財政委員会速記録第六号

平成二十三年三月三日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長高木 けい君
副委員長吉田康一郎君
副委員長たぞえ民夫君
理事菅  東一君
理事中谷 祐二君
理事上野 和彦君
福士 敬子君
くりした善行君
斉藤やすひろ君
鈴木 隆道君
田島 和明君
大西さとる君
斉藤あつし君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安藤 立美君
経理部長藤原 正久君
主計部長長谷川 明君
主税局局長荒川  満君
総務部長目黒 克昭君
会計管理局局長新田 洋平君
管理部長安藤 弘志君
収用委員会事務局局長藤井 芳弘君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出・債務負担行為-財政委員会所管分、都債
・第三号議案 平成二十三年度東京都地方消費税清算会計予算
・第十四号議案 平成二十三年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成二十三年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(決定)
・第四十一号議案 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
・第四十二号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第四十三号議案 東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
1 二二第一三号
2 二二第二一号
3 二二第二二号
4 二二第二六号
5 二二第二七号
6 二二第二八号
7 二二第二九号
8 二二第三〇号
9 二二第三一号
10 二二第三二号
11 二二第三六号
12 二二第三七号
13 二二第三九号
14 二二第四〇号
15 二二第四一号
16 二二第四二号
17 二二第四三号
18 二二第四四号
19 二二第四五号
20 二二第四六号
21 二二第四七号
22 二二第四八号
23 二二第四九号
24 二二第五一号
25 二二第五二号
26 二二第五三号
27 二二第五五号
  固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
28 二二第七〇号
29 二二第七一号
30 二二第七二号
31 二二第七三号
32 二二第七九号
33 二二第八〇号
34 二二第八一号
35 二二第八二号
36 二二第八三号
37 二二第八四号
38 二二第八九号
39 二二第九〇号
40 二二第九一号
41 二二第九二号
42 二二第九三号
43 二二第九四号
44 二二第九六号
45 二二第九七号
46 二二第九八号
47 二二第九九号
48 二二第一〇〇号
49 二二第一〇一号
50 二二第一〇二号
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○高木委員長 ただいまより財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○高木委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査、請願陳情の審査、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、歳出、債務負担行為、財政委員会所管分、都債、第三号議案、第十四号議案及び第十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次ご発言願います。

○くりした委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十三年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 一般会計の予算規模は、前年度比〇・四%減の六兆二千三百六十億円で、三年連続の減額となりましたが、一般歳出は前年度比一・〇%減の四兆五千八百三十九億円にとどめています。経常経費を七百十六億円の減とする一方、投資的経費を前年度比三・三%増の八千四百四億円、単独事業費も前年度比八・六%増の五千百四十八億円として、ハード面を重視した予算となっています。
 予算案策定に当たり行った事業評価は、範囲を拡大し、百九十五件を見直して約二百十億円の費用を確保するとともに、歳出を精査して約八百九十億円の事業費を削減しています。こうした取り組みで基金の取り崩しを最小限にとどめた財政運営については、基本的に評価するものです。
