委員長 | 吉住 健一君 |
副委員長 | 神野 吉弘君 |
副委員長 | たぞえ民夫君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 高木 けい君 |
理事 | 増子 博樹君 |
福士 敬子君 | |
菅 東一君 | |
鈴木 隆道君 | |
興津 秀憲君 | |
長橋 桂一君 | |
今村 るか君 | |
和田 宗春君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 中井 敬三君 |
経理部長 | 櫻井 務君 | |
契約調整担当部長 | 石井 正明君 | |
主計部長 | 武市 敬君 | |
財産運用部長 | 奥田 信之君 | |
利活用調整担当部長 | 岩瀬 和春君 | |
建築保全部長 | 末菅 辰雄君 | |
技術管理担当部長 | 室木 眞則君 | |
庁舎運営担当部長 | 間庭 修君 | |
主税局 | 局長 | 新田 洋平君 |
総務部長 | 田倉 英明君 | |
税制部長 | 宗田 友子君 | |
税制調査担当部長 | 小山 明子君 | |
調整担当部長 | 安藤 敏朗君 | |
課税部長 | 木村 芳生君 | |
資産税部長 | 阿南 威彦君 | |
徴収部長 | 西海 哲洋君 | |
特別滞納整理担当部長 | 藤井 朗君 |
本日の会議に付した事件
主税局関係
事務事業について(質疑)
財務局関係
事務事業について(質疑)
○吉住委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局及び財務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより主税局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○田倉総務部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。
要求資料第1号、資本金区分別法人数及び法人事業税額についてでございます。
この表は、平成十九年度から平成二十三年度までの資本金区分別の法人数及び法人事業税額等をお示ししたものでございます。
次に、二ページの要求資料第2号、税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策について(消費税関係)についてご説明申し上げます。
この表は、税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策のうち、消費税に係る基本的方向性をお示ししたものでございます。
次に、四ページの要求資料第3号、法人事業税の暫定措置に係る国への提案要求及び知事コメント等についてご説明申し上げます。
この表は、法人事業税の暫定措置に係る国への提案要求及び知事コメント等をお示ししたものでございます。
次に、五ページの要求資料第4号、都税の滞納整理における直近三カ年の差押件数についてご説明申し上げます。
この表は、都税の滞納整理における直近三カ年の差押件数をお示ししたものでございます。
要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○吉住委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○神野委員 私からは、主税局の局内通達であります課税事務提要と、あとは固定資産税の評価について若干お伺いをしたいと思います。
昨年私が行った各決の全局質疑を通じまして、主税局の局内の通達でございます課税事務提要が、主税局の課税事務の実施に当たっての重要な手引となっているとの認識を持ったわけでありますけれども、間違いはないでしょうか。
○木村課税部長 課税事務提要でございますが、これは、地方税法等関係法令の解釈や課税事務手続等を定めた一連の通達の内容を体系化したものでございまして、お話のとおり、都税事務所に対する事務処理指針として、適正公平な課税の実現に重要な役割を担っているものというふうに考えております。
○神野委員 そうしますと、すべての税目にわたってこの課税事務提要なる通達が定められているのか、また、局内でどのような手順で定められるのか、お伺いしたいと思います。
○木村課税部長 課税部所管の税目で申し上げますと、法令の規定により取り扱いが明確である税目等を除きまして、課税事務提要として通達の体系化を図っているところでございます。
また、その策定に当たりましては、当該税目を所管する部門が立案いたしまして、東京都事案決定規程に基づき決定しているところでございます。
○神野委員 実務における都税事務所の方とのやりとりの中では、各税目における手続の根拠の説明に当たって、職員の方々が繰り返し事務提要に定めてあるからと、こうおっしゃる場合が、非常にこれまでの経験からいっても多いんですね。つまり、都税事務所の職員の方々の事業の執行に当たっては、この事務提要が一つのマニュアルとなっているという印象を持つわけであります。
マニュアルとして利用されております事務提要でございますから、もしその内容にあいまいな部分があったり、また、事務提要への記載がおくれて、都税事務所間での周知が徹底をされなければ、実際の課税実務においても統一性というものがとれなくなる、こういう懸念が生じてしまうわけです。
そこで、確認の意味で、昨年の質問に引き続いて再度伺いますけれども、個人事業税について伺いたいと思います。
個人事業税においては、いわゆる執筆収入、ものを書いて得る収入に関しては課税対象には入っていません。ただ、例えば税理士さんだとか弁護士さんだとか、そういった方々が本業に関連をしてものを書いて得る執筆収入に関しては、本業に伴う所得とみなして課税対象とするのが原則でございまして、今回、都はこの事務提要を改めてこの原則に戻したわけであります。
事務提要の変更前は、納税者が執筆収入を事業収入に含めて申告した場合でも、わざわざそれを抜き出して課税対象としないという取り扱いをしていた都税事務所もあったわけでありまして、納税者からすると、本来課税対象であるにもかかわらず、都税事務所の方でわざわざ抜いてもらえるわけですから、納税者有利という視点からいえば、納税者からすればいいんですが、ただそれは徴税側からすると、やはり問題がある手続であったんじゃないかというふうに思うわけです。
それが今回原則に戻されて、本業と関連をする所得、執筆収入ならば課税対象とするというふうに事務提要が変更されたんですが、ならば伺います。これまでの事業収入から取り除いてくれるという、そのときの処理というものは事務提要に記載された処理だったのですか。
○木村課税部長 原稿料は、所得税法に基づき雑収入として計上するケースが一般的でございます。雑収入は、個人事業税の課税対象外となることから、当時は事業収入に計上されている場合であっても、個人事業税の対象外収入として課税事務提要に定めておりました。
一方、国税不服審判所におきまして、本来の職務と直接の結びつきが認められる原稿料収入は事業収入に含まれるとの裁決があったため、これを根拠といたしまして、平成二十三年一月に課税事務提要を改正いたしまして、事業収入に計上された原稿料で事業と直接結びつきのあるものは、課税対象として取り扱うというふうにいたしました。
なお、原稿料は通常雑収入として申告されるため、ほとんどの納税者にとっては、改正による影響はないというふうに考えております。
○神野委員 今のご答弁で、改正前の事務提要では、執筆収入と本来の事業との結びつきを問うことなく課税対象から外していた都税事務所があったわけです。
その一方、今回定めた原則に基づく処理をしていた事務所もあったということで、その処理において事務所間でばらつきがあったと。今回、課税事務提要を変更されて、それを統一をされたということなんですけれども、ただ、今おっしゃった国税不服審判所における裁決というのは、たしか平成十五年であったはずです。
つまり、それから八年後、新しい事務提要の改正は平成二十三年ということでありますから、その間も含めて、これまでは都税事務所間での取り扱いに差異が生じていた、こういう可能性があるし、実際、税理士、弁護士さんの中でも、そういった差異を実感をされていた方々がいらっしゃいました。
確かに、対象となる案件は、おっしゃるとおり数は少ない、通常は本業と関係なければ雑収入に含めて申告をするし、本業と関係があると思えば事業収入に含めて申告をする。あくまでも申告書ベースの話ですから、案件は少ないかもしれないんですが、それは数の多寡にかかわらず、課税実務における公平性というものは、何としても守っていただかなければいけないことだと思います。
昨年の質疑で局長も答弁されていましたが、この個人事業税というのは、課税標準のとらえ方が非常に難しいんですね。不動産貸付をやっていらっしゃる方でも、例えば五棟十室基準といいまして、貸家ならば五棟、貸室ならば十室ということで一応基準はあるんですが、例えばそれが、収入が大きい小さい、そういった課税側が判断しなければ、この課税対象に含めるか含めないかという、そういう問題が出てくる部分というものがございます。
個人事業税の実務というのは、あくまでも所得税の申告書をもとに実務を進めていくわけでありますが、都庁としてもそのような判断が介入する場面というものが必ず出てまいります。そういったすべての場面での意思決定、これはどのような流れになっていらっしゃるのか。また、そういった部分で各都税事務所への周知というものは本来どうされていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○木村課税部長 個人事業税の課税に当たりましては、調査等に基づき担当者が審査を行い、その上司である課長の審議を経まして、最終的には課税庁、処分庁である都税事務所長が決定をしているところでございます。課税部は、課税判断の基準として課税事務提要を定めまして、都税事務所に対し周知徹底を図っております。
さらに、重要な事項や改正を行った事項につきましては、事務指導や実務研修を行っているところでございます。
○神野委員 こういった課税の実務においては、判断が分かれる場面というものは多々ございます。特に税務というのは、極めて日ごろの事業活動ですとか、そういったものに密接にかかわっておりますので、その都度、裁量が分かれるケースというものもございます。
ただ、そういったケースであっても、都税事務所の間で、判断ですとか、取り扱い、こういったものが分かれるということは、極力避けていただかなければならないことだと思います。
平成二十年に主税局に対して、包括外部監査が行われました。そこで指摘された事項なんですけれども、その改善に当たっても、過去の例を見てみると、同じように通知が発出をされているんですね。
どういう事例かというと、各都税事務所での、いわゆる自動車税の滞納に伴うタイヤロックの仕方に、各都税事務所間でばらつきがあったということが包括外部監査で指摘をされて、そして主税局の方で是正をされたんですが、つまり、こういった通知が出されれば、今後はその取り扱いというものは統一をされてくるんでありますけれども、この通知が出されるまでの間、課税実務の遂行に当たって都税事務所の間でばらつきが出ている。ならば、こういった各都税事務所間でのいわゆる意思統一、これはどのように図っていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○木村課税部長 都税事務所間で取り扱いが異なるようなことが発生した場合、統一すべき処理を検討いたしまして、速やかな通知によりタイムラグの短縮を図っているところでございますが、通知を発するまでの間につきましては、事務処理を一時留保するなど、異なった対応にならないよう配慮をいたしております。
○神野委員 異なった対応にならないように、ご努力をされているということはよくわかりました。ただ、都税の実務の執行に当たっては、先ほどからいっておりますけれども、職員の方々のマニュアルともいえるこの課税事務提要、この意義は非常に大きいんだと思います。ですから、その課税事務提要を発出をするということに関しては、問題点が発覚をすれば可及的速やかになされなければならないと思いますし、また、その内容と実務との間にそごが生じないようにしていただかなければいけません。
国税と違って、都税事務所は、数年ごとの人事異動がございます。そのために、研修ですとか大変ご努力をされているというのはよくわかるんですが、ただ、どうしても経験のない職員の方が課税実務に携わることになります。
そのとき、この事務提要なる通達を手引として実務に当たられるわけなんですが、事務提要に記載されているとおりの場面なら問題がありませんが、記載されていない事項についての判断を求められたり、記載されていても、先ほど申し上げた執筆収入の件のように、そこに恣意的な判断が入り込んだり、今後も問題が発生する可能性は否めないと考えます。
主税局は、国税における通達に当たる事務提要というものを発出をするに当たって、局内での意思決定にとどまることなく、納税者への影響が考えられる案件については、議会の意見を聞いたり、新たな審議会を設けるなど、税務行政執行の透明性、これを高めるべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○田倉総務部長 事務提要は、課税実務につきまして、都に与えられた裁量権の範囲内において定めているものでございまして、適正な事務処理のための指針でございます。事務提要の作成に当たりましては、議会や納税者から寄せられたご意見などを踏まえつつ、慎重に検討を行っております。
なお、事務提要の改正等により、納税者への影響が考えられる場合には、局のホームページなどを活用しまして広く周知を行うとともに、必要に応じて個別にお知らせ文書を送付しております。
今後とも、納税者の税務行政に対する理解を深めるよう、適切に対応してまいります。
○神野委員 今、都の裁量権の範囲内で定めていらっしゃるということなんですが、これは先ほどからもいっておりますように、税制においては、この裁量というのが一番問題になるところなんですよね。ですから、納税者への影響が考慮される、考えられる事務提要の変更に当たっては、この委員会で報告をしたり、あとは審議会に意見を求めるなり、課税の透明性と公平性というものを十分に考慮していただくことを要望したいと思います。
税務というのは、やはり税制に対する信頼性というものが非常に大きな意味を持っておりまして、その部分を十分にご認識をいただいて、今後の業務、実務を行っていっていただきたいと思います。
続きまして、固定資産税の調査についてお伺いをいたします。
今回、国家賠償訴訟にまでなった冷凍倉庫に係る事件で、改めて認識したんですが、固定資産税というのは賦課課税です。賦課課税である固定資産税への信頼性をしっかりと担保をするためには、きめ細かで正確な調査の実施が非常に大切だということがわかりました。
都内でも、土地建物というのは膨大な数がありますから、なかなかご苦労があるのもよくわかるんですが、日ごろから都税事務所が行っておりますこの調査について、何点かお伺いをしたいと思います。
建物が新築をされれば、事務所の職員の方々が現地調査に赴いて、そして評価額を決定をしていくというのは当たり前なんですが、その後、課税対象となっている土地建物に対しての現況調査、これはどのように行っていらっしゃるのか。
それから、新年一月一日近辺ですね、航空写真を撮られて、それも使っていらっしゃるということなんですが、この航空写真はどのように活用されていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○阿南資産税部長 既に課税対象となっております土地の現況調査につきましては、全筆を対象にいたしまして定期的に実施しておるところでございます。
具体的に申し上げますと、航空写真ですとか家屋調査票等の確認とともに外観調査を行いまして、さらに詳しい調査を要するものにつきましては、土地の所有者等の立ち会いのもと、現地調査を実施しているところでございます。
また、家屋につきましては、増築、改築等の登記情報、床面積等の変更に伴う申告ですとか、航空写真等によりまして、現況に変化があると思われる家屋を抽出いたしまして、家屋の所有者等に調査の協力を依頼した上で、立ち会い調査を実施しておるところでございます。
また、航空写真につきましては、天候状態等にもよりますが、原則毎年一月一日に撮影しておりまして、前年の写真と比べることによりまして、土地の利用状況の変化ですとか、家屋の新築、滅失、増築等の把握をするとともに、納税者への説明の資料としても活用しておるところでございます。
○神野委員 今申し上げたように、例えば、国税の所得税とか法人税と違って、固定資産税というのは賦課課税ですよね。法人税、所得税に関しては、自分で税額を計算して申告をして納税をすると。賦課課税というのは、東京都が我々の土地建物を外から見て評価をして、そして都が税額を計算をして、納税通知書にその税額を記載をして我々に送ってくる、この大きな違いがあります。
今のご答弁の中で、土地建物の現況調査については、土地の所有者等の立ち会いのもと行っていると、全筆を対象に定期的に行っているというご答弁でございます。ただ、私の今までの経験の中でも、なかなかその辺の、すべてに対する配慮がなかったような部分の実例というものも、あることはあるんですね。
以前、世田谷区に等々力渓谷という非常に立派な渓谷がございまして、その等々力渓谷沿いの邸宅に対する固定資産税が、要するに表から、門の前から見ると大邸宅なんですけれども、中に入ると、そのお庭の半分から等々力渓谷のがけになっている。つまり、がけ地の減額が本来ならばされなければならないのに、その庭の面積分だけ、すべて平地として割高な課税がなされていたという案件に遭遇をしたことがございます。(発言する者あり)自分の経験からそういうことがございます。
それで、それも門の前から見ると、確かに、それはそういった途中からの土地の形状の変化というのはわからないんですけども、私がそのとき都税事務所に行きましてお話をしたならば、やはり門の中には立ち入らないで計算をしていたということでございました。
今申し上げたように、門の中に入れば一目瞭然なのに、プライバシーがあるので立ち入らないとか、そういったケースがあるということも、そのときに伺った。
一言断れば済むわけなんですが、今回の冷凍倉庫の件でもそうでしたけれども、建物内に入って倉庫の用途をもっと早く把握していれば、誤りも出てこない、こう思うんですけれども、ならば、都のこういった固定資産の調査に当たっての考え方、つまり、この敷地内に立ち入らないということが、これ原則なんでしょうか、伺いたいと思います。
○阿南資産税部長 固定資産税等の対象となります土地家屋の利用状況につきましては、日々の現地調査ですとか、航空写真、それから家屋調査票の確認などを行った上で、納税者の立ち会いのもと把握するように努めておるところでございます。
家屋の滅失ですとか空地など、外観から判断できるものにつきましては、納税者の立ち会いを求めることはございませんが、状況の変化を把握した場合には、その内容につきまして親切丁寧な納税者説明を行いまして、理解を求めるように努めておるところでございます。
○神野委員 納税者の立ち会いのもと、把握するように努めていらっしゃるということでございますけれども、私もいろいろな土地建物の所有者の方とのおつき合いの中で、既存の土地家屋の現況調査で、都税事務所の職員が訪れたり、連絡をしてきて中を見させてくれという話は、少なくとも私の経験からいけば寡聞にして聞いたことがないんです。ほとんど外見からのみの調査に終始しているような印象を持っているわけです。
土地というのは、面積は面積なんですが、例えば地形ですとか、さまざまなその境界の問題ですとか、土地それぞれにさまざまな経緯と事情というものがございますので、確かに、都内の土地建物を含めて膨大な筆数を考えれば、そのご苦労というものはよくわかるんですけれども、繰り返しますけれども、固定資産税というのは賦課課税ですから、当然これが一つの宿命であることも事実だと思うんです。
納税者から見ると、自分の資産に関して都の方からの評価、そして税額の計算というものを都が行うということでございますので、やはり計画的な調査というものを、そしてまた、正確な調査というものを、今後も継続をしていただきたいと思います。
それでは、目先を変えまして、固定資産税には、非課税や、それから減免となる対象というものがたくさんございます。当初そのような決定をなした資産でも、その後、例えば用途が変わったり、あとはその場所で収益事業を行ったりして、非課税や減免の対象から外れる場合もあるんじゃないかと思います。その場合にも、建物の内部ですとか敷地の内部に入って、しっかり使い勝手を確かめる調査が必要だと思うんですが、その調査に関しては行われているのかどうか、教えていただきたいと思います。
○阿南資産税部長 非課税や減免の対象となります資産につきましては、国などが所有する、いわゆる人的非課税に該当するものですとか、墓地といったような外観で非課税であるという判断ができるものを除きまして、定期的に資産の所有者に立ち会いを求めた上で、必ず、都税事務所職員が非課税等の用途に供しているかどうかを立入調査によりまして確認してございます。
これらの調査は、毎年度、都税事務所におきまして調査計画を立てまして、本庁におきましては、その進捗状況を確認するとともに、適宜その復命書の内容等をチェックいたしまして、用途の変更を的確に把握しておるところでございます。
○神野委員 今のご答弁で、非課税、それから減免資産については、必ず、立入調査を行っているとのことでございますから、これは安心をいたしました。
もし調査が行き届かないで、要件を満たしていないのにいつまでも非課税のままであるというならば、実際に納税をされていらっしゃる方と比べると大きな不公平が生じてしまうわけであります。
これまでの質問を通じて申し上げたかったのは、課税の公平性と透明性、この担保について、ぜひやっていただきたいということです。都税の東京都の課税実務においては、先ほどから申し上げているように、都民の方々からの信頼性というものを十分に担保するような努力というものを、しっかりとこれからも行っていただいて、良好な課税実務というものを今後とも行っていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○高木委員 私からは、都政の大きな方向性と各局事業についてというくくりで、最近私がちょっと感じておりますことを、主税局の所管について順次伺っていきたいと思っています。
それは何かというと、都政の大きな方向性と各局の事業が微妙にずれているところがあるんではないかという、そういう認識であります。
最初に、政策税制について伺いたいんですが、主税局は、耐震化促進税制とか、それから省エネ促進税制などの都の直面するさまざまな課題に対して、事業所管局の推進する施策を税制面から支援する政策税制を進めてきたというところについては、私は非常に評価をしています。
ところが一方、必ずしも都庁内の各局の連携が十分でないように見受けられるケースがありまして、税務当局としての後押しというんですか、そういうものをやっぱりやっていくべきものがあるんではないかというように思っています。
具体的な例として、高度防災都市づくりということについて伺いたいと思っています。
首都直下型地震がいつ発生するかわからない中で、高度防災都市づくりは、喫緊かつ重要な問題でありまして、都の組織が一体となって推進をしていく必要があると思います。関係する各局があらゆる施策を講じて取り組み、推進する必要性がありまして、先ほど申し上げたように、そのために税制を活用すべきだという部分があると思うんです。
私は、第一回定例会で、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の促進に向けて、耐震補強を施した建物内の利用可能面積が減少した場合における税制面の手当について、所見をお伺いをしたわけであります。
そのときに、主税局長の答弁は、耐震改修を施した事業用建物の建築物については、固定資産税等の減額などの税制上の優遇措置を講じるよう、国へ提案要求をすることを関係局と検討していきます、また、その耐震改修工事の工法によっては、家屋の床面積が減少する場合がありまして、その際の固定資産評価上の取り扱いについては研究をしていくと、こういう答弁だったと思います。
その後、半年以上たっておりますので、進捗状況はどうなっているのか、まず確認のためにお伺いをしたいと思います。
○宗田税制部長 特定緊急輸送道路につきましては、そのエリアが都の固定資産税の課税対象地域である二十三区にとどまらないため、多摩地域や近隣県も含め、路線全体で沿道建築物の耐震化を進めていく必要がございます。
このため、沿道地域において一体的に固定資産税を減額する税制上の優遇措置が受けられるよう、地方税法上の特例措置の創設に向け、現在、都として国に提案要求を行っているところでございます。
また、耐震改修を行い床面積が減少した建物への対応については、対象建物の把握や公平性の確保等の課題もあり、現在、関係局と検討を行っているところでございます。
○高木委員 次に、防災都市づくりのもう一つの課題であります、木密不燃化特区に関してお伺いします。
都は、木密地域の解消のために不燃化特区制度を開始をいたしまして、今後十年間で木密地域を集中的に解消する予定、しかしながら、その課題も今いろいろ浮かび上がってきているわけであります。
私は、その一つが税制上の問題ではないのかというふうに思っておりまして、老朽化した空き家を除去して、住宅用地の特例が受けられなくなりますと、土地の固定資産税負担が上がる、そういう税制になっていて、これは、実は都の施策との整合性がとれていないんじゃないかというふうに思っているんです。
実はその木密の現状を見てみますと、不燃領域率という考え方が、その木密の考え方にありまして、この不燃領域率を上げていくということが一つの大きなテーマなんです。
この不燃領域率を上げていくために、今何を考えているかというと、一つは、特定整備路線という道路を抜いていくという考え方ですね。このことによって、道路を抜いていくことによって空地ができますので、道路面積の部分については、不燃領域率が向上するということになります。
もう一つは、やっぱり空き地をつくっていくということだと思っておりまして、この空き地をつくっていくという意味では、例えば、仮に三十坪でも五十坪でも、いわゆる宅地並みの土地であっても、そこが更地になることというのは、実は木密地域にとっては非常に大事なことなんですね。
ですから、要するに、税制の問題によって老朽化をしたその家屋が取り壊せない、あるいは取り壊したことによって固定資産税評価が上がってしまうということがあってはならないと私は思うんですが、こういうことに対する、税制面からの支援を行うべきというふうに考えているんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○宗田税制部長 首都直下地震が切迫している中、木密地域の不燃化促進は極めて重要な課題であり、現在、事業所管局において、先行実施地区に選定された区と地区ごとに整備プログラムの作成を行うなど、特別な支援策の実施に向け具体的な検討を行っております。
また、空き家対策についても、その一環として、現在、事業所管局において、現場を持つ区から聞き取り調査を行っているところでございます。
都税の減免措置につきましても、老朽空き家の認定のあり方や除却後の空き地のあり方等の課題もございますが、関係局と連携しながら、支援策の一つとして検討をしているところでございます。
○高木委員 最初に申し上げたように、都政の大きな方向性というのが一つありまして、今申し上げたのは、防災都市づくりという側面であります。緊急輸送道路の沿道建物の耐震化、それから木密地域の解消に向けての取り組み、これはそれぞれ都政の最重要課題の一つでありまして、そのことはやっぱり都民に協力をしていただかなければいけない、そういうことだと思います。
その都政の大きな方向性に都民が協力をしましたと、そのことによって都民が不利益を受けたということになっては、これは本末転倒なんだと思いますね。つまり、緊急輸送道路の沿道の建物を耐震化しましたと、そしたら固定資産税評価が上がってしまいましたと、これでは、やる人がいなくなってしまう。
そして、もう一つは、木密解消のために、一つでも空き地をつくった方がいい、だから除却をしてみましたと、そうしましたら固定資産税評価が上がってしまいましたと、これでは、やっぱりやる人はいなくなってしまうと思うんですね。
ですから、主税局の役割というのは、都庁全体の中で唯一の歳入所管局ということで、税収を確保するということは、非常に大事なことだし、崇高な、私は使命だと思っていますよ。しかしながら、都政全体でこれから進めていこうということに対して、やっぱり各局が連携をして、進めるべくどうしたらいいかという知恵を絞ることも必要なんだと思っているんです。
ですから、今申し上げたことは、都政全体の中で主税局の税の徴収の仕方、あるいは政策の連動の仕方、そのことをしっかりととらえて、私は考えていただきたいという意味で申し上げた次第でございます。
どうか検討を進めていって、最初の課題については、既に国への提案要求もしているということで、一定進んでいることはもうわかっていますし、そのことに対しては非常に評価をしていますから、これからもぜひ続けて、その大きな方向性を見誤らないように、そして都民にとって、その大きな方向性を主税局がバックアップをしていくということで、やっぱりオール都庁というのが成立をするんだろうと思いますから、そのことをぜひ念頭に置きながら、今後の税制に対して研究を深めていただきたいと、こう思っているわけであります。
そして続けてもう一つ申し上げますが、ゴルフ場利用税について申し上げます。
今申し上げたように、都政の大きな方向性としてスポーツ振興ということがあります。二〇二〇年に東京でオリンピックを招致をしたいと、この課題はもう皆さんがわかっているし、今、都民に対しても非常に多くのキャンペーン活動をしているわけであります。
かねてから都議会自民党は、日本の震災復興に関しては、スポーツ祭東京二〇一三の開催と二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの招致、スポーツを通じた大きなムーブメントを広げることによって、東京が日本のスポーツ行政を推し進めていくことを一貫して主張してきました。
この方向というのは、私は、石原都政の方向性と全く一致をするものであって、都議会自民党が、その一方で、議会としてこうしたことを力強く進めてきたということは、自信を持って申し上げることができると思っています。
また、国においては、昨年、スポーツが世界共通の人類の文化であって、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利であること等を理念とするスポーツ基本法が成立をしたところであります。
さまざまなスポーツがある中で、十五世紀ごろ、イギリスが起源といわれているこのゴルフというスポーツは、我が国においても今や生涯スポーツとして老若男女に親しまれておりまして、競技人口はおよそ一千万人、年間の延べ利用者数、ゴルフ場利用者数は八千八百万人を超える人気スポーツの一つとなっているわけであります。
