委員長 | 中屋 文孝君 |
副委員長 | 原田 大君 |
副委員長 | たぞえ民夫君 |
理事 | 鈴木 隆道君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 西岡真一郎君 |
福士 敬子君 | |
西沢けいた君 | |
関口 太一君 | |
斉藤やすひろ君 | |
中谷 祐二君 | |
菅 東一君 | |
吉野 利明君 | |
石毛しげる君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 村山 寛司君 |
経理部長 | 藤原 正久君 | |
契約調整担当部長 | 奥田 信之君 | |
主計部長 | 長谷川 明君 | |
参事 | 関 雅広君 | |
財産運用部長 | 松本 泰之君 | |
建築保全部長 | 金子 敏夫君 | |
技術管理担当部長 | 山本 康友君 | |
施設改修担当部長 | 末菅 辰雄君 | |
参事 | 山藤 敏明君 | |
主税局 | 局長 | 熊野 順祥君 |
総務部長 | 宮下 茂君 | |
税制部長 | 目黒 克昭君 | |
税制調査担当部長 | 宗田 友子君 | |
調整担当部長 | 木村 芳生君 | |
課税部長 | 長谷川 均君 | |
資産税部長 | 堀内 宣好君 | |
徴収部長 | 名倉 衡君 | |
参事 | 阿南 威彦君 | |
会計管理局 | 局長 | 新田 洋平君 |
管理部長 | 山本 隆君 | |
警察・消防出納部長 | 稲田 正純君 | |
会計制度担当部長 | 土渕 裕君 |
本日の会議に付した事件
意見書、決議について
会計管理局関係
報告事項(質疑)
・平成二十一年度資金管理実績(上半期)について
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・平成二十一年度東京都税制調査会中間報告について
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十七号議案 平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入
・第百七十六号議案 都立小金井地区科学技術高等学校(仮称)(二十一)改築工事請負契約
・第百七十七号議案 都立江戸川特別支援学校(二十一)校舎改修工事請負契約
・第百七十八号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事請負契約
・第百七十九号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事請負契約
・第百八十号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事請負契約
・第百八十一号議案 古川地下調節池工事(その一)請負契約
・第百八十二号議案 中央環状品川線大井ジャンクション鋼けた製作・架設工事(その一)請負契約
・第百八十四号議案 当せん金付証票の発売について
○中屋委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
初めに、意見書、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり意見書三件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○中屋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局及び財務局関係の付託議案の審査、並びに会計管理局及び主税局関係の報告事項に対する質疑を行います。
なお、付託議案中、第百七十六号議案から第百八十二号議案までの契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
これより会計管理局関係に入ります。
報告事項、平成二十一年度資金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で会計管理局関係を終わります。
○中屋委員長 これより主税局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○中屋委員長 次に、報告事項、平成二十一年度東京都税制調査会中間報告についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○関口委員 私からは、平成二十一年度東京都税制調査会中間報告に関して質疑をさせていただきたいと思います。
まず、中間報告の中で、我が国の国民負担率が諸外国に比べかなり低い水準にあるとして、公共サービスに必要な財源を確保するために、国民の負担増を早急に検討すべきとしております。ここでいう国民負担率とはどのようなものであるかお尋ねいたします。
○宗田税制調査担当部長 国民負担率でございますが、国民所得に対する租税負担と社会保障負担の合計の割合のことをいうものでございます。
○関口委員 国民負担率というものが、租税負担と社会保障負担の合計であるということであります。今回の税制調査会の中で、税制改正あるいは増税というものを議論する際に、この国民負担率というものを一つの指標として使っているわけであります。それは一つ、指標として有用なものであろうかと思いますが、生活実感として、諸外国と比べてかなり負担率が低いとは感じ得ない状況もあるのではないかと思われるわけです。
その背景として、租税負担と社会保障負担という国民負担率にあらわれてこない負担というものの存在を考える必要があると私は思います。例えば、教育費、教育機関への公財政支出の対GDP比は、最新の二〇〇九年度の発表では、日本は公費負担が三・三%、自己負担が一・七%であります。一方で、例えばドイツ、この税制調査会の中での比較対象として、国民負担率の場面で出てきていますが、ドイツの公費負担の割合は四・一%、自己負担は〇・七%であり、また、OECD諸国の公費負担の平均は四・九%であり、日本は下から数えて二番目というかなり低い水準となっています。このことからも、教育費に関して、日本では、自己負担の割合が諸外国と比べて高いということがいえると思うわけです。
その他、教育費以外にも、例えば、電気、ガスなどの社会インフラに対するコスト、あるいは住宅費、このような負担が生活レベルの負担感につながっていると考えられます。つまり、諸外国との比較という観点で増税というものを議論する際には、国民負担率だけを指標にするのではなくて、そこにあらわれてこないこうした負担というものも配慮する必要があると考えますが、局の見解を伺います。
○宗田税制調査担当部長 今回の中間報告は、消費税・地方消費税率の引き上げを早期に検討すべきということを提言しているわけでございますが、その背景、考え方でございますが、我が国は、少子高齢化など社会経済構造が変化する中、介護、医療、子育て支援や就労支援など、対人社会サービスの充実が求められております。また良好な都市環境の創出など、魅力豊かな都市づくりを行い、世界経済の活性化を図っていく必要がございます。一方、我が国財政は、国、地方を合わせた税収が歳出の約六割にとどまり、膨大な借入金を抱えるなど、極めて厳しい状況にございます。
こうしたことから、中間報告は、公共サービスに必要な財源を中長期的に、安定的に確保するため、行政のむだの見直しとあわせ、国民に負担増を求めることを早急に検討していく必要があるとしたものでございます。
なお、お話の国民負担率は、マクロの国際比較として、税制を検討する際のあくまでも一つの参考指標としてとらえているものでございます。また、税制を検討するに当たって、都民、国民の生活実態や実感を考慮することは当然のことと考えております。
○関口委員 増税というものは、納税者の視点からいえば、簡単にしてほしくないというのが納税者のストレートな感覚だと思います。よって、この税制調査会、今後引き続き議論をされていくとは思いますが、ぜひとも私としては、こうした実際の生活負担等々も加味しながら、増税というものの議論を、あるいは税制改革というものの議論をしていただきたいと思います。
さらに、先ほども答弁で出てきましたが、増税という議論を展開する際にもう一つ重要な視点は、日本の借金の存在があろうかと思います。地方分を合わせた日本の長期債務残高は、現在八百二十兆円を超えて、GDP比の一・七倍となり、いわば異常事態の水準であります。つまりは、我々が今享受している公共サービスは、将来世代に負担をしてもらうことで成立をしているものだとも、一部ではいえるわけであります。こうした状況を勘案をすれば、もうこれ以上次の世代にツケを回してはならないこと、これはいうまでもありません。そのためには、いわゆる財政、プライマリーバランスの実現が一日も早く求められます。
今後、増税することで得る新たな増収分は、プライマリーバランスのことを念頭に入れれば、借金返済に大半を回していかざるを得ないわけであります。こうした点を考慮すれば、我が国は、増税によって得られた新規財源をそっくりそのまま新たな公共サービスに振り向けることが極めて難しい状況にあるともいえます。つまり、この中間報告で求められている対人社会サービスの拡充のためには、増税による財源だけに頼るのではなく、現状の支出の徹底した見直し、いいかえれば、むだ遣いの一掃によっても財源を生む努力が求められるわけであります。つまり我が国は、膨大な借金を返済しながら、新規対人社会サービスを拡充しなくてはならないという極めて困難な課題に直面しているという現状認識と、そしてその課題解決のためには、増税だけに頼らない財源づくり、つまり徹底した予算の組み替え、スクラップ・アンド・ビルド、むだ遣いの一掃が何よりも必要であるということを私から申し上げて、質疑を終了いたしたいと思います。
以上です。
○鈴木委員 それでは、私から、東京都税制調査会の中間報告に関連して、何点かお伺いをいたします。
民主党政権が誕生して、はや三カ月が経過をいたしました。ふなれな政権運営の中、国家観がなく、政策の優先順位について全く考えていないといわざるを得ないような、そんな現状であるというように私は思います。事業仕分けに関していえば、技術立国日本を支える科学技術予算を大幅に削減するなど、極めて近視眼的であるといわざるを得ません。
人々は未来への展望を見出せず、将来への不安感を募らせることになるというように思います。夢とか希望を語れるような、そんな政治の王道を見失っているといわざるを得ません。
また民主党政権は、経済を回復させるための戦略もない。来年の参議院選挙をにらみ、子ども手当などばらまき政策の財源を捻出するために公共事業や中小企業支援予算を削ったことで、世界的な経済危機から回復の兆しを見せていた経済も、再び悪化に転じる可能性のある二番底が懸念をされている現状にもあります。深刻な雇用情勢、資金繰りに悩む中小企業など、極めて厳しい状況が続いていると考えるべきでありましょう。
そこで伺いますが、今回の中間報告は、消費税・地方消費税率の引き上げを早急に検討するようご提言をしています。厳しい経済状況の中、あえて引き上げを提言した理由を改めて伺います。
○宗田税制調査担当部長 我が国の財政は、先ほどもお話がありましたが、国、地方を合わせた税収が歳出の約六割、膨大な借入金を抱えるなど、極めて厳しい状況にございます。
一方、少子高齢化の進展に伴い、社会保障費の大幅な増大が見込まれており、介護や地域医療等のセーフティーネットを初め、必要な公共サービスを中長期的に適切に提供していくためには、国、地方を通じた安定的な財源の確保が不可欠となっております。
このため、中間報告では、行政のむだ遣いの見直しとあわせ、景気好転を前提に、現役世代に過度の負担がかからないよう、広く国民に負担を求める地方消費税・消費税率の引き上げを早急に検討すべきとしているものでございます。
○鈴木委員 今答弁にもありましたが、経済状況への考慮というのは当然でありますが、我が国の将来を考えたときに、消費税・地方消費税の税率を上げることは不可避である。政権の責務というのは、税制改革の議論を四年間棚上げするのではなく、都民、国民に求めるべき痛みは求めながら、改革に真正面から取り組むことであるということでありましょう。
中間報告は、所得格差の拡大に対応するため、所得税の累進強化も提言をしています。これはどのような考え方に基づくものなのかをお伺いをいたします。
○宗田税制調査担当部長 個人所得課税の累進強化を提言した考え方でございますが、世代内格差の大きい高齢者の割合の増加や、雇用形態の変化による非正規雇用者の増加などにより、国民の所得格差が拡大しております。また、今後、消費税・地方消費税率の引き上げは不可避であると考えられるところでございます。
このため、中間報告では、個人所得課税について、社会経済の活力を損なわないよう配慮しつつ、所得再配分機能を高め、負担の公平感を高めていくことが必要であるとしているものでございます。
○鈴木委員 今、世間では、所得格差の拡大が問題になっておりますが、私は誇張され過ぎている面があるというふうに思っています。もちろん政策的に是正すべき格差もあるというふうに思います。ただ何を是正すべき格差と見るのか、または是正の必要のない格差とは何なのか、その十分な議論がないまま格差という言葉だけが先行しているように私は思います。
努力をした者も、そうでない方々も同じというのでは、人々の意欲を損ねて経済活動が停滞するだけのような気がします。額に汗する人が真っ当に報われるような社会であることこそが、むしろ、今求められている社会ではないのかなというように思います。
累進課税は、高額所得者に多額の所得税を課すことから、一時的には税がふえるかもしれません。中長期的に見れば、海外へ所得を移転するなどの租税回避行為がとられることにもなります。私は有効ではないような気がします。むしろ高額所得者の勤労意欲を喚起するような税制の考え方の方が、この国を栄えさせる方向に向かせることになるのではないかと思います。
それ以前に、現在も、国内の所得があるにもかかわらず捕捉をされないで、結果として税を逃れている人々が多数存在をしているというようにも思います。また、そうしたことがないような公平な税の仕組みをつくることが、私は先ではないかというように思います。
率直に申し上げて、今回の報告は、多少民主党寄りであるというようにいっても過言ではないと思います。一番欠けている点が、社会経済の活力を高めるという視点だというふうに思います。
そこであえて伺いますが、中間報告は、社会経済の活力を高めるという点について、どのようなスタンスに立っているのかを伺います。
○宗田税制調査担当部長 中間報告は、人々の安心を支えていくためには、社会経済の活力を高めることが重要であるとしております。また、分権型社会を構築し、都市や地域の創意工夫にゆだねること。真に必要な公共サービスや公共投資に財源を効果的、集中的に投資し、魅力豊かな都市づくりをすること。セーフティーネットを初め、人々が安心して暮らし働くことができる環境整備をすること。この三つが社会経済の活力を高めることにつながるとしております。その上で、税制の役割は、そのための財源を確保することであり、あわせて地方自治体が、自主的、自立的な財政運営を行えるよう、自主財源である地方税の充実を図ることが重要であるとしております。
○鈴木委員 今答弁の最後にありましたように、自主財源である地方税の充実を図るという、このことは、いうまでもなく一番僕らも大事にまた大切にしていることだと思います。
