委員長 | 大松あきら君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | おじま紘平君 |
理事 | 池川 友一君 |
理事 | 石川 良一君 |
理事 | 山田ひろし君 |
おときた駿君 | |
伊藤こういち君 | |
つじの栄作君 | |
清水やすこ君 | |
大場やすのぶ君 | |
秋田 一郎君 | |
小磯 善彦君 | |
清水ひで子君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 武市 敬君 |
経理部長財政企画担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 初宿 和夫君 | |
契約調整担当部長 | 五十嵐 律君 | |
主計部長 | 山田 忠輝君 | |
財産運用部長 | 山根 恭子君 | |
利活用調整担当部長 | 鈴木 光祐君 | |
建築保全部長 | 小野 幹雄君 | |
技術管理担当部長 | 飯泉 洋君 | |
庁舎運営担当部長 | 後藤 徹也君 | |
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 | 小野寺弘樹君 | |
主税局 | 局長 | 目黒 克昭君 |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小山 明子君 | |
税制部長 | 副島 建君 | |
税制調査担当部長 | 栗原 哲治君 | |
調整担当部長 | 菊澤 道生君 | |
課税部長 | 安藤 敏朗君 | |
資産税部長 | 大久保哲也君 | |
徴収部長 | 川上 秀一君 | |
特別滞納整理担当部長 | 新井 裕二君 | |
会計管理局 | 局長 | 土渕 裕君 |
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 野口 一紀君 | |
警察・消防出納部長 | 加藤 政弘君 | |
会計制度担当部長 | 斎田ゆう子君 |
本日の会議に付した事件
会計管理局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出 主税局所管分
・第九十五号議案 平成三十年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、都債
・第九十六号議案 平成三十年度東京都用地会計補正予算(第一号)
・第七十九号議案 都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
・第八十号議案 都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
・第八十一号議案 都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
・第八十二号議案 都立竹台高等学校(三十)改築工事請負契約
・第八十三号議案 立川駅南口東京都・立川市合同施設(仮称)(三十)新築工事請負契約
・第八十四号議案 谷沢川分水路工事請負契約
○大松委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局、主税局及び財務局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
なお、付託議案中、第七十九号議案から第八十四号議案までの契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
これより会計管理局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大松委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で会計管理局関係を終わります。
○大松委員長 これより主税局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出、主税局所管分及び第九十五号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大松委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
○大松委員長 これより財務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局・財務局所管分、都債、第九十六号議案及び第七十九号議案から第八十四号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。
今回要求のございました資料は、補正予算案に関する五件の資料でございます。
それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、有償所管換と補正予算案提出までの経緯についてをごらんください。
こちらは、有償所管がえと補正予算案提出までの経緯について、時系列で内容をお示ししたものでございます。
一枚おめくりいただきまして、三ページをごらんください。要求資料第2号、築地市場跡地を一般会計に有償所管換する金額約五千六百億円の算出根拠となっている、有識者による報告書でございます。
五ページから一〇〇ページにわたり、該当する調査報告書を掲載してございます。
大変恐れ入りますが、一〇一ページをお開き願います。要求資料第3号、有識者に土地鑑定を依頼する際に都が提示した、算出の前提となる土地のデータや書類でございます。
こちらは、一〇三ページから一二五ページにわたり全部事項証明書を、一二七ページから一六七ページにわたり地図に準ずる図面を、一六九ページから二〇八ページにわたり地積測量図を、二〇九ページから二一一ページにわたり評価条件を掲載してございます。
なお、原本の都合上、印刷が不鮮明な資料が含まれておりますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
二一三ページをお開き願います。要求資料第4号、有償所管換後の市場会計の中長期見通しでございます。
こちらは、平成二十八年度から平成八十二年度までの有償所管がえ後の市場会計の償却前収支、経常収支、資金収支をお示ししたものでございます。
二一五ページをお開き願います。要求資料第5号、旧神田市場跡地に関する経緯でございます。
こちらは、旧神田市場跡地に関する経緯について、時系列で内容をお示ししたものでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○大松委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○清水(や)委員 先日の我が会派の代表質問におきまして、築地市場跡地は、市場会計が地方公営企業としてスタートする最初のタイミングで、一般会計から市場会計に現物出資をされたことが明らかとなりました。
同時に、現行ルールのもとでは、特別会計の独立性を乱さないよう適正な価格で、つまり、この要求資料にありますように、民間と同じ価格で有償所管がえをしなければならないということも確認ができました。いわば都の内部取引ですから、この要求資料にありましたように、不動産登記簿上の所有権移転もしないことがわかりました。
一方で、一般会計は、当時はキャッシュをもらわずに現物出資をしたにもかかわらず、今回は有償で買い戻さなければなりません。こうした部分についても、説明を重ねれば、都民の皆様もおわかりいただけるかとは思いますが、複雑で理解をしにくい面があるのも確かです。だからこそ、今回の有償所管がえについては、都民の皆様の理解を得られるよう、しっかりと説明を尽くさなければなりません。
そこで、改めて、今回の築地市場跡地の有償所管がえの意義について、補正予算に計上した理由も含めて、都民の理解を得られるようわかりやすく説明すべきと考えますが、見解を伺います。
○山田主計部長 築地市場跡地につきましては、本年一月二十三日に、再開発の将来像を示す築地まちづくり方針の素案を取りまとめ、都として再開発を進める方針を固めたところでございます。
今後、民間事業者からの提案を受けながら、中長期的に都民にとっての価値向上を目指すまちづくりを行ってまいりますけれども、いち早く一般会計への移しかえに着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにし、そのことによりまして、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができ、都といたしましても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能になると考えているところでございます。
また、今般の地方法人課税のいわゆる偏在是正措置の影響により、再来年度以降、税収減が見込まれており、将来の財政支出を可能な限り軽減する必要もある状況にあります。
こうした中、今年度、平成二十九年度決算剰余金や予算執行状況の精査によりまして財源のめどが立てられたことから、最終補正予算において有償所管がえの予算措置を速やかに行うこととしたものでございます。
○清水(や)委員 ありがとうございます。ただいまの答弁で、まちづくりの具体案を円滑に検討することなど、さまざまな理由が理解できました。
さて、今回の築地市場跡地の有償所管がえについて、最近よく比較をされるのが、平成初期の神田市場跡地の有償所管がえです。そこで、今回の有償所管がえをわかりやすくひもとくためにも、まずはその違いを明らかにすることが必要と思います。
そこでまず、神田市場跡地と今回の築地市場跡地について、有償所管がえと再開発方針の経緯についてその違いを伺います。
○山田主計部長 神田市場跡地につきましては、昭和六十三年度最終補正予算に約二万七千平米の土地を、中央卸売市場会計から一般会計へ有償所管がえをする経費を計上いたしております。その際の価格は総額約三千七百億円であり、昭和六十三年度からの五カ年で支払いを行っております。また、平成四年に、跡地の再開発に関する秋葉原地区開発の基本方針を決定しております。
その後、当該地区の土地区画整理事業を経て、道路や公園等の公共施設を整備するとともに、地価の変動を反映させた上で、平成十四年度に、民間企業に対しまして、市場跡地のうち公共施設等の部分を除いた約一万六千平米の土地を四百五億円で売却をしております。
一方、築地市場跡地につきましては、本年一月、再開発の将来像を示す築地まちづくり方針の素案を取りまとめ、都として再開発を進める方針を固め、関係局長会議において、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据え、市場会計の収支試算も踏まえて、一般会計への有償所管がえを行うことを決定したところでございます。
都民の貴重な財産であります築地市場跡地につきましては、民間への売却ではなく、都が所有し、有効活用することとしております。このように、神田市場跡地と築地市場跡地は、有償所管がえを行った点では共通しておりますが、その後、民間に売却をしたのか、それとも都が所有するのかという点で異なっているところでございます。
○清水(や)委員 ありがとうございます。神田市場跡地についての流れを理解することができました。
次に、築地市場跡地の有償所管がえについては、具体的なまちづくりがまだ固まっていない中で拙速であるとの指摘もありますが、神田の際には、有償所管がえをした上で、その後、再開発の基本方針を策定したという事実を確認することができました。
神田の有償所管がえについては、もう一点確認をしなければならないことがあります。神田市場では、有償所管がえをした後に、その一部を民間に売却し、結果として数千億円もの損失を招いたとの指摘もあります。
そこで、バブル期に有償所管がえを行い、バブル崩壊後に、一部とはいえ民間に売却をされた神田市場跡地の事例も踏まえながら、築地市場跡地の再開発については、都民、東京の利益になるよう進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
○山田主計部長 神田市場跡地につきまして、現在は、秋葉原クロスフィールドといたしまして、まちのにぎわい創出に貢献をしているところでございます。
築地市場跡地の再開発に当たりましては、神田市場跡地の事例も踏まえつつ、長期的な観点から、東京の持続的成長につなげていきたいと考えております。
民間に土地を売却することなく都が保有をし、公共的、公益的なまちづくりにも留意するとともに、経済合理性を考慮しながら、民間の力を最大限に活用し、東京全体としての価値の最大化を図り、都民の負託に応えていきたいと考えているところでございます。
○清水(や)委員 ありがとうございます。
今回の有償所管がえについては、さらにもう一点、都民の皆様には率直な疑問があると感じています。一般会計にわざわざ所管がえを行わずとも、再開発はできるのではないか、市場会計が跡地を保有したままでも、まちづくりはできるのではないかという疑問です。
そこで、築地市場跡地は、一般会計への所管がえを行う場合と、所管がえをせずに、例えば市場会計が保有して長期貸付をするなど、築地まちづくりを進める上でどのような違いがあるのか、見解を伺います。
○山田主計部長 所管がえによりまして一般会計が跡地を保有する場合、公共的、公益的なまちづくりに留意するとともに、経済合理性を考慮しながら、東京全体の価値の最大化を目指し、中長期的な時間軸に立った整備、開発を進めていくことが可能になると考えております。
一方、中央卸売市場会計が保有して長期貸付を行う場合、市場会計は独立採算が原則とされる公営企業会計であることから、短期的な利益や採算性がより重視されることとなります。そのため、将来の資金繰りの状況等によっては、当初の方針を変更して民間への土地の売却等を選択せざるを得ない状況が生じることなども想定されます。
