委員長 | 山崎 一輝君 |
副委員長 | 斉藤やすひろ君 |
副委員長 | 高木 けい君 |
理事 | 近藤 充君 |
理事 | 曽根はじめ君 |
理事 | 酒井 大史君 |
大津ひろ子君 | |
ほっち易隆君 | |
清水 孝治君 | |
西崎 光子君 | |
橘 正剛君 | |
鈴木 隆道君 | |
鈴木あきまさ君 | |
植木こうじ君 |
欠席委員 なし
出席説明員主税局 | 局長 | 影山 竹夫君 |
総務部長 | 宗田 友子君 | |
税制部長 | 加藤 隆君 | |
税制調査担当部長 | 大久保哲也君 | |
調整担当部長 | 萱場 明子君 | |
課税部長 | 小山 明子君 | |
資産税部長 | 安藤 敏朗君 | |
徴収部長 | 西海 哲洋君 | |
特別滞納整理担当部長 | 藤井 朗君 | |
会計管理局 | 局長 | 松田 芳和君 |
管理部長 | 土渕 裕君 | |
警察・消防出納部長 | 吉田 公己君 | |
会計制度担当部長 | 副島 建君 |
本日の会議に付した事件
会計管理局関係
事務事業について(質疑)
主税局関係
事務事業について(質疑)
○山崎委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせをしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び主税局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより会計管理局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○清水委員 それでは、私からは、都内自治体への新公会計制度の普及及び指定金融機関の一連の問題についてお伺いしたいと思います。
まず初めに、東京都方式による新公会計制度普及の意義について伺いたいと思います。
私が市議会を経まして、都議会議員になって一番の楽しみというものは、基礎自治体でございます区市町村は、サービスの直接的な提供をする一方で、広域自治体といわれている都道府県につきましては、その仕組みづくりを手がけているというふうなところで、その仕組みづくりに携われるというところでございます。
そんな中で、立川市議会議員を務めていたときに感じたことがございまして、これからの自治体の最大の問題、クライシスみたいなものなんですが、それは、一つに大量退職時代の職員の退職金の支給の問題と、都市劣化にどのように対応していくのかということでございました。これはひとえに、今までの自治体の会計が、いわゆる大福帳といわれている収支に着目した会計制度をとっていることによって、ストック情報を管理することできなかったゆえんだと思うわけでございます。
そんな中で、東京都がいち早く、新しい、いわゆる企業会計を公の会計に導入したということは、私は本当に、東京都の本来の広域自治体としての意味が存分に発揮できるような取り組みだと思いまして、これを都内や全国の基礎自治体にも普及していただきたいと思った次第でございまして、今回はそういった意味も込めて、新公会計制度普及の意義というものを改めて皆さんにお伺いしたいと思います。まずはよろしくお願いします。
○副島会計制度担当部長 従来の官庁会計が現金の収入や支出を記録するのみであったのに対し、複式簿記・発生主義会計では、土地、建物や都債などの資産、負債のストック情報や、施設の減価償却費などの正確なコスト情報の把握が可能となります。また、日々の会計処理の段階から、一件ごとに仕訳情報を積み上げる都方式では、迅速かつ正確に財務諸表を作成することができ、事業別にも作成可能であるなど特徴があります。
新公会計制度は、行政に経営の視点を一層取り入れていくための非常に有効なツールでありまして、マネジメントの強化とともに、アカウンタビリティーの充実に資するものであります。
こうした改革を他の自治体に広めていくことは、我が国における真の地方分権改革の推進に寄与するものであり、都として果たすべき重要な役割であると認識しております。
○清水委員 ありがとうございました。ただいま大変ご丁寧な答弁を頂戴いたしまして、いわゆる東京都方式の新公会計制度普及の重要性を改めて認識をさせていただきました。それとともに、東京都による一層の普及活動導入支援に、大いに期待をしていきたいと思っている次第でございます。
この間、東京都の取り組みの結果につきましては、都内において、町田市や江戸川区が導入を決めたというふうに聞き及んでおります。まさに、これから徐々にこの新公会計制度が広がりつつあるかと思うわけでございますが、東京都の支援を受けまして、平成二十四年度から、都内の市町村で初めて、都方式の新公会計制度を導入した、ただいまちょっと申し述べました町田市さんは、このたび初めて導入後の決算を迎えたというふうなことになろうかと思うわけでございます。
他の自治体と比較しまして、町田市さんのそういった決算が訪れたということで、どのような取り組みに、他の自治体と比べて特徴が出てきたのかということをお示しいただければ、この公会計制度を導入した意義が見えてくるのかなと思いまして、その辺をお示しいただければと思います。
○副島会計制度担当部長 町田市は、ことし八月に、新公会計制度による初の財務諸表を作成、公表いたしました。町田市の財務諸表の特徴ですが、課別の財務諸表など、約二百七十の事業別財務諸表を作成するとともに、公表資料には、財務情報だけではなく、財務構造分析や今後の課題など、事業マネジメントに必要な指標や情報を付加していることが挙げられます。
また、住民向けには、都の事例を参考に、財務諸表の概要に科目ごとの解説や、住民一人当たりに換算した金額などを盛り込んだ、わかりやすい資料を作成いたしました。
町田市の取り組みは、都方式の新公会計制度導入の成果として、多くの自治体から注目されているところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。東京都の支援で、町田市の取り組みが本当に着実に進んでいるということが、今のご答弁で確認できたのかなというふうに思っている次第でございます。
町田市の取り組みからは、財務諸表を早く作成でき、また、事業別に作成可能であるなど、マネジメントへの活用あるいはアカウンタビリティーへの充実に役立つという、東京都方式の特徴が、具現化しているのかなというふうなことがわかった次第でございます。こういったメリットをさらに広めていくためにも、引き続き、東京都方式による新公会計制度を普及していくことが必要でございます。
私も、立川市に身を置いているものでございまして、ふだん立川市が多摩のリーディングシティーということをいっているにもかかわらず、なかなかこれが導入できないのはなぜなのかな、なんていうところを疑問に思っているところでございますけど、そういったことも、この後の質問でちょっと明らかにしていければなというふうに思っているわけでございます。
一方で、今後、各自治体が新公会計制度の導入を進めていくためには、まず、その前提となる固定資産台帳の整備というのが不可欠であり、この整備がなかなか大変な作業だというふうに聞いております。都内自治体の公会計制度改革を着実に推進するためには、我が党は、ことしの第一回定例会で、固定資産台帳整備に向けた普及活動の推進と、区市町村の意見を取り入れた対応を強く要望したわけでございます。
都より、台帳整備のガイドラインとなる固定資産台帳整備の基本手順を作成するとの答弁を得たわけでございますが、その後の状況はどのようになっているのか、お聞かせ願えればと思います。
○副島会計制度担当部長 第一回定例会におけますご要望を踏まえまして、都は、ことし五月に、固定資産台帳整備の基本手順を取りまとめ、公表いたしました。
取りまとめに当たりましては、区市町村の実務面での課題や要望を踏まえ、基準地価格等、客観性の高い公的指標の採用や価格算定の対象範囲の明示、簡便な計算方法の提示など、現場での取り組みやすさを重視した手法を採用いたしました。
この固定資産台帳整備の基本手順を、特別区長会、東京都副市長会などで説明いたしますとともに、都内区市町村担当者向け説明会を開催し、その特徴や具体的な手順を説明いたしました。また、これまでに約二十の自治体を個別に訪問いたしまして、説明を実施の上、採用を働きかけてまいりました。
こうした取り組みの結果、これまでに、世田谷区や江戸川区など、幾つかの自治体が基本手順の手法を採用した台帳整備を行うことを決定したところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。引き続き東京都のご支援というのを強く賜れればなと思っております。特に立川市につきましては、お尻をたたいていただければなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
ところで、総務省が設置しております、今後の新地方公会計の推進に関する研究会という組織があるそうでございますが、その組織は、この八月に、これまでの検討を踏まえた中間取りまとめを公表いたしました。その中に、固定資産台帳整備の重要性がようやく示されたと聞き及んでおります。
固定資産台帳整備については、都はこれまで、国に先駆けて積極的に取り組んできており、その大きな成果である固定資産台帳整備の基本手順は、区市町村に円滑で、効率的な台帳整備の手法を示したものとして、私も大いに評価できるものだと思っている次第でございます。
その一方で、都内の自治体では、いまだ台帳整備がなかなか進んでいないという声も、ちらほらと聞こえてくるわけでございます。台帳整備が思うように進まない背景には、各自治体の横並び意識による様子見など共通の理由があるんじゃないのかなと、これちょっと直感的なものなんですがね、何か調査をしたわけじゃないんですが、そのような思いがしてなりません。
台帳整備の重要性は認識しておりましても、全体として同じ方向でなければ、それぞれの自治体が単独で取り組むことにちゅうちょするのは、これはある意味当然なことなのかなというふうに思っております。
この状況を抜本的に解決するためには、東京都は、自治体が共通の考え方をつくるような取り組みを一層推進するとともに、台帳整備に当たって障壁となっております理由を十分明らかにした上で、自治体間で検討を行う場を設けるなど、さらなる取り組みを進めるべきだと考えるわけでございますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
○副島会計制度担当部長 委員ご指摘のとおり、台帳整備が進まない理由といたしまして、国の動向を背景に、現状は各自治体の間で様子見という雰囲気が強いことが挙げられるところでございます。
都といたしましては、台帳整備に当たっての実務上の課題につきまして、固定資産台帳整備の基本手順により、かなり解消されたと認識しておりますが、現状、各自治体が不安なく整備に着手できる環境が整っていないことも、また事実でございます。
そうした状況を踏まえ、都は、都内自治体における共通の基準づくりを目指す取り組みなど、各自治体が足並みをそろえて台帳整備に取り組める環境づくり、さらには実際整備に取り組むに当たって直面する実務上の課題を網羅的に把握し、その対応策を提示するなど、さらに踏み込んだ取り組みが必要であると認識しております。
そのため、都は、特別区長会、東京都市長会等と連携した取り組みの検討に着手するとともに、都内五十五の区市町村と設置いたしました東京都会計制度改革研究会のもとに、新たに台帳整備研究部会を設けたところであります。
この部会では、台帳整備が進まない要因をヒアリング等により抽出、分析し、整備済みの団体の実例も参考にしながら、未整備団体にとって有効な対応策を研究するほか、台帳整備後のデータの活用につきまして、自治体間比較が可能となる各種指標の検討などを行う予定としております。
○清水委員 ありがとうございました。ただいまのご答弁によりまして、台帳整備を一層推進させるための東京都の取り組みを確認できたわけでございますが、繰り返しになりますけど、固定資産台帳の整備は、新公会計制度の導入の前提として、必要不可欠なものでございますので、引き続き、都内自治体が足並みをそろえて台帳整備に取り組めるよう、東京都による十分なご支援をお願いをするところでございます。
ちなみに、立川市の方は、台帳整備はもうできておりますので、もう一声、お声かけをいただければと思うわけでございます。
最後に、都内自治体内におけます新公会計制度のさらなる普及推進に向けた、局長の決意をお伺いしたいと存じます。
○松田会計管理局長 先ほど、先生の方からご指摘がございましたように、総務省の今後の新地方公会計の推進に関する研究会が、八月に中間の取りまとめを公表したわけでございますが、その中では、都がこれまで主張してまいりました、複式簿記導入や固定資産台帳整備の必要性が示されておりまして、全国標準となる会計基準の作成に向けまして、具体的な動きが始まっております。
このような動きは、これまでの東京都や、あるいは町田市、江戸川区における都方式による新公会計制度の普及促進に向けた取り組みや実績が功を奏した結果と認識をしてございます。
都といたしましては、引き続き具体的な取り組みを通じまして、新公会計制度改革の推進役を果たしていくとともに、国に対しても、さらに都方式の有意性を強く働きかけてまいります。
一方、都内におきましては、自治体個々の取り組みが重要でございますが、それとともに、先ほど委員のお話にもありましたように、都内自治体をトータルで捉えて、全体として統一的な動きをつくり出していくこと、これが重要になってきていると考えております。
そのため、特別区長会や東京都市長会において、共通の基準づくりを検討するよう、都といたしまして働きかけてまいります。そしてまずは、固定資産台帳の整備に注力をしてまいりたいと思います。
これまで、都内自治体の台帳整備の取り組み状況は、いわば、ばらばらでございまして、現在、この差異を解消し、足並みをそろえていくチャンスだと思っております。都といたしましては、この時期を逃さず、都内自治体に対して積極的に働きかけまして、台帳整備、そして新公会計制度の普及に全力で取り組んでまいります。
○清水委員 局長からもご答弁いただきました。私は、猪瀬都知事の表現の中で好きな言葉がございまして、東京都は、あしたに一番近い都市だということでございます。あしたが、皆バラ色な世の中だったら結構なんですが、なかなか大変な問題が山積しているのが、この自治体を取り巻く、あしたでございます。そういった意味では、冒頭申し述べました自治体のさまざまな問題を未然に予防することができることにおきましても、この東京都方式の新しい公会計制度というのは、値するものだというふうに考えておる次第でございます。
また、東京都のスタンスとしても、都内の自治体に普及していくんだというふうなお気持ちはあると思いますので、ぜひとも、その目標に、いち早く達成できるよう、これからもご努力を期待しているわけでございます。
続きまして、二点目のみずほ銀行に関する問題についてお伺いをしたいと思います。
この件につきましては、私たち自民党としても、この場でぜひとも触れなければならない問題かと強い認識を抱いているわけでございますので、ご答弁をしっかりとお願いしたいと思います。
東京都及び都内二十三区等の指定金融機関でございます、みずほ銀行につきましては、いわゆる提携ローンを通じた反社会的勢力との取引について、金融庁から業務改善命令を受けまして、その後、金融庁への報告の誤りが発覚するなど、これは大きな社会問題となっているわけでございます。
私の周りでも、自分の納めた税金が暴力団に使われているのかと、お金に色はございませんけど、そのようなことを思いますと、やはり徴税業務にも大きく影響が及ぶ問題なのかなというふうに感じているわけでございます。
指定金融機関は、税金等の収納金を取りまとめ、自治体の予算執行に係る支出事務を一手に引き受けるなど、その取扱業務の公共性は極めて高く、単なる一金融機関として以上に都民の信頼に応える責務が当然あるかと思います。
また、暴力団排除につきましては、国や全国の自治体が一丸となって取り組み、民間事業者などにも協力を求めて推進しており、反社会的勢力との取引を二年間も放置する、まさに常態化しているような状態は、時代の流れを認識しない重大な問題といわざるを得ません。
みずほ銀行が、東京都の指定金融機関として引き続き公金業務に携わっていくならば、都民に対して十分な説明責任を果たし、二度とこのような問題を起こさないよう、都民が、みんなが納得できるような対策をとっていくことが重要かと思うわけでございます。
そこでお伺いしたいんですが、現在、金融庁が、みずほ銀行に再検査に入っており、その推移を、私ども注視をしているところでございますけど、指定金融機関を指導監督する会計管理局長に、現時点におけます本件のご見解をお伺いしたいと思います。
○松田会計管理局長 みずほ銀行の問題についてでございますが、都といたしましては、指定金融機関がこのような問題を起こしたことは、極めて遺憾であると認識しております。
先月十日には、みずほ銀行に対しまして、指定金融機関としての公共的な立場や責任を十分に自覚し、事実関係の全貌を明らかにすること、あらゆる手を尽くして信頼回復に努めることを文書で申し入れたところでございますが、問題が発覚してから相当期間が経過しているにもかかわらず、信頼回復への道筋がいまだ十分には見えていないことにつきましては憂慮をしております。
みずほ銀行は、十月二十八日に、業務改善計画を金融庁に提出をいたしまして、同時に社内処分を発表いたしました。監督官庁である金融庁では、現在、改善計画の内容を精査するとともに、お話にもございましたように再検査を実施しているところと聞いております。
当面、金融庁の対応が重要なポイントと考えておりまして、引き続き、みずほ銀行に逐次報告をさせるとともに、必要な情報収集を行い、金融庁の対応を見定めた上で、指定金融機関の役割を十分踏まえ、都として適切に対応してまいります。
○清水委員 ぜひとも、これからもこの件につきましては、厳しい態度で臨んでいただければと思うわけでございます。
東京都は、本当にびっくりするぐらい大きなお金を預かっているわけでございますので、一人一人の都民の皆さんが本当に東京都に税金を納める気持ちになれるような、そういった金融機関へのご指導をお願いしたいと思いますとともに、一番コンプライアンスというところを気をつけなきゃいけない金融機関が、このような状態でいるということに、まず驚きを感じたわけでございまして、このみずほ銀行だけではなく、幾つかニュースで話題になっている銀行も出てきたように聞いておりますけど、行政側としても、十分なご指導を金融機関側に行っていただければと思いますので、引き続き我々自民党も、この問題については注視をしてまいりたいと思いますので、そのことを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○斉藤委員 私の方からも、新公会計制度の、今度は普及についての質問を中心にして、簡単でございますけれども、質問したいと思います。
二〇二〇年のオリンピック東京招致、パラリンピック招致、決まりましたけれども、これは東京都の安定的な財政運営、極めて堅固な東京の財政というものが、実は、この評価の大きな柱の一つであると私は認識しておりますが、そういった意味合いにおきましても、事業評価と並んで、この新しい公会計制度を東京都が国に先駆けて導入したことは、大変に大きな貢献であったと、それがこういう形で実を結んだこと、大変に感慨深いものがありますし、また、歴代の会計管理局の皆様に対しましても、退職された方も含めまして、感謝している一人でございます。
そういったものを、最大限に、今チャンスでございますので、都民の皆様あるいは全国の国民の皆様にも、東京都の取り組みを知っていただく大事なときであるからこそ、改めて新公会計制度の普及について、お伺いするものであります。
いうまでもなく、東京都は、平成十八年度に、本格的な複式簿記・発生主義会計によります新公会計制度を導入して以降、この東京都方式、都方式の制度を全国の自治体に普及させるべく、視察の受け入れや、説明会の開催などの対応を行うなど、制度の導入に意欲的な自治体に対しましては、個別の支援なども実施しているところであります。立川の話もありましたけれども、目黒区もその一つでございます。
その結果、大阪府や愛知県が同様の制度を導入したほか、都内では、先ほどご紹介ありましたけれども、平成二十四年度から町田市が導入し、そして平成二十七年度には江戸川区が導入予定であるなど、東京都と同様の方式は広がりを見せているわけであります。
