財政委員会速記録第十一号

平成二十八年十月六日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長鈴木 錦治君
副委員長遠藤  守君
副委員長堀  宏道君
理事松村 友昭君
理事崎山 知尚君
理事酒井 大史君
大門さちえ君
大津ひろ子君
山内れい子君
神野 次郎君
ともとし春久君
桜井 浩之君
宇田川聡史君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
契約調整担当部長五十嵐 律君
主計部長岩瀬 和春君
財産運用部長中村 倫治君
利活用調整担当部長山根 恭子君
建築保全部長久保田浩二君
技術管理担当部長中山  衛君
庁舎運営担当部長米今 俊信君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君

本日の会議に付した事件
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十二号議案 平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入
・第百六十四号議案 都立江北高等学校(二十八)改築工事請負契約
・第百六十五号議案 都立王子地区特別支援学校(仮称)(二十八)増築及び改修工事請負契約
・第百六十六号議案 都立篠崎高等学校(二十八)改修工事請負契約
・第百六十七号議案 東京国際フォーラム(二十八)改修工事請負契約
・第百六十八号議案 東京国際フォーラム(二十八)空調設備改修工事請負契約
・第百六十九号議案 東京国際フォーラム(二十八)電気設備改修工事請負契約
・第百七十号議案  消防艇の製造請負契約
・第百七十一号議案 中川護岸耐震補強工事(その三十四)請負契約
・第百七十二号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十一)請負契約
・第百七十三号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十七)請負契約
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・「平成二十七年度東京都年次財務報告書」について

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第百六十四号議案から第百七十三号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十二号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入及び第百六十四号議案から第百七十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○松村委員 提出されている工事請負契約議案十件ありますけれども、このうち第百六十九号、百七十号、百七十三号が一者のみの応札だと伺っております。そしてまた、そのうちの二件が九九・九%以上、もう一件、百六十九号の東京国際フォーラム電気設備改修工事も九八・九%と高落札率となっています。
 そこで、この間の契約案件で、一者入札の件数、それから、落札率が九九%以上の件数、さらに、その一者入札かつ落札率が九九%以上の案件は、この間、三年間とってみたいと思いますけれども、どのような状況なのかお聞きいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 平成二十五年度から平成二十七年度の三年間の全入札件数一万四千四百十二件に対しまして、一者入札の件数は三千四百八十件で二四・一%、落札率が九九%以上の案件は二千二百十五件で一五・四%、一者入札かつ落札率が九九%以上の案件は千五百八十二件で一一・〇%でございます。

○松村委員 一者入札、全体の二四・一%というので、今のそれぞれの件数を答えていただいて、私は本当に多いといいますか、意外というか、受けとめているんですけれども、これについて、財務当局としての、どういうふうに見られているのかといいますか、本来の入札の競争性や公正性とか、さらに、競い合っていいものというか、技術の高い、質の高いものをやはり都民の税金を使ってやるという公共性を考えて、ご見解といいますか--もちろん談合情報とか、そういうのがあったとか、そういうことじゃないと思いますし、今まで、そういう意味では的確にやってきていると思いますけれども、ちょっと最近いろいろ入札についての都民の関心も深まっていると思いますので、その点についての、もし見解があれば、お伺いしたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 一者入札かつ落札率が九九%以上の工事案件、ただいま申し上げました工事案件が全体の約一割を占めておりますけれども、ただいま申し上げた件数につきましては、この三年間が、東日本大震災の復興工事の本格化の影響を受けて資材価格や労務費が高騰した時期と重なっておりまして、都が示した予定価格内での入札参加者が少なくなったことが影響した結果と認識しております。

○松村委員 その時々のさまざまな要因が加味されて応札が少なかったということと、また、そういう意味では高い、予定価格に近い落札という状況になっているというふうに思います。
 いずれにしても、今後やはり入札制度の本来のあり方も、さらに、いろいろ改善といいますか、そういう意味ではもっと応札が行えるとか、やりやすくといいますか、できるようにとか、そういうことの改善もやはり必要に思われますので、今後の、そういう点では留意といいますか、検討も要望しておきたいというふうに思います。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○鈴木委員長 次に、報告事項、私債権の放棄について外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 それでは、ちょっと私の方からは、平成二十七年度東京都年次財務報告書に関連しまして、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 これから平成二十九年度の予算編成が行われるわけでありますけれども、これまでも折に触れて議論されてきましたが、都税収入は景気変動の影響を受けやすい不安定な構造にあり、都財政の運営は他の自治体以上に高い自立性が求められるわけであります。これまでの都財政運営がどのようになされてきたのか、現在、健全性がどのように築かれてきたのかについて、改めて確認をしておくことはとても重要だというふうに考えます。
 そこで、先日、都が年次財務報告書で公表した平成二十七年度決算とその分析について、お伺いをしたいと思います。
 まず、前提として、平成二十七年度決算に対する評価について、最初にお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 平成二十七年度決算では、歳入の約七割を占める都税収入が、税率引き上げなどに伴う地方消費税の増収や企業収益の堅調な推移等による法人二税の増収などによりまして、前年度と比べて九・〇%増の五兆一千六百二十四億円で、四年連続の増収となりました。
 施策面におきましては、子育て支援などの福祉施策を積極的に進めた結果、民生費が前年度比一二・九%増の九千六百九十八億円となるとともに、都市機能を進化させるインフラ整備や災害に強い都市づくりを推進するなど、都が抱えるさまざまな課題に積極的に取り組んでまいりました。
 また、増収などを活用いたしまして、防災街づくり基金に二千億円の積み立てを行うなど、二〇二〇年に向けた集中的、重点的な取り組みを図る基金の残高を、前年度比五九・四%増となる八千百十一億円確保するとともに、社会資本等整備基金に一千五十七億円の積み立てを行うなど、財源として活用可能な基金の残高を、前年度比で一五・〇%増となる一兆二千五百九億円確保いたしました。
 さらに、都債発行額を低水準に抑えたことなどによりまして、都債残高は前年度比五・五%減となります四兆八千九百九十八億円となりました。
 このように平成二十七年度決算では、施策の積極的な展開と財政の健全性の確保という二つの目標を両立させることができたと考えてございます。

○桜井委員 ただいまのお話もありましたが、税収が堅調な中で重要課題にしっかり応える一方、歳出の精査を徹底して堅実に財政基盤の強化に努めていることがうかがえる、そういう決算だったというふうに考えます。
 当然のことでありますけれども、都民のニーズに応えるべく積極的な施策展開を行うのみならず、将来への備えもきちんと講じていくことは大変重要なことであります。このように現在、都財政は健全性が堅持されているといえる状況にありますが、かつては、実質収支で一千億円を超える赤字を計上し、財政再建団体に転落する寸前の危機に直面することもあったということは、紛れもない事実であります。
 先日の代表質問では、我が党の高木幹事長が、当時の財政再建の取り組みを血のにじむような努力と表現しておりましたが、こうした財政構造改革により、今日の都財政が構築されたと私たちは認識をいたしております。
 そこで、現在の都の歳入歳出構造について、財政再建前の財政運営との比較でどのような状況になっているのか、お伺いをいたします。

