財政委員会速記録第九号

平成十八年六月十九日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長東村 邦浩君
副委員長大沢  昇君
理事鈴木 隆道君
理事村上 英子君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
高倉 良生君
佐藤 広典君
吉田康一郎君
神林  茂君
門脇ふみよし君
桜井  武君
大西 英男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長谷川 健次君
経理部長臼井  勇君
主計部長安藤 立美君
主税局局長菅原 秀夫君
総務部長三橋  昇君
出納長室出納長幸田 昭一君
副出納長島田幸太郎君
収用委員会事務局局長嶋津 隆文君
審理担当部長井戸 秀寿君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百四十八号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第百六十七号議案 都立町田高等学校(H十八)改築及び改修工事請負契約
・第百六十八号議案 警視庁大崎警察署庁舎(H十八)改築工事請負契約
・第百六十九号議案 平成十八年度東京港臨海道路(Ⅱ期)南北水路横断橋(仮称)鋼けた製作・架設工事請負契約
・第百七十号議案 都有地の不法占拠者に対する工作物収去土地明渡等請求訴訟事件に関する和解について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査、調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百四十八号議案、第百六十七号議案から第百七十号議案まで及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 なお、第百六十七号議案から第百六十九号議案までの契約議案につきましては、事業所管の委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十八年六月十六日
文教委員長 村松みえ子
財政委員長 山加朱美殿
契約議案の調査について(報告)
 六月十四日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
(1)第百六十七号議案 都立町田高等学校(H十八)改築及び改修工事請負契約
2 調査結果
(1)自民党、民主党、公明党、日本共産党は、本議案に対し異議はありません。

平成十八年六月十五日
警察・消防委員長 臼井孝
財政委員長 山加朱美殿
契約議案の調査について(報告)
 六月十四日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百六十八号議案 警視庁大崎警察署庁舎(H十八)改築工事請負契約
2 調査結果
 異議はありません。

平成十八年六月十五日
経済・港湾委員長 大塚たかあき
財政委員長 山加朱美殿
契約議案の調査について(報告)
 六月十四日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第百六十九号議案 平成十八年度東京港臨海道路(Ⅱ期)南北水路横断橋(仮称)鋼けた製作・架設工事請負契約
2 調査結果
(1)自民党、民主党、公明党及びネットは、本議案に対し異議はありません。
(2)日本共産党は、本議案に対し次の意見がありました。
 (意見)
 今回の契約は、入札した企業すべてが六、七箇月の指名停止を受けており、さらに全国でも談合が大きな社会問題になっている時であり、発注は控えるべきである。また、落札率が五七%と過去に例のない低価格の契約であることも問題である。臨海副都心開発は、これまでに二兆円を超す都財政が投入され、今後も多額な都財政の投入が予定されており、今回の工事もその例である。誰の目から見ても破綻が明らかになっている臨海副都心開発に、これ以上都財政を投入し基盤整備を行うべきではない。

○山加委員長 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○吉田委員 私からは百七十号議案に関連して意見を申し述べます。
 この議案は、長年不法占拠されてきた都有地を不法占拠者に時価の約二五%の価格で売り払うというものであります。
 このような条件で和解をするという背景には、不法占拠状態にあった都有地について、その不法占拠の状態を解消、適正化するために有効な手だてを数十年間にわたり全く講じてこなかった、善意で十年、悪意で二十年という時効の進行をとめるために必要な措置を何も講じずに、何十年も見て見ぬふりをして放置してきたという、東京都の信じられないような怠慢があったわけであります。
 その結果、本件地に先立って処分された簡易住宅用地の住宅敷については、時価のわずか七%で払い下げることになり、本件地については、時価の約二五%という、やはり驚くような価格で売り渡すことになるという議案であります。
 先日の委員会で申し上げたとおり、時価で売り払うというのならば何の問題もありません。しかし、税金が払えないために住みなれた土地を売らなければならないような人も数多くいる、そのようなつらく厳しいことを都民の皆様に耐え忍んでいただいている中で、都民全体の財産が、都の怠慢が原因で、信じがたい経緯と金額で不法占拠を続けた人のものになってしまうということは、絶対にあってはならないことであり、今後、このような怠慢は、過去にいかなる事情や経緯があろうとも、二度と許されないものであると考えます。
 今現在、本件地以外の都有地で現に不法占拠が続けられ、時効が進行しているような土地がないか、財務局のみならず、他局にも働きかけていただき、また、区市町村にも働きかけていただき、総点検を行っていただいて、もしそのような物件があれば、必ず早急に適切な措置をとっていただかなければなりません。
 このことを強く要望いたしまして、議案に賛成をいたします。
 以上です。