 個々の施策では、雇用情勢が厳しい若年層、離職者への就職サポートや、円高などの影響で経営が苦境にある中小企業への支援、遅々として進まない耐震化の推進など、都民が抱える不安に対する支援を強めるとともに、急速に増加が進む高齢者の対策、環境、そして次の世代をはぐくむ教育、都市インフラの整備などの諸施策を戦略的に取り組むとしています。
 しかしながら、医療従事者の確保や救急搬送時間への対応、木造住宅密集地域の耐震化の推進など、都民福祉の向上を図るためには、より一層の取り組みが必要です。
 なお、中央卸売市場会計には、豊洲新市場の整備にかかわる予算が二十一億円計上されています。既に私たち都議会民主党は、当該予算に対しては厳しい対応をせざるを得ないと述べてきたところですが、予算特別委員会の締めくくり総括質疑での議論を踏まえ、予算の修正も視野に入れて対応していきたいと考えています。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、財務局について申し上げます。
 一、都民生活を守るとともに、都内の中小企業などの不安を解消し、経済を安定させるため、都の財政機能を引き続き生かしていくこと。
 一、強固な財政基盤の確立に向けた施策の構築を実施するとともに、社会情勢の変化を踏まえ、中長期的な視点に立った財政運営を行っていくこと。
 一、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税制度は、地方税の原則にもとり、地域主権や財源移譲に逆行することから、即時廃止に向けた取り組みを強く推し進めること。
 一、新公会計制度の導入による主要施策別バランスシートの活用や事業評価の充実などでマネジメントサイクルを確立して、さらに効果的な予算編成を行っていくこと。
 一、都庁舎は災害拠点の機能を果たすことから、庁舎設備の更新を推進するとともに、長周期地震動対策を行っていくこと。
 一、都有財産は、都市づくりや地域経済の活性化、地域環境の向上など、広域性、一体性の観点から十分吟味をして活用すること。都営住宅跡地などの未利用地の円滑な財産引き継ぎに努めること。当面、利用予定のない都有地の有効活用を推進していくこと。
 一、都庁舎の展望室運営を民間に任せることや、庁舎内の広告掲示や自販機設置を推進するなど、都有財産の運用を推進すること。
 一、新宿モノリスの土地信託に関しては、五年後を見据え、改めて出口戦略を検討していくこと。また、今後契約を見直すこととなる公共・収益施設併設型土地信託については、信託としての債務や建物の資産評価も含め、それぞれの事案の総括、検証を行うとともに、スキームの変更などを評価していくこと。管理コストの情報公開を強く働きかけること。
 一、都債に対する市場の信頼を向上させるために、投資家層への説明の充実や都債の商品性向上を図るなど、投資家層の拡大に向けた取り組みを重ねること。
 一、入札契約制度改革は、低価格競争の激化や事業者の経営悪化などの問題点も踏まえ、品質確保を中心とした制度改善を行うとともに、都民に信頼され、還元される制度を構築していくこと。
 一、設計や測量など、契約にも最低制限価格制度を設定すること。
 一、都民と都、事業者、労働者がともに発展する公共調達制度として、公契約条例を検討し、制定すること。
 次に、主税局について申し上げます。
 一、来年度も順調な景気回復を期待することが難しい状況にある中、今後の経済動向を慎重に見きわめ、税収を確保していくこと。
 一、東京都税制調査会答申や現場の着眼、発想の点などから、都独自の環境税制など、地域主権時代にふさわしい税財政制度に関する提言を積極的に行うこと。
 一、固定資産税の評価に当たっては、正しい評価に努めることはもとより、納税者が評価内容を理解しやすいように関係書類の作成及び交付を行い、課税の間違いが発見、指摘されたときには速やかに対応すること。
 一、公正、公平に都税の滞納整理を引き続き促進し、徴収率の向上に努めるとともに、個々の納税者の事情等に応じてきめ細やかな対応を図っていくこと。
 一、負担水準六五%を超える商業地などに対する固定資産税と都市計画税の軽減措置を二十三年度も継続すること。
 一、小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を二十三年度も継続すること。
 一、小規模非住宅用地に対する固定資産税と都市計画税の軽減措置を二十三年度も継続すること。
 一、旧耐震基準で建てられた家屋の建てかえや耐震改修を促進、支援するために、固定資産税と都市計画税を減免しているが、導入後は耐震化率の達成状況などを勘案しながら、適切に見直しを行っていくこと。
 次に、会計管理局について申し上げます。
 一、新公会計制度による財務諸表など、都政の方向性を判断するための資料を今後も整備して、都民福祉の向上のために一層役立てていくこと。
 一、国及び地方公会計に複式簿記・発生主義会計を導入するための法整備を国に働きかけるとともに、その会計手法が活用されるシステム改革に取り組んでいくこと。また、国際公会計基準に準じた都の公会計制度の全国標準化を図ること。
