財政委員会速記録第五号

平成十八年三月二十二日(水曜日)
第二委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長東村 邦浩君
副委員長大沢  昇君
理事鈴木 隆道君
理事村上 英子君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
高倉 良生君
佐藤 広典君
吉田康一郎君
神林  茂君
門脇ふみよし君
桜井  武君
大西 英男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
主税局局長菅原 秀夫君
総務部長三橋  昇君
税制部長川村 栄一君
税制調査担当部長宮下  茂君
参事橋本 隆之君
課税部長松田 曉史君
資産税部長安田 準一君
徴収部長吉田 裕計君
特別滞納整理担当部長齊藤 吉民君
出納長室出納長幸田 昭一君
副出納長島田幸太郎君
副出納長牛山 幸彦君
参事細野 友希君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出 出納長室所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十六号議案 東京都収入証紙条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成十七年度資金管理実績(第三・四半期)について
 主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十八年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 平成十八年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 東京都宿泊税条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成十八年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
都市計画税の軽減措置継続に関する請願
(1)一七第四一号
(2)一七第四六号
(3)一七第五〇号
(4)一七第五四号
(5)一七第五八号
(6)一七第六二号
(7)一七第六六号
(8)一七第七〇号
(9)一七第七四号
(10)一七第七八号
(11)一七第八五号
(12)一七第八九号
(13)一七第九三号
(14)一七第九八号
(15)一七第一〇二号
(16)一七第一〇七号
(17)一七第一一一号
(18)一七第一一五号
(19)一七第一一九号
(20)一七第一二三号
(21)一七第一二七号
(22)一七第一三一号
(23)一七第一三七号
(24)一七第一四一号
(25)一七第一四六号
(26)一七第一五一号
(27)一七第一五五号
(28)一七第一六三号
(29)一七第一七四号
小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置継続に関する請願
(30)一七第四二号
(31)一七第四七号
(32)一七第五一号
(33)一七第五五号
(34)一七第五九号
(35)一七第六三号
(36)一七第六七号
(37)一七第七一号
(38)一七第七五号
(39)一七第七九号
(40)一七第八六号
(41)一七第九〇号
(42)一七第九四号
(43)一七第九九号
(44)一七第一〇三号
(45)一七第一〇八号
(46)一七第一一二号
(47)一七第一一六号
(48)一七第一二〇号
(49)一七第一二四号
(50)一七第一二八号
(51)一七第一三二号
(52)一七第一三八号
(53)一七第一四二号
(54)一七第一四七号
(55)一七第一五二号
(56)一七第一五六号
(57)一七第一六四号
(58)一七第一七五号
負担水準が六五%を超える商業地等における固定資産税税額の軽減措置継続に関する請願
(59)一七第四三号
(60)一七第四八号
(61)一七第五二号
(62)一七第五六号
(63)一七第六〇号
(64)一七第六四号
(65)一七第六八号
(66)一七第七二号
(67)一七第七六号
(68)一七第八〇号
(69)一七第八七号
(70)一七第九一号
(71)一七第九五号
(72)一七第一〇〇号
(73)一七第一〇四号
(74)一七第一〇九号
(75)一七第一一三号
(76)一七第一一七号
(77)一七第一二一号
(78)一七第一二五号
(79)一七第一二九号
(80)一七第一三三号
(81)一七第一三九号
(82)一七第一四三号
(83)一七第一四八号
(84)一七第一五三号
(85)一七第一五七号
(86)一七第一六五号
(87)一七第一七六号
固定資産税における償却資産の取扱いに係る意見書の提出に関する請願
(88)一七第一五四号
(89)一七第一五八号
(90)一七第一六六号
(91)一七第一七七号
都市計画税の軽減措置継続に関する陳情 (92)一七第五九号
小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置継続に関する陳情
(93)一七第六〇号
負担水準が六五%を超える商業地等における固定資産税税額の軽減措置継続に関する陳情
(94)一七第六一号

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、出納長室及び主税局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに主税局関係の請願陳情の審査を行います。
 これより出納長室関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、出納長室所管分、第五十六号議案及び報告事項、平成十七年度資金管理実績(第三・四半期)についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○村上委員 先日の予算特別委員会において、我が党の吉野理事から、日本銀行が量的緩和政策の解除を決定したことについて、その影響に対する認識とご見解について出納長に伺いました。
 バブル崩壊後、長期にわたり低迷を続けていた日本経済も、ようやく長いトンネルを抜け、景気は緩やかながらも回復基調に向かっております。金融不安の根源といわれてきた不良債権問題も、大手行を中心に半減の目標を達成し、このところ、金融機関の経営状況にも安定感が見られるようになってまいりました。また、中小企業にとっては依然として厳しい環境が続いているものの、雇用、債務、設備のいわゆる三つの過剰の解消により、企業の体質強化と収益向上が実現してまいりました。さらに、企業部門の好調さが家計部門へ波及することによって、個人消費についても緩やかな増加が見られ、消費者物価指数も、昨年末より継続的にプラスの状態となってまいりました。今回の日銀の決定も、こうした経済金融情勢の流れの一環といえると思います。
 先日の吉野理事の質問に対し、出納長からは、金利の変動は、中小企業の資金調達コストや住宅ローン金利が変動するなど、都民生活に影響が出る可能性があるとともに、都財政においても、都債の調達コストや公金の運用益などに直接的な影響が生じる可能性があるとのお答えをいただきました。都債への影響については、先日の財務局に対する質疑においても質問がありましたので、ここでは、公金の運用に対する影響について、これまでも種々努力を重ねてこられたことを十分承知の上で、何点かお尋ねしたいと思います。
 公金の管理について、これまで出納長室としてどのような対応をされてきたのか、確認の意味で伺います。

○島田副出納長 東京都では、平成十四年四月の定期性預金のペイオフの解禁以来、公金管理の原則を定めました東京都資金管理方針、並びに投資対象をどのような組み合わせで分散投資するかを示します東京都におけるポートフォリオ、こういったものを作成いたしまして、公金の安全性を最重要視した上で効率性を追求することを基本方針として公金の管理運用を行ってまいりました。
 具体的には、預金先等につきまして、財務基盤や経営状況、こういったものが良好なものとして都の定める基準を上回る金融機関を選定いたしまして、その上で資金状況や金利動向などに留意しつつ、効果的な方法により保管、運用を行っているところでございます。
 また、私どもだけでは足りませんので、率直に申し上げまして、金融分野の専門家などで構成していただいております東京都公金管理委員会を設置いたしまして、公金の管理運用に関するアドバイスを得ながら、金融情勢の変化に対し的確な判断を行うとともに、資金管理の実績などを定期的に公表することにより、都民に対する説明責任を果たしているところでございます。
 なお、昨年四月でございましたけれども、ペイオフが全面解禁されたところでございますが、都は、これまでと同様の対応を継続しまして、安全性を最重要視した上で効果的な保管、運用を行っているところでございます。

○村上委員 ペイオフの解禁によって、金融機関への預金が必ずしも安全なものではなくなったという大変厳しい環境の中での危機管理対応としては、当然の方策であったかと思います。
 次に、資金運用についてお伺いいたします。
 出納長室が資金管理の対象としているものには、大きく分けて、歳計現金と基金とがあります。このうち歳計現金は、日々の支払いに充てるための資金という性格であることから、ここでは特に基金に絞ってお尋ねをさせていただきます。
 基金については、私は先日の予算特別委員会の質問の中で、基金残高が平成十八年度末に隠れ借金の残高を上回る見込みとなったことは、都財政立ち直りの象徴的出来事であることを指摘し、また、これまでの財政再建に向けた努力が報われ、非常に喜ばしいことだと申し上げました。
 一方で私は、基金残高の確保のための都財政運営における重要性をただしたところ、財務局長から、税制の不安定をカバーするために、将来に向けて基金を蓄えておくことが重要だとのご答弁をいただきました。基金の役割については、私も十分理解をしているところであり、その役割にかんがみれば、管理と運用ということが大変重要になってくることと思います。
 そこでお伺いをいたします。
 基金の運用はどのような考え方に基づいて行っているのか、お伺いいたします。

○島田副出納長 基金の運用でございますけれども、これは地方自治法に定めるように、基金の設置目的に応じて、確実かつ効率的な運用を図るということでございます。具体的には、それぞれの基金の運用可能残高の推移がございますので、まず、最も効率的になるような運用期間を定めまして、かつ安全性を最重要視した上で、最も条件のよいと思われる商品を選び、運用しているところでございます。

