財政委員会速記録第十六号

平成二十六年十一月二十五日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長和泉 武彦君
副委員長大松あきら君
副委員長桜井 浩之君
理事中村ひろし君
理事曽根はじめ君
理事高木 けい君
山内  晃君
大津ひろ子君
柴崎 幹男君
木村 基成君
西崎 光子君
鈴木貫太郎君
鈴木 隆道君
植木こうじ君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長潮田  勉君
財産運用部長岩瀬 和春君
利活用調整担当部長菊地 俊夫君
建築保全部長室木 眞則君
技術管理担当部長妹尾 高行君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
主税局局長塚田 祐次君
総務部長西海 哲洋君
税制部長加藤  隆君
税制調査担当部長大久保哲也君
調整担当部長萱場 明子君
課税部長山内 和久君
資産税部長安藤 敏朗君
徴収部長熊谷 克三君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君
会計管理局局長塚本 直之君
管理部長松下 隆弘君
警察・消防出納部長植松 淳一君
会計制度担当部長米今 俊信君

本日の会議に付した事件
財務局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入、歳出-財務局所管分
・警視庁鮫洲運転免許試験場技能試験コース棟・駐車場棟(仮称)(二十六)新築工事(その二)請負契約
・都立高島特別支援学校(二十六)増築及び改修工事請負契約
・東京国際展示場(二十六)受変電設備改修工事請負契約
・東京消防庁立川防災施設(二十六)空調設備改修工事請負契約
・新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-工区整備工事(二十六 三-主四青梅街道)その二請負契約
・石神井川取水施設工事(その一)請負契約
・当せん金付証票の発売について
会計管理局関係
報告事項(説明)
・平成二十六年度資金管理実績(上半期)について
主税局関係
報告事項(説明)
・平成二十六年度東京都税制調査会答申について
陳情の審査
(1)二六第四九号 平成二十七年一月一日現在、都内に所在地のある宗教法人に対し課税をすることに関する陳情
(2)二六第七一号 「消費税増税の中止を求める意見書」の提出に関する陳情