昨今、若い有能な選手がたくさん出てきたり、女子プロゴルファーも大変活躍をされて、私は世界に伍して戦えるスポーツの一つだと思っています。
このゴルフは、平成十一年に国民体育大会に正式種目として採用されておりまして、さらにいうならば、二〇一六年のリオデジャネイロ・オリンピックから正式競技として、百十二年ぶりにオリンピック競技として復活をするというか、復帰をするというか、そういうスポーツとなったわけであります。
ところが、実際に私たちが、我が国でゴルフ場を利用してプレーをいたしますと、利用料金に加えて、地方税であるゴルフ場利用税が特別に課されるわけであります。さらにそこに消費税が課されるわけでありまして、この消費税、ゴルフ場利用税を含めて、これタックス・オン・タックスで二重課税だという批判が昔からあるんですけど、そういう税制の一応仕組みになっている。
このように、スポーツに特別の税金が課されている例というのは、実は調べてみますと、世界でも我が国日本だけのようでありまして、このスポーツ振興の観点から、これはやっぱりどこかで正していくべきなのではないかということは、従前から申し上げてきたつもりであります。
そこで、これはまず復習なんですが、ゴルフ場利用税の概要と創設の経緯について、改めてお伺いしたいと思います。
○宗田税制部長 ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の利用行為に対して課する都道府県税でございまして、税収の十分の七は、ゴルフ場が所在する区市町村に交付することとされております。
また、この税の沿革でございますが、以前はパチンコ、マージャン、ボーリングなどとともに、娯楽施設利用税の対象として課税されておりました。消費税が導入された平成元年度に娯楽施設利用税は廃止されましたが、ゴルフ場利用者には特に担税力があること、ゴルフ場は、開発許可、道路整備など、ゴルフ場所在の区市町村にさまざまな財政需要を生じさせていることなどから、課税対象をゴルフに限定した上で、ゴルフ場利用税として存置されたものでございます。
○高木委員 歴史的経緯はそういうことだと思いますけれども、特に担税力があるかどうかというのは、いろいろ問題があると思っておりまして、ある意味で偏見みたいなところがあるやに感じる部分もあります。ですから、一部富裕層のスポーツとして特別視されてきた時代の歴史を引きずって、今日まで来たという今のご説明だと思うんですけれども、ゴルフを取り巻く環境は実は大きく変化をしておりまして、この税はやっぱり廃止に向けて見直すべきであると私は思っているんです。
そこでお伺いするんですが、都のゴルフ場利用税の税収及びこれは都内区市町村への交付金になりますので、交付金額はどのぐらいになるのか。
また、先ほどの答弁では、ゴルフ場所在市町村の財政への配慮も、ゴルフへの課税を存置する大きな理由となっているということなんですけれども、全国の税収の状況とあわせてお伺いしたいと思います。
○宗田税制部長 直近の全国税収が平成二十二年度までしか集計できないため、平成二十二年度で申し上げますと、都のゴルフ場利用税収は約六億七千万円、都内の区市町村への交付金額は約四億七千万円でございます。
また、全国の税収は約五百四十六億円、そのうち約三百八十四億円がゴルフ場所在の区市町村に交付されております。
なお、全国においては、地方税収入額に対するゴルフ場利用税交付金の割合が一〇%を超える市町村が六団体ございまして、ゴルフ場所在市町村にとっては、極めて重要な財源となっております。
○高木委員 それぞれのゴルフ場所在地の区市町村の金額というのは、これは一覧でありますんで、必要な方はぜひお取り寄せいただければ、どこに幾ら交付されているかというのは、それはもう一目瞭然でありますが、ただいまの答弁から、東京都の影響額はそれほど大きくないと思いますけど、全国的に見れば大きな影響を受ける自治体もあるということだと思います。
そうだとすれば、都だけが課税自主権を活用して、条例でゴルフ場利用税の課税を停止することはできないのかという課題があると思いますが、その点についてはいかがですか。
○宗田税制部長 地方税法第四条第二項は、都道府県は普通税として次に掲げるものを課するものとするとし、同項第六号において、ゴルフ場利用税を掲げております。
このようにゴルフ場利用税は、都道府県が独自に課税する、しないを判断することができない税でございます。
○高木委員 今、地方税法のご説明がございました。課税自主権といっても、この地方税法には、課税をしなければならないという項目の一つが、ゴルフ場利用税になっているということで、これはですから、国の法改正を求めなければいけない課題なんだろうなと思います。
この税法をいろいろ私も読んでみましたが、地方税法の第二条で、地方団体というのは、地方税を賦課徴収することができるという項目が基本にあって、今、部長がご説明になられた第四条の第二項で、普通税として次に掲げるものを課すると。これは課さなければいけないよというところで、第六項目にゴルフ場利用税というのが入っていると。だから、これはだめなんですよと、これは、廃止することができないんですよということだと思うんですね。
ところがその次の第四条第三項は、普通税を課することができるという、できる規定の項目がありまして、要するに第二項第六項目のゴルフ場利用税という部分を、第三項の課税をすることができるのところに、仮に移してもらうということができれば、独自の判断ができるという、法律的にはそういうことだと思うんですね。
ですから、そこの部分を、やっぱり課税自主権の問題に取り組むんだったら、やっぱり私たちは、東京都としてどうすべきなのかということを判断をしたいんだという部分では、課税自主権がもっと柔軟性があっていいんだろうと思うんですよ。
その意味で、今改めてこの話を聞いているんですが、地域の行政需要に応じて課税が地方団体の裁量に任されている税もありますよね。ですからこれは、ゴルフ場利用税をそうした、いわゆる任意税に近づけるという、私がいっていることはそういうことなんですけど、現行の法定任意税というものがあると思いますが、それはどういう制度になっているんですか。
○宗田税制部長 地方税法上、地方団体が任意に課税することができる法定任意税として、都市計画税、宅地開発税などがございます。
これらの法定任意税は、都市計画事業や宅地開発事業など、地方団体が任意に行う事業の費用に充てるための目的税として、事業の受益者に対して課することができることとされているものでございます。
○高木委員 これまでの質疑から、このゴルフ場利用税が、ある意味で時代おくれになっているということに加えて、都道府県が課税をする、しないの裁量が許されていない。いいかえるとするならば、課税自主権が大きく制限をされているという現行の地方税制の問題点が、いみじくも私は明らかになってきたのかなというふうに思っています。
私は、そのゴルフ場の設置状況が全国の地域ごとに異なっていて、ゴルフ場の利用行為とゴルフ場所在市町村の開発許可、道路整備の特定の行政需要とか密接に関連していることなどを踏まえれば、すべての都道府県が一律に課税をするということではなくて、法定任意税に近いものとして再構築をするという考え方が、これは理論的に十分成り立つんだろうというふうに思っています。
法に基づいて課税をしなければならないという主税局の立場は、それも当然ですし、理解をするんですけれども、先ほどの一番最初に戻りますが、都政の大きな方向性としてのスポーツの振興、あるいは課税自主権の拡大、拡充という観点からすれば、ゴルフ場利用税のこの問題というのは格好の私はテーマだと思っていまして、国は、ゴルフ場利用税を廃止できない場合には、少なくとも各自治体がそれぞれの地域の実情に応じてゴルフ場利用税の課税をするかしないかということを選択できる仕組みに、私はつくり変えていくべきだというふうに思っています。
その上で、主税局に対しては、このゴルフ場利用税の廃止にとどまらないで、この法定任意税のあり方を含めて、各地方自治体がみずからの判断と責任のもとで、自主的、自律的に課税ができる、その課税自主権の強化を、ぜひ国に私は求めていっていただきたいなというふうに思っています。
私たち議会側からすれば、議会からいろいろなアプローチの仕方もありますが、しかし、東京都としては国に対する提案要求というのは毎年やっていますので、そういう意味で課税自主権の拡大という、私はそういう考え方の中で、ゴルフ場利用税を含めた地方税の問題というのを、ぜひ真剣に取り組んでいただきたい。それがやっぱり都政の大きな方向性であるというふうに私は思いますので、ぜひそのことをご要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○高倉委員 それでは、震災対策にかかわる問題と、それから都税の収納方法について、二点、簡潔に質問させていただきたいと思います。
昨年、東日本大震災が発生をいたしました。東京都としては、つぶさに被災地の支援の体制を整え、いろんな、本当に大変な支援を今日まで展開をしてきていると思います。
私も何度も被災地には参りましたけれども、また、私が所属していた委員会でも、被災地の自治体、仮庁舎なんかにも行かせていただきましたけれども、東京都は、職員を多数派遣していただいていると、このことについては非常に大きな感謝の声が寄せられております。
そこで、この東日本大震災に関して、主税局としても大変多くの職員を被災地に派遣をして、そして支援活動に貢献をされてきたと思います。主税局としてどういった人的支援を行ってきたのか、まず、この点についてお伺いをしたいと思います。
○田倉総務部長 震災発生以降、平成二十三年度におきましては、岩手県、宮城県、福島県及び仙台市へ、都全体で一千六百七十五名の派遣を行いましたが、主税局からは、その約二六%に当たる延べ四百三十八名を、一週間程度のいわゆる短期派遣として派遣し、罹災証明書の発行業務などを支援してまいりました。
さらに、岩手県、福島県及び仙台市に対しては、延べ十名の主税局職員を三カ月から八カ月の長期にわたって派遣し、被災者の生活再建に係る支援業務などに従事してまいりました。
そして本年度におきましても、五人の主税局職員を、岩手県、福島県及び仙台市に対して、一年間の自治法派遣として派遣し、復興計画策定などの支援業務に従事しております。
○高倉委員 今、主税局から、全体の二六%というお話、大変たくさんの職員の方々が、被災地のために尽力をされたということで、私からも感謝を申し上げたいと思いますが、今お話の中で、罹災証明書の発行業務等に多くの職員の方が携わったというお話がございました。
被災地では、役所そのものが大きな被害を受けた、職員の方が多数亡くなったような自治体もあるわけでありまして、まさにこういう災害の際に、その後のさまざまな支援を受けていくために必要な罹災証明書の発行というのは、極めておくれたといいますか、長期間を要したというような実態が、さまざまなニュースでも伝わってきたわけであります。
これを踏まえて、東京都としての防災対策ということでありますけれども、この災害時の罹災証明書の発行、罹災証明書というのは、住宅等の被害というものを公的に証明をするものと、それに基づいて、各種の支援を受けると、したがって、そういうことを受けるためには不可欠の証明書なわけであります。
一たん、東京都で大きな災害が発生をしますと、昨年の東日本大震災の実情というものを踏まえるまでもなく、恐らくこうした罹災証明書の発行というのも大変な長期間を要する可能性があるんだと思います。
そこで、私ども都議会公明党としては、東京都において、この災害時に被災した方々がさまざまな各種の支援を受けるために必要な、まさにその大前提となる罹災証明書を、迅速に発行できる取り組みが必要だということで、これまで本会議で何度か東京型の被災者支援システム、具体的には、罹災証明書を迅速に発行するシステムというようなことを取り上げて、導入を推進してきたわけであります。
都としても、昨年度までに、この罹災証明書の迅速な発行システムの開発を全力で行ってきたわけでありまして、今年度からは、希望する区市町村でもって、それが導入をできる体制になったわけであります。
ただ、東京二十三区の場合には、ほかの自治体と違いまして、例えば、今申し上げた罹災証明書を迅速に発行するシステム、これは電子地図の上に住宅情報ですとか、それから実際の被害、そういったものを重ね合わせることによって、非常に短時間で罹災証明書を発行できるというシステムなんですけれども、二十三区の場合は、まさにその住宅にかかわる情報というのを、区ではなくて、まさにその固定資産税を徴収をしている東京都がその情報を有しているというわけでありまして、今回この東京都の罹災証明書の迅速な発行システムに当たって、東京都から非常に重要な固定資産税の情報というものを各区で活用していただくと、こういったことになったわけでありまして、固定資産税をこういった形で活用するというのは、恐らく初めてのことではないかなというふうに思います。
今日まで、さまざまな検討を重ねてきて、ここまで来たと思いますけれども、こうした経緯と取り組みの状況についてお伺いしたいと思います。
○田倉総務部長 罹災証明の発行は、区市町村業務でございますが、迅速かつ正確に罹災証明を発行するためには、住民基本台帳情報と固定資産税関連情報が必要となります。
しかし、二十三区は、都が固定資産税の賦課徴収を行っているため、固定資産税関連情報を保有しておりません。そのため主税局は、罹災証明の発行に必要な固定資産税関連情報について二十三区と連携を図ることとしております。
昨年度、豊島区で実施いたしましたシステムの実証実験にも参加するなど、主税局としても積極的に対応しておりまして、引き続き関係部署と調整を進めてまいります。
○高倉委員 今年度から、もう既に豊島区を初め幾つかの区でもって、まさにこの東京都の主税局から固定資産税関連情報を提供した上で運用する、この罹災証明書の迅速な発行システム、これを導入をするというふうに聞いております。
ぜひ、より多くの区でもってこういったことが、また、導入が進むように、主税局としてもしっかりと支援をお願いしたいと思います。
本当に、こういった税の関連情報を活用していくっていうことが、大きな災害対策につながっていくと、特に迅速な対応につながっていくということで、私は大変すばらしい試みであろうと思っておりますし、しっかりまた、取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、都税の収納方法の多様化ということについて質問いたします。
税というのは、住民に納めていただくものというものだと思います。そうした観点からいえば、できる限り納めやすい環境をつくっていくということは、極めて私は大事な取り組みであるというふうに思っています。
都としても、これまで、この都税の収納方法については、従来からの金融機関の窓口収納といったようなものに加えて、納税者の利便性に資するさまざまな納入の方法を導入をしてきたと思います。
私ども都議会公明党としても、新しい収納方法の取り組みとして、自動車税のクレジットカード収納といったようなものも、これまで繰り返し提案をしてきたわけであります。改めて都税の収納方法の種類についてご説明をいただきたいと思います。
○西海徴収部長 現在導入しております都税の収納方法は五種類ございまして、一つ目は、金融機関、郵便局などの窓口で納める、いわゆる窓口収納。
第二に、昭和四十一年度に個人事業税、固定資産税などを対象税目として開始した口座振替による収納でございます。
三つ目は、平成十六年度から自動車税を対象に開始したコンビニ収納でございます。こちらにつきましては、平成十八年度には、個人事業税、不動産取得税、固定資産税などへと取扱税目を拡大してございます。
四つ目は、平成十八年度以降導入いたしました、インターネットやパソコン、携帯電話を利用して税金を納めることができる収納サービスでございまして、これをペイジー収納と呼んでおります。
最後に、自動車税を対象に昨年度導入いたしましたクレジットカード収納でございます。
○高倉委員 今、クレジットカードの収納も含めた五種類の主な収納方法ということの説明がありました。それぞれ納税者にとって非常に利便性の向上にはつながってきているのではないかというふうに思います。
そこで、この収納方法の多様化につきまして、納税者の利便性について具体的にどのように寄与をしてきているのか、その効果についてお聞きをしたいと思います。
○西海徴収部長 納税者にとりましての利便性とは、曜日や時間を問わないこと、あるいは納付場所に制約がないことなどでございます。一方で、滞納の発生する原因として、金融機関などの窓口に行く時間がないということを理由に挙げられる方も少なからずいらっしゃいます。
東京都は、納税者の利便性向上及び滞納の未然防止策として、多様な納税手法の導入を図ってまいりましたが、中でも、平成十六年度に全国に先駆けて導入いたしましたコンビニ収納によりまして、金融機関に出向かなくとも、最寄りのコンビニエンスストアで二十四時間三百六十五日、いつでも納税が可能となったところでございます。
その結果でございますが、平成二十三年度現在、コンビニ収納では、都税収納件数のおよそ四分の一に当たる約四百十万件、そして、インターネットバンキング等のペイジー収納では約六十七万件もの利用がございまして、元来の金融機関などの窓口での収納から確実に移行しているところでございます。
さらに、昨年度、自動車税を対象といたしまして導入いたしましたクレジット収納でございますが、約八万七千件の利用がございまして、納税者の利便性向上はもとより、自動車税の徴収率も過去最高の九八・三%となったところでございます。
○高倉委員 今、自動車税も徴収率が過去最高になったと、こういった点を見ても、都としてのさまざまな収納方法の多様化に向けた取り組みというのが効果を上げているのではないかと思います。
最近は、いろんな決済方法というのがあるわけでありまして、キャッシュカードみたいなものも十分普通に使われているわけでありまして、また、ITの進展、それから最近はスマートフォンといったものが出てきたり、あるいは携帯電話でも、お財布機能つきの携帯とか、さまざまな機能といったものが発展してきているわけであります。今後、ますますこうした決済手段も多様化をしてくると思います。
そこで最後に、今後のさらなる納税者サービス向上の観点から、新たな収納方法の方向性といったものについてお伺いをしたいと思います。
○西海徴収部長 収納方法の多様化は利便性の向上、徴収率の向上などに効果がある重要な取り組みであると認識しているところでございます。
今後でございますが、これまで導入を図ってきた新たな収納方法における利用件数の拡大に向け、さまざまな広報などを通じまして利便性をPRしながら、利用率の向上に努めてまいります。
また、今お話にございましたけれども、近年、急速に普及しています新しい情報通信技術の動向も注視しながら、引き続き利便性の拡大を念頭に、収納方法について研究してまいりたいと存じます。
○たぞえ委員 私からも事務事業質疑をいたします。
二〇一四年四月から消費税率が八%に引き上げられ、翌二〇一五年には一〇%に引き上げられる法律案が、三党合意によって国会で決まりました。
消費税を八%に引き上げた場合、地方消費税の税率は一・七%、これによって二千五百三十四億円、一〇%の場合、税率二・二%で四千三百四十四億円が新たに東京都に税収増となると都は見解を述べておられます。
その結果、八%の場合への東京都の税収は、年間六千四十五億円、一〇%分七千八百五十五億円、大変な額の増税が発生をするわけです。
東京都は、地方消費税はその意味で重要な財源だと、このように見解を述べていますけれども、赤字法人の場合、赤字で大変だからと消費税の納税は免れるんでしょうか。
○宗田税制部長 消費税、地方消費税は、財貨、サービスの消費に幅広くひとしく負担を求めるものでございまして、納税義務者は事業者とされております。
また、消費税、地方消費税は、転嫁を通じて最終的に消費者に負担することが予定されている税でございまして、全体としては、事業者は消費者から受け取る対価に含まれる消費税額を納税する仕組みになってございます。したがいまして、事業者の所得にかかわらず、申告納税していただく必要がございます。
○たぞえ委員 今いわれたように、消費税は、企業が赤字でも、あらゆる商品やサービスの取引を対象にして、すべての取引段階でその対価に課税をする、最終的な税負担を消費者に転嫁することを想定した付加価値型の間接税です。
しかし、税制としては、消費税は価格への転嫁を保障していませんから、転嫁できるかどうかは取引の力関係によって決まるという仕組みになっています。結局、事業者が転嫁できなければ、自分の身銭を切って納めなければならないということになります。このことは、現政府ですら転嫁をどうするのかということで検討本部を設けて検討せざるを得ない状況に立っていることからも明らかです。
消費税増税による都内中小企業への影響は、都としてどのように考えているんでしょうか。
○宗田税制部長 消費税、地方消費税の引き上げは、社会保障の充実と安定化、財政健全化の同時達成を目指すものでございまして、引き上げによる消費税収は社会保障財源化され、最終的に国民に還元されることとされております。
また、この消費税率の引き上げに当たって、政府は、デフレ脱却や経済活性化に向けて総合的な施策を実施することとされております。
○たぞえ委員 社会保障の財源化で国民に還元されると今いわれておりますが、この消費税が小さく生まれて、今大きく育とうとしている、この導入以来、医療費の負担増、それから介護保険が、その後制度が導入、そして、直近では後期高齢医療制度が導入、増税分は医療や福祉へ、目的には果たされずに、とても歓迎しているとはいいがたいと、私は主張したいというふうに思います。
現に、マスコミ各紙の調査でも、九二%平均の国民が、消費税の増税で影響を受けると、このように、どこの新聞でも調査の結果を発表しています。民間のシンクタンクでも、深刻な影響を予測しているわけであります。増税になっても、社会保障がよくなったという実感をする国民は決して大勢いらっしゃらない。そしてこの増税によって逆に消費が落ち込んで、自治体や国への税金納付の国民の役割も小さくなった、このことが実態だろうと思います。
こういう意味でも、景気の影響を極端に受けて、税の負担に立っている東京の中小業者の経営の実態はどう置かれているのか。この点を私は地方自治体としては十分に把握をするということが大変重要だと思います。
その中でも、東京の中小企業者で都内の資本金一億円未満と十億円以上の法人のうち、欠損法人の数と割合、これはどのような状況に置かれているんでしょうか。
○宗田税制部長 平成二十三年度において、資本金一億円未満の法人のうち、欠損法人は三十九万七千二百五十六社で、欠損法人の割合は七五・一%でございます。
資本金十億円以上の法人のうち、欠損法人は三千三十二社で、欠損法人の割合は四九・六%でございます。
○たぞえ委員 一九九〇年代以降の勤労者の可処分所得の推移を見てみますと、一九九〇年の五百二十九万円から、五%になったときの九七年には五百九十六万円にふえて、当時橋本内閣だったと思いますが、景気はかなり回復する傾向にありました。
しかし、この年、九七年に消費税が上がったこの時期から、二〇一〇年の可処分所得は五百四万円、九七年と比較して九十二万円も少なくなったと。これは決して我が共産党がいっているんではなくて、総務省の家計調査で、これを公式に発表をしているところです。
しかも、医療費の負担とともに、今度は出す方の消費支出ですね、これは九〇年の三百九十八万円が、九七年には四百二十九万円にふえましたが、二〇一〇年には三百七十万円まで落ち込んで、暮らし向きは急変をしている。
さらに、構造改革で年間給与は二百万円以下が急速にふえ、二〇〇六年以降、東京では若者の二人に一人が非正規雇用という事態が広がって、全国でこれらの雇用関係にある方は一千万人という実態が、今大問題になっているわけです。
個人所得ばかりか法人も、一億円未満の欠損法人はいわれたように七五%、十億円以上でも、ほぼ半分が欠損を抱えているわけですが、これらの欠損法人の法人事業税は課税されているんでしょうか。
○宗田税制部長 資本金一億円未満の欠損法人につきましては、保険業など収入金額を課税標準とする特定の事業を行う場合を除き、法人事業税は課税されません。
○たぞえ委員 一億円未満の法人の実に三十九万七千が欠損法人で、すなわち赤字法人で法人事業税は免除されているわけです。ところが、消費税は、先ほど聞いたように、こうした中小業者には有無をいわさず、納税をしなきゃいけない。ですから、非常に、今、中小零細業者の皆さんは、事態は大変なところに立たされているというふうに思います。
先日、建設業の方からお話を聞きました。こういっていました。
大手不動産会社からリフォーム工事を主に手がけていると。年間の総売り上げは二億五千万円で頑張っているが、大手からは、単価は一年前に比べ一〇%切り下げられたと。単価を切り下げられても、定額の材料費は調達をしなければならないので経営は大変厳しいと、こういうふうに答えていました。
それから、もう一つは、お弁当の製造販売業者からのお話です。
社長を入れて十三人で製造し、売り値五百円の店頭販売が主流だが、約三百メートルの商店街に弁当販売店が十店舗ある激戦地だと。もっともうかる弁当をつくりたいけれども、競争が激しく、中身をよくしないと売れないので、野菜が高くてもサラダはいっぱいにしないと評判はとれない。とても消費税まで転嫁できないと、このように語っておられました。
この方が最後に語ったのは、消費税についてなんです。ことしの消費税は約四十万円払っただけで、実は百五万円滞納しているんですよと、こういうふうに語っていたことが、いかに、こうしたまちの五百円のお弁当をめぐる大激戦の中でも苦労されているということを本当に物語っているというふうに実感をしました。
私は、景気をさらに冷え込ませる消費税増税ではなくて、中小企業を、支援を強化するとともに、内需中心の経済に転換して、国民、都民の消費を温めること、そして富裕層に応分の負担を求める、このことが、今こうした日本の景気状況を見ても、一刻も早く重要な課題になっているというふうに痛感をしております。このことを申し上げて終わります。
○興津委員 それでは、私からは、家屋における固定資産税の評価と課税についてと、もう一点、滞納整理につきましてご質問させていただきたいと存じます。
家屋の固定資産税額は、新築の場合はその建築費を考慮に入れ、三年に一度の評価替えの場合は、その再建築費を求め、当該家屋の経過年数に応ずる損耗の状況による減価等を考慮して家屋の価格を求めるものとされており、この価格を固定資産税評価額、そして課税標準とし、固定資産税額を決定し、区部においては東京都が、市町村においては市町村が課税している税金であります。
まず、東京都におきましては、この家屋の固定資産税額の決定においてどのようにされているのか、統一化の方法、並びに最終課税金額決定権者はどなたなのかお伺いいたします。
○阿南資産税部長 家屋の固定資産税額の決定につきましては、地方税法第三百八十八条第一項による固定資産評価基準並びに東京都固定資産評価事務取扱要領に基づきまして、二十三区内の家屋評価の統一化を図りました上で、一棟一棟調査、評価をいたしまして、東京都都税条例第四条の三に基づきまして、知事の委任を受けた都税事務所長が賦課決定をしているところでございます。
○興津委員 先ほどの神野副委員長の方からの質問にもあったとおり、都税事務所間におけるばらつきが感じられるということを私の方にもお声をいただきました。家屋の課税金額に都税事務所間において評価のばらつきがあるのではないかという問い合わせがあったわけでありますが、もとよりこの税目は、東京において、あるいは市町村において賦課される税目でありますから、評価のばらつきがあってはいけないと思います。
東京都固定資産評価事務取扱要領をもって統一化しているというご答弁でありましたが、この事務取扱要領の法的根拠をお知らせください。
○阿南資産税部長 固定資産税におきます家屋の評価でございますが、地方税法第三百八十八条第一項による固定資産評価基準に基づくものでありますが、これは評価の基準、評価の実施方法、手続等を定めているものでありますことから、細かな事務処理を定めているものではなく、その詳細等につきましては、評価基準において取扱要領を市町村で定めることとされております。
東京都におきましては、地方税法第七百三十四条で、都を市とみなしまして、市町村に関する規定を特別区に準用するとされております。したがって、都が取扱要領を定めているところでございます。
そのため、都といたしましては、昭和三十八年から家屋に係る東京都固定資産評価事務取扱要領を定めまして、基準年度ごとに時代の変化に対応した要領として、都税事務所間の統一性を図るとともに、効率的な事務運営を推進してまいっております。
○興津委員 ありがとうございます。最終的には、都税事務所長の権限ということにおいて課税されると伺いました。現行法における課税権限と理解いたしましたけれども、法のもと、税の公平賦課並びに納税に向けて、特に困難事案などの場合は、土地家屋鑑定士など外部の意見を取り入れる方法等も考えていってもいいのではないかというふうに思います。
また、先ほどご答弁いただきました東京都固定資産評価事務取扱要領ですけれども、地方税法に基づくものであると伺いました。他府県などの動向を踏まえ、最終的には東京都が独自に作成しているということになります。
税法のもととはいうものの、東京都内部の事務要領で課税金額を決定している、つまり要領による課税であるということに立ち至るということでありますが、ここで一点確認させていただきたいと思うのですけれども、三年に一度、この事務要領の策定、改定ということだと思いますけれども、このときに外部の審査会等の意見を酌み取る、策定会議等が行われてきたという事実があるかどうか、一点お聞かせください。
○阿南資産税部長 私が記憶しておる限りにおきましては、過去に有識者等に諮ったといったことはないというふうに考えてございます。
○興津委員 わかりました。賦課課税をするに当たりまして、要領で課税をしているということが一点あります。そして、その要領に関しまして、外部審査を受けていないということであると思います。
この要領の作成に当たりましては、専門家等の意見を酌み取る、いわゆる外部評価等を組み込みまして、委細を検討いたしまして、税負担の公平性の確保、納税秩序の維持を損なうことがないように、そしてまた、より都民の皆様に疑義を抱かれることのないように、ご理解をいただける方策を検討していくべきだろうと私は思っておりますので、今後ともぜひ、ご検討いただきたいというふうに思います。
先ほどの東京都固定資産評価事務取扱要領に基づきまして、各都税事務所職員さんが現地視察等を行いまして、固定資産税額を一件一件決定していると伺いました。
この都税事務所職員さんは、定期的な人事異動並びに退職に伴う新規職員さんの採用などにより人員を確保していると伺っているところでありますが、その平均的な在職期間は大体どれくらいなのか、お聞かせください。
