委員長 | 山加 朱美君 |
副委員長 | 東村 邦浩君 |
副委員長 | 大沢 昇君 |
理事 | 村上 英子君 |
理事 | 曽根はじめ君 |
理事 | 大西 英男君 |
鈴木 隆道君 | |
伊沢けい子君 | |
高倉 良生君 | |
佐藤 広典君 | |
吉田康一郎君 | |
神林 茂君 | |
門脇ふみよし君 | |
桜井 武君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 谷川 健次君 |
経理部長 | 臼井 勇君 | |
契約調整担当部長 | 山本 憲一君 | |
主計部長 | 安藤 立美君 | |
財産運用部長 | 泉本 和秀君 | |
調整担当部長 | 塚本 直之君 | |
特命担当部長 | 三津山喜久雄君 | |
建築保全部長 | 南部 敏一君 | |
参事 | 吉田 長生君 | |
参事 | 松村 進君 | |
主税局 | 局長 | 菅原 秀夫君 |
総務部長 | 三橋 昇君 | |
税制部長 | 川村 栄一君 | |
税制調査担当部長 | 宮下 茂君 | |
参事 | 橋本 隆之君 | |
課税部長 | 松田 曉史君 | |
資産税部長 | 安田 準一君 | |
徴収部長 | 吉田 裕計君 | |
特別滞納整理担当部長 | 齊藤 吉民君 |
本日の会議に付した事件
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十五号議案 平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳入、歳出 主税局所管分
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十五号議案 平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入・歳出-財務局所管分、都債
・第百三十七号議案 平成十七年度東京都公債費会計補正予算(第一号)
・第百十八号議案 都立石神井高等学校(H十七)改築工事請負契約
・第百十九号議案 都立世田谷地区総合学科高等学校(仮称)(H十七)改築及び改修工事請負契約
・第百二十号議案 都営住宅十七H-一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
・第百二十一号議案 都営住宅十七H-一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
・第百二十二号議案 都営住宅十七H-一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
・第百二十三号議案 都営住宅十七CH-一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局及び財務局関係の付託議案の審査を行います。
なお、付託議案のうち契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
これより主税局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳入、歳出、主税局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○曽根委員 補正予算における都税収入の推移について、何点か伺っておきたいと思います。
今年度の最終補正予算額、当初予算額に比べて大幅な増収になっているわけで、昨年も同じようなことがありましたので、二年連続で当初予算を大きく上回る。トータルにすると大変な増額、増収になっているわけですが、大体、傾向は同じ問題だと思うんですけれども、今年度の当初予算に比べた大幅な都税収入増の要因というのはどういうものでしょうか。
○川村税制部長 平成十七年度の補正予算額は四兆五千六百六十四億円でございまして、当初予算額四兆二千五百八億円に対し三千百五十六億円、七・四%の増と見込んでおります。
その主な要因といたしましては、都税収入の約四五%を占めております法人二税が引き続き好調な企業収益を反映いたしまして、製造業、サービス業など、ほぼ全業種にわたって増収となり、二千六百七十二億円、一四・七%の増と見込まれることにございます。
加えまして、徴収率の毎年の向上に見られますように、これまで主税局が取り組んでまいりましたさまざまな徴税努力の成果も寄与しているものと考えております。
○曽根委員 徴税努力の方もあるんでしょうが、大きくは法人二税の伸びが二千六百七十二億円ということで、当初予算でいえば一五%ぐらい伸びたんでしょうかね。これが都税収入の半分近くを占めているわけですから、当然全体も大きく伸びるという結果だと思います。しかし、法人税が伸びているということは、私の近所の商店街や地域の中小企業の様子を見る限り、ちょっとかけ離れた印象があるわけです。
