財政委員会速記録第二号

平成三十年三月六日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長小松 大祐君
副委員長石川 良一君
理事増田 一郎君
理事上田 令子君
理事曽根はじめ君
おじま紘平君
伊藤しょうこう君
うすい浩一君
藤井あきら君
清水やすこ君
宇田川聡史君
長橋 桂一君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小室 一人君
契約調整担当部長五十嵐 律君
主計部長松川 桂子君
財産運用部長山根 恭子君
利活用調整担当部長鈴木 光祐君
建築保全部長永島 恵子君
技術管理担当部長中山  衛君
庁舎運営担当部長米今 俊信君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小山 明子君
税制部長副島  建君
税制調査担当部長栗原 哲治君
調整担当部長笹本  勉君
課税部長安藤 敏朗君
資産税部長大久保哲也君
徴収部長川上 秀一君
特別滞納整理担当部長新井 裕二君
会計管理局局長土渕  裕君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中澤 基行君
警察・消防出納部長加藤 政弘君
会計制度担当部長野口 毅水君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳入、歳出
主税局所管分
・第百一号議案 平成二十九年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
財務局関係
報告事項(説明・質疑)
・議案の撤回について
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、都債
・第四十号議案  東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金条例の一部を改正する条例
・第七十七号議案 都立七生特別支援学校(二十九)改築及び改修工事請負契約
・第七十八号議案 都立東村山高等学校(二十九)改築工事請負契約
・第七十九号議案 警視庁有家族者待機寮新明石住宅(二十九)改築工事請負契約
・第八十号議案  都営住宅二十九H-一一一東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・第八十一号議案 都営住宅二十九H-一一二東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・第八十二号議案 都営住宅二十九H-一一四西(多摩市中沢一丁目)工事請負契約
・第八十三号議案 駒沢オリンピック公園総合運動場(二十九)硬式野球場増築及び改修工事その二請負契約
・第八十四号議案 東京都多摩障害者スポーツセンター(二十九)改修工事請負契約
・第八十五号議案 警視庁東京国際空港庁舎(仮称)(二十九)新築工事請負契約
・第八十六号議案 十三号地新客船ふ頭ターミナル施設(二十九)新築電気設備工事請負契約
・第八十九号議案 梅ヶ谷トンネル(仮称)整備工事(西-梅ヶ谷の二)請負契約
・第九十号議案  十三号地新客船ふ頭岸壁(二十九)建設工事請負契約
・第九十一号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十三)請負契約
・第九十二号議案 呑川防潮堤耐震補強工事(その十七)その二請負契約
・第九十三号議案 仙台堀川護岸耐震補強工事(その三)請負契約

○まつば委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局、主税局及び財務局関係の中途議決に係る付託議案の審査並びに財務局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 なお、付託議案中、第七十七号議案から第八十六号議案まで及び第八十九号議案から第九十三号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第九十九号議案、平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○まつば委員長 これより主税局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第九十九号議案、平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳入、歳出、主税局所管分及び第百一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○まつば委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○武市財務局長 本定例会に提出いたしました契約議案十七件のうち、第八十七号議案、城北中央公園調節池(一期)工事請負契約及び第八十八号議案、境川金森調節池工事請負契約についてご報告申し上げます。
 仮契約の相手方である大林・鹿島・大本建設共同企業体及び鹿島・大林建設共同企業体のそれぞれの代表者または構成員であります鹿島建設株式会社の担当幹部が、リニア中央新幹線建設工事に関して独占禁止法違反容疑で、平成三十年三月二日逮捕されました。
 本件の仮契約に当たり、指名停止等措置要綱別表各号のいずれかに該当する場合、仮契約を解除することがあるとしております。
 今回のケースは別表四の(一)に該当するため、二件の仮契約を解除し、本議案を撤回させていただくことといたしました。よろしくお願い申し上げます。

○まつば委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対し、何かご質問等がありましたら発言を願います。

○上田委員 まず、明らかになりましたリニア談合事件に係る仮契約解除について、先ほどご説明いただきましたが、現状確認させていただきます。
 報道によれば、今回のリニア談合事件にかかわった業者は、鹿島建設、大成建設、大林組及び清水建設の四社とされています。そのうち鹿島建設及び大成建設の二社の幹部が独占禁止法違反容疑で逮捕されております。
 しかしながら、その二社以外の大林組及び清水建設については、独禁法違反の課徴金減免制度につき自主申告した事情を考慮し、逮捕を見送ったと報道があります。その自主申告とは、みずから独占禁止法違反を認めているということにとれますが、都としては、この事案をどのようなきっかけで、いつ把握したのか、また、現状の把握の状況について、いま少しご説明ください。

○五十嵐契約調整担当部長 鹿島建設株式会社及び大成建設株式会社の担当役員の逮捕につきましては、三月二日の午後の報道機関の速報により把握したため、直ちに両社の担当者を都庁に呼び、逮捕の事実を直接確認したところでございます。
 現在、東京地方検察庁等による捜査が継続中とのことでございまして、逮捕容疑の詳細については、現時点では把握していないところでございます。

○上田委員 報道によって知ったということでございましたね。
 今回の事件に関して、東京都競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱、以下、指名停止要綱というふうにいわせていただきますが、これにおけますお取り扱いをお伺いしたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 大成建設株式会社及び鹿島建設株式会社につきましては、独占禁止法違反の容疑で幹部が逮捕されたことが指名停止等措置要綱別表四(一)に該当し、要綱第三の二ただし書きに基づき、平成三十年三月二日付で、即日で指名停止としたところでございます。
 なお、指名停止の期間につきましては、今後、違反行為の内容が確定した時点で改めて決定することとしております。

○上田委員 ちなみに指名停止期間は、規定では二十四カ月が最長となっておりますので、また動向を見まして、どのぐらいになるかということを確認させていただきたいと思います。
 続きまして、逮捕に至った二社は指名停止要綱別表四(一)、逮捕に至っていない状況でのほかの二社は指名停止要綱別表四の(二)に該当すると思われますが、いかがでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 今回、独占禁止法違反容疑で幹部が逮捕されました大成建設株式会社及び鹿島建設株式会社につきましては、指名停止等措置要綱の別表四(一)に該当するため、指名停止措置としたところでございます。
 株式会社大林組及び清水建設株式会社につきましては、独占禁止法の課徴金減免制度による自主申告をしたとの報道はございますが、現在のところ、公正取引委員会及び東京地方検察庁のいずれからも、都が定める指名停止等措置要綱に該当するような処分が出されていないことから、四の(二)独占禁止法違反に該当するかを判断する状況にはなっておらず、不明というところでございます。
 したがいまして、都としては、今後、公正取引委員会及び東京地方検察庁の動向を注視している段階でございます。

○上田委員 私も注目したいと思います。
 今回の仮契約解除案件については、改めて契約手続を行うとしていますが、当該仮契約案件について、個別工事の入札参加条件を付していたのでしょうか。付していた場合、その条件内容をお示しください。
 また、共同企業体数のことですが、条件設定時における入札参加可能業者数の想定は、どのくらいの業者数であったのか、さらに、当該契約解除案件の入札経過調書をお示しください。

