のための機能の充実に強く言及しています。
しかし、都民の城は、百歳までの都民に利用してもらう施設です。子供以外の都民のための機能の内容はどのように考えているのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 仮称都民の城において、子供以外にも提供する機能といたしましては、コンテンツ産業の創業支援、福祉人材の確保、シニア向け学習講座などを計画しております。
また、本施設は、複合施設としての特性を生かすことで、こうした仕事や学びの機能を単に提供するだけではなく、遊びの機能を含めて相互に連携させ、効果を高めていくことを目指しているところでございます。
今後、事業内容の詳細について検討を本格化させていく中で、パブリックコメントの意見も参考としながら内容の充実を図ってまいります。
○田村委員 都民の城と決まってからしばらくの時間がたちます。今の答弁では、全く、以前お聞きした内容と変わっていません。
具体的にどのような内容にするのか、再度お聞きします。
○五十嵐財産運用部長 ただいま答弁したとおりの内容でございますが、今後、庁内検討会の中でしっかり検討してまいります。
また、パブリックコメントでも、子供以外の機能に関して、例えば、生涯学習、中高者の運動文化活動を定期的に支える施設などのご意見もございますので、そういったものを新たに検討の中に入れて検討してまいりたいというふうに考えております。
○田村委員 都民の城の近くに同じような場があり、本当に必要なのかという声もあります。
当初、都民の城と知事がいってしまったので、子供以外の利用も検討する。しかし、中身は今の答弁のとおり具体的ではない。そこへパブリックコメントで、子供のための機能の充実に対するコメントが寄せられたので子供向けを充実すると知事がいってしまった。そんなぶれぶれで本当の都民ファーストといえるのでしょうか。
令和二年度予算では、二〇二〇大会利用に向けた改修費に約七億円が充てられていますが、これはオリンピック・パラリンピックの経費ではないのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 議員お話しの改修費につきましては、東京二〇二〇大会関連経費でございます。
本施設は、東京二〇二〇大会に向けて、ボランティアの研修会場等として活用する予定であるため、大会の成功を支える関連事業のうち都市インフラの整備経費として計上しております。
○田村委員 大会経費には、大会経費と大会関連経費があります。この経費がどういう経費なのか、これだけオリンピック・パラリンピックの経費が騒がれている中、都は、都民にわかりやすく説明するべきだと思います。
今までお聞きしてきたとおり、都民の城は、情報公開、ワイズスペンディング、都民ファースト、全てがなされていない、全てに反する象徴的な事業だと思います。なぜそうなったのか。知事の思いつきだから。それだけではなく、財務当局のその場しのぎの姿勢にもあると思います。
各局の予算を調整し、査定にも大きな影響を及ぼす力のある財務局が襟を正して、今後の各事業に当たることを望み、質問を終わります。
○清水委員 中小建設業支援について伺います。
新型コロナウイルス感染の影響が広がりつつある中で、公共工事においても対応が求められていると思いますけれども、既に国から感染防止に向けた取り組みについて通知が来ていると聞いています。
国の方でも、日々状況や対応も変わっていると思いますが、現時点での内訳はどのようになっているのか、そして、それを受けて財務局としてどのように対応しているのかお伺いいたします。
○飯泉技術管理担当部長 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためには、都発注工事等でも、予防対策を適切に実施していくことが重要でございます。
本年二月二十五日以降、国から、工事現場などにおける感染症の拡大防止についての要請や国が施行する工事での対応についての情報提供がございました。
都といたしましても、国の対応に準じまして、工事現場等でのアルコール消毒液の設置による予防対策などを徹底するとともに、工事の一時中止等について受注者の意向を確認し、申し出があれば一時中止等を行うなど感染拡大防止に努めております。
なお、工事等の一時中止期間につきましては、当初、三月十五日までとしておりましたが、三月十二日に示された感染症の緊急対応策(第三弾)を踏まえまして、最長で三月末まで延長できることとしております。
○清水委員 深刻な状況が建設業者や従業者のところでも影響を受けているというふうに聞いています。工事の一時中止、工期延長などは、受注者の責めに帰することはできないものと明確にすることなど柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
新聞報道によりますと、他の県で、この申し入れを行ったことに対して、国交省の担当者は、コロナウイルス感染防止での工事中止、延期は、受注者の責めに帰することができないものとして、対等な立場で契約するよう元請業者などへ指導していくと回答しているというふうに書かれていました。こうした立場で対応していただきたいというふうに思います。
今、思い切った手だてをやらないと、建設従業者の雇用が断ち切られてしまうという実情があるわけです。そして、公共事業や災害対策の担い手が失われてしまうということにもなるわけです。緊急対策をこれまで以上にとっていただきたい、そして、建設従業者の雇用をしっかりと守っていただきたいというふうに要望しておきます。
次に、中小建設業者からは、オリンピック後どうなるかわからないんですけれども、オリンピック後の公共事業費確保についても心配している声が出ています。
オリンピックなどで大型施設中心に建設されてきましたけれども、それが終了し、大型施設のみでなく都民生活と直結する社会福祉施設、道路、上下水道、学校等など維持修繕費などに対する予算がどうなるのかということの不安な声が出されています。
十分な確保をすることが要望されているわけですけれども、その声にどう応えていくのかお伺いいたします。
○山田主計部長 都はこれまでも、都民が生涯を通じて安心して生活できる環境を整備することが社会全体の活力をもたらすとの考え方から、社会資本ストックの維持更新などに的確に財源を振り向けてまいりました。
令和二年度予算におきましても、社会福祉施設や学校を初めとする都民生活に直結する施設等の維持更新に必要な予算を適切に配分しており、その見積もりに当たりましては、市場の状況に即した単価を用い、実際の施工条件を反映した積算を行い、必要な額を確保しているところでございます。また、発注量の平準化の観点からは、工期が十二カ月未満の工事についても債務負担行為の効果的活用を図るなど適切に対応しているところでございます。
引き続き、都民の安全・安心の確保に向けまして、計画的な維持更新に努めてまいりたいと思っております。
○清水委員 都民生活と直結するいろいろな社会福祉施設や道路など、これから維持修繕費をどうするのかということが、それまでにも問題になってきたわけですけれども、これから一体どうなるのかということの不安の声は出されている。今のコロナ対策の十分な確保ということもありますけれども、やはりその声に、その要望に応えていただきたいというふうに思います。
次に、今の状況ですけれども、建設現場では働き方改革が進んでいると聞いています。建設現場でも週休二日が広がっているというふうに聞いています。そうなると、建設現場労働者の給料体系は、ほとんど日給月給となっているわけで、今まで六日間で得た収入を五日間で得ることになるわけですけれども、どのように取り組んでいるのでしょうか。労務費というのはどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