 一、都の新公会計制度が海外においても一層評価が深まるように、国際的にも広報を行っていくこと。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○鈴木委員 私は、都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会へ付託されました平成二十三年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十三年度予算案は、厳しい財政環境が続く中にあっても、都民の不安を払拭する事業に迅速に取り組みながら、東京の新たな成長に向けた施策についても確実に進めており、高く評価できるものであります。
 特に目を引くのは、景気回復の出口が見えない中、我が国の活力を取り戻すために、雇用創出や経済成長の促進につながる施策を展開している点であります。投資的経費を七年連続で増加させ、東京の都市機能の向上に不可欠なインフラ整備などを着実に行っていくことは、こうした雇用や経済の観点からも高く評価できるものであります。
 今回の予算で、もう一つ評価すべき点は、事業評価の強化など、これまで一貫してきた堅実な財政運営に引き続き徹することで、基金残高をできる限り確保するなど強固な財政力を堅持していることであります。財政環境の大きな好転が期待できない中、この先も積極的な施策展開を支え得る財政基盤を堅持するためにも、引き続き堅実な財政運営を行うことを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な予算執行に鋭意努力されるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 初めに、財務局関係について申し上げます。
 一、東京が我が国を牽引し続けていくため、また地方主権の理念を実現するためにも、法人事業税の暫定措置を直ちに解消するよう国に強く求められたい。
 一、現下の厳しい経済環境のもと、予算の効果を速やかに、かつ継続的に都民や中小企業が享受できるよう、予算の切れ目のない円滑かつ着実な執行に万全を期されたい。
 一、中小企業の育成や経営安定化を支援するため、引き続き分離分割発注や共同企業体などを積極的に活用し、受注機会拡大への取り組みをさらに強化されたい。
 一、公共工事については、適正な価格と品質の両立を図り、工事案件のコスト水準が真に適正となるよう、公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針に基づき、入札契約制度改革に全力で取り組まれたい。
 一、全庁的な観点から、土地建物などの貴重な都有財産のさらなる有効活用を図られたい。
 一、安全・安心を初めとした質の高い行政サービスを提供していくため、都民が利用する都有施設の維持更新を計画的かつ着実に推進されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、平成二十三年度の都税収入は、いまだ本格的な景気回復に至っていない我が国経済の実態を反映し、二十二年度当初予算に対して約七百億円の小幅な増収にとどまると見込まれています。また、海外景気や為替レート、原油価格の動向等による景気の下振れ、加えてデフレの影響や雇用情勢の悪化懸念が依然として残っていることから、先行きは不透明な状況であります。歳入所管局として、より一層の徴税努力を行うとともに、納税者の担税力に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、都税収入の確保に万全を期されたい。
 一、法人事業税の暫定措置については、地方分権に逆行するばかりでなく、税の原則にも反するものであり、この措置を直ちに撤廃するよう国に強く求められたい。
 一、真の地方分権の確立に向けて、地方自治体の事務と権限に見合う税源配分が実現されるよう、さらなる税源移譲を国に強く働きかけられたい。
 一、地方分権の時代にふさわしい税制のあり方について、東京都税制調査会を活用し、引き続き検討されたい。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、新たな公会計制度について、引き続き円滑に運用し、職員の意識改革を進め、行政運営の一層の効率化を推進されたい。また、本格的な財務諸表を作成している実績を踏まえ、日本の公会計制度を改革することを目指して、新たな公会計制度を全国の自治体に普及するよう努められたい。
 一、公金の運用に当たっては、世界経済が引き続き注視を要する状況にあることを踏まえ、安全性及び流動性を十分に確保するよう努められたい。
 次に、収用委員会事務局関係について申し上げます。
