財政委員会速記録第十八号

平成二十八年十二月九日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗山 欽行君
副委員長松田やすまさ君
副委員長吉倉 正美君
理事小松 大祐君
理事とくとめ道信君
理事大西さとる君
山森 寛之君
大津ひろ子君
斉藤やすひろ君
山内れい子君
北久保眞道君
鈴木 隆道君
秋田 一郎君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
契約調整担当部長五十嵐 律君
主計部長岩瀬 和春君
財産運用部長中村 倫治君
利活用調整担当部長山根 恭子君
建築保全部長久保田浩二君
技術管理担当部長中山  衛君
庁舎運営担当部長米今 俊信君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
会計管理局局長浅川 英夫君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中澤 基行君
警察・消防出納部長吉野 孝行君
資金活用担当部長鈴木 誠司君
会計制度担当部長野口 毅水君

本日の会議に付した事件
意見書、決議について
会計管理局関係
報告事項(質疑)
・平成二十八年度公金管理実績(上半期)について
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十号議案 東京国際展示場(二十八)増築工事請負契約
・第百九十一号議案 警視庁中野警察署庁舎(二十八)改築工事請負契約
・第百九十二号議案 東京都現代美術館(二十八)改修工事請負契約
・第百九十三号議案 東京都障害者総合スポーツセンター(二十八)改修及び増築工事請負契約
・第百九十四号議案 東京国際展示場(二十八)増築電気設備工事請負契約
・第百九十五号議案 東京国際展示場(二十八)増築空調設備工事請負契約
・第百九十六号議案 東京国際展示場(二十八)増築給水衛生設備工事請負契約
・第百九十七号議案 東京都現代美術館(二十八)改修空調設備工事請負契約
・第百九十八号議案 東京都現代美術館(二十八)改修電気設備工事請負契約
・第百九十九号議案 平成二十八年度新砂水門(再整備)建設工事(その三)請負契約
・第二百号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十二)請負契約
・第二百一号議案 小名木川護岸耐震補強工事(その一)請負契約
・第二百二号議案 平成二十八年度中潮橋撤去工事請負契約
・第二百三号議案 平成二十八年度十三号地新客船ふ頭岸壁(-(マイナス)十一・五m)連絡通路建設工事(その一)請負契約
・第二百五号議案 当せん金付証票の発売について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十九号 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

○栗山委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○栗山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び会計管理局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第百九十号議案から第二百三号議案までの契約議案については、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 報告事項、平成二十八年度公金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 平成二十八年度公金管理実績(上半期)についてが報告されましたので、質疑をします。
 公金、つまり都民の貴重な税金ですから、何よりも安全を確保することが重要だと思っています。公金管理実績を見て気になるのは、外国銀行や金銭信託の活用です。
 東京都公金管理ポリシーが平成二十七年三月に改定されています。公金管理をする上での基本方針だということになっていますけれども、この東京都の公金管理の方針というのはどのように決めたんでしょうか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の公金管理の方針であります東京都公金管理ポリシーは、公金の安全性、流動性の確保を大前提にしつつ、国内外の金融環境の変化に応じて、公金の運用先や運用商品の拡充など、柔軟かつ効率的な運用を行うことを目的としているものでございます。
 本ポリシーは、金融分野等の専門家による意見を聞いた上で、会計管理局長決定により策定されたものでございます。

○大山委員 金融分野等の専門家による意見を聞いた上で、会計管理局長が決定するということです。このときの東京都資金管理・活用アドバイザリーボード、これはホームページに出ていますので、名簿を見せていただいたら、公認会計士だとか、それから総合研究所の主任研究員さんだとか、あと証券会社の執行役員さんもいると。大学の教授、それから新聞の論説委員、あと弁護士さんという方々が、専門家として意見を聞く相手だということだと思っています。
 ことし十月まで、この東京都資金管理・活用アドバイザリーボードが設置されていました。この東京都資金管理・活用アドバイザリーボードの意見を聞いてつくったということなわけです。専門家がどのような意見をいってくれたのか、それからどのような議論があって新たな東京都公金管理ポリシーができたのか、都民の皆さんの税金を安全に管理するためにどのような議論があったのかということは、明らかにする必要があります。
 東京都資金管理・活用アドバイザリーボードの設置要綱では、会議は公開で行うものとする、ただし、アドバイザリーボードのメンバーの意見を聞いた上で、局長は非公開とすることができると、こうなっています。公開が基本なわけです。非公開で行ったというのは、何回開催されたうち何回ですか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都資金管理・活用アドバイザリーボードは、平成二十六年十月に設置されまして、これまで八回開催されました。第一回は、冒頭のみ公開で、第二回目以降の七回を非公開で行いました。