○飯泉技術管理担当部長 建設業界において、工事の品質を確保しながら働き方改革を進めるためには、公共工事においても積極的に推進することが重要でございます。
そのため、都は、労務費の水準や工期を適切に確保しており、工事に必要な資材や作業量を積み上げ、国の定めた最新の労務単価等を速やかに反映させて工事費を適切に積算してございます。
具体的には、国が本年二月十四日に決定、公表をした最新の労務単価について、全国の、全職種単純平均で前年度比二・五%増となっておりまして、原則として三月一日以降に起工決定する工事等の案件に適用してございます。
○清水委員 確かに、労務単価は連続して、七年、八年目で上げられているというのは重要なことだというふうに思います。
建設労働者の取り組みというのが非常に強い形であらわれていた結果としてなっているわけですけれども、しかし、そういうふうに上がってきているけれども、実際に現場では、一割程度しかこれが上げられていないという声も聞いているわけです。
やはり、現在のコロナの状況では、それがどうなっているのかということもまた考えなければいけないことですけれども、心配していることは、インフラを守る建設業の技能労働者がさらに減少するというふうに考えられるわけです。
こうしたことからも、今、国で行っている週休二日の工事と同様に労務費の補正というものを求めたいと思うんですけど、労務費の補正というのはどのような検討がされているのかお伺いいたします。
○飯泉技術管理担当部長 都発注工事の工期の設定に当たりましては、直接必要な日数のほか、施工条件や休日等を考慮した日数を加え、必要な期間を確保しているものの、現場の実態といたしましては休日に作業が行われる場合も少なくありません。
そのため、財務局では、一部の工事について試行的に週休二日の遵守などを条件といたしましたモデル工事を実施しており、国に準じて労務費を五%割り増しているほか、完了時には、さまざまな観点からアンケートを行い課題等を把握した上で、今後の取り組みに生かしてまいります。
あわせて、女性や若手といった担い手の育成、工事関係書類の削減、簡素化などの取り組みも進め、受注者が働き方改革を進めやすい環境を整えてまいります。
○清水委員 確かに、算定とか規定というのはそうなっていることだと、そして、それに対して書類の削減とか簡素化なども進められているというのは聞いています。受注者が働き方改革を進めやすい環境を整えていく努力はされているということは伺っているのですけれども、しかし、前回の契約の中で、工事請負契約案件の落札率を見ると、多くが九二%付近に集中していたというのが実態です。
都のこれまでの入札契約制度改革により、契約案件の競争性から公平性等が確保されていることは承知しています。先ほど詳しいご説明もありました。
一方では、建設業者等の方からは、九二%落札というのは、これではどうしても採算がとれないんだと。先ほど説明があったのは聞いていますよ、説明をしていただきましてわかっています。何回も聞いております。資料ももらっております。
しかし、最低では採算がとれないんだと、九二%だと。最低でも九五%程度の価格で落札できないと厳しいという声も実際に私は業者から伺っているわけです。
そのことをどういうふうに受けとめますか、お聞きします。
○新田見契約調整担当部長 公共調達におきましては、都民の貴重な税金を原資として、最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治法の理念に基づき、競争性、公平性、透明性を確保して、品質の高いものを適正な価格で調達することが必要であり、そのためには、予定価格を適切に設定することは重要であると考えております。
今回の案件におきましても、都の定める積算基準や実勢価格を反映した最新の単価等を活用して適切な予定価格を設定しておりまして、落札率につきましては、入札参加事業者が資材の原価や諸経費などさまざまな項目を勘案して、応札額を算定した結果であると考えております。
今後も、適切な予定価格の設定に努めてまいります。
○清水委員 説明はわかりました、伺いました。そしてその中身も示していただきました。
しかし、請負建設業の方からは、本当に九二%程度じゃやっていけないというので、結局不調に終わっているんじゃないんですか、幾つもの契約が。そういうことから見ても、やはり、確かに税金を大切に使うと、公平にすると、そういうこともあるかと思いますけれども、しかし、建設業者が継続できなければ、働き続けられなければこれは意味ないわけですよ。競争したり、公平にしたり、透明性を確保しているということも説明いただきましたけれども、実際の行為としては、やはり本当に九五%、最低でも、やっていただけないかという声を聞いています。
ぜひ、そうした今後も適切な価格の設定というものに努力をしていただきたいと思います。そういう中小建設業者の声もしっかり聞いていただきたい。いろいろずっと何年も聞いてきているというのは知っていますけれども、やはりそれを計画的に取り入れていただきたいと思います。
さて、都道府県で最低賃金に差があるために、事業所を都外に移した場合の賃金には格差が生じるのではないかと思いますけれども、どのように対応するのか、必要があるのかということについてお伺いいたします。
○新田見契約調整担当部長 賃金とは、通常、労働者一人一人の能力、経験、技能や企業の業績など、さまざまな要素や個別の事情が反映されたものでありまして、また、法令などで下支えされた上で、各企業において対等な労使間での交渉により自主的に決定されるものであると考えているところでございます。
○清水委員 最低賃金の、低いところの契約を重んじたら、それを落札するということになるかと思うんです。でも、だからこそ、私たちが今度の定例会でも求め続けてきました公契約条例の制定というものが必要じゃないかと思うわけです。ここ、どうしてもこれが必要です。
また、労働者の適切な処遇の確保のためには、都は、前回の知事の答弁で、下請契約の適正化に係るフォローアップ調査を実施するということを伺ってきましたけれども、それをどのように取り組むのかお伺いいたします。
○新田見契約調整担当部長 公契約条例につきましては、整理、検討すべき課題があると認識しておりまして、賃金等につきましては、先ほど申しましたが、労働関係法令のもとで、労働者個人の経験、能力等を踏まえまして、各企業において対等な労使間での交渉により自主的に決定されるものと考えております。
一方で、労働者の適切な処遇の確保は重要でございます。
都はこれまでも、工事契約に係る元請企業に対して下請契約の適正化を要請してまいりましたが、今後は、そのフォローアップ調査を行い、事業者の任意の協力のもと適正な下請代金の支払いなど、実態の把握に努めることにより実効性を高めていくこととしております。具体的な調査方法などについては、今後検討を進めてまいります。
○清水委員 やると、調査を実施するということをいわれているわけだから、もっと早急に、具体的な調査手法を検討中というご答弁をいただきましたけれども、やはり積極的にもっとこれを具体化しなければいけないというふうに考えています。