○阿南資産税部長 主税局におきましては、定期的な人事異動によりまして、主税局内外から優秀な人材の確保に努めるとともに、都として採用する新規採用職員の一定数を都税事務所に配置することによりまして、人員を確保しておるところでございます。
なお、現在、家屋評価事務を担当しております職員の平均在職年数でございますが、在職期間は約五年でございます。
○興津委員 ありがとうございます。ただいまご答弁もいただきましたけれども、平均な在職期間、これが五年ということであります。
この五年間に、東京都の固定資産評価事務取扱要領を理解して、職員さんにはその専門性を確立するということは、実は大変なご苦労があるんだろうというふうに拝察いたしますが、この人材の指導育成はどのようにされているのかお伺いします。
○阿南資産税部長 資産税部門におきましては、知識、経験が豊かで指導力にすぐれた専門課長十五名を本庁、都税事務所に配置いたしまして、事務処理の統一性、効率性を一層推進するため、日々、職員の指導に活用しております。
さらに、局職員によります事務指導に加えまして、経験年数に応じて実施いたします実務研修の中で、建築の専門家による最新の建築技術の研修も取り入れております。
また、平成二十年度からは、部門の中心的な職員の育成を目指しまして、約八カ月という長い期間をかけました専門科研修も実施しているところでございます。
○興津委員 ありがとうございます。本当にこの事務要領も大変複雑だと思いますし、都内の百七十万件といわれていますこの家屋調査、非常に困難だろうというふうに思います。
また、特に現地調査等は、暑い夏に集中的に行うというふうにも伺っていますので、大変ご苦労さまでございます。
この八カ月間の研修期間、専門性の確保、なかなか職員さんのスキルアップは困難ではなかろうかというふうにも思いますので、ぜひ専門性を高めるさらなる努力をお願いをさせていただきたいと思います。
このようなご尽力もあるとはいえ、毎年、実は不服申し立てもあるところであります。疑義を持たれての不服申し立てなのだと思いますけれども、なぜそのような事態に立ち至ってしまうのか。また、再調査制度など適切な納税相談等もあると思いますが、この再調査制度の都民への周知、告知についてお伺いいたします。
○阿南資産税部長 本年度の審査申し出件数は五十八件でございますが、その申し出内容を見てみますと、家屋の評価額が高いのではないかといった疑問など、さまざまな理由によるものがございます。
主税局といたしましては、納税者から寄せられる疑問等に対しましては、評価の仕組みですとか評価内容等につきまして、親切できめ細やかな説明を実施いたしておりまして、理解を得られるように努めてきたところでございます。
それでも納税者の理解が得られない場合につきましては、都独自の再調査制度について、趣旨ですとか内容等を丁寧に説明いたしまして、必要があるというふうに認められた場合につきましては、納税者からの希望に応じまして、資料等の提出を受けながら再度調査してございます。
○興津委員 ありがとうございました。先ほど神野委員の方からもありましたとおり、事務提要、あるいは私の方からご指摘をさせていただきました事務要領等々、これも東京都が、こういったら恐縮かもしれませんけど、お手盛りで賦課課税しているんだといわれるような疑義を持たれないためにも、外部の審査会等そういったようなものを三年に一遍、こちらの方は三年に一遍ですから、こういったことでもって課税をしていただくような、一つの物差しとなるでしょうし、また、これは市町村の方にも波及するでしょう。と同時に、各道府県の方にも東京都発信ということになるというふうに実は思いますので、その辺は懇切丁寧にしていただきたいということを、繰り返しましてお願いをさせていただきます。
次に、東京都の都税の徴収並びに滞納についてお伺いいたします。
都税は、公平公正に都民の皆様にご負担をいただくべきものであります。残念ながら、諸般の事情により滞納も毎年発生いたします。この滞納整理についてお伺いいたします。
まず、都税事務所には、課税部門と徴収部門があると存じますが、課税部門で課税し、納税通知書を送付した後、納期限までに納付されず滞納となった場合、どのように徴収部門にデータが引き継がれているんでしょうか、お伺いいたします。
○西海徴収部長 主税局のシステムにおけるデータの流れを概念的に申し上げますと、督促状を発してからおおむね二週間後に、各税目別の課税システムから滞納整理システムに滞納データが引き継がれます。
徴収部門では、引き継がれた滞納データを納税者ごとに名寄せした上で、滞納整理を行うことになります。
なお、例えば、巨額脱税事件のような悪質な事案の場合は、このデータを手処理することによりまして、システムの対応を待たずに速やかに滞納処分を行っております。
○興津委員 ありがとうございました。納税者ごとに名寄せが行われているというふうに伺いました。
一方、市区町村において課税徴収している個人住民税に関しましては、市区町村で管理をしているため、東京都では個々人の名寄せができないということであると思います。
この中には、実は都税分も含まれていますので、本来であれば、個々人の名寄せを行った分に関して、東京都税分に関しましては一元化して滞納整理を行うべきだろうというふうに考えておりますが、今後の検討課題としていただきたいというふうに存じます。
さて、その収入未済額は毎年発生し、電話慫慂、文書催告、臨戸、差し押さえ、公売など、懸命な滞納整理努力を進められていらっしゃいますけれども、残念ながら当該年度に一〇〇%徴収できるというわけでもありません。
収入未済となったものは次年度に繰り越されるというふうに考えますけれども、次年度、その未済額はどのように処理されるのでしょうか、伺います。
○西海徴収部長 ご指摘のとおり、収入未済額のうち交渉中の事案、滞納者の資力が不明の事案などは、次年度に繰り越されることになります。
主税局では、次年度に繰り越した事案につきましても、さらに徹底した財産調査に基づく収入確保に努めております。
その過程で、滞納処分をする財産がない場合などには、滞納処分の執行を停止するとともに、さらに、徴収することができないことが明らかである場合には、不納欠損処理を行っているところでございます。
○興津委員 ということは、翌年度に繰り越されました収入未済額は、滞納整理による不納欠損、調定異動等を差し引かれまして、さらに翌々年度に繰り越されるというふうになります。
そこで、お伺いいたしますけれども、具体的な年度を挙げまして、過去の経年における収入未済額の推移について、その金額並びに徴収率の変化、不納欠損額の発生比率、これをお聞かせください。
○西海徴収部長 ちょっと数字が多くなって恐縮でございますけれども、平成十九年度の都税一般分の調定額は、四兆七千四百三十七億円余りでございますけれども、その〇・六一%に当たる二百九十一億円が、収入未済額として翌平成二十年度に繰り越されました。
この収入未済額二百九十一億円のうち、平成二十年度には百三十四億円が収入となっておりまして、その割合は五〇・二%になります。また、五・二%に当たります十四億円が不納欠損となっております。
さらに、確定申告などによる調定の減額が二十四億円ございまして、これらを差し引いたおよそ百二十億円が、収入未済額として翌々年度の二十一年度に繰り越されました。
以後、同様に見てまいりますと、二十一年度の収入額は二十五億円、不納欠損額は十八億円、そして六億円の調定減額を合わせて、差し引き七十一億円が収入未済額として二十二年度に繰り越され、さらに、二十二年度には収入額十一億円、不納欠損額十四億円、差し引き四十六億円が二十三年度に繰り越されました。二十三年度の収入額は七億円、不納欠損額は八億円でございます。
もう一度整理して申し上げますと、年度ごとの収入となる割合は、滞納の翌年度二十年度が五〇・二%、その後二十一年度が二一・九%、二十二年度が一五・五%、二十三年度が一五・二%と徐々に減っておりまして、逆に、不納欠損の割合でございますが、二十年度には五・二%だったものが、二十一年度は一五・八%、二十二年度は一九・七%、二十三年度には一七・四%となっております。
○興津委員 ありがとうございました。ただいまの説明を伺いますと、時間がたつにつれまして徴収率が低下する、そして不納欠損の割合は高まってしまうということであると思います。
滞納が新しいうちに集中的に取り組むべきというふうに考えていますけれども、都では、滞納の新しいものと古いものと、また、私は年度ごとにきちっと経過的に追っかけていくべきだろうとも思いますけれども、それぞれどのように対応をされているのか、お伺いいたします。
○西海徴収部長 一般的な滞納で申し上げますと、滞納発生からおよそ二カ月間は、徴収部納税推進課で集中的に電話や文書によって催告を行います。結果として、ここで約七割の方が納税していらっしゃいます。納税に至らなかったものは、その後、各都税事務所の納税係に引き継がれまして、財産調査や滞納処分、納税交渉などを行ってまいります。
さらに、滞納発生の二年後には、事案を徴収係に移しまして、より広い角度から財産調査や滞納処分を徹底して行っております。
今後も、早期着手、早期処分による流れに沿った滞納整理を行っていくとともに、やむを得ず次年度に繰り越した滞納につきましても、迅速かつ的確な滞納整理を行いまして、収入確保及び税負担の公平性の確保、納税秩序の維持を損なうことのないように努めてまいります。
○興津委員 ありがとうございました。この不納欠損額も、平成十九年度には百七億円、二十三年度には八十七億円ということで、この数年間、漸減傾向にあると思います。
といいながらも、二十三年度に八十七億円という大変大きな金額であると思います、絶対金額は。この金額が、不納欠損になっています。先ほどのご答弁のように、早い機会に対応に取り組むことが肝要であると思います。
迅速かつ的確な滞納整理により、収入確保及び税負担の公平性の確保、納税秩序の維持を損なうことのないように重ねて要望させていただきます。終わります。
○長橋委員 私からも、質問を何点かさせていただきたいと思います。
まずは、宿泊税についてであります。
久しぶりの財政委員会でございまして、宿泊税創設のときに、私、財政委員会でございまして、それ以来なので、質問させていただきますが、聞くと、前に定例会で宿泊税についてはさんざん議論があったと、こういうことでございまして、重複を避けながら、簡単にお伺いしたいと思います。
そのときの報告事項であります、この宿泊税十年間の実績と今後のあり方、これを私もいただきまして読ませていただきましたけれども、この十年間に、まさに観光振興を産業ととらえてしっかりと取り組んでいこうと、重要な産業だ、こういうことでこの宿泊税が始まった。
全国で唯一のホテル税、宿泊税は東京だけでございますので、その十年間を見ると、観光振興の財源的には大きな下支えをしてきた。ある年では八割近くを宿泊税で賄ってきた。そういった状況もわかりましたし、また、十年間でございますので、二十三年度までにはおよそ百九億円、これが税金として徴収されたと。
その結果、ウエルカムカードだとか観光情報センターが新たにつくられた、こういうことでありますし、また、外国人の旅行者も、創設前の平成十三年は二百七十七万人だったのが、平成二十二年には五百九十四万人、かなり、倍増近く伸びていると、こういうことでございまして、一兆円を超える、いわゆる生産の波及効果があったんだと、こういうことをこの報告書には書いてあるわけであります。
そこで、この中に、課税人員、宿泊者の数ですね、それから登録施設、ホテル、旅館の数、これが平成二十二年度までについては記載がされておりますけれども、平成二十三年度、昨年、東日本大震災があった年であります、これも、当然、今、話題になっておるわけでありますが、ここには書いてありませんので、平成二十三年度の課税人員、それから登録施設数、どうなっているのか、まずはお伺いいたします。
○木村課税部長 平成二十三年度の課税人員でございますが、お話のとおり震災の影響もございまして、約五百八十七万六千人となってございまして、前年比二〇・八%の減となっております。
しかしながら、一方、登録施設数は四百六十二件で、前年比二・七%の増となってございます。
○長橋委員 今いわれた課税人員、宿泊者の数は、五百八十七万人と激減をしたわけでありまして、この表を見ると、二十二年度は七百四十万人、これに比べて二割減ったと、こういうことでありますけれども、多いときには九百九十万人、こういった年もあったわけであります。そう考えると、この課税人員は、景気の動向も含めて、ましてや昨年の震災の動向で大きく打撃を受けているわけであります。
それに対して、施設の数はふえていると、微増でありますけど、ふえているということになるわけでありまして、当然、ホテル、旅館業界の方々は、死活問題にもかかわっておりますし、何とかもう一度、外国人旅行者も含めて呼び戻したいと、こういう強い思いがありまして、私もたびたび聞いてきているわけであります。
そういう中で、この税収も、一貫して十億を超えてきたのが、これを見ると、二十三年度は八億二千万まで減収をしたわけであります。
そういう中で、東京都観光事業審議会が、昨年八月九日に、震災直後ですね、東京の観光の回復を目指す特別提言、これを策定したわけでありまして、緊急的に行っていく、そういった指針を示したわけでありますが、この緊急提言といいますか、特別提言、この内容についてお伺いをしたいと思います。
○宗田税制部長 お話の特別提言は、東日本大震災等で大きな影響を受けた東京の観光を早期に震災前の状態に回復させていくため、緊急的、短期的な視点から、知事の諮問機関である東京都観光事業審議会が提出したものでございます。
その概要を申し上げますと、低迷している都を訪れる外国人旅行者の回復、観光都市東京における安全性の確保等の課題に対しまして、より積極的な国外から国内への旅行の推進のため、経済効果の高いMICEへの対策を強化していくこと、旅行者が安心して過ごせる東京の実現のため、災害時の旅行者への多言語による案内や、だれもが障害を感じない施設の整備等の指針を示したものでございます。
○長橋委員 特別提言の中で、MICEの強化、または、緊急時の旅行者への多言語による案内、こうしたことも指針に示されているわけであります。
そうした中で、私も見せていただきましたけれども、宿泊税のご案内というのがございます。これはホテル等に置いてある。そういうことで、ぜひ東京は、宿泊税について、百円、二百円ですかね、ご理解をいただきたいと、こういうことで置いてあるんだろうと思います。
そうした意味で、これを開きますと、一万円は百円、一万五千円は二百円と書いてあって、何に使うかということで簡単に書いてあるわけでありますけれども、十年たって、これは十年間そうした取り組みで、実績も百億円を超える収入があったわけですから、なおかつ観光振興の大きな下支えをしてきた、そういった意味では、大変大きな貢献をしてきているんだろうと思いますし、また、これは簡単にいえば、宿泊税ですから、取りっぱぐれのない税金になるわけでありますから、いろいろ工夫をして、特別徴収義務者であるホテル等には、その支払い方法については工夫をされているというのはよく聞いております。
そういう中で、今後冷え切った旅行者を呼び戻すには、やはり主税局としても、ただ単純に税金を徴収しているんですと、宿泊税を徴収して、観光振興は産業労働局観光部がというのではなくて、しっかり連携をとって、また、財源を支えている局ですから、そうしたことも、宿泊税の理解をいただくとともにアピールもしなきゃいかぬだろうなと、こう思うわけであります。
宿泊税を課しているホテルというのは意外と高級なホテルが多いわけでありますけれども、私も、これを見て受け取ったことはないですね。
改めて見させていただきますと、ご理解くださいという程度のものですから、やはり十年たって、百億円使ったわけですから、そうした成果を示すことによって、納税者に対しても、特別徴収義務者のホテルに対しても大きな後押しになるんじゃなかろうかと、こう思うわけでありますけれども、ぜひこの十年間の実績を、これを今度は旅行者、そしてホテルの関係者にお示しをして盛り上げていくべきだと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
○木村課税部長 宿泊税のPRについてのお尋ねでございますが、まず、先生お示しいただきましたリーフレットを作成いたしまして、宿泊者には、税の目的ですとか使い道をお知らせするようにしております。これを都の観光情報センターに置くほか、ホテルのフロントですとか客室等に備えつけ等をしていただいているという状況でございます。
また、お話のとおり、今年度は税の導入から十年を経過するということから、改めて税の意義を周知する取り組みを行ってまいります。宿泊税の充てられる都の観光事業を紹介するチラシを作成いたしまして、特別徴収義務者であるすべてのホテル等にPRを行う予定でございます。
これらの取り組みによりまして、納税意識を高めていただき、適正な課税に引き続きご尽力いただくよう努めてまいる所存でございます。
○長橋委員 新たにチラシをつくって、そうした成果についてもお示しをしていくと、こういうことでございます。
外国人の方が日本に来られる、それは目的があって、観光であり、また会議もあるかと思いますけれども、それはそれぞれなりに調べて来たりして、なおかつ新たな情報をそこでまた入手をして観光するということだと思いますけれども、あわせて、世界の中で比べて、東京の一つの大きなポイントは治安のよさだろうと思うわけであります。
そうした意味では、夜遅くなっても安心して歩けるというようなこともあるわけでありますから、そうしたことも踏まえると、外国人の方が、東日本大震災があった東京でまた何かあるのか、こういったときに、緊急的に、外国人はどこに行けば緊急対応ができるのか、災害時の対応ができるのか、こういったこともサービスとしては重要じゃなかろうかと思うわけでありまして、ぜひそうしたことも踏まえて、どっちがやるか、観光部といいますか、産労がやるのか、主税局がやるのかはともかくとして、連携をとって、総体的に観光振興の下支えもぜひお願いをしたいと思うわけであります。
二十五年度はどうなのか、ぜひお伺いをしたいと思っておりました。来年は、ご案内のとおりスポーツ祭東京、国体が東京で開かれるわけでありまして、先日も、ホテル業界の方々がこの国体を大変期待されておりました。
改めて、どれぐらいの方が来るんだろうなあと、こういうことを聞きましたら、国体については、その開催県が宿泊施設を確保する、これが決まっているそうなんですね。ですから、参加する選手、監督、また関係者、これについては、開催県、来年であれば東京都が確保しなきゃいけないと、こういうふうに決まっているわけでありまして、どれぐらい来るのかということですけれども、毎年、国体ですから急に選手、監督がふえるわけじゃないものですから、大体平均して、国体の方で十四万、障害者スポーツ大会でおよそ三万人近く、およそ十七万人の方が、来年は間違いなく延べ宿泊者としては来ると、こういうことでありますから、これはもうホテル業界としては期待をすると。
それは選手、また国体関係者ですから、それに応援の方々とか関係者とかとを入れれば、当然この宿泊はさらにふえるわけでございまして、そうしたことを考えると、そのために宿泊衛生専門委員会というのまでつくって取り組んでいるわけでありまして、ぜひ、スポーツ振興局ですかね、そうしたことを、宿泊専門委員会というのがあるわけでありますから、主税局としても、連携をとりながら見込みを立てていただきたい。
それが、税収を、宿泊税を多く押し上げる。それをまた使って、ぜひこのオリンピックを目指す、その施設に役立てていただきたいということでございますので、二十五年度どうかと聞こうと思いましたけれども、要望にとどめて、次の質問をしたいと思います。
次に、先ほど高木理事からも、災害対応、木密対策の質問がありましたけれども、私も、地元豊島区で木密地域を抱えておりますし、特定整備路線は今回二十三路線が指定をされましたけれども、そのうち七路線が豊島区にあるということで、地元では大変な話題になっているとともに、この十年間で、十年間といっても二〇二〇年までなんですよね、あと八年余りしかないわけでありまして、その間に木密を解消する、特定整備路線をやり遂げると、こういうことでありますから、地元の方々からすると、昭和二十一年に決まった計画道路が今になって、本当にあと八年でできるのかと、こういう声もたくさんいただいているわけでありまして、ここは、理事者も初め東京都全体で、我々も地元の議員として踏ん張りどころだなと、こう思っているわけでございます。
そこで、住宅の不燃化、耐震化、こうした取り組みについては、既に東京都は、耐震化促進税制、これを実施しております。そうした意味では、この取り組みは、今回の地域防災計画の見直し、また、被害想定の見直し、その以前から既に進めているわけでありますけれども、まず、この耐震化促進税制、これの概要について伺いたいと思います。
○宗田税制部長 耐震化促進税制は、災害に強い東京の実現を税制面から支援するため、平成二十年度に創設したものでございまして、二十三区内において耐震化のための住宅の建てかえ、または耐震改修を行った場合に、税制上の優遇措置を講じるものでございます。
その概要を申し上げますと、住宅を建てかえた場合は、建てかえ後三年度分の固定資産税及び都市計画税の全額を減免する。耐震改修を行った場合は、百二十平米までの部分について、改修を行った時期により、三年度分、二年度分、または一年度分の固定資産税等の全額を減免するものでございます。耐震改修を早く行うほど、長い期間、税が軽減される仕組みになってございます。
○長橋委員 これは平成二十七年までの時限的措置だと、こういうことでございますよね。ですから、今、平成二十四年ですから、あと三年余りの時限措置だと、こういうことでありまして、これは都市整備局所管の防災まちづくりでも、平成二十七年を目指して不燃領域をアップさせていこう、耐震化率をアップさせていこうと、そういう中で、主税局としても取り組んだ税制だと思いますけれども、平成二十年から始まっているわけでありますが、その実績はいかがでございましょうか。
○宗田税制部長 耐震化促進税制の実績についてでございますが、平成二十四年度定期課税分で申し上げますと、建てかえの減免件数は約一万二千件、耐震改修の減免件数は約二千八百件、減免税額は、固定資産税と都市計画税を合わせて、建てかえ及び耐震改修の合計で約十五億八千万円でございます。
また、平成二十一年度から平成二十四年度定期課税分までの累計の減免税額は、約三十五億円でございます。
○長橋委員 二十年からですから、二十、二十一、二十二、二十三、二十四と約四年半ぐらいの実績を伺いましたけれども、建てかえの減免件数は一万二千件、耐震改修の減免件数は二千八百件、およそ一万五千件弱の実績がある、こういうことでございますけれども、そういう中で東日本大震災が起きた、そういう中で被害想定を見直しをした。
被害想定を見ますと、東京湾北部地震、これは一番大きな災害になるわけでありますけれども、それは全壊棟数は約三十万棟、三十万棟が倒壊すると、こういう想定があるわけでありまして、それに対して地域防災計画では、そのうち二十万棟を減をさせると。三十万棟被害があるけれども、何とかこの地域防災計画で二十万棟を減らしていこうと、こういう目標が示されたわけであります。
今、実績を伺いますと、およそ一万五千棟ということでありますから、もちろんほかにも助成制度、さまざまな緊急援助の助成制度もあります。さまざま制度を組み合わせていくわけでありますけれども、当然、この耐震化促進税制、二十七年までの期限つきでありますけれども、これは当然、今の東京全体の取り組みからすれば、後でも申しますけれども、延長すべきだと、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○宗田税制部長 耐震化促進税制は、早期の耐震改修または建てかえを促すため平成二十七年十二月三十一日までと期間を限って実施しているところでございます。
平成二十八年以降の取り扱いにつきましては、減免の効果、耐震化率等の状況を勘案いたしまして、また、関係局とも相談しながら、その時点で判断を行っていきたいと思っております。
○長橋委員 その時点でまた検討するということでありますから、後で申し上げますけれども、現在、木密不燃化十年プロジェクト、これが東京都の重要施策として発表されて進み始めたわけであります。
そういう中で、税制のことを考えると、先ほど高木理事も申されておりましたけれども、私も第二回定例会の代表で、この不燃化建てかえによって家屋の固定資産税評価額が上がってしまう、税負担がふえてしまうという問題がある。
また、老朽住宅を除去して更地にしてしまうと、課税標準の特例措置が適用されなくなるという問題もあると、こういうことを同じように指摘をさせていただきました。
そういうことを踏まえて、この木密不燃化十年プロジェクト、特別な支援を行う、そういうことを踏まえて支援を行うべきだ、こういうことを主張させていただいたわけであります。
既に、特別な支援の中身については、今検討していますと、こういう答弁でありましたけれども、そしてまた、各区からのご提案をぜひいただいて、それを総合的に評価して決めていこうということでありますが、もう既にその取りまとめ作業には入っているんだろうと思うわけでございます。
都税の減免措置、これは例示として入っているわけでありまして、私は、いろんな助成制度、また、アドバイスや支援もあると思いますけれども、実際そこの木密地域に住んでいらっしゃる方、実際に対象となる方にとってみれば、この減免措置というのは大変大きなインパクトになりますし、インセンティブになるんだろうと思うわけでございまして、これについては、ぜひ、地域住民の方が本当にご納得のいく、先ほど申し上げた、不燃化を促進するとかえって税負担がふえてしまうと、こういうことも踏まえて、ぜひ皆さん知恵を絞っていただきたいと思いますけれども、現在どこまでその検討をされているのか、改めて伺いたいと思います。
○宗田税制部長 首都直下地震が切迫している中、木密地域の不燃化促進は極めて重要な課題でございまして、現在、事業所管局において、先行実施地区に選定された区と地区ごとに整備プログラムの作成を行うなど、特別な支援策の実施に向け、具体的な検討を行っているところでございます。
不燃化建てかえに係る都税の減免措置につきましては、その支援策の一つとして、関係局と連携しながら現在検討を行っているところでございます。
また、空き家対策につきましても、先ほど高木理事からご質問がございましたが、先ほど申し上げたとおり、老朽家屋の認定のあり方や除却後の空き地のあり方などの課題もございますが、これにつきましても、関係局と連携しながら、支援策の一つとして検討しているところでございます。
○長橋委員 検討しているのはよくわかっているわけでございまして、そういう中で大変期待をしているわけでありまして、ぜひそうしたことを踏まえてお願いしたいと思います。
この不燃化十年プロジェクト、十年間で早急に解消していこうということでありますが、災害はいつ起こるかわからないわけでありまして、いつあってもおかしくない、これはたびたびいわれているわけであります。
そういう中で、現在、東京都で大きな災害が起きる、東日本大震災級の災害が起きる、阪神・淡路大震災級の震災が起きる、そういったことも想定をされるわけでありまして、整備は、そう簡単にはできないわけでございますけれども、現在その整備を進めていく中にあって、いざ災害が起きたときに、主税局としては、被災者に対してどういう支援を行っていくのか、伺いたいと思います。
○宗田税制部長 被災者に対する都税の救済措置でございますが、災害により申告や納付等の期限までにこれらの行為をすることができないと認められる場合には、当該期限を延長する、徴収金を一時に納付、納入することができないと認める場合は、申請によりその徴収を猶予する、災害により損害を受けた場合は、被災の程度等に応じ、申請により都税の減免をするほか、納税証明等の発行に係る手数料も減免するなどの制度がございます。
東日本大震災においても、例えば、都内に固定資産をお持ちの被災者などに対しまして、これらの制度を適用したところでございます。
○長橋委員 現在は、そういう制度で東日本大震災のときにも適用したということでございますけれども、木密不燃化十年プロジェクトは、あくまで都の整備地域七千ヘクタールが対象であるわけでありまして、これについて、私もほかの委員会で議論してきましたけれども、七千ヘクタールに限って、地域を限定しているわけでありますが、経年していく中で、整備地域に入ってないけれども新たな整備地域に指定をしてもらいたいという地域もございます。
そういったところからすると、今回の十年プロジェクトの中には指定されないという可能性も出てくるわけでありまして、今、三地区の予定だったのが十二地区、申請した地区すべてを不燃化特区にして先行して来年から本格実施と、こうなっているわけでありますが、その枠はこの整備地域七千ヘクタールになっているわけでありまして、先ほど耐震化のことについてはお伺いをしましたけれども、こうしたことを踏まえると、整備地域以外の地域についても災害は同じようにやってくるわけでありますし、不燃化、倒壊ということも、危険度は整備地域、重点整備地域よりは低いかもしれませんけれども、大きな被害は当然想定されるわけであります。
そうしたことを考えると、主税局としては、東京全体を見据えて、災害対応、先ほどの耐震化税制の延長も含めて、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。
○吉住委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十一分休憩
午後三時二十六分開議
○吉住委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○増子委員 私からは一点だけ、細街路というか、供用道路ともいったりしますけれど、いわゆる建築基準法上の四十二条二項道路の固定資産税の取り扱いについて伺いたいと思います。
先日、防災対策特別委員会が行われまして、私どもの田中健議員が質問させていただいて、建築基準法第四十二条二項、いわゆる二項道路に対する固定資産税の取り扱いについて、一定の条件を満たしていれば非課税になるというご答弁があったと思います。
そのときのやりとりでは、非課税私道についての点検はちゃんと行っていますよというお話もあったと思いますし、あるいはその非課税を取りやめるときの統計は、とっていないというようなお話もあったかと思います。
そこで、ちょっと確認のために伺いたいんですけれど、いわゆるこの四十二条二項道路について、固定資産税を非課税として取り扱う場合はどのようなときか、また、どのような場合に非課税と認めないのかを教えていただきたいと思います。
○阿南資産税部長 理事のご質問にございました、いわゆる二項道路が公共の用に供する道路として固定資産税等が非課税となりますのは、区道などの公道に準じて、何ら利用上の制約なく、不特定多数の利用に供されている場合でございます。
一方、非課税と認められないこととなりますのは、道路の入り口に関係者以外の立ち入りを禁ずる表示をしたとか、道路上にプランター等を常態的に設置をしたり、また、道路を駐車場がわりに利用しているような場合でございます。