○大山委員 一回目は冒頭のみ公開ということですから、ほとんど議事が始まる前に、議論が始まる前に傍聴はおしまいだということですから、皆、非公開でやっているということなんですね。東京都資金管理・活用アドバイザリーボードが非公開で行われた理由というのは何なんでしょうか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都資金管理・活用アドバイザリーボードでは、資金管理の基本方針や金融機関及び金融商品の選択などについて、メンバーから意見をいただいておりました。そのため、この会議では、個々の金融機関などのさまざまな個別情報を取り扱ってきたところでございます。
 個別情報が外部に伝わりますと、金融機関等の事業運営上の地位の損失や正常な経済活動の阻害のみならず、予期せぬ風評や影響を誘発する可能性があります。
 その結果、金融情勢を乱すことになれば、都民生活に多大な影響を及ぼすことも認められるため、アドバイザリーボードのメンバーの意見を聞いた上で非公開としてきたところでございます。

○大山委員 資金管理の基本方針ということは、東京都公金管理ポリシーや毎年の公金管理計画があるわけです。こうした基本方針を決めていく過程を非公開とするのは納得できないわけですね。
 例えば、このポリシーだって、個別の金融情報というのは別に載っているわけではありません、基本方針です。金融機関や金融商品の選択のような金融機関の個別情報については、通常の議事録の情報開示のように個別の情報を黒塗りにすればよくて、全面非公開というのはふさわしくありません。
 東京都公金管理ポリシーの初めに、これですね、本方針の策定は、これまでどおり公金の安全性、流動性の確保を大前提にしつつと、こう書いてあるんです。これは、公金管理に責任を持っている会計管理局としてはかなめなわけですね。公金の安全性、流動性の確保を大前提だ、これはかなめだと思っています。
 大前提にしつつの後に何と書いてあるかというと、国内外の金融環境の変化に応じて公金の運用先や運用商品の拡充など、柔軟かつ効率的な運用を行う、こうなっているんです。公金管理で、柔軟かつ効率的とはどういうことなのか、こう思うわけです。
 ポリシーの中には、公金管理の原則として、安全性の確保で、安全な金融商品により保管及び運用を行うとともに、預金については金融機関の健全性に十分留意する、これは当然だと思います。その後に、効率性の追求という表題があって、運用収益の最大化を図り、とあります。安全性と運用収益の最大化というのは相反するんではないでしょうか。せめて、十年以上ぶりに改定したというこの東京都公金管理ポリシーをつくるときにどのような議論があったのか、どのような意見が出されて、安全性を最優先すべき公金の管理について運用収益の最大化を図ることになったのか、都民に明らかにするべきです。
 この東京都公金管理ポリシーを改定してから新しく導入されたのが、外国銀行も活用することになったのが一つです。外国銀行を活用することになった経過というのは、どういうことでしょうか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 預金につきましては、平成二十六年度までは邦銀中心に実施してまいりました。
 近年、金融機関の統廃合による国内の銀行数の減少に伴いまして、預金入札における競争性が低下したところでございます。また、国内景気の低迷により、銀行の貸し出しが伸び悩み、預金に対する貸し出しの割合が低下したことなどで、銀行の預金獲得ニーズは減少したところでございます。
 こうした金融情勢を踏まえまして、預金入札の競争性を確保する視点から、平成二十七年度以降、預金対象先に安全性の高い外国銀行を加えることにいたしました。

○大山委員 今、預金入札における競争性の低下だとかということが出てきたわけですけれども、預金入札というのは、邦銀も外国銀行も含めて入札するということの理解でいいですね。入札というと、建築の契約だとか、それから土木の契約だとか、入札のときのように、入札経過というのは公開されているんでしょうか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公開はしておりません。

○大山委員 これも公開していないわけですね。どうして公開しないんですか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 入札の経過を公表するとなると、金融機関の提示金利が明らかになることになります。そうすると、当該金融機関の経営スタンスなど個別情報が類推されることになり、金融機関の事業運営に支障が出る可能性があります。また、予期せぬ風評や影響を生じさせる可能性もあることから公表を差し控えております。金融分野等の専門家である委員の方々も、公表すべきではないという意見をいただいております。

○大山委員 先ほどの答弁の中で、競争性を確保するということなんですけれども、それぞれの金融機関がどんな金利を示したのかもわからない、どうして競争性があるのかというのは非常に疑問です。
 もう一つ、昨年度から始まったのは金銭信託です。金銭信託を活用することになった経過というのはどうなっているんですか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十五年四月に開始されました日銀の大規模な金融緩和政策などにより、その後の推移の中で、日本国債がマイナス利回りを記録し、預金の運用利回りは極めて低い水準となりました。
 こうした中、安全性を確保した上での運用商品の多様化の視点から、平成二十七年度より元利保証型の金銭信託での運用を開始いたしました。

○大山委員 日銀の大規模な金融緩和等で国債がマイナス利回りになったり、預金の利回りが極めて低くなったから、つまりアベノミクスが原因だということなんです。
 ともかく、利息が低くなったから金銭信託で資金を運用して、より高い利率を確保するということなんでしょうか。元利保証型といいますけれども、ゼロ金利の時代にそんなうまい話があるんでしょうか。金銭信託で、公金が安全で元本は保証するということは、どこでどのように保証されるんですか。