この間、我が党の提案を受けまして、都の呼びかけで、平成二十三年十二月に設置いたしました新公会計制度普及促進連絡会議、こういった会がございますけれども、この構成団体は、当初の五団体が今八団体へと拡大して、これまで以上に発信力が増しているということでございます。
そこでまず、この連絡会議につきまして、これまでの取り組みと、今後の活動についてお伺いをしておきたいと思います。
○副島会計制度担当部長 新公会計制度普及促進連絡会議では、昨年、平成二十四年十一月に、セミナー、経営ツールとしての新公会計制度、制度導入の実際と政策マネジメントへの活用を開催いたしました。
また、ことし八月には、都方式の有効性を示す首長向けパンフレット、あるいは導入までのプロセスをわかりやすくまとめたロードマップを作成いたしました。
さらにことしも、来週になりますが、十一月十九日に、東京でセミナーを開催し、今年度から制度を導入した愛知県、初の財務諸表を作成した町田市、導入準備を進めている江戸川区と、それぞれの段階の自治体が実際の経験に基づく報告を行う予定でございます。
加えて、経営改革の視点から見た公会計制度のあり方についての講演や、日本公認会計士協会の公会計担当研究員による講演などを行う予定となっております。これらによりまして、新公会計制度のさらなる広がりと進化を実感してもらうこととしております。また、来年二月には、大阪でもセミナーを開催する予定となっております。
今後とも、連絡会議の構成団体と緊密に連携し、全国自治体に向けた普及を推進してまいります。
○斉藤委員 この広がりと進化があるということで、それを各ステージに応じて自分たちの関心、それぞれの自治体のステージに合わせて、実感をしてもらう試み、とても大切であると考えるわけでございます。
この都方式の普及に向けて、連絡会議が意欲的な取り組みを続けている、継続しているということを改めて確認させていただきました。
ところで、この新公会計制度でございますけれども、普及促進のためには、全国標準となる会計基準をつくることが重要であると先ほどの議論にもございました。誰しも異論のないところであります。
国は、平成二十二年九月に、今後の新地方公会計の推進に関する研究会を立ち上げまして、会計基準の統一などについて検討をしてきておりますけれども、この間の動きは大変に鈍いものがあったわけでございます。ここに来て、国は、ようやく重い腰を上げ、ことし八月には、総務省研究会が中間取りまとめを公表し、国の公会計制度改革に向けた検討、大きく始動している実感がございます。
そこで伺いますけれども、総務省の研究会が公表した、この中間取りまとめの内容につきましてどのようなものであるのか、都の認識、評価、これを伺いたいと思います。
○副島会計制度担当部長 ことし六月、政府が企業会計原則による公会計の導入促進を盛り込んだ、いわゆる骨太の方針を閣議決定いたしました。これを受けまして、副委員長ご指摘のとおり、八月に、総務省研究会が中間取りまとめを公表いたしました。
中間取りまとめの内容でございますが、企業会計をベースにした統一基準作成が必要であり、複式簿記導入と固定資産台帳整備が必要不可欠であると言及しております。
また、従来の総務省方式にはなかった財務諸表において収支差額を示す考え方を取り入れております。これらは、企業会計に近い東京都方式の考え方に沿ったもので、今後策定される統一的な会計基準にも反映される見通しであることには、都として、一定の評価をしているところであります。
なお、総務省研究会は、現在、会計基準並びに固定資産台帳整備等について、二つの作業部会を設置し、各論の具体的な検討を進めており、これらの議論を踏まえ、来年四月を目途に最終報告を取りまとめる予定と聞いております。
○斉藤委員 この固定資産台帳整備については、先ほどもご議論ありましたが、この収支差額の考え方はとても大事な視点で国がそこに大きく動くことを大変期待をしているものでございます。
この公会計制度改革につきましては、これまでも、どの委員も指摘してきましたけれども、都方式と総務省の二つのモデル、こういった複数のモデルが存在していること、それぞれが異なった考え方をとっていることが、当然ですが、全国の統一基準作成がなかなか進まない原因であったと思います。自治体に迷いを起こしてしまうのはこの二つのものが並んでいることが要因であります。
今般、この会計基準の統一に向けた検討は、具体的に動き出しておりますけれども、最終報告に向けまして、なお意見の隔たりが大きい部分もあると聞いています。
そこでお伺いしますけれども、今後の検討における具体的な論点は、どういった点があるのか、また、都としてそれにどう対応していくかということについてお伺いしておきたいと思います。
○副島会計制度担当部長 副委員長ご指摘のとおり、会計基準の統一化に向けた総務省研究会の議論には、いまだ当事者の間に多くの解決すべき論点が存在しております。
最も大きな論点は、税収の取り扱いにつきまして、国際公会計基準や企業会計に準じた東京都方式と、独特の考え方に基づきます総務省方式との間に考え方の違いがあることでございます。
具体的に申しますと、東京都方式では、税収を民間の損益計算書に該当いたします行政コスト計算書に収入として計上しておりますが、これに対し、総務省の示す二つの方式では、税収と費用の間に直接的な対価性がないということで、税収を行政コスト計算書の収入に計上していないということが挙げられます。
この点につきましては、事業における収入と費用との関係を正確に把握し、これを開示していくことは、適切なマネジメントや説明責任を果たす上で不可欠であり、東京都方式は、それに対応するものであると考えているところでございます。
東京都は大阪府とともに、総務省研究会にオブザーバーとして参加しておりますので、東京都方式の有効性が具体的に反映されるよう、引き続き、大阪府とも連携いたしまして意見を主張してまいります。
○斉藤委員 全くその考え方、収入のお話がありましたが、税の考え方が全く不可解であると、本当に独特の取り上げ方をしているのが、総務省方式であると認識しております。
国際会計基準や企業会計に準じた考え方を採用しています都方式は、民間企業の損益計算書のように、事業ごとに収支の状況が一覧できるなど、その独特の考えに基づく総務省の各モデルよりも行財政運営に有効で、わかりやすいものと考えております。そのことを全国の自治体に向け、効果的に発信するためにも、連絡会議による連携した取り組みがとても大切であると考えるわけでございます。
また、国の動向も踏まえまして、近い将来、全国多くの自治体がさらなる公会計制度改革を求められると予想される中で、制度導入自治体の実績と経験に基づくこの連絡会議の取り組みは、これから取り組んでいく自治体につきましても貴重な情報提供をするということで、非常に重要な役割を果たすものと考えるわけでございます。
こうした状況を踏まえまして、最後になりますけれども、公会計制度改革のさらなる推進に向けた局長のご決意を伺いたいと思います。
○松田会計管理局長 国は、来年四月を目途に、統一的な会計基準の作成を柱とする最終報告を取りまとめる予定と聞いております。
今後の議論の行方が、都のみならず、地方公会計制度全体にとりまして非常に重要でございまして、都は、国の統一的な会計基準策定の議論に都方式の考え方が具体的に反映されるよう、強力に主張し働きかけてまいります。
そのような状況のもとで、ご指摘のとおり、連絡会議は、新公会計制度を実践している自治体だからこそ提供できる情報を持っておりまして、そのことが最大の強みであろうと思っております。その強みを生かしまして、全国の自治体に対して、引き続き、実績に基づく都方式の有効性を発信をいたしまして理解してもらうことが、この連絡会議の大切な役割であると考えております。
加えまして、事業評価への活用など、先駆的な事例の研究を今後の活動のもう一つの柱といたしまして、参加団体間で緊密に情報交換を行いながら、地方公会計制度のさらなる進化発展に貢献していきたいと思います。
公会計制度改革の必要性は、全国の自治体の中に徐々にではございますが確実に浸透してきていると思います。会計基準の統一に向けた動きも具体化してきた中で、都は、制度導入のフロントランナーとして、引き続き日本の公会計制度改革を全力で牽引してまいります。
○斉藤委員 局長から力強いご答弁がございましたけれども、国会の方も、公認会計士出身の国会議員が大変少なかったんですけれども、ここに来て、その新公会計制度に理解のある公明党の同士もそうですが、友党の自民党を初めとして、誕生してきております。
国と連携をしながら、東京都が国を先導しているわけでございますけれども、ネットワークも生かしながら、我が党としても、我が会派も全力を挙げて、この東京都方式の全国普及に向けまして尽力していくことを決意申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○曽根委員 私からは、先ほども質問がありましたが、東京都唯一の指定金融機関であるみずほ銀行による反社会的勢力、暴力団等の提携ローンでの結びつきの不祥事が発覚したことに関して、二つ大きな点で聞いておきたいと思うんです。
まず現時点までに、この間の経過の中で、みずほ銀行は、都民の財産を一手に扱う指定金融機関として、少なくとも都の担当部局に対し、これまでの最も誠実な説明責任を果たす、説明を行う責任があると、これをきちんとやってきたのか、そして全貌は明らかになってきたのかという点です。それで、一つは、この提携ローンにおける取引の問題が発覚した際、東京都では、いつこれを知って、みずほ銀行側からは、どのような報告を受けたのかについて経過をお知らせください。
○土渕管理部長 平成二十五年九月二十七日、これは金曜日になりますが、業務改善命令が発出された直後に、みずほ銀行から一報を受けました。
都としても、報道等の情報収集を進める一方、週明けの九月三十日月曜日に、みずほ銀行から公式な報告文書が提出され、本件の経緯や業務改善命令の内容等につきまして、詳細な説明を受けたところでございます。
○曽根委員 このみずほの報告を受けて、東京都は、十月十日に、みずほ銀行に対する申し入れを行っておりますが、これを受けたみずほ銀行側の対応はどうだったのか。都側からも、全貌を明らかにし、あらゆる手を尽くして信頼回復に努めるよう申し入れるという趣旨が明記されておりますが、事実関係が、先ほどご答弁にあったように、まだ、明らかになってきていないということで憂慮しているというお話もありましたが、みずほ側のこの申し入れに対する対応はどうだったのかについてお聞きします。
○土渕管理部長 平成二十五年十月四日に、都は、今回の問題はまことに遺憾であり、信頼回復に努めるよう、みずほ銀行に口頭にて申し入れを行い、十月十日には、一刻も早い事実関係の解明と、信頼回復に努めるよう、改めて文書による申し入れを行いました。みずほ銀行では、都の申し入れにつきまして頭取まで報告したと聞いております。
○曽根委員 頭取まで報告が上がったということは確認したと、申し入れに対する改善の何らかの説明はなかったと、まだないということですね。
○土渕管理部長 続きまして、十月二十八日になりますけれども、みずほ銀行が設置した第三者委員会の報告書及び同日に金融庁宛てに提出された業務改善計画書につきまして内容の報告を受けました。その後も、金融庁の再検査の状況など逐次報告を受けております。
○曽根委員 そういう経過があった上で、私、大変驚いたのは、昨日の衆議院の財務金融委員会の集中審議の中での、佐藤さんですか頭取は、佐藤康博頭取の答えの中で、提携ローンにおける反社会的勢力、暴力団等との結びつきの問題を、頭取としても報告を受けながら見抜けなかったということについて、私の党の委員からも、これはもう辞任に値する問題じゃないかと追及したにもかかわらず、辞任の意向はないということとあわせて、さらに、本体のみずほ銀行そのものの融資の中にも、暴力団だけではないんですけれども、反社会的勢力として、みずほ銀行が考えている者とのやりとり、融資のやりとりがあったと、しかし中身はまだ明らかになっていませんが、それを認めたということです。
さらにいうと、みずほ銀行以外の大手のかなりのところで、これはあるんですよという話まで出たと。そうするともう提携ローンの会社、オリエンタルコーポレーションですか、ここの基準が甘かったから、みずほ銀行の基準はきちんとしていたんだけれども、提携会社の基準が甘いために現場で起きたという問題ではなく、もともと基準は持っているけれども、それが守り切れていないという銀行本体の問題だということになってくると思うんですね。
この点では、これを防止するためには、二つ目の大きな点で、都としては何をしなければならないかということが、今後厳しく問われてくると思います。その点で、こうした事態が、全貌を明らかにする過程の中で、さらに重大な事態が出てきているということについて、今後どういう対策をとっていくのか、これはまだ検討中だと思いますが、今、お答えできる範囲でお願いします。
○土渕管理部長 今ご答弁申し上げましたけれども、みずほ銀行は十月二十八日に、業務改善計画を金融庁に提出し、同時に社内処分を発表いたしました。監督官庁である金融庁では、現在、計画の内容を精査するとともに、再検査を実施しております。
都といたしましては、引き続き、みずほ銀行に逐次報告をさせるとともに、必要な情報収集を行い、金融庁の対応を見定めた上で適切に対応してまいります。
○曽根委員 現段階では、きのう、その衆議院の委員会が開かれたばかりですので、今後、具体的な検討をとお願いするしかないんですけれども、委員会の中でも具体的に少し出たようですけれども、つまり銀行は、融資する際に、相手方が最初は反社会的勢力ではなかったと。しかし、融資というのは長いおつき合いになりますから、その過程の中で、担保先や、その企業の取引先などで反社会的勢力が登場してくるということはあり得ると、それを排除していくのが大変なんだというような話が出たというんですね。これは、そういうことが、まさに、いってみれば隠れみのにされて、反社会的な暴力団等が巣くっているわけなんで、これを認めちゃったらもう排除できないんですよ。
例えば、みずほ銀行だって、取引融資先には暴力団排除の念書を要求しているという記事が、先日の毎日新聞に載っていました。その中では、取引先に対しては、暴力団員及びそれに類する勢力との結びつきは断ち切りなさいと念書をとっているんですね。とっておきながら自分のところで、それが発見されても断ち切れないというのは何なんだということが、ちまたから声が上がっているわけですよ。
ですから、これが断ち切れないようなことがないように、例えば、都の一番の権限は、指定金融機関の指定なんですから、この権限も最大限に行使して、もうここまで癒着が断ち切れないんであれば、指定金融機関の問題も、都として考えざるを得ないと、そこまできちっと追い込まないと、ある意味では、みずほもきっぱりとした態度がとれないし、相手との関係できっぱりとした態度をとらせるためにも、都としては厳しい対応をするということもあってしかるべきだというふうに思いますので、この点は今後も、私たちは注目していきたいと思いますので、ぜひ今後、みずほ側に対して、都として、指導それから支援をきちっと行うようにお願いして、質問を終わります。
○大津委員 都民の税金等の公金を、年間数兆円も預かり、管理をしている会計管理局の公金管理の責任は重大です。安全第一かつ手がたく、かつ有効に資金管理をすることも肝心です。
そこで、資金管理のうち、会計管理局の管理する公金、すなわち一般会計、特別会計、準公営企業会計、基金などの資金管理における安全性の確保について質問をいたします。
まず初めに、会計管理局の管理している資金の規模感について、この十年間で見ると、どう推移しているかを確認をいたします。
○土渕管理部長 平成十五年度の資金の平均残高は約一兆六千億円でした。その後、リーマンショックによる歳計現金の落ち込みはありましたが、減債基金や東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金等の積み増しにより、平成二十四年度の資金の平均残高は約三兆九千億円となっております。
○大津委員 資金が着実に積み上がり、十年前と比較して、何と二倍以上になっており、昨年は、約三兆九千億円もの資金の平均残高があることがわかりました。こうした資金については、預金や債券で運用をされているということであります。
本年二〇一三年十月の日銀の金融システムレポートによりますと、大幅な景気後退や金利上昇など、さまざまな経済、金融面のショックに対しても、資本基盤、資金流動性の両面で、金融機関は相応に強いリスク耐性を備えているとされており、その背景には、我が国の経済環境が、国の金融政策や景気対策を背景に緩やかに回復をしていることも挙げられます。
しかし、振り返ると、平成十五年、不良債権処理の失敗で経営が悪化した、りそな銀行へ公的資金を注入した事例、同じく、不良債権問題で経営破綻した足利銀行は国有化されるという事態が生じました。さらに、平成二十年九月、高リスクの住宅ローンであるサブプライムローンの大規模な損失でリーマンショックが起き、アメリカや欧州に比べて影響が小さかった日本でも、債券市場の混乱や株価の下落が起きました。このように、国内を取り巻く海外での影響を受け、突然、国内金融市場が激変にさらされることもありました。
日本では、平成十七年にペイオフが全面導入されて、預金は元本一千万円と、それに対する利息分しか保護されなくなりました。それ以上の預金は、金融機関が仮に経営破綻すればカットされる可能性が高く、公金といえども、その取り扱いに変わりはありません。万が一にも、元本割れしないようなリスク管理が必要であります。
東京都資金管理方針を拝見しますと、都の預金については、金融機関の経営の健全性に十分に留意するとありますが、具体的にはどのようにして経営の健全性を確認しているのかをお伺いいたします。
○土渕管理部長 健全性の指標といたしましては、企業の信用力に対する総合的な指標である格付や金融機関から公表される決算資料で知ることのできる財務指標を用いています。
格付につきましては、都では、世界的に通用しているスタンダードなものを参照しておりまして、複数の格付機関の数値に注目をしております。格付は、格付機関により、随時、更新されており、日々確認をしております。
また、自己資本比率及び預金量など決算資料に基づく指標につきましては、経営の健全性、流動性等の観点から、業態内比較や時系列推移等、さまざまな角度から比較分析を行っております。
こうした経営状況の評価につきましては、会計管理局長が、金融分野の専門家等の意見を聞くために設置している公金管理委員会の意見も聴取しております。なお、新規預金先を選定する場合には、ただいま申し上げたようなプロセスで慎重に評価を行っております。
○大津委員 金融機関の経営の健全性について、決算分析を主に行って、金融機関の決算は四半期に一度の公表であるとのことです。三カ月に一度ということで、生き物相手でもあるこの市場の中で、もう少し頻度があるような気もしています。
その点、平成二十二年には、主に中小企業融資を手がけていた日本振興銀行が、金融庁の立入検査の際、検査を妨害するなどの行為で行政処分を受け、経営が悪化して経営破綻しました。これは国内で初めてのペイオフ実施となり、実際に預金カットが行われました。こうした現実に対応するには、四半期の決算資料だけに頼らず、日々金融機関の経営状況をしっかり監視をするという仕組みを確立し、着実に取り組むことが重要と考えます。
そこで、日常的に、金融機関の経営状況を監視をする取り組みについて、どのようにしているのかを伺います。
○土渕管理部長 委員ご指摘のとおり、マーケットの状況は刻々と変化をしております。例えば、リーマンショックの際には、日経平均株価が、九月十二日の一万二千円台から、十月二十八日には、一時、六千円台にまで下落しました。このような状況も想定し、経営の先行指標である株価や社債利回り動向を注意シグナルとして、リアルタイムで監視する体制をとっております。
また、金融情報収集力強化の観点から、大手銀行等のディーリングルームで採用しているものと同じレベルの情報端末を設置して、日々金融情勢に係る最新の情報を入手するよう努めているところでございます。
○大津委員 日常的な監視の仕組みを理解しましたが、加えて、最新の金融情勢の知見を得るためには、金融の専門家の意見なども聞くことも重要です。