○増子委員 ありがとうございます。確かに四十二条二項が、私道が建てかえになって広がっちゃった、せっかく広がったのにと思った人も、しばらくするとプランターが置いてあったりとか、今みたいにひどい話は車を置いてあったりとかというケースというのは、なくはないと思いますし、私たちも、お祭りをやるときに、子どもの山車とかみこしとかを出すわけですけれど、結構狭いところでも来てほしいという方も、それは当たり前でいらっしゃるんだけれど、行くんだけど、物をどかしておいてくれと頼むんですよ。
つまり、それだけ結構前に置いちゃっている方というのもいらっしゃるんだなというふうに思っていまして、それがいわゆる公共の用に供していないと、よって非課税ではないというご説明だったというふうに思っております。
そこで、道路非課税と認定されない場合に、その土地というのは、固定資産税の課税をする際に、どういう評価をしているのかということについてお聞かせいただきたいと思います。
○阿南資産税部長 都におきましては、評価事務取扱要領を定めまして、特別区内の土地評価の統一性を保つようにしているところでございます。
お尋ねの、ご利用の制約があり、不特定多数の利用に供されていないため道路非課税と認定されない二項道路につきましては、同要領におきまして、その道路に付設した路線価の一割を一平方メートル当たりの価格とする旨を記載してございます。
○増子委員 今お話がありましたとおり、東京都固定資産評価事務取扱要領、私も見させていただきましたらば、確かに課税私道のうち第二節第六により、路線価の付設を行ったものの補正率は〇・一〇とありまして、それ以外の課税私道の補正率は〇・二〇というふうになっておりました。
結構、これは何度も何度も改正されているようで、古い資料を見てみますと、確かに〇・一というのもあるし、〇・二の場合もあるし、いわゆる路線価の付設を行われていない道路については〇・五のときもあったりとか、さらに古いのを見ていきますと、そこの区分けがなかったり、路線価の付設をしているかどうかの区分けがなくて丸々〇・五だったりという時代も、どうも見受けられたと思うんです。
そういう意味では、かなり変遷をしてきているのかなというふうに思っておるんですが、非課税とならない四十二条二項道路を、今のような評価方法としたというのはいつぐらいからなのか。また、それ以前はどういった評価方法をしていらっしゃったのかというのを教えていただきたいと思います。
○阿南資産税部長 個人等が所有いたします非課税とならない二項道路につきましては、平成六年度から路線価の一割として評価をしております。
ただし、行きどまりのものにつきましては、平成六年度から十一年度までは路線価の二割、平成十二年度からは一割としているところでございます。
なお、それ以前につきましては、路線価の五割で評価しておりました。
○増子委員 今お話がありましたけれど、そういう形で変わってきているということがあるんだろうというふうに思いますが、細かく見ていくと、さっきからちょっといっていますけれど、路線価を付設するのかしないのかとかによっても、若干その区分けが違うし、それは道路の幅とか使い方によっても多少違っているというふうな多分理解でいいんだろうと思うんです。
いずれにしても、かつては宅地に対して五割ぐらいの評価をしていたものが、どんどん下がってきたという経緯があるんだろうなというふうに思っているんですが、一割評価といいますと、どのぐらいかわかりませんが、例えば、私の近所の方でざくっと考えると、二十坪ぐらいの宅地の年間の固定資産税が、例えば四万円ぐらいだったとすると、それの一部がセットバックするわけだから、四、五坪セットバックするとせいぜい八千円とか一万円、それの一割評価というと八百円とか千円ぐらいなイメージですよ。一年間ですよ。
そうすると、変な話、逆のインセンティブというと変ですけれど、置いちゃっても、大したことないとまではいいませんが、それほど痛みを感じないというか、そういう意味でいうと、宅地は宅地として一〇〇%の評価で、道路がちゃんと拡幅してあって公共の用に供していれば当然非課税なわけですから、その間をどうするかという課題なんだと思うんですが、その間がとってもちょっと非課税に近過ぎるんじゃないかという感じが、私はちょっとしているんですね。
そういう意味では、検討する必要があると思っているんですが、こういう私権を主張する行為というんですかね、そういうのがある場合に、いわゆる公衆用というか、公共用の道路としては非常に公共性が低いといういい方も、もしかしたらできるのかもしれませんが、九割減価ということが、そういう意味では、過去もうちょっと高かった時代もあるということから考えると、若干、今の状況を考えると低いのかなという気はするんですが、専門家の意見を聞きながら、これは適宜見直しを図るということがあってもいいんじゃないかなと思うんですけれど、いかがなものでしょうか。
○阿南資産税部長 平成六年に現行の一割評価に移行いたしましたのは、当時の地価高騰等の社会経済状況ですとか、いわゆる七割評価の導入といった制度変更を踏まえまして、納税者負担に配慮したことなどによるものでございます。この見直しに当たりましては、民間の不動産鑑定におきます私道評価に係る実態も十分考慮したところでございます。
いずれにいたしましても、地方税法において、土地の価格は適正な時価をいうとされておりまして、都といたしましては、従前から、評価事務取扱要領につきましても、こうした観点から常に見直しを図ってきたところでございまして、今後とも、社会経済情勢を踏まえて、適正な時価を反映するように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○増子委員 今、部長さんからのご答弁の中にもありましたように、戦後、経済発展と同時に土地も上がってくるという中で、評価のパーセンテージじゃなくて実額がどんどん上がってきたから、そういう意味では、負担軽減のためにその率を下げていくことで実際の額を下げてきたという、多分経緯があったんだろうなというふうに思っておりまして、そこは確かにそういうご意見も、私も区議会時代からあったと思うので理解ができるところでもあります。
ただ、一方で、今の社会経済状況はどうなのかという中で、確かに経済が厳しいというのはありますけれど、一方では、地価は底を打ったんじゃないかというぐらい下がってきたという中でいうと、かつて土地が上がり続けていた時代とは、ちょっと違うのではないかという経済状況があるのかなというのが一つと、社会情勢的にいいますと、大震災が近づく中で、その防災対策はどうするのかというんで、先ほどから高木先生とか長橋先生からも木密の話も出ていました。
そういう意味でいうと、木密の中で私道を広げていく、その行為そのものが都の仕事ではない、区の仕事ではありますけれど、しかし、そこにインセンティブを与えているのは、都の今の税制でもあるので、先ほどからいわれているように、都政の政策課題を主税局として後押しするという意味でいうと、今の防災対策を主税局として後押しできるインセンティブを与えることができる可能性のある仕組みかなあと思っておりますし、何よりも、道路を広げたら道路として使えるようにしておくということが安全上非常に重要なことなので、住民の生命を考えると、とっても重要なことだと思いますので、これはぜひ、ご検討をいただければありがたいと思っています。
ただ、今度、先ほど来下げる話がある中で、上げる話となれば、当然のことながら専門家の意見をきちんと聞く、あるいは客観的なデータを示すとか、当然時間をかけていろんなことを考えながら検討していただければありがたいと思っております。
以上で終わります。
○和田委員 都税事務所の役割などについてお伺いをいたしたいと思います。
主税局は、本庁に五部、それから都税事務所は二十三区各区、それから多摩地域に二カ所というふうに配置をされているところです。
これは、よって来るところ、税を身近に、都民あるいは納税者に知っていただく、距離的な身近さをそこにあらわした一つの施策だろうと思っておりますが、それぞれ本庁と出先を含め、所管の目的を含めて、税目など含め、どういう差異があるのかないのか、まず概論的にお伺いいたします。
○田倉総務部長 主税局の組織では、都税事務所などの出先機関において都税の賦課徴収を行い、納税者の皆様の直接の窓口となっております。また、本庁は、こうした出先機関の指導部門として円滑な業務運営をサポートしております。
都税事務所などで所管する税目につきましては、法人事業税・都民税や個人事業税などの道府県税を初め、二十三区内では、固定資産税や都市計画税など市町村税の一部も所管しております。
また、二十三区内の法人や個人の事業税などでは、受付窓口はそのまま各所に設置しつつ、業務の効率的な運営を図るために、申告書等の処理や調査業務について幾つかの都税事務所などに集約化を行っております。
○和田委員 要するに、主税局は、本庁よりも事務所の方に人的配置も多くなっていますし、冒頭申し上げたとおり、徴税のスタイルそのもの、仕組みそのものを納税者に近づけるというような意図が十分そこに感じられるわけです。
とりわけ二十三区の中では、個人事業税とか法人事業税、あるいは地方法人特別税とか法人都民税などの課税などについては、九つの都税事務所に依拠しております。
しかし、一方で、申告の受け付け事務などについては、あらゆる事務所というか、そういうところで行っているのが都税事務所のありようなのでありますけれども、要するに、二層制というか、二段階に住民から見ると見えます。
いわゆる九ブロックに分けたのと、それから二十三ないし二というふうに特別区、それから多摩地域で分けておりますが、その辺の意図についてどのように理解したらよろしいですか。
○田倉総務部長 主税局では、団塊の世代を初めとする職員の大量退職が進む中で、業務を集中処理し、税務事務に関するノウハウの効果的な継承を図り、少数精鋭を基本とした、より簡素で効率的な執行体制を構築する観点から、平成二十年度に法人二税を、また、二十一年度に個人事業税を、九つの都税事務所に集約をいたしております。
集約化に当たりまして、納税者の負担が増すことのないよう配慮し、申告受け付けなどの窓口業務につきましては、集約化した事務所以外の都税事務所においても、引き続き行うこととしたものでございます。
○和田委員 要するに、二十三プラス二、二十五のそういうブランチがあるわけでありますけれども、それを九つの都税事務所にまたブロック化しました。
それは、要するに、先の質問で出ますけれども、やはり人員をコスト削減してくるとか、あるいは地理的な一つの要件、すなわち放射状に人が移動して、そしてブロックの中で事務共有できるよというような、そういう地理がかなったところを九つに分けて、二十三とは違う形で共同の作業をしていこうと、ある意味では、広域行政的な意味合いをこの九ブロックは持っているんだろうと思うんです。これは、今までできなかった新しい税務体制ができたわけで、私は大変評価をしているところです。
このことは前提にしながらも、そのことと、それから法人事業税などについて、税務署の出張受け付けというのをやっています。
私も税務署などの出張受け付けが時間的に十五分過ぎちゃうと、不可だよ、できないよというのをいろいろな条件を附帯して、最終的な税務署出張受け付けにしましたけれども、その過程で、出張受け付けのもたらした、毎月月末に、一日二人ほど派遣されておりますけれども、何ゆえに、月末に二人ということの、また効用などについて、お伺いいたします。
○木村課税部長 まず、税務署への出張受け付けについてでございますが、所管地域の都税事務所から徒歩でおおむね十五分以上かかる税務署、あるいは十分以上でも地理的に困難な状況にあると認められる税務署に対しまして、都税事務所の職員が出張して、法人事業税・都民税の申告受け付け事務を行っているものでございまして、これによりまして、納税者の利便を図りまして、もって納税者サービスの向上に寄与しているというふうに考えております。
また、派遣する人間が二人という理由ということでございますが、やはり一人では何かあった場合、支障が生じるおそれがあるということと、それから、午前と午後に分けてございますけれども、やはり切りかえのロスを抑えるといいますか、そういった観点から、できるだけそういった形でやろうということで、現在行っているところでございます。
○和田委員 この出張受け付けは、まさに、都の税務のサービス的な行為でありまして、みずから出向いて、そこで受け付けるということですから、納税者教育といいましょうか、納税者サービスには、大変私は、公的な一つの、平成九年から始めたと思いますけれども、今日まで実績を積んできたと思うんです。
私どもの身近でも、税理士さんなども含め、税実務者は、この出張受け付けを大変評価をしてきました。
しかし、平成九年から今日まで、相当長い時間たっておりますから、当初の効果効能とは違って、時代変遷とともに、この税務署出張受け付けという制度がどういうふうに変遷をしてきているのか、それに大変興味を持っているところです。
具体的には、受け付け件数ですね、それが総体の都税全体でどういうふうな経過になってきているのかということをお示しをいただきたいと思います。
○木村課税部長 出張受け付けの実績の状況でございますが、お話のとおり、税務署への出張受け付けは、平成九年度より実施いたしております。直近十年間での受け付け件数の実績を見ますと、平成十七年度の約五万九千件をピークといたしまして、電子申告の普及等に伴い、平成二十三年度、昨年度には約三万六千件まで減少してきております。
また、受け付け件数全体に占める税務署出張受け付け件数の割合でも、八・四%から五・一%に減少している状況でございます。
○和田委員 ピーク時は、それこそ八・四%ですね、税総体に占める、一〇%近かったのが、だんだん低減化してきて、昨年度は五・一%まで下がってきているという事実は、これは時代の流れの中で出張受け付けという人的なそういう受け付け以外に、電子受け付け等がずっと出てきておりますから、これはもういたし方ないと思うんです。
ただ、電子受け付けに至らない人的なそういう受け付けを、いまだに、大変便利だという人も中には多く、僕の周りにはいるんですね。したがって、時流は電子受け付けだよといいながらも、やはり出張受け付けによる利便に、大変、それを税務の一つの仕事の中に組み入れている方もいるわけでありますから、そういう当事者の声などは聞いたことがあるのかどうなのか、それをお伺いいたします。
○木村課税部長 税務署への出張受け付けにつきましては、平成十六年度に関係団体である税理士会等の要望を踏まえまして、その基準を所管の都税事務所から徒歩十五分であるというところを十分に緩和いたしまして、対象税務署を拡大してきたところでございます。
また、平成二十年度の都税事務所のブロック化の際にも、納税者サービスの維持について税理士会からの要望もございまして、ブロック化した都税事務所以外の事務所でも申告の受け付けを行うとともに、従前どおり、対象税務署に対してブロック化した九事務所で出張受け付けを行っている次第でございます。
なお、それ以降、出張受け付けに関します特段の要望は受けておりませんで、むしろ、電子申告に関する利便性向上に関する要望を多くいただいているということでございます。
○和田委員 先ほど来申し上げますとおり、時代は、電子申告の時代に大きく流れが移っています。ですから、平成九年当時の出張受け付けという、こちらから出向いていって、納税者の利便に供するというような、大変まじめな、ある意味で牧歌的なそういう仕組みじゃなくて、それこそ指下げで終わっちゃうような、そういう形に世の中は動いているかもしれません。
ただ、やはり携帯電話がはやることによって、公衆電話がなくなって、それで不便をかこつような人も、余り声は大きくないんですけれども、お年寄りなどについてはそういう方がいます。
世の中の流れそのものを、ただ、きちんと大きく受けとめるだけではなくて、小さな声の人、あるいは声を出せないような納税者という人に対しても、この出張受け付けというのは、ぎりぎりまで存続をし、税を納めていただくという、そういう謙虚な姿勢で、大胆に電子申告に移行するのではなく、このように、まだ三万六千件ぐらいあるわけでありますから、そういう方々の気持ちをしっかり受けとめる中で、先行きどうするのかというようなことが大事だろうと思うんです。
もし、電子申告にいくにしても、今までの出張受け付けの方のご要望をどういうふうに電子受け付けの方に移行させていくかという工夫も、必ず必要になってくると思うのでありますが、その点については、出張受け付けの将来についても含め、お考えをお聞かせください。
○木村課税部長 税務署への出張受け付けの拡大についてでございます。既に三分の一を超える納税者が電子申告を行っておりまして、国税や我々都税、税理士団体等が連携して、電子申告のさらなる普及促進に取り組んでおります。
今後は、電子申告の利用率向上とともに、窓口での申告件数は低下していくものというふうに予想しているところでございます。
また、現在ではブロック化した九所の職員が手分けをして、二十三区内の対象税務署すべてで出張受け付けを行っておりまして、中には、五つの税務署を受け持つ事務所があるなど、マンパワー、要員確保という面からも、非常に厳しい状況にございます。
しかしながら、申告納税制度を維持するためには、納税者の理解と協力が不可欠でございます。主税局では、郵送による申告の受け付けのほか、電子申告の普及促進に積極的に取り組むなど、効率的な執行体制に留意しつつ、申告方法の多様化に努めているところでございます。
今後とも、納税者サービスの維持向上に努めてまいります。
○和田委員 要するに、納税者の理解がないと、幾ら税務署の方が、電子化、電子化といっても、納める方の同意というか、納得がないと納まるものではありません。また、強制的に、それを納めさせるという時代でもありません。
納得して、理解して納めていただくような工夫をしていくためには、なだらかに、穏やかに、納税者にできるだけ丁寧に、電子申告の方向にいっていただくということで、関係する税理士会とか、納税団体にも、そういうようなことの普及徹底をお願いしながら、教育をお願いしながら進めていく過程で、結果として電子申告がふえていく、また、出張受け付けが、結果として減ってくるということに、私はなってほしいと。
平成九年、この制度をつくったときには、まさに、出張受け付け様様というような形で、税務当局は喜んでいたわけですけれども、それが月日とともに、出張受け付けに冷たいような形になると、これは何のためかということになりますから、基本精神は忘れずに、しかし、時代の流れの中で、どうしたらいいかという工夫をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、徴税コストについてお伺いいたします。
都税の徴収率というのは、平成十年度などを見ますと、私どもが都議会に入ったときは九三%程度でありました。大都市といわれる、比較になりません大都市ですが、名古屋、大阪を見ると大体九七%を平均に保っておりました。この四%の差は何なのかなというふうに、不思議に思った当時がございますけれども、近年、私どもが想定している九七%に大体落ちついて前後している過程でありますけれども、この間、どういうような工夫、努力をなさってきたのかということについてお伺いをいたします。
○西海徴収部長 都税の徴収率でございますが、ただいまお話があったとおり、平成十年度においては九三・五%であったわけなんですが、実は、その三年前の平成七年度に、過去最低の九〇・二%まで落ち込んでおりました。
そのため主税局では、組織の再構築や業務運営の抜本的改革を進めまして、十九年度には過去最高の九七・九%まで上昇したところでございます。その後、二十年度以降、景気後退等の影響もございまして、二年連続して低下いたしましたが、昨年度は、前年度を〇・二ポイント上回る九七・〇%に回復したところでございます。
ただいまお尋ねがありました平成十年度以降の徴収方法の改善点といたしましては、まず、滞納整理の組織を見直しまして、事案ごとに滞納の発生から最終処理までを一人の職員が担当する仕組みから、事案横断的に、例えば、電話による督促などの初期段階、その後の交渉段階、公売などの最終処理段階など、段階ごとに職員で分担いたしまして、より計画的な、また、効率的な処理を行える仕組みにできる限り改めまして、できる限り現年から翌年度へ繰り越さない滞納整理を徹底いたしました。
また、滞納整理システムによる執行管理を開始するとともに、多様な収納方法を導入いたしました。さらに、滞納整理を効果的に進める取り組みといたしましては、平成十六年度でございますが、全国に先駆けて、インターネット公売を導入、翌十七年度には、自動車が自走できないようにタイヤにロック器具を装着するタイヤロックを導入するなど取り組んできたところでございます。
今後の徴収方法でございますけれども、昨年度、従前のタイヤロックを改良いたしまして、自動車のドアミラーに装着するミラーズロックを導入しましたように、時代の変化に応じた創意工夫を重ねるとともに、区市町村を初めとする関係機関との連携を強化いたしまして、滞納整理の取り組み強化に努めてまいります。
○和田委員 都税収入一%といっても、ことしも四兆二千億ぐらいですから、一%は四百億円に大体なるんですね。したがって、名古屋、大阪と比べて三%違うとなると、一千二百億円の九三と九七%の徴収率では、差が出てきます。したがって、当然一%は四百億円だというような、大変貴重な、そういう数字をいつも頭に置きながら、税務当局は配慮をお願いしたいというふうに思うんです。
そういう結果、九三%が九七にコンスタントに大体いくようになったという背景には、先ほどお話のとおり、一人徴収であったのを複数にして、点検する、チェックするというような、競争心もあおるんでしょう、そういうことにより徴収率を上げてくるということもありました。
そんなこともあって、東京都は、急に九七%になったということで全国で注目をされて、どうして徴収率が上がったのですかという問いかけに、当局の方は、一つ一つの事例に、各県まで行って説明をしていたようです。ところが、それではとても仕事ができないということで、夏、都民ホールに皆さんに、各自治体の税務関係者に集まっていただいて、そこで一遍に徴収率を上げたアイデアなり、工夫なりを、毎夏やるようなことが数年続いたと私は記憶をしております。
そのぐらいに、考え方を変えることによって、九三%から一千二百億円ふえる九七%に到達し、なおかつ、それがずっとコンスタントに維持されているという、東京都の税徴収のノウハウというのは、きちんと定着されているというふうに私は評価をしているところなんです。
そこで、もう一つの問題は、滞納整理の問題です。
徴収は徴収でいいんです。九七%も、一生懸命頑張っていると思うんですが、滞納整理の工夫によっては、まだまだ都税に対する徴収の効果が上がってくるかなと思うんでありますけれども、それには、団塊世代が、ある程度徴税技術を持っていた方が卒業されてしまって、それがどういうふうな継承をされているかというのが不安です。
少なからずテクニックも含め、滞納などについては人的な一つの熱意だとか、行為が、一つの成果を上げるというふうに思っておりますから、システム的には、機械的にはできません。
そこが途絶えたのではないかなという心配もあるんですが、どういうふうに継承技術を、今日伝えようとしているのか、また、どういう工夫をされているのかについてお伺いいたします。
○西海徴収部長 ご指摘のとおり、多くのベテラン職員が退職し、その有する知識や技術の継承が滞納整理についても大きな課題であると認識しております。
そこで、例えば、平成二十三年度の取り組みでございますが、滞納整理の中核を担う職員を対象とした、延べ十四日間の専門科研修、こちらの講師は、主に専門課長、その道のベテランがやったわけですけれども、そういった研修を初めといたしまして、実務の即戦力に向けた局研修を延べ二十回実施いたしました。そのほかに、各都税事務所、あるいは近隣の都税事務所ごとによるブロックなどでも研修を実施しております。
また、円滑かつ着実な継承へと結びつけるために、経験者と未経験者とのペア制を導入するなど、実務を通した指導、OJTあるいは事務所内での勉強会など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
主税局では、引き続き、職員の状況に応じて、きめ細やかな育成に努めてまいりたいと存じます。
○和田委員 納税の義務という言葉がありますが、やはりどちらかというと、税は余り納めたくないという本心、私には少しのぞけます。したがって、本来は義務なのですけれども、どうしてもそこにストレートに払うというところまでいかない心理が働くものですから、それを喪失して、失わさせて進んで払うようにしていくことが、スムーズな納税の仕組みだろうと思いますし、そのことが、いわゆる都民の義務として、納税を進んで行うということだろうと思います。
これに関しては、十一月でしょうか、税務署関係の七団体とか、そういうところが一斉にチームを組んで、税を知る週間だとかそういうことで、小学生に税のポスターをかいてもらうとか、そんなことで青少年を含め、社会教育的な税教育をしているのは承知をいたしております。
これからは、徴税率を高めていく。その次に、滞納についての整理をしっかりして、根気強くやっていくと同時に、永続的には、納税思想というものを、子どもたちを含め社会教育的に広めていく必要があるだろうというふうに思うんでありますが、それについては何か新しい工夫を考えていらっしゃいますか。
○田倉総務部長 納税思想を普及させるための取り組みについてでございますが、納税思想の普及は、納期内納税を推進していく上で極めて重要でございます。
このため、これまでも主税局では、納期周知ポスターや広報紙「あなたと都税」等で納期のお知らせ、都税の制度やその使われ方などを周知しまして、納税者意識を高める取り組みを行ってまいりました。
また、小中学校等に職員が出向いて出前授業を行う租税教室の実施や、中学生の税についての作文に対する支援、協力など、次代を担う児童生徒の納税に対する理解促進に取り組んできたところでございます。
今後とも、都民の納税思想の普及啓発に努めていくとともに、都民の納税に対する興味、関心を高めるため、創意工夫を凝らしまして、納税者意識の一層の高揚を図ってまいります。
○和田委員 今まで、徴収率がおおむね九三%から九七%に上がってくる過程の努力、それから納税思想に至るところまでお答えをいただきまして、大体順調な形で、都の税務体制というのはきたのかなと思うんですけれども、問題は、そういう表面的な問題はいいんでありますけれども、やはり人件費をどれだけかけて、どれだけ回収できたのかという、人件単価といいますか、経費をいっぱいかけて徴収率を上げても、人件費がかかったのでは意味がありません。
したがって、人件費対徴収コストの比較、これは平成十年でも結構ですし、七年でも結構ですけれども、今日までどういうふうな経過をたどってきているのでしょうか。
○田倉総務部長 主税局は、歳入総額の約七割を占める都税につきまして着実な収入を確保するため、これまで組織一丸となって取り組んできたところでございます。
その結果、平成十年度におきまして九三・五%であった徴収率は、平成二十三年度には九七%まで引き上げることができました。
この間、主税局の人件費、事業費の総額から成る徴税費の推移で見ますと、平成十年度におきまして約九百十億円であった徴税費総額は、平成二十三年度には、約六百十七億円にまで減少いたしました。
これを都税収入との対比で千円当たりの経費を算出した場合、平成十年度には二十一・四円であった経費が、平成二十三年度には十四・九円に減少しております。このことは、効率的な業務運営や事務の見直しに伴う定数削減等の結果があらわれたものと受けとめております。
○和田委員 確かに、徴収率の九三から九七は、もちろん大変な努力だと思いますが、今お答えいただいたとおり、千円当たりのコストが極めて低減されてきております。平成十年の千円当たり二十一・四円が、昨年度は十四・九円というふうに、極めて合理的に、計画的に低減してきているなと思いますが、この姿勢を守って、なおかつ九七%を超える形で徴収していただきたいということを申し述べておきたいと思うんです。
それから、この問題の最後になりますが、不納欠損という最終的な一つの判断がありますが、これについて、各都税事務所ごとの判断に差異がないと思いますが、また、振り返って、不納欠損をするタイミングといいましょうか、こういう事例で、こういう事由で行ったので不納欠損しますというふうな、どういう理由から、そういう形になるかということをお伺いいたしたいと思います。
○西海徴収部長 不納欠損についてのお尋ねでございますけれども、都税のうち個人都民税を除きました東京都が直接賦課徴収する一般分におきましては、平成二十三年度の調定額三兆四千六百四億円に対しまして、不納欠損額は八十七億円でございまして、その割合は、およそ〇・二五%でございます。
私どもが滞納整理を進めていく中で、第一に、滞納処分をする財産がないとき、第二に、滞納処分をすることによって生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、第三に、滞納者の所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき、以上、三点におきましては、地方税法第十五条の七第一項の規定によりまして、滞納処分の執行停止を行っております。
この滞納処分の執行停止を行った事案の中で、停止が三年間継続したとき、あるいは徴収することができないことが明らかであるなど、地方税法第十五条の七第四項及び第五項の規定に該当するものにつきまして、不納欠損処理を行っているところでございます。
主税局では、不納欠損処理を行うに当たりまして、法令に基づくとともに、局内において統一的な取り扱いになるよう常に周知徹底を図っておりまして、ご心配のような都税事務所ごとの対応に特段の差異が生じるということはございません。
今後も、事務指導や実務研修などを通じまして、統一的な法令解釈及び事務処理が行われるように周知徹底してまいります。
○和田委員 停止三カ年間、それから徴収不可能という条文上の文言をしっかり執行していただければ問題はないんですが、人間ですから、先ほど徴収率が九三%から九七に上がった過程で、二人制にしたということをお話しになりました。別に一人制を僕は疑るわけじゃないんですけれども、やはり人間ですから、いろいろな情の問題とかなんかが出がちであります、出るとはいいません。
したがいまして、ここのところは、やっぱりきちっと厳正に、常に、先ほど来、研修とか教育とかということが出ましたけれども、ここのところをやっておきませんと、どうしてもなれてくる。なれれば人間、そうなればいろんな都民にとって迷惑をかけるようなことにもなりかねないわけでありますから、ぜひぜひこの不納欠損処理というのは、最終的な一つの判断であり、ある意味では、財産放棄につながるわけでありますから、このところは意を込めて、しっかり今後とも教育をお願いしたいし、研修等もお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、固定資産税、都市計画税の減免措置であります。
