財政委員会速記録第十九号

平成三十年十二月十三日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長大松あきら君
副委員長早坂 義弘君
副委員長おじま紘平君
理事池川 友一君
理事おときた駿君
理事石川 良一君
つじの栄作君
清水やすこ君
大場やすのぶ君
秋田 一郎君
小磯 善彦君
山田ひろし君
清水ひで子君

欠席委員 一名

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
契約調整担当部長五十嵐 律君
主計部長山田 忠輝君
財産運用部長山根 恭子君
利活用調整担当部長鈴木 光祐君
建築保全部長小野 幹雄君
技術管理担当部長飯泉  洋君
庁舎運営担当部長後藤 徹也君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
会計管理局局長土渕  裕君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務野口 一紀君
警察・消防出納部長加藤 政弘君
会計制度担当部長斎田ゆう子君

本日の会議に付した事件
決議について
会計管理局関係
報告事項(質疑)
・平成三十年度公金管理実績(上半期)について
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百一号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入
・第二百二十一号議案 警視庁志村警察署庁舎(三十)改築工事請負契約
・第二百二十二号議案 都立久留米特別支援学校(仮称)(三十)改築及び改修工事その二請負契約
・第二百二十三号議案 都営住宅三十CH-一一〇東(江東区辰巳一丁目・江東区施設)工事請負契約
・第二百二十四号議案 産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築電気設備工事請負契約
・第二百二十五号議案 産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築空調設備工事請負契約
・第二百二十六号議案 産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築給水衛生設備工事その二請負契約
・第二百二十七号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十四)請負契約
・第二百二十八号議案 小名木川護岸耐震補強工事(その四)請負契約
・第二百二十九号議案 北十間川護岸建設工事(その三)請負契約
・第二百三十号議案  神田川整備工事(その二百十一)請負契約
・第二百三十一号議案 当せん金付証票の発売について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二十一号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

○大松委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び会計管理局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第二百二十一号議案から第二百三十号議案までの契約議案については、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 報告事項、平成三十年度公金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○大松委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 初めに、第二百一号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入及び第二百二十一号議案から第二百三十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小磯委員 補正予算についてお伺いをいたします。
 ことしの夏はまさに、大阪北部地震、そして西日本豪雨、また台風二十一号、そして北海道地震と、本当に相次ぐ自然災害がございました。ことしの漢字を一字でということで発表があったのは、まさしく災害の災という字でございました。
 これはもう本当に、東京でも、首都直下型地震でありますとか、また、中小河川の災害でありますとか、そしてまた、ことしは本当に災害級といわれるほどの猛暑であったということから、東京都は今回、そういう防災対策と、そして暑さ対策ということに特化して補正予算を組んだわけであります。まず、改めてその補正予算の意義についてお伺いしたいと思います。

○山田主計部長 今回の補正予算は、昨今の地震や風水害、猛烈な暑さを受け、前倒しが必要な施策に速やかに着手するために取りまとめたものでございます。
 例えば、首都直下地震の発生リスク等を踏まえれば、防災力の強化に向けたブロック塀対策や非常用電源の設置など前倒しが可能な取り組みについては、早急に対策を講じる必要があると思います。
 また、都立学校及び区市町村立小中学校におけます空調設備の設置に当たりましては、契約締結、設計及び工事の実施に一定期間を要するために、来年の夏に間に合わせるためには、今年度中に取り組みに着手する必要がございます。
 今回の補正予算によりまして、区市町村とも緊密に連携しながら、都民の安全・安心の確保に直結する防災対策と暑さ対策に、都としてしっかり取り組んでいきたいと思っております。