○岩瀬主計部長 平成二十七年度と財政規模がほぼ同じである平成五年度は、バブル経済の崩壊によりまして都税収入が大きく減少する中で、大規模施設の建設や公共投資を中心とした景気対策などを行い、高い歳出水準を維持しておりました。
 その結果、人件費や投資的経費などの行政サービスに要する経費を都税収入で賄うことができず、都債発行などに依存した財政運営となってございました。
 一方で、平成二十七年度は、限られた税収で必要な行政サービスを提供するとともに、将来を見据えた都債の償還や基金積み立てを進めております。
 こうした比較によりまして、現在の都財政は過去と比べて大きく質が変わっており、いわば、筋肉質な体質に変化を遂げていることわかると思います。

○桜井委員 現在の都財政は、平成五年度の財政と比べますと、いわば、筋肉質な体質に変化をしているとの説明が今、あったわけでありますけれども、平成五年度といえば、バブル経済が崩壊した後、どの自治体も税収が減少する中で、地方債の大量発行などにより、内需拡大や経済対策を積極的に行い、高い歳出水準を維持していた時期であるというふうに思います。
 答弁によりますれば、都も他の自治体と同じように、平成五年度時点では、いわば、身の丈に合わない財政運営を行っていた時期といえるわけであります。
 その後、他の自治体は現在に至るまで、慢性的な財源不足と増嵩する地方債残高に苦しめられているわけでありますけれども、対照的に都は、百年に一度といわれるリーマンショックや東日本大震災の混乱を乗り越え、健全な財政を実現しております。
 そこで、こうした財政の質的転換がどのような取り組みによってなし遂げられたのか、また、それは国や他の自治体との比較において、どのような成果指標にあらわれているのかについてお伺いをいたします。

○岩瀬主計部長 都は、二次にわたる財政再建推進プランに基づきまして、当時としては全国で最も厳しい職員給与費の四%削減を行うなど内部努力を徹底するとともに、経常経費、投資的経費を問わず、施策の見直し、再構築を進めてまいりました。
 このような取り組みを通じまして、平成十年度に過去最悪となる一千六十八億円もの赤字を計上した実質収支を、平成十七年度には黒字化し、財政再建を達成いたしました。
 平成十八年度以降も施策を厳しく検証し、その実効性や効率性を高めるため、事業評価の仕組みを導入することで、将来を見据えた健全な財政運営を行うことが可能となってございます。
 成果指標の一例といたしまして、現在の都の財政規模を国や地方と比較いたしますと、平成四年度を一〇〇としたときに、国が一三三・九、地方が一一五・三と大きく増加しているのに対しまして、都は九七となってございまして、都が国や他の自治体を上回る取り組みを行っているといえます。都財政の質的転換は、こうした指標にも顕著にあらわれていると考えております。

○桜井委員 まさに、血のにじむような努力を行ってきたと考えるわけであります。今日の都財政は、こうした努力の上に成り立っており、財政再建の努力を事業評価という形で今日まで続けてきたことも重要であります。
 ただ、懸念されるのは、鈴木都政、石原都政を通じて行われてきた行政改革、財政再建という大義のもとで、職員数は減少の一途をたどり、このままで果たして技術やノウハウの継承がきちんとなされるのか、現場実態がしっかりと把握できているのかということであります。
 特に、これまで都政を技術面から支えてきた技術職職員の大量退職や委託化の推進により、都庁に蓄積する技術が大分低下をしてしまっているのではないか。技術者育成には一定の時間がかかることもあり、将来も見据えて、職員の増員が必要な時期だと考えます。
 健全な財政状況になっている今、必要なことは、一つ一つの事業やコストをしっかりとチェックすることであり、都独自の取り組みとして先ほどから挙がっている事業評価の取り組みこそが重要であるというふうに考えます。
 そこで、健全な財政運営のポイントである事業評価について、これまでの取り組みとその成果をお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 都における事業評価は、予算編成の一環として実施していることは大きな特徴でございます。
 具体的には、各局と財務局が連携し、一つ一つの事業の成果や決算状況などを分析した上で、事業を継続するのか、見直し、再構築を行うのか、あるいは拡充を図っていくのか、多角的に検証を行いまして、その結果を翌年度の予算に的確に反映させているものでございます。
 また、毎年度、評価手法を充実して着実に実績を積み重ね、これまでの十年間で三千百四十八件の評価結果を公表するなど、実効性のあるマネジメントサイクルとして都庁全体に定着してきております。
 事業評価の取り組みにより確保した財源は、新規事業や重点的に実施する事業などの財源とするほか、都債の償還や基金積み立てなど将来への備えに活用しており、仮に事業評価の取り組みを行わず、これらの財源を財政調整基金で確保した場合、平成二十八年度末見込みで六千二百六十四億円ある残高のうち、約四千八百億円を積み立てることができなかったことになります。
 こうした施策の不断の見直しを継続して行うことによりまして、強固な財政基盤を堅持することができていると考えてございます。

○桜井委員 今回の年次財務報告書のように、過去との比較において、都財政のあり方を具体的な数値をもって検証することは非常に有用であります。こうした分析により、現在の健全な財政運営は一朝一夕で築かれたものではなく、また、今後のたゆまぬ努力が極めて重要であるということを改めて実感することができました。いい方を変えれば、財政再建を達成したからもう大丈夫、健全であるから安心してよいということではなく、引き続き気を引き締めて、継続的な事業の見直し、再構築を行っていくことが重要であります。
 そこで、今後も強固な、弾力的な財政基盤を堅持するため、これから始まる平成二十九年度予算編成に当たってどのような考えで取り組んでいくのか、局長の見解をお伺いいたします。