都は、そのために公金管理委員会を設置しているとのことですが、例えば、リーマンショックなどの非常時など、都の資金管理について公金管理委員会に特に助言をもらったような事例があればお伺いをします。また、監視をしていて、金融機関の経営状況に問題があった場合の都の対応力についても、あわせてお伺いをいたします。
○土渕管理部長 公金管理委員会は、公金の管理につきまして、金融分野の専門家などの経験、識見を活用して、金融情勢等に応じた的確な判断、対応を行うことを目的に設置している専門家会議でございます。
特に、リーマンショック時など、金融情勢の厳しいときは、具体的に経営危機に陥っていると推測された金融機関の経営分析や、保有する債券の売却時期などにつきまして臨時会議を開催するとともに、緊急を要する場合には、委員を個別訪問するなど、適時適切にご意見をいただいて、都として必要な対応をした結果、公金の運用にも問題は生じませんでした。
また、預金先金融機関の経営状況に問題が生じた場合、預け入れ期間や金額の制限、新たな預金の停止、預金の中途解約といった対応を状況に応じて実施いたします。そして、これらの対応をとる際には、公金管理委員会の意見を聞いた上で決定することとしております。
○大津委員 こうした非常時に、迅速かつ的確な専門的意見を得られ、東京都が直接は入手しにくい市場動向などについても、情報収集可能な公金管理委員会は、公金の安全を守るために有効な体制で、今後ともしっかり活用し適切な対応をお願いをしたいと思います。
会計管理局は、資金管理だけでなく、公金の収納や支出についても統括する立場にあります。東京都の指定金融機関である、みずほ銀行についても、経営面を初め、日常の細心の注意を払って、これからも監視をしていっていただきたいと存じます。
さて一方で、運用の収益を上げ効率性を高めることも重要です。平成二十四年度資金管理実績によると、約三兆九千億円の公金に対して、基金で約六十三億円、歳計現金等で約二億円、準公営企業会計で約六億円、合計で何と約七十一億円もの運用収入がありました。これらは、都の貴重な財源です。
国内外の社会状況、経済状況、金融状況という国や社会、経済、金融という日々刻々と変化するという、まさに生き物を相手に、危機の未然防止、起きたとしても安全第一の公金管理です。安全性と収益性の両立を目指して、待ったなしの生き物相手にすぐれた対応力を発揮をしていっていただきたいと思います。
局長から、資金管理に対する認識についてお伺いをして、質問を終わりにしたいと思います。
○松田会計管理局長 ただいま、るるお話がございましたけれども、金融をめぐる環境は、以前とは全くさま変わりをしてございます。すなわちペイオフ導入以降、預金先は、自己責任で、みずからリスクをとって選択しなければなりません。さらに、金融経済環境は、欧州の政府債務危機、あるいは中国やアメリカ経済の状況といったグローバルな動きに直結連動する時代となっております。
そうした状況認識に立てば、委員ご指摘のように、危機はいつ起こるかわからず、したがって、リスク管理が極めて重要でございまして、具体的には、最先端の情報をいち早く収集、分析をいたしまして、運用先における経営悪化の兆候やシグナルを見逃すことなく、最悪の事態を想定して、早目早目に必要な対応を行うことが肝要だと思います。
今後とも、このことを基本原則に据えまして、適切に運用を図ってまいります。その上で、運用による収益の確保も、当局の重要な役割だと認識をしております。
これまでも、預金引き合いの実施、あるいは運用商品の拡大など、工夫をしてまいりましたけれども、今後も、例えば資金見通しをさらに精査して、運用の一層の長期化を検討するなど、可能な範囲で、収入の確保を目指してまいります。
いずれにしましても、都の資金管理は、何よりも都民の貴重な税金を原資としておりまして、また、四兆円に近い多額な資金運用を担うものでもございます。その責任、そして使命を肝に銘じまして、今後とも、状況に応じ工夫を積み重ね、安全かつ効率的な運用に一層努力してまいります。
○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で会計管理局関係を終わります。
○山崎委員長 これより主税局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、主税局長に交代がありましたので、局長からご挨拶があります。
主税局長に就任されました影山竹夫君をご紹介いたします。
○影山主税局長 去る十月十六日の人事異動で主税局長に就任しました影山竹夫でございます。
山崎委員長を初め、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜り、歳入所管局としての職責をしっかり果たしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○山崎委員長 挨拶は終わりました。
○山崎委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○宗田総務部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。
要求資料第1号、固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件に係る上告受理の申し立てに関する最高裁判所第三小法廷決定調書でございます。
東京都が上告受理の申し立てを行っていた本事件について、上告審として受理しない旨の決定がされたものでございます。
次に、五ページの要求資料第2号、固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件に係る東京高等裁判所判決文でございます。
なお、要求資料第1号及び第2号につきましては、情報公開条例上非開示となる情報が含まれておりますので、その部分は黒塗りさせていただいております。
次に、一五ページの要求資料第3号、固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件に関する支払い額等一覧でございます。
この表は、本事件にかかわる固定資産税等の本来税額、過徴収税額、損害賠償額、過徴収金に関する遅延損害金、裁判費用をお示ししたものでございます。
次に、一六ページの要求資料第4号、資本金区分別法人数及び法人事業税額でございます。
この表は、平成二十年度から平成二十四年度までの資本金区分別の法人数及び法人事業税額等をお示ししたものでございます。
次に、一七ページの要求資料第5号、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額でございます。
この表は、平成二十年度から平成二十四年度までの上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額をお示ししたものでございます。
次に、一八ページの要求資料第6号、消費税率引き上げに伴う影響額、試算でございます。
この表は、消費税率を八%及び一〇%に引き上げた場合の繰入地方消費税の影響について、その試算額をお示ししたものでございます。
次に、一九ページの要求資料第7号、都税の滞納整理における直近五カ年の差し押さえ件数でございます。
この表は、都税の滞納整理における直近五カ年の差し押さえ件数をお示ししたものでございます。
要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山崎委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○近藤委員 それでは、お尋ねしてまいりたいと思います。
主税局でございますので、オール東京滞納STOPというのが皆さんの合い言葉でもありますし、実は私も地方議員をやっておりましたときにも、正直者がばかを見ない世の中をつくるということをうたい文句にしてまいりましたので、決算の時期でもありますので、その決算内容も参考にさせていただいた上で、税の徴収の実態と滞納状況、そしてその対応につきまして、簡潔にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
まず、平成二十四年度の都税収入決算ベースから見ましても四兆二千五百億円で、予算現額に対しましても一〇〇%を超えている状況であります。徴収率につきましても、先日ご報告がありましたように、前年度を上回って九七・三%ということでありますから、それなりの徴税努力ということは、大きく評価をさせていただきたいとは思います。
ただ、今現在も、一般分の純滞納繰越額は二百五十億円を超えるわけであります。されど、この金額が繰り越しをされると、その金額の一部が不納欠損になる可能性を持つわけでありますから、私は、それなりの対応をしなければならないんだというふうに思っています。
何度も申し上げますけれども、正直者がばかを見ないという、納税というこのシステムルールをきちっと守らなければならないんだというふうに考えています。
そこで確認のため、お伺いいたしますけれども、純滞納繰越額の過去五年間の推移をお聞かせいただきたいと思います。
○西海徴収部長 純滞納繰越額の推移でございますけれども、平成二十年度には五百八十九億円、二十一年度五百一億円、二十二年度四百九億円、二十三年度三百二十六億円、そして、理事おっしゃったように二十四年度は二百五十二億円となっておりまして、過去最大でございました平成六年度のおよそ十分の一に圧縮したところでございます。
○近藤委員 今、さっとご報告いただきましたけれども、平均を計算しても数百億円という数字になります。平成六年度のお話もありました。単年度、ことし二十四年度の純滞納繰越額は、ピーク時の十分の一という、最悪に比べてですけれども、十分の一ということであります。この純滞納繰越額圧縮のための主税局の努力に対しましては、先ほど申し上げましたように大きく評価はしたいというふうには思います。
ただ、その滞納圧縮のために、取り組みとして主税局が行ってきた差し押さえの件数及び差し押さえによって滞納税に充当した額の五年間の推移、これも教えていただきたいと思います。
○西海徴収部長 まず差し押さえの件数でございますが、先ほどの資料にもございますけれども、平成二十年度は二万三千六十二件、二十一年度は二万三千二百十九件、二十二年度二万五千百五十四件、二十三年度二万六千百四十五件、そして二十四年度は二万五千八百七十四件となっております。
また、差し押さえの財産を取り立てたり、公売によって充当した金額ですけれども、本税ベースの金額で申し上げますと、平成二十年度は二十一億五千七百万円、二十一年度は三十三億五千七百万円、二十二年度は四十億六千八百万円、二十三年度は二十一億六百万円、二十四年度は十八億九千七百万円となっております。
なお、ただいま申し上げた数字には個人都民税関係は含んでおりません。
○近藤委員 ただいまご説明がありました、差し押さえ等によりまして積極的な滞納整理を行った結果、純滞納繰越額の圧縮が大幅に進んだということは評価をさせていただきます。
しかし、純滞納繰越額は、結果といたしましても、現在も二百五十億円を超えておりますし、翌年度に繰り越され、その一部は不納欠損になる可能性を持っているわけで、私は、それに対してきちんと対応しなければならないというふうに重ねて申し上げておきたいと思いますし、不納欠損は、一定の事情により調定した歳入を徴収することができなくなったとして調定から落とすものであります。
これは、都税の調定額に占める割合といたしましては、パーセンテージとしては余り大きいものではありませんけれども、その四兆三千億円という分母が大きい税額ですから、それからすればパーセンテージは小さいんですけれども、ただ金額としては、今お話があったように、大変莫大な金額であるというふうに私は思っています。
そこで、もう一度伺いますけれども、不納欠損額の五年間の推移、これもお聞かせいただきたいと思います。
○西海徴収部長 不納欠損額の五年間の推移でございますが、東京都が直接徴収いたします一般分では、平成二十年度が百三十一億四千九百万円、二十一年度は百十八億二千四百万円、二十二年度は九十一億四千万円、二十三年度は八十六億九千七百万円、二十四年度は六十七億三千九百万円となっておりまして、年々減少しております。
以上でございます。
○近藤委員 ご説明いただきましたけれども、決算の額から見ても、一般分の平成二十四年度の不納欠損は、だんだん減ってきて、六十七億四千万円弱ということですけれども、この数字、本当に私ども地方議会の出身だとびっくりします。本来払われなければならない数字が、このくらいの数字が飛んでしまうわけですから、そういう点では、私は金額的に、はい、そうですかといえる金額ではないというふうに思っています。
そこで、またお伺いしますけれども、都全体の不納欠損額は減少傾向にあるようでありますが、税における不納欠損の手続は、具体的にどのように行われているのか、ちょっとご説明いただきたいと思います。
○西海徴収部長 まず、不納欠損となる流れについてご説明をさせていただきます。
地方税法の規定では、滞納処分する財産がないとき、滞納処分をすると生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、それから滞納者の所在及び滞納処分できる財産がともに不明のときに、滞納処分の執行停止をすることができるとされております。そして、この執行停止の状態が三年間継続したときには、納税義務が消滅いたします。
また、徴収することができないことが明らかであるときは、三年を待たずに、納税義務を消滅させることができるともされております。
以上、申し上げたものは、滞納者の状況をきちんと調査した上の不納欠損でございます。
一方で、地方税の徴収権を五年間行使しないときは、徴収する権利は、時効により消滅するため不納欠損となってしまいます。
次に、具体的に、平成二十四年度の一般分の不納欠損額六十七億三千九百万円の内訳をご説明させていただきますと、調査の結果、財産がないため滞納処分を停止し、その後、三年間、資力の回復がないため不納欠損としたものは二十億四千百万円、それから滞納処分の停止時に徴収できないことが明らかであるためなどの理由により不納欠損としたものが四十六億九千八百万円、以上が滞納者の状況を調査した上での不納欠損でございますが、その一方で、徴収権を五年間行使せずに時効となり不納欠損になったものが四十三万円ございます。
○近藤委員 今のお話のように、財産調査を行っていただいて、財産があっても納税がなければ差し押さえをして、財産を換価して税に充て、その上で財産がない者については、地方税法の規定に基づき滞納処分の執行停止、そして不納欠損の手続が行われることのルールはよくわかりました。
これは地方自治体でも同じでありますけれども、しかしながら、今、最後に部長がちょっとおっしゃった徴収権を五年間行使せずに時効となったものが、金額は東京都からそれすれば微々たるものかもしれませんけれども、四十三万円あった。ここが問題なんですね。徴収権を五年間行使せずに時効になったというのが、私はいけないというふうに思っています。これはぜひお願いをしたいというふうに思います。
そこでお伺いいたしますけれども、時効による不納欠損を出さず、滞納を早期に解決するには、滞納整理を迅速に行う必要があるというふうに思います。滞納整理を進める過程で、差し押さえや公売はいつ行われているのでしょうか、お尋ねいたします。
○西海徴収部長 まず、東京都の滞納整理の一般的な流れについてご説明いたします。
納期限までに納税がない場合は、おおむね二十日後に督促状を送付いたします。それでも納税されない場合は、二カ月間に催告書の送付や電話によるお願いなどの方法で自主的な納税を促しております。これは大量の滞納件数を効率的に圧縮するために行っております。
さらに、それでも納税がない場合は、直接、自宅にご訪問して納税交渉によって納税を促すとともに、財産調査や所得調査など、滞納者の状況を把握するための必要な調査を行っております。
その結果、資力がありながら納税に誠意の見られない滞納者に対しては、法の規定に基づきまして、財産の差し押さえ、公売による換価などの対応を行います。
一方で、脱税であるとか財産の隠蔽といった悪質と判断された滞納につきましては、早期の差し押さえ、捜索など、臨機応変に対応し、滞納解消に努めております。
なお、理事ご指摘の徴収権を五年間行使せずに時効を出したものが四十三万円あったということは、これは大きな反省点でございまして、今後、時効ゼロを目指してまいります。
○近藤委員 手順を踏んで滞納整理を行うとともに、脱税などの悪質な滞納者に対しましては、早期の差し押さえ、捜索等を迅速に対応しているとのご説明でありました。滞納額というただの数字のような気がしてしまいますが、これは実は、二百五十二億円というお金なんですね。
次に、こういったことを踏まえて、税金というのは滞納しない方がいいよというのがありますが、実は滞納した場合の延滞金の引き下げが近々行われます。平成二十五年度の税制改正によりまして、二十六年一月から延滞金の割合が下がります。これは現在の低金利の状況に合わせ、事業者の負担を軽減する観点から割合を下げるものでありますが、真面目に納税している人には何の関係もない話であります。逆に、滞納が増加していくのではなかろうかというふうに私は危惧をしております。
そこで伺いますが、延滞金の率が下がった場合、具体的に東京都にどれだけの影響額があるのか、また、滞納が増加に転じて、税収確保に影響が出てくるのではなかろうかということで二点お尋ねしたいと思います。
○西海徴収部長 理事おっしゃるように、現在、延滞金の割合は、納期限後一月以内は、年四・三%、一月を超えると年一四・六%でございますが、来年一月からの延滞金の割合は、現在の金利のもとでは、納期限後一月以内は年三・〇%、一月を超えると年九・三%となることが予定されております。
この延滞金の割合が下がることによる影響額でございますが、平成二十五年度当初予算をもとに平年度ベースで試算いたしますと、およそ二十二億円の減収となることが見込まれております。
それから、滞納が増加に転じ、税収確保に影響が出るのではないかとのご懸念につきましては、滞納に至った場合、きちんと手順を踏んだ上で、さらに事案に応じて早期対応、早期処分を行い、事案の早期解決を目指した進行管理を徹底いたしまして、積極的かつ丁寧な滞納整理を行うことにより、影響がないように努力してまいります。
○近藤委員 ご説明のとおり、ぜひぜひお願いをしたいというふうに思います。
徴収率の割合では、大変ご努力をされておりますから、その努力によって減であったということは、これも先ほど評価をさせていただきましたし、ただ、申し上げているようにパーセンテージはよろしくても、金額がまだまだ高いですよということは、ぜひ感じていただきたいというふうに思います。
納税は、憲法で定められました国民の三大義務の一つでありますし、社会を支えるために、みんなで払う会費のようなものであります。
先日、新聞報道にもありましたが、これは東京の会社ではないかもしれませんけれども、IT関連会社を運営していた会社役員は、破産前に二億円隠すという破産法違反の事件がありました。この役員は、所得税法違反容疑で逮捕はされたものの、税を脱税するという悪事を働いていますし、納税を逃れようとしています。告発されたものの、本来納税するべき金額はもう恐らく使ってしまっていて納税されないんだというふうに思います。
納税の大切さが崩れては、社会、国家は成り立ちません。そのため、ほとんどの多くの国民の皆さん、都民の皆さんは真面目に働き、決して楽ではないとは思いますけれども、納税してくださっているんだと思います。大変ありがたいことだと思います。私は、正直者がばかを見る世の中であってはならないと考えております。
最後に、今後の局の滞納に対する対応や考えをお聞かせていただいて、私の質問を終わります。
○影山主税局長 都税収入は、都の歳入全体の七割を占め、都財政を支える重要かつ基幹的な財源でございます。その確保に当たる私どもに課せられた責務は非常に大きいと認識しております。
主税局は、これまでも前例にとらわれないさまざまな創意工夫を凝らした取り組み、例えば、自主納税の推進に向け、全国初で実施しましたコンビニ収納ですとか、滞納整理においても、全国の自治体に先駆けて開始したインターネット公売ですとか、タイヤロックなどにより、税収確保及び徴収率の向上を図ってまいりました。
今後も、納税者の利便性向上を図りつつ、納期内納税の促進に努めるとともに、滞納に至った場合は、納税者の実情を踏まえたきめ細かな対応を図りつつ、悪質な滞納者に対しては毅然とした徴収を行うことにより、税負担の公平性の確保と納税秩序の維持を図ることが重要であると考えております。