そこで、この法人二税が伸びている中で、資本金で一億円以下と一億円を超えるもので分けた場合、どれぐらいその伸び方の違いがあるのか、そこをお聞きしたいと思います。
○川村税制部長 法人二税の税収状況につきまして、資本金一億円で区分をいたしまして、平成十六年度課税実績により申し上げますと、資本金一億円以下の法人は五千五百三十三億円で、前年度に対しまして五百二十三億円、一〇・四%の増でございます。資本金一億円を超える法人は一兆二千四百九十五億円で、前年度に対しまして二千三百三十一億円、二二・九%の増となっております。
○曽根委員 納税額そのものも一億円以上の大手企業が、これは昨年実績ですね、昨年度実績として大半を占めているだけじゃなくて、伸び方も二倍以上の伸びを大手の方が占めているということは、今の経済状況を非常に反映していると思うんです。実際のところ、私の知っている中小業者の方も含めて、赤字で税金さえ納められないという企業が、やっぱり相当あるわけですね。商店街なんか、私は半分以上がそうだと思うんです。
そういう中で、これだけ法人二税が伸びているということは、やはり赤字の企業の割合が相当違うんじゃないかと思うんですが、同じように資本金一億円以下と一億円を超える企業とで、十六年度になると思いますが、実績で、いわゆる赤字企業、欠損法人の割合はそれぞれどういう割合になっているでしょうか。
○川村税制部長 欠損法人の割合につきまして、平成十六年度の法人事業税所得金額課税法人の申告実績により申し上げますと、資本金一億円以下の法人は七〇・四%、資本金一億円を超える法人は四六・五%でございます。
○曽根委員 やっぱり一億円を超える資本金の、中堅企業も含まれていると思いますが、そちらの方がはるかに赤字になっている企業は少ない、半分以下になっていると。しかし一億円以下、まさに中小企業ですね、ここは七割が赤字で、税金さえ納められないという状況で、この経済状況を放置して、大企業はもうかっているから、そこに行政として多く優遇してサービスをすれば、日本の経済全体が持ち上がるのかというと、私はそういう時代じゃないと思うんですね。昔はそうだったかもしれませんが、今は大手が幾らもうかっても、今日の現状が示しているように中小に回ってこないという事態が、ずっとこの間続いているわけです。
したがって、納税者に対する顧客サービスが今、自治体にも問われているんだというふうによくいわれますけれども、多く納税している大手の企業に法人税の還元をできるだけしていこうというふうに考えると、中小はますます苦しくなる。ここは、所得の再配分といいますか、やはりもうかっている企業は余裕があるわけですから、そのもうけの一部を税金として納めて、なかなか今、相変わらず厳しい状態にある中小企業の振興のために、集まった税金をそういう意味で公平に使うということが求められていると思うんですが、これは主税局に申し上げることではありませんが、今度の補正予算の財源の使い道を見ると、全くそうなっていないという点は、今回の補正財源のあり方、その背景にある都税収入のあり方から見て、私は本当に問題があると思っておりますので、これは引き続き、財務局の方にただしていきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山加委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
○山加委員長 これより財務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入、歳出、財務局所管分、都債、第百三十七号議案及び第百十八号議案から第百二十三号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布をしております。
資料について理事者の説明を求めます。
○臼井経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求をいただきました資料につきまして、私の方からご説明申し上げます。
今回要求をいただきました資料は、一件でございます。恐れ入りますが、お手元配布の要求資料第1号をごらんください。
資料は、都税収入の推移(第二次財政再建推進プランにおける見込額との比較)でございます。
これは、都税収入につきまして、プラン期間中の当初予算額、最終予算額、決算額の推移を、プランの見込額と比較して記載したものでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山加委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○神林委員 本年度最後の締めくくりとなります。しかも、来年度予算と連動するという意味では、補正予算は大変大切なものでございます。順次、何点か質問してまいりますので、お願いしたいと思います。