○小磯委員 特に暑さ対策というところで、実際、都立高校は都でございますけれども、いわゆる区市町村立の小学校、中学校の体育館、これは実質的にはそれぞれの区市町村の事業になってまいります。
 こういう、都で補正予算が体育館のエアコンに出ますよと決まった段階で、いろいろと区だとか市だとか自治体に働きかけをそれぞれしているんだと思うんですけれども、そうしたときに、来年の夏に間に合うように、補助金をしっかり、補正予算組んでいただいたんですけれども、実際、いろいろやってみると、いろんな区市町村からの要望が上がっております。
 一つは国の--これはエアコンの話なので、本当は教育庁なんですけれども、ただ、教育庁と最終的には財務局の方で一緒になって取り組んでもらわなきゃいけないものですから、例えば、国の第一次補正の中には、体育館へのエアコンの補助金は入っていなかったと。ですから、ぜひとも第二次補正には国に入れてもらいたいというのがまず一つありますし、もし国の方で第二次補正がなければ、これはもう、都として、何とか区市町村を支援していただきたいという部分もあります。
 そしてまた、補正で来年の夏に間に合うようにという東京都の思いが一つ、この上の部分について三分の二の補助ということになっておりますけれども、それが来年度予算以降は二分の一になっていると。でも、実際、三分の二を引き続いてやってもらいたい、こういう大まかにいうと大きなそういう要望が来ております。
 ぜひ、そうした区市町村の思いを受けとめていただいて、財務局としてもご検討をよろしく重ねてお願いする次第でございます。
 それから、今回の補正予算の財源といいますか、防災街づくり基金ということで、防災街づくり基金を全額活用しているわけでございます。東京都は不交付団体でありますし、また今回、いわゆる地方法人課税の偏在是正措置によりまして東京都の財源が収奪される、こういうことでございます。また、東京都の税収というのも、大変景気によって変動されるということから、やっぱりこの基金というのは大変大事になってまいります。
 そういった意味で、改めてこの基金の重要性と、それから防災街づくり基金を活用したその意義について伺います。

○山田主計部長 基金は、都の税収が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造である中にありましても、都民の生命、財産を守る災害への備えなど、喫緊の課題に着実に対応するため、また、東京のさらなる成長創出に向けた施策を積極的に展開していくための財源として重要な役割を果たしております。
 委員からお話のございました防災街づくり基金につきましては、東京を高い防災力を備えたまちとして整備するための取り組みを戦略的に展開していくため、平成二十六年度最終補正予算において創設した基金でございます。今回の補正予算の財源九十二億円につきましては、全額この当該基金を充当することで確保していきたいと思っております。
 都の財政運営上重要な役割を果たす基金を、引き続き戦略的に活用することで、都民生活を守る施策をしっかりと前に進めていきたいと思っております。

○小磯委員 今回の公明党の代表質問で、この偏在是正措置について小池知事に質問をしたその答弁の中に、しかしながら、いついかなる状況下においても、一千三百万都民の生活を守ることが都知事の責務であり、無駄の排除をさらに徹底するとともに、基金や都債を戦略的に活用することに加え、産業の活性化等の東京の稼ぐ力を強化することで、将来にわたり都民生活を守るよう、強い決意で都政運営に臨む覚悟である、このような答弁が返ってきておりまして、まさに今、話の基金、そしてまた都債、そしてこの稼ぐ力、また無駄を省いていく、これがますます都政に求められる、その中心となるのが財務局の皆さんだというふうに思っております。
 また、しっかり都民が安心できる都財政の運営を要望いたしまして、私の質問を終わります。

○大場委員 私からは、今定例会の議案となっております当せん金付証票の発売、すなわち宝くじにつきまして何問かお聞きさせていただきたいと思います。
 十月の決算特別委員会の分科会でもご質問させていただきましたが、宝くじは、都民の皆様にとりまして、誰もが楽しめる身近な娯楽の一つであります。と同時に、地方自治体にとりましては大変重要な財源の一つとなっております。
 近年、その貴重な財源であります宝くじの売り上げが低迷しているとの報道を頻繁に耳にいたします。局の担当の方に数字を確認させていただきましたところ、東京都における宝くじの売上額は、平成二十七年度より三年連続で減少しており、平成二十九年度は一千七十三億円とのことでございました。
 さかのぼりまして平成二十年度の売上額はどうだったのかと申しますと、千五百四十四億円だったとのことで、この十年間で売上額が何と三割も減少していることになります。このトレンドのままでは、売り上げ一千億円割れが時間の問題ともいわれかねない状況にございます。
 今回ご提案いただいている平成三十一年度の宝くじの計画額、これは発売限度額とのことだそうですが、来年度の東京都の財政状況見通しを示す重要な指標になるともいえると考えます。
 そこで、東京都における来年度の宝くじの発売計画額と、その見込んだ根拠につきましてお尋ねいたします。