○村上委員 ところで、平成十八年度予算案においては、東京オリンピック開催準備基金を新たに創設し、一千億円が計上されております。先日のオリンピック招致決議にもあるように、オリンピックの開催は、環境に優しい、豊かで安全な、成熟した都市東京を実現する契機としなければならないと考えます。
 同時にまた、予算特別委員会においても、私は、二〇一六年開催のオリンピック並びにパラリンピックの招致を成功させたいという立場から、特にオリンピックの施設整備について質問させていただきました。その際は、私は、大会後の利用も十分考慮した施設整備あるいは施設の有効利用を図るべきだと申し上げました。東京の将来の姿を見据えた、都民の利便性、安全性の向上のためのインフラ整備を行う必要があると考えます。
 こうした施設、基盤整備を財政面からしっかりと支えるために、今回基金を新設するわけですけれども、その基金から得られる運用益も重要な資金の一部となります。
 そこでお伺いをいたしますが、オリンピック開催準備基金の運用はどのように行うのでしょうか、お伺いいたします。

○島田副出納長 東京オリンピック開催準備基金でございますが、本定例会に提案されております条例案にございますように、その設置の目的は、オリンピック開催に関連する社会資本等の整備に要する資金に充てるものでございまして、本定例会において予算のご議決をいただいた後、新年度に積み立てる予定になっているところでございます。
 この基金の運用につきましてでございますが、今後、運用の期間並びに方法等について、担当局と調整させていただきまして定めることになる、こういうふうに考えております。

○村上委員 さて、日銀は、今回の政策決定後も当面ゼロ金利政策を維持するとしています。福井日銀総裁も、会見において、量的緩和解除後も基本的にはゼロ金利が続くと答えておりますが、しかし、今後も引き続き景気の回復基調は続くと考えられますし、金利は上昇していくと考えるのが自然だと思われます。
 そこで伺いますが、量的緩和解除により金利の上昇が見込まれていますが、これにより、基金の運用方針に変更があるのかどうか伺います。

○島田副出納長 基金を初めといたします公金といいますのは、もう私が申し上げるまでもなく、都民から負託されている大切な資金でございます。安全性を最重要視した上で、基金の目的と資金の性格を踏まえまして、流動性にも配慮しつつ、効率的な運用に努めなければならない、こういったことに変わりはないというふうに考えております。
 したがいまして、これまでの運用方針そのものに変更はございません。ただ、しかしながら、効率性の追求という観点から、今理事がご指摘されたような環境になってまいります。したがいまして、金利の動向につきましては、これまで以上に的確な対応が必要になってくる、こういうふうに考えているところでございます。
 なお、現在、今後の金利環境を踏まえました平成十八年度の資金管理計画を策定しているところでございます。

○村上委員 確かに、金利が上昇したとしても公金の運用は安全性が第一であることに変わりはなく、今後ともしっかりとしたリスク管理を行っていただきたいと思います。
 さて、来年度の資金管理計画を策定中とのことですが、金利の上昇についてはどのような形で計画に盛り込む方向で検討しているのか、お伺いいたします。

○島田副出納長 今後、景気回復が継続すれば、ある程度の金利上昇は予測されるということでございますが、一方、原油価格の上昇など、必ずしも景気にプラスの影響を与えることばかりではないという見方もあるわけでございます。こういった状況を踏まえますと、平成十八年度におきましては、いわゆるラダー型ポートフォリオ、これは収益力と金利変動、リスクのバランスを確保するという、そういったものでございますが、このラダー型ポートフォリオと、運用の対象額を可能な限り長期間運用する、一括運用を組み合わせる、こういったことによりまして、金利変動に機動的に対応できるようにしたいというふうに考えております。これによりまして、安定的で効率的な資金配分となるような方向で今検討しているところでございます。
 なお、十八年度の資金管理計画につきましては、昨年と同様に、この三月末を目途に策定したい、それで公表したい、こういうふうに考えているところでございます。

○村上委員 今後の公金管理は、安全性の確保は当然のこととして、これまで以上に運用益をふやすという意味での効率性が求められると思います。新年度は、これまでにない新たな運用環境が待ち受けており、その中でしっかりと公金を運用していくことが出納長室の使命だと考えます。
 そこで、最後に、新年度に向けて、今後の公金管理に取り組む出納長の強い決意をここで改めてお伺いをさせていただきます。

○幸田出納長 少し副出納長の答弁と重なるかと存じますけれども、日銀は、平成十三年の三月、ちょうど五年前に相なりますけれども、量的緩和政策というものを導入したわけでございます。当時、日本経済は世界的なITバブルの崩壊、あるいはまた、これをきっかけに景気後退局面に入ってきた。当時、先生方にもご案内かと思いますが、金融機関のいわゆる不良債権問題、また、これに関連いたしましての金融システムの不安というようなものがございまして、景気の悪化に伴う需要の減少が、物価の下落、また、それがさらに需要の減退につながるという悪循環、いわゆるデフレスパイラルという状況が、そういう状況に陥る可能性が懸念されていたわけでございます。
 こうした状況の中で日銀が、物価の継続的な下落を防ぐ、あるいはまた持続的成長のための基盤を整備する、こういう観点から、内外では例のない量的緩和政策という金融政策の導入に踏み切ったわけでございます。
 この政策というのは、実は二つの中身がございました。一つは、日銀が、金融機関が準備預金制度等により預け入れを求められている金額を上回る日銀当座預金を供給するということ。それからもう一つは、こうした潤沢な資金供給を消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続する、こういう約束をしたわけでございます。その後、景気は回復基調に転じまして、消費者物価指数等の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上と相なったことによりまして、今般、日本銀行が量的緩和政策を解除し、市中金利を調整する本来の政策に回帰したととらえることができようかと存じます。
 そういう中で、今後につきまして、先ほど理事からもお話がございましたように、福井総裁は、しばらくはゼロ金利を継続する旨の発表をしております。ですが、既にきょうの新聞等々でもご案内のとおりでございますけれども、金融機関における住宅ローン金利の上昇なども見られるようになってきております。こうしたことから、景気の回復が穏やかながら今後とも続くとすれば、お話のように、短期的にはともかく、中長期的には金利の上昇の可能性というのは否定できないというふうに思っております。
 現在、先ほどご答弁させていただきましたように、十八年度の資金管理計画を作成しているところでございますけれども、来年度はこれまで以上に景気の動向や金融政策の先行きなどを一層注視いたしまして、効果的な商品の選択や、あるいは運用方法にも工夫を凝らして、安全性を最重要視した上で効率的な運用を図ってまいりたいと考えてございます。

○吉田委員 ただいまご質問がありましたので、なるべく重ならないように質問してまいりたいと思います。
 ただいまもご質問がありましたとおり、日銀の量的緩和政策の解除を受けまして、実際、新聞報道等見ますと、例えば三菱東京UFJ銀行が二十日、一昨日、定期預金金利を五年ぶりに引き上げた、一年物の金利が、これまでの〇・〇三の倍の〇・〇六にしていると。また、本日は、みずほ銀行や三井住友銀行も金利の引き上げというのをするようでございます。実際にこのような影響が起きているということで、先週、先日は財務局さんの方に、調達面で都債への影響について伺ったのでございますが、今回出納長室さんの方には、私からも、公金管理への影響、基金の運用について幾つかお伺いしていきたいと思います。
 まず、都が運用の対象としている基金にどのようなものがあるのか、その規模と、これまで三年間の推移についてお伺いをいたします。

○島田副出納長 運用の対象となります基金の種類は、現在、財政調整基金、それから減債基金、それから社会資本等整備基金などの九基金がございます。十八年度につきましては、ご議決いただきました後には、これらに東京オリンピック開催準備基金、それから離島漁業再生支援基金の二基金が加わりまして、合計で十一基金になる見込みでございます。
 規模の推移を申し上げますと、私どもで運用の対象となっているものの平均残高ベースで見ていきますと、平成十四年度は一兆三千五百九十三億円、十五年度は一兆一千七百三十五億円、十六年度は減りまして、七千二百八億円となっております。十七年度は約六千九百億円となる見込みでございます。基金残高の減少といいますのは、基金の廃止や、それから臨時的な財源対策としての基金の取り崩し及び減債基金への積み立ての一部見送りなどが主な要因でございます。
 なお、平成十八年度につきましては、十七年度最終補正予算による積み立てが約二千億円ございます。そういう意味で、平均残高は四年ぶりに増加しまして、約九千二百億円になるものというふうに考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。それでは、その基金の運用益と利回りの推移について、また重ねてご質問いたします。

○島田副出納長 基金の運用収入でございますが、平成十四年度は約二十三億円、十五年度は約十五億円、十六年度は約六億五千万円でございました。
 また、運用利回りにつきましては、平成十四年度は〇・一七二%、十五年度は〇・一二八%、十六年度になりますと〇・〇九〇%と低下しております。これは、金利の高かった時期に設定した預金とか債券が満期や償還を迎えたことによりまして、全体の利回りが低下したものでございます。
 なお、十七年度につきましては、昨年度に比べて運用収益は増加し、利回りも上昇する見込みというふうに考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。運用益、利回りともに変動しているというご答弁でございましたが、運用に当たりまして、具体的にどのようなジャンルの商品を投資の対象としているのか、また、運用対象に変化があるのかについてお伺いいたします。

