財政委員会速記録第九号

平成二十六年九月十二日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山崎 一輝君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長鈴木 隆道君
理事近藤  充君
理事曽根はじめ君
理事酒井 大史君
大津ひろ子君
ほっち易隆君
清水 孝治君
西崎 光子君
橘  正剛君
高木 けい君
鈴木あきまさ君
植木こうじ君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長潮田  勉君
財産運用部長岩瀨 和春君
利活用調整担当部長菊地 俊夫君
建築保全部長室木 眞則君
技術管理担当部長妹尾 高行君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君

本日の会議に付した事件
財務局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入
・警視庁王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
・警視庁八王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
・都立新島高等学校(二十六)改築工事請負契約
・東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
・東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
・東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
・東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
・東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
報告事項(説明)
・「平成二十五年度東京都年次財務報告書」について
・「地方法人課税を巡る動向と東京都の主張」について

○山崎委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課担当書記の高砂進君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○山崎委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせをしましたので、ご了承願います。
 次に、先般の人事異動に伴い、主税局及び会計管理局の幹部職員に交代がありましたので、順次ご紹介いたします。
 初めに、主税局長に塚田祐次君が就任いたしました。塚田局長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 塚田祐次君をご紹介いたします。

○塚田主税局長 去る七月十六日付で主税局長に就任いたしました塚田祐次でございます。
 山崎委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜り、歳入所管局として職責をしっかり果たしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、七月十六日付で幹部職員の異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 総務部長の西海哲洋でございます。課税部長の山内和久でございます。徴収部長の熊谷克三でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○山崎委員長 次に、会計管理局長に塚本直之君が就任いたしました。塚本局長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 塚本直之君をご紹介いたします。

