財政委員会速記録第四号

平成三十一年三月五日(火曜日)
第二委員会室
午前十一時開議
出席委員 十四名
委員長大松あきら君
副委員長早坂 義弘君
副委員長おじま紘平君
理事池川 友一君
理事石川 良一君
理事山田ひろし君
おときた駿君
伊藤こういち君
つじの栄作君
清水やすこ君
大場やすのぶ君
秋田 一郎君
小磯 善彦君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
主計部長山田 忠輝君
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小山 明子君
会計管理局管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務野口 一紀君
収用委員会事務局局長佐藤  敦君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出-財政委員会所管分、都債
・第九十五号議案 平成三十年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
・第九十六号議案 平成三十年度東京都用地会計補正予算(第一号)
・第七十九号議案 都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
・第八十号議案  都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
・第八十一号議案 都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
・第八十二号議案 都立竹台高等学校(三十)改築工事請負契約
・第八十三号議案 立川駅南口東京都・立川市合同施設(仮称)(三十)新築工事請負契約
・第八十四号議案 谷沢川分水路工事請負契約
・第九十三号議案に対する修正案

○大松委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 土渕会計管理局長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、都債、第九十五号議案、第九十六号議案及び第七十九号議案から第八十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第七十九号議案から第八十四号議案までの契約議案については、事業所管の常任委員会からお手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成三十一年三月一日
文教委員長 とや英津子
財政委員長 大松あきら殿
   契約議案の調査について(報告)
 二月二十八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第八十二号議案 都立竹台高等学校(三十)改築工事請負契約
2 調査結果
 本議案に対し異議はありません。

平成三十一年三月一日
都市整備委員長 本橋ひろたか
財政委員長 大松あきら殿
   契約議案の調査について(報告)
 二月二十八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第七十九号議案 都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
 第八十号議案 都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
 第八十一号議案 都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
2 調査結果
 全議案に対し異議はありません。

平成三十一年三月一日
経済・港湾委員長 中山ひろゆき
財政委員長 大松あきら殿
   契約議案の調査について(報告)
 二月二十八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第八十三号議案 立川駅南口東京都・立川市合同施設(仮称)(三十)新築工事請負契約
2 調査結果
 本議案に対し異議はありません。

平成三十一年三月一日
環境・建設委員長 栗下 善行
財政委員長 大松あきら殿
   契約議案の調査について(報告)
 二月二十八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第八十四号議案 谷沢川分水路工事請負契約
2 調査結果
 本議案に対し異議はありません。

○おときた委員 ただいま議題となっております議案中、第九十三号議案につきましては、継続審査とすることを求める動議を提出いたします。
 以下、簡単に説明をさせていただきます。
 第九十三号議案には、築地市場跡地を約五千四百億円以上かけて有償所管がえする内容が含まれております。この有償所管がえは、小池知事が、かねてより表明していた基本方針の明確な転換であるにもかかわらず、小池知事本人はそれを認めることをかたくなに拒み、現時点においても十分な説明がなされておりません。
 加えて、多額の税投入の可否を判断する根拠となる築地再開発についても、その内容は極めて不明確、不透明な状態にあり、都民がその合理性、妥当性を判断することは不可能であるといわざるを得ません。
 よって、少なくとも本日の時点で、議会が今議案の賛否を明らかにすることは困難であり、本議案は継続審議とすることを提案し、各会派に賛同を呼びかけるものです。