○島田副出納長 投資可能対象の商品につきましては、都の資金運用基準で定めております東京都資金管理方針で規定しておりまして、預金のほかに国債、政府保証債、財投機関債、それから金融債、社債などを運用対象としているところでございます。
 預金につきましては、都の定める基準をクリアする金融機関のみに行っております。債券の購入に当たっては、発行体ごとに格付や決算データを分析しまして、経営状況等の判断を加えた上で総合的な信用リスクを判断し、十分信用力が高いと判断される発行体に限定しているところでございます。
 これまで、安全性の確保を図りつつ、効率性を追求する観点から、運用の対象商品を順次拡大してまいりました。さらに、以前に購入した利回りの低い国債を売却しまして、利回りの高い金融債、それから政府保証債などを購入し、利回りの向上に努めてまいった、こういうふうに考えているところでございます。

○吉田委員 いろいろ運用対象商品を順次拡大してきたということでございます。
 ただいま、先ほどのご質問で、安定的にということが大変重要だというご答弁があったんですが、一応念のためというか、改めて、運用対象商品を今後拡大していくことを考えておられるかどうか、お伺いします。

○島田副出納長 現状におきましても、運用商品、先ほど申し上げましたものすべてを対象にするんじゃなくて、十分に信用力が高いと判断されるものに限定して運用を行っているところでございます。
 今後さらに、今ご質問がありましたように、対象商品を拡大するかということになりますと、安全性を十分確保するにはリスクを伴う商品、そういった商品が対象とならざるを得ません。これらは、率直に申し上げまして、公金を安全に管理するという観点からはそぐわないのではないかと。特に公金でございますので、しつこいようですが、一円たりとも毀損してはいけない、なくしてはいけないという観点がございますので、現時点では直ちに拡大できるというふうには思っておりません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○吉田委員 ありがとうございます。全くもっともなご答弁だと思います。
 そうしますと、どのように高い金利を付利する機会を得るかということが重要な問題になってくると思います。そこで、現在の運用の方法、具体的なところ、例えば三カ月や六カ月といった期間の定期性預金などについては、どのように預け入れ先を決めているのか、お伺いいたします。

○島田副出納長 私どもで、都で定めます安全性の判断基準によりまして基準を満たしている金融機関、こういった金融機関のみに対しまして、設定の金額ですとか設定の期間などを示して各行から利回りを提示させる、いわゆる引き合いといわれる方法でございますけれども、そういった引き合いの方法の中で最も条件のよい金融機関に設定する、そういう方法をとっております。
 それから、債券でございますけれども、これも証券会社からのオファーをもとに、市場の金利動向なども勘案し、場合によりましては、私ども出納長室で交渉して、さらによい条件を出していただくなど、その時点で最も利回りの条件がよいと思われる商品を選択しまして購入しているところでございます。

○吉田委員 いろいろと大変ご苦労されているところだと思うのでございますが、利回り等の条件がいいということの判断をどのようなことに基づいてというか、やっておられるのか、お伺いします。

○島田副出納長 私どもは、大変微力ではございますけれども、金融市場の状況や金融に関する最新情報をリアルタイムで把握できるというふうなことを目指しまして、例えば証券会社などでは、証券会社や金融機関が活用しておりますブルームバーグ端末というものがございます。こういったもので債券等に関する動向を逐次確認しているほかに、ブルームバーグ社から配信されます金融情報を活用することなどにより、時々刻々と変化する金利動向や金融情勢を把握することによりまして判断をしているところでございます。
 それ以外に、公金管理委員会、先ほどもお話ししましたが、そういったもの、あるいは民間の会社から非常に優秀な方を割愛していただきまして東京都で働いていただく、そういった方からのご指導も受けながらやっているところでございます。それからさらに、金融機関さんやそういったものから債券市場や金利動向に関する各種情報の提供を受けるなどいたしまして、的確な情報把握に努めているところでございます。
 今後とも、さまざまな形で情報の把握と適切な選定に努力していきたい、こういうふうに思っているところでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。非常に大変なご努力をされている様子が具体的によくわかりました。
 今後、いよいよ量的緩和政策の解除ということで、先ほどもご質問にあったとおり、金利を基本とする本来の金融政策に戻ってくるということで、ゼロ金利政策が当面続くといっても、市場では、ことしの夏には早くも利上げがあると見込んでいる向きもあるようでございます。現在の中短期金利の水準が既に利上げを織り込んだレベルにあるんだというような見方もございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、この一カ月間ぐらい、量的緩和解除の決定を挟んでどのように金利が推移してきているのか、お伺いいたします。

○島田副出納長 ここ一カ月間の金利動向でございますが、長期金利として見られます十年物の国債につきましては、約一カ月前でございます二月二十日は一・五三%でございました。三月二十日段階では一・七四%で動きました。それから、中期金利でございます五年国債については、一・〇一%から一・二二%へ、そして私どもは、都の運用対象となっております二年国債につきましては、〇・四二%から〇・五六%へと、いずれも約〇・一から〇・二の間で上昇している状態でございます。

○吉田委員 ここ一カ月、金利が〇・一から〇・二程度、実際に上昇しているというお話でございました。
 それでは、金利の上昇に伴いまして、基金の運用益はどの程度増加が見込まれるのかという点について、例えば〇・一%金利が上昇するとどういう影響が出るのか、〇・一%の重みですね、この面をお聞きしたいと思います。
 もちろん、金利の上昇が運用利回りの上昇にどの程度反映されるかということを試算するのは、運用期間や商品の性質等の関係でなかなか困難だとは思われますが、ここではごくごく単純に割り切って、現在の運用利回りが〇・一%上昇した場合ということで運用益はどの程度増加するのか、お伺いいたします。

○島田副出納長 今委員からもお話しいただきましたように、各基金によりまして、満期の時期ですとか運用期間、それから運用の商品が異なります。大変申しわけないんですが、金利の上昇による具体的な運用収入への影響額の試算というのはなかなか難しゅうございます。
 ただ、先ほどお答えしましたように、平成十六年度の基金の平均残高は七千二百八億円でございまして、運用利回りは〇・〇九%であった状態でございます。これで運用収入が約六億五千万円でございました。この数字を前提といたしまして、仮に運用利回りが〇・一%上昇するということで試算させていただきますと、運用利回りのパーセンテージは〇・一九%、運用収入は約十三億七千万円で、約七億二千万円の増収になるというふうに見込んでおります。

○吉田委員 ありがとうございます。単純には比べられないけれども、利回りが〇・一%上昇すると七億円以上の収入増になるんだという試算をご答弁いただきました。これはやはり大変大きな金額でございます。運用方法の工夫によって、運用益に大きな違いが出てくると思います。今後、金利が上昇していくということは十分具体的になってまいりましたので、これまで以上に金利の変動に敏感になるべきだともちろん思います。
 先般、財政委員会で財務局にお聞きしたところでは、金利が〇・一%上昇した場合に、翌年度発行分の都債の利払いは約十一億円増加するというご答弁がございました。調達の金利と運用の金利というのは必ずしも一致するものではございませんが、今後、都債の利払いもふえていく、かさんでいく可能性が高まっているという中で、その分運用をしっかりと頑張っていただいて利益を上げていただきたいということを強く念願するものでございます。
 公金の管理を担われる立場として、ぜひ一層金利感覚を研ぎ澄まして、劇的な環境の変化というようなものが起きる局面というのもあろうかと思います。そういう場合にも適切かつ柔軟に対応できるように、お取り組みをさらに進めていただきまして、運用のパフォーマンスを一層上げていただくよう努めていただきますことを改めて最後に要望いたしまして、質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で出納長室関係を終わります。

○山加委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成十八年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第五十二号議案から第五十五号議案まで及び報告事項、平成十八年度地方税制の改正について並びに請願陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(94)までの請願一七第四一号外二十八件の同内容の請願、請願一七第四二号外二十八件の同内容の請願、請願一七第四三号外二十八件の同内容の請願、請願一七第一五四号外三件の同内容の請願及び陳情一七第五九号から陳情一七第六一号までを一括して議題といたします。
 予算案、付託議案及び報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 要求資料並びに請願陳情等について、理事者の説明を求めます。