我が国においては、税制、社会保障制度など、これまで築き上げてきた諸制度が行き詰まりを見せ、抜本的な改革が求められているといってもいいかというふうに思います。
しかし、これらの諸制度は、実は複雑に絡み合っていて、改革において必要なのは、実は、全体を見通して、絡み合った糸をほぐしていくようにまた再構築をすることであるというふうに思います。子ども手当や、暫定税率の廃止といった一点突破主義でできるものではないというように私は思います。これでは社会主義政権といわれても仕方がない現状に陥っているように見えます。自由主義社会、民主主義の否定といっても、またいわれても仕方がないような現状にあるような気がします。
国は、マニフェストを金科玉条として、その一言一句に縛られ右往左往しています。もっと柔軟に、国民の、人の意見を聞いて対応なさったらよろしいかというように私は思います。税制改革は先送りし、地方主権を間違えているとしか、私には思われません。暫定税率廃止による財源確保の策も示していません。
都は、三環状道路の整備など、日本を支えるインフラ整備を進めております。このままでは、財源が途絶え、事業がストップをしてしまうという現状があるわけであります。国はまさに分権に逆行する法人事業税の一部国税化措置についても、何ら言及をしていない現状にもあるわけです。
国は、四年間、消費税・地方消費税率の引き上げを行わない方針とされておりますが、そうであるならば、抜本改革の早期実現を前提に講じられた法人事業税の一部国税化措置は即刻廃止をすべきである、この点に対して、都の取り組みを改めて伺います。
○目黒税制部長 法人事業税の一部国税化は、地方自治体の自主財源である法人事業税を、税の理論を超えて財政調整の手段として用いたものでございまして、分権改革に逆行するものでございます。
また、この措置は、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として講じられたものでございますが、ただいま理事からもご指摘がございましたように、国は、四年間、消費税率・地方消費税率の引き上げを行わないとしてございまして、抜本改革の早期実現という前提そのものが既に崩れているというふうに思います。
さらに、都を初め、大都市の法人事業税収は、急激な景気後退により大きく落ち込んでおりまして、地域間格差の是正という効果自体も減少してございます。このため、都は、この不合理な措置を直ちに撤廃し、法人事業税を地方税として復元することについて、繰り返し国に提案要求を行ってございます。
また先ごろは、東京都のほかに、神奈川県、愛知県、大阪府を加えました四都府県共同で、総務大臣、財務大臣に対しまして、法人事業税の復元に向け、地方税制調査会で議論することを強く求めたところでございます。
○鈴木委員 政権が自民党であろうと民主党であろうと、やはり都というのは、全国の自治体の代表として責任ある発言をしていくというのは、これはもう当たり前のことでありまして、知事もよくいっていますが、都から国を変えていこう、間違いを正していくことに勇気あるやはり行動をとっていくというのは、我々都議会議員の使命だというように思いますので、都の理事者の方々も、このことに関しては、強力に、やはり国に物を申していくと。そして都民、区民または市民の方々の生活を守っていくという視点に立つべきだというように思いますので、ぜひこれからも、我々も頑張りますが、ひとつ協力して行動をとっていただきたいというように思います。
国は、控除から手当などといいながら扶養控除をなくし、それを財源にしようとするなど、税体系を無視した、だれが見ても到底納得のいかないやり方だと、このことに関しては断ぜざるを得ません。
そもそも少子高齢化が進む中で、日本は北欧のような高福祉高負担を目指すのか、それとも、アメリカのような低福祉低負担を目指すのか、いやそうじゃなくして、中福祉中負担を日本というのは目指すのか、全体のビジョンが、実は国から明らかにされていないままに、税制の議論が行われているような気がします。今必要なのは、こうした将来にわたる国のあるべき姿を明確に示しながら、早急に税制の抜本改革に取り組むことであるというように思います。
都税調の使命は、地方の立場から、あるべき税制改革の姿や、地方財政制度のあり方を提言することであります。今回の報告は、あくまでも今年度の検討結果をまとめた中間報告とのことでありますが、今後はぜひともこれまで申し上げた点も十分に踏まえ、検討を行っていただきたいというように思います。
最後に、時代が求める真の税制改革や、地方財政制度改革の実現に向けて、今後どのように取り組んでいくつもりか、局長の見解を伺います。
○熊野主税局長 少子高齢化、グローバル化など、社会経済構造が急速に変化する中で、我が国は、新たな成長戦略、地域の再生、セーフティーネットの再構築などの諸課題に直面しております。
ご指摘のように、今こそ待ったなしで、持続可能な社会経済システムの構築に取り組まなければならず、行財政面の改革は、その基盤になるものと理解しております。そして、その際、不可欠な視点が、行財政システムを中央集権型から分権型に変革することであると考えております。
もとより税は、公共サービスに必要な財源を国民が負担し合うものでございます。公共サービスと負担の水準をどの程度とし、どのように負担し合うか、それは最終的には国民の選択の問題でございますけれども、そうした選択が可能になるように、国は、我が国の目指す将来像や関連する諸制度を含め、改革全体のビジョンを示す責務があると考えております。
またあえて申し上げれば、税の課税、徴収というのは強制力を伴うものでございます。だからこそ、公平性が担保されなければならないことはもちろんでございますけれども、単に財源を確保するという理由だけではなくて、税制の目的、考え方など、その理念を明確に納税者に対して説明し、理解を得ていく必要があろうかと思っております。
こうした観点からも、東京都といたしましては、引き続き、都税調を活用いたしまして、しっかりと我が国の将来像を踏まえた税制のあり方について検討するとともに、都議会のご協力をいただきながら、真の改革の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
○上野委員 私からは、東京都税制調査会の中間報告に関連いたしまして、温暖化対策税について何点か質問していきたいと思います。
地球温暖化が深刻化する中で、その対策の強化が求められておりますが、申し上げるまでもなく、地球温暖化は、資源エネルギーの大量消費に伴うCO2排出が原因といわれております。
持続可能な社会を実現していくためには、CO2の発生原因であります企業や家庭などに、CO2排出抑制の意識変革や税制など、さまざまな働きかけをしていくことが必要であると思っております。このため、有効な政策手段の一つとして、温暖化対策税の導入が期待されているところでございます。
今回の中間報告は、地方の立場から、温暖化対策税の制度設計など踏み込んだ提言がなされておりますが、中間報告の温暖化対策税の制度設計について、改めて、都民にわかりやすく簡潔に説明をしていただきたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 中間報告の温暖化対策税の案でございますが、CO2の排出抑制及び環境負荷に応じた負担の公平を目的といたしまして、すべての化石燃料を対象に課税するというものでございます。
また、課税は、効果等を考慮し、家計や企業に近い消費段階で行うとともに、温暖化対策における地方自治体の役割等を勘案し、できる限り地方税として仕組むべきとしております。
また税負担水準については、温暖化対策等の観点から、既存のエネルギー関係税と合わせた負担水準が現行を上回るようにすべきであるが、一方、低所得者などへの十分な配慮が必要であるとしております。
○上野委員 国では、揮発油税などの暫定税率問題に絡みまして、環境税の論議が、平成二十二年度税制改正の一つの焦点となっておりますが、国の環境税論議は、環境省が急遽提出した案をベースに行われているようでありますけれども、この環境省案の内容について説明を求めます。
○宗田税制調査担当部長 環境省案でございますが、都税調の案と同様、すべての化石燃料を課税対象としてございます。
しかしながら、課税は、輸入・製造段階で行い、国税として課税することを基本としてございます。また税負担については、暫定税率の廃止を前提とし、揮発油税と合わせた揮発油の負担水準を現行より引き下げるものとなっております。
○上野委員 今ご説明されました環境省案でございますけれども、これにつきましての都の見解を求めます。
○宗田税制調査担当部長 環境省案は、輸入・製造段階における課税を基本としてございますが、都税調の案のように、家庭や企業に近い消費段階で課税した方がCO2抑制効果が高く、また、低所得者やCO2排出抑制に努力したもの等に対するきめ細かな配慮ができるというメリットがございます。
また、環境省案は、暫定税率の廃止を前提とし、揮発油の税負担水準を引き下げるものとなってございますが、これは環境配慮という要請に逆行するものであると考えております。
さらに、環境省案は、国税を基本とし、温暖化対策における地方自治体の役割の重要性を踏まえていない、暫定税率廃止による地方の減収約八千億円に対する手当てが示されていないなど、地方分権の視点が不十分であると考えております。
○上野委員 深刻化しております地球温暖化問題を考えますと、温暖化対策税の導入は、今や世界の潮流でもありますし、その必要性はあると私も思っております。
しかしながら、その導入に当たりましては、中間報告も述べていますように、低所得者や家計の負担に十分配慮していくことが重要でございます。したがって、議論を重ね、国民、都民の理解を得ながら慎重に導入していくことが大事であります。
また、温暖化対策税は、先ほどもいいました低所得者などへのきめ細かな対応、また、温暖化対策における地方自治体の役割や、地方分権の流れといった観点から考えていきますと、私は、地方税を基本とすべきであると思っております。
さて、昨年来の世界同時不況を背景とする景気低迷で、企業業績や雇用、所得環境が急激に悪化したことによりまして、国の二〇〇九年度税収は、当初見積額に比べて約九・二兆円落ち込み、大幅に減少しております。
ところが、民主党政権は、このマニフェストに掲げた揮発油税等の暫定税率は何としても廃止したいと、しかし、当てにしていた歳出の見直しや租税特別措置の見直しによる財源確保がままならない、そうした状況の中で、それではと看板をかけかえて温暖化対策税の導入を議論しているようでございます。
来年の参議院選や世論の動向などを勘案しているためか、結論がなかなか出せず、ダッチロール状態になっているようでございますけれども、これでは、国民不在、納税者不在であり、本来の目的を見失っているように思えてなりません。
そこで、東京都税制調査会に対しましては、効果や影響などを含め、都民、納税者の視点に立って検討し、実効性ある温暖化対策税の提言をされますよう、強く要望しておきます。
最後に、今回の中間報告は、温暖化対策税を含め、環境税制改革、税制のグリーン化の必要性を提言しておりますが、今後、都として、この問題にどう取り組んでいくおつもりなのか、局長の見解を求めまして私の質問を終わります。
○熊野主税局長 持続可能な社会経済を次世代に継承していくためには、これまで無償と考えられていた環境の価値をきちんと評価いたしまして、その適切な利用を図る新たな経済社会システムの構築が必要でございます。税制のグリーン化は、そのための税制面からの取り組みでございまして、温暖化対策税の導入を初め、税制の仕組みの中に、環境負荷に応じた負担という考え方を組み入れていこうとするものでございます。
温暖化対策税につきましては、効果や影響の検証、低所得者やCO2排出抑制に努力した方々への配慮の仕組み、そして税収の使途など、詰めるべき課題が多く残されております。
また、お話にございましたように、温暖化対策税は、地方税としていくということが適当であるというふうに考えており、引き続き、都税調を活用いたしまして、地方の立場、そして納税者の立場から提言するなど、その実現に力を尽くしていきたいと思っております。
また東京都は、東京版環境減税など、都の環境施策を促進するための独自税制も実施しておりますけれども、今後とも、所管局と連携しながら、税制の活用を図っていきたいと考えております。
○たぞえ委員 私からも、中間報告について伺いたいと思います。
中間報告では、社会経済の持続可能性と中長期視点に立った検討の二つの対応を、当面留意しながら、国と地方の税制改革のあるべき姿や、東京都の税制改革でできることを国に政策提言して、あわせて法改正を求めると、こういう内容でありますが、この検討に当たっては、多様な意見が出されていたというように記載がされています。そこで、整理し切れなかった課題、意見が一致しなかった点もあったと思いますが、どういう意見が一致していないのか、お示しいただきたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 都税調は、委員の任期に合わせ、三年を一区切りに検討いただいているところでございます。今年度はその第一年度でございまして、中間報告では、地方税財政制度改革を進める上での主な課題とその方向性を取りまとめていただいたところでございます。
整理し切れなかった課題といたしましては、例えば、温暖化対策税の詳細な制度設計、地方財政調整制度の具体的なあり方などがございまして、今後は、国の動向も踏まえつつ、各課題間に優先順位をつけて掘り下げた検討をしていくことになります。
また、意見が一致しなかった点でございますが、一部委員から、法人二税を将来にわたり地方税の中心と位置づけるべきではない、現行の地方交付税の財源保障は手厚過ぎる、税収のみに着目して、財政調整すべき旨の少数意見の留保があったものでございます。
○たぞえ委員 活発な意見が交わされたことが報告でもうかがえます。
私がこの報告書を読んで強い印象を受けたまず一つ目は、小泉流の構造改革を税制面から是正するということに踏み込んだ、このことであります。例えば、五ページに、財政健全化のために人件費や公共事業の削減など歳出の見直しを行ってきた、しかし、歳出の抑制が社会保障にも及んだことから、人々の将来に対する不安感が増大していると、このように指摘をしています。七ページでも、所得格差が問題になっているとして、正規雇用者と非正規雇用者の格差が若年層に拡大をしており、この問題について、貧困や格差は、教育、就労支援など、歳出により対応すべき問題もあると、このように指摘をしているわけであります。
この報告の中で表題になっています、所得格差の拡大に対応した税制という見出しですけれども、これは一体どういう意味なんでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 所得格差の拡大に対応した税制でございますが、国民の所得格差の拡大や、今後、消費税・地方消費税の引き上げは不可避である、こういう考え方に立ちまして、個人所得課税について、社会経済の活力を損なわないよう配慮しながら、所得再分配機能を高めるべきとしているものでございます。
○たぞえ委員 私、強い印象の二つ目なのですけれども、この中でも、企業への適正な税制、地方と都の格差の是正、所得の再分配機能の確立など、着目して打ち出している点は非常に注目するところであります。
これは大変大事な指摘をしておりまして、これまでの税制のあり方というと、貧困や格差はちょっとこっちへ置いておいて、国民負担をどうするのか一本やりから見れば大きな変化だというふうに思います。