○大松委員長 ただいま、おときた委員から、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、都債について、継続審査を求める動議が提出されました。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大松委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
 修正案の提出について申し上げます。
 ただいま議題となっております議案中、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、都債に対し、池川友一理事外一名から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○大松委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○池川委員 日本共産党都議団を代表して、本委員会に付託されている第九十三号議案、二〇一八年度一般会計補正予算(第三号)の修正案についてご説明をいたします。
 今定例会の代表質問と一般質問、財政委員会質疑、さらには、昨日の経済・港湾委員会の知事との一問一答の質疑を受けても、補正予算で築地市場跡地の有償所管がえを急ぐ必要はないということが明らかになりました。
 第一に、補正予算で有償所管がえの予算を執行したとしても、実際には、築地市場跡地の土地が一般会計に移るのは二年から三年後となり、さらには、その後に埋蔵文化財の調査発掘を行う段取りになっているということです。民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことが理由の一つとされていますが、現時点で一般会計が保有する必要性とはなりません。
 第二に、決算剰余金と予算執行状況などを加味して財源を確保したということが挙げられましたが、議論が尽くされている状況とはいえず、一旦財政調整基金に積み立てを行い熟議を尽くすべきであります。
 よって、本修正案では、歳入のうち、款十一、繰入金、項三、基金繰入金、目三、社会資本等整備基金繰入金のうち、中央卸売市場会計用地取得に係る一千七十億円を基金に戻し、基金の総額としては七百八十四億三千四百万円余に補正をいたします。
 また、歳出のうち、款十七、諸支出金、項一、財産費、目四、財政調整基金に四千三百五十三億円を積み立て、補正額として五千六百十四億二千二百万円余にします。また、項二、他会計支出金、目二、公営企業会計支出金のうち、中央卸売市場会計用地取得費五千四百二十三億円を全額削除し、二千五百十億五千二百万円に補正をいたします。
 これにより築地市場跡地の有償所管がえに関する予算を削除し、その費用を各基金に積み立てることとなります。
 修正案の説明は以上ですが、小池知事が二〇一七年六月に基本方針を示した内容と築地まちづくり方針素案の間に大きな乖離があることは明らかであり、方針は、市場関係者の意見を聞いて再検討する必要があると思います。
 委員の皆様方のご賛同を心からお願いし、修正案の趣旨説明とさせていただきます。

○大松委員長 説明は終わりました。
 これより修正案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 修正案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、修正案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案及び修正案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○石川委員 私は、都民ファーストの会東京都議団を代表し、本委員会に付託をされています九十三号議案に賛成の立場で意見を申し上げます。
 市場問題は、過去の都政が解決を先送りしてきた負の遺産というべき課題です。今回、その根本解決に向けて、築地市場跡地の有償所管がえ、そして築地まちづくり方針が示されたものと受けとめています。
 私たちの代表質問で指摘したとおり、広大な築地市場跡地の再開発は近視眼的なものではなく、東京全体の価値を高めるものでなければなりません。また、有償所管がえの経費である五千四百二十三億円の原資は都民の税金であり、有償所管がえの意義、合理性が正確に都民に理解される必要があります。
 築地市場跡地の再開発に当たっては、独立採算を原則とする市場会計のもとで経済合理性が優先され、東京全体を俯瞰した開発が困難となるおそれがあり、一般会計のもとで民間の知恵を生かしながら再開発を行うことが、都民の利益にかなうものであります。
 所管がえについては、特別会計の独立性を確保するため、有償で実施することが現行規則で求められています。また、築地市場跡地の鑑定評価額は、過去の評価実績を有し、競争入札を経て選定された鑑定機関の専門的見地から算出されたものであり妥当と判断できます。
 有償所管がえを平成三十年度最終補正予算として行う点については、今後まちづくりを行うに当たって、いち早く一般会計への移しかえに着手することにより、民間事業者の参画意欲を早期に引き出し、まちづくりの具体化を円滑に進める意義があることが明らかになりました。
 また、当委員会における審議は、補正予算の審議として、本会議に加えて、財政、都市整備、経済・港湾の各委員会において十分に尽くされ、経済・港湾委員会では、知事も出席の上で審議が行われました。
 以上のとおり、補正予算であることをもって十分な説明、議論が尽くされていないかのような意見は根拠がないと思っております。
 市場の今後のあり方について、今回の有償所管がえは、一般会計が独立会計の原則を有する市場会計から築地市場跡地を取得するに当たり、いわば対価として五千四百二十三億円を市場会計に繰り入れる、つまり同じ価値のものを交換するものとの説明がありました。そもそも有償所管がえなしでは近いうちに資金ショートを起こしてしまうという市場会計の経営、財務のあり方が大きな問題と考えています。さらに、等価交換であるものの、豊洲市場や市場会計の穴埋めに巨額の税金が投入されるのではないかという印象を都民が抱く可能性があります。
 このような観点からも、代表質問において、将来的には民営化をも視野に入れた、また、定期的な外部監査を実施するなどの手法もあわせて市場会計の抜本的な経営改革を求めました。民間企業経営の目線から外部有識者による検証を進め、実効性ある経営計画の策定を進めるよう、抜本的な経営改革にスピード感を持って進めていただくよう重ねて強く求めておきます。
 最後に、豊洲新市場の経費の膨張を招いてしまった事実を、歴代の都知事、都庁、そして当然都議会も重く受けとめなければなりません。今後とも、食に根差した築地ブランドをさらに発展させ、広く都民の利益にかなう東京全体の価値の最大化に向けて、引き続き全力で取り組んでいただくことを強く求めて、意見の締めくくりといたします。