○塚本会計管理局長 去る七月十六日付で会計管理局長を拝命いたしました塚本直之でございます。
 山崎委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、都の会計事務をつかさどる役割と責任をしっかり果たしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、七月十六日付で異動がありました幹部職員をご紹介申し上げます。
 会計制度担当部長の米今俊信でございます。
 なお、当局理事者のうち、管理部長の松下隆弘につきましては、病気療養のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○山崎委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○山崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより財務局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○中井財務局長 第三回定例会に提出を予定しております財務局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料、平成二十六年第三回東京都議会定例会提出予定議案件名表をごらんいただきたいと存じます。
 今回提出をいたします議案は九件ございまして、予算案一件、契約案八件でございます。
 初めに、予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成二十六年度九月補正予算案についてをごらんください。
 1の補正予算編成の考え方の囲みに記載してございますとおり、今回の補正予算は、世界一の都市東京の実現に向けて、直ちに取り組むべき課題に対してスピーディーに対応することとし、予算上の必要な措置を講ずるものでございます。
 待機児童数の増加等緊急課題に対応するため、新たな施策の速やかな事業化と既存施策のさらなる加速化を図ることで、三千人分の保育サービスの拡充を図ります。
 具体的には、福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討結果を踏まえた新たな補助制度を創設するとともに、区市町村における保育所整備を加速させる取り組みを実施します。
 また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、東京国際展示場の増築のための経費を計上します。
 次に、今回の補正予算の規模でございますが、中ほど2の財政規模に記載がございますとおり、一般会計で三十二億円でございます。
 恐れ入りますが、最初の件名表にお戻りください。
 今回提出いたします契約案八件の内訳は、建築工事が五件、設備工事が三件でございます。契約金額の総額は百六十六億七千六百六十万四千円でございます。
 以上が提出を予定しております議案の概略の説明でございます。
 詳細につきましては、それぞれ所管の部長から、資料に基づきましてご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○潮田主計部長 それでは、資料第1号によりまして、今回提案してございます平成二十六年度九月補正予算案についてご説明申し上げます。
 1、補正予算編成の考え方と、2、財政規模のうち(1)、補正予算の規模につきましては、ただいま局長の方から説明いたしたとおりでございます。
 一ページ目の最下段(2)の補正予算の財源でございますが、内訳としましては、安心こども基金繰入金十八億円、財政調整基金繰入金十四億円でございます。
 続きまして、二ページをお開きいただきたいと存じます。ここからが補正事項の内容でございます。
 まず最初に、待機児童数の増加等緊急課題への対応です。全体で三十二億円でございます。
 福祉インフラ整備のための土地活用としまして、まず、定期借地権利用による認可保育所整備促進事業で一億円を、国有地、民有地の借地料補助による認可保育所等の設置支援で一億円をそれぞれ計上しております。下の参考は、七月に発表いたしました福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策を記載してございます。
 続きまして三ページをお開きください。区市町村による保育所整備を加速させる取り組みです。
 認可保育所家賃補助事業の拡充に一億円、認証保育所事業に〇・九億円を計上しております。また、ここまでお話をさせていただきました土地活用の取り組み等による保育所整備の加速に伴いまして、保育所緊急整備事業等に合計で二十七億円の増額を図るものでございます。事業が三つございますが、保育所緊急整備事業に十三億円、賃貸物件による保育所整備事業に四億円、待機児童解消区市町村支援事業に十億円をそれぞれ計上しております。
 そして、最後になりますが、東京国際展示場の増築のために〇・七億円でございます。あわせまして、債務負担行為を二億円計上しております。
 続きまして四ページ目は、局別の総括表でございます。
 さらに、次ページ以降でございますが、こちらには予算案の議案を添付してございますので、後ほどご参照願えればと存じます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○奥田経理部長 私からは、資料第2号、第3号によりましてご説明申し上げます。
 最初に、財務局所管分の補正予算案につきまして、資料第2号、平成二十六年度補正予算説明書によりましてご説明申し上げます。
 今回の補正は財務局分のみでございますので、恐れ入りますが、二ページをお開き願います。
 平成二十六年度補正予算事業別説明の補正予算額欄にございますとおり、特定財源といたしまして繰入金を十四億三千六百万円余計上するものでございます。この繰入金は、今回の補正予算の各局の事業の財源として、計上説明欄の2の特定財源欄にございますとおり、財政調整基金から繰り入れるものでございます。
 これにより、隣の三ページにございますように、財務局の歳入は、下から三段目の特定財源計の一番右端にありますとおり、既定予算額と合わせまして千六百四十七億八千百万円余となります。なお、歳出予算は変わらず、上から五段目の歳出計の一番右端にありますとおり、九千五百三十五億八千百万円でございます。
 以上、簡単でございますが、平成二十六年度の財務局所管の補正予算案につきまして説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、工事請負契約議案の概要につきまして、資料第3号によりご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページ、工事請負契約議案一覧をお開きいただきたいと存じます。
 初めに、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり合計八件、契約金額の総額は百六十六億七千六百六十万四千円でございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要について説明申し上げます。
 番号1は、北区王子三丁目地内におきまして、警視庁王子警察署庁舎改築工事を施行するものでございます。
 番号2は、八王子市元本郷町三丁目地内におきまして、警視庁八王子警察署庁舎改築工事を施行するものでございます。
 番号3は、新島村本村四丁目地内におきまして、都立新島高等学校改築工事を施行するものでございます。
 番号4から7は、いずれも千代田区丸の内三丁目地内におきまして、東京国際フォーラムの改修工事を施行するものでございます。番号4はホール棟の建築工事、番号5はガラス棟の建築工事、番号6は電気工事、番号7は空調工事でございます。
 番号8は、江東区有明三丁目地内におきまして、東京国際展示場拡声設備改修工事を施行するものでございます。
 次に、契約の方法でございますが、提出予定の八件につきまして、いずれも一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 それぞれの契約金額及び契約の相手方は、表の右側に記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページから五ページでございますが、案件ごとに件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願い申し上げます。
 また、各案件の入札経過等につきましても、六ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
 以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○植木委員 契約に関しまして、入札不調になった割合について、年度ごとの推移を、建設など分野ごとにお願いいたします。
 以上です。

○山崎委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○山崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、順次これを聴取いたします。