さらに、地方財政調整についても、財政調整はすべての国民にナショナルミニマムを保障するとともに、国民として一体感を保ち、地域社会の安定を図る上で必要不可欠なものであると、改めて、その意義を報告では表明をしています。
そして地方交付税については、子育て、教育、介護など、人々が生活していく上で必要なナショナルミニマムの公共サービスを、地方自治体に確実に提供できるよう必要な財源を図ると、このように指摘をしているわけであります。
しかし、ではその財源をどうするのと、こうなりますと、このまとめ、中間報告では、消費税、法人税、所得税の検討で、その中でも、消費税率のまとめでは、多く意見が寄せられ、議論に拍車がかかっている、このことも、今回の中間報告の特徴だというふうに思います。
そこで具体的な、地方消費税・消費税の基本的な考えを伺いますが、地方消費税の税収は、都道府県の税収入額のどのぐらいの額を占めているのか。都の場合ですと、税収に占める割合と額はどの程度だと認識されているのでしょうか。
○目黒税制部長 地方消費税の税収ウエートに関するお尋ねでございますけれども、平成二十年度の全国地方税の決算数値の詳細がいまだ公表されておりませんので、平成十九年度の普通会計決算ベースで申し上げますと、全国の道府県税の総額が十八兆六千六百四十二億円でございまして、そのうちの地方消費税は二兆五千六百九十二億円、地方消費税が道府県税全体に占める割合は一三・八%でございます。
また、都が同年度に徴収いたしました都税のうち、道府県税に相当する額が三兆三千六百七十五億円でありまして、そのうちの地方消費税は三千三百六十六億円、したがいまして、地方消費税が、都の道府県税相当額に占める割合は一〇・〇%ということになります。
○たぞえ委員 今、率と額が示されましたが、これは東京都にとって重要な財源なのか、それとも一部のものなのか、どのようなとらえ方でしょうか。
○宗田税制調査担当部長 地方消費税は、偏在が少なく税収が安定的であり、また世代間の負担の公平を図ることができる税であるとされております。少子高齢社会において増大が見込まれる社会保障費など、公共サービスに必要な財源を安定的に確保するため、今後充実すべき税であり、東京都にとって重要な財源である、都税調もそのような認識でおります。
○たぞえ委員 重要な財源ですから、どうしてもその財源を確保したいということは、皆さん、お仕事をしているのを見るとよく理解できます。
その調査会では、消費税の税率について、安定的な財源の確保が必要だと、こういう見解を述べていますが、消費税の税率については、基本的考えはどうまとめたのでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 中間報告は、税率については、時期や引き上げ幅を早急に検討し、国民の理解を得ていく必要があるとしているところでございます。
○たぞえ委員 消費税が一九八九年に創設されてから、ちょうどことしで二十年になります。所得税が明治二十年創設ですから、百二十年以上の歴史を持っていることから見れば、まだ新しい税金だといえるわけです。
それはともかく、誕生日といえば、普通おめでとうということになりますが、消費税については、導入のときも、五%になったときも、国民全部でお祝いされたことはありません。なぜかと、それは、高齢化社会に対応するためというような理由で導入しましたが、その消費税は、豊かな老後の生活を実現をしてきたのか。またそれに、そもそも消費税が高齢者を支える財源としてふさわしかったのか、高齢者だけでなく、国民的にも、この消費税の導入、そして率のアップについては異論が唱えられてきました。
確かに、導入後の事態は、そのことを明確に物語っています。例えば、〇四年には所得税の配偶者特別控除の引き下げ、翌〇五年には、公的年金等控除廃止と五十万円の老齢者控除の廃止、さらに、住民税の配偶者特別控除の廃止、翌年〇六年には住民税の定率減税の廃止、そして所得百二十五万円以下の高齢者の住民税非課税措置廃止、年金はふえないのに毎年のように負担増が繰り返され、高齢者はその都度悲鳴を上げてきました。
ところが中間報告では、勤労世帯に負担が偏らず世代間の負担の公平を確保できる税金だと、このようにいっているわけです。
調査会では、高齢者社会という現実、二〇二五年には、全国で、総人口に占める年齢、六十五歳以上の高齢者の人口の割合が三一%、七十五歳以上だと一八%、このように推定をしているようでありますが、肝心の東京での推移についてはどういう議論が行われてきたんでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 高齢化の状況でございますが、二〇二五年時点の推計でございますが、六十五歳以上の高齢者人口の割合は、お話のとおり、全国が約三一%でございます。東京は約二六%と推計されておりまして、東京は全国に比べて低い水準にございます。
しかしながら、他府県に比べ人口規模の大きい東京は、高齢者人口の増加率も急速に進み、二〇二五年には二〇〇〇年比で百五十万人増の三百四十万人に達すると見込まれているところでございます。
都税調では、このような点を踏まえ、全国はもとより、とりわけ東京においては、介護や地域医療等の対人社会サービスに対する需要が増加し、安定的に財源を確保していく必要があるとの議論がございました。
○たぞえ委員 百五十万人増の三百四十万人に達するから、介護や地域医療が今後拡大していくのだ。だから、消費税の引き上げはよしという議論は今までずっとあったのです、入り口から今日まで。しかし一方で、高齢者負担は別に負担が要求されてきた。だからもうそういう論理は、私は通用しないというように思います。高齢化社会を迎える税金だというこの根拠は、もう二十年で多くの国民は見抜いているんじゃないでしょうか。
例えば、東京ですけれども、ミカンを一袋三百円で、一千万円の所得の人が買った場合でも税率は五%です、ですから十五円です。ところが年金で月五万円の方も、現行五%ですから、三百円買うと十五円、一千万円の人でも五%で十五円、五万円の人でも十五円、こういうことですから、やはり所得に占める税額の、税率の割合は同じでも低所得者ほどその負担はかかってくる、これが毎日の都民の生活に忍んでいる、こういう状況にあるのではないでしょうか。
中間報告の議論では、広く国民が負担を分かち合いというようにいいますけれども、同じ税率を当てはめようとしても、もとになる所得のところで差があるんですから、負担の不公平は、ますます広がりかねないと考えます。なぜ、そういうことなのに、この税率は、公平だといい切れるのでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 所得が公平をはかる基準という考え方は、世界でも一九七〇年代までは主流でございまして、高い累進構造を持つ所得税が税体系の中で大きなウエートを占めていたわけでございます。
しかしながら、経済のグローバル化が進み、資本が自由に世界を動き回れるようになると、高い累進構造は、高額所得者の租税回避を招き、逆に負担の不公平を生じる、そういう部分も出てまいりまして、いってみれば、所得課税の限界が見えてきたわけでございます。
また我が国は、今後、急速に少子高齢化が進むわけでございますが、高齢者の中には、現在の所得は少ないものの、現役時代の蓄えがかなりある方もいらっしゃいます。増大する社会保障費を初め公共サービスに必要な財源の一部は、高齢者にも負担していただくことが不可欠と考えております。このため、所得という一つの指標だけではなく、消費などさまざまな指標を用いて、実質的な公平の実現を図るべきというのが都税調の考え方でございます。
○たぞえ委員 東京は、もともと物価の高い都市で、そこに消費税導入と五%アップ、そして二〇〇三年度からは内税化になり、今でも完全に消費税は物の価格に組み込まれ、物価の一部になっているわけです。
イギリスに比べて日本の方が消費税の負担が高く感じるのは、イギリスでは、生活費非課税が行き届いているために、例えば、食料品、上下水道料金、新聞、雑誌、書籍を初め子どもの服から靴に至るまで日常生活用品はゼロ税率です。しかも光熱水費や住宅の修繕などは五%の軽減税率で適用していますから、したがって、国民にかかる消費税全体は消費支出の六二%と、これがイギリスの実態です。しかもイギリスは、ことしから消費税率を引き下げて、標準課税一七・五%を、現在一五%に引き下げて実行中なのです。
かつて日本では、この消費税を導入する際に、赤ちゃんが産まれたときの分娩料、それから人が亡くなったときの埋葬料まで消費税がかかっていましたが、こういうものは今ではなくなりましたけども、しかし、例えば、認可保育所は非課税、無認可保育所は課税と、こういうおかしな現象が今でも続いているわけです。
そういう国民負担を、今、部長答えられたけれども、所得の低い部分に対する課税についてどうするのかということについて、若干、中間報告で触れているようでありますが、この議論をした消費税が、すべてを対象とする、または一定の範囲にする、そういう議論は、この中で踏まれてこなかったのでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 お話の、一部を対象とするかということでございますが、イギリス、スウェーデン、いずれの国の付加価値税も、標準税率がございまして、特別なものに対して軽減税率ですとか、あるいは、好ましくないんですが、ゼロ税率というのが設けられている国がございます。
したがいまして、軽減税率ということでちょっとお答えさせていただきたいと思いますが、軽減税率について、都税調でも、消費税率引き上げの際、低所得者に対する配慮の一つの方法として検討されたところでございます。
そういうことではあるんですが、軽減税率につきましては、消費生活が多様化している中で、対象品目の合理的な選択が困難である。納税、徴税コストが増加する。一定の徴収を確保するために標準税率を高く設定する必要がある等の問題もあると、そういう議論もされたところでございます。
○たぞえ委員 その軽減の効果でありますが、低所得者に高く、これは一定の政策効果があるというふうに思いますが、中間報告ではどのような見解を示したのでしょうか。
○宗田税制調査担当部長 軽減税率の効果でございますが、中間報告は、軽減税率により、負担軽減の効果は高所得者にも及ぶものの軽減割合は低所得者の方が高く一定の政策効果が期待できるとしているところでございます。
○たぞえ委員 政権がかわったというご議論が、先ほどから一貫してありますけれども、政権がどこにあっても、やはり納税するのは国民である。その国民の所得層が、今、非常に多様化して、特に底辺層が急増しているもとで、地方自治体が国税についての意見を国に提言をしていくということは、私は、拙速ではないかというふうに考えます。
政権が、今、消費税の問題については、三、四年しないという方向を打ち出しておりますけれども、やはりこれは非常に国民の世論の動向を見た発言だと思うのです。
しかし、一貫して国民にあるのは、これ以上の税負担はもう勘弁してくださいと、ここは一致している。税をふやしてほしいという意見は余り聞いたことがありません。軽減できるものはし、ふやさないで対応できるものはそうしていくと、こういう措置が、地方自治体から、私は声を上げていくのが、自治体の大きな役割ではないかと考えます。
今回は中間報告でありますが、最終報告に向けて、この中間報告で示した方向を、さらに都民の意見を吸い上げていくという場、機会、これはどういう場であり、どういう時期にこれが行われていくのか伺っておきたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 都税調は都議会議員や区市町村の代表、学識経験者などで構成されております。都民の声をそういう方々が十分に反映して、そこで意見をいってくださることで中間報告がまとまり、最終報告がまとまっていくというふうに考えてございます。
また、都税調は審議過程も含めてオープンにしてございまして、答申、中間報告、すべてホームページ等で公開してございます。そういうものをごらんになった都民の方から声が寄せられることも考えられますので、そういうものは十分勘案していきたいというふうに考えております。
○たぞえ委員 私は、今度のこの都税調の中間報告を読んでみまして、全部否定するものではないですよ、評価するものもあるし、問題もあるんではないかというふうに考えています。
しかし最終報告になれば、当然国に対して税制改正を要求をするわけだし、また、都税として入ってくる収入財源の部分についても、見解を述べるということになると思うんですね。大変大事な都税調の今後の取り組み方になるのではないかと。したがって、最終段階のレベルにきたときには、都議会のみならず広く都民の方に、ぜひ、こういう結果が今出ようとしていると、これに対する多くの、我々議員だけではなく、例えば区市町村の議会等も意見が反映できるように検討していただきたいと思います。
以上です。
○中谷委員 私からは、東京都税制調査会中間報告書について質問を申し上げます。
都税調の目指すべきものは、地方分権時代にふさわしい地方税制度と国、地方を通じた租税制度を地方の立場から追求し提言することであり、東京都の税制で当面できることを進めていく必要があります。
アメリカを発生源とする金融恐慌が世界を襲い、当然我が国もその余波を受け、なかなか出口の見えない不況が続いております。来年度の国の税収は三十七兆円台にとどまるともいわれ、かつて経験したことのない落ち込みが予想されています。
一方、平成二十一年度の都税収入の見込みも、当初予想よりも大幅に引き下げ、五千億円減の四兆二千六百億円となり、前年比で一兆二百億円減となり、過去最大の落ち幅となる見通しであります。当然主たる要因は、都税の主力である法人二税が不況のために予想以上に落ち込んだことであります。
そうした状況下でありますけれども、将来にわたって持続可能な社会経済の構築のために、そしてまた中長期的な視点から、税制改革は景気の好況、不況を問わずたゆまなく議論をするべき問題であると認識をしております。
平成十六年から十八年、小泉政権下で行われた三位一体の改革で、所得税から住民税に三兆円の税源移譲が行われましたが、地方自治体の自立に向けた税財政面の分権改革としてはまことに不十分なもので、逆に、地方交付税総額の削減が、財政力の弱い地方自治体の財政を大きく圧迫し、地域間の税収格差の是正が問題となりました。その埋め合わせというような形で、法人事業税の一部を地方法人特別税として国税化し、その全額を地方法人特別譲与税とし、人口及び従業者数によって、それを基準に全国都道府県に案分するという改正がなされ、この改正による都への影響は予算ベースで、平成二十一年度が約一千七百億円、平成二十二年度が約二千三百億円の税収減となります。
ここでお伺いいたしますが、大都市から地方固有の税源を吸い上げるのではなく、さらなる税源移譲により、安定的で偏在の少ない地方消費税の充実を図るべきと考えますが、鳩山首相は、地方消費税のベースとなる消費税率は四年間引き上げない方針であります。現行、国税である消費税の税率四%、地方消費税分はその四分の一の一%でありますが、この比率の変更も含めて、東京都は国に対して具体的にどのような働きかけをしているか、お伺いをいたします。
○目黒税制部長 地方税財源の充実に向けました国への働きかけについてでございますけれども、少子高齢化の進展などに伴い、社会保障など行政サービス需要の増大が予想される中、地方の真の自立を確立するため、国から地方への税源移譲を推進し、地方税財源の充実を図ることが不可欠でございます。