○山田主計部長 平成三十一年度の宝くじ発売計画額では、過去の実績や売り上げ動向、今後の施策などを踏まえまして約一千四百十九億円の発売を見込み、収益見込み額としては約六百十七億円を計上しております。これは、昨年度に比べまして、発売計画ベースでは約百二億円の減、収益見込みベースでは約四十億円の減でございます。
 ジャンボ宝くじの売り上げが低迷する一方で、新たに宝くじ公式サイトでのインターネット販売の実績の伸びなどを見込みまして、全国計画額を反映した結果によりまして、この数字を出しているものでございます。

○大場委員 わかりました。
 宝くじは、地方自治体にとりましては、公園や河川の整備、また学校の校舎改築など日常必要な公共事業を中心に、住民サービスの維持向上に向けた財源の一つとなっています。
 さらに、東京都におきましては、二〇一九年のラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックが連続して開催されますので、宝くじは、世界中の人々が注目する二つのスポーツイベントの重要な財源の一つともなるわけでございます。この二つの大会開催のための財政計画に織り込まれた宝くじ収入につきましては、その見込みと申しますか、まあ、当てが外れてしまえば大会運営に支障を来すことになりかねません。
 これまで、当初見込んだとおりの宝くじの売り上げが確保されてきているのか、また、今後の見通しは立っているのか、このタイミングで議会として確認しておくことが必要と考えます。
 そこで、東京二〇二〇大会及びラグビーワールドカップ二〇一九協賛くじの、これまでの実績と来年度の見込みについてお伺いいたします。

○山田主計部長 東京二〇二〇大会の協賛くじにつきましては、平成二十八、二十九年度合計で、当初計画どおり、発売額百四十億円に対しまして収益額は五十六億円でございます。同様に、ラグビーワールドカップ協賛くじにつきましては、平成二十八、二十九年度合計で、発売額百五十億円に対しまして収益額は六十億円でございます。
 これらの収益は、東京都を初めとする関係自治体において、大会に必要な経費の財源として活用されております。
 また、平成三十一年度におきましては、東京二〇二〇大会の協賛くじで、発売額二百八十億円に対しまして百十二億円の収益を見込み、ラグビーワールドカップの協賛くじでは、発売額五十億円に対しまして二十億円の収益を見込んでいるところでございます。

○大場委員 ただいまの山田部長のご答弁で、実績ベースで計画どおり進んでいることの確認がとれました。
 さて、冒頭申し上げましたとおり、全国的に宝くじの売り上げ収益は、ほぼ右肩下がりの状況であります。
 先日の我が党の代表質問でも指摘させていただきましたが、オリンピック・パラリンピック開催に対する都の財政負担に都民から厳しい目が向けられていることは確かであります。このことは、支出ばかりでなく財源確保に対しても同様であると私どもは捉まえております。数字合わせだけの甘い見通しのもと財源計画が立てられていないか、幾ばくかの不安を覚えているのは私だけではありません。
 先ほど、それぞれの大会に関する来年度の宝くじ収入見通しについてご答弁をいただきましたが、どのような根拠のもとそのように見込まれているのか、また、どのような手だてでその売り上げを確保する考えなのかを確認することも必要でございます。
 そこで、ラグビーワールドカップ二〇一九そして東京二〇二〇大会開催のための財源を確実に確保するため、今後どのように協賛くじの販売促進に取り組んでいくのかお伺いいたします。

○山田主計部長 まず、大会開催年となりますラグビーワールドカップ協賛くじでは、大会機運の盛り上がりを捉え、大会組織委員会とも連携しまして、大会公式マークやマスコットの宝くじ券面での活用に加えまして、テレビCMやポスター等の広報宣伝媒体を活用した積極的なPRを実施していきたいと思っております。
 また、東京二〇二〇大会協賛くじにおきましても、これまでのオリンピアン、パラリンピアンを活用しましたテレビCMやポスターの制作に加え、開催一年前のプレイベント期間に合わせましての発売など、より一層、大会協賛くじならではの特色ある販売促進策を進め、大会機運の醸成と収益確保に努めていきたいと思っております。

○大場委員 ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックが二年続けて同一都市で開催されるのは、東京が初めてになります。世界的な二つのビッグイベントの招致を成功させ、開催に向けた準備がいよいよ本格化を迎える中で、その足元を支える財源に狂いが生じてはなりません。
 繰り返しになりますが、宝くじは自治体運営の重要な財源でございます。東京都にとりましては、来年のラグビーワールドカップ、再来年のオリンピック・パラリンピックの成功を支える貴重な財源ともなるわけでございますから、その売り上げ向上に全力で取り組まれることを当局に強く要望いたしまして、私の発言を終わります。