○潮田主計部長 平成二十五年度の決算につきまして、お手元の資料第4号、平成二十五年度東京都年次財務報告書として取りまとめましたものをご報告させていただきます。
 内容につきましては、表紙の一枚下にA3の資料二枚組を別途ご用意させていただいておりますので、そちらのA3の資料を使いながらご説明をさせていただきます。
 年次財務報告書の中身は大きく二点ございまして、一つは、普通会計決算の状況でございます。もう一つが、それを踏まえました財政分析の内容でございます。
 まず、一枚目の左側の部分に、平成二十五年度普通会計決算の概要を取りまとめさせていただいております。
 下に表が四つほどございますが、一番上の表、決算収支等、こちらが全体の概略を取りまとめているものでございます。
 この表の上から五段目が実質収支の状況でございまして、二十五年度は六億円の黒字ということで、ほぼ均衡している状況でございます。これは、二十四年度と引き続き同様の状況でございます。
 その下、上から六段目が経常収支比率でございます。これは、財政の弾力性を示す指標でございますが、二十五年度は八六・二%と、前年度に比べまして六・五ポイント改善をしております。これは税収がふえたことや職員給が減少したことなどによるものでございます。
 その下の表が歳入の内訳、そしてその下が歳出の内訳となっております。
 左側の一番下の表が財政健全化法に定める比率でございまして、国の指標に基づきます財政状況をお示ししているものでございます。
 この中の上段が東京都の数値でございまして、下の段、括弧書きの部分が国の定める基準で、この数値を超えますと財政状況が悪いということで、国からのチェックなどが入るものでございます。実質赤字比率、連結実質赤字比率、一番右側の資金不足比率、いずれも赤字や資金不足がございませんので数値なしでございます。実質公債費比率は〇・六%、将来負担比率は七三・二%と、いずれも国の定める基準と比べて、よい数値でございまして健全な状況にございます。
 続きまして、右側の部分が新しい公会計手法を使いました財政指標でございます。
 こちらも表が四つほどございますが、まず一番上が貸借対照表、いわゆるバランスシートでございます。
 その中で資産は、全体で三十二兆円余でございます。次に、負債は八兆円余でございまして、前年度に比べまして、三千七百億円余減少しております。差引正味財産といたしましては、二十四兆円余となってございまして、前年度に比べまして五千九百億円余ふえてございます。なお、資産に対します負債の割合は、前年度に比べて一・三ポイント改善しまして二四・七%となっております。
 その下の表が行政コスト計算書でございます。
 この表の一番下の段が当期収支差額でございまして、こちらは四千七百億円余と収入が費用を上回ってございます。
 三つ目の表がキャッシュ・フロー計算書でございます。
 この表の一番下の段が、翌年度に繰り越すキャッシュでございますが、先ほどごらんいただきました左の普通会計決算収支等にございます形式収支と同額でございまして、二千五百二十九億円の収入超過という状況になってございます。
 一番下の表が監理団体などを含めました東京都全体の連結決算の状況でございまして、貸借対照表で申しますと、資産としましては四十七兆円余となってございます。一方で負債は十四兆円余でございまして、差し引きで正味財産は、前年度対比で七千四百億円余増加しまして三十三兆円余となっております。
 引き続きまして、二枚目の表をごらんいただきたいと存じます。都財政を考えるということで、東京の将来を見据えまして、都財政の現状を分析し、今後の財政運営についての考えをまとめたものでございます。
 まず、左側の不安定な都財政の構造のところにございますように、都税収入は景気の影響を受けて激しく変動いたします。平成三年度から六年度の間には、バブル経済の崩壊などによりまして約一兆円もの減収に、平成十九年度から二十三年度には、リーマンショックの影響などによりまして約一・三兆円もの減収に至っております。また、ご案内のとおり、東京都は、地方交付税の不交付団体ということで、他の自治体と比較しましても、より一層自立をした財政運営を行うことが必要でございます。
 東京都は、こうした状況にあっても必要な施策を着実に推進できるよう、必要な経費を確保するために、都債や基金を計画的に活用してまいりました。そうした状況を下のグラフがあらわしております。
 グラフの中で一番上の線が行政活動支出を、グラフの中の一番下の黒く塗り潰している棒グラフの部分、こちらが都税収入をあらわしておりまして、その間の不足する財源を都債発行の増加や基金の取り崩しなどで賄っておりました。その部分を棒グラフの点線であらわしてございます。
 都債発行の増加、あるいは基金の取り崩しは有用な方策ではございますが、そのまま財政運営を続けていけば、やがて立ち行かなくなってしまいますので、将来にわたって安定的に必要な施策を続けていくためにも、東京都の身の丈に合った財政規模とすることが重要で、都議会の皆様方のご理解、ご協力をいただきながら、これまで都財政の健全化に取り組んでまいりました。
 これによりまして、平成五年度の歳出のピークを迎えて以降、内部努力はもちろんのこと、歳出の見直しにも取り組みました。また、平成十二年度以降の行政活動支出は、この表にもございますように、おおむね一定で推移をしてございます。
 右側をごらんいただきますと、都財政にとって今後避けることのできない財政需要について、第三者の将来推計でございますが、まとめてございます。
 まず、左側の社会保障関係経費でございます。