○武市財務局長 東京都の財政は、地方自治体の中で、都道府県で唯一の交付税の不交付団体でありますので、税収でその財源の大半を賄っていかないといけない。わけても、東京都の場合、法人二税の税収に非常に頼ることが大きゅうございますので、やはりまず景気の動向というのが非常に私ども気になるところでございます。
 それで、その足元の景気を見てみますと、個人消費、あるいは民間投資というものが、残念ながらまだ力強さを欠いている状況にあるかなと思います。
 また、海外経済の動向というのも、為替の動向なども含めてなかなか、先行き見通すことが難しいのかなというところもございまして、まず、今後の景気の動向に非常に注視していかないといけないかなというふうに考えております。
 一方で、今回、補正予算案をご提案させていただいておりますけれども、待機児童解消というのは今喫緊の課題でございますし、子育て、子供を安心して産み育てられるような環境の整備、あるいは全ての人々が生き生きと生活でき、活躍できるような社会の実現でございますとか、また、二〇二〇年東京大会に向けて万全の準備というのも必要でございます。
 さらには、私ども二〇二〇年とは通過点ということを申し上げておりますけれども、その二〇二〇年の先、東京が日本を牽引していくような、そういう形で国全体の成長につなげていくような政策というのも、積極的に展開していくところが求められてございます。
 そうした中で、平成二十九年度の予算編成に当たりましては、これまで景気の荒波を乗り越えて築き上げた強固な財政基盤、これは、ぜひとも今後も堅持をしていかないといけないかなと思っておりますし、そうした中で、ただいま申し上げたような東京が抱える諸課題の解決に、積極的に取り組んでいく必要があると思っております。
 そのため、他のご指摘をいただきましたような事業の見直しというのは継続していかないといけませんので、今回は全ての事業に終期を設定いたしまして、一定期間をもって、一旦施策については全て立ちどまって検証し、事業評価を行う、そういった形で従来にも増して工夫を凝らしながら、施策の効率性、実効性を高めていきたいというふうに考えております。
 これから、来年度予算編成、本格化してまいりますけれども、都議会の皆様のご協力をいただきながら、各局とも連携をいたしまして、私ども知恵を出し合い、都政に課せられた使命を確実に果たしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○桜井委員 我々都議会自民党は、二元代表制のもと、都民の代表という責任がある立場から、都財政の健全性を維持するために、時の知事とともに汗を流してきたわけであります。健全な都財政を堅持することは、将来にわたって安定的に都民サービスを提供していくためには当然のことであります。
 今日の都政には、高齢者、障害者福祉、子育て支援、景気、雇用、防犯、防災などさまざまな課題が山積しております。さらには、四年後に迫った東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の成功とレガシーの構築に向け、積極的に策を講じていかなければなりません。
 こうした時期だからこそ、これまでの健全化の努力を忘れることなく、将来にわたって安定的に都民サービスを提供できるよう、しっかりとした都政のかじ取りを行っていくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○遠藤委員 それでは、私からも、平成二十七年度年次財務報告書、これをベースに質問させていただきたいと思います。
 先般、発表されました平成二十九年度予算の見積もり方針、これ資料ありますけれども、ポイントは二つということで、大きいくくりとしては、新しい東京の未来に向けて改革を推し進める予算と、こういう位置づけになっております。
 ポイントは二つあって、一つが、東京が抱える諸課題に向けて、この解決に向けて積極果敢に取り組んで、未来への成長創出に向けて改革を進めると。具体は何かというと、小池新知事が掲げた公約を具体化、さらに加速化させる。その中身を、これ仮称でありますけれども、二〇二〇年に向けた実行プランということで掲げて、それを着実に具体化、加速化させるのが二十九年度の予算の位置づけのポイントの第一。
 そして、ポイントの第二は、都民ファーストの視点に立って財政構造改革を進めると。ここの肝になるのが、先ほど来質疑ありましたけれども、全ての事業を総点検する中で、事業に終期を設定してチェックをすると。これが来年度、二十九年度の予算の見積もり方針、そして、ポイントは二つあると、こういうことであったと思います。
 そういった意味では、今回、本定例会に提案をされている補正予算案についても、新知事が誕生して、知事の理念、哲学を盛り込んだ補正予算案だと、このように理解をいたしております。
 中身については福祉保健局が所管でありますけれども、待機児童の解消に向けた施策をこれまで以上に大きく前進、加速するということで、我が党としても、先日の代表質問で東村幹事長が述べたとおり、大枠では評価をさせていただいております。
 年度の半ばのこの時期に、百二十六億という大規模な補正予算を組める、これは本当に、財務局を初め都の執行機関の皆さん、そして、我々議会としても、力を合わせて、財政の対応力というものをこれまで長きにわたって築いてきた結果であると、このように思っておりますし、先ほど桜井委員の質疑でも、そこが明らかにされたんだと思います。
 今、申し上げましたとおり、今回の平成二十九年度の予算の見積もり方針ということで大きく取り上げられているのが、全ての事業に終期、とりあえずのピリオドを設定し、その終期を迎えた事業については、事業評価を通じて事後の検証を行うと、こういう手法をとるということであります。
 これまでの事業評価の取り組みについては、先ほど、その成果というものも明らかになったわけでありますけれども、今回のこの補正予算についても、早速、全ての事業に終期が設定をされております。これは、いいかえれば、先ほど来申し上げましたけれども、本格的には平成二十九年度の予算の見積もりの中で行われる取り組みであると思いますけれども、今回の補正予算にも終期を設けるということは、いわば、来年度の予算編成の先駆け的な取り組みであると、位置づけであると、このように理解をいたしております。
 しかしながら、私たちが現場でいろいろと話を聞いたりする中で、事業に終期を設ける、設けられるというのは、区市町村や、または事業者から見れば、新しい事業を始める、または拡充するときに、今はいいけれども、終期が決まったり、またそのおそれがあるものというのは、後年度の新たな負担が出るのでなかなか踏み切れないおそれもあるねというような声も、一方で聞かれるわけであります。
 そこでまず、全ての事業--これは、これまで財務局が行ってきた事業評価等々ではおおむね約三千あると、三千位置づけていると、こういったことでありますけれども、これまで終期を設定してきたのは、三千ある事業のうちおおむね二〇%、いいかえれば、終期を設定してこなかったのは八割、八〇%あると。今回は、知事のお考えで、全てについて終期を設けると、こういう意向でありますけれども、この終期設定という意図はどの辺にあるのか、答弁をいただきたいと思います。

○岩瀬主計部長 平成二十九年度予算編成におきまして、全ての事業に終期を設定することといたしましたのは、一定期間をもって一度立ちどまり、事業評価を行うことで、事業を継続するのか、見直し、再構築を行うのか、あるいは拡充を図っていくのか、そういったことを多角的に検証を行うためでございます。
 待機児童解消に向けた緊急対策は、今後四年間を緊急対策期間と位置づけ実施するものでございまして、対策期間終了時には、その間の取り組みの成果や区市町村の状況などを踏まえまして、その後の施策展開について検討することといたしておりまして、今回の補正予算案におきましても、全ての事業に実施期間を設定しているものでございます。
 こうした取り組みによりまして、一つ一つの施策の効率性や実効性を高め、将来にわたり積極的な施策展開を支える強固な財政基盤を堅持していくものでございます。

