財政委員会速記録第七号

平成三十一年三月十九日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長大松あきら君
副委員長早坂 義弘君
副委員長おじま紘平君
理事池川 友一君
理事石川 良一君
理事山田ひろし君
おときた駿君
伊藤こういち君
つじの栄作君
清水やすこ君
大場やすのぶ君
秋田 一郎君
小磯 善彦君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
主計部長山田 忠輝君
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小山 明子君
会計管理局局長土渕  裕君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務野口 一紀君
収用委員会事務局局長佐藤  敦君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為-財政委員会所管分、都債
・第三号議案 平成三十一年度東京都地方消費税清算会計予算
・第十五号議案 平成三十一年度東京都用地会計予算
・第十六号議案 平成三十一年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(決定)
・第四十三号議案 土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 東京都固定資産評価審査委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第一号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
1 三〇第一〇号
2 三〇第一一号
3 三〇第一二号
4 三〇第一三号
5 三〇第一四号
6 三〇第一五号
7 三〇第一六号
8 三〇第一七号
9 三〇第一八号
10 三〇第一九号
11 三〇第二〇号
12 三〇第二一号
13 三〇第二二号
14 三〇第二三号
15 三〇第二四号
16 三〇第二五号
17 三〇第二六号
18 三〇第二七号
19 三〇第二八号
20 三〇第二九号
21 三〇第三〇号
22 三〇第三一号
23 三〇第三二号
24 三〇第三三号
25 三〇第三四号
26 三〇第三五号
27 三〇第三六号
28 三〇第三七号
29 三〇第三八号
30 三〇第三九号
31 三〇第四〇号
 固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
32 三〇第六三号
33 三〇第六四号
34 三〇第六五号
35 三〇第六六号
36 三〇第六七号
37 三〇第六八号
38 三〇第六九号
39 三〇第七〇号
40 三〇第七一号
41 三〇第七二号
42 三〇第七三号
43 三〇第七四号
44 三〇第七五号
45 三〇第七六号
46 三〇第七七号
47 三〇第七八号
48 三〇第七九号
49 三〇第八〇号
50 三〇第八一号
特定事件の継続調査について

○大松委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 財務局の初宿経理部長は、所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十五号議案、第十六号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○おじま委員 第一回定例会平成三十一年度予算に当たっての意見開陳を行います。
 平成三十一年度予算は、東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算として、第一に、局横断的な連携や、行政にはない新たな発想の活用により、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーを実現するための戦略的な施策を積極的に展開すること、第二に、ワイズスペンディング、すなわち賢い支出の視点により、自律的な都政改革を不断に推し進め、一層無駄の排除を徹底し、健全な財政基盤を堅持すること、第三に、東京二〇二〇大会の開催準備の総仕上げを着実かつ効率的に進めることの三点を基本に構成をされております。
 一般会計予算七兆四千六百十億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十四兆九千五百九十四億円の平成三十一年度予算には、防災対策や都民に身近な犯罪対策、国際金融、観光都市対策、中小企業対策、ゼロエミッション対策、未来を担う人材の育成対策、待機児童対策、児童虐待対策、女性活躍対策、高齢者対策、多摩・島しょの振興など、都民生活にとって欠かすことのできない、大切な経費が盛り込まれております。
 他方、都財政においては、今後の人口減少、少子高齢化の影響を織り込み、また、歳入面では、国による都税の収奪に加え、景気変動に大きく影響を受ける法人二税の割合が高いことを踏まえれば、都民のための施策を持続的に行うために、強い財政基盤が必要であります。
 そのため、東京二〇二〇大会を成功させ、これを推進力とし、東京の稼ぐ力を充実させるとともに、費用対効果分析を踏まえた政策評価、事業評価を徹底して、予算の効率化を図り、東京二〇二〇大会後を見据えた大胆な行政改革にも着手をしていく必要があります。
 今後とも、いかなる状況のもとにあっても、都民ファーストの視点から、三つのシティーの実現に向けて、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 以下、局ごとに述べます。
 財務局関係について申し上げます。
