財政委員会速記録第六号

平成二十七年三月二十日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長和泉 武彦君
副委員長桜井 浩之君
理事中村ひろし君
理事曽根はじめ君
理事高木 けい君
山内  晃君
大津ひろ子君
柴崎 幹男君
木村 基成君
西崎 光子君
鈴木貫太郎君
鈴木 隆道君
植木こうじ君

欠席委員 一名

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
主計部長潮田  勉君
主税局局長塚田 祐次君
総務部長西海 哲洋君
会計管理局局長塚本 直之君
管理部長松下 隆弘君
収用委員会事務局局長目黒 克昭君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十七年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出・債務負担行為-財政委員会所管分、都債
・第三号議案 平成二十七年度東京都地方消費税清算会計予算
・第十四号議案 平成二十七年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成二十七年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(決定)
・第四十号議案  東京都人に優しく快適な街づくり基金条例
・第四十二号議案 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
・第四十三号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
1 二六第一六号
2 二六第一七号
3 二六第一八号
4 二六第一九号
5 二六第二〇号
6 二六第二一号
7 二六第二二号
8 二六第二三号
9 二六第二四号
10 二六第二五号
11 二六第二六号
12 二六第二七号
13 二六第二八号
14 二六第二九号
15 二六第三〇号
16 二六第三一号
17 二六第三二号
18 二六第三三号
19 二六第三四号
20 二六第三五号
21 二六第三六号
22 二六第三七号
23 二六第三八号
24 二六第三九号
25 二六第四〇号
26 二六第四一号
27 二六第四二号
28 二六第四三号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
29 二六第八九号
30 二六第九〇号
31 二六第九一号
32 二六第九二号
33 二六第九三号
34 二六第九四号
35 二六第九五号
36 二六第九六号
37 二六第九七号
38 二六第九八号
39 二六第九九号
40 二六第一〇〇号
41 二六第一〇一号
42 二六第一〇二号
43 二六第一〇三号
44 二六第一〇四号
45 二六第一〇五号
46 二六第一〇六号
47 二六第一〇七号
48 二六第一〇八号
49 二六第一〇九号
50 二六第一一〇号
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○和泉委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十七年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十四号議案及び第十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○桜井委員 都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十七年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十七年度予算案は、都民福祉の充実による生活の質の向上に向けた取り組みや日本経済を力強く牽引する取り組みに重点的に財源を投入しており、その結果、政策的経費である一般歳出が八年ぶりに三%台の伸びとなるなど、昨年末に発表した東京都長期ビジョンに基づき、東京を世界で一番の都市にするための取り組みを積極的に推進するものとなっております。
 また、災害に強い都市づくりや、東京の国際競争力の向上に資するインフラ整備など、投資効果の高い事業に重点的に財源を振り向けたことから、投資的経費は十一年連続の増加となり、十七年ぶりに一兆円を超える水準になっております。
 一方で、事業評価などを通じて、施策の効率性や実効性を向上させる自己改革の取り組みをより一層徹底した上で、集中的、重点的な施策継続を担保するために新たな基金を創設するとともに、執行体制の強化に向けて四十一年ぶりに職員定数をふやすなど、強固で弾力性のある行政基盤の構築を図っております。
 これは、真に必要な施策の充実とその計画的な執行を支える行財政基盤の堅持という二つの課題にしっかりと対応したものであり、評価するものであります。
 現在、日本の景気は緩やかな回復基調にあり、都税収入は四年連続で増加する見込みですが、元来、景気の変動に左右されやすい上、地方法人課税のさらなる不合理な見直しの動きなども踏まえれば、都財政は決して楽観視できる状況にはありません。
 世界で一番の都市東京の実現には、財政の健全性の確保が不可欠であり、引き続き堅実な財政運営を行うことを強く望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く現況を適切に踏まえ、都民が施策の効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも、迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望をいたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、財務局関係について申し上げます。