 都市基盤の整備を着実に推進するため、収用制度活用プランを改定し、収用制度のより一層の活用と事件処理の迅速化を図ること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○斉藤(や)委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十三年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十三年度の一般会計当初予算案は、政策的経費である一般歳出が一・〇%減となりましたが、投資的経費は三・三%増と、景気や雇用にきめ細かく配慮する都の姿勢があらわれています。
 依然として都財政を取り巻く環境が厳しいにもかかわらず、このように意欲的な予算を編成できたのは、都が公明党と手を携えて導入した複式簿記・発生主義による新たな公会計制度を有効なツールとして活用し、事業評価を初めとした都庁の自己改革力を大いに発揮し、行財政改革に不断に取り組んできたからであります。
 内容を具体的に見れば、景気持ち直しの兆しが実感できない中で苦しんでいる中小企業を支え、雇用環境を改善する施策が充実され、少子化対策、高齢者支援、周産期医療などの重要課題についても、現場を持つ都ならではの高い効果が期待できる取り組みが展開されています。
 また、都市インフラの整備を初め、東京を新たな成長に導く戦略的な取り組みも進められています。
 加えて、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健分野は、構成比、金額ともに過去最高となっており、高く評価するものであります。
 一方、今後、都税収入の伸びが期待できないことから、これまで培ってきた強固な財政力を引き続き維持することが一層重要になってきます。
 この点、二十三年度予算においては、事業評価において、その対象事業の拡大や新公会計手法のさらなる活用など手法の充実を図ったことにより、都民の貴重な税金をさらに有効に活用できるよう、各施策を高める仕組みへと進化しています。
 都債や基金についても、将来の負担を考慮し、適切に活用されています。
 将来にわたり確実に都民生活を守るため、今後とも財政基盤のさらなる強化に取り組んでいくことを強く望むものであります。
 あわせて予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的、効率的に行うことを要望します。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、財務局関係について申し上げます。
 一、都民生活が直面する喫緊の課題に的確に対応し、都民福祉の増進につながる施策を積極的に展開するとともに、歳入歳出両面からの徹底した洗い直しによりむだを省き、事務事業評価の取り組みのさらなる強化や徹底した歳出の精査により、すべての施策を厳しく検証し、効率性や実効性の一層の向上に努め、将来にわたって継続的、安定的に都政の役割を果たし得る強固な財政力を確保すること。
 一、基金については、今後も想定される厳しい財政環境を踏まえ、安易に依拠することなく、適切に活用していくこと。都債については、将来の負担も見据えた上で、都民生活の向上に関連する投資的経費の財源として適切な活用を図ること。
 一、予算編成における新たな公会計手法の活用をさらに進め、将来負担への影響の検証など、中長期的視点に立った財政運営を定着、充実させるとともに、職員の意識改革を一層推進すること。
 一、危機に直面している都民、中小企業をしっかり支えていくため、平成二十三年度予算を円滑かつ着実に執行すること。
 一、厳しい経営環境にある都内の中小企業の安定化のため、受注機会の拡大などへの取り組みをさらに強化すること。
 一、契約事務の効率化を図るとともに、総合評価方式を拡大し、適正な価格と良好な品質の確保のバランスのとれた入札制度の構築を図ること。
 一、都民サービスを適切に提供するため、都有施設の維持更新を着実に進めること。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、都税収入の確保に万全を期すこと。税負担の公平を実現するため、新規滞納の発生防止に努めるとともに、納税者の担税力に応じたきめ細かい配慮を加えつつ、引き続き滞納整理に努めること。
 一、法人事業税の暫定措置は地方分権に逆行するものであり、この措置を直ちに撤廃するよう国に強く働きかけること。
 一、地方分権を確立し、自主財源の充実を図るため、国から地方へのさらなる税源移譲を早急に行うよう国に強く働きかけること。そのためにも、東京都税制調査会の答申を積極的に活用すること。
 一、納税者サービスのより一層の向上を図るため、税務広報や都税の問い合わせに関するサービスの充実を図ること。
 次に、会計管理局関係について申し上げます。
 一、新たな公会計制度による財務諸表の精度を一層向上させるよう、継続的に取り組むこと。また、全国標準の会計基準の整備について引き続き国へ働きかけるとともに、複式簿記・発生主義会計の導入に前向きな自治体を積極的に支援すること。