○和泉委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、会計管理局及び主税局関係の報告事項の聴取並びに主税局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより財務局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○中井財務局長 第四回定例会に提出を予定しております財務局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料、平成二十六年第四回東京都議会定例会提出予定議案件名表をごらんいただきたいと存じます。
 今回提出をいたします議案は八件ございまして、予算案一件、契約案六件、事件案一件でございます。
 初めに、予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成二十六年第四回定例会補正予算案についてをごらんください。
 1の補正予算編成の考え方の囲みに記載してございますとおり、今回の補正予算は、世界一の都市東京の早期実現に向けて必要な取り組みを加速化させるために、予算上の必要な措置を講じるものでございます。
 二〇二〇年大会開催準備を初め、将来の東京を見据えた取り組みのスピードアップを図るため、前倒しが必要な施策に速やかに着手するとともに、直ちに取り組むべき課題に対し、時期を逸することなく予算措置を講じます。
 今回の補正予算の規模でございますが、中ほど2の財政規模に記載してございますとおり、一般会計で百三十八億円、公営企業会計で五十億円、合計で百八十八億円でございます。また、債務負担行為につきましては、一般会計、公営企業会計合わせまして九十四億円でございます。
 恐れ入りますが、最初の件名表にお戻りください。
 次に、契約案でございますが、今回提出いたします六件の内訳は、建築工事が二件、設備工事が二件、土木工事が二件でございます。契約金額の総額は百三十五億三千百六十一万一千六百円でございます。
 最後に、事件案でございますが、当せん金付証票の発売についてでございます。
 以上が提出を予定しております議案の概略の説明でございます。
 詳細につきましては、それぞれ所管の部長から、資料に基づきましてご説明申し上げます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○潮田主計部長 それでは、私の方から、平成二十六年第四回定例会補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第1号をごらん願います。1の補正予算編成の考え方と、2の財政規模のうち、(1)補正予算の規模につきましては、ただいま局長の方から説明したとおりでございます。
 一ページ目、最下段、2の(2)補正予算の財源でございます。
 今回、一般会計の百三十八億円の歳出のうち、まず、国庫支出金が三十八億円、また、基金からの繰入金が三十一億円でございまして、さらに、繰越金が六十八億円、以上が財源の内訳でございます。
 引き続きまして、二ページ目をごらん願います。今回の補正事項の一覧でございます。
 上段、Ⅰが、将来の東京を見据えてスピードアップを図る取り組みで五十一億円、債務負担行為〇・五億円、中段以降が、Ⅱ、直ちに取り組むべき課題への対応としまして百三十七億円、債務負担行為九十三億円を計上してございます。
 具体的な内容につきましては、次ページ以降になりますので、三ページをごらんください。
 まず最初に、オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備で〇・六億円を計上してございます。
 まず、大会開催に必要不可欠な多言語対応とボランティアの裾野拡大につきまして、予定を前倒しして調査検討に着手いたします。
 また、中段以降でございますが、外国人旅行者が快適に滞在できる環境整備に向け、受け入れ体制の強化拡充を図ります。東京を基点にしました広域での観光モデルルートの作成に向けた取り組みや観光情報センターの充実強化などを進めてまいります。
 続きまして、四ページをごらんください。中段になりますが、水素社会の実現に向けた取り組みに四十億円を計上してございます。
 燃料電池自動車の販売に合わせまして、都として普及促進に向けた取り組みを推進してまいります。
 具体的には、燃料電池自動車の購入や水素ステーションの整備に対しまして補助を行ってまいります。
 続きまして、五ページをごらんください。女性が活躍する社会の実現に向けた取り組みでございます。
 女性の創業支援や人材育成等の取り組みを加速させるため十一億円を計上してございます。
 続きまして、六ページをごらんください。福祉保健施策の充実に向けた取り組みでございます。
 福祉保健施策のさらなる充実に向けて、八十三億円を計上しております。来年度事業の一部を前倒しし、区市町村や事業者等の取り組みを一層推進してまいります。
 具体的には、保育従事職員の処遇改善を目的とした宿舎の借り上げ経費の補助を都として導入するほか、事業所内保育施設が認可施設に移行する際に必要な改修等に係る経費の補助を新たに行うものでございます。そのほか、障害者施策や高齢者施策の推進に要する経費などを計上してございます。