○早坂委員 本委員会において、三月六日の中途議決案件として審議してまいりました議案のうち第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)について意見を申し述べます。
 この補正予算案の中に、築地市場跡地を市場会計から一般会計に五千四百二十三億円で有償所管がえするための予算が計上されています。この予算が可決され、築地市場跡地が市場会計から一般会計に移されると当該用地は市場用地ではなくなるということになります。
 一方、小池知事は、平成二十九年六月に、築地を守る、仲卸の方々が築地へ復帰される際のお手伝いはさせていただくとした上で、この用地に関しては、市場としての機能が確保できる方策を見出していく、こうした基本方針を公にし、市場関係者、都民そして都議会にも説明してきました。その後、みずから発表した基本方針については、少しずつ口ぶりを変えていますが、その真意をただすと、知事は、方針は変わっていないと繰り返し説明されていました。
 ところが、今回、知事の方針を根底から否定する補正予算案が提出され、築地跡地を一般会計に所管がえする、敷地跡地は市場として整備しないということが明確になりました。この補正予算は、知事が表明した基本方針と完全に矛盾するものです。このため、基本方針が変わったのか、提案された予算が間違いがないのか明確にしない限り審議を進めることはできません。
 我が自民党は、本委員会において理事者の方々への質疑を通じて、補正予算編成の経緯、目的、必要性などを明らかにすべく全力で取り組みましたが、たった一日の審議では十分に議論を進めることができたとはいえません。
 そして、三月四日の経済・港湾委員会では、知事との一問一答の形式で審議を行い、基本方針が変更されたのか、変更されていないのか質疑しました。しかし、残念なことに、小池知事は、抽象的かつ曖昧な発言に終始し、方針は変わっていないの一点張りであります。説明責任を果たしたとは到底いえません。
 東京都の卸売市場の責任者である小池知事が、築地を市場にするという方針に変更はないといい、都財政の責任者である小池知事は、築地跡地は市場を設置しないといっているのです。このままでは有償所管がえに係る予算を認定することはできません。
 もちろん補正予算案は、この有償所管がえのみではありません。一般会計では、いわゆる税連動経費や財政調整基金への積み立てなどがあり、特別会計でも、特別区財政調整会計や地方消費税清算会計など、やはり税の動きに連動した予算が組まれています。こうした補正は通例のものであり、年度末に必要な補正を行うべきものです。
 しかし、この最終補正予算案の中に組み込まれた有償所管がえの予算は、知事の方針と相反するもので、その規模は、福井県など一県の決算にも匹敵します。そして、一月二十四日の予算大綱発表の前日まで、仮の案として都庁内部で検討されただけで、それまでの間、議会には全く説明がなかった案件です。一カ月前に明らかにされたこれだけの規模の知事の基本方針と相反する予算案の是非を審議するには余りにも時間が短く、今も肝心の知事の方針との矛盾が解決されないままです。
 仮に、平成三十一年度の当初予算の同時補正として計上されていれば、この予算案を予算特別委員会で審議し、中途議決ではなく、さらに三週間の審議期間を確保できました。場合によっては継続審議とすることも十分可能です。また、そうした前例もあります。
 今回、知事が平成三十年度の最終補正予算に組み込み、通例の年度末の補正予算と一体のものとして提案した理由は全く理解できません。三月六日の中途議決案件とすることで、予算特別委員会での知事との一問一答の議論を避けるための手段としての選択であったといわざるを得ません。
 予算編成手法を用いて、都議会による十分な審議を免れようとするこそくな手段であり、実質的な議会軽視そのものです。そのような状況を総合的に勘案いたしますと、こうした矛盾、そして問題点を抱えたままの予算案を承認するという無責任な決定はできません。
 よって、都議会自民党は、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)に反対いたします。
 以上をもちまして都議会自民党の意見表明といたします。

