財政委員会速記録第十九号

平成十六年十一月二十六日(金曜日)
第二委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十二名
委員長倉林 辰雄君
副委員長秋田 一郎君
副委員長森田 安孝君
理事酒井 大史君
理事鈴木 一光君
理事松村 友昭君
東村 邦浩君
鳩山 太郎君
山下 太郎君
執印真智子君
新藤 義彦君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長松澤 敏夫君
経理部長臼井  勇君
契約調整担当部長山本 憲一君
主計部長熊野 順祥君
財産運用部長宮川 雄司君
調整担当部長平田  章君
参事三津山喜久雄君
建築保全部長福島 七郎君
コスト・調整担当部長松村 光庸君
参事南部 敏一君
主税局局長山口 一久君
総務部長菅原 秀夫君
税制部長川村 栄一君
参事関口 修一君
参事橋本 隆之君
課税部長松田 曉史君
資産税部長安田 準一君
徴収部長吉田 裕計君
参事齊藤 吉民君
出納長室出納長櫻井  巖君
副出納長島田幸太郎君
副出納長宇藤 雅隆君
会計制度担当部長岳野 尚代君
収用委員会事務局局長嶋津 隆文君
審理担当部長井戸 秀寿君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
報告事項(説明)
・平成十六年度資金管理実績報告(第二・四半期)について
収用委員会事務局関係
報告事項(説明)
・「収用制度活用プラン」について
財務局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・都立青梅地区総合学科高等学校(仮称)(H十六)改修工事請負契約
・都立東久留米地区総合学科高等学校(仮称)(H十六)増築及び改修工事請負契約
・日暮里・舎人線舎人公園駅(仮称)建築工事請負契約
・当せん金付証票の発売について
報告事項(説明)
・「神宮前一丁目民活再生プロジェクト」(PFI事業)の実施方針等について
主税局関係
報告事項(説明)
・平成十六年度東京都税制調査会答申について
請願陳情の審査
都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)一六第二八号
(2)一六第三〇号
(3)一六第三二号
(4)一六第三四号
(5)一六第三七号
(6)一六第三九号
(7)一六第四六号
(8)一六第四八号
(9)一六第五〇号
(10)一六第五二号
(11)一六第五四号
(12)一六第五六号
(13)一六第五八号
(14)一六第六〇号
(15)一六第六一号
(16)一六第六二号
(17)一六第六四号
(18)一六第六六号
(19)一六第六七号
(20)一六第六九号
(21)一六第七二号
(22)一六第七五号
小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置の継続に関する請願
(23)一六第二九号
(24)一六第三一号
(25)一六第三三号
(26)一六第三五号
(27)一六第三八号
(28)一六第四〇号
(29)一六第四七号
(30)一六第四九号
(31)一六第五一号
(32)一六第五三号
(33)一六第五五号
(34)一六第五七号
(35)一六第五九号
(36)一六第六三号
(37)一六第六五号
(38)一六第六八号
(39)一六第七〇号
(40)一六第七三号
(41)一六第七四号
(42)一六第七六号
都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(43)一六第七一号
(44)一六第七三号
小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置の継続に関する陳情
(45)一六第七二号
(46)一六第七四号

○倉林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせいたしましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、出納長室関係の報告事項の聴取、収用委員会事務局関係の報告事項の聴取、財務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取、並びに主税局関係の報告事項の聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○島田副出納長 それでは、報告事項につきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらんいただきたいと存じます。
 平成十六年度第二・四半期の資金管理実績についてご説明申し上げます。
 一ページは概要です。第二・四半期のポイントは、歳計現金等、基金ともに第一・四半期と比較して運用利回りが向上したことにございます。