 続きまして、七ページをごらんください。上段でございますが、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、国からの内示に基づきまして基金を造成し、今年度分を直ちに事業化するもので、八十二億円を計上してございます。
 中段以降は、土砂災害防止法に基づく基礎調査の前倒しや資材価格高騰等に伴う契約不調へ対応するために必要な予算措置として五十三億円、債務負担行為として九十三億円を計上しております。
 続きまして、八ページでございます。こちらは、会計別総括表でございまして、今回は、一般会計と公営企業会計の計上となってございます。
 続きまして、九ページ、こちらが局別の総括表でございます。
 あわせまして、事件案につきまして、お手元の資料第4号、当せん金付証票の発売についてご説明申し上げます。
 これは当せん金付証票、いわゆる宝くじの平成二十七年度の発売に関する議案でございます。
 議案の中ほどの記書きにございますように、宝くじの発売の目的としましては、公園整備費等の費用の財源に充当するために発行するものでございまして、平成二十七年度は一千八百五億円の発売限度額を定めるというものでございます。
 提案の理由でございますが、裏面に参考の条文を掲載してございますが、当せん金付証票法第四条第一項の規定に基づきご提案するものでございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○奥田経理部長 私からは、まず議会局、財務局所管分の補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第2号の一ページをお開き願います。平成二十六年度一般会計補正予算議会局、財務局総括表でございます。
 今回の補正は財務局分のみでございまして、補正予算額は、歳出で三億五百万円、特定財源で六十八億三千五百万円余をそれぞれ計上するものでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページをお開き願います。今回の補正予算の事業別説明でございます。
 番号1の他会計支出金でございます。これは中ほどの計上説明欄にございますとおり、公営企業会計に対する支出金に要する経費として三億五百万円を増額補正するものでございます。
 次に、右側の三ページをごらん願います。番号2の一般歳入です。
 これは今回の補正予算における各局事業の財源に充当するため、前年度からの繰越金を六十八億三千五百万円余計上するものでございます。
 次に、一枚おめくりいただきまして四ページをお開き願います。財務局分の合計でございます。
 今回の補正により、財務局の歳出予算は、上から五段目の歳出計欄右側にございますとおり、九千五百三十八億八千六百万円となります。
 また、歳入予算は、下から三段目の特定財源計欄右側にございますとおり、千七百十六億一千七百万円余となります。
 以上で、平成二十六年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、工事請負契約議案の概要につきまして、資料第3号によりご説明申し上げます。
 第3号の表紙をおめくりいただきまして、一ページ、工事請負契約議案一覧をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計六件、契約金額の総額は百三十五億三千百六十一万一千六百円でございます。
 次に、2の案件別の表によりまして概要についてご説明申し上げます。
 番号1は、品川区東大井一丁目地内におきまして、仮称でございますが、警視庁鮫洲運転免許試験場技能試験コース棟その他の新築工事を施行するものでございます。
 番号2は、板橋区高島平三丁目地内におきまして、都立高島特別支援学校の増築及び改修工事を施行するものでございます。
 番号3は、江東区有明三丁目地内におきまして、東京国際展示場受変電設備改修工事を施行するものでございます。
 番号4は、立川市泉町地内におきまして、東京消防庁立川防災施設空調設備改修工事を施行するものでございます。
 番号5は、新宿区西新宿七丁目地内におきまして、新宿歩行者専用道第二号線Ⅲ期-一工区整備工事を施行するものでございます。
 番号6は、練馬区高松三丁目地内におきまして、石神井川取水施設工事を施行するものでございます。
 次に、契約の方法についてでございますが、提出予定の六件につきまして、いずれも一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 それぞれの契約金額及び契約の相手方は、表の右側に記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページから四ページでございますが、案件ごとに件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願い申し上げます。
 また、各案件の入札経過等につきましても、五ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
 以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○和泉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 契約案件について、一点だけ資料をお願いいたします。
 この案件の中には、再入札の案件があると聞いておりますが、一回目の入札の状況との比較資料をお願いいたします。