これは後に触れますゴルフ場利用税とも関係いたしますが、要するに、不均一課税といわれるものであります。
地方税法では、後に詳しく触れますけれども、不均一な課税も、減ずるも、増ずるもよろしいという規定を設けておりますが、その中の一つに、都税に関しては都市計画税の軽減が入っていると、ゴルフ場利用税についてはそこにあるというふうに考えているわけでありますが、とりあえず、当面、均一課税、不均一課税よりも、この固定資産税や都市計画税の減免措置について、小規模といわれる二百平米以下の住宅、非住宅の用地などについて措置をされて、今日まで東京都は、毎年それを継続してきておりますけれども、どのような経緯があったのかお伺いをいたします。
○宗田税制部長 都独自の固定資産税等の軽減措置でございますが、まず、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置、これは不均一課税の規定を適用して創設しているものでございまして、バブル期の昭和六十三年度に都民の定住確保及び異常な地価高騰に伴う税負担の急増緩和を図ることを目的として創設したものでございます。
また、小規模非住宅用地の固定資産税等、これは減免措置でございますが、平成十四年度に、非住宅用地の過重な税負担を緩和するとともに、厳しい経営状況にある中小企業に対する支援を目的として創設されたものでございます。
○和田委員 この軽減措置によって、創設されたとき及び昨年度の減収規模、東京都から見て減収ですよ、それについてはどうなのか。また、その政策的な効果をどういうふうに把握されておりますか。
○宗田税制部長 軽減措置による昨年度の減収額でございますが、小規模住宅用地の軽減措置によるものが約二百八十億円、小規模非住宅用地の減免措置によるものが約二百四十億円でございます。
これらの軽減措置の効果でございますが、地価水準の高い二十三区の税負担を軽減するものでございまして、都民の定住確保策や中小企業対策の一つとして大きな役割を果たしていると考えております。
○和田委員 三百二十億円と二百十億円ですね。減免あるいは軽減措置の金額が明らかになりました。それでまた、小規模住宅の軽減は二百八十、それから、これの減免措置については二百四十ということも明らかになりました。
これらの軽減措置の具体的な件数と、一件当たりの平均軽減額はお幾らになりますか。
○宗田税制部長 平成二十三年度の対象件数でございますが、小規模住宅用地の軽減措置は約二百十五万件、小規模非住宅用地の減免措置は約二十一万件でございます。
また、一件当たりの平均軽減額でございますが、小規模住宅用地の軽減措置、約一万三千円、小規模非住宅用地の減免措置、約十一万四千円でございます。
○和田委員 小規模の非住宅用地の減免が二十一万件あったということで、--約一万三千円、それから非住宅用地の減免については、金額については十一万四千円ということで、額の大小はともかくですね、当初、部長お答えのとおり、バブル期の、それこそ狂乱といわれるような言葉が出てきたような時期に、都民の生活の安寧を、安定を祈るために、この政策が打たれて、今日、毎年毎年継続されてきているという経緯があります。このことは、先ほど来、申し上げている不均一課税ということであります。
不均一課税というのは、大きくは、政策を後ろ盾にした不均一課税だと私は理解をしております。政策背景がなければ、不均一じゃなくて普通の税率でいいわけでありますけれども、特段の事由が発生した場合に、その事由を克服するために、税をふやしてみたり減らしてみるという、そういう不均一課税がこの都市計画税だと思います。後に触れるゴルフ場利用税でもあるんです。
とりわけ、固定資産税や、あるいは都市計画税の毎年都がやっているこの計画には、今申し上げたとおり、政策的な背景が大きく後ろ盾になっているわけですけれども、その政策的な背景、すなわち、商業ですとか、あるいは家庭の家計の問題などに大きく改善がなされていないというふうに判断をするときに、この継続などについては、来年度以降も、どういうふうに当局は考えているんですか。
○宗田税制部長 小規模住宅用地及び小規模非住宅用地に係る軽減措置につきましては、社会状況の変化や景気の動向などを踏まえ、不断の見直しが不可欠であると考えております。
平成二十五年度以降の取り扱いについても、そのような観点から検討していきたいと考えております。
○和田委員 時代背景に特段の変化がなければ、継続というのは常識なのかなと思いますが、とりあえず今の部長の答弁で、検討するということでありますから、それを待ちたいというふうに思います。
次に、ゴルフ場利用税に入ります。
これは、まさに不均一課税の最たるものでありまして、東京都が不均一課税をどんなところで取っているかというのを考えてみますと、法人都民税についてまず不均一、それから、法人事業税についても不均一、自動車税についても不均一、そして今申し上げた都市計画税、さらに課税免除というのは、ゴルフ場利用税にもありますし、それから自動車税についても課税免除もあります。要するに、七つか八つの税目に際して、不均一課税を採用している、もう既に採用しているということが事実経過としてあるわけであります。
私は今回、ゴルフ場利用税を取り上げましたが、平成十二年に、これは予算委員会で石原都知事にも質問したゴルフ場利用税でありますけれども、この経過の中で、あえて今回私が取り上げたのは、二〇二〇年のオリンピックと関係をするからであります。そして、オリンピック種目になって、リオデジャネイロから採用されて、日本がもしも当選すれば、日本のときにもこれは、多分オリンピック種目になるでありましょう。
ゴルフに税金をかけている国というのは、正確には私の承知するところ、ありません。ただ韓国ではゴルフに関係をする税を一つ設けておりますが、利用税ではないと聞いておりますから、世界でゴルフをやっている国で利用税をかけているのは日本だけだというふうに承知をしております。
オリンピックを争うときに、ゴルフ、いわゆるスポーツに税をかける国というのを決して先進国だとはだれも見ません。少なからず、ゴルフというスポーツにまで税金をかける、スポーツに理解のない後進的な国ではないのかなという見方をされるだろうと私は心配するからであります。
私も、早稲田のゴルフ部に体育会で四年間在籍をして、いわゆる遊びではないゴルフをやってまいりました。まさにスポーツでありますから、ズックを履いて、先輩のバッグも背負って、自分のバッグを背負って、山や丘をくぐって、球を拾ったり、あるいは夏の合宿では鍛えられたりしてきました。
したがって、ゴルフはもともとスポーツだというふうに心得ておりますから、今日まで利用税をかけてきていることは、大変不愉快な思いをしてまいりました。
ゴルフ場利用税の撤廃地方議員連盟なるものをつくって、仲間と一緒に署名活動もしてきたところです。
さて、そういう立場で、オリンピックの招致活動を、一方で世論調査などを気にしながらやっているときに、その主体である東京で、まだゴルフ場利用税を取っているということが、国際的にどういうふうに受けとめられるのかということもありますが、まず、スタートとして、そのゴルフ場利用税を課税している根拠について、改めてまたお伺いいたします。
○宗田税制部長 ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の利用行為に対して、一人一日につき定額で課税されている都道府県税でございまして、税収の七割はゴルフ場所在の区市町村に交付されております。
このゴルフ場利用税を課税している根拠でございますが、ゴルフ場の利用者には十分な担税力が認められること、ゴルフ場は、開発許可、道路整備などゴルフ場所在の区市町村に、さまざまな財政需要を生じさせていることとされております。
○和田委員 カビの生えているような昔の大蔵省の書いた教科書をお読みになっているようでありますが、今そんなことを、まち場に出て、ゴルフ場利用税なんていったって、もともとゴルフ場利用税を納めていることを気になさっていない方もいるし、今改めてそういうのを公開の場でいわれたら、担税力云々などということをいったら、とてつもなく陳腐な意見として一蹴されると思いますので、大変私は残念な見解だと思います。
石川遼さんなども、彼はインターハイで大変いい成績を出して、すぐに高校生でプロになりましたけれども、子どものうちから自分のうちの中にゴルフ練習場をつくって、トレーニングして世界的なプレーヤーになりました。
また、青木功さんは、私どものそばにあります都民ゴルフ場のキャディーをやりながら、一日二百五十円、当時のゴルフボールは二百八十円しましたけれども、球よりも安い日給であのひょろ長い真っ黒な体で、ゴルフを、風に向かって打つ姿を私も承知しております。いわゆる苦学するのと同じように、苦労しながらプロになって世界の青木になるということを考えれば、スポーツじゃなくして、遊びだなどということは、とてもいえるものではありません。
まして、石川遼さんにしても、大変苦しいトレーニングを積んであそこまでいっているわけでありますから、その担税力があるがためにとかというようなことのために、ゴルフに税金をかけるなんてことは、全くゴルフを知らない人の、また、理解しようとすることのない人の言葉だろうといわざるを得ないんであります。
それで、重ねてでありますけれども、では、東京都は、二十二のゴルフ場があると記憶していますけれども、それは一級から八級まであります。ゴルフ場の整備によって八級、一級まで分かれておりまして、整備がしっかりしているところは千二百円、整備が余りできてない、ゴルフ場も十八ホールないところは四百円、それを八段階に区切って、当時の大蔵省は税をかけたわけでありますけれども、東京都では、今どういうふうな状態になっておりますか、税収については。
○宗田税制部長 平成二十三年度の都のゴルフ場利用税収でございますが、約六億三千万円でございます。また、先ほど申し上げましたように、税収の七割、約四億四千万円がゴルフ場所在の都内区市町村に交付されており、当該区市町村の貴重な財源となっております。
○和田委員 ゴルフ場利用税の交付金ですね、七割の方の金額が、平成二十三年度についてあるんです。これは都内に二十二ゴルフ場があります。所在地は四区九市一村ですね。ですから八王子などは三カ所あるかな、そんなことでありますから、一行政区一カ所ではありません。二十二ゴルフ場が、四区九市一村に、一町です、大島町ですね。大島町にありますから、その中に配置されているということです。
江東区などについては、二十三年度は二千百万円、それから我が北区は九百六十万円、一番多い八王子市、今申し上げましたが、九千四百万円ということで、合計すると四億三千八百万円というような形に、二十三年度の数字では、私の手元ではなっているんです。
したがって、ゴルフ王国といわれているような、茨城ですとか、あるいは群馬だとか、栃木とか、そういうところのゴルフ場利用税の歳入というのは大変高いものがありますし、一概に、これを減免などということにはなかなかなじまないと思うんでありますけれども、しかし、我が東京については、不均一課税をもう既にやっています。
そして、大きく構えていえば、二〇〇〇年の都税調、東京都の税制調査会では、中間答申でこんなことをいってます。消費税の見直し等というところの項目の中で、また、この場合には、現在ゴルフ場利用税、鉱区税、狩猟者登録税、入湯税等の消費等に関連した地方税も存在することから、税制の簡素化を図る観点から、消費税、地方消費税にこれらの税目を吸収し、整理していくべきであるという見通しを二〇〇〇年時点、これは神野先生だと思いますが、税調の中でこのような答申がもう既に東京都の姿勢としては、なっています。
しかしながら、これは国に向かって、地方税法の中に包含していくべきだというふうに建言をしているわけでありますから、即東京に向かって言葉をいっているわけではありません。
しかし、今まで考えてみますと、消費税が導入された平成元年に、本来ですと娯楽施設利用税という形で吸収されるべきものが、先ほど出てきている担税力か何かで残された。
それから、五%に変更されるときに、これまた変化がありまして、十八歳以下、七十歳以上には、国がこれは税をかけないというふうにしました。大学生以下の学生にもかけないようにしました。
すなわち、消費税が増税されるときに、少しずつその対象者を減らしてきているというのが、政策的に国に、うかがい知ることができるんです。
今度八%になるときに、総じて、このゴルフ場利用税を撤廃できないのかというのが私どもの考え、そしてまた、JGAといわれる日本ゴルフ協会もそうですし、東京都ゴルフ連盟も大きくは、この増税の機会に、もう喪失させてしまおうと、なくしてしまおうという意図を今持って動いているところです。
しかしながら、オリンピックの候補地というか、候補都市が決まるのが来年の九月。九月までに、もしも先ほど来申し上げているとおり、ゴルフ場利用税がある国というのが、スポーツに理解のない国だよというような形で、変な逆ねじを食わされたときに、とても対抗できない。
したがって、できるだけ早く、ゴルフに税がかかっていないよという形を整えていくためには、国に向けてもちろん働きかけすることは当然でありますけれども、東京都でできる範囲での不均一課税をとるべきだというのが私の方針なんです。
既に、先ほど申し上げているとおり、国では、十八歳以下七十歳以上、もうこれは五%のときになくして大学生以下にもなくしております。
しかし、東京都は、私などの発言もあって、六十五歳以上も、一定要件が整えば軽減措置をもうとっているじゃないですか。それを拡大するということでどうなんだと、それを広げ、深めることでどうなんだというのが私の今回のゴルフ場利用税に対する一つの見解であります。
改めてお伺いしますが、六十五歳以上のゴルファーに不均一課税を東京都の条例でかけた理由は何なんですか。
○宗田税制部長 お話のとおり、都は、年齢六十五歳以上七十歳未満の方が行うゴルフ場の利用について、ゴルフ場利用税の税率を二分の一とする不均一課税を行っております。
その理由でございますが、都では、かねてから、高齢者の心身の健康保持の観点から、六十五歳以上の方への税率を二分の一とする軽減措置を講じてまいりました。平成十五年度の地方税法改正において、七十歳以上の方には非課税措置が新たに設けられましたが、都ではそれまでの経緯を踏まえ、引き続き六十五歳以上の方の軽減措置を継続してきたものでございます。
○和田委員 さきに申し上げましたとおり、不均一課税の概念というのは、こういうふうに書いてあります。
地方税法においては、課税標準や標準税率等を規定し、その範囲で、全国画一的に地方団体の課税権を制約しているが、公平の原則からは、同一条件になる対象に対して同一税率によって課せられることが望まれる。しかし、公平の原則を満たす弊害よりも、不均一課税の措置による利益が大きい場合には、この原則に対する例外が認められる。例外としての地方税法上の不均一課税は、次のとおりである。公益に関する不均一課税、広く住民一般の利益を増進するものであること。負担の公平と特定の政策目的の価値について比較検討し、不均一課税を行う妥当性があること。さらに、条例措置を講ずることというふうに書いてあるんです。
私は、冒頭に立ち返って、オリンピック招致という大きな東京都挙げての、また、日本国を挙げてのこの政策課題というのは、私は、不均一課税を取るべき大きな背景になるのではないか、動因、モチベーションになるのではないかというふうに考えるのであります。
主税当局は、税のことしか考えない、オリンピックはわからないというふうにお答えになると思いますから、あえてここでは、私の方から質問を用意しますと、要するに、オリンピック当局であるスポーツ振興局と、税を、不均一課税を採用することのできる主税局は、オリンピック招致にかかわって、不均一課税について話をするべきであると私は考えるのでありますが、どのようにお考えになりますか。
○宗田税制部長 お話の不均一課税でございますが、地方税法第六条第二項で、地方団体は、公益上その他の事由により必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる、この規定でございます。この不均一課税につきましては、地方団体において、納税義務者に係る一定の事由に該当することを理由として、一律かつ無条件に税負担を軽減するような措置を講ずることのないよう留意することとされております。
政策目的にかかわらず、一律かつ無条件に税負担を軽減する措置を都独自に導入することは、法に抵触するものと考えております。
○和田委員 だから先ほど申し上げましたとおり、主税当局だけの見解を聞けばそうなのですよ。しかし、不均一課税を、先ほども読み上げたとおり、取り上げてくる背景には、今おっしゃったとおり六十五歳以上、六十九歳まで、国では七十歳、十八歳以下というのに、東京都は六十五から六十九まで取り上げたわけでしょう。
それは、お年寄りというか高齢者の健康のためだという、そういう背景があるから、国が考えていない六十五から六十九歳まで取り上げたわけじゃないですか。それと同じように、税務当局は、まさに今おっしゃる地方税法の考えもある。
しかし、オリンピックをどうしても招致しなきゃならないという東京都、それから日本という立場からは、先ほど申し上げてある不均一課税を採用する背景に大きな政策的、政治的な背景があって、不均一課税を取り上げているわけでありますから、それは単に税務当局だけではなくて、政策全体で判断すべきことだと私は思うんですよ。もう一回答弁願います。協議するかどうかですよ。
○宗田税制部長 今後新たな不均一課税の導入に際して、スポーツ振興局などの事業所管局から特定の政策目的に基づく具体的な要請、それもゴルフ場利用税をすべて軽減するとかそういうことではなくて、特定のところに対象を絞って、具体的な要請があった場合には、協議していくことになります。
○和田委員 大事なところだから、ちょっと押さえさせてください。ゴルフ場利用税に限らずにとおっしゃったが、それはどういうことですか。
○宗田税制部長 ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、都の課税するゴルフ場利用税を、オリンピック招致のためにすべての方に対して課税免除する、あるいは不均一課税をするということは、法に抵触するものと考えております。もう少しこう対象を絞り、具体的な要請がスポーツ振興局からあれば、それは協議していくことになります。
○和田委員 先ほども、六十五歳とか大学生とか、属性に、オールじゃなくて、全体じゃなくて属性、いわゆる身体障害者の人だとか、十八歳以下だとか、学生だとか、六十五から六十九までだとか、そういう属性を限っていえばという理解でいいですか。
それでも結構でありますから、少なくともスポーツ振興局とオリンピックに向けての、主税局との関係の協議を、今、部長の方は、考えるということをおっしゃったようでありますけれども、積極的に、スピーディーに、九月がもう限度でありますから、考えていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○吉住委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉住委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
○吉住委員長 これより財務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○櫻井経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求をいただきました資料につきましてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
最初に表紙をおめくりください。今回、要求のございました資料は、目次に記載してございますとおり三件でございます。
一枚おめくりをいただきまして、要求資料第1号をごらんください。
こちらは、社会資本等整備基金につきまして、直近五年間の推移及び主な充当事業をまとめたものでございます。
次のページをお開き願います。要求資料の第2号でございます。
こちらは、本年九月末日時点での主要施設十カ年維持更新計画における平成二十四年度新規工事着手状況一覧を表にまとめたものでございます。
さらに一枚おめくりいただきたいと存じます。要求資料第3号でございます。
こちらは、財務局が所管をしております三つの土地信託ごとに、これまでの信託報酬と信託配当の実績を表にまとめたものでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○吉住委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○和田委員 東京都の管理いたします土地及び建物について、どのような形態になっておりますか。
○奥田財産運用部長 都における資産管理の登記の関係だというふうに受けとめておりますけれども、官公署の不動産登記につきましては、旧不動産登記法の昭和三十五年改正附則第五条第一項の規定によりまして、表示に関する登記の申請義務については、当分の間適用しないということになっておりまして、平成十六年に全面改正されました不動産登記法附則第九条においても引き継がれて現在に至っております。
これは固定資産税が課されない不動産は、登記の申請義務が適用されず、また、地方自治体の不動産の管理は、公有財産台帳により行われておりまして、二重管理の必要がないとされているためでございます。
こうしたことから、都におけます土地建物登記でございますけれども、土地は第三者による占有など争いの生じるおそれがございますため、すべて登記をしております。建物も、区分所有を行う合同庁舎など対抗要件を備える必要があるものにつきましては、登記を行っております。第三者と争いのおそれのない一般的な建物につきましては、原則として登記は行っておりません。
○和田委員 今のお話ですと、登記法の附則九条、新法では、附則九条をもとにして、当分の間、登記しなくていいということに終始をされています。
しかし、不可解なことに、東京都においては、土地については登記をされておりますが、あるいは建物については登記をされてないと承知をしておるんですが、その見解はどこに分かれるんですか。
○奥田財産運用部長 ただいま申し上げましたとおり、建物を全部登記していないわけではございませんで、登記の性質上、紛争等が見込めないような形の、対抗要件を備える必要がないものにつきましては、登記をしていないということでございます。
○和田委員 対抗要件、すなわちほかの方が権利主張をされたり、そういうことがないはずのものについては登記をしない。同じ東京都所有の土地であっても、建物であっても一部は登記してあるとおっしゃいますが、土地は全部してある、建物については多くはほとんどはしていないというふうに分かれるのは、土地については対抗要件がもうあって、それで、どなたが来ても十分それは、はね返すことができる。家屋についても、当然、そのような形で、いうまでもないことだよという形で登記をしないという理解でよろしいですか。
○奥田財産運用部長 繰り返し申しますけれども、第三者との争いのおそれのない一般的な建物につきましては、原則として登記を行っておらないのは事実でございます。
○和田委員 我が党の加藤代議士が、国会で同様趣旨の質問を、当時の森国務大臣にいたしております。そのときに、できれば、国の施設といえども登記をした方がよろしいというようなことの答弁を、一応答弁ではそのようなことをいっております。
しかし、現実問題として、それが行政指示としておりてきていないということで、今の東京都の土地について、登記、それから建物についてはほとんど登記していないというふうになされているわけです。
では、登記されている土地の広さと建物については、どれだけ東京都は保有しているんですか。
○奥田財産運用部長 土地につきましては、公営企業局を含めましておよそ三億四千万平方メートル、建物につきましては三千二百万、約三千万平方メートルのものを保有しているところでございます。
申しわけございません。建物の登記している、していないというものについては、現在手元に数字がございません。
○和田委員 結局、附則九条があるために、こういう公の質問にも手元にないということで済んでしまうということになるだろうというふうに、私は理解せざるを得ません。
土地については、登記をしてあるから、ずばっと答えられますし、それから、建物についても、平米はできても、棟数についてはちょっと答えられないというような不可解な答えになっております。
したがって、先行きは、やはり附則九条があってもなくても、やはり公的な東京都が管理すべき土地家屋というのは登記をして、そして堂々と管理形態を整えていくべきだと思うんです。
話は少しずれますが、発生主義・複式簿記という、日本の自治体で初めてこれを採用したということが石原知事の大きな誇りでありますけれども、そういう管理姿勢の徹底した自治体であれば、土地建物の管理についても、やはり当分の間という、附則九条があって当分の間はいいからそのままにしておこうよというわけではなくて、進んでやはり自分の資産については管理をしていくという姿勢があって、私は発生主義と複式簿記の理念と符合していくものだろうというふうに思うんです。
したがって、国が附則九条で構わないよ、当分の間いいでしょうといわれても、やはり、東京都は、不測の事態に備えて、これを整備していくというようなことが望ましいということを私は強く申し上げて、次に移りたいと思います。
次は、土地信託関係についてお尋ねをいたします。
二年前に契約延長をしました新宿モノリスについてでありますが、これについては私も、当時、二年ほど前に質問をして、深く関心を示したところでありますけど、その後どうなりましたか。
○岩瀬利活用調整担当部長 新宿モノリスにつきましては、専門家の意見を踏まえまして、不動産市況や建物の管理状況など、さまざまな視点から慎重な検討を行い、平成二十二年十一月より五年間、信託契約を延長してございます。
信託契約を延長した初年度である平成二十三年度における配当実績は、賃料や共益費などの収入が約四十二億五千万円、ビル管理に係る諸経費などの費用が約二十六億円、差し引き約十六億五千万円の収益を上げ、そのうち配当として約十四億五千万円が都の収入となってございます。
また、平成二十四年度の事業計画は、賃料などの収入が約四十七億円、ビル管理に係る諸経費などの費用は約三十三億円でございまして、信託配当は、平成二十三年度実績とほぼ同額の約十四億円と見込んでおり、信託契約延長後におきましても、引き続き安定した収入を見込んでおります。
○和田委員 モノリスについては、この信託契約そのものが五件ほどでしたか、バブル時期の、黙ってほっておいても価値は上がっていってしまう、また、売ればもっと周辺の物価にいろんな意味で、後押しし過ぎるというようなことで、苦肉の策で信託契約を結んだという背景を承知いたしております。
したがいまして、それから現在の経済、景気対策として、ここまでモノリスについては、ようやく立ち直ってきたなというような気はいたします。しかしながら、まだまだこれから先、信託契約そのものが、信託銀行サイドにどちらかというと有利な契約になっておりますから、先方が嫌といって断ってくれば、それ以上、こちらの方でぜひぜひというわけにもいかない、そういう力関係になっております。
したがいまして、信託銀行の方の気持ちも十分そんたくしながら、こちらの主張も入れていくという微妙な駆け引きというか、営業的な展開を積んでいかなければなりません。
したがって、役人的なそういう発想もさることながら、それを超えた形でモノリスをより収益を見込めるものにしていくというような形で、ぜひ、これからもしっかり運営をしていただきたいと思うんです。
次に、両国シティコアについてお伺いいたします。
これについては、一つ特徴的に住宅棟がそこには入っておりまして、信託契約から外して東京都に返したと、こういうふうにいわれております。その理由と、現在それは六十戸と記憶しますが、その住宅はどのような形になっておりますか。
○岩瀬利活用調整担当部長 両国シティコアは、今お話にありましたとおり、オフィス棟に加え住宅棟を併設する形でスタートした土地信託事業でございます。その契約の満了に当たりまして、居住されている方々に安心して引き続き住んでいただけるよう、適切に管理していくことが必要であるとの視点に立って検討を進めてまいりました。
都では、都市整備局において、約二十六万戸の都営住宅並びに約三千六百戸の都施行型都民住宅を、特別会計である都営住宅等事業会計の中で管理していることから、両国シティコアの住宅棟につきましては、先ほど申し上げたとおり、居住の安定と継続を図る観点に立って、都への返還と同時に都市整備局へ移管し、特別会計の中で他の公共住宅と一体として管理していくことといたしました。
この方針に基づきまして、本年七月二十八日には、当初、土地信託契約が満了したことから、住宅棟を都に返還させ、土地信託を所管する一般会計から都営住宅等事業会計に即日で所管がえしてございます。切れ目のない管理を継続することで、六十世帯の方々には、混乱なく引き続き居住していただいております。
○和田委員 問題は、六十世帯の人が反感とか反発を持っていらっしゃるのかなというようなことを危惧しましたが、即日切りかえを行うというような、機敏な措置を東京都がとったということで、お目にはかかっておりませんが、その住宅の方々も、それなりに意識改革をしながら、納得いっているかどうかは知りませんけれども、ご理解をいただいたなというふうに思うところですので、この種の切りかえが、時にはまた必要になってくるかもしれませんけど、よろしく機敏に対応をしていただきたいと思います。
次に、コスモス青山についてお伺いをいたします。
これについては、一等地という周辺環境もございます。それから、二十七年の九月に、これも契約満了を迎えるというふうに差し迫った状況であります。かつては二十年計画でこの種のことを考えたらどうだというふうにいわれましたが、とてもとても二十年先まで読めないというような状況で土地信託行政が進んできて、今日、そういう反省があって、五年を一つの区切り、五年で区切るとするならば、その中間点の三年ぐらいで、その五年後の最終年度に備えていくというようなサイクルが誕生していると思うんです。
それにつきましても、二十七年九月にもう満了を迎えるわけでありますが、これについての、あの立地の特異性などを踏まえて、どういうふうに対応策を考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。
○岩瀬利活用調整担当部長 信託期間満了後の取り扱いにつきましては、信託としての債権債務のほか、建物の資産評価等も含め、不動産鑑定士や弁護士など専門家の意見も聞きながら、信託財産の評価検証を正確に行い把握していく必要がございます。
その上で、コスモス青山としての事業特性や、お話のように青山という地域性も踏まえまして、具体的に総括検証を行うとともに、受託銀行との協議を重ねながら、平成二十七年九月の信託契約満了時を見据え、検討を進めてまいります。
○和田委員 先ほど申し上げましたとおり、五年サイクルでいって、なおかつ三年ぐらいで見直し、検討ということになると、もう余り時間がありません。二十七年九月であります。