 一、世界で一番の都市東京の実現に向け、将来にわたり東京がその使命を確実に果たしていけるよう、引き続き堅実な財政運営に努められたい。
 一、法人事業税の暫定措置と法人住民税の一部国有化は直ちに撤廃し、地方税として復元すること。また、法人実効税率の引き下げに伴う代替財源を確実に確保すること。そして、総体としての地方税財源の充実、強化など真の地方創生の実現と地方の自立に資する税財政制度を構築することを国に強く求められたい。
 一、経済の好循環を拡大していくという国の経済対策の趣旨を踏まえ、予算の効果をできる限り早期に都民や中小企業が享受できるよう、円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、入札不調の増加など公共工事を取り巻く状況が大きく変化する中、改正品確法の趣旨を踏まえ、中小企業を初めとした事業者が入札に参加しやすい環境の整備に向けて、入札契約制度改革に積極的に取り組まれたい。
 一、総合評価方式の適用拡大を通して、公共工事における品質確保をこれまで以上に図る取り組みを進められたい。
 一、全庁的な観点から土地、建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を初めとした質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、平成二十七年度の都税収入は、景気の緩やかな回復が見込まれることから、四年連続で増加し、二十六年度当初予算に対して約三千五百億円の増収が見込まれている。海外経済の下振れリスク等への留意は必要ではあるが、成長戦略など各種政策の推進等により経済の好循環がさらに進展し、堅調な民間需要に支えられて景気が回復すると見込まれる。歳入所管局として、納税者の担税力に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、真の地方分権の確立に向けて、地方自治体の事務と権限に見合う税源配分が実現されるよう、国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制のあり方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、新公会計制度について、円滑な運用により、行政運営の効率化を推進されたい。また、全国自治体に対する制度の普及、とりわけ都内各自治体の導入を促進するよう、積極的に取り組まれたい。
 一、公金の運用においては、それを負託している都民の意思、意向が重要なファクターであることを踏まえつつ、細心の注意を払って、都民の財産である公金の安全性を確保されたい。
 一、官民連携ファンドについて、都の出資金の原資が税金であることから、細心の注意を払いつつ、事業化の検討をされたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○鈴木(貫)委員 それでは、私から、都議会公明党を代表しまして、当委員会に付託をされました平成二十七年度予算関係議案について意見の開陳を申し上げます。
 平成二十七年度の一般会計当初予算案は、堅調な企業収益、雇用、所得環境の改善傾向、地方消費税の引き上げの影響などにより、増加している都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を、前年度比三・二%増の四兆八千六百八億円と三年連続で増加をさせています。
 その中身は、都民福祉の充実による生活の質の向上に向けた取り組み、日本経済を力強く牽引する施策に財源を重点的に投入することとしており、世界一の都市東京の実現に向けた果敢な姿勢が顕著にあらわれた積極的な予算編成となっており、評価をいたします。
 具体的には、我が党が提言や要望を通じて主張をしてまいりました防災、減災対策として、木造住宅密集地域の不燃化、耐震化などを推進することとし、投資的経費は十一年連続で増加をさせております。また、公明党が一貫して充実を求めてまいりました福祉と保健の分野については、三年連続で一兆円を超え、予算額、構成比ともに過去最高となっております。
 一方、都財政は景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、地方法人課税のさらなる不合理な見直しの動向など、その先行きは予断を許す状況にはありません。加えて、オリンピック・パラリンピックの万全な準備、少子高齢化対策を初め、さまざまな課題がめじろ押しとなっております。
 こうしたことから、今後の減収リスクや財政需要に備え、強固な財政基盤を構築することは、東京の将来にわたる持続的発展を実現する上で欠かせない取り組みであります。
 今回、平成二十六年度最終補正予算とあわせて新たに七つの基金を創設したことは、中長期を見据えた財源措置として適切な対応を行ったものと考えております。
 また、こうした基金、都債を有効に活用することとあわせ、事業評価などを通じ、徹底した施策の見直しにより無駄を排除し、効率性や実効性を高めていかなければなりません。その際には、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度を活用しながら、きめ細かく分析、検証を行うよう求めさせていただきたいと思います。
 今後とも、都民の暮らしを守り、安全・安心をしっかりと確保するため、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待に対して的確に応えられるよう、より一層効果的に行うとともに、景気回復の流れを家計、中小企業に届けられるよう、早期に実効性の高い施策を展開させていくことを強く要望いたしておきます。
 以下、各局別に申し上げます。
 財務局関係についてであります。