今後とも、主税局職員一丸となって適正、公正な業務運営に当たりまして、歳入所管局としての責務を果たしてまいります。
○斉藤委員 私の方からは、地方法人課税の見直しについてを中心に質問をさせていただきます。
久しぶりの主税局の事務事業質疑に臨みまして、私は初めて当選したのは平成二十一年でございますが、そのときの秋の事務事業質疑の議事録を、自分の質疑を読み返しておりますと、この四年間の都税収入の変化の大きさに大変驚いているわけであります。
平成二十四年度都税収入決算額は、復興需要などを背景に、国内需要が堅調に推移したこともありまして、五年ぶりに増収に転じているわけであります。
景気回復によりまして、景気の動向を受けやすい法人二税を中心に、都税収入は、平成二十四年度の前年対比伸び率は二・四%増となっているわけであります。また、平成二十四年度の都税徴収率、今ご議論ございましたけれども、組織を挙げられてのさまざまな徴税努力などが実りまして、前年度を〇・三ポイント上回る都税徴収率九七・三%となっているわけでございますが、二年連続で上昇をしております。ピークであった平成十九年度の九七・九%更新も目前であるというふうに期待をしております。敬意を持って、徴税努力に努めていただきたいと思います。
改めて強調する必要はございませんけれども、主税局の使命は端的に申し上げれば、局長のご答弁にありましたが、歳入確保でございます。少子高齢化施策や首都直下型地震に備えた高度な防災都市づくりに加えまして、招致に成功いたしました二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向けましても、都の政策実現に向けた財源確保のために、現場の職員の皆様の日夜、徴収努力、これは大変、これからもご努力いただきたいわけでございますが、財源確保はとても重要でございます。
それにもかかわらず、国は、平成二十年度税制改正におきまして、地域間の財政力格差の縮小の観点から、この法人事業税の約半分、これを地方法人特別税として分離し、国税化したわけであります。平成二十五年度は、当初ベースで一千七百四十七億円の減収見込みとなっています。
この税は、消費税を含みます税体系の抜本的改革が行われるまでの、あくまでも暫定措置として導入されたわけですけれども、平成二十四年八月に成立いたしました、その名も、税制抜本改革法におきまして、地方消費税率の引き上げ時期をめどに抜本的に見直しを行うことが、明記されているわけであります。
したがいまして、今回の消費税率の引き上げの時期に合わせまして、この法律どおりに確実にこの暫定措置を撤廃し、地方税として復元すべきであると考えるわけであります。
それに輪をかけて、今般、財務省などは、今度は、法人住民税の一部を国税化しようとする動きがございます。そもそも今回の発端は、地方消費税の増収分によります都市と地方、とりわけ東京と地方の格差増大とされているわけでありますけれども、今回の消費税率の引き上げによりますと、都と区市町村の地方消費税は、まずどのくらいの増収になっていくのかお伺いしておきたいと思います。
○加藤税制部長 都税収入といたしましては、平成二十五年度当初予算額三千三百四十七億円をもとに試算をいたしますと、地方消費税の税率が一%から一・七%となった場合には、これは消費税、地方消費税を合わせた税率が八%に相当いたします、二千三百四十三億円、さらに、二・二%に引き上げられまして、消費税との合算額が一〇%となった場合、四千十七億円の増収となる見込みでございます。
なお、地方消費税につきましては、二分の一が区市町村に交付されておりまして、この増収分のそれぞれ二分の一が、都と区市町村の実質的な増収額となります。
○斉藤委員 今回の国の議論の発端は、この消費税の税率アップに伴います東京の増収分に注目したものでございまして、東京の富裕論、こういったことをターゲットに、格差是正のために、都の税収にさらに手を突っ込んでくるという、こういった暴挙であるということで断固反対をしてまいりたいと思いますが、法人住民税を交付税化した場合、都だけでなく、基礎的自治体であります区市町村にも影響が多いといわれております。
法人住民税とは、そもそもどういった税なのか、また、これを交付税化した場合に、区部、多摩の基礎的自治体にそれぞれどのような影響があるのかをお伺いしておきたいと思います。
○加藤税制部長 法人住民税は、行政サービスの経費を広く分かち合うとの考え方に基づき、地域の構成員である法人に対して課す税でございます。都道府県が課す都道府県民税と市町村が課す市町村民税とから成っております。
総務省の地方財政審議会検討会は、法人税額に応じて課されるこの法人税割の一部を国税化し、地方交付税の原資にするという提言を行っております。国は、来年度の税制改正に向けまして、この案を踏まえ、制度の具体的な検討を進めていると聞いております。
現段階では、制度の骨格も公表されておりませんので、具体的な影響額については不明でございますが、参考として、検討の俎上に上っております法人住民税の都の収入額を申し上げさせていただきます。
平成二十四年度決算ベースでは、七千七百五十八億円、このうち、均等割を除きました法人税割額、これは法人税に対して課される税でございますが、六千九百六十四億円でございます。二十三区の区域におきましては、市町村民税相当分も都税として課税されておりまして、この法人税割額の約七割に当たります四千九百二億円が、二十三区における市町村民税相当分でございます。このうち五五%が都区財政調整の財源となっております。また、都内市町村における法人住民税、市町村民税の額は約四百六十四億円でございます。このうち、法人税割額は約三百五十七億円となっております。
○斉藤委員 大変な額でございまして、特に、この法人住民税は、基礎的自治体を直撃するということが明らかになったわけでございます。具体的な国の検討はこれから行われるということでございますが、東京都や特別区の税収を狙っているのは明白であります。
こうした動きに対しまして、せんだって都は反論書を公表しております。地方自治体の課税自主権を侵害する暴挙であり、市町村の基幹税目でもあり、都区部におきましては、財政調整財源が一部国税化されることは、地方分権に真っ向から反する邪道であるというふうに考えているわけです。
しかし、先日八日に開催されました政府主催の全国都道府県知事会での議論を、報道なども含めまして拝見いたしますと、都の立場は、大変孤立しているのではないかと、このように懸念をしているものであります。
ここは、私は正論として、地方分権論を展開するだけでは足らないと、ほかの自治体の知事も、正論は都にあるということを認めながらも、現実に対応した場合には、やむなしというような姿勢も散見されるわけでありますけれども、ここは正論として展開するだけではなく、もっと世論を見方につけていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
例えば、昼間人口、昼間だけでも東京都で生活をしたり、あるいは勤労したりしているいわゆる昼間人口といわれている人々は、約三百万人ほどいるといわれておりますし、また災害時におきましては、先般、東京都は、全国に先駆けて帰宅困難者対策なども、東京みずから乗り出しているわけでございましたが、こうした、人々の生命も守る使命が東京にはございます。国ではないです、東京都がやっているわけです。
こうした東京都であり、区市町村であるこの取り組み、こういうことを考えますと、いつ起こるかわからない災害からこうした方々の生命、財産を守るのも、都市東京、首都東京の責任であるというふうに考えます。こういった住民票を東京に持つ都民だけでなく、いわゆる昼間都民というような方々の認識も、しっかりと改めていただく、東京都の財政に対する国の姿勢については正論を正論というだけじゃなくて、どこがおかしいかということをきちんと認識していただく必要があると思っております。
例えば、豊洲の新卸売市場の移転の問題につきましても、東京都民のためだけの施設ではないわけでございまして、その背後であります三千万、四千万ともいわれる方々の首都圏の食の台所として、東京都がさまざまな困難な状況を乗り越えて、こういった事業も行っている、そういった問題もあるわけでございまして、ぜひとも、こういった点を、東京都に住民票を置く方だけでなく、広く東京都に係る方に理解いただきたいと思っているわけでございます。
そこで、主税局として、この国の動きに対してどう対応していくのか、お考えを伺いたいと思います。
○加藤税制部長 先ほども副委員長ご指摘ありましたとおり、法人事業税の暫定措置は、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでという約束で導入されたものでございまして、平成二十六年度税制改正において、当初の約束どおり確実に撤廃し、地方税へ復元されなければいけないと考えております。
また、法人住民税の一部国税化は、地方がみずからの財源と責任に基づいて行財政運営を行うことができるように、地方税の充実を図るという地方分権の考え方に大きく逆行しておりまして、また、これまで、地方の創意と努力で実現をしてまいりました所得税から個人住民税への税源移譲の成果を無に帰するものだというふうに考えております。
都は、こうした国の動きへの反論といたしまして、東京都の基本的な考え方を事実に基づき明らかにした反論書を取りまとめ、去る十一月一日に公表したところでございます。その中には、副委員長も今ご指摘いただきましたように、東京都の施策が、都民だけではなく、全国あるいは日本全体のためにも使っているということも触れております。
この都の反論は、ホームページあるいはツイッター等で発信をするほか、世論形成に大きな影響力を持っておりますマスメディアを通じた報道等により、昼間都民も含め広く周知を図っております。私どもも、財務局と共同いたしまして、記者レクを行い、内容について詳しく説明をして、報道を取り扱っていただくようお願いをしております。
今後は、この反論書等も活用しつつ、都議会の皆様、あるいは都選出の国会議員、特別区長会や他の自治体などとともに連携を図りながら、国に強く働きかけてまいります。
○斉藤委員 今後は、しっかりと都選出の国会議員や各首長にも連携を図りながら、強く働きかけていくというお話でございますが、知事、しっかりしていただかないといけないと思います。
この政治決着によるという報道で、そういう言葉で終わっているんですけれども、政治決着、これはやってくるものではございませんので、理事者の皆様にここで申し上げても限界があると思いますが、ここに並んでいらっしゃる各会派の議員の皆様には、ぜひ国会議員にも働きかけて、団結をして、党派を超えて取り組んでいかなければならない。この法人事業税の一部国税化の暫定措置の一刻も早い復元、それと、今お話ししました法人住民税の新たなる国税化阻止に一丸となって向かっていく、そのためにも知事にしっかりリーダーシップを発揮していただかないと困ると、このように思っているわけでございます。正論の説明だけでは立ち行かない困難な状況でございます。その認識を改めて表明したいと思います。
次に、ちょっと視点を変えますけれども、政策税制についてお伺いしたいと思います。
私は、平成二十二年の事務事業質疑でも、この政策税制につきまして、議論させていただきました。都はこれまで、税収を確保しまして、財政再建を行うと同時に、景気悪化により歳入が減りましても、一定の行政活動支出を確保するために、基金を活用するなどしまして、安定した財政運営を行ってきております。
こうした財源は、歳出のみならず、政策税制を行う財源にも当然なっているわけであります。中央集権的な地方税財政制度のもとで、財源配分がなされまして、税目や裁量の余地を極めて限られた法の枠ではございますけれども、これまでも、都主税局は、さまざまな政策税制を実現してきたことを評価するものでございます。
例えば、小規模事業者の負担を軽減するための固定資産税等の小規模非住宅用地の軽減措置を行ってきておりますけれども、この軽減措置の意義とこれまでの実績について最初にお伺いしておきたいと思います。
○加藤税制部長 小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置は、全国と比較いたしまして、また住宅用地に比較して重くなっている非住宅用地の税負担を緩和するとともに、厳しい経営状況にある中小企業に対する支援を目的といたしまして、平成十四年度に創設されたものでございます。
これまでの実績は、毎年の平均で約二百二十億円、制度が創設された平成十四年度から二十四年度までの累計で約二千四百億円の軽減となっております。
○斉藤委員 青色申告会からも、毎年この制度を継続というのか、もう毎回毎回、毎年請願等出されているわけでございますけれども、ぜひとも中小零細企業の支援として、極めて重要な政策減税制度でございますので、しっかりと継続をしていきたい。強く要望をしておきます。
次に、宿泊税についてお伺いをいたします。
今年度、観光産業振興プランが改定されました。そして、七年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催も決まったわけでございますが、こうしたものを控えまして、観光振興施策を支える宿泊税の存在意義はますます増大していると思います。
そこで、この宿泊税の税収規模と、都の観光予算に占める割合についてお伺いをしておきたいと思います。
○加藤税制部長 宿泊税の税収規模でございますが、東日本大震災等の影響を受けました平成二十三年度を除きまして、十億円から十四億円の間で推移をしております。
また、観光産業振興費の財源として充当される宿泊税の割合は、歳出規模によりまして毎年変動いたしておりますけれども、三〇%台から七〇%台となっております。ちなみに、平成二十四年度では、四三・一%でございます。
○斉藤委員 安定した都の観光予算、こういったものを組めますのも、自主財源として東京みずからが努力しまして、この宿泊税、そういうものを徴収している、これが相当寄与しているということが今の数字でわかったわけでございます。
最近、ヒアリングさせていただきましたけれども、平成二十六年度の予算要求額も見ますと、前年比三一・一%増となり約三十二億円を計上しております。これは国の観光施策に比較しましても、東京都の規模は大変に大きなものがございまして、こういった東京都独自の観光施策についての財源として、宿泊税は大変大きな寄与をしているということが、今のお話でわかったわけでございます。
それでは、東京版の環境減税についての執行状況、四年前、私が二十二年に質問したときは、まだ緒についたばかりのものもございましたが、その後を含めまして、執行状況はいかがになっていますでしょうか。
○小山課税部長 東京版環境減税には、電気自動車などCO2排出量の少ない次世代自動車の普及を税制面から支援する、次世代自動車促進税制及び中小企業者の省エネルギー設備等の取得を税制面から支援する、中小企業者向け省エネ促進税制がございます。
制度創設から平成二十四年度末までのそれぞれの執行状況を申し上げますと、次世代自動車促進税制では、自動車二税につきまして、延べ五千六百四十一件、約九千九百万円を軽減しております。
次に、中小企業者向け省エネ促進税制では、個人及び法人事業税の合計で、延べ三百二件、約五億八百万円を軽減しております。
○斉藤委員 今の環境減税につきまして、執行状態は大変進んでいるようでございますし、このように、中小企業、零細企業の支援策や観光振興、あるいは環境政策推進のために、さまざまな政策減税を行っているということがわかったわけでございます。
今後も、東京都政、例えば、高度の防災都市づくりの中では、さまざまなこういった災害に強い都市をつくる意味でも、この税を使った、これはなかなか使い勝手は難しいかもしれませんが、そういった防災対策にも、政策減税を総動員していくことも出てくると思います。
こうしたさまざまな東京都の施策、かつて私は文化芸術の振興についても、こういった税の応援なども検討してもらいたいということをいったこともございましたが、こうしたように、歳出だけでなく、歳入局ではございますけれども、政策を総動員する場合に、この政策減税の果たす役割は大変大きいということを確認させていただきました。
減税するといいましても、その財源の確保、歳入確保が重要であることはいうまでもございません。そういったことも総合して考えまして、改めて東京の財源を狙ってくる国の動きに対しまして、これをしっかりと反していくような政策の企画立案、こういったことも、これは主税局だけではなく他の局にも当然関係することでございますが、重要であると考えるわけでございます。こうした観点からも、世論を味方につけていくということが重要であるということを改めて述べさせていただきます。
主税局におかれましても、今後とも、機動的に課税自主権を行使しながら、都市の魅力を高めていく、東京の魅力を高めていく政策を推進していくべきと考えますが、局長のご意見を伺います。
○影山主税局長 主税局の最大の使命は、歳入所管局として都税収入を確保し、都政の重要課題を初め、さまざまな施策を推進するための財政基盤を支えることでございまして、都民のご理解をいただきながら、日々職員が徴税に努めているところでございます。
しかるに、今般、副委員長がおっしゃったように、こうした都の税収を狙い撃ちするような提案が総務省の検討会などからなされているところでございます。これに対しましては、先ほど税制部長が申し上げたとおり、関係局とも連携し、都議会議員の皆様のご協力もいただきながら、あらゆる機会を通じて国等に働きかけてまいります。
次に、政策税制についてでございますが、租税には、公平、中立、簡素という原則があり、政策税制はこれら原則の例外になるものでございます。また、地方が独自に税制上の措置を講じる際には、地方税法等により、税目や税率、手続などさまざまな制約もございます。
こうした中においても、主税局では、これまでも防災都市づくりですとか、CO2の削減、中小企業の支援など、さまざまな局面で政策税制を実施してまいりました。
今後も、施策の重要性や緊急性、あるいは税制措置の効果や税収への影響等を総合的に判断しつつ、引き続き、都の重要施策を税制面から支援してまいります。
○斉藤委員 ただいま局長から力強い決意をいただいたわけでございます。
安倍総理は、知事会で、居並ぶ全国の知事を前に、東京だけじゃないんだと、地方あっての東京であるということを発言されたというふうに報道で知りましたけれども、私は、東京なくして日本なしというふうに、背伸びをした反論でございますけれども、ぜひとも、東京が元気に日本を牽引しているということを改めて強くお訴えをしていく大事なときであるというふうに考えております。
理事者の皆様と団結しまして、また、知事にもしっかりリーダーシップを発揮いただく中で、各会派も国会議員などによく働きかけまして、この課税自主権死守のために、法人住民税の国税化には断固反対と、そして一日も早い、法人事業税につきましては暫定措置復元化、本来の姿に一刻も早く戻せるように全力で働いていきたい、そのように決意を申し上げまして、私の質問を終わります。
○植木委員 私も、税制面での東京都の施策を支援する政策減免についてお聞きします。
まず、防災都市を実現するための税制面での支援策として、不燃化特区支援と耐震住宅促進税制などがありますが、それについてまずお聞きします。
政府の地震調査会では、マグニチュード七・三クラスの首都直下地震が三十年以内に起きる確率が七〇%としていますし、東大の専門家の予測では、さらに確率が五〇%が四年以内にと、こういうふうにもいわれています。
そういう中で、東京都として被害想定も発表してまいりましたが、特に建物による犠牲者が全都で五千六百人以上に及ぶこと、それから倒壊などで火災が起きて四千百人の犠牲者が予想されると、こうなっています。建物被害に至っては、全都で三十万四千棟に及ぶといわれて、これを二十万に減らすと、こういうふうに目標を掲げながら進めているわけです。そういう意味では、防災対策は、都政の喫緊の重要課題となっているわけです。
特に、不燃化特区支援の減免制度でありますが、これは、指定された特区への支援というふうにお聞きしておりますけれども、まず、その制度と趣旨についてお伺いをいたします。
○加藤税制部長 不燃化特区支援税制は、地震発生時における大規模な市街地火災を防ぐため、木造住宅密集地域のうち、特に改善を必要とする地区に特別な支援を行います不燃化特区制度を税制面から支援するものでございます。