全国でも、比較的早く条例を制定したある市の公契約審議会委員をやられてきた弁護士の方がちょっと書いているんですけれども、公契約制度の歴史として、パリ市では一八八八年、まともな労賃を払わなければ業者は仕事を受注できないというルールを水道事業に導入しました。それ以前に水道事業がダンピングを行ったことで、技能のない労働者が流れ込み、水漏れなどのトラブルが多発するようになりました。まともな労賃を払って、まともな技能を持っている労働者に工事してもらうことで公共サービスの品質を確保しよう、これが公契約制度の始まりだったというのです。
そして、この制度は、他国にも広がっていきました。アメリカで本格的に法制化されたのは一九三一年です。大恐慌後の景気回復のための制度。末端の労働者にまで労賃が行き渡らないと意味がなく、そのため公共工事では地域相場に基づいて適正な金額が労働者に支払わられる仕組みがつくられましたと書いています。
そして、日本での広がりは、品質確保、貧困を生み出さない、ダンピング競争から地元業者を守る。ダンピング競争が各地で起こるのを防ぐ。最低賃金ぎりぎりで働かせている保育所に自分の孫を預けるのは不安だという市民の声があって、事業者や労働者や市民の立場からの必要が訴えられるようになったというわけです。
もう一回、具体的にどういうふうにフォローアップ調査ってやるのかなということを聞きたいと思いましたけれども、同じ答弁でしょうから、これはさらに、公契約条例を制定していただきたいというふうな要望をしたいと思います。
現在、私が把握している公契約条例を制定しているのは、七つの県と七十市、都内では十四区市に広がっています。この数が正確かどうかと、ある雑誌にまとめられているものです。
ですから、やはり、繰り返し私たち党が求めているように、労働者の方、建設労働者の方が求めているように、公契約条例を東京都でも制定していただきたいということを強く求めて、質問を終わります。
○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時二十四分休憩
午後二時三十九分開議
○上野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○大津委員 東京都の財政収支の長期推計について伺います。
東京都の財政収支の長期推計というのは、都財政運営の方向性を示す指針でもあり、石原都政、平成十八年に財政運営の指針が出て以来初めて年末公表されました。
平成時代の三十年は災害の年でもあり、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、全国各地で自然災害が発生をしました。加えて、バブル崩壊、ITバブル崩壊、そしてリーマンショックなどの大不況も発生をした、そうした平成の時代でもありました。そして、令和に入り、新型コロナウイルス感染症が世界的に伝播が広がっています。
これまで都は、感染対策として令和元年度と二年度を合わせ四百一億円規模の補正予算や、今月十二日に発表された百十一億円規模の緊急対応策などにより、当面の緊急対応や将来の事態の備えを実施することで感染拡大の抑制の実効性を高める取り組みなどを進めています。
これらの緊急的な財政需要とともに、二〇二五年をピークに減少に転じる都内人口に加え、本格的な少子高齢化社会への突入による労働力不足や生産性の停滞、そして、常に忘れてはならない気候変動による温暖化の進行による社会現象、そして公衆衛生の対応といった避けることのできない財政需要など、今後の都財政は、歳入と歳出のバランスが保てるのか将来に不安を感じるところでもあります。
中長期的な視点では、昨年末に示された未来の東京戦略ビジョンで掲げているように、人が輝く東京を実現し、東京が成熟都市としてさらに成長を遂げていくことが必要と考えます。
財政収支の長期推計は、戦略ビジョンと同じく公表されましたが、二〇四〇年までの二十年間の財政収支を推計する長期推計は、どのような狙いで策定をしているのかお伺いいたします。
○山田主計部長 財政収支の長期推計でございますけれども、未来の東京戦略ビジョンで描く政策の実行について財政面からの考察を行うため、また、中長期的な都財政の見通しをもとに、計画的かつ戦略的な財政運営を行っていくために作成、公表したものでございます。
推計に当たりましては、未来の東京戦略ビジョンと同一の人口フレームや高齢化などの客観的なデータを用いながら、経済成長率について上位、中位、下位の三つのシナリオを設定し、都の歳入と歳出の全体の推計を行うことで二十年間の収支ギャップの推計を行っており、これまでの都の財政運営や現在の都財政の状況、今後起こり得る環境変化を踏まえた中長期的な推計となっているところでございます。
こうしたことから、本推計は、新たな政策を行っていく上でのベースとなる、いわば現在の都財政の実力を示すものとなっていると考えております。
○大津委員 この長期推計は、現在の都財政の実力、実寸大をあらわしているということが理解はできました。
将来の財政需要に備えて弾力的な財政運営を行い、持続可能な都市東京とするために、この長期推計を財政運営の方向を示す指針として備え、未然予防なども考慮しながら、予算の編成、執行を進めていかなくてはなりません。
長期推計を踏まえて、都財政の特徴をどのように捉えて、どのような分析結果が得られたのか伺います。
○山田主計部長 都財政は、歳入に占める法人二税の割合が高く、景気変動の影響を受けやすい不安定な構造にあります。
現に、平成の三十年間における都の法人二税は、景気変動の影響を受け、大きな下降局面が二回発生しており、リーマンショックの際には、一年間で約一兆円もの税収減となるなど大きく変動しております。
こうしたことから、中長期的な財政収支の推計に当たりましては、景気変動に伴う短期的なぶれを調整するため、法人二税は、平均税収額を推計の起点とし、上下の振れ幅の中間を通る考え方の推計を行ったところでございます。
このような考え方のもとで推計を行った結果、労働参加と生産性向上が一定程度進むケースであり、経済成長率を期間平均〇・四%としている中位推計であっても、超高齢化社会への対応など、将来にわたり膨大な財政需要を抱える中で、二〇三二年度以降、歳入と歳出の差である収支ギャップのマイナス幅が拡大し、二〇四〇年度には一千三百億円のマイナスとなる見込みであります。同様に、上位推計の場合の二〇四〇年度の収支ギャップは一千二百億円のプラス、下位推計の場合は三千七百億円のマイナスとなります。
中位推計の場合、今後二十年程度は、基金の取り崩しを行うことなどによりまして対応可能でございますが、その後は、基金の活用に加え、厳しい歳出の精査や、これまで抑制してきた都債の発行額の増加が必要となるなど、長期的に見た都財政は決して楽観はできない見通しであると考えております。
○大津委員 これまでにも、都税は、恵まれてきた時期もありましたし、危機の時期もありましたが、中長期的には決して楽観視できる状況にはないとの推計結果が出ました。
先ほどの答弁にもありました都税収入についてですが、過去にはやはり、バブル経済の崩壊やさまざまな、リーマンショックなどもありました。例えば、平成二十年度のリーマンショックのときには、わずか一年で都税収入が一八・八%も減収しました。平成三年のバブル崩壊のときには、平成三年から六年のその三カ年で合計二〇・四%の都税が減収をされました。
ことしは、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、経済、産業に影響も出、景気の停滞、そして都税収入へのどのくらいの減収になるかは、まだ想定できませんけれども、大きな懸念がされているところでもあります。
今後、健全な財政運営を行いながら、積極果敢な施策展開を行う必要があると考えますが、武市局長の見解をお伺いいたします。