長らく低迷を続けた日本経済でありましたが、官民の総力を挙げて再建に取り組んだ努力が、ようやくここに来て目に見えて成果を上げてまいりました。ただ、先ほどもお話にありましたとおり、私も大田区で、中小企業のまちでございますけれども、中小企業においては依然と厳しい状況であることは事実でございます。そういう中でも、全般としては景気は持続する様相を見せてきております。都財政においても好調な企業収益を反映しまして、都税収入は今年度当初予算と比較して三千億円を超える増収が見込まれる状況でございます。
このたびの補正予算では、こうした都税収入の大幅な伸びを都民サービスとして還元するとともに、いかに有効的に活用して財政運営に反映させていくのかが問われていると思います。
一般会計のほかにも、特別会計、公営企業会計を合わせて約五千四百億円規模の補正予算が組まれたわけでありますけれども、きょうは特に一般会計補正予算の中身について、何点か伺ってまいります。
まず一番初めですけれども、今回の補正予算の基本的な考え方につきまして伺います。
○安藤主計部長 このたびの補正予算の主な柱でございますけれども、第一に、都政における緊急課題に適切に対応すること、第二は、将来を見据えました取り組みに対応することでございます。
緊急課題についての取り組みといたしましては、都市交通基盤の整備など、引き続き都市機能の充実を図りますとともに、年度途中に社会問題化いたしましたアスベストによります健康被害でありますとかマンション耐震偽装など、都民の安全・安心を確保する観点からの緊急課題への対応を行っていくところでございます。
また、都税の増収分などを活用いたしまして、減債基金の積立不足などの、いわゆる隠れ借金の圧縮を図ることと、そして将来を見据えました基金積み立てを積極的に行っているところでございます。
こうした取り組み以外にも、特別区財政調整交付金や地方消費税交付金など、税収の一定割合を区市町村に交付いたします、いわゆる税連動の経費など、義務的な事項についても補正を行っているところでございます。
○神林委員 私も、都民の生命だとか安全を守っていくということが、やはり政治の原点でございますので、そういう意味ではアスベストや構造計算書偽装問題など、社会を騒がせた問題に対しまして、迅速な対応を図っていくという点は大変評価をさせていただいております。
また、今回の都の補正予算を見ると、都市交通基盤の整備や市街地再開発事業の推進を図るなど、都市再生に向けて前向きな取り組みも盛り込まれております。
いまだ十分とはいえない東京の都市インフラを整備拡充していくことは、都民生活の質の向上を図るためにも必要不可欠な事業であります。これは、我が党の従来からの主張でもあり、この時期に適切に対応を図ることは非常に有効であると考えております。
続いて、本補正予算のもう一つの柱であります財政構造改革の推進について、質疑を進めていきたいと思います。
さきの本会議におきまして、知事から答弁がありましたけれども、都の財政再建に一区切りがついたとのことであります。石原知事は就任後、まさに先陣を切ってこの取り組みを推進してきて、我が都議会自由民主党も、知事とともに力を合わせてきまして、これまで進んできた方向性だとか、あるいは取り組み手法に間違いがなかったことのあかしでもあると考えております。
財政再建に一区切りをつけることができたのは、平成十八年度当初予算における取り組みだけでなく、この補正予算での取り組みも相まって成果が生まれたものと考えております。
そこで、財政再建につながる取り組みである隠れ借金の圧縮と基金の積み立てについて、改めてその内容を整理して説明していただきたいと思います。
○安藤主計部長 まず、隠れ借金の圧縮についてでございますけれども、減債基金の積立不足額がございましたが、この圧縮のために六百三十二億円を、そして公営企業会計支出金の支払い繰り延べがございましたが、これの全額解消ということで四百億円、合計千三十二億円でございます。
次に、将来需要を見据えました基金の積み立てにつきましては、社会資本等整備基金への積み立てが五百億円、財政調整基金への積み立て、これは税が伸びた場合の義務積み立てでございますけれども、千七億円、合計千五百七億円でございます。
以上、今回の補正予算で合わせて二千五百三十九億円を隠れ借金の圧縮と基金の積み立てに充てたところでございます。
○神林委員 今回の補正予算額は、三千八百五十二億円のうち、特別区への繰出金など義務的な経費を除けば、今お話がありましたとおり、実に二千五百三十九億円もの額が、隠れ借金の圧縮と将来の需要を見据えた基金積み立てに活用されているということだと思います。
今回の補正予算の中心的取り組みとなっているわけですけれども、そのうち、これまでにない特徴ということで見てみますと、公営企業会計支出金支払い繰り延べの全額解消と、それから社会資本等整備基金への積み立ての二点であると思います。
そこで、まず初めに、隠れ借金の中でも、特に公営企業会計支出金の支払い繰り延べを全額解消した意義、この辺について伺いたいと思います。
