委員長 | 山加 朱美君 |
副委員長 | 東村 邦浩君 |
副委員長 | 大沢 昇君 |
理事 | 門脇ふみよし君 |
理事 | 曽根はじめ君 |
理事 | 大西 英男君 |
鈴木 隆道君 | |
伊沢けい子君 | |
高倉 良生君 | |
村上 英子君 | |
佐藤 広典君 | |
吉田康一郎君 | |
神林 茂君 | |
桜井 武君 |
欠席委員 なし
出席説明員主税局 | 局長 | 菅原 秀夫君 |
総務部長 | 三橋 昇君 | |
税制部長 | 川村 栄一君 | |
税制調査担当部長 | 宮下 茂君 | |
参事 | 橋本 隆之君 | |
課税部長 | 松田 曉史君 | |
資産税部長 | 安田 準一君 | |
徴収部長 | 吉田 裕計君 | |
特別滞納整理担当部長 | 齊藤 吉民君 | |
出納長室 | 出納長 | 幸田 昭一君 |
副出納長 | 島田幸太郎君 | |
副出納長 | 牛山 幸彦君 | |
参事 | 細野 友希君 |
本日の会議に付した事件
出納長室関係
事務事業について(質疑)
主税局関係
事務事業について(質疑)
○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、出納長室及び主税局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより出納長室関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○門脇委員 それでは委員長からご指名をいただきましたので、所管について質問をいたします。
行政を適切に運営していくに当たって、予算、それからその執行、決算は、その重要な事務と認識をいたしております。当財政委員会はまさに行政運営のかなめとなる、こういった事務について審議、審理をする極めて重大な、重要な委員会であると認識をいたしております。
私も初めての委員会に、この財政委員会に所属をさせていただきまして、大変光栄に思っているところでございます。その中で、出納長室の所管する会計事務は現金の流れを管理し、そして処理するものであり、特に公正な、あるいは公平なことが求められていると理解をしております。また同時に、ということは、重大な仕事の内容だと思います。
そういった観点から、出納長室のあり方について幾つか、先日の事務事業概要の説明を受けまして、質問をいたします。
まず一点目でありますけれども、現在の自治法において、申し上げるまでもありませんけれども、出納長は知事から独立した権限を与えられておりますが、一方、同時に知事の、いわゆる補助機関としての位置づけもあると理解をいたしております。
こうした幾つものお立場や権限を持つ出納長及び出納長室という組織が、せんだっての事務事業概要の説明の中にもありましたけれども、具体的にどのような事務を行っているのか。長年、私自身は区で収入役室及び収入役とお付き合いをしてまいりました。もちろん収入役室とは大きく異なる部分もあると思いますけれども、まずその点についてお伺いをいたします。
○島田副出納長 出納長及び出納長が所管します組織でございます出納長室では、公営企業を除きました都の会計事務を行っております。
まず出納長が知事から独立した権限により行っている事務としまして、現金等の出納保管、決算の調整などの会計事務があり、特に適正かつ効率的な事務の執行に努めているところでございます。
次に、知事の補助機関として行う事務でございますが、基金に属する現金及び有価証券の運用管理、それから用品の集中購買などの実施をしております。
そのほか法定受託事務としまして、国の会計事務、それから規則により委任された準公営企業についての会計事務を行っております。
○門脇委員 ただいま説明をしていただいた事務、幾つかの項目がございましたけれども、最も、何といったらいいんでしょうか、厳格さを要求され、同時に責任も重いものは、知事から独立した権限で行う会計事務ではないかと認識をいたしております。
そこで、出納長室ではこのような、いわゆる独立性を貫き、適正な会計事務を行うために、どのような取り組みを行っているのか、あわせて先ほどの質問とも関連しますが、お伺いいたします。
○島田副出納長 私ども出納長室では、適正かつ効率的な会計事務を実施するため、厳正な審査、これは十六年度で私ども出納長室独自で行った審査分、五万八千件余りでございますが、こういったものの実施、それ以外にさまざまな取り組みを行っているところでございます。
このさまざまな取り組みの具体的なものといたしましては、適正かつ迅速な会計処理を目的としました財務会計システムの導入、適時適切な各局に対する指導、これに加えまして、庁内の定期的な検査、さらに随時に行う検査、さらには公金収納取扱金融機関、百八十二ございますが、これに対するもの、それからさらに、先般導入いたしました五つのコンビニエンスストアなどまでを対象として、幅広い検査を実施しているところでございます。
○門脇委員 出納長及び出納長室が公平公正な会計事務を維持するために、今の答弁で取り組みをされていることはわかりましたけれども、一方で先日の、これは報道記事ではありますけれども、第二十八次の地方制度調査会では、特別職としての都道府県の出納長や市町村の収入役を廃止するという表現が当たっているかどうかわからないんですけれども、そういう論議があると。私も、これは先ほど申しましたように新聞報道の範囲ですけれども、聞いております。少し心配なことでもありますし、行政改革の一環として組織を整理再統合するということはよく理解できるものも多いんですけれども、同時に出納長については、これは収入役も同様でありますけれども、議会の同意を得て選任をされるという、大変重い特別職でもありますので、このことについて、あえてお伺いをいたします。この議論の内容についてお伺いいたします。
○島田副出納長 今、理事からご指摘ございました議論の内容についてでございますが、まだこの地方制度調査会の答申が出ていない段階でございまして、新聞記事で報道されているものは、この調査会の中間の議論を伝えたものというふうに考えております。
聞くところによりますと、この地方制度調査会専門小委員会では、地方分権を進め、自治体の自立性、自主性を拡大するため、それぞれ規模が異なり、事情も異なる自治体が時代環境の変化に的確かつ柔軟に対応できるように諸制度を弾力化しようという議論が行われております。長を支える、知事を支えるトップマネジメント見直しについても幅広い議論が行われておりまして、その議論の中の一つが、特別職としての都道府県の出納長、あるいはまた市町村の収入役を廃止、あるいは選択制とし、これに伴いまして、会計事務を担当する一般職を置くというものでございます。
理由といたしまして、例えばIT化によりまして事務量が軽減されている、こういったことから、制度存続の必要性がないというふうにされております。
また、副知事、助役につきましても、首長と職務を分担しまして、権限と責任を拡大していく、こういった考え方もあわせて報道されているところでございます。
○門脇委員 先ほど申しましたように、報道記事の範囲を出ないことでありますけれども、一般的に地方制度調査会の議論からすれば、ストレートにはなかなか考えづらい部分もあるんですけれども、財政規模が文字どおり日本最大というか、世界最大級の都市、東京メトロポリタンの位置づけというのは、私自身は大変に重いものがあると思います。
今、最後の方で答弁の中にもありましたとおり、東京都においても新聞記事で伝えるようなIT化による事務の軽減などにより、制度存続の必要がなくなってきているのかどうかということについて、さらにもう一度お伺いいたします。
○島田副出納長 東京都では、IT化に関しましては、その基幹となるシステムとなっております現行の財務会計システムを導入しておりまして、これは平成五年四月から、私ども出納長室で運用管理しているところでございます。また同時に、収納窓口のIT化につきましても、マルチペイメントネットワーク、あるいはクレジットカードの利用、それからコンビニエンスストアの活用など、選択肢の拡大に努めておりまして、都民サービスの向上に積極的に取り組んでいるつもりでございます。
近年におきましては、IT化は事務改善にとどまらず、都民の利便性の向上、そういった観点につながっておりまして、私も率直に申し上げまして、出納長室の事務はむしろ多種多様化していると、こういうふうに考えております。
○門脇委員 答弁の中にもありましたとおり、特に、また別な機会で質問したいと思いますけれども、コンビニエンスの利用ということは、主税局の方のカテゴリーの中にも関係すると思いますけれども、これから積極的に利用していく必要があるのではないかと認識をしております。
最後の質問です。首都東京の巨大な公金を預かり、そしてその会計事務を担っている東京都の出納長、そしてその組織である出納長室は、先ほども述べましたけれども、ほかの自治体とは一概に面積や予算規模、人口だけでは比べることはできませんけれども、大きく事情が異なっていると認識をいたしております。リストラ的な考え方だけでは、私自身も行政改革、組織の整理再統合ということについては区議会のときにずっといってきたことなんですけれども、それだけではやはり都民の信頼というものを得られるかどうか、私は極めて疑問であろうかと思います。出納長室としては、廃止ということではないんですけれども、一連の動きに対してどのような考え方をお持ちか、最後にお伺いをいたしまして、質問を終わります。
○島田副出納長 先ほどもお話し申し上げましたように、まだ調査会の答申は出ていない段階でございまして、私ども、今後、国の動きにつきまして十分に確認していく必要性はあるかというふうに思っております。
ただ、現段階において率直に申し上げますと、都におきましては、都民から託された巨額な公金を適正に執行するとともに、例えばでございますけれども、新しい公会計制度におきましては、一般会計、それから十八の特別会計、さらには十一の公営企業会計、これを合算しますと十七年度の予算額では十二兆五千億円を超えるという、こういったことも視野に入れた取り組みを行うなど、その責任はますます増大しているのではないかというふうに考えております。この責任を果たすために、やっぱり会計事務の独立性を確保することが重要であるというふうに考えておりまして、したがいまして、知事とは独立した権限を担う特別職としての出納長は必要であると、こういうふうに考えている次第でございます。
○曽根委員 私からは、先日もこの委員会で質疑を行いましたが、来年度から全面実施を予定しております公会計制度の改革ということで複式簿記の導入という問題について、追加して何点かお聞きしておきたいと思っております。
先日、私の方からも、一つは財務会計の内容が一層重層的にといいますか、多面的に明らかになる、そういう可能性は一方で認めつつも、これがかねてから私ども問題にしてきました開発関係や、東京都が出資している第三セクターなどの行っている開発その他の行為に対する、いわば見えない、見えにくい借金や赤字についての解明を議会などで行うことに有効なのかどうかという点では、必ずしも直結しているのではなくて、出てきたいろんなデータの、やはり分析能力が問われてくるだろうという問題であること。
それからもう一つは、やはり資産その他についての価値、評価、そういったものがかなり突っ込んで明らかにされてくると思うんですが、こういったことが東京都が行う公的なサービス、都民向けのサービスを、お金の面からはかる方向が強調されてしまってはならないと。やはり公平に量と質、都民サービス全体を、都民にいかに貢献したかということは総合的に見なきゃならない問題だということも強調したところです。
そういった観点に立って、実際にはこれは議決を要しないことになっておりますので、来年度から、私たち懸念はしておりますが、全面実施に向けて準備を進めておられると思いますので、それを踏まえて、今年度、これから準備を最終的に行うべき課題、それから実施後の来年度に出納長室として、この財務会計システムの改変に伴う仕事というのはどういうものを考えておられるのか、その二点についてまずお聞きします。
○細野参事 来年四月の新たな公会計制度の導入に向けて、既に本年八月、会計処理のルールでございます東京都会計基準を策定し、発表したところでございます。現在は、新たな公会計制度の処理を迅速かつ正確に行うための新たな財務会計システムを開発しているところでございます。
また、導入後の出納長室の役割ですが、この新たな財務会計システムの安定稼働、各局の経理部門、事業所等に対する実務の支援、会計基準の追加改正等、またその管理ですね、そういったことを考えております。
○曽根委員 導入した後、実際に動き出した段階での皆さんの仕事として、会計基準が守られているかどうか、それからシステムが安定的に動いているかどうかの、絶えず点検や推進というのがあるというのは当然だと思うんですが、私、前回も申し上げたんですが、具体的に職員の方が初めてのことで全面実施ということで、トラブルが絶対に起きないということは、やっぱりいい切れないだろうと。
そういった場合に、具体的な人的支援、例えばアドバイザー的なものを随時派遣できる用意だとか、もしくは、もう具体的に実務にも入って応援できるような体制が必要じゃないかと。そういう恒常的な人的支援は考えてないというようなお話があったんですが、今のお話の中でいう実務支援、こういったものは、ある意味ではそういった人の、派遣しての具体的な援助というものが含まれているのかどうか、この点を確認したいと思います。
○細野参事 導入した後の、その具体的な支援に当たりまして、そういった人の支援等を考えているかという点でございますが、今後は私どもは導入に当たりまして、さまざまな支援の取り組みを行っていく予定であります。円滑な導入を図るためには、さらにそれを引き続き来年度もやっていくことを予定しております。
それで、具体的にはどういうことをやっているかということでございますが、まずやはり制度のいろいろな定着を図るための説明会、それからそれらを、いろんなところでの実績を踏まえたマニュアルを作成いたしまして、これを今、これから庁内ネットワークでありますTAIMSに掲載することによって、すべての職員がいつでも参照できる、そういった環境を整備していきたい、このように考えております。