○清水(ひ)委員 日本共産党都議団を代表して、第九十三号議案、二〇一八年度東京都一般会計補正予算(第三号)の修正案に賛成し、原案に反対の立場から討論します。
 知事の提出した補正予算は、築地市場跡地の有償所管がえとして、中央卸売市場会計に五千四百二十三億円を繰り出す内容となっています。
 我が党は、代表質問でも、財政委員会でも、補正予算で急いで有償所管がえを決める納得いく説明がされていないと主張してきました。修正案に賛成し、原案に反対する第一の理由は、知事の公約違反、方針転換が質疑を通じてはっきりしながら、大きな方向性は変わっていないというごまかしとすりかえを行っていることです。
 昨日、築地女将さん会から陳情書を受け取りました。そこには、知事が、築地市場は守ると繰り返し発言されていたこと、都民ファーストの顧問の方が、一旦は築地をオリンピックの駐車場にするため豊洲に移転し、五年後には必ず築地に戻り、新たな築地市場が開設されると明言されていたことなどが紹介されています。そして、私ども事業者は、小池さんのたび重なる場当たり的な発言に振り回され、怒りを覚えるだけでなく、人間不信に陥り、ショックを受け疲弊していますと述べています。
 小池知事が原点に立ち返り、築地を守るという公約を実行すべきです。このような公約違反をそのまま放置することは許されないと考えます。
 第二の理由は、補正予算で所管がえをしても、結果として一般会計に移るのは二、三年後であり、その後に埋蔵文化財の調査発掘があるもとで、急いで決める理由はないということです。
 第三の理由は、民間事業者の意欲を引き出すことが優先され、都民が期待を寄せた公約がほごにされても構わないということになれば、都政のあり方が根本からおかしくなるということです。こうした中身を最終補正予算で決めてしまおうということに道理はありません。
 以上の理由から、補正予算の修正案に賛成、原案に反対をするものです。
 以上です。