 一、都民福祉の充実による生活の質の向上、日本経済を力強く牽引する施策を積極的に展開するとともに、事業評価の取り組みなどにより施策の無駄をなくし、効率性、実効性の向上に努め、将来にわたり安定的に都政の責任を果たし得る強固な財政基盤を堅持すること。
 一、基金については、今回新たに創設した基金とあわせて、東京が抱えるさまざまな課題の解決に向けた施策展開を支える貴重な財源として、税収動向などを勘案しながら効果的に活用していくこと。都債については、将来の負担を見据えた上で、都民生活の向上に資する投資的経費などの財源として適切な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、職員の意識改革を一層推進するとともに、将来の財政負担なども踏まえた中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、景気回復の実感を家計、中小企業に広げるべく、平成二十七年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、技術者不足など、都内の中小企業が抱える課題に適切に対応するため、引き続き受注機会の拡大など、中小企業の入札参加への促進を図ること。
 一、中小企業の受注機会の拡大に向けて、官公需適格組合制度の活用を図ること。
 一、契約事務の透明性を確保するとともに、改正品確法の趣旨を踏まえ、総合評価方式の適用拡大など、適正な価格と良好な品質の確保のバランスのとれた入札制度の適切な運用を図ること。
 一、災害時などに、即時に活用可能な未利用都有地を効率的、効果的に利活用すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。整備に当たっては、技術革新の動向に十分注視し、省エネ・再エネ東京仕様を適宜見直し、環境負荷の少ない都市の実現に向けた取り組みを一層進めること。また、高齢化を考慮し、床の滑り防止の対策を進めること。
 一、都庁舎の長周期地震動対策として、制振装置の設置に取り組むこと。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生防止に努めるとともに、納税者の担税力に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、法人事業税の暫定措置及び法人住民税の一部国税化は、地方分権に逆行するものであり、速やかに撤廃し、地方税に復元するよう、国に対して引き続き強く働きかけること。また、地方財源が不足する現状においては、都市の財源を狙い撃ちにした措置ではなく、総体としての地方税財源を拡充することを国に強く働きかけること。
 一、納税者サービスのより一層の向上を図るため、税務広報や都税の問い合わせに関するサービスの充実を図っていくこと。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、新たな公会計制度について、引き続き全国自治体に対し、企業会計に準じた東京都方式の有効性を訴求していくとともに、先行して導入している自治体と緊密に連携しながら、これから本格的な複式簿記・発生主義会計を導入しようという自治体に対し、積極的な支援を行っていくこと。
 一、公金の運用に当たっては、引き続き金融環境を注視するとともに、安全性の確保を最優先としながら、効率性の追求にも努めること。
 一、官民連携ファンドについて、エネルギー分野におけるファンドを通じ、東日本大震災の被災地域支援の取り組みを今後とも着実に推進していくこと。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○植木委員 日本共産党都議団を代表して意見開陳を行います。
 二〇一五年度東京都予算は、舛添都政初めての本格予算ですが、不要不急の大型開発や幹線道路、国際金融センター構想などを推進する一方、福祉、雇用、中小企業対策など、都民要求を反映した施策の拡充が、ある程度図られています。
 前進面では、予算編成の基本に、都民福祉の充実による生活の質の向上を位置づけたことは重要です。また、保育園や特養ホームの整備について、昨年の我が党の代表質問で、都営住宅や公社住宅の建てかえで新たに生まれる土地の活用などを提案したのに対して、公社住宅用地の一部を活用して、三カ所で特養ホームを整備すると答えたことは重要です。
 雇用対策でも、非正規社員から正規社員への転換を都の重点政策に位置づけ、三年間で一万五千人を正規雇用化することが長期計画に盛り込まれました。
 こうした都民の切実な要求は、我が党が求めてきた事と合致するものです。
 しかし、安倍内閣による年金削減、高齢者医療費の窓口負担増、介護利用料引き上げ、介護報酬の引き下げ、生活保護の切り下げなどに反対し、都民生活を守るという姿勢はありません。
 我が党は、国民健康保険料、税の負担軽減のため条例案を提案し、同時に、都民の切実な要求に応えられる予算を大幅にふやすよう、予算の組み替え案を提案することとしています。
 日本共産党都議団は、都民の苦難の打開、安全・安心の東京をつくる都政への転換と都民要求実現のために全力を尽くすものです。
 各局別に意見を述べます。
 最初に財務局関係です。
 道路、橋梁などの都市インフラの基盤整備について、新規、とりわけ大規模事業は最大限抑制し、耐震強化、維持更新、管理重視に転換すること。そのための都市インフラの維持更新計画を作成すること。
 外環道の推進や八ッ場ダムの負担金支出など、不要不急の投資的事業にかかわる歳出を抜本的に見直すこと。
 主要施設の維持更新十か年計画については、教育や都民の暮らしにかかわる施設について、機械的な先延ばしではなく、実情を把握し対応すること。
 認可保育所、特別養護老人ホーム、都営住宅などの生活密着型公共事業を拡大すること。
 認可保育所、特別養護老人ホームなど、福祉施設増設のために、都有地や国有地、監理団体などの未利用地の有効活用を一層促進すること。