○おときた委員 私からも補正予算といわゆる宝くじ事業について簡潔にお伺いをいたします。
 まず、今回の補正予算においては、空調設備の設置に関しては独自に補助制度を創設し、東京都環境公社に三カ年分の出捐金を支出する形をとられております。もちろん、支出に関しては所管の各局が質疑の対象となることは存じておりますが、まず、このようなスキームを採用したそもそもの理由を、予算全体を統括している財務局にお伺いをいたします。

○山田主計部長 教育庁所管の区市町村立小中学校の屋内体育施設への補助につきましては、平成三十二年度までの三カ年の事業費を一括いたしまして東京都環境公社に出捐することとしております。
 このスキームを採用した理由といたしましては、環境科学研究所で培ってきた豊富な知見を有します東京都環境公社に事業実施を委託することで、施策の実効性を高めることができること、また、出捐金を一括して支出することで、あらかじめ財源を確保し、複数年度にわたりまして柔軟かつ安定的に区市町村の取り組みを支援することができることなどが挙げられます。

○おときた委員 このように、補助制度を外出しをする場合、特に環境行政に関しては予算の執行率が極めて低く、結局のところ残額が戻ってくる事態が発生することが多いように認識をしております。
 我が会派のやながせ都議も、環境・建設委員会にて指摘をしていたところでありますが、環境公社に出捐した事業は二十三あって、このうち最も低いものでは執行率がわずか〇・七%というものもあったと。
 もちろん一義的には、これは先ほど申し上げたとおり、支出にかかわることなので当該局の執行責任、質疑対象になるわけですけれども、この仕組みは執行責任が曖昧になりがちであって、こうした実情を予算を統括する財務局としてはどう捉えておられるのか、財務局としても予算執行まで管理監督し、執行率に責任を持つべきではないかと考えますが、財務局の見解をお伺いいたします。

○山田主計部長 予算の執行は、施策の効果をいかに都民へ還元していくかといった観点からも重要であると考えております。
 財務局におきましては、適切な予算執行を求める依命通達を副知事名で発出しておりまして、これに基づきまして、各事業を所管する各局の責任におきまして執行管理を行っているところでございます。
 また、東京都環境公社に対する出捐金のように、監理団体を通じて執行する事業につきましても、効率的かつ効果的な事業執行を図るよう、事業所管局におきまして適切に指導監督を行うこととしております。
 引き続き、各局と連携いたしまして予算の適切な執行管理に努めるとともに、事業評価などを通じまして、一つ一つの事業の効果が最大限に発揮されるよう、創意工夫を凝らして賢い支出に努めていきたいと思っております。

○おときた委員 一概に予算の使い切りがよい、執行率が高ければよいというわけではありませんが、一度出捐した予算がほとんど執行されずに万が一返ってくるとすれば、その間に、現在価値ともいえるものが毀損されるわけで、その金額が塩漬けされている間にできることもあっただろうといった批判を招きかねないわけであります。
 こうした一度出捐した予算の執行率については、監理団体の評価項目に入っているわけではなく、チェック機能が現時点では余り働いていないということも問題ではないかと感じております。予算の全体像を統括する財務局としては、この点にも危機意識を持っていただきまして、出捐金が都民のためにしっかりと生かされる、執行される仕組みづくりを、引き続き、検討を実施していただくことを要望いたします。
 次に、当せん金付証票事案についてです。
 まず、こちらは先ほど質問もありましたが、都における直近の宝くじの歳入金額、こちらを確認のためお伺いしたいと思います。

○山田主計部長 平成二十九年度におけます宝くじ収入の歳入金額は、発売益金を約四百五億円、時効益金を約二十六億円、運用利益金を約七十万円収入いたしまして、合計で四百三十一億円でございます。

○おときた委員 売り上げが低迷傾向にあるとはいえ、まだまだ歳入が四百三十一億円と多額に及ぶわけでありますが、では、この事業で得た収益については、使用用途などがあらかじめ定められているのかどうか、こちらをお伺いいたします。

