財政委員会速記録第十二号

平成二十年十月二日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長鈴木あきまさ君
副委員長高倉 良生君
副委員長西岡真一郎君
理事宇田川聡史君
理事秋田 一郎君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
原田  大君
高木 けい君
野上ゆきえ君
遠藤  衛君
東野 秀平君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長村山 寛司君
経理部長塚本 直之君
主計部長真田 正義君
主税局局長熊野 順祥君
総務部長宮下  茂君
会計管理局局長三枝 修一君
管理部長山本  隆君
収用委員会事務局 局長野口  孝君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
・第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出-財政委員会所管分
・第百五十八号議案 平成二十年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
・第百六十五号議案 東京オリンピック開催準備基金条例の一部を改正する条例
・第百八十八号議案 都立久我山学園特別支援学校(仮称)(二十)改築その他工事請負契約
・第百八十九号議案 都庁第一本庁舎(二十)防災設備改修工事請負契約
・第百九十号議案  都庁第一本庁舎(二十)ビル管理設備改修工事請負契約
・第百九十一号議案 都庁第二本庁舎(二十)ビル管理設備改修工事請負契約
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○鈴木委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分及び第百五十八号議案、第百六十五号議案並びに第百八十八号議案から第百九十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 なお、第百八十八号議案の契約議案につきましては、事業所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成二十年九月二十九日
文教委員長 古館 和憲
財政委員長 鈴木あきまさ殿
契約議案の調査について(報告)
 九月二十六日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百八十八号議案 都立久我山学園特別支援学校(仮称)(二十)改築その他工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

○鈴木委員長 ただいま原田委員外二名から第百五十七号議案に対して編成替えを求めるとともに第百五十八号議案の撤回を求める動議が、また、曽根理事から第百五十七号議案に対して編成替えを求め、第百五十八号議案の撤回を求める動議が、それぞれ提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出 財政委員会所管分の編成替えを求めるとともに、第百五十八号議案 平成二十年度東京都公債費会計補正予算(第一号)の撤回を求める動議(案)
 第百五十七号議案平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出 財政委員会所管分については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えの上、再提出をするとともに、関連する第百五十八号議案平成二十年度東京都公債費会計補正予算(第一号)については、これを撤回することを求める。
 右の動議を提出する。
  平成二十年十月二日
(提出者)
 原田  大  野上ゆきえ  西岡真一郎
財政委員長殿
     記
一般会計
 歳出
1 公債費を五百三十九億七千七百万円削除する。
2 諸支出金を五百三十九億七千七百万円計上する。
(1)財政調整基金積立金を五百三十九億七千七百万円計上する。
公債費会計
 歳入
1 一般会計からの繰入金を五百三十九億七千七百万円削除する。
 歳出
1 公債費を五百三十九億七千七百万円削除する。
(1)減債基金積立金を五百三十九億七千七百万円削除する。

第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出 財政委員会所管分の編成替えを求め、第百五十八号議案 平成二十年度東京都公債費会計補正予算(第一号)の撤回を求める動議(案)
 第百五十七号議案平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出 財政委員会所管分については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えの上、再提出をするとともに、関連する第百五十八号議案平成二十年度東京都公債費会計補正予算(第一号)については、これを撤回することを求める。
 右の動議を提出する。
  平成二十年十月二日
(提出者)
 曽根はじめ
財政委員長殿
     記
一般会計
 歳入
1 繰越金を五百三十九億七千七百万円減額する。
 歳出
1 公債費を五百三十九億七千七百万円削除する。
公債費会計
 歳入
1 一般会計からの繰入金を五百三十九億七千七百万円削除する。
 歳出
1 公債費を五百三十九億七千七百万円削除する。
(1)減債基金積立金を五百三十九億七千七百万円削除する。

○鈴木委員長 本動議をあわせて議題といたします。
 この際、本動議の趣旨説明のため、発言を求められておりますので、これを許します。

○原田委員 都議会民主党を代表して、ただいま提出いたしました第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算の編成替えとともに第百五十八号議案、平成二十年度東京都公債費会計補正予算の撤回を求める動議について、提案理由説明を行います。
 国内景気が後退局面に入るとともに、米国発の金融不安が大きくなることで、その先行き不透明感は一層増幅しています。
 都民の暮らしは、ガソリンや食料品等の価格上昇によって大打撃を受け、都内企業は経営が圧迫され、倒産件数なども増加しています。
 このような情勢の中、今回、東京都から補正予算案が提出されました。新型インフルエンザ対策、学校耐震化の促進、中小企業対策などは評価するものの、補正予算案の過半は新銀行関係であり、実は石原知事の失政である新銀行東京の損失処理をカムフラージュする予算であることから、都民は政治不信と不満を高めています。
 新銀行はそもそも知事が構想し、国からマスタープランを根拠に都債発行の許可を受け、一千億円の出資をして設立しましたが、開業三年で一千十六億円の累積損失を出し、都の財産八百六十一億円を失ってしまいました。
 今回、石原知事は、新銀行の減資に伴う会計処理として減債基金への積み立てを提案されましたが、新銀行の発案者であり筆頭株主代表でもある知事が、政治的、道義的責任を明確にすることが先決であり、我が党は、にわかにこれを認めることはできません。
 また、都は、報告に改ざんや粉飾があったとする新銀行旧経営陣の経営責任を追及する方針を示していますが、対応を早急にまとめ、訴訟の提起も含めた結論を出すべきであります。
 さらに、今月、金融庁の検査結果が通知されることから、新銀行の決算や再建計画が本当に妥当なものかを改めて検証すべきです。そうでなければ、新銀行の真の株主である都民は、決して納得できないでしょう。
 また、減債基金への早期積み立てによる財政的なメリットは、ほかの方法、財政調整基金に積み立てることでも達成できます。都債発行への悪影響も、都が巨額の累積損失を抱える新銀行に四百億円の追加出資をしたことの方が都債に悪影響を及ぼしているといわざるを得ません。
 今回の提案において、組み替えの対象は新銀行対策のみではありますが、その規模は補正予算の約六割に当たるため、私たち都議会民主党は補正予算の組み替えを提案するものです。
 以下、補正予算案組み替えのポイントを説明いたします。
 地方財政法の規定を踏まえ、五百三十九億七千七百万円を財政調整基金に積み立てます。
 各委員の皆さんの賛同をお願いして、提案理由といたします。