○武市財務局長 本格的な少子高齢、人口減少社会の到来、激動する世界経済など、都財政を取り巻く状況は大きく変化をしております。また、足元におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済の先行き不安により、その不確実さはさらに高まっております。
こうした中におきましても、必要な対策を時期を逸することなく講じていくとともに、東京のさらなる進化に向けて未来の東京戦略ビジョンで描く施策を着実に推進していくためには、施策の積極的な展開を支え得る財政基盤の構築が不可欠であります。
このため、施策の新陳代謝を図る事業評価の取り組みをさらに深化させ、無駄の排除を徹底するとともに、都債と基金の活用を図るなど、計画的かつ戦略的な財政運営を行っていく必要がございます。
その上で、稼ぐ東京、イノベーションの活性化、誰もが輝く働き方の実現など、未来への投資を行うことで成長が財源を生み、さらなる政策へとつながる好循環を生み出していくこと、それが求められております。
財政運営に携わる者といたしまして、中長期的視点に立つことは重要でございます。
今般策定いたしました長期推計も踏まえまして、今後とも、さらに強固で弾力的な財政基盤を構築し、都民の安全・安心を確保するとともに、東京、日本の明るい未来をつくり上げる積極的な施策の展開を、財政面からしっかりと後押ししていく所存でございます。
○大津委員 財源の確保に向け、将来世代への負担につながる都債の活用の前に、財政の力を意識したさまざまな無駄の排除の徹底や取り組みや基金の活用に取り組んでいただくことをお願いいたします。
次に、仮称都民の城について伺います。
中間のまとめを十一月に発表し、パブリックコメントや都議会、さまざまなところからの都民の声、議論などを経て、このほど改修基本計画が策定をされました。特定の誰かのためではない、みんなのための施設、誰ひとりとり残すことなく使える、そういう施設は、私どもも共感できるものだと思っております。
パブリックコメントを二度にわたり実施し、その中には、地元の声も確実に入ってきていると思いますが、期待を寄せる都民の声にしっかりと耳を傾けながら、手続面においても丁寧に進めてきたと思っています。
この計画については、一部報道でクローズアップをされたのは、都民の城の内容というよりも、周辺都有地とあわせた一体となった土地の活用について、最短で令和十一年を目指すという部分が、まるで十一年に解体することが決まったかのような報道のされ方をしましたが、そうした向きには疑問を感じざるを得ません。
そこでまず、確認ですが、改修基本計画に示された周辺都有地との一体的活用を目指す時期を、最短で令和十一年とすることについて、先ほども答弁もありましたけれども、重ねて都の見解を伺います。
○五十嵐財産運用部長 本件地は、青山通りに面し、都のさまざまな政策実現にも資する可能性を有しておりまして、将来的には、周辺都有地とあわせ、一体となった土地として活用していくことを目指していく必要があると考えております。そうした認識のもと、一体活用を目指す最短の時期として、国連大学との契約が更新期を迎える令和十一年としたものでございます。
周辺都有地とあわせた一体的活用については、今後、有識者検討会を立ち上げ、その活用案を検討していくこととしており、その検討の過程で既存建物の取り扱いを定めていくことから、現時点で、令和十一年に、仮称都民の城の建物を解体するということを決定したものではございません。
○大津委員 あくまで、まずは最短の目標としての節目が契約更新にもなっている、その令和十一年というタイミングを挙げているということで確認をしました。
この周辺の都有地は、こどもの城跡地、そして隣地の青山病院跡地とコスモス青山と国連大学底地と合わせて四・五ヘクタールもの広大な都有地となっており、これは東京の未来の象徴にもなるべきエリアであると考えます。湧水、池、緑、桜、自然環境も青山病院跡地には保護され、品格と文化性を尊重するとともに、子供たちの育成にも深くかかわってきた土地柄でもあります。
そして、このエリアの中には、全ての都政の政策が埋め込まれています。例えば、女性政策という点ではウィメンズプラザがあります。そして、国際、世界というテーマでは国連大学があり、SDGsもこの国連でつくったものであります。また、子供というテーマ、文化芸術の発信ということで、こどもの城跡地がありますし、青山病院跡地は、先ほど述べました自然、土地、土を、この都会の中にあって土を広く有しているところでもあります。
そういうことで、周辺都有地との利用者との協議や都民の城の活用状況などによっても、そうした利用者の声や都民の声、地元の声にもしっかりと耳を傾けながら慎重に議論をしていっていただく方向でお願いをしたいと思います。
今回の改修基本計画策定に当たって、二度にわたりましてパブコメを行い、約三百九十件ほどの意見があったということも、この都民の城に対してのさまざまな期待の大きさを物語っているところでもありますし、地元としても物すごい大きな期待と課題を抱えて盛り上がっているところでもあります。
そこで、今回二度のパブリックコメントを行った結果と、それを受けた最終的な基本計画でどのような変更を加えたのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 パブリックコメントにつきましては、都として、改修計画の考え方を示し、広く都民のご意見を伺うため、中間のまとめの段階からパブリックコメントを行うことといたしました。一回目は、概算経費を示しておりませんでしたが、工事費を算出できた段階で、二回目を追加で実施したところでございます。
最終的に三百八十九件のご意見を頂戴し、そのうち七割程度が劇場に関する意見で、かつての青山劇場、円形劇場の復活を望む声が一番多く、また、子供のための機能を望む声が多く見られたという結果でございました。
多くの意見があった劇場については、改めて改修内容とコストのバランスを考慮した結果、床機構の改修は見送ることといたしましたが、現施設を生かし、既存の構造を可能な限り残すことを明記し、かつての劇場と比べれば機能面で一定の制約はあるものの、演劇を初め、さまざまな芸術文化活動にお使いいただけるものとしていくことといたしました。
また、施設利用イメージに対するご意見として、子供のための機能を初め、さまざまなご提案もあり、こうしたことについては、今後、事業内容の詳細について検討を本格化させていく中で参考とさせていただき、都民の城で提供する事業の充実を図ってまいります。
そのほか、現在、仮称である都民の城の名称に関するご意見もあったことを踏まえまして、名称に関する検討や決定を今後行うことを明記いたしました。
○大津委員 パブリックコメントを初め、さまざまな都民からのアイデア、意見、話、そうした声を聞くことで、行政の意思形成過程を公表し、意見をいただき、都民の都政参加、都政の透明性向上を図ることを目的とし、これからもこうしたプロセス等を経て都民の参加が促され、健全な政策形成過程がとられていくことをお願いいたします。
多くの意見があった劇場に関してですけれども、青山劇場、円形劇場に関しましては、昭和六十年の開館なので相当老朽化をしているとともに、国が閉館をして五年間そのままになっていましたので、床下、配管、特に床の機構が非常にさびついたり腐食をしておりました。この床の機構が、実は、本当はせり上がったり、横舞台移動の早がわりがあったり、非常に文化芸術としての拠点でもある劇場として誇るところでもありましたけれども、いざ、この改修に関しては特注部品や特別仕様になり相当高額になるということだったので、床機能については諦めましたけれども、この青山劇場、円形劇場としては、今後も撤去をされず施設空間がそのまま残る、これは非常に大きな意義のあることであります。