制度の具体的な仕組みでありますが、まず、建てかえを支援するため、特区指定の日から平成三十二年十二月末日までの間に、木造等の非耐火建築物から鉄骨造等の耐火または準耐火建築物へ建てかえを行った住宅に対しまして、固定資産税等を五年度分全額減免するものでございます。
また、老朽住宅の除却を促進するため、特区指定の日から平成三十二年十二月末日までの間に、防災上危険な住宅が除去され、その跡地が適正に管理されていると区が証明した土地に対しましては、固定資産税等を五年度分住宅用地並みに軽減するものでございます。
○植木委員 建物の建てかえを支援する仕組みと、それから老朽家屋の除去を促進すると、こういう目標でやられているというお話でした。
今、老朽家屋問題は、非常に社会的にも大きな問題になっていて、特に少子高齢化の中で、家族関係も複雑になり、それから相続税の問題、それから高齢化の中でなかなか対応をとれないということで、老朽家屋の問題が、全都的にも非常に大きな問題になってきているわけです。
この老朽家屋を除去した場合、支援をすると。その土地は、除去しますと空き地になるわけです。そうしたときの減免の仕組みについてどういうふうに具体的になっていくのか教えていただきたいと思います。
○加藤税制部長 地方税法上、二百平方メートル以下の小規模住宅用地につきましては、土地の評価額に六分の一を乗じた額を課税標準とする固定資産税の特例措置が講じられております。
一方で、住宅を除去して更地となった場合には、非住宅用地ということになりまして、この固定資産税の特例が適用されず、税負担が増加することになります。このため、これが老朽住宅の除却を阻害する一因というふうにされてまいりました。
そこで今回、防災上危険な老朽住宅が除却され、跡地が適正に管理されている場合には、小規模住宅用地特例の適用相当の水準となるよう、税額の八割を減免することとしたものでございます。
○植木委員 制度の仕組みはお話のとおりなんですけど、実際の更地にした場合どういうふうに税額が増加するのか、そして、最終的にどうなるのかということをパーセンテージなり評価額の減免率で教えていただきたいというふうに思います。
○加藤税制部長 小規模住宅用地では、六分の一が適用されておりますので、仮に土地の評価額を一というふうにいたしますと、その税負担は評価額の約一七%程度となります。
一方、更地にして非住宅用地となった場合に、この特例の適用はなくなりますけれども、東京都は、商業地等の負担水準等を引き下げる措置をとっておりまして、評価額の六五%まで下がってまいります。さらに小規模の非住宅用地につきましては、軽減措置によりまして、さらに二割減免をされることになりますので、最終的に評価額の五二%程度、小規模住宅用地に比べますと約三倍の税負担になります。
今回は、この税負担の増加を抑えるために、減免措置というのは一つだけ適用という約束事になっておりますので、非住宅用地の負担水準引き下げ後の六五%をベースといたしまして、小規模住宅用地並みの一七%程度に引き下げるために減免割合を八割というふうにしたものでございます。
○植木委員 特に、相続関係だとかいろんな複雑な中で、住宅を除去すると税金も上がってしまうということで、そのままにしてしまうというケースもあるというふうに聞いております。いろんな区でも、こういう空き地に対していろんな支援策も考え始められてはいますけれども、税制面から促進するということで非常に重要な役割を担っているというふうに思います。
これは、いずれにしても深刻さが今後ますます出てくる可能性もありますし、何よりも地震との関係で、こういうところを放置しておきますと火災の原因にもなりますし、さまざまな被害にも及ぶわけです。そういう意味で、今回は不燃化特区に限定的になっていますけれども、都内には、特区指定されるところというのは非常に限定されているわけです。
しかし地震の危険度がもっとひどいところもあるわけですので、そういう意味で、減免の適用を木造住宅密集地域全体に何とか広げることができないだろうかというふうに思うんですけれども、防災都市を実現するかなめになるものですから、いかがでしょうか。
もちろん、木造密集地域、単純に比較しますと面積も非常に大きいですから、特に危険度が高いところとか、そういうところを指定していけば、全都の被害を少なくする上で非常に大きな効果があるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○加藤税制部長 不燃化特区制度は、木造住宅密集地域のうち、特に重点的、集中的に改善を図るべき地域について、従来よりも踏み込んだ取り組みを行う特別区に対しまして、都が特別の支援を行うものでございます。
今回創設した減免制度は、この不燃化特区の取り組みを税制面から後押しをするというものでございます。したがいまして、この減免措置、不燃化特区内に限って実施することとしております。
○植木委員 今回は、限ってというのは、それは趣旨はわかります。不燃化特区に指定されたところ、中野にもありますので、ぜひそういう点で充実していただきたいと思うんですけれども、そうはいっても、先ほどもいいましたように、木造住宅密集地域の中でも、各区によっては重点地域をさらに決めたり、それから危険度が、先日も発表されて、危険度四、五というところもあるわけですから、そういうところを、ぜひ今後検討して、積極的に支援策を考えていただきたいというふうに思うんです。
それから、もう一つの耐震化促進税制についてですが、これについても、具体的にどのような内容になっているかお示しいただきたいというふうに思います。
○加藤税制部長 耐震化促進税制は、災害に強い東京の実現を税制面から支援するため、平成二十年度に創設したものでございます。二十三区内において、耐震化のための住宅の建てかえ、または耐震改修を行った場合に税制上の優遇措置を講じております。
その概要を申し上げますと、現行の耐震基準を満たしていない住宅を建てかえた場合は、建てかえ後三年度分の固定資産税及び都市計画税の全額を減免しております。また、耐震改修を行った場合は、地方税法で定めます国の減額制度に上乗せをいたしまして、家屋の百二十平方メートルまでの部分について、改修を行った時期によりまして、一年から三年度分の固定資産税等の全額を減免するものでございます。
○植木委員 この制度は、年々利用されている方もふえているというふうにお聞きをいたしております。やはり東日本大震災以降、関心も非常に高くなってきていて、結果が出てからということではなくて、やっぱり予防面、非常に重要だということで出てきていると思うんですけれども、この間、適用された件数と減免額についてお示しいただきたいし、それをどう評価されているか認識を伺います。
○加藤税制部長 耐震化促進税制の実績でございますが、平成二十四年度決算ベースで、建てかえの減免件数は約一万二千五百件、耐震改修の減免件数は約二千八百件でございます。減免税額の合計は約十六億七千万円となっております。
このように、耐震化促進税制は、税の軽減という経済的なインセンティブによりまして、事業所管局の事業との相乗効果、あるいはアナウンスメント効果を発揮し、災害に強い東京を実現するという施策の推進に一定の役割を果たしているものと考えております。
○植木委員 建てかえの減免件数が一万二千五百、耐震改修が二千八百とお話ありましたけれども、たしか前、二十三年度では、約一万件というふうに聞いたことも思い出しておりますけれども、そういう意味で、増加傾向にあるし、そのインセンティブにも働く、アナウンス効果が非常に重要だというお話がありました。
これは最初にお話がありましたように、平成二十年度にできたというふうに説明がありましたけれども、当時は、平成十九年三月に策定した東京都耐震改修促進計画の中で、住宅の耐震化率を九〇%にするという計画、これを定める中でつくられたというふうにお聞きしております。
その後、平成二十三年度に発表された「二〇二〇年の東京」、それから、それとあわせて改定された東京都耐震改修促進計画の中で、二〇二〇年までに木造住宅やマンションなどの住宅の耐震化率を九五%以上に向上させると、こういうことも新たに打ち出されています。
そういう意味で、九〇%にするという計画の中で、積極的にやってこられたことは重々承知しておりますけれども、やはり九五%に向上させると、こういうことが新たに打ち出されているわけです。
この趣旨から見ても、この耐震化促進税制も、そうした計画など、都全体の目標からいっても、二十七年というお話がありましたように、二十七年で、これは、期間限定となっているわけですね。
そういう意味では、二十八年以降も継続すべきではないかというふうに思うんですが、マンションなどは、耐震改修一つとってみても、住民の合意がなかなか大変なんですね。住民同士の合意だけでも一年間ぐらいかかるのはざらにある、もっとかかるときもあるわけです、高齢者がふえたりして。そうすると、二十七年というと、ほんのわずかな期間ですよ、実際には、これからやるとすれば。そういう意味で、ぜひ継続すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤税制部長 耐震化促進税制は、住宅耐震化の早期実現を図るという観点から、減免対象期間を平成二十七年十二月三十一日までとしております。平成二十八年以降の取り扱いにつきましては、減免の効果、耐震化率の状況等を勘案しながら、また、国における税制改正の動向等を踏まえ、適切な時期に検討を行い判断してまいります。
○植木委員 ぜひそうした検討を行っていただきたいのですけれども、国の動向というお話ありました。東京都について、私は先ほど、計画自体が強化されているというお話をしたわけですけれども、その東京都自身の目標と国の動向というのは両方とも大事だと思うんですけれども、国に対しては、そうすると何か物をいっているのか、それとも、どんなふうになっておるのでしょうか、ちょっとわかるようでしたら教えていただきたいと思うのですが。
○加藤税制部長 先ほどもお答えしたとおり、耐震改修につきましては、地方税法の規定に基づく制度に上乗せをしております。このあたりにつきましては、国が地方全体の動向を見ながら、今後、地方税法の改正について検討していくと思われます。
東京都におきましては、委員ご指摘にもありましたように耐震化率をどうしていくかといった東京都施策全体の整合性がございますので、その中で主税局としても考えてまいります。
○植木委員 ぜひ積極的に捉えていただきたいというふうに思っております。
それから、先ほども、環境対策を促進するための制度の目的のお話もございました。中小企業者向け省エネ設備等の取得を税制面から支援する制度、それから環境負荷の小さい次世代自動車の取得を税制面から支援する制度、これらについては、先ほど実績が示されましたので、ダブるのは除きますけれども、これらも、一つは、期限が五年というふうにお聞きをしております。
何よりも、この二つの環境対策の減免制度の重要性から、この五年をさらに延長できるのかどうかということで、その意義が非常に必要だと、どういうふうに捉えているのか、それから期間の延長についてもご検討いただきたいというふうに思うんですが、この二点についてお聞かせ願いたいと思います。
○加藤税制部長 政策税制につきましては、その都度、政策の効果、それから目的に比して規模がどうかといったようなこと、いろいろなことを勘案しながら進めていく必要があると考えております。特に期限を切っておりますものは、一定の期限までに一定の効果を上げるという東京都としての政策目標、これに対してやはり税制は側面から支援をするという目的でございます。
したがいまして、仮に、いい政策あるいはいい減免であったとしても、いつまでも続けるということではなく、そのときそのときにおいて、どこまで必要かということを判断することが重要だと考えております。
○植木委員 確かに期限を切ってそれに向けて促進を図っていく、それを検証して、その後どうするかという、大事なことだろうというふうに思うんです。そういう意味で、もちろん主税局ですから税収の面と両方との兼ね合いもありますけれども、特に今、環境問題、大震災問題は、都政の重要課題の側面から見ても非常に重要ですので、今後とも努力をしていただきたいということを重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十五分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○酒井委員 それでは、私からは、固定資産税の評価についてお伺いをいたします。
固定資産税の評価については、複合構造家屋や複合用途家屋に関する評価の間違いについて、過去何度となく問題点を指摘をしてまいりました。本日、主税局の事務事業質疑に当たり、固定資産税の評価について主税局の対応等についてお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、複合構造家屋について確認のためにお伺いをいたします。
この問題については、私は以前、財政委員会委員であった平成二十三年三月二日の財政委員会質疑において、当時平成二十一年三月の財政委員会で、複合構造家屋への課税における経年減点補正率の適用について、公平性に欠ける点があることを指摘し、その後の処理状況について質問をいたしました。
その際、資産税部長は、平成二十一年三月当時、未処理であった二棟について、平成二十一年四月中に処理が完了し、納税者への還付額は約一億五千八百万円、うち還付加算金は千八十万円であった旨の答弁がありました。
また、平成二十一年四月以降、新規に納税者から申し出や相談のあった事例及び審査申し出に至った事例並びに都が申し出のある前に発見した事例について伺ったところ、新規に納税者から申し出があった事例は一棟、審査の申し出があった事例は二十六棟で、都がみずから発見した事例はないとのことでした。
そして納税者からの申し出事例については、損害賠償請求訴訟で係争中、審査の申し出事例は全て固定資産評価審査委員会において審議中とのことでした。
当時、係争中ということで詳しい答弁はいただきませんでしたけれども、その後、二年半が経過をした中で、これらの案件は、どのような結果になったのか、まずお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 平成二十三年三月時点で、納税者からの申し出があり、損害賠償請求訴訟で係争中であった事例は、東京地裁判決では、都側の主張が全て認められ棄却、都側勝訴となり、現在、東京高裁で審理中でございます。
また、審査の申し出事例についてでございますが、二十五棟については、いずれも棄却、残る一棟につきましては一部認容となっております。一部認容の案件につきましては、既に構造別で評価している建物のため、構造の認定が問題となったものではなく、鉄骨鉄筋コンクリートづくりの部分と鉄骨づくりの部分の面積のとり方について、申出人の主張が認容されたものでございます。
○酒井委員 一部認容された案件については、還付金や還付加算金が幾らであったかお伺いをしたいところでありますけれども、一件しかないということでございますので、納税者の特定情報になってしまうので、お伺いはいたしませんけれども、面積のとり方についてミスがあり、加算金をつけて返さなきゃならなくなってしまったことは、反省をしていただきたいというふうに思います。
ちなみに、確認のためにお伺いをいたしますけれども、棄却をされた二十五件について申し出をされた方は、その棄却の決定について理解をされたのかどうか、お伺いをいたします。
○安藤資産税部長 審査の申し出で棄却となった二十五棟のうち、一棟の申出人につきましては、棄却決定を不服として、平成二十四年七月十七日に東京地裁に取り消し訴訟を提起されました。また、同じ案件について、平成二十五年三月十九日には、東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起されております。
○酒井委員 では、前回のこの質問以降、新たな申し出はあるのかどうかお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 二十三年三月にご質問いただいて以降の審査の申し出につきましては、平成二十三年度の審査の申し出が一棟、平成二十四年度の審査の申し出が十棟、今年度、平成二十五年度の審査の申し出は、今の時点ではございません。
○酒井委員 平成二十四年度の審査申し出は十件とのことでありますけれども、審査申し出の理由をお伺いいたします。
○安藤資産税部長 審査の申し出の理由につきましては、平成二十三年度は一棟全体を鉄骨づくりで評価すべきという理由によるものが一棟、二十四年度の十棟のうち、構造別に評価すべきとするものが五棟、一棟全体を鉄骨づくりで評価すべきとするものが三棟、構造は柱でなく、はりで認定すべきとするものが二棟となっております。
なお、構造別に評価すべきとする審査の申し出五棟のうち一棟につきましては、先ほど申し上げた損害賠償請求訴訟において、東京地裁判決で都側が勝訴したものでございます。
○酒井委員 ただいま二十四年度に申し出をされた十棟について、そのうちの一件は、訴訟と並行しているということですけれども、それ以外の九棟に関しては、現在どのような取り扱いになっているのかお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 平成二十四年度の審査の申し出の十棟につきましては、本日十一月十四日現在、東京都固定資産評価審査委員会において審理中でございます。
○酒井委員 この複合構造家屋の評価に関しては、一部重複をしますけれども、十件が審理中で、決着のついていない訴訟案件も二件書かれております。この点については、何度も指摘をしておりますけれども、評価の間違いがあった場合、還付加算金をつけて返還をしなければなりません。
現在の還付加算金の利率は、たしか四・三%の利息をつけて返さなくてはいけないということで、その原資といったものは、都民が納めている都税から捻出をされるものです。この点については、一刻も早い解決をしていただきたいということを、この点についてはご要望をさせていただきます。
次に、複合用途家屋についてお伺いをいたします。
今、複合構造家屋について、その評価の間違いについて質問をさせていただきましたけれども、複合用途家屋についても同様な問題が起こっております。ちなみに、複合用途家屋とは、一棟の建物において店舗や事務所、また、駐車場あるいは倉庫など複数の用途で使用されている建物のことでございます。
また、倉庫については、一般倉庫、冷蔵倉庫、冷凍倉庫など、その機能によっても、経年減点補正率の適用が異なるため、固定資産の評価に差異が生じてまいります。
本日、取り上げさせていただくのは、この冷凍倉庫に対する課税評価の間違いによって、都が国家賠償法に基づき敗訴をした案件でございます。今回、資料要求させていただいたものが、その判決文及び決定調書の写しです。
本件訴訟は、冷凍倉庫の課税評価の間違いについて、都が税法に基づき、五年間に限って遡及し還付したことを不服として、国家賠償法に基づき平成元年にさかのぼり還付するよう求めたものであり、国家賠償法による損害賠償請求ですので、当然、故意あるいは過失があったことを前提とした訴えであります。
平成二十一年八月二十六日、倉庫業者七社が東京地裁へ訴訟を提起し、平成二十四年一月二十五日、東京地裁で判決がいい渡され、五社の損害賠償が認容、二社は時効により棄却をされました。これを受け、平成二十四年二月四日、時効により請求が棄却された二社が東京高裁へ控訴、東京都も、平成二十四年二月の七日に専決処分において控訴をいたしております。
都議会に対しては、平成二十四年第一回定例会において、専決処分に対し承認を求めています。この際、同様の裁判事例において最高裁が国家賠償請求を行い得るとの判断を下し、名古屋市が和解をした事例を紹介をし、都にみずから和解をする機会を担保するため、都議会民主党として専決処分を承認をいたしました。にもかかわらず、東京都は、和解を模索するどころか二回の口頭弁論のみで結審し、平成二十四年八月二十九日、東京高裁において都の控訴を棄却する旨の判決に至り、敗訴をいたしました。
判決理由は、冷凍倉庫とは、原則として物を冷凍させ、または冷凍された物をその状態で保存することができる機能を有する倉庫を指す。複合用途家屋の場合、最大床面積を占める用途のものとする。職員は、税務担当者としての職務上尽くすべき注意義務を十分に尽くさなかったとされました。