したがって、急ぐことはないけれども、確実にこの対応策を、このコスモス青山周辺の環境事情などをよく精査されて、幅広い意見を徴しながら、今後の問題について取り組んでいただきたいというふうに思います。
以上でございます。
○菅委員 私の方からは、都債について幾つか質問させていただきたいと思います。
都税収入、これ四年連続の減少と、こういうふうになっております。また、海外経済の減速などにより、日本経済は踊り場に入ったと、こういうふうに見られておりまして、この先の見通しも大変厳しいものになっております。
こうした状況の中で、都民にとって必要な各種の施策を推進していくための財源をどのように確保していくのかということは、極めて重要な問題であります。
都債は、東京都が地方自治体としてのネームを活用し、民間から広く資金調達を行っていくものであると思いますが、円滑な資金調達を進めていくには、市場の環境を見きわめつつ有利な時期に起債を柔軟に行っていく、このことが大切だろうと思っております。
現在は、世界的な経済情勢も反映して非常に低い金利状況が続いておりますが、この低金利環境もいつまで続くか、これもわからないという状況でありますし、もちろん、将来の財政負担も十分考慮して、財政の健全性の維持を前提としていかなくてはなりませんけれども、貴重な財源である都債を最大限活用できるよう、適時適切な起債運営が求められていると考えます。この観点から、何点か質問をさせていただきます。
今年度の都債は、一般会計で予算上四千九百三十五億円となっておりますが、他の会計分野は、借換債も含めて年間どのくらいの規模の資金調達を行うのか、また、主な資金調達手法はどうなっているのか、まずお伺いをいたします。
○武市主計部長 今年度の予算上の起債予定額は、全会計を合わせますと七千二百億円となっておりまして、現時点では、執行率等を勘案いたしまして五千八百億円の調達計画を策定済みでございます。
また、借換債は三千七百億円を予定しておりまして、これを含めますと、全体では九千五百億円の資金調達計画となっております。
その資金調達手法といたしましては、東京都は公的資金への依存度が低く、民間資金からの調達の割合が高いということが特徴となっておりまして、平成二十四年度におきましては、全体の約九割に当たります八千五百億円を市場公募債の発行により賄う予定でございます。
○菅委員 都では、年間一兆円近い資金調達を行っているというご答弁でございましたが、これは地方自治体としては極めて大きい規模なのではないかと考えます。中でも、市場公募の規模が大きいということでありますが、市場で債券を発行するためには、当然、投資家に買ってもらうということになると思います。この場合、投資家にとっても、自由に債券を売買できるという環境がないと投資しづらいということも考えられます。
そこで、債券の流動性ということが大切になると思いますが、この点についてもご答弁を願います。
○武市主計部長 平成二十三年度末におきましては、市場公募債の残高はおよそ五十兆円、その中で、都債は七兆五千七百五十億円、率にして一五%を占めてございます。
これは単独の地方公共団体としては、東京都が最も多いという状況でございまして、市場における流通量の多さというものが、取引のしやすさにつながっておりまして、先生ご指摘のとおり、非常に流通性が高いという形で投資家から見られているものと考えてございます。
加えて、起債依存度が低く、健全な財政運営を行っておりますので、都債は地方債の中では最も安全性、信頼性が高いと見なされておりまして、地方債の中で最も有利な条件で発行できてございます。
○菅委員 都債は、地方債の中でも最も流動性が高く、魅力ある商品と位置づけられているということがよくわかりました。このために、他の地方自治体よりも有利な条件で発行できるといったメリットもあるということから、毎年一定の発行額を保っていく、このことも重要である、これも理解いたしました。
この発行条件である利率についてでありますが、基本は市場の取引の中で決まっていくものであることから、なかなか自治体側で誘導するということは難しいと考えられます。とはいえ市場の関係を見計らって、いい時期に柔軟に起債を行っていくということも必要ではないかと思います。
今年度から、地方債については届け出制が導入されていると聞いております。この届け出制を活用することで柔軟な起債が可能になるのではないか、東京都は当然届け出制の対象となると考えますが、実際にどのように活用したのか、この点についてお尋ねをいたします。
○武市主計部長 地方債を発行するに当たりましては、これまで、原則といたしまして国との協議が必要でございましたが、地方分権の一層の推進を図る観点から、地方債制度の見直しが図られまして、今年度からは、財政が健全であるなど一定の要件のもとに、届け出制が適用されるということになりました。
届け出制が適用されることによる実務上の最大のメリットは、発行までに要する期間の短縮が可能となったということでございまして、東京都は、当然ではございますが、届け出制の適用要件を満たしておりますので、このメリットを生かした発行というものを行っております。
具体的には、二点の取り組みを行っておりまして、まず一点目は、これまで協議手続上、通常では、年度の前半に発行できなかった三十年債というものにつきまして、本年七月に新規の発行をいたしました。
また二点目は、届け出制の導入に合わせまして、外債発行に関します国への手続が簡素化されたということに伴いまして、本年六月に外債をスピード発行というものをいたしました。
このように、届け出制を初めといたします制度改正のメリットを十分に活用して、より柔軟に起債運営を行ってきたところでございます。
○菅委員 柔軟な起債運営を行うことが可能になったということであり、戦略的な起債を行う上で、今後とも継続的にこの制度を十分に活用していくことが重要であると、こういうふうに思います。
年間の調達金額が非常に大きくなっている中で、柔軟な起債運営を行うためには、年間スケジュールをどのように立てるかということも大変大切であります。届け出制の活用も踏まえて、今年度上半期の起債実績を振り返ってどのような工夫を行ってきたのか、具体的にお伺いいたします。
○武市主計部長 今年度上半期の国内債券市場は、昨年度よりさらに一段と金利低下が進む一方で、欧州での通貨危機からのリスクを回避するために、安全資産へと資金を振り向ける投資家が数多く存在いたしましたことから、地方債市場は旺盛な需要に支えられまして、低利で多額の資金を調達できる、非常によい環境にございました。
そこで東京都は、届け出制導入により、年度の早い時期から新発債を出せるようになったことを生かしまして、恵まれた市場環境を機動的にとらえた柔軟な起債運営に取り組んでまいりました。
特に、歴史的な低金利を記録した七月に、個人向け都債を除きました年間発行予定額の一三・三%、月当たりの平均で申し上げますと、平均の月よりも六割増しの額を集中的に発行するなど、上半期のうちに、昨年度のペースよりも一〇ポイント近く多い約六割を消化したところでございます。
個別の案件で見ましても、七月の三十年債では、地方債市場における最低の利率で、しかも、この年限では大規模調達といえる三百億円の発行を実現したほか、市場のニーズにこたえまして、地方債における新たな年限となります六年債の発行にも取り組むなど、市場動向を踏まえたタイムリーな起債を行ってきたものと考えております。
○菅委員 今のところ非常にうまく資金調達ができているということでありますが、市場の動向は変わりやすく、競合商品が多く出てくれば、それだけ有利な資金調達ということも難しくなると、こういうふうにも考えられます。
昨今では、市場公募債を発行する地方自治体もふえてきていると、こういうふうに聞いております。発行団体がふえてくれば、それだけライバルがふえるということでもあり、投資家側の投資ニーズが下がってきた場合には、円滑な調達も難しくなるのではないか、こういうふうに懸念されます。現在、都債は地方債の中でトップ銘柄として認識されているようでありますが、投資家から飽きられない努力ということも必要だろうと思います。
最後に、投資家から信頼される都債としての商品性を維持していくため、どのような努力を続けていくのか、局長の決意を伺います。
○中井財務局長 投資家からの信頼を維持していくために必要な努力といたしましては、大きく分けて二つの取り組みが必要というふうに考えております。一つは、まずもって健全な発行体であり続けることであり、二つ目としては、その健全性を投資家の方々にきちんと理解をしていただけるよう、しっかりとアピールをしていくことであるというふうに考えております。
まず、一つ目の健全な発行体についてでございますが、都財政は、景気動向の影響を受けやすく、年度間の税収変動が大きいという不安定な歳入構造にありますが、そうした中にあっても、都政が直面する諸課題に対して、いかに継続的かつ安定的に対応していくかが都の財政運営の勘どころであると考えております。
そのため、都は、財政再建を達成した後も、自己改革の取り組みを続けるとともに、中長期的な視点に立って都債の発行を抑制し、基金を積み立てるなど、財政の対応力を培ってまいったわけでございます。
その結果、平成二十三年度決算では、税収が都政史上初めての四年連続減という大変厳しい状況にあったわけでございますが、そうした中にあっても、都債への依存度は七%台という低い水準を保っておりまして、健全な発行体としての実態を堅持してきている状況にあると考えております。
その上で、先ほど申し上げました二つ目の取り組み、すなわち、こうした都財政の健全性、あるいはそれを維持していくための都の取り組みについて、日ごろから機会をとらえて情報を発信し、投資家の方々に理解していただくことで、都債に対する安心感を持っていただけるよう努めることが非常に重要であるというふうに考えております。
そのための具体的な取り組みといたしましては、例えば国内投資家はもとより、海外の大手投資家に対しても、個別訪問により対面での説明を行っておりますほか、例年、決算公表後には、投資家を初めとした市場関係者を対象に、都債説明会を開催しているところでございます。
今年度の都債説明会は、明後日、十月十八日に開催し、百五十名前後の方々にご参加をいただく予定となっておりまして、私自身、そこで投資家の皆さんに対し、厳しい環境下でも健全性を維持している都の財政運営について、しっかりアピールをしてくる所存でございます。
今後とも、これまで一貫して進めてきた堅実な財政運営を継続し、強固な財政基盤を堅持するとともに、投資家への情報提供を積極的に行うことで、市場からの信頼の維持向上を図り、円滑な都債発行に努めてまいりたいと考えております。
○菅委員 今後とも地道な努力を続けていくことで、有利な起債を継続して実現していってほしい、このことを要望して質問を終わります。
○吉住委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時九分休憩
午後五時三十分開議
○吉住委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○高倉委員 それでは、都立建築物と、それから宝くじの二点につきまして質問をいたします。
都立建築物は、都民を初め、さまざまな人が利用する施設でありまして、利用者によっては使いにくい施設というような場合もあるわけであります。利用者が受けるバリアを取り除き、都立建築物をだれもが使いやすいものとしていかなければならないと思います。
都は、既に福祉のまちづくりを推進しておりまして、都立建築物でのバリアフリー化への取り組みも進んでいますけれども、改めて取り組み状況について確認しておきたいと思います。
例えば、公共施設のトイレは、だれもが必要とするものであり、特に障害を持つ方には、その設備が利用できるか否かは大きな問題であります。手すりや誘導ブロックの設置などは、ほぼすべてに普及をしていると思いますけれども、さらに、例えば、視覚障害を持つ方が、トイレの位置などを把握するのに役立ちます音声誘導装置といったものは、まだ多くないというようなことも聞いております。
そこで、都庁舎は、代表的な都立建築物として取り組みを進められているわけでありますけれども、具体的な整備状況について確認をしておきたいと思います。都庁舎において、トイレの音声誘導装置の設置状況と、今後、設備更新工事に当たってバリアフリー化にどう取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○間庭庁舎運営担当部長 都庁舎におけるトイレの音声誘導装置につきましては、平成二十一年度から現在までに、都民の利用が多い庁舎内のトイレ十二カ所に設置しております。
具体的には、第一本庁舎は四カ所で、一階に二カ所と五階の大会議場に二カ所、第二本庁舎は、一階に二カ所でございます。また、都議会議事堂につきましては六カ所で、一階に二カ所と地下一階に四カ所設置しております。
また、今後の都庁舎改修工事におきましては、利用者の視点を重視して、高齢者、障害者などが社会参加をしていく上で障害となるものを取り除くこれまでのバリアフリー化の取り組みをさらに進めてまいります。
○高倉委員 今のご答弁で、着実に取り組みが進められているということがわかりました。
財務局は、他局所管施設の設計工事を行っておりますけれども、スポーツ施設や展示場などの大規模集客施設のバリアフリー対策は大変重要であります。都立建築物の整備に当たっては、いわゆるバリアフリー法や東京都福祉のまちづくり条例などに基づき整備が進められていると思います。
そこで、都立建築物については、どういった基準に基づいて整備をされているのか、また、具体的に設計等をどのように行っているのか、確認のためにお伺いをいたします。
○室木技術管理担当部長 設計基準などについてでございますけれども、都立建築物のバリアフリー化については、いわゆるバリアフリー法のほか、都の建築物バリアフリー条例や東京都福祉のまちづくり条例にのっとるとともに、東京都ユニバーサルデザイン導入ガイドラインなどを活用しまして、必要な設備等の整備を図っております。
具体的には、設計におきまして、施設の用途や規模、利用対象者などを十分に把握した上で、整備すべき設備の内容や建物の仕様などを検討、選定しています。さらに設計内容について、福祉のまちづくり条例など関係する都条例などへの適合状況を、都立建築物のユニバーサルデザイン導入計画書や、チェックリストなどの活用により確認するなど、条例に基づく施設整備マニュアルなどに示された整備基準への適合を図っています。
○高倉委員 バリアフリー化には、さまざまな設備や材料などが使われるわけでありますけれども、単に取りつければいいというものではないと思います。利用者の立場に立って、または効果的に整備がなされなければ意味がないと思います。
施設整備に当たりまして、バリアフリー化を進めるために留意すべき点、あるいは工夫している点があるのかどうかについてお伺いをいたします。
○室木技術管理担当部長 バリアフリー化を進めるための留意点などについてでございます。
バリアフリー化に当たっては、段差などの物理的な障壁を取り除くだけでなく、心理的、情報的な障壁も含めて取り除くことにより、円滑な移動空間の確保を促進する効果を得ることが重要であります。
例えば、視覚障害者への配慮として、誘導用ブロックの通路への敷設のほかに、入り口やトイレの男女別などを把握しやすいよう、音声誘導装置を設けることや、聴覚障害者への配慮として、火災などの非常時に、その発生と避難口を示す点滅装置つき誘導灯の設置など、複数の設備などを組み合わせて、効果的な対策となるよう工夫をしています。
また、施設設備として整備するだけでなく、備品として移動式の装置を備えつけることにより、部屋の使用状況に合わせた機動的な活用が図られるようにするなど、利便性、コスト面の両面からの検討にも留意しています。
今後とも、社会状況や利用者ニーズの変化、技術革新などを踏まえながら、だれもが快適に都立建築物を利用できるよう、バリアフリー化に配慮した施設整備に取り組んでまいります。
○高倉委員 今、取り組み状況をいろいろとご答弁をいただきました。留意事項への対応や工夫を行いまして、都立建築物のバリアフリー化を進め、さらに、だれもが快適に施設を利用できるように、ユニバーサルデザインの施設整備に今後ともしっかりと取り組んでいただきたいことをご要望しておきたいと思います。
次に、宝くじについてお伺いをいたします。
自治体の貴重な財源であるこの宝くじであります。さまざまな分野の公共事業に活用をされております。昨年度は、震災復興支援グリーンジャンボが話題になるなど、売り上げが少しよくなってきているとも聞いておりますけれども、ここ数年は、余り芳しくないという状況なのではないかというふうにも認識をしております。
この宝くじの収益金は、東京都でいえば、公園整備、河川整備のほかに、最近では、認証保育所、少子化対策などにも使われておりまして、二十四年度予算案では、約六百五十七億円と、税収が落ち込む中でも、地方独自の財源として非常に重要なものとなっているわけであります。
さらに売り上げを向上させていくことが必要であると思いますけれども、そのためには、さまざまな工夫を行っていくことはもとより、消費者の最前線で頑張っている宝くじ売り場を活性化させることも重要な課題であります。
この観点から何点か質問いたしますけれども、まず、最近の宝くじの売り上げ動向についてどうなっているのか、お伺いをいたします。
○武市主計部長 宝くじの売り上げでございますが、平成十七年度の一兆一千四十七億円をピークに年々減少傾向にございまして、平成二十一年度、平成二十二年度は、一兆円を切るレベルにまで落ち込んでございましたが、昨年度は、お話も出ました東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじや、ロト6の抽せん回数を、週一回から週二回にふやしたことなどの取り組みによりまして、対前年度比八百五十五億円増の一兆四十四億円となりまして、三年ぶりに一兆円台を回復したところでございます。
しかし、景気回復への道筋は不透明でありまして、今後とも、宝くじを取り巻く状況は厳しいものがあると認識をしております。
○高倉委員 今、宝くじを取り巻く厳しい状況についてのお話がありましたけれども、宝くじの売り上げの減少傾向が続いていくことは、自治体の財政運営上も大きな影響が出るものでありまして、何とか売り上げを伸ばしていくことが重要ではないかと思います。
そのためには、消費者の方に直接訴えるメッセージ性も重要だと思います。例えば、先般のグリーンジャンボくじは、震災復興をメーンにとらえまして売り上げを大きく伸ばしたという実績があるわけであります。大きなイベントなどの開催に合わせたくじを発売するなどの工夫も必要だというふうに思いますけれども、これまで、どのような実績があるのか。また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック招致ができた際にも、協賛くじを発売すべきというふうにも考えますけれども、この点についてのご見解をお伺いいたします。
○武市主計部長 これまでに、大型のイベントなどの際に発行した宝くじは、愛知万博の協賛宝くじ、長野オリンピック協賛くじ、ワールドカップサッカー大会協賛くじがございます。また、震災に対する復興くじといたしましては、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、今回の東日本大震災の例がございます。
こうした特定目的の全国くじを発売するためには、まず、全発売団体で構成をいたします全国自治宝くじ事務協議会におきまして協議を行い、その後、総務大臣の許可を得るという手続が必要となってまいります。
現在、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの招致が成功した際には、協賛する全国宝くじを発売できるように、全国自治宝くじ事務協議会におきまして検討を行っているところでございます。
○高倉委員 メッセージを込めて、大型のイベントなどの際に宝くじを販売することで売り上げを伸ばすことができると考えられますので、ぜひオリンピック・パラリンピックの宝くじにつきましては、実現をさせていただきたいと思います。
また一方で、売り上げを伸ばす上で、個々の宝くじ売り場が果たす役割も大変大きいと思います。宝くじ売り場がその数を維持し、きちんと販売できる環境を整えていくことが大切であろうと思います。
宝くじ販売のかなめであります売り場の数につきまして、最近の動向についてのご見解をお伺いしたいと思います。
○武市主計部長 宝くじ売り場につきましては、平成十九年度には一万七千二百三十店舗ありましたものが、平成二十三年度時点では一万五千六百三店舗にまで減少をしております。
店舗には、金融機関売り場、たばこ店などさまざまな形態がございますが、中でも、専業売り場の減少傾向が大きくなってございます。これは、景気動向や個人収入の減少等の影響を受けまして、宝くじの売り上げが減少傾向にあり、厳しい経営状況に置かれていることが、売り場減少の要因の一つであると認識しております。
○高倉委員 その宝くじ売り場でありますけれども、規模の小さい事業者によって運営されていることが多く、厳しい経営状況に置かれているわけであります。何とか、路上に売り場をつくって懸命に販売をしているところもありますけれども、道路占用許可の問題もありまして、大変苦しい思いをしていることも多いというふうに聞いているわけであります。
このことについてですけれども、この宝くじについては、法律の目的でもって、宝くじの発売によりまして、購買力を吸収して、もって地方財政資金調達に資することというふうにされているわけでありますけれども、しかしながら、この宝くじの販売を担う宝くじ業者の扱いというのは、単に私的営利行為を扱う業者としか位置づけられていないといったのが現実なわけであります。
道路法の第三十二条第一項六号に該当する露天商というふうになっているわけでありまして、どうして露天商なのかというような声も数多く聞いているわけであります。しかも、今、大変厳しい状況にというお話をしましたけれども、この売り場の状況なんかを見てみますと、例えば、この売り場の占用許可といったようなものも、いろいろと厳しい状況にあるというふうに伺っています。
例えば、宝くじ売り場の道路占用許可の基準でありますけれども、例えば、横浜市の場合、占用面積は二平方メートル以下とすることと、こういうふうな基準がございます。それから、川崎市では、この売り場の大きさは、やはり二平方メートル以内とすると、こういったことがあるわけでありますが、東京都の基準の場合は、占用面積は一平方メートル以内とし、販売台等は折り畳み式で無害のものとすると、こんなような基準がございまして、こうしたところについても、何とかならないんでしょうかと、こういった声が強いわけでありまして、きょうは所管が違いますので、このことについてお聞きをするということではありませんけれども、いずれにしても非常に厳しい状況にあります。
そして、この路上売り場には、電気あるいは電話の設置が認められずに、数字選択式宝くじのオンライン端末を置くこともできないといったような、いろいろと大変な状況の中で頑張っているわけであります。
こうした状況については、道路管理者の権限ということもありまして、発売する側が改善できる部分は限られているかもしれませんけれども、少なくとも、こうした苦しい立場に立たされています売り場の声に耳を傾けることが、私は必要であると思います。
発売団体を取りまとめる事務局であります東京都に対して、売り場からどのような要望があるのか。また、売り場の環境改善について、どのように認識をされているのか、ご見解をお伺いしたいと思います。
○武市主計部長 宝くじ売り場の事業者によります団体からは、厳しい経営状況に置かれている売り場の状況を認識をし、売り上げ向上に資する魅力ある宝くじを販売してほしいとの要望を受けてございます。
また、インターネット販売など、別の販売主体を活用する際には、現在の売り場に大きな影響が出ないよう配慮が必要とのご意見もいただいております。さらに、理事からご指摘のような点につきましても、売り場の声として認識をしてございます。
発売団体といたしましては、宝くじの販売網のかなめとなります売り場が最大限役割を発揮していただきたいというふうに考えております。
○高倉委員 今、インターネット販売のお話もありました。このインターネット販売などについては、時代の流れといったようなこともあると思いますけれども、しかしながら、これまでも自治体の貴重な収益をきちんと守ってきたのが既存の販売事業者であります。彼らの努力なしには、東京都の六百億円にも上る収益を確保することも困難でありまして、売り場のためにもさまざまな努力をしていただくことが重要であるというふうに考えます。
インターネットやコンビニ販売などを行う以前の問題としまして、新たな商品、魅力ある商品などを販売することで売り上げを向上させ、個々の事業者の経営状況を安定させることが何よりも重要であると思います。
最後に、売り場の事業者にも安定した収入が入るように、売り上げ向上に取り組むことが重要と考えますけれども、どう取り組んでいくのか、ご見解をお伺いしたいと思います。
○武市主計部長 売り場事業者によります販売網を機能させることは、宝くじ販売を進める上で最も重要な課題でございまして、魅力ある商品を提供し続けることで売り上げを向上していくことが大切であると認識をしております。
ことしの四月から、当せん金付証票法の改正によりまして、宝くじの当せん金の最高金額に係る倍率制限が緩和されました。例えば、三百円の宝くじであれば、最高七億五千万円までの賞金というのが可能になりました。
こうした法改正を受けまして、ことしのサマージャンボ宝くじにつきましては、一等賞金を史上最高の四億円といたしまして一定の売り上げを得たところでございますが、引き続き、宝くじの売り上げを維持していくために、商品のマンネリ化を打破するような、魅力的なくじの開発が求められております。
今後、主力商品でありますジャンボくじにつきましては、高額賞金のものや、逆に反対に当たりやすさを求める層をターゲットとした当せん本数の多いくじなど、バラエティーに富んだ商品を販売し、宝くじの商品性を向上させていきたいと考えております。
さらに、四季折々のイベントくじや、キャラクターを使用したくじの発売、新たな数字選択式くじの販売などに取り組みまして、魅力ある商品の提供に継続的に取り組んでまいります。
○高倉委員 今、種々さまざまな取り組みについてご答弁をいただきました。発売団体によります協議会の事務局を務める東京都は、こうした、先ほど申し上げました売り場の声にも十分配慮をしながら、売り上げの向上策に前向きに取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○たぞえ委員 それでは、私からは、基金と都市施設の改築について伺います。
きょうの委員会資料で、社会資本等整備基金の推移を示してもらいましたが、年度末残高は二十年度の三千九百六十億四千六百万円が、二十四年度の予算額では二千三百六十億四千五百万円までに減少をするとしています。社会資本整備にかかわる事業は、施設の更新期を急速に迎えることや、震災対策などの対応への必要な経費の支出がこれからも求められます。
二十三年度の取り崩しによって基金を充当した事業にはどういうものがあるのか、まず説明をいただきたいと思います。
○武市主計部長 平成二十三年度に、社会資本等整備基金を充当した事業といたしましては、主要施設十カ年維持更新計画に基づき実施いたしました都立学校の整備や体育施設の大規模改修などがございまして、また、そのほかにも、児童福祉施設、障害者通所施設などの整備費に対する補助にも充当してございます。
○たぞえ委員 今いわれた主要施設十カ年維持更新計画は、平成二十一年度に、財務局が、都民生活に直結するさまざまな拠点である都有施設の経年劣化が進行して更新期を迎えていることから、大規模施設の改築、改修を今後十年間かけて実施するという計画です。
既に、二十一年度から二十三年度までの第一期では、拠点施設として、警察署、消防署、都立学校、福祉、医療施設、建設事務所、体育施設、文化施設などの改築、改修のために二千七百億円が見積もられてきました。
今年度から、三十年度までの第二期と第三期の七年間では、約五千六百億円程度の概算事業費が予定されています。そのため、毎年約八百億円程度財源が必要で、この間の年間九百億円のペースとほとんど変わらない額がこれからも予想されます。
さらに、昨年、大震災後の都市施設の緊急修繕が発生したことから、震災後の都の防災対策の根幹の姿勢も、新たに検証が求められてきました。例えば、東部低地帯には三百万人、海抜ゼロメートル地帯には、百五十万人の都民が住んでいますが、堤防や水門などの強化対策は、都民の命と財産を守る上で最重要課題になっています。
都が調査した結果、我が党都議団がこれまでも指摘をしてきたように、耐震済みのはずの堤防の調査地点の四割で破損の危険性があること。そして、調査した十六カ所の水門すべての門柱が損傷し、閉まらない危険性があることが明らかになりました。大雨や高潮、津波など複合的な対策が欠かせないことは緊急の課題であります。
これらの災害対策は、主要施設十カ年計画にはないわけで、当然、社会資本整備の事業費の増大は、今後も避けられないと思います。
震災対策の視点からも、都有施設という建物だけではなく、公園や堤防、水門施設など、都有施設の対策経費を見積もることは避けられません。財政当局としてどうこれらに対応していくのか、見解を伺います。
○武市主計部長 今後は、老朽化した社会資本ストックの更新でございますとか、大震災によって改めて明らかになりました課題への対応など、副委員長お話しのとおり、社会資本整備に係る需要が増大することが見込まれております。
財政環境の先行きは不透明でございますが、こうした防災力の強化や、都市機能の向上に資する社会資本の整備は、着実に進めていかなければならないと認識をしております。
今後とも、社会資本等整備基金でございますとか、都債などの財源を有効に活用することによりまして、財政負担の平準化、あるいは世代間負担のバランスなどに留意しながら、適切かつ着実に社会資本の整備を推進してまいります。
○たぞえ委員 あしたから、二十三年度会計の決算審議が始まりますが、改めて、この決算参考書というのを、きょうも休憩時間に中を見てみますと、大変、二十三年度の都の重要な施策の、例えば、都債がどう予算化されて、どれだけ確保して、どこにそれが担保されたのか、大変貴重な参考書であります。
この中にも書かれているように、二十三年度の工事請負費は、予算が三千六百五十三億円に対して、支出は二千九百六十五億円、執行率八一%だというふうにここに書かれております。低入札による落札も要因でありますが、肝心なのは、都施設の維持更新の改築に当たって、いかに緊急を要する、耐震化を含めた安全な施設を、どう優先度をつけて構築するかということが大事だというふうに思います。
私は、八月に三宅島に行ってきました。三宅島の支庁庁舎を訪ねましたら、老朽度や緊急度の必要があるとして、維持更新で新しい庁舎が完成をしていました。
中に入ってみますと、教育庁の窓口やさまざまな窓口で、職員がこの暑い夏に仕事に励まれていた、そういう姿を見ました。