○安藤主計部長 今回、隠れ借金の圧縮の中で、支払い繰り延べについて全額解消したわけですけれども、この繰り延べは、一般会計から公営企業会計に対する支払いにつきまして、本来は当該年度末までに支払われるべきものですけれども、財源の手当てがつかないために、その一部の支払いを万やむを得ず、翌年度以降に繰り延べるというものでございます。
この支払い繰り延べは、決算における実質収支の算出に際しましては、マイナスに働きますので、この繰り延べを行っていることが、都の赤字決算の要因の一つとなっているわけでございます。
支払い繰り延べというのは、申すまでもございませんけれども、やむを得ない緊急の措置でございまして、速やかに解消することが必要でございまして、私ども財政当局といたしましても、解消に向けた財政運営に努めてきたところでございます。
今回、この支払い繰り延べの全額解消ということになりますので、財政運営についての正常化が一歩進むと同時に、決算におきます一つの赤字要因を解消するという意義があるというふうに考えてございます。
○神林委員 今、最後にお話がありましたとおり、決算の赤字要因の一つが解決されたとのことでございますので、財政健全化に向けた大きな前進というふうに私どもはとらえております。
減債基金への積み立てを加えると、隠れ借金の残高は一千億円以上減少することになります。一時期一兆円を超えた規模であったことを思えば、一歩一歩着実に解消に向けて進んでいることは確かであります。引き続き、隠れ借金の圧縮に取り組んでもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に、先ほど申し上げた二点目、社会資本等整備基金に積み立てを行うことに当たっての考え方について伺います。
○安藤主計部長 昨年七月に発表し、当委員会でもご報告をさせていただきました「都財政が直面する課題」におきまして、今後、都が持っております大規模施設が、次々と更新でありますとか大規模修繕の時期を迎えることになりまして、それに要します経費は、都財政における新しい圧迫要因となるというようなことをお話させていただきました。
しかし、これまでの予算、これは単式簿記・現金主義を基調とする現行の官庁会計をベースにするものでございますけれども、この中では、こうした施設の更新等に対する財源は、特に手当てをされてこなかったのが現状でございまして、将来需要を見据えた財源の確保が必要だったわけでございます。
今回の補正予算では、こうした状況を踏まえて、また、本年四月から都が導入いたします複式簿記・発生主義、これが入るわけですけれども、こういう機会をとらえまして、その考え方を参考に、増収となりました都税を活用して、今後の施設の更新等の財政需要に備えるために、今般、社会資本等整備基金への積み立てを行ったものでございます。
○神林委員 新たな公会計制度の考え方を取り入れたとのことでありますけれども、都政改革を進めていくための第一歩として大いに評価しております。今後とも、その活用手法について十二分に議論を深め、この先駆的な取り組みを推進されることを期待いたします。
ところで、先日、新聞紙上でも、建設後十五年を迎えたこの都庁舎の各所で雨漏りが発生しているとのことであります。このことからわかるように、大規模施設の修繕というのは避けて通れない課題であり、そうした経費を計画的に準備していくための目安を設けたということは、大いに前進だと考えております。
そこで、全庁的な課題でもあるんですが、さらにこのことに関して、ちょっと一点だけ提案をさせていただきたいと思います。
それは施設カルテということでございまして、今後、前回の東京オリンピック当時の高度成長時代以降、建設ラッシュのごとくたくさん建てられた都有施設がございまして、これから改修、改築のピークを迎えることになると思います。
人間の体に診療のカルテがあるわけでございまして、やはりそれぞれの都有施設についても、そういう人間のカルテと同じように、施設に対するカルテがあってもいいわけでございまして、それをつくることによって、やはり効率的に計画的に改修、改築を進めていくということは大事なことだと思っておりまして、せっかくこういう導入の機会でございますので、ぜひこれを提案させていただきたいと思います。
さて、今までの議論を改めて整理しますと、今回の補正予算は、税収増加を有効活用した内容となっており、今後の都財政にとっても非常に意義ある予算であります。税収の増加を都民福祉に使っていないということで、勝手に位置づけ、批判する向きもありますけれども、私は、アリとキリギリスのお話があるように、財政再建の取り組みも、やはり将来に向けて安定した都民福祉を推進していくためには、今対応していくべきことだ、大切なことだというふうに考えておりますので、ぜひこの方向を進めていただきたいと存じます。