 一、公金の管理運用に当たっては、金融機関の経営を取り巻く環境が依然として不透明な状況にあることから、金融機関の経営状況を厳格に監視し、安全性の確保を最優先するよう努めること。
 次に、収用委員会事務局について申し上げます。
 一、収用制度に関して都民の理解を深めるため、ホームページの充実などさらなる広報に努めるとともに、区市など起業者に対して制度の活用を働きかけること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○たぞえ委員 日本共産党を代表して意見開陳を行います。
 今、都民の暮らし、雇用が一層深刻さを増しているもとで、一般会計で六兆二千億円と、大阪、神奈川、埼玉の三府県を合わせた予算に匹敵する巨額の予算を持つ東京都が、総力を挙げて都民施策の拡充に取り組むことが求められています。
 石原知事が議会に提出した来年度予算案の際立つ特徴は、大型開発を中心とした投資的経費が二〇〇四年度以来七年連続ふえ、首都高速道路株式会社への出資なども入れると総額一兆八百億円に膨れ上がる一方、暮らし、福祉の予算は、一部に前進はあるものの、全体として冷たく抑えられていることです。
 中でも、一メートル一億円もかかり、地域住民、都民から強い反対や疑問の声が上がっている外かく環状道路のほか、中央環状品川線、東京港臨海道路、大型幹線道路整備、国際競争力強化のための東京港整備、八ッ場ダム整備などに、およそ二千億円もの予算が計上されました。
 国庫補助がつかない東京都単独の建設事業がふえ続け、五千億円にも達していることも、全国に例を見ない異常なものです。
 また、築地市場の豊洲移転を都民や都議会多数の反対を押し切って強引に推し進めるため、うまくいく当てがない土壌汚染対策や新市場建設実施計画などに、来年度から二年間で五百七十三億円もの予算をつぎ込もうとしていることも、許されるものではありません。
 また、オリンピック基金はそのまま手をつけず、引き続く都市基盤整備と称して積み立てていることは、都民の苦しい生活実態の解決に役立てる本来の基金の役割を投げ捨てるものです。
 日本共産党は、このような財政運営をただし、都民の暮らし、福祉、雇用などを守るために全力を尽くすものです。
 この立場から、各局別の意見を述べます。
 最初に、財務局です。
 一、投資的経費を大型開発事業から生活密着型事業に振り向けるとともに、外環道路計画の推進や首都高速道路整備事業への出資を抜本的に見直すこと。
 一、オリンピック開催準備基金を計画的に取り崩し、暮らし、福祉、教育、中小企業対策など、都民施策の拡充を進めること。
 一、都有地や都施設の廃止、民間移譲はやめ、都民サービスの向上の立場から、必要な施設の新築、増設、改築などを進めること。
 一、土地信託事業では、安易な信託延長は行わず、貴重な都有地は都民活用に振り向けること。
 一、都が発注する公共事業については、中小企業の比率を高めること。
 一、中小業者、下請業者に痛みを押しつける低入札をなくし、対策を講ずること。
 一、品質低下や労賃の引き下げにならないよう、下請業者への配慮を行い、公契約条例を制定するための検討とともに、公契約法の制定を早急に行うよう国に求めること。
 一、都債の発行を抑制し、低利借りかえをさらに促進するなど、借金返済の負担を軽減すること。
 一、都が負担する必要のない国直轄事業負担金などの支出をやめること。
 一、破綻した臨海副都心開発や開発型第三セクター、新銀行東京などを救済するための財政投入は行わないこと。
 一、二〇一一年度都区財政調整について、特別区の要望にこたえた需要算定を行うこと。
 次に、主税局です。
 一、地方財源の偏在化を口実にした法人事業税の一部国税化の撤廃を国に強く要求すること。
 一、巨額の内部留保をため込んでいる大企業に対して、法人事業税の超過不均一課税を制限税率限度額まで引き上げることを初め、都としてでき得る大企業課税を創出すること。
 一、低所得者や年金受給者などへの都民税減税を行うこと。
 一、各種の控除の廃止に伴う都民負担を軽減するための対策を講ずること。
 一、消費税を安定財源だとする姿勢を改め、都民生活を守る立場から増税に対して国に中止を求め、食料品の非課税措置を講ずるよう都として要望すること。また、都税調での安易な庶民増税答申は示さないこと。
 一、固定資産税、都市計画税の過大な負担を解消するため、軽減措置の継続に努めること。
 一、納税者の権利を擁護するため、生活実態の把握や事業活動の継続を困難にさせないための滞納者対策を講ずること。
 一、駅ナカビジネスに対する課税を強化すること。
 一、首都高速道路に、適切な固定資産税などの課税を検討すること。
 一、NTT、東京電力の道路占用料を引き上げること。
 一、在日米軍に対する自動車税や個人住民税などの地方税の非課税措置の撤廃、大使館などへの固定資産税、都市計画税の非課税措置による減収を適正に補てんをするよう国に要求すること。