○五十嵐契約調整担当部長 当該仮契約案件二案件とも、それぞれ入札参加条件として施工実績を付しているところでございます。
 城北中央公園調節池(一期)工事につきましては、平成十九年十月一日から平成二十九年十月二十六日までの約十年間に、単体の元請または建設共同企業体の代表として、ニューマチックケーソン工事で一函当たりの平面積が五百平方メートル以上の工事を完成した実績を有することとしておりまして、入札参加可能業者数は十九者でございます。
 次に、境川金森調節池工事につきましては、平成九年十一月一日から平成二十九年十一月一日までの約二十年間に、単体の元請または建設共同企業体の代表者として、山どめが地中連壁方式で最大施工深度二十四・五メートル以上の工事及びコンクリート量七万一千八百二十立方メートル以上のコンクリートを使用した工事を完成した実績を有することとしておりまして、入札参加可能業者数は二十三者でございます。
 次に入札経過でございますが、城北中央公園調節池(一期)工事につきましては、平成二十九年十二月一日に開札し、九者が応札、調査基準価格を下回った二者に対して低入価格調査を実施いたしましたが、いずれも失格等となったため、十二月四日付で、第三順位の大林・鹿島・大本建設共同企業体を落札者として決定いたしました。
 境川金森調節池工事につきましては、平成二十九年十二月八日に開札し、辞退した一者を除く九者が応札、調査基準価格を下回った三者に対して低入札価格調査を実施いたしまして、いずれも失格となったため、同日付で第四順位の鹿島・大林建設共同企業体を落札者として決定したところでございます。

○上田委員 城北中央公園の方は参加可能業者が十九者ということと、町田の境川金森調節池の方は二十三者ということで、工事の撤回によります影響をちょっと考えているところですが、鹿島建設、大成建設、大林組及び清水建設のいわゆる大手ゼネコンが指名停止となった場合、今後の発注工事への影響はどのようなことが考えられるのかお示しください。

○五十嵐契約調整担当部長 お話の大成建設株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社大林組及び清水建設株式会社が指名停止となった場合についての影響でございますが、指名停止期間中は、東京都の競争入札に参加することはできないため、例えば、極めて規模が大きな工事案件、技術的に高度で施工が困難である工事案件、あるいは建設当時に各社が元請事業者であった大規模施設の改修工事案件など、入札参加可能なものが限られる傾向がある案件におきまして、不調による工事のおくれなどの影響が生じるおそれがあると考えられるところでございます。

○上田委員 今、ちょっと普通に考えて、ニューマチックケーソン工事で一函当たり平面積が五百平米以上というと、かなり限られるんじゃないのかなと思っておりますので、引き続き注視をしてまいりたいと思います。
 やっぱりお金のことが心配です。契約解除に伴う違約金の発生の有無について確認させてください。あるとすれば、その金額もお示しください。仮に訴訟に発展した場合の対応についてもお尋ねいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 今回、撤回した議案二件につきましては、いずれも仮契約の解除でございます。仮契約は、議決された場合に本契約を締結することを内容とするものでございまして、議決前は本契約が成立しておらず、債権債務が発生しておりません。したがいまして、今回のような仮契約の解除では違約金は生じないこととなるものでございます。

○上田委員 ということは、訴訟にも発展する可能性もないというふうに理解をいたしました。
 鹿島建設、大成建設、大林組及び清水建設の四社が、記録に残っている限りで、過去に指名停止となった案件の詳細、あればご説明ください。

○五十嵐契約調整担当部長 ただいまお話の大成建設株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社大林組、清水建設株式会社が過去に指名停止となった理由につきましては、工事履行中の事故、建設業法、刑法、独占禁止法等の法令違反などでございます。
 今回の指名停止を除き、平成二十年四月以降の直近十年間で見てみますと、大成建設株式会社にあっては工事事故で二件、独占禁止法違反、刑法違反、水質汚濁防止法違反、建設業法違反でそれぞれ一件ずつの計六件でございます。鹿島建設株式会社にあっては工事事故で三件ございます。株式会社大林組にあっては工事事故及び独占禁止法違反が一件ずつの計二件、清水建設株式会社にあっては工事事故が二件及び独占禁止法違反が一件の計三件というふうになってございます。

○上田委員 やっぱり過去に独禁法違反の事例があったようでございますね。入札あるところに談合ありというようなことが、やはりなかなかなくならないのかなというふうにも思っております。
 現状では、事件の全貌については把握し切れてはおりませんが、都の事業に波及することはないのか。また、仮にこのような事態になった場合の対応について、答えられる範囲でご説明ください。

○五十嵐契約調整担当部長 都の事業への波及についてでございますが、東京地方検察庁等の今後の捜査次第でございまして、現時点では不明でございますが、指名停止等措置要綱に該当する事案が判明した場合には、適切に指名停止等の措置を講じてまいります。

○上田委員 随時、この当委員会初め都民への情報がわかり次第、提供いただければと思います。
 以上で終わります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○まつば委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十九号議案、平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局・財務局所管分、都債、第四十号議案、第七十七号議案から第八十六号議案まで及び第八十九号議案から第九十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小室経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 最初に、表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
 今回要求のございました資料は、記載してございますとおり、契約案に関する四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。要求資料第一号、中小企業受注実績、局別をごらんください。
 こちらは、中小企業の受注実績を局別にお示ししたものでございまして、平成二十八年度までの過去五年分を一ページから五ページにわたり記載してございます。
 続きまして、六ページをお開き願います。要求資料第2号、都内の公契約条例等制定自治体でございます。
 こちらは、都内の自治体における公契約条例等の制定状況をお示ししたものでございます。
 七ページをお開き願います。要求資料第3号、平成三十年第一回都議会定例会契約案に係る入札参加条件及び辞退理由でございます。
 こちらは、本定例会に提出いたしました契約案の入札参加条件及び辞退理由をお示ししたものでございまして、七ページから二〇ページにわたり入札参加条件を、二一ページ及び二二ページに辞退理由を記載してございます。
 恐れ入りますが、二三ページをお開き願います。要求資料第4号、低入札者への聴取の日時及び内容でございます。
 こちらは、本定例会に提出いたしました契約案のうち、低入札者への聴取を実施した案件の件名及び調査の概要をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水(や)委員 平成二十九年度最終補正予算は、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てなど一般会計で約二千三百億円、特別会計で約一千四百億など、合計で約三千七百億円の規模となっています。平成二十九年度予算の最終的な姿を明らかにし、その適否を見きわめることはもちろん、平成三十年度予算の審議を進めていく上でも重要な論点が含まれていることから、今回の補正予算の内容をしっかり掘り下げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まずは、平成二十九年度最終補正予算案が、どのような考え方に基づいて編成されたのか伺います。

○松川主計部長 平成二十九年度最終補正予算案は、三つの点を基本として編成をいたしました。
 一点目は、東京二〇二〇大会の準備の本格化に向けた対応でございます。具体的には、平成二十八年度決算剰余金千二百八十八億円と、パラリンピックに係る国負担分として受け入れた国庫支出金三百億円を合わせました千五百八十八億円を東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金へ積み立てるとともに、共同実施事業に係る組織委員会への負担金を計上しております。
 二点目は、平成二十九年度に追加の対応が必要な事項についての予算措置でございます。具体的には、予算の執行状況の総点検を行い、現時点で不用額となることが明らかな事項などを精査し、千三百四十九億円の財源を生み出す一方、待機児童解消区市町村支援事業の増額など、都民生活にかかわる事項に百六十八億円を計上しております。
 三点目は、築地市場の解体に向けて適切な対応を図るものでございまして、契約済みの築地市場解体工事に係る工期を平成三十一年度まで延伸することとし、中央卸売市場会計におきまして債務負担行為四十三億円を計上いたしております。