○曽根委員 ITというか、TAIMSなど、そういった通信的なものは大いに活用するのはいいんですが、実際に現場を東京都はたくさん持っているわけで、全部が全部そういったことだけで、リモートコントロールでうまくいくとは限らないと思いますので、そういう点での具体的な援助を改めて強く求めておきたいというふうに思います。
それから、これはやっぱりシステムを導入したことでメリットも当然あるんでしょうけれども、都民サービスが停滞したり、マイナスになったりすることは絶対にあってはならないわけです。そういう立場から心配なのは、本庁は何とかなるだろうと。何しろ皆さんがいますからね。しかし、東京都は、恐らく全部合わせれば数百か千の単位で出先機関があるわけです。そういうところは、経理の職員さんは数名、場合によっちゃ一人か二人しかいないという学校職場などいろいろあるわけで、そういうところでのいろんな事態に対応するのは、私、相当いろいろ緻密に準備をしても、問題が起きる危険性が、可能性があるんじゃないかというふうに思っておりますので、そういった小規模な事業所、例えば学校などですね、そういったところでの問題点に対応するような仕事のシステムとか方法とかについては、お考えがあったらお聞きしたいと思います。
○細野参事 ただいまのご質問ですが、小規模な事業所、例えば学校等も含めましてですが、そういった職場に対してどのように対応していくかということでございますが、現在、先ほどご説明しました説明会を、これは事業所の職員も含めて実施しております。その中で定着を図っていきます。
また、導入された後でございますが、出納長室は原則として各局の経理部門に対する指導、支援を行ってまいります。各局の事業所に対しましては、それぞれの局固有の状況に精通した局の経理部門から指導を行っていくことが望ましいことだと、このように考えております。しかし、円滑な導入とその運営が図られるよう、各局の事業所の職員も対象にした説明会、これを来年度も引き続き実施していきます。
また、先ほども申しました実務マニュアルでございますが、導入後の実際の財務会計システムの運用を踏まえまして、随時、追加や改正を行いまして、各局の事業所の職員を初め、だれもがいつでも業務の参考とできるよう、充実を図ってまいります。
○曽根委員 一応、考えられる問題点については、今のお話のような対策を打つということだと思います。
皆さんに対してこれはいうべきことではないので、私どもの今の見解ということでお聞きいただければいいんですが、都立の学校の経理部門が今、再編になっていまして、恐らくこの会計制度のスタートと同時に、学校の経理職員が今、各平均して五~六人ぐらいいると思うんですけれども、二人ぐらいずつ召し上げて、学校経営支援センターというのをつくると。学校に残るのは四人ぐらいになっていくということで、そういった再編成が来年度同時にスタートするという予定になっているんですね。これは別の理由から私たち、非常に厳しく批判しているところですが、会計システムが同時に変わるという中で、学校に四人ぐらいしか残らない経理の職員に、やっぱり過重な負担がかかることのないように、ここは厳によく見ていただきたいと。やるからには、学校というのは一番、都民に接する機会の非常に多いところですよね、もちろん子どもたちが中心ですけれども。そういうところでこそ、会計システムの変更によるそごが絶対に起きないように、これはやるからにはくれぐれも厳しく、その点については念を押しておきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山加委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で出納長室関係を終わります。
○山加委員長 これより主税局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布をいたしております。
資料について理事者の説明を求めます。
○三橋総務部長 先般の当委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の財政委員会資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。
要求資料第一号、税制改正に伴う都税収入への影響額についてでございます。この表は、平成十五年度から十七年度までの個人住民税に係ります税制改正の内容と、都税収入への影響額をお示ししたものでございます。
資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山加委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○村上委員 東京都では、本年の八月十七日から都道府県と政令指定都市で構成する地方税電子化協議会が運営する地方税の電子システム、eLTAXによる法人事業税、そして法人都民税の電子申告が始まりました。そこで、地方税に電子申告が導入された経緯を教えてください。
○松田課税部長 インターネットを利用した情報通信の普及に伴い、行政機関への申請などにつきましても、電子的に行えるよう改善が進んでおりまして、地方税においても電子申告の実施がなされるようになりました。
そこで、電子申告の検討が始まったようでございますが、検討に当たりましては、法人二税など、申告先が複数の団体にまたがる場合があることや、納税者の利便性、費用面を考えると、各団体が独自にシステムを開発するのではなく、全国共通のシステムとすることが適当であると考えられたところでございます。このため、平成十五年の八月、東京都も参加いたしまして、地方税電子化協議会が発足し、地方税電子申告のシステム開発が始まりました。
その結果、本年二月にまず法人の道府県民税、事業税を対象に、大阪府などが運用を開始し、東京都も八月十七日からサービスを開始いたしました。来年の一月には、他の道府県、政令指定都市のほとんどで運用が始まりまして、償却資産に係る固定資産税についても電子申告が開始されることとなっております。
○村上委員 経緯についてはおおむね理解はできました。納税者が電子申告を利用する場合の手続の仕方、そして納税者にとってのメリットを簡潔に説明してください。
○松田課税部長 地方税の電子申告システム、通称eLTAXと申しておりますが、その利用手続は、利用届け出と実際の申告の二段階に分かれます。まず利用届け出でございますが、納税者、税理士がeLTAXのホームページにアクセスをして利用届け出を行いますと、その内容が都税事務所の審査システムに配信されてまいります。ここで審査が完了いたしますと、利用者IDと暗証番号が記載されました利用通知書が利用者に郵送されまして、申告を行うことが可能となります。
次に、実際の申告でございますが、eLTAXホームページから提供されます利用者ソフトウエア、またはeLTAX対応の市販のソフトウエアを使用しまして、申告データを作成し、eLTAXの受付窓口であるポータルセンターに利用者ID、電子証明書などを付して送信いたします。これにより申告が完了いたします。
納税者のメリットでございますが、事務所にいながらにして、また夜間においても、これは当面は夜の八時まででございますが、申告ができるということ。それから一回の送信操作で複数の団体への申告が行えることなどでございます。
○村上委員 地方税電子化協議会の出している、このチラシを拝見しますと、大変簡単な手続と、そしてまたメリットが明確に書かれてはいるんですが、今のお答えの中で、暗証番号というようなお話が出ましたけれども、これはどのようなものなのか、教えていただけますでしょうか。
○松田課税部長 暗証番号は、受付窓口でございますポータルセンターに接続をする上で、利用者IDとともに本人確認の手段として用いられるものでございまして、金融機関におけるATMの利用に用いられる暗証番号と同じ役割を果たしております。
eLTAXにおきましては、利用届け出により、仮の暗証番号が送付されてまいりますが、利用者はこれを用いましてポータルセンターに接続し、正式に暗証番号を登録することとなっております。
○村上委員 国も平成十六年二月から同様の電子申告システム、国の場合にはe-Taxによるサービスを開始してまいりましたが、利用件数が当初見込んだ水準に達していないというような報道もあったように記憶をしております。開始してからまだ二カ月ですけれども、東京都の利用状況はどうなのか、また都内法人数に対する割合はどの程度のものなのか、お伺いをいたします。
○松田課税部長 十月二十一日現在の利用届け出数は、法人が九百四十五件、税理士が百六十件でございます。これを都内法人数約五十九万社に対する割合で見ますと、約〇・二%でございます。
○村上委員 開始してから二カ月ということなんで、いたし方がない部分もあろうかと思うんですが、利用状況が芳しくないというふうなイメージを受けました。その原因が何だとお考えでしょうか。教えてください。
○松田課税部長 お話のとおり、開始後、まだ二カ月でございまして、今後の状況を見なければならないと思いますが、平成十六年二月から先行実施をいたしました国税の電子申告・納税システム、通称e-Taxでございますが、これにつきまして、国税庁がアンケート調査で利用しない方のその理由を聞いたところ、電子申告に必要な電子証明書の取得に手間と費用がかかること、それから電子証明書を読み取る装置でありますカードリーダーの入手に費用がかかることなどが挙げられております。
また、eLTAX特有の事情といたしまして、eLTAXが本格稼働するのが来年一月であることから、複数の地方団体に事務所を置く、いわゆる分割法人の利用が今のところほとんどないこと、法人市町村民税の申告先でございます市町村での導入がおくれておりまして、電子申告と市町村への郵送等の二度手間になることといった理由が考えられるところでございます。
○村上委員 電子証明書やカードリーダーがネックになっているというようなお話がありましたが、電子証明書の取得にかかる手間と費用は幾らぐらいのものなのか、またカードリーダーについても、どのようなところで取得をするのか、こういったことについてお伺いをいたします。
○松田課税部長 電子証明書でございますが、最も利用頻度の高い公的個人認証サービスの場合、利用者は住民登録をされております市区町村の窓口に出向きまして、住民基本台帳カードの発行を受けますが、この費用は五百円程度でございます。さらに電子証明書の発行手数料として、有効期間三年間で五百円程度必要でございます。それから登記所における電子証明書発行機関である商業登記認証局における利用料金でございますが、三カ月で二千五百円、二年三カ月で一万六千九百円でございます。また発行機関によっては七万円程度の費用を要する場合もございます。
次に、カードリーダーは三千円から一万円程度で販売をされておりますが、大手の電器店でないと取り扱っていないというのが実情でございます。
○村上委員 公的個人認証サービスの場合は五百円程度とのことでした。商業登記認証局や民間の認証局では二千五百円から、多いところでは七万円程度と、かなりの開きがあるように思います。また、カードリーダーについては大手の電器店でないと取り扱いをしていないというような、こういったような不便さが大きな原因の一つだろう、このように考えております。今後の改善として、ぜひ前向きに、この辺の部分についても改善に取り組んでいただきたい、このように思います。
また、中小法人の申告にはおおむね税理士が関与しております。また法人会から電子申告を勧めてもらうというようなことも効果的であろうかと思いますが、これまで、これらの関係団体にどのような形で働きかけをしていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
○松田課税部長 八月からの運用開始が決定されました本年の六月から、「広報東京都」、「あなたと都税」といった東京都の広報誌でのお知らせ、主税局ホームページへの掲載、チラシなど独自媒体を使った都税事務所窓口でのPRなど、各種の広報に取り組んでおります。このうち関係団体への働きかけでございますが、東京税理士会、東京法人会が発行する広報誌にPR記事の掲載を依頼し、周知を図るとともに、電子申告に関する説明会開催の依頼があった税理士会の支部、地区法人会に対しては、その都度、対応をしてきております。
○村上委員 税理士会に対する説明会の実施状況を見ますと、今までで六カ所、最初が八月二日の墨田区から始まって、本日、立川でもこの説明会が行われているようですが、今後の予定では、本日を含まないで五カ所ということですけれども、私はまだまだ周知徹底を図るには足りない、このように思っております。
実はこの電子申告については、私の感覚では携帯電話みたいなものだろうというような感覚がありまして、携帯電話も当初は大きくて使いにくいという部分がありました。ですけれども、今日ではほとんどだれでもが携帯電話を使っていらっしゃる。そういった意味では、この電子申告も同じような感じで、いずれは主流になるものと考えております。そのためには、電子申告を使ってもらえるよう営業努力がますます必要だろうと、このように思っております。
また、電子申告は主税局にとっても申告書の入力作業が不要となるなど、税務事務の効率化にも大いにメリットがあります。電子申告の利用を促進するために、どのような取り組みを今後行っていくのか、お伺いをいたします。
○松田課税部長 電子申告の利用促進を図りますことは、委員ご指摘のとおり、納税者にとってだけでなく、課税事務の効率の上からも重要な課題というふうに考えております。
このため、先ほど申し上げました各種広報に引き続き取り組むとともに、今後は電子申告の利用促進という目標を同じくする東京国税局とも連携を深めながら、eLTAX、e-Tax一体となって電子申告の利便性を利用者に訴えてまいります。また、申告書送付用封筒へのPR記事の刷り込み、法人への訪問調査時における利用のお願い、税理士会等関係団体への説明会の開催などといった努力を着実に積み重ねることによりまして、電子申告の利用率向上を図ってまいります。
○村上委員 電子申告の利用拡大には、利用者の視点に立った取り組みが必要です。利用者である法人、税理士からの要望を踏まえながら、また東京国税局や税理士会、法人会といった関係団体とも連携を密にして、電子申告の利用者拡大に取り組まれるようお願いをして、私の質問を終わります。
○大沢委員 ただいま村上委員から、申告の利便性についてのご質問があったと思います。私は、その逆の分野、納税という視点から何点か、皆様方にご質問したいと思います。