○曽根委員 日本共産党都議団の補正予算案に対する組み替え動議を提案いたします。
 石原知事が提案している今年度補正予算案は、中小企業対策など、かねてから日本共産党が提案してきた施策が盛り込まれているものの、その六割の五百四十億円は、一千十六億円の累積損失を生み出し、破綻した新銀行東京の減資に対応する減債基金積み立てに充てられています。
 しかし、現在、都民は、原油・物価高騰、重税と社会保障の負担増などによって、かつてない苦しみに置かれており、東京都が優先すべきは、都民の暮らし、福祉を初めとする切実な都民要望にこたえることです。
 我が党は、昨年度の決算剰余金については、減債基金積み立てに使うのではなく、中小企業融資の拡充、高齢者や子育て世代への支援、低所得者の生活支援、教育条件整備などを中心に切実な都民要望の実現のために活用することを目指して、二〇〇八年度補正予算案を組み替えるよう提案するものです。
 残念ながら補正予算は常任委員会分割付託のため、組み替えた五百四十億円は直ちに都民施策に活用できるよう、繰越金に戻すことを提案するものです。
 各会派のご賛同をお願いいたします。
 以上です。

○鈴木委員長 発言は終わりました。
 この際、本案に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 今、提案いたしました組み替え動議以外の付託議案の反対案件について意見を述べます。
 第百六十五号議案、東京オリンピック開催準備基金条例の一部改正については、パラリンピックの文言を入れるだけの内容ですが、この基金そのものに私ども反対しておりますので、この条例改正に反対いたします。
 また、久我山の障害児学校の工事請負契約につきましては、賛成議案でありますが、異なる障害の子どもたちを一緒の学校にしてしまうという大きな問題点を残していることを指摘しておきます。
 以上です。

○鈴木委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、曽根理事から提出された第百五十七号議案に対して編成替えを求め、第百五十八号議案の撤回を求める動議を採決いたします。
 本動議は、起立によって採決いたします。
 本動議に賛成の方は、ご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
 次に、原田委員外二名から提出された第百五十七号議案に対し編成替えを求めるとともに第百五十八号議案に対し撤回を求める動議を採決いたします。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
 次に、第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分及び第百五十八号議案を採決いたします。
 本案は、起立によって採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立多数と認めます。よって、第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財政委員会所管分及び第百五十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百六十五号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立多数と認めます。よって、第百六十五号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十八号議案から第百九十一号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十八号議案から第百九十一号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○鈴木委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、村山財務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○村山財務局長 所管四局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、本定例会に提案いたしました議案につきましてご決定をいただきまして、まことにありがとうございました。
 審議の過程で賜りました貴重なご指摘、ご意見につきましては、十分尊重させていただきまして、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 昨年十月以来、一年にわたりまして、鈴木委員長初め委員の皆様方には、二十年度予算の編成、都の財源を奪う動きへの反論、法人事業税の一部国税化への対応、公会計制度改革など、私どもが所管しております事務事業につきまして、さまざまな視点から熱心にご審議をいただきました。
 皆様方には、今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○鈴木委員長 発言は終わりました。
 それでは、最後に、私からも一言ごあいさつをさせていただきます。
 一年前、委員各位のご推挙によりまして、財政委員会の委員長に就任をさせていただきまして以来、厳しい景気動向の中、単品スライド条項の適用や今回の補正予算の審査等、都財政の直面するさまざまな問題への審査を行ってまいりました。
 本日まで委員長として職責を全うすることができましたのも、ひとえに西岡副委員長、高倉副委員長初め理事の皆様方の格別のご協力と委員各位の皆様、そして理事者各位のご協力によるものでございます。厚くお礼を申し上げます。
 今後、この委員会に残って審議を続けてくださる先生方、また、あるいは、他の委員会に移る先生方など、いろいろおられると思いますけれども、今後とも都政発展のためにお力添えをいただきたいと思います。
 終わりに、皆様方の今後ますますのご発展とご活躍をご祈念申し上げまして、私からのお礼のごあいさつとさせていただきます。
 一年間、大変お世話になりまして、ありがとうございました。(拍手)
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十五分散会

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