このため都は、地域間の偏在が小さく税収が安定的である地方消費税の税率の引き上げにつきまして、消費税とあわせて抜本的な検討に着手するよう、国への提案要求を行っているほか、全国知事会や八都県市首脳会議で他の自治体に働きかけるなど、あらゆる機会をとらえて国に対し提言を行っているところでございます。
○中谷委員 地方消費税は、税率が一律で地方自治体に裁量の余地がありませんけれども、本来、税率の裁量権は地方税全体で判断するべきだと思います。住民税や固定資産税は、地方自治体が税率の裁量権を有しております。現行は、国が消費税とあわせて賦課徴収して配分しており、将来的には、地方自治体が直接賦課徴収することも検討しているのかお伺いをいたします。
○宗田税制調査担当部長 地方消費税は、地方自治体の自主財源として充実を図ることが期待されている税でございます。その賦課徴収については、現在特例として国が消費税の賦課徴収とあわせて行っているところでございますが、東京都税制調査会の中間報告は、地方自治体がより積極的な役割を担うことについても検討する必要があるとしてございます。
今後、納税者の負担や税務執行の効率等も踏まえつつ、直接地方自治体が賦課徴収することを含め、さらに検討を深めていただきたいと考えております。
○中谷委員 そうすると、現行は国が国税と一体で賦課徴収している地方消費税を、仮に都が直接徴収した場合に、そのコストは大体どれぐらいに相当すると予想されるか、お答えをいただきたいと思います。
○目黒税制部長 地方消費税につきましては、ただいまご指摘ありましたように、国において国税と一体として徴収をされておりますことから、そのコストのみを抽出することは困難なわけでございますが、地方税法の規定によりまして、国が行う地方消費税の賦課徴収に要する費用を補償するという趣旨から、都道府県から国に対し、徴収取扱費が支払われているところでございます。
この徴収取扱費は、国税庁の徴税費や国税全体の課税件数に占める消費税の課税件数割合などを勘案しつつ、国から都道府県に払い込まれる地方消費税の額に応じて、都道府県から国へ支払われるものでありまして、平成二十年度の例で申し上げれば、都道府県全体で約百億円、都からは約二十四億円が国に支払われております。
○中谷委員 わかりました。
それでは、法人二税についてお伺いしますが、法人二税は、まさに景気の動向に大きく左右をされる税収であります。特に東京都税分だけを抽出いたしますと、平成十八年度で二兆百二十八億円、平成十九年度が二兆四千百六十六億円、平成二十年度二兆五千五百四十八億円、平成二十一年度が一兆七千八百五億円と、この四年間だけでも最大七千七百四十三億円の差を生じております。大変流動的で、その不安定さをある意味補完する意味から、法人事業税については、平成十五年度の税制改正によりまして、資本金が一億円超の法人を対象に、付加価値及び資本金などの額を課税標準とする外形標準課税が導入された経緯があります。この外形標準課税により、平成二十年度、東京都では八千五百四十四億円の税収があり、これは法人事業税額の全体の約六七%に当たります。
ここで、もちろん今後の景気の動向によりますが、外形標準課税の対象法人の資本金額の見直しによる課税対象を広げることについては、検討しているのかどうか、お伺いをいたします。
○宗田税制調査担当部長 法人事業税の外形標準課税は、現在、中小法人の負担に配慮し、資本金一億円超の法人を対象としております。東京都税制調査会の中間報告は、税収の安定性等の観点から、付加価値割などの外形標準課税の割合の拡大を図っていくことが適当であるとする一方、中小法人の負担に引き続き配慮する必要があるとしておりまして、資本金額の見直しによる課税対象法人の拡大は考えていないところでございます。
○中谷委員 資本金額の見直しによる課税対象法人の拡大は考えていないということであります。外形標準課税による税収増を、もし仮に図るには、資本金一億円超の法人数がふえ、かつ、しっかりと法人所得を上げていただくしかありません。しかしこのご時世で一億円超の資本金を有する法人が、ふえても恐らくわずかでありましょう。そうすると、地方自治体において裁量権があり、かつ安定している税源としては固定資産税があります。平成十八年度から二十一年度までの四年間、固定資産税額の平均値は、一兆三百四億円、都税収入に占める割合も、おおむね二〇%で推移をしております。
そこで、旧首都高速道路公団、現在の首都高速道路株式会社についてお伺いをいたします。
首都高は、平成十七年の十月一日に民営化をされたといいながらも、高速道路の建設管理に市場原理を導入することなく、また、株主構成は、国土交通大臣が四九・九九%、東京都が二六・七二%、東京都も大株主として経営に関与しているわけであります。以下、神奈川県、埼玉県、横浜市、川崎市、千葉県の順で、八都県市のうち六都県市を含む、合わせて七名の株主で一〇〇%の株を所有しております。
当時は、公団改革、民営化と騒がれましたけれども、実際は会社と名のつく組織さえつくればよいという、改革と呼ぶには値しない組織いじりにすぎなかったのであります。
主な事業は、高速道路事業、五カ所の都市計画駐車場など駐車場事業、受託事業、その他の事業として二十カ所のパーキングエリアや休憩施設等の運営管理、並びに、高速道路の高架下賃貸施設の運営管理に関する事業を行っております。都市計画駐車場などは、極めて公的な資産を活用して利益を上げております。関連する子会社も十五社あり、料金所の収受や交通管理、維持修繕、駐車場、保険、さらには、人材派遣業務まで手がけており、まことに多岐にわたっております。公団が保有機構という、これは独立行政法人にかわり、維持管理などの受託会社、これがいわゆるファミリー企業でありますが、それをグループ化したのが民営会社になるというのが今回の図式であったと思います。
私が、過去の財政委員会でも取り上げましたけれども、首都高速道路株式会社の所有管理する有料道路は、公共の用に供する道路と解されていて、現在は固定資産税が非課税となっております。しかし、その前提条件は高速料金の徴収期間が定められていること。いいかえれば、将来は無料化され、何ら制約を設けず広く特定多数の利用に供されること。前政権下では、民営化後四十五年後までに無料化を目指す。そうすると平成の六十二年を指しております。
二番目の条件が、徴収する料金の水準が建設費等から見て適正水準であること。一般の有料道路とは異なり、収益事業と見るべきものではないことという条件が満たされている必要があります。
民主党が政権党となり約三カ月が経過をいたしましたが、前原国土交通大臣の発言によると、高速道路無料化の原則は変えずとのことでありますけれども、必ずまくら言葉のようにいわれるのが、ただし、首都高速と阪神高速は無料化の予定がなく現状維持とのことであります。つまり、首都高速道路株式会社に対して、固定資産税を非課税にする前提条件が成り立たないのであります。それどころか、距離別料金体系の導入により、高速料金の実質値上げを検討しているのが首都高速の現状であります。
料金に関しては、距離別料金の算出というのは、二百十円をベースに、あとは一キロ当たり三十一円を乗じて料金を出します。単純計算では、十八キロ以上を利用すると七百五十円と、今の高速料金よりも値上げになるという計算になると思います。
首都高速道路も中央環状品川線というものが、大体平成二十五年度の完成を目指して整備が進んでおり、これは東京都の合併施行方式という方式で事業を進めております。この合併施行方式というのは、公共事業と有料道路事業を併用して一般有料道路や都市高速の道路を整備することでありますけれども、東京都の街路事業から二千億円、首都高速道路株式会社の有料道路事業に二千億円という形での事業を推進しております。
本来は、通行料金の回収の対象は、有料道路事業者が行った建設工事費用と開通後の管理費用に限られているという取り決めがあります。そうすると、これは首都高速道路株式会社が事業者でありますから、二千億円分について、通行料金による回収対象が認められるものと思われますけれども、距離別料金制度の導入との整合性がとられているのか甚だ疑問であります。
この中央環状品川線が開通すると、実は東京をパスする交通が、かなり流れが変わってきます。本環状線経由で、要は外を走る車が多くなって、このことで一部都心部の路線にあきが出る。その都心部の路線を、結局距離別料金体系で値段を下げることで短区間の利用者をふやそうというのが、首都高速の目的としているところだと推察されます。
首都高は、民営化といいながら、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に莫大なリース料を支払わなければならない債務がありますので、なかなか無料化できないというのが実情であると推察しております。
今回、ETCの利用率が約七五%となり、このインフラの整備状況と中央環状品川線が平成二十五年度に開通をするというタイミングで距離別料金制度の導入をするならば、その時点で、東京都としては、やはり首都高速道路に固定資産税を賦課するべきであると考えます。まして、その距離別料金制度の料金設定に利潤を含めているのであれば、固定資産税をかけるのが私は必然ではないかと考えますが、お答えをいただきたいと思います。
○目黒税制部長 委員十分ご案内のとおり、首都高速道路株式会社を含む旧道路関係四公団の有料道路資産が非課税として取り扱われておりますのは、料金徴収期間が定められ、当該期間が経過すれば無料開放されるということが一つ。
それから、徴収する料金水準が建設費等から見て適正な水準であって、一般の有料道路と異なり収益事業と見るべきものではないということから非課税として取り扱われているわけでございまして、現状におきましても、こうした前提条件に変わりはないというふうに認識をしてございます。
また、国におきましても疑義のない明快な取り扱いを担保するために、平成十七年度税制改正におきまして、地方税法に個別の非課税規定を整備したという経緯もございますので、都におきましては、首都高速道路株式会社に固定資産税をかけるということは考えておりません。
○中谷委員 私は、その前提条件が大きく崩れてきていると思っているので質問しておりますが、首都高速道路への固定資産税の課税が、その株主構成を見たときに、しょせんタコがみずからの足を食うようなものだともしお考えであるとしたら、それは、私は誤りだと思います。
現在は七名の大株主で構成されています。発行可能株式総数は一億八百万株に対して、現在はその四分の一の二千七百万株が発行されております。今後、将来、まさに民営化、民間会社化が進み、一般の株主を募集する可能性もあるわけで、その際に初めて固定資産税の課税を検討するのではなくて、やはり今、このタイミングで本気で都税調として議論をすることが、私は必要であると考えております。
かつて、石原都知事が大手銀行に外形標準課税を課税したときのように、新たに課税するには大変エネルギーが要ることだと思いますけれども、景気の好不況に影響を受けづらい固定資産税の課税の時期を逸することなく、もちろん首都高速道路株式会社の担税力を十分に考慮しながら、軽減措置を講じてでも、ぜひ課税を検討していただきたいと思いますが、局長のご答弁をいただきたいと思います。
○熊野主税局長 先生のご指摘の首都高に限らず、ちょっと補足も含めてご答弁を差し上げたいと思うんですが、まず、消費税から地方消費税への移譲でございますけれども、現行では、国の財政状況が非常に厳しいことと、それから四%、一%という比率を仮に三%、二%にした場合には、地方交付税の原資の一部になっておりますので、国の取り分と地方の取り分が逆転してしまうというふうなこともございまして、なかなか壁が厚うございます。
したがいまして、やはり地方消費税を充実するためには、消費税全体のパイをふやすということが前提でなければ、なかなか難しいのではないかというふうに理解しております。
それから、ご案内のとおり、現行の中央集権的な税システムの中で、税目、税率等が地方税法等で細かく定められておりまして、標準税率等の若干の裁量はございますけれども、私どもの裁量の余地というのは非常に小さくて、課税自主権の範囲は大変狭められているというのが現状でございます。
将来的には私どもは、地方分権と申しますか、地域主権を確立して、本来の課税自主権を取り戻して、受益と負担が住民に身近なところで判断できるような、そういう制度にしていきたいというふうに思っておりますけれども、そういう制度が実現したもとでは、先ほどお話のございました地方消費税も我々が賦課徴収し、そういうことについてはやぶさかではございませんし、逆に当然のことだと思います。
また、外形標準課税についても、我々の判断で課税をしていきたいというふうに思っております。
それから、首都高の固定資産税の問題ですけれども、現在非課税とされておりますのは、株主が国、自治体である、あるいは民営化されたかどうか、そういうことではなくて、先ほど税制部長がご答弁申し上げましたように、現行の制度では、やはり将来無料開放されるということ、それから、現行の建築費、それから償還のスキーム、それに伴う料金水準が我々としては適正であるというふうに考えております。
したがいまして、裏を返せば、固定資産税を賦課すれば料金にはね返るおそれもあるということで、収益事業と見るべきではないというふうに考えておりまして、それが従前から非課税の取り扱いがなされている理由であると理解しております。したがいまして、もし私どもが、法律で現在は非課税とされておるわけですけれども、私どもの裁量、判断にゆだねられても、その結論は、現行の制度がある限りは、変更がない限りは、同様の結論になろうかと思っております。
○中谷委員 ありがとうございます。
ただ、首都高は、これは正確にいうと恐らく機構がその道路資産を所有して、首都高速道路株式会社は、それをリースをしているというのが正しいところだと思いますが、本来の所有権者はだから機構なのかなという思いが実はあります。ただ、担税力からすると、もちろん軽減措置をとれば十分課税が可能かなということを、今後、将来、都税調でまたご検討いただければありがたいと思います。
特に、八都県市というのは、過去に知事が国に先駆けてディーゼル車の走行規制を実施してきた実績もあります。それぐらい連帯もあるのがこの八都県市だと思いますが、地方主導の課税モデルとも十分なり得るわけでありますから、ぜひともこの八都県市の協議の場にも上げていただくことを強く希望したいと思います。
本日、冒頭で申し上げましたけれども、都税調の目指すべきものは、地方分権時代にふさわしい地方税制度と国、地方を通じた租税制度を地方の立場から追求し提言することでありますから、首都高速道路株式会社が所有管理する有料道路用資産に固定資産税の課税を検討するべきであるということを、引き続き都税調でのご検討事項の一つとして加えていただければ幸いであります。そのことを申し上げて、私の質問を終えさせていただきます。
○斉藤委員 公明党の斉藤やすひろでございます。
本日は、私も都税調の中間報告に関連しまして、環境税制に焦点を絞って何点かお伺いをしたいと思っております。
先ほど我が党の上野理事から温暖化対策税について取り上げましたので、重複を避けまして、自動車税のエコ化を中心に何点かご質問させていただきたいと思います。
地球温暖化問題では、自動車からのCO2の削減が重要であることはいうまでもありません。〇六年、平成十八年度における運輸部門のCO2の排出量は一千四百六十六万トンで、二〇〇〇年の平成十二年比で約四%減少してはいますけれども、都内全体の総排出量、これは五千五百八十八万トン、この約四分の一を占める高い割合になっているのが運輸部門でございます。