○三橋総務部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料等につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。要求資料第1号、平成十八年度税制改正による都税への影響額でございます。
 この表は、平成十八年度税制改正による都税への影響額及び主な改正項目を税目別にお示ししたものでございます。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。要求資料第2号、資本金別法人数及び法人事業税額でございます。
 この表は、資本金の区分別に、法人数、利益法人及び欠損法人の割合並びに法人事業税額をお示ししたものでございます。
 三ページをお開き願います。要求資料第3号、個人住民税の納税義務者数でございます。
 この表は、特別区及び市町村における個人住民税の納税義務者数を、課税所得金額の段階別にお示ししたものでございます。
 引き続きまして、恐れ入りますが、お手元の資料第2号、平成十八年度一般会計予算説明書(追加分)の一ページをお開きいただきたいと存じます。この表は、債務負担行為についてお示ししたものでございます。
 千代田都税事務所耐震補強・外壁改修工事につきまして、一億四千万余円を限度額として設定をいたしております。
 要求のございました資料等に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川村税制部長 請願陳情につきまして、お手元の資料第3号、財政委員会付託請願陳情審査説明表によりご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、説明表の一ページから順次ごらんいただきたいと存じます。
 一ページの請願一七第四一号外二十八件、都市計画税の軽減措置継続に関する請願、五ページの請願一七第四二号外二十八件、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置継続に関する請願、九ページの請願一七第四三号外二十八件、負担水準が六五%を超える商業地等における固定資産税税額の軽減措置継続に関する請願、一五ページの陳情一七第五九号、都市計画税の軽減措置継続に関する陳情、一七ページの陳情一七第六〇号、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置継続に関する陳情、一九ページの陳情一七第六一号、負担水準が六五%を超える商業地等における固定資産税税額の軽減措置継続に関する陳情につきましては、いずれも固定資産税及び都市計画税の軽減措置に関する内容でございますので、一括してご説明させていただきます。
 これらの請願及び陳情の趣旨は、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置を、現行のまま、平成十八年度以降も継続すること、小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置を、平成十七年度と同様、平成十八年度以降も継続すること、負担水準が六五%を超える商業地等における固定資産税の税額について、負担水準の上限を六五%に引き下げるとした場合に相当する税額まで軽減する措置を、平成十八年度以降も継続することを求めるものでございます。
 まず、一ページでございますが、小規模住宅用地に係る都市計画税につきましては、住民の定住確保、地価高騰に伴う負担緩和の見地から、昭和六十三年度より、都独自の措置として、その税額の二分の一を軽減する措置を講じてきたものでございます。
 次に、五ページでございますが、小規模非住宅用地の減免は、平成十四年度において、過重となっております二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、当時の厳しい経済状況下における中小企業への支援を行う観点から、単年度の措置として導入し、実施してきたものでございます。
 次に、九ページでございますが、商業地等の負担水準の上限引き下げにつきましては、バブルに伴い生じた制度のゆがみによる負担の不均衡を是正し、全国に比べ過大となっております二十三区商業地等の負担の緩和を図るため、平成十七年度に実施したものでございます。
 これらの措置につきましては、平成十八年度は、景気は回復基調にあるとはいえ、中小企業等にとっていまだ先行きが不透明であること等を考慮し、いずれも継続することとし、所要の条例改正をお願いしております。
 なお、商業地等の負担水準の上限引き下げにつきましては、地方税法の適用が平成十七年度までとされており、現在、本措置の継続が盛り込まれた地方税法改正案が国会において審議中でございますので、同法案が成立後、速やかに所要の条例改正を行うこととしております。
 次に、恐れ入りますが、一三ページをごらんいただきたいと存じます。請願一七第一五四号外三件、固定資産税における償却資産の取扱いに係る意見書の提出に関する請願についてご説明を申し上げます。
 この請願の趣旨は、固定資産税の償却資産の取り扱いについて、免税点を基礎控除に改め、控除額を大幅に引き上げること及び申告期限を三月三十一日とすることを内容とする、国への意見書の提出を求めるものでございます。
 まず、償却資産の免税点を基礎控除に改め、控除額を大幅に引き上げることについてでございますが、免税点制度は、課税標準額が免税点未満の場合には課税しない制度であるのに対しまして、基礎控除制度は、課税標準額から一律に一定額を控除する制度でございまして、固定資産税におきましては、土地、家屋及び償却資産の三資産において、いずれも免税点制度とされております。
 また、償却資産の免税点は、中小零細企業の税負担に配慮して百五十万円と、他の資産に比べて高い水準に設定されており、免税点未満の者の割合は、納税義務者数の八〇%を超えております。
 次に、償却資産の申告期限を三月三十一日とすることについてでございますが、固定資産税は、土地、家屋及び償却資産の三資産につきまして、毎年一月一日における価格に基づき課税することとされており、当該価格については、課税庁が三月末日までに決定することとされております。
 償却資産の申告期限は、このような賦課課税としての固定資産税の基本的仕組みを考慮し、定められているものでございます。
 本件請願及び陳情の趣旨についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山加委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件並びに請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 それでは、私から何点か質問をさせていただきます。
 まずは、税収の確保という点で質問をさせていただきたいと思います。とりわけ、個人都民税の徴収率向上についてお伺いをいたしたいと思います。
 いわゆる三位一体改革により、平成十九年度に税源移譲が見込まれています。その内容は、ご存じのように、所得税課税における一律フラット課税ということで、一〇%課税ということになります。当然、区市町村もこれまで以上の徴収努力が必要になってくると考えられます。
 そういう中において、都は、他の都道府県に先駆けて、個人住民税の取り組みを強化するために、平成十六年四月、個人都民税対策室を設置し、これまで区市町村にさまざまな支援をしてきたと聞いています。本来であれば、区市町村が当該区市町村民税とあわせて賦課徴収するものでありますが、住民と密着している、また、職員の異動が激しいということから、なかなか滞納整理が進展していないのが実態だと推測をいたしております。
 先日の一般質問で、我が党の矢島議員の質問に対し、局長が答弁で、直接支援、間接支援として成果を発表されていました。改めて取り組みの内容と成果についてお伺いをしたいと思います。
 一点目としては、特に直接支援の内容と、この二年間の取り組み成果についてお伺いをいたします。

○齊藤特別滞納整理担当部長 個人都民税は、ご承知のとおり、区市町村が当該区市町村民税とあわせて賦課徴収するため、理事ご指摘のように、区市町村が処理する上においてもさまざまな課題があると考えております。そこで、高額、困難な滞納事案を、地方税法に基づきまして、区市町村から都に引き受けまして、都のやり方で直接処理するため、直接支援を行っております。
 この直接支援の成果についてでございますが、平成十六年度は三百五十事案、三十二億円を徴収引き受けし、そのうち、処理は三百三十六事案、約三十億円を解決のめどをつけ、区市町村に返却いたしました。また、平成十七年度は、三百六十七事案、約十五億円を徴収引き受けし、ことし二月末までの処理実績では三百四十九事案、金額にして約十二億円について解決のめどをつけ、区市町村に返却いたしました。二年間で約九五%、おおむね六百八十事案、金額にして約四十二億円を処理したことになります。

○鈴木委員 二年間で九五%、おおむね六百八十事案、金額にして九〇%、約四十二億円を処理したというふうに今いわれていました。成果が出ているというふうに感じますが、それでは、二点目として、個人都民税対策室設置とともに、新たに区市町村へ都職員派遣を実施していると聞いておりますが、その取り組み内容と成果について、具体的にお伺いいたしたいと思います。

○齊藤特別滞納整理担当部長 平成十六年度から都職員を、先方の自治体と協議の上、区市に派遣いたしております。具体的には、係長を含む職員三名を一班といたしまして、四班編成し、二カ月間、年三回派遣しております。平成十六年度、十七年度の二年間で二十四の自治体への派遣実績を残すことができました。
 派遣先での業務内容でございますが、派遣先の職員と共同で困難な滞納事案を処理するとともに、組織的な取り組み方法のノウハウを提供するもので、各自治体の区長、市長、トップを初め、派遣先職員からも高い評価を受けているところでございます。

○鈴木委員 今いわれたように、自治体の首長を初め、派遣先職員からも高い評価を受けております。
 私も、実は先日、世田谷の区長さんとちょっとお話しする機会がありました。区長は、今回の派遣に関して知事あてにお礼状を出したということでありました。都職員の派遣業務による活躍ぶりを褒めておられたということでありますが、その話の中に、実は公務執行妨害の事件があったというふうにお聞きしました。改めて具体的にどのような内容なのか、詳しくお伺いをしたいと思います。

○齊藤特別滞納整理担当部長 実は、平成十七年度第二回目であります十月、十一月に都職員派遣業務で、世田谷区へ派遣した職員が遭遇したものでございます。納税に全く誠意の見受けられない滞納者に対しまして、世田谷区始まって以来の大捜索を実施した中で、滞納者の自宅を捜索した際に、滞納者の夫から直接暴行を受けまして、滞納者の夫が公務執行妨害の現行犯で逮捕されたものでございます。
 暴行を受けたにもかかわらず、我が徴収部の派遣職員は、毅然とした態度で最後まで職務を遂行いたしました。事件発生後、これまで滞っていた滞納額約一千万円も、即自主的に納付されるなどの成果を上げたところでございます。
 同様に、派遣先の中野区におきましても公務執行妨害事件が起きたわけでございますが、そうした中での都職員の滞納整理に取り組む姿勢は、派遣先自治体職員にもよい意味での刺激を与え、評価をいただいているところでございます。