こうしたことも踏まえまして、一般会計への所管がえを行った上で再開発を進めることとしたところでございます。
○清水(や)委員 ありがとうございます。これまでの質疑を通して、今回の有償所管がえの意味や神田市場との違いについて、主にまちづくりの観点から確認をすることができました。
次に、今回の有償所管がえと切っても切り離せない市場会計の持続可能性についての質疑にテーマを移したいと思います。
その前に、まず一点確認をさせていただければと思います。
一般会計への有償所管がえに要する経費の総額は五千六百二十三億円とされています。地上部分と地下部分がクリアな更地価格であります。
一方で、今回の最終補正予算の金額は五千四百二十三億円です。残り二百億円は、市場会計が埋蔵文化財発掘調査などを実施するのを確認してから一般会計が支払うこととして、現段階では支払いを留保した形をとっているとの理解であります。
最初の話に戻りますが、昭和三十九年に市場会計が公営企業会計としてスタートするため、この土地が一般会計から市場会計に移った際には、土壌汚染対策法なども今のように整備をされておらず、そもそも何が埋まっているのかも不明な状態で引き継がれています。そうした意味では、実際に調査をしてみないとわからないのが現状でありまして、先ほどの二百億円も試算額の枠を出てはおりません。
そこで、今回の補正予算五千四百二十三億円ではございますけれども、埋蔵文化財調査や土壌汚染対策に二百億円が留保されて、仮にその二百億円以上の経費を要した場合でも、全て市場会計で負担するのか、見解を伺います。
○山田主計部長 築地市場跡地の所管がえに関しまして、建築物の撤去に加えまして、埋蔵文化財発掘調査や土壌汚染対策などの費用は、土地を引き渡す側であります中央卸売市場会計が負担すべきものであり、今後これらに必要となる費用につきましては、市場会計が負担することとなっております。
今回の補正予算では、二百億円を留保することとしておりますけれども、これはあくまでも一般的に考慮すべき費用相当の金額の支払いを留保するという趣旨の措置でございまして、結果的に実際の費用が二百億円を超えた場合においても、その費用は市場会計が負担するということとなっております。
○清水(や)委員 どのような金額が出ても一般会計からは負担しないということがわかりました。
次に、このたびの有償所管がえにより、市場の経営状況、市場会計の持続可能性、そして事業継続性について焦点が改めて当たることになりました。今回、五千億円という金額に注目が集まっていますが、実は、市場会計に対して、一般会計から毎年約三十億円程度の規模の繰り入れがなされております。独立採算の市場会計に対して、一般会計が繰り入れを行う理由は明確にしておく必要があります。
そこで、今回の市場会計への繰り入れを毎年度どのような基準で行っているのか、財務局として、市場会計への繰り入れを今後どのように考えていくのか、見解をお伺いいたします。
○山田主計部長 地方公営企業は、独立採算が原則とされ、経営に要する経費は、その収入をもって充てることが原則とされております。一方で、経費の一部につきましては、地方公営企業法に基づき、総務省の定めた基準により、一般会計からの繰入金を充てることが認められております。市場会計においては、現在この基準の範囲内で、現場取引や卸売人の業務等に対する指導監督や流通改善対策に要する経費などを一般会計から繰り入れているところでございます。
都における一般会計から市場会計への繰り入れについては、平成五年度以降、出資金に対する繰り入れを見送るなど、市場会計の資金状況等を勘案し、継続的に見直し、抑制を図ってきており、平成二十七年度決算における収入に占める繰入金の割合は、他の自治体が二四・〇%であるのに比較いたしまして、都は一・五%と極めて低い水準となっております。
今後も、市場経営のあり方や社会経済情勢の変化等を踏まえながら、経費負担のあり方について検証を重ねていきたいと思っております。
○清水(や)委員 ただいまの答弁で、指導監督や流通改善対策などに支払われているということがわかりました。これは赤字補填を一般会計から支払っているのでは決してなく、全体の公営企業でもそうですが、都庁の四百人余りの職員の分、それから減価償却の分、生活文化局及び福祉保健局などの負担相応分を毎年負担しているということが理解できました。
地方公営企業法上では、一般会計からの繰り入れはできるという規定で、必ずしも義務ということではありません。
一月二十三日に開催された関係局長会議において報告された市場会計の収支試算の中で、市場当局は、まずは当面十億円の経費節減を図るとしています。その視点は必要と思います。もちろん、現在の都の繰り入れは国の基準の範囲内で、ほかの自治体よりも割合が低い、相当低いということで理解をし、敬意を表しますが、ここに一般会計からの繰入金も、ぜひ経費節減の視点でチェックしていただきたいと思っております。
さて、市場会計の収支が悪化するきっかけとなったのは、誤解を恐れずに申し上げれば、豊洲市場の整備からであります。独立採算の公営企業会計であるため、第一義的には、市場当局の話なのかもしれませんが、財務局もチェックをする立場にあったのではないかということを私は一番疑問に思っております。
例えば、平成二十九年度の中央卸売市場の貸借対照表上では、これまでの十一市場で、建物や構築物、機械及び装置の合計は二千五百億余円で賄っています。今回、その倍以上の豊洲市場の整備額が発生していて、市場を整備した際の減価償却期間は、通常長くても四十七年から五十年程度でございます。五千七百億円の豊洲市場は、その五十年で割り返したとしても、毎年百億円を超える減価償却費が発生し、経常収支が大幅な赤字となることは、少なくとも公表されている決算書などから予測がつく話でございます。これは例えば、事業収入が百八十億円でございますので、サラリーマンの給与収入で例えますと、百八十万円の収入のうち百万円が住宅ローンに回るようなイメージでございます。
そこで、豊洲市場整備の際、市場経営、市場財政に対する危機意識、危機感がどの程度であったのか、東京都全体の財政を取りまとめる財務局としての見解を伺います。
○山田主計部長 公営企業であります中央卸売市場は、市場を取り巻く環境の変化を踏まえた上で、市場会計の持続可能性の確保をしていくことが必要であるのは当然でございます。
一方、現状におきましては、豊洲市場の減価償却費の大幅な増加等の影響によりまして、今後、経常収支が大幅な赤字で推移する見通しとなってしまっているというのが現在の状況であろうかと考えております。
今後、市場当局においては、人件費の削減や維持管理経費の圧縮などの経営改善を図るというふうにしておりますけれども、加えて、長期的な視点から、市場経営のあり方について抜本的な検討が必要であると認識しているところでございます。
○清水(や)委員 せんだっての代表質問でも申し上げましたが、このことは都庁だけではなく、当然、都議会でも重く受けとめるべき話でございます。そして、こうした事実を受けとめた上で、肝心なのは将来です。この先の市場運営、市場経営の将来をどう描いていくかということにほかなりません。このことについて、知事は、我が会派の代表質問において、市場経営の抜本的な改善を図っていくことを表明されました。そのためには、市場当局の取り組みも重要ですが、我々は、都庁全体の予算をつかさどる財務局におかれましても、ぜひ関与をしていただきたいと考えております。
そこで、財務局は、市場会計に、これまでどのように関与を行ってきて、知事が外部有識者による検証を行うとされた今後の市場経営のあり方に、どのような課題意識を持って、どのように関与していくのか、財務局長に見解を伺います。
○武市財務局長 財務局におきましては、毎年度の予算編成過程の中で、一般会計から市場会計への繰入金を初めまして、市場会計の予算に係る調製を行っております。
市場会計につきましては、豊洲市場の減価償却などの影響によりまして、経常収支が大幅な赤字で推移する見通しであり、長期的な視点から、市場経営のあり方について抜本的な検討が必要であるというふうに認識をしております。
このため、本定例会において知事より、外部有識者による市場運営の検証など、民間企業経営の目線からのチェック機能を働かせながら、企業経営や財務会計の専門家などの知見を最大限に活用し、実効性ある経営計画を策定するとともに、経営の合理化、民間経営手法の導入など、先ほどご指摘いただきました市場経営の抜本的な改善を図っていくという旨、表明したところでございます。
財務局といたしましても、市場当局と連携しながら、また、本質疑でのご指摘の点も踏まえながら力を尽くしてまいりたいと考えております。
○清水(や)委員 私が議員になりまして、市場の報告書や決算書を見させていただいただけでも、かなりさまざまな疑問点を感じました。とはいえ、職員の皆様が現場でどれほど頑張っているかということも私たちは理解しながら話を進めていかなければならない、そういう気持ちも持っております。
物流環境の変化や少子高齢社会など、市場を取り巻く環境変化を踏まえて、今後の市場経営をさまざまな面から検討、検証を重ねていくことは重要です。独立採算といっても、財務局からの指摘や指示は可能だと私は思っております。
今回の有償所管がえにより、市場経営に注目が集まっている今だからこそ、抜本的な経営改革について、具体的にかつスピード感を持って取り組むべきと思います。その際には、我々は民営化をも視野に入れ、また、定期的な外部監査等を実施するなどの手法もあわせるべきだと考えています。ぜひ、こうした経営のあり方について、市場当局でなく財務局も我がこととして捉え、市場当局と連携し、一体となって取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○早坂委員 平成三十年度最終補正予算案に、築地市場跡地を現在の市場会計から一般会計に所管がえする案が計上されています。その額五千四百二十三億円、年間の都税収入の一割に当たる大きな額です。
これまで、都議会自民党は一貫して、築地市場跡地は東京都の一般会計に有償所管がえすることを求めてまいりました。豊洲新市場建設に伴う巨額な費用を賄うため、築地市場跡地を民間に売却する、そのために一旦東京都が買い取るべきであるとの主張であります。
ところが、小池知事は、我が党の意見に耳をかすことなく、二年前の平成二十九年六月に発表した基本方針の中で、築地は守る、築地は食のテーマパークとすると発言し、築地市場跡地を市場会計で保有し続ける方針を示しました。それが驚くことに、今第一定例会の補正予算案に、これまでの知事ご自身の発言をみずから否定し、一般会計への有償所管がえ、つまり市場としては利用しないことを明確にする予算を計上しました。
加えて、一般会計への所管がえに関して、知事は、こう発言しました。いち早く着手する必要がある、なぜなら民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができるからだ、ゆえに、三十一年度本予算ではなく三十年度補正予算案にした。この発言を聞いて、当然ながら、大きな疑念を禁じ得ませんでした。
なぜ、これまでの方針を大転換したのか、この二年間のおくれをどう考えておいでか、今年度補正予算の決定と来年度本予算の決定には二十二日間の開きがありますが、二年間もおくらせておいて、その二十二日間を待てないほどの重大な切迫性があるのか。今後、築地市場跡地を民間に売却するのか、それとも東京都が保有したまま民間に貸し付けるのか、小池知事ご自身から、東京都財政を所管する当財政委員会で、これらのことを初めお聞きしたいことが山ほどありましたが、残念ながら知事の出席はかないませんでした。
そこで、こうした知事の急激な変節の理由、そして先行き不透明な今後の方向性の議論とは別に、この案件に関しての財務局の対応、すなわち東京都の健全な財政運営、手順を踏んだ上での予算編成、予算編成方針の庁内関係会議体への情報提供などに関して、どのようにお考えになり、また、具体的にどのように対応なさってきたのか、順次、伺ってまいります。
まず、一般会計と特別会計に関する基本的な事項から伺ってまいります。特別会計を設ける意味、特別会計の果たす役割について伺います。
○山田主計部長 特別会計でございますけれども、特別会計につきましては、特定の事業、そして資金などにつきまして、特別の必要がある場合に、一般会計から区分をして、その収支を別個にして経理をするという会計でございます。
都におきましては、現在、特別区財政調整会計、また地方消費税清算会計など十六の特別会計を所有しているところでございます。
○早坂委員 では、中央卸売市場会計の目的について伺います。
○山田主計部長 中央卸売市場会計でございますけれども、現在十一あります中央卸売市場全体の経営状況をまとめた会計となっております。市場事業の収支を経理することを目的としているところでございます。
○早坂委員 築地市場再開発に当たり、市場会計が所管したままで再開発する場合と、一般会計の所管に移して再開発する場合の相違点はどういったものか伺います。
○山田主計部長 市場会計が築地跡地を所管したままで再開発をする場合、市場会計は基本的に独立採算の公営企業会計であるということから、短期的な利益や採算性がより重視されるという側面があろうかと考えております。
そのため、将来の資金繰りの状況等によりましては、当初の方針から変えて、民間への土地の売却等を選択せざるを得ないような場面もあろうかということを想定しているところでございます。
一方、一般会計の所管で再開発をする場合には、公益性、公共性に留意するとともに、東京全体の価値の最大化ということを目指し、中長期的な視点を持ってまちづくりを進めていくことができるのではないかと考えているところでございます。
○早坂委員 それでは、各局が一般会計で用地を取得する場合の一般的な検討要件について伺います。