その内訳を見ますと、約九割が自動車に起因するものでございますが、我が党は、さきの総選挙のマニフェストでも掲げておりましたけれども、税制のグリーン化、これを主張してまいりました。自動車関係諸税の見直しも主張してまいりましたけれども、そこに低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化を推進すると明記してまいったわけでございます。
自動車関係諸税に関しましては、その自動車の取得、保有、走行という三段階における複数の課税がございまして、その簡素化を図るように提案をしてきたわけでございますが、今回のこの都税調の中にあります自動車税のエコ化、これは政策減税から一歩進んで、課税標準にこのCO2の排出量の基準を反映させるという考え方によるものでもございますが、まず、ご提言にある、この自動車税のエコ化につきまして、その概要をちょっとご説明いただきたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 現行の自動車税は、自動車の区分に応じ、総排気量、最大積載量などの基準に基づき課税されており、環境負荷の少ない自動車については特例として期限を定めた軽減措置が設けられております。
自動車税のエコ化は、温暖化対策の観点から、これまでの政策減税を一歩進め、ヨーロッパ諸国の例も参考にしながら、課税の基準にCO2排出量を併用することを提言したものでございます。
○斉藤委員 概要はわかりました。
ところで、最近、新聞報道で私ちょっと見たんですけれども、国の方では原口総務大臣が、これは先月の十三日の記者会見でしょうか、記事ですけれども、自動車重量税、これ国税ですが、これと地方税の自動車税を一本化して、平成二十三年度を目途に地方税の環境自動車税を創設するという、そういうご提案というか、検討を始めることを指示をしたような記事がございました。来年度税制ではございませんので、今の政府税調では議論はまだかと思いますけども、これはどのような構想というふうに認識しているかお伺いをしたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 自動車の保有に対しては、現在、地方税として自動車税が、国税として自動車重量税が課税されております。お話の環境自動車税構想は、この二つの税を都道府県税として一本化するとともに、課税の基準にCO2排出量を併用するというものでございます。
また、詳細設計については、お話のとおり、今後、平成二十三年度の導入を目指して検討するとされております。
○斉藤委員 地方税ということでは大変望ましいことだと私は思いますけれども、総務省の方の案ですが、この環境自動車税構想については、都の税調でご主張されている今回の自動車税のエコ化、これとの兼ね合いも含めまして、主税局でどのようにお考えになっているか、その評価を伺いたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 東京都税制調査会は、平成十六年度の答申において、自動車の保有に対する税は偏在が少なく税収が安定的であるなど、地方税にふさわしい税であるとした上で、税制の簡素化、地方税の充実等の観点から、自動車重量税と自動車税を統合し新たな自動車税を創設すべきとしております。
環境自動車税構想は、この東京都税制調査会の平成十六年度の答申や、先ほど申し上げました自動車税のエコ化、今回の中間報告と軌を一にしているものと考えております。
○斉藤委員 都税調の中間報告にあるこの自動車税のエコ化の提言と、総務省の原口総務大臣の方から検討があった環境自動車税構想というのは、相通ずる部分があるというふうにこちらも認識をしておりますが、今後、総務省と連携できる部分は連携してしっかり検討を深めていく、検討をしていくことが大切だと思いますが、こういった税が新しく議論されるときには、必ずその業界の方々から、大変いろんなご要望も出てくるのが常でございますが、当然この運輸部門といいますと、公共交通に資しているバス部門とか、また非常に物流に影響がありますトラック部門とか、さまざまな影響が業界に出てくることが考えられます。
将来、この制度設計がはっきりしない限りそれを仮定して議論するのもおかしな話なのですが、このような影響も配慮していくことも大変必要だと思いますが、今後の検討体制はどのように考えていくのか、その検討のお考えをぜひ教えていただきたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 自動車税のエコ化、自動車重量税と自動車税の一本化を含めてということでございますが、具体的な課税の基準や税率、徴収方法など、今後詰めるべき課題も多うございます。
また、トラックやバス、営業用の車両の税率について、物流産業への影響や、公共交通機関の役割をどのように考慮していくかも大きな課題でございます。総務省などの国の動向も踏まえつつ、都税調において鋭意検討を進めていただく予定でございます。
○斉藤委員 この自動車税のエコ化は、これから大変議論が注目されるところでございますが、自動車に関しますと、現在、区市町村税である軽自動車税というものがございます。この扱いがどうなっていくのかということも、しっかり検討しなければいけませんし、また、自動二輪ですね、バイク、モーターサイクル、こういったものについての課税がどうなっていくのかという問題もあるのではないかと私は思っておりまして、まだ総務省との協議も実現しない段階ではご答弁は難しいと思いますので、今後しっかり議論していただきたいという要望にとどめておきたいと思います。
最後に、緑の問題についてお伺いしたいと思います。
都は、十年プロジェクトで、緑の東京十年プロジェクト、これを策定しまして緑のネットワーク化を進めているところでございます。このプロジェクトでは、街路樹の倍増や校庭の芝生化などに取り組んでいまして、それらの緑と都立公園などの大きな緑をつなぐネットワーク化、これを進めております。
いわゆる公有地というか、今までは都立公園のような大きな緑と学校という、そういった公共の場といったものを結びつけるグリーンネットワーク化だったわけですが、昨日の私の一般質問でも取り上げましたけれども、都は今後、住宅地や商業地、こういったところが大半を占めているような地域でも、民間の、民有地の活用も含めまして緑化推進をしていくと。特に駐車場や既存の建物の屋上の緑化などについても、この民間事業者の方々にもご協力いただいて緑化のネットワークを進めていこうという、そういう取り組みをしていこうということでございます。
都は、今年度から東京版環境減税を実施するなど、地球温暖化対策として積極的に独自税制の活用を始めておりますけれども、この緑の保全、創出についても、ぜひとも所管局、環境局ともよくご協議いただいた上ですが、税制の活用も検討をしていくべきであると思いますけども、所見を伺って私の質問を終えたいと思います。
○宗田税制調査担当部長 都市の緑を保全、創出していくことは、環境を初めさまざまな観点から非常に重要でございまして、他の施策とともに政策税制を組み合わせることも有効であると考えております。
都はこれまでも、特定保存樹林地に係る固定資産税等の減免や民設公園に対する不動産取得税、固定資産税等の軽減を独自に行ってまいりました。東京の緑を保全、創出するためどのように税制を活用していくかについては、所管局とも連携し、今後とも検討していきたいと考えております。
○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後二時三十四分休憩
午後二時五十一分開議
○中屋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより財務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百四十七号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、第百七十六号議案から第百八十二号議案まで及び第百八十四号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○西岡委員 まずは、工事請負契約議案に関連して伺ってまいります。
十月五日より新たに導入された特別重点調査を経た契約議案が、第四回定例会に初めて上程されました。極端な低入札傾向にあった公共工事分野の落札状況を改善するために導入された制度であり、その動向が大きく注目をされておりました。
制度の導入に当たっての都側のねらいは、現下の厳しい経済情勢を反映した公共工事の受注状況にかんがみ、工事品質の確保を強化する観点から、低入札価格調査に特別重点調査の導入を行うこととし、その基本は、入札価格で、契約の内容に適合した履行が可能か否かを判断するため、資機材調達や請負関係の費用が手抜き工事や下請へのしわ寄せなどの懸念を生じさせることなく、現実的に実施可能であることを、明確な積算根拠、実績などの資料により説明させ、入札者に、具体的な根拠をもって工事の履行が可能であることを証明させることとされております。今議会では、議決要件となっている七件の議案のうち、四件において特別重点調査が適用される応札となりました。
そこで、重要な入札契約制度改革の一環として初めて導入された特別重点調査制度に関しまして、幾つか基本的なことも含めて伺ってまいりたいと思います。
特別重点調査は、これまでの入札制度と比較して、大きな違いとしては具体的にどのような点があったのか。また、この制度のメリットとしてはどのようなことがあると考えているか伺います。
○奥田契約調整担当部長 今回導入いたしました特別重点調査は、労働安全対策などの法令遵守の徹底や、中長期的な工事品質の確保の観点に立ちまして、低入札価格調査制度の強化を図るものでございます。極端な低入札を行った入札者に対し、資機材調達や下請関係の費用が手抜き工事や下請へのしわ寄せ等の懸念を生じさせることなく、契約内容の履行が可能であることを、従来の調査よりもより厳しい基準で確認するものでございます。
この調査によりまして、価格と工事品質のバランスがとれた公共工事の実現や、将来の工事品質の確保に一層資するものとなるものと考えております。
○西岡委員 極端な低入札者に対し、契約内容の履行が可能であるということを、従来よりもより厳しい基準で確認することとなり、品質確保につながるものであるということと理解をいたします。
次に、特別重点調査の、その内容について伺ってまいりたいと思います。
この特別重点調査を行うかどうかの判定の際に、直接工事費などの積算内訳を構成する各項目に乗じる係数、これが重要なんですけれども、直接工事費の七五%、共通仮設費の七〇%、現場管理費の六〇%、一般管理費の三〇%、これにはどのような根拠があるのか。また、この係数は、ずうっと固定されていくものなのかどうなのか伺っておきたいと思います。
経済環境などによって変動すべきものと考えられますけれども、いかがお考えでしょうか。
また、特別調査における一般管理費の規定五%という基準については、どのような調査をして五%と決定したのか、その根拠についても伺っておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 特別重点調査の積算内訳を構成いたします各項目に乗じる係数につきましては、国が採用している係数を参考に制度設計を行いました。
この係数につきましては、経済情勢などの制度を取り巻く状況を勘案しながら、制度運用の中で適切に取り扱っていく所存でございます。
また、一般管理費等の規定でございますが、東京都の特別重点調査におきましては、中長期的な工事品質確保の面からの対策といたしまして、将来にわたる工事品質の確保の担保に寄与する一般管理費等の計上状況を確認することといたしました。
具体的には、東京都の低入札価格調査制度が適用される工事規模に応じた格付を有します企業の決算資料における販売費及び一般管理費の売上高に占める割合を考慮いたしまして五%と設定したものでございます。
○西岡委員 一番この特別重点制度の大事な数字だと思いますが、この係数については、今後も、最新の動向を把握している国の動向など見極めながら適切に対応していただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、制度改正に伴って、受注者サイドにしっかりと周知ができているかということも重要な視点だと思います。この制度が発表されてから、非常に速いスピードで制度のスタートとなったと思います。この制度についての周知がどのようになされていたのか、十分周知されていると認識しているのか、確認をしておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 特別重点調査の導入に当たりましては、業界紙への情報提供を初め、ホームページでの導入告知、調査マニュアルの掲載とともに、主要業界九団体に呼びかけまして、説明会を開催いたしました。
また、いわゆる契約案件の公表時に、各案件ごとに、特別重点調査導入後の低入札価格調査適用案件である場合には、そのような旨の告知を添付するなど周知に努めております。入札参加者の方も、十分特別重点調査の導入を理解した上で参加していただいているものと認識しております。
○西岡委員 案件の公表時に特別重点調査適用案件であるということの告知の添付があったということですので、その点でカバーされていたのかなと思います。
それでは、契約案件を所管している財務局としての対応にも、これまでとは違った取り組みが行われたのではないかと予想をいたします。具体的にはどのような調査が行われたのか、お伺いしたいと思います。
また、担当部局の事務手続が円滑に行われていくことも重要だと思います。これまでと比較して事務手続上の変化はどうであったのかも伺っておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 今回付議いたしました議案に関しましては、四議案が特別重点調査の対象となったわけでございますけれども、調査対象者は、調査において求めた資料の提出がなされなかった、また、提出があっても不足があった、もしくは一般管理費等の規定に抵触したのいずれかに該当しましたため、これらの対象者を落札者といたしませんでした。
また、今回の特別重点調査におきましては、対象者に対して提出を求める資料内容の説明を、複数の調査対象者に対して同時に行うなどによりまして、調査日数などの事務手続上の変化は生じませんでした。
○西岡委員 行われた調査において求められた資料が未提出、あるいは一部不足している、あるいは一般管理費の規定に抵触したことによって、複数の対象者に対し同時に調査を行ったことから、事務手続上の変化はなかったということであります。担当部局の事務手続上の煩雑さを少し予想しておりましたけれども、この点については安心をいたしました。
それでは、特別重点調査となった四件のこの契約議案には、合計で四十二者が入札に参加をして、そのうち特別重点調査となった入札者数が十七者となりました。今回の特別重点調査の対象となった、この入札者の数をどのように東京都として評価しているのか。想定よりも多いと認識されているのか、少ないと認識しているのか伺っておきたいと思います。