○鈴木委員 今話があったとおりでございまして、実際に私も区議会に長年いたときに、国民健康保険関係の職員の人が夜遅くまで一軒一軒回って、それで実際にはなかなか、どうしても事情があって滞納してしまうという人たちとも実際に会わせていただいて、そういう中で、どうやったら今後滞納をしないで、長い期間であっても少しずつでも税金を納めるということをしていこうというような話し合いを何回もして、本当にまじめに対応している区民の人、それから、本当に困っている方でそういうことを、やっぱり税金を納めるという意識を持たれて対応している方も実際いっぱいおられるわけですね。
 そういう中で、この暴行事件で、しかも今いったように公務執行妨害もして、しかも事件が発生した後、ある程度それが都の職員の方の努力によってきちっとしたときには、自主的に一千万円の金を、滞納額を自分で払えるという、そういう人までが滞納していたという現実を聞かせていただいたときに、やはり本当に我々はもう一回、納税をしていただくということに関してのものをきちっと、こういう滞納者の人には、特にいいかげんな人にはきちっとした対応をすべきだというふうに思います。
 実は私の手元に、今の世田谷の区長さんが出された、これは感謝状ですね、石原知事あての。線が引っ張ってありますが、ここをちょっと読ませてもらいたいと思うんですが、この中に書いてある内容というのは、ちょっと省略して何点か読ませてもらいますが、当区へ派遣していただきました貴職員の滞納整理に取り組む姿勢は、区職員の模範となり、職員に与えた貢献は大なるものでありました、大きなるものがありました。今回の--何行かありますが、今回の派遣事業の趣旨であります都区共同処理を実現することができ、これまで以上に滞納整理の促進を図ることができました。また、捜索の際、滞納関係者から職員が暴行と公務執行妨害を受けたにもかかわらず、毅然とした態度で最後まで職務を遂行したことは、税務職員として高く評価されるものであります。それからしばらくありますが、今回の東京都職員の派遣業務は、平成十六年度から、貴都が全国に先駆けた取り組みで、各道府県の手本となっていることは周知の事実であります。三位一体改革の税源移譲を考えますと、自治体としては徴収体制をより強化することは、当区にとっても最優先課題であります。そういう中で今回行われたことに対して、熊本区長から石原慎太郎知事に、本当にありがとうございましたと。
 特に、区長と話したときに、都の職員の方々に、今回していただいたことに関しては心から感謝を申し上げたい、これからもともに手を携えて、徴収業務、また都区の連携を図りながら、都民のため、区民のためにお互いに努力をしていきたいというような言葉を区長からも預かってきたわけでありますが、そういうことを一応いわせていただいて、特に私も非常にうれしく思いましたので、報告させていただきたいと思います。
 次に、これとはちょっと変わりますが、四点目といたしましては、先日のテレビ報道で、公用車に関する税金の使い道について、一部の面だけとらえられた報道がありました。私は、このようなやり方は都民に誤解を与えかねないと懸念をしているところであります。このような報道がされると、今いった現場で、納めなくてもよい、それから、納めたくないといったような都民が出てくる、そういうような心配があるというふうに思います。このような場合にどのような対応を今後していこうとしているのか、また、今しているのかをお伺いしたいというふうに思います。

○齊藤特別滞納整理担当部長 確かに、一部の面だけをとらえた報道や、視聴者に誤解を与えかねない報道で、納税者からの苦情は、正直なところ、少なからずございます。また、都税事務所の窓口や納税交渉の席で納付を渋る滞納者の方もいらっしゃいます。しかし、苦しいながらもきちんと納税をしていただいている大部分の都民の方々との公平性を確保するためにも、催告や納税交渉などさまざまな場面で職員は粘り強く納税を促すなど、きめ細やかな対応に努力をしております。
 このような対応に心がけてはおりますけれども、納税に対して全く誠意の見られない滞納者には、納税秩序の維持の観点から、差し押さえなどの滞納処分に踏み込むことも多々ございます。今後とも、滞納者の納税資力をきちんと見きわめた上できめ細やかな対応を行っていきたい、このように考えております。

○鈴木委員 ということでありまして、今のお話でもそうですが、税金の使い方というのは、議場の場で十分に議論をしていると私は考えています。一面だけをとらえてマスコミに訴えるというやり方は、私としてはいかがなものかというふうに考えてしまうところでありますし、このことによって影響を受ける職員の方々の苦労というようなものが目に見えるような気がいたします。
 ですから、やはりきちっというべきことはいっていただいて、そして対応していく。そして、都民、区民の方々にきちっと誠意ある対応を、今答弁であったようにしていただいて、我々は努力をしていくべきというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、これだけ聞いて終わりたいと思いますが、二十三区と多摩地域において先ほど質問した都職員の派遣業務等があると思いますが、島しょ地域に対する徴収率向上への支援はどのようなものがあるのか、また、今後どのようなことを考えているのかをお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○齊藤特別滞納整理担当部長 島しょ地域への支援についてでございますが、平成十六年度は、大島支庁及び八丈支庁管内の町村に対しまして、滞納整理研修と個別事案相談会を実施いたしました。また、平成十七年度は、三宅支庁管内を除くすべての支庁管内の町村に対しまして、同様に滞納整理研修や個別相談会を実施いたしました。その中から、一部滞納事案を都に引き受けまして、処理をしてまいりました。
 しかし、これまで島しょ地域には、二十三区や多摩地域に行っている都職員の派遣業務を実施しておりませんでした。そこで、来年度は、小笠原村を皮切りに、島しょ地域においても二十三区及び多摩地域と同様に、各自治体と協議の上、一定期間の職員の派遣を初め、実務研修生の受け入れなど、徴収率向上に向け、積極的に支援していきたい、このように考えております。

○吉田委員 十八年度の当初予算におきます都税収入の見込み四兆五千二十八億円のうち、法人二税は二兆百二十八億円、その中で、一兆一千二百五十億円が法人事業税でございます。税収に占めます割合は、法人二税で四四・七%、法人事業税単独でも二五%に達します。まさに、法人事業税というものは都にとって基幹税であるといって過言でないと思います。
 この法人事業税に対して、外形標準課税、十六年の四月一日ですか、導入されて約二年が経過しまして、大半の法人が初めての申告を終えたところだと思います。そこで、外形標準課税に関して何点かお伺いしたいと思います。
 まず、外形標準課税の導入目的、現在の課税の仕組みについて、初めに簡潔にご説明いただきたいと思います。

○松田課税部長 法人事業税は、法人がその事業活動を行うに当たりまして、都道府県の各種行政サービスの提供を受けることから、これに必要な経費を負担すべきであるという考え方に基づきまして課税されるものでございます。
 外形標準課税は、このような法人事業税の性格により適するものであるとともに、税負担の公平性の確保や税収の安定性にも資することから導入をされたものでございまして、黒字、赤字にかかわらず、応分の負担を求めるものでございます。
 課税の仕組みでございますが、資本の金額または出資金額が一億円を超える法人に対しまして、従来の所得基準による課税のほか、付加価値額と資本等の金額という二つの外形基準を課税標準として課税をするものでございます。課税標準の割合は、所得が四分の三、外形基準が四分の一でございまして、その外形基準のうち、付加価値と資本との割合が二対一となるように税率が設定をされております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 これまで所得を課税標準としまして利益を計上している企業だけに課税してきたという従来の法人事業税に対しまして、赤字か黒字かにかかわらず事業規模に応じて負担を求める外形標準課税というものは、企業が努力をして利益を上げる意欲を阻害しない、そういう環境を整えるということにもなりまして、より多くの利益を上げることを目指した事業活動を促し、また、企業経営の効率化、収益性の向上を後押しし、結果として、経済の活性化にもつながると私は考えております。
 もちろん、法人住民税の均等割ですとか、固定資産税、都市計画税から事業所税、こういった、いわば一種の外形に着目した外形標準課税といえるものが既にあるわけで、将来は、こういうものも含めて、包括的な整理が必要になってくるのかもしれませんが、現段階で、標準課税のウエートを減らして、外形標準課税のウエートをふやしていくということは、課税ベースを広げて、薄く広く負担していただく、そしてまた、経済の構造改革にも資するというように私は認識をしております。
 ここで、外形課税の対象となる法人の数について、現在どれぐらいがあるのか、お伺いいたします。

○松田課税部長 外形課税法人数は、本年三月現在、一万八千八百三十六社でございます。その内訳でございますが、東京都に本店があり他府県に支店がある法人、それから東京都のみに事務所がある法人を合わせまして一万三千三百八十七社、それから、他府県に本店があり東京都に支店がある法人が五千四百四十九社でございます。