都税の納期内納税と収納窓口の拡大について何点か質問させていただきます。
税金を納める立場では、納める額が少なければ少ないほど喜ばしいと考えるのが本音ではないかと思っておりますし、また納めていただく皆様方の立場からしますと、多くの方が、早く税金を納めていただきたい、そのようなことを多く望んでいるのではないかなと思っております。
主税局は、この歳入の所管局として都民と向き合い、さまざまな努力を重ねながら、都税収入を確保していると思います。現に平成十六年度の各会計決算特別委員会の資料を拝見させていただきますと、都民の皆様方の多くのご協力、そしてまた主税局の皆様方の努力もあり、都税の徴収率が上昇の途を見せていると思います。
また純滞納額という分野から見てみましても、ピーク時の平成六年度を境に、毎年毎年、年を重ねるごとに減少しております。このことは大きく、私は評価をするところでございます。
さらに私の持ち合わせておりますこの資料によりますと、自動車税の徴収率の全国順位が平成十一年度実績で、東京都は全国で四十五位、徴収率九二・六%であったのが、皆様方の努力か、それからまた多くの都民の皆様方のご協力で、平成十六年度実績では全国八位、徴収率九六・七%になったことも、これは評価をしていいと私は思います。
しかし一方で、いまだ長引く景気の低迷で、都民の生活、都民の皆様方は、この長引く景気の低迷の影響をもろに受けているのが実態であり、納税者の気持ちを大きく酌み取っていただきながら、この納税の公平性に皆様方に努めていただきたい、そのことを初めに申し述べさせていただきます。
さて、平成十七年度の一般会計予算が五兆八千四十億円で、うち都税が約七割を占めます四兆二千五百億円であります。主税局は、この都税収入を確保するために、さまざまな懸命な努力をしていると承知をしておりますが、そこで、納税者であります都民の方が都税を納めるのには、都税事務所以外に、現在、どのようなところで都税を納めることができるのか、まずお伺いをいたします。
○吉田徴収部長 都税を納めていただく場所といたしまして、東京都の指定金融機関及びその派出所と、東京都の公金取扱店である銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、労働金庫、中央金庫などの金融機関及び郵便局がございまして、大部分のところで納付が可能でございます。
このほか、平成十五年四月の地方自治法施行令の改正を受けまして、全国に先駆けて、十六年度から自動車税についてコンビニエンスストアでも納付ができるようにしたところでございます。
○大沢委員 ただいまご答弁をいただきましたが、さまざまな金融機関や郵便局、そしてまた平成十六年度からはコンビニなどで、現在は多くのところで納付できるようでありますが、しかしながら近年、銀行は支店の統廃合などで、まちの銀行の店舗がどんどん縮小している、皆様方もお気づきじゃないかと思います。そしてまた加えて、郵便局も、今、小泉改革の中における郵政民営化の中で、銀行と同じように統廃合が進められてしまうんじゃないかなというような心配も、少しばかりするわけでございます。
また、都民の生活スタイルも多様化をして、金融機関、いわゆる銀行や郵便局が開いている時間帯になかなか納付できないという方も一方では多く、たくさん出てきているのではないかと思います。
このような中で、一日二十四時間、三百六十五日、納付ができるコンビニエンスストアで自動車税が納められるということは、私はよいことだと思いますし、また、この自動車は、免許を持っているさまざまな世代、とりわけ若い世代も持ち合わせて、そのような方々がコンビニをよく使う、そのようなところでコンビニ収納ができるといったことは大変いいことで、利便性が大きく膨らんできたのだろうと私は思います。
そこで現在、この自動車税の納入ができるコンビニエンスチェーンはどのチェーン店なのか。そしてまた他の金融機関と比べて、コンビニで自動車税を納める方の比率はどのくらいいるのか。そして加えて、なぜ自動車税だけコンビニで納めることができるのか、そのことをお伺いいたします。
○吉田徴収部長 自動車税を納付できるコンビニの店舗名をあいうえお順で申し上げますと、サークルK、サンクス、セブンイレブン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンの六チェーン五社でございます。またコンビニでの納付割合は、平成十六年九月末で税額ベースで二〇・五%、件数ベースで一八・二%、平成十七年九月末では税額ベースで二六・三%、件数ベースで二三・三%でございまして、いずれも五ポイント強、昨年に比べて伸びております。
また、なぜ自動車税のみコンビニ納付かということでございますが、先ほど副委員長もお話ございましたように、自動車税というのは、若者が最初に税を意識して納税する税目であるということで、一番納期内納付率の納税効果が高いということで、まずそういう観点から、自動車税から東京都は採用したものでございます。
○大沢委員 現在、取り扱っているコンビニという数が六チェーン五社ということで、かなりの多くの店舗を抱えているコンビニチェーンが多いように見受けられます。そして、昨年に比べて五ポイントずつ、利用している方もふえているという答弁でございました。今月の、十月二十三日の朝日新聞でも、電気、ガス、水道や税金、コンビニで納付四兆円、主要四社、件数が大手銀行並みの水準になったということが一面を大きく飾っております。これは電気、水道、ガス、いわゆる公共料金ですから、この四兆円がすべて都税だとはいいませんけれども、その中でも多くの利用者の中にあって、自動車税が納付されていること、これはまさしく、この歳入を所管する皆様方にとっては大変うれしいことなのだろうと思います。そしてまた、私は今後、もっとコンビニの納付を多くの都民の皆様方が利用する機会がふえるのではないかと思います。
ところで、都内にはただいまご答弁をいただきました、ご説明をいただきました以外のコンビニチェーンもたくさんあるかと思います。このようなところでも納付できるようになれば、さらに都民の皆様方の利便性が高まると思います。そこで、自動車税の取り扱いをできるコンビニチェーンはどのような基準をもって選定をされているのか、お伺いをいたします。
○吉田徴収部長 店舗選定の基準でございますが、地方自治法施行令の規定によりますと、地方税については収納の事務を適切かつ確実に遂行できるに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものとして、当該地方公共団体の規則で定める基準を満たしているものとされているところでございます。
そこで、東京都都税条例施行規則第五条で、具体的な基準として、公金の収納事務についての相当の知識及び経験を有していること、また、一定の売り上げや資金量等の事業規模が収納事務の対応に十分であると認められ、かつ安定的な経営基盤を有していること、さらには帳簿書類の作成及びコンピューターシステムによって正確に収納内容を記録し、遅延なく事務処理ができる体制を有していることとしております。
以上を踏まえまして、出納長室とも協議を行いながら、公金収納の安全性を図る立場から、経営状況が極めて良好な企業に限定して選定することとしてございます。
具体的には、株主資本比率、当座比率、経常利益及び全店売上高の指標を設定いたしまして、経営基盤の安定性を判断した上で、さらに都内に一定程度以上の店舗数を有することという条件を設けまして選択を行っているところでございます。
○大沢委員 るる、ただいまご説明をいただいたところで、都民の納めていただいた税金が、安全に収納するという観点から、かなり厳しい基準で選定をしているということがわかりました。また、そういう基準を満たし、東京都の税金の収納業務を行いたいというところであれば、私はまた新規参入が可能であろうととらえております。納税者の立場としては、取扱店舗がふえて、さらに利便性が高まることを期待するところでございます。
ところで、納期内納税の普及には納税場所の拡大はさることながら、やはり納税者に対して何かアプローチも大切だと思っております。主税局としては、これまでどのような取り組みを行って納期内収納の実績を上げてきたのか、そのことをお伺いいたします。
○吉田徴収部長 主税局では、これまでもチラシやポスター、新聞広告、テレビや新聞報道各社への広報のほか、主税局ホームページでの広報も行ってきたところでございます。特に自動車税にありましては、PR横断幕を都内主要幹線道路の横断歩道橋五十四カ所などに掲示したほか、東京モーターショーにおきましても納期内納付をPRしているところでございます。
また、ことしの五月には、東京都に採用された新規職員約六百人が研修の一環として、駅頭や街頭で自動車税の納期内納税のPR、呼びかけを実施いたしました。さらに口座振替納税制度への加入促進につきましても、全都税事務所で取り組んでいるところでございます。
○大沢委員 さまざまなメディアを用いて広報やキャンペーンなどに取り組んできたということですが、そういえば私もことしの五月、東京都の新規採用職員の方々が自動車税の納入キャンペーンを行っていたことを記憶しているものでございます。税の重みを若いときから持つということは大変、よりいいことではないかなと私も思っておりますし、またしっかりと都民の皆様方も、そしてまた税を扱う皆様方も、税の重みというものを認識していただきながら、公平で公正な都政運営というものを行っていかなければいけない、そのように思います。
口座振替制度については、納税者が納期をうっかり忘れてしまったりすることを避けることもでき、また納めていただく都の皆様方も納期内にしっかりと納めていただけるというメリットがあると思いますが、この口座振替制度はNHKの受信料や電気、ガス、水道料金でも行っておりますが、東京都では、どのような税目をもって口座振替制度を行っているのか、そしてなぜその税目なのかをお伺いいたします。
○吉田徴収部長 東京都では、現在、口座振替を土地家屋の固定資産税、都市計画税、償却資産に対する固定資産税、そして個人事業税で行っています。ほかの税目につきましては、不動産取得税にあっては随時に課税され、同一の納税者に繰り返し課税されないこと、また自動車税にあっては納期が年一回で台数が非常に多いことや、廃車や譲渡などの移動が激しいため、事務処理上困難であること、法人二税にあっては都の歳入に占める割合が大きく、導入することにより、都歳入になる時期がおくれ、資金運用面など財政運用上の問題があることなどから、先ほど申し上げました固定資産税、都市計画税と個人事業税について口座振替納税制度を採用しているところでございます。
○大沢委員 最後に今、口座振替制度でもお伺いいたしましたが、先ほど村上先生の質問と同じように、便利なものをつくっても、なかなか機械が煩雑過ぎて、そしてまた、いろいろなことをやらなくちゃいけない。税を納めるのでも口座振替制度だ、コンビニだといったように、納める方は一人でございますし、そしてまた納める場所がさまざまなところになってきてしまっている。もうちょっとまた皆様方のご努力で利便性を高めていただければ、都民の皆様方も納期内納付というものに対して大きくご協力をしていただけるんじゃないか、そのように思います。
都税を納期内に納めていただくということは、また都民の税に対する大変大きな理解が必要であります。引き続き主税局の方々もあらゆる場面でこの努力を期待するところでございます。また、現在の金融機関の状況を見ますと、先ほども申し上げましたように、銀行を中心として店舗の統廃合や有人店舗の縮小などで、納税者からすると、税金を納めたくても納められない状況も出てきております。
さらに先ほどいったように、都民の生活スタイルも以前からすると多様化が進み、日中や平日に税金の支払いがなかなかできない方も出てきているのではないかと思います。
このような中で、自動車税がコンビニで納付できるようにしたということは、まさしく納付窓口の--いつでも、どこでも納められる納付窓口の拡大ということはいいことだと思います。今後とも、納税者の利便性や税収の早期確保の観点から、コンビニでできる税目を広げていって、さまざまな税金がコンビニで収納できるようにご努力をいただきたい。
そしてまた、先ほども申しましたように、銀行では無人店舗が大きく広がっております。ATM機で納付書納付を可能にできるような形に、皆様方が関係諸団体に働きかけをしていただいて、納税者サービスの拡大に前向きに取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。
ありがとうございます。
○東村委員 今、納税者の立場からという質問がありました。私も最初に納税者の立場、これから質問を何点かさせていただきたいと思います。
税というのは、私は、取るのではなくて納めていただく、これが基本姿勢だと思います。滞納の税金も、ここまで解消されたというのも、恐らく主税局の皆さんがそういう姿勢で取り組んでこられたから、これが実現できたのではないかと思うんですけれども、そこで私は、これも何度か議論してきた問題なんですが、納める側の立場にとって--皆さんにとっては税金というのは都税に絞られるかもしれません。ところが、納める側にとっては国税であったり、都税であったり、区市町村税であったりするわけです。また、法人に関しては特にこれが顕著でございまして、法人都民税、法人事業税、それから法人税、こういったところの申告先が、実は税務署であって、都税事務所であって、区市町村の、いわゆる区役所、市役所であったりするわけなんです。
そこで、これは東京都もかなり努力をされて、平成九年の四月から、都内のまず四税務署から毎月の申告期限末日という、こういう日に限定をして都税事務所の職員が税務署に出向して、税務署の一カ所で都税である法人都民税と事業税、それから国税の法人税、これを一カ所で両方収受をしている。こういったことを今、やっていただいているわけなんですけれども、まずは四カ所から出発しました。平成十七年度現在、どこまで拡大したのか、これについて伺いたいと思います。
○松田課税部長 法人二税申告書の税務署における出張受け付けにつきましては、都税事務所から税務署までの所要時間が徒歩でおおむね十五分以上であること、または徒歩でおおむね十分以上で、途中に坂があるなど地理的に困難な状況にあると認められること、それから受付スペースの確保など税務署との合意が得られること、こういった基準を設けて実施をしております。