 二ページをごらんください。運用商品別内訳でございますが、下のグラフの上段の歳計現金等でございますが、一番右側、平成十六年度第二・四半期の平均残高は第一・四半期に比べて四千八百九十五億円増加いたしまして、七千七百九億円となっております。これは法人二税及び固定資産税の収入等によるものでございます。運用利回りは、資金に余裕ができました関係もありまして、定期性預金での運用割合がふえたことによりまして、第一・四半期よりも向上いたしまして、〇・〇一六%となっております。
 下段の基金につきましては、平均残高は七千七百二十七億円、運用利回りは、国債等の満期を機に、銀行社債などを含む比較的利回りの高い債券に再投資いたしましたことなどによりまして、第一・四半期よりも向上し、〇・〇八三%となっております。
 恐縮でございますが、三ページをごらんください。上の表の右側が第二・四半期の金融機関種別預金内訳でございます。
 上段の歳計現金等につきましては、これまで同様すべて都市銀行に預金しております。
 中段の基金につきましては、下のグラフの一番右側、十六年度第二・四半期では、信託銀行が最も多く四八・七%、都市銀行二五・三%、その他二六・〇%となっております。
 資金管理につきましては、引き続き、安全性、流動性を確保しつつ、より効率的な運用を行ってまいります。
 以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○倉林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきました。
 以上をもって出納長室関係を終わります。

○倉林委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○井戸審理担当部長 それでは、収用制度活用プランにつきまして説明させていただきます。
 このプランにつきましては、公共事業に関します紛争の早期解決を通しまして、東京のまちづくりに寄与するよう、収用制度の現状や課題を明らかにし、幅広く収用制度の周知を図るために作成したものでございます。
 一ページをお開きください。全体は、三章の構成でございます。第1章「収用制度のあゆみ」でございます。
 第1の土地収用制度の意義と沿革では、土地収用制度が公共の利益の増進と私有財産の調整を図るという制度の意義を改めて述べるとともに、明治時代に我が国で土地の所有権が確立されたことに伴いまして、土地収用制度が始まりました明治五年から、最近の平成十三年の土地収用法の大幅な改正までの沿革につきまして、一ページから五ページまで記載しております。
 六ページをお開きください。第2として、最近の収用事件の特色をまとめたものでございます。
 東京における収用事件につきましては、事件数の多さだけではなく、その内容においても大都市の特殊性を持った複雑で困難な事件がふえてきております。
 まず、特徴の一つは、裁決申請請求に関する収用事件が増加していることです。バブル崩壊以後の土地の価格の下落という社会状況の中で、早期の紛争解決と早目の土地の価格固定を目的としまして、土地所有者等の権利者から裁決申請の請求が出されるケースがこれでございます。これまでは起業者からの裁決申請が一般的でしたので、それに対し逆収用とも呼ばれております権利者からの収用手続でございます。
 八ページをお開きください。その他の特徴として、多数の権利者がおりますマンション事件ですとか、地下の使用、境界の不明など、大都市特有の収用事件が増加していることを記載してございます。
 一一ページをお開きください。また、最近の収用事件におきます大きな特徴の一つとして、トラスト事件がございます。トラスト事件とは、事業反対を目的として、一部の土地や立ち木に関する権利につきまして、大人数で分割共有や賃借権の設定をし、その権利を根拠に事業反対を主張する事件でございます。
 図でも表示してございますけれども、二ツ塚の広域廃棄物処分場事件ですとか、圏央道あきる野インターチェンジ事件、圏央道八王子ジャンクション事件がまさにそのような事件でございました。
 一三ページの表の3で掲載しておりますけれども、多数の権利者への対応のため、手続や時間が大幅にかかりました。このため、さきに述べました平成十三年の土地収用法の改正を踏まえまして、圏央道八王子事件では迅速な事件処理を行いまして、ごらんのように、他の二事件と比べて、事件処理期間を四百七十三日と大幅に短縮することができました。
 一四ページをお開きください。第2章として、収用制度活用の状況をまとめております。
 第1に、最近の収用制度活用の動向でございます。
 平成十二年度以降につきましては、百件を上回る高い水準で推移してございます。
 一六ページをお開きください。公共事業を施行いたします起業者別の割合を見てみますと、図-1の円グラフでございますけれども、平成十五年度の収用事件のうち、事業主体として東京都が五二・三%、国や公団が三八・五%となっておりますけれども、区市町村についてはわずか九・二%にとどまっております。