○曽根委員 本委員会に付託された議案について、日本共産党の意見を述べます。
 第百四十八号議案、都税条例の一部改正は、二〇〇三年度以来の三位一体改革に基づく一連の税制改定の総仕上げというべきもので、老年者控除、公的年金控除、配偶者特別控除の廃止、定率減税の半減、全廃、さらに国税からの財源移譲と並行して個人住民税をフラット化するなど、全体で都民税、区市町村民税合わせて一千五百億円、四人家族で五万円の庶民増税となり、さらに今後、国保料、介護保険料などに上乗せ転嫁されていこうとしています。
 一方で、今回、史上空前の利益を上げている大企業などに対して、八年間で一兆六千億円も行ってきた地方税の減税措置を、もとに戻すどころか国と連動で本則としてしまうなど、大企業優遇が露骨に行われるもので、断じて許されません。
 よって、本議案に反対するものです。
 また、第百六十九号議案、東京港臨海道路(Ⅱ期)工事の請負契約は、もともと臨海三セクとともに臨海開発事業そのものが、オフィス計画の上でも財政的にも破綻が明らかになっているとき、本来ならば凍結をし、根本から見直すべき事業であります。
 しかも、入札に参加した全企業が指名停止を受けていたその解除後、六カ月から七カ月しか過ぎていない、全国での橋梁談合の問題が大きな社会問題となっていた直後の入札であり、慎重に行われるべきであり、再開時期が早過ぎるということも指摘しなければなりません。
 落札率五七%、異常な低価格になっている問題についても、今後の解明が求められているところです。
 よって、本議案についても我が党は反対することを申し上げて、意見といたします。

○伊沢委員 今回、財政委員会に提出されております六議案のうち三議案に反対する討論をいたしたいと思います。
 まず、東京都都税条例の一部を改正する条例についてですけれども、今回のこの条例は、個人都民税を一律化するということ、そして定率減税廃止、また、法人事業税の本則化、都のたばこ税の引き上げなど、この全般を見ますと、高額所得者以外にとっては大変厳しい税制であり、経済格差を拡大する大変不公平な税制であるといえます。まさに取りやすいところから取る税制であり、また、所得の低いところにこそ負担が大きくなるような税制度となっております。
 特に個人都民税については、今まで七百万円以下については二%、七百万円超については三%であったものを一律四%とすることについては大変不公平であるという観点から、この条例に反対をいたします。
 また、百六十八号議案、警視庁大崎警察署庁舎改築工事請負契約につきましては、これは三者の入札において落札率が九〇・七%と、大変高どまりしております。そういうことから、競争原理が働いていないと考え、この議案に反対をいたします。
 また、百六十九号議案につきましては、臨海副都心開発の方針について、先日、東京テレポートなど第三セクターの三社、債権放棄がなされたばかりであり、まさに経営破綻が明らかとなっております。
 このような状況下におきまして、臨海副都心への投資を中止し、そして計画を見直すべきであるという立場から、この議案に反対をいたします。
 以上をもって終了いたします。

○山加委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十八号議案及び第百六十九号案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十八号議案及び第百六十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百六十八号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第百六十八号議案は、原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第百六十七号議案及び第百七十号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、第百六十七号議案及び第百七十号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、報告のとおり承認することに決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○山加委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りをいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○山加委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、幸田出納長から発言を求められておりますので、これを許します。

○幸田出納長 所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されました各議案につきまして、それぞれご審議の上、決定をいただきまして、まことにありがとうございました。
 この間、委員の皆様方からちょうだいいたしました貴重なご指摘、ご意見につきましては、今後の行政運営、事務の執行に反映をさせ、万全を期してまいります。
 今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、御礼のごあいさつといたします。ありがとうございました。

○山加委員長 発言は終わりました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十二分散会

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