 緊急を要する首都直下型地震への対応とともに、住宅の耐震化や難燃化への助成を拡充すること。
 東京都防災街づくり基金条例の運用に当たっては、地域のコミュニティを破壊する特定整備路線中心ではなく、阪神・淡路大震災の教訓に基づき木造住宅の耐震化助成や不燃化助成など、都民の命を守る施策を中心に置くこと。
 土地信託事業は、安易な信託延長は行わず、貴重な都有財産は都民活用に振り向けるよう検討すること。
 品確法など建設三法と運用指針に基づき入札契約制度改革を進めると同時に、担い手の確保、育成のために賃金の引き上げなど労働条件の改善を図るため、都として公契約条例について検討し、速やかに条例制定を図ること。また、公契約法の制定を早急に行うよう国に求めること。
 都が負担する必要のない国直轄事業負担金などの支出はやめること。
 次に、主税局です。
 地方財源の偏在化を口実にした法人事業税、住民税の一部国税化の撤廃を引き続き国に強く要求すること。
 巨額の内部留保をため込んでいる大企業に対して、法人事業税の超過不均一課税を制限税率まで引き上げることを含め、都としてでき得る大企業課税を検討すること。
 低所得者や年金受給者への都民税軽減を行うこと。
 消費税の一〇%増税はやめるよう、国に強く求めること。
 首都高速道路株式会社に固定資産税などの課税を検討すること。
 外国企業に恩恵を与える国家戦略特区、ヘッドクオーター構想において、地方税の軽減対策を実施しないこと。
 生活難や経営難によって起こる地方税の滞納に当たっては、強引な差し押さえなどの処分を行わないこと。
 鳥取県が、預金口座を差し押さえた問題における広島高裁判決に基づく滞納整理マニュアルを作成した。この内容を参考にして、改善を図ること。
 次に、収用委員会です。
 土地収用に関する審査に当たっては、公正、中立の立場で権利者の立場に立った丁寧な対応を行うこと。
 次に、会計管理局です。
 都の公金の運用に当たっては、不透明な金融環境の中で、リスク回避のため指定金融機関の経営状況を的確に監視し、安全性確保を最優先にすること。また、株式投資への運用は行わないこと。
 官民連携福祉貢献インフラファンドについて、非公開のためにさまざまな危険が伴うため、凍結し、再検討を行うこと。
 以上です。

○中村委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十七年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 二十七年度予算案は、舛添知事にとって初めての本格予算の編成となりました。前年度比七・五%増の五兆二百十六億円という堅調な都税収入を背景として積極予算が組まれていますが、都税収入は景気変動によるリスクもあり、国の不合理な税制改正による影響をこうむる可能性も大きいことから、より一層の財政基盤の強化が求められています。
 このような観点から予算案を見ると、事業評価を通じて財源を捻出するとともに、都債の発行抑制や新たな基金の創設などで、将来をも見据えた財政基盤の強化が図られています。
 不本意非正規の正規雇用化や保育士、介護職員の処遇改善など、雇用、子育て、福祉分野での新たな取り組みについては評価するものです。
 予算編成に当たっては、事業評価などを通じて全ての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
 さらに、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても引き続き強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、財務局について申し上げます。
 一、強固な財政基盤の確立に向けた施策の構築を実施するとともに、社会情勢の変化を踏まえ、中長期的な視点に立った財政運営を行うこと。
 一、事業評価などにより都政の無駄を排除するとともに、新産業の育成や環境、エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じること。
 一、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税制度は、廃止に向けた取り組みを強く推し進めること。また、地方税財政制度に関しては、税源配分を見直し、自治体への税財源移譲を進めるために取り組むこと。
 一、法人事業税の分割基準の適正化など、極めて合理性に欠ける地方交付税不交付団体に対する財源調整措置の廃止を国に強く働きかけること。
 一、公契約においては、建設労働者の労務単価が実際に賃金に反映されるよう改善に努めること。また、下請を含めて、社会保険への加入を進めるため、法定福利厚生費の明示された標準見積書の活用について制度化するよう検討すること。さらに、透明性や品質の確保に留意しつつ、障害者雇用や中小企業の振興、社会的問題の解決や政策実現に貢献するような運用を行うこと。
 一、都民と東京都、事業者、労働者がともに発展する公共調達制度として、公契約条例の制定を検討すること。
 一、相談や窓口などのサービスを行う公共施設の集約については、都民の利便性を考慮し配置を決定すること。
 一、都有建築物への燃料電池などの新技術導入については、その動向を注視し整備に反映させること。
 次に、主税局について申し上げます。
 一、都が実施する政策減税に関しては、より政策効果が高い分野での実施について、積極的に検討すること。
 一、都民や中小企業者等の税負担感に配慮する観点から、商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引き下げを継続すること。
 一、小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を継続すること。