○中澤管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都が信託した資金は、信託銀行により国内外の投融資で運用されることになります。この投融資には、安全性の高い信託銀行による元利保証がついておりまして、公金の安全性は担保されているものでございます。

○大山委員 安全性を担保しているとおっしゃるわけですけれども、信託というやり方をとっている以上、全くリスクがないというようにはならないんではないのでしょうか。
 今、質疑してきて、私が疑問があるのは、基本方針を改定するときの議論も密室、どこに預けているかも知らせない、金銭信託まで始めた、しかし、どの信託銀行にどういう金融商品で運用しているかも都民には知らされない。結局、東京都がうまくやりますから信頼してください、都民の皆さんは黙っていてくださいというような話じゃないんでしょうか。よらしむべし、知らしむべからずということじゃないんでしょうか。
 都民の大切な税金です。何より安全な管理を第一にすべきだし、基本方針を変えるなら、どうして、どういう議論があって変えたのかぐらいは公開すべきだという意見を述べて、終わりにします。

○栗山委員長 ほかにございますか。  発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○栗山委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百九十号議案から第二百三号議案まで及び第二百五号議案を一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○斉藤委員 今定例会では、多くの工事請負契約の議案が提出されているわけでございますが、契約のあり方が非常に注目されている今日、議会としても、緊張感を持って精査する姿勢が重要であろうと思います。その基本認識のもと、幾つか質問をしたいと思います。
 公共調達の基本原則は、昨日の本会議でも、一般質問でもありましたけれども、透明性、公正性、そして競争性の確保にあることはいうまでもありませんが、しかし、この行き過ぎた競争の中でダンピング受注が横行いたしまして、実業の方の建設業界は大変に疲弊してきた経過がございます。その反省のもとに、品質の確保や、最近では担い手の確保のために、適正な価格と品質の確保を目指しまして、公共工事の契約制度の見直しが重ねられてきたわけであります。
 都議会公明党といたしましても、かねてより、公共工事の品質を確保するため、価格と価格以外の要素、すなわち、例えば技術力などを評価する総合評価方式を、工事の特性に応じて適切に適用していくことを主張してまいりました。
 今回の提出議案の中でも、総合評価方式を適用している案件が幾つか見られるわけでございますけれども、それらが適用されている総合評価方式の類型、幾つかあると思います。その概要について伺いたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 議案の中で適用しております都の総合評価方式の類型は、東京都現代美術館(二十八)改修電気設備工事、綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十二)、小名木川護岸耐震補強工事(その一)の技術実績評価型総合評価方式と、東京国際展示場(二十八)増築工事の技術提案型総合評価方式でございます。
 技術実績評価型総合評価方式は、比較的規模は大きいものの、標準的な技術を用いる工事について、過去の施工実績や都における工事成績等の技術的能力を評価した上で落札者を決定する方式でございます。また、技術提案型総合評価方式は、案件ごとに発注者が求める課題に対し、入札参加者から技術提案を受け、それを評価した上で落札者を決定する方式でございます。
 いずれの方式も、都が発注する建設工事において品質を確保するため、入札の際に工事価格と技術的能力や性能等、価格以外の技術的な要素を総合的に評価して落札者を決定する方式でございます。

○斉藤委員 まさに価格だけではない、そういった総合的に評価をして落札する決定方式ということですが、今回の提出議案には、公共工事の品質を確保するための取り組みとして、工事に合わせた類型の異なる総合評価方式を適用していることがわかるわけでございます。
 さて、今回の提出議案の中には、障害者アスリートのためのトレーニング環境の充実を図るための東京都障害者総合スポーツセンター改修及び増築工事が付議されているわけであります。
 本件につきましては、まず入札方式、また、さらに最近議論になっております入札参加者数とか落札率について確認をしたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 本案件は、昭和六十一年に竣工し、築約三十年が経過した既設施設の老朽化への対応と既設施設の利用者の利便性、快適性を向上するとともに、障害者アスリートのトレーニング環境の充実を図るために、改修及び増築を行う工事でございます。業種は建築工事で、一般競争入札の案件であり、入札参加者数は七者、落札率は九〇・九九%でございます。

○斉藤委員 予定価格が約二十二億円と高額な案件でありますけれども、これは入札参加者が七者と、多いと私は思いました。競争性も十分に確保されている案件でございますが、落札する側、決める側からすると相当厳しい契約だったのかなと思いますけれども、都の入札に参加しやすい環境の整備の取り組みについての成果があらわれている案件の一つじゃないかと思ったわけでございます。
 ところで、ちょっと視点を変えますが、この施設は障害のある方々が利用する施設でありますけれども、三十年前、要するに昭和六十一年、相当前につくられた建物が、今新しく増改築され、改修されていくわけですが、この施設の利便性や快適性を、今、向上させるために、バリアフリー化についてどういった基準などに基づいて整備しているかをお伺いしたいと思います。