○おときた委員 維新・あたらしい・無所属の会を代表いたしまして、委員会採決に際して、第九十三号議案の原案に反対、修正案に賛成する理由を申し上げます。
 本第九十三号議案は、築地市場跡地を有償所管がえする補正予算だけでなく、都政運営にかかわる他の事案もパッケージされた議案となっています。我が会派が賛同しかねるのは、築地市場跡地の有償所管がえに関する部分だけであり、議案ごと反対せざるを得ないことは不本意であり、このような形で議案を上程するやり方そのものに大きな疑問が残るということを、冒頭、まず指摘をしておきます。
 築地市場跡地の有償所管がえそのものは、我が会派もかねてより求めてきたことであります。しかしながら、それは、知事がしっかりと基本方針の転換を明言した上で説明を尽くし、築地市場跡地は今後どのようなプランで再開発され、都民負担はどうなるのか、その見通しが明らかにされているという当たり前の状態であることが大前提です。残念ながら、現時点ではそのいずれもが満たされている状況とはいえません。
 我々の原案への反対理由は、大きく二つ、基本方針の変節に対する対応と、これからの築地再開発プランの不透明性です。
 まず、基本方針については、繰り返し指摘されているとおり、二〇一七年六月二十日に、知事は都議選の公約となる基本方針を発表し、競り、市場内取引を確保、発展、築地に業者が戻れるお手伝いをするなどと言葉でも、あるいは資料でも明言をいたしました。
 しかしながら、今般発表された築地まちづくり方針素案には、そうした文言、内容は一切残っておりません。にもかかわらず、知事は、かたくなに自身の方針転換、変節を認めないばかりか、市場業者や築地文化に寄り添ってきたかのような発言を繰り返しており、こうした政治姿勢は信頼に足るものとは到底いえません。
 また、築地まちづくり方針素案については、有識者会議などのいわば派手な部分こそ公開の場で行いましたが、それを取りまとめる肝心な庁内会議は全て非公開で行われており、議事録すら公開されません。これこそまさに、小池知事が従前から批判をしていたブラックボックスであり、その中で、市場機能などの重大な選挙公約が消えていったことも看過することはできません。
 その築地再開発プランについては、市場会計で保有する、賃料約百六十億円を継続的に生み出す、都民の税金を投入することはしないとされていた基本方針から大きくさま変わりし、その見通しは極めて不透明です。民間の力を活用するというのは聞こえがよいものの、定期借地の詳細すら決まっていない段階で手が果たして挙がるのか、どれだけの賃料が見込めるのか、再開発における収益性や公益性を現在示されているプランから判断することはできません。いわゆる箱物を行政が運営することになり、土地の代金ばかりかランニングコストまで負担する可能性も考えられます。
 土地を一般会計が対価で手に入れるという説明もありますが、なぜ、それを今行わなければならないのかについては納得のいく説明がなく、いずれにせよ、都税が現金として多額の支出をされることは間違いがありません。また、その支出先の市場会計は赤字運営が常態化しており、その赤字補填のために、結果として都税が使われることになれば、多くの都民は納得ができないものと考えます。
 繰り返しになりますが、有償所管がえを行うのであれば、築地再開発及びそれに伴う都民負担がどうなるのか、これについてのビジョンが明確に示されていなければ、補正予算として多額の支出をすることは認められません。
 こうした状況を踏まえ、我々は、現時点で議案の賛否を決めることは困難との立場から、継続審議を提案いたしましたが、残念ながら賛成少数で否決をされました。
 有償所管がえそのものは、いずれかのタイミングで行うことが必要であると考えてはいるものの、現時点でその賛否を出すというのであれば賛成することはできません。
 よって、我々は、提出された築地跡地を有償所管がえする金額のみを減額修正する修正案に賛成し、第九十三号議案の原案には反対を表明するものです。
 以上です。

○大松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、都債を採決いたします。
 まず、池川友一理事外一名から提出されました修正案について、起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大松委員長 起立少数と認めます。よって、池川友一理事外一名から提出されました修正案は否決されました。
 次に、原案について起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大松委員長 起立多数と認めます。よって、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、都債は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十五号議案、第九十六号議案及び第七十九号議案から第八十四号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認めます。よって、第九十五号議案、第九十六号議案及び第七十九号議案から第八十四号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前十一時二十五分散会


修正案の提出について

第93号議案 平成30年度東京都一般会計補正予算(第3号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
 上記議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第65条の規定により提出します。
  平成31年3月5日

(提出者)
 池川 友一  清水ひで子

財政委員長 殿

第93号議案 平成30年度東京都一般会計補正予算(第3号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
  に対する修正案
 第93号議案 平成30年度東京都一般会計補正予算(第3号)の一部を次のように修正する。
 予算総則第1条第1項中「470,348,029千円」を「363,348,029千円」に、「7,525,513,946千円」を「7,418,513,946千円」に改める。
 「第1号 歳入歳出予算補正」表の一部を次のように改める。