○和泉委員長 ほかにございますでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 ただいま曽根理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で財務局関係を終わります。

○和泉委員長 これより会計管理局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松下管理部長 平成二十六年度上半期の資金管理実績につきましてご説明申し上げます。お手元の資料第1号の表紙をおめくりいただきまして、一ページをごらんいただきたいと存じます。
 初めに、1、全体でございますが、二十六年度上半期の平均残高は約四兆二千三百五十二億円で、これは右側(参考)として掲げてございます二十五年度上半期と比べまして、対前年同期比で約一千九百七十八億円の増となっております。一方、利回りは〇・一二〇%で、これは二十五年度上半期の〇・一四九%から低下しております。この結果、運用収入は約二十五億五千八百万円で、約四億五千七百万円の減となっております。
 次に、2、内訳でございます。まず、(1)の歳計現金等につきましては、今年度上半期は、平均残高は約九千九百六億円となりました。これは都税収入の増加等によりまして、前年同期と比べ約一千二百十二億円の増加となっております。一方、利回りは横ばいで推移しております。この結果、運用収入は約一億五千万円となり、前年同期と比べ約二千百万円増加しております。
 次に、(2)の基金でございます。平均残高は約二兆七千五百八十一億円となりました。これは社会資本等整備基金の取り崩し額の減少等によりまして、前年同期と比べ約百七十八億円の増加となっております。一方、定期性預金の金利及び債券利回りの低下によりまして利回り全体が低下しております。したがいまして、運用収入は約二十二億二千三百万円で、前年同期と比べ約四億二千八百万円の減となっております。
 次に、(3)の準公営企業会計でございますが、平均残高は約四千八百六十四億円となりました。これは病院会計に係る一般会計繰入金の受け入れ等によりまして、前年同期と比べ約五百八十八億円増加したものであります。一方、定期性預金の金利低下に伴いまして利回りは低下しております。運用収入は約一億八千五百万円と前年同期と比べ約五千万円減少しております。
 二ページをお開きください。運用商品別内訳でございます。
 表頭の期中平均残高の構成比の欄をごらんください。表の一段目、歳計現金等及び表の三段目、準公営企業会計につきましては全て預金で運用しております。
 表の二段目、基金につきましては、預金が六一・八%、債券等が三八・〇%となっております。
 次に、三ページをごらんください。ここでは、第一・四半期と第二・四半期の状況をお示ししてございます。
 四ページをお開きいただきたいと思います。ここでは、平均残高及び利回り、それぞれの推移につきましてグラフでお示ししているものでございます。
 次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。金融機関種別預金内訳でございます。表頭の平成二十六年度上半期の欄の左から二列目、期中平均残高の構成比をごらんください。
 表の一段目、歳計現金等の保管先につきましては、支払い準備における流動性確保の観点から、これまで同様一〇〇%都市銀行に預金しております。
 表の二段目、基金の運用先につきましては、都市銀行二九・〇%、信託銀行四六・九%、地方銀行等二四・一%となっております。
 表の三段目、準公営企業会計につきましては、都市銀行四八・四%、信託銀行一七・七%、地方銀行等三三・九%となっております。
 次のページの六ページでは、その推移をグラフでお示ししております。
 資金管理につきましては、引き続き安全性を最重要視した上で、効率的な保管、運用を行ってまいります。
 以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○和泉委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○和泉委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○大久保税制調査担当部長 先般、東京都税制調査会において取りまとめられた答申について、その概要をご説明申し上げます。
 今年度は、直面する税制上の課題として、地方法人課税のあり方について重点的にご検討いただいたほか、中長期的な視点から、少子高齢化、人口減少社会における税制のあり方についてご議論いただき、その成果を答申として取りまとめていただきました。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、平成二十六年度東京都税制調査会答申の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、Ⅰ、税制改革の視点として、今後の税制の抜本的な改革に当たっては、基本的な視点として、〔1〕、地方分権の推進とあわせて地方が自主的、自立的に行財政運営ができるよう、自主財源としての地方税の充実が必要であること。〔2〕、公共サービスに必要な財源を安定的に確保すること。〔3〕、少子高齢化など、時代に対応した公平を実現することが重要であるとしております。また、〔4〕、環境重視の考え方を税制に組み込んでいくこと。〔5〕、国際競争力の強化など重要な政策課題については、必要に応じて政策を支援する税制の活用も考えていくべきとしております。
 次に、Ⅱ、税制改革の方向性でございますが、1、基本的な考え方として、国と地方の役割を勘案し、税収規模の大きい基幹税については、国税と地方税で分かち合うことが適当であり、地方税においても、生産、分配、支出の三つの局面でバランスよく課税することが望ましいとしております。
 2、地方消費税、消費税では、地方消費税は、世代間の負担の公平を確保でき、地域間の偏在が小さく税収が安定的で、地方税にふさわしい税の一つであるとしております。
 3、法人事業税、法人住民税及び法人税では、地方法人課税は、企業活動を支える公共サービスに必要な財源を賄うため法人に課税するものであり、企業の負担に配慮しつつも、応分の負担を求めることが必要としております。
 次に、法人実効税率の引き下げに当たっては、課税ベースの拡大等による財源確保を図るべきであり、国による政策の影響については国の責任で対応すべきとしております。また、超過課税は、地域の実情に応じた行政運営を行う上で必要不可欠な財源を得る手段であり、地方自治体の判断が尊重されるべきとしております。
 4、個人住民税、所得税では、個人住民税は、地方の基幹税の一つであり、地域社会の費用を住民が広く負担する税として、今後とも重要な役割を果たすものとしております。
 また、5、車体課税では、車体課税は、偏在が小さく安定的で、地方にとって貴重な財源であり、今後はより積極的に環境関連税制として位置づけていくべきとしております。
 恐れ入りますが、一枚おめくりいただき、二ページをごらんいただきたいと存じます。Ⅲ、地方財政調整制度でございます。まず、地方交付税制度が持つ財源保障機能及び財源調整機能をより適切に発揮させていくことが重要としております。
 次に、法人事業税の暫定措置については、受益に対する負担という地方税の原則に反しており、撤廃し、地方税として復元すべきとしております。また、法人住民税の国税化という不合理な偏在是正措置は、速やかに撤廃、復元すべきとしております。そして地方の役割を支える安定的な財源確保のためには、地方税、地方交付税等を合わせた総体としての地方税財政制度について充実を図っていくべきであり、地方税財政制度についての住民の理解と納得という視点こそが重要であるとしております。
 続きまして、Ⅳ、その他の検討事項でございます。1、公平な徴収を担保する仕組みといたしまして、税制及び税務行政に対する国民の信頼と理解を高めるためには、滞納整理の推進や所得捕捉の適正化、租税教育の充実などに一層の取り組みが必要であるとしております。
 最後に、2、これからの固定資産税制といたしまして、まちづくりに密接な関連を有する固定資産税制のあり方については、地域の実情に合った制度を構築するという観点から、今後検討していくことが必要であるとしております。
 平成二十六年度東京都税制調査会答申の概要の説明は以上でございます。
 なお、お手元に資料第2号として、答申の本文を配布させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。

