財政委員会速記録第二号

平成二十六年三月七日(金曜日)
第二委員会室
午後三時開議
出席委員 十四名
委員長山崎 一輝君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長鈴木 隆道君
理事近藤  充君
理事曽根はじめ君
理事酒井 大史君
大津ひろ子君
ほっち易隆君
清水 孝治君
西崎 光子君
橘  正剛君
高木 けい君
鈴木あきまさ君
植木こうじ君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長潮田  勉君
財産運用部長岩瀬 和春君
利活用調整担当部長菊地 俊夫君
建築保全部長室木 眞則君
技術管理担当部長山田 雅史君
庁舎運営担当部長間庭  修君
主税局局長影山 竹夫君
総務部長宗田 友子君
税制部長加藤  隆君
税制調査担当部長大久保哲也君
調整担当部長萱場 明子君
課税部長小山 明子君
資産税部長安藤 敏朗君
徴収部長西海 哲洋君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長土渕  裕君
警察・消防出納部長吉田 公己君
会計制度担当部長副島  建君
収用委員会事務局局長目黒 克昭君

本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 収用委員会事務局所管分
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出、繰越明許費 主税局所管分
・第百二十五号議案 平成二十五年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
会計管理局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 会計管理局所管分
財務局関係
報告事項(説明・質疑)
・議案の撤回について
提出議案について(説明)
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入
付託議案の審査(質疑)
・第百二十三号議案 平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、都債
・第百十六号議案 都営住宅二十五H-一〇六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・第百十七号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築給水衛生設備工事(その二)請負契約
・第百十九号議案 環二勝どき高架橋(仮称)上部仕上げ工事(二十五 一-環二築地)請負契約
付託議案の審査(決定)
・第百二十三号議案 平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出・繰越明許費-財政委員会所管分、都債
・第百二十五号議案 平成二十五年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
・第百十六号議案 都営住宅二十五H-一〇六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・第百十七号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築給水衛生設備工事(その二)請負契約
・第百十九号議案 環二勝どき高架橋(仮称)上部仕上げ工事(二十五 一-環二築地)請負契約

○山崎委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の平成二十六年度補正予算案の説明聴取、収用委員会事務局、主税局、会計管理局及び財務局関係の中途議決に係る付託議案の審査並びに財務局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項については、本日は説明を聴取した後、質疑終了まで行い、平成二十六年度補正予算案については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 また、付託議案中、第百十六号議案、第百十七号議案及び第百十九号議案の契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○山崎委員長 これより主税局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出、繰越明許費、主税局所管分及び第百二十五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○山崎委員長 これより会計管理局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○山崎委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中井財務局長 本定例会に提出いたしました契約議案四件のうち、第百十八号議案の武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築空調設備工事(その二)請負契約についてご報告申し上げます。
 仮契約の相手方である三建・八重洲・森崎建設共同企業体の構成員に、東京都競争入札参加有資格者指名停止等取扱要綱別表に該当する事実があり、仮契約の協議書に基づいて仮契約を解除いたしました。
 したがいまして、契約議案は撤回し、改めて提案させていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対し、何かご質問等がありましたら発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○山崎委員長 次に、第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入について理事者の説明を求めます。

