財政委員会速記録第十七号

平成十七年十二月十三日(火曜日)
第二委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長東村 邦浩君
副委員長大沢  昇君
理事門脇ふみよし君
理事曽根はじめ君
理事大西 英男君
鈴木 隆道君
伊沢けい子君
高倉 良生君
村上 英子君
佐藤 広典君
吉田康一郎君
神林  茂君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長谷川 健次君
経理部長臼井  勇君
主計部長安藤 立美君
主税局局長菅原 秀夫君
総務部長三橋  昇君
出納長室出納長幸田 昭一君
副出納長島田幸太郎君
収用委員会事務局局長嶋津 隆文君
審理担当部長井戸 秀寿君

本日の会議に付した事件
 決議について
 付託議案の審査(決定)
・第百九十四号議案 東京都公債条例の一部を改正する条例
・第百九十五号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第二百三十一号議案 地下車路出路築造工事(十七汐留-四)請負契約
・第二百三十二号議案 都立板橋地区単位制高等学校(仮称)(H十七)体育館改築及び校舎改修工事請負契約
・第二百三十三号議案 平成十七年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その一)請負契約
・第二百三十四号議案 平成十七年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その二)請負契約
・第二百三十五号議案 神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設設備工事(その六-二)請負契約
・第二百三十九号議案 神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結について
・第二百四十号議案  当せん金付証票の発売について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました決議につきましては、お手元配布の案文のとおり調整をいたしました。
 案文の朗読は省略をいたします。

商業地等に対する負担水準の上限引下げなど固定資産税等の軽減措置の継続に関する決議(案)
 景気は緩やかな回復傾向にあるというものの、原油価格の高騰を背景にした仕入れコストの上昇など、中小企業等にとって景気の先行きに不安感がある。また、二十三区の地価は依然として高く、全国に比べ過大な固定資産税等の負担の実態があることに加え、負担水準の不均衡はいまだ解消されていない。
 現在、都が独自に実施している負担水準の上限引下げを始めとする固定資産税等の四つの軽減措置は、中小企業の活性化、都民の税負担の緩和、負担水準の均衡化等を図る上で、大きな役割を果たしている。
 そうした中、今これらの措置を廃止すると、二十三区の商業地等の負担水準の不均衡が拡大し、いまだ厳しい経営状況にある中小企業に大きな経済的、心理的影響を与え、都民や中小企業者等の負担感は一層増すことになる。
 よって、東京都議会は、二十三区に住み、働く、都民や中小企業者等の負担感に配慮するとともに、東京の活性化に資する等の観点から、次の事項を実施するよう強く求めるものである。
1 商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引下げを平成十八年度も継続すること。
2 小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置を平成十八年度も継続すること。
3 小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置を平成十八年度も継続すること。
4 新築住宅に対する固定資産税等の減免措置の適用期限を一年延長すること。
 以上、決議する。
  平成十七年十二月 日
東京都議会

○山加委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○山加委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査、調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百九十四号議案、第百九十五号議案、第二百三十一号議案から第二百三十五号議案まで、第二百三十九号議案及び第二百四十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 なお、第二百三十一号議案から第二百三十五号議案までの契約議案及び第二百三十九号議案の事件案につきましては、事業所管の委員会から、お手元配布のとおり調査の報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十七年十二月九日
都市整備委員長 高橋かずみ
財政委員長 山加 朱美殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり決定したので報告します。
     記
1 調査議案
第二百三十一号議案 地下車路出路築造工事(十七汐留-四)請負契約
2 調査結果
 本案に対し、自民党、民主党、公明党は、異議はなかった。
 なお、日本共産党は、左記のとおり反対意見があった。
 (意見)
 本契約案件は、汐留区画整理事業と環状二号線との一体となった開発である。莫大な税金の投入により、都心部の新たな開発であり、とりわけ、環状二号線は骨格道路として、臨海副都心と各拠点開発を結ぶものであり承認はできない。