○吉田委員 昨年末、十一月ですか、石油メジャーのエクソンモービルの日本法人が五百億円の資本金を一億円に引き下げるということを決めたとの報道がありました。続報によりまして、批判も受けたということで引き下げを撤回した、十二月に撤回したとのことでございますが、この例が該当するかどうかはともかく、租税回避のために減資を行うという企業が出てきてもあながちおかしな話ではないと思います。
 そこで、外形課税法人の数が、外形標準課税の前の見込みと比較してふえているのか減っているのか、その数についてお伺いいたします。

○松田課税部長 外形課税法人の数は減っております。外形標準課税が実施をされました平成十六年四月一日の前日でございます同年三月末日において、資本金額が一億円を超えていた法人のうち、その後、平成十七年三月三十日までの一年間に資本金額を一億円以下に減資した法人は、八百四社でございます。この結果、平成十六年度末における外形課税法人の数は、一万九千六十一社となっております。
 ちなみに、外形課税法人の現在数でございますが、一万八千八百三十六社でございますので、この一年間の減少数は二百二十五社ということになります。

○吉田委員 やはり減っているとのご説明でございました。一昨年の一年間の減少数では八百四社、それと比較すれば、今年度の減少数が二百二十五社にとどまっているということで、減資も一段落したような印象は受けます。
 しかし、国でも一億円以下に減資をする法人が相当数あるということに注目しているようでございまして、受益に応じた負担を求めるという外形標準課税の導入の意義を損なわないように、損なうような動きについては、都としても今後とも十分に注意をしていただく必要があるんではないかなと思います。
 ちなみに、資本金一億円ちょうどという法人は幾つあるのか、お伺いいたします。

○松田課税部長 資本金一億円ちょうどの法人数は、三千九百六十五社でございます。これは、他府県に本店があり東京都に支店がある法人を含んだ数字でございます。

○吉田委員 資本金一億円超の対象の法人が一万九千社弱ということに対して、一億円ちょうどが四千社というのは随分と多い数字だなと思うわけであります。仮に減資が続くようですと、外形課税自体が空洞化するおそれもなしとしないと思います。
 これは意見にとどめさせていただきますが、税の世界では、いろいろ勉強させていただくと、つまり一億円超とか、一千万円超とか、超で区切ることが多いようでございますけれども、現在、一億円超としている外形の対象を、例えば一億円以上という形に引き下げていただくということも将来考えてもらう必要が出てくるのかもしれないなという印象を持った次第であります。
 次に、昨年の当委員会における質疑で、所得課税と比較した外形課税による税収効果が平年度ベースで三百三十八億円の増収見込みとのご説明があったと伺っております。
 これまでの申告実績から、どのような結果が出ているのか、また、赤字、黒字の法人の割合はどれだけだったのか、お伺いいたします。

○松田課税部長 平成十七年四月から同十八年二月までに申告をされました外形課税法人一万五千五百八社のうち、黒字法人が八千九百四十四社、率にして五七・七%、赤字法人は六千五百六十四社、同じく率にしまして四二・三%でございます。
 申告年税額は、所得割が四千十八億円、付加価値割が九百九十七億円、資本割が六百六十四億円、合計で五千六百七十九億円でございます。これを仮に従来どおりの所得課税ベースで試算をいたしますと、五千三百五十七億円となりまして、差し引き三百二十二億円、外形課税の方が増収となっております。今後の申告分を考慮しますと、ほぼ当初見込んだ数字と同程度になるものというふうに考えております。

○吉田委員 まずは見込みどおりに推移しているということでございますので、受益に応じた負担を求めるという制度導入の目的は一定程度達成されたのではないかなと思います。
 今の制度は外形の割合が四分の一ということでございますが、平成十三年十一月の総務省の案では二分の一とされていました。さまざまな経緯で四分の一で導入されたわけですが、今後、この外形の割合を引き上げていくというような考えは現時点でおありなのか、お伺いいたします。

○松田課税部長 平成十五年度の税制改正で導入をされました外形標準課税は、長年にわたる地方自治体の悲願がようやく実現をしたものでございます。したがいまして、現在は、誤りのない申告など制度の定着と円滑な事務運営に全力を尽くす時期というふうに考えております。
 税収の安定性という観点からは外形標準課税の割合を高めていくことが望ましいわけでございますが、導入の効果を検証しつつ、今後検討されるべき課題であるというふうに考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 最後に、外形課税の適正な執行のために、主税局としてこの一年どのような取り組みを行ってこられたのか、また、その結果はどうであったのか、伺いたいと思います。

○松田課税部長 外形課税は、法人にとりましても、また主税局にとりましても、初めてのことでございます。このため、平成十六年度から税理士会、法人会等の関係団体とも連携をしながら説明会を実施しまして、納税者等への制度の周知に努めますとともに、対象法人に対しましては、課税の手引やQアンドAなどを送付しまして、個別に制度等の周知を図ってまいりました。
 また、本年度は、六都税事務所に法人調査係を設置するなど外形課税に関する執行体制の整備を行いまして、調査に取り組んできたところでございます。
 実地調査の結果でございますが、課税標準の算定などにおきまして、些細な誤りは多くの法人で見受けられるところでございますが、外形課税そのものは順調に実施をされているものというふうに考えております。
 法人の適正な申告と税務当局の的確な指導、調査によりまして、外形課税が適切に運営されますよう、今後とも努めてまいる所存でございます。

○吉田委員 初めての申告ということもありまして、数多くの法人に申告の誤りがあって、指導に苦慮されたということがわかりました。いうまでもなく、法人事業税は都道府県の基幹税でございます。何よりも制度の早期定着と適正円滑な執行が望まれます。
 現場で課税や調査に従事される職員の皆様のご苦労は本当に大変なものだと思います。しかし、皆様こそが地方の代表というか、地方の課税自主権を担っておられるという気概でもって、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 私は十一年、経団連というところにおりまして、ご存じかと思いますが、経団連というのは外形標準課税に大変ネガティブというか、そういう組織でございました。しかし個人的には、いろいろの中で、私はこの地方の税制、安定的な税源あるいは企業の経済の効率化を促すさまざまな観点から、これは大変大切な制度ではないかなと思っている次第であります。
 今後とも、地方法人課税について、望ましいあり方について、さまざまな観点から検討を深めていただくようにお願いいたしまして、質問を終わります。

○高倉委員 都税の納付の向上を図り、また、未納も未然に防止していくためには、納税者にとって税を納付しやすい環境を整えていかなければならないと思っております。
 昨年の十月二十五日の財政委員会において、私はそうした観点から、マルチペイメントネットワークを活用した都税の電子納付について質問をいたしました。
 納税者が銀行などの窓口で待たされることなく、また、二十四時間いつでも自宅などいながらにしてパソコンや携帯電話から納税ができるシステム、あるいはマルペイ対応のATMによって納税できる、こういったシステムであります。
 主税局はできるだけ早期に導入できるように検討を進めていると、こうした答弁でございましたけれども、実施の時期はいつごろになるのか、また、仕組みの概要、対象となる税の種類についてご説明をいただきたいと思います。

○吉田徴収部長 マルチペイメントネットワークとは、東京都等の収納機関と金融機関を結ぶネットワークでございます。
 利用者、金融機関、収納機関、この三者の間に発生する公共料金、税金等の決済を電子的に行うもので、その基盤となるものでございます。
 このマルチペイメントネットワークを活用した都税の納付は、自宅のパソコンや携帯電話を利用したインターネットバンキングあるいは金融機関の現金自動預け払い機--いわゆるATMでございますが--から納付できるものでございます。ATMの場合、ペイジーマークのついたATM機になります。また、インターネットバンキングは、あらかじめ金融機関に手続をしておくことにより、ほとんどの金融機関で可能となります。
 導入時期でございますが、滞納の都税につきましては平成十八年四月から、また、これから新たに納期が到来する固定資産税、都市計画税、自動車税、個人事業税、不動産取得税につきましては平成十八年度分のそれぞれの納期から利用できるようになります。
 近年、金融機関の有人店舗窓口が減少している点や、窓口での支払い手続に時間を有していることなどを考え合わせますと、納税者サービスの向上につながるものと期待しているところでございます。

○高倉委員 最近は金融機関の統廃合等々によって店舗も減少している実情があって、都税を払おうとしても不便に感じていたと、こういった声もあったわけであります。窓口で長い時間待たされる、そういったことも大変面倒だと、このような声もお聞きをいたしているところであります。
 今回の新たな取り組みによって、ATM機については、いわゆるペイジーマークつきに限られるようでありますけれども、利便性は向上すると思います。さらにインターネットバンキング、あるいはモバイルにも対応可能ということになれば、自宅にいながらにして都税の納付が可能になるということで、これは大変画期的なことであろうと思います。利用できるATM機についてもぜひ拡大をされるように関係機関と連携をして取り組んでいただきたいと思います。
 次に、コンビニでの都税の支払いについてお伺いいたします。
 現在、自動車税についてコンビニでの支払いが可能となっておりますけれども、この利用状況について、昨年との比較も含めまして、お示しをいただきたいと思います。