○中山技術管理担当部長 都の施設のバリアフリー化につきましては、都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインを定め、建物各部分の寸法、形状、設備など、福祉のまちづくり条例等に基づいた施設整備を行っております。本工事においては、さらに、施設の特性を踏まえ、障害者の方々の動線や利用に可能な限り配慮した整備を進めておりまして、例えば、施設管理者からヒアリングを実施した上で、出入り口や廊下の幅、エレベーターの大きさを十分確保するとともに、きめ細かく配慮した使いやすいトイレとするなどしております。これらは、二〇二〇年大会のアクセシビリティ・ガイドラインの考え方にも沿ったものでございます。
 今後も引き続き、全ての人に優しい施設づくりを進め、ユニバーサルデザインの一層の普及に努めてまいります。

○斉藤委員 契約案件の質疑でございますので、中身にはちょっとこれ立ち入るには限界がございます。とても大事な視点だと思います。もう三十年前につくられたものを、今、増改築するというときの評価というのは、やはり経済的な、金額ベースの話だけじゃなくて、まさにそのときの基準というのがあるわけでございますので、そういったことを加味する上でも、この総合評価方式というのは非常に私は有効な契約制度ではないかと思っているわけでございます。
 公共工事におきましては、施設のバリアフリー化などを確実に行っていきまして、ぜひとも品質もしっかり確保していってもらいたいんですが、入札制度というその契約の制度という観点からも十分な検討をしていく必要があるんではないかと思うわけであります。
 最近、この入札契約制度をめぐりましては、落札率や入札の参加者数という数字、そういった議論の中で、非常にそこを重視して価格競争を、えてして重視するのは大事ですが、安ければ安いほどいいなどという声が聞こえてくるのは、私は違うのではないかと思っておりまして、間違いであると。
 公共調達におきましては、単純な価格競争だけでは、先般行われました改正品確法が目指すこの品質の確保や担い手確保に懸念が生ずることになると思うわけであります。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの成功とその先を見据え、設計や工事の品質を確保していくことが重要だと考えます。
 また、東京都障害者総合スポーツセンターのバリアフリー化につきましては、せんだって、今のこの委員会でも伺いましたけれども、我が党としましては、新しい小池都政の中で、十二月六日に、二〇二〇年に向けた実行プランに関する政策提言、これを行ったところであります。生き生きと障害者が暮らせる東京への工夫という、そういったタイトルで、これをしっかりと推進していくことを提言したわけでありますが、障害者福祉に重点を置いていること、そういった提言を示したところであります。
 また、単に、福祉という観点で障害者を見る時代はもう終わったと私は思っておりまして、障害者の権利条約を批准した国として、さまざまな観点で、むしろプレーヤーとして、障害のある方であっても、その能力をぜひともさまざまところで発揮していただく、そういった都市づくり、まちづくりが必要であろう、このように考えるわけであります。
 ユニバーサルデザインという言葉はもう大分定着してまいりました。さまざまなガイドラインもありますし、また、まちづくり条例など、そういうところにも反映されておりますけれども、これは障害者の社会参加という意味でも、非常に私は重要なデザイン手法であろうと思います。
 その関連で、昨日、私が紹介したインクルーシブデザインという考え方もあります。これ、目指すところはバリアフリー、さまざまな件でユニバーサルデザインと同じ理想を抱いているわけでありますけれども、より初期の段階で、企画、設計の段階から、障害がある方の日常で感じている不便さを、逆によく観察をして、初期段階から巻き込んでいく形でさまざまなニーズを発見する、気づくという手法ですけれども、これを今すぐ何かに生かすということはなかなかそれは無理だというふうにわかっておりますけれども、障害のある方に対する参加といった設計のあり方、こういったことが評価される日が一日でも早く来るように私もしっかり推進していきたいと思っているわけであります。
 本日は契約の案件の質疑ですので、議論はこれ以上いたしませんけれども、従来と異なる手法も、健常者を前提とするデザインだけじゃなくて、障害がある方の視点の入ったデザインプロセス、こういったものも考えるような総合評価の契約がある日を目指していきたいと思っております。
 今回は、障害者スポーツセンターの改修工事の議案を例に若干質疑させていただきましたが、障害のあるなしにかかわらず、全ての人が暮らしやすい社会になるような、その実現に向けて、この契約制度のさらなる見直しもあることを念願しまして、質問を終わりたいと思います。

○大西委員 私も、入札契約制度につきまして質問をさせていただこうと思っているんですけど、斉藤先生とちょっとかぶるところもございましたし、まあちょっとはしょりながらも、ちょっと違う面からでも質問させていただきたいと思います。
 きのうの一般質問でも出ていましたし、また、都政改革本部会議等でも、この入札契約制度というのは取り沙汰されて活発な意見交換がされているようです。
 そこでまず、基本的な事項をおさらいしておきたいんですが、先ほど、斉藤さんもいわれましたけど、入札契約制度では、透明性、公正性、競争性が重要ではございますが、都の工事契約における入札ではどのように取り組んでいるのか、伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 都における二百五十万円を超える工事契約は、参加資格を有する事業者であれば誰でも入札に参加できる一般競争入札と、入札への参加希望者が少ない場合に事業者を追加指名する希望制指名競争入札の二つの方式により入札を実施しております。いずれも電子調達システムを活用し、公表から開札まで他の参加者が一切わからないよう入札参加希望者が一堂に集まる機会を排除し、入札契約の透明性や競争性を確保しているところでございます。

