財政委員会速記録第十二号

平成二十三年十月五日(水曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長高木 けい君
副委員長たぞえ民夫君
副委員長吉田康一郎君
理事菅  東一君
理事上野 和彦君
理事中谷 祐二君
福士 敬子君
くりした善行君
斉藤やすひろ君
鈴木 隆道君
田島 和明君
斉藤あつし君
大西さとる君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安藤 立美君
経理部長櫻井  務君
主計部長武市  敬君
主税局局長新田 洋平君
総務部長目黒 克昭君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長安藤 弘志君
収用委員会事務局局長細野 友希君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百三十一号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第百三十八号議案 警視庁志村警察署庁舎(二十三)改築工事請負契約
・第百三十九号議案 警視庁有家族待機宿舎東大和住宅(仮称)(二十三)新築工事請負契約
・第百四十号議案  中央環状品川線中目黒換気所建築工事請負契約
・第百四十一号議案 都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約
・第百四十二号議案 東京消防庁日野消防署庁舎(二十三)新築工事請負契約
・第百四十三号議案 黒目川黒目橋調節池工事(その十)請負契約
・第百四十四号議案 国分寺陸橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三北北-国分寺三・二・八)請負契約
・第百四十五号議案 都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その三請負契約
・第百四十六号議案 都庁舎(二十三)昇降機設備改修工事その四請負契約
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○高木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十一号議案及び第百三十八号議案から第百四十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第百三十八号議案から第百四十四号議案までの契約議案につきましては、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年十月四日
文教委員長 原田  大
財政委員長 高木 けい殿
契約議案の調査について(報告)
 九月二十九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百四十一号議案 都立第五商業高等学校(二十三)校舎棟改築工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

平成二十三年十月四日
環境・建設委員長 橘  正剛
財政委員長 高木 けい殿
契約議案の調査について(報告)
 九月二十九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百四十号議案 中央環状品川線中目黒換気所建築工事請負契約
第百四十三号議案 黒目川黒目橋調節池工事(その十)請負契約
第百四十四号議案 国分寺陸橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三北北-国分寺三・二・八)請負契約
2 調査結果
(1) 民主党、自民党、公明党は、全議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、第百四十号議案、及び第百四十四号議案に対し、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
  (意見)
 第百四十号議案に関して、中目黒の換気所建築は、建設中の中央環状品川線における換気所であり、高さが五十mもある。周辺の状況は、私立の高校や病院があり、中高層のマンションをはじめ、集合住宅が十棟以上立ち並ぶ住宅地である。当然、数万台の車両交通から集中排出される排ガスが、この換気塔から出されることによる環境悪化に対して、周辺住民は大きな懸念を持っている。
 既に供用開始している中央環状新宿線における、九か所の換気塔に付いている低濃度脱硝装置の入り口前の測定値では、NO2濃度が一日平均で〇・三~〇・五PPmと極めて高い値であることが明らかである。にもかかわらず、換気塔の機械装備と運営は首都高が行うことになっており、今なお、周辺住民の強い要望である脱硝装置設置の確約も取れていない状況である。運用も首都高に委ねるものであり、都の運用監視のシステムさえもない。
 都民の健康よりも環状道路優先で中央環状品川線のように、高額な財政負担を強いる高速道路建設はやめるべきである。
 よって、第百四十号議案には反対である。
 第百四十四号議案に関して、本計画路線の周辺は、閑静な住宅地と緑が広がる東京のオアシスのようなところである。そこに、五百四十億円もかけて、三十六メートル幅の広域幹線道路が二・五㎞に渡って突き抜け、七百五十名の関係者が立ち退きをせまられる計画道路である。将来四万台近い車が流入し環境負荷をかけることに、住民合意が得られているとは思えない。現に本計画の見直しを求めて、住民訴訟が係争中でもある。
 一本の計画道路ができたからといって、生活改善、防災対策になるものではない。既存道路の整備が必要である。
 第百四十四号議案は、この都市計画道路事業にかかわる陸橋鋼けた製作工事契約であるので、反対である。

平成二十三年十月四日
警察・消防委員長 宇田川聡史
財政委員長 高木 けい殿
契約議案の調査について(報告)
 九月二十九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百三十八号議案 警視庁志村警察署庁舎(二十三)改築工事請負契約
第百三十九号議案 警視庁有家族待機宿舎東大和住宅(仮称)(二十三)新築工事請負契約
第百四十二号議案 東京消防庁日野消防署庁舎(二十三)新築工事請負契約
2 調査結果
 全議案に対し異議はありません。