平成十七年度において、この基準に当てはまるものは、都内四十八税務署のうち二十八税務署でございます。このうち、受付スペースの確保が困難といった事情で一税務署では実施をしておりませんが、それ以外の二十七税務署につきましては実施をしているところでございます。
○東村委員 今、二十七まで拡大をしていただいた、非常に努力に感謝をしているわけなんですけれども、ただ、やはり納税者という視点から考えれば、あるところは、いわゆる税務署一カ所で済むところもあれば、二カ所、三カ所行かなきゃいけない、こういったことを考えたときに、これをぜひとも--大変かもしれないです、恐らく職員の方の労力というのは大変だと思うんですけれども、納税者の立場から、税金を納めていただくという、こういう観点から、少しでも利便性があった方が、先ほどの議論でもあったように納めていただきやすいわけですから、これは私もそういう仕事を、実務をしてきた経験から、二カ所、三カ所というのは結構大変で、中には都道府県をまたがったら、そこにまた出さなきゃいけないという、こういった問題もあったりして、こういうことを解消するために、ぜひとも今の二十七カ所を拡大していただきたい、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○松田課税部長 出張受け付けにつきましては、ただいまお答えをしました実施基準で行っているところでございますが、さらなる基準の緩和につきましては、複数の税務署を所管する事務所におけます受け付けに従事をする要員の確保の問題などがございまして、厳しい状況にあるものと考えております。
○東村委員 確かにおっしゃるように、要員の確保というのは大変だろうなと思います。そこで、いつまでも力わざで何とか解決しようというのは、恐らくもう無理だろうなと私も思うわけでございまして、そこで先ほどから村上委員もお話しされていましたeLTAX、いわゆる電子申告を本年八月から、いわゆる法人二税、法人都民税、法人事業税から、このeLTAXを始められたことは高く評価するわけなんです。
ただ、先ほどいいました、どんなに電子申告が簡便化されたとしても、結局二カ所に出さなきゃいけないというこの問題は、やはり解決していかなきゃいけないと思うんです。
電子申告の最大のメリットというのは、データがある意味で相互利用しやすいというのが、電子申告の最大のメリットなんです。インターネットやさまざまな電子が普及してくるのもそういうことなんですね。個人情報の保護という問題もありますけれども、皆さんご存知のように所得税、特別徴収というところに丸を打てば、これ、自動的に区役所、市役所に自分のデータが行ってしまうわけなんです。所得税という個人の税金はそういう制度になっているにもかかわらず、法人の税金だけは相変わらず国税と都税という分け方をされている。十六年二月から国税はe-Tax、電子申告が始まりました。そして、この八月から法人都民税、法人事業税と。まさに法人都民税は、この法人税の税額が必要になってくるわけなんです。法人事業税というのは、法人税で計算するときの法人の所得の金額が必要になってくるんです。そのデータがあれば、必然的に、自動的に、あとは地方独自の加減算項目をやることによって計算ができるようになるわけですから、ぜひともここまで来たんだったら、ここでほっといたら、私は宝の持ちぐされで何の意味もないなと思うんです。
いろんな障壁があるのはわかっているんですが、いわゆるe-TaxとeLTAX、国は国、都は都という考え方ではなくて、これを連動させて初めて納税者の利便性を図れる、こういうことになるんじゃないかと思うんで、この点はいかがなものかと思いますが、どうでしょうか。
○川村税制部長 地方税の電子申告につきましては、ただいまお話がありましたように、本年八月から法人二税について開始しておりまして、これにより、納税者が申告のために都税事務所に赴く必要がなくなり、申告事務にかかわる負担が大幅に軽減されるものと考えられるところでございます。
これをさらに国税と地方税の電子申告システムを連動させることにつきましては、守秘義務等の課題がございまして、これをクリアすべく、納税者の理解が得られ、かつ国税当局が地方自治体に対して申告内容に関する情報を提供することを了承した上で法律が整備されるといたしますと、一応、それが可能になるかと考えられます。
しかしながら、国税と地方税では、これもご指摘がありましたように、異なる申告項目があるほか、特に法人住民税につきましては、地方税電子申告システムに参加しない市町村との関係もございまして、実務的にも多くの課題があるものと考えております。
○東村委員 課題があるのは私もわかります。ただ、解決できない課題じゃないと思うんです。要するに、計算している税金の大もとは、所得というのがみんなあります。これはころころ変わるわけじゃないですから。さらに、法人税の税額というのも出ているわけですから、そこに加減算の項目等があるかもしれませんけれども、また市町村なんかも、これは努力をして働きかけをしていけば、できない、全くできないことじゃないと思います。課題があるからといって手をつけないというのは、やはり納めていただくという姿勢からすれば、これは当然、今後はやっていただきたいなと思うわけなんです。
ぜひとも、これは国という一つの壁があるかもしれませんが、国に対してこういう問題も、やはり粘り強く働きかけていただきたいと思いますし、私も直接国にこの問題を働きかけて、これを連動させれば、本当の意味での電子申告の意味というのができてくるわけでありまして、そういう意味でこれは大事な問題だと思います。
その上で、この地方税と国税の電子申告のシステムを連動させていく。先ほど都税に関しては法人で九百四十五件、税理士が百六十件という話がありました。やはりe-Taxも、一番精通しているのは税理士なんですね。また法人会なんだと思います。こういった人たちの意見を聞いて、やはり連動させていくという前向きなスタンスで、こういった人たちと連動させるための協議会を設置して進めていくのも一つの方法じゃないかと、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○川村税制部長 地方税の電子申告化につきましては、現在、全国の都道府県と政令指定都市により構成されます地方税電子化協議会で開発、運用が行われているところでございまして、特別委員として、日本税理士会連合会会長にご就任いただいているとともに、特別幹事として同会の常務理事でもあります情報システム委員会の委員長にご参加をいただき、引き続き貴重なご意見をちょうだいしているところでございます。
今後とも、申告実務に精通した税理士の方々などからご意見をいただきながら、納税者にとって使いやすい、よりよいシステムづくりに努めてまいりたいと存じます。
○東村委員 今ご答弁いただいたのは、あくまでも地方税の電子申告を進めていくというレベルでの協議会の中で税理士会の諸先生方が活躍されているという話だと思うんです。これを一歩踏み込んで、これは税理士会からつくるということはできないと思いますので、むしろ東京都が、国とやはり協議をしていけるような窓口をつくっていただいて、そこにこういった専門家も入れて、よりよいものができるように、困難な課題があれば、そういうことをそこで協議してクリアしていける、こういった制度をぜひともつくっていただきたい、このように思います。
次に、少子化対策と税のインセンティブについて、これはもう私の、一つの大きな少子化対策の中で税のインセンティブというのは前から重要だということをいい続けてまいりましたので、今回も何点か取り上げたいと思います。
私は少子化対策の中で子育て支援、この子育て支援の中で大事な部分はいろんなことがいわれていますけど、やっぱり住むところであり、いわゆる仕事の問題、働くこと、こういったことがこれから大事になってくると思います。特に女性の社会参画、進出がどんどん進めば進むほど、こういった仕事の問題というのは重要になってくると思います。
そこで、まず住むという観点から、これについて何点か伺いたいと思いますけれども、私は今、八王子に住んでおります。新宿の、よく議員さんなんかと話すんですけれども、東村さんの住んでいる八王子とやっぱり新宿じゃあ根本的に値段が違う。住みたいと思うけれども、新宿に住み続けることが、特に若い世代は厳しいんだと、こういう話がありました。そこで私は、だったらせめて、そういう税金の部分だけでもインセンティブを与えてあげる、減税をしてあげれば、少しは頑張ってみようかなと、そういう気になるんじゃないかと、こういうことを前から思っていたんですけれども、東京都は平成十二年の一月二日から十八年の一月一日までの間に新築された二十三区、これは税の徴収の問題があって、恐らく二十三区だと思うんです。ただ二十三区でもいいと思います。多摩は今いったような、ある意味で土地の価格は安いですから。二十三区の住宅について固定資産税及び都市計画税を三年間減免されております。
そこで、この減免した十五年度、十六年度、十七年度のそれぞれの減免額と件数、これについて答えてもらいたいと思います。
○川村税制部長 新築住宅減免の減免額と減免件数についてでございますが、平成十五年度の実績は約二百四億円、二十七万七千件でございます。平成十六年度の実績は約二百十八億円、二十八万五千件でございます。十七年度の見込みは約二百三十億円、約二十八万件でございます。
○東村委員 都税収入から考えれば〇・五%ですので、これで効果が上がれば、主税局は確かに税収を上げるということに眼目を置いているかもしれませんけれども、やはり今、年金の問題なんかも騒がれていますけど、根本的には、やはりこの少子社会というのが大きな問題でありまして、少子社会対策というのはいろんな角度からやっていかなきゃいけないと思いますので、この税収を何とか確保するという観点も大事なんでしょうけれども、やはり総合的に寄与するということも、主税局としても考えていただきたいなと。やっていただいたからここまで来たんだと思うんですけれども、その上で、これが十八年一月一日までなんです。いよいよ残された、あと一カ月、二カ月でこれをどうするんだという結論を出さなきゃいけないわけです。
非常にこれは喜ばれていまして、二十八万件でずっと推移してきまして、これだけの安定したことで、これだけの数がやはり喜ばれているのであれば、また効果が上がっているのであれば、ぜひともこれ、十八年一月二日以降、継続をしていただきたい、このように思うんですけど、税制部長、いかがでしょうか。
○川村税制部長 新築住宅に関する減免措置は、お話ありましたように、新築住宅の取得を税制面から支援し、もって景気対策と良質な住宅取得形成に資することを目的として、平成十二年度に三年度間の時限措置として創設されたものでございます。
この措置の継続に当たりましては、これまで住宅建設の景気に与える影響等を考慮して一年ごとに延長してきたところでございます。来年、十八年の一月二日以降の継続につきましては、景気動向、都の財政状況、国の税制改正の動向、さらには経済効果等を勘案して検討してまいりたいと存じます。
○東村委員 一年ごとに延ばしてきていただいているわけでございまして、もう一声といいたいところでございますので、ぜひとも、あとわずかでございますが、検討していただいて延長していただきたいと思います。多摩の私がいっているわけでございますから、二十三区に住んでいない、そういう人間がいっているんですから、ぜひともやはりこれは検討してあげてほしいなと思います。
その上で、さっきいいました仕事という部分なんですね。この仕事で、いろんな方と話をしていると、やっぱり育児休業がとりにくい、もっといえば、中小企業の人からいわせれば、育児休業をとらせられない。とらせてしまうと、うちの会社だってどうなるかわからないんだという、それくらい大変な、この問題は状況を抱えているわけですけれども、私はやはりここでも一工夫必要かなと。
国はようやく、これはすばらしいなと思ったんですね。育児休業をとった中小企業に一人当たり百万円という、会社に支給をするという方向性を決めていますけれども、都としても、やはり税のインセンティブという部分で会社にメリットを与えてあげられないか、いろいろ私なりに悩みまして、昨年、決算特別委員会で皆さんとやりとりさせていただいて、私は事業所税、意外に知られていないのが事業所税という税金なんですけれども、事業所税の従業員割の部分、よく調べていくと、課税標準、従業員給与総額あります。ここから高齢者の人は、高齢者雇用の部分は除外されているんです。だったら、高齢者対策をやるんだったら、少子化対策もやれと私はいいたいわけで、この育児休業をとらせた会社の、その人の部分の金額だけ外してやればいいんです、課税標準から。そうすると税金が下がるんです。
こういうことをもっともっと工夫して、どうも今まで高齢者、障害者という部分にはかなりいろんなインセンティブを与えてきているんですけれども、置き去りにしてきた、この少子化という部分については、全くといっていいほど税のインセンティブがないんです。ここを何とかしてあげることも一つの方法なんじゃないかということを決算特別委員会でお話をしました。そのときに当時の局長が、関係各局と連携をとりながら今後検討してまいりたい、このような答弁があったんですけれども、その後、どのような検討をして、どのような行動を起こされたのか、具体的に述べていただきたいと思います。
○川村税制部長 企業における育児休業の取得を促進していくことは、少子化対策の一環として重要であると考えてございます。そのためのインセンティブの一つとして、副委員長の昨年のご提案を受けて、関係局と協議の上、国への提案要求において、事業所税の課税標準である従業者給与総額から育児休業中の従業者に対する給与を除外するなどの、企業における育児休業の取得促進を図るための税制上の措置を講ずるよう要望しているところでございます。
