財政委員会速記録第六号

平成二十九年三月二十三日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗山 欽行君
副委員長吉倉 正美君
副委員長松田やすまさ君
理事小松 大祐君
理事とくとめ道信君
理事大西さとる君
山森 寛之君
大津ひろ子君
斉藤やすひろ君
山内れい子君
北久保眞道君
鈴木 隆道君
秋田 一郎君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
主計部長岩瀬 和春君
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務加藤  隆君
会計管理局局長浅川 英夫君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中澤 基行君
収用委員会事務局局長砥出 欣典君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為-財政委員会所管分、都債
・第三号議案 平成二十九年度東京都地方消費税清算会計予算
・第十四号議案 平成二十九年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成二十九年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(決定)
・第三十七号議案 東京都都税条例等の一部を改正する条例
・第七十四号議案 土地の信託の変更について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
1 二八第一一号
2 二八第一二号
3 二八第一三号
4 二八第一四号
5 二八第一五号
6 二八第一六号
7 二八第一七号
8 二八第一八号
9 二八第一九号
10 二八第二〇号
11 二八第二一号
12 二八第二二号
13 二八第二三号
14 二八第二四号
15 二八第二五号
16 二八第二六号
17 二八第二七号
18 二八第二八号
19 二八第二九号
20 二八第三〇号
21 二八第三一号
22 二八第三二号
23 二八第三三号
24 二八第三四号
25 二八第三五号
26 二八第三六号
27 二八第三七号
28 二八第三八号
29 二八第三九号
30 二八第四〇号
31 二八第四一号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
32 二八第九五号
33 二八第九六号
34 二八第九七号
35 二八第九八号
36 二八第九九号
37 二八第一〇〇号
38 二八第一〇一号
39 二八第一〇二号
40 二八第一〇三号
41 二八第一〇四号
42 二八第一〇五号
43 二八第一〇六号
44 二八第一〇七号
45 二八第一〇八号
46 二八第一〇九号
47 二八第一一〇号
48 二八第一一一号
49 二八第一一二号
50 二八第一一三号
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○栗山委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十四号議案及び第十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○山森委員 都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託されました平成二十九年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十九年度予算案作成に当たり、我が党は、二〇二〇年とその先を見据え、必要な施策は充実し、強固な財政基盤を堅持していくべきであると知事に要望いたしました。
 都は、今後も、施策の実効性、効率性を高める取り組みを進めるとともに、財源として活用可能な基金残高を確保し、都債発行額は抑制するなど、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて、平成二十九年度予算では、築地市場が豊洲に移転するのか、現在地に残るのか、大きな課題となっています。都議会自民党は、判断の公正を期すため、予算特別委員会において、豊洲と築地、それぞれの適正について知事にただしてまいりましたが、納得のいく答弁をいただけませんでした。
 このため、この件に関して、本委員会において議論を重ねてまいりましたが、これまでの委員会質疑においても、いまだ議論は尽くされておらず、豊洲への移転、築地での継続、それぞれに関する理事者の説明は、都民の皆様に十分に納得をいただける状況にないといわざるを得ません。
 こうした状況を踏まえ、我が党は、三月二十七日に予定されている予算特別委員会の締めくくり質疑で、市場に関係する全ての政策と予算に対して、詳細かつ重点的な質疑をさらに重ねていく必要があると考えております。意見開陳の冒頭に、まず、そのことを申し上げさせていただきます。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、財務局関係について申し上げます。
 一、世界で一番の都市東京の実現に向け、将来にわたり東京がその使命を確実に果たしていけるよう、引き続き強固な財政基盤の堅持に努められたい。