何をお聞きしたいかというと、その用地を取得するのに、例えば何の目的で使用するかとか、局事業を進める上でどうしても必要かとか、どのタイミングで取得すべきかとか、取得金額は適正かとか、こうした内容を査定した上で土地購入を決定していると思いますが、その具体的な検討要件がどういったものがあるかについてお伺いしたいと思います。
○山田主計部長 各局が土地を所有する場合の扱いというところでございますけれども、事業に必要な用地を取得をするということになりますと、その用地を使う目的、また必ずその土地が必要なのかというところ、そしてその土地の価格の妥当性、経費等などを明らかにした上で所管局から予算要求が来て、予算査定を経て、最終的には知事が予算案を議会に提出をして、予算案につきまして議会の審議を経た上で決定をするという、予算措置が成立するというような状況でございます。
○早坂委員 私の質問をそのままお答えいただいたようで、もう一回、局として、具体的な検討要件のようなものが定まっていて、次々チェックをしていくという仕組みではないということですか。
○山田主計部長 何かそういう具体的な基準、明確な基準があってということではなくて、総合的な判断をしているところでございます。それは、要求する各局においても、また、それを査定する財務局の方においても同じでございます。総合的に判断をするというところでございます。
○早坂委員 また一般論でお伺いしますが、今回のような数千億円を超える土地を購入する場合の決定権は、知事にあるのか、それとも各局長にあるのか、その基準がどこにあるかということについてお話しいただければと思います。
○山根財産運用部長 決定区分についてでございますが、六千万円以上の土地購入に際しましては局長決裁となっております。ただし、土地の購入が議会の議決に付すべき案件の場合につきましては、その議案付議について知事決裁となっております。
議会の議決に付すべき財産の取得及び処分についてでございますが、土地の場合、予定価格二億円以上かつ二万平米以上のものとなっておりまして、こうした案件については議会に説明をしております。
また、取得の手続については、予算措置された後に、依頼局と財産運用部が調整を行い、測量事務、土地評価事務等を経て契約を締結し、その上で、所有権移転の登記や土地代金等の支払いを経まして依頼局に取得用地の引き継ぎを行うということになります。
○早坂委員 もう一回お伺いします。六千万円を超えた場合には、各局長の判断ではなくて議会に諮るということだということで、その理解でよろしいでしょうか。
○山根財産運用部長 六千万円以上の土地購入の場合には局長決裁でございます。ただいまの議決になるといいますのは、二億円以上かつ二万平米になっております。
○早坂委員 わかりました。ありがとうございました。
では、仮にその当該用地を民間に売却する場合に、市場会計から直接民間に売却することと、一旦一般会計に所管がえしてから民間に売却することに、どういった違いがあるか伺います。
○山田主計部長 市場当局の方から直接民間に売却をする場合には、やはり独立採算の公営企業会計であるということから、売却価格自体がより重視されるという側面があると考えております。
一方で、一般会計に所管がえしてから民間に売却する場合には、再開発の将来像を踏まえて、その目的や機能に応じた事業者募集など、目指すべきまちづくりに向けて、より望ましい形での売却先を選定する、誘導していくことが可能であるというふうに考えております。
○早坂委員 さて、神田市場が廃止されたときのことが今回の築地市場の廃止と比較されています。神田市場の廃止を決定し、所管がえを実施したときまでの流れを改めてお伺いをいたします。
○山田主計部長 神田市場跡地につきましては、昭和六十三年度の最終補正予算に、約二万七千平米の土地を中央卸売市場会計から一般会計へ所管がえをする経費を計上しております。その際の価格は約三千七百億円でございまして、昭和六十三年度からの五カ年で支払いを行っているところでございます。
○早坂委員 もしおわかりになれば、その間の都議会での審議内容がどのようなものであったか、わかれば教えてください。
○山田主計部長 昭和六十三年度の最終補正予算に計上されました有償所管がえに係る経費につきましては、本会議及び常任委員会において審議が行われております。また、平成元年の三月九日の本会議におきまして、鈴木元都知事が、市場移転跡地に関しまして、当該土地に関する諸条件や長期計画等に照らして利活用を検討していく旨の発言をしたこと、その後の財務主税委員会及び衛生労働経済委員会での質疑があったという記録を確認しております。
○早坂委員 当時、この額三千七百億円ということでありましたが、これを五年間分割で所管がえをしたということが気になりますが、なぜ五年間で所管がえをしたと思われますでしょうか。
○山田主計部長 神田跡地につきましては、五年間で分割をしているところでございますけれども、当時の税収の状況、見通し、また一般会計及び中央卸売市場会計の財政状況などを踏まえて分割をしたものと考えております。
○早坂委員 では、築地市場跡地を一般会計に所管がえすることについて伺います。
現在、築地市場跡地の再開発は検討段階であり、具体的な計画は決まっていません。この時点で一般会計に所管がえする場合に、この土地の所管はどの局になりますでしょうか。
○山根財産運用部長 築地市場跡地につきましては、築地まちづくり方針に基づいてまちづくりを進めていくことになりますが、民間事業者へ定期借地で貸し付ける範囲を初め、防災船着き場の整備など、複数局にまたがって活用となりますことから、一旦財務局で土地を引き受ける方向で調整をしております。
○早坂委員 財務局の所管でということでありました。五千億円を超える税金の投入を決定するまでの財務局内での検討の内容について、いつから検討が始まった、何が問題であったか、またどのような意思決定プロセスがあったかということについてお話しいただければと思います。
○山田主計部長 財務局内でどのような検討が行われたというところでございますけれども、築地市場跡地の取り扱いにつきましては、一昨年六月の市場のあり方戦略本部の中で、一般会計に有償所管がえした場合と長期貸付を行った場合の収支試算を一旦行っております。
その後、これまでに多角的に検証を重ねてきたわけでございますけれども、昨年十一月の市場移転に関する関係局長会議におきまして、一般会計への所管がえも視野に入れて検討を進めるということとなりまして、また、第四回定例会においても、一般会計への有償所管がえを軸に検討する方針を明らかにしているところでございます。
その後、予算計上の時期につきましても、歳入、歳出を初めとする財政状況、また東京都をめぐる財政環境を踏まえながら検討を重ねてきたところでございます。
本年一月、知事査定がございました。この知事査定の場におきましては、当時まだ検討段階でありました築地まちづくり方針の素案の方向性や考え方に今後変更がない場合には、有償所管がえに係る経費について最終補正予算に計上するということを知事査定の場で確認をしております。
まちづくり方針の素案が確定した段階で最終補正予算に計上するということ、そこで最終決定をするということを確認しております。
その後、最終的に、一月二十三日に関係局長会議におきまして、築地まちづくり方針の素案が取りまとめられたということにおきまして、一般会計への有償所管がえ及び最終補正予算への計上ということが確定したということでございます。
○早坂委員 今お話しの中で、築地のまちづくり方針素案をおつくりになったのは築地まちづくり検討委員会、いうなれば都庁本体ではなくて審議会のようなものといっていいのかなと思いますが、そこの決定をまたないと、東京都七兆円、一般会計七兆円ですが、その予算を決められなかったということでありますでしょうか。
○山田主計部長 築地のまちづくりに関しましては、そのまちづくりの方針と、またこの土地の扱いにつきましては表裏一体のものであると考えておりました。ですので、築地のまちづくりの方針が固まった段階で土地の扱いについても最終決定をするということとしていたというところでございます。
○早坂委員 今お話もありましたが、平成三十一年一月二十三日の関係局長会議で、この有償所管がえが議論されています。有償所管がえを行うという最終的な決定はどなたがなさったのか、関係局長会議なのか財務局なのか、知事が行ったのか、そこの部分についてお話しください。
○山田主計部長 平成三十一年一月二十三日の関係局長会議におきまして、有償所管がえにつきましても議論をされておりますけれども、今回の決定につきましては、この関係局長会議の場におきまして財務局が報告をし、了承されたものと考えております。
○早坂委員 今の部分をもう一度フォローしたいんですが、関係局長会議の場で、その場で財務局が決定したと、こういうことでしょうか。
○山田主計部長 その関係局長会議の場におきまして、財務局として提案をさせていただきまして、最終的には、これは全て、まあ予算にも係ることでございますけれども、知事が最終的な決定を行ったということとなります。
○早坂委員 ちょっと繰り返しになります。お許しいただければと思います。
今お話のあった一月二十三日の市場移転に関する関係局長会議の議事録を見ますと、武市財務局長が、市場会計の持続可能性の検証についての説明の中で、有償所管がえが適当であり、補正予算に計上していきたいとご発言をなさっています。
この時点では、財務局は、組織として、一般会計に所管がえをすることと補正予算に計上することのこの二点を、この場で決定したという理解でよろしいですね。
○山田主計部長 この関係局長会議の場で、まちづくりの素案につきましても了承されたということでございますので、同時に、この場におきまして、有償所管がえ、また補正予算への計上も決定したと、確定したということでございます。
○早坂委員 この一月二十三日以降、関係局長会議は開催をされていますか。
○山田主計部長 この日以降はされておりません。
○早坂委員 では、ここに出席をした関係局長は、この場で決まったという理解を全員が持っているということでよろしいですね。
○山田主計部長 この関係局長会議の場での議論の一つでもございました。その中で、そのメンバーの中で異論がなかったということで、この旨が決定しているということは、メンバーも知っているかと思っています。
○早坂委員 では、その決定した時点で、先ほどから話題になっております築地まちづくり検討委員会に、有償所管がえをするということをお伝えされていますでしょうか。
○山田主計部長 築地市場の検討会のメンバーにつきましては、関係局長会議のメンバーと同じでございますので、当然把握をしていると思っております。
○早坂委員 築地まちづくり検討委員会は、座長は日大の岸井教授、副座長はビジネス・ブレークスルー大学の宇田副学長、そして東工大の中井教授でありまして、また、委員は、政策企画局、財務局、都市整備局、建設局、港湾局に加えて、中央区と港区にも入っています。
ということで、関係局長会議は、今申し上げた五つの局、政策企画局、財務局、都市整備局、建設局、港湾局はその場にいて理解したということは想像されますが、今申し上げた座長、副座長並びに中央区、港区にはお伝えされていますか。
○山田主計部長 中央区、港区などのオブザーバーに対しましても、関係部署から伝えられているものと認識をしているところでございます。
○早坂委員 伝えられているものではなくて、いつ伝えたかについて教えていただければと思います。
○山田主計部長 この項目につきましては、最終補正予算案に計上しているところでございますので、最終補正予算案が決定した時点で伝えられているというところでございます。
○早坂委員 今の部分ですが、最終補正予算案を見れば市場会計から一般会計に移っているから、それを見れば明らかだからわかっているだろうと、こういうことですか。特別にこのことで、いうなれば使者、メッセンジャーを出して説明に行ったという事実はないということでしょうか。すぐわからなければ時間をとってもいいですから、教えてください。
○山田主計部長 この最終補正予算に計上したということでもって、それで、その予算案をお伝えしているというところで説明をしているというところでございます。
○早坂委員 今のお話は、私が危惧したとおりだと思うんですが、何かというと、直接はメッセンジャーを立ててこのことの説明には行っていないということだと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○山田主計部長 そのとおりでございます。
○早坂委員 用地の所管が特別会計か一般会計かは、当然ながらとても重要なことであります。用地の所管、つまり所有関係が変わってしまうということは、まちづくりの議論の土台そのものがひっくり返ることであり、その後の議論の進め方が全く異なってくると思います。
まちづくりを所管する都市整備局はもちろん、政策企画局、建設局、港湾局の各局、そして、オブザーバーとして参加している--局はごめんなさい、今の方たちはわかっていたので今の話はなしにしますが、まちづくりを所管する地元の中央区、港区にとっても、とても重要な情報であります。財務局はその意味を大変よく理解されているんだろうというふうに思います。
冒頭に伺った市場会計から一般会計に移したことの重要性、中長期展望を考えるならば一般会計に入れるべきだという答弁のことであります。財務局としては、このことについて無責任だなという感じを思います。
中央区、港区にお伝えすることを忘れたのか、それとも意図的に伝えなかったのか、どちらかお聞かせください。
○山田主計部長 繰り返しになりますけれども、最終補正予算に計上しているということをもって伝えているというところでございます。
○早坂委員 今、主計部長も繰り返しお話しになりましたが、私も繰り返しになりますけれども、このことを特出しして、こういうことになりましたということをやらなかったことは不誠実ではないですかと、ちゃんとやるべきだったんじゃないですかというふうに申し上げているんですが、今までやってこなかったという話は理解しました。それがいい悪いじゃなくて、それは理解しました。