 次に、会計管理局です。
 一、新銀行東京など、経営破綻に陥っている金融機関との取引は行わないこと。
 以上で意見開陳を終わります。

○福士委員 それでは、自治市民'93 としての意見を申し述べます。
 ここ数年続く世界的な景気の低迷に加え、円高による輸出産業打撃などで日本経済は苦しんでいます。そして、日本全体が人口減少とともに少子高齢社会構造となることで、社会全体が先の見えない状況となっています。
 景気動向は、税収にも大きな影響を及ぼしています。東京都においても、二〇〇九年度の都税税収が二〇〇八年度と比べて一兆円の大幅減収となりました。二〇一〇年度の税収は微増となっていますが、今後大幅に好転する兆しは見えません。
 二〇一〇年六月十日の朝日新聞の全国調査でも、日本は自信を失っているとの回答が七割を超えています。この調査では、続いて、経済的に豊かだが格差が大きい国と、豊かさはさほどではないが格差の小さい国のどちらを目指すかと問い、格差が小さい国、七三%が、豊かな国、一七%を圧倒しています。
 このような状況において必要なのは、発想の大規模な転換です。
 調査による市民の意識に反して、石原都政は、汚染土壌の上に四千億円以上の巨費を投じて新市場を建設する築地市場の豊洲移転を強引に進め、水余りの現状を無視した八ッ場ダム、工事費が一メートル一億円にもなり、環境破壊も心配されるという外かく環状道路の推進など、大規模な公共建設事業を続ける方針です。
 また、二〇一三年の国体に向けたスポーツ振興という名のイベント型振興策も続いています。この国体は、現実にはエリート選手の育成、開催県が優勝するための強豪選手の異動など、一般市民のスポーツ振興とはほど遠いものとなっています。
 さらには、東京都スポーツ振興基本計画に三環状の整備が挙げられるなど、開発事業さえ、スポーツに強引な関連づけをした計画をつくり上げています。
 知事選挙を前にして、相変わらず、成長により社会矛盾の解決を目指す、福祉を初めとした弱者救済施策に対して厳しい行政という路線を続けており、二〇一一年度予算案でも、それは色濃くあらわれています。
 今、必要なのは、経済的な豊かさはさほどではないが、共生、分かち合いを目指す心豊かな政策です。分権時代を迎え、雇用、福祉、男女平等分野で国を先導する政策を実施して、市民の将来への生活に対する安心感を高め、かつ新しい雇用を生み出すべきです。
 そして、目指すべき方向に向けて、計画づくりや行政の活動への市民の納得感を高める、行政の説明責任や合意形成づくりを第一に考え、むだ遣いに対する市民の厳しい批判を受けとめ、情報をきちんと公開して透明度を高めることが重要です。その上で、計画や予算づくりには、つくる過程から市民に公開して意見を求め、それを可能な限り反映させ、形にして見せることを都政全体で徹底すべきです。
 自治市民が一九九三年以来求めてきた、情報公開と市民の参加による市民主体の行政運営が、今こそ求められています。知事の独断や国の目新しそうな施策に踊らされるだけの新規施策では、都民が迷惑します。
 国全体で新しい公共の議論が行われている中、二〇一〇年度の質問でも、住民参加型市場公募債の活用で市民による事業選択という概念を提案しました。今こそ、市民の自治を大切にした流れを推し進め、行政との共治をつくり上げるべきです。
 予算執行に当たっては、以上の点に注意しながら、特に入札においては価格だけでなく、落札企業の雇用状況など、社会的な責任が果たされるような執行を求めます。
 次に、各局について申し述べます。
 まず、財務局についてです。
 一、契約については、契約者側の発想だけではなく、発注先で働く労働者の雇用状況にも責任を持つ公契約条例を制定、あるいは研究会を発足させること。
 一、総合評価型入札を積極的に導入し、価格だけでなく、雇用や安全確保など社会的要素も盛り込むようにすること。
 一、新しい公共の担い手であるNPO法人など市民事業を安上がりの下請にしないために、産業労働局などとの連携を行い、協働契約の導入と事業後の振り返りを実施すること。
 一、NPO法人への委託事業の積算に関する取り決めを研究すること。
 一、都債についてのノウハウ、特に住民参加型市場公募債に関するものなどを必要とされる区市町村にノウハウを提供すること。
 一、主要施設十カ年維持更新計画の対象施設に関して、都民の財産を大切にし、政策目標に沿った適切な維持管理の仕組み(ファシリティーマネジメント)を設け、実際に管理をしている各部局にしっかりと検証させ、フィードバックさせること。
 一、財務局としても、ユニバーサルデザイン導入ガイドラインについては、障害者、高齢者を初め、多様な利用者の声を反映させた施設であるかどうかを、現場の部局と連携して全庁的な検証をすること。