 一、経済の好循環の実現に向け、予算の効率をできる限り早期に都民や中小企業が享受できるよう、円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、改正品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など、公共事業における品質確保に向けた取り組みや、中小企業の人材育成と確保に向けた発注者責任を果たす取り組みなど、入札契約制度改革を着実に進められたい。
 一、全庁的な観点から、土地、建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を確保するとともに、質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、一億総活躍社会の実現に向けた各種政策の推進等により、景気は回復すると期待される中、歳入所管局として、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、地方自治体の事務と権限に見合うものとなるよう、総体として地方税財源の拡充を国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制のあり方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、公金管理における金融情勢が極めて不透明な状況の中、適時適切なリスク管理を行い、引き続き公金の安全性を確保されたい。
 一、新公会計制度について、円滑な運用により行政運営の効率化を推進されたい。また、全国自治体に対する都制度の普及とともに、総務省からの要請により、初めて本格的な新公会計制度を導入する都内自治体に対しても円滑な導入支援を進められたい。
 一、官民連携ファンドについて、都の支出金の原資が税金であることから、細心の注意を払いつつ、ファンドの運営を適切に監視されたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○吉倉委員 都議会公明党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十九年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 平成二十九年度一般会計予算案は、男女や教育機会の格差と、まちの段差をなくす施策を初め、必要な施策には思い切った予算措置を行うと同時に、財政構造改革の一層の推進を図った結果、一般会計の規模は五年ぶりに減とするなど、めり張りのついた予算案となっています。
 具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた待機児童対策の充実や、高等学校の授業料における公私格差の解消、無電柱化など、都民の生活の質を高める取り組みに財源を重点的に投入するなど、都民福祉の向上を図る施策が随所に盛り込まれています。
 一方で、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にあることを踏まえ、安定的かつ継続的な行政サービスを提供していくための、強固な財政基盤の構築を図ることが不可欠であります。
 今回、全ての事業に終期を設定し、終期を迎えた事業について事業評価を行うシステムを導入するなど、施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底し、事業評価の取り組みを通じて、昨年度比約二・四倍となる七百二十億円の財源を生み出していることは、財政構造改革の取り組みが力強く前進したものと高く評価いたします。
 また、都債や基金を計画的かつ戦略的に活用していることは、社会保障関係経費や社会資本ストックの維持更新経費、さらには二〇二〇年東京大会に向けた需要増など、中長期的な視点に立った財政対応力の強化にしっかり取り組む姿勢をあらわすものであり、評価いたします。
 なお、我が党が、これまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度を今後の財政運営に、より効果的に生かすことを求めておきます。
 今後とも、いかなる状況にあっても都民生活を守ることを第一に考え、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。あわせて、予算の執行に当たっては、都民の負託に的確に応えられるよう、より効率的に行うとともに、効果の高い施策を早期に展開させていくことを強く求めておきます。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、財務局関係について申し上げます。
 一、都民福祉の充実による生活の質の向上、日本全体の成長につながる施策を積極的に展開するとともに、事業評価の取り組みなどにより施策の無駄をなくし、効率性、実効性の向上に努め、将来にわたり安定的に都政の責任を果たし得る強固な財政基盤を堅持すること。
 一、基金については、東京が抱えるさまざまな課題の解決に向けた施策展開を支える貴重な財源として、税収動向を勘案しながら、効果的に活用していくこと。
 また、都債については、将来の負担を見据えた上で、都民生活の向上に資する投資的経費などの財源として適切な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、職員の意識改革を一層推進するとともに、将来の財政負担なども踏まえた中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、景気回復の動きを確かなものとするべく、国の動向も注視しながら、平成二十九年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、技術者不足など、都内の中小企業が抱える課題に適切に対応するため、引き続き受注機会の拡大など、中小企業の入札参加への促進を図ること。