○潮田主計部長 それでは、お手元の資料第1号、追加事業一覧についてご説明申し上げます。
 本資料は、追加提案いたしました平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)において計上した事業の一覧でございます。
 平成二十六年度予算につきましては、さきの財政委員会の事前説明において、当該同時補正予算分も含めてご説明申し上げましたが、今回、同時補正分の議案を提案させていただきましたので、改めて資料を提出した次第でございます。
 内容につきましては、資料記載のとおり、知事の公約であります五つの大きな柱、少々網がかかったところでございますが、こちらに沿って事業を追加し、右上にございます合計で七十七億円を計上するものでございます。
 事業の詳細につきましては、後ほど二ページ目以降をごらんいただきたいと存じます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○奥田経理部長 私からは、財務局所管分の補正予算案につきまして、資料第2号、平成二十六年度補正予算説明書によりましてご説明申し上げます。
 今回の補正は、財務局分のみでございますので、恐れ入りますが、二ページをお開きください。
 平成二十六年度補正予算事業別説明の補正予算額欄にございますとおり、特定財源といたしまして、繰入金を七十六億八千七百万円余計上するものでございます。この繰入金は、今回の補正予算の各局事業の財源として、計上説明欄の2の特定財源に記載してございますとおり、財政調整基金から繰り入れるものでございます。
 これにより、隣の三ページにございますように、財務局の歳入は、下から三段目の特定財源計の一番右端にございますとおり、既定予算額と合わせまして千六百三十三億四千五百万円余となります。
 なお、歳出予算は変わらず、上から五段目の歳出計の一番右端にありますとおり、九千五百三十五億八千百万円でございます。
 以上、簡単でございますが、平成二十六年度の財務局所管の補正予算案につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○山崎委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局、財務局所管分、都債、第百十六号議案、第百十七号議案及び第百十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奥田経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました契約案に関する資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入ります、お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 最初に表紙をおめくりください。今回、契約案に関して要求のございました資料は、目次に記載してございますとおり二件でございます。
 一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号をごらんください。
 こちらは、中小企業の受注実績を局別にお示ししたものでございます。一ページから五ページにわたりまして五年分記載してございます。
 恐れ入ります、一番最後のページでございますけれども、要求資料第2号は、都内の自治体におけます公契約条例等の制定状況をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 平成二十五年度最終補正予算についてお伺いをいたします。
 今回の補正予算では、税収増に伴う財政調整基金への義務積み立てとして三百五十七億円が計上されています。それでまず、財政調整基金の義務積み立てについて、その制度の概要や意義についてお伺いをいたします。

○潮田主計部長 景気の変動の影響を受けやすく、地方交付税の不交付団体である都において、安定的かつ継続的に行政サービスを行っていくためには、使途の制限がなく、年度間の財源調整機能を担う財政調整基金の果たす役割は、他の団体と比較しましても非常に大きいものがございます。
 このため、前年度の決算剰余金の二分の一を地方財政法に基づいて積み立てます法定積み立てのほかに、都独自の取り組みとしまして、税収がふえた場合に、税収額の一部をその伸び率に応じて積み立てることを条例で規定しております。
 今回の財政調整基金への積み立ては、今年度の税収見込み額が当初予算を上回ったため、この条例に定める算定式に基づきまして三百五十七億円の積み立てを行うものでございます。

○ほっち委員 ただいま答弁いただいた財政調整基金のほかにも、今回の補正では、社会資本等整備基金に一千億円の積み立てを行っています。そこで次に、社会資本等整備基金に積み立てを行った理由をお伺いいたします。

○潮田主計部長 現在、高度経済成長期やバブル期に整備されました社会資本が続々と更新期を迎えております。社会資本の老朽化は、景気変動や財政状況に関係なく進むものでございまして、かつ、更新に要する経費は非常に大きなものとなりますことから、計画的に実施して、経費を平準化するとともに、その財源をいかに確保していくかが大きな課題であります。
 こうした認識のもと、社会資本の維持更新を継続的かつ計画的に行っていくため、税収の状況や近年の社会資本等整備基金の活用実績などを勘案しながら、積み立てを行うこととしたものでございます。

○ほっち委員 二つの基金で約一千三百五十億円の積み立てを行ったということでありますけれども、それぞれ必要な積み立てであることは、ただいまの答弁で理解はできますが、一方で、こうした積立額の大きさをもって、国や他の団体などから、東京都はやはり財政的に余裕があるなと見られることを危惧いたしております。
 地方交付税の不交付団体であり、どんなときでも自力でやりくりをしなければならない東京都と他の道府県では、おのずと財政運営の前提が大きく異なるはずです。こうした点は、具体的な数字でしっかりと引き続き説明をしていくべきだと考えています。
 そこで、地方財政にも大変大きなインパクトを及ぼしたリーマンショックが、東京並びに他の道府県それぞれの財政運営にどのような影響を及ぼしたのか、税収と交付税を合わせた数字でご説明をお願いいたします。

○潮田主計部長 リーマンショックのあった平成二十年度と直近の平成二十四年度決算を比較しますと、都の一般財源は約八千二百億円、率にしまして一五%もの大幅な減少に見舞われたところであります。
 一方、他の道府県の一般財源を同じ期間で比較しますと、約四千五百億円、率にして一・九%の減にとどまっております。これは地方交付税が増額されたことによりまして、税収減の影響が吸収されたことによるものでございます。