○東村委員 やはりいったことは必ず実行していただけるって、大変ありがたいと思っています。ぜひともこれを、ここで終わるんじゃなくて、何度も何度も繰り返し国に要望していただきたいと思いますし、私、国の方ともちょっと話したときに、こういった考え方も非常に大事だということもおっしゃっていましたので、ぜひとも現場の方からこれをつついていただいて、こういった税のインセンティブが、これは都がやれれば一番いいんでしょうけど、恐らく国が決める問題でしょうから、なかなか都独自でできないと思うんですけれども、国に対してどんどんどんどん要望していただきたいと思うし、もし国がなかなか動かないんであれば、その分だけ、都独自に減税をするなどの工夫も、今後していただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○曽根委員 きょう、資料で出していただきました国の税制改正に伴う都税収入への影響額ということで、平成十五年度から配偶者特別控除の見直し、上乗せ部分の廃止による影響以下、平成十六年度、十七年度、今年度までの影響額について資料をいただきました。合計三百二十六億円ということで、これについては先日、たしか決算の特別委員会で我が党の松村議員の方からも、その内容についての質疑を行ったところです。
あわせて、きょう事務事業なのでもう少しちょっと、都税への影響はこれで出してもらったとおりだと思うんですが、区市町村民税ですね、こちらにも当然連動して影響が出ていると。これは区市町村の権限に属することですので、あくまで推定ということになると思いますが、大体税率についてはほとんど同じですので、都の方でも試算があると思いますので、この出されている平成十五年度から十七年度にかけての都税への影響と同じ、それぞれの項目について、区市町村民税にはどれぐらいの影響が出ると見られるのか、その点についてお答えいただきたい。
○川村税制部長 個人住民税に係る平成十五年度から十七年度までの税制改正の内容と、都内の区市町村民税への影響額を平年度ベースで申し上げますと、十五年度の配偶者特別控除の見直しによりまして約百八十億円の増、十六年度の公的年金等控除の縮減と老年者控除の廃止によりまして約百五十億円の増、十七年度の六十五歳以上の者に係る非課税措置の廃止によりまして約二十億円の増、同じく定率減税の縮減によりまして約三百八十億円の増、計約七百三十億円の増と推計しております。
○曽根委員 都税の大体二倍から三倍近い増税になってしまうということで、都税と合わせますと、これは都民にとっては払っている税金は、お金に色はついていませんので、地方税の増税分ということで実質一千五十億を超える税額増になっていくと。これはまだ途中で、今、お金が実際に徴収されているのは平成十五年度の分ですよね。次の分も入っているんですか。公的年金控除などはこれからですよね。ということで、一千億円を超える増税が来るということで、都民一人当たり、単純に割り返せば一万円程度になるわけですね。さらに、これは恐らくこれからのことなので、試算をするといってもまだしていないと思いますが、定率減税もまだ半減ですから、今、政府で議論されているように全廃ということになれば、私のざっとの計算でも千五百億円近い影響になるでしょうし、いわゆるサラリーマン増税といわれている、控除、これが計画どおりに次々と廃止されたり縮小されていくと、これをはるかに上回る税金の影響になると。消費税も合わせると、ちょっとどれぐらいにまで膨らむかというようなことになっていくと思うんで、逐次、その問題が具体的に出た段階でも、私たち、正していかなければなりませんが、これは東京都や、もちろん区市町村がみずから求めて住んでいる住民に対して増税をしようということでやったものではないことは明らかなんですね、少なくともこの問題に関して。
これを、国は国としてやるけれども、このご時世ですから、サラリーマンの暮らしも、それから中小零細業に関しても実質所得は下がっているんで、今まだ下がり続けている段階ですから、何とか凍結、もしくは影響が及ばないようにする法的、もしくは制度上の手段というのは、東京都や区市町村に現段階ではあるのかどうかというのは、いかがでしょうか。
○川村税制部長 定率減税の見直し等を含めました税制改正事項につきましては国の権限でございますので、地方団体にはそうした凍結をするような権限はございません。
○曽根委員 私は地方自治制度の見直しがいわれている中で、もちろん税制度の見直しも、我々も含めて大いにいっていかなきゃならないという中で、こうして--いいことならいいんですよ、連動することは。減税が、都民に連動していくというのなら。大概の場合は、今は増税が連動してくると。東京都や区市町村が、さすがにここまではというような影響額が出てくるという段階で、それを遮断するような方法を、やっぱり地方として独立してとれるような制度が必要だということを、これからも私ども、いっていきたいと思うんです。
現在はそれは法的に難しいということで、それにかわって、例えばある意味では税金的な性格を持っている国民健康保険、これは区市町村が保険者ですし、それから介護保険など、一律に取られる公共料金の中でこれを還元する方法というのはあると思うんです。これは主税局相手の物いいにはなりませんが、国民健康保険料がこれに連動して、恐らくまた上がるということになると。介護保険についても連動するというのを、少なくともこれは、区市町村や東京都が補助金も出しているわけですから、その権限で抑える、もしくは値下げするということを、少なくとも一千億円以上の影響はもう確実に出てくるわけですから、それに見合った都民への減税、いわばさまざまな公的な負担の軽減措置というのを考えなければならないということを申し上げておきたいと思います。
それから一方で、先日これはやったから繰り返しませんが、企業の恒久減税についてはそのまま残っていて、この間お聞きした松村議員の質問によると二千十六億円ですか、単年度で。これがずっと減税が続いているということや、平成十六年度から、開発その他についての、研究開発についての減税が加わって六百億円、合計二千七百億円ぐらいの減税が法人に関しては行われて、これは見直しの見通しがないということも含めて余りにもひどいと。そっちの方をどうするんだという問題についてもあわせていっておきたいと思います。
そこでさらに、そういうことを心配していたら、昨日の報道で自動車税について、これは都道府県税ですよね。自動車税の見直しということが総務省の中で検討されているという、中間的な報告が出たというふうに報道されたんですが、この内容と、それから経過について、もし知っていたらお聞かせいただきたい。
○川村税制部長 昨日、プレス発表されました自動車税のあり方に係る調査研究会の報告事項、中間のとりまとめについてでございますが、この研究会は地方税でも特に重要な役割を担っております自動車税や自動車取得税につきまして今後のあり方を研究するため、総務省に設置をされました学識経験者と実務者による研究会でございます。
この研究会の目的は、答申という具体的な提案を行うということではなく、これら二つの税の今後のあり方を考えていく上で必要な検討事項を示すとともに、それぞれの課題を検討していく上での視座を提供するというものでございます。
具体的な検討課題としては、第一に自動車税のグリーン化の評価と今後のあり方、第二に自動車税の中長期的なあり方といたしまして、環境に配慮する課税標準、税率区分のあり方や、小型自動車と軽自動車税の税負担の格差の問題、第三に自動車取得税の中長期的なあり方でございます。それぞれ現状の問題点や課題を踏まえまして、将来的な検討の方向性を示したものと承知しております。
○曽根委員 まだ何といいますか、提言や示唆の段階ということですので、直接すぐにこれが具体化が出てくるという段階まではいっていないようですが、恐らく早晩、これも出てくると思うんです。
今お話のあったグリーン化税については、たしか東京都が先行して行ったものですよね。環境に配慮した低公害車などについての取得を優遇するというもので、私ども、それだけだったら大いに賛成なんだけど、そのかわりに十年以上たった車を使い続けている者への増税があったんですよね。買いかえできるんだったらやるよと。しかし買いかえのできない人に、あえてまた低公害車を買えない人に課税をふやすというのは、これは賛成できないという態度をとったんですが、今度の検討の中身をちょっとお聞きすると、グリーン化税の方が、もう大体新車の四割ぐらいになっているそうで、余り効果がないんじゃないかと。効果はあり過ぎて、減税をやり過ぎたということで、いわゆる古い車の増税の方に全部合わせるというような話も出たというふうに聞いているんで、それはとんでもないと。結局は全部増税になっちゃうわけですから。そういうようなこそくなことをやるなということをいいたいのと、軽自動車の課税を強化、これは率直にいってまちを走っている中小零細企業の車はほとんど軽ですよ。やっぱり税率が安いから、税制が安いから、あえてこういう車を使っている、今の零細業の人たちの思いからすれば、ここに課税をねらってくるというのは、アルコール課税の問題もありますが、やっぱり非常に理不尽だということをいわざるを得ないんで、これが具体化をする前に、こういった庶民課税や中小零細企業を直撃するような課税のやり方はとるべきじゃないということは、この際、まだ具体的な問題になる前ですが、いっておきたいということを申し上げて、私の方の質問は終わります。
○桜井委員 私は、ことしの第一回定例会でも質問させていただきました法人事業税の分割基準について、改めて質問させていただきます。
要旨は、国が法人事業税の分割基準を、従来の基準を変えちゃいまして、勝手に変えちゃって、東京都の取り分を削るという非常にけしからぬことを、十七年度に、現にやられちゃっているわけでございますが、その点についてもう一度確認をさせていただくということが一つと、国はさらに事業税の分割基準だけじゃ足らなくて、住民税の分割基準まで手を突っ込んでこようというようでありまして、それでさらにまた東京都の取り分を削っていこうと。さらに、もしかすると事業税の分割というのはもう一個、今年度やって、さらにまた改めてやるかもしれないというぐらい、非常に、私は下町っ子ですから言葉遣いはよくないんですけれども、ふざけたやり方をしてくるものでございますので、ちょっと質問させていただきます。
ことしの一定のときの当時の局長が、法人事業税の本来あるべき分割基準というのは、従業者の数が基準であると、このように伺ったわけでございますが、国はそのことを無視しまして、事業所の数を併用するとか、そのようなことを理由にしまして、不合理な改正を--改正というんじゃなくて、改正なんていう言葉は使いたくないですな。これを改めてきたわけです。
今、私の手元に総務省が作成した法人事業税の分割基準見直し(背景)というレジュメがあるんですが、この資料に沿って確認をしながら質問を進めていきます。
まず、一般都民にもわかりやすいように、法人事業税の分割基準というのは一体どういうものなのか、もう一度でございますが、わかりやすく説明してください。
○川村税制部長 法人事業税の分割基準につきまして、一般の都民の方々にもわかりやすく説明するようにということでございますが、法人が複数の都道府県で事業活動を行っているときは、その複数の都道府県が課税権を有することになります。
このため、法人の事業税を複数の都道府県間で配分する必要があり、その配分の基準となるものを分割基準と申します。この分割基準は応益税であります事業税の性格を考慮して、法人の都道府県ごとの事業活動規模を的確にあらわすものが望ましく、委員ご指摘のとおり、従業者数は企業の付加価値の大部分を占める人件費にかわる簡便な指標でございまして、申告納税を行う納税者であります法人にとりましても、課税庁であります都道府県にとりましても、最も便宜かつ適切な指標であると考えております。
○桜井委員 次に行きますが、ちょっと重複するかもしれませんけれども、十七年度の分割基準の見直しの理由ですね。国が見直しをした、国が勝手につくり出した、いい出した理由ですけど、それをちょっといってください。
○川村税制部長 平成十七年度の法人事業税の分割基準の見直しの背景として、国は主に二つを挙げております。
一つは、これまでの従業者数を中心とする分割基準では、社会経済情勢の変化により、事業活動の規模をあらわすことが困難となってきているとしております。その理由といたしまして、近年、企業は店舗立地戦略を重視していること、効率化や高付加価値化のために従業者数を減らす方向にあるとしていることを挙げております。
もう一つは、全国の法人事業税収に占める都のシェアが近年、二一・五%から二三・七%へと二・二ポイント上昇しており、県内総生産や従業者数がほぼ横ばいであることから、法人の事業税収と事業活動規模が乖離し、拡大傾向にあるというふうにしております。
○桜井委員 その点について、先ほど申しました一定のときの質疑で、これから国に対して十分な理論武装をするとともに、分割基準を財源調整の手段として用いないように強く働きかけていってくれということを要望しておきましたが、ここで伺うんですけど、その後、東京都は--その後っていったって今日までですけれども、どのような検討を行ってきたか伺います。
○川村税制部長 十七年度の法人事業税の分割基準見直しの際の国の説明によりますと、分割基準の見直しの背景ないし理由といたしまして、企業は効率化、高付加価値化を追求して、IT化、アウトソーシング化等が進展しているなどと具体的な裏付け資料を示すことなく、抽象的な説明に終始しておりました。このため、具体的な反論をするための糸口がなかなか見つからなかったというのが実情でございます。
そこで、分割基準の見直しの背景につきましては、企業の付加価値分析、従業者数と事業所数の動向等を過去十五年程度さかのぼって調査、分析、検証を行ったところでございます。また、法人事業税収が都に集中しているかどうかにつきましては、あらゆる課税データ等を活用いたしまして、全国と都の税収動向、業種別税収等につきまして、分割基準が適用となる法人と、これを分割法人と申しますが、そうでない法人、これを非分割都内法人と申しますが、そのように区分をいたしまして、平成元年度以降十五年間にわたって調査分析を行ったところでございます。
○桜井委員 今の答弁に対しまして質問しますけれども、法人事業税の改正理由として、主に国は二つ挙げておりましたが、一つ目の社会経済情勢の変化、これは、東京都の検討結果ではどういうふうになりましたか。
○川村税制部長 国の税制改正理由をより具体的に申し上げますと、分割基準にこれまでの従業者数に加え、事務所数を併用することとしたのは、IT化の進展などにより、企業は効率化、高付加価値化のため従業者数を減らす方向にあるということでございまして、事業活動にとって、また事務所数が重要となっているというものでございます。