ただ、これからは、今の段階でやっていなければ、今からでも、こうでしたというべきではないかと思うんですが、そのことに関してはいかがでしょうか。
○山田主計部長 築地まちづくりを所管しております都市整備局におきまして説明をしていきたいと思っております。
○早坂委員 直ちに、お願いしたいと思います。
議論を進めてまいります。
東京都の予算大綱と補正予算との関係について伺います。時間の流れで話していきますので、これまでの議論と少し重なる部分があるところをお許しください。
まず、市場会計の来年度予算は、築地の用地を五千四百二十三億円で一般会計に所管がえされた、つまり今年度にそれだけの収益があるという前提で編成されているという理解でよろしいでしょうか。
○山田主計部長 平成三十年度最終補正予算案に計上しておりますので、お見込みのとおりでございます。
○早坂委員 議会に提案する来年度予算案が東京都の内部で確定したのは、いつでしょうか。
○山田主計部長 予算でございますけれども、平成三十一年の一月の四日から十一日にかけまして実施しました知事査定を経まして、平成三十一年の一月の十一日にその内容が固まっております。その後一月二十日ごろまで事務的な整理を行っていたところでございます。
○早坂委員 一月の十一日に決まって、事務整理を二十日にしたということでありますが、知事が所管がえを決定した、あるいは財務局がこの有償所管がえを決定したのは、先ほどの話でありますれば一月の二十三日であります。そごがあると思うんですが。
○山田主計部長 この有償所管がえに関しましては、先ほど申しました知事査定の期間の最終日、一月の十一日に知事に諮っております。この十一日の場では、先ほども申しましたように条件つき、つまり築地のまちづくり方針が固まった段階で確定するという条件つきで決定をしたところでございます。
ですので、最終的に、所管がえの方針につきまして、所管がえについて最終決定をしたのは、一月の二十三日の場ということとなります。
○早坂委員 中央卸売市場が来年度予算を組む上で、今年度の最後に補正予算によって五千億円を超える収益が見込まれるということは、予算の編成内容が恐らく全く異なるものになるんだろうと思います。その先の市場会計の運営自体も大きく左右する大きなトピックスだと思います。
申し上げるまでもなく、中央卸売市場は、有償所管がえに関して重要な役割にありますが、この決定、今回の有償所管がえにすることに当たって、中央卸売市場はどのようにかかわってきたのか、財務局の意思決定にどのようにかかわってきたのか伺います。
○山田主計部長 中央卸売市場との、この予算とのかかわりということでございますけれども、先ほど申しました一月の十一日の知事査定の場で、条件つきで有償所管がえをする、この金額が入ってくるということが決定されましたので、その点につきまして知事査定の結果といたしまして、市場会計に伝えたというところでございます。
○早坂委員 もう一度、今の議論の振り返りになりますが、結果としてその状況を知ったということで、積極的に中央卸売市場の意見を聞くとか発言を求めたということはないということですか。
○山田主計部長 この築地市場跡地の取り扱いについては、当然これまでも議論になっておりました。関係局長会議の場でも議論になっておりましたので、その内容については中央卸売市場会計もよく知っているというところでございます。
○早坂委員 その跡地をどうするかという議論ではなくて、有償所管がえをすることに関して、要するに自分の会計から一般会計に移ることに関して、中央卸売市場は何らかの意見をこれまで述べてきたのか、財務局はその意見を述べることを求めてきたのか、そのことについてお話しください。
○山田主計部長 関係局長会議では、当然、中央卸売市場もメンバーでございます。そこで議論を経て今回の最終決定にも至っているわけでございますので、その会議の場の議論というのはあったと思います。ありました。
○早坂委員 じゃ、ちょっと視点を変えて議論を進めてまいります。
東京都の財政運営全体をつかさどる財務局としての見解を伺います。
まず、今回の有償所管がえは、市場会計にとってはお金が入ってくることですからプラスでありますが、では、一般会計にとって、東京都の予算にとって、どうしても必要なものだったのでしょうか。
○山田主計部長 この築地の土地をどうするのか、どういうふうに活用していくのかということにつきまして、一月二十三日の関係局長会議におきまして決定したわけでございますけれども、この土地をまちづくりのために、一般会計として、東京都として、将来の東京都民のために有効に活用していく、開発をしていくということを決定したことから、まちづくりに不可欠なものとして一般会計としても必要なものということで、有償所管がえを行ったものでございます。
○早坂委員 まちづくりに不可欠だと判断をしたということでありました。ただ、とはいいながら、五千億円を超えるという極めて大きな財政負担を東京都は負うわけですが、そのリスクを負ってまで--しかし、そしてまちづくりに不可欠とはいいながら、まちづくりをどうしていくかというのはまだ決まっていないと。そこにまた論理矛盾があるように、そごがあるように思うんですが、このことについてお話しください。
○山田主計部長 リスクを負うというようなお話をいただいたところでございますけれども、この築地のまちづくり方針におきまして、この市場跡地につきましては新たな東京のブランドを創造する、発信する国際的な拠点を形成するまちづくりにするという方向性は決まったわけでございます。
今回の有償所管がえは、東京全体の価値の最大化を目指すまちづくりのために行うものでございまして、いわば将来の東京のために必要な投資のようなものであろうかと考えております。
○早坂委員 今の部分は、局のお考えはわかりました。私は首肯、首を縦には傾けませんが、そういうふうにお考えになっているんだということは理解しましたので、次に進めます。
今回、補正予算でやっているわけですが、冒頭申し上げましたけれども、これを来年度予算にすると、二十二日後に決まるわけです。どうしてここで三十年度中、繰り返しになりますが、二年間もとめておいて、何でこの二十二日間を急ぐ必要があったのでしょうか。
○山田主計部長 今般、築地市場跡地につきまして、まちづくりの素案を取りまとめ、都といたしまして再開発を進める方針を固め、いち早く一般会計への移しかえに着手をするということでございますけれども、このことによりまして、まちづくりに対します都の意思を明らかにし、そのことによりまして民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができ、都といたしましても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能であると考えております。
また、決算剰余金、また予算執行状況の精査によりまして、財源のめどが立てられたということもございまして、平成三十年度最終補正予算に計上したということでございます。
○早坂委員 今の部分はよくわからないですね。先ほど、特別会計だったら短期的だよと、短期的な視野でいろいろと考えなきゃいかぬということなので、二十二日間を急ぐならば、むしろ中央卸売市場会計が持っているならば、急いでいるんだということは、それはそれで理屈としてはわかると思うんですね。私はそれにもまた首肯していないけれども、それはそれで理屈としてわかる。一般会計は長期的ですよというふうにおっしゃっておいて、山田主計部長がおっしゃっておいて、にもかかわらずこの二十二日間を急いだというのがわからない。もう一度お話しください。
○山田主計部長 では、仮に三十年度の最終補正予算ではなくて、三十一年度予算で予算措置を行うとした場合にどういうことになりますかといいますと、有償所管がえで充てるべき財源につきましては最終補正で一旦基金に積み立てて、その上で三十一年度で取り崩しをして支出をするということになります。この場合、三十一年度の当初予算の一般会計の総額につきましては、八兆円台の大台を超え、一般歳出も前年度比で大幅な増加となるということとなります。実態とかけ離れた姿になると。また、三十年度末の基金の残高につきましても一時的に大きくなってしまうという懸念がございます。財政をつかさどる財務局といたしましては、このような観点も勘案しまして、有償所管がえの経費を三十年度最終補正予算に計上したというところでございます。
○早坂委員 財政ご当局としては、東京都の財政を必要以上に膨らませたように見えるということはマイナスだと思って、急いでやったというふうに私は理解しました。
しかしながら、このことによって、私たちが議論しておりますけれども、肝心な、その五千四百二十三億円の予算をどう使うかとか、どういった根拠があるのかとか、大事な議論が残念ながら予算特別委員会の場では開かれずに、知事の招致も私たちはできなかったわけですけれども、この議論が深まらないということと比べると、これははるかに取るに足らない話だと思います。その話はその話で局がおっしゃるのはわかりますが、事の軽重を考えるならば、そうすべきでなかったと私は考えます。
議論を進めてまいります。
このことの、このことというのは有償所管がえをしたと、する方針だということを、先ほど、築地まちづくり検討委員会の、例えば座長さん、大学の先生とか、中央区とか港区には伝えていないということでありましたが、一方で、市場関係者には既にお伝えされてはあるんでしょうか。
○山田主計部長 市場関係者への情報提供につきましては、市場当局におきまして適宜適切に対応をしているというふうに考えております。
○早坂委員 直接財務局が出ていくという話ではないので、その状況をまたフォローしていただければと思います。万が一、まだやっていないということであれば、直ちにやっていただければということで申し添えていただければと思います。
今回の有償所管がえを、本予算ではなく最終補正予算として計上した一連の流れは、先ほども申し上げましたけれども、私は予算を審議する上で丁寧さを著しく欠いたものだと、こう考えます。率直にいって、私たち都議会の議論の俎上に上らないように、補正予算に紛れ込ませたんだという思いを、先ほどの主計部長の話を聞いた上でも、まだ禁じ得ません。
都議会は都民の代表であります。すなわち都民の目から見えないところで、極めて大きな方針転換をしようとしたのだと私は思います。
小池知事ご自身がこうした手法、すなわち本予算ではなく補正予算でやるということを財務局に指示なさったのでしょうか。あるいは財務局のどなたかが知事に提案したのでしょうか。お伺いします。
○山田主計部長 最終補正予算に計上するということでございますけれども、これにつきましては、歳入、歳出を初めといたします財政状況、また東京都をめぐる財政環境を考慮した上で、財務局といたしまして、有償所管がえの経費を最終補正予算に計上することを提案し、また都全体として決定をしたということでございます。
○早坂委員 私のいい方からすれば、都民の目から見えないところに五千四百二十三億円を置いたのは、都の財務局であるということでよろしいですね。
○山田主計部長 提案をさせていただいたのは財務局でございます。
○早坂委員 五千四百二十三億円もの巨額な予算を、そして目下、都政の最重要課題の一つである市場関係予算を、ブラックボックスに閉じ込めようとしたのが財務局であるということがわかりました。私は、そこに法的な問題があるといっているわけではありません。しかし、その手法がこそくであって、フェアじゃないということを申し上げているわけです。
ちょっと話が脱線しますけれども、昭和五十三年に、プロ野球のドラフト会議がありました。高校野球、大学野球で大活躍をした江川卓投手をどこの球団が獲得するかがこの年の最大の焦点でありました。
何としても江川投手を獲得したかった読売ジャイアンツは、弁護士に相談し、ドラフト規約の中にドラフト前日に規制がかからない空白の一日があることを発見しました。そこで、ドラフト会議直前に、読売ジャイアンツは江川投手と契約を結んだことを発表し、大問題となりました。そうした抜け駆けは許されないと、阪神タイガースは江川投手をドラフト一位指名、一方の読売ジャイアンツはドラフトを欠席し、江川投手との契約の有効性をアピールしました。
その後の詳細は省きますけれども、規制がかからない空白の一日があったとしても、そこでだまし討ち、抜け駆けは決して許されないと、世間の怒りは、読売ジャイアンツ、そして江川投手に集中したのであります。
今回の補正予算の計上は、このときの空白の一日ととてもよく似ています。誰がどう見てもフェアではありません。折しも東京がオリンピック・パラリンピックを翌年に控えています。オリンピック精神にもとるような卑怯な手法を誇り高き都庁幹部職員が断じてとるべきでなかった、私はそう断言します。
都民に説明責任を果たす、そのことは、知事、私たち都議会のみならず、理事者においても同じはずであります。武市局長のお考えをお伺いします。
○武市財務局長 財務局としましては、先ほど主計部長の方からご説明したような観点で、最終補正予算に計上したものでございます。私ども、予算案含めまして、議案につきましては議会の方に上程し、ご審議をして決めていただくということで、上程したものにつきましては、その説明等につきまして誠心誠意対応させていただく所存でございます。
○早坂委員 私たち今期の都議会議員は、武市局長の名前を永遠に忘れないだろうと思います。続きの議論は秋田一郎議員に譲ります。
以上です。
○伊藤委員 それでは、私からも、築地市場跡地の有償所管がえについて質問をしてまいりたいと思います。
本定例会の前半の中で、本日もそうでありますけれども、この議案について、さまざまな論点で議論をされているところでございます。その中で、私は、最も重要な論点は、有償所管がえを行うことの是非、そしてまた今年度の最終補正予算の是非、これではないかというふうに思います。つまり、有償所管がえという選択が真に都民のためになるのか否かという議論が大事であって、方針決定のプロセスを明らかにすることも重要な論点であると思います。