○山田主計部長 宝くじの収益金は、地方財政法第三十二条の規定によりまして、公園整備などの公共事業のほか、総務省が定めます省令によりまして規定する十二の事業に財源充当ができるものとされております。
 例えば、省令第一号では、国際交流その他の地域の国際化の推進に係る事業、省令第三号では、地域における人口の高齢化、少子化等に対応するための施策に係る事業、省令第五号では、芸術文化活動の拠点となる施設の運営の充実などに係る事業が、それぞれ充当事業として規定されているところでございます。

○おときた委員 ご答弁のように、現状ですとかなり幅広い用途が想定されているわけでありますが、近年、公営ギャンブルとギャンブル依存症については、国会でも活発に議論されており、公営ギャンブルで行政が得た収益の一部は、しっかりとギャンブル依存症に充てるべきという指摘が繰り返されております。
 例えば、先進国のカナダですと、法令で、ギャンブルでの収益は依存症対策に充てられることが定められており、直近のそういう数字ですと、その予算額は、カナダ全体で七十億円を超えるそうです。実際、そういったことをやっているカナダにおけるギャンブル依存症の罹患率はわずか〇・八%と、こちらは日本の五分の一になっているそうであります。
 宝くじの立ち位置は、ギャンブルといえるかどうかがやや特殊でありますが、昨今では、特にスクラッチくじなど十分にギャンブル性があるものもあることから考えて、その一部は、ギャンブル依存症対策など直接ギャンブルとかかわる分野の福祉向上に充てるべきではないかと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○山田主計部長 宝くじは、発売に当たりまして総務大臣の許可を受けるものとされておりまして、発売条件につきましても、当せん金品の総額は発売金額の五割以内とされているほか、当せん金品の最高額について上限が定められているなど、法令上、ギャンブル性を回避するための配慮がなされているところでございます。
 都としても、未成年者への販売自粛の徹底や宝くじの社会貢献性の住民理解の促進など、健全な娯楽として親しまれる宝くじの発売に努めているところでございます。
 なお、ギャンブル等依存症対策基本法におきましては、宝くじはその対象から外れているところでございます。
 引き続きまして、関係法令の規定に基づきまして、宝くじ購入者の理解を得ながら健全な宝くじの発売に取り組んでいくとともに、省令に定める事業に収益を充当しながら、都民福祉の向上に努めていきたいと思っております。

○おときた委員 今、丁寧にご答弁いただいたように、宝くじはギャンブル依存症対策の枠組みから外れている、いわばギャンブルではないというふうに、国は、現時点ではみなしているわけです。
 しかし、ここが問題点でありまして、先ほど申し上げたとおり、今広義の意味の宝くじはさまざまなものがありまして、高配当なものが、即座にその場で結果がわかるスクラッチくじのような極めてギャンブル性が高いものも散見されており、専門家の間でも、これはもはやしっかりとギャンブルとして認識すべきだろうといった提言が強く出されているところであります。
 国の対応が後手後手に回るのであれば、ここは首都東京都からしっかりとギャンブルというものに対して、売り上げ規模が一番大きいのは間違いなく東京都であるわけでありますから、これは東京都からしっかりとこうした課題、問題にも向き合って、宝くじ収益をギャンブル依存症対策など直接的なものにも充てるべきではないかということを意見として指摘申し上げまして、私の質問を終わります。

○大松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○大松委員長 次に、議員提出議案第二十一号を議題といたします。
 本案について、提出者の説明を求めます。

○池川委員 日本共産党都議団、維新・あたらしい・無所属の会、都議会生活者ネットワーク、かがやけTokyoを代表して、議員提出議案第二十一号、都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案について趣旨説明を行います。
 この条例は、二〇一八年十二月に支給されます東京都議会議員の期末手当を現行の支給割合に据え置く内容です。
 都議会議員の期末手当の額は、都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例第六条二項の規定で職員の給与に連動するとされています。現在、都議会では、都民の生活実態等に鑑み、議員報酬の二割削減を実行しています。
 このように、都議会議員の報酬は、みずから都民の負託に応える使命を果たすにふさわしく、みずから決めるべき事柄であると考えます。期末手当についても、職員の勤勉手当に連動させるべきではないとの立場から、期末手当を現行水準に据え置く条例案を提出するものです。
 なお、影響額につきましては、全体で約七百五十万円、役職等によって違いはありますが、議員一人当たりにすると平均で六万円になります。
 委員の皆様方のご賛同を心からお願いいたします。

○大松委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十分散会

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