○遠藤委員 それぞれチェックして、必要があれば継続して、新たな課題があれば見直す、再構築をする、新しい必要があればそれに対応して充実をしていくと。いわば、このPDCAをしっかり厳格に運用、チェックすると、こういうことなんだろうと思います。
 今回、議題になっております財務報告書のポイントというのは、まさに、先ほど来お話ししておりますけれども、都の財政が健全であること、その健全性というのは、これまでやってまいりました事業評価を通じて財政の健全化というものが培われてきたと、こういったことを示す報告書になっているんだと思います。
 しかしながら、財政の健全性、強固な財政基盤というのは、改めていうまでもなく、少子化の対応、さらには老朽化したインフラの再整備等々、今後ますます--先ほど財務局長は、我々は二〇二〇年を通過点にということで、そういった財政運営をしているというような発言がありますけれども、中長期的な財政需要等々を踏まえれば、今幾ら健全であるからといって万全であるとはいえないと、今は健全だけれども将来に向かって万全であるとはいえないと、こういうことなんだろうと思います。
 そうした中、先日、都政改革本部において発表されましたオリンピック・パラリンピックの関係経費、この試算というのは、ニュースにもなりましたけれども、このままでいけばおおむね三兆円を超すのではないかということで、大きなインパクトが与えられたわけであります。
 我々も、この調査報告書というのも読ませていただきました。そんな中で興味深いのは、各局からの報告ということで、オリ・パラ準備局を初め総務局、また財務局等にも、これまでどうかかわってきたのかということで質問が寄せられていまして、それについて財務局としても、これまでの取り組み、また今後の基本的な考え方ということを示されておりまして、私も興味深く読んだわけであります。
 このオリ・パラの関連の経費というのは、結構誤解があるんですけれども、当初の七千三百四十億が、今、三兆円云々になっていると、こういうような形で三倍にも四倍にもなっていると、けしからぬと、こういうような議論があるんですけれども、あくまでも七千三百四十億円、これは立候補ファイルを提出した段階の数字であるわけであります。この七千三百四十億円に、その他の輸送インフラ経費として六千三百九十二億円と、これが議論のベースにあるんだと思います。
 その上で、二兆、三兆の議論がのっかってきているんだと思いますけれども、いずれにしても大きいポイントは、大会組織委員会が資金不足に陥った場合には、都が補填して、都が補填し切れなかった場合には、最終的には政府、国が財政保証をするという、いってみれば三段構えというかね、こういった中にあって、そういう意味では、東京都は、その間にというか、その二番目の位置づけにあるんだろうと思います。
 今回の、場合によっては三兆円云々というのは、ロンドン・オリンピックをベースにした試算でありますけれども、やはり一般の都民の皆さん、そして我々もであります、私もそうでありますけれども、都の財政負担がふえた場合、先ほど来健全だといっておりますけれども、どの程度都財政に影響があるのか、またないのか、あるのであれば、あることが見通しでわかるのであれば、そこをどうフォローして担保をしていくのかというのが、非常に大きい論点なんだと思います。
 そういった意味では、財務局が担う役割と責任というのは、これまではなかなか表に見えてこなかったし、またそういう体制にもなっていなかったろうと思うんですけれども、都政改革本部からは、東京都の役割、組織委員会の役割、国の役割等々をしっかり精査してという大きい投げかけがありますので、私は、当然のことながら、今後、財務局が占める役割、責務が、非常に飛躍的に大きくなっていくんだろうなということは容易にわかるわけであります。
 そこで、今後、都に新たな負担が生じるという懸念等に対して、局長として、どう認識を持ち、そして、今申し上げましたとおり、財務局が今後担っていくであろう重大な、重要な責務にどう応えていくのか、その決意についてお伺いしたいと思います。

○武市財務局長 ただいまご質問のございました二〇二〇年東京大会の開催経費につきましては、現在、東京都ではオリンピック・パラリンピック準備局が中心となりまして、東京都と国と組織委員会の三者におきまして、まずは役割分担の整理というものが行われている、精査が進められているところでございまして、その役割分担の整理とともにそれぞれの負担というものも決まってくることになるというふうに考えております。
 その際、私どもとしては、まず国に対しましては、私ども以外の共同開催都市であります地方自治体、あるいは民間団体に対しまして、国としての積極的な財政支援、必要な財源措置、こういうものを行うように求めていく必要があるというふうに考えております。
 そうしたプロセスをきちんと踏んだ上で、東京都といたしましては、必要であることをきちんと認識した上で、必要最小限の経費負担というのが発生してくるのかなと思っております。
 その必要最小限の経費を負担するということが決まってきました場合には、財源措置というのは、それについてくるわけでございますけれども、私どもは、これまでに東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を初めまして、一応、二〇二〇年までに集中的に投資をしていく基金ということで、今年度末で七千億円余り、そうした基金が残ってございます。
 さらにそれ以外に、財政調整基金を初めといたしまして、一般的に財源としてある程度裁量を持って使える、そうした基金が一兆二千億円ほどございますので、そうした二つの基金を中心としながら、さらにはこれまでの財政再建の取り組み、財政健全化の取り組みなどを通じまして、都債の発行というものを近年抑えておりますので、都債につきましてもまだ発行余力がございます。
 さらには、今後、先ほど来お話のございました事業評価の取り組みを継続していくことによっても、新たな財源というものを生み出すことができるだろうというふうに考えておりますので、負担というものが決まりました暁には、その負担の中身に応じまして、その中身を見る中で、基金でございますとか、それ以外の財源というのを適切に考えながら、組み合わせながら充当していく必要があるのかなと思っております。
 その際、私ども財政当局といたしまして大事なことは、そうした二〇二〇年大会に負担をする中におきましても、これまでの現行の都民サービスに影響がないようにきちんと対応していくということが、私ども財政当局に与えられた役割であるというふうに考えております。

○遠藤委員 ありがとうございました。局長から力強い答弁だったと思います。中でも、東京都はやっぱり基金をしっかりと積み立ててきていると、これを強調された答弁なんだろうと思います。
 二〇二〇年に向けた集中的、重点的な取り組みを図る基金として、オリ・パラ開催準備基金三千七百二十七億円、そして、残り六つの基金三千五百六十一億円、トータル七千二百億円、これがまず二〇二〇に向けては備えていると。その一方、二〇二〇年を一つの通過点として、より中長期的には一兆二千億円という財政調整基金を初めとする四つの基金の備えがありますと。あるからいいってものじゃなくて、一応ありますと、こういうことであります。
 そこで、本当に大事になってくるのは、都民の皆さんからいただいた、いわば大事な貯金でありますので、これをどう--しっかりとオリンピックに生かすところは生かす、またほかのところで、オリンピックとは別のところで生かすという形で、そこが今マスコミでは混同しているんじゃないかと。言葉は悪いけれども、オリンピックにかこつけてともいわれる向きも、これは一方であるわけであります。
 しかし、このかこつけてという言葉もなかなか難しくて、やはり前回の東京オリンピックのときには、オリンピックを目指して新幹線や、また首都高速道路をつくってきたと。これは決して悪いことではないと思いますし、そのことについては、事後的に検証したときには、多くの国民の皆さん、それは評価されているんだと思いますけれども、今はもう時代が変わりましたので、しっかり、この我々の議論が、または財務局の取り組み、東京都の取り組みが事後的に検証されたときに、歴史の風雪を経たときに、あのときの取り組みはまさに知事がいうワイズスペンディングであったと、このようにいわれるように--財務局の仕事というのは、どうこの都財政、ワイズスペンディングをするかというのが、もともとの仕事だと思いますので、そういった意味では、それを掲げる知事があらわれてそこを強調しているからには、よりワイズスペンディングな取り組みを加速させていただきたい、このことをお願いというか要望いたしまして終わります。ありがとうございました。