これは私の経験なんですが、手前みそでございますが、二十六年間区議会議員として地方自治体の財政状況や運営を見てまいりました。その最も象徴的だったのが、実はバブルのときの財政運営と、バブルがはじけた後の長い間続いた厳しい財政運営の時期でございます。バブルのときは、それがし政党ということにしておきましょうが、それがし政党が、こんなに財源が余っているんだから基金を積み増さずに際限なく福祉の向上のために金を使い果たせと、こういう批判をしておりました。
ところが、バブルがはじけて長い間続いた苦しい財政運営のときに、その福祉水準を後退させることなく安定して行財政運営ができたのは、実は、それがし政党が批判し続けてきた、その基金を取り崩して財源不足を補って、初めて安定した行財政運営ができたということでございまして、これもバブルのいい経験なのかなというふうにも私は考えております。
そこで、石原知事が一時的な税収増に踊らされず、あくまでも財政再建に力点を置いたことに対して、我が党としても大いに支持することを表明しておきます。
財政再建の達成という平成十一年の石原知事就任以来の悲願が、現実のものとなろうとしております。今後は、堅牢な財政基盤をベースとして、都民が将来に希望が持てる施策展開を図っていただきたいと存じます。
今回の補正予算に計上されている事業は、いずれも都政の重要課題に対応するものです。とりわけ、アスベスト対策やマンション耐震偽装問題対策は、都民の生命を守るという行政の最も重要な責務を果たすためにも、速やかに執行が求められております。
そこで、本予算の万全な執行に向けて、まとめとして局長の決意を伺いたいと存じます。
○谷川財務局長 今回の補正予算の特徴は、都市再生やアスベスト対策、マンション耐震偽装問題対策といつた喫緊の課題に積極的に取り組むとともに、都税収入の増加を活用し、隠れ借金の圧縮、都有施設の大規模改修などに備えた基金の積み立てなど、将来需要を見据えた取り組みを進めることであると思っております。
このうち、アスベストによる健康被害やマンション耐震偽装は、都民の安全・安心を確保するという観点から、一刻も早い対応が求められております。都として迅速に対応してまいります。
また、今後、長期的に見れば都税収入の大幅な増が期待できない状況の中で、基金への積み立ては、将来の財政需要や不測の事態に柔軟に対応できる財政基盤の確立のために、必要不可欠なことであると考えております。
今後も、都政が抱える課題に的確に対応するとともに、引き続き都財政の構造改革を積極的に推進してまいります。
○神林委員 最後に、今後の都財政に関して一言申し上げておきます。
日本経済は、少なくともここしばらくは順調に推移するものと思われます。都財政も、ようやくこれまでの緊縮財政を脱し、将来にも目を向けることができるようになりました。十八年度からは、新たな公会計制度も導入するとのことでありまして、資産などのストック情報も活用できるようになります。
こういった状況にある今こそ、これまでの単年度限りの発想を捨てて、将来予測を踏まえた中長期的な視点を重視した財政運営に、質の転換を図るべき時期だと考えます。局長を初め職員一丸となって、こうした課題に取り組まれることを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○曽根委員 補正予算について何点か質問したいと思います。
いみじくも、今質問の方もおっしゃったんですけれども、将来に対する備えという部分は、かなりの部分を占めているというお話ですし、それ自体、私どもも否定はしていないと。減債基金の不足分も、いずれは埋めていかなきゃならない問題ですし、過去のバブル時代も含めた開発の赤字もだれかが補てんしなきゃならないという点では、手をつけなければならない問題もあります。
それも必要ですが、しかし、緊急に必要な耐震偽装問題やアスベスト対策という国がつくったスキームに基づく、いわば義務的な費用のほかに、都独自で考えるべき都民の緊急事態、または逼迫した暮らしに対する対策などについて、必要なものもあるだろうと。そこがほとんどといいますか、皆無といっていい状況なので、私どもはこの点について批判を申し上げたわけで、さきの本会議でも申し上げました。
その観点から幾つか質問したいんですが、さきに、将来の備えとして最初に片づけておきたいのは、繰延金の支払い、これは赤字の主たる要因となってきたものですよね。これがあるから実質赤字七年というふうにいわれてきたわけですが、しかしこの間、特に最近は、財調基金や将来の都市基盤整備に備えた基金などの額を見ると、その各年度の支払い繰り延べの額をはるかに上回る基金を別に積んでいるわけですよね。
だからそれを解消すればすぐできたものが、今日まで引きずって実質赤字七年ということが、盛んに都民に対していわれてきたと。ようやくもう区切りをつけるというか、区切りをつけざるを得なくなって今回解消というのは、当然過ぎること当然ですが、私どもにいわせれば、これこそ遅きに失したというふうにいわざるを得ないと思うんです。
それで、今回の補正予算の基本方針については、お聞きしようと思っていたんですが、先ほど質問がありましたので省略します。
