財政委員会速記録第九号

平成二十二年六月十四日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長中屋 文孝君
副委員長原田  大君
副委員長たぞえ民夫君
理事鈴木 隆道君
理事上野 和彦君
理事西岡真一郎君
三宅 正彦君
福士 敬子君
西沢けいた君
関口 太一君
斉藤やすひろ君
中谷 祐二君
菅  東一君
石毛しげる君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安藤 立美君
経理部長藤原 正久君
主計部長長谷川 明君
主税局局長熊野 順祥君
総務部長宮下  茂君
会計管理局局長新田 洋平君
管理部長山本  隆君
収用委員会事務局局長野口  孝君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百十六号議案 平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出-財政委員会所管分
・第百十九号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第百二十三号議案 都立大泉高等学校・附属中学校(二十二)改築工事請負契約
・第百二十四号議案 東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事請負契約
・第百二十五号議案 警視庁青梅警察署庁舎(二十二)改築工事請負契約
・第百二十六号議案 東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事請負契約
・第百二十七号議案 城山トンネル(仮称)整備工事(西-城山の五)請負契約
・第百二十八号議案 中央環状品川線大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その二)請負契約
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○中屋委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分、第百十九号議案及び第百二十三号議案から第百二十八号議案まで、並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、付託議案中、第百二十三号議案から第百二十八号議案までの契約議案につきましては、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成二十二年六月十一日
文教委員長 大西さとる
財政委員長 中屋 文孝殿
契約議案の調査について(報告)
 六月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百二十三号議案 都立大泉高等学校・附属中学校(二十二)改築工事請負契約
2 調査結果
(1) 民主党、自民党、公明党、生活者ネット・みらいは、本議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、本議案に対し次の意見がありました。
 (意見)
 本議案は、都立大泉高等学校・附属中学校が中高一貫校になる改築工事契約である。
 東京都教育委員会が推進している現行の都立中高一貫校は、リーダー育成を目的としており、受験競争の低年齢化を促し、中学校段階から教育を複線化し、差別、選別を促進するものである。改築そのものは否定しないが、新たな中高一貫校建設である。
 さらに今回の中等部を作ることにより高校の枠は、九学級分減ることとなる。
 よって、本議案に反対する。

平成二十二年六月十一日
経済・港湾委員長 小沢 昌也
財政委員長 中屋 文孝殿
契約議案の調査について(報告)
 六月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百二十四号議案 東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事請負契約
第百二十六号議案 東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

平成二十二年六月十日
環境・建設委員長 藤井  一
財政委員長 中屋 文孝殿
契約議案の調査について(報告)
 六月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百二十七号議案 城山トンネル(仮称)整備工事(西-城山の五)請負契約
第百二十八号議案 中央環状品川線大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その二)請負契約
2 調査結果
(1) 民主党、自民党、公明党は、全議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、第百二十八号議案に対し、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
 (意見)
 今回は、都施行分の大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その二)の契約案件であるが、中央環状品川線は、本来、首都高速道路株式会社がつくるべきものを、早期完成を目的に、都と国がその半分を受け持つ、合併方式で進めている有料高速道路事業である。更に、事業者である首都高速道路株式会社に対しては、三五%、七百億円もの出資金を出す高速道路建設であり大変な税金投入である。環境負荷の点でも見直すときである。
 同じ道路事業費でも、生活道路の改善や、歩道設備、交差点改良、無電柱化、交通安全対策など、広くもっと、都民生活の安全・改善・向上に向けて税金配分を見直すべきである。
 よって、本契約案には反対である。

平成二十二年六月十日
警察・消防委員長 石森たかゆき
財政委員長 中屋 文孝殿
契約議案の調査について(報告)
 六月九日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百二十五号議案 警視庁青梅警察署庁舎(二十二)改築工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