そこで、都民にとってよりよい選択となっているのかという視点も含めて、経緯をしっかりと確認をしてまいりたいと思います。
最初に、昨年の第四回定例会におきまして、都議会公明党の代表質問での知事の答弁も踏まえて、改めて有償所管がえの方針を決定するに至った経緯について、より丁寧に説明をいただきたいと思います。
○山田主計部長 築地市場跡地の取り扱いにつきまして、一昨年六月の市場のあり方戦略本部の中で、一般会計に有償所管がえをした場合と長期貸付を行った場合の収支の試算を行っております。
その後、昨年十一月の市場移転に関する関係局長会議におきまして、中長期的な時間軸に立ってまちづくりを行う場合には、一般会計への所管がえも視野に入れて検討を進めることが必要とされ、このような視点も踏まえつつ、改めて収支の試算を行い、市場会計の持続可能性に関する検証を加速させていくこととされたところでございます。
その後、昨年十二月の第四回定例会におきましては、都議会公明党の代表質問に対しまして、知事から、一般会計への有償所管がえを軸に検討を加速する旨を明らかにしているところでございます。
本年一月の知事査定の場におきましては、当時、検討段階でありました築地まちづくり方針の素案の方向性や考え方に今後変更がない場合には、有償所管がえに係る経費について、最終補正予算案に計上することといたしまして、まちづくり方針の素案が確定した段階で、最終補正予算案への計上を最終的に決定したということでございます。
その後、本年一月二十三日の関係局長会議におきまして、築地まちづくり方針の素案が取りまとめられたことから、収支試算の結果も踏まえて、一般会計への有償所管がえ及び最終補正予算案への経費の計上を決定したというところでございます。
○伊藤委員 一昨年の六月、そしてまた昨年の十一月、そして昨年の十二月、また本年の一月という段階を踏んで、プロセスを踏んで決定してきたということでありました。
ここで注目すべきは、昨年十一月の関係局長会議における議論でありまして、有償所管がえの方針決定に向けた流れは、この関係局長会議での議論から加速していったということであります。それは、市場会計の収支試算としては、一昨年六月の市場のあり方戦略本部で一度示されましたけれども、昨年十一月の関係局長会議の場では、その後の市場全体を取り巻く環境変化を踏まえて改めて試算に着手したとしております。
そこで、改めて収支試算に着手する原因となった、この市場全体を取り巻く環境の変化とはどういうことだったのか、具体的に伺いたいと思います。
○山田主計部長 市場会計の持続可能性につきまして、改めて収支の試算に着手することになりました背景、その環境変化でございますけれども、まずは東京全体の価値の最大化の追求や周辺との連携による相乗効果、中長期的な時間軸での段階的な開発といった方針をまとめた、築地のまちづくりの大きな視点が昨年五月に示されたことでございます。また、昨年十月には豊洲市場が開場し、実際の市場での運営費等につきまして、試算のもととなる新たなデータが明らかになってきたということもございます。
築地まちづくりの大きな視点の中で示されました中長期的な時間軸上に立ったまちづくりを行う際には、一般会計への土地の所管がえも視野に入れた検討が必要となることから、昨年十一月の関係局長会議において、そのような視点も踏まえつつ、改めて収支試算を行い、市場会計の持続可能性に関する検証を加速するとしたものでございます。
○伊藤委員 市場全体を取り巻く環境の変化をしっかりと捉えながら、そしてまた、有識者による提言も踏まえて、都として必要な検証を進めてきたということでありました。私は、妥当な検討のプロセスであったというふうに考えております。
一方で、我が党は、一昨年八月の臨時都議会本会議の代表質問におきましても、築地の土地を一般会計に有償所管がえすれば、財政安定化に寄与するだけでなく、民間主導の開発もしやすくなることから選択肢の一つに残しておくべきと指摘しております。
また、都による検討の加速化も踏まえ、昨年十二月の第四回定例会における代表質問でも、先ほど申し上げたとおり、築地市場の跡地を一般会計で保有することによって、民間開発による短期的利益の追求ではなくて、公共、公益的な観点も踏まえたまちづくりが可能になることを指摘しております。
こうした我が党の指摘に対し、知事は、昨年十二月の段階で、今後の市場会計の持続可能性の検証に当たっては、民間への売却や長期貸付ではなくて、一般会計への有償所管がえを軸として検討を加速していくと、はっきりと答弁をされました。検討を加速させ、まさに一月末の関係局長会議の場において最終的な結論を出したものと理解をしております。
さて、有償所管がえの意思決定プロセスについて確認ができたわけでありますけれども、あわせて、なぜ平成三十年度最終補正予算案に経費を計上することとしたのか、その理由についてもより丁寧に確認をしていきたいと思います。
さきの本会議での答弁では、その理由として、一般会計への移しかえにいち早く着手することで、民間事業者の参画意欲を引き出すとともに、都としても円滑にまちづくりの具体案を検討することが可能となるというふうにいわれております。しかし私は、これらの理由に加えて、財政運営上の戦略もあったのではないかというふうに思っています。
つまり、先ほどもありましたけれども、平成三十一年度当初予算に経費を計上するということとなれば、財政規模が大きく膨らむことになるわけであります。昨年十二月の平成三十一年度税制改正において、地方法人課税、いわゆる偏在是正について新たな措置が講じられ、都は大きな減収の影響を受ける見込みであります。こうした不合理な措置が繰り返される背景には、いわゆる東京富裕論も根深いわけでありまして、そのような中、都の財政規模が実態以上に大きく膨らんで見えてしまうということは、どう考えても得策ではないのではないかというふうに思います。
そこで、こうした視点も含めて、改めて、なぜ有償所管がえに係る経費を平成三十一年度当初予算ではなくて平成三十年度最終補正予算案に計上することとしたのか、理由について、丁寧に説明を求めたいと思います。
○山田主計部長 平成三十年度最終補正予算案に計上することとした理由は、大きく三点でございます。
一点目といたしましては、今般、築地市場跡地の再開発の将来像を示す築地まちづくり方針の素案を取りまとめ、都として再開発を進める方針が固まったこと、二点目といたしまして、いち早く一般会計への移しかえに着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにし、そのことにより民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出し、都としても、まちづくりの具体案の円滑な検討が可能となること、三点目といたしまして、決算剰余金や予算執行状況の精査によりまして、財源のめどが立てられたということでございます。
仮に、三十年度最終補正予算ではなく、三十一年度当初予算で予算措置を行うこととした場合に、有償所管がえに充てるべき財源を最終補正で一旦基金に積み立て、その上で三十一年度に基金を取り崩して支出することとなります。この場合、委員ご懸念のように、当初予算の一般会計総額は八兆円の大台を超え、一般歳出も前年度比で約二〇%の増加となり、実態とはかけ離れた姿となります。また、三十年度末の基金残高が一時的に大きく積み上がることとなります。
財政当局といたしましては、このような観点も含めまして、総合的に勘案し、有償所管がえに係る経費を三十年度最終補正予算案に計上するとしたことでございます。
○伊藤委員 今年度の最終補正予算で計上したということの意義については、私はよく理解をいたしました。
年度末時点での基金残高は、自治体間の財政力を比較する際には注目される指標の一つでありまして、今般の税制度の見直しにおいても、都の基金残高に注目して税源の偏在を是正すべきとする議論がなされてきたということが実情であります。私は本当に、今、都が置かれている状況、これを総合的に判断して、この補正予算の中に計上したということは評価をしていきたいというふうに思っております。
私は、円滑なまちづくりの検討のため、また、財政運営上の戦略も踏まえたタイミングでの決断が必要というふうに考えます。加えて、当該跡地周辺の地価が今後、上がるのか下がるのか、正確な予測は難しいわけでありますけれども、今回の鑑定評価において、専門家の見解として、不動産鑑定評価基準に基づく手法や手順により適正に評価を行っているとされているわけでありますから、現時点で有償所管がえに踏み切り、まちづくりの検討を早期に進めていくという判断は、その意味でも理にかなっているといえるのではないかと思います。
しかしながら、私がもう一点気になっているのは、今回の有償所管がえに係る財源をどのように捻出したのかという点でありまして、そこには、都民生活に影響を及ぼさないような工夫が必要であると思います。
そこで、最終補正予算案に計上された有償所管がえに係る経費五千四百二十三億円の財源について伺いたいと思います。
○山田主計部長 今回の有償所管がえに際しまして、二十九年度の決算剰余金や予算の執行段階における経費の精査の徹底、二十九年度の社会資本等整備基金の取り崩し抑制額の活用によりまして財源の確保を図っているところでございます。
具体的には、二十九年度決算剰余金で二千三百三十三億円、予算執行状況の精査で一千八百三十七億円、都税等の増収で二千六百五十三億円であり、ここから税連動経費等の義務的な経費などを差し引いた上で四千三百五十三億円の財源を確保するとともに、二十九年度に取り崩しを抑制しました社会資本等整備基金からの繰入金といたしまして一千七十億円を確保しているところでございます。
このように、他の都民サービスに影響を及ぼすことなく五千四百二十三億円の財源を確保するめどが立ったことから、最終補正予算案に有償所管がえの経費を計上したものでございます。
○伊藤委員 予算編成プロセスだけでなく、予算の執行段階における経費精査を徹底し、今回の有償所管がえを含めた必要な財源を捻出しているということが確認できました。
今回、過去最大規模の補正予算となり、金額の大小に注目が集まりがちでありますけれども、必要な施策を必要なときに、確固とした財源の裏づけをもって予算計上するということは、金額の多寡にかかわらず当然の対応であります。そして、それができるのも健全な財政基盤にあることはいうまでもありません。
こうした時宜に合わせた対応を行うため、引き続き強固な財政基盤を堅持していくことが必要不可欠と考えます。そのために、新たな公会計手法の活用など、事業評価の取り組みを徹底するとともに、基金や都債を計画的、戦略的に活用するなど、持続可能な財政基盤の構築に向け、今後も気を緩めることなく健全な財政運営に努めていただくことを求めまして、質問を終わります。
○大松委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時三十五分休憩
午後二時五十分開議
○大松委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○池川委員 私からも、二〇一八年度最終補正予算のうち、築地市場跡地の有償所管がえについて質問をさせていただきたいと思います。
有償所管がえに関する予算総額は五千六百二十三億円ですが、今回の補正予算では留保資金二百億円を除く五千四百二十三億円が計上されています。日本共産党都議団は、築地は守るという知事の公約違反をこれまでも厳しく追及をしてきましたが、代表質問、そして一般質問を経ても知事は、方向性は変わっていないという答弁に終始をしています。
また、我が党は、この問題で小池知事との一問一答が不可欠であるということを、一貫して求めてきました。具体的には、予算特別委員会に補正予算を付託すること、また、この財政委員会、経済・港湾委員会での連合審査会を行い、知事も出席して、そこで審議を行うことなどを各場所で提案をしてきたところです。
六会派共同で、議長また議会運営委員長に申し入れを行い、各会派の調整の中で、結果として四日に経済・港湾委員会に知事が出席して質疑が行われることとなりました。我が党は、知事との一問一答を通じて徹底的に追及をしていくということを、まず冒頭、申し上げておきたいと思います。
財政委員会には、知事が出席をされているわけではありませんので、財務局の皆さんに対して幾つかの角度から質疑を行っていきたいと思います。
二月二十七日の時事通信は次のように報じています。
騒動の発端となった築地跡地への一般会計への移管は、なぜ補正予算案で処理されたのか。予算は緊急性を要する場合や金額の規模が大きい場合、当初と切り離されることがあるが、再開発方針案の公表はことし一月。規模は五千億円を超えるものの、当初予算案に盛り込んでも特段支障がないという見方もある。そこで、都庁内に浮上しているのが、補正に入れれば知事が予特で追及されずに済むというそんたく説だと。都民ファースト幹部は、都の職員も何とか小池さんを守りたかったんだろうと同情する。ただ、ある都幹部は、変なことをすれば見透かされる、普通に当初で計上すればよかったとため息をつくと。
こういう報道であります。
こうした補正予算案をめぐって、さまざまなことが今、議論をされているわけでありますが、まず初めに、重複するところもありますが基本的なところについて確認をします。
実際に、まちづくり方針を策定し、まちづくりを行う段階となれば、不動産鑑定価格については変動してきます。なぜ、この時点で急いで鑑定をし、有償所管がえを行うのか、なぜ今なのかということについてお答えいただきたいと思います。
○山田主計部長 築地市場跡地につきましては、本年一月に、築地まちづくり方針の素案を取りまとめるとともに、東京全体としての価値の最大化を見据え、目指すまちづくりを見据え、中央卸売市場会計の収支試算を踏まえて、市場会計から一般会計へと公有財産規則に基づく有償所管がえを行うこととしたものでございます。