都は、このような判決を得てもなお、平成二十四年七月三十一日の小牧市冷凍倉庫事件の最高裁決定を理由に、専決処分で、平成二十四年九月七日、最高裁に上告受理の申し立てを行い、都議会に対し、再び専決処分の承認を求めました。
これに対し、都議会民主党は、都民の損失を救済することの方が重要と判断し、過去の間違いは速やかに償い、税制度への信頼を回復するためにも、ここで判決を受け入れるべきと考え、専決処分の承認には反対をいたしました。
結果、お手元に配布の資料のとおり、本年七月九日、最高裁は裁判官全員一致の意見で、上告審として受理しない旨の決定をし、都の敗訴が確定をいたしました。判決理由は記載のとおり、本件は民事訴訟法三百十八条一項により受理すべきものとは認められない。つまり、都の申し立て理由は認められず、高裁判決は、最高裁判例及び高等裁判所判例と相反しないということです。
そこで、以下、何点かお伺いをしてまいります。まず、この敗訴確定が七月になされているにもかかわらず、さきの定例会における財政委員会の所管事項の報告の中でなぜ報告をしなかったのか、その理由をお伺いをいたします。
専決処分の承認を求めておきながら、敗訴確定について、都議会、そしてこの財政委員会に報告すらしないのは、不誠実きわまりないと考えますが、いかがでしょうか。
○安藤資産税部長 ご質問いただいた件につきましては、七月九日に最高裁の決定を受けまして、直ちに七月十六日と十七日の二日間で、正副議長を初め、当時の財政委員の皆様及び各会派に個別に直接ご報告をさせていただいております。
○酒井委員 今ご答弁をいただきましたけれども、七月十六日付、当時の新田主税局長の名前で、私も会派の幹事長をしておりましたので、こういったペーパーをいただいております。
この中には、時候の挨拶の後に、七月九日の最高裁判所において、冷凍倉庫にかかわる訴訟について、上告審として受理しない決定が下されました、この件についてご報告いたします、何とぞよろしくお願い申し上げますという、そういった記載でございます。
個人的には追加の資料をいただきましたので、それぞれの会派あるいは財政委員会の皆さんに、どのような説明をされているのかということについて、これはわかりませんけれども、やはり、東京都にとって不都合な結果であったときこそ、詳しい説明を、記録の残る委員会で報告をすべきであると思います。そのような真摯な対応がなかったので、今回この事務事業質疑で取り上げさせていただいておりますので、そのつもりでご答弁をいただきたいと思います。
それでは、順次お伺いをしてまいります。
冷凍倉庫の課税評価に関する細かい認識の違いについては、過去、この財政委員会でも、あさの議員などからも質問しておりますので、繰り返すことはいたしませんけれども、確認のためにお伺いをさせていただきます。
今回の裁判における原告の主張と被告である東京都の主張の違い、つまり争点は何であったのか、また、最高裁決定で確定された高裁判決は、従来の都の取り扱いについて、何が認められ、何が認められなかったと認識しているのか、確認のためにお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 最初に、今回の裁判の争点についてご説明いたします。
第一審、控訴審での争点は四点ございます。一点目は、建設当初、本件倉庫が冷凍倉庫であったことの認定は機能により行うのか、または使用実態により行うのかという点。二点目は、複合用途の本件倉庫の主たる用途の認定は、最大床面積で行うのか否かという点。三点目は、不服申し立てを経ずに国家賠償請求を提起することができるかという点。四点目は、明確な基準がない中で、評価を行った当時の職員に注意義務違反があったかという点でございます。
続きまして、ご質問いただいた二点目の従来の都の取り扱いについて認められたものと、認められなかったものについてでございますが、まず認められたものにつきましては、倉庫が冷凍倉庫に該当するか否かを評価するに当たっては、その倉庫の機能だけでなく、使用実態を資料とすることも可能であるということでございます。
次に、認められなかったものにつきましては二点ございます。一点目は、現に冷凍倉庫として使用することにより、一般倉庫よりも約二倍の速さで建物が損耗劣化するのだから、冷凍倉庫か否かは使用実態により判断すべきという主張。二点目は、複合用途家屋の主たる用途につきましては、実際の使用実態に基づき、総合的に判断すべきという主張が認められなかった二点でございます。
○酒井委員 つまり今のご説明によると、取り扱いについての部分については、高等裁判所の判決を支持されておりますので、その使用実態というよりは、機能で判断をすべきだということをいっているのだと思います。この高裁の判決理由の冷凍倉庫の定義と複合用途家屋における評価の基準については、都の認識と裁判所の判断がこれは違ったということで、ある意味、制度上の問題であり、その是非については議論があっても、今後そういった判断が出たのである以上、それを改めていけばよいということになると思います。
しかし、ただいまの質問では、取り扱いの違いという形でお聞きをしたので言及をされませんでしたけれども、税務職員が職務上尽くすべき注意義務を十分に尽くさなかったということは、過失を認定されたということで、納税者に対してはより重い責任が問われることだと思います。この点についてどのように受けとめているのかお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 本件では、国の固定資産評価基準における冷凍倉庫の定義などが、当時の制度上、必ずしも明確ではない中で、職員は適切な評価に努めてきており、判決結果については非常に残念でございます。しかしながら、本訴訟の判決結果につきましては、都民からの負託を受ける立場として真摯に受けとめております。
○酒井委員 ただいまの答弁の中では、この裁判に負けているにもかかわらず、判決結果は非常に残念であるというご発言でございました。この発言自体、私は信じがたい答弁だと思います。
残念なのは、税務職員のミスを肩がわりをさせられる都民であり、納税者ではないでしょうか。判決結果については、真摯に受けとめると述べておりますけれども、具体的にどう考えているのか、お伺いをいたします。
また、今回の敗訴によって、敗訴によらなくても、既に五年分の課税評価の間違いによる過徴収金については、還付加算金をつけて返還をしているので、既に都民の税金を職員のミスにより費やしていることになるわけですけれども、今回、資料要求をさせていただいた中にもあるように、新たに損害賠償額として二億六千四百八十万九千円、うち遅延損害金、これは税法上返す場合には還付加算金と同じような扱いになるわけですけれども、これについては一億二百九十七万円の、これは年利五%で計算をされておりますけれども、かかっていると。さらに、最高裁での裁判費用だけでも五百七十一万三千円もの血税が費やされていることになります。
本来は、都民のサービスに活用されるべき税金が、それを集める側のミスにより費やされることについて、どのような認識を持たれているのかお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 本件の上告受理申し立てに関しましては、東京高裁判決は、本件と同種の事件で、平成二十四年七月に他の自治体が勝訴した最高裁決定に違背していること、また、平成二十二年六月の最高裁判決の補足意見に違背していることなど、上告審において都の主張には十分な理由があり、必要な上告受理申し立てであったというふうに考えております。
判決を真摯に受けとめることにつきましては、敗訴が確定した事実をしっかりと受けとめ、判決内容を精査し、教訓を今後の事務運営に生かしていくことにより、納税者への責任を果たしていくことというふうに考えております。
○酒井委員 ただいまの答弁からいたしますと、都の主張を通すためには、都民の税金を浪費しても仕方ないというふうにも聞こえます。これが皆さんのポケットマネーで仮に訴訟を行うのであれば、何ら文句はありませんけれども、人のふんどしで相撲をとるようなことはいかがであろうかなというふうに思っております。
幾ら正当性を訴えても、結果としては、当時の税務職員に過失があったことが認定をされています。本来であれば、ミスをした当時の職員及び監督責任者に求償をしてもよい問題であると思います。このようなことを申し上げますと、国家賠償法第一条第二項で、求償権は公務員に故意または重大な過失があったときとされていると主張をされると思いますが、求償をしないまでも、何らかの処分を受けないのは問題であると思います。
これについても、多分、地方公務員法第二十九条にて、職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合にのみ懲戒処分とし、戒告、減給、停職または免職の処分をすることができるとして、処分できないというかもしれませんけれども、道義的にミスをしても何らおとがめがなしということでは済まないと思いますが、いかがでしょうか。
○安藤資産税部長 職員は、みずからの職務遂行が直ちに納税者の納付する税額に直結していることを認識し、日ごろから緊張感を持って職務に当たっております。その中で、職員は、みずから事務の再点検を行ったり、恒常的に複数でダブルチェックを行ったりと、課税誤りの防止に常に努めております。
本件では、国の固定資産評価基準における冷凍倉庫の定義などが、当時の制度上、必ずしも明確ではない中で、職員は適切な評価に努めてまいりました。今後も、税務職員としての責任感と自覚を持って、都民の信頼に応えるべく、適正かつ公平な課税に努めてまいる所存でございます。
○酒井委員 いろいろとおっしゃっておりますけど、結果としてミスをしているんじゃないでしょうか。今後も、適正かつ公平な課税に努めていくといわれても、基準となるところが間違っているのでありますから、今ちゃんとやっていますということを前提とするのはおかしいのではないかと思います。
確認ですけれども、今回の件は、重大な過失、職務を怠った場合には当たらないと判断をしているのでしょうか。判決では、職員が税務担当者としての職務上尽くすべき注意義務を十分に尽くさなかったとされております。都は、当時、冷凍倉庫として評価するためには、外形的な機能ではなく、使用実態を重視をしておりました。この取り扱い自体、評価担当者に対して負担を増すものであり、効率的な基準とはいえないものと考えますし、高裁判決でも原則として機能で評価することが相当であり、実地調査の実情に沿うものとしております。
にもかかわらず、使用実態を評価の基準にしていた以上、申告税ではなく賦課税である固定資産税の評価においては、担当職員がその実態を把握し、修正する必要があったのではないでしょうか。漫然と放置をしていたといえるのではないかと考えますが、見解をお伺いをいたします。また、このようなミスが起こらないようにするシステムはなかったのか、あわせてお伺いいたします。
○安藤資産税部長 本件は、そもそも冷凍倉庫は何かという、その定義自体が不明確であったことなど、国の定める固定資産価値基準が極めて曖昧である中で、職員は適正な評価に努めてきたものでございまして、重大な過失、職務を怠った場合には当たらないというふうに考えております。
家屋の新築時におきましては、所有者の方より借用した建築資料等に基づき評価計算を行った後、原則、所有者の方など立ち会いのもとで現地確認を行い、建物の用途を初めとした評価内容を確認いたします。その後につきましては、登記情報とともに外観調査や航空写真などを活用しながら、建物の用途変更などの把握に努めております。
なお、平成二十四年度から国の固定資産評価基準では、冷凍倉庫用のものは冷蔵倉庫用のものと改正されておりまして、冷蔵倉庫の定義が明確になったため、今後は、同様の事態は発生しないものと考えております。
○酒井委員 ただいま答弁の中では、新築時においては、所有者より借用した建築資料等に基づき評価計算を行った後、原則、所有者等立ち会いのもと現地確認を行い、建物の用途を初めとした評価内容を確認し、その後については、登記情報とともに外観調査や航空写真などを活用しながら、建物の用途変更など把握に努めてきているとおっしゃっておりますけれども、まさにこの把握の仕方だと、増築等は把握ができても、外観調査を行っているだけで使用実態は把握ができません。把握しづらい基準を定めていたことにほかならないということを申し上げさせていただきたいと思います。
この問題については、そもそも平成十八年時点で評価の間違いを、税法に定める五年にこだわらず遡及して対応していれば訴訟にならず、無駄な費用を費やすことはありませんでした。このような対応をしている事例も他の案件については、複合用途ではありませんけれども、複合構造の問題については、過去五年にこだわらずに対応した事例もあったかに思っておりますけれども、この点については、今さらの話であるので議論をしても詮なきことであると思います。しかし、訴訟を提起されてから、何度も損害額を最小限にとどめる機会はあったと思います。
担当の方には、控訴、上告の説明に来られた際、何度となく、負けるからやめた方がいいと申し上げました。資料にもあるとおり、上告を断念し、高裁判決を受け入れていれば、七百二十八万一千円、損害賠償額を少なくすることができていましたし、高裁にて和解することができていれば、少なくとも遅延損害金をさらに四百二十四万九千円少なくすることができたことも想定がされます。また、原告の弁護士費用一千八百八十九万九千円を負担をしなくても済んだかもしれません。
なぜ、損害を最小限にとどめる判断ができなかったのか、お伺いをいたします。この損害賠償金の増加は、過去の職員によるミスではなく、現在の主税局幹部の方々の責任であると考えますが、いかがでしょうか。
○安藤資産税部長 今回の上告受理申し立てに当たりましては、他の自治体の同様の訴訟で勝訴が確定した例があるなど相当の理由があり、必要な上告受理申し立てであったと考えております。
最高裁不受理決定により敗訴が確定したことにつきましては、非常に残念ではございますが、判決内容を真摯に受けとめ、固定資産税務行政を預かる者としての責任感と自覚を持って、都民の信頼に応えるべく、適正かつ公平な課税に努めてまいる所存でございます。
○酒井委員 先ほども申し上げましたけれども、これご自身のお金でやるんだったら幾らでも裁判やっていただいても構わないんですよ。ただし、この点については、都民の税金を毀損する判断をする以上、結果に対して相当の責任があると思います。
ここで確認をさせていただきたいと思いますけれども、今回、敗訴をした損害賠償額二億六千四百万円余の支払いは、当然、もともと勝つつもりであったわけですから、予算化をされていないと思いますけれども、どのような会計処理をしているのか、その手続についてお伺いをしたいと思います。
○安藤資産税部長 過納金相当分等約二億四千五百万円につきましては、主税局内予算の過誤納還付金の償還金利子及び割引料により支出しております。残りの弁護士費用の約一千九百万につきましては、他の予算を流用して、補償補填及び賠償金により支出したものでございます。
○酒井委員 その会計処理上の方法が正しいか、正しくないのかというのはちょっと今直ちに判断できませんけれども、本来これは過誤納還付金で返していれば、それは東京都の制度上、返還をしたということになるわけですけれども、これ裁判やって負けているんですから、損害賠償金という形で払うべきものを過誤納還付金という形で払うというのは、本来の取り扱いとは若干違うんじゃないのかなという感想だけは申し上げさせていただきたいと思います。
若干戻りますけれども、先ほどの答弁の中で、教訓を今後の事務運営に生かしていくことにより、納税者への責任を果たしていくとしておりましたが、今後この教訓を具体的にどのように生かしていくのか、お伺いをいたします。
○安藤資産税部長 繰り返しになりますが、新築時の家屋の評価につきましては、所有者の方よりお借りした建築資料などに基づいて評価計算を行うとともに、原則、所有者の方など立ち会いのもとで現地確認を行い、建物の用途を初めとした評価内容を確認しております。
今後も、この家屋新築時の調査結果の記録と評価資料の保存を徹底することで、適切な評価、課税に努めてまいります。
また、本判決を含め、税務に関する訴訟の判例などについて、他都市との情報交換や判例などを活用した研修などにより、税務事務のさらなる充実を図ってまいります。
○酒井委員 何かお話聞いていてもぴんとこないんですよね。どういうふうに変わるのか。そもそもこの固定資産税の課税通知書自体、面積と課税標準額、税額等が記載されているだけで、非常にわかりにくいために、課税をされた納税者は自身の固定資産をどのように評価されているのか把握できないことに、これらの問題は起因をしているのでしょうと思います。早く把握ができれば納税者も早くその違いといったものを指摘をして、是正をしてくださいというお願いをすれば、還付加算金を何年にもわたって払う必要はなくなるんです。
ですから、これは何度となく指摘をしておりますけれども、この固定資産税というのは、賦課税ではなく申告税であるならば、課税庁のミスは起こりにくくなります。これは申告税ではなく賦課税であるわけですから、その部分については、課税をする側として丁寧な説明をしていただきたいというふうに思っております。
今後の対応として、せめて、課税通知書の抜本的な改善を行っていただきたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
○安藤資産税部長 納税通知書及び課税明細書につきましては、それらに記載すべき事項が、地方税法で定められておりまして、それ以外の課税内容の説明につきましては、紙面、送料の制約がある中で、納税者のご意見も参考にさせていただき、適時見直しを図ってきております。
具体的に申し上げますと、納税いただく納付書の期別の表示を大きくカラーで表示することにより、コンビニエンスストアなどでの誤納付の防止や課税明細書の摘要欄のコメント表示の充実や変更、印字する優先順位などの見直しにも努めてきております。
さらに、納税通知書に同封させていただいているチラシにつきましては、都が進める独自の減免制度などを掲載し、納税者に、より多くの情報を提供させていただいております。
○酒井委員 今の答弁の中では、固定資産税の課税において自分の固定資産がどのように評価されるのかわかりやすくする対応として、唯一評価ができるのは、備考欄のコメントの表示の充実、変更であると思います。
その他述べられました、例えば、納付書の期別の表示をカラーで表示をするといったことなどは、これはちゃんと見れば納税者がわかる情報、これはサービスをした方がいいわけですけれども、こういった見ればわかることの丁寧さだけではなくて、その課税通知書を見ても、一体全体自分の固定資産がどういうふうに課税をされているのか全くわからない、そういった状況といったものを少しでも改善をしていくことが抜本的な改善につながるのではないかと思います。
この問題については、当然、紙面や送料の制約がありますけれども、今の答弁を聞くと、やっています、やっていますといっているだけで、二億円を超える損害を出さなくてもよいようなシステムに変えていくべきであると思いますし、私が伺っているのは、そういった抜本的な改善をする考えがないのかと聞いているので、このような答弁では、先ほど来何度も、何回もおっしゃっている都民の信頼に応える適正かつ公平な課税に努めていくことはできないと思います。
今回のことを教訓とした抜本的な改革についてお伺いをいたします。
○安藤資産税部長 ご質問いただいた事項につきましては、繰り返しになりますが、納税通知書などは記載事項が法定されておりまして、当然制約がございます。その中で、倉庫につきましては、課税明細書の摘要欄に、種類を表示させていただくことで改善を図っております。
納税者がご自身の資産の評価について確認する方法としましては、毎年四月から始まる縦覧や名寄せ帳の発行など、いち早く課税内容について知りたいという納税者の便宜を図っております。六月には、説明チラシを同封した納税通知書と課税明細書をお送りし、課税内容に関する情報を提供させていただいております。納税通知書送付後のお問い合わせにつきましては、都税事務所全体で体制を組み、親切丁寧な説明を行い、ご質問の多い事項につきましては、主税局ホームページに詳細な解説を掲載させていただいております。
また、都税事務所では、評価課税資料を整備保管し、納税者に詳細な評価内容の説明をさせていただくとともに、必要に応じて資料を交付させていただいております。