一方、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事では、九者が入札に参加をして、八者が特別重点調査に入っています。つまり、一番札から八番札までが失格となって、一番最後の九番札が落札者となっております。これは極めて極端な例かもしれませんけれども、この結果についての都の認識をお伺いしておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 特別重点調査に至った案件は、先ほども申し上げました四件でございますが、制度導入後まだ間もないこともございまして、その件数が多いか少ないかにつきましては、今後の状況を見た上で評価できるものと考えております。
また、入札結果等が公表されているところでございまして、制度が継続的に運用されていく中、お尋ねのような極端な、いわゆる低入札が続くようなことは今後考えにくいと思っております。
○西岡委員 こういった結果は導入直後の結果ということで、今後の推移によって極端な低入札傾向が改善されていくのではないかということが表明されましたけれども、私といたしましても、極端な低入札傾向が改善していくことを大いに期待していきたいと思っております。
では、この制度の導入によって、過去の入札案件と比べて入札参加者数に影響があったと考えているかどうか伺っておきたいのです。つまり、入札参加者数がふえてきたのか、減ってきたのか。また、業者にとって参加しやすくなったか、しにくくなったという点も重要だと思っております、いかがでしょうか。
○奥田契約調整担当部長 いわゆる特別重点調査導入後の低入札価格調査制度の対象となります大規模工事の発注が、実は十一月末までの開札で十七件しかございませんので、影響については不明であると思っております。
○西岡委員 全体で大規模工事の発注が、この議案の上程までの期間では十七件ということで、影響がわからないという状況ですね。
それで、これまでは極端な低入札が横行しまして、その結果、入札を見合わせていた業者の方も相当数あったのではないかなと推察をいたします。そもそも、やっぱり入札というのは、競争原理が働いて、その結果、技術力も高まり、また東京都なりの発注者側にとっても、応札が多くなって選択肢がふえた方が、一般的な制度としてはいいわけであります。
今後、低入札傾向の改善が期待されるわけですけれども、入札者数が増加していくことを期待していきながら、今後の動向に注視していきたいと思います。
ところで、この特別重点調査は行われてない案件ではありますけれども、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事及び、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事のこの二案件は、入札者が一者となっております。
規模の大きい設備関係の入札でありますけれども、これなぜ一者だけの入札となったのかなということを私も大変考えております。東京都側の見解を求めておきたいと思うんです。
先ほど申し上げましたように、やはり入札は参加者が多い方がいいわけで、一者入札ということは余り望まれるべきものではないのかなと理解いたしておりますが、見解を求めておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 お尋ねの二案件も含めまして、今回付議いたしましたいずれの案件も、一般競争入札というような制度で供しております。一般競争入札におきましては、入札参加申込者に関しまして、その資格を確認し、条件を満足していれば入札に参加させる一方、追加で入札者を指名する任意指名を行うことができません。その結果、今回一者の入札となったものが二件出たということでございます。
なお、入札参加者につきましては、いずれの場合も開札後まで、札をあけるまで参加者数、参加者名を公表していないわけでございまして、一者のみの入札であることが、その参加者にはわからない仕組みになっておりますことから、競争性、透明性の観点からも問題はないものと考えております。
○西岡委員 制度上は入札が行われたということの見解が表明されたわけですけれども、こういったところはこれからの大きな課題になってくるのかなと思っております。
新制度の導入に伴いまして、実施後の参加者及び受注者側の声というものも把握しているかどうかも重要な視点だと思っております。実施している場合はどのような声があるのか伺っておきたいと思いますし、また、行われていない場合は、今後把握していく予定があるのかどうかを伺っておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 直接の声を聞いたということはまだないんですけれども、業界紙等を見る限りでは、おおむね好印象を持って受け入れられたものと認識しております。
また、声を聞くという点でございますけれども、先般十月の当委員会にご報告させていただきました実施方針におきまして、今後、入札契約制度に関する業界団体の方との意見交換の場を公式に設置することを予定しておりまして、そういった場も活用していきたいと思っております。
○西岡委員 以上、何点か伺ってまいりましたけれども、今回のような入札結果となったことを、現時点でどのように評価しているのか。また、特別重点調査導入による効果があったと考えているのか、総括的にお伺いしたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 今回の重点調査につきましては、過度な価格競争、いわゆるダンピングに対する抑止効果が期待できることがある程度見込まれたということで、公共工事の品質確保に関する有効な対策であるというふうに総括しております。
○西岡委員 わかりました。
特別重点調査を導入した新たな制度の課題ですね。課題としてはどのようなことが上げられるのか、お伺いしたいと思います。
また、その課題に対して今後どのような対応をとっていこうと考えているのかお伺いしたいと思っております。
私は、例えば効果が上げられている制度であれば、この制度の対象範囲を拡大をしていくということも考えられるのではないかなと考えておりますけども、いかがでしょうか。
○奥田契約調整担当部長 制度でございまして、いろいろな社会経済状況に応じて、今後、品質の確保に向け、常に妥当性を検証していく必要があるということでございまして、この制度におきましても、そういったことの検証は続けていくべきと思っております。
しかしながら、一方、低入札価格調査制度は、工事施工上の工夫の余地が大きい大規模工事を対象としておりまして、それは、そうじゃない中小規模の工事に適用対象拡大ということは、これは工夫の余地の点を考えますと、そういったことは考えておりません。
○西岡委員 この制度の拡大についてでありますけれども、私といたしますと、実は最低制限価格の設定によって行われている入札、土木は四億円、建築五億円、設備一億二千万円とラインがあるわけですけれども、その最低制限価格で行われている工事は、これ、いまだにくじ引きがある状況が残っているのだろうと思うのです。ただ、低入札調査と最低制限価格のラインとなっているこの金額を引き下げて、この制度を拡大していく方向も検討される余地があるんだろうなと、私としては考えています。
ただ一方、来年の一月から最低制限価格の上限が撤廃をされて、新たな算定式による方式が導入されることが既に表明をされております。上限の八五%に限りなく近づける安易な札入れが横行し、その結果くじ引きが行われてしまうわけですけれども、今後は、入札者側の積算能力などが求められる制度に移行をしますので、結果、くじ引きの減少も期待できるということで、東京都が導入しようとしている来年一月以降の状況を、都議会としてもしっかりと注視していかねばならないのだろうなと考えております。
昨今、公契約における課題といたしましては、下請への賃金などの未払いなど、労務管理の面において、下請が大変厳しい契約条件にさらされることが指摘をされております。私も時折そういう相談を受けることがあります。これは大変重要な課題だと思っております。低入札を防止できるこの特別重点調査制度は、これらの労務管理面におけるさまざまな問題にも一定の歯どめがかかると考えられますが、ご見解をお伺いしておきたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 特別重点調査が労働安全対策などの法令遵守の徹底や、中長期的な工事品質の確保の観点に立ちまして、資機材調達や下請関係の費用についても詳細に調査をすることを予定していることからいえば、この制度は、下請へのしわ寄せ等の懸念を払拭する一面があるものと考えております。
○西岡委員 答弁でもありましたように、公契約に関連する公正な労働環境の確保は喫緊の課題でありまして、下請へのしわ寄せなどの懸念を払拭する一面があるということを期待したいと思いますが、今後とも、私たちといたしますと、総合評価制度なども含めましてさまざまな方策を検討して、この労務管理の改善に努めていただきますよう、強く要望しておきたいと思います。
何点か特別重点調査について伺ってまいりましたけれども、さきの第三回定例会には落札率が五三%、五八%という結果の契約議案もありました。今議会では新たな制度が導入されて、最も低いのは古川地下調節池工事の六五・九三%であり、建築議案も七〇%前半に落ちついております。また、特別重点調査の対象となった入札案件は、そのすべてが失格となっております。そういう意味では、まさに調査機能が働いたものと認識できるのではないかと思います。
落札率の上では、低入札が改善しているということで、課題となっていた低入札問題に、この制度が一定の歯どめをかけていると判断できることから、この間の取り組みは評価できるものと考えられます。
東京都の発注工事は今後、大規模改修改築方針も含めて増大をしてまいります。今後十年間で、知事部局だけで八千億円、さらに水道局など含めれば、その規模は二兆円を超える規模だと思います。工事のありようを左右する入札制度の改革は極めて重要であります。今回の特別重点調査については、日々、制度の評価を行うことを要望しておきたいと思います。私たちもその動向を注視してまいります。
また、去る十月二十八日に東京都から発表された、公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針の着実な実施も重要であります。中でも、東京都が進める政策目標を推進する上でも、意義のある総合評価制度の目標達成に向けた拡大も重要な課題だと思っております。
また、昨今、自治体においては、あるべき公契約のあり方を規定した公契約条例を制定する動きも活発であります。都議会民主党といたしましても、あるべき入札契約制度の確立に向けて精いっぱいに取り組む決意を表明し、次の質問に移りたいと思います。
続いて、東京都一般会計補正予算(第三号)について伺ってまいります。
政府は、十一月二十日に発表した月例経済報告において、緩やかなデフレ状況にあるとの認識を示しました。月例経済報告でデフレという表現を使われるのは、三年五カ月ぶりのことであります。十月の完全失業率は五・一%となり、三カ月連続で改善したものの依然として過去最悪水準にあり、先行きの懸念は消えておりません。
こうした厳しい経済情勢の中にあって、民主党政権も前政権下で編成された十四兆円規模の国の第一次補正予算について、民主党政権において約二・七兆円の見直しを進めつつも、地域経済にとって必要なものはしっかり継続し、国民生活を守る姿勢を貫いてきたと理解しております。そして今、民主党鳩山政権において、厳しい経済情勢に緊急に対応するために、新しい視点も盛り込まれた政治主導による七・二兆円の緊急経済対策が取りまとめられている最中であり、経済界も含めて大きな期待が寄せられております。
さて、今回の補正予算は、その国の第一次補正予算に基づくものでありまして、何点か伺ってまいります。
今回の補正予算では、東京都の一般財源を充当しておらず、あくまで整理予算という位置づけかもしれませんけれども、規模は一千四百七十四億円と、非常に大きく内容も多岐にわたっております。先日の我が会派からの代表質問において、今回の補正予算に対する都の考え方を改めて伺い、今回の国の予算は、国の経済危機対策のうち、子育て支援や雇用創出、福祉、医療施設の耐震化や介護基盤の整備促進などのために新たに九基金を創設し、既存の四基金を拡充し、国から交付される資金を積み立てるものである。あわせてこの基金の一部を取り崩し、本年度に実施可能なものを事業化したものである。今回の補正予算で、雇用や医療、介護など、緊急課題に対応する措置を新たに講ずることは、経済危機下にある都民生活を支えていく上で意義のあるものという基本的な見解が既に表明されております。
今回の補正予算の執行によって、経済危機のもとにある都民生活を支える上で重要な意味があるとのことでありますけども、その内容としては、緊急雇用事業を初めとして、区市町村が実施する事業も大変多く含まれております。実施可能なものについては、年度内に一部基金を取り崩して百七十五億円分の事業を実施するとされております。それでは、年度内に実施する百七十五億円事業のうち、区市町村の事業と東京都の事業はどの程度あるのか、伺っておきたいと思います。
○長谷川主計部長 今回の補正予算の中で、本年度事業化するための予算を計上したもののうち、区市町村が実施主体となるものにつきましては、介護基盤緊急整備等臨時特例基金、及び緊急雇用創出事業臨時特例基金に係る事業など、全体で約七十四億円となっております。一方、都が実施主体となりますのは、介護職員処遇改善等臨時特例基金や先ほどの緊急雇用創出事業臨時特例基金に係る事業など、全体で約百一億円となっております。
○西岡委員 数字が発表されまして、区市町村が七十四億円で東京都の事業分が百一億円という内訳であります。
ただ一方で、他の道府県については、既に第三回定例会までに補正予算を計上している団体も多いと聞いております。今回の補正事項である基金に係る予算について、他の道府県の計上状況も伺っておきたいと思います。
○長谷川主計部長 総務省のまとめによりますと、国が今年度の第一次補正予算で計上した都道府県及び政令指定都市向けの基金に係る補助金二兆一千百八十七億円のうち、各団体が九月補正までに予算計上した額は一兆五千九百七十一億円、約七五%相当となっております。
○西岡委員 他の道府県については、もう既に全体の七五%が予算化済みということであります。国の第一次補正予算が成立したのは五月でありまして、既に半年が経過しております。都は、地域経済や国民生活に与える影響を踏まえ、もっと機動的に対応すべきであったという考えも出てくるわけでございますけれども、この時期まで、なぜ第一次補正分の予算案が提出されなかったのか。この十二月の上程になったということで、特に区市町村が実施する事業について影響はなかったのかという心配もあるわけであります。
都はもう少し早く補正予算を編成すべきだったという考えもありますけれども、この第四回定例会、十二月まで補正予算を編成しなかった理由、上程時期の理由について伺っておきたいと思います。
○長谷川主計部長 補正予算ですけれども、昨年九月の補正以来、東京都は切れ目なく補正予算あるいは当初予算、今年度に入りましても、五月に成立した国の一次補正の事業のうち早期に内容が把握できたものについては、いち早く第二回定例会で補正予算の形で対応を行ってきております。