○大西委員 本部会議では、豊洲新市場やオリンピック施設をケーススタディーとして、一者入札や高落札率が問題として取り上げられております。
 そこで、一般論としてなんですけど、一者しか入札がない、落札率は九九%、先ほど九九・九九%というのがありましたけど、こういうことになる理由について伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 都では、入札に係る不正行為を防止し、制度の透明性を高めるため、予定価格を事前公表しているところでございます。そのため、その事前公表された予定価格内で採算のとれなくなるおそれがある施工条件の厳しい工事などでは、制度上、応札者が少なくなったり、落札率が高くなったりする場合があると考えております。

○大西委員 採算性が厳しい工事で応札者が減少し、結果として高落札率となるという状況は理解できます。個別案件の事情を考慮せず、一部の案件を切り取り、その結果のみをもって制度全体を否定するのはよろしくないことだと思います。
 とはいえ、入札者が一者で落札率が九九%という、都民から見ても疑念を持たれるような入札はやはり好ましくないとも思います。都は、この一者入札、落札率九九%となるような入札を回避する工夫に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 都では、電子調達システムにより入札を行っており、入札参加者は、他の入札者の存在を知り得ない仕組みとなっておりますので、結果的に一者入札となっても競争性は担保されていると考えております。しかしながら、一者入札よりも、できるだけ多くの入札者の参加によって、より競争性の高い入札環境を整えていくことが望ましいと考えております。
 そこで、都では、平成二十六年から、入札に参加しやすい環境の整備に向けてというテーマを定め、市場価格とのギャップのない適正な予定価格の設定、事業者に無理を強いることのない適切な工期、工程の設定など、不調を防止し、入札参加者をふやすためのさまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
 現在、都政改革本部の内部統制PTでは、特別顧問とさまざまな角度から議論しているところでございまして、今後、よりよい制度の構築に向けた検討を行ってまいります。

○大西委員 また、特別顧問は、最低制限価格の適用について、基準価格を下回ったものを一律に失格とすることがワイズスペンディングに反するとして見直しを提言しております。
 そこで、この最低制限価格制度を適用する理由について伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 最低制限価格制度は、地方自治法に基づき、当該契約の内容に適合した履行の確保のため、特に必要があると認めるときには、あらかじめ最低制限価格を設定することができるという制度でございます。
 都は、改正品確法の趣旨を踏まえ、公共工事の品質確保とその担い手の育成に必要な適正な利潤の確保のため、一定規模以下の工事に対して最低制限価格制度を適用し、ダンピング受注による粗雑工事や下請労働者へのしわ寄せの防止に取り組んでおります。

○大西委員 公共インフラは、都民の安全・安心にかかわるものであり、安かろう悪かろうというのは決して許されるものではありません。何でも安ければよいというものではなく、持続可能な公共調達を目指し、今後も入札制度改革を進めていただきたいという要望を最後に述べさせていただきまして、私の質問を終わります。

○山内委員 私からも、契約案件について質問させていただきたいと思います。
 東京国際展示場の増築工事は、産業労働局が展示施設として増築する工事で財務局が執行委任を受けるものです。
 そこで、契約についてお伺いしたいと思います。
 東京二〇二〇大会に向けて、今後、競技会場だけではなく、関連施設や民間でもホテルなどの建設が見込まれ、資材の高騰や労働者の不足も問題となっているさなか、東京国際展示場を拡張する工事は、二〇一九年六月までの工期であり、この状況にさらに拍車をかけることにならないのか心配をしております。
 これまで拡張といっていた増築工事は、技術提案型総合評価方式を採用していますが、その理由とメリットについてお伺いいたします。

○久保田建築保全部長 技術提案型総合評価方式につきましては、都の実施要綱に基づき、入札者が提案する技術等によりまして、工事価格の差異に比べて、工事目的物の性能や機能、環境対策等に相当の差異が生じると認められます技術的工夫の余地の大きな工事を対象としているところでございます。
 東京国際展示場の増築工事は、既存展示場を使用しながら、「ゆりかもめ」車両基地及びふ頭に囲まれました工事車両出入り口や作業エリアが限られる建築敷地におきまして、展示棟、駐車場棟及び連絡通路棟を整備するものでございます。
 このような厳しい条件の中で大規模な土の掘削を伴う基礎工事や大空間の鉄骨屋根工事などを行う難易度の高い工事で、約二年半の限られた工期内に資機材や労働力を確保して完成させる必要がございまして、すぐれたノウハウや技術力が求められます。
 こうしたことから、本工事に関する技術提案を求め、価格と合わせ、総合的にすぐれた落札者を決定する技術提案型総合評価方式を採用し、建物の品質向上や確実で安全な工事履行を図ることといたしました。