○和泉委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○和泉委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二六第四九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号、財政委員会付託陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 陳情二六第四九号の平成二十七年一月一日現在、都内に所在地のある宗教法人に対し課税をすることに関する陳情でございます。
 この陳情の趣旨は、法人であるにもかかわらず宗教法人に対して課税措置がとられていないことは不公平であるとして、日本国憲法第二十条第一項に基づき、来年一月一日現在、都内に所在地のある宗教法人に対し公平に課税措置をとることを求めるもの及び都議会として国に来年一月一日以降、宗教法人に課税措置をとるよう要望することを求めるものでございます。
 この陳情に係る現在の状況でございますが、宗教法人は、その公益性に鑑み、法人税法及び法人税法施行令に定める収益事業に該当する所得を除き、法人税、法人事業税、法人住民税法人税割等が課税されません。
 また、収益事業を行わない場合、法人住民税均等割が課税されません。同様の趣旨から、宗教法人が専らその本来の用に供する境内建物及び境内地については、不動産取得税、固定資産税、都市計画税等が非課税とされております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○和泉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和泉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二六第四九号は不採択と決定いたしました。

○和泉委員長 次に、陳情二六第七一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤税制部長 陳情二六第七一号の「消費税増税の中止を求める意見書」の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号、財政委員会付託陳情審査説明表の二ページをごらんください。
 この陳情の趣旨は、平成二十七年十月からの消費税率一〇%への増税の中止を求める意見書を国に提出することを求めるものでございます。
 現在の状況でございますが、税制抜本改革法により、平成二十七年十月に予定されている国、地方を合わせた消費税率の一〇%への引き上げについて、本年十一月十八日、安倍内閣総理大臣は、平成二十九年四月まで延期することを表明しました。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○和泉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 本件、消費税増税中止を求める陳情について、我が党の立場を明らかにしながら基本点について簡潔に質問しておきます。
 この間、一〇%増税の十八カ月先送りと、また、当初予定時期の十八カ月後には必ず増税するとの方針が出されました。一〇%への増税によって景気が悪化し、デフレ脱却ができなければ元も子もないと首相も記者会見で述べており、消費税の増税が、国民消費、なかんずく家計消費に深刻な打撃をもたらすということを事実上認めたものであります。にもかかわらず、次の増税では、経済状況にかかわりなく行うということで、極めてリスクの大きい選択をしたことになります。
 そして、この増税先送り措置に関しては、当然ながら法的な手続が必要だと思いますが、どういう法律の手続が必要でしょうか。

○加藤税制部長 税制抜本改革法におきましては、消費税及び地方消費税の税率引き上げとともに、引き上げに当たり、経済状況等を総合的に勘案する、いわゆる景気条項を規定しております。
 仮に引き上げを延期する場合には、平成二十九年、そしてまた、平成二十九年四月に確実に実施する場合、税制抜本改革法に定められております一〇%引き上げに係る施行期日を変更するとともに、景気条項の削除等の規定の整備を行う改正が必要になると思われます。