もともと支庁庁舎は、一九六九年に建造されて四十三年が経過しています。平成十二年の大噴火ですべての島民が避難し、施設が使われてこなかった。さらにガスの流出や、これまでの塩害などで支庁施設が劣化したことから、二〇〇八年には耐震診断を行った。そして、この十カ年計画でも改築が必要だということで列記され、来年度、二〇一三年度には、すべての工事が終わって竣工ということで進んでいます。
さらに今後、駐車場の整備などを行って、この十カ年計画の第一期の一つの姿が完成をする予定になっているわけです。
一方で、この三宅を訪ねたときに、三宅の三池浜という場所がありまして、この岸壁を沖合に延長して、大型船の着岸を目的とした建造現場を見てきました。
この付近は、黒潮などの海流が大変激しくて、海底にコンクリートのブロックを相当数投棄して、そこに岸壁をつくるという工事が行われていましたが、そのために海流の流れが変わって、既存陸地にある防波堤に波が増幅して当たる量がふえたと。防波堤に亀裂が生じているという実態を見ました。その長さは約数百メートル、高さは五メートルの防波堤ですが、随所に縦に亀裂が生じています。
海岸側から見ると、このコンクリートの防波堤は、垂直に建っていますが、海側に少し倒れるような形で、海水が陸に入らないようにこういう形でつくられている。海側から見ると、この底が大量の増幅によってえぐり取られて、素人が見る限りでも、いつ倒れるのかなという感じの状況なんです。
これについて、やはり問題意識が行政側にもあって、二〇一一年度に、東京都は予算要求をして設計をするというところまで来ましたが、この方針を見直すことになり、現在、宙に浮いたままで設計の実施もありません。
庁舎の方は、更新の必要性をはっきりして、都民的な合意を得られていますが、一方で、危険性とともに緊急性が発生している防波堤は、予算措置が講じられないと。防波堤の維持更新の検討と選択の機会に、計画の見直し先送りが適切だったのかどうか。ともに緊急性が発生した場合、ともにというのは庁舎と防波堤ですね、どっちを優先するのかという、この選択と同時に、同時並行で三宅の復興をやると、こういう選択も当然あるべきではなかったかと思います。
三宅の復興のためにも、島民の暮らしと安全を守る第一義的な行政の役割としても、一たん設計に踏み出したこの計画を先送りするということではなくて、計画の順位が、この三宅島においては間違っていなかったのか、検証が必要だと思います。
同時に、今回の震災で破損した都立辰巳海浜公園、私、三度も見に行ったんですけれども、鉄筋コンクリートのトイレが液状化で地中に埋没して施設がなくなってしまった。公園をつなぐ陸橋のつなぎ目に、今でも大きな亀裂が残ったまま、一年七カ月修繕もない、放置されているわけです。
施設の維持更新手法の検討に当たっては、対象主要施設の劣化状況や建物の特性などを踏まえて、施設の行政ニーズに対する満足度や建物の長寿命化、そして整備効果を比較検討することは当然のことであります。ぜひ三宅島の防波堤については、当初の設計など直ちに復活させる、辰巳海浜公園についても、修繕策を講ずるよう関係局と協議を行っていただくよう要望しておきたいと思います。
さて、主要施設十カ年計画は、第一期は、ほぼ終了したと聞いていますが、当初の第一期計画に示された臨港消防署と矢口消防署の二カ所は、いまだ設計のレベルでも手がつけられていません。
今後、第二期、第三期については、都民の暮らしにかかわる緊急性や重要性などを再度精査した上で、今後の計画を進めることが必要だと思いますが、見解を伺います。
○末菅建築保全部長 主要施設十カ年維持更新計画は、都民の安全・安心を守る拠点となる施設や都民サービスを提供していく上に必要な施設について、計画的に維持更新するものでございます。
各事業の実施に当たりましては、各年度の施設整備計画書の作成段階におきまして、事業環境などを考慮しながら調整を行っております。
今後も、こうした考えのもと適切に対応してまいります。
○たぞえ委員 とりわけ十カ年計画は、大震災が発生する前に作成された計画です。新たな被害想定や地域防災計画修正素案の改定も提案をされているわけでありますから、計画の実施に当たっては、震災対策の状況を踏まえて行うべきだと思いますが、改めて見解を伺います。
○末菅建築保全部長 主要施設十カ年維持更新計画では、安全・安心の確保と環境負荷の低減、将来コストの縮減と利便性の確保、都有財産の効率的、効果的な活用の三つの観点から、質の高い都民サービスを提供していくため、施設整備を行っていくこととしてございます。
震災対策につきましても、これまでも、防災上重要な都有施設の耐震化は進めてまいりましたが、今年度におきましても、四施設の耐震化を前倒しして実施するなど積極的に取り組んでいるところでございます。
今後とも、各施設の劣化状況や行政需要などを総合的に精査し、計画的に施設の維持更新を行ってまいります。
○たぞえ委員 先日発表された、財務局が出しました年次財務報告書の中でも、高度経済成長期につくった橋梁などの社会資本ストックが今後一斉に更新期を迎えることから、今後の維持更新に適切な対応が必要になっていると指摘がされています。
さらに、震災対策は緊急の課題です。一方、少子高齢化が進行し、遠からず東京都の人口減少に向かうと見られる中で、新規の大型公共事業はできるだけ抑制をして、既存の社会資本ストックの更新、改築、改修や耐震化を、ぜひ優先することを求めておきます。
以上です。
○福士委員 それでは、私の方から、寄附金のあり方について伺います。
さきの定例会のやりとりで明らかにされましたが、尖閣諸島に向けて都民、国民から十万二千九百三十三件、十四億七千五百十三万円の寄附が寄せられたそうです。そして寄附された方のうち百九件の方が、東京都が土地を購入しないのなら寄附金を返還してほしいという意向のようでした。
私は、都税で島を購入というのもいかがなものかと思っておりましたが、寄附という手段があったのかと、そのアイデアには脱帽しますが、寄附の使い方など、どうするのかという疑問が残りました。
そこで今回は、以下のことを確認します。個別の事案ではなく、一般的な寄附金のあり方としてお答えをいただきたいと思います。
東京都尖閣諸島寄附金についてのウエブページでは、この寄附金は、地方自治法第九十六条第一項第九号に定める負担つきの寄附として、お受けするものではありませんとわざわざ書かれています。この第九十六条第一項第九号の負担つき寄附と一般に寄せられる一般寄附とはどう違うのか、まず伺います。
○武市主計部長 負担つき寄附とは、寄附を受け取る際に付された条件に基づきまして、地方公共団体が法的義務を負い、その義務を履行しなかった場合には、寄附が解除されるなどの当該寄附の効果に影響を与えるようなものでございます。この寄附を受けるには、地方自治法第九十六条に基づきまして議会の議決が必要となってまいります。
これに対しまして一般寄附とは、負担つき寄附のような条件はなく、寄附者が使い道を指定しない寄附でありまして、この場合には、寄附を受ける際、議会の議決は必要としないと、そういう違いがございます。
○福士委員 尖閣諸島も、知事が突然発言されて、それが日中関係に悪影響を与えているぐらいセンセーショナルなことで始まっております。そうすると、こういう場合は、目的が定められていても負担つき寄附とせず、いわゆる指定寄附のような形で議決は要らないで、私たちが知らない間に寄附金行為というのが始まったということで考えてもいいということでしょうね。
それでは、東京都で負担つき寄附の事例はあるのかどうか、あるとすれば、直近でどのような案件だったのか、お伺いをいたします。
○武市主計部長 負担つき寄附につきましては、直近では、平成十二年度に受領した事例がございます。これは寄附者から、東京空襲犠牲者を追悼し、平和を祈念するための碑を東京都が建設するという条件が付された上で寄附の申し出がございました。それにつきましては、都議会の議決を経て、一件、その一つの団体から約九千万円を受領してございます。
○福士委員 負担つき寄附金は、寄附を受けることによって、自治体が何らかの負担を伴う一定の条件が課せられるわけですから、もちろんケース・バイ・ケースだとは思いますけれども、慎重な判断が必要だと考えます。だからこそ、議決が求められているということだと思いました。
負担つき寄附や一般寄附の違いを一般の方々がどの程度わかって、さまざまな寄附の場合されているのかなというのは、ちょっと気になるところではありますけれども、知事はいただいた寄附を昨今、また国へということもおっしゃっています。
ところで、先日の新聞報道によれば、以前は禁止されていた地方公共団体から国への寄附が法改正で可能になったということが上げられていました。具体的にどのような改正だったのか、お伺いをいたします。
○武市主計部長 従来、地方公共団体から国への寄附につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律附則第五条によりまして原則禁止とされておりまして、政令で定める一定の場合に限り、総務大臣と協議の上、例外的に認められておりました。
それが、昨年の十一月、地域の自主性及び自立性を高めていくことを目的といたしまして、この規定が廃止されまして、現在では、地方公共団体の自主的な判断により、国への寄附が可能となっております。
○福士委員 地域自主権のためにつくられたということで、国への寄附は緩和されたようですけれども、地方公共団体からも、かなりさまざまな意見があって、それを踏まえて、国からの示唆の禁止や経緯や金額の公開などを含んだ文書を後でわざわざ閣議決定していますね。国に寄附するときというのは、何かの政策目的を持ってのことだと思いますが、財団法人や民間団体への寄附、他の自治体への寄附など、さまざまな選択を比較した上で国の寄附が最も有効であると、そういうものでなければならないと私は思っております。
そしてまた、その説明責任が問われます。ここの財政委員会は、この知事本の寄附、組み立てて企画した寄附とはちょっと所管が違いますので、余り細かいことは申し上げませんが、本来は都民のために使う税金や都政などへの寄附を国へ寄附するような場合、これもまた、住民監査が予想されるというふうに思っています。現に、私のところには、監査請求をしたいんだけどというようなお話も出ております。そういう監査請求にも耐えられるようなしっかりした説明ができるかどうか、制度があるから使えるというようなことではなくて、賢明な対応を心がけていただくように、とりあえずは指摘をして、質問を終わります。
委員会が違えばやりたいところですが、続きまして、公共の財産である都民広場の活用について伺います。
時間もだんだん迫っておりますので、なるべく短くやりたいと思います。
議会の窓から見ると、都民広場で観光客が記念撮影をしたり、都民がゆったりと歩いたりする姿が見えます。しかし、せっかくの広大な広場にもかかわらず、何か催しなどで活用しているのは余り見かけません。
使用現況は、私の方で調べさせていただきましたので、これもお伺いするのではなく、私の方から、時間ももったいないので申し上げてしまいますと、二〇〇九年には十二件、それから二〇一〇年に十八件、二〇一一年に十五件と、いずれも二十件以下です。
日数も、何日かにわたったものもありますが、それでも二十日前後で終わっております。一年三百六十五日ですが、年末年始などを除いて三百日としても、わずか二十日というのは、幾ら何でも少な過ぎるような気がいたします。
あそこの広場は、石畳で坂にもなっておりますし、夏は暑く、冬は寒いし、使いやすいかどうかということもありますけれども、秋とかあるいは春の半年で考えても、やはりもったいない利用状況かなというふうに私は思います。
近場では、フリーマーケットや何か広場がなくて困っている方、結構いらっしゃいますし、都民の方々でもいろんな企画能力はこのごろ随分おありになって、おもしろいイベントを考えられる方がふえました。
そういうことから考えますと、都民広場管理運営要綱によっても、第二条に、都民広場は、都民が出会い、集い、楽しむことができる場、都民の参加を期待する場、都政を都民の身近なものにする場として、都民等がいつでも自由に通行、散策ができる場とするとあります。
実際に、イベントもないのに参加者も出会いもないだろうというような気がしないでもないのですが、どうでしょうか。せっかくの都民の財産です。有効活用をすべきという観点から質問します。まとめて質問しますので、よろしくお願いいたします。
まず、都民広場管理運営要綱によれば、知事の許可とだけ書かれております。ところが、実際には、都の部局と連携して主催、共催、後援の場合のみ使用実績があるということです。数の少ない原因はその運用にもあるかと思います。したがって、もっと幅広く、市民が申請を出せるようにすべきではないでしょうか。
また、具体的には、要綱や申請用紙をホームページに掲載する、あるいは使用実例を示すといった工夫が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○間庭庁舎運営担当部長 都民広場は、都市計画法の特定街区制度を適用して設置した公開空地であること。また、都議会議事堂と第一本庁舎の間に位置する庁舎の一部であることから、使用に当たっては制約がございまして、円滑な公務に支障を及ぼさないことや、公共性、公益性が求められることになります。
このため、都民広場は、都の主催、共催する行事で利用するほか、都民が主体的に実施する行事に対しては、都が後援することによりまして公益性のある行事として使用許可を行っております。
また、都民広場の使用情報につきましては、財務局のホームページで、従来から、都庁舎内のイベントについて都民にお知らせをしておりますが、今後とも、ホームページを活用するなど、適切な情報提供を図ってまいります。
○福士委員 今までの都庁舎内のイベントというのは、大体各局の方でお立てになったことが多くて、それはそれで都民もごらんになっていて、薪能や物産展のようなのは朝早くから皆さん並んでいらして、薪能は夕方あるのに、朝七時ごろから並んで、いす席が一部しかないので、結構そうやって並んでいらっしゃる方もいらっしゃるみたいです。
私も夕方は立ち見ですが、拝見したことが何度かあります。しかし、それだけの盛況なものがあっても、あれは、そうしょっちゅうやっているわけではありませんし、それに加えて、一般市民企画が少ない気がするので、私は伺っています。
市民が自分の企画を受け入れてもらえるような意識もないのではないかなというところもあります。質問いたしましたのは、結局ホームページに書かれていても、こういうイベントがありますよというお知らせが多くって、それだったら行こうかなというふうには思いますけれど、自分がそこに参加できる、あるいは自分が企画して、それをあそこの広場で行えるというふうに、あんまり受け取っておられないようなんですね。
わずかにヘブンアーチストなんかは、あそこよりは上野の公園とか、いろいろな公園なんかでやった方が、人がしょっちゅう入れかわるので、おやりになっていると思うので、客を寄せるというようなイベントを組み立てないといけないと思うんですよ。
それは、最初たくさん来てくださるかどうかはわかりませんけど、例年やっていると、積み重ねでイベントの組み立てもふえるし、また、そこに来てくださるお客様もふえるんじゃないかなというふうに思っております。
どうも行政側は、都民の財産だから有効に活用するというよりは、きちんと管理をしておくという意識が強過ぎるのではないでしょうか。それはイベント以外の日常の管理体制でも感じます。
個人的な話ですけれども、都民広場でカメラ一台を抱え、マスコミの取材を受けていたところ、警備の方が、ぱっと近寄ってこられて、とめようとされた経験があります。わずか五分ぐらいで、取材の趣旨も伝えましたが、だめというお答えに、外国の方からの取材でしたので、レポーターの方も驚いておられました。
このぴりぴりとした管理の雰囲気は都民にも伝わります。私は警備の方も精神的につらいだろうなというふうに思いました。その辺のところは、ちょっとどういうふうにとらえておいでなのか、ご感想でも結構ですが、伺わせていただけますか。
○間庭庁舎運営担当部長 庁内管理につきましては、総務局の方で庁舎警備の観点から適正に運用がされているというふうに思っております。
○福士委員 そうですね。確かにそうです。広場とまた別になっているようです。いずれにしても、公の施設は、市民の良識を信じて、規則に触れるような騒音や火気などといった、本当に危険なことのみ管理を集中すべきだというふうに私は思いました。
最後に、イギリスなどヨーロッパには、広場の文化があります。スピーカーズ・コーナーなど、自分たちの主張を訴える場を確保する伝統もあります。
ドイツでも市庁舎の前は自由に使える場となっておりまして、私が、かつて八七年なんですけど、ちょうどあのチェルノブイリの事故の翌年が、一番最初にドイツに行ったときなんですが、そのとき、ちょうど反原発の大きな集会が開催されておりました。
多くの人というよりも、むしろ広場いっぱいにたくさんの方々が集まっていましたけれども、警備の方もいらっしゃるんですけども、そのふちの方で、川の方に向かって何か数人がのんびりといらっしゃった、見ていらしただけで、余りぴりぴりした感じはなかったですね。
だから集まってくる群衆がもうそういう広場の中でやるときには、一般市民に迷惑をかけないという礼儀も含めて、やっぱりそういう経験が必要なんじゃないのかなというふうに私は思っております。
余り管理をされ過ぎていくと、あれはやっちゃいけないんじゃないかと思って、先に自分でセーブする方もいるかもしれませんし、その反動で、いわれないことなら何でもやっていいというふうに思っても、それもまた、私は困るなというふうに思っております。それは、都庁舎だけではなくて、どこも行政はそういう感じです。
杉並区も、区民センターという区民の集会所なんですが、そこでも前庭を貸してもらうというためにも、何年も何年も私は区議だった時代に質問をし、やっとアースデイという世界的な環境フェアみたいな、そういうイベントを名目として共催を得て、それ以来、そこは毎年毎年市民がフリーマーケットをやったり、あるいは地域の川の環境、あるいは植物や何かの展示物を出したりというような環境イベントというのを行っておりますし、活発とどこまでいっていいのかわかりませんが、区民の運用実績を少なくとも積み重ねています。
東京都も都民が集まって活発な自主運営をすることの方が望ましいと考えてくださる都庁舎の管理を望みます。
あの広場も都民の税金でつくったものだということをお忘れにならないでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○高木委員 私は、先ほど主税局の項目でも、同じ考え方で質問させていただきましたが、都政の大きな方向性と各局の事業について、最近その微妙にずれているというふうに感じている点がありますので、財務局所管について、順次お伺いをしたいと思います。
きょうは、入札契約制度にかかわる問題点の中で、以下、大きく三点について伺いたいと思います。
最初にいっておきますが、すべてに共通する課題は、入札の制度というかやり方の中で、金額が安いということが最善であるという間違った考え方にあると。あえていいますけれども、間違った考え方ですね、これは。間違った考え方にあることを最初に申し上げておきたいと思います。
まず、障害者の雇用確保と積極的な活用という、都政の大きな方向性というのがあるわけですが、そういう視点で入札制度との関係をお尋ねしたいと思っています。障害者雇用を積極的に進めていくということは、今の社会情勢の中で、極めて私は重要なことだと思っていまして、都政もその方向性は同じというふうに思っています。
障害者雇用については、障害者の雇用の促進等に関する法律というのがありまして、これが来年度からその法定雇用率の改定が行われることになっています。
民間も行政機関も、一律にその法定雇用率が引き上げられることになっておりまして、民間であれば現行の法定雇用率が一・八%であるものが二%になる。国や地方公共団体は、現行二・一%が二・三%に引き上げられる、こういうことになるわけであります。
これは厚生労働省のホームページにも、二十五年の四月一日から引き上げられますよという、こういう広告がもう出ておりまして、事業者の皆さんは注意してくださいね、こういうことなんですね。
もう一つ変わる点は、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲というんですかね、大きさ、規模の問題なんですけど、現行は、従業員が五十六人以上というところに絞られているんですが、これが五十人以上ということに変わって、つまり雇用すべき事業所数は、さらにふえるということになるんだろうと思います。つまり来年度から民間も行政機関も、さらに積極的な障害者雇用への取り組みが求められると、こういうことになるわけであります。
ところで、今回私が取り上げたいのは、障害者雇用に最も適していると思われる建物管理の、いわゆる清掃業務、管理業務における障害者雇用についてであります。
私は、この庁舎ができた平成三年ごろから、時々この議会棟などにも、いろいろな用事の中でお邪魔をしておりましたが、当時から考えてみますと、議会棟を訪れるたびに、障害者の方がお掃除をされていたというシーンを今でも思い出します。
すれ違うと、にこやかにごあいさつをしてくれたという記憶がありまして、すばらしく、仕事としての清掃業務をしっかりやられているんだな、教育もされているんだなということは非常に印象的でありました。
ところが最近、障害者の方がお掃除をしている姿というのは、実はこの庁舎の中でもほとんど見られないと思います。
清掃やその管理を請け負っている業界の方に事情をお聞きいたしますと、障害者雇用というのは、指導とか、そういう研修とか、先ほど申し上げたあいさつとかを含めて、それなりにやっぱりコストがかかるんですと、現在の入札の価格では、障害者雇用を進める余裕が生まれないということをよくおっしゃるんですね。
障害者雇用は、市場原理のみでは私は動かないと思いますし、ましてや公共調達において、これを積極的にやっぱり牽引をしていくということでなければ、この法定雇用率を幾ら数字で上げたとしても、実際はなかなか、これついていけないんだろうというふうに思っています。
そこでお伺いするんですが、この障害者雇用の積極的な活用、あるいはその推進ということに対して、財務局の入札制度の問題と両面を検証した上で、財務局の見解というものをぜひお伺いをしておきたいと思います。
○間庭庁舎運営担当部長 障害者雇用を推進する取り組みでございますが、平成二十二年度から都庁舎における知的障害者の雇用促進に関する実地調査委託を実施いたしております。平成二十三年度末には、これらの取り組みを取りまとめて、管理マニュアルを作成し、本年六月に都のホームページに掲載したところでございます。
本マニュアルを公開することにより、広く清掃事業者に活用していただき、障害者雇用促進のための普及啓発の一助になるものと考えております。二十四年度においては、マニュアルの内容をさらに充実するため、異なる環境のもとでの有効性を引き続き検証しております。
○石井契約調整担当部長 指名競争入札におきましては、障害者雇用に積極的な企業であることを優先指名のための一つの要素としておりまして、引き続き障害者雇用の促進に寄与していきたいと考えております。
しかしながら、すべての建物管理契約におきまして、一定率以上の障害者雇用を条件とすることは、建物管理に入札参加資格の登録をしております中小事業者の受注機会を確保するという観点から困難と考えております。
一方、障害者雇用等に関しましては、地方自治法施行令等の改正も行われており、今後、都として、障害者の積極的な社会参画を支援するための政策や事業を展開していく中で、それらの要請に応じて契約制度における対応策を検討してまいります。
○高木委員 障害者雇用を拡大していく方法というのは、知恵を絞ればいろいろなアイデアがあろうと思っています。これは、今後私たち都議会自民党として契約制度のPTがありますから、ここでも順次検討しながら、息の長い課題として私たち取り組んでいきたいと思っています。
私は、特に財務局においては、積極的な、全庁的な活用というものに対する取り組みを期待をいたしておきたいと思います。
続いて、中小企業振興と入札制度の関係についてお伺いをしたいと思います。
都政においては、申し上げるまでもなく、中小企業振興というテーマは、最重要課題の一つであるということは論をまたないと思います。特に、昨今長期に景気が低迷をしている、こういわれている中にあって、その影響を最も受ける中小企業を守るために、議会も行政も不断の努力をしていかなければならないと思っています。
ところで、都議会自民党は、五年前に、今申し上げた入札契約制度のプロジェクトチームをつくりました。それは価格だけによらない制度構築を目指して、数多くの提言も既に出させていただきましたが、その一つが、低価格入札による中小企業の疲弊というものを救っていきたいという思いがありました。
その結果、私たちもいろいろなことを考えまして、ヒアリングなどもしましたけれども、総合評価方式とか、あるいは技術力や企画力による提案方式の拡大というものを、これからやっていくことが必要なんじゃないかというようなことを申し上げてきたつもりであります。
東京都は、私たちの提案と、財務局でつくられた研究会がありますけれども、研究会の報告も受けて、総合評価方式の種類をふやしたり、技術力と品質にも着目をした制度を導入をされた、この間の動きについては、私たちは評価をしているところであります。
しかし昨今、議会ごとに出てくる入札の結果、落札の結果というのですかね、調書などを見てみますと、いわゆるその議会物といわれる案件の低入札の実態というものは、制度改善の必要性を私たちは極めて強く感じています。
現在の入札制度が低入札を助長していると私は思っています。そして特に東京の中小企業を疲弊させていると感じているのは、実はこの結果を見れば、私だけではないと思っていますが、この点についての財務局の見解をお伺いをしたいと思います。
そしてまた、この間行ってきた総合評価方式にもいろいろな問題点が見えてきているんですね。品質の確保とか、事業者の実績の評価を含めて、今後の低入札対策への取り組みをお伺いをしたいと思います。
○石井契約調整担当部長 まず、低入札価格における中小企業の疲弊ということに関してでございますけれども、低入札価格につきましては、平成二十一年度に、入札契約制度改革の実施方針を策定いたしまして、工事の品質確保を目的として、低入札価格調査を強化いたしました。平成二十二年度は、財務局契約の対象案件二百二十四件のうち百三十一件で、低入札価格調査を実施いたしました。二十三年度は、対象案件二百九件のうち、九十四件で実施しているところでございます。
平成二十一年十月の特別重点調査の導入などによりまして、過度な低価格入札には歯どめがかかり、一部の業種では、低価格入札の減少が見られるものの、全体としては、低価格による入札が継続している状況でございます。
調査を実施した入札の一部では、一般管理費が十分に計上されておらず、技術力の維持向上や人材の確保など、将来にわたり工事品質を確保する健全な企業活動の継続に懸念があると、こういうふうに認識しているところでございます。
それから、今後の取り組みということでございますけれども、公共調達におきましては、適正な競争環境を整備いたしまして、公平な受注機会を確保するとともに、優良な事業者を育成していく視点が重要と考えております。
過度の低価格競争から脱却し、優良な事業者の受注機会を拡大していくためには、価格だけでなく、工事成績など事業者の技術力等を評価する総合評価方式が有効でございます。平成二十四年度には、総合評価方式を競争入札案件の約二割に適用するよう取り組んでいるところでございまして、工事の品質確保に一定の効果があると評価しております。
今後は、工事における総合評価方式の一層の適用拡大に取り組みながら、価格の評価とのバランスを考慮し、企業が持つ技術力をより適切に評価するよう、評価方法のさらなる改善を検討してまいります。
一方、極端な低価格入札については、特別重点調査において、一般管理費が入札額の五%に満たない場合は失格するという基準を設けております。
今後は、企業活動の継続に必要な経費が適切に計上されるよう、特別重点調査以外の通常の調査においても同様の仕組みを導入するよう検討してまいります。
○高木委員 中小企業を育成をすることが都政の大きな方向性でありながら、入札制度がそれを、仮にですよ、阻害をしているとすれば、私は制度を正さなければいけないというふうに率直にそう思っています。
私たち都議会自民党は、入札契約制度のPTを中心に、今後もさまざまな研究を続けていきたいと思っておりますので、財務局とともに知恵を出していきたいというふうに思います。
きょうは初めての事務事業質疑ですから、細かいことは申し上げませんので、今後お互いに研究をしながら、よりよい制度を構築していくという方向に向かって、そしてさらにいうならば、その中小企業の疲弊を救っていくために、ぜひお互いさま、努力をしていきたいなと、こう思っております。
続いて、都政の大きな方向性という意味では、もう一つ私は取り上げておきたいと思っているのは、多摩産材の積極的な活用ということであります。
この多摩産材の活用というのは、実は、いうのは簡単というか、今までもずっといわれ続けてきたんですよ。それで、例えば、知事がよくおっしゃる花粉のない森をつくるという課題一つとっても、これは要するに、多摩の杉の木を植えかえていかなきゃいけない、ヒノキを植えかえていかなきゃいけない、花粉の出ないような品種にしなければいけないということで、ただ、切ればいいという話じゃなくて、それを活用していくという全体の流れの中で、すべてのことが、多摩産材の活用に、実は流れついているという、そういう考え方だと思います。
ですから、いろいろな場面で、最終的に活用していくということがなければ、全体が整合性をとれなくなって、将来的には、東京の森林行政もうまくいきませんし、森の管理もうまくいかないということにつながっていくので、この最後のところの、出口のところでちゃんと多摩産材を使っていくという方向性を、全庁的にやはり示していかないと、私はこれ、かなりそごを来していくんだろうと思っています。
東京都は、ガイドラインをつくって、積極的に活用を図るということにしているわけですが、しかし、なかなかこれが積極的にとはいいながらも、活用されてないんです。
私は、昨年の決算特別委員会の第三分科会で、多摩産材の問題だけに限って三十分以上の質疑を実はしました。それでこのときに、例えば、国の方は、法律の制定をして公共建築物における木材の利用を促進をするための、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律というのを、平成二十一年の十月に制定をしていたり、それから先ほどいった、東京都は、既に平成十八年に、多摩産材の利用推進方針というものをつくって、そしてさらに昨年それを改定をしているんですね。
ところがこの改定版の要綱も私は見ましたけれども、多摩産材の利用促進をするためのルールといいながら、中身を見てみると、木材を使用するとしか書いてないんですよ。多摩産材という言葉はないんですよ、これが。だからね、結局多摩産材じゃなくて、違う木材を使っちゃうんですよ。