○吉田徴収部長 平成十六年度から開始しました自動車税の収納のコンビニでの取扱割合は、平成十八年二月末では、税額ベースで三〇・八%となっております。昨年の同時期が二四・二%でございましたので、六・六ポイント増加しております。

○高倉委員 ただいまコンビニでの利用率が六・六ポイント増加をしている、こうしたご説明がありました。四人に一人から三人に一人近くまでこの利用が拡大をしているということであります。身近な場所にあるコンビニでの納付ということが非常に便利になってきているということをこの数字が示しているように思います。
 若い人が自動車を持つ割合も多くなってきておりますけれども、若者に身近で便利なコンビニでの納付ということがふえてきている。こうした現実も反映をしているように思います。
 最近はマンションの売れ行きがいいとも聞いておりますけれども、若い世代が夫婦共働きで購入しているケースもふえているのではないかと思います。しかしながら、仕事の関係から、金融機関の店舗が開いている時間帯に支払うことができない、こうした現実もあろうかと思います。
 都税の納付について、自動車税だけではなく、固定資産税など他の税目についても新たにコンビニで納付できるようにすれば、納税者に対するサービスの向上に大きくつながると考えますけれども、いかがでありましょうか。所見をお伺いいたします。

○吉田徴収部長 自動車税以外の他税目へのコンビニ納付の拡大につきましては、これまで利用状況を見ながら検討を行ってきたところでございます。
 現在、自動車税は、八十万件を超える利用状況でございます。また、固定資産税や個人事業税にありましては、口座振替による納付を慫慂してきたところでございます。
 平成十八年二月末では、固定資産税にありましては四割を超える方、また個人事業税にありましては六割近くの方に口座振替を利用していただいております。
 今後も、口座振替の利用はお願いしてまいりたいと考えておりますが、さらに自動車税におけるコンビニ利用状況が拡大していることもあり、委員ご指摘のように、納税者サービスの向上に資することから、平成十八年度から、固定資産税、都市計画税、個人事業税、不動産取得税につきまして、納付書一枚の税額が三十万円以下でございますが、コンビニでの納付ができるように拡大してまいります。
 このことによりまして、平成十八年度のコンビニ利用は、二百万件を超える状況を想定しております。

○高倉委員 最後に、クレジットカードでの都税の支払いということについてお伺いいたします。
 国庫金納付事務などが順次電子化をされる中で、決済手段についても商用インターネット決済並みの多様性が求められてきていると思います。商用インターネット決済では、かなりの部分でクレジットカード決済が行われております。今後、税金も含めた公金の納付について、クレジットカードの活用の要望が高まってくると思います。
 神奈川県の藤沢市では、納税者が多様であることや、あるいは課税関係がわかりやすいことなどで、軽自動車税のクレジットカードでの支払いを初めて実証実験として導入することになったそうであります。
 昨年、私は財政委員会で質問をいたしまして、このクレジットカードでの支払いということについては幾つかの課題があると、このようなことでございましたけれども、今回のこの藤沢市の例を踏まえ、改めてその可能性について所見をお伺いしたいと思います。

○吉田徴収部長 クレジットカードを利用した都税の納付を可能にすることは、納税者の利便性の向上と徴収率向上の観点から有効な手法の一つと考えられます。
 委員ご指摘のとおり、平成十八年四月から、藤沢市で軽自動車について試験的にクレジットカードでの支払いが可能となるとの報道がございました。
 都税における導入への課題でございますが、まず、クレジットカード会社に支払う手数料が高額になることが挙げられます。これは、藤沢市で開始する軽自動車税は、最高税額でも七千二百円でございます。しかし、クレジットカード会社の手数料は、立てかえ払いによるリスク負担や回収費などを織り込むため、コンビニや金融機関の納付書一件当たりの定額制ではなく、取扱税額に応じて増加する手数料率を採用しております。このため、取扱手数料が他の収納方法に比べ、著しく高額となってしまいます。
 また、新たにクレジットカード会社との収納情報のやりとりを行うためのネットワークの構築も必要になります。
 現在、これらの課題があるため、今後新たに開始するATM、パソコン、携帯電話などからの利用状況も見ながら、関係部署と協議してまいりたいと考えております。

○曽根委員 私からは、税源移譲に伴う住民税のフラット化に伴う問題について幾つかお聞きしたいと思います。
 資料をいただきましたけれども、この中で、資料の第3号になるんでしょうか、現在、個人住民税が、二百万円以下、それから二百万円超七百万円以下、七百万円超ということで、税率三段階になっておりますが、国の所得税が大きく税源移譲されるに伴って、今度、住民税の税率が一〇%フラットになるということで、それだけだとするならば、大変な低額所得のところに増税の影響が出る。しかし、それでは余りにも改悪になるということで、所得税の方でそれを穴埋めするような措置がとられるというふうに聞いていますが、その点について、どういう仕組みで、実質増税を防ぐ手だてをとろうとしているのかをお聞きします。

○川村税制部長 今回の税源移譲におきましては、納税者の税負担を極力変動させないとの観点から、所得税と個人住民税とを合わせた税率は税源移譲前と後で変わらないように制度設計されております。
 しかし、所得税と個人住民税とでは、例えば扶養控除の額が三十八万円と三十三万円というように、それぞれ人的控除の額が異なっておりますので、税率構造の変化のみでは調整し切れない部分がございます。このため、現在、所得税が課税されないで、個人住民税のみが五%で課税されており、税源移譲後に一〇%で課税される者を含めまして、全世帯で税負担増とならないように、個人住民税の一定額を控除する調整措置を講じることとされております。
 また、いわゆる住宅ローン減税の適用者につきましては、所得税額が減ることによりまして、減税効果が少なくなる場合には、所得税で控除し切れない額を、個人住民税額から減額する措置を設けることとされております。

○曽根委員 もちろんこうした、もし実施するのであれば穴埋め策というのはやらないと大変なことになるというのは、私たちがかねてから指摘していたとおりなんですが、それにしても、税率をいじるだけでは、一部、特に低所得のところで対応し切れない部分が出ると。それは控除で対応するということですが、今回だけでこれが、税源移譲が終わるのであればともかくとして、これは、東京都が求めているように、いわば税源構造からいって、地方がやっている仕事に見合った独自の税源という意味では、これで十分という立場は私たちとっていないわけですね。
 したがって、今後も税源移譲を国に求めていく、この点ではだれも異存はないと思うんですが、こういったフラット化という形でもって、個人住民税に移していくということが引き続き行われるならば、どこかで必ず破綻が起きる。つまり、国の所得税の税額は相対的に下がっていくことによって穴埋めができない段階が来るだろうというふうにも思いますので、もともとこうした所得税というのは、やはり所得の再配分という税金の基本的な仕組みの原則からいって、累進課税が望ましいという点を、改めて、私、強調しておきたいと思います。
 そのことともう一つ、とはいうものの、税金の総額は変わらないにしても、これは全国的には余り例がないと思いますが、東京の人口の大半を占める二十三区では、公租公課に住民税連動で影響が出るのではないかと思いますが、どういったものにどういう影響が出るでしょうか。

○川村税制部長 税源移譲後に個人住民税がふえることに連動いたしまして影響を受ける公租公課についてでございますが、国民健康保険税あるいは国民健康保険料につきましては、現在、全国の市町村のうち、大半が個人住民税額を算定の基礎として用いておりませんので、ほとんど影響を受けないと考えられます。
 しかし、ご指摘のように、ごく一部の区市町村、例えば二十三区のように個人住民税を国民健康保険料の算定の基礎として用いておりますので、この場合には、何らかの調整措置を講じない限り、影響を受けることがあると考えられます。
 なお、いわゆる介護保険料のうち、六十五歳未満の者に係る国民健康保険税または国民健康保険料と合わせて納付される部分につきましても同様でございます。

