財政委員会速記録第九号

平成三十年六月二十五日(月曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長小松 大祐君
副委員長石川 良一君
理事増田 一郎君
理事上田 令子君
理事曽根はじめ君
おじま紘平君
伊藤しょうこう君
うすい浩一君
藤井あきら君
清水やすこ君
宇田川聡史君
長橋 桂一君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
主計部長山田 忠輝君
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小山 明子君
会計管理局局長土渕  裕君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務野口 一紀君
収用委員会事務局局長佐藤  敦君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百二十四号議案 東京都都税条例並びに東京都都税条例及び東京都都税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第百二十五号議案 東京都宿泊税条例の一部を改正する条例
・第百三十八号議案 十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(三十)新築工事請負契約
・第百三十九号議案 都立水元特別支援学校(三十)改築工事請負契約
・第百四十号議案  都立町田の丘学園(三十)東校舎棟改築及び改修工事請負契約
・第百四十一号議案 東京スタジアム(三十)改修工事請負契約
・第百四十二号議案 東京消防庁多摩消防署庁舎(三十)改築工事請負契約
・第百四十三号議案 中防内五号線南側アプローチ(三十)建設工事請負契約
・第百四十四号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(三十 三-主四青梅街道)請負契約
・第百四十五号議案 街路築造工事(三十 二-補二十六三宿)請負契約
・第百四十六号議案 和田堀公園調節池工事その二請負契約
・第百四十七号議案 野川大沢調節池工事(その二)請負契約
・第百四十八号議案 権利の放棄について
・第百四十九号議案 土地の売払いについて
・第百六十四号議案 東京スタジアム(三十)電気設備改修工事その二請負契約
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
特定事件の継続調査について

○まつば委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査及び特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百二十四号議案、第百二十五号議案、第百三十八号議案から第百四十九号議案まで及び第百六十四号議案並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第百三十八号議案から第百四十七号議案まで及び第百六十四号議案の契約議案につきましては、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成三十年六月二十二日
文教委員長 里吉ゆみ
財政委員長 まつば多美子殿
   契約議案の調査について(報告)
 六月二十日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第百三十九号議案 都立水元特別支援学校(三十)改築工事請負契約
 第百四十号議案  都立町田の丘学園(三十)東校舎棟改築及び改修工事請負契約
 第百四十一号議案 東京スタジアム(三十)改修工事請負契約
 第百六十四号議案 東京スタジアム(三十)電気設備改修工事その二請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

平成三十年六月二十二日
経済・港湾委員長 伊藤 ゆう
財政委員長 まつば多美子殿
   契約議案の調査について(報告)
 六月二十日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第百三十八号議案 十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(三十)新築工事請負契約
 第百四十三号議案 中防内五号線南側アプローチ(三十)建設工事請負契約
2 調査結果
 (1) 都ファースト、公明党、自民党は、全議案に対し異議はありません。
 (2) 日本共産党は、全議案に対し、次の意見がありました。
  (意見)
   第百三十八号議案は、約六十億円をかけての新客船ふ頭のターミナル施設工事である。私たちはこれまでも、晴海客船ふ頭を廃止し、巨額を投じて青海に新たな客船ふ頭をつくることは問題であると、一貫して主張してきた。
   クルーズ船に期待の声があることは承知しているが、今月の実績をみても晴海ふ頭で対応は十分可能である。都が大型クルーズ客船の需要予測もできない中で、約三百八十億円という巨費を投じて大型客船ふ頭を整備することは、都民の納得と合意が得られないと考える。よって、本契約案件には反対である。
   次に第百四十三号議案は、中央防波堤と有明ふ頭を結ぶ臨港・南北道路から外防につなげるアプローチ道路工事であり、外防コンテナふ頭Y3の整備を前提にしている。
   そもそも東京港第八次改訂港湾計画は、取扱いコンテナが年間六百十万TEUと過大なコンテナ輸送の想定の下に、道路整備を進めるものである。しかしながら昨年度の実績は、増えているものの四百五十万TEUであり、慎重な対応が必要であると考える。よって、本契約案件には反対である。