 一、小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置を継続すること。
 一、空き家対策の推進の観点から、固定資産税情報の提供について適切に対応すること。
 一、非課税となっている道路については、交通安全や防災上の観点から、私物を設置しているなどの実態について把握し、適切に対応すること。
 一、公平公正な税負担を実現するために、悪質な滞納者や大規模滞納者への対策を強化するとともに、納税者の個別事業等にも配慮した進行管理を図ること。
 次に、会計管理局について申し上げます。
 一、新公会計制度による財務諸表など、都政の方向性を判断するための資料を今後も整備して、都民福祉の向上のために一層役立てていくこと。
 一、官民連携福祉貢献インフラファンドの事業者公募に際しては、情報公開による事前のチェック、報告、都の出資目的である福祉施設の整備状況の公表など、政策目的の達成を制度設計に盛り込むとともに、出資金を毀損しないよう対応をとること。
 次に、収用委員会事務局について申し上げます。
 一、近隣県とも情報交換するなどして、手続の効率化、迅速化を図るとともに、情報を発信していくことで、都民や事業者、市区町村の理解を深めるなど、制度の活用に向けた取り組みを推進すること。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○西崎委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された二〇一五年度予算関係議案についての意見の開陳を行います。
 二〇一五年度当初予算案は、一般会計を前年度比四・三%増の六兆九千五百二十億円とし、都税収入は七・五%増の五兆二百十六億円を見込んでいます。予算案では、投資的経費が一九九八年度以来十七年ぶりとなる一兆円台になり、防災、道路整備を初め、オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ整備に充てています。
 道路や橋梁などの都市インフラについては、維持管理の時代に入っており、将来にわたって持続可能という観点からメンテナンスや延命化、更新を優先させる必要があります。また、新たな政策展開のために七つの基金を創設するとしていますが、将来を見据えて柔軟に使える基金のあり方も検討することも必要ではないかと考えます。
 東京の最大の課題は、二〇二五年問題に象徴される高齢者対策です。高齢者数の爆発的な増加が予測されています。現在、既にひとり暮らしの高齢者の増加と同時に空き家がふえており、超高齢社会に対処する仕組みづくりは待ったなしです。
 コミュニティにおける住まい方を見直し、子育て世代を初め、多世代の人たちが互いに支え合う参加型のまちづくりが重要です。都は、広域自治体として、長期的視点に立って自治体の取り組みをサポートすることが求められています。
 以下、各局について申し上げます。
 まず初めに、財務局です。
 一、事業評価などにより施策を点検するとともに、環境、エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じること。
 一、施策の透明性、客観性を高めるために、事業計画、実施、事後評価を含む総合的な事業評価を市民参加で行う。そのために、資料の保存と情報公開を徹底すること。
 一、都の入札契約制度においては、障害者雇用、仕事と生活の両立支援などを考慮した政策入札を推進すること。
 一、適切な労働条件、品質確保、地元中小企業者の活用など、働く人の立場に立った公契約条例を制定すること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進め、省エネ、再エネの推進で環境負荷の少ない都市を実現すること。
 一、保育所、高齢者施設、障害者施設等の整備を促進するため、都有地活用を進めること。
 一、現在活用されている都有地であっても、施設の統廃合などで使える土地は早期に明らかにし、計画づくりに寄与すること。
 一、都民にわかりやすい予算、決算書づくりを進め、税金の使われ方の透明性を確保すること。
 一、各局と連携して、障害者の優先調達の仕組みを積極的に進めること。
 次に、主税局関係です。
 一、地方分権の流れに沿った税制改正を積極的に国に求めること。
 一、課税自主権の行使については、環境税を中心に積極的に行うこと。
 一、NPOへの支援のための運用や優遇税制を積極的に進めること。
 一、税務広報や都税に関する相談体制を充実させること。
 一、納税者に対するサービスを向上させるために、時代に応じた納付方法を進め、利便性を図ること。
 一、空き家対策法に関する税制の情報を都民に適切に行うこと。
 会計管理局関係です。
 一、官民連携ファンドについては、議会や都民への情報公開を行い、説明責任を果たすこと。
 以上で意見の開陳を終わります。

○大津委員 東京都の平成二十七年度は、あと五年後にオリンピック・パラリンピック開催を控え、世界一の都市の実現に向け、本格的な一歩を踏み出し、飛躍させる予算と位置づけられ、一般歳出は、三・二%増の四兆八千六百八億円となっています。
 東京は、世界に例を見ない速さで高齢化が進んでおり、国の人口推計によれば、十年後には四人に一人が高齢者に入ってまいります。こうした高齢社会においては、都市生活のあらゆる場面で、より一層、安心や安全を守り、地域社会の中で生き生きと暮らしていくための仕組みや、適切かつ迅速な対応が必要であると考えます。
 今回の予算案の内訳では、重点施策に積極的に予算づけをしたこと、そして、福祉と保健が三年連続で一兆円の大台を超え、福祉先進都市の実現に向け継続したことは大変評価できます。
 都民の命と安全と健康を守るための観点を踏まえ、少子高齢化社会、高度防災防犯都市、再生エネルギーの活用を初め、重要かつ緊急政策が、税金の適切な活用を図り着実に実行していけるよう、事業評価や財政基盤の強化を図り、予算執行に当たることを切望します。