 一、国の税源収奪に関しては、行政、議会そして都民が一体となって、都民にその内容を広く周知するとともに、都民生活への影響を及ぼさぬよう尽力されたい。
 一、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会後を見据えた際、インフラの維持更新、社会保障関係、防災関連等、巨大な財政需要が想定をされることから、中長期的な視点で財政見通しを立てること。
 一、実施競技、会場が区部と比較して少ない多摩地域においても、公共工事の受注機会の確保に努めること。
 一、東京と日本の成長を考える検討会報告書の提言も踏まえつつ、国産木材活用に向けた取り組みなど、日本各地の具体的なニーズを探りながら、東京都と他の地方自治体がともに成長していくため、共存共栄の取り組みを進めること。
 一、都有施設への木塀の設置に当たっては、他の地方自治体とも情報の共有を図り、国産木材活用の普及に努めること。使用する国産木材の耐火性、耐久性、維持管理の課題に関しては、技術革新、向上の動向を注視すること。
 一、公営市場のあり方については、引き続きさまざまな検討を重ね、持続可能な運営に努めること。
 一、旧こどもの城の活用に当たっては、こどもの城が担ってきた役割を十分に踏まえつつ、施設整備のコスト等についても十分に精査をし、東京の未来にとって重要な投資となるよう、中長期的な視点に立った活用を検討すること。
 会計管理局関係について申し上げます。
 一、新公会計制度については、全国自治体の活用事例も参考に、都内自治体における円滑な導入支援を行うとともに、連携の強化を図ること。
 一、公金管理については、安全性の確保を図りながら流動性を担保し、効率的な運用に努め、適切な管理を図ること。
 一、官民連携ファンドは、東日本大震災後の電力の安定供給、再生可能エネルギーの普及や待機児童解消のパイロット事業等を目的としてきたが、政策手法として有効に機能していることを所管局で連携し、検証すること。
 続きまして、主税局関係について申し上げます。
 一、税収確保と納税の公平性の確保のため、税の徴収率のさらなる向上のため、都と区市町村が連携した納税推進、捜索等の滞納処分など、多様な徴収対策により、滞納徴収等の強化を図ること。
 一、消費税率引き上げなど、税制改正における大幅な見直しに当たっては、国や業界団体などと十分に連携をし、周知、広報に尽力をするとともに、内部における体制整備も含め、万全の準備に当たること。今後の税制のあり方については、引き続き都税調を活用し、検討を重ねること。
 一、税務行政におけるICT活用については、eLTAXのさらなる利用時間の拡大や、チャットボットによる税務相談のさらなる改善、更新など、都民サービスの向上につながるよう努めること。
 以上、第一回定例会平成三十一年度予算に当たっての意見開陳とさせていただきます。

○伊藤委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成三十一年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 近年、日本各地で多発する自然災害や、世界の激しい都市間競争、迫りくる人口減少社会など、都を取り巻く環境は大きく変化しています。
 こうした状況の中、平成三十一年度一般会計予算案は、都民の安全・安心の確保、東京の稼ぐ力の強化、一人一人が輝き続けていくための施策などに重点的に予算措置を行うとともに、事業評価の取り組みのさらなる強化による無駄の排除の徹底や、基金、都債の戦略的な活用などにより、強固な財政基盤を堅持するなど、これまで以上にめり張りのきいた予算となっています。
 具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた、国の幼児教育無償化に合わせた多子世帯に対する都独自の支援や、体育施設への空調設置、不妊検査や不妊治療への助成の対象拡大、また、昨年九月に行った防災事業の緊急総点検を踏まえた防災、減災対策の大幅な強化など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれております。
 一方で、事業評価の取り組みでは、新たにコストベネフィットの視点を踏まえた評価を開始するとともに、我が党がこれまで積極的な活用を主張してきた複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる八百三十七件の見直しと再構築によって、約九百億円の財源確保額へとつなげています。
 平成三十一年度一般会計予算案は、都民生活をしっかりと守る予算、健全な財政運営にも目くばせをした予算として高く評価するものであります。一方、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、さらに、平成三十一年度税制改正において、地方法人課税のいわゆる偏在是正について、新たな措置が講じられることとなり、平成三十二年度以降、大幅な減収が見込まれるなど、その先行きは予断を許す状況にありません。
 また、一年後に迫った東京二〇二〇大会の開催準備のみならず、都民の生活と財産を守るための、防災、減災対策、本格的な少子高齢、人口減少社会の到来、老朽化が進む社会資本ストックの維持更新など、都の財政需要は、今後ますます増大していくことが見込まれています。
 こうした状況をしっかりと踏まえ、あらゆる事態を想定するとともに、事業評価や基金、都債を戦略的に活用した財政運営について、これまで以上に創意工夫を凝らし、磨きをかけることで、いかなる状況にあっても都民生活を守る財政運営を行っていくことを強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、都民の負託に的確に応えられるよう、より効率的、かつ効果の高い施策を早期に展開していくことが必要です。