さらに、納税者からの疑義の申し出に速やかに対応させていただくため、評価内容を再検証する都独自の再調査制度を活用し、納税者の信頼確保に努めております。
今後とも、地方税法や固定資産評価基準にのっとり、評価課税資料の充実を図るとともに、適正な課税と納税者の信頼確保に努めてまいります。さらに、固定資産税に対する信頼を高めるため、納税者にとって簡素でわかりやすい制度へと見直していくよう国への要望を続けてまいります。
○酒井委員 これで最後にしますけど、今の答弁を聞いていても、今回の事例を契機として抜本的な改革を行っていくような姿勢は感じられません、残念ですけれども。
先ほど税法に基づいてとおっしゃっておりましたけれども、私は何も、税法に定められている絶対的記載事項を変えろといっているわけではないんです。この絶対的な記載事項に追加をして、例えば、複合構造家屋であれば、SRCだとか、RCだとか、S造だとかといった、そういった構造別にどのような内訳で課税をしているのかとか、あるいは複合用途であれば、当該対象の家屋の用途をどのように認定をしているのか、わかりやすく記載をしてあげた方がよいのではないかということを申し上げております。
主税局の姿勢は、わからなかったら聞きに来れば教えてあげるというものであり、以前捨ててしまった書類をちゃんと保管をするようになったのは評価ができるわけですけれども、納税者がわざわざ聞きに来なくてもわかるような、あるいは評価の問題がないかどうか判断をして、相談に来られるような情報がしっかりと提供される明細書をつくった方が、多少お金がかかっても、損害賠償金や還付加算金を払うよりは建設的な対応であるということを申し上げております。
最後にお伺いをいたしますけれども、本日のこの答弁を聞いていて、すごく気になるのは、何度もいっているように、今回の訴訟で負けたことについて、皆さんは残念かもしれませんけれども、痛くもかゆくもないんです。原告の皆さんは、誤った課税をされ、しかも裁判までしなければならなくなった点では迷惑をこうむっておりますけれども、その被害は裁判によって救済をされております。
しかし、一般納税者は自分たちのあずかり知らないところで、自分たちの納めた税金が浪費をされており、この被害は何ら救済をされておりません。これにかかわった職員が補填をするわけでもないのであれば、せめて納税者の皆さんに、ごめんなさいということすらできないのでしょうか。こういった、きょうの質疑を通じて、影山主税局長、着任をしたばかりで、過去の経緯はわからないでしょうけれども、局長の感想をお伺いをして質疑を終わりにしたいと思います。
以上です。
○影山主税局長 固定資産税の評価、課税に当たりましては、その適正、公正な処理に全力を挙げることはもちろんでございますが、同時に、納税者の皆様への説明責任を果たしていくことが非常に重要であると感じているところでございます。
一方、例えば家屋評価の仕組みは、きょうお話もありました複合構造家屋や複合用途家屋の例でもわかりますように、都民の皆様には、非常に複雑でわかりにくいものになっております。これは現在の建築技術の向上により、さまざまな構造や用途の建物が建築されておりますが、家屋の評価に当たりまして、その評価に関するさまざまな要素を正確に評価額に反映することが求められているためであると考えております。
また、土地についても、地価の上昇による税負担の急激な上昇を避けるため、さまざまな負担調整措置ですとか、課税標準額の据え置き措置などを設けているところでございます。このような、適正な評価額の算出や納税者の負担緩和のために、固定資産税制がかなり複雑になっていることは、やむを得ない側面もあると思います。
こうした複雑な制度を納税者にわかりやすく説明を行うこと、簡にして要を得た説明をするということは、実はなかなか非常に困難な側面もありますが、納税者の立場に立って、可能な限り平易な表現を使用したり、きめ細かな対応ができるように、引き続き、研究、検討を行っていきたいと思っております。
最後に、主税局職員は、日ごろから、税務職員としての自覚と緊張感を持って職務に当たっておりますが、本日のお話も教訓に、今後とも、税務部門としての責任感と使命感をより一層強く意識して、職務に精励してまいりたいと思っております。
○酒井委員 今、るるおっしゃいましたけど、そういうふうに対応してほしいというのは、それはお願いをします。
ただ、税務職員、一生懸命やっていると思うんですよ。特に、徴収部門の方なんかは、嫌な思いをしながら税金を集めている。同じ局の中で、片方で集めていて、集めた袋の底が破けていて、無駄に浪費をされるということ自体、集めている側からすれば何をやっているんだよという話にもなります。ごめんなさいぐらいないのかというふうにお話をしましたけれども、ごめんなさい、ないんですね。
都民の皆さんは、そういうふうな無駄な、この二億何千万というお金があれば、どれだけの都民の方のサービスに、それを充当することができたのか。それができなかったということに関して、一生懸命やっているのはわかります、一生懸命やっているけれども、今回は間違えてしまったんだから、間違えたときには、子供でも、ごめんなさいっていうと思いますよ。
そういった点について、何ら反省の色を感じられなかったというのは残念でありますけれども、この固定資産税の問題については、簡易な税制にすることが何よりもの解決策であり、その点については、過去の局長も国に対して求めていくということをおっしゃっておりましたが、現行はこの制度であるわけですから、この制度の中で適宜適切、公平、公正な課税に努めていただくことを強く要望し、質問を終わりにします。
以上です。
○西崎委員 私からも、固定資産税関係について伺いたいと思います。
ちょっと初歩的な質問になりますけれども、主税局の事務事業概要によりますと、都税収入が、平成二十五年度、一般会計当初予算の歳入に占める割合は六八・三%、額にして四兆二千八百四億円となっており、大きな割合を占めております。
そして、都税収入の内訳を見ますと、固定資産税が一兆一千百四十八億円、固定資産税と同時に課税される都市計画税は二千百七十五億円、合計で一兆三千三百二十三億円、三一・一%となっております。
そこで、最初にお聞きいたしますが、固定資産税、都市計画税の課税対象資産はどのようなものなのか、また、税収においてどのような特徴があるのか伺います。
○安藤資産税部長 固定資産税の課税対象は、土地、家屋、償却資産で、都市計画税は土地と家屋が対象になり、毎年一月一日に固定資産課税台帳等に登録されている方が納税義務者となります。いずれも市町村税ですが、東京都二十三区におきましては、地方税法の特例により、都税として課税しており、毎年六月一日に納税通知書をお送りしております。
また、固定資産税、都市計画税の税収の特徴といたしましては、不動産の保有に対して課税することから景気に左右されにくく、毎年度、安定的な都税収入となっております。
○西崎委員 今お話にありましたように、景気に左右されない安定した都税収入であるということですけれども、課税される対象資産の規模についてお聞かせください。
○安藤資産税部長 今年度、平成二十五年度の固定資産税、都市計画税の調定実績を六月の定期課税の実績で見ますと、合計で一兆三千二百四十二億円となり、対前年度百四十二億円の増収、納税義務者数は二百九十六万人で、前年度より四万人増加しております。
この課税資産の内訳ですが、土地が二百二十万筆、調定額として七千五十五億円、家屋が三百万戸、調定額として四千九百七億円となっており、土地及び家屋以外の事業用の構築物、機械、備品等の償却資産につきましては一千五百二十万行、同じく千二百八十億円となっております。
○西崎委員 今の課税資産の内訳を見ますと、土地の部分が七千五十五億円ということで、大変大きな金額になっておりますけれども、きょうも出ておりますけれども、この固定資産税の課税対象となっている土地に関して、自治体では、政策目的で優遇策をとっている場合があります。
例えば、私の地元世田谷では、民有地の屋敷林を保全するために、世田谷トラスト協会を緑地管理機構に指定しまして、行政にかわって土地所有者と契約を結び、地域の憩いの場を提供するため一般公開を行っております。これは都市の緑地を保全することを目的とした都市緑地法に基づいた市民緑地制度ですが、この土地についての都の固定資産税における取り扱いはどのようになっているのか伺います。
○安藤資産税部長 市民緑地制度は、平成七年に創設され、都市緑地法に基づき、土地所有者と地方公共団体等が契約を締結し、緑地や緑化施設を公開する制度でございます。
このような土地に対する固定資産税等の取り扱いでございますが、緑地等を地方公共団体が無償で借り受け、維持管理し、広く公開している場合には非課税となりますが、地方公共団体以外の場合には非課税となりません。
また、お話しいただいたように、緑地整備管理に対して一定の能力を有する者として指定された緑地管理機構等が所有者との契約に基づき維持管理している場合には、当該緑地が保存樹林地として区の指定を受け、地域に無料で開放しているなどの要件を満たせば、特定保存樹林地として、都独自の減免制度の対象となり、固定資産税等が全額減免とされます。
なお、当該減免制度は、昭和六十一年度より、二十三区内の緑の保全及び緑化の推進を図ることを目的として都が創設したものでございます。
○西崎委員 都市における緑の保全は大変重要でありまして、民有地においては、固定資産税などの税金が重い負担となって手放す人もいる中で、このような特定保存樹林地減免制度などの優遇措置は意義があると考えます。
緑地の保全に限らず、政策実現を誘導するインセンティブとして固定資産税の減免が使えると思います。きょうも、この委員会でお話が幾つか出ておりましたけれども、東京都は「十年後の東京」が目指す災害に強い東京を実現するため、旧耐震基準に基づき建築された住宅の建てかえ及び耐震改修で一定の要件を満たすものについて、固定資産税及び都市計画税を最長で三年間減免している、など行っております。
今、空き家対策が地域では問題になっておりますけれども、こういった空き家対策を促していくためにも、ぜひ今後、固定資産税などの減免などを検討していただくことを要望しておきます。
次に、税金の納付方法について伺いたいと思います。
都民の生活が多様化する中で、納税者の利便性の向上と自主納税の一層の促進を図るために、税金の納付方法については、さまざまな方法がこれまでもとられてきたと思います。
そこで時代のニーズに合わせて、税金の収納方法の多様化にどう取り組まれてきたのか伺います。
○西海徴収部長 収納方法の多様化は、納税者の皆様方の利便性向上に加えまして、納期内納税の促進にも大きな効果があるものと考えております。従来の納付方法は、金融機関での窓口と口座振替でございましたけれども、東京都が、地方自治法施行令の改正を働きかけた結果、平成十六年度には、全国で初となるコンビニエンスストアでの収納を開始することができました。
その後、平成十八年度からは、パソコン、携帯電話、ATMを利用した、いわゆるマルチペイメントネットワーク収納を、また、平成二十一年度からは、eLTAXを利用した電子納税をそれぞれ実施しております。
これによりまして、コンビニ収納と合わせまして、二十四時間三百六十五日、どこでも税金の納付が可能となりました。
加えまして、平成二十三年度からは、自動車税のクレジットカード収納を実施いたしまして、手元に現金がなくても納付が可能となるなど、納税しやすい環境を整備しております。
○西崎委員 納税者の利便性向上のために、いろいろな収納方法、多様化に取り組んでこられたことはよくわかりました。しかし、固定資産税など分割で納付する場合など、ついうっかり忘れてしまうということもあり、納期を忘れて滞納になってしまった納税者もいると思います。ある自治体では、こうした納税者に対して、民間のオペレーターが納付の依頼などを行って効果を上げていると聞いています。
そこでお伺いしますが、都でも、同業の業務を民間で実施していると聞いていますが、その内容と意義についてお聞かせください。
○西海徴収部長 ご指摘のとおり、滞納の中には、納期限を失念し、未納となっているケースも少なからずございます。このような方々に対して、効率的に納付を促すために、東京都では、民間のオペレーターの電話による納付の確認や自主的な納付の呼びかけ、これを納税慫慂業務と称しておりますけれども、これを平成二十年度に開始いたしました。
民間委託による納税慫慂業務は、徴収部納税推進課が所管しており、その対象でございますが、滞納発生からおよそ二カ月間、金額は五十万円未満のもの、税目といたしましては、滞納の多くを占める固定資産税、都市計画税を中心として行っておりまして、平成二十四年度は、およそ二十四万件実施してございます。
平成十九年度までは、この業務は、都税事務所の職員が行っておりましたけれども、民間委託したことによりまして、職員は、これまで以上に個々の滞納者の事情を綿密に把握することが可能になりました。結果として、多様できめ細やかな滞納整理の実現に寄与していると考えております。
○西崎委員 今のお話ですと、納付の依頼等の業務を民間に委託することによって、都税事務所の職員は、煩雑であったのを、多様できめ細やかな滞納整理の実現に寄与しているということですけれども、お話を聞きますと、電話でのオペレーターの対応はとてもソフトで、職員が対応するより感じがいいというお話も伺いました。
私も、都税事務所の窓口に何度かお尋ねしたことがあるんですけれども、先ほど、酒井理事からもお話ございましたが、何か手紙一本で、都税事務所に来いというようなことを、私も一回来たことがあるんですけど、別に悪いことをしていたわけじゃなくて、電話で聞けばわかるようなことをわざわざ事務所にまで行って確認されたことに対して、大変、すごい腹立ったことがありますが、接遇などの研修も行っているようですけれども、ぜひ、窓口に来た対応は上から目線で話をするんではなくて、心配りをしてもらうというようなことも、ぜひ行っていただくことを要望して、一般の納税者に対する対応をしっかりと行っていただくことを要望して質問を終わります。
○大津委員 税金は、わかりにくく難しいために、都民から税金についての相談が多く寄せられました。その中でもとりわけ遺産相続や固定資産税が払えずに移転せざるを得ないケース、また遺産相続でも、兄弟間の分割のために家を売却しなくてはならない、渋谷を離れなくてはならない、その中でもさらに、この数年多いのが遺産相続の相続争いでもめている相談です。そこへ来て、この夏からは、相続税が法律で平成二十七年の一月一日からさらに上がることへの問い合わせが入ってくるようになりました。
まず、平成二十五年度の税制改正における相続税の課税強化ですが、こうした課税は、都民の暮らしや地域の活力等に大きな影響を及ぼすものと受けとめておりますので、この観点から質問をしたいと思います。概要を伺います。
○加藤税制部長 平成二十五年度税制改正におきましては、相続税について、再分配機能の回復を図るという観点から、委員ご指摘のように、平成二十七年一月一日以降の相続、遺贈を対象といたしまして、基礎控除の引き下げ及び税率構造の見直しが行われております。
基礎控除につきましては、従前は、五千万円に法定相続人一人当たり一千万円を加えた額とされておりますが、これが改正後は、三千万円に一人六百万円を加えた額に縮減をされます。また、法定相続人の法定相続分相当額のうち六億円を超える部分に適用される最高税率が、現在の五〇%から五五%へ引き上げられるなど、累進性が若干高められております。
○大津委員 最高税率の引き上げは、法定相続分相当額が六億円超の場合が対象とされるということです。二十五年度改正では、所得税の最高税率も引き上げられていますが、これも課税所得四千万円以上の層が対象とされています。
しかしながら、基礎控除の引き下げ、五千万円から三千万円、法定相続人一人当たり、一千万円が六百万円という基礎控除の引き下げについては、これにより、かなり多くの幅広い都民に影響が及ぶのではないかと思います。ややわかりにくいので、やはり一番相談も多いケースでちょっと具体的にお尋ねをします。
具体的なケースを想定して、税負担の変化をお尋ねします。渋谷区、原宿や表参道周辺ですけれども、神宮前に百平米の土地、戸建て住宅を持つ親子三人家族で、いずれかの親が亡くなったケースでは、相続税の負担はどう変わっていきますでしょうか。
○加藤税制部長 相続税の個別のケースの試算でございます。ご指定の渋谷区神宮前ということで、表参道のやや北、ちょっと、どこにするかというのはあったのですけれども、神宮前四丁目付近、これは神宮前小学校の北の住宅街でございます。このあたりはほぼ路線価、一平方メートル当たり百万円前後でございます。そこの一つ、一平方メートル当たり百十五万円の土地を前提としてちょっと算定をいたしました。百平方メートルでございますので、土地の価格そのものは、相続税路線価で一億一千五百万となります。通常、このぐらいの資産をお持ちの方は、住宅それから金融資産等もお持ちでございますので、仮定を置きまして、およそ三千五百万程度、合計一億五千万という前提で算定をいたしました。
土地につきましては、相続人が同居しておりますと、八割を軽減するという小規模宅地の特例がございますので、課税価格は二千三百万円になるかと思います。そういたしますと、住宅、金融資産等と合わせまして、課税価格が五千八百万円というのが今回のモデルケースでございます。
従来の基礎控除でございますと、相続人が二名でございますので、七千万円ということで、相続税額は発生をいたしません。仮に、改正後で試算をいたしますと、七千万円が四千二百万円に引き下げられますので、これを超える部分につきまして相続税が課されます。
今回の場合、配偶者控除というのがございますので、実質的には配偶者の方は納付税額が、恐らくなくなるのだろうということで算定をいたしますと、発生する税額は八十万円でございます。
○大津委員 個別の相続のレベルでお尋ねをし、例えば、渋谷区神宮前では、土地のほか資産三千五百万程度でも、新たに課税になるケースがあることがわかりました。
質問は、配偶者を含む相続の場合であり、配偶者に対する税額の軽減を受けて負担が小さくなっておりますが、配偶者から子供への二次相続のケースでは、税負担はさらに大きくなっています。
続いて、もう少し大きな視点で影響をお伺いしたいのですが、基礎控除の引き下げによる影響を東京都はどのように見込んでいらっしゃいますか。国土交通省が発表した基準地価によれば、東京圏では地価が反転をしています。基礎控除の引き下げに、この地価動向もあり、相続税の課税対象は大幅に増加するのではないかと考えますが、所見をお伺いします。
○加藤税制部長 相続税は、国税でございまして、東京都でなかなか計算をしにくいわけでございますが、税制調査会に提出をされました財務省の試算によりますと、基礎控除の引き下げによりまして発生した相続のうち、実際に相続税が課税される件数の割合は、全国で四%台から六%台へ高まるものというふうに見込まれております。
なお、都の区域におきます課税割合につきましては、平成二十二年度において約九%というふうに国税庁が発表しております。
相続税の課税価格のおよそ半分は土地が対象でございますが、委員ご指摘のように、東京圏の基準地価が五年ぶりに上昇に転じておりまして、仮にこうした流れが続いた場合には、課税対象となる割合が高まることも考えられます。
○大津委員 全国における課税割合ではプラス二%で、一・五倍になるとのことでした。ご答弁の中にあった、全国に比べると、都における課税割合は、何と二倍以上になることになります。これは、地価が高いことが大きな原因ではないかと思います。
基礎控除の引き下げは、新たに相続税の課税対象となる場合だけでなく、従前から課税対象であった場合も納税額が増加することになり、やはり影響は及んでまいります。
十月末公表、都の人口推計は、都の人口は二〇二〇年をピークに減少に転じるとされています。二〇六〇年には、二〇一〇年に比べ約二割、約三百万人の人口減を見込んでいます。
都内人口動向については、千代田、中央、港の都心三区では、都市開発等もあるためか、人口が一・六倍にこの十年間でふえてきていますが、それ以外の二十三区は、おおむね約一・一倍の増加率でもありました。相続税の課税強化が影響し、各区の中心部から人がいなくなることも想定の中の一つに入れたいと思います。
そこで質問ですが、今後の東京のまちづくりを考える上において、住民の転出や人口減等の影響を最小限に食いとめることも肝要です。地域の中心から地元を支える方たちがいなくなると、空き家対策、未利用地の問題も生じてまいります。この点、対策をどう考えるかでもあります。このあたりの対策のご見解を伺います。