平成三十年六月二十二日
環境・建設委員長 田の上いくこ
財政委員長 まつば多美子殿
   契約議案の調査について(報告)
 六月二十日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第百四十四号議案 新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事(三十 三-主四青梅街道)請負契約
 第百四十五号議案 街路築造工事(三十 二-補二十六三宿)請負契約
 第百四十六号議案 和田堀公園調節池工事その二請負契約
 第百四十七号議案 野川大沢調節池工事(その二)請負契約
2 調査結果
 (1) 都ファースト、公明党、自民党、立憲・民主、無(維新の会)は、全議案に対し異議はありません。
 (2) 日本共産党は、第百四十五号議案に対し、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
  (意見)
   都市計画道路補助二六号線の世田谷区三宿二丁目から、淡島通りまでの区間は、二〇〇六年七月に、都市計画道路第三次優先整備路線として事業説明会が開かれ、その後、二〇〇七年に、住民から二千二百四十六名の署名をつけて「建設中止に関する請願」が出された。
   当時、都は、補助二六号線の整備は、車両の円滑な通行を第一の建設理由にあげ、併せて、延焼防止帯の防災道路との説明を行っていた。しかし、地域住民は、現道がなく静かな住宅地に幅員二十メートルの道路が建設されると、生活環境が全く変わってしまうとの懸念を強くし、建設中止を求めた。その後、都は、この区間を二〇一二年から特定整備路線とした。
   道路予定地は、高低差が大きい複雑な地形であり、この地にある十三階建ての二百数十戸のマンションや戸建て住宅に接して補助二六号線が建設された場合、長年、近隣住民が懸念している生活環境への負荷は免れない。
   地域を分断する幅二十メートルの大型道路は、車を呼び込み、騒音や大気汚染などをもたらす。また、お花見などの憩いの場所であり、クールスポットともなっている北沢川緑道も分断される。更に、補助二六号線が接続する淡島通りの交差点は、信号待ちの車両が坂道発進することとなり、盛土工事部分につくる、幅六メートル、高さ三メートルのボックスカルバートの横断路は、交通事故や防犯上の不安がある。
   現在、地権者からの用地買収が進んでいるが、地域分断の環状六・五とも呼ばれている補助二六号線、三宿-淡島通り間の道路建設は、近隣住民の合意が得られておらず、環境悪化などの問題点が多いことから、反対であることを表明する。

平成三十年六月二十二日
警察・消防委員長 大津ひろ子
財政委員長 まつば多美子殿
   契約議案の調査について(報告)
 六月二十日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第百四十二号議案 東京消防庁多摩消防署庁舎(三十)改築工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

○まつば委員長 この際、本案及び本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○清水(や)委員 発言をさせていただきます。
 基本的に、全議案に賛成の立場から意見を申し上げます。
 まず、付託されました税制についての条例改正案についてです。
 当委員会には、たばこ税及び固定資産税の改正に関する都税条例等の一部を改正する条例案及び宿泊税条例の一部を改正する条例案が付託されました。
 本条例案の中身につきましては、粛々と実施していただくということに尽きるかと存じますが、一言申し上げますと、たばこ税につきましては、手持ち品課税が三回にわたって課税されるわけでございます。
 まず、この税率改正前に出荷または売り渡しが行われている場合には、引き上げ前の税率で課税されていることになります。問題は、たばこ販売業者などは、所轄税務署または地方自治体に、たばこ税の手持ち品課税納税申告書を提出し、手持ち品課税によるたばこ税を五カ月後に納付するという、いわばタイムラグが生じているということです。
 開業、廃業の激しいコンビニ、例えば、中小事業者の廃業などの対応がございます。実際に事務を取り扱う事業者の中には、大変なご迷惑、ご負担をおかけすることになるとともに、都としても、国や市町村とタッグを組んで取り組まなければならない課題かと存じます。
 問題点が翌年以降に繰り越されないよう、行政としてしっかりと取り組んでいただきたいと存じます。
 次に、宿泊税についてです。法定外目的税である宿泊税につきましては、条例改正案を付託されたほか、詳細な報告をいただきました。
 オリンピック期間、七月から九月、この税金につきましては、免税するという点では大いに賛同いたします。この十五年間、宿泊税はおおむね順調に運営されてきたという評価もできましょうし、今後の宿泊需要の増加を考えると、細かい箇所も含め課題が多いという評価もできるかと存じます。
 そこで、まず、四点について意見を申します。
 一点目は新規事業者、二点目は無申告者について、三点目は既存事業者について、そして四点目は申告納税について申します。
 まず、新規事業者についてですが、登録者数は近年顕著な伸びを示しています。
 事前の申告制度の丁寧な説明や無申告者に対しての期限後申告の慫慂を行うなど、引き続き、適正な申告納税に努めてください。
 二点目、無申告者についてでございます。
 近年、ラブホテルやレジャーホテル、カップルズホテル、ファッションホテルなど、保健所への届け出の開業届の提出の際、業種欄に旅館、ホテルと記入せず、例えば休憩所などと記入することで、宿泊税という申告納税である限り、この宿泊税の課税を免れる余地が十分に考えられます。対応していただければと思います。保健所と連携し、特別徴収義務者の把握に努めてください。
 三つ目の既存事業者でございます。
 新規登録事業者へのフォローは積極的に取り組んでいることがわかりました。既存事業者につきましては、今まで以上に積極的に調査に取り組み、適正申告に努めてください。
 そして最後の申告納税についてでございます。
 平成十七年一月から、東京共同電子申請・届出サービスにつき、七百件弱の登録施設数のうち、この電子申告利用者数は十一年間でゼロ件でございました。そして、去年はいろいろ緩和していただくこと、工夫することで三十五件に上りました。それでもまだ全体の五%でございます。一件当たりの平均が四百万前後でございますので、そしてまた今後も登録施設数が前年度比五%から一〇%ペースで伸びることを考えますと、利用率アップのための対応を求めます。
 聞けば、現在、千代田都税事務所の二人の職員で対応されているということで、敬意を表します。この点についても申し上げ、私からの意見を申し上げたいと思います。
 ありがとうございます。