○曽根委員 ごく一部の区市町村とはいうもの、東京都にとってみれば、人口の三分の二が二十三区に暮らしているわけで、そこに影響が出る。しかも、国民健康保険というのは、所得が相対的には低い方、自営業、また高齢者が多いという点では、この保険料に影響が出るというのは非常に重要な問題です。
 どういう影響が出るかは、主税局にお聞きしても、なかなかこれはわからない問題かもしれませんが、何らかの調整方法というのは、今のところとられていないわけですよね。
 ということでいうと、今後、保険料としては、この資料の第3号でいうと、二百万円以下の税金の方が全体でいうと五四%ぐらいですかね。この方は税率が五%から一〇%になると。じゃあ払う税金は国の税金との相殺で変わらないにしても、税率が二倍に上がることによる国保料の値上げが当然予想される。
 それから、一〇%と、税率そのものは変わらない方も、五%までの部分については変わるわけですので、したがって、国保料もやっぱり値上げになる。残り七・一%ぐらいのわずかな方、その方についても影響が出るというふうに聞いていますが、一番影響が出るのが、三百五万三千人になりますか、この方々が影響が大きい。
 国保料というのは、各区市町村が保険者ですから、区市町村ごとに総額は、それ自体は変わらないとしても、その中で相対的に所得割額が上がったところに負荷が大きくなるわけですから、所得の低い方のところに区市町村の中での保険料の負担が重くなり、所得の高いところは軽くなるという、これはあってはならない逆転現象が起きる可能性が強いわけです。
 したがって、これは、東京都や主税局の所管ではありませんが、何らかの調整措置が必要だということで、私たちも必要な提案をしていきたいと思いますし、こういうことが、やはりフラット化に伴って起きるという点では、住民税はフラット化をやっぱりやるべきではないということを改めて主張しておきたいと思います。
 以上です。

○桜井委員 それでは質問をさせていただきます。
 何しろ主税局は、一生懸命やればやるほど、余り多くの都民からそう高く評価されるという部分じゃない、非常に大変な局でございます。でありますので、みずからを叱咤激励して頑張っていらっしゃるんじゃないかと、このように思います。
 これまでも、いわゆる不正軽油撲滅作戦、それから、今ありました個人住民税の徴収に当たっての区市町村への支援、あるいはまたインターネット公売など、全国に先駆けた取り組みを展開して、納税秩序の維持や税収の確保に大きな成果を上げてきたことは周知の事実であります。
 知事も先月の定例記者会見の席上で、こういったことを高く評価されております。大体、本会議場で見ておりますと、知事は、局長たちが答弁をしているときは大体私たちに向かっていますけれども、主税局長が答弁するときだけは体を主税局長の方に向けてよく聞いているということは、実に頼りにしているんじゃないかなという感じがするわけです。
 ところで、きょうは自動車税の徴収率の向上の点だけについて質問をさせていただきます。
 まずその前に、自動車本体にかかる税金は、全く種々さまざまに数が多くて、一般的にわかりにくい点もありますが、自動車を購入して使用している場合です、どういうような税金がかかるのか、これは軽自動車の場合も含めてでございますが、まずこの一点を最初に質問します。

○松田課税部長 自動車及び軽自動車を新規に取得しました場合には、国税である自動車重量税及び都道府県税である自動車取得税が課税をされます。また、車検の更新時にも自動車重量税が課税をされます。
 次に、自動車の保有に当たりましては、毎年、都道府県税である自動車税が課税をされます。また、軽自動車の保有につきましては、区市町村税として軽自動車税が課税をされます。

○桜井委員 重ねてになりますが、自動車を取得してから廃車するまでの大まかな課税の流れというんですかね、そういったものはどういうものなのか。それからまた、今年度東京都が課税した自動車の台数はどのくらいなのか、これを質問します。

○松田課税部長 自動車を新規登録した場合に、当該年度分の自動車税として、登録の翌月から年度末までの分が月割りで課税をされます。また、その後は、毎年四月一日現在の所有者に対しまして、五月の末日を納期限として自動車税が課税をされます。
 また、年度の途中で廃車した場合には、抹消登録の翌月以降の分を月割りで還付をすることとなります。なお、年度途中に他府県への転出や他府県からの転入によりまして自動車のナンバーが変わった場合、現在は月割り計算によりまして還付や新たな課税を行っておりますが、平成十七年度の税制改正によりまして、本年四月からは、四月一日現在車検証に記載をされている所有者に一年分の自動車税が課税をされるようになります。
 次に、平成十七年度の東京都の課税台数でございますが、十七年四月一日現在で約三百二十九万台でございます。

○桜井委員 次に、東京都の平成十六年度決算では、約千百八十億円の自動車税の収入があったと聞いております。これは都税収入全体に占める割合は三%弱という税金ですが、平成十二年度以降、自動車税の徴収率向上を主税局の重点課題として今日まで取り組んでまいりましたけれども、その取り組んでまいりました理由と、これまでの取り組みの主な内容について質問します。

○吉田徴収部長 平成七年に主税局は、組織及び業務運営について抜本的な見直しを行い、以後、効率的な組織運営とともに徴収取り組みの強化を図ってきたところでございます。その結果、都税総体の徴収率は年々上昇してまいりました。
 しかし、自動車税の徴収率につきましては、ほぼ横ばいで推移し、平成十一年度決算で九二・六%と、全国最下位水準に低迷している状況でございました。この背景には、車検時に納めればよいとの納税者意識と、これを許容してきた自動車税への取り組み体制の問題がありました。
 主税局は、納期内にしっかりと納付していただいている納税者の方々との公平性確保及び納税秩序維持の観点から、これ以上放置できないと判断いたしまして、平成十二年度から主税局の重点課題として取り組むこととしたものでございます。
 具体的には、街頭キャンペーンなどによって、納期内納税への理解を促す一方、徴収部門に自動車税の専門担当組織を設置しまして処理することとし、納税に誠意のない滞納者に対しては、ちゅうちょなく差し押さえ、公売を行うなどの毅然とした取り組みを実施してまいりました。

○桜井委員 先ほど答弁がありましたが、課税台数が非常に多いということとか、あるいはまた廃車などの異動も多いということで、税の徴収には大変苦労されておられると思います。
 こういう中で、先般、いわゆるタイヤロックによる差し押さえを新たに開始する--もう開始したんですかね、そういう報道がテレビ、新聞などで大々的に取り上げられていましたけれども、滞納整理強化策の一つとして、今回の新しい手法、タイヤロックするという新しい手法を導入したと思うんですが、これはかなり手厳しいですが、どのような滞納者に対して行われるのか、その概要と効果について聞かせてください。

○吉田徴収部長 今回の差し押さえは、これまで再三の納税催告や納税交渉にもかかわらず納付していただけない方を対象として実施したものでございます。この手法は、自動車の駐車場でタイヤロックにより差し押さえるもので、自動車を引き揚げて差し押さえる従来の方式に比べまして、より簡易で機動性にすぐれた方法であると考えております。
 また、二月の自動車差し押さえ強化月間におきましては、四十一台の自動車を対象に行動を実施した結果、自動車税など約一千七百万円の納付または納付約束を得ました。
 そのうち約九割のケースが三日以内に納付に応じていただくなど、非常に効果的な手法であるとも考えております。

○桜井委員 確かに効果的ではあると思いますよね。さまざまな工夫を凝らした取り組みを実施してきたということですが、その結果ですが、自動車税の徴収率はどのように推移しておりますか、この点について、平成十二年度の取り組み開始以降、その徴収率の推移を他の地方団体と比較して答弁してください。

○吉田徴収部長 重点課題として取り組む直前の平成十一年度の徴収率は九二・六%で、全国順位は四十五位でございました。
 取り組みを強化した平成十二年度以降、徴収率は年々上昇しまして、平成十六年度決算では九六・七%、全国順位で第八位と、大幅に改善しているところでございます。

○桜井委員 現時点で、今年度の自動車税の徴収率の状況はどうですか。また、間もなく決算時期であります五月を迎えるわけですけれども、今後、どのような方針で取り組んでいくのかを伺います。

○吉田徴収部長 直近の実績でございますが、三月二十日現在の自動車税徴収率は九六・七%で、昨年度決算の徴収率と同率となっておりまして、順調に推移しているところでございます。
 五月の決算期末まで残すところあと二カ月余りでございますが、負担の公平性を確保する観点から、大多数の納期内納税者の視点に立ちまして、引き続き取り組みを強化してまいりたいと考えております。

○桜井委員 最後に質問しますが、冒頭に申し上げましたけれども、主税局は本当に大変ですよ。本当にご苦労様でございますといいますが、今後とも負担の公平を期して全力で取り組んでいただきたい、このように思います。
 最後ですけれども、自動車税を含めた都税収入全般の確保に向けたさらなる徴税努力について、局長の考えを伺って、質問を終わります。

○菅原主税局長 都の国に対します働きかけが実を結びまして、所得税から住民税へ、三兆円の税源移譲、これが間近に控えているわけでありますけれども、そのためには、地方団体における租税債権の確保、これは以前にも増して、これまでにも増して、非常に重要な課題となっているというふうに考えているところであります。
 したがいまして、主税局といたしましては、今後とも適正、公平な課税に努めるとともに、創意工夫を凝らしながらさらなる徴税努力を重ねまして、唯一の歳入所管局に課されました責務を全力で果たしていきたい、このように決意しているところでございます。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件並びに請願陳情に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項並びに請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十三分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る