その上で、ご質問の、この時期の編成になった理由でございますけれども、第三回定例会までの間におきましては、今回の補正に該当する基金につきまして、対象となる事業などその詳細な内容が明らかになっていないものがありまして、また予算計上の前提となります事業を実施する区市町村などの事業計画も取りまとまっていなかったために、予算として編成することが困難でございました。
今回、それらが整いまして、該当する基金について、基金の設置拡充と本年度の事業化等を予算計上することが可能となりましたことから、これらを合わせて補正予算として編成したものでございます。
なお、今回、百七十五億円計上しております今年度中に事業化する基金事業につきましては、区市町村の行う事業も含めて、具体的な事業実施には支障はございませんので、ご安心をいただきたいと思います。
○西岡委員 上程理由については理解いたしました。市区町村には影響が出ていないということでありました。
そうしますと、既に第三回定例会までに議決した道府県は、具体的な事業化を検討する前に既に議決をして、東京都の場合は、具体的な事業化をしっかりと検討した上で予算化をしたということが表明されたのかなというふうに理解をしておきたいと思います。
最後に、先日、都は、今年度の税収見込みを発表しましたが、何度も表明されていますが、二十年度決算と比べて一兆二百億円もの減収、今年度予算と比べても五千億円減少するということが明らかになっております。来年度である平成二十二年度の予算編成にも大きな影響が及んでおりまして、既に、概算ですが、各局からの歳出の概算の全体が歳入見込みを六千億円も上回っている状況も明らかになっております。
今後、都財政を考えますと、改めて歳入歳出の見直し、さらに基金の繰り入れ、都債の発行などの検討が行われることと思いますが、懸念されるのは、この厳しい経済情勢の中で、歳出の見直しが都民生活を直撃しないかどうかも大変懸念される要因であります。
また、一方、今年度の都税収入にも影響が及ぶ、地方分権に逆行する、法人事業税の国税化の即時撤廃をなし遂げなければならないということも強く認識をいたしております。我々都議会民主党も、現在、精いっぱい取り組んでいる最中であります。
現段階で、具体的な方策を示すのは難しいかもしれませんけれども、まずは緊急に求められるのは、今年度の都税収入の大幅な減収にどのように対応していくのかということが、これは極めて大きな課題だと思っております。この対策について、局長に最後にご見解を伺いまして、質問を終えたいと思います。
○村山財務局長 今、お話しいただいたように、非常に大幅な税収減ということでございまして、今年度の税収減への対応というのは、非常に難しい課題だと率直に考えております。
その理由は、その減収の幅がかつてなく一兆円という大幅なものであるということはもちろん一つございますが、同時に、私どもとして非常に考えなければならないのは、この落ち込みというのが、下がってすぐに上昇するというような一時的なものではなくて、今後しばらくは、来年度以降回復しないというふうに想定した方がきっと妥当なんだろうというふうに思わざるを得ないような落ち込み方であるという点でございまして、そういう意味では、短期的な落ち込みであれば、その分、都民生活に影響を与えないということであれば、例えば基金をそれにすとんとその額そのままを充てるということも、選択肢としてないわけではないわけですけれども、今後しばらくの間こういう状況が続くということになるとすれば、そうではなくて、既存の歳出歳入そのものについて洗い直しを行わなければならないというふうに考えざるを得ないと考えております。
一方、現在の経済危機下にある都民生活ということを考えますと、今年度の予算に計上したさまざまな施策について、それを影響を及ぼすような形で処理をするということは、これは東京都としての役割として回避しなければならないということもございまして、その二つの課題の間で、どういうふうにこれから、数カ月あるわけでございますけれども、そういう中で知恵を絞っていくのかというなかなか難しい状況にございます。
そういうことがあるからこそ、知事からも、都民サービスに直接影響を与えないことを前提にということで、予算執行の点検見直しを指示をされているわけでございまして、いろいろ各局とも相談しながら対応策を検討しているところでございまして、今、ここで直ちに、こういうふうにやりますというふうに申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今後いろいろ来年度予算の編成とも兼ね合いながら、歳出歳入両面から、都民生活には直接影響を及ぼさないようにという努力をしながら、いろいろあらゆる努力をしながら、何とか頑張っていきたいというふうに思っておりますが、それにつけても、法人事業税の国税化の影響というのは、非常に我々にとって、今、ボディーブローのようにきいてきておりまして、都議会の皆様のご努力によってぜひとも即時撤廃を実現していただきたいと、切に願うものでございます。
○鈴木委員 私から入札契約制度の改革について、特別重点調査に関して、今、民主党の西岡理事の方から大変重要な意味のある質疑があったというふうに私も今感じたところでありますが、その件に関して、一言申し上げさせていただきたいと思います。
今定例会への付議案件七件のうち、技術提案型の総合評価方式の一件を除く六件を見ますと、落札率は低くても七一%であり、さきの第三定例会へ付議されたような五〇%台の半ばといった極端な低価格での落札はなくなっています。これは、我が党が第三回定例会の代表質問で取り上げた特別重点調査の効果が早速に発現したものであり、我が党が心配していた工事品質の確保と下請業者へのしわ寄せへの懸念を払拭する結果となったものと、一定の理解はしております。
しかし、特別重点調査の適用はまだ始まったばかりでありますし、今後も状況を注視していかなければならないと考えています。東京都においては、都民の血税が財源であることをしっかりと認識した上で、工事品質や下請業者等へ悪影響を及ぼすダンピングの排除について引き続きしっかりと取り組んでもらいたいということを要望しておきます。
それでは、質問に入ります。
さて、低価格入札が問題となっているのは、今回議案となっている低入札価格調査制度が適用されている大規模工事だけではなく、最低制限価格制度が適用される中小規模工事も同様でございます。常々申し上げているところでありますが、中小企業の経営基盤が弱いことを考えれば、最低制限価格制度の適正化こそ早急に取り組むことが必要であると考えます。
先ごろ発表された実施方針で示された最低制限価格制度の改正については、我が党の代表質問に対して、一月実施に向けて早急に詳細を明らかにし、事業者に周知していくとの答弁がありました。
先日の事務事業質疑において、改正の方向性について伺ったところでありますが、一月の改正を間近に控え、再度、制度改正の内容を確認しておきたいと思います。
実施方針では、国等が採用している最低制限価格モデルに準拠しているとしておりますが、そのモデルとの違いも含めて、内容を具体的に説明を願います。
○奥田契約調整担当部長 今回予定しております最低制限価格制度の改正でございますが、国モデルの改正を踏まえまして、より市場実態に即した価格となるよう、その水準を引き上げ、工事の適正な履行を通じまして工事品質の確保を図ることを目的としております。
現行制度では、最低制限価格は、工事ごとに予定価格を構成する直接工事費九五%、共通仮設費九〇%、現場管理費六〇%、一般管理費三〇%といった係数をそれぞれ乗じて算定しておりますが、制度改正では、国モデルと同様に、その中での現場管理費に乗じる割合を六〇%から七〇%に変更することによりまして、最低制限価格の設定水準自体の引き上げをまず考えております。
また、現在、最低制限価格の設定範囲は、予定価格の三分の二を下限、十分の八・五、百分の八十五を上限としております。国モデルの改正では、予定価格の下限を十分の七に、上限を十分の九の範囲というふうに変更されましたが、都では、下限は国モデル同様に十分の七に引き上げますけれども、上限につきまして十分の九の制限を撤廃することとしております。
○鈴木委員 極端な低価格入札は、契約の内容に適合した履行がされず、品質確保に悪影響を及ぼすおそれが強いと考えられます。今回、都が、国モデルに基づき算定式を見直し、最低制限価格等の引き上げを行うことは、工事品質の確保の観点から適正な対応であると考えます。
一方、最低制限価格の上限については、国モデルでは十分の九としておりますが、今回、都は上限を設定しないとしています。
もともと国モデルも含めて、最低制限価格に上限を設けているのは、価格競争の余地を残し、入札における競争性、経済性を十分に発揮させるためと聞いています。今回の改正では、なぜ最低制限価格の設定上限を撤廃するのか、改めてその目的を確認いたしたいと思います。
○奥田契約調整担当部長 現在、都では、先ほど申し上げましたが、最低制限価格の設定範囲というものを定めておりますが、現在、予定価格の十分の八・五を上限、三分の二を下限としております。
しかしながら、設備系の一部の業種では、設定上限である十分の八・五を目安といたしまして入札が集中いたしまして、くじ引きによる落札者が多発している状況が確かにございます。そのため、こうした一部の業種では、入札に当たって、積算を仮に全く行わない事業者でも、くじ引きによって落札できる可能性が出てまいりまして、発注工事の適正な履行、品質確保の面でなく、積算能力、技術力の向上に取り組む健全な事業者の受注機会を狭めてしまうという懸念が生じております。
こうした状況の中で、単純に国モデルに準じて設定上限を予定価格の十分の九に設定した場合、今度は十分の九を目安として入札が集中するおそれが生じると考えております。
今回予定している最低制限価格制度の改正に当たりましては、このようなくじ引きによる落札の状況を少しでも改善し、事業者の積算努力を促すため、入札の目安となっております最低制限価格の上限を撤廃することといたしました。
○鈴木委員 答弁を聞きますと、競争価格が厳しい現在のような状況でも、もともと価格面での競争を促すために設定をしていた最低制限価格の上限が、くじ引きの多発につながるなど、かえって適正な競争を妨げる要因になっているということであります。積算をしない、あるいは積算ができないような不良不適格業者が運よくくじ引きで発注した工事では、今後数十年にわたって都民が利用する道路や施設などをきちんと整備することは望むべくもないのは自明の理であります。
建設業界団体から、くじ引きや低価格入札を招いた原因として、予定価格の事前公表が挙がっており、予定価格が事前にわかっているから、積算もしない不良不適格業者の参入や最低制限価格を目指した入札がふえているとの指摘があり、事後公表への変更というような声もあるということで聞いております。先日の事務事業質疑でも、このことは申し上げたところでもございます。
都は、こうした指摘に対して、予定価格の事前公表は継続するが、そのかわりに総合評価方式の拡充や低入札価格調査の強化などの低価格入札対策を図っていくとしたわけでありますが、そこで改めて伺います。
今回の上限撤廃は、予定価格を事前公表していても、くじ引きの多発などを抑制する対策として効果が見込めるのか、都の見解を伺います。
○奥田契約調整担当部長 東京都が工事一件ごとに設定してございます最低制限価格は、実は入札後も含めて一切公表していないため、本来、入札に参加する事業者は、工事費の積算をしなければ最低制限価格がわからない仕組みとなっております。
しかし、先ほど来申し上げましたとおり、一部の業種の工事では、算定式による計算結果が設定上限である八五%を上回る結果、上限である八五%になってしまうということが多いため、積算をしなくても事前公表されている予定価格に設定上限の八五%を掛けることで、事実上最低制限価格を容易に割り出すことができ、くじ引きが多発し、事業者の積算意欲を損ねている、そういったような声が多数寄せられているところでございます。
今回の改正では、最低制限価格の設定上限の撤廃により、頭打ちや目安となっていた上限率がなくなるので、予定価格が事前公表でわかっていても、その内訳を事業者がみずからきちんと積算しない限り、最低制限価格を割り出すことができなくなるというふうに考えております。
予定価格を事前公表していても、上限撤廃といった工夫で、くじ引きの多発の抑制や積算意欲の向上などの効果は十分に見込めるものと考えております。
○鈴木委員 今度の制度改正における上限撤廃は、一見すると最低制限価格を引き上げるだけの単純な内容でありますが、真のねらいは、事業者に対してきちんと積算を求めるというものであると私も考えます。積算努力をしていない一部の事業者にとっては、入札価格の目安がなくなるため厳しい内容かもしれませんが、日々積算技術を磨き、技術力向上に努力している事業者にとっては、歓迎される制度改正になろうというふうに考えられます。予定価格の事前公表を維持しながら、工事品質の確保と公正な競争の確保の両面から、よく考えられた対策と私は思っています。確かに都がねらったとおりの効果が実際に出るかどうか、今後注視をしていきたいと思います。
今回の制度改正のねらいである技術力を踏まえた適正な競争を促していくためには、改正のねらいや内容を入札に参加する事業者にきちんと伝え、事前に準備してもらうことがより重要だと考えます。最低制限価格制度の改正のねらいや内容を事業者に対して事前に十分周知するとともに、品質確保の面から、できるだけ早い時期に実施していくべきだと考えますが、今後どのように進めていくのかを伺います。
○奥田契約調整担当部長 最低制限価格制度の改正は、低価格入札を抑制し、品質確保を図っていく面から、早期に実施していく必要があると認識しておりまして、一月のできる限り早い時期から適用を始めてまいります。
また、ご指摘のとおり、今回の制度改正は事業者の積算努力を求める内容となっていることから、制度改正による事業者の方の混乱を避けるためにも、改正のねらいや内容について事前周知を徹底していく必要があると考えております。
そのため、近日中に算定式や設定範囲の変更はもちろんのこと、制度改正の目的や改正後の影響などをわかりやすく示しました質疑応答集、いわゆるQアンドAも作成いたしまして、入札参加者が日常的にアクセスいたします電子調達システムへの掲示などを活用いたしまして、制度改正について広く周知を図っていく所存でございます。
○鈴木委員 今、答弁があったように、この件に関しては非常に大切なことだと思いますので、今おっしゃったような周知を徹底してほしいということを強く要望しておきたいと思います。
厳しい経済状況の中、民間建設需要の回復する見込みが乏しい中で、建設事業者にとっては公共工事が最後の頼みの綱となっており、今後さらに事業者間の受注競争は厳しさを増していくというふうに見込まれます。
そうした中、入札契約制度には、低価格入札への対応にとどまらず、工事品質を確保するため、技術力にすぐれた事業者が適正な価格で公共事業を受注できる、真に適正な競争環境を構築していくことが重要であると考えます。いいかえれば、事業者の真摯な努力とその成果を入札において公正に評価する総合的な仕組みが求められているといってもいいというふうに思います。
低価格入札も含めて、今後の入札契約制度改革の着実な推進に当たっての局長の決意を伺います。
○村山財務局長 入札契約制度の運用というのは、いわば相手が市場、民間の市場というものでございまして、そういう意味では非常に変動するということで難しいところがございます。それにしっかり対応しつつ、納税者の負担のもとで実施されている公共調達について、透明性、競争性、品質の確保というこの三つの社会的要請をどういうふうにバランスをとりながら確保していくのかということで、そういう問題意識で昨年六月に入札契約制度のあり方についての研究会を発足させて、その報告を踏まえて、今回の実施方針も策定したわけでございます。