○曽根委員 本委員会に付託された議案について、日本共産党の意見を述べます。
 まず、第百三十八号議案、新客船ふ頭ターミナル施設の建設工事契約についてです。
 本議案は、新客船ふ頭関連で最大の工事契約であり、今後並行して行われるターミナル施設内の設備工事などとあわせて客船ターミナルの施設を完成させ、本事業の最終仕上げとなります。
 しかし、東京港には一定のクルーズ船の需要はありますが、まだ十分に需要に対応できている晴海のターミナルを廃止、撤去して、横浜港が先行して開発を進めている、大型クルーズ船を目当てにした巨大ふ頭の建設に、総額三百八十億円もの巨費を投じることは、横浜港とも競合することとなり、また、明確な需要の見通しもないことから、都民の理解と納得は得られないとも考えます。よって、本契約議案には反対です。
 次に、第百四十三号議案、中央防波堤と有明ふ頭をつなぐ臨港南北道路から外防へのアプローチ道路の整備についてです。
 これは、外防に整備しているY1からY3までのコンテナバース整備に連動した道路ですが、これは東京港の取り扱うコンテナ貨物量が、現状の四百五十万TEUから六百十万TEUへ増大することを前提としており、慎重な検討が必要であると考えます。よって、本議案には反対します。
 最後に、第百四十五号議案、世田谷区三宿における特定整備路線補助二六号線の整備工事の契約議案についてです。
 本路線は、起伏の大きな、緑の環境で、現道のない閑静な住宅街に、盛り土や擁壁で大型道路を整備するというもので、交差道路はトンネルでくぐらなければならなくなり、まちが大きく分断されます。
 第三次優先整備路線に指定された当時から、二千名を超える住民から都に建設中止の請願が提出されるなど、住民の反対論が大きかったにもかかわらず、東京都はその後、特定整備路線に指定して、周辺住民の多くが納得しないまま強引に事業化が進められていることから、本議案には反対します。
 その他の議案には賛成することを申し上げて、日本共産党の意見表明とします。

○上田委員 全議案賛成の立場ではございますけれども、法定外目的税、宿泊税について一言申し上げさせていただきたいと思います。
 委員会質疑でもたださせていただきましたとおり、この宿泊税、徴税側も納税側も負担感が大きいということが質疑の中で明らかになりました。東京都産業労働局等も付されておりますけれども、観光産業費の中に占める割合も一五%となり、財源を使うことが目的化しているのではないかといわざるを得ません。
 そもそも産業振興に熟達していない行政が担うより、税金を取らずに民間に自由にやっていただき、税金対策コストを気にせずに大いに稼いでいただき、景気循環を促して、結果、税収アップに貢献いただけるものと考えます。
 税金を取ったり煩雑な手続で民間の邪魔をしないことが都の務めだと思います。導入当初から十五年の月日は流れ、成熟都市東京での目的は果たしたのでないでしょうか。
 改めて、公平、中立、簡素という税金の基本原則に立ち返り、オリ・パラ期間中だけの停止ではなく、廃止することで、インバウンドを受け入れる国際金融都市、メガロポリスとして世界の都市間競争に勝ち抜き、我が国の観光産業を発展させていくものということで廃止を求めるものでございますが、今回の議案は三カ月間の停止ということで賛同するものでございます。

○まつば委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百三十八号議案、第百四十三号議案及び第百四十五号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○まつば委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十八号議案、第百四十三号議案及び第百四十五号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百二十四号議案、第百二十五号議案、第百三十九号議案から第百四十二号議案まで、第百四十四号議案、第百四十六号議案から第百四十九号議案まで及び第百六十四号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認めます。よって、第百二十四号議案、第百二十五号議案、第百三十九号議案から第百四十二号議案まで、第百四十四号議案、第百四十六号議案から第百四十九号議案まで及び第百六十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○まつば委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○まつば委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。

○まつば委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、武市財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○武市財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案いたしました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 付託議案及び報告事項のご審議の過程で委員の皆様方から賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○まつば委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十四分散会

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