 一、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用を図ること。
 一、改正品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など、入札契約制度の活用により、公共工事だけではなく業務委託においても、品質確保と中長期的な担い手の育成、確保を図ること。
 一、災害時などに、即時に活用可能な未利用都有地を効率的、効果的に利活用すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。整備に当たっては、技術革新の動向に十分注視し、省エネ・再エネ東京仕様を適宜見直し、環境負荷の少ない都市の実現に向けた取り組みを一層進めること。
 また、高齢化を考慮し、床の滑り防止の対策を進めること。
 一、都庁舎の長周期地震動対策として、制振装置の設置に取り組むこと。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生防止に努めるとともに、納税者の状況に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、地方の役割と権限に見合う財源が不足する現状においては、総体としての地方税財源の拡充を国に強く働きかけること。
 一、納税者サービスのより一層の向上を図るため、税務広報や都税の問い合わせに関するサービスの充実を図ること。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、都が全国に先駆けて導入した新たな公会計制度について、引き続き全国自治体に強く情報発信をしていくとともに、他の先進自治体と緊密に連携しながら、国が要請している本格的な新公会計制度の導入に取り組む自治体に対しても、より積極的な支援を行っていくこと。
 一、公金管理に当たっては、引き続き金融環境を注視しながら、安全性の確保を最重要視し、万全を期すこと。
 一、官民連携ファンドについて、エネルギー分野におけるファンドを通じた再生可能エネルギーの普及拡大に加え、東日本大震災の被災地支援も含めた地域振興にも寄与すること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○大西委員 私は東京改革議員団を代表いたしまして、当委員会に調査を依頼された平成二十九年度予算案に係る議案について、意見の開陳を行います。
 平成二十九年度予算案は、小池知事就任後、初の本格的予算となります。
 予算規模は、前年度比〇・八%減の六兆九千五百四十億円となりました。トランプリスクによる世界経済への影響による税収の下振れなど、懸念材料を踏まえると、東京改革議員団が繰り返し提案をしてまいりました徹底した無駄の排除と行財政改革の推進など、より一層の財政基盤の強化が求められているものと考えます。
 歳出面では、基金積み立てや公債費等を除く一般歳出が、前年度比〇・六%減となりました。将来の成長に向けた戦略をしっかりと描き、その戦略に基づく新産業の育成や、環境エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じ、めり張りをつけることが重要です。
 このような観点から予算案を見ると、財政構造改革を推し進めるとともに、事業の必要性や経費の内容などを検証しつつ、未来への投資を積極的に行っております。また、予算編成過程の透明化が図られた点についても、評価しています。
 さらに、保育士の待遇改善、高校生を対象とした給付型奨学金の創設、働き方改革の推進など、都政改革、子育て支援、労働分野での積極的な取り組みは、私たちが提案してきた内容が盛り込まれていると考えます。
 今後も施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策を展開するよう要望するものです。
 さらに、公文書の管理徹底、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革についても、引き続き強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、財務局について申し上げます。
 一、強固な財政基盤の確立に向けて引き続き取り組むとともに、人口減少、超高齢社会も見据え、都債の発行余力の確保、基金の着実な積み立てなど、安定的な財政運営に努めること。
 一、事業評価などにより都政の無駄を排除するとともに、非正規雇用や子供の貧困、児童虐待への対策を初め、新産業の育成や、環境エネルギー施策の強化、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じること。
 一、地方税財政制度に関しては、税源配分を見直し、自治体への税財源移譲を進めるために強力に取り組むこと。
 一、公契約においては、建設労働者の労務単価が実際に賃金に反映されるよう改善に努めること。また、下請を含めて、社会保険への加入を進めること。さらに、透明性や品質の確保に留意しつつ、障害者雇用や中小企業の振興、社会的問題の解決や政策実現に貢献するような運営をすること。
 次に、主税局について申し上げます。