○松村委員 報告事項、年次財務報告について、私の方からも伺います。
 年次財務報告書では、将来にわたり健全な都財政を維持していくために全ての事業に終期を設定するとしておりますが、今も質疑があって聞いていたんですけれども、もう一度具体的に、どのような制度設計になるのかを伺います。

○岩瀬主計部長 具体的に申し上げますと、全ての事業に終期を設定いたしまして、期限を迎えた事業について、一度立ちどまって事業評価を行うことで、事業を継続するのか、見直し、再構築を行うのか、拡充を図っていくのか、多角的な検証を行っていくものでございます。
 こうした取り組みによりまして、一つ一つの施策の効率性や実効性を高め、将来にわたり積極的な施策展開を支える強固な財政基盤を堅持していくものでございます。

○松村委員 その終期というのは、事業局が設定するんですか。しかも、既に今まで膨大な事業をやっております。それを改めて終期を設けるということで、何か財務当局からの尺度というか、考え方というか、そういうものはなくて、全ての来年度予算から終期を設けるということなんですか。その点についてはいかがですか。

○岩瀬主計部長 東京都が行っている事業評価というのは、その一つの特徴として、予算編成の一環として行っているというのがございます。したがいまして、その事業を所管している各局が、一義的にはその終期等を、その事業の性格ですとか事業期間なんかをしんしゃくしながら、設定していくということになると思います。
 その上で、財務局としても、各局の意見を聞きながら、最終的に評価をしていくと、期間を決めて評価をしていくということになると思います。

○松村委員 もう年月が数えられないぐらい長く継続してやっている事業もありますし、もちろん国の法律とかそういうことに基づいてやっている事業も多々あるというふうに思うんですよね。また、ソフト、ハード、これの捉え方もさまざまですし、その具体化に当たっては、本当にどうなっていくのかという受けとめ方。
 今述べられた、何のためにやるのかといったら、一度立ちどまって事業評価を行うということは、今、主計部長さんおっしゃられたとおり、毎年度の予算編成、それから査定で、常にどういう次の--この事業には予算をさらに上乗せした方がいいのかとか、削減というか少し減らすのがいいのかとか、そういうこと、今おっしゃられた答弁の範囲はやってきていると思うんですよね。
 それをあえて今までの事業に終期、文字どおり終わりですよね、終わりの期を設けると。そして、そこになってというと、じゃあ、今度、予算編成などをやって、今までの事業評価とか査定とか、そういうのが事業局から、この事業はこういう終期ですよというふうに設定されれば、何かそこには、事業評価や都民目線というか、都民施策だったら都民の立場に立った、そういうチェックというか、または都議会のいろんなやっぱり質疑などもあると思いますけれども、予算のね。
 どうもそこら辺が、私も長年都議会議員やってきた立場から、全ての事業に終期を設けるというのが、昨年までになかった年次報告の、これからの都財政の進め方ということなので、もう少し--もう少しというか、どうなんですか、わかりやすくという点、私の理解が受けとめられないのかどうか、素朴な、率直な疑問なんですけどね。
 そこらのところ、ちょっともう少し解明というか、進め方をきちっといただければ、ああ、この新知事がいったんだと、終期だということで、都民にとっていい方向にいくのかどうか定かじゃないので、お答えというか、ちょっと伺いたいと思います。

○岩瀬主計部長 ちょっと先生にご質問をいただいているその部分から、きちんと核心部分でお答えできるかどうかちょっと自信がないんですが、先ほども質疑がありました中で、これまで事業について、二割の事業については終期の設定があった。八割については終期の設定がない。このうち八割の終期の設定のない事業について、何もしていなかったのかというと、決してそうではないんですね。これは随時、必要なときに必要な見直しを行ってはきているんです。
 ですが、そこが明確に、その終期が設定されていない中で、もしかすると見逃されているものがあったかもしれない。それを今回、きちんと全ての事業に終期を設定することで、その終期が来た時点で、もう一回きちんと多角的に検証してみましょうと。
 その結果、事業を継続することもあるかもしれませんし、見直しをし、再構築をすることもあるかもしれませんし、いやいや、さらに拡充を図っていく必要があるということでやっていくものもあるかもしれませんし、いずれにしましても、そういったことをやることで、PDCAのサイクルを一層強化していくと、それでもって施策の効率性や実効性のさらなる向上を図っていくと、こういう狙いでございます。