平成十七年十二月十二日
文教委員長 村松みえ子
財政委員長 山加 朱美殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第二百三十二号議案 都立板橋地区単位制高等学校(仮称)(H十七)体育館改築及び校舎改修工事請負契約
2 調査結果
(1) 自民党、民主党、公明党は、本議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、本議案に対し次の意見がありました。
 (意見)
 本議案は、志村高校と北野高校の統廃合を前提とするものである。
 取り分け、志村高校は地域住民、生徒、卒業生、教職員などの存続させてほしいという要望も大きく、この間五回の請願も提出されている。また、廃校の条件に当てはまるものがなくなったことは、先の委員会の質疑で明らかになった。
 よって、本議案に反対する。

平成十七年十二月九日
経済・港湾委員長 大塚たかあき
財政委員長 山加 朱美殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第二百三十三号議案 平成十七年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その一)請負契約
第二百三十四号議案 平成十七年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その二)請負契約
2 調査結果
(1) 自民党、民主党、公明党、ネットは、全議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、第二百三十三号及び第二百三十四号議案に対し、次の意見がありました。
 (意見)
 埋立処分場である中央防波堤外側処分場は、六年間の埋立免許が延伸され、新海面処分場のB・Cブロックの埋立実績においても、十年以上の埋立量を確保している。処分量の減量化や良質土砂の有効利用を行えば、更なる延命化が図られる。
 新海面処分場は、当初から廃棄物の発生量などに照らして、建設そのものが過大であることを指摘してきた。今、ヒートアイランド現象や京都議定書の発効などからも自然環境を守り、環境への負荷を抑えることがますます重要になっている。東京港の水面も貴重な財産であり、環境保護の面からも、廃棄物の処理と埋立処分も徹底した見直しを行い、減量化に努めるべきである。したがって、巨額の建設資金を投入する新海面処分場Gブロックの護岸建設工事を急ぐ必要はない。
 また、今回の契約は、いずれも高い落札率であり、大型公共事業の官制談合が問題になっている点から疑問である。よって、二議案に反対である。

平成十七年十二月九日
環境・建設委員長 ともとし春久
財政委員長 山加 朱美殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第二百三十五号議案 神田川・環状七号線地下調節池(第二期)善福寺川取水施設設備工事(その六-二)請負契約
2 調査結果
 自民党、民主党、公明党、日本共産党及びネットは、第二百三十五議案に対し異議はありません。

平成十七年十二月九日
警察・消防委員長 臼井  孝
財政委員長 山加 朱美殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月八日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
第二百三十九号議案 神宮前一丁目民活再生プロジェクト事業契約の締結について
2 調査結果
(1) 自民党、民主党、公明党は、本案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、本案に対し次の意見がありました。
 (意見)
 都有地一万六千平方メートルを住宅中心の開発という名目で、土地を提供したものの実際に建てられる住宅は、都民の求める安くて広いという願いに、ほど遠いものとなっている。この開発は、大企業のもうけを補償するものでしかないことは、明らかであり、反対するものである。
 また、原宿警察署の建設は、三百人収容の大規模留置場をとり入れた建物であり、本来、勾留後の被疑者、被告人の収容は、国の責任で対応すべきものであり、安易に留置場を拡大することは、国の責任を免罪するものである。したがって、勾留後、起訴後の被告人、受刑者まで警察の留置場に留め置かれていることは、許されない。国はすみやかに拘置所を拡大し国が責任をもって対応すべきである。