一般会計への移しかえにいち早く着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにし、そのことにより民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができ、都としても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能となります。
また、再来年度以降には、今般、国による税制の見直しによりまして税収減が見込まれており、将来の財政支出を可能な限り軽減する必要もあるという点もあります。
こうした中、今年度決算剰余金や予算執行状況の精査によりまして、財源のめどが立てられたことから、補正予算案を本定例会に提案したものでございます。
○池川委員 今のをまとめると、二つ理由だと思います。
一つは、民間事業者の参画意欲を引き出すこと。もう一つは、再来年度以降の税制の見直しで税収減となるので、財源が確保できた。すなわち、決算剰余金、予算執行状況の精査によって得られた財源を元手に、現在、補正予算で処理をしよう、支払いをしようということだと思います。
お金を支出したとしても、いつ一般会計に土地が引き渡されるのか。仮に、現在のスキームで一般会計への有償所管がえが行われた場合には、どのように進んでいくのかについて、改めて確認もしていきたいと思います。
土地は、いつ、どのような時点で引き渡されることになるのか。また、埋蔵文化財の調査発掘が行われるということでありますが、その終了後なのか、それともその前なのか、その地点についても明確にお答えいただきたいと思います。
○山根財産運用部長 現在、築地市場は解体工事中でございまして、神田市場のときと同様に、土地上の建物及び工作物が解体撤去された後に、一般会計に土地が引き渡されることを想定しております。
具体的には、二〇二〇年以降、建物及び工作物が撤去された後、埋蔵文化財の調査発掘前に一般会計に土地が引き渡されるものと考えております。
○池川委員 今の答弁では、一般会計から市場会計に、二〇一八年度最終補正予算で、土地代の大半を占める五千四百二十三億円を支払うわけですが、実際に一般会計に土地が引き渡されるのは東京二〇二〇大会で、デポとして使用をし、二〇二〇年以降、建物及び工作物が撤去された後になるということであります。
つまり、どんなに急いでお金を払ったとしても、実際に活用できるようになるのは二年後から三年後ということになるわけです。土地の引き継ぎが先にもかかわらず、なぜ最終補正予算に急いで支出だけをしなければならないのか、なぜ今でなければならないのかについて、ここは疑問の余地があります。
民間事業者の参画の意欲を早期かつ最大限に引き出すということがいわれました。実際には、いつごろから参画できるかどうかというのは現時点ではわかりません。実際のスキームを見ても、それは示されていないというところであります。これでどうして意欲が引き出せるのか、甚だ疑問が残ります。
しかも、民間業者が参画するよりどころとなる築地まちづくり方針では、民間業者にとっては都合がよいことかもしれませんが、市場機能は残さないということにされています。これは、小池知事が都議選直前に基本方針を示し、都議選の際にも再三いってきた公約に明らかに違反をしています。
民間事業者の意欲を引き出すことが優先をされ、都民が期待を寄せた公約がほごにされても構わないということになれば、都政のあり方が根本からおかしくなってしまうのではないでしょうか。こうした中身を最終補正予算で決めてしまおうということに道理はないと思います。
もう一つ理由とされているのが、今般の税制の見直しへの対応の問題であります。今回の有償所管がえの予算は、決算剰余金、予算執行状況の精査により、財源のめどを立てたということでありました。今回の補正予算において、決算剰余金を築地市場跡地の有償所管がえに使わなかった場合、財政調整基金などに積むことができるというふうに考えていいのか、見解を伺いたいと思います。
○山田主計部長 財政調整基金への積み立てにつきましては、地方財政法や条例に定める義務積み立てのほか、年度間の財源の調整を図り、財政の健全な運営に資するため、必要のある場合には任意で積み立てを行うことが可能でございます。また、他の基金につきましても、予算計上を行った上で基金への積み立てを行うことが可能でございます。
一方で、今回、平成三十年度最終補正予算案で有償所管がえに要する経費を計上せず、後年度に改めて対応するとした場合、有償所管がえに充てるべき財源を、一旦財政調整基金などに積み立てた上で、後年度にその基金を取り崩して支出することになり、三十年度末の基金残高が一時的に大きく積み上がることとなります。
○池川委員 最終補正予算で有償所管がえが行われなければ、決算剰余金などについては財政調整基金に積むことはできるということであります。それならば、築地市場跡地を購入する分を積むことによって、将来の税収減にも対応するという選択肢もあるというふうに考えることもできると思います。
例えば、社会資本等整備基金の一千七十億円を引いた四千三百五十三億円を基金に積めば、直近の利回りで見ても年間二億三千万円近い運用ができるわけですから、資金の有効活用という点でも、土地が使えない状態で土地を購入して現金だけ支出をするということを考えれば、有償所管がえのお金を前倒しをして出すという理由は見当たらないと思います。
むしろ、今、考えなければならないのは、築地まちづくり方針の素案で打ち出されているような市場抜きの築地まちづくりで本当によいのか、公約違反が許されるのか、広く都民の皆さんに声を聞くとともに、仲卸を初めとする市場関係者の方々と対話を重ね、しっかりと納得のいくまちづくり方針を練り上げることこそ必要ではないでしょうか。
財務局としては、知事が二〇一七年六月二十日の会見で、築地は守る、市場としての機能が確保できるための方策を見出していきたいと発言をされ、この問題が現時点に至っている経過についてはどのように検討されたのか。実際に、市場機能が存在をしていないまちづくり方針素案が示されたもとで有償所管がえを行うということについては、どのように判断をされたのかについて伺いたいと思います。
○武市財務局長 私どもといたしましては、庁内でまちづくり方針の、一点だけのまだ素案でございますが、検討等なされております。そうした状況を見きわめつつ判断をしているものでございます。
○池川委員 まちづくり方針の素案は議論をされてきたんですが、そこに市場機能がないということについては、具体的に何か財務局として検討をした形跡があるのか否か、その点について確認をさせてください。
○武市財務局長 私どもといたしましては、そこで示されたものを、そういう前提条件という、そういう条件のもとでの検討をしているところでございます。
○池川委員 まちづくり方針素案は、現時点ではパブリックコメントが終了した段階で、方針そのものが最終的に確定をしているものではありません。築地まちづくり方針素案は、結局、仲卸の代表者の皆さんに説明を行い意見を聞いただけで、業者の大半の意見は聞いてもらえる機会がないまま現時点に至っているというプロセスも、私は財務局としては所管がえを受ける側としてきちんと認識をすべきだというふうに思います。
仮に有償所管がえを進めるとしても、条件が整うまで基金に積んでいくことは十分に可能であると思います。拙速に、この最終補正予算案で市場会計への支出を行い、有償所管がえを行うということは、現時点で知事が説明をされていないもとで行うことは認められないということは申し上げておきます。
先ほどの答弁で、土地の引き渡し後に埋蔵文化財の調査発掘が行われるということが示されました。
幾つか事実確認をしていきたいと思います。埋蔵文化財の調査発掘については、誰が主体で、どこの責任で行うものなのかお示しいただきたいと思います。
○山根財産運用部長 埋蔵文化財の調査発掘については、平成十年九月二十九日付文化庁次長通知の埋蔵文化財の保護と発掘調査の円滑化等についてにおいて、埋蔵文化財は可能な限り現状で保存することが望ましいものであるが、開発事業等が計画されたことにより、これを現状のまま保存することができなくなった場合には、当該埋蔵文化財の現状による保存を不可能とする原因となった開発事業等の事業者に対し、その経費負担による記録保存を求めることとなっております。
なお、民間事業者へ土地を貸し付けする場合の価格については、不動産鑑定評価基準に基づき、埋蔵文化財の有無及びその状態について価格に反映することとされております。
本件の場合におきましては、今後、埋蔵文化財に係る経費が発生した場合でも、土地を引き渡す側である中央卸売市場会計が費用負担するものと考えております。
○池川委員 この埋蔵文化財の調査発掘の期間については、まだわからないというのが実情であると思います。その調査発掘が行われる予算については、市場会計の方から支出をするということが今わかりました。
埋蔵文化財発掘調査費相当分として二百億円を留保しているわけでありますが、その根拠についてお示しをいただきたいと思います。また、どのような段階で、どのような対象に対してこの二百億円を支出していくことになるのか、費用が上下する、すなわち発掘調査の費用が上下する可能性がありますが、その点についてはどのように対応されていくのか伺いたいと思います。
○山田主計部長 今回の補正予算案で、築地市場跡地の有償所管がえ経費から留保しております二百億円につきましては、土地処分に際して一般的に考慮すべき埋蔵文化財発掘調査費用等相当の金額でございます。
実際に要する費用は変動する可能性がございますけれども、築地市場跡地の所管がえに際し、建築物の撤去に加えまして、埋蔵文化財発掘調査や土壌汚染対策などの費用は土地を引き渡す側である中央卸売市場会計が負担すべきものであり、今後、これらに必要となる費用につきましては、市場会計が負担することとなっております。
一般会計といたしましては、埋蔵文化財発掘調査や土壌汚染対策など、必要な措置が全て行われた後に留保していた残額を支払うということとなります。
○池川委員 留保資金については、必要な措置が行われた後に残額を支払うということでありました。市場の持続可能性が所管がえの一つの要素となっているときに、どの程度市場が負担をすることになるのか、現時点ではわからないということだと思います。
次に、土地鑑定について伺いたいと思います。
今回、不動産鑑定士による調査報告書が提出をされています。代表質問の答弁等でも妥当だという答弁がありましたが、調査報告書が適正であるということについては、どのような裏づけをとっているのか確認をさせてください。
○山根財産運用部長 会計間における土地の所管がえにつきましては、依命通達、公有財産関係の条例及び規則の施行についてにより、適正な評定価格とすることが定められております。鑑定機関によれば、鑑定額の算定におきましては、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に基づく手法や手順により、近隣の取引事例との比較や土地の収益性、開発による投資採算性等を考慮して評価を行っているとのことであり、専門的見地からの評価がなされております。
また、この鑑定評価に基づく土地価格について、平成二十九年度に試算した金額からの伸び率は、当該跡地周辺の地価上昇率と同程度であり、こうした観点からも、今回の土地価格は妥当であると考えております。
○池川委員 今の答弁は、最終的には、二〇一七年度に財務局自身が試算をした金額からの伸び率の土地価格は妥当だということだと思います。しかし、これはどのような開発が行われるかによっても変わりますし、また、時期が変われば価格も変動するということだと思います。
土地価格の上昇率についての指摘がありますが、今後の見通しについては、財務局としてはどのように考えているか伺います。
○山根財産運用部長 今回委託した鑑定機関によりますと、公的価格の推移は上昇しておりまして、賃料水準の上昇や取引市場の過熱感から、今後についても上昇基調にて推移するものと予測しております。
今後の地価の見通しにつきましては、不動産市況の動きに連動して変動するものであると認識をしております。
○池川委員 都としては、断定して物をいうことはできないということは承知をしていますが、今回鑑定があった機関によると、公的価格の推移は上昇しており、今後についても上昇基調で推移をするということがわかりました。こうした視点も踏まえて、なぜ今、最終補正予算で所管がえをしなければならないのかということであります。
ある不動産鑑定士の方は、適正価格であることを担保するものがなくては、幾らその鑑定評価額が適正であるといっても、それは主観的なものであって、客観的に見て適正であるとは断定できない、担保するものがあって適正であるといえるのである、では、担保するものは何かといえば、違う不動産鑑定士の不動産鑑定書の存在である、もう一つの不動産鑑定書が必要である、二つの不動産鑑定書があることによって、当該不動産の適正価格がわかり、公有地売却価格の妥当性が認められるのであるという指摘をされています。
公有地の売却ではなく、今回は有償所管がえということではありますが、幾らで買うのかは都民の皆さんの税金が原資であり、複数の不動産鑑定によって適正価格がわかり、妥当性が認められるという指摘は極めて重要だと思います。特に、これまでの土地価格の変動が大きい場合は、なおそのことが必要だと思います。
調査報告書の中身について伺います。
今回の調査報告書は、想定上の条件として、環状二号線、首都高晴海線は、その計画がないものとして価格調査を行うこと、都市施設、市場としての規制はないものとして価格調査を行うことなどが基本的事項として定められています。また、土壌汚染、埋蔵文化財及び地下埋設物の有無及びその状態に関 する要因は除外して価格調査を行うことも決められています。