○加藤税制部長 相続税が原因で、空き家、未利用地がふえるかどうかというところはいろいろあるかと思いますが、現実に各地で空き家や未利用地が問題となっていることも事実でございます。
こうした防犯防災を含めたまちづくりの課題でございますが、主税局としてなかなか責任を持ってお答えできる立場にない点はちょっとご理解いただきたいと思いますが、例えば、二十三区に目を向けますと、足立区におきましては、既に条例を設けておりまして、危険な老朽家屋を認定し、指導勧告する制度を実施しております。また、その他の区におきましても、木密不燃化対策、あるいは耐震対策の中で、空き家対策を今検討しているというふうに伺っております。
都におきましても、今回設けました不燃化特区制度におきまして、老朽住宅を除却する場合に、特区の特別な支援策として助成制度を設けているとともに、主税局といたしましても、土地に係る固定資産税、都市計画税の軽減を実施をするところでございます。
○大津委員 主税局の立場の中での課題に対応していこうということで受けとめさせていただきました。
私が特に懸念しているのは、都市力でもあります。まちの中でも、町民運動会、盆踊り、祭り、そして防災訓練、スポーツ大会とさまざま活発に行われていますけれども、こうした税金の関係から顔ぶれが変わり、まちの中の家が一つ一つ歯抜けになり、全体的にはまちの都市力として、防犯、防災力、地域の底力が次第に弱まっていくところにあります。かわりに入ってくるのは、少し地元から距離を置いた企業や事業者やそういう形になりつつもあります。
こういった現象を思い起こせば、バブルの時代にもこうしたことが起きてきました。地価の高い東京では、相続税だけでなく固定資産税も税負担が過重となり、住み続けることも、事業を続けることも、他の地域に比べ厳しい現実が東京にはありました。
都としてのまちづくりの中で、固定資産税や相続税の負担をどのようにお考えか、ご見解を教えてください。
○加藤税制部長 ハードのまちづくりだけでなくソフトのまちづくりということを考えた場合に、その地域のコミュニティ力というのが必要であるというふうに考えております。特に、そのためには、地域に長く住み続けていただく、あるいはその事業を続けていただく、こういったことが大切だというふうに考えております。
こうしたことから、都は、地価の高騰が深刻な状況にありました、今ご指摘のあったバブル下の昭和六十三年に、住民の定住確保を図るとともに、居住空間と業務機能の調和のとれたまちづくりを支援するため、小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減を開始いたしました。
また、平成十四年には、地価の上昇下落が著しく固定資産税等の負担感が全国に比べて重くなっておりました商業地等につきまして、厳しい経済状況下にあった中小企業者を支援する観点から、固定資産税及び都市計画税の減免を実施したものでございます。
相続税につきましては、特に、中小企業者の事業承継の円滑化を図るため、税制支援措置の拡充を、これは所管は産業労働局でございますけれども、国に提案要求をしてまいりました。平成二十五年度税制改正におきましては、こういった都の要望あるいは議員の皆様の働きかけもございまして、小規模宅地等に係る課税価格の減額措置の対象面積が拡大されたところでございます。
○大津委員 都民の定住確保、中小事業者の事業の継続等まちづくりを意識した施策が実施をされてきたというところでした。さらに大きく都市の経営の視点からも考えますと、地方では過疎化が進んでいますが、東京都においても、ニュータウンのように、高齢化によっておのずと過疎化が始まってきているまちもあります。水道、下水道、道路等人口減により、使わないけれども税金を投入して維持していく都市インフラも生じてまいります。
今後の人口動向を早目早目にあらゆる想定をし、見通し、分析をし、そして都市経営の視点を持って行政運営に当たることが重要です。人口の増減の中でも、生産年齢人口や高齢人口等の人口構成も見通し、まちづくり、税制等をどう考えるべきなのかのご見解を伺います。
○加藤税制部長 現在の出生率等を勘案いたしますと、将来的な人口の減少、人口構成の変化というのは、都においても避けられない見込みと思っております。
ただ、税収の大きさ、どのくらい都税収入が入るかと、ちょっと狭い観点になりますけれども、こういったものにつきましては、人口の変化というよりも、むしろ景気動向であるとか、その時々の経済情勢が大きく影響するものと思っております。
しかしながら、人口動態を踏まえた上でのまちづくり、あるいは今申し上げました税収、あるいは税制を考える上で欠かせない経済成長、あるいは産業の活性化、こういった問題につきましては、幅広い視点からの施策の組み合わせで対応することが必要でございます。
こうした中で、税制につきましても、社会経済の変化に対応し、あるいは社会の変化を促すような工夫が求められているというふうに考えております。
○大津委員 ここまでは、税制が社会に与える影響や社会状況に応じた税制のあり方について質問をしてまいりました。
主税局の重要な役割は二つあると思います。一つは、正確な、間違いのない税収確保、そしてもう一つは、都民の生活やまちの状況等、世を見て税制を考え、社会への影響に思いをはせながら、税を活用して社会の課題を解決をしていく力、姿勢であると思います。
主税局には、税制という有力な牽引力を持った事業局、政策局であってほしいと願っています。
最後に、主税局の果たすべき役割についてどう考えているのか、影山局長の所見をお伺いします。
○影山主税局長 主税局は、歳入所管局として、都の施策を支える税収を確保することが、まず第一義的な使命であると考えております。同時に、政策課題の解決を税制面から支援することも重要な役割と認識しております。
具体的には、これまでの質疑でもありましたように、都民の定住確保や、中小企業の支援を図るため、固定資産税等の軽減を実施してきているところでございます。
また、都市の防災性を高めるため、耐火あるいは耐震住宅への建てかえ等を促す税制も実施してきているところでございます。
こうした政策税制は、施策の重要性や緊急性、実施による効果や税収への影響等を総合的に勘案する必要がございます。今後とも、社会経済情勢の変化に応じて税制がどうあるべきかについて、積極的に検討してまいります。
○曽根委員 最後の質問となりますので、てきぱきやりたいと思います。
私の方からは二つテーマがありまして、最初の方で、この間の税制の動き、大きな流れの中で、最近、都の税制調査会も開かれて、私も委員ですので参加しましたが、その中で出ている論点について、私たちが納得し共感もできるものと、また、到底納得できないものとそれぞれありますので、幾つか聞いていきたいと。
もう一つは、都民税、区民税などの徴収にかかわって都民の方から出ている大変悲痛な叫びといいますか、徴収の厳しさについての相談が幾つか来ておりますので、それについての質問をしたいと思います。
第一に、先ほども消費税の影響についての質問がありました。資料もいただいておりますので、金額がここに出ていますが、私、いつも疑問なのは、地方消費税で繰り入れられますので、消費税率が上がれば、その分、現在の消費税の税収を前提とすれば計算で出てきますね、増収分が、それがこの金額だと思います。一方で、過去の消費税導入から二回にわたる増税の中で、税収全体の落ち込みというのは必ず起きているわけで、それについての影響というものも、主税局のさまざまな税収の、この間の実績の積み上げの中で予測はできるじゃないかというふうに思うんですが、いつも増収の影響だけが出てくるということで、増収、減収それぞれについての判断というのはないのかどうか、お聞きます。
○加藤税制部長 税制改正の影響額につきましては、いろいろな場面で、どういった使い方をするかによって計算の仕方が異なってくるかと思います。現時点におきましては、消費税率が幾らに上がった場合に、どのくらいかという試算はしておりますけれども、具体的にそれによって、経済にどういう影響を与えるかといったことまでは、なかなか具体的な数字をつくりにくい状況にございます。その点はご理解いただきたいと思います。
また、減収要因等についても、いろいろあるかとは思いますけれども、これも確たる数字がまだ出ているわけではございませんので、なかなかそういったものを勘案した数値を公表するというのは難しいところでございます。
○曽根委員 増収の方は、計算しやすいので、確実な金額として出てしまうので、消費税の税率アップは、都税の増収につながるといった資料は出やすいんです。
しかし、リーマンショックの直後にあったように、物すごい法人税関係の落ち込みなどが一旦起こりますと、その後は、なかなか伸びないというのは、誰が見てもわかるわけですよね。現在も、法人税の税収は、大体リーマンショック直後の、大きなその域を出ていないという状況が現在まで続くと。こうした大きな深刻な影響が、今回も出るのではないかということでの問題提起は、しておきたいと思います。
それから、この間の税制調査会で注目すべき幾つかの動きがあった、その一つは、先ほどお話のあった国税の、さらなる法人二税の国税化という動きが来たということに対しては、私たち日本共産党都議団としても、全力で、都政とともに、これをはね返すために闘うということは表明しておきたいと思いますが、同時に、この中で、地方税として法人税が果たしている役割は定着して、確かなものなんだということをちゃんとした方がいいという議論がありました。これは大変重要な議論だと思います。
その点では、私、法人税も、事業税、住民税ともに、その法人、企業が、都内で活動することによる必要な公共サービスを提供している自治体の負担、これを正当に反映すべきだという議論は当然だと思うし、その点でいえば、もうちょっと、法人にも負担を求めていいんじゃないかという議論が、この間の税調の中でも少し出ましたので、この点について、それならば現行の制度でも方法があるじゃないかと前々からいっておりますが、法人事業税の、何ていうんですか、超過課税の割合については、国の法で定められたものの、まだ一部しか実施されていないと。この点については改めて、税調での法人税の応分の負担を求めるという考え方に立って検討すべき時期ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤税制部長 法人事業税の超過課税につきましては、地方の課税自主権に基づきまして標準税率の一・二倍までの範囲で条例で独自に定めることができるとされております。
都におきましては、大都市特有の財政需要に対応するため、資本金等の額が一億円を超える法人に対して、地方法人特別税導入前の標準税率の一・〇五倍相当と同様の負担となるよう税率を定め、企業に特別の負担をお願いしているところでございます。
超過税率の引き上げにつきましては、法人の国際競争力の観点や、現在の我が国の経済情勢等を踏まえると適当ではないと考えております。
○曽根委員 法人の負担している法人二税については、東京都にとっても大事な税源ですので、今後も議論はいろいろあると思いますが、法人が、それぞれの企業が都内で活動する上での公共サービスはどの程度のコストなのかということについては、さらに議論を進めていきたいと思います。
それともう一つは、かつて私、六、七年前に、やはり財政委員であり税調の委員だったときに、国との財源の移譲の関係もあって、住民税の税率が一三%、一〇%、五%の三段階から一〇%にフラットになりました。このことについては、この間の税調で、一三%から一〇%に下げたにもかかわらず、税が軽くなって助かったという意見はほとんどないと、これは見直してもいいんじゃないかという意見まで出ました。
私ども、日本共産党としては、やはり税率の累進制は、地方税といえども必要ではないかという、それは当然所得の再配分という機能を持っていると、持つべきだという点から、かねてから主張しておりますが、この点について、都の方としてはどういう検討をしているのか、お聞きします。
○加藤税制部長 個人住民税は、住民が地域社会のいわば会費のようなものとして経費を分担すべきという考え方に基づく税でございます。
理事ご指摘のように、平成十九年、所得税から個人住民税へ税源移譲が行われたわけですが、その際には、個人住民税所得割は、応益的な性格をより明確にするとともに、地域間の税収偏在を縮小するという観点から、一律一〇%の比例税率とされました。自治体が、超過課税を行う場合においても、一の税率によるものというふうに、法にも明確に規定されたところでございます。一方、所得税につきましては、所得再分配機能を発揮するよう、従前と同様累進的な税率構造とされております。
こうした改正の経緯等を踏まえますと、個人の所得に対する税負担のあり方につきましては、単に住民税を累進化するということではなく、個人所得課税全体の中で検討すべきものと考えております。
○曽根委員 所得課税全体といえば、国税の所得課税は、確かに前回は累進性を高めることになりました。しかし、我が東京都として、確実に今後も都民の必要なサービスを確保していくための税収を確保していこうと。今は消費税が安定財源であるということで、それに求めていて、地方消費税を充実させると、世代間の格差が縮まるとか、税の伸長性が確保できるとか、安定財源かのようにいわれていますけれども、消費税がこれから安定に伸びていくとは到底考えられない事態を、私たちはやはり危惧しているわけです。
そういう点では、所得の再配分機能というのが、改めて、私たちの東京都を支える財源としての住民税にも必要なときが来るという点では、検討をしていくべきだということを申し上げておきたいと思います。
時間の関係で次に行きますが、徴収のことなんですが、これも、かつて私、この財政委員会で、徴税に当たっての現場の職員の方が、どういう心得や、また、納税者の対応をするのかということで、研修で使われているという資料を入手して質問したことがあります。多分、六年か七年前だと思います。
そのときにいただいた資料で、最近はどういうものを使っているのかということをお聞きしたら、これ、主税局からいただきましたが、全く同じ内容でした。ということは、これは相当定番として定着しているなというふうに思います。中身も大変よくできています。
納税者、特に滞納者に対して、幾つかのタイプに、是非はともかく、タイプ別に分けて、例えば、根拠追求型、要するに税金は高過ぎるじゃないかと何で払わなきゃいけないんだというような疑問に対してどう答えるか。それも、憲法や地方税法を根拠として、後ろに書いて、それを示すことや、それから、甘え型といって、前の担当者は優しかったのに、あなたは鬼だというような人に対してはどう切り返すのかと、幾つかまだありますが、やめておきましょう。そういう幾つかの、居直ったり、高圧的に出たりということに対して的確に、そしてまた、ちゃんと納税してもらうという立場で的確に答えるというマニュアルは、私はあっていいと思います。
ただ、これの前提としては、その人が、本当に税金が払いたくても払えないところまで追い詰められている人なのか、それとも、払えるのにごまかしているのかと、この見きわめが決定的だということで、これはいわずもがななのですが、このマニュアルについて、今どういう形で活用されているのかをお聞きしたいと思います。
○藤井特別滞納整理担当部長 理事お尋ねの件ですが、マニュアルとして、納税交渉とそのポイントは、滞納者とのやりとりを類型化するとともに、その対応を整理したものであり、区市町村職員の研修のための教材として活用しているものであります。
○曽根委員 区市町村の職員を対象に使っているものということで、私は北区ですが、これは区の方でも活用されているということになりますよね。区の窓口に行きますと、区民税の滞納の問題を抱えている方は大抵ほかの公租公課についても滞納があります。国保料、それから年金の掛金など、大体たまっているわけです。
どれぐらいたまるのかというと、大体、商店街なんかで自営業やっていて、子供さん二人いる四人家族なんかだって、大体年収は二百五十万前後なんですね。ところがそこにかかってくるのは、年金の掛金が、ご夫婦ですと年間三十六万、国保料は今ちょっと、家族がいる方の方が上がっちゃっていますので、大抵十八万ぐらい国保料がかかってきますよね。それらを足し合わせると、区民税や都民税そのものは、額はそれほどでなくても、全部足すと大体二百五十万の年収の方が、年額六十万円ぐらいの、それ以上の公租公課を納めなきゃならないのです。月二十万そこそこの収入の方が、三月分取られるんですね。
どれかがたまってくるということで、区の方は大体、徴収、どこの窓口も対応は同じになりますので、それで問題が起きてくると。これはもう決まった制度なんだから仕方がないんだといえばそれまでですけれども、しかし税制度というのは、時には、正直者がばかを見るようなことがないようにしたいのだけれども、正直者に過大な税金がかかってくるというのは、今東京都自身が国から税金を持っていかれて、苦渋の思いをしていることを見てもわかるように、必ずしも、いつでも公平かというとそうではないと。そういうときに、その人の生活の最小限の維持ができるようにしなければ、元も子もなくなってしまうんじゃないかと。
そこで、このマニュアルの最初に書いてあることが大事だと思います。聞き上手は話し上手、相手の話をきちんと聞いてあげる、納付できない根拠となる資料は滞納者から提出させる、納付しない人か、納付できない人かを見きわめる、弱い者いじめはしないというふうに書かれています。
こう書かれていて、ここの見きわめがしっかりやられているということが大事だと思うんですが、しかし実際、北区では、年金や福祉の手当が振り込まれたそばから、口座に入れば資産だということで、残額ゼロになるまで差し押さえで引き上げられてしまう例がやっぱりあるんですね。そうすると生活もうできなくなると、これは幾ら何でも弱い者いじめじゃないかというふうに私は思うんですが。そういう点は、都税の徴収ではないと思いますけれども、どうなのかということと、区段階でそういったことが行われている場合、是正措置が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○西海徴収部長 --(三百四十字削除)--年金手当についてのご質問、国税徴収法の第七十六条及び第七十七条では、給料や年金などの差し押さえ禁止の範囲を定めております。一方で、預金ですけれども、国税徴収法基本通達によりますと、給与や年金とは別個の債権とされておりまして、差し押さえの対象財産となります。
したがいまして、給与、年金の振り込み口座でありましても、預金として口座に現金があれば、差し押さえを行う場合はございます。
なお、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、脱税事件などの一部悪質な事案を除く、ごく一般的な場合の滞納整理の流れで申し上げますと、電話や文書での催告を複数回行ったり、あるいは電話、自宅訪問も行った上で納付を依頼して、それでも納税がない場合に、財産等を調査して、その上で差し押さえを行っております。
○曽根委員 前半のお答えは、私、ちょっと質問したことでないので、何らかの委員長の采配をお願いしたいと思います。
後半のお答えについては、そういうことがちゃんと行われていればいいんですが、東京都が、区市町村の窓口まで全部行って調べるわけではないと、そのことをチェックする仕組みも事実上はないんですね。現場の職員の判断に任されているのです。この人は誠実な人なのか、それともごまかしているのかは、現場の職員の判断一つでやられているというのが私の実感なんです。
これに対しては、不当な税金、いろいろなことと闘える東京都なんかの力あるところはいいですよ。しかし、本当に、高い税金にあえいでいる人たちは、それに文句をいうことすらできないわけですので、それにかわる何らかの、客観的に、この人はもう生活破綻直前だという判断ができるような何らかの基準をつくるべきじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
時間の関係でいろいろ事例はあるんですが、この程度にしておきますが、ぜひよろしくお願いします。
○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時一分散会
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