しかしながら、私どもが実態調査をしたところによりますと、まず従業者数につきましては、平成三年と平成十六年を比較いたしますと、産業全体で微増でございまして、従業者数は減ってございません。一方、事務所数は近年のインターネット取引などの普及によりまして、むしろ減少する方向にございます。さらに、今回の分割基準の見直しは、都の法人事業税収が平成元年度以降、数千億円規模の減収となっている中で行われました異例な改正でございますが、そうした減収の中でも運輸通信業とサービス業では税収増となっております。この二業種では、この間、税収増に比例して付加価値額は約三割増になってございまして、従業者数もほぼ同様の伸びとなっており、従業者数と税収や付加価値額とは強い相関関係があると申せます。
このように、私どもの調査検討結果を見る限りにおきましては、国の説明とは全く逆の結果が出ており、国のいう分割基準の見直しの背景には、強い疑問がございます。
○桜井委員 それでは、今、国の改正理由、国が見直しをした理由の二つ目です。今、ちょっと説明がありましたけど、東京都に税収が集中しているということを分割基準を改めた理由に、大きな理由にしていますが、その点についての検討をしていかがでしたか。
○川村税制部長 国は、都に法人事業税収が集中している理由といたしまして、全国の法人事業税収に占める都のシェアが平成三年度から五年度までの三年平均と、十二年度から十四年度までの三年平均とを比較いたしまして、二・二ポイント増加していることを挙げております。
しかし、この二・二ポイントの中には都内にしか事務所を有しない、分割基準の適用のない、都内非分割法人の税収シェアの増が含まれております。これを除外して分割基準が適用される法人だけを取り出して計算をしてみますと、わずか〇・九ポイントしか増加しておりません。さらに三年平均の比較の仕方でございますが、前回の分割基準の見直しの平成元年度改正直後の平成二年度から四年度までの三年平均と、直近の十三年度から十五年度までの三年平均とを分割法人で比較をいたしますと、シェアはいずれも二三・二%となり、全く同じでございます。
このように、分割基準の適用になる法人につきましてのみ税収分析を適切に行っていたとすれば、分割基準を見直す合理的な理由はなかったのではないかと考えられるところでございます。
○桜井委員 もう少し突っ込みたいんですけど時間がありませんので、今のお話だけでもって理解しまして、十七年度の法人事業税、もう既にやられちゃっていますが、分割基準の見直しは非常に不合理で、理論的にも不合理だということが実証されたんじゃないかと思います。国はいろいろと理屈をつけておりますけれども、結局は税の理屈を無視したというんですかね、東京都から財政を収奪する財政調整措置にほかならないと、このように、一定のときと同じように思います。
事実、現在、総務省の幹部は、税源移譲に関連して、こういうふうにいっているんです。税収が三千億円ふえ、補助金が二千四百億円減るだろうと。これでもまだ六百億円ほど東京都には行き過ぎるから、この点については平成十七年度の税制改正で、先ほど申しました法人事業税における分割基準の見直しを行いまして、東京都には六百億円ほど減少が生じるように制度改正を既に実施しておりますと、こういう話をしておりますし、これは公にされております。
そこで、もう一度今までの質疑を統括して、平成十七年度の法人事業税の分割基準の見直しについて、総合的にどのように考えるのか、ご見解を伺いたいと思います。
○川村税制部長 平成十七年度の分割基準の見直しは、ただいまの先生のご質問に対する答弁でも申し上げましたように、見直しの背景についての事実認識、都の税収動向の実態分析、実態把握のいずれについても、これまでの調査分析結果を見る限り、事実と異なるのではないかと思われます。とりわけ全国税収に占める都のシェアが二・二ポイント増加しているとの資料は、本来含めてはならない、都内にだけ事務所のある分割基準の適用のない法人の税収シェアの増を含めて計算したものでございまして、見過ごすことのできない、極めて不合理なものでございます。
国は、今回の分割基準の見直しは、課税権の帰属の適正化を図る観点からの、当然行うべき税制上の見直しであるとしておりますが、ただいまご指摘がありましたように、真のねらいは分割基準の見直しに名をかりた三位一体改革による税源移譲に伴う財源調整措置であることは明らかであると考えます。分割基準の見直しは、複数の都道府県間の課税権にかかわる問題でありまして、これを財源調整の手段として用いることは、あるべき税制の姿をゆがめるものと考えられます。
○桜井委員 本来あるべき分割基準が、国のやり方によりますと、ますますおかしくなっていっているわけですね。国に対し、現行基準の適正化を引き続き粘り強く要望していくことを強く求めます。
ところで、第三回定例会の我が党の代表質問で、最近の法人住民税を含めた地方法人課税の分割基準の改正の動きについて、知事の所見を伺いました。国は性懲りもなくというんですか、今年度に引き続きまして、分割基準の見直しを考えているようであります。まことに不本意ではありますが、平成十七年度の法人事業税の分割基準は既に見直されて、税源移譲に伴う財源調整は、本当はこういう表現はいいたくないんでありますが、結論でいえば税源移譲に伴う財政調整ということになっちゃうんでしょうけれども、そういったことでもって一応決着しちゃっているはずだと思うんですけれども、にもかかわらず、国はさらにこういうことをやってくるわけでございますが、なぜ分割基準見直しをさらに行おうとしているのか、この点について質問をいたします。
○川村税制部長 今後、法人住民税の分割基準の見直しが行われるとした場合の理由についてでございますが、第一に、三位一体改革に伴う国から地方への税源移譲によりまして、地方税全体が増収となる時期が財源調整の絶好の機会であるということが挙げられております。
それから第二に、今後、地方交付税の見直しが行われ、仮に地方交付税総額が減となる場合には、地方交付税を受けております交付団体は減収とならざるを得ませんが、地方交付税の不交付団体には何ら減収が及ばないことから、不交付団体の財源を減らし、地方全体の財源の均てん化を図るために行われるのではないかと考えております。
○桜井委員 ちょっとモノローグをいいますけれども、財源調整を地方の最も基礎的な自主財源である税によって行うことは、いうまでもなく筋違いでありますし、地方分権の趣旨にも反することであると思います。
地方分権は本来、権限と、それぞれの財源を移譲することがまず先になければならないにもかかわらず、今、ご答弁ありましたとおり、現在の三位一体改革をめぐる議論では、地方への補助金や交付税の削減がまずあって地方への権限移譲という、本当の意味における地方分権の思想が端に追いやられてしまっているように思われます。
とりわけ義務教育、生活保護のように、本来国が責任を負うべきものを単なる数字合わせで削減しようとするなど、日本の将来を支える地方自治を考えますと、本当に大変なことだと思います。さらに、税源移譲を機に都から財源を奪おうというのは非常に問題があります。
平成十七年度の法人事業税の分割基準見直しに引き続きまして、来年度はさらに今申しました法人住民税の分割基準まで見直しをすることによって、二年連続で東京都をねらい撃ちにした財源調整措置が強化されること、これは絶対に容認できないと思われます。特に法人住民税は--特にですよ、法人住民税は、先ほどの質疑にもちょっとございましたが、特別区の区域では、都が特別区における市町村民税相当分をあわせて徴収し、現在は五二%、都区財政調整の交付金の原資としているわけです。
したがって、今度はこれをやられますと、つまり法人住民税の分割基準の見直しまでやられますと、東京都だけの問題でなくなってくるわけです。また事業税と異なりまして、政令指定都市なども減収となる可能性があるなど、全国の市町村に与える影響も非常に大きく、財源調整のため、税の理屈を無視した安易な見直しは行われるべきではないと考えられます。
特別区や他の大都市との連携も視野に入れて対応していかなければならない、非常に大きな、重大な問題だと考えますが、最後に、分割基準のさらなる見直しに強く反対するという意味において、局長の決意を伺いまして、質問を終わります。
○菅原主税局長 十七年度の法人事業税の分割基準見直しでございますけれども、ただいまの質疑で明らかになりましたように、不合理きわまりないものでございます。これに引き続きまして、さらに法人住民税の分割基準を見直す動きがあるやに仄聞しておりますけれども、法人住民税は地域の構成員に広く負担を求める性格の税でございまして、今、分割基準を見直さなければならない理由は全く見当たりません。また、二度にわたりまして不合理な財源調整を積み重ねることは、あるべき税制の姿を大きくゆがめるものでございまして、断じて認めるわけにはまいりません。
主税局といたしましては、都議会の皆様方、そして東京都選出国会議員の皆様のご協力も賜りまして、都税制調査会をも活用しながら、理念なき国の動きを断固阻止する覚悟でございます。
○山加委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時五十八分休憩
午後三時十一分開議
○山加委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
発言を願います。
○門脇委員 申し上げるまでもありませんけれども、最近の不景気の影響、あるいはいわゆる公務員の不正等の影響もあると思いますけれども、近年、都民の皆さんの税に対する意識や関心というものは、ますます高まってきていると思います。それで私は、都民あるいは納税者に対する窓口などの直接的なサービスというものが大変重要だと思っております。特に都民が大切な税金を納めているというか、納めていただいている所管である都税事務所について、納税者サービスの視点から何点かお伺いをいたします。
余談ですけれども、私はこの仕事について、二十三区及び三多摩における都税事務所の責任者、すなわち所長さんですけれども、この所長さんが部長級であるということは知りませんで、この仕事について初めて知りました。組織構成について、私自身も詳細に調べているわけではありませんけれども、例えば交通局とか、それから都立病院などはちょっとわかりませんけれども、いわゆる九級職の皆さんが出先機関に展開を、これだけ多くの方が展開をしている部局はないと思います。ということは、逆に申し上げれば、それだけ住民サービス、あるいは納税者サービスの第一線に展開をされているのが当該主税局の皆さんだと思います。
若干細かい部分の質問になるかと思いますが、先ほど申しましたように、いわゆる納税者サービスという視点でお伺いをいたします。
まず主税局では、窓口の、先ほど申しました都税事務所ということですけれども、中心として、都民サービスの向上のために取り組み方針や目標などを作成していらっしゃると思いますけれども、どのようなものがあるか、お伺いをいたします。
○三橋総務部長 主税局では、これまでも都民の皆様の信頼と理解を確保するため、納税者サービスの向上を組織目標の一つに掲げまして取り組んでいるところでございます。今年度におきましては、局の運営方針の中で親切できめ細かな対応、説明責任の徹底等を各都税事務所に示しております。これを受けまして、各都税事務所では、それぞれの所で創意工夫を懲らし、納税者サービスの向上に向けましたさまざまな取り組みを実施しているということでございます。
○門脇委員 そうですね、それが基本的な、ベーシックな方針だと思います。
それでは、具体的には若干落とし込んだレベルでどのような取り組みを行っているのか、幾つかの代表的な対応についてお伺いをいたします。
○三橋総務部長 各都税事務所におきます具体的な取り組みでございますけれども、窓口での適切な対応、あるいは接遇の向上に向けまして、窓口サービス向上委員会、マナー向上検討委員会を設置するなどいたしまして、取り組みを行っているところでございます。
具体的には、お客様の声、目安箱を設置いたしまして、来庁者の方々のご意見、ご要望等を業務の改善に反映させていただいております。また、来庁者に対しての一声かけ運動や、スピーディーな事務処理の標語を所内に掲げまして、納税者サービスの向上に努めているところでございます。さらに外部講師によります接遇研修の実施や電話対応マニュアル、あるいは窓口対応マニュアルなどの作成を通じまして、親切で丁寧な対応に努めているところでございます。
○門脇委員 今のご答弁で、都税事務所ではいろんな工夫を行って、納税者に対してのサービスを展開していることを理解いたしました。
ところで一般的に役所というと、その営業時間、あるいは業務時間、わかりやすくいえば窓口のオープンの時間ということですけれども、午前九時から午後五時までというのが都民なり、区民なりが知っている時間だと思いますけれども、当該都税事務所の、これはすべての都税事務所が統一だと思いますが、窓口の受付時間はどうなっているのか。あるいは過去、職員の休憩のために昼休み、一般的には零時から一時まで、業務をお休みしていた時期もあったようですけれども、昼休みの受け付け体制はどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。
○三橋総務部長 窓口の開設時間でございますが、東京都の執務時間に関する規則のとおりでございまして、八時三十分から十七時までとなっております。昼休み時間でございます十二時から十三時までにつきましても、来庁される方々にご不便をおかけすることのないように、必要な窓口要員を配置いたしまして、対応いたしているところでございます。
○門脇委員 わかりました。それで、今の昼休みという概念そのものを少し変えていかなければいけないと思うんですけれども、昼休みというのは職員側に立った発想でありまして、来庁される納税者、あるいはお客様にとっては、おのおの昼の休憩というのは違うわけですから、後でそのことはちょっと申し上げますけれども、開設をしている、今ご答弁をいただいた窓口時間について、都民、納税者にどのようなPRを行っているのか、お伺いをいたします。
○三橋総務部長 窓口開設時間の都民の皆様への周知でございますけれども、主税局のホームページに土、日、休日を除きます平日の八時三十分から十七時と掲載するなどして、PRを行っているところでございます。また各都税事務所におきましても、来庁者にわかりやすいよう、庁舎の入り口などの場所に掲示いたしまして、PRをいたしているところでございます。