○高木委員長 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○たぞえ委員 最初に、百四十号議案、中央環状品川線中目黒換気所建築工事請負契約についてです。
 中目黒換気塔は高さが五十メートルもあり、周辺には私立学校や病院、中高層マンションが十棟以上建ち並ぶ住宅地です。数万台の車両交通から集中排出される排ガスは環境悪化を引き起こすことから、住民に深刻な懸念を広げています。
 既に供用を開始している新宿線の九カ所の換気塔からは、NO2が一日平均〇・三から〇・五ppmと、極めて高い値が測定されており、品川線では、住民の強い要求である脱硝装置の設置の確約もとれていません。都は、運用は首都高にゆだねており、都自身の運用監視システムさえもありません。
 よって、本契約案には反対です。
 次に、第百四十四号議案、国分寺陸橋(仮称)鋼けた製作・架設工事請負契約についてです。
 本案件は、都市計画道路府中所沢線で、JR中央線をオーバーパスするための国分寺陸橋鋼けた製作工事の契約案件です。
 本契約では二十四者が入札にかかわり、落札額は六億六千百四十四万余円で、落札率は七一%です。規模は、往復四車線、幅員平均三十六メートルであり、今回の陸橋部分は四十一メートルという大規模な構造となっています。
 当該地域は、低層の住宅と生産緑地の広がる静かな緑豊かな環境地であり、この計画によって、二百八十棟、七百五十人が立ち退かざるを得ず、まちのコミュニケーションが分断され、環境悪化は否めません。
 平成十八年、本線の幅員が二十八メートルから三十六メートルに都市計画変更された際、国分寺市市民アンケート調査によると、第一は生活道路の整備であり、住み続けたい市民の意向は八割を超えています。道路整備によって、将来、四万台近い車が流入し環境負荷が起こることに、本計画の見直しを求めて住民訴訟の係争中です。
 よって、都市計画道路三・二・八号線にかかわる本契約案には反対です。
 以上、反対の意見とします。

○高木委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高木委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百四十四号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高木委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十四号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十一号議案、第百三十八号議案及び第百三十九号議案、第百四十一号議案から第百四十三号議案まで、並びに第百四十五号議案及び第百四十六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十一号議案、第百三十八号議案及び第百三十九号議案、第百四十一号議案から第百四十三号議案まで、並びに第百四十五号議案及び第百四十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高木委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○高木委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、安藤財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安藤財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、本定例会に提案いたしました議案につきましてご決定をいただき、まことにありがとうございました。審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては十分尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 昨年の十月以来、高木委員長を初め委員の皆様方には、二十三年度予算や東京緊急対策二〇一一の実施に伴う補正予算の編成、地方税財政制度及び公会計制度の改革など、私どもが所管しております事務事業につきまして、さまざまな視点から熱心にご審議をいただきました。
 皆様方には、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○高木委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 財政委員長退任に当たりまして、一言あいさつを申し上げます。
 昨年十月より一年間、副委員長、理事、委員各位、また理事者の皆さんの多大なるご協力によって、充実した委員会活動を行うことができました。
 この一年間の主要なテーマは、税収確保という面では、まず、法人事業税の一部国税化に対して都議会として明確な意思表示をすることでありました。第二定例会で、初めて全会一致の意見書を提出できたことは、まことに画期的な成果であり、このことは、これからの都政運営において大きな意味を持つことになると思います。また、鉄道事業者のいわゆる駅ナカ課税に対して、制度発足後三年という節目での視察調査も、時宜を得た極めて有益な活動の一つでありました。これらの多くの成果は、東京都税制調査会の議論にも一石を投じるものになると思います。
 予算編成、歳出面においては、東日本大震災被災地支援と東京の高度防災都市づくりに向けた一千三百七十四億円の大型補正予算の審議を通じて、多くの課題と今後必要となるテーマを顕在化させることができました。今後も、健全財政を維持しながら、必要なことはしっかりと予算を計上し、都民生活の向上に向けていく都政を続けていってほしいと願っています。
 以上のように、この一年間の財政委員会の活動は、まさに都政の中枢を担うものでありました。改めて、副委員長、理事、委員各位並びに理事者の皆さんのご協力に深甚より感謝を申し上げ、簡単でありますが、私の退任のあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時九分散会

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