緊急対策が必要だということで出されたのが、先ほど申し上げていましたように、アスベストと偽装マンション対策を除けば、都市交通基盤整備と、あと環状二号線の開発の事業費になります。これは私たちにいわせれば、緊急でも何でもないじゃないかと。もともと交通基盤整備も、そのうち百十五ぐらいですか、大半は首都高に対する貸し付けの追加ですよね。これ自体も、どうしても今やらなければならない緊急のものではないだろうというのが評価なんです。
では、本当に都民向けに緊急の対策で都が自分で考えてやったものは、何があるのかと。私は、ほとんどないと思うんですが、この基本方針がいかに異常なものかということは、ほかの県を調べてみるとよくわかるんですよ。
近県でも、埼玉なども、やはり防災のヘリの更新だとか、その年度の中で起きた県独自の問題についての、アスベスト対策なんかももちろんありますよ。しかし、それ以外に県独自の対策の予算を組んでいますし、神奈川県でも災害復旧その他の予算があります。これも結構多いですよ。それから、千葉県はバイオマスの利活用など環境対策の予算とか、大阪府、これも大都市がありますが、小学校の安全対策ですね、緊急の補正予算を組んでいます。
こういったあり方というのは、しかも各県を見ると、東京の一回だけ、最終補正だけというようなことはなくて、九月、十二月、大体どこの県も補正をやっているんですね。それだけ住民の暮らしなんかに必要なものが出てくるということだと思うんです。
こういった姿勢が、なぜ東京で見られないのかなと。やればできることなんで、こういった基本的なところで、補正予算の組み方、これはやっぱり改めるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○安藤主計部長 ただいま曽根先生から、他県の補正状況のお話がございまして、私どももそういうお話を聞いておりましたので、他県の状況も調べてみました。
確かに埼玉県でありますとか大阪等で補正をしておりますけれども、この財源が一般財源なのか国庫が入っているのかまではちょっとわかりませんが、他県と私どもとの財政運営上の違いは、他県の場合には、やはり地方交付税でありますとか国庫補助負担金というものは、かなりのウエートを占めております。
特に交付税をもらっている団体というのは、九月に補正する例がございます。その場合には、年度途中でその財源をもとに補正をするという例は非常に多く見られますけれども、私どもは、残念ながら交付税というものの将来財源を見越して、それをもとに何かの財政需要にこたえていくというような状況にありませんので、やはり歳入構造も、それと財政規模も違う他県と都を同列に論じるということはできないというふうに考えておりますし、そもそも都は、かねてから当初予算を一年間の財政収入を見込み、先に施策ありきでございますけれども、一年間にやるべき施策を考慮し、それに見合う財政を用意するという意味で、年間総合予算というふうに編成しておりますので、その年度で必要と見込まれる施策については、基本的には当初予算において措置をしておりますし、そのことについていえば、第一回定例会で、先生方にさまざまな面からご議論をいただいているというふうなことでございます。
そういうことを踏まえますと、一概に東京都が、例えば九月の補正あるいは十二月補正、あるいはこの三月の補正で、何か新しい施策を講じていないから都民要望にこたえている、いないという議論には、直ちにそういう議論にはならないというふうに私ども考えております。
○曽根委員 まず第一に、国の補助がつくなどの事業がある場合は、それは年度途中に補正があると。これはそういうこともあるでしょう。
しかし、大阪のように、事件がありましたのでね、学校の警備、緊急に必要だということで対応すると。それから石油製品などの高騰対策というのを、いろんな県でやっています。これらは、国の補助だけではなくて県独自の判断で補正を組んでいるわけですよ。
こういうことはできるし、都の発想は、何でも国がらみでないと、いわゆる直接事業の補正を組まないという、今回アスベストと耐震偽造もそういう発想なんですけれども、私はやっぱりそこに住んでいる都民の実情に応じて、もう少しフレキシブルに考えるべきだということを申し上げておきたいと思います。
それからもう一つは、年度当初で必要な予算は組んでいるし、財源の手当ても考えてやっているんだというんですけど、実際は、きょう資料でいただいたように、年度当初を大きく上回る都税収入が入っていると。では、この年度当初の税収見込みって何だったのかということを問いたくなるぐらいの、大幅な増収なわけですよ。ですから、年度途中でも財源が現にあるわけですから、私はそういうことはいえないというふうに思うんですね。
しかも、都民の方でいえば、今は増税の影響も受けていますし、さまざまな、もろもろの負担がふえてきているという状況ですので、この資料だけでいっても、昨年度と今年度と来年度で、今わかっている範囲でも一兆九千五百億円も、財政プランからいえば、見通しを上回る税収があるということですので、特に今年度分ですね、補正の中で都民に還元することは必要だと思います。