具体的に、画地一について伺います。調査報告書にある画地一の鑑定において、開発法の手法で、住宅三から六の建築工事の坪単価を百二十万円、販売費及び一般管理費を一〇%、投下資本率を一〇%としている根拠及び妥当性について、どのように認識しているか伺います。
○山根財産運用部長 鑑定機関からヒアリングをいたしましたところ、鑑定額の算定におきましては、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に基づく手法や手順により、近隣の取引事例との比較、土地の収益性、開発による投資採算性等を考慮して評価を行っております。
ご指摘の算定のプロセスにつきましては、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に基づいて、最有効使用の範囲内において資料の検討を行い算定されておりまして、専門的見地から適正に評価がなされていると認識をしております。
○池川委員 今回の坪単価や販売費及び一般管理費、投下資本率については適正な評価がなされているという認識でした。
重ねてになりますが、我が党は、築地市場跡地の有償所管がえについて、最終補正予算でやらなければならないという妥当性を見出すことはできません。今後のスキームが見えない中で、五千四百二十三億円というお金は市場会計に移し、土地の引き渡しは、解体が終わった後、二年後から三年後になります。しかも現時点では、埋蔵文化財の調査発掘がいつ終わるかという見通しもありません。
また、共産党都議団は、豊洲市場建設によって市場会計が赤字となり、深刻になるという問題は繰り返し指摘をしてきました。土壌汚染対策費に八百五十億円をつぎ込んでもなお基準値を超えるベンゼンやシアンが検出をされています。建設費も当初の計画から次々と高騰し、大きく増加をしました。土地の取得費等を含め総額で約五千八百億円をかけてつくられたのが豊洲市場であります。さらに、築地市場の五倍ともいわれる維持管理費が累積赤字の大きな要素となっています。
こうした問題を認識しておきながら市場移転を行った知事の責任は極めて重大だと思います。まちづくり素案が市場に関する機能を有するという規定がない中で、一旦財政調整基金に積み増すなど、最終補正予算に急いで有償所管がえを行うべきではないということを申し上げて、質問を終わります。
○おときた委員 私からも、築地市場跡地の有償所管がえについて幾つか伺っていきたいと思います。かなり質問が出尽くして重複している部分に関しては省きたいと思いますが、重要なところに関しては、いま一度お伺いすることもあるかもしれませんのでお願いいたします。
まず、幾つか事実関係を確認しておきたいと思います。今回、市場会計から一般会計に移しかえる有償所管がえ、これが議論されているわけですが、有償所管がえ後、土地を中央卸売市場として使用することは可能なのかどうか、これをまず伺いたいと思います。
○山田主計部長 市場会計で保有しておりました市場用地を有償所管がえすることは、卸売市場法に基づく都としての卸売市場を設置する予定がないとの政策上の判断を踏まえて行うものでございます。したがいまして、当該土地を都の中央卸売市場の用地として活用することは想定をしておりません。
○おときた委員 それでは、有償所管がえ後に土地を地方卸売市場として活用することは可能かどうか。地方卸売市場には、行政が設置主体の場合と民間が設置主体の場合がそれぞれ考えられますが、それぞれどうか、見解をお伺いいたします。
○山田主計部長 今回の有償所管がえは、卸売市場法に基づく卸売市場を設置する予定がないとの政策上の判断を踏まえておりまして、都による地方卸売市場の用地として活用することは想定をしておりません。
当該用地につきましては、再開発を進めることとしておりまして、築地まちづくり方針に基づいて活用内容が決まっていくものと考えております。
○おときた委員 仕組み上、可能であるかということも聞きたかったわけですけれども、市場会計が市場会計として独立しているという仕組み上、極めて考えづらい、もとより考えづらいということでしょうし、今回、鑑定の土地の評価条件、東京都が出しているものにも、市場用地としての用途規制は考慮外とするということが前提と書いてありますので、いずれにしても、卸売市場は、中央、地方ともに可能性がないということが確認できました。
それを踏まえて、昨日までの代表質問、一般質問における小池知事の答弁を見てみますと、中央卸売市場は豊洲、隣接する築地に卸売市場を設置する予定はないと、あたかもそれが基本方針発表の当初から変わっていないかのように主張をされておりました。しかしながら、ここには明確なうそ、ごまかし、だましがあると私は思っています。
まず、多くの会派が既に指摘しているように、基本方針発表時に知事は、市場機能を残す、業者が築地に戻るお手伝いをすると明言しており、競り、市場内取引を確保、発展ということについては、当時使用したプレゼン資料にまではっきりと記載をされておりました。
そして、きわめつけは、昨年、ちょうど一年前、二〇一八年の予算特別委員会です。築地に市場機能を残すのか残さないのか、はっきりとした答弁を求めて私は知事に何度も伺いました。議事録ももちろん全て残っております。
そこで小池知事は、中央卸売市場については設置をしないと述べてはいるものの、市場機能そのものに対する回答を求めると、築地につきましては、民間の知恵を生かして、将来にとって重要な役割を担う、そんな新たなまちづくりにつなげてまいりますとか、市場の関係者の方々がその中でいろいろな思いがあるのも十分熟知しております。まずは、豊洲市場への移転ということを最優先にすべきだと、このことを申し上げているわけでございますとか答弁をされています。
さきの代表質問、一般質問のように、隣接する築地に卸売市場はつくらないと、こうしたはっきりした答弁はしておりません。つまり一年前の時点では、卸売市場について明言を意図的に避けて、とりわけ地方卸売市場を設置する可能性を明らかに残していたわけであります。
もし、小池知事の基本方針が全く変わっていないということであれば、一年前の時点で、築地に中央も地方も含めた卸売市場はつくらないということは、はっきりと答弁していたはずであります。しかし、それはできなかった、しなかった。これは、豊洲市場が開設し、世論や市場業者の反発、ほとぼりが冷めるまで待とうとした完全な先送り、だまし討ちです。二年前の基本方針どころか一年前の答弁からも小池知事の基本的な考え方は完全に変節している。小池知事は、世論をごまかそう、だまそうと確信を持ってやっている。そして、この中で、今回のこの約五千四百億円にも上る補正予算案をしれっと通そうとしているということ、これはこの場でも改めて指摘をしておきたいと思います。
そして、有償所管がえのタイミングについては、もう何度もご答弁いただいておりますので、同じことが返ってくると思いますので省略いたしますけれども、この場では本会議での知事答弁と同様、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができるという点を強調されているわけですが、ここに私は極めて大きな疑問を覚えています。
そもそも、都が土地を保有したまま売却しない、民間事業者から見れば定期借地となる方法で、民間事業者から大型投資をする意欲を引き出せるとは到底考えられません。都の定期借地にしても、今提示されているプランでは具体的な開発スキームが一切ないのではないでしょうか。
例えば、その定期借地の中には、地上権、これも含まれているのかどうか、これをまず確認したいと思います。
○山田主計部長 築地市場跡地の整備の進め方につきましては、都市整備局の取りまとめました築地まちづくり方針の素案において段階的な整備を進めるため、中期、長期の定期借地により土地活用を行うことを想定しております。
より具体的な条件等につきましては、今後作成を予定しております事業実施方針や事業者募集要項において示していくということとなっております。
○おときた委員 現段階で、地上権という最も大事なものがあるかどうかすら決まっていないわけですよね、あり得ないことだと思います。これじゃ民間事業者側だって、投資の決断ができないわけですよ。そして、民間事業者が入ってくるかどうかも全くわからない状態で約五千四百億円もの投資、税投入を認められるかといわれれば私には到底できません。
そもそも論に戻れば、基本方針の中で、築地跡地は賃料で年間約百六十億円を生み出すということになっておりました。新たな都民負担は生じさせないというのが都民にお約束をした公約だったはずであります。
では、有償所管がえ後の収益プランは立てているのか、ないとすれば、以前に、新たな税金を投入させない、どおんと税金を入れることはしないなどとおっしゃっていた小池知事の発言と矛盾するのでないかと考えますが、財務局の見解をお伺いいたします。
○山田主計部長 築地市場跡地の再開発は、長期的な観点で、東京の持続的成長につなげていくこととしておりまして、公共的、公益的なまちづくりに留意するとともに、民間の力を最大限に活用し、段階的に整備を進め、収益性を勘案しながら、東京全体としての価値の最大化を図っていくこととしております。
また、こうしたまちづくりが適切に進められるよう、都市整備局において各段階の開発、準備を通じて、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期的に一貫したコントロール体制を構築していくこととしております。
税金を入れることはしないという発言につきましては、市場会計の赤字を補填するために、一方的に税金を投入するようなことがあってはならないという趣旨で述べられたものと認識しており、築地まちづくりの考え方と矛盾するものではないと考えております。
○おときた委員 収益性を勘案しながら東京全体としての価値の最大化を図っていくという部分、これ、はっきりさせたいんですけれども、これは東京全体の価値が上がれば、新たな税投入をしてもよいと、五千四百億円、埋蔵を入れれば五千六百億円は回収をしないということなんでしょうか。
以前の基本方針では、曲がりなりにも賃料を年間約百六十億円稼ぎ出して、新たな都民負担は生じさせないという計画があったわけですが、そういうことはもう諦めて、東京の価値が上がるなら税投入もやむなしと、そういう考え方なんでしょうか。そこを伺います。
○山田主計部長 今回、土地の有償所管がえ経費といたしまして五千六百億円を予算計上しているわけでございますけれども、この経費につきましては、単に中央卸売市場会計にお金を投入するということだけではなくて、それと同等の対価としての土地を一般会計が手に入れることができる、いわば等価交換的な考え方だと思っております。
○おときた委員 では、その等価交換した土地で収益を生み出せるのかどうかということを聞いているんです。以前は、年間百六十億円の賃料をそこから生み出すとか、そういったスキームがあるわけですけれども、ご答弁の中でも、収益性を勘案しながらという文言は入っていますけれども、具体的には、賃料を得るとか、売るとか、そういうお金が入ってくるような、そういうスキームはあるんですかということを聞いているんです。いかがですか。
○山田主計部長 今回、外部監査に鑑定結果を出してもらったわけでございますけれども、その外部鑑定におきましても、この土地につきましては、相当程度の賃料の収入が得られるという鑑定結果は出ているところでございます。
ただ、まちづくりに関しましては、単に収益が上がればいいというものではないと思っております。東京全体の価値の向上に値するようなまちをつくる。単に、賃料だけで利益を得るだけではなくて、そのほかの経済的な面も含めて、このまちづくりをつくっていくというような考え方だと思っております。
○おときた委員 今の答弁に関連し、先ほど早坂副委員長のご答弁だと思いますけれども、投資という言葉を使われたと思うのですが、これは将来に対する投資だと、そういうことの理解でよろしいですか。
○山田主計部長 東京全体に対してのいわば投資というような考え方だと思っております。
○おときた委員 まあ、はっきりしましたよね、投資だということ。投資というのはもちろんですけれども、リスクが伴うわけであります。投資した以上、何が返ってくるのか。それがはっきりしないと、投資を決める、そんな投資家、この世にいるでしょうか、私はいないと思います。それはおかしなことだと思いますよ。
そして、税金を入れない、入れるようなことはしないという発言は、市場会計の赤字を補填するために、一方的な税金を投入するようなことがあってはならないという趣旨で述べられたものと認識しており、築地まちづくりの考え方と矛盾するものではないと考えていると、こういう答弁ありましたけれども、これですね、じゃあ受け取ればですよ、一方的じゃなければ税金を投入してもよいと、築地まちづくりに寄与すると、投資の費用対効果があると、小池知事が勝手に判断すれば税金を投入してもよいということですよね。これは私、信じがたいことだと思います。完全に基本方針の変節ですよ、これは。いつ都民が、築地まちづくりのためなら、投資のためなら、市場移転に際して新たな税投入をしてもよいと認めたんでしょうか。
中央卸売市場のページには、今も築地市場の移転に当たっては、新たな都民負担を生じないと、ずっと記載されたままになっています。小池知事が就任されてからもこれはずっと変わっておりませんし、小池知事自身も、新たな税金を投入させないと二〇一七年六月二十日の記者会見ではっきりと述べておられます。考え方は基本的に変わっていないどころか、これは完全に新しい計画案、投資案です。そんな大事なことを、考え方は変わっていない、つまり既に選挙で信託を受けたかのように装って補正予算案で通そうとすること自体、私は、極めておかしなことではないかと断言いたします。
そして、まちづくりをお題目として、これまでどれだけの箱物がつくられて、その建設費用やランニングコストがどれだけ重く将来世代の負担になってきたか、これは財務局の皆様だって知らないわけではないはずです。高度経済成長期も終わった今、回収プランなきまちづくり計画、投資計画は、将来世代への盛大なツケの先送りであって、今、東京都が向かおうとしているのは、明らかにその道ではないでしょうか。