○山内委員 技術提案についてはどのような課題があり、どのような設定をしたのか、工期や資機材、人材への影響についてお伺いいたします。

○久保田建築保全部長 技術提案の課題は、第一に、鉄骨工事と山どめ工事の品質確保に関する施工計画、第二に、掘削土の場外搬出量の縮減、第三に、資機材や技術者等、労働者の確保へ向けた取り組み、第四に、建設現場の担い手の育成に向けた取り組みの四つを設定いたしました。
 これらの課題に対しまして、落札者は、掘削工事が近隣に影響を与えないように安全対策を行った上で仮置き場などを設けるなどいたしまして、土の場外搬出量を最小化する取り組みのほか、鉄骨工事では、複数の工法を比較検討した上で、屋根立体トラスのリフトアップなど、品質と精度の向上や工程管理に資する具体的な提案をいたしました。
 また、市場動向や建築計画を的確に分析いたしまして、重要な工程と資機材を抽出いたしまして、子会社を含めた調達ネットワークの活用、高機能な設計ソフトを活用した正確な数量把握などによる着実で無理のない資機材の調達、技能者、技術者の確保の取り組みに加えまして、施工方法の工夫による省力化を図る提案がございました。
 さらには、将来的な人材確保に資する取り組みといたしまして、若手技術者や女性技術者の活用、技術の向上・資格取得のための講習の実施などの提案がなされまして、それぞれ有効な取り組みとして高く評価できるものでございました。

○山内委員 今回、本体工事である増築工事のほかに、電気設備工事、空調設備工事、給水設備工事が契約案件であり、この四件の予定価格の合計は約五百十億円となっています。
 二〇一五年第四回定例会に付議された地盤改良工事で約十八億円がかかっております。残る工事は何があるのか、お伺いいたします。

○久保田建築保全部長 東京国際展示場増築の関連工事といたしまして、現在、エレベーター設備工事、エスカレーター設備工事、動く歩道設備工事、特殊消火設備工事の四件を入札公告中でございまして、この四件の予定価格の合計は約十九億円でございます。今後、必要となった場合の設計変更なども含めまして予算額の範囲で適切に対応してまいります。

○山内委員 東京国際展示場、いわゆる東京ビッグサイトですけれども、この拡張棟の増築は、立候補ファイル当初、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に、メーンプレスセンターとして使用し、大会終了後に、国際会議、展示施設として使うとして、展示面積一万平米、延べ床面積約四万四千平米、百四十四億円の予算で整備する予定でした。その後、二〇一四年、整備見込みの額が二百二十八億円に変更されました。この大幅な変更に驚いていたところ、昨年十一月、IOCとの調整で、東京ビッグサイトの拡張棟はメーンプレスセンターとして使用しないことが確認されました。
 拡張棟を使用しなくなったのだから中止すると思っておりました。ところが、十二月、突如、産業労働局は、展示施設として、展示面積は倍の二万平米、延べ床面積約六万八千平米、二層五階建て、あげくに、整備費は二倍以上の約五百九十九億円と膨れ上がり、大会前の二〇一九年十二月末までに整備することを決めました。
 しかし、二〇一九年十二月末に工事が完了しても、二〇二〇年の四月からは大会準備のために使用ができなくなる計画です。大会前に、三カ月しか使用できない施設を、資材高騰、建設物価の上昇、人手不足が心配されるさなかに建設することは、さらにそれに拍車をかけることにならないか、見直しが必要ではないかと意見を申し述べてまいりました。すると、ことし二月、竣工時期を十二月から六月に前倒しに変更、財務局が執行委任を受けたというのがこの間の経緯です。
 二〇二〇年に向かっては、さまざまな整備が行われ、都民の税金が投じられることに都民は非常に疑念を抱いています。今回の増築についても、都民の納得が得られるためには、予算が膨張しないように留意することを求めて、私の質問を終わります。

○大津委員 今回の財政委員会には、十四件の契約議案が提出されています。このうち東京都現代美術館改修工事の案件で、本体の建築工事一件と設備工事二件が出されていますが、落札率は三件いずれも九九%台で、うち設備工事二件は一者入札であります。こうした一者入札、高落札率の状態をもって、また最近、膨張という言葉がマスコミに先行し、ひとり歩きの報道にもより、多くの声を地元でも聞かれることがあります。
 入札参加者は、より多くの方が参加した方が望ましいとも思いますが、落札率の方は、あくまで入札結果をあらわしたものではあります。
 東京都は入札によって入札手続を行い、予定価格も事前公表しているので、全てが不自然な入札結果とはいえないと思います。しかし、それについても地元からは、予定価格が事前公表されているという報道がないので、一者入札、高落札率だけの報道ばかりなので、よくわからなかったという声もありました。肝心なことは、契約のさまざまな場面でチェック機能が働いているかどうかだと考えます。
 そこで、都では、契約事案の起工立案から履行までの過程において、チェックが行われているのかを伺います。
 また、各局が設置する談合情報検討委員会や、財務局が設置している入札監視委員会では、どのようにチェックが行われているのか、伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 契約事案に関しましては、計画、積算、発注、契約締結、施工、竣工、竣工後など、各部署においてそれぞれの役割に応じたチェックや、監査委員による工事監査などが行われているところでございます。
 また、談合情報等が寄せられた場合には、それぞれ発注部署に設置する談合情報検討委員会において、通報内容の信憑性や手続続行の可否などを検討いたしまして、必要に応じて談合情報を公正取引委員会に通報しているところでございます。
 また、入札監視委員会では、前年度発注した入札結果をもとに、年二件程度の案件を選定し、契約に至るまでの過程や制度改正があった場合の効果等について、事後的に検証、検討を行っているところでございます。