 平成四十七年には、都民のおよそ三人に一人が高齢者となるなど、今後急速に高齢化が進むことが予想されることから、推計では、毎年平均で約三百億円のペースで、社会保障関係経費が増加することが見込まれております。この表のところでは四十五年度までの推計をしてございます。
 また、右側には、社会資本ストックの維持更新経費について記載しております。
 近年、インフラ資産など有形固定資産の老朽化率は一貫して上昇しておりました。今後の社会資本ストックの維持更新経費は、年平均で約一千百億円、二十年間の累計では約二・三兆円増加する見込みとなっております。今後、長寿命化を行うことなどによりまして、中長期的に経費の平準化や縮減を図っていくことが必要だと考えております。
 その下、中段には、都債と基金につきまして、将来を見据えた財政運営ということで記載をしてございます。
 まず、都債でございます。
 先ほど左側で触れました棒グラフも参考にごらんいただければと存じますが、平成十二年度以降、都債発行の抑制に努めてまいりまして、税収の上下動に応じて都債の発行額を調整してまいりました。今後も、少子高齢化や人口構造の変化、そして、社会資本ストックの維持更新需要など、さまざまな視点から検証を行いまして、引き続き計画的に活用してまいります。
 続きまして、右側の基金についてでございます。
 こちらも左側の棒グラフを参考にごらんいただければと存じますが、都税収入が比較的好調でございました十八年度から二十年度は、基金の取り崩しを抑え、基金を積み立ててまいりました。一方、二十一年度以降は、先ほども触れましたけれども、税収が大きく落ち込む中、これまで積み立ててきた基金を活用してまいりました。基金の活用に当たっても、執行段階での経費節減や不用額の精査などを行いまして、取り崩し額をできるだけ縮減してきた結果、財源として活用可能な基金の残高は二十六年度末見込みで約〇・九兆円を確保しております。今後も、都財政が置かれている状況を考えますと、基金残高の確保は極めて重要だと考えております。
 最後になりますが、一番下のまとめ、財政基盤の堅持でございます。
 これまで申し上げましたとおり、都は、歳入の不安定さや今後避けることのできない歳出の増加に対応しつつも、オリンピック・パラリンピックの開催準備や、世界一の都市東京の実現に向けた取り組みを実施していかなければなりません。
 一方、この後の資料で改めてご説明申し上げますが、ご承知のとおり、法人事業税の暫定措置や法人住民税の一部国税化の導入に加えまして、今後は、法人実効税率の引き下げや地方法人課税のさらなる不合理な見直しなど、都の財源がさらに減少する可能性もあり、都財政を取り巻く環境は、引き続き予断を許さない状況にあります。
 今後も、不合理な地方法人課税の偏在是正措置の撤廃をこれまで以上に国に強く求めていくとともに、自己改革の取り組みをより一層徹底した上で、都債や基金を計画的かつ戦略的に活用しまして、将来にわたる安定的な財政対応力を堅持してまいります。引き続き都議会の皆様方のご支援、ご協力をお願いしたいと存じます。
 こちらの説明は以上でございます。
 引き続きまして、資料第5号をごらんください。表紙の一枚下に、A3の資料カラー刷りがございますので、こちらの概要の資料を使いながらご説明をさせていただきます。
 これらの冊子は、年末の税制改正の議論に向けまして、地方法人課税をめぐる動向と東京都の主張をまとめたものでございます。
 左側の地方自治の根幹を揺るがしかねない近年の法人課税の動向をごらんください。これまでの国の動きを時系列でまとめたものでございます。
 まず、平成二十年度には、いわゆる法人事業税の暫定措置と呼ばれます地方法人特別税と地方法人特別譲与税が導入をされました。さらに二十六年度には、地方法人税が導入され、地方の独自財源であるべき法人住民税の一部が国税化をされております。法人住民税は、都道府県税のみならず、市町村民税もございますので、都内の区市町村にも影響が生じております。
 こうした状況の中、現在は法人実効税率の引き下げの動きのほか、さらなる偏在是正措置などの議論が俎上に上がっております。こうした動きは、東京の財源が奪われるということだけではなく、地方自治の後退にもなりかねません。
 右側の東京都の主張をごらんください。
 基本的なこととして、そもそも国と地方の税収比率を歳出比率に見合うものとすべきことを述べてございます。
 そして、ローマ数字Ⅱにございますように、法人実効税率の引き下げにつきましては、代替財源の確保をし、東京都を含めました不交付団体も含め、影響を及ぼすべきでないこと。
 また、その下、ローマ数字のⅢにございますように、法人事業税の暫定措置については確実に撤廃をし、地方税として復元をすべきこと。その下、これ以上の偏在是正措置は、もはや検討する理由がないこと。そして、二十六年度に導入をされました地方法人税は、地方の自主財源である地方税を縮小することにほかならず、地方分権に逆行するものであることなどの主張をまとめて記載しております。
 日本経済の成長を牽引していくことは東京の大事な使命であり、その役割を果たし続けていくために必要な財源を確保していかなければならないと考えております。
 引き続き都議会の皆様方のご理解とご協力を賜りながら、国にしっかりと、こうした主張をしていきたいと考えております。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 なお、後ろに資料集を添付してございますので、後ほどご参照を願えればと存じます。
 説明は以上でございます。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十七分散会

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