 また、旧こどもの城の活用については、周辺都有地との一体的な活用を目指す長期利用がとりわけ重要であり、こうした事業を進めていくために、専門家や地元区などの声を取り入れていくことが重要です。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、財務局関係について申し上げます。
 一、都民福祉の充実による生活の質の向上、日本全体の成長につながる施策を積極的に展開するとともに、事業評価の取り組みなどにより、施策の無駄をなくし、効率的、実効性の向上に努め、将来にわたり安定的に都政の責任を果たし得る、強固な財政基盤の堅持をすること。
 一、基金については、東京が抱えるさまざまな課題の解決に向けた施策展開を支える貴重な財源として、税収動向を勘案しながら効果的に活用していくこと。また、都債については、将来の負担を見据えた上で、都民生活の向上に資する投資的経費などの財源として、適切な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、職員の意識改革を一層推進するとともに、将来の財政負担なども踏まえた、中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、景気回復の動きを確かなものとするべく、国の動向も注視しながら、平成三十一年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、技術者不足など、都内の中小企業が抱える課題に適切に対応するため、引き続き受注機会の拡大など、中小企業の入札参加への促進を図ること。
 一、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用を図ること。
 一、改正品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など、入札契約制度の活用により、公共工事だけではなく、業務委託においても、品質確保と中長期的な担い手の育成、確保を図ること。
 一、災害時などに即時に活用可能な未利用都有地を効率的、効果的に利活用すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。整備に当たっては、技術革新の動向に十分注視し、省エネ・再エネ東京仕様を適宜見直し、環境負荷の少ない都市の実現に向けた取り組みを一層進めること。また、高齢化を考慮し、床の滑り防止対策を進めること。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生の防止に努めるとともに、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、地方の役割と権限に見合う財源が不足する現状においては、総体としての地方税財源の拡充を国に強く働きかけること。
 一、納税通知書への音声コード対応など、納税者のサービスのより一層の向上を図ること。
 一、固定資産税及び都市計画税における条例減額制度を継続するなど、商業地等における過重な税負担の緩和に努めること。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、都が全国に先駆けて導入した、新たな公会計制度について、引き続き国や他自治体との連携による情報共有、発信に努めるとともに、都政におけるさらなる制度の活用促進に、積極的に取り組んでいくこと。
 一、公金管理に当たっては、引き続き金融環境を注視しながら、安全性の確保を最重要視し、万全を期すこと。
 一、官民連携ファンドについて、エネルギー分野におけるファンドを通じた再生可能エネルギーの普及拡大に加え、東日本大震災の被災地支援も含めた地域振興にも寄与すること。
 一、QRコードによるスマホ決済の上野動物園における導入を通して、来場者の利便性を向上させるとともに、他の都立施設等へのキャッシュレス導入を促進すること。
 以上。

○大場委員 東京都議会自由民主党を代表しまして、当委員会に付託された平成三十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成三十一年度予算案は、ラグビーワールドカップの成功、東京二〇二〇大会に向けた準備の総仕上げとともに、昨年相次いだ自然災害を教訓とした防災対策など、都政が直面する行政課題に的確に対応することで、東京二〇二〇大会後の東京の発展に向けた基礎をつくる大事な予算です。
 都は、今後も東京の実態を踏まえ、都民福祉向上に実際に役立つ施策を精力的に推進するとともに、東京の将来の発展を支える強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて三月六日に、平成三十年度の最終補正予算が中途議決され、築地跡地を五千四百二十三億円で有償所管がえをすることが可決されました。平成三十一年度予算では、この有償所管がえを前提にした予算が計上されています。
 一つは、一般会計に築地跡地を有償所管がえした、いわば売り主である中央卸売市場が、売り主として行う土壌汚染対策、埋蔵文化財調査に係る経費、これは当該用地を民間に売却した場合でも同じであり、当初から有償所管がえを主張していた我が党は、当然の経費と考えています。
 もう一つは、市場会計から築地用地を取得した一般会計において計上されている、築地まちづくりに向けた委託契約に要する約七千万円の経費です。築地跡地は民間売却し、豊洲移転経費補填のために税金は投入せず、再開発は民間活力を活用するというのが我が党の主張です。さらに今回、五千億円を超える一般財源を投入しておきながら、具体的な開発計画はこれから考え、財源スキームも年間百五十億円もの賃料を五十年間にわたって稼ぎ出して税金の穴埋めをするというものです。