 各局関係について申し上げます。
 初めに、財務局関係について。
 一、社会現象を克服し、重点施策や事業を有機的に施策に結びつけ、東京の財政の力で将来の東京の持続的発展を支える財政運営を牽引し、都民の期待に応えられたい。
 一、これからも国に先んじて、都は、都債残高の減少に施策を打たれたい。
 一、入札契約制度においては、男女共同参画社会の推進や、福祉、環境等、都の重点政策の目的を実現するため、技術力評価型などの総合評価方式を確実に活用されたい。
 一、納税した都民が、都民生活の中で税の生かされ方が実感できるような、具体的でわかりやすい説明義務を果たされたい。
 一、都有施設及び周辺アクセスの案内、サインシステムを促進されたい。
 次に、主税局関係について。
 一、これからも歳入所管局として、都税収入の着実な確保に向けて、納税方法や納税後の都民サービスがわかるような広報と説明義務を果たされたい。
 一、東京都の重要な政策課題の解決に向け、施策を税制面から支援するよう、都税制調査会や関係各局とも連携しながら、政策税制を活用されたい。
 一、都民からの税金の相談について、丁寧できめ細かい対応をされたい。
 次に、会計管理局関係について。
 一、都民の税金等の公金管理における安全性の確保に努められたい。
 一、運用による収益は、日常的な金融情勢の監視や公金管理委員会を活用し、安全な収益を確保されたい。
 最後に、収用委員会事務局関係について申し上げます。
 一、まちづくりの開発が推進される一方、土地所有者など権利者に対しては、公平公正な配慮と正当な補償を適正に判断されたい。
 以上、意見開陳を終わります。

○和泉委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○和泉委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十号議案及び第四十二号議案から第四十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 付託議案であります第四十二号議案、都議会議員の議員報酬等に関する条例の一部改正議案について意見を述べます。
 本議案は、都議会議員の議員報酬を引き上げるものですが、都民生活が全体としていまだに不況を抜け出せていない状況であり、しかも都議会においては、費用弁償について我が党を含め複数会派による見直し提案を行いつつあるなど、都議会と議員のあり方について、都民の負託に応えられるよう、改革の論議こそ必要とされています。こうしたもとでの議員報酬の引き上げは慎むべきと考えます。よって、本議案には反対いたします。

○和泉委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第四十二号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○和泉委員長 起立多数と認めます。よって、第四十二号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十号議案、第四十三号議案及び第四十四号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 異議なしと認めます。よって、第四十号議案、第四十三号議案及び第四十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○和泉委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(28)までの請願二六第一六号外二十七件の同内容の請願及び整理番号(29)から(50)までの陳情二六第八九号外二十一件の同内容の陳情は、いずれも趣旨が同一でありますので、一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(28)までの請願二六第一六号外二十七件の同内容の請願及び整理番号(29)から(50)までの陳情二六第八九号外二十一件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○和泉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○和泉委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。

○和泉委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、中井財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中井財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言、ご挨拶申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定いただきました。
 また、平成二十七年度予算案の調査や報告事項等につきましても、委員長初め委員の皆様にさまざまな視点から熱心にご審議をいただきましてありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分に尊重させていただきまして、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。まことにありがとうございました。

○和泉委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十分散会

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