私は、昨年、文教委員会で、特別支援学校の視察に行きました。そうしたらちょうど特別支援学校一棟、新しいのをつくっていたんですよ。腰板だとか、あるいはロッカーとか、それからげた箱、そういうところに木材を使っていました。
そこの現場監督に聞きました、これは多摩産材を使っているんでしょうねと。いや使っていませんよと、軽くいわれたよ、本当に。使っていませんよと。だってそういう仕様書になっているんじゃないのと聞いたんですよ。そうしたら、いや、それはできれば使ってほしいということだけなんで、使っていませんよと。何で使わないんですかといったら、そもそもだって流通していませんからという話なんです。
それで、帰ってきてから、産業労働局が中心なんだと思いますが、いろんな各方面に多摩産材問題を聞いてみたんですけれども、今の一番の問題は何かというと、多摩産材を使いたいと思ったときに、多摩産材を使う量を、これだけ使うよと発注しないとそれ、もらえないんですね。受注生産なんです、実は多摩産材って。だから木場の材木問屋に行って、多摩産材くださいといってもくれない、売っていないんですよ。だからこれでは、やっぱり多摩産材は普及しませんね、どう考えても。ですからここを何とかしないと、供給サイドの問題とか、あるいは契約のルールとか、すべてにおいて、この多摩産材問題というのを、やはりもう一回検証すべきだと私は思っているんですよ。
それで、これは簡単にいえば、活用を積極的にしろというだけの話なんですが、これはやっぱり契約を所管をする財務当局から、各局に、多摩産材を使うためには、どういうルールにしたらいいのかということをもう一回きちんといいながら、この活用方針について考えるべきだというふうに私は思うんですけれども、部長いかがですか、この問題について。多摩産材。
○末菅建築保全部長 多摩産材の活用につきましては、委員ご指摘のとおり、平成二十三年十一月に改正されました東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針に基づき、都発注工事においても、積極的に活用することとしてございます。また、国におきましても、平成二十二年に、公共建築物等における木材の利用促進法が施行され、より一層の木材利用を促しているところでございます。
しかしながら、多摩産材の使用状況につきましては、東京都全体でも、平成二十二年度は約二千二百立方メートルとなっておりまして、必ずしも使用実績が拡大されている状況にはございません。
その理由といたしましては、多摩産材の多くがその生産が小規模零細な製材業者によって行われているため、新規の機械設備の導入が進みにくいことや、生産ロットが小規模となっていること、製造コストなどの課題が挙げられます。
製材業者の支援につきましては、東京都の補助等により徐々に対応が図られていると聞いておりますが、使用実績の拡大につきましては、最終的な利用場面としての公共工事等での積極的な利用が最も重要であり、需要をふやすことにより、製品価格のコストダウンや品質向上にも寄与するものと認識してございます。
私ども、建築保全部の所管工事におきましても、工事案件によりましては、多摩産材の使用量に、先ほど理事ご指摘のように、ばらつきが見られますなど、これまでの工事現場において利用が進まない実態を再認識いたしまして、これまでに取り組んできた工事仕様書等への記載や標準単価の設定をしておりますが、このほか、例えば、私どもでやっております都立学校施設整備標準など、基準類へ多摩産材を使用するというようなことも含めた、反映も含めて、設計段階から、多摩産材の積極的な利用に取り組んでまいりたいと考えております。
また、施設利用者が、多摩産材の使用を実感できるような部分への利用もあわせて進めまして、多摩産材の利用につきまして、都民や民間事業者への普及啓発にも資するよう努めてまいる所存でございます。
○高木委員 大変力強い答弁をいただきまして、非常に安心をしました。ぜひこれは多摩産材を使っているんだってわかるように使っていただきたいなというのは、確かに私はそのとおりだと思うし、都民が見たときに、これは東京の木でこうやってつくっているのかというのがわかれば、愛着もわくんだと思うんですよ。
この問題は、財務局を中心に、オール都庁で、積極的に多摩産材が活用できるように、ぜひお願いをしたいなというように思っています。
ちなみに、私の地元の学校、小学校、中学校ですが、やはり公共工事で多摩産材、本当によく使っていただいています。
先日、ちょうど日曜日の夜でしたけれども、北区立王子第五小学校というところの体育館は、内装が全部多摩産材なんですよ。オール木材ですね、壁が。すばらしい学校なんですよ、本当に。それで、そこでジャズのコンサートがありまして、ライトアップをして、中で照明器具を使ってやるんですが、そのオレンジ色のライトに照らされた多摩産材というのは、まさに私の地元十条ではなくて、軽井沢か八ヶ岳の音楽ホールかなと思うぐらい本当にすばらしい味わいを出すものなんですよ。
ですから、私は、木材を積極的に使っていく、さらに都政の政策として、多摩の花粉の出ない杉に植えかえていくという政策は、多摩産材を一番、何というんですかね、川下というんですかね、その最終段階で積極的に使っていくことによって、都民にとって二重、三重のメリットがあるという政策だと思いますから、ぜひ積極的に進めていただきたいということをぜひお願いをしておきたいと思います。よろしくお願いします。
先ほど来、都政の大きな政策ということをいっておりますが、私は、この間、幾つかの問題を指摘しましたけれども、最も大きな課題というのは、都民と都政の信頼感の醸成だというふうに思っています。
先日、契約制度において不祥事がありました。どこの局とはいいませんけれども。それから外郭団体、監理団体においても、この入札制度あるいは契約発注の部分で不祥事がありました。そういう意味では、都政と都民の信頼感というものが、そういうことで失われるというのは非常に残念なことでございまして、契約事務を執行している立場の職員は、やはり日常的に、業務執行の積み重ねの中で、信頼性をどう確保していくのかということに、気を配っていただかなければいけないというふうに思います。
一つの事例ですが、インターネットの入札情報サービスというページがありますけれども、東京都のね、ここに公表されている発注予定案件というのがありますね、年間の。第一・四半期とか、第二・四半期とか、発注予定がいつになるというのが書いてありますよ。
ところが、書いてあることがでたらめなんだよ、これが。これがですね、全部がでたらめとはいいませんよ、そういうものが散見されますよ。予定は、例えば第二・四半期といっているのにそれが発注されないと、一体いつになるんですかということを、これ民間企業の受注業者の皆さんは見ているんです、毎日見ているんです、あれを。見ている中で、何でこれ出ているのに発注されないじゃないかということが散見されます。たまにあるんじゃない、少なからずありますよ、本当のこといって。こういうのは本当に、都政と都民の信頼関係を、私は失わせるものだというふうに思いますね。
ですから、年間の工事の計画、発注の計画というのは、多分年度最初につくるんでしょう。ですから、それのとおりにいかないということは、時間がたてば、当然、第四・四半期に発注をするというものを、その前の年度につくってあれば、できないかもしれないと。だけど、わかったらそれ直してくださいよ。わかった時点で直すべきですよ、それは。そういうことが散見をされます。
これは財務局だけの問題じゃありません。ほかの局の、要するにそういう公共工事を発注をする場合に、いろんなところがありますけど、それが全然、要するにわかっているのに、変えないんですよ、公表しているものを。こういうことはやっぱりやめていただきたいなと思いますから、それは契約所管の財務局から各局に厳しくいっていただきたいと思います。そういうことをわかった時点で、きちっと直していくということをぜひ努めていただきたいと思います。
それともう一つ申し上げておきますが、オリンピックという大きな目標があって、私たち、今、二〇二〇年オリンピック招致に向けてやっております。議会も全国を行脚したりしながら、オリンピック招致に向けて一生懸命頑張っている。
ところが、所管はスポーツ振興局だと思いますけれども、物品の発注ということで考えれば--私がしているこのバッジもそうなんですよ。私、今回調べて初めてわかりました。このバッジが、なぜなかったのかということが。
一回目の発注は、六月の末なんですよ。二回目の発注は九月ですよ、九月の下旬。その間私たち全国を歩きましたけど、バッジはないのかとか、ポスターがないとか、いろんなことをいわれながら全国を回りましたよ。だけど、結局そういう発注の形をしながら、しかも、中国製ですからね、これ中国製ですよ。
六月の下旬といえばどういうことが起こったかというと、尖閣諸島の問題で、石原知事が、東京都が尖閣買いますよといって、日中関係というか、東京都と中国の関係というのは、いいはずじゃないんですよ、いいはずないんですよ。
そのときに、どういう理由かわからないけど安ければという気持ちなのかもしれないけれども、このオリンピックの大事なバッジを中国に発注するという感性が私にはわからない、理解ができません、はっきりいって。これは、東京都政として真剣に考えた方がいいと思いますね。
つまり東京都は、例えば、アジア大都市ネットワークという国際的なネットワークを持っている。東京都が、国と同じような事務事業をやっていますけれども、やっていないのは、私は防衛だけだと思いますが、外交もやっているんですよ。ですからそういう東京都政がですよ、オリンピックの大事なこのバッジをつくるときに、関係の悪い国に発注をして、ちゃんと本当に納品されるんですかという話だと思いますよ。
ましてや、先ほどいった中小企業の育成ということを考えれば、日本の国内だってこういうのって、できるところは山ほどあるんじゃないですか、バッジなんて簡単なんだから。何でそういうのを国内に発注をしないんですかっていいたいんですよ。そのことで、都民と東京都の関係というのは、信頼感が失われるんじゃないですかと思っているわけですよ。
財務局の皆さん、おかしいと思いませんかそれ。そういう感性というのは、やっぱり私は、常日ごろから培われていかなければならないと思います。
これは物品の、スポーツ振興局の問題なのかもしれないけれども、しかし、オール都庁として、こういう問題点を、私はしっかりとらえた上で、都民との信頼関係というものをきちっと構築をしていただきたいと思っています。
きょうは、入札の案件だけ取り上げましたが、大きく東京都政の方向性に、やはり微妙にずれている問題がある、そのことを常に検証しながら、ぜひ前に進んでいただきたいというふうに思っています。
以上で私の質問を終わります。
○長橋委員 最後でございますので、皆様お疲れでございましょうが、最後よろしくお願いいたします。
私の方からは、都有建築物の整備、これに絞って質問をしたいと思います。
私も昨年、各決の総括質疑で、都有施設等の節電対策、昨年は節電が大きな話題になったわけでありますが、その際に、昨年は、都民さらには事業者が、ピークカット、ピークシフト、大変なご努力をしてしのいでいただきました。
そういう中で、今後、電力問題、これは今後も大きな課題になりますし、また、お伺いをすると、夏場以上に冬場も大変な電力を使うと、こういうこともあるわけでありまして、そういった意味では、ベースカット、省エネ対策、これも重要であるということを申し上げたわけでございます。
そこで財務局では、各局の委任を受けて、建築の整備については、公共建築物整備の基本指針、これを定めるとともに、平成二十一年には、主要施設十カ年維持更新計画、これにより、先ほども質疑がありましたけれども進めているということでございます。
この公共建築物の整備の基本指針、中身は、コストダウンであるとか、それからバリアフリー等もあると思いますけれども、環境への配慮と、こういうのもあると思いますけれども、改めて、その内容、そして、主要施設十カ年維持更新計画、これは一期、二期、三期と分かれているわけでありますが、一期が終わった時点での進捗状況、どれぐらいの施設が、この一期の中で維持更新されたのか、具体的にご答弁をいただきたいと思います。
○末菅建築保全部長 建築保全部では、都有建築物を適切かつ効果的に整備していくため、計画から維持管理までのライフサイクルを通じて、最も基本的な事項を、公共建築物整備の基本指針と定めており、コスト管理の徹底や地球環境への配慮など七つの事項を掲げております。
この指針に基づき、公共建築物の基本的な整備水準や整備手法の検討を十分に行い、主要施設十カ年維持更新計画などの建築保全部が施行する公共建築物の整備を適切かつ効果的に執行するよう努めているところでございます。
また、主要施設十カ年維持更新計画の進捗状況でございますが、平成二十一年度から二十三年度までの三カ年の計画では、四百十棟を計画しておりまして、各局からの回答によれば、一部の事業には若干のスケジュールの変更はございますが、おおむね順調に推移しているものと認識しております。
○長橋委員 具体的に三カ年でどれぐらいの施設というのはどうでしょうか。
○末菅建築保全部長 具体的な棟数は定かではございませんが、おおむね五〇%程度は進んでいるというふうに認識をしております。
○長橋委員 五〇%というのは、何が幾つの五〇%かわからないんですけれども、いろんな数え方があるかと思いますけれども、昨年の決算委員会の質疑のときには、都有施設は三千施設とかというようなこともありましたし、その中で、主要施設ですから、この十カ年計画、要は昭和四十年代の建物が老朽化しているということを含めて、それが一気に更新時期に来るから、計画的にやっていきましょうということでありますし、また、平成一けたについては、設備の改修時期に来ているということで、これを計画的に進めていこう、こういうことであろうかと思うわけであります。
そういう中で、昨年も取り上げましたけれども、保全業務支援システム、こういうのがあるということがわかりました。これは財務局がシステムをつくって、各局のデータを収集をして、それをもとに、電気、水道のエネルギーはどれぐらいこの施設は使っているのかとか、そういうデータ収集を始めているということでございまして、平成十九年にシステムをつくって、平成二十二年から本格運用になったということでございまして、既に運用され始めているわけでありますけれども、この保全業務支援システム、これが、きょうまでどのように活用されてきたのか、まずは伺いたいと思います。
○末菅建築保全部長 保全業務支援システムでございますが、面積が一千平方メートル以上の約二百施設を対象といたしまして、建物の基本情報や工事の履歴、電気、水道等のエネルギー使用量などを電子データ化したもので、平成二十二年度から本格運用をしてございます。
システムにより、施設ごとに使用量を比較し、設備機器の劣化状況を調査することにより、施設改修計画の基礎資料とするものでございます。運用開始間もないため、データの蓄積量が少なく、今後、必要なデータの蓄積を進め、建物の長寿命化や、費用対効果を踏まえた都有施設の維持更新計画等への活用を図ってまいります。
○長橋委員 この保全業務支援システム、これ私は非常に重要なデータだろうと思います。いわゆる都有建築物が、どれだけ経年劣化しているのか、老朽化しているのか、設備の更新はいつしたらいいのかとか、そういうのをきちんとデータで把握をしていく。これ本来であれば、もっと早くやるべきことだったとさえ思うわけであります。
そういう中で、財務局がその基本データを持つわけでありますけれども、その入力等については、各局がその施設の管理者が入力をするというようなことも聞いておりますけれども、そうしたことによって、電気、水道さまざまなデータを把握をできるということであるわけでありまして、そうしますと、まだ運用して、これからだと、こんな話もあったわけでございますけれども、都有施設、相当な数があると思いますけれども、そのうち、面積が千平米以上の二百施設に限っているというわけであります。
今後、先ほど申し上げたベースカット、省エネ対策ということを考えれば、本運用を開始して、データを収集するわけですから、手間はかかるんでしょうけれども、そんなに費用が、コストがかかるというわけじゃありませんので、これはぜひ、千平米以上の施設を対象としているということから、千平米以下といいますか、すべてというのは大変でしょうけれども、ある程度基準をつくったにしても、この二百施設というのは、都庁財務局として、さまざまな管理をする立場として、少ないんではなかろうかと思うわけでありまして、この対象を拡大すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○末菅建築保全部長 対象の建物の拡大につきましては、維持保全の適正化の観点から、より多くの建築物についてデータ入力することが望ましいのですが、エネルギー等のデータの入力は、各施設管理者が行っていることから、入力作業の習熟など、システムに関する周知等が必要でございます。
今後、各局とも調整をいたしまして、対象施設の拡大を検討してまいります。
○長橋委員 拡大をしていくと、こういうことでございます。そうすることによって、各局も、コスト意識、また、高まってくるんだろうと思うわけであります。
このデータの蓄積が進めば、例えば、ある局は、どれだけ事業を運営する、また、事業を執行するに当たって、どれだけのエネルギーを使っているのかとか、また、改修工事に当たっての選定についても、的確な判断ができるんではなかろうかなと、こういうわけでございまして、例えば、急激にエネルギーの使用量が上がるというような場合も、それはデータとしては出てくる場合もあるんだろうと思うわけであります。
それは、その原因が何であるのかということを調べなきゃいけない、こうなってくるわけでありますけれども、そうするとそれは、機械設備にふぐあいが起きていると、老朽が起きているようなことも考えられるわけであります。
そうすると、もしデータをとっていなければ、それが発見できなくて遅くなってしまう、こうしたことにも対応できるわけでありますけれども、この保全業務支援システムのデータをふやしていくことによって、今いったようなこともありますけれども、どのような活用方法があるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○末菅建築保全部長 今、委員ご指摘のように、各施設におきましてデータの蓄積が進めば、経年的なデータの変化を追うことが可能となります。
例えば、エネルギー使用量の急激な変化がございますれば、設備機器等のふぐあいの可能性、例えば、水道、水の量が急激にふえたとすれば、どこかで漏水があるとか、電気代が急激に上がったとすれば、モーターのふぐあいがあるとか、そのようなことが予測されます。
こういうことを早期に調査することにより、適切な時期に改修等の対応を検討することができると考えています。
○長橋委員 今いったそのとおりでございまして、各局がそれぞれ自分たちでデータを入力をしていくということによって、そういうことが発見できるわけでありますし、それが、施設改修に大いに役立つわけでありますけれども、これがまた、局が違うと比べられないわけであります。
局が違っても、大体同規模の施設というのは、用途は多少違っても、それを比べてどうかという場合があるかと思うわけであります。そうした場合に、それをわかって指摘できるのは財務局しかないわけであります。
自分の局としては、今のこのデータに基づいて適切だと思っていても、財務局から見たら、同規模とか、同じ経年みたいなことを比べた場合に、ちょっとこっちは高いなということができるのは、財務局しかないわけでありまして、まだこれからデータの蓄積をしていかなきゃいかぬということもあるかと思いますけれども、ぜひ、保全業務支援システム、これを管轄するのが財務局でありますから、今後、都有施設の更新に当たっては、そうしたアドバイスができる、指摘ができる、これは財務局でございますので、ぜひそういうシステムにまで育てていただきたい、これは要望にしておきたいと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げます。
それから今度は、先ほどうちの同僚の高倉議員からも、都施設のバリアフリー化、これについて質問をさせていただきまして、高倉議員は、視覚障害者のことについてはずっと取り組んできておりますけれども、あわせて、今般、国土交通省が、高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準、これは書類をここにいただきましたけれども、これを見直しをしたということがあります。
それで、この見直しした内容--高齢者や障害者が、円滑な移動ですから、例えば、廊下や階段などの通路で、つまずきや転倒することがないように、床の仕上げ面を滑りにくい材料とするということで、床の滑りという項目がされたわけでございますが、この高齢者や障害者等の円滑な移動等に配慮した設計、建築設計標準、これの改定の内容、またその背景については、どう認識しているのか伺いたいと思います。
○室木技術管理担当部長 平成二十四年七月、ことしの七月でございますけれども、国土交通省では、主に建築主や設計者などに、バリアフリー設計の考え方や基準の適用方法、優良な設計事例などを紹介するためのガイドラインとして作成された、先ほど委員からもご指摘のありました高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準を改定したところであります。
今回の改定は、前回、平成十九年に改定を行ってございますが、それから相当な期間が経過していることから、この間に蓄積された新たな知見等を反映させるため、記述の充実ですとか、あるいは適切な事例の追加などを行ったものであります。
主な改定内容といたしましては、これまで記載されていなかった、先ほど委員からもございました、床の滑りに係る評価指標及び評価方法などについての記述のほか、多機能便房における多様な利用者の集中回避の考え方などについての記述の充実が図られたものであります。
○長橋委員 今ご答弁がありましたとおり、今まで記載されていなかった床の滑りにかかわる評価指標とか、評価方法ですよね。今までは、建築基準法では、床材は滑りにくい材質を使うこととしか規定をされていなかったというようなことでございます。それが、今度は、床の滑りについてもきちんと、測定方法だとか、それから評価方法、こういうことが定められたということであるわけです。
床の滑りというのは、雨が降った場合とか、いろんな状況があろうかと思いますし、また、平面の場合も、少し傾斜がついている場合とか、いろんな場面があるわけであります。
この中にも、転倒したことがあると思いますし、高齢者の方は転倒することによって重大事故につながるということもよく出ているわけでありますけれども、ところが今までは、滑りにくい材質を使いなさいという程度だったのが、この評価方法が決まったというわけでありますが、ちょっと専門的になるんですけれども、ぜひ聞いておきたいのは、この床の滑り、これについての測定方法とか、評価方法はどのように定められているのか、伺いたいと思います。
○室木技術管理担当部長 今回改定された国の設計標準では、床の滑りの指標といたしまして、JISに定める床材の滑り性試験によって測定される滑り抵抗係数を用いることとなっております。
滑り抵抗係数につきましては、測定対象の床材の上に滑り片を置き、一定の力で引いたときの最大引っ張り力をもとに算出した値でございまして、認証された試験機関においてJISに規定された滑り試験機を用いて測定を行うものであります。
また、今回の国の設計標準では、望ましい床の材料、仕上げの評価といたしまして、建築物の出入り口や通路、スロープなどの部位の使用条件を勘案した上で、当該部位ごとに設定された滑り抵抗係数の推奨値を参考といたしまして、適切な材料、仕上げとすることが示されております。
○長橋委員 まさに、高齢社会に向けて、もう既に迎えている中にあって、この滑りについても、きちんとそれを取り組んでいくといいますか、定められたというのは大変なことだと思います。
私も、今回初めて知ったんですけれども、今回のこの厚生労働省の人口動態統計、平成二十一年に実施しているらしいんですけれども、転倒、転落が原因の死者数が七千三百十二人あると、二〇〇九年でですね。この厚労省の資料によると、徐々にですがふえているわけです。亡くなった方が、転倒、転落、転落では亡くなると思いますけれども、滑って転んで死に至るということもあるわけでありますけど、それが七千三百十二人いるというんですね。そのうち、同一平面、いわゆる平らなところで滑った方で亡くなった方は、四千四百八十七人いるということで、私も驚きました。
何と比べるかというと、これが交通事故、現在は、十年連続交通事故死は減っているんですね。運転免許証の保有数はふえているんです、十年間で運転免許証保有者数は、二〇一〇年で八千百万人、十年前では六千八百万人ぐらい、かなりふえている。しかしながら交通事故は、十年前は一万人を超えていました。ところが現在は、五千を切って四千八百六十三人、これだけ交通事故については、さまざまな取り組みの中で減ってきているんだろうと思うわけであります。
それに対してこの転倒、転落ですかね、これがふえているということで、交通事故死者数を上回るということを、私も教えていただいたんですけれども、調べたらわかったわけであります。
そういうことでいうと、特に建築物では、エントランスホールなどの事故、これが多いようであります。
そこで、雨が降った場合もありますし、また、当初は滑らない材質といいますか、滑りにくかったのが、いろんな人が通る、大勢の人が通れば道路だって劣化しますよね。同じように床材も劣化をするわけでありまして、そういうことによって、使用環境によって、都有施設でも事故の例は過去にあったんだろうと思うわけであります。
そういうことを考えると、今後こうした滑りについて、きちんと対応していかないといけない。私も滑って転んだことはありますけれども、重大事故には至りませんでしたけれども、高齢者の方は、そういうことによって、骨折に至ったり、ましてや、それによって頭を打ったりして死に至るということもあるわけであります。なおかつ、最近は、訴訟もふえているというふうに聞きます。
昨年、ある店舗で、転倒して、死に至らないけがをしてしまった女性が損害賠償を求めて提訴したと。その提訴した結果、店側にこれは金額五百七十万円の支払いを命じたと。なぜかというと、店側が危険防止措置をとらなかったことが過失認定されたと、こういうことであります。
そう考えると、都施設、都有施設はたくさんあるわけでありまして、私もあのエントランスホール等々は、通る中で、皆さん方も危ないんじゃないかと思っているようなところもあるんじゃないかと思うんですけれども、過去にこうした事例もあろうかと思いますけれども、ぜひそうしたことを踏まえて、今後の対応、どうするのか、これは重要な対応だと思いますし、都施設で転んでけがをしたということは、これはあってはならない。いろんな状況があろうかと思いますけれども、そういうことがないようするためには、今後どう対応していくのか、答弁を求めたいと思います。
○室木技術管理担当部長 既存の都立建築物の対応についてでございますけれども、私ども施設管理者と連携しながら、材料ですとか、あるいは使用条件、転倒などの発生状況などを十分に把握した上で、適切に対応していくことが必要となります。
特に、委員からご指摘もございますように、エントランスホールなどでは、建築物によって多様な床材が使用されていることのほか、仮に事故が発生した場合には、その当時の天候ですとか、あるいは混雑した中での利用など、さまざまな状況があることから、的確な情報把握と適切な対応策の検討が肝要と考えております。
その際、先ほどご説明申し上げました今回の設計標準の改定内容も踏まえながら、使用材料ですとか、あるいは、改修方法などについて調査検討し、対応方法の助言など、施設管理者への必要な支援を行い、適切に対応してまいります。
○長橋委員 適切に対応していくという、床の滑りについては重要だと認識して対応していくということであります。
こういうのは事故が起こってから対応するのでは、もちろん遅いわけでありまして、そうした意味では、過去にあった事例を踏まえて、すぐに対応しなきゃいけないというようなところもあろうかと思うんです。起きてから対応するのではなくて、未然防止をぜひお願いをしたいと思うわけであります。
そういうことをきちんとやっていくことによって、これは都施設だけの、都有施設だけの問題じゃなくて、先ほどの訴訟も大きな店舗だったようですけれども、店舗の中で、その訴訟の事件があったわけでありまして、そうしたことを考えると、都みずからそういった取り組みをすることによって、よく見ると、東京の中で歩いていても、滑りやすいところはたくさんあるわけでありまして、雪が降る、雨が降れば、だれかが必ず転んでいるわけでございます。そうしたことを踏まえると、この国交省の床の滑りが新たに加わったことについて、都としても、先駆的に取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。
そういう中で、国交省がこうした改定をしたわけでありますから、都としても、この都立建築物の施設整備、これを財務局が担っているわけでありますし、その技術的な指導も行っているわけでありますから、設計基準の改正、都としての設計基準の改正ということだと思いますけれども、これが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○室木技術管理担当部長 床の滑りに係ります評価指標及び評価方法などについては、これまで明確な指標等がありませんでしたが、今回の改定によりまして、具体的な指標等が示されたことから、床に用いる材料などの選定の際に参考になると考えております。
国の設計標準が改定されまして間もないことから、現在、改定内容の調査把握に努めているところでございますが、今後、国などの動向も注視しながら、床の滑りに係る指標などにつきまして、都の基準類への反映を含め必要な検討を進め、都として適切に対応してまいりたいと考えてございます。
今後とも、都立建築物をだれもが安全で快適に利用できるよう、施設整備に取り組んでまいります。
○長橋委員 長い時間ご苦労さまでございました。
以上で終わりたいと思いますが、この課題については、まだ改定したばかり、七月ですかね、七月の終わりというふうに聞いていますけれども、改定したばかりでありますけれども、ぜひ、最大の人口を擁する東京都でありますし、こうした事故がないよう、先駆的な取り組みを、ぜひ財務局がリードをとってやっていただくようお願いをいたしまして、質問を終わります。
○吉住委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉住委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時二十六分散会
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