そういった意味では、こうした歴史に残る劇場でありましたので、青山劇場、円形劇場という名前がどこかしらに残ることを望みます。といいますのは、この青山劇場、円形劇場が仮称都民ホールというふうになっている段階で、会議室になってしまうのか、何かパイプ椅子と会議机が並んでしまうのかという誤解を相当呼び起こしますので、これはあくまでも仮称なので、今後検討する中で、青山劇場、円形劇場という歴史に残る名前が残っていくことを期待したいと思います。
同じく、仮称都民の城についてですけれども、これについてもさまざま検討していく中で、この近隣であります渋谷駅周辺では、大開発が百年に一度といって進んでいますけれども、実は、次々大規模ビルが、名称としては、キャスト、ストリーム、旧東急プラザはフクラス、そして、今渋谷駅のスクランブルスクエアと、全て横文字といいますか、地元でも、ほら、あれなんだっけ、あの、ほらといってビルの名称が出てこない状況になっておりまして、命名というのは非常に意義も含めて重要だと思いまして、仮称都民の城を正式に考えるときには、なるべく日本語の文字も入れることを要望します。
今回、寄せられましたたくさんの都民の声、今後の検討の中でも生かされていく余地がありますし、そうした都民の声、また地元の声、そして一千四百万人都民、誰しもが有意義に使える城ということで、引き続きしっかりと耳を傾けて検討を進めていっていただきたいと思います。終わります。
○池川委員 私からは、まず、新型コロナウイルス感染症対策に伴う財政面からの対応について伺います。
刻一刻と事態は変化をし、影響の範囲は拡大の一途をたどっています。東京都としてあらゆることに視野を広げ、対応していくことが求められています。そのためにも必要な対策を行うための財源が重要です。
日本共産党都議団の代表質問に対して、知事は、今後とも、変化する状況を的確に把握いたしまして、国や区市町村、近隣自治体、関係機関とも連携をいたしながら、機動的かつ迅速かつ広範な取り組みを進めてまいりますと答弁しました。
今後もさまざまな影響が出てくる可能性があり、必要な財政措置が求められていると考えますが、第二回定例会での補正予算の編成を含め、対応方針を伺います。また、二定までの期間で対応が必要となった場合には、どのように対応されるかもあわせてお伺いをいたします。
○山田主計部長 都はこれまでも、新型コロナウイルス感染症対策に総力を結集してやるべきことを全力で取り組んでまいりました。二月には、感染の広がりに伴う都民の不安解消と都内産業への影響を見据え、四百一億円の補正予算を編成し、今年度と来年度をまたぐ十三カ月予算として、切れ目のない実効性ある対策を講ずることといたしたところでございます。
また、国が発表した緊急対策に即応するため、三月十二日には、東京都緊急対応策を取りまとめ、予備費などを活用し、百十一億円の財政措置を講じ、直ちに取り組みを開始したところでございます。
こうした一連の対策を着実に実行するとともに、今後とも、日々刻々と変化する事態に対し必要な対策を実施していけるよう、財政面からも適切に対応していきたいと考えております。
○池川委員 日々刻々と変化する事態に対し必要な対策を実施していけるよう、財政面からも適切に対応していくという答弁でした。どこまで影響が出るかということについては、まだその全体像が把握できない。また、影響について今後見ていくときに、ぜひつぶさに捉えて対応していただきたいということを求めておきます。
昨日の主税局の質疑の際にも申し上げましたが、新型コロナウイルスの影響から、緊急に国民生活を防衛する、都民生活を防衛するあらゆる手だてをとることが今重要だと思います。内需、家計、中小企業支援を軸に、そこに力を集中することが重要です。国が近く対策を発表するということですから、その点も踏まえて、都としても機動的な対応を改めて求めておきたいと思います。
次に、補助金等の繰り越しについて伺います。
資材等の納品がなかったり、学校の一斉休校要請に伴う対応によって、社会活動にも大きな影響が出ています。東京都として補助金を出している事業も例外ではありません。仮に、年度内の工事や事業が完了しなかった場合は、繰り越しなどの対応が必要になります。
補助金の繰り越しについてどのような対応を行うのか、区市町村を初めとする補助金の交付先とどのように調整をしているのかについて伺います。
○山田主計部長 都はこれまで、事業の性質上、または事故等のやむを得ない事情で執行がおくれ、事業の完了を翌年度に延期しなければならない場合に対応するため、主に道路や橋梁などの工事において予算の繰越制度を活用してまいりました。これによりまして、年度をまたいだ事業執行が可能となり、翌年度における早期の事業完了につなげてきたところでございます。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う納期のおくれ等により、都の補助金の適用を受けた企業等が、事業の完了期限である年度末までに当該事業を完了させることが困難な状況が生じているということでございます。このようなケースにつきましても、年度をまたいだ切れ目のない事業執行が可能となるよう、補助金などにつきましても広く繰越制度の活用を図ってまいります。
このような方針につきましては、各局にも既に周知しておりまして、区市町村を含む補助金の交付先との調整に当たりましては、各局において、個別の状況に応じ適切に対応していきたいと考えております。
○池川委員 既に、各局には周知をされていて、各局が適切に対応していくということです。この点については、各局間でぜひ差が出ないように対応していただくとともに、また、しっかりと事情を踏まえて柔軟に対応していただきたいということを求めておきます。
次に、都有地活用について質問します。
共働き世帯の増加は一途をたどり、保育園が足りないという声はとどまるところを知りません。都としても、この間、こうした声にしっかりと応える形でさまざまな取り組みが進められていますが、その一つが都有地活用だと思います。
日本共産党都議団は、具体的な土地も示しながら、都有地を活用して保育園の増設につなげていく必要があると一貫して求めてまいりました。私自身も二〇一八年十一月の本委員会で、この点について質問をさせていただいたところです。
そこで伺いたいと思いますが、都有地活用推進本部を設置して以降、今日までの保育園等の活用状況はどうなっているでしょうか。
○五十嵐財産運用部長 平成二十八年九月に、待機児童解消に向けた緊急対策に基づき、都有地活用推進本部を設置して以降、本年二月十七日までに十二回にわたって、二百六十六件の都有地を区市町村に情報提供してまいりました。
その結果、これまでに十七件の都有地において、区市町村による保育事業者の公募につながったところでございます。このうち六件は昨年四月までに保育所等の開設に至っており、七件が本年四月に開設予定、残りの四件につきましては令和四年四月までに開設を予定しているところでございます。
○池川委員 一年半前にお伺いしたときには、二百五十六件の都有地を情報提供して、九件でマッチングができたということでした。それと比較をすると、情報提供は今回十件増の二百六十六件、また、マッチングについては一年半前には九件だったものが十七件へとほぼ倍にふえています。しかも、うち七件は、今度の四月に保育園をスタートさせるということです。加速度的というふうにまではいえないと思いますが、着実にマッチングが進んでいるというふうに受けとめました。