○中屋委員長 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○たぞえ委員 最初に、第百十六号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分について意見を述べます。
 補正予算案は、財団法人東京都道路整備保全公社からの十億円の寄附を受け入れ、使途は、マラソン法人化とジャイアントパンダの導入に振り向けるものです。
 この寄附金は、都の包括外部監査で、公社の積立金は、道路及び駐車対策に関連する公益事業に適切に使用するよう意見が付されたことを受け、新宿駅西口広場の改修などに使ってほしいという具体的提案のもとに寄附の申し出があったものです。目的を限定した指定寄附であり、補正予算案は交通安全施設整備費に充当されました。
 しかし、それと引きかえに、交通安全施設整備費の一般財源を十億円削って、八億円を東京マラソン法人化の財源に充てるものになっています。公社が求めた西口広場改修等の予算は計上されていません。これでは寄附金の目的外使用になり、包括外部監査の意見を踏みにじるものです。
 日本共産党は、パンダの導入には賛成ですが、マラソン法人化、社会資本等整備基金への残余を積み立てることは賛成できません。よって、財政委員会所管分の補正予算に反対するものです。
 次に、第百十九号議案、都税条例の一部を改正する条例案について意見を述べます。
 都のたばこ税収は、平成十五年の税率引き上げでは三百三十四億円、十八年度の税率引き上げでは三百三十五億円で、値上げを実施しても税収の増加に大きな変化はなく、今回の値上げによる税収の推移についても、二十一年度の二百九十三億円に対して、二十二年度二百八十一億円と大きな変化はないと指摘されています。
 近年、たばこによる健康被害が指摘され、パッケージには、喫煙はあなたにとって脳卒中の危険を高めますと警告し、たばこがもたらす健康被害が妊婦を初め健康な人々に及んでいることから禁煙志向が定着しています。
 二〇〇三年五月のWHO総会で、加盟国の全会一致で、たばこ規制枠組み条約が採択され、六条で、健康の観点から、たばこ需要の減少や年少者の喫煙防止対策を図るとしています。こうした世界的な動向に都民の大方は同意する傾向にあります。
 日本共産党は、たばこへの増税を行う場合には、被害に苦しんでいる人たちへの対策や医学研究、予防対策などの予算措置を明らかにして、増税分をその財源に充てるなど、国民の健康に資するという立場であります。
 今回の提案は、そのような趣旨から同意できる内容であり、同時に、自動車税についても、環境負荷の大きい自動車にかかわる税率措置を二年延長するもので、賛成するものです。
 最後に、契約についてです。
 まず、第百二十三号議案、都立大泉高等学校・附属中学校(二十二)改築工事請負契約です。
 都教委が推進している都立中高一貫校は、受験戦争の低年齢化を進め、さらに、同一敷地内に附属中学校校舎施設を建設することにより、狭隘になった敷地内で既存の高校の施設が削減されるため、高校の定員枠は九学級三百六十人減少することになります。中高一貫だとして、既存の教育施設や定員を縮減することは、都立高校入学を希望する中学生の進学枠を狭めるもので、賛成できません。
 次に、第百二十八号議案、中央環状品川線大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その二)の請負契約です。
 品川線は三環状の一つで、早期完成を目的に、国と都がその半分の財源を受け持ち、合併方式で進めるため、首都高が行うべき経費を東京都が負担し、さらに出資割合を三五%に引き上げるもので、東京都の財政負担はかつてないものです。
 予定されている総事業費四千億円は、新宿線が当初五千億円だった事業費が一兆五百億円に膨れ上がったことからも、おさまるとは到底いえないといわざるを得ません。しかもトンネル構造のため、新宿線では六百万トン、品川線では二百八十五万トンの残土を東京湾に一部埋立処分することは環境影響も危惧されています。
 我が党は、人口急減期を迎え、自動車中心社会の転換が世界的に指摘されているこの時期に、狭隘な東京で高速道路網の建設は国民的合意を得ていない、この点からも本議案には賛成できません。
 以上です。

○福士委員 それでは私から、議案第百十六号、補正予算について、多くの議論がありましたので、賛成はいたしますが、一言申し述べておきます。
 使途目的の定まっていない財源を、財団法人東京都道路整備保全公社から目的を限定し、寄附されました。そのことは、監査の指摘のあるなしにかかわらず是とすべきことだと考えます。その上で、寄附に沿った形の道路事業に支出をし、玉突き状態と見える形で東京マラソン法人化に向けた出捐金その他の金額が設定されました。補助事業が寄附金額と同額であり、それに合わせたような計算と見えたことも議論となりましたが、本来は不要な事業、あるいはもっと少額で済む事業の水増しがあったとは考えられず、計算上の問題で否定する理由にはならないものと考えます。
 私は、一応、生活文化スポーツ局にも問い合わせ、出捐金は二度、三度と追加する性質のものではないことも確認しました。また、現在の東京マラソンの状況から、法人となり収益が出た場合は、他のスポーツ振興に充てるということもいわれておりました。スポーツ振興が特殊な選手養成に走ることのないよう望みますが、一般的な振興策がとられれば、都財政としても、その分、財源の有効活用が図られるものと思います。
 さらに、東京マラソンについては、いつまでも行政で抱え込む事業ではなく、一般民間がつくり上げるべきものという意味も含めて、また、パンダは市民の要望として必要と考え、議案百十六号、補正予算に賛成するものです。
 続きまして、百二十三号議案につきましては、公的教育機関は、だれにも一般知識を広めるべきで、中高一貫校としてエリート育成に走る、そういう疑問を持つような学校運営にも反対をいたします。これは契約案件ですが、その意味も含めて反対を続けてまいりましたので、反対ということです。
 それから、百二十八号議案ですが、前々から反対意見も申し上げてまいりました。民間活力を生かすべき事業であるにもかかわらず、都がわざわざ二千億のお金を出し、この事業を継続していることに反対をしておきます。
 以上です。

○中屋委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百二十三号議案及び第百二十八号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中屋委員長 起立多数と認めます。よって、第百二十三号議案及び第百二十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十六号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中屋委員長 起立多数と認めます。よって、第百十六号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十九号議案及び第百二十四号議案から第百二十七号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認めます。よって、第百十九号議案及び第百二十四号議案から第百二十七号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○中屋委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○中屋委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。

○中屋委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、安藤財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安藤財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会に提案をいたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。委員長を初め委員の皆様には、さまざまな視点から熱心にご審議をいただきまして、まことにありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○中屋委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十三分散会

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