 一、公平公正な税負担を実現するために、悪質な滞納者や大規模滞納者への対策を強化するとともに、納税者の個別事情等にも配慮した進行管理を図ること。
 一、都が実施する政策減税に関しては、より政策効果が高い分野での実施について、積極的に検討すること。
 一、都民や中小企業者等の税負担感に配慮する観点から、商業地などに対する固定資産税の負担水準の上限引き下げを継続すること。
 一、小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を継続すること。
 一、小規模非住宅用地に対する固定資産税の減免措置を継続すること。
 一、非課税となっている道路については、交通安全や防災上の観点から、私物を設置しているなどの実態について把握し、適切に対応すること。
 次に、会計管理局について申し上げます。
 一、新公会計制度による財務諸表など、都政の方向性を判断するための資料を今後も整備して、都民福祉の向上のために一層役立てること。
 次に、収用委員会事務局について申し上げます。
 一、近隣県とも情報交換するなどして、手続の効率化、迅速化を図るとともに、情報を発信していくこと。都民や事業者、区市町村の理解を深めるなど、取り組みを推進すること。
 以上で東京改革議員団を代表しての意見開陳を終わります。

○とくとめ委員 日本共産党を代表して、二〇一七年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 二〇一七年度予算案は、小池知事として初めての本格予算の編成ですが、不要不急の大型開発が推進される一方、福祉、教育などで、我が党が求めていた施策を初め、都民要求を反映した施策の前進があったことは重要です。
 保育園の待機児童解消目標を来年度一万八千人、四年間では七万人とし、中でも保育士の給与を一人当たり平均二万一千円相当引き上げることや、保育園増設のために、二十三区内で土地を貸し出す方に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置の創設は、我が党の提案と合致するものであり、重要な前進です。
 高齢者施設でも、特別養護老人ホーム整備資材の高騰に対応した加算を行い、認知症高齢者グループホームの整備のため、土地、建物の所有者と事業者の紹介を行うことなどの前進があります。
 教育では、教育格差があってはならないという立場が示され、誰もが学べる環境を実現するため、都立高校生等に対する給付型奨学金が創設をされます。私立高校生等に対する特別奨学金も拡充をされ、私立高校生の約三割を占める親の年収七百六十万円未満の家庭の授業料が無償になります。
 中小企業対策では、商店街支援対策は、専門家派遣、巡回相談などの新規事業を立ち上げるなど、約十億円増額をされます。医工連携事業、福祉用具や環境分野の機器など、都民要求とかみ合った分野への中小企業の参入を支援する予算も倍増され、地域の産業集積の活性化を図る区市町村への支援事業も拡充されます。
 防災対策では、無電柱化推進予算は十億円増額され、補正予算で七百億円の基金も積み立てられ、我が党が求めていた区市町村道への支援を含めて、無電柱化が促進されることになります。
 改善すべき点では、安倍内閣が社会保障を次々に切り捨てる中で、深刻化している国保料、国保税などの負担増に対して、庶民生活を守る対策を打ち出されていないことであります。
 特別養護老人ホームの待機者が四万人も残されているにもかかわらず、特別養護老人ホーム整備費が三十七億円も減額されるなど、高齢者福祉が不十分です。
 防災対策として、大幅な拡充が求められている住宅の耐震化助成は、国の制度の変更で若干ふえただけであり、対象も依然として木造住宅密集地域の一部などに限定をされたままです。
 また、知事は十三年ぶりに投資的経費が減額となったと強調していますが、今後、少子高齢化社会を迎え、社会保障関係予算の増大が見込まれる中で特定整備路線を初め、不要不急の幹線道路計画は継続されており、こうした大型開発の抜本的見直しが求められています。
 日本共産党都議団は、暮らし、福祉最優先の都政改革の促進と、さらなる都民施策の充実拡大のために全力を尽くすものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、財務局関係です。
 道路、橋梁などの都市インフラの基盤整備の投資的経費について、新規、とりわけ不要不急の大規模事業は最大限抑制して、耐震強化、維持更新、管理重視に転換すること。そのための都市インフラの維持更新の計画を拡充すること。
 第四次優先整備路線計画は、交通量、住民の暮らし、成熟した市街地での地域コミュニティの維持や、商店街振興などを重視する立場から見直すこと。
 現在の三十三基金をさらに整理、縮小し、非正規雇用対策や住民福祉の充実など、都民生活支援のために積極的に活用できるように見直すこと。
 大手元請受注の建設団体も、建設産業の担い手不足の解消に向けて、賃金引き上げ等の処遇改善策を提案し、都内自治体で公契約条例の制定が広がりつつある機会に、都としても、公契約条例の制定を真剣に検討すること。
 障害者就労支援施設等からの優先調達を全庁的にさらに進めるために、分離分割発注など、各局と連携して取り組むこと。
 入札契約制度の改革は、税金の効率的な活用、適正な競争性、公正性などを踏まえて見直し、入札監視委員会の改善を早急に行うこと。
 次に、主税局関係です。
 地方財源の偏在を口実にした法人住民税などの地方交付税原資化は、やめるよう引き続き国に強く要求すること。