知事は、待機児童の数が四半世紀ぶりの数字なんだということを繰り返し述べられていますが、当時と今とでは待機児童数のカウント方法が大きく違います。四半世紀前には、認可保育園に入ることができなかった子供の数をカウントしていたのに対し、現在は、認可保育園以外に通っている場合や、例えば一つの園にしか申し込まなくて保育園に入れなかった場合などを待機児童から除外することができるということで運用されているわけです。すなわち、四半世紀前のカウント方法でそのまま実施をすれば、今の方が待機児童が多くなっていくというのは現実だと思います。
さらに、待機児童を死語にするというふうにいわれていますが、そうであるならば、隠れ待機児も含め、この解消が急務だと思います。一年中いつでも希望どおりに質の高い保育園に入れるようにすることが必要です。その点で考えると、規模とスピードをさらに加速させて、都有地の活用を含めて認可保育園の増設にオール都庁で取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。
また、さまざまな努力はされていることは承知をしていますが、一年半前にお伺いしたときから新たな都有地が十件しかふえていないということについて、この間どうやってふやす取り組みをしてきたのか、また、実際に財務局として、この都有地活用についてこの間取り組んできた、その新しい土地をどうやって出してもらうのかについて、具体的な取り組みがどうだったのかについて伺いたいと思います。
○五十嵐財産運用部長 照会している都有地がなかなかふえないというご質問についてでございますけれども、新たに土地を購入するということについては、特定の目的の条件がない限り、都有地として購入することはございませんので、そういった点で、用途の決まっていない土地がふえるという状況にはございません。
逆にいいますと、ふえている分については、既存の施設の廃止ですとか、そういったもので出てきた土地についてご提供というか、情報提供するということになりますので、私どもとしましては、各局で用途廃止されたような都有地について、どのようなものがあるか定期的に照会をかけて、そこで貸し付けというかそういう情報提供をするにふさわしい土地であれば、そういったものを、該当するものについては全て情報提供するよう努力しているところでございます。
○池川委員 努力をされていることは承知をしていますが、やはりマッチングには、きちんと土地が出てこなければ新たなマッチングに至らないというのは、これも事実の問題だと思いますので、引き続き努力を求めたいと思います。
さらに、未活用になっている、紹介したけれどもずっとマッチングがいかないという都有地について伺いたいと思います。
保育園と高齢者、障害者施設の大きな違いは、一つは入所施設として建設が可能であること。また、もう一つは、高齢者、障害者の施設では、通所であっても基本的にはドア・ツー・ドアで送迎が行われているという違いがあると思います。つまり、保育園では、通勤のルート、駅に向かうルートにあることが重要ですが、高齢者、障害者の施設の場合には、それよりも、その地域にニーズがあるかどうかということが重要になってきます。
つまり、保育園で活用がなかなか難しくても、高齢者、障害者の施設であれば活用につながる可能性があるのではないかということを以前も指摘をしましたが、今もその需要は高まっていると思っています。都有地活用推進本部での取り組みで得たノウハウを生かして、都有地の有効活用を図っていくことが今以上に求められていると思います。
そこで伺いたいと思いますが、情報提供されている都有地で未活用のまま残っているものについては、どのように活用につなげていこうとしているのか。また、区市町村から保育園以外の他の用途で活用の意向が示された場合には、どのように対応してきたのかについて伺います。
○五十嵐財産運用部長 まず、保育用途に関してでございますけれども、都有地活用推進本部では、都有地の全庁的な洗い出しと区市町村への情報提供に加えて、区市町村などからの照会や提案を受け付ける窓口の設置や、ウエブサイトにおける都有地の地図表示機能の提供など、保育所等の整備に当たって都有地を効果的に活用していくための取り組みを着実に進めているところでございます。
こうした中で、情報提供した都有地において、区市町村から保育以外の用途での活用の意向が示された場合には、必要に応じて個別に対応しておりまして、これまでも障害者施設用地として活用したものや学校用地として売却したものなど、区市町村の意向を踏まえて、さまざまな形で都有地の活用を図ってきているところでございます。
引き続き、待機児童問題を初め、多様な行政課題の解決に向けて、事業所管局や区市町村と連携しながら都有地の有効活用を図ってまいります。
○池川委員 今、ウエブサイトの都有地の表示についてお話あったんですけど、確かに以前は、地番表示で、住居表示でなかったために大変探すのが難しかったなど、土地を探すことが困難だった事例について、さまざま私たちも指摘をさせていただきましたが、地図機能になって大変わかりやすくなったなというふうに感じています。そうしたさまざまな改善をしていただいていることは重要だと思います。
また、保育園以外の活用として、以前は病院用地として活用したということもありましたが、先ほどの答弁では、障害者の施設や学校用地として活用が進んだということがわかりました。区市町村等から活用の意向があった場合には、しっかりと対応していただきたいということを改めて求めておきます。
この間、都有地活用推進本部として取り組んできたノウハウ、また蓄積を生かして、区市町村、また事業所管局と連携をしながら、さらなる都有地の有効活用を図っていただきたいということを求めておきます。
次に、旧こどもの城、仮称都民の城の改修計画について伺います。
私は、施設の改修や活用に当たっては、都民参加が重要だということを繰り返し求めてまいりました。また、こどもの城が担ってきた機能、東京都児童会館が担ってきた機能を踏まえて、施設の活用について考える必要があるということもさまざまな場面で求めてきたところです。二度のパブリックコメントが行われ、今回の改修基本計画が出されたわけですが、改修基本計画策定までに、子供や演劇関係者からはどのような声を聞いてきたのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 改修基本計画の策定に当たりましては、パブリックコメントを実施し、都の内外を問わず、さまざまな世代の方、ご職業の方から多くのご意見を頂戴したところでございます。
施設利用イメージに対するご意見としては、子供のための機能を初め、さまざまなご提案もあり、こうしたことについては、今後、事業内容の詳細について検討を本格化させていく中で、参考にしてまいりたいと考えております。
劇場につきましては、特に多くのご意見があり、中でも劇場の復活を望む声が多かったことから、改めて改修内容とコストのバランスを考慮した結果、床機構の改修は見送りますが、現施設を生かし、既存の構造等を可能な限り残すことを計画に明記したところでございます。
○池川委員 パブリックコメントで寄せられた意見は、事業の詳細について参考にしていくんだということであります。ただ、子供や演劇関係者からどう声を聞いたのかということに対しては、現時点では、パブリックコメントで意見を寄せてもらったという範囲だったというふうに思います。