歳入(単位 千円)
科目既定予算額知事提案額修正額
補正予算額補正予算額
11繰入金459,496,24430,217,986489,714,230-76,782,014382,714,230
03基金繰入金424,825,42830,293,834455,119,262-76,706,166348,119,262
歳入合計7,055,165,917470,348,0297,525,513,946363,348,0297,418,513,946
歳出(単位 千円)
科目既定予算額知事提案額修正額
補正予算額補正予算額
17諸支出金1,720,676,000716,248,0672,436,924,067609,248,0672,329,924,067
01財産費4,454,000163,087,781167,541,781598,387,781602,841,781
02他会計支出金1,305,038,980561,218,0001,866,256,98018,918,0001,323,956,980
歳出合計7,055,165,917470,348,0297,525,513,946363,348,0297,418,513,946

第93号議案 平成30年度東京都一般会計補正予算(第3号)中
   予算総則
   歳入
   歳出
   都債 財政委員会所管分
   に対する修正に関する説明書                   (抹消したのが原案、その上に記入したのが修正案)
第1 歳入歳出予算補正
2 歳入予算(単位 千円)

科目既定予算額補正予算額備考
区分金額
11 繰入金459,496,244-76,782,014
30,217,986
382,714,230
489,714,230
03 基金繰入金424,825,428-76,706,166
30,293,834
348,119,262
455,119,262
03 社会資本等整備基金繰入金90,632,845-12,198,680
94,801,320
78,434,165
185,434,165
01 社会資本等整備基金繰入金-12,198,680
94,801,320
中央卸売市場会計用地取得の取りやめ
歳入合計7,055,165,917363,348,029
470,348,029
7,418,513,946
7,525,513,946

3 歳出予算(単位 千円)

科目既定予算額補正予算額補正の財源内訳節(細節)備考
区分金額
17 諸支出金1,720,676,000609,248,067
716,248,067
2,329,924,067
2,436,924,067
繰入金
787,852
107,787,852
一般財源
608,460,215
01 財産費4,454,000598,387,781
163,087,781
602,841,781
167,541,781
一般財源
598,387,781
163,087,781
04 財政調整基金積立金0561,422,775
126,122,775
561,422,775
126,122,775
一般財源
561,422,775
126,122,775
25 積立金561,422,775
126,122,775
中央卸売市場会計用地取得の取りやめ
02 他会計支出金1,305,038,98018,918,000
561,218,000
1,323,956,980
1,866,256,980
繰入金
0
107,000,000
一般財源
18,918,000
454,218,000
02 公営企業会計支出金253,521,000-2,469,000
539,831,000
251,052,000
793,352,000
繰入金
0
107,000,000
一般財源
17 公有財産購入費
19 負担金補助及交付金
0
542,300,000
-1,160,000
公営企業会計支出金を計上
1 中央卸売市場会計用地取得 542,300,000
2 交通事業会計-331,000
 (1)経費補給金-281,000

(単位 千円)

科目既定予算額補正予算額補正の財源内訳節(細節)備考
区分金額
-2,469,000
432,831,000
24 投資及出資金-1,309,000(2)出資金-50,000
3 高速電車事業会計-1,239,000
(1)経費補給金-34,000
(2)出資金-1,205,000
4 水道事業会計出資金-54,000
5 下水道事業会計経費補給金-845,000
歳出合計
7,055,165,917363,348,029
470,348,029
7,418,513,946
7,525,513,946
分担金及負担金
-848,764
国庫支出金
-28,220,497
繰入金
-76,782,014
30,217,986
諸収入
7,159,679
都債
-36,552,000
繰越金
233,288,630
一般財源
265,302,995
都税
232,151,058
地方譲与税
33,151,937

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