○清水(や)委員 ただいまの答弁によりますと、二十八年度決算における歳出の見直し等により生じた剰余金等を活用し、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に積み立てを行うとともに、共同実施事業に係る経費についても予算を計上していらっしゃるとのことです。
 また、本定例会では、オリ・パラ基金に充当できる対象を仮設整備等へ拡大する条例改正案が提案されており、これは、大会経費について去年五月にまとまった大会の役割分担に関する基本的方向に基づくもので、制度と財政の両面から本格化する大会準備を支えるものと認識しております。
 さらに今回、バリアフリー環境の整備やボランティアの育成、都市インフラの整備など、大会に関連する事業を提示し、必要額として八千百億円を明らかにしています。
 これらの取り組みは、大会の成功を支えるだけでなく、都市機能の強化、より暮らしやすいまちの実現、そして共助、共生社会の実現など、有形無形のレガシーを創出し、東京の将来にわたる発展に大きく貢献するものと考えます。
 いよいよ東京二〇二〇大会の準備が本格化いたしますが、大会経費に大会に関連する事業を加えた平成三十二年度までの約一・四兆円の財政需要に係る財源をどのように確保していくのかは、都民にとっても大変気になるところでございます。
 そこで伺います。東京二〇二〇大会の開催準備に係る財源確保の基本的な考えについて伺います。

○松川主計部長 東京二〇二〇大会の開催に当たりましては、都民生活に影響を与えない、将来にツケを残さないという考え方を基本に財源対策を講じております。
 具体的には、恒久施設の整備や仮設、セキュリティーに係る費用などの大会経費につきましては、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を活用することで対応してまいります。
 また、ボランティアの育成など、大会を契機として、東京の価値を一層高めるための大会に関連する事業につきましては、都債の発行を極力抑制するとともに、事業内容や基金の設置目的などを踏まえながら、三つのシティー実現に向けた基金を積極的に活用することなどによりまして対応してまいります。

○清水(や)委員 私も視察で行ってまいりました平昌オリンピックも、感動のうちに閉会し、九日からは、いよいよパラリンピックが始まります。東京大会まで準備も待ったなしとなる中、財源確保に努め、開催都市としての責任を財政面からも果たしていく姿勢を高く評価いたしたいと思います。
 平昌大会で受けた感動を、今度は東京が全世界に届ける番となります。また、世界中から訪れる方々を万全の体制でお迎えするためにも、準備を着実に進め、大会を成功へと導いていかなければなりません。
 一方、社会保障関係経費や社会資本ストックの維持更新経費など、都は、実に膨大な財政需要を抱えています。そのような状況にもかかわらず、平成三十年度税制改正では、都の反論を顧みることなく国による不合理な見直しが強行され、結果として、都は、一千億円以上の減収となってしまいました。大変残念ではございますが、こうした状況も踏まえますと、今後の財政運営にとっては、無駄の排除の徹底がますます重要になってくると考えております。
 先ほどの答弁で、平成二十九年度最終補正予算では、予算の執行状況の精査により、一千三百四十九億円の財源を捻出されたとのことであります。
 そこでお伺いいたします。増加していく財政状況を、財政需要を踏まえた上で、平成二十九年度最終補正予算を含め、今後の財政運営に対する局長の決意を伺います。

○武市財務局長 東京都は、都税収入が景気動向に左右されやすい、そういう不安定な財政構造にある一方で、お話にもございましたように、国からは、これまで幾度となく不合理な税制度の見直しが繰り返されておりまして、三十年度におきましては、地方消費税の清算基準が見直しという形で強行され、三十一年度におきましても、地方法人課税のさらなる見直し検討というのが予告をされていると、そのような状況にございます。
 しかし、そうした中にありましても、開催まで二年半を切りました二〇二〇年東京大会、その開催に向けたさまざまな準備を着実に進めていく必要がございます。
 今回の補正予算の中では、決算の剰余金、黒字を活用いたしまして、オリンピック・パラリンピック開催準備基金に、過去最高となる規模での積み立てを行ったところでございます。それ以外にも、本格化する少子高齢、人口減少社会への対応、あるいは社会資本ストックの老朽化といった今後増大する財政需要への対応、日本全体の持続的成長につながるような施策などにしっかり取り組んでいく必要がございます。補正予算の中で改めて経費を点検し、新たな財源を生み出しまして将来への備えを講じたところでございます。
 今後とも、これまで着実に成果を積み上げてまいりました事業評価の取り組み、これをさらに促進していくとともに、予算の執行段階におきましても、徹底した経費削減努力などを重ねまして、賢い支出というものを徹底してまいります。その上で、中長期的な視点に立ちまして、都債や基金、これらを計画的かつ戦略的に活用していくことで財源の確保に努めまして、強固で弾力的な財政基盤をしっかり堅持していきたいと考えております。

○清水(や)委員 今、局長から財政運営に向けた力強いご決意をいただきました。税金をチェックしてきた身としましては、一千三百四十九億円という並々ならぬ皆様のご努力、大変敬意を表したいと思います。
 知事も施政方針で、持続的な都市経営に欠かせない賢い支出を引き続き徹底するとおっしゃっており、私もまさにそのとおりだと考えます。三十年後、五十年後を見据えた東京、そして日本の明るい未来の実現に向けて、これまで以上に盤石な財政運営を行っていただくことを強く求め、質問を終わらせていただきます。

○うすい委員 よろしくお願いします。
 オリ・パラの開催準備基金について伺います。
 平成二十九年度最終補正予算案では、平成二十八年度決算剰余金や現時点で執行しないことが明らかな不用額の精査などによって生み出された財源等を活用して、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てなどを行うとのことであります。
 今後の都財政は、東京二〇二〇大会の開催準備のみならず、本格的な少子高齢とともに、人口減少社会の到来や都民の生命と財産を守るための防災対策など、ますます財政需要が増大していくことが見込まれており、難しいかじ取りが求められております。こうした中においても、強固で弾力的な財政基盤を堅持して、都民の暮らしをしっかりと守っていくことが肝要であると思うわけでございます。
 そこで、今回の最終補正予算案では、どのように財源を確保し、どのように東京二〇二〇大会の開催に向けて基金への積み立てなどの活用を図っていくのかについて、掘り下げて伺いたいと思います。
 まず、平成二十九年度最終補正予算案における財源確保の考え方、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立ての考え方について答弁を求めます。

○松川主計部長 平成二十九年度最終補正予算案では、歳出面において、予算の執行段階における徹底した経費削減努力や契約差金、補助金交付実績の減など、現時点で不用額となることが明らかな経費を精査し、千三百四十九億円の財源を満たしております。
 一方、歳入面におきましては、平成二十八年度決算における繰越金千四百九十億円や、パラリンピックに係る国負担分として受け入れた国庫支出金三百億円、その他、都税の増収や歳出不用額の精査に連動した歳入の減などにより、合計二千二百九十九億円の財源を確保いたしております。
 また、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てにつきましては、パラリンピックの国負担分三百億円と都負担分として二十八年度決算の剰余金と同額となる千二百八十八億円、合わせて千五百八十八億円を積み立てることといたしております。