そこで確認したいと思いますが、パブリックコメントでは年齢についても書く欄がありますが、子供からはどの程度意見があったのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 お尋ねの十代の方からにつきましては、二度のパブリックコメントを通じ、七件のご意見を頂戴いたしました。また、こうした方に加え、かつて国が運営していた当時の施設を利用されていたかつてのお子様、子供ということになりますが、そういった方や、そういった方を家族連れでご利用なさった、そのご家族からのご意見も一定程度ございました。
○池川委員 七件、直接十代の方からパブリックコメントがあり、かつての子供さん、今は大人になられている方からも多数パブリックコメントがあったということであります。
しかし、パブリックコメント一半で子供の意見を聞いたということにしてはならないと私は思います。改修基本計画の初めのページには、大人は、誰も、初めは子供だったというサン・テグジュペリの星の王子さまの言葉が引用されています。子供のことは、やはり子供に聞かなければわかりません。子供の意見を真剣に考慮し、正当に重視することが必要なわけです。
都政としてどう対応していくのか、子供の声を聞いていくのか、この姿勢が問われていると思います。子供のための機能を充実しようと思った際、当事者である子供からの意見を聞くとともに、子供の発達や遊びの専門的知見を持った方からのアドバイス、意見が不可欠だと思います。
そこで伺いたいと思います。子供のための機能については、どういう視点から検討を行うのか。また、これまでは庁内組織での検討としていましたが、子供の発達や遊びに関する専門家の意見を含めた知見をしっかりと生かして検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐財産運用部長 今後、子供のための機能を含め、事業内容の詳細や施設運営に関する検討は、既存の庁内組織を中心に本格化させてまいる予定でございます。その中では、今回のパブリックコメントでいただいたご意見も参考とさせていただくとともに、適宜必要な対応を図りながら検討を進めてまいります。
また、長きにわたり教師として教壇に立たれ、子供に関する豊かな知見を有する教育評論家の尾木直樹氏をアドバイザーに迎え、今回の基本計画策定に当たってもご助力いただいたところでございまして、引き続き、アドバイザーのご助言も賜りながら、仮称都民の城で提供する事業の内容の充実を図ってまいります。
○池川委員 パブリックコメント、また、適宜必要な対応はするということで、庁内組織を中心に検討を本格化させるんだということでした。また、アドバイザーの尾木直樹さんからの助言を受けるということです。豊富な知見と経験を有している尾木さんからのアドバイスを受けることは、私自身もとても有益だと考えています。
同時に、遊びや発達の専門家がかかわることで子供のための機能に幅が出ること、また、実際に運営するプログラムと一体的に考えることが必要だと思います。その点では、改めてこの専門的な知見を有する方々にも検討に加わっていただくよう、そうした仕組みをつくっていただきたい、このことを求めておきたいと思います。
パブリックコメントの内訳について見ていくと、二回の合計で三百八十九件、その中で最も多いのが二百六十三件の劇場に関する意見です。例えば、パブリックコメントを読んでいくと、青山劇場の魅力は、あの可動式機構を使った唯一無二の設備を整えた劇場であり、わざわざ都民の税金を使って改修費用をまたかけて、あの機構を利用できなくするとか理解ができません、改修せずに、そのままの利用を切に求めますなど、こうした声が多数寄せられています。どれも東京の未来を真剣に考え、文化や芸術の側面から東京が進むべき針路を示す、示唆に富んだ意見ばかりだと私は思いました。
なぜ、これだけ劇場に関して意見が上がるのか。さまざまな要因がもちろんありますが、私は、劇場にファンがつくということが大きいのではないかと思います。だから熱望されていらっしゃる。これは、東京文化会館に、私ども共産党都議団で伺ったときに、この劇場にファンがつくという考え方はとても大事なんだということを現場の方々から伺ったわけです。また、芸術関係者の皆さんから、この間、私自身も話を伺う中で、この劇場にファンがつくというのはとても大事なんだということを異口同音に語られていました。
同時に、劇場にファンがつくというのは見る側だけではありません。演じる側も、また、その劇場のファンとしてその劇場で演じたいと思っていらっしゃる、これも大きな特徴ではないかと私は思います。
昨年十二月、俳優の八嶋智人さん、長澤まさみさん、小栗旬さん、西田尚美さん、小泉今日子さんなど、そうそうたるメンバー三百三十四人とワタナベエンターテインメントなど三団体が賛同する形で、青山劇場、青山円形劇場の機能存続を求める演劇人声明というものが発表をされました。この中でも、賛同のコメントで、俳優の小栗旬さんは、青山円形劇場に立ちたいと述べられ、また、俳優の鈴木砂羽さんも青山円形劇場に立ちたいです、演劇の劇場でお願いしますとコメントを寄せられています。
財務局としては、この演劇人声明についてはご存じでしたか、お伺いいたします。
○五十嵐財産運用部長 ただいま委員がおっしゃった件につきましては、ウエブサイト等でそういった活動がされているということについては承知しております。
○池川委員 この声明では、二つの劇場が唯一無二の劇場であり、日本国内では他に類を見ない貴重な劇場である青山劇場、青山円形劇場を、どこにでもある多目的ホールへと改修することは、両劇場の持つ魅力や価値を一切失わせることにつながりかねませんとした上で、具体的な項目として二つを求めています。
青山劇場と青山円形劇場の貴重な舞台機構を残し、音響、照明設備をスペックダウンすることなく活用すること、二つ目が、青山劇場の舞台機構、音響設備改修のための必要となる費用を公表すること、この二点です。二つ目の費用の公表については、二度目のパブリックコメントの際に公表されたということです。ただ、ポイントは、やはり一つ目の残してほしいということにあると思います。しかもスペックダウンすることなくというところに、この声明のポイントがあると私は思います。
声明に賛同した著名人の方々は、あわせてコメントを寄せられています。本当に、どのコメントを読んでも、その一人一人のこの劇場にかける思いが伝わってくるものですが、お二人の方を紹介したいと思います。
俳優の八嶋智人さんは、日本の中でも類を見ない多機能のステージである青山劇場をなぜ誇りに思わないのか、三百六十度の劇空間を観客とともに体感できる青山円形劇場をなぜ必要と思わないのか、そんなクリエーティブな施設を未来のこの国を担う子供のためになぜ残そうと思わないのか、それこそが格好いい都民を育てていくことになるだろうとなぜ想像しないのか、本当に不思議に思うのです、ぜひ、東京都がすてきなまちであり続けるために考えてください、こどもの城、青山劇場、青山円形劇場がつくられたときに、どのような哲学を持っていたのかを、その哲学をしっかりと受け継ぐことが、長いスパンでまちをタフにしてくれると信じて頑張っていただきたく思いますと述べています。
もう一方、俳優の小泉今日子さんです。一番好きだったのは円形劇場、実験的なお芝居をたくさん上演していて、見るのも、やるのも本当におもしろかった、子供にとっても、大人にとっても、すてきな文化の場だと思います、文化を大事にしてくれる偉い人がもっとたくさんいたらいいなあと常々思っています、東京都は、そういう格好いい都であってほしいです。
ほかにも紹介したいコメントはたくさんありますが、こうしたコメントがさまざま並んでいます。