例えば、今、主税局にもお聞きしたんですけど、税収の伸びの大きな原因は法人税ですけれども、しかし、法人税といっても伸びているのは大手がほとんどで、やっぱり中小企業は相変わらず七割が赤字法人だと。ところが、中小企業振興の予算というのはどんどんどんどん減っていると。こういうのに対しては緊急に手を打つということだって、あっていいじゃないかと思うんです。
例えば、事業局からこういった要望は聞いていないのか、それから都内の区市町村を含む各公共団体やいろんな都民団体から要望は上がっていないのかと。緊急に手を打ってほしいという要望は、恐らくたくさん声が上がると思うんですが、そういうものを受けとめて補正予算を組もうというような立場には、全く立っていないんじゃないですか。いかがですか。
○安藤主計部長 最初に補正予算で、国連動がらみだけではないかということでございますけれども、先ほど神林先生からお話がありましたように、補正と当初予算はかなり連動して編成しているという実態がございまして、例えば、耐震偽装につきましても、今回補正と同時に、当初予算でも数十億のものを用意しております。
アスベスト対策につきましても、今回は国の国庫があるということで補正に踏み切りましたけれども、当初予算では同じく数十億円の用意をしてございまして、国庫とともに一般財源を投入してこういう緊急課題に対応しようということで、ここは連続性を持って都民の必要とするものに対してお金を用意しておりますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。
それから都民要望につきましては、私ども当初申し上げましたとおり、年間総合予算ということで全体の姿をお見せし、よく議論していただくという立場に立っておりますので、当初の予算編成に当たりまして、今おっしゃいましたような所管局でありますとか区市町村あるいは都民、各種の団体の方々からいろんな要望をいただきますけれども、こういう要望を踏まえながら、事業の内容やその効果、重要性、緊急性などを総合的な見地から、担当部局とよくよく議論をいたしまして優先度を判断し、当初予算の編成を行っているところでございます。
そもそも私ども、税収の話がございましたけれども、大体税収の全体の姿が見えてくるのは、主税当局の話によりますと、やはり九月決算期法人の税収が見えないと、当該年度の全体が見えてまいりません。そうしますと、最終的な数値が把握できるのは、やはり十二月に入ってくるということで、定例会等におきましても、税収見込み等をお尋ねいただく場合がございますが、主税当局では、やはり冬にならないとなかなか税収見込みが立たないという立場でございまして、そのときには、もう既に私ども当初予算の編成等に入っているわけでございます。
そういうこともあって、私どもは年間の総合予算という立場をとっております。都民の方々からさまざまな要望がございますが、トータルの予算編成の中で、そういうものにこたえていくというのが私どもの姿勢でございますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。
○曽根委員 いろいろ要望が来ているのは事実のようですよね。それを取捨選択すると。で、選ばれているのがこういった交通基盤整備ということで、大半は首都高の貸付金追加など、また環二などの都心の開発事業の追加出費ということでは、やっぱり都民は納得できないと思うんです。
例えばですよ、都民、個人個人の問題もたくさんありますけれども、自治体でも、例えば市長会などからは、八月末に市長会の要望が出ていると思うんですが、福祉の分野でいいますと、国からの保育所運営と、それから保育所の整備、この予算が切られましたよね、補助がね。そうすると、それに連動して都の裏負担といいますか、この補助も切られると。今年度で終わりですよという事態になっているわけですね。
そうすると、来年度からはもう国も都も、保育所整備に一切補助しないということになっている。しかも、これでは待機児解消できないじゃないかということで、市長会の会長は稲城市長さんですか、話が来ているわけですよね。緊急に何とかしてくれと。
それから、ちょっと細かい話かもしれませんが、今、都内で人口がいろいろ動いていて、新しい団地やマンションができて人口がふえると。当然、そこに民生委員さんなどが必要になりますが、民生委員の追加は、予算がないからということで一切認めていないと。こういうのは、それほど大きな予算がかかるわけじゃないんで、フレキシブルに対応すれば幾らでもできると。そういう事業局からの、これが必要なんだと、細かいものを含めて予算を、必要なものを吸い上げるといいますか、聞き取るというか、そういう仕組み自体がないというのはおかしいと思うんですね。