○うすい委員 予算編成のプロセスのみならず、予算の執行段階における徹底した経費削減努力などによって財源を生み出し、必要な政策などを進めていく、こうした財政運営における一つ一つの工夫、そうしたことがまさに重要であり、今後とも、こうした不断の努力を継続していただきたいと思います。
 また、今回、こうした財源のうち国負担分三百億円、都負担分千二百八十八億円の合計で、千五百八十八億円を東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に積み立てるとのことであり、東京二〇二〇大会の開催に必要な経費について、着実に積み立てを行っていることが理解できました。
 次に、この積み立てについて、国負担分と都負担分と、それぞれ詳細に伺いたいと思います。
 まず、国負担金の三百億円についてでありますけれども、なぜ今回、国負担分の経費である三百億円をオリンピック・パラリンピック開催準備基金に積み立てるのか、見解を伺います。

○松川主計部長 昨年五月に合意なされました大会の役割分担に関する基本的な方向、いわゆる大枠の合意につきまして、パラリンピック経費につきましては、組織委員会がその二分の一を、都と国とがそれぞれ四分の一を負担することとし、今回その合意に基づく国負担分三百億円を国庫支出金として受け入れ、オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てを行いたいと存じます。
 パラリンピック競技大会の開催準備に直接必要となる個々の事業につきましては、国及び都が役割分担に応じて負担する財源を活用し、組織委員会が実施することとしております。
 なお、事業実施に当たりましては、都、国、組織委員会で構成いたします共同実施事業管理委員会におきまして、コスト管理や執行統制強化の観点から適切に管理を行いながら、三十二年度までに順次支出をいたします。
 こうしたことから、今回受け入れた国負担分の経費につきましては、事業の進捗に応じて、都負担分の経費とあわせて組織委員会に支出するため、当該基金に積み立てることといたしたものでございます。

○うすい委員 事業の進捗に応じて、都負担分の経費とあわせて組織委員会に支出をするため、今回受け入れた国負担分の経費は、都の基金に積み立てを行うとのことであります。また、事業実施に際しては、共同実施事業管理委員会において適切な事業遂行に資する管理を行うとのことでありますが、引き続き財政当局としても、都民、国民から負託された資金について適正な管理に努めていただきたいと思います。
 一方で、今回、都負担分としては、平成二十八年度決算の剰余金を活用し、千二百八十八億円の積み立てを行うとのことであります。
 そこで、今回の東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てにより、都が負担する大会経費の財源は、その全額が確保されたのかどうか、基金の現状について伺います。

○松川主計部長 昨年十二月に公表されました大会経費バージョンツー、一兆三千五百億円のうち、都の負担額は六千億円でございますが、このうち競技会場等が所在する関係自治体における輸送、セキュリティー等に関する経費百五十億円につきましては、全国の宝くじ財源を都が受け入れて組織委員会に支出することとし、都分といたしましては、必要な財源は五千八百五十億円となります。これに対しまして、今回積み立てる千二百八十八億円や恒久施設の整備に既に活用してきた分を含めた財源確保額は五千四百六十八億円となっておりまして、残りの必要額は三百八十二億円となります。そのため、現段階で都が負担する大会経費につきましては、九割を超える財源が確保されたこととなります。

○うすい委員 東京二〇二〇大会の開催に直接必要となる大会経費について、九割を超える財源を確保したことになるとのことでありまして、これで楽観視してはいけませんが、まさに、おおよその目途が立ったといってもよいのではないかと思います。
 引き続き、東京二〇二〇大会の開催に必要な財源について、予算編成や予算執行段階における徹底した経費削減努力などによって、都民サービスに影響を与えることなく財源確保を図っていくべきと考えます。
 そこで、都が負担する大会経費に対して、さらに約三百八十億円の財源確保が必要とのことでありますが、どのように対応していくのか、見解を伺います。

○松川主計部長 都が負担いたします大会経費のうち、財源確保が必要な残り約三百八十億円につきましても、引き続き、都民生活に影響を与えない、将来にツケを残さないという基本的な考えのもと財源確保を行ってまいります。
 具体的には、平成三十年度以降も事業評価の取り組みを徹底し、予算執行段階における徹底した経費削減努力などにより財源を生み出してまいります。

○うすい委員 確認のために伺います。平成二十九年度最終補正予算案に計上されている共同実施事業の財源として、オリンピック・パラリンピック開催準備基金を充当するためには条例改正が必要であります。本定例会に改正案が提出されているわけでございますが、改正と充当との関係は時期的に問題はないのか、見解を伺います。

○松川主計部長 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金につきましては、その根拠となる条例の改正案を本定例会に提出し、ご審議をいただいておりまして、可決いただければ三月中の施行を予定してございます。
 平成二十九年度最終補正予算案に計上しております共同実施事業につきましては、本条例の改正後に同基金を充当し、組織委員会への支出を行うこととなっており、問題は生じないものと認識しております。

○うすい委員 ありがとうございました。確認させていただきました。
 引き続き、中長期的な視点に立って、強固で弾力的な財政基盤の堅持に努めていただき、都民生活に影響を与えない、将来にツケを残さないとの考え方のもと、東京二〇二〇大会の開催準備を着実に進めていただくことを求めまして、次の質問に移ります。
 今回、定例会に提出されております工事請負契約議案について伺います。
 今回の議案のうち、落札率が九九%以上の高落札率の都営住宅二十九H-一一一東(江東区辰巳一丁目)工事の議案について質問させていただきます。
 本議案の入札経過調書を見てみますと、参加者は十三者と多いわけですが、落札者以外は低入札価格調査対象が一者、辞退が二者のほか、九者、約七割が予定価格を超過しており、予定価格と入札参加者の応札価格に乖離があるように思います。
 そこで、予定価格は適切に設定することが重要だと考えますけれども、財務局はこの入札経過をどう考えるのか、見解を伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 都が定めます予定価格につきましては、積算基準に基づき、標準単価のほか、見積もりに基づく単価や市販刊行物を根拠とする単価に、資材等の数量を乗じて求めた直接工事費と現場管理費等の必要な経費を加え、適正に算出しているところでございます。
 標準単価は、資材等の市場動向を速やかに反映できるよう、年四回の定期改正を行っており、可能な限り実勢を反映した積算を行っているところでございます。
 本件につきましても、最新の単価と積算基準に基づき算定された予定価格をもとに、適正な契約手続のもとで一般競争入札により入札参加者が多数参加し、適切な入札が行われた結果であるというふうに認識しております。

○うすい委員 今回の議案は、入札契約制度改革後の新制度で契約手続を行った議案であり、予定価格は事後公表で行われています。事業者の応札価格が超過したり、低入札となったり、予定価格との乖離が見られるということは、予定価格の事後公表が少なからず影響しているのではないかと思うわけでございます。
 乖離が大きくなれば不調となり、都にとっても事業者にとっても、負担や損害が大きいことはいうまでもございません。都営住宅に関しては、第三回の入札経過調書を見てみますと、入札しても不調になって、今回の議会に提出できなかった案件二件があるようであります。
 我が公明党は、代表質問でも述べましたが、中小建設業からは、特に事後公表の改善要望が寄せられております。中小企業は、予定価格の積算に当たっては、現場監督が現場から会社に戻って夜なべをして積算しているところもある現実がございます。大手は積算部門もありますが、小規模の企業は一人で何役もやっているから、事後公表に伴い疲弊しているのが現実であります。
 そこで、先日の代表質問において、我が党の東村幹事長が質問しましたが、都民の身近なインフラを整備し、地域経済を支える中小企業者のために、中小契約案件は事前公表に見直すべきと考えますが、見解を伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 予定価格の事後公表でございますが、これは、事業者の積算努力を促すものでございまして、積算を行わず入札に参加する不良不適格業者を防止することができ、中長期的に技術力の高い、すぐれた事業者の確保、育成につながるものというふうに考えております。
 予定価格の事後公表に伴いまして、事業者が適切に積算を行うことができるよう、年間発注予定表や入札公告には、予定価格の目安を示す発注規模の表記とともに、図面の詳細化、積算内訳における数量表示、工程表の公表等の詳細な発注情報の提供や十分な見積もり期間の設定等に努めてまいったところでございます。
 ことし一月の事業者団体との意見交換では、事後公表の継続を求める声もあった一方で、中小企業からは、積算事務負担の増大等により都の入札への参加意欲が減退し、事前公表に戻してほしいとの意見が寄せられたところでございます。
 現在、入札監視委員会において検証を進めているところでございますが、こうした現場の声を受けとめながら、よりよい制度の構築に向けて取り組んでまいります。