しかし、先ほどウエブサイトでごらんになったということは、こうしたコメント、意見については、パブリックコメントには直接反映をされていないというふうに考えてよろしいですか、確認をさせてください。
○五十嵐財産運用部長 ウエブ上でのそういったものと、それからパブリックコメントに出てきた意見についての関連性については、パブリックコメントが匿名の意見ということもあって、それについての関連性について調べるようなことはしておりませんので、関係性は承知しておりません。
○池川委員 私たちは、この声明を初め、この間、劇場関係者、演劇関係者の皆さんからさまざま声を聞いてまいりました。それらも含めて、二月に知事宛てに申し入れを行い、改めて、劇場関係者、教育関係者の方々から直接意見を聞いてほしい、パブリックコメントとは別に聞いてほしいということを求めたところであります。
これは、演劇人声明の賛同者を初め、劇場関係者から直接意見を聞くことが今この時点で必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐財産運用部長 私どもとしましては、改修基本計画でお示ししたとおり、劇場専用施設ということではなく、幅広い都民の方にお使いいただける施設として、今回、利用計画を策定しております。
そうした中で、多目的ホールという言葉は使っておりますけれども、かつての劇場の空間、設備等はそのまま残している施設でございますので、十分、機能面で一定の制約はあるものの、演劇を初めさまざまな芸術文化活動に使えるものということで整備を進めていきたいということにしております。
そういったことについて、特別にご意見をお伺いするということについては現時点では考えておりません。
○池川委員 この間、必要に応じて聞いていくというふうにいってきたわけです。
私自身は、実際に使う方の話を聞かないでつくってしまったら、後から、こうしてほしかった、ああしてほしかったという話になると思うわけです。
最終的に、機構をどこまで残すかどうかについては、私は、まだ再考する余地があると思っていますが、少なくとも当事者の皆さんから話を聞く中で、どういう形で今のあの空間を残していくのかということについて真剣に考える必要があるというふうに思います。
改修基本計画では、概算工事費として約百三十六億円が示されています。もとより最少の経費で最大の効果を生むことが必要だということはいうまでもありません。
しかし、先ほど来議論になっているとおり、最短で二〇二九年、令和十一年に建物の解体等の可能性を含めて、その取り扱いを定めると定めていることによって、さまざまな制約が生まれているのではないかというふうにも考えざるを得ません。
先ほどの答弁と重なるので、この点については伺いませんが、実際に、都のさまざまな政策実現にも資する可能性を有しているということが、先ほど来答弁であります。しかし、この唯一無二の青山劇場、青山円形劇場を次世代にもつないでいく、このことを考えていったときに、八嶋さんの言葉をかりれば、東京都がすてきなまちであり続けることにつながると思います。あの場所は、そういう思いの詰まった場所なのだということを改めて認識していただきたいと思います。
また、国連大学の契約がちょうどその時期に切れる、更新になるということでありますが、これは先方がある話で、実際にどう動いていくかはまだわからないという、不透明だというのが実態だと思います。立地がいいと、だから一体的な活用をするというふうにいうと、確かにそれは聞こえはいいわけですが、何を次世代に残すのか、未来につないでいくのか、そこについて本気で考える必要があると思います。
あの青山の地に、子供たちの遊びの拠点として、また、文化、芸術、演劇の発信地として存在し続けることについて進めていくことは多くの都民に共感を得ることができると思います。私は、これだけ多くの方々からの劇場を残してほしいという声を受けとめ、今の計画は再考していただきたいということを改めて、もう一度求めておきたいと思います。そして、大事なのはやっぱり機能なんだということも強調しておきたいと思います。
改修計画そのものが二〇二九年を最短のターゲットとしているという点についても、先ほど来決まった話じゃないんだということはありますが、やっぱり計画にのってしまった以上、この点に多くの皆さんが注目をしてしまうのは、これは記述をされていることに端を発しているということは明らかだというふうに思います。
仮に、現時点では決まっていないというわけですが、可能性を否定されているわけでもありませんので、仮に六年で解体するということになれば、これは都民からの批判の声が確実に上がる、それは必至だというふうに思います。私は、しっかりと未来につないでいく、そのために残していくべきだということを求めておきます。
さらに、仮称都民の城の裏側にある青山病院跡地は、住宅展示場でありますが、オリ・パラ大会時に駐車場等として活用された後、実際にどう活用されるかはまだ決まっていないということも伺っています。私は、この仮称都民の城とのつながりも含めて、子供のための機能ということも位置づけていいのではないかというふうに考えています。この点についても、今後、庁内で行われる検討の中でも、子供のための機能を充実させるという視点から、ぜひ議論をしていただきたいと思います。
いずれにしても、この施設が多くの都民の皆さんに、やっぱりわくわくするような施設としてオープンに向かっていくことがとても重要ではないかと思うわけです。そのためにも、先ほど来出ている名称の問題、また、今後の検討の中身についても、徹底的な都民参加が重要だと思います。そうしたオープンの場で進めていただくことが、仮称ですけど、都民の城がきちんとわくわくする形で本当に都民に喜んで迎えられる、そういう施設になるのではないかと、そのことを財務局としても、今後、検討の中で真剣に考慮していただきたいということを求めて、質問を終わります。
○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
○上野委員長 次に、付託議案の審査を行います。
議員提出議案第二号を議題といたします。
本案について提出者の説明を求めます。
○池川委員 日本共産党都議団、都議会生活者ネットワーク、自由を守る会を代表して、議員提出議案第二号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の趣旨説明をさせていただきます。
本条例案は、二〇二〇年六月に支給されます東京都議会議員の期末手当を二〇一九年十二月の改定以前の支給割合に据え置く内容となっています。
都議会議員の期末手当の額は、都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例第六条二項の規定で職員給与に連動するとされています。
今定例会でも、都民生活の実態に鑑み、議員報酬の二割削減について継続して実施することを全会一致で決めました。
都議会議員の報酬は、みずから都民の負託に応える使命を果たすにふさわしく、みずから決めるべき事柄であると考えます。期末手当についても、職員の勤勉手当に連動させるべきではないとの立場から、期末手当を据え置く条例案を提出するものです。
影響額は、全体で約三百七十六万円、役職等によって違いはありますが、議員一人当たりにすると平均で約三万円ということになります。
委員の皆様方のご賛同を心からお願いいたします。
○上野委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十八分散会
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