○ほっち委員 東京は、交付税というセーフティーネットがない分、経済変動の衝撃がダイレクトに財政運営に及ぶという事実があらわれています。こうした都財政の宿命に対し、都は自衛手段として基金を駆使して財政運営を行っているわけですが、では、もし税収が好調なときに基金の積み立てを行わなければ、財政運営にどのような影響があったと考えられるのか、また、リーマンショック前後の基金の積み立てや活用の実績を交えてご答弁いただきたいと思います。

○潮田主計部長 財政再建の取り組みや税収増の活用などを通じまして、平成十六年度から基金を積み増ししてきた結果、財源として活用可能な基金の残高は、五年間で約一兆四千億円増加し、平成二十年度末で一兆五千七百四十三億円を確保することができました。
 しかし、その後リーマンショックに端を発する税収減への対応として、平成二十一年度から基金の積極的な活用を図った結果、平成二十四年度末の残高は一兆一千五百八億円と、四年間で約四千二百億円減少しております。基金などを駆使して、都民サービスを支えてきたこの間の財政運営からも明らかなように、仮に都税の増収局面で来るべき税収減への備えを怠っていれば、都民にとって必要な施策への影響も生じかねない状況にあったのではないかと、かように認識をしております。
 なお、今回の補正予算では、執行状況を踏まえた精査などによりまして、基金の取り崩し額の抑制も行っており、財源として活用可能な基金の残高は、平成二十六年度末で七千八百二十三億円を確保しているところでございます。

○ほっち委員 税収の動向に一喜一憂するのではなく、長期的な視点に立って、ある程度の基金残高を確保していくことが、都財政を運営する上で極めて重要な課題であるということであります。
 さて、今回の補正予算には、積立基金のほかにも、大島の復旧、復興や国の経済対策への対応も含まれています。これらへの対応を含め、ようやく回復軌道に乗りつつある景気を好循環につなげていくためにも、都財政の果たす役割は非常に大きいと考えます。
 今回の補正予算の考え方も含めて、今後の財政運営をどのように行っていくのか、局長の所見を伺って、質問を終わります。

○中井財務局長 現下の都政には、大島町の早期復旧、復興に全力を傾注することはもとより、景気の好循環の実現に向け、国の経済対策とも連携を図りながら、日本経済を力強く牽引する施策を機動的に展開することが求められております。
 景気回復により、足元の都税収入は増加傾向にあるものの、ただいまの質疑にもございましたとおり、激しい経済変動の荒波をたびたび受けてきた都財政の歴史を踏まえれば、改めて気を引き締めて財政運営に当たらなければならないと考えているところでございます。
 こうした認識に立って、今回の補正予算では、税収増を活用した基金の積み立てなど施策を支える財政基盤の強化を図ったものであります。
 今後とも、事業評価などの自己改革の取り組みを通じて無駄を省き、実効性を高めるなど、都民の負託に応える堅実な財政運営に努めてまいります。

○高木委員 私からは、今回三件の契約案件が提案されていますので、これらに関して何点か質問をいたしたいと思います。
 入札不調についてなんですが、都の発注工事では、二十四年度は約七%程度であった不調の発生率が、今年度は十二月までで一二%程度に上昇したというふうに報告をされております。発生している業種も、これまで建設工事のように建築の関係が多かったのですが、土木工事でも増加をしつつあるというふうに聞いております。
 このような状況を踏まえて、都は、第四回定例会で、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境を整備することが重要ということで、JV基準の見直しも早急に検討するなど新しい取り組みを検討していくということであるわけであります。
 不調の増加に対応して入札に参加しやすい環境を整備していく取り組みの中では、JV基準の見直しのように発注の仕方を大きく変えることで、都の公共工事の魅力を高めていくことも、これは重要なことであると思います。同時に、その入札に参加する受注者側の視点に立って、きめ細かい工夫を積み重ねて制度を改善していく取り組みも必要であろうと思います。そうでなければ、入札に参加しやすい環境の整備も、かけ声だけで実質が伴わないものになってしまうと思うわけであります。
 例えば、都が工事の契約に際して求めている履行保証の制度については、中小企業からは、これが足かせとなって入札に参加しにくいという声も実は聞こえているわけでありまして、東京都の発注する工事において、この契約保証金が、制度上どのように定められているのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