○うすい委員 入札契約制度改革の四つの柱である事後公表、JV結成義務の撤廃、一者入札の中止、低入札価格調査制度の拡大のうち、事後公表だけは、各局が行う小規模な工事案件全てに適用した制度であり、中小企業への影響がないよう、見直しを行ってもらいたいことを要望させていただきます。
 また、議案の呑川防潮堤耐震補強工事(その十七)その二などは、四定議案にかけるものが、入札参加希望者が一者以下のため入札を中止し、今回の一定となったと聞いております。耐震補強は、都民の生命を守るインフラ整備であり、一者入札の中止により停滞を招かないようにしないといけないわけでございまして、一者入札の中止の制度についても、議会のたびに問題提起をさせていただいておりますが、事後公表とあわせて廃止も視野に入れて見直しの検討を行ってもらいたいことを強く求めまして、質問を終わります。

○伊藤委員 それでは、私の方からも入札制度改革試行後の結果につきまして、契約議案に基づいて質問をさせていただきます。
 都議会自民党は、都内の努力する中小企業と人材を育成することが大事と、かねてから主張をさせていただいております。さきの代表質問でも、試行中の入札制度の問題点を我が会派の秋田幹事長が指摘し、現場の声にしっかり耳を傾けるよう、たださせていただいたところでございます。
 いわゆる入札制度改革は、財務局契約の昨年六月以降の公表案件から試行しております。その内容は、入札参加促進や落札率の抑制などを目的として、予定価格の事後公表、JV結成義務の撤廃、一者入札の中止、低入札価格調査制度の適用拡大の四つの実施方針であります。
 今定例会で、昨年の四定に引き続いて、試行後二回目の契約議案の審議となります。今回の契約議案十五件となっておりますが、それでは、この議案から、制度改革試行後の結果をどのように評価をしているのか、また課題や問題点についてどのように認識をされておられるのか、まずお聞きをいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 今回の入札契約制度改革は、より入札参加者をふやし、一者入札、落札率九九・九%といった案件の発生を防ぎ、適正な競争のもとで入札が行われていたことを、都民にも目に見える形で制度を再構築することによりまして、入札の透明性を向上させることを大きな狙いの一つとしているところでございます。
 本定例会に提出した契約案件十五件のうち、落札率九九%以上の案件は一件のみでございまして、予定価格の事後公表などの制度改革の効果があらわれたものと考えております。また、入札参加者数について見ますと、混合入札十三件では平均希望者数は八・〇者で、平成二十八年度に契約した財務局契約のJV案件百七十件の平均希望者数三・三者と比較すると大きく増加しており、JV結成義務の撤廃の効果はあったものと考えております。
 一方、今回提出した議案のうち、駒沢オリンピック公園総合運動場や呑川防潮堤の二つの案件は、初回発注で一者入札の中止となっております。
 現在進めております入札監視委員会の議論の中でも、一者入札の中止による都の事業進捗のおくれについての懸念が示されており、今後、制度の取り扱いについて検討する必要があると認識しております。

○伊藤委員 ただいま全体の評価あるいは課題等についてお答えをいただきました。
 それでは、今回の契約議案、七生特別支援学校改修工事請負契約など建築工事九件、設備工事一件、土木工事五件の合計十五件、合計金額は約三百二十億円となっておりますが、先ほどの四つの実施方針について順次お尋ねをしたいと思います。
 まず、一者入札の中止についてであります。案件は、駒沢オリンピック公園総合運動場野球場増築及び改修工事と呑川防潮堤耐震補強工事の二件であります。
 入札経過を確認しますと、駒沢オリンピック公園については、十月の二十日公告、十一月二日一者以下で中止、その後、十一月二十日に再公告で、今回五者参加で三者入札、二者辞退となりました。また、呑川防潮堤については同様に、当初は一者以下中止となり、今回三者参加で三者入札となりました。
 前回の四定の際の一者入札の中止案件は一件のみで、警視庁本部庁舎の大規模改修工事で、業務を継続しながら改修工事を行うなど、施工の困難さなどが一者入札になったものと推察をしているということでありましたが、それでは、今回、一者以下となった原因をどのように認識をしているのか、お答えください。

○五十嵐契約調整担当部長 一般的に申し上げますと、各案件の希望者数につきましては、国や他の自治体、民間も含めた工事発注の取り合いもございまして、その原因を特定することは難しいところでございます。
 そういった全体の中で、駒沢オリンピック公園総合運動場につきましては、建築工事の中でも一般的な庁舎や住宅等と異なり形状が特殊なものであること、照明灯やスコアボードといった特殊な設備が含まれていること、公園敷地内の工事となり資材搬入に制約があることなどが原因として考えられるところでございます。
 呑川防潮堤につきましては、耐震工事の実施に際し、呑川に係留されている多数の船舶所有者との調整を要することが工事事業者に懸念を持たせたということなどが原因として考えられるところでございます。

○伊藤委員 それぞれいろんな事情が考えられる、推察されるということでありますが、再公告することによりまして、一カ月から三カ月のおくれとなっており、工期への影響も懸念されるところであります。
 そもそも東京都は、一者入札にならないように工夫しているということではなかったではないでしょうか。これまで何件一者入札があったのか、その原因の分析や事業者へのヒアリングをどのように行っているのか、お答えください。

○五十嵐契約調整担当部長 入札契約制度改革の試行開始後、一月末までに、希望者が一者以下で中止となった案件数は五十八件でございます。その原因につきましては、案件によりさまざまなものが考えられ特定は難しいところでございますが、一般的には、先ほどもちょっと申し上げましたが、国や他の自治体、民間も含めた同一業種の発注が重なり、技術者の配置が難しいことがございます。そのほかに、工事の施工条件が悪く採算性などの魅力がないこと、改修工事などで元施工業者以外の事業者の施工が難しいことなどが考えられるところでございます。
 また、希望者が一者以下となり中止となった案件や不調となった案件につきましては、再公告の条件設定等の参考とするため、入札参加者や辞退者、資材メーカー等からヒアリングを行っているケースがございます。