特にひどいのは、私、ちょっとと思ったんですが、二月二十一日に文教委員会がありまして、ここで都立学校の施設がもう老朽化で大変だと、何とかしてほしいという陳情か請願が審議されたときにお聞きしたら、私どもの大山議員が聞いたんですが、ことしの都立学校の整備予算、幾ら必要なんだと、幾ら予算がついたのかと聞いたんですよ。そうしたら、各学校からの要望をまとめると、それでも教育庁の方で取捨選択しても五十億必要だと。恐らくそういう予算要望をしたんだと思うんですよ。ところが、ついたのは十五億だと。三〇%しか予算がされないと。その十五億で振り分けるしかなかったんだと。だから各学校でいろいろおくれが出ていると。
将来の備えも必要ですよ、都庁の雨漏りも大変ですけど、しかし、各学校で五十億要るといっている学校の現場からの声を三割しか認めてないって、それで当初予算が組まれているわけですよ。それで、それだけ何千億も増収が出ていると。
それは幾ら秋にわからないといったって、十二月にわかったじゃないですか。その時点で、この数十億程度の前年度に出されていた要望が実現できる財源もあり、将来の備えができるぐらいだったら、当面、子どもたちが困っている問題をなぜ手当てできないかと。財務当局に、これぐらいのことをやろうという仕組みとやる気があれば、できるじゃないですか。どうですか。
○安藤主計部長 私どもは全体の予算をつくる立場でございまして、全体のフレームをどうやって設定するかというのを、当初予算に種々考えます。要求に当たって、税収等の見通しの上に、例えば、ことしはゼロシーリングでございますけれども、歳出についての一定の目安を立てた上で、各局にご要求をいただいているという状況にあります。
各局におきましては、例えば、先生の方ではご批判があるかもしれませんけれども、道路をつくるということの重要性については、局は十分にわかっていて、そしてその中で優先的にやるべきものは何かということで要求をいただいた上で、なおかつ全体としての予算の形をつくるために、私ども財務局と各局が十分な話し合いをした上で、最後、予算という形になるわけであります。これは学校等も同じでございます。
そうしてでき上がりました予算の中において、各局においては、その緊急性に基づいて順位をつけた上で、なおかつさらに必要なものがあれば、執行上の工夫で対応はできる部分がございますし、それについては私どもも各局とよくよく相談をしながら、効果の高いものについては実施で対応する場合も、これもあるということでございます。
今回は、補正予算という財政のフレームを変えて、その財源をもとにフレームを変えるということでございますので、私ども予算編成の考え方からいえば、確実な収入の見通しがない段階で、それは額の問題とはまた別の観点でございます。
年間総合予算として、こういうフレームの中で一年間運営していこうというもとに、一年間やっておりますので、先生が今おっしゃられたような緊急なものについては、執行上の工夫も含めて、そして今般のように緊急のものとして国等で財源が手当てされたようなもの、あるいは義務的なものについては所要の補正をするというのが私どもの考え方でございますし、この点についていいますと、各局においても十分理解をされているし、そういう枠組みの中で都民の皆さん方の要望にこたえていくという姿勢で、各局とも事業に当たっているというふうに私は考えてございます。
○曽根委員 最後に、これは意見と提案というふうにしておきたいんですけれども、例えば、いろんな前提を抜きにして考えて、年度当初の予算を組むときには、各局の要望をとりますよね。それで知事の原案が一月に出ると。そして二百億残すわけですよね、復活財源として。そして一定期間の後に各局から出たもので復活を確定すると。二百億ですよ、財源は。それで追加の要望を聞いて、それを加えて予算原案となると。
その二百億に比べて、はるかに多い財源が年度途中で出てきているわけですね。これがなければ何も目くじらを立てることはないかもしれません。しかし、数千億のお金が、私のいる北区でいえば、三年分ぐらいの年間予算が立てられるぐらいの財源が、いかに東京都は大きいといっても、年間一般会計の五%ぐらいの財源が途中で明らかになるというときには、私はやっぱり仕組みをつくって、各局から改めてどうなんだと、どうしてもやってほしいものはないのかということを、依命通達なり出して聞き取ると。それで、できるだけその財源を有効に活用できるように、その財務局が重要と考えている道路とかそういうもので、上から判断して使うのではなく、やはり都政全体の力を結集して、この財源を活用するという立場を、ぜひシステムの上でもつくっていただきたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わります。
○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山加委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十九分散会
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