 突然の有償所管がえを、三十年度の最終補正予算として処理するなど、行政手続も特殊であり、財源スキームも不明確な築地のまちづくりをこのまま推し進めるための委託契約は、責任ある都政運営、健全な都財政の維持という観点からは、大きな問題を抱えているといわざるを得ません。
 このため、我が党は、今後の予算特別委員会において、こうした課題を抱えた平成三十一年度予算の取り扱いについて、さらに質疑を重ね、必要な提案をしていく必要があると考えております。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まず、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、財務局関係について申し上げます。
 一、世界で一番の都市東京の実現に向け、将来にわたり、東京がその使命を確実に果たしていけるよう、引き続き強固な財政基盤の堅持に努められたい。
 一、経済の好循環の実現に向け、都民や中小企業ができる限り早期に予算の効果を享受できるよう、円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、入札契約制度については、公共工事における品質を確保するとともに、建設業の働き方改革が進められている中、工事の平準化などを通じ、将来の担い手確保に資するよう、都民生活を持続的に支えていく礎となる制度を構築されたい。
 一、全庁的な観点から、土地建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を確保するとともに、質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、人づくり改革と生産性革命の実現に向けた各種政策の推進等により、景気が回復すると期待される中、歳入所管局として、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、地方自治体の事務と権限に見合うものとなるよう、総体として地方税財源の拡充を国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制のあり方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、公金管理においては、金融情勢が極めて不透明な状況にある中、適時適切なリスク管理を行い、引き続き公金の安全性を確保されたい。
 一、新公会計制度について、円滑な運用により、行政運営の効率化を推進されたい。また、都方式を採用する都内自治体に対する支援とともに、総務省の要請により新公会計制度を導入した都内自治体に対しても、着実な支援を進められたい。
 一、官民連携ファンドについて、都の出資金の原資が税金であることから、細心の注意を払いつつ、ファンドの運営を適切に監視されたい。
 最後に、東京二〇二〇大会を契機として、その後の東京の発展を支えていくためにも、財政基盤の強化は不可欠であります。そのためにも、本予算において多大な経費が計上されている築地市場跡地の有償所管がえや、旧こどもの城跡地取得計画については、都民に対し説明責任を全うする必要があることを申し上げ、意見の開陳を終わります。

○池川委員 日本共産党都議団を代表して、財政委員会に付託された二〇一九年度予算に対する意見を述べます。
 新年度予算は、我が党の要望、提案を初め都民要求を反映した施策の前進が盛り込まれましたが、石原都政以来続く大型開発偏重の予算の基本構造は変わっていません。都政大改革を掲げる小池百合子知事が編成した三回目の予算になりますが、都民のための大改革とはいえないものです。
 知事は、築地を守る、市場機能を残すという公約違反を重ねてもなお、大きな方向性は変わっていないと繰り返し述べるなど、ごまかしと居直りを続けています。補正予算に計上された築地市場の有償所管がえは、結果として一般会計に移るのは二年から三年後であり、その後に埋蔵文化財の調査を行い、始めてみなければ何年かかるかわからない状況です。
 外環道や特定整備路線などの大型開発道路建設は、引き続き推進されています。東京二〇二〇大会経費は、縮減が厳しく求められていますが、新国立競技場の建設補助や日本武道館の改修補助など、重大な問題があります。また、オリンピック・パラリンピック予算のうち、組織委員会が実施する事業に都が費用負担する共同実施事業に、一千五百九十三億円が計上されていますが、その内容は透明性が確保されていません。
 同時に、日本共産党都議団が提案してきた、公立学校の体育館へのエアコン設置のための補助割合の引き上げ、リース設置への補助は貴重な前進です。
 児童虐待防止対策として、児童相談所の児童福祉司や児童心理司が増員されます。認可保育園を初めとした保育サービスの利用定員は、二万一千人分をふやす見込みです。幼児教育無償化の国の制度の対象とならない認可保育園、私立幼稚園、類似施設を利用する世帯への都独自の軽減策、不妊検査や不妊治療助成の拡充が盛り込まれました。こうした重要な前進はありますが、東京の大きな予算規模から見るならば、より一層、都民の暮らし、福祉の予算の充実を求めるものです。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、財務局関係です。
 道路、橋梁など、都市のインフラ整備の投資的経費について、新規、とりわけ不要不急の大規模事業は最大限抑制して、耐震強化、維持、管理重視に転換すること。そのための都市インフラの維持更新の計画を改善すること。