○松村委員 狙いは狙いとしても、今ある全ての事業に期限の終了というか、一応、そういうのを定めるというから、やはり大変な作業や検討が必要だし、それも事業局の判断で本当にできるのか。先ほどいいましたけれども、ソフトやハードも違うし、都民や事業対象者の意向などはどう把握するのかなどなど、さまざまな問題が考えられると思います。
 来年度予算からということで、具体的に出されたところで改めて議論もしてみたいと思います。ただ、私、懸念というか、こうしたやり方で、今までもあったようにといいますか、そういうふうに受けとめているんですけれども、福祉の切り捨ての手段とならないように強く求めておきたいと思います。
 いずれにしても、今後の都財政運営にとって、そういうやり方といいますか、その眼目は、この冒頭に掲げられているように、社会保障関係経費の将来設計と社会資本ストックの維持更新経費の伸びの推計を挙げて、強固な財政基盤を堅持していかなければならないとしております。もちろん我が党は、将来の社会資本ストックの維持更新、それから社会保障関係費の将来の備えを考えた財政運営は当然必要だと思います。
 しかし同時に--それでちょっと、今いった二つの将来の推計値ですけれども、これ委託されて出された資料を私も読んでみましたけれども、平成二十三年を基準としておりますよね。もう大分五年ぐらいたって、これそのままの数字を使っていくんですけど--やっぱり新たな、そしてしかも、この推計された、私も読んでいるけれども、どうも、この数字で本当に将来推計がいいのかとかいうことで絶えず、賃金を加味していないとか自然増だとか、いろいろな数字を使って積み上げた数字なんですけれども、やはりこれでいいのかなというような、数字だけ、最後の結論だけがこういうふうに載っているわけです。
 確かに、こういう必要になってくるだろうということは十分受けとめますけれども、もう少し精査されたものを、今後検討されることも必要なんじゃないかと思います。今それは急にというか、聞くんですけれども、使ったもとの数字をさらに精査していくことについては--まあそれは要望としておきます。(笑声)
 そういう意味では、我が党ももちろんそういうのが必要ですけれども、同時に、今、都民生活の現状は安心して住み続けられない、すなわち貧困と格差の広がりや、安心して預けられる保育園、または介護施設の大幅不足、それから介護士や保育士の担い手がない、買い物弱者とか交通弱者の蔓延や非正規労働者の若者などの増大、それから実質賃金の目減りによるワーキングプアの増大などなど、こういう課題があります。この課題に、都政は真っ正面から全力を尽くす、そのための財政運営をどうするかが、やはり同時に問われていると考えます。
 本定例会の代表質問で、大山とも子幹事長が指摘しましたが、小池知事が年内につくる二〇二〇年までの実行プランの策定方針では、舛添都政の中間ビジョンを継承するとしています。しかし、この舛添都政の長期ビジョンは、三カ年の事業費として外環道などの大型道路整備や都市の再開発などに事業費全体の二六%を投入する、そういう計画でした。
 一方、福祉充実の事業費はわずか八%にすぎません。今後の予算では、都民の福祉、暮らし最優先に転換してこそ、そういう財政の転換がやはり必要、そのことによって、私は小池知事がいう都民第一、都民ファーストの都政への道が切り開けるということも指摘しておきたいと思います。
 それから、さらに私、危惧するのは、これ既に都市計画審議会から小池知事に答申が出されました、例の東京のグランドデザイン、オリンピック後の二〇四〇年代のあるべき東京の都市像、これが既に答申されたんです。いよいよこれを都の事業計画にどういうふうにしていくのかと、組み立てるのかということが大きな課題となってくると思います。
 そこには、都市像というなら、都市施設整備だけではなく、先ほど挙げた都民生活の困難をどう打開していくのかも踏まえたものでなければならないと思います。この答申のときにも、検討した専門委員からも、生活者の視点からの都市づくりは余り検討されていないように感じますと、これをつくった専門委員からもそういう声が最後の提言というか意見として出された資料を受けました。
 それから、そこではやはり、生活者の視点がないだけではなくて、全体として強調されていることは、日本の中における東京の役割ということで、概成する環状メガロポリス構造を最大限活用し、さらなる都市のゆとりと活力を生み出す都市構造へと進化させるべきであるということで、リニア新幹線などを生かして域内外の交流が活発になる、そういう東京をつくるんだとか、それからまた三環状道路や骨格幹線道路を完成させるための都市づくりに、さらに財源を使い続けようというようなことになりかねない答申になっているんです。福祉の充実などは欠落しているんですね。これでは、都市づくりの方に財源を使い続ければ、当然福祉の充実は進みません。
 だからこそ、今後は、さっきいった都市インフラの維持更新とか社会保障を考えれば、新規の開発は極力抑制し、維持更新を中心に据えるまちづくりが必要で、行政としても再生、修復型のまちづくりに全力を挙げる、そういう方向からの、一方では財政運営もぜひ検討しなければならないということのご意見を申し上げまして終わらせていただきます。

○山内委員 私からも、二〇一五年度、平成二十七年度東京都年次財務報告書について質問させていただきます。
 年次財務報告書がこれまでと異なった分析になっておりますが、なぜ変えたのか、対象者は誰を想定しているのか、お伺いいたします。

○岩瀬主計部長 年次財務報告書は、都政をより身近に感じていただくとともに、都の財政運営に対する理解を深めていただくため、普通会計決算や健全化指標にとどまらず、都独自の財務諸表や都財政を考えると題する解説を掲載するなど、これまでもさまざまな切り口で都の財務情報を公表してまいりました。
 今回の報告書では、都民に対するアカウンタビリティーの一層の充実を図る観点から、都民一人当たりの歳出の平成七年度及び平成十七年度との比較や都財政を家計に例えた解説、また、都と国及び地方の財政規模や職員給与費を平成四年度からの推移で示すなど、わかりやすさに配慮した新たな工夫を図ったところでございます。

○山内委員 今年度の年次財務報告書において、先ほどご答弁ございましたけど、都財政を家計に置きかえておりますが、それはなぜでしょうか。

○岩瀬主計部長 家計に例えました解説は、ともすると、なじみの薄い都財政の規模や用語をあえて身近な事例に例えることで、都財政を身近に感じていただきたいと考えたものでございます。また、家計に例え、現在と過去の決算を比較することで、都財政が財政再建や事業評価の取り組みなどにより、質的に転換してきた過程についてわかりやすく解説するなど、さまざまな工夫を行ってございます。
 こうした工夫によりまして、多くの都民の方々に都財政に対する理解を深めていただきたいと考えております。

○山内委員 財務報告をわかりやすく工夫するというのは非常に評価するところなんですが、今回の都財政を家計に例えるということは素人、私もちょっと違和感があったんですが、素人にはむしろわかりにくくなるんじゃないのかなと思っております。
 今回の家計の例えでは、一九九三年度、平成五年度と比較しておりますけれども、この年は歳出規模が過去最大となり、都税収入とのギャップが二・五兆円にも広がったために、それを補うため約一・三兆円を都債の発行や基金の取り崩しを行いました。あえて一九九三年度、平成五年度と比較することで、どういったことを示したいのか、お伺いいたします。

○岩瀬主計部長 平成五年度は、バブル経済の崩壊によりまして都税収入が大きく減少する中で、公共投資を中心とした景気対策などを行い、高い歳出水準を維持した結果、都債発行や基金の取り崩しに依存した厳しい財政運営を行わざるを得ない状況にございました。
 一方で、平成二十七年度におきましては、限られた税収の中で、必要な行政サービスを提供するとともに、都債の償還や基金の積み立てを進めるなど、将来を見据えた健全な財政運営を行うことが可能となってございます。
 財政規模がほぼ同じであっても、その内容が大きく異なる平成五年度と平成二十七年度の決算の比較は、こうした都財政の質的転換をわかりやすく示したものでございます。