 一、学校施設や子育て支援施設の安易な統廃合により土地の空き地を生み出し、その保有する土地をむやみと売却して、財政効果を見せかけ上ふやすといったような財政対策に走らないこと。特に土地信託事業については、地域貢献の視点などさまざまな観点から検討を進めること。
 一、共通番号使用などで、複数年で、きちんと予算、決算、事務事業報告、事業評価、長期計画と比較した進行管理チェックが容易なシステム導入を図ること。
 一、事業評価に当たっては、対象事業の選択、パブリックコメント、参加市民の発言など徹底した市民参加を導入すること。
 一、事業評価については、特に建設、開発系の事業で、中止、廃止案も含めた複数案による検討を徹底すること。
 次に、主税局について申し述べます。
 一、法人税減税についての都の見解を国にしっかり伝えること。
 一、銀行ねらい撃ちの外形標準課税の問題点を踏まえつつ、都としても、より詳細な外形標準課税の研究を行い、国へも申し入れを行うこと。
 一、新しい公共の担い手への支援として、NPO法人への寄附税制の充実を行うこと。
 一、二〇一一年度中に最終答申を出す東京都税制調査会において、NPO法人への寄附税制を議論すること。
 一、使途を明確にしながら、法人事業税の超過課税率の引き上げも考慮すること。
 一、プレジャーボートへの軽油引取税の免税を廃止すること。
 次に、会計管理局について申し上げます。
 一、公金の管理運営に当たっては、運用利益を求める余り、高いリスクを冒すことのないようにすること。
 一、会計検査院の指摘なども受けとめ、物品の購入に当たっては、定められた手続をきちんと守ること。
 最後に、収用委員会事務局について申し述べます。
 一、市民の権利に留意し、無用な収用を行わないこと。
 以上で意見開陳を終わります。

○高木委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○高木委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十一号議案から第四十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第四十一号議案から第四十五号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認めます。よって、第四十一号議案から第四十五号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 まず、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(27)までの請願二二第一三号外二十六件の同内容の請願及び整理番号(28)から(50)までの陳情二二第七〇号外二十二件の同内容の陳情は、内容に関連がありますので一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認めます。よって、整理番号(1)から(27)までの請願二二第一三号外二十六件の同内容の請願及び整理番号(28)から(50)までの陳情二二第七〇号外二十二件の同内容の陳情は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本日審査いたしました請願陳情につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○高木委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○高木委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。

○高木委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、安藤財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安藤財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 本定例会に提案し、当委員会に付託されました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定をいただきました。
 また、平成二十三年度予算案の審査や報告事項、平成二十三年度地方税制の改正についてにつきましても、委員長初め委員の皆様にさまざまな視点から熱心にご審議をいただきまして、ありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいります。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○高木委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十九分散会

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