 民有地を活用した高齢者施設、障害者の施設整備についても、保育所等の整備同様に固定資産税等の減免を行うこと。
 都市農業の振興のために農業用倉庫や屋敷林について、固定資産税等の減免制度をつくり、都市農地の保全を図ること。
 消費税の一〇%への増税は、中止するよう国に強く求めること。
 次に、会計管理局関係です。
 官民連携福祉貢献インフラファンドは、非公開のためのさまざまなリスクを最大限回避するために力を尽くすこと。また、特養ホームや園庭を確保した認可保育園を含めて整備すること。
 最後に、収用委員会事務局関係です。
 外かく環状道路などの用地取得の裁決申請については、本来は任意買い取りが大原則であることを踏まえて、裁決処理は慎重に対応すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○山内委員 私は都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された二〇一七年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 小池知事が編成した初めての予算案は、先行き不透明な経済状況で企業収益の減少や長引くゼロ、マイナス金利の影響を受け、都税収入は六年ぶりに減少、五兆九百十一億円を見込んでいます。ワイズスペンディング、賢い支出を念頭に、必要な投資と無駄の排除によって、一般会計の予算規模を〇・八%減の六兆九千五百四十億円とし、めり張りをきかせた予算としています。
 東京大改革を掲げる知事は、予算編成プロセスについても見直し、情報公開や予算編成過程の見える化を進めました。今回の予算案には、子供への教育予算の増額、女性の再就職や起業への支援など、生活者ネットワークがこれまで要望してきたものが盛り込まれました。
 生活者ネットワークは、人への投資こそ賢い支出と考えます。社会の格差を是正し、若者、女性が働き続けることのできる環境整備や子供の貧困対策に向けた福祉や教育の充実、働き方の見直しや社会保障の政策が必要です。パラリンピックの開催を機に、東京が、子供、高齢者、障害者など、人に優しい生活のまちへ変わっていくことが求められます。
 以下、各局について申し上げます。
 まず、財務局関係についてです。
 一、事業評価などにより施策を点検するとともに、環境エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じること。
 一、施策の透明性、客観性を高めるために、事業計画、実施、事後評価を含む総合的な事業評価を市民参加で行う。そのために、資料の保存と情報公開を徹底すること。
 一、都の入札契約制度においては、障害者雇用、仕事と生活の両立支援などを考慮した政策入札を推進すること。
 一、障害者就労施設のネットワークの連携強化で、障害者が地元で働くことができるよう、入札方法をわかりやすくすること。
 一、適正な労働条件、品質確保、地元中小業者の活用など、働く人の立場に立った公契約条例を制定すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進め、省エネ、再エネの推進で環境負荷の少ない都市を実現すること。
 一、都有施設に率先して多摩産材を活用すること。
 一、保育所、高齢者施設、障害者施設等の整備を促進するため、自治体と協力して都有地活用を進めること。
 一、現在使われている都有地であっても、施設の統廃合などで用途が決まっていない土地は、財務局が一元的に把握することで早期に明らかにし、地域の計画づくりに寄与すること。
 一、都民にわかりやすい予算、決算書づくりを進め、税金の使われ方の透明性を確保すること。
 一、大規模災害発生後の復旧、復興のための財源を確保すること。
 一、東京二〇二〇大会の施設関連コストについては、ランニングコスト、ライフサイクルコストを考慮し削減すること。
 次に、主税局関係についてです。
 一、地方分権の流れに沿った税制改正を積極的に国に求めること。
 一、課税自主権の行使については、環境税を中心に積極的に行うこと。
 一、NPOへの支援のための運用や優遇税制を積極的に進めること。
 一、公益的な事業を担う非営利型の一般社団・財団法人に対しては、その公益性を認め、税の減免措置を適用すること。
 一、税務広報や都税に関する相談体制を充実させること。
 一、納税者に対するサービスを向上させるために、時代に応じた納付方法を進め、利便性を図ること。
 一、空き家対策に関する税制の情報を都民に適切に行うこと。
 次に、会計管理局関係です。
 一、公金管理については、安全性の確保を最重要視し、リスク管理体制を整え慎重に行うこと。また、都民や議会に情報公開を行い、説明責任を果たすこと。
 一、官民連携ファンドについては、都民や議会への情報公開を行い、説明責任を果たすこと。
 以上をもちまして都議会生活者ネットワークの意見開陳とします。

○大津委員 東京都は、平成二十九年度の都税収入は五兆九百十一億円と、法人二税の影響により、今年度より二・三%の減少が見込まれており、一般会計の予算規模は六兆九千五百四十億円と、五年ぶりの減少となりました。
 千三百六十万人が暮らす首都東京、その一人一人のかけがえのない命が大切にされる予算執行を着実に進めてまいりたい。
 都政の課題は、少子高齢化社会への対応、質の高い医療政策、教育と人づくり、防犯、防災対策の推進、水素エネルギー等の実用化など新エネルギーシステムの構築、都市インフラの整備、芸術、伝統文化、スポーツの振興充実、中小企業政策の充実、雇用の確保、拡大、ものづくり支援等、多岐にわたっています。