○伊藤委員 一者以下になるというのは、いわゆる人気がない工事ということになるんだろうと思います。要は、工事費用が安い、あるいは工期が短い、工事が難しい、こういった事情がそれぞれあるんだろうと思います。
 一月末で、一者入札中止の案件が五十八件にも上るということでありますので、当初から予想していた懸念がそのとおりになっているといっても差し支えないと思います。この一者入札の中止について、ぜひ撤回を求めていきたいと思います。これは要望をさせていただきます。
 続いて、予定価格の事後公表についてもお尋ねをいたします。
 予定価格が事前公表のときには、一〇〇%を超えれば失格になりますので、当然、入札価格が一〇〇%を超えることはありません。一方で、事後公表したことにより、各企業が積算して申し込む価格が一〇〇%を超えることも当然出てまいります。
 今回の議案のうち、業種ごとの件数と入札参加者と、その中で入札価格一〇〇%を超えているこの状況を見ますと、建築九件のうち、合計四十六者参加で一〇〇%超えは二十一者、設備一件のうち、合計十三者参加で一〇〇%超えはゼロ者、土木五件のうち、合計三十六者参加で一〇〇%超えは二者、こういう状況になっております。
 前回の審議の際に、契約調整担当部長の答弁では、予定価格の事後公表に当たっては、事業者が工事内容を十分に把握できない場合は適切な積算ができないおそれがあることから、工事発注時期に示す設計図書について詳細な施工条件や施工内容を明示するとともに、十分な見積もり期間を確保するとの趣旨であったと思いますが、結果からすると、事業者が十分な積算ができる根拠は提供できているのか、あるいは予定価格の設定は妥当であったと考えるのか、お答えください。

○五十嵐契約調整担当部長 予定価格の事後公表におきまして、予定価格を超過した応札があるものは、各事業者が発注図書や積算基準等に基づき積算し、採算性などの経営判断を踏まえた上で決定した応札価格が、結果として予定価格を超過したものと考えております。
 予定価格を超過した応札がある事実をもって設計図書や予定価格が不適切であるかどうか、これは一概に申し上げることは難しいところでございますが、都では、数量積算や単価設定、現場管理費等の経費などの工事の積算ルールを定めた積算基準に基づき、予定価格を適切に算出しているとともに、今回の契約議案全てが最終的に契約締結に至っており、全体として適切であるものと考えております。

○伊藤委員 全体的には適切な契約であると、こういうことでありましたが、さて、ご案内のとおり、契約案件のうち議決案件は予定価格九億円以上の工事が対象であります。確認をしたところ、平成二十八年度の実績では、財務局契約五百五十六件中に、議決の対象であった案件は五十二件で、全体の約九・四%が対象です。一割にも満たないということになります。九億円以上の工事にも、もちろん中小企業も参加できる場合もありますが、我々の地元で活動する建設関連事業者が受注を目指すのは、議決案件より小さい金額の工事がほとんどであります。
 また、中小企業基本法で定める要件としては、建設業も資本金が三億円以下または従業員三百人以下が中小企業というラインになっておりまして、それ以上が大手の会社となっております。
 しかし、実態としては、地域のさまざまなインフラ整備にご尽力をいただいている事業者は、資本金数千万円以下かつまた従業員も二、三十人程度の会社がほとんどであります。
 私の地元八王子市は、三多摩地区では一番大きな自治体でありますが、市内に本拠地を構える建築や土木の事業者は、資本金が一億円以下、ほとんど数千万円でありますし、従業員も三十人以下という会社がほとんどです。例えば、先月の大雪の際にも、これらの会社が都道の雪かき等、交通確保の現場で働いてくれております。
 昨年の制度改正以降、このような地元中小事業者の皆さんからは、先ほど他の委員からもありましたが、大手の事業者のように専門の積算部を持たない我々は、昼間は現場で働き、夜間や土日に積算に携わるなど極めて負担が大きいと、そういった声が多数寄せられております。
 議案審議上ではなかなか見えにくい頑張る中小企業の声は、予定価格の事前公表に戻してほしいという声がほとんどであります。それでは、これらの声をどのように認識して対応していくのか、お答えください。

○五十嵐契約調整担当部長 予定価格の事後公表は、事業者の積算努力を促すものでございまして、積算を行わない不良不適格業者が除かれ、中長期的に技術力のある優良な事業者の育成につなげていくという効果を期待し、実施しているものでございます。
 ことし一月の業界団体との意見交換では、事後公表の継続を求める声があった一方で、中小企業を中心として積算の事務負担が増大していることや、それに伴って、都の入札への参加意欲が減退しており事前公表に戻してほしいとの意見を寄せられていることは認識しているところでございます。こうした現場の声を受けとめながら、入札監視委員会での検証を進め、よりよい制度の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○伊藤委員 続いて、JV結成義務の撤廃についてもお尋ねをします。
 試行開始後、JV結成義務を撤廃して、JVでも単体でも応札できる混合入札となりました。
 今回の契約議案十五件のうち、JV結成義務を課さずに混合入札を行った案件は十三件あります。これらの案件の応札者九十者のうちJVが二十者、一方で単体企業は七十者となっております。一件当たりの平均応札者数は六・九者であり、平成二十八年度の全てのJV案件における平均応札者が二・九者から二倍以上に増加しているのは事実であります。
 この結果は、JV結成義務の撤廃の意図である参加業者の増加につながったと見えますが、一方で、そもそもJV制度活用の大きな目的は、中小企業の受注機会の確保や大規模工事経験の少ない中小企業の育成を目的に進められたと思っております。
 前回の審議で、JV結成義務の撤廃により、中小企業の技術力育成や受注機会に悪影響を及ぼし、将来の担い手確保にも支障を来すのではと都の見解をお尋ねしたところ、一定の要件を満たした中小企業が単体で大型案件に参加できるように改正を行った結果、中小企業が単体で落札するケースも出ており、中小企業の受注金額の割合も昨年と同水準、もとより、地域経済を下支えし、災害発生時にも大きな役割を担う中小建設業の育成や受注機会の確保は、これまでと同様、重要な視点であるとのお答えでありました。
 中小企業が単体で落札するケースも、実態としては、中小の中でも大手のような事業者のことであり、先ほど述べたような、我々地元のいわゆる中小事業者が落札するケースはほとんどありません。また、大手とのJV結成は、職員の技術力を高め、ノウハウを学び、人脈を広げる貴重な機会であると同時に、受注の機会の確保にもつながるとお聞きをしております。
 いわゆる法的な中小企業だけではなく、実態としての中小企業の声に耳を傾けていただき、JV結成義務の撤廃を撤回した方が、中長期的に建設業の担い手確保、育成につながると考えますが、都の見解はいかがでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 JV結成義務の撤廃につきましては、入札参加者数が増加し、制度導入の効果が出ていると考えているところでございます。
 一方、ことし一月に実施した地元に密着した中小企業を中心とした事業者団体との意見交換においては、大企業とのJVに参加することは、単に受注機会を確保するだけではなく、中小企業の技術力の研さんや人材育成に寄与してきたとの意見をいただいたところでございます。
 安全で快適な都民生活を支える道路、河川、公共施設の更新や、地震や水害などの災害復旧は、地元に密着した中小企業に頼るところが大きく、お話の建設業における中長期的な担い手の確保、育成に向け、JVによる中小企業の人材育成という視点は重要だと認識しております。
 今後、入札監視委員会の検証結果が出された後に、改めて、都として業界団体から意見を伺うこととしておりまして、引き続き現場の声をしっかり聞きながら、よりよい制度の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○伊藤委員 四つの実施方針について、それぞれ確認をさせていただきました。
 入札制度試行の今後についてでありますが、試行は一年間を目安として、一月の業界団体との意見や議会の意見も参考に、今月までに入札監視委員会で検証報告書を取りまとめるとのことであります。その後、四月以降に、一月に現場の声を聞いた五団体とそれ以外の団体の意見も聞いた上で、都政改革本部会議において検証結果の報告を踏まえ、必要に応じて制度の見直しを行い、本格実施へという流れであるとお聞きをいたしました。
 そもそも今回の入札制度改革は、昨年の三月三十一日に試行案が突如発表され、六月公表分からスタートしましたが、現在の社会環境や事業者の現場の意見を踏まえた丁寧な制度設計とは全く異なるといわざるを得ません。都民生活へのさまざまなインフラ整備を行う公共事業は、さまざまなインフラ整備を行うと同時に、あるべき姿については、繰り返しになりますが、都内の努力する中小企業と人材育成を大事に考えていただきたいと思います。
 入札制度の公平性、透明性はもちろん大前提でありますが、建築、土木、設備など、都民に必要な良質なインフラ整備を行うため、都内の事業者の規模や実態、また発注業種や工事区分に合わせて、特に中小企業への配慮に力点を置いていただきたいと思いますが、今後どのように制度設計を行うのか、最後にお尋ねをいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 公共事業は税金を原資としておりまして、入札契約制度の設計におきましては、競争性、公平性、工事品質の確保は当然のこととして、委員お話しのとおり、地域社会の活力や雇用の創出、災害時の機動的な復旧などを担う中小企業が、安心して活躍できる環境の整備は重要な視点と考えております。
 そのため、都ではこれまでも、工事規模に応じた等級別の発注や、業種や営業種目別の分離分割発注、地域要件の設定などにより、都内中小企業の受注機会の確保に努めてまいりました。
 こうした中、本年一月に実施した業界団体との意見交換では、予定価格の事後公表について、事業者の積算業務の負担増の問題など、実際の試行を通じて、より明確となった課題も都内中小企業の現場の声としていただいたところでございます。
 今後、入札監視委員会による試行の検証結果やこうした業界団体からの意見も受けとめながら、よりよい制度の構築に取り組んでまいりたいと考えております。