○大津委員 入札監視委員会の運営に関するこの間のやりとりを拝見していると、都としてはしっかりやっているつもりでも、見方が変わると、委員の選定や審議対象の抽出方法など、チェック機能を果たす第三者機関として、透明性等の観点から脇が甘かった点もあったのではないかと思います。
 そこで、入札監視委員会の運営方法等について、今後どのようにしていくのか、伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 これまで、委員会の構成メンバーとして、学識経験者とともに都のOB職員を一名選定しておりましたが、知事からは、今後、都のOBではない学識経験者を委員に選定するよう指示を受けております。
 また、審議対象については、委員会において合議によって決定する方向で検討してまいります。

○大津委員 次に、東京国際展示場についてです。
 今回、整備する増築棟、渡り廊下でつながっている新増築棟みたいなものですが、展示場と既存施設との連絡通路、駐車場棟から成る延べ床面積は六万六千平米を超える大規模施設です。増築棟に関する契約金額は、建築工事約三百三十億円、電気設備工事約七十三億円、空調設備工事約四十五億円、給水衛生設備工事約二十一億円であり、四件の合計は約四百七十億円に及ぶものです。
 加えて、予定価格が九億円を超えないとこの財政委員会にかかりませんが、九億円未満で、議会付議対象とはならないエレベーター、エスカレーター、動く歩道、特殊消火設備の四件の工事が別に約十九億円見込まれ、総合計約四百八十九億円となっています。
 こういった大規模施設整備の原資は、多くの場合、都民の税金でもあり、適正な契約であることが求められます。
 その前提として、契約の基礎となる予定価格が適正であることが一番ですが、施設整備のコストに直結する予定価格は、そもそも発注者である都によって、きちんと精査されていることが必要です。よく地元で、この予定価格についてもいろいろと質問をされるところです。
 入札金額が予定価格の範囲内にあることは理解をしておりますけれども、震災やオリンピック招致後の、特に平成二十三年の震災後、そして平成二十五年九月のオリ・パラ決定後の資材高騰もあり、そもそも予定価格が高いのではないかという見方もあります。
 そこで、予定価格をどのように定めているのか、確認をしたいと思います。

○久保田建築保全部長 予定価格につきましては、契約金額決定の基礎とするため、予算で定める金額の範囲内で工事費用を積算し、作成するものでございます。
 積算は、単価の設定方法、現場管理費等の算出方法、特別な場合の補正事項など、工事費の積算全般に関する取り扱いを定めました積算基準に基づいて行っております。
 具体的には、設計図書等から資材等の数量を計測、計算し、これに標準単価のほか、専門業者による見積もりに基づく単価や市販の刊行物を根拠とする単価を乗じた上で、現場管理費等の必要な経費を加算するものでございます。
 東京都では、公共工事の積算の透明性、客観性、妥当性を確保するため、積算基準及び標準単価を公表しております。
 さらに、標準単価につきましては、資材等の市場動向を速やかに反映できるよう、年四回の定期改正を行っているほか、特に、鋼材や配管等の主要資材に関して、価格変動が大きい場合には随時改正を行っております。
 なお、主要資材の顕著な価格変動でございますが、例えば、鉄骨工事で使用されるH形鋼は、平成二十五年一月から平成二十六年五月までの間に約二八%、鉄筋工事で使用される異形棒鋼では、平成二十五年一月から平成二十六年六月までの間に約三〇%上昇をしてございます。
 今後とも、市場動向を的確に把握いたしまして、適正な予定価格の作成に努めてまいります。

○大津委員 予定価格は、基準に基づき積算して決められており、客観性、妥当性が確保されていること、基準や標準の単価も公開されているので、見える化がされていることはわかりました。
 国際展示場の今回の工事は、これまでの既存建物に増築、つなげる新棟という計画であります。
 そこで、新増築棟の工事金額は、今までの既存棟と比較し、割高な金額となっているのかどうかを確認したいと思います。

○久保田建築保全部長 東京国際展示場の既存棟は、会議棟、東展示棟及び西展示棟の三棟から構成をされていまして、建設工事は、平成七年十月に竣工してございます。
 既存棟の延べ面積は、会議棟約六万四千平方メートル、東展示棟約十万五千平方メートル及び西展示棟約六万一千平方メートルの合計約二十三万平方メートルとなってございます。
 また、既存棟に関係する工事契約金額の合計は約一千八百四十九億円でございます。今回の建設する増築棟は、まだ関連工事の入札手続が完了していないために、厳密な比較が困難でございますけれども、単位床面積当たりの金額におきまして、既存棟に対する同等以下の金額となってございます。