 そして、東京を取り巻くさまざまなファンダメンタルの指標は、現在及び将来に向けて私たちが取り組むべき課題への貴重なシグナルを示しています。人口減少問題、地球温暖化問題等、越えるべきハードルは高くとも、一つ一つの課題に東京の総力を結集して果敢にチャレンジし、都民の負託に応えていく義務があります。
 小さな兆候でも、都民生活の活力、魅力向上につながるよう現場で都民の声を聞き、知恵を絞り政策に昇華させていく必要があります。
 首都東京からの施策発信が、世界の都市政策をリードできるように、政策分野の横断化を図りつつ、政策形成と実現のプロセスが都民に風通しよく、見通せるような財政運営にしていくことが肝要です。
 それでは、各局関係について申し上げます。
 初めに、財務局関係です。
 一、重点政策や事業を有機的に施策に結びつけ、東京の財政の力で将来の東京の持続的発展を支える財政運営を牽引し、都民の期待に応えること。
 一、これからも国に先んじて、都は都債残高の減少に施策を打つこと。
 一、入札契約制度においては、男女共同参画推進、福祉、環境等、都の重点政策実現のため、技術力評価型などの総合評価方式を確実に活用すること。
 一、都有施設及び周辺アクセスにおける、わかりやすい案内サインシステムを促進すること。
 一、都有地の活用に当たっては、地域住民のご理解とご協力を得ながら検討を進めること。
 次に、主税局関係です。
 一、東京都の重要な政策課題の解決に向け、施策を税制面から支援するよう、都税制調査会や関係各局とも連携しながら、政策税制を活用すること。
 一、防災を初め、子育て等、少子高齢化社会対策等、必要な政策実現のために、また、地域の社会経済の活性化のために、税制上の優遇措置を活用すること。
 一、歳入所管局として、これからも、納税方法や納税後の税の生かされ方が実感できるような、具体的でわかりやすい広報と説明義務を果たすこと。
 一、都民からの税金の相談について、納税者の視点に立ち、丁寧できめ細かい対応をすること。
 一、納税者が納税しやすい方法を一層推進すること。
 次に、会計管理局関係です。
 一、公金管理を取り巻く国内外の経済、金融環境の変化に対して、リスク管理、情報、時期を分析し、行動し、都民の税金である公金管理の安全な収益を確保すること。
 最後に、収用委員会事務局関係です。
 一、まちづくりの開発が推進される一方、土地所有者など権利者には公平公正な配慮と補償を適正に判断すること。
 以上、意見開陳を終わります。

○栗山委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○栗山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第三十七号議案及び第七十四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第七十四号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○栗山委員長 起立多数と認めます。よって、第七十四号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第三十七号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認めます。よって、第三十七号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○栗山委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(31)までの請願二八第一一号外三十件の同内容の請願及び整理番号(32)から(50)までの陳情二八、九五号外十八件の同内容の陳情は、いずれも趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(31)までの請願二八第一一号外三十件の同内容の請願及び整理番号(32)から(50)までの陳情二八第九五号外十八件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○栗山委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○栗山委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、武市財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○武市財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただきました。
 平成二十九年度予算案の調査や報告事項等につきましても、栗山欽行委員長を初め委員の皆様にさまざまな視点から熱心にご審議いただきまして、ありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては十分に尊重させていただきまして、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。

○栗山委員長 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会

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