○上田委員 各委員におかれましても、予定価格の事後公表と一者応札の禁止についての影響が指摘されております。一つ一つとってみますれば、結局、透明性、情報公開に向けた改革に一歩踏み出してはいるんでしょうけれども、何でも、てんぷらとスイカでしたっけ、食べ合わせが悪いのかなというふうに拝察をしておりました。
 その大きな入札改革もさることながら、ただ、やはりどうしても不正、例えば、先ほども質問しましたけれども、独禁法で鹿島から逮捕者が出るということで、一件一件の契約にこそ、何か本質的なものが宿るのではないかなということで、前回、私は辞退者について、何でこんなに辞退者が出るのかと、本来はすぐに準備ができているはずなのに辞退をしてしまうと。先ほども確認させていただきましたが、そもそも入札参加ができるという事業者も絞られていく中で、新規参入は拒んで、辞退し放題ということで、また、事後公表であることと一者入札禁止するということになれば、辞退をし合って、どこかが入札をするようなことになるのではないかという懸念を持って、前回は質問をさせていただいた次第でございます。
 今回、やはり私が注目しましたのは、八十六号議案で十三号地新客船ふ頭ターミナル施設の電気設備工事なんですが、十二件も低入札でだめになっていて、十三番目で決まるということになっておりまして、ちょっとここに注目をさせていただきました。
 公共工事入札参加資格制度は、競争性によるコスト低減を図りつつ、品質の確保及び不良不適格業者の排除という観点から必要なものと考えておりますが、個別工事における競争参加資格を設定する際、その設定内容によっては、恣意的に特定の業者のみを入札に参加させ、もしくは恣意的に特定の業者を入札に参加させないことにつながるものにならないか懸念をしております。したがって、当然ながら個別工事における競争参加資格設定においては、競争性、公平性及び透明性が必要であります。
 ついては、低入札案件において、低入札価格調査を実施した際、多くの業者が調査票の提出がなかったとの記載が見受けられます。
 そこで、調査票の作成は、入札参加業者にとってかなり負担になるのかな、どのような相当の負担になるというものか、お示しください。

○五十嵐契約調整担当部長 低入札価格調査は、ダンピングを防止するとともに、工事品質の確保を図ることを目的としており、調査の実施に当たりましては、事業者が入札した価格で当該案件の内容に適合した履行が可能かどうかを判断するため、調査票等の提出を求めているところでございます。
 調査票等の内容につきましては、積算した入札価格の根拠となる単価や数量等の詳細な内訳書、下請事業者からの見積書や法定福利費の計上の状況、過去の工事実績、配置技術者の経歴、下請事業者の社会保険の加入状況等に関する資料など、入札に当たって必ず作成する資料を中心に提出を求めているところでございます。

○上田委員 一応、今、入札に当たって必ず作成する資料とのご答弁をいただきました。それからいたしますと、何ら負担になる調査票ではないということを理解させていただきました。
 最大の疑問は、調査票などを提出すれば、みずから落札できる可能性があるにもかかわらず、調査票を提出しない理由としてどのような理由が考えられるのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 調査票を提出しない理由についてでございますが、事業者ごとに事情があり、特定することは難しいと考えますが、例えば、調査票の内訳の根拠を示す書類が不足しており、調査票を作成することが困難というような事情等が考えられるところでございます。

○上田委員 やっぱり辞退談合と同じで、だったら何で入札するのかなという素朴な疑問があります。
 調査票の内訳の根拠を示す書類が不足し、調査票を作成することが困難であること等のご答弁、先ほど入札に当たって必ず作成する資料とのご答弁もありました。やはり調査票を提出しない業者は、落札する気持ちがなく入札しているのかなということが明確なのではないのかなというふうに思わざるを得ない状況だと思います。
 調査票等に不足、不備があったとの低入札案件もありますが、不足、不備については、補充させることによって不足、不備は補正されるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 調査票等の不足、不備の内容につきましては、下請事業者の労働者に関する法定福利費が適切に計上されていないものや下請事業者の見積書について値引き交渉後の内訳が示されていないものなど、入札価格そのものに影響し、補正できないものがほとんどとなってございます。
 また、提出資料の追加、差しかえは、下請事業者等に対して、低い価格での入札をして、その価格に合わせた見積もりとするような不当なしわ寄せを起こすおそれもあることから、一切認めないこととしております。

○上田委員 法定福利費が適切に計上されていない業者は、まず、基本的に入札に参加させるべきではないように思われます。
 資料によれば、都営住宅二十八CS-一〇一東、給排水衛生設備工事の場合は低入札となり、その際の低入札価格調査において工事成績失格基準に該当となっています。この入札案件は、入札参加条件を設定していなかったのでしょうか。設定していた場合は、工事成績基準の設定は行っていなかったんでしょうか、確認します。

○五十嵐契約調整担当部長 当該工事の入札参加条件につきましては、事業者に付与された格付に関する条件、工事発注規模に応じて定める売上高の能力要件など、都の工事の発注に当たり、一般的に付す条件のみを設定しているところでございます。
 低入札価格調査における工事成績失格基準につきましては、調査基準価格を下回る価格で入札した場合に工事品質の確保に支障を来すおそれがあることから、過去三年間に工事成績が六十五点未満となった事業者を失格とするものであり、入札への参加自体を制限するものではございません。
 なお、工事成績が六十点未満となった場合には指名停止となり、指名停止期間中は全ての入札への参加自体ができないこととしております。