まちづくりに投資をしたい、都民の税金を新たに使いたいと、そういう新しい提案をするのであれば、基本方針の変節、撤回を認めた上で、予算案として、本予算案として議会に諮ることは絶対条件です。それなのに、なぜこれを補正予算案に計上したのかと聞けば、また同じ答弁が返ってくるだけだと思いますので聞きませんけれども、私は、これは全く間違った、都民をある意味ばかにした、議会も軽視したやり方だと思います。
仮に、この補正案がなかった場合、多額の財源はどのような扱いになったのか、これも他の委員からご質問がありました。これは要は、基金などにも積み立てることはできるけれども、東京都がいわばお金持ちだと思われると、財政が、見かけが膨張してしまうからやりたくないと、こういうことをおっしゃっているわけですよね。
はっきりいって、移転をいたずらに二年間先延ばしして、追加対策工事に多額の税投入をしているこの時点で、東京都に対して国や地方の厳しい目線は避けられないわけであって、今さら小手先の細工を労したところで全く意味はありません。むしろ、これだけの回収プランなき投資をしたら、ますます東京都はお金持ちだと思われる、それが関の山ではないかと思います。
ここで、最後にもう一つ確認しておきたいんですけれども、では仮に、この有償所管がえの補正予算案が否決をされた場合、すなわち当該経費を削減する減額修正を行う旨の修正議決が行われた場合、有償所管がえのこの財源の扱いは今後どうなっていくのか、これを教えてください。
○山田主計部長 有償所管がえに係る財源の充当先が失われることになりますので、都財政全体として財源超過の状態となります。その結果、翌年度に多額の剰余金を持ち越し、大幅な黒字決算となるという影響が考えられます。このことは、有償所管がえに充てるべき財源をもって都財政が裕福であるかのような誤解を招く可能性を多分に含んでおり、望ましくないと考えております。
○おときた委員 私は、先ほど申し上げたとおり、年度末の時点での基金残高で、東京都が裕福だ、お金持ちだと思われるかどうかというのは、新たにこの五千六百億円、五千四百億円ですか、投資をして築地の未来をつくるということに比べれば、瑣末な、そして手おくれになっている議論であると思います。
繰り返し財務局が述べられている、民間事業者の意欲を喚起するというその目的も、現行のプランのままでは全く果たせませんし、財源があるからといって有償所管がえを急ぐ論理は、私は完全に破綻していると思います。
三月四日、来週の月曜日には、経済・港湾委員会で小池知事を招致しての一問一答質疑が行われますが、小池知事には、この本補正予算案は、現段階での議決にはそぐわないものであり、投資案として新たに計上するのであれば都民の判断を仰ぐべきだと、今の段階では、即時この補正予算案は撤回をされるということを強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○秋田委員 正直いって、今までの話を聞いていても、怒りと焦燥感と、財務局よおまえもかといった思いで質問をさせていただきたいと思います。
質疑全体を通して感じていることでございますが、都民、事業者、都議会に対してだけでなく、都庁内でも秘密裏に予算編成作業を進め、予算大綱を発表したときも、型どおりの説明でさらりと流して、いよいよ中途議決案件として説明するときになっても、議会からの質疑に応じる形でしか説明をされておりません。財務局から積極的に説明する姿勢を正直全く感じません。これまでこの案件を審議してきた都議会はもとより、都民、事業者の方への説明責任の重さを認識されていないといわざるを得ません。
さらに、知事はというと、この予算の前提となる築地再開発についての考え方について、記者会見で聞かれると、何も変わっていないと強弁をして、本会議でも曖昧な言葉を羅列して、しらを切っています。知事と財務局が結託して、ひたすら隠し通し、議会の手続上、説明せざるを得なくなると開き直る、正直そう感じています。
どなたが知事であれ、知事にとって都合が悪いことでも、都財政にかかわる重要案件について、都民の代表である我々都議会に対して、本会議に上程する前に事前にしっかり説明をして、しっかりと都議会の意見も聞きながら財政運営を進めていくべきだと思います。
しかし、こうした都の財政運営の基本的なところが崩れて、崩れてきているといわざるを得ません。
そして、この有償所管がえを当初から主張していた我が党として最も釈然としないのは、二年近くもの間、この決断から逃げ回り、我が党の指摘に対してのらりくらりと先延ばしをしていた知事が、突然、方針転換をしたこと、そして、年度内に処理するために、急ぐからという理由で補正予算として議会に提案したことであります。
本会議の代表質問で、知事は我が党の質問に対して、いち早く着手することで民間事業者の参画意欲を早期に引き出すためだと答弁をされています。これまでさんざん引き延ばしてきた知事が、何いっているんですかという思いで我々はいっぱいでございます。
一方、一月二十三日の関係局長会議の議事録には、なぜ補正予算に計上したのか、その理由を財務局長がご説明をされています。財政運営上の理由から補正予算に計上したとのことですが、この案件は、単なる会計処理を超えた問題を抱えているのは、皆さんの方がよほど承知だと思いますよ。
むしろ、会計処理よりも用地の所管をかえることが、知事の公約である築地再整備の方針を否定することになる、このことこそが最大の問題なんだと思います。財政運営を理由に補正予算に計上することで、議決までの審議期間の短縮を図る、そのようなことがあってはならないんだと思います。
そこで確認をさせていただきますが、一月十一日の知事査定で、所管がえを条件に予算案をつくっていたとの説明が先ほどございました。そして、二十三日の関係局長会議で決定したということでございました。そこで伺うんですけれども、その翌日、二十三日の関係局長会議で決定した翌日二十四日に、所管がえを最終補正とする予算大綱が発表されて、百四十ページにも及ぶ立派な冊子が同時に配られたわけです。すごいですよね。
二十三日の関係局長会議で決定したことが、二十四日の予算大綱の百四十ページに及ぶところにしっかりと書いてあるわけですよ。書いてあるわけ。これ実質的には、二十三日の関係局長会議を前に、決定案として資料作成を進めていた。つまり条件とはいいながら、実際には決まっていたのが、これ事実なんじゃないですか。それとも、条件が整わなかった場合に備えて、別の予算案が用意されていて、それ用の資料も準備されていたんでしょうか。もしそうなら、ぜひ見せていただきたいと思います。別の予算案がつくられて、百四十ページ近くに及ぶ別の予算案が用意されていたんだったら、それ見せてください。
既に決定済みだったと実際は思います。二十三日の関係局長会議で決定したわけじゃなくて、二十四日にあれだけ立派な予算大綱をつくってあるのだから、実際は決まっていたわけでしょう、二十三日の前に。誰が、いつ、決めたのか。もう一度、これ一点、確認させてください。
○山田主計部長 先ほども申しましたとおりに、一月の十一日の知事査定におきまして、条件つきで決定をし、最終的に補正予算案を確定したのは一月の二十三日でございます。
ちなみに、この、先生がおっしゃりますグリーン色の冊子でございますけれども、これは、あらかじめ印刷をしていたのは事実でございます。ただ、これにつきましても、仮に予算、これに変更があった場合には、手作業も含めて修正をするということも予定していた、覚悟の上での印刷でございました。
我々、事務方といたしましては、議会に対しての説明資料につきましては、やはりあらかじめ準備をするという覚悟をもって事務作業に臨んでいるところでございます。
○秋田委員 今の主計部長の回答を繰り返し、要約させていただくと、あくまでも決まったのは二十三日だということですか。そして予算大綱については、もし条件が整わなかった場合は、それを皆さんで、全員で修正液かなんかで修正して、それでやるつもりだったと、そうお答えになったと思うんですが、それで間違いないですか。
○山田主計部長 そのとおりでございます。
○秋田委員 今、すごい強弁をされるんだなというふうに、さらに財務当局に落胆をせざるを得ないなと思います。
合成の誤謬という言葉があるのは皆さんご存じだと思います。例えば、課にとっては正しい方向性、正しい決定であっても、部として見ると正しくない。部として正しい方向性であっても、その上、都の場合局ですな、局としては正しくない。それ合成の誤謬といいますよね。局として正しくても東京都全体にしては正しくない。まさに、今回の判断は、私は合成の誤謬の最たるものだと思います。
五千六百億円の予算が、皆さん、どれぐらいの予算かちゃんとわかっていますか、わかっていますか。まず、五千六百億円は秋田県と同じぐらいの予算なんですよ。富山県、石川県、福井県、山梨県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、徳島県、香川県、高知県、佐賀県は五千六百億円より低い決算なんですよ。
皆さん、さっき何といいました。東京富裕論をほにゃらら、そういいましたよね。五千六百億円の予算を、予算をですよ、知事の発言なしに、知事への質疑なしに決めておいて審議する、審議じゃないな、やり過ごす。ほかの県から見たらどう思います。東京って本当に豊かだなって、むしろそう思うと思いますよ。
私は、正直いって、きょうは本当怒りまみれで、大変失礼なことを申し上げているのかもしれませんが、都政史上に残る汚点の一つに、間違いなく今後なっていくと思いますよ。皆さん加担したんですよ、それに。そのことは一生、私は忘れちゃいけないと思います。一生忘れちゃいけないと思います。
以上です。
○小磯委員 この有償所管がえの考えにつきましては、先ほど伊藤委員の方から、質問の中で、党としての考えを述べておりますので、私からは、第七十九号議案から第八十四号議案の契約案件についてお伺いをいたします。
今回の契約議案の中には、都営住宅の建てかえ工事、足立区、江東区、そして多摩市の地域で、この三件ございますけれども、このうち多摩市諏訪五丁目団地の工事について、これは私の地元に近く、これまでさまざまな都民の皆様のご意見を承ってきたところでございますので、まず、確認のため、この工事の概要についてお伺いをいたします。
○五十嵐契約調整担当部長 本件は、昭和四十四年度に建設されました多摩ニュータウン諏訪四丁目団地を建てかえるため、旧中諏訪小学校のグラウンド跡地に、仮称でございますが、多摩市諏訪五丁目団地を建設するものでございます。
今回建設する敷地には、全体で二棟、合計二百十戸分を建設する計画としており、そのうち一棟百四十七戸が本提出議案分でございます。
○小磯委員 今回、二棟分、A棟とB棟というのがございまして、そのA棟が十一階建て百四十七戸、今回はこのA棟の案件であるということでございます。ほかに、B棟九階建て六十三戸があるわけでございます。
現在、諏訪四丁目団地の百八十世帯の皆さんが建てかえ後に移る予定でございます。新築住棟につきましては、現在よりも部屋の面積は格段に広くなるようでありまして、住民の皆様にとっても喜ばしいことであります。
昭和四十年代の高度経済成長期に建設された都営住宅の建てかえは、老朽化に伴い、今後も続いていくわけでございますが、そのためには、主な担い手となる都内中小企業の力なくしては進めることはできないと思います。また、公共事業による都内中小企業の育成ということも、都の大事な仕事であり、都内中小企業の拡大を図るべきであります。
この諏訪五丁目団地の入札参加者、特に中小企業の参加状況、そして入札の結果についてお伺いいたします。
○五十嵐契約調整担当部長 本件は、七者の入札参加申請がございまして、うち二者は技術者不足等の理由により辞退いたしまして、五者が入札に参加いたしました。
最も低い価格で入札した事業者は、低入札価格調査により失格となり、二番目に低い価格で入札した事業者が落札率九三・六%で落札しております。また、入札参加申請のあった七者のうち六者が中小企業でございまして、落札者も中小企業でございました。
これは、入札契約制度改革で実施いたしました大規模工事における混合入札の導入や、中小企業の入札参加条件の緩和により、中小企業の入札参加や、受注機会が増加したものと考えているところでございます。
○小磯委員 もともと、入札契約制度改革、これは大型工事における応札一者、また、落札率九九%というのが都民の疑念を抱かれるということが契機で始まったものと認識をしております。
先ほどの答弁にありましたように、本件では一者入札でもありませんでしたし、また、九九%以上の高落札率ということではなく、今回提出のあった六件の議案全体を見ても、そうしたものはなかったということでございます。
また、我が公明党が重視しております中小企業の振興という点でも、入札制度改革により、入札参加条件が緩和され、これまで中小企業が参加できなかった大型案件に積極的に中小企業が参加し、受注しているなど、一定の成果が上がっていると評価するところでございます。
入札契約制度にはさまざまな方法があり、それぞれにメリット、デメリットがございます。また、その時々の社会情勢によって適切な方法は変わってくることを考えれば、入札契約制度改革に終わりはないと、このようにもいえるかと思います。今後も入札結果をしっかりと検証し、特に都内中小建設業がその力を十分に発揮してもらうことを念頭に、不断に見直しを行っていくことを要望して、質問を終わります。
○大松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大松委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十八分散会
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