○松永契約調整担当部長 契約保証金は、契約上の義務の確実な履行の実施を目的に、契約締結時に相手方から納付を求めるものでございまして、その額は、契約金額の百分の十以上としております。ただし、契約の相手方が完成工事の実績など一定の資格を有する企業の場合で、発注者である都が納付の必要がないと認めるときは保証金の納付を免除しております。
 保証金が免除とならない場合は、保険会社との間で、都を被保険者とする履行保証保険を締結し、保険証書を担保として提出することで契約保証金の納付にかえることも可能としてございます。

○高木委員 この制度は、履行を保証していただく、履行を担保していただくという視点から、実績のある大企業は免除される制度になっております。一方、中小企業の多くは、契約保証金の免除が適用されておりません。保険会社と履行保証保険を結ばざるを得ない上に、この保険契約の条件は、しっかりした実績のある中小企業にとっては不合理な制約になることもあって、能力と意欲がある企業の中でも、積極的に入札に参加したがらない企業があると聞いているわけであります。
 将来にわたって使用される良質なインフラを整備することが、公共工事の主な目的でありますから、私は、契約保証金の制度を甘くして、履行能力に不安のある企業でも工事を施工させるべきであるということをいっているわけではないのです。ただし、そうはいっても、入札不調が増加していることや、都が発注する工事の約八割を中小企業が担っているという現状を踏まえれば、より多くの能力と意欲のある中小企業が入札に参加しやすい環境としていくための工夫が、やはり必要であろうというふうに思います。
 そこで、都の契約保証金の制度の運用が障害となって入札に参加しづらいといわれている中小企業も、都の入札に積極的に参加できるようにする必要があると考えますが、ご所見を伺いたいと思います。

○松永契約調整担当部長 これまで都は、過大受注による工事品質の低下を防止するため、請負者が契約保証金の納付にかわる履行保証保険を締結する相手方を、原則といたしまして専門的な審査が期待できる保険会社に限定して運用してまいりました。一方、この保険会社とは別に、前払い金保証事業会社においても契約保証業務を行っており、現在多くの自治体が利用できるようにしております。
 入札に参加しやすい環境づくりを進める中で、契約保証金制度における中小企業の選択の幅を広げる取り組みとして、保険会社と締結する履行保証保険に加えて、前払い金保証事業会社の契約保証に問題があるかどうか検討してまいりましたところ、他の自治体への調査からも、工事品質の低下等への懸念も少ないということが確認できました。
 このため、この四月以降に公表する工事案件から、この前払い金保証事業会社の契約保証についても、新たに契約保証金の納付にかわるものとして、中小企業などが利用できるようにしてまいりたいと思います。