○門脇委員 ホームページに掲載をされているということは私も見ましたけれども、よいことだと思います。ただ、要するにホームページの掲載というのも必要十分事項でしょうけれども、現場でのPRというものが私は大変重要だと思うし、これは一般的な感覚ですけれども、先ほど申しましたように、どうも受ける側のイメージとしては、これは主税局の範囲のことだけではありませんけれども、一般事務の受け付けとしては、先ほど申しましたように九時五時という印象が強いというのも事実です。
今、朝の八時半からということをお伺いいたしまして、勤労者サラリーマンにとっても、あるいは商店主などにとっても、朝の三十分というのは大変大きな時間だと思います。この朝の八時半から窓口があいているということは、実は都民の皆さん、納税者の皆さんは余り知っていないように思われるんです。ですから、今後もこの窓口の開設時間のことについては都民の皆さんに積極的にPRを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○三橋総務部長 窓口の開設時間八時半から、必ずしも都民の皆様方に周知されていないというご指摘でございます。そういった理事のお話の趣旨を踏まえまして、引き続き、都民の目線に立ちまして、より親切な窓口対応といった観点から積極的なPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
○門脇委員 先ほど委員会に先立って開かれました理事会でご許可をいただきましたので、席上配布をさせていただきましたけれども、これは二十三区の中にある、ある都税事務所の窓口のご案内というところを写真で撮ったものであります。これを見ていただくとわかるんですけれども、確かに窓口時間というか、業務時間というものは書いてはあるんですけども、非常にわかりづらい。非常にわかりづらいというのは、例えば先ほど答弁でも明らかになったというか、八時半から五時までやっているわけですけれども、八時半と五時という表示はどこにもないんですね。
午前九時から正午まで、それから午後一時から午後四時までというのは、これは銀行に行ってくれと。みずほ銀行、指定金融機関に行ってくれと。それ以外は、これは職員さんのいる窓口ということですけれども、午前九時以前と、それから先ほど申しましたように昼休みという表現も、私はそろそろ意識改革をしなきゃいけないと思いますけれども、それから午後四時以降ということで書いてあるんです。ですから、これは他意はないと思います。私も最初、他意があるのかなと、ほかの何かインパクトが働いて、こういうふうな表示になっているのかなということを思ったこともありましたけれども、どうもそうではないということで安心はいたしましたけれども、これも午前八時半から当都税事務所は午後五時まで営業をいたしておりますと。なお、十二時から一時までについては、この窓口に行ってくださいと、そう書けばいいと思うんですね。ですから、わかりにくいということです。より親切な窓口対応という視点からも、さらに改善を進めていただきたいと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。
○三橋総務部長 これまでも主税局といたしましては、わかりやすいサインの掲出に努めてまいったところでございますけれども、引き続き、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、都民の目線に立ちまして、より親切な窓口対応という観点から、また理事のお話の趣旨を踏まえまして、庁内の表示板も含め、窓口サービスの改善工夫に一層取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○門脇委員 答弁は結構ですけれども、指定金融機関、みずほ銀行も都税事務所の業務についてはいろいろ考えもおありになるようであります。人の配置の問題であるとか、民間企業でありますから、当然、そこで利益を出さなければいけないということも、どうもあるようでありますし、先ほどの同僚委員の大沢さんから貴重な意見もありました。コンビニ収納ということですね。すぐにできること、そうではないこと、あると思いますけれども、今後、システムの改善あるいは全体的な窓口業務のあり方ということについても、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
さて、今、都税事務所での都民サービスの向上の取り組みについてお聞きしましたけれども、納税者サービス向上のための提案をした職員や、あるいは現場で対応している職員の意識改革というか、取り組み意欲というか、一層高めるために、私はそれは何というか、限度のあるというか、範囲のあることだと思うんですが、いろんな意味でのインセンティブということも、労働意欲の向上ということも含めて、いい意味で必要だと思っております。
例えば、職員に対する表彰制度ということですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○三橋総務部長 都におきましては、職員提案という制度が設けられておりまして、業務に対して有意義な提案や改善、あるいは都民サービス向上のための取り組みなどの提案を行った職員には知事表彰を行っております。
また主税局では、この知事賞に該当しなかった提案につきましても、すぐれていると認められるものにつきましては、主税局長及び所長表彰をあわせ行っているところでございます。このほか、主税局では都民サービスを含めまして、優秀な業務実績を上げた組織としての係、あるいは職員に対しまして、主税局長表彰を行うとともに、各都税事務所におきましても所長表彰を行うなどいたしまして、都民サービスの一層の向上に向けて職員の意欲を高めているところでございます。
○門脇委員 若干失礼ないい方をお許しいただければ、やはり税務署にいたしましても、都税事務所にいたしましても、区市町村の納税課にいたしましても、どちらかというと、そこに行く皆さんというのは、何というか、楽しい気分というかな、明るい雰囲気で訪問するということではないと思うんですね。ですから逆に、納税をしている皆さんに対してのサービスの向上というものは、特に窓口ですね、私は大変重要だと思います。
今後、幾つか、提案制度の問題もお聞きしましたけれども、細かな対応をお願いするとともに、これは当然のことでありますけれども、税の公平公正なもと、歳入確保に努めることを要望させていただきまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○高倉委員 地方分権の確立に向けた国から地方への税源移譲を見据えた中で、都においても、また区市町村におきましても、財源確保にしっかりと取り組んでいくことが大変重要になってきていると思います。とりわけ自治体としての自主財源の確保は緊急の課題であります。主税局は、最悪の都税徴収率であった平成七年度の九〇・二%から着実に徴収率を向上させ、平成十六年度決算では九六・八%という過去最高の徴収率を更新していることにつきましては、高く評価をいたすものでございます。
そうした中で、都税徴収率と個人都民税の徴収率には大きな乖離がある課題につきまして、昨年四月、新たに個人都民税対策室を設置され、全国に先駆けて区市町村への支援に乗り出しているとお聞きいたしております。そこで、この個人都民税の徴収について、何点かお伺いをしたいと思います。
最初に、個人都民税の徴収率の向上に向けた取り組みの経過について簡潔に説明をお願いいたします。
○齊藤特別滞納整理担当部長 ご承知のとおり、個人都民税は区市町村が個人の区市町村民税と合わせて賦課徴収しております。そのため、個人都民税の徴収率は先生ご指摘のとおり、今、大きな乖離が出ております。区市町村の徴税努力そのものに大きくかかわっているのが現状でございます。
これまでも都税全体の徴収率と個人都民税の徴収率には大きな開きがありましたが、平成十六年度決算の徴収率を見ても、都税徴収率が九六・八%であるのに対しまして、個人都民税の徴収率は九一・三%と、依然五・五ポイントの大きな乖離がございます。
そうした背景の中での取り組みの経過でございますが、平成十四年七月にトライアルとして、地方税法に基づき、区市町村の高額、困難な滞納事案の処理に着手いたしました。また平成十五年度は本格実施として、係レベルの個人都民税対策班を設置いたしました。さらに昨年四月には、現在の組織であります課レベルの個人都民税対策室に昇格をさせ、新たな取り組みとして都職員の派遣を実施いたしました。
今後とも、区市町村の課題を解決するため、区市町村に対し、さまざまな支援を実施していく所存でございます。
○高倉委員 個人都民税の徴収につきましては、区市町村の取り組みにかかわっているわけでございますけれども、その徴収率が都税の徴収率と大きく乖離をしている、この理由につきましては、区市町村において職員の異動が激しいこと等々、そういったことも関係をしていると思われるわけであります。
都は、区市町村への直接的な支援として、今、ご説明もありましたけれども、高額、困難な滞納事案を区市町村から引き受けて処理しているとお聞きをしていますけれども、この滞納事案の具体例、十六年度の処理実績についてご説明いただきたいと思います。
○齊藤特別滞納整理担当部長 直接支援として、区市町村の高額かつ困難な滞納事案を都が引き受けて処理しておりますけれども、これらはいわゆる累積滞納の事案で、これまで区市町村で進展が図られていないものでございます。具体的に申し上げますと、何年間も差し押さえをしたまま放置されている事案だとか、あるいは滞納者とほとんど接触がとれていない事案、こういったものでございます。これらの事案を解決するためには、財産調査の延長でございます捜索を行う実力だとか、あるいは公売を実施する能力、こういったものが必要でございますが、これらを行う実力等が区市町村に少ないために、都のノウハウを活用することによって滞納整理の促進を図るものでございます。
都としてきめ細やかな納税交渉と財産調査の徹底を図ることによって、平成十六年度の直接支援の実績は、四十三区市町村から三百五十事案、三十二億円の引き受けを行いまして、そのうち三百三十六事案、三十億円を処理して、区市町村に返却をいたしております。
○高倉委員 今、大変積極的な取り組みのお話がございました。このほかに間接的な支援として都職員の派遣など、さまざまな取り組みをしていらっしゃるとお聞きをしておりますけれども、この具体的な内容と、その効果についてお聞かせ願いたいと思います。
○齊藤特別滞納整理担当部長 間接支援の中心は、区市への都職員派遣による徴収ノウハウ等の提供でございます。三人一班で四班を編制し、各自治体に二カ月間、年三回、十二の自治体に派遣するというものでございます。平成十六年度は八区四市に派遣をいたしました。派遣先自治体では、日ごろ、東京都で行っております財産調査あるいは滞納処分、納税交渉等のそういった各種ノウハウを、派遣先自治体の職員に実践を通じた職場内研修として、いわゆるOJTとして提供しているところでございます。そのほかに区市町村の税務未経験職員等に対する各種研修や、財産を最終的に処分する不動産公売、これを都税事務所と一緒に合同で実施をしております。
さらに人材育成の観点から、区市から実務研修生を受け入れまして、中核職員の早期育成を目指しております。具体的な実績でございますが、平成十六年度は十二区市から十三人、平成十七年度は十四の区市から十五人の受け入れとなっております。
○高倉委員 今もご説明をいただいて、大変、区市町村にとっては都は頼りがいのある、そうした組織と、このように見られているんではないかと思いますけれども、この個人都民税については平成十一年度の徴収率八七・六%と、都道府県では最低というふうになっておりましたけれども、ここ数年の取り組みで、他県との比較において、どのような実績があったのか、これについて伺います。
○齊藤特別滞納整理担当部長 他県との比較で申しますと、個人県民税の全国徴収率では取り組みを開始する前の平成十三年度末の徴収率が八八・八%、全国四十七都道府県中四十五位で、下から三番目の成績でした。平成十四年度末は八九・四%で四十一位、平成十五年度末は九〇・一%と十一年ぶりに九割を超えまして、三十五位の成績でございました。平成十六年度末は九一・三%と、全国平均の九一・二%を超え、二十九位に上昇いたしました。対前年比実績の伸び率では一・二ポイントアップし、全国でも一番大きな伸び率となっております。
○高倉委員 今のご説明で、個人都民税の十六年度の徴収率、一・二ポイントと、全国でも最も高い伸び率であると。そして、全国平均も上回ったというようなことでございます。
都全体の個人の住民税、この総額は一兆四千億程度とお聞きをしておりますけれども、一ポイント上がるごとに百四十億円程度の税収効果があり、財源確保としては大変大きな貢献をされていると、このように思うわけであります。
第二次財政再建推進プランでは、最終年度の平成十八年度の目標としまして九二・八%の徴収率、これを掲げていらっしゃると思いますけれども、一年目で一・二ポイント増、九一・三%を達成しておりますので、二年目でこの目標を達成しそうなふうにも見られるわけですけれども、より高い目標を掲げることも必要と思いますけれども、この目標に対する見通しについて所見を伺いたいと思います。
○齊藤特別滞納整理担当部長 第二次財政再建推進プランでは、八九・八%をスタート台として、三年間で三ポイント徴収率を伸ばすという目標で、ご指摘のとおり九二・八%を最終目標として、今、鋭意取り組んでいるところでございます。
一年目の平成十六年度で、先ほども申し上げましたように九一・三%を達成いたしましたので、今後は少しでも早く最終目標に到達できるように、組織一丸となって区市町村を支援していく覚悟でございます。
○高倉委員 この個人都民税のことについて最後に一つ、都内の各区市町村においては、徴収に対して独自の創意工夫を懲らしている自治体があるわけであります。例えば足立区などでは自動電話催告システム、こうしたものがございます。また東久留米市の方では、電話催告を民間に委託をする取り組みと、こんなことも独自の取り組みとして、していると、このようにお聞きをしております。