○上田委員 独占禁止法違反業者や低入札業者のご答弁を、きょうは本当にいただいたんですけど、やっぱりちょっとわかるようなわからないようなということでございます。
 低入札価格調査の調査票については、入札に当たって必ず作成する資料との答弁があって、そうであれば、調査票の作成においては、業者にとって何ら負担になる調査票作成ではないということと理解しております。
 また、適正な調査票であれば落札できる可能性もあり得るものであり、なぜ提出すれば落札できる可能性もあって、負担にもならない調査票を提出しないで、低入札ということでこんなに決まらないような状況になっているのかということを、せっかくやる気を持っていたのかもしれませんけれども、非常にもったいないなということと思います。
 その点も契約担当はよくよくお考えになり、今後は、より前向きな答弁を期待しますとともに、貴重な都民の税金を、より効果的に使うことを念頭に入れた入札制度改革に邁進していただきたいとお願い申し上げて、私の質疑を終わります。

○小松委員 私の方からも東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金条例の改正と、これに関連して、平成二十九年度最終補正予算案について三点ほど伺いたいと思います。
 我が党はこれまで、東京二〇二〇大会の成功に向けて、国や組織委員会と緊密な連携をとりながら、着実に準備を進めていくよう繰り返し訴えてまいりました。遅きに失した感が甚だ否めませんけれども、今年度に入り、ようやく国や組織委員会との間で大まかな役割分担がまとまり、V2の予算が示されたわけであります。
 こうした流れを踏まえた今回の条例改正は、今後、大会準備を着実に進めるためにも重要な意味を持つものと認識をしています。
 そこでまず、確認の意味も含めて、今回のオリンピック・パラリンピック開設準備基金条例の改正に至った経緯と内容について具体的に伺います。

○松川主計部長 東京二〇二〇大会の開催に向けましては、昨年五月に、組織委員会、国、都及び関係自治体との間で合意いたしました大会の役割分担に関する基本的な方向に基づきまして、新規恒久施設の整備に加え、仮設施設の整備や輸送、セキュリティー等に係る費用などを都が負担することとなりました。
 そのため、これまで社会資本等のハード整備に限定しておりました基金の充当事業にこうした経費を加えるとともに、パラリンピックに係る国負担分を、一旦都が受け入れた上で管理していくこととしたため、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金条例の改正をお願いするものでございます。
 今回の基金条例の改正と当該基金への積み立てにより、大会経費について財政面から的確に対応することで、開催に向けた準備を着実に推進してまいります。

○小松委員 今回の条例改正により、昨年五月の大枠合意の内容に基づき、都が負担する経費に対する裏づけが、この年度末になってようやく整ったものと認識をしています。また、最終補正予算における基金積み立てにより、都が負担する大会経費の財源のめどは、おおむねついたところであります。
 一方で、東京二〇二〇大会の成功に向けては、競技会場の整備などの大会経費のみならず、バリアフリー環境の整備や多言語化への対応など、世界中から東京を訪れる人々を迎える準備をしっかりと進めなければなりません。
 しかしながら、これまでのお話を聞く限り、そうした経費は今回の改正によっても、オリンピック・パラリンピック基金の充当範囲には含まれていないというふうに理解しています。
 そこで、今回都が唐突ともいえるタイミングで明らかにした、東京二〇二〇大会の成功を左右するともいえる、この大会に関連する事業費八千百億に対する財政面の備えをどのように考えているのか、見解を伺います。

○松川主計部長 東京二〇二〇大会の開催に向けましては、大会に直接必要な事業のみならず、大会を契機に東京の価値を一層高めるため、本来の行政目的のために行うが、大会にも資する、いわゆる大会に関連する事業を含めて、しっかりと準備を進めていく必要がございます。
 こうした財政需要を都民に説明していくことは、大会の成功に向けて不可欠な要素であるため、今回、平成二十九年度から三十二年度までの四年間に必要となる大会に関連する事業費約八千百億円をお示ししたものでございます。
 この財源につきましては、例えば、バリアフリー環境の整備につきましては、人に優しく快適な街づくり基金を、多言語化への対応には、おもてなし・観光基金を充当するなど、これまで事業評価など不断の見直しにより、着実に積み立てを行ってまいりました三つのシティー実現に向けた基金の積極的な活用や国庫補助金の活用などにより、対応してまいります。

○小松委員 バリアフリー化を初めとしたこの大会関連事業について、これまで積み立ててきた基金を積極的に活用する方針ということは理解をいたしました。
 これまで知事が、戦略もなく国を敵対視する発言、そして行動をとり続けてきたこともあって、平成三十年度の税制改正においては、地方消費税の清算基準の見直しが強行され、東京都から一千億円以上の財源が失われる結果になっています。来年度以降も、毎年一千億円以上にも及ぶ巨額の財源を失ったという重大な事実を前提として、今後の財政需要なども踏まえて、今、東京都ができることは、来年度といわず今年度から、これまで以上に財政基盤に目を配ることだというふうに思っています。
 同時に、都民の目線を踏まえていくことも大事だと思うんですけど、国やほかの道府県にどのような印象を与えるのかということも配慮していかなければいけないというふうに思っているんです。
 先日の代表質問で、なぜこのタイミングで大会関連経費を公表したのかというふうに知事に秋田幹事長の方から訴えさせていただきましたけれども、そうした部分も含めて、これからしっかりと、都民のみならず、こういった印象にも配慮して進めていただきたいというふうに思います。
 というのは、今回こうした発表によって、都が、さも潤沢に資源があるかのような誤解を招きかねないということを危惧するからでありまして、国との交渉に際しても不利に働くこと、こうしたことも懸念されるわけであります。
 これも踏まえて、これまで積み立ててきた基金を、計画どおりとはいえ、単に取り崩していくだけでは、東京の二〇二〇大会まではしっかり乗り切れるかもしれませんけど、その先のさまざまな施策を安定的に展開していけるかどうか、こうしたことも心配をしているところであります。
 そこで、今回の最終補正予算において、財政基盤の観点からどのような取り組みや工夫を図られたのか、見解を伺います。

○松川主計部長 平成二十九年度最終補正予算案では、東京二〇二〇大会の開催準備に向けた取り組み等を着実に進める一方で、予算の執行状況の総点検により生み出された財源や税収増を活用し、将来を見据えた財政基盤の構築に努めております。
 まず、東京二〇二〇大会の大会経費に関する備えとして、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に千五百八十八億円の積み立てを行うとともに、景気変動に伴う大幅な税収減など将来への備えとして、財政調整基金に八百八十九億円の積み立てを行っております。
 また、歳出予算の執行状況に合わせまして都債の発行額を抑制することなどにより、本年度末時点の都債残高を前年度末と比較して約七百億円減となる五兆三千六百三十一億円といたしております。
 このように、平成二十九年度最終補正予算案におきましても、将来を見据え、強固で弾力的な財政基盤を堅持していくための取り組みをしっかりと行ってまいります。

○小松委員 平成二十九年度最終補正予算において、財政基盤の構築についても留意されているということを理解いたしました。
 しかしながら、早くも平成三十一年度の税制改正においては、都からさらにこの税収を移管させようとする動きが国に見られ、小池知事のもとでは、残念ながら不利な状況にあるといわざるを得ない中で、都の、この財政基盤の問題というのは大変重要な課題であり続けるというふうに思います。
 当初予算を審議する際にも、都債などの将来を見据えた財政基盤をテーマとして、さらに質疑を深めてまいりたいということをお伝えして、質疑を終わります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十九分散会

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