○山加委員長 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 本委員会に付託されました議案について、日本共産党の意見を述べます。
 第二百三十一号議案は、都心と臨海開発地域を結ぶための環状二号線に、汐留区画整理事業で建設されたビル群の駐車場をアクセスさせるための車路を公共で整備するというものです。
 もともと臨海開発の副都心づくりを最優先するため、高額な費用をかけて環状二号線を整備してきた結果、沿道に汐留を初め巨大開発が相次ぎ、一方で、臨海開発はオフィス中心の副都心としての可能性をますます失いつつある上に、超高層ビルの林立で、ヒートアイランドや風の遮断、過剰な自動車交通の増大など、環境問題も引き起こしています。開発は、抜本的な見直しこそ必要です。まして、区画整理事業の中で賄うべき駐車場のアクセスなどへの新たな税金投入も認められません。よって、本案件には反対します。
 第二百三十二号議案は、都立志村高校と北野高校の統廃合で、北野高校に新たな単位制の校舎を改修で整備するという案件ですが、地元生徒が多く進学していた両校、特に志村高校がなくなると、進学先が遠隔地になってしまう中学卒業生が多く出ることから、地元板橋区議会での見直しを求める意見書採択、五回にわたる関係者の都議会請願など、地元合意がいまだできていない中での統合実施は認められません。
 都立高校再編全体としても、今後中学卒業生が増加してくると再び高校が不足するおそれがあるなど、計画の見直しが必要です。よって、学校改修の契約案件でありますが、反対します。
 第二百三十三、二百三十四号議案は、新海面処分場のGブロック護岸建設工事ですが、既に完成している処分場だけでも延命対策によって長期に使用可能であり、Gブロック整備は急ぐ必要のない事業です。よって、反対します。
 二百三十九号議案、神宮前一丁目民活再生プロジェクトは、原宿警察の建設と十五年間の管理業務をPFIで行うことと三百人規模の留置場を併設する契約案ですが、もともと警察の留置場は、被疑者を取り調べる際、拘置所で勾留するという取り調べの原則に反するだけでなく、被疑者への精神的圧迫や人権侵害、さらに冤罪の温床ともなっているため、国際的にも早期に解消すべきとされているものです。ましてや大規模な留置場の建設は明らかな逆行であり、反対です。
 あわせて、PFI方式についても、建設費が約五割に下がっており、従来の入札なら都が再調査すべきところを事業者任せになってはいないか、警察署という機密が多い施設の維持管理を長期に特定事業者に任せるという点でも、十分な情報保護などの手だてが検討されたとはいいがたいなど、問題が残されていることも指摘しておきます。
 以上です。

○伊沢委員 第二百三十一号議案から第二百三十四号議案の四件の契約案件についての反対討論を行います。
 これらの工事は、一件につき十億円から二十億円の金額となっておりますが、いずれも落札率が九〇%を超えており、四件のうちの三件は、落札率が九五%を超える高落札率となっております。
 二〇〇二年、地方自治体の公共工事の平均落札率を調査した日本弁護士連合会によりますと、過去の談合事件の刑事記録から、落札率九〇%以上の工事は談合が行われている可能性が強いと指摘し、健全に競争すれば落札率は七五%から八五%になると、自治体は入札制度の改革を進めるべきと提言をしております。
 東京都は、抜本的な入札改革を行って、税金のむだ遣いをなくすべきです。
 また、第二百三十五号議案、神田川・環状七号線地下調節池関連第二期工事については、第一期、第二期合わせて、この全事業で約一千億円もかかる大規模事業となっておりますが、このような調節池建設によって治水を図ろうとする一方で、河川改修事業や雨水浸透事業などの進行が、水害が起きてからの後手に回っている状況は見過ごすことができません。
 地道な事業にもっと予算をかけ、力を入れるべきと考え、本議案に反対をいたします。
 以上です。

○山加委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百三十一号議案から第二百三十四号議案まで及び第二百三十九号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第二百三十一号議案から第二百三十四号議案まで及び第二百三十九号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第二百三十五号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山加委員長 起立多数と認めます。よって、第二百三十五号議案は原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第百九十四号議案、第百九十五号議案及び第二百四十号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認めます。よって、第百九十四号議案、第百九十五号議案及び第二百四十号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○山加委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りをいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○山加委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、幸田出納長から発言を求められておりますので、これを許します。

○幸田出納長 所管四局を代表いたしまして、一言お礼の言葉を申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託をされました各議案につきまして、それぞれご審議の上、ご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 また、都税調の答申など報告事項につきましても、さまざまな視点から熱心にご議論をいただき、ありがとうございました。
 この間、委員の皆様方からちょうだいいたしました貴重なご指摘、ご意見につきましては、今後の行政運営に、また事務の執行に反映させてまいりたいと存じます。万全を期してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○山加委員長 発言は終わりました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

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