○高木委員 私たちが求めてきたことが、一歩前進をしたというふうに思います。
 契約保証金の制度というのは、今まで特定の損保会社に限定をされていたわけです。実際は、契約保証金を現金で納める場合には一割、しかしながら保険会社でこの履行保証保険を掛ければ、少ない金額で、掛け捨ての保険ですけど、それが担保されるということでやられてきたわけなんですが、しかしながら、この特定の保険会社の保険料というのは実はかなり高いというふうな感じがいたしておりました。
 これは、工事金額によって当然保険料が違うんですが、例えば、A等級といわれる九億円の工事を請け負った場合の履行保証保険というのは、工事が簡単であるか普通であるか、あるいは困難であるかによって保険料も違ってきますけれども、一番難しい困難な仕事を請け負った場合の履行保証保険の金額というのは、九億円の工事に対して百二十九万六千円を払わなければならない。これ掛け捨てですから、結局戻ってこないですね、この百二十九万六千円は。
 これが実はネックになっていて、いわゆる保証事業会社、これは東日本建設業保証株式会社ですけれども、ここの保険であれば六十一万九千円でできる。これはかなり、中小企業にとっては約半額でできることになるということになるわけで、このことを、業界からも、何とかこの部分について、東京都でもやっていただけないだろうかということが従前からいわれてきたんだろうと思います。
 私たちは、こうした契約において不調が頻発をするというこの段階になって、ましてやこれからいろいろな需要がふえてくる中にあって、この履行保証保険というのは当然必要だと思いますし、履行を担保していただくということはいろんな形で必要だという中で、間口を広げていただく意味で、このことを要望してきたつもりでありますので、財務局が、四月以降から、こうしたことをやっていただけるというようになったことは大変喜ばしいことだというふうに思いますので、ぜひこれからも、こうした制度の研究を続けていただいて、より幅広く、そして多くの都民に、あるいは多くの東京都の中小企業に資する制度をつくっていただきたい、こう思っております。
 次に、技術者の活用という視点から、入札に参加しやすい環境の整備についてお伺いをしたいと思います。
 中小企業は、その技術者をフルに活用しなければ、より多くの工事を受注することは困難であるわけであります。その点で、都の入札契約手続は、技術者が拘束される期間が長いわけでありまして、入札に参加すると、他の民間工事等の受注機会を逃すことになりかねないという声をしばしば私たちは耳にしていたわけであります。
 総合評価制度において、事業者が入札に申し込む時点で、担当技術者を決定をする必要がありまして、その後、落札が決まるまでの約一カ月間、その技術者を民間を含めた他の工事の担当者にすることができない仕組みに今なっているわけであります。
 総合評価方式は、不良不適格業者の排除をして、工事の品質を確保していくという点で有効であるということは、我が党もこれまで適用拡大を求めて、都も積極的に取り組んできたわけであります。そしてその目標数値も、東京都が定めて今努力をされていると思います。
 今後も、その適用は拡大していく必要があるわけでありますが、入札手続を工夫してやらなければ、参加する中小企業は他の工事の受注機会を逃すことになりかねず、ひいては、都の入札に対する参加意欲を失いかねないと、こういう問題をはらんでいるわけであります。
 そこで、中小企業における人材活用の技術人材活用という視点から、総合評価方式の運用についても改善が必要と考えますが、今後の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 総合評価方式においては、技術者の資格や実績も企業の技術力の一つとして評価し、落札者を決定しております。このため、事業者が入札を申し込むに当たって、あらかじめ担当技術者を確定しておくことを求め、その後の技術者の変更は、評価の公正、公平性を保つため現在認めておりません。
 しかし、入札に参加しやすい環境の整備に向けてということで、高木委員ご指摘のとおり、中小企業が人材を有効に活用できるよう見直しを行う必要もあるというふうに考えております。
 そのため、この四月からは、担当技術者の資格及び実績が当初担当予定であった技術者と同等以上で技術点が減少しない場合は、契約直前まで担当技術者を変更できる取り扱いにしてまいりたいと思います。

○高木委員 その点も柔軟に対応していただけるということで、これも、非常に前進をしたと受けとめております。
 先ほど来いってきましたが、現在、入札契約制度を取り巻く環境というのは大きく変化をしています。私が都議会議員になってからでも、相当いろんな意味で取り巻く環境というのは変化をしていまして、今また、大変激動している時期に入ってきたなというふうに思っています。
 それは、今低価格入札が減少して不調が増加して、事業者側も工事を選別して受注をする動きを加速させているような状況になっているわけでありまして、建設市場に大きな変化の波があるわけですが、東京都の入札契約制度がしっかりしていれば、公共工事が翻弄されるということはないわけであると思います。
 だから、どのような環境になっても必要な公共工事を、それぞれに適した企業と契約して、そして、その工事を推進していくためには、将来の展望をしっかり持っていただきたいと思います。
 入札に参加しやすい環境の整備という取り組みの中で、都が市場の変化を積極的に取り入れていこうという姿勢を示すことは、とにかく大事だというふうに思います。そのような姿勢で改革をしっかりと進めていけば、市場からの信頼も得られるのではないかと思います。
 二十六年度からは、オリンピック・パラリンピックの開催準備も本格的に進めなければなりません。都民に必要なインフラ整備も、同時に着実に進めていく必要があると思います。その意味では、入札契約制度の改革にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 この先、予算委員会等もございますので、我が党といたしましては、今までどおり、この入札契約制度に対して東京都財務局と一緒になって、よりよい制度の構築に向けて、的確に、そして建設的な議論を交わさせていただきたいなと思っています。
 そしてこれは、これから六年後に展望される一つのきっかけとしてのオリンピックのことにも大変関係をしてくることだと思いますので、これから一つ一つしっかりとした制度をつくるべく、私たちも努力をいたしますので、ぜひ財務局も、格段のご尽力を賜りますようにお願いをして、私の質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。

○山崎委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、繰越明許費、財政委員会所管分、都債、第百二十五号議案、第百十六号議案、第百十七号議案及び第百十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第百十六号議案、第百十七号議案及び第百十九号議案の契約議案につきましては、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり、調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。
平成二十六年三月七日
文教委員長 小竹ひろ子
財政委員長 山崎 一輝殿
契約議案の調査について(報告)
三月六日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。