○曽根委員 安倍内閣の方針を実施するには、恐らく総選挙後になると思いますが、この法改正が必要となります。我が党は、法改正をするのであれば、一〇%増税を白紙に戻し、これにかわる財源について、再度、国会を初め国民的な議論を行うべきであると考えております。
 例えば、我が党が指摘してきた不公平な税制措置として、大企業への特権的な減免税を指摘してきましたが、今日、法人実効税率引き下げの代替財源という条件つきとはいえ、一部、こうした特権的な減免税の見直しの議論も出ております。また、我が党はかねてより是正を求めてきた株取引への所得課税の半額減税措置も、NISAの導入と引きかえという形で、本税の二〇%原則に戻されております。
 政府の決断で、消費税の二%増にかわる代替財源を生み出すことは可能であります。とりわけ、この間の円安政策で輸入量が伸びていないのに、為替差益で史上最高利益を上げている輸出大企業に対しては、片や輸入原材料、食品、燃料の値上げで厳しい年末を迎えている中小零細業者、農漁民、商店、消費者への還元を検討する上でも、適切な方法による課税強化が検討されてしかるべきではないかと思います。法改正を行うなら、これぐらいは必要だということは主張させていただきます。
 もう一つの大きな問題は、増税を中止ではなく延期としたことによって、消費税増税に伴う予算や財政上の措置はどうなるかという問題です。完全に中止をするのであれば、当然ながら、政府の責任で代替財源を宛てがうか、もしくは、増税分を使う予定だった社会保障関連事業を縮小するかの対策が求められます。
 しかし、十八カ月延期、その先には必ず増税する、先延ばしということになりますと、この間の財源措置はどうするかという問題があり、また、このことは明らかにされておりません。
 そこでお聞きしますが、少なくとも増税が十八カ月先送りされることにより、地方消費税として、東京都や区市町村に配分されるはずであった地方消費税増額分が先送りされることになると思いますが、これによる都及び区市町村への税収の影響はどうなりますか。

○加藤税制部長 消費税率一〇%への引き上げによる増収は、平成二十六年度当初予算額をもとに試算いたしますと、平年度ベース、すなわち一年間を通じた影響額で約一千九百億円となる見込みでございます。このうち、二分の一が区市町村に交付されております。この増収が予定されていた分が、都や区市町村の収入となる時期は、税率引き上げの延期により先送りされることとなります。

○曽根委員 この先送りが十八カ月先に回るということによって、それから後に消費税の増税分の収入が地方に回ってくるという、仕組み上そうなりますが、いずれにしても、消費税増税八%による地方消費税増収分の約二千六百億円、これがもう平年度化していきますし、さらに、さらなる二%増税分を加えた四千五百億円、これも平年度化していく年月に達してしまうということになり、一千九百億円の財政の穴は確実にあいてくるというふうに見なければなりません。
 そうすると、かなり大きな財政的な影響を東京都や区市町村も受けることになりますが、問題は、それと引きかえに行われるとされていた税制改革に伴う地方課税の暫定措置の是正の問題です。
 一方では、ことしから始まった地方法人住民税の国税化による影響も加えて、平年度ベースで約三千二百億円の都税の減収が見込まれる。しかし一方で、地方消費税が入ってくるじゃないですかといってきた分が入らなくなる。
 しかし、恐らく、政府の方は、いつになるかわかりませんが、大綱によって、この是正措置は、税制改革が本格的に実施されるのが先送りされたのだから、これは続けますよといってくる可能性が高いと思うんです。そのときにどうするかという問題があるということは指摘しておきたいと思います。
 私たち日本共産党は、こうした消費税の増税先送りというのは、安倍内閣の判断でやることによって、東京都を初めとする大都市自治体が大きな被害を受けている地方法人課税については、それとはかかわりなく、もとに戻せということを当然ながら主張すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つ指摘をさせていただくならば、国税の方でも、消費税の増税分で行われるはずだった社会保障事業について、これまた問題が出てくるということです。
 当然ながら、少子高齢化対策の当然増がどんどん今見込まれておりますので、それに回す分ももちろんですが、私たち共産党は異論がありますけれども、例えば、認定こども園の、さきに通過した条例に基づく事業についても、この消費税増税分が使われる予定だったわけですので、ここにも穴があくということでいえば、国の責任でこうした問題に対する対処方針も出さないまま、増税先送りだけ決めるということがいかに問題があるかということも指摘しておかなければなりません。
 いずれにしても、この消費税廃止各界連絡会の皆さんが求めている、きっぱり中止ということとあわせて、代替財源についても政府が責任を持って宛てがうというこの要望については、当然ながら採択をすべきということを主張して終わります。

○和泉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○和泉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第七一号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十九分散会

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