 指名停止業者が特命随意契約の相手方として契約することを原則禁止とする条項を盛り込むこと、あるいは新要綱をつくること。
 都市計画道路の第四次優先整備路線は、住民の暮らし、成熟した市街地での地域コミュニティの維持や商店街振興などを重視する立場から見直すこと。
 建設産業の担い手不足の解消に向けて、賃金引き上げの処遇改善策が労働者まで行き届くよう徹底するよう、都として力を尽くすこと。
 都発注の工事等については、年間を通して平準化されるよう、さらなる改善を行うこと。
 公契約条例について、都として条例制定の検討を始めること。
 障害者就労支援施設等からの優先調達を全庁的にさらに進めるために、分離分割発注など、各局と連携して取り組むこと。
 入札制度の改善は、税金の効率的な活用、適正な競争性、公正性などを踏まえて進めること。
 国有地を積極的に取得し、都有地として保育や介護、福祉施設として提供すること。また、都有地の提供価格をさらに引き下げること。
 都有施設におけるユニバーサルフリーの取り組みを推進すること。特に都庁舎における視覚障害者への対応を改善すること。また、聞こえのバリアフリーについて、利用者の視点も踏まえて、さらなる改善に取り組むこと。
 各局と連携し、都有施設において、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めること。
 旧こどもの城の活用については、こどもの城や東京都児童会館が担ってきた子供のための機能、文化芸術機能を重視すること。青山劇場、青山円形劇場を生かして再生すること。広く都民の意見を聞き、とりわけ、子供の意見を取り入れるようにすること。
 いわゆる偏在是正措置に対して、他の地方自治体とも共通する課題もあり、地方税全体の問題として捉える視点を示し、引き続き国に強く主張すること。
 次に、主税局関係です。
 民有地を活用した高齢者施設、障害者施設整備についても、保育所等の整備同様に、固定資産税の減免を行うこと。
 都市農業の振興のために、農業用倉庫や屋敷林について、固定資産税等の減免制度をつくり、都市農地の保全を図ること。
 固定資産評価委員会のメンバーについて、公正性、中立性の観点からも、都庁OBの起用は極力避けること。
 都税の徴収に当たっては、生活を困窮されることが明白な預金口座の差し押さえは行わないこと。区市町村とも連携して、生活再建型の滞納整理を進めること。
 いわゆる未婚のひとり親の寡婦控除の適用について、国に対して積極的に働きかけること。
 ことし十月からの消費税一〇%増税に対し、都民の暮らしや地域経済を守る立場から反対すること。
 次に、会計管理局関係です。
 官民インフラファンドはリスクを伴い、リスクの負担は都民が負うことになるものであり、これ以上の拡大は行わないこと。また、非公開の部分についての開示、議会のチェックを受けられるようにすること。
 最後に、収用委員会関係です。
 外かく環状道路の用地取得の裁決申請については、本来は任意の買い取りが大原則であることを踏まえ、裁決処理は慎重に対応すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○おときた委員 維新・あたらしい・無所属の会を代表して、平成三十一年度財政委員会予算案等について意見開陳を行います。
 平成三十一年度東京都予算案において、一般会計の予算規模は七兆四千六百十億円となり、過去最大です。税収入が堅調であることは好ましいことである反面、東京都の財政規模が膨張傾向にあることの証左でもあり、今後、超少子高齢化社会を確実に迎える東京都においては、今こそ大改革を断行する必要があります。
 我が会派は、将来的には、東京都のような広域自治体の権限、役割は極小化し、地域のことは地域で、民間でできることは民間でと主張してまいりました。財政が危機に陥ってからではなく、むしろ税収が堅調である今こそ、基礎自治体に権限を移譲する統治機構改革、公営企業の民営化など、抜本的な改革に取り組むべきと考えます。平成三十一年度予算案には、こうした抜本的な改革姿勢が、一部を除いてほとんど見られないことは残念です。
 また、市場移転問題に関する知事公約の変節、旧こどもの城の用地取得に関する方針転換など、知事の姿勢や政策決定は、都民の信頼だけではなく、都民財産が毀損されるものであり、それがこの予算案には反映されています。加えて、知事が予算編成につき、議会に報告する前に、特定の団体にその内容を伝達していたことも明らかになっており、しがらみのある予算編成となっていることに危機感を覚えます。これらの課題については、引き続き会派として追及をしていく予定です。
 情報公開の徹底により、しがらみから脱却し、東京大改革を推し進めるという、小池知事が就任時に述べていた公約を実行し、膨張し続ける行政規模に歯どめをかけることを改めて要望いたしまして、以下、各局関係に移ります。
 まずは、財務局について申し上げます。
 一、事務事業評価の全面的な見直しを実施し、費用対効果を精査した上で情報公開し、税収を使い切るのではなく、権限移譲などで予算の縮小に努めること。
 一、旧こどもの城の用地買収などに代表されるように、施策の是非につき、その透明性を高めるとともに、事業計画、実施、事後評価についても、オープンガバメントの仕組みも取り入れながら、常に透明性を高めること。
 一、中央卸売市場を含めた公営企業の民営化については、早急かつ具体的に検討を進めること。
 一、入札制度改革について、特命随意契約を減らす努力をするとともに、情報公開に一層の工夫を加えること。
 一、都債については、現役世代に配慮し、新規発行ゼロを目指していくこと。