○山内委員 一九九三年度、平成五年度以降は、公共投資を中心とした景気対策などを行ったために、大きな赤字を計上するなど財政が苦しくなったわけだと思います。
 今後の財政運営に向けてというところで記載されているように、医療や介護等の社会保障に関する経費はますます増大し、二〇一三年度、平成二十五年度から二十年間で約五千億円以上が必要となると予測されています。そうした観点も見据えながら、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に際しても費用を抑える必要があると思います。
 財務局は、九月二十九日の第二回都政改革本部において、オリンピック・パラリンピックの開催準備には、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金三千七百億円、それ以外に二〇二〇年までに重点的に取り崩す基金が合計三千五百億円程度、またそれ以外に財政調整基金など一兆一千七百億円があって、全て合わせると二兆円近い残高があって、それを取り崩して対応していくのが基本であると説明していらっしゃいます。
 さらに、事業評価で、毎年一定程度の費用削減をしているので、二〇二〇年まで積み重ねていくと一定程度の余力のある財源が生み出せる、都債の発行余力もあるなどとも答えています。その発言に唖然といたしました。人によっては、一九九三年度、平成五年度以降のように、都がこれまでためてきたお金がオリンピック・パラリンピックに使われてしまうんではないかと心配している人もいると思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 東京二〇二〇大会の開催経費につきましては、現在、都と国と組織委員会、この三者による役割分担の整理とともに、その精査が行われているものと認識してございます。また、国に対しましても、共同開催都市である地方自治体や民間団体に対する財政支援など、必要な財源措置を行うよう求めていくことが不可欠であると考えております。
 こうしたプロセスがしっかりと行われて、必要最小限の費用としたことを--抑制してですね、本当に必要最小限となったところ、これを前提といたしまして、その中で都が負担すべき経費につきましては、これまで積み立てた基金をその事業内容や基金の設置目的を踏まえて適切に活用していくと、こういう考えでございます。
 また、加えまして、今お話ございましたが、事業評価の取り組みや都債の発行余力も活用しながら、都民生活に影響のないように適切に対応してまいりたいと、このように考えてございます。

○山内委員 都が整備する都立の恒久施設の費用が増大しております。その上に、国が整備する新国立競技場の一部を都が負担をしたり、大会組織委員会が担うことになっていた仮設施設についても都が一部負担することになったりと、施設整備だけでも役割分担が変わってきて、少しずつ変わってきて都の負担が増加しています。
 その上さらに、運営費や警備、セキュリティーなどソフト面が膨大になるとのことで、都民はかなり厳しい目で見ています。都政改革本部の特別顧問からは、局長のお答えの後に、超高齢化社会を目の前にした場合、今の財政状況がずっと続くわけではないし、福祉も含めて新しい課題も出てくると指摘されています。そのとおりだと思います。あのとき財務局長にはその場で、基金が二兆円あるとしても、今後の都財政のためにそれらを全て取り崩すわけではないというぐらい発言すべきだったのではないかと私は思っています。
 しかも、都政改革本部からは、競技施設関連のコストの分担について、招致の段階で組織委員会が負担することになっていた仮設施設に対して、都内の仮設施設を東京都が負担してはどうかという調査チーム試案も出てきました。この試案は、都の負担をさらに増大するものであり、大変懸念しております。
 都財政を担う財務局として、オリンピック・パラリンピック準備局とともに、今必要最小限という言葉もございましたけれども、都民の負担軽減にしっかりと取り組んでいただくようお願いいたしまして私の質問を終わります。

○武市財務局長 いろいろご指摘をいただきました。現在は、まだ、その負担額そのものが決まっていないという途中経過の段階にあるわけでございます。私どもこれから精査をしていく中でありますが、当然全体の経費を抑えないといけないという大前提があり、その中で、国、組織委員会、その役割分担の中で、そうしたプロセスを踏まえる中で、東京都の負担というのも決まってくるんだろうと思います。負担が決まった暁には、その経費を持たないといけないという事実が出てまいりますので、そういたしますと、私ども財政当局といたしまして、その負担に対して財源を考えていく必要があると。考えていく場合に、いろんな手段ございますが、やはり私ども基金を使うのが大きな前提となるかなと、こう考えております。そうしませんと、現行の都民サービスにやはり影響が出てしまいかねない。私どもといたしましては、現行の都民サービスに影響を出さないということが大きな役割ということで考えておりますので、負担が決まりましたら、決まってから財源措置いたしますが、当然基金を全部使ってやるつもりは全く毛頭ございませんし、なるべく経費全体を抑えたいという中での財政当局の役割があるんだろうというふうに考えているところでございます。

○山内委員 局長ありがとうございます。質問じゃないところをお答えいただきましたけれども、今、お話があったように、今、東京都と国と組織委員会、三者によって役割分担を整理、精査を行われている最中ですよね。ですから余計に、財務局としての言葉というのは非常に大きく、驚きを持って見られたりすると思うんです。それで私が質問したように、一部の方からは非常に驚いたというような、私も驚きました、中継を拝見していまして。ですから、それで質問させていただきました。
 今、お話がございましたけど、都民サービスが減らないようにということはございましたけれども、やっぱり基金というのは非常に、平成五年度と比べてきたように、基金をためてきた、そういったことで財政が健全化されてきたということを私は重々考えておりますので、そういった意味で基金を二兆円というふうにおっしゃられましたけれども、本当に言葉というのは怖いものなので、ぜひその辺をしっかりとお願いしたいと思っております。

○大津委員 補正予算案と年次財務報告書についてお伺いをいたします。
 初めに、今定例会に提出されている待機児童の解消に関する補正予算案について伺います。
 八月に福祉保健局が発表した平成二十八年四月一日時点の都内の待機児童数は、一年前と比べて六百五十二人多い八千四百六十六人でした。地元渋谷区についても、一年前より六十三人多い三百十五人となっており、どうしたら保育所に入れるのかと、待機児童を抱える親からの切実な声が多く寄せられています。
 そういう中、都立代々木公園の中に、来年十月開設予定で、ゼロ歳児から五歳児まで百二十名規模の保育所が開設できるめどが立ちましたが、それでもまだ足りない現状です。待機児童対策は、長年首都東京の待ったなしの課題だったので、今回、提出された補正予算案は、時宜にかなったスピード加速できる施策になるよう実行してまいりたいと考えます。
 そこで、今回の補正予算案は、どのような考え方に基づき、何を財源として編成されたのか伺います。

○鈴木委員長 ただいまの大津委員の質疑でございますが--速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○鈴木委員長 速記を始めてください。

○大津委員 質問の部分から行きます。
 東京都年次財務報告書にも改めてありますように、今回の補正予算案は、どのような考え方に基づき、何を財源として編成されたのか伺います。

○岩瀬主計部長 まず、財源のお話について申し上げますと、財源は、福祉先進都市実現基金を活用してございます。活用可能な基金の一つでございまして、先ほど来議論がございます基金の一つを活用して、今回、補正予算の財源としているものでございますが、そういった点でお答えをしておきたいと思います。
 また、今回の補正予算の考え方についてもありましたので、ちょっと付随的にご説明をさせていただきたいと思います。
 今回の補正予算案は、待機児童解消に向けた緊急対策に基づいて、区市町村や事業者の取り組みを加速化させる第一弾として、来年度予算編成を待つことなく必要な予算措置を講じたものでございます。
 具体的には、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱に、新規五事業、拡充六事業、十一事業を計上いたしまして、年度内の着手に対しては補助率のかさ上げを行うなど、区市町村や事業者の取り組みを加速化するための工夫も盛り込んでございます。
 そうした事業を実施するために、先ほど申し上げました基金を活用して行っていくものでございます。