その中では、この間、財政委員会でたびたび指摘をいただいてまいりました過度の低価格競争、工事品質の低下等への懸念というような大きな課題について、どうこたえていくのかというのが私どもに課せられたテーマでございました。
今回、実施方針に基づいて、既に十月から大規模工事について実施した特別重点調査については、著しい低価格入札に対する歯どめとして、まずは相当の成果が上げられたかと思っておりますが、今お話しいただきました中小工事を対象とする最低制限価格についても、来月予定しております制度改正におきましては上限の撤廃ということで、積算努力をしないで、このぐらいなら何とかみたいな、そういういわゆる不良不適格業者の参入やくじ引きの抑制を図ることに、ぜひとも有効な結果を得たいというふうに思っております。
一方、今お話もございましたように、予定価格の事前公表そのものをやめてしまうという方法もあるのではないのかというようなご指摘、ご主張もこの間いただいてきているところでございまして、私どもといたしましては、この点については、契約制度の透明性の確保から維持をしたいという立場に立ちつつ、現在の状況の中で生まれているさまざまな著しい低入札という問題についてどう対応していくのかということで、今回、一つの、私どもとしての、答えといいますと口幅ったいいい方でございますが、対応策として、今回の、発注工事の品質確保とともに適正な競争を促し、一生懸命努力をいただいている事業者の受注機会を確保していこうというねらいのもとで、改革を実施させていただいたものでございます。
その点についてご理解いただきたいと思っておりまして、今後、総合評価方式の適用の拡大、あるいは工事成績評定の信頼性の向上といった、今回の実施方針のその他の事項の具体化を着実に進めていきますとともに、現在まで実施した具体的な方策、これから実施する方策、それらについての改善策の実際の効果、あるいは市場の、それこそ反応などをつぶさに今後検証してまいりまして、これで終わりということではなくて、一層の改善に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。
そういう意味では、社会経済状況の変化はとても早いわけで、思い起こせば、しばらく前は、入札不調をどうするかということでいろいろご議論もさせていただき、対応策もとらせていただいた時期もあるわけでございまして、今後ともそういう市場の状況に的確に対応しつつ、公共調達というちゃんとのりも維持できるような、そういう公共調達の制度について改革を進めてまいりたいと思っております。
○福士委員 私からも質問を何点か用意しておりましたけれども、皆さんの質問とダブるところもありますし、ニュアンスはちょっと違うかなというところもなきにしもあらずなんですが、今までのお答えを伺っていて、大体のところはわかりましたので、要望だけ一言申し上げておきたいと思います。
このところ価格競争が熾烈になり、下請や働く人にそのツケを押しつける、あるいは資金繰りのために契約はしたものの、最終的に事業が執行できずに行政の事業執行に障害をもたらす、こうした事例が全国で起きています。それを防止するために、東京都が特別重点調査を行ったということについては、高く評価をしております。
しかし、本来の過度な価格競争を防止するほか、価格以外の要素もしっかりとチェックをするという目的が果たされているのかどうかについて、これはしっかり今後もチェックをしていただきたいと思います。
いずれにしても、労務者の具体的供給見通しにあるような考え、あるいはほかにも誓約書で下請予定業者や資材納入予定業者等の見積金額をゆえなく減額するなど、下請予定者等にしわ寄せをしないこと云々かんぬんというような考え、無理な資金繰りのための契約をしたり、賃金不払いをしたりする業者を排除するような考えの方向性は、非常に大切なことだというふうに私も思っております。
また、中長期的な工事品質の確保や労働安全対策などの法令遵守の徹底も図られるようですので、これについても期待しております。
ただ、書類等多過ぎて、業者の負担を多くし、経費にはね返ったり、あるいは行政の裁量が大きくなり過ぎたりすることに注意しながら、このような社会的に公正な考えに基づいた発注の仕方はもっとほかにも広げるべきかと思います。
三月議会でまた質問したいと思っておりますけれども、契約の当局たる財務局として、下請への波及、働く人へのツケ回し、資金繰りのための無理な落札が起きないよう、ハード系の公共事業だけでなく、ソフト系、サービスの提供者である請負や業務委託などにも広げるべきではないでしょうか。
重点調査の状況をきちんと振り返りながら、前にも申し上げましたけれども、公契約条例の制定なども含めた、そっくりそのままではないにしても、そのような形の今後の対象範囲を広げることを要望しておきます。
ぜひ頑張っていただきたいと思いますことをつけ加えまして、要望を終わります。
○西沢委員 私の方からは、当せん金付証票、いわゆる宝くじについて質問させていただきたいと思います。
今回、宝くじの二十二年度発売計画が事件案として議案になっておりますが、残念ながら、二十一年度計画に比べて一・八%が減となっております。税収が大幅に減少する中、宝くじは貴重な財源であると。
そこで、東京都における過去五年間の宝くじの売り上げの推移をお尋ねし、また、売り上げの約四割が収益金といわれておりますが、この収益金の推移もあわせて教えていただけますでしょうか。
○長谷川主計部長 過去五年間の都内における宝くじの売り上げの推移でございますけれども、平成十六年度は一千七百十二億円、十七年度が一千七百十億円、十八年度が一千七百十七億円、十九年度が一千六百二十二億円、二十年度が一千五百四十四億円となっておりまして、十八年度以降やや低下しております。
また、過去五年間の東京都の収入となります収益金の推移でございますが、売り上げの推移と連動しておりまして、平成十六年度は六百七十八億円、十七年度が六百七十六億円、十八年度は六百八十五億円、十九年度が六百五十億円、二十年度が六百十八億円となっております。
○西沢委員 昨年度の収益金が六百十八億円となっておりまして、これもかなりの額ではないかと思います。ただ、平成十八年度の六百八十五億円というものが最高で、ここ二年間連続で収益金が前年を下回っているという話でございます。
宝くじは、不況でもというか、不況のときにこそ売れるともいわれるわけでございます。ジャンボ宝くじの売り上げを全国的に見てみますと、十九年度の売り上げ四千五十一億円に比べまして、リーマンショックが直撃した昨年の二十年度は四千九十億円と、若干ですけれども、売り上げは伸びている。また、この時期は、年末ジャンボくじの売り場の前などを見ますと、行列を見ることになりまして、確かに不況にも強いんじゃないかというようなイメージがあります。
ただ、ご答弁にもありましたように、東京都の消化額に関しましては、十九年度、二十年度とも前年に比べて売り上げは減っているというわけでございますから、一概に宝くじが不況に強いと楽観していいわけではないといえるのではないかと思います。
貴重な財源である宝くじの売り上げは、今後どうなっていくと見込んでいるのか、お伺いいたします。
○長谷川主計部長 このところの宝くじの市場関係を見ますと、給与所得の低下や失業率の上昇など消費意欲を減退させる要因が多く、これが宝くじの購入動向にあらわれておりまして、一人当たりの購入単価が減少しております。
例えば、以前は最低でも十枚の購入が多かったわけでございますが、最近では千円で買える三枚の購入が多くなったというような売り場の声も報告されております。
また、中長期的に見れば、我が国の急速な人口減少、とりわけ宝くじの主要購買層であります十五歳から六十四歳の生産年齢人口の減少が予想されております。一人当たりの購入単価が変わらないと仮定しましても、十年後には全国の宝くじの売り上げが一〇%、一千億円も減少するというような試算もございます。
景気回復がすぐに見込めない中、将来不安による消費意欲の減退、人口減少による購入者層の減少など、宝くじを取り巻く環境には厳しいものがあると考えておりまして、昨日、中屋委員長からの一般質問にもございましたけれども、宝くじの売り上げ向上に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
○西沢委員 都の貴重な財源である宝くじの売り上げは今後も厳しい状況であると聞きました。また、今後の税収の落ち込みが激しくて、しかも厳しい状況が続いていくということが予想される中で、売り上げを上げるためには、新商品開発なども必要であるというようなことでございます。昨日の一般質問の中で既に議論がありましたので、私は違う観点から質問したいと思います。
この宝くじでございますが、販売銀行に関してです。昔は第一勧業銀行、そして今はみずほ銀行が発売しているということでございますが、ずっと同じ銀行が発売している、販売しているというような記憶がございますけれども、これはいつから販売しているのか、お伺いをいたします。
○長谷川主計部長 宝くじの受託銀行ですが、昭和二十三年度から、第一勧業銀行の前身であります日本勧業銀行が受託銀行となっております。その後合併などによりまして、昭和四十六年度から第一勧業銀行、平成十四年度からはみずほ銀行となっております。
○西沢委員 銀行の合併などもありますけれども、この宝くじの制度が始まってから、四十年以上にもわたって同一銀行で受託しているというようなことでございます。ずっと同じところが受託していると、これは随意契約ではないのかというように勘ぐってしまうわけでございますけれども、この受託銀行はどのようにして決めているのか、お伺いいたします。
○長谷川主計部長 宝くじの販売を受託する金融機関につきましては、当せん金付証票法によりまして、金融機関からの申請により委託して取り扱わせることとなっております。このため、三カ月ごとに「東京都公報」に公告し、広く募集を行って取扱金融機関を定めております。
このような手続のもとで、これまでみずほ銀行だけが受託申請をしてきているという状況でございます。
○西沢委員 みずほ銀行だけが手を挙げているということでございますけれども、うがった見方をすれば、みずほ銀行一行だけで行っているから、競争原理が働かなくなって、売り上げが落ちているのではないかというような見方も出てくるのではないかという気がいたします。
この一行だけが受託をするとなると、その銀行に何か問題があって、販売に大きな問題が発生して、東京都の収入に大きな影響が出てしまうというようなことがあってはならないと思います。
例えば、平成九年に第一勧業銀行の総会屋の利益供与事件が発生をいたしました。当時の新聞記事のコピーが手元にございますけれども、これも各紙で大きく紙面を割いて報道がされているわけでございます。それだけ大きなものでございましたけれども、これは平成九年の六月六日の日経新聞ですけれども、ちょっと読みます。
宝くじ独占見直し、政府・与党検討。政府・与党は、第一勧業銀行に対して、宝くじの受託業務の独占体制を見直し、他の銀行にも参入を促す方向で検討に入った。自民党などの間で、公共性が高い宝くじの受託業務を、不祥事を起こした銀行だけには任せられないとの見方が強まっているためだ、というような記事がございます。
同様に、当時の自治省、旧自治省や各自治体でも、第一勧銀以外で受託できるようにするべきとの報道もありますし、当時の橋本龍太郎首相も、議論が出るのは当然であるというような発言する記事もございました。
そうした中でございますけれども、法改正が行われて、それまで受託できなかった銀行以外の信用金庫、農協などでも受託できるようにもなったということでございますが、それにもかかわらず、みずほ銀行以外の金融機関が受託をしていないということでございますが、これはなぜでしょうか。
○長谷川主計部長 平成十一年の当せん金付証票法の改正について今お話がございましたけれども、お話のありましたとおり平成九年に発生した第一勧業銀行の不祥事を発端といたしまして、銀行以外の金融機関が受託先となれるよう農協や信用金庫などの銀行以外の金融機関にも拡大し、あわせて、それまで一カ月前でありました公告期日を三カ月前にして、金融機関が受託の準備期間を持てるようにするなど、参入の機会の拡大を図ったものでございます。
こうした中にありましても、先ほどお話しいたしましたように、みずほ銀行以外からの受託申請がない状況が続いておりますけれども、このことは、推測でございますけれども、受託に際して、多数の要員の確保や、あるいは販売に関する専門的なノウハウが必要であること、これまでと同レベルの販売システムを構築するための初期投資などが必要となり、こうしたコストに見合う収益の確保が必要になること、などが背景にあるのではないかというふうに考えます。
○西沢委員 宝くじ販売のノウハウが必要だということがよくわかりました。
私は、特にみずほ銀行でだめだといっているわけではありませんが、競争性を高めて売り上げを上げる観点からは、みずほ銀行以外でも受託できるような新たな工夫が必要ではないかというように考えておりますが、いかがでしょうか。
○長谷川主計部長 先ほど申しましたとおり、法律の趣旨が、広く金融機関にも公開をしているという趣旨からいたしまして、また、さまざまな競争によりまして、より売り上げ向上等のこの事務が適切に執行されるということも含めまして、そういったような受託が拡大される、あるいはほかの金融機関が参加できるといったような条件が整う中で、そういった参加があるというのは望ましいことと考えます。
○西沢委員 わかりました。みずほ銀行のノウハウや動向調査等を活用していくというのもいいと思いますけれども、新たな金融機関の参入によって、みずほ銀行と違った商品企画などが期待できると思うので、検討をお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、これは質問ではなくて要望でございますけれども、宝くじの裏面を見ますと、小さくですけれども、宝くじの収益金は公園整備などの公共事業に充当されていますというように書いております。これも、みずほ銀行が受託してからずっとこの書き方で販売されているということだと思います。
これについて、宝くじの魅力の一つというのは、買って当たることというのは当然でございますけれども、もう一つに関しては、外れても、これは収益金が役に立っていると、役に立つ事業に使われているというようなことで買うという方もいらっしゃるのではないかと思います。ある程度使途については法律で決められているということでございますけども、この収益金については色がついておりませんので、どの公共事業に使われたのか、充当するのかということの記載がないわけでございます。
難しいとは思いますけれども、この収益金がこういった事業に使われているとか、福祉事業に使われていますよというような記載があれば、購入者もふえていくのではないかと思います。こういった記載方法についても工夫していただきたいと要望して、私の質問を終わります。
○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中屋委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時一分散会
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