 一、中小企業設備近代化資金貸付金や都立病院の医療費債権など、債権の発生するものについては、財務局も積極的にかかわり、回収不能とならない努力を行うこと。
 一、国による不合理な偏在是正措置については、引き続き、断固たる反対の意思とその理由をわかりやすく明確に示し、他の地方自治体とも連携し、国に撤廃を求めていくこと。
 次に、主税局について申し上げます。
 一、ふるさと納税については、国に対して制度の見直しを求めるとともに、現行制度のもとでは、都民にとって有益な事業を行うこと。
 一、都区財政調整制度の見直しを通じて、各自治体の財政責任力の強化に努めること。
 一、税の納付方法につき、最先端の技術を常に追いかけて、利便性の高い納付方法を拡充すること。
 一、チャットボットなどの最新テクノロジー、AIを駆使して、都民の利便性をさらに高めていくこと。また、その際は、民間企業と連携した実証実験を行うことで、費用の抑制に努めること。
 最後に、会計管理局について申し上げます。
 一、庁内のキャッシュレス決済サービスを進め、職員にキャッシュレス決済の普及をさせること。
 一、官民連携ファンドについては、将来的に全面的な見直しも視野に入れ、都の支出金の原資が税金であることを念頭に、ファンドの運営を適切に監視するとともに、民間を主とし、官を従とする関係を構築すること。
 以上で維新・あたらしい・無所属の会の意見開陳を終わります。

○大松委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○大松委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十三号議案から第四十五号議案まで及び議員提出議案第一号を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○清水(ひ)委員 第四十三号議案について意見を述べます。
 所有者不明土地について、収用委員会の公開審理と裁決を省略し、都道府県知事の裁定にかえるものであり、所有者不明といえるかどうかの判断をも起業者に委ねるもので、財産権の?奪を正当化するだけの十分な手続保障といえないものです。
 現行法にも不明裁決制度があり、収用委員会の手続を経て、所有者不明土地を収用することは可能です。しかも、国土交通省の地籍調査によれば、探索によっても所有者が判明しない土地は〇・四%にすぎず、都では年に一件程度と聞きます。一定の時間や労力をかけることは必要です。手続を簡素化する新たな仕組みを安易に認めるべきではありません。
 都の場合は、裁定者を財務局とするとして、さらに補償金の額をあらかじめ収用委員会の意見を聴取することで、透明性や公平性を確保するとの答弁もありましたが、事業者がみずからの判断で、利害関係人が、住民に説明なく公共事業を進める事態が起こりかねません。
 よって、収用手続の簡素化につながる関係手数料の設定である本議案には反対します。

○大松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第一号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大松委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第一号は否決されました。
 次に、第四十三号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大松委員長 起立多数と認めます。よって、第四十三号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十四号議案及び第四十五号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認めます。よって、第四十四号議案及び第四十五号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○大松委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(31)までの請願三〇第一〇号外三十件の同内容の請願及び整理番号(32)から(50)までの陳情三〇第六三号外十八件の同内容の陳情は、いずれも趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(31)までの請願三〇第一〇号外三十件の同内容の請願及び整理番号(32)から(50)までの陳情三〇第六三号外十八件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○大松委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大松委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、武市財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○武市財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただきました。
 平成三十一年度予算案の調査、報告事項等につきまして、委員長を初め、委員の皆様にさまざまな視点から熱心にご審議をいただきました。審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。

○大松委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十七分散会

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