○大津委員 年度途中でありましても、基金を活用しながら補正予算で必要な対応を行うことは、都民の子育てに対する不安も取り除いて、子育て支援に結ばれる重要な施策であると考えています。また、補正予算とは別に、こうした施設の固定資産税の減免や規制緩和など、あらゆる施策を組み合わせ、より一層解消に取り組んでいくことを要望して次の質問に移ります。
 私はかねてより、都民の皆様からいただいていた貴重な税金が、どのように都民一人一人の生活に生かされているのか、もっとわかりやすく丁寧に示すことを都に求めてもまいりました。
 ことしの年次財務報告書では、例年の都財政運営の状況について、財務指標や過去からの推移などを踏まえてわかりやすくはなってきています。今回の年次財務報告書について、見直したポイントについて伺います。

○岩瀬主計部長 今回の年次財務報告書では、都民一人当たりの歳出を、十年前、二十年前と比較するほか、都と国及び地方の財政指標や財政規模などの推移を経年で示すことで、都民の皆様が実感を持って都財政の状況を把握できるよう工夫を凝らしております。
 都民一人当たりの歳出を例に挙げますと、平成七年度に四万五千円だった民生費は、平成二十七年度で七万二千円と約一・六倍に増加している一方で、土木費は、十四万三千円から五万八千円と約六割減少してございます。このことは、財政再建の取り組みや事業の重点化などによりまして投資的経費を削減する一方で、少子高齢化を背景に社会保障関係費を増加させていることをわかりやすくあらわしたものであり、時代とともに変化するニーズに的確に対応してきたことを示してございます。

○大津委員 今回、都の財政を都民一人当たりという着眼点から、生活に身近な数字で表現をしてきております。私自身、これまで都民の皆様に対し積極的に、都の税金がどのように使われているのか、難しい専門用語を省きわかりやすく説明すること、納税しがいのあるような説明義務を求めてきました。
 今後とも、都民へ、私たちへ、説明責任をしっかりと果たし、引き続き内容の充実や改善に取り組んでいっていただきたいと思います。
 さて、平成二十七年度決算について、とりわけ目を引くのが都債残高です。前年から二千八百六十億円減って約四兆九千億円となっています。都債の発行すなわち借金をして公共施設などを整備することは、現役世代はもちろん将来世代もひとしくその恩恵を受けることにはなります。年度間の負担の平準化の観点からも、その役割は理解できるものであります。
 しかし、それは同時に、将来世代が自分たちで選択することができない借金の返済義務を負うことも意味し、決して負の遺産として残さないということも私たち現役世代の責務でもあります。
 都民の借金たる都債残高について、平成元年度以降どのように推移をしてきたのか伺います。

○岩瀬主計部長 平成元年度末に二兆三千七百四十二億円であった都債残高は、平成十一年度末には七兆六千六百八十三億円と、十年間で約三・二倍に急増しております。その後、平成十二年度から十六年度にかけましてほぼ横ばいで推移した後に減少に転じ、平成二十七年度末には四兆八千九百九十八億円と、財政再建達成後の十年間で約三割減少してございます。

○大津委員 景気の悪化局面における財源確保や景気対策などに対し、都債を大量に発行すれば残高はあっという間にふえますが、そうして一旦膨張した残高を逆に減らしていくためには、非常に長い年月がかかることもわかります。
 よく、人からお金を借りてはいけません、そういうふうに、例えば家庭の中だったら、教育されたとしたら、やはり今後減らしていくためには新しい債券はなるべく発行をしない、そして倹約をしながら、借りているものは早く返す、そして基金でもあります貯金を切り崩すときにはよくよく吟味をして切り崩す、そうした本当に一人一人の生活者たちの考える原点に立った考え方で、こうした大きなお金も考えていかなくてはなりません。
 今回、残高が年間の都税収入を下回る水準になったとのことですが、これをどう読み取るべきなのか、深掘りをしていきたいと思います。
 そこで、都民一人当たりの都債残高は、国や他県などと比較して、過去と現在においてどのように変化したのかお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 都民一人当たりの都債残高は、ピーク時の平成十二年度から二十七年度の十五年間で、六十四万円から三十六万円と約四割減少してございます。
 一方で、国民一人当たりの国債残高は、二百九十万円から六百三十四万円と約二・二倍に、都道府県全体で見た場合の一人当たりの地方債残高は五十五万円から七十万円と、約一・三倍に増加してございます。

○大津委員 特に、国の借金でもあります国債一人当たり六百三十四万円、これを返していくというのは非常に気の遠くなるぐらいの数字かと思います。
 都債の方は、年々減少をしていっております。日本の総人口は減少に転じており、都の人口も、オリンピック・パラリンピック開催の二〇二〇年を境に減少に転じていくという推計もあります。また、総務省の統計局における表によりますと、四十年後には、十五歳から六十四歳までの生産人口が非生産人口を下回る、逆転をするということも想定されています。担税力を持った人口一人当たりにのしかかる実質的な負担は増大をしていくので、これからの都債の活用についてもこのことを十分肝に銘じておく必要があります。
 都の財政は、バブル崩壊後の都債の大量発行や基金の取り崩しによる財政再建団体転落の危機から、さまざまな努力によりここまで持ち直してきましたが、景気に左右されやすい都税収入に大きく依存することには変わりはありません。開催まで四年を切った東京オリンピック・パラリンピック大会の準備もあります。
 一方、目前に迫りつつある超高齢社会や公共インフラの老朽化に伴う膨大な財政需要に立ち向かうという難しい局面も迎える中にあって、今後どのような財政運営を行っていくのか、武市局長の見解を伺います。

○武市財務局長 ただいまの委員のご質問、非常に大事なご指摘かと思います。東京都は今後、急速に進む少子高齢化や社会資本ストックの老朽化といったような避けることのできない課題がありまして、これに正面から向き合っていかなければならないという現実がございます。加えまして、二〇二〇年東京大会の成功に向けた取り組みなど日本全体の成長につながる施策も積極的に講じていく必要がございます。
 先ほど来いろいろ議論いただいていますように、都財政が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造にある中、東京都に課されました使命を着実に果たしていくためには、強固な財政基盤を堅持していくと、これが必要不可欠でございます。
 今回、待機児童解消に向けて補正予算案を編成するに当たりましても、これも先ほど来お話も何度か出ておりますが、福祉先進都市実現基金を財源として活用してございますけれども、そうした活用可能な基金が全体では四基金合わせますと一兆二千億円近くあるからこそ、今回、補正予算案でも機動的な対応ができたものと考えてございます。
 これまで以上に将来世代への負担や財政の健全性に配慮しながら、都債と基金、これをより計画的かつ戦略的に活用することによりまして、将来にわたって施策の展開を、財政面からも私どもしっかり支えていきたいと考えております。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十六分散会