徴収率のさらなる向上を図っていくためには、このような独自の取り組みと、その効果について必要であれば都として、ノウハウの提供を初めとして積極的に各自治体への支援を進めていくべきと考えますけれども、この点についてのご所見を伺います。
○齊藤特別滞納整理担当部長 現在、大きく分けまして二つの先進的な取り組みがなされているのではないかと思います。先生ご指摘のとおり、一つは足立区とか世田谷区、稲城市が導入しました、いわゆる自動電話催告システムによるものでございます。新規滞納者へ順次電話連絡がつながるシステムで、新規滞納を早期に処理するという点で効果があったと聞いております。もう一つは東久留米市が昨年十一月から実施をしております市のシルバー人材センターと委託契約をし、人材を派遣してもらい、新規滞納者に電話で接触を図っていただくもので、自動電話システムと同様に早期処理の効果が期待されております。
いずれにいたしましても、これらの先進的な取り組みを導入するに当たり、さまざまなノウハウの提供を含めまして、各自治体へ普及拡大を図るため、今後ともいろんな形で支援していきたいと考えております。
○高倉委員 次に、納税者のための制度についてお伺いをしたいと思います。
都は、納税者のために口座の振替制度やコンビニでの収納等々、積極的な取り組みを行っております。納税者の立場に立って、できるだけ納付の利便性が高まるように努力をしていくことは、税収の向上にもつながるものであると、このように考えます。
そこでまずお伺いしますけれども、クレジットカードの支払いということについて、例えば都立病院ではクレジットカードでの支払いができるように、今なっておりますけれども、都税もクレジットカードでの支払いができますれば、わざわざ銀行から現金をおろして、持参をしないでも済む、このようにも考えられるわけですけれども、クレジットカードでの都税の支払いができるのかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○吉田徴収部長 クレジットカードでの支払いは、一般的に商品などの購入に利用し、支払いが行われる場合、加盟店がカード会社から代金の支払いを受けるかわりに商品売却に係る加盟店の債権がカード会社に譲渡されるものでございます。この場合、カード会社には、加盟店から一般的には三%から五%程度の手数料が支払われていると伺っております。地方税におきましては、地方税法第二十条の六に、第三者による納付の規定がございまして、立てかえ払いの方式であれば、カード支払いを納税者が行ったことでカード会社から第三者納付されたとの判断が可能であると考えられます。
しかしながら、納税者が納期限までにカード支払い手続をしましても、カード会社から東京都への払込日が納期限後となった場合の延滞金の取り扱いですとか、またカード支払いの段階で納税証明を発行できるのかですとか、さらには、一般の加盟店と同じように東京都からカード会社への手数料が他の納付方法に比較して高額とならないかなどの問題、課題がございます。
主税局では、自動車税にありましては昨年四月からコンビニでも支払いができるように納税方法の拡大を行ったところでございますが、クレジットカードでの都税の支払いにつきましては、先ほどの課題もございまして、現在は実施していない状況でございます。
○高倉委員 今、お聞きしたクレジットカードについては、幾つか課題があることがわかりました。
それから、最近は、パソコンあるいは携帯電話を利用したモバイルバンキングが普及しておりますけれども、都では全国に先駆けて手数料、あるいは使用料等についてマルチペイメントネットワークを利用した収納が既に実施を、導入をされているわけでございます。このマルチペイメントネットワークにつきましては既にご承知のことと思いますけれども、いわゆる電子決済網と呼ばれているものでございます。支払う個人の行動時間が夜間にシフトする、あるいは携帯電話の利用シーンがふえる、こうしたさまざまな変化に対応する必要性が日常の中で出てきている中で、どんな場所でも好きな時間に支払うことができることを目指す決済サービスというふうにいえることと思います。
具体的には、収納機関と金融機関との間をネットワークで結びまして、利用料などの納入義務者がコンビニなどにもある現金自動預け払い機、ATMで支払いができるほか、パソコンや携帯電話などのIT環境を利用して、公共料金等の支払いができるようにする、そういうものでございます。収納した情報がすぐに収納機関に通知をされること、また都の場合でいいますと、例えば納入済みの通知書、あるいは口座振替の場合でも、その処理過程で必要な収入済みデータの作成処理、こうした行程が不要になる等々、事務の効率化にもつながるシステムであると思っております。
さまざまな支払い方法があれば、納税者にも便利になると思いますけれども、このネットワークを都税に導入した場合にどのようになるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○橋本参事 マルチペイメントネットワークについてでございますが、これは先生、お話のとおり、東京都等の収納機関と金融機関を結ぶネットワークでありまして、顧客、金融機関、収納機関の間に発生する公共料金、税金等の決済を電子的に行うための基盤となるものでございます。
このネットワークを活用することによりまして、都税につきまして、その支払いが自宅のパソコンや携帯電話を利用したインターネットバンキング、あるいは金融機関のATM、現金自動預け払い機ですが、これらを通じて行うことができるようになります。
○高倉委員 都税につきましては、都の歳入の七割を超えていると思います。このマルチペイメントネットワークによる方法が加わりますと、大いに納税者の利便性の向上につながると思います。そのメリットについて、改めて所見を伺います。
○橋本参事 メリットについてでございますが、納税者にとりましては、時間や場所に拘束されずに納税が可能となります。具体的には、金融機関に出向くことなく、自宅や外出先で納税を行うことができるようになります。また、金融機関に出向く場合も、窓口に並ぶことなく、ATMを利用して迅速に手続ができます。さらに自分の口座から直接納税することが可能となりますから、現金の持ち歩きが不要となります。こうして、近くに金融機関のない方や、単身サラリーマンを初めとして、多くの納税者の利便性が向上すると考えます。
一方、東京都にとりましても、迅速な納税の確認が可能となる等のメリットがございます。
○高倉委員 今、さまざまなメリット、効果についての説明があったわけですけれども、今後、このマルチペイメントネットワークの都税への導入、こうしたことを、今説明のありましたようなメリット、効果を生み出していくためにも、ぜひ導入を積極的に検討すべきである、このように思いますけれども、ご所見をお伺いいたします。
○橋本参事 今後の予定についてのお尋ねでございますが、現時点では確たる導入時期を申し上げる段階に至っておりませんが、できるだけ早期に導入できるよう、実施した場合のメリット、デメリット及び課題等を含めまして検討を進めておるところでございます。
○吉田委員 皆様、長時間、お疲れさまでございます。私からは、徴税努力、滞納整理の方向等について何点かご質問をさせていただきます。
主税局では、ここ十年で、先ほど各委員がお触れになりましたとおり、都税の徴収率が非常に上がった、あるいは個人都民税についても徴収率が上がったということも含め、都税の滞納額も四分の一に圧縮した、こういう大変なご努力をされていることに高く評価をさせていただくところでございます。
事前に勉強いたしましたところによりますと、地方税法には滞納があった場合には差し押さえをしなくてはならないと定められております。主税局では督促を出した後、催告状を出し、さらに電話催告や自宅訪問を行うなど、きめ細かな納税交渉をしていると伺っております。滞納した人というののほとんどはうっかり払い忘れたという方々だと思われますので、いきなり差し押さえということをするのではなくて、このようなきめ細かな対応をしておられるということは、まことに適切なお取り組みであると、私は認識をしております。
一方で、脱税のような悪質な例につきましては速やかな対応が必要でありまして、このあたりのバランスは、本当にご担当の方はなかなか難しい判断を迫られているのではないかと理解をいたしております。
また、歳入の根幹でございます都税の徴収率の向上のためには、社会情勢の変化に応じて滞納整理の手法も進歩させていく必要があるというふうに考えております。そこで、滞納整理の方向性について、幾つかご質問申し上げます。
一般的な滞納整理の流れとしては、督促状と催告状を出して、電話や訪問による納税交渉を行い、それでもなお納税しない場合には財産を差し押さえるというわけでございますが、昨年度はどの程度の差し押さえを実施されたのか、お伺いいたします。
○吉田徴収部長 平成十六年度における差し押さえの件数は、二十五都税事務所合計で約二万件でございます。
○吉田委員 二万件と一口に申しましても、社会保険庁が昨年度実施した差し押さえの件数は全国で百十件と発表されておりますから、そこと比較いたしましても大変なご努力であろうかと思われます。
それで、この差し押さえ財産の内訳について、どのようなものなのかお伺いいたします。
○吉田徴収部長 平成十六年度の都税事務所における差し押さえの財産別内訳は、電話加入権が最も多く、約九千件、不動産が約五千件、給与、預貯金、生命保険等の債権が約四千件、自動車が約二千件となってございます。
○吉田委員 ただいま生命保険まで差し押さえるということでございまして、本当に緻密な納税交渉を行っておられるんだなと、頭の下がる思いでございます。
そこで、電話加入権が最も多いというご答弁でございましたが、NTTの施設設置の負担金の引き下げや、携帯電話の普及あるいはIP電話等の台頭によりまして、電話加入権の価値は大変下がっているのではないかと思われますが、ここのところをお伺いいたします。
○吉田徴収部長 全日本電気通信サービス取引協会の調べによりますと、平成七年には約五万五千円であったNTT電話加入権の都内における取引相場は徐々に下降いたしまして、現在では約七千円程度となっているところでございます。
○吉田委員 といいますと、九千件の電話加入権の差し押さえにかわる滞納整理の手法が今後必要になってくるということだと思います。
これに関連しまして、昨年、私どもの党の酒井議員が質問しておりますが、平成十六年度に開始したインターネット公売につきまして、その後の現在までの状況を簡単にお伺いしたいと思います。
○吉田徴収部長 昨年七月に開始したインターネット公売は、ことしの三月には不動産のインターネット公売を開始するなど、合わせて六回実施いたしました。六回の合計で、不動産につきましては十四件で二千六百万円を、また動産につきましては百九十一件で四千六百万円を売却したところでございました。
○吉田委員 なるほど、インターネット公売を導入することで、差し押さえる財産を電話加入権から自動車や動産というものにシフトをしていくことが可能になったということがわかりました。
このほかにはどのような手段を講じておられるのか、再度お伺いをいたします。
○吉田徴収部長 電話加入権の対策ということだけではございませんが、主税局では、昨年開始したインターネット公売を背景といたしまして、捜索を積極的に実施して、自動車や動産の差し押さえを推進しているところでございます。
また、給与や預貯金等の債権差し押さえも合わせて推進しておりまして、都税事務所における財産別差し押さえ件数割合で申し上げますと、電話加入権につきましては平成十四年度の五二%が、平成十六年度には四五%に、さらに今年度は九月現在で三八%にまで低下した反面、債権につきましては平成十四年度の二〇%が、平成十六年度には二一%、さらに今年度は九月現在で二九%にまで増加しているところでございます。
○吉田委員 ただいま捜索というご答弁がございましたが、捜索はどのような場合に実施をするのか、また昨年度及び本年度の捜索の実績はどうなっているのか、お伺いいたします。
○吉田徴収部長 捜索は、滞納者が財産の任意提供を拒んだ場合ですとか、滞納処分のために必要があるときに行われるものでございます。捜索の実施実績につきましては、平成十六年度は、徴収部及び都税事務所で合計四十九件の捜索を実施いたしました。今年度は、九月末現在で徴収部及び都税事務所で既に五十四件の捜索を実施しているところでございます。
○吉田委員 まじめに歯を食いしばって納税をしておられる方々がほとんどである一方で、そういう悪質な、払わないという方もいらっしゃるわけでございます。財産の差し押さえをするということで九割方の滞納者は納税をして、売却というところまで至る滞納はほんの一部にすぎないということも聞いております。これはやはり納税の秩序というものをきちんと守っていただくというためにも、皆様のご努力をさらに続けていただかなければいけないと思います。
これもまた事前に勉強いたしたのですが、公売による売却益が滞納額を上回った場合には、その残金は滞納者に渡すということでございますが、インターネットの公売につきましては、まだそのような、売却額が滞納額を上回った例はないということとお聞きしております。つまり公売という新しいツールを使っても、まだなかなか滞納された金額の全部を網羅するというわけにもいかないということで、先ほどのご質問にもあったとおり、いろいろの先進的なお取り組みも含めて、さらにご努力をいただければと思います。
これは余談でございますが、ある人から、社会派のコミックで「壁ぎわ税務官」という十八巻のコミック、勧められて読ませていただいて、日ごろの徴税職員の方々のご苦労ということを、ちょっとかいま知った思いがいたしたんでございますが、本当に税制全体で、弱者に対しては配慮していく、しかし決められた税については社会的公正公平の観点から、きっちりと皆様ひとしく払っていただく、この秩序を守っていただくために、今後とも皆様のご努力をお願い申し上げまして、私からの質問を終えさせていただきます。
○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山加委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時五十七分散会
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