○大津委員 約二十年前に建設した既存棟と、現在は消費税率が異なるため、金額の比較をする上では、税抜きで行うなど条件を整える必要があります。
 計算をしてみましたところ、今回の増築棟の一平米当たりの金額は約六十八万一千円であり、既存棟は約七十七万七千円となっています。今の答弁で、既存棟と比較した場合でも、今回の増築棟との整備コストの整合性はやや整っていることは理解をできます。
 ところで、今回の質疑に当たって参考にするために、オリンピック競技施設の整備コストの情報を集めてみました。
 例えば、有明アリーナです。現行の契約額を、税抜きにして一平米当たりの金額を計算してみると、約一平米当たりの単価コストは七十三万二千円となりました。この有明アリーナの契約額には、設計施工一括発注方式のため、設計費用が含まれるほか、見直しの対象となっていると聞く可動席三千席の費用も含まれています。
 今回の国際展示場と単純な比較はできないにしても、現行の仕様による契約額では、決して有明アリーナのコストは、単価自体が膨張に膨張して高いとは全く思えず、単価自体が膨張したのではなく、オリンピック申請のときに出したものと今回と、項目が全く違う加算による点からだと思いますが、いずれにしても、この膨張という言葉は適切ではない言葉であり、不安や猜疑心や怒りをどうしてもあおりやすい、誤解があると思います。一つ一つ事実関係を精査して見ていきたいと思います。
 この見直しが、例えば、有明アリーナ、実際に行われる場合、現行の工事請負契約について変更を行うことになります。発注するときには、財政委員会でも議会でも承認をしておりますけれども、契約変更で、例えば、減額される場合というのは、手続的にどういうふうになるものなのか、一般論で構わないので確認をさせてください。議会の議決を経て契約されたものを減額変更する場合の議会での取り扱いの方法を伺います。

○五十嵐契約調整担当部長 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例によりまして、予定価格九億円以上の工事については、議会の議決に付すこととなっております。
 契約金額が減額となる変更につきましては、議決の範囲内での変更であるため、改めての付議はいたしておりません。

○大津委員 なお、今回、国際展示場の契約案件ですが、ランニングコストを産業労働局に確認してみました。
 産業労働局からは、会場運営事業原価、つまり既存の会議棟、東棟、西棟合わせて、人件費、光熱費を入れた運営費と維持管理費を合計して、年間のコストが約七十六億円という答えでした。じゃあ、今回かかっている案件の新増設のランニングコストはと聞いたところ、これから試算をするところであるとのことでありました。じゃあ、こうしたコストは都民の税金からの支出なのかどうかを確認したところ、収益から支出をしていくということでありました。
 いずれにしても、原点に戻りますが、適正にしても、そうじゃない疑念に関しても、チェック機能をさらに強化して、きちんとそれについて説明をできる、そうしたことが原点かと思いますので、入札監視委員会のさまざまな今後の改善点も答弁にありましたところですけれども、さらにさまざま強化をして、チェック機能を発揮していっていただきたいと思って、質問を終わります。

○栗山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○栗山委員長 次に、議員提出議案第十九号を議題といたします。
 本件について提出者の説明を求めます。

○とくとめ委員 日本共産党東京都議会議員団、都議会生活者ネットワーク、かがやけTokyo、東京みんなの改革、日本維新の会東京都議会の五会派を代表して、議員提出議案第十九号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案の提案説明を行います。
 この条例は、平成二十八年十二月に支給される東京都議会議員の期末手当を、平成二十七年十二月に引き上げられた現行の支給割合に据え置くものです。都議会議員の期末手当の額は、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例第六条二項の規定で、職員の給与に連動する規定になっています。
 したがって、今定例会で職員の勤勉手当の支給割合を、百分の九十二・五から、百分の九十五に引き上げる決定が可決されますと、議員の期末手当も連動して、百分の九十五に引き上げられることになります。
 都民の暮らしの困難が増大している中で、都議会議員の期末手当の引き上げは、都民の納得を得られるものではありません。私たちは、議員報酬については引き下げることが必要だと考えています。
 都議会として速やかに協議を始める必要があります。しかし、報酬削減の協議をまつまでもなく、期末手当の引き上げを中止し、現行どおり据え置くことは、やる気さえあれば直ちにできることであります。
 こうした立場から、期末手当を現行水準に据え置く条例案を提出するものであり、議員各位の皆さんのご賛同を得られるものと確信しております。
 同様の内容の条例案を、昨年の第四回定例会、ことしの第一回定例会でも提案いたしました。ところが、その後も都民の暮らしの困難は改善されておりません。ますます格差と貧困が広がり、労働者の賃金は三年間のうち年額十七万五千円も減り、家計消費は実質十三カ月連続で対前年比マイナスとなっております。
 したがって、平成二十八年十二月に支給される期末手当の割合を、昨年十二月の改定の百分の九十二・五に据え置くことを提案いたします。
 以上で提案説明を終わります。

○栗山委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会

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