1 調査議案
第百十七号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十五)新築給水衛生設備工事(その二)請負契約
2 調査結果
異議はありません。
平成二十六年三月七日
都市整備委員長 斉藤あつし
財政委員長 山崎 一輝殿
契約議案の調査について(報告)
三月六日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。

1 調査議案
第百十六号議案 都営住宅二十五H-一〇六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
2 調査結果
異議はありません。
平成二十六年三月七日
環境・建設委員長 野上ゆきえ
財政委員長 山崎 一輝殿
契約議案の調査について(報告)
三月六日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。

1 調査議案
第百十九号議案 環二勝どき高架橋(仮称)上部仕上げ工事(二十五 一-環二築地)請負契約
2 調査結果
(1) 自民党、公明党、民主党、ネットは、本議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、本議案に対し、次の意見がありました。
(意見)
 環状二号線は、都心と臨海部を結ぶ骨格幹線道路との位置付けで、事業が進められてきた。二〇〇三年、築地市場の豊洲移転との関係で、勝どきと汐留の間が地下から地上化になったことに伴い、勝どき五丁目と六丁目の間が高架で建設されることになった。環状二号線は、建設局関係で、汐留から豊洲大橋間の臨海地域の工事費が千三百億円、汐留から虎ノ門の間を加えると千七百九十億円の巨額の事業費を要する。
 日量六万台の自動車走行量が予測され、周辺住民からは、大気汚染、騒音など環境悪化への不安が出されている。勝どき高架橋周辺は、高層の集合住宅であり、遮音壁や吸音盤などの対策が施されたとしても、音が上部に伝わってくるため、環境悪化は免れないとの意見も寄せられている。
 加えて、築地市場の豊洲への移転を前提として、市場内を貫通する道路が計画され、都は、市場関係者の理解と合意が形成されていないにもかかわらず、隅田川橋梁の下部取付工事を進めた。
 このように、住民や市場関係者の意見に耳を傾けず、「道路建設先にありき」で工事を進める都の姿勢は、到底認められない。したがって、本議案には反対である。

○山崎委員長 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 第百十九号議案、環二勝どき高架橋上部仕上げ工事請負契約について、日本共産党として反対の立場から意見を述べます。
 本議案は、環状二号線が、虎ノ門・新橋から浜離宮の北側、築地市場の一部を通りまして、隅田川を渡り月島地区を通過する部分の中央区勝どき五丁目、六丁目の高架橋の上部工事を行うものです。
 虎ノ門から汐留までが一・二五キロ、さらに今回の工事区間を含む朝潮運河橋梁までが一・八一キロで、合計三キロちょっとの道路整備に、道路だけで約一千八百億円、高速道路並みの一メートル六千万円の費用をかけるものです。
 しかも新橋・虎ノ門地区では、都市再生の一環で、森ビルを中心とする第二種市街地再開発に、建物の下にまで道路を通せる特例の法律までつくった上に、第二種再開発による巨額の都財政負担を行い、またさらに臨海部は、臨海副都心開発の広域幹線道路として、臨海会計と一般会計から財政がつぎ込まれており、こうした沿道開発も含めれば、都の財政負担は莫大になります。
 臨海開発や都市再生路線がいかに都民福祉の予算を犠牲にしたかを振り返れば、またさらに、この沿道地域は、恐らくこれから進められようとしている国家戦略特区の中心地となるでしょうから、環状二号線が歴代の浪費的大規模開発をつなぐ象徴的な道路といって過言ではありません。
 一方で、東京オリンピックに欠かせない道路との説明もされていますが、オリンピック競技場や選手村をコンパクトのコンセプトを理由に、臨海部や環二沿道に集中させ過ぎている計画こそ、防災や環境の点で大いに疑問があり、過大な道路計画とあわせて全体を見直すべきと考えます。
 以上の点を踏まえて、本議案に反対します。
 なお、他の議案については賛成いたします。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百十九号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立多数と認めます。よって、第百十九号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、繰越明許費、財政委員会所管分、都債、第百二十五号議案、第百十六号議案及び第百十七号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認めます。よって、第百二十三号議案、平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、繰越明許費、財政委員会所管分、都債、第百二十五号議案、第百十六号議案及び第百十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十分散会

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