 一七ページの第2でございますけれども、収用委員会の手続の中で述べられました権利者からの主な意見でございます。
 次の一八ページにございますけれども、権利者から見ますれば、公共事業へのかかわりですとか、あるいは収用裁決手続はほとんどの場合初めてであるため、損失の補償の多寡に関する意見ですとか、あるいは移転の期限ですとか生活再建に関する意見、また、事業計画や任意の協議段階における交渉についての不服とか不満など、多岐にわたる意見が出されております。今後とも、適正かつ適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
 一八ページの下の行でございますけれども、第3として、区市町における収用制度活用の実態を記載してございます。
 ここでは、一九ページから二一ページにかけまして、区市町へのアンケート結果に基づきますと、区市町の道路事業では、その事業期間が長期化していることですとか、あるいは用地取得が難航していることなどがわかりましたけれども、その区市町での収用制度未活用の背景や理由といたしまして、二〇ページにございますけれども、強権的なイメージを回避したいことですとか、あるいは収用制度に関するノウハウの不足などがあることがわかりました。
 また、次の二二ページ、図-8の円グラフにありますけれども、区市町から東京都の収用委員会事務局へ望むことでは、実務指導、理論的な研修、首長等へのPRが強い要望としてあることがわかりました。
 二三ページでは、第3章が収用制度活用プランでございます。
 この章では、これまで述べてきました現状を踏まえまして、今後、区市町などの起業者や権利者に対しまして、収用制度をどのように活用していくことが、東京のまちづくりや公共の福祉の向上に資するのか、その基本的な考え方と制度のPR等の取り組みを、収用制度活用プランとしてまとめてございます。
 第1は、収用制度活用のメリットと基本的認識でございます。
 その内容として、二三ページから二九ページまで、収用制度活用のメリットですとか、区市町における道路整備等の役割の増大化、あるいは広域の公共事業及び事業者間調整の複雑化等々述べてございますけれども、全体といたしまして、収用制度活用のメリットといたしまして、事業の長期化の防止とコストの削減、適正な手続による権利者等の保護、そして、早期の紛争解決を通した東京のまちづくりへの寄与について述べてございます。
 三〇ページをお開きください。第2は、収用制度活用プランの策定でございます。
 事務局の行動計画として、区市町への支援、国や都、公団等への働きかけ、事件処理の適正化、効率化の三つの柱を設けてございます。
 三一ページからは、第一の柱の区市町への支援として、まず、キャラバン隊の実施でございます。すべての区市町の首長等を対象といたしまして、収用制度の理解促進を図るため、十六年度中にPR活動を実施いたします。
 次に、三二ページでは、区市町の実務担当者がスムーズに申請手続を進められるよう、研修の実施などを盛り込んだ、区市町の担当者のスキルアップ計画の実施を挙げてございます。
 また、三四ページでは、事務局内に総合相談窓口を設置いたしまして、収用に関します区市町や都民からの相談を受ける総合支援センターの設置を掲げてございます。
 三八ページをお開きください。第二の柱としての、国や都、公団等への働きかけでございます。
 大規模な事業におきまして、任意の取得から収用手続に移行するに当たりまして、後日の収用委員会の裁決手続に混乱が生じないよう、申請手続ですとか、あるいはスケジュール等の相談や調整を実施してまいります。
 四三ページをお開きください。三つ目の柱が、事件処理の適正化、効率化でございます。
 その内容ですが、事件処理期間の短縮では、指名委員制度の活用などによりまして、迅速かつ適正な審理手続を行い、申請から裁決まで、三、四年前までは平均十六カ月ぐらいかかっておりましたけれども、今後、十カ月程度での事件処理を目指してまいります。
 また、職員の専門的能力の向上ですとか、収用委員会のホームぺージ内に新たに意見箱を設け、収用制度に関する都民からの意見や提言を適切に受けとめてまいります。
 以上、区市町への支援、国や都、公団等への働きかけ、事件処理の適正化、効率化がプランの三つの柱でございますけれども、今後、起業者と権利者に対する公正な手続の確保を基本とし、幅広い収用制度の周知と適切な制度の活用に向け、積極的に取り組んでまいります。
 なお、巻末に、参考といたしまして、収用手続の流れと、このプランの概念図を、資料1、2として掲載しております。後ほどごらんいただければと存じます。
 以上、簡単ではございますが、収用制度活用プランにつきましてご報告をさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

○倉林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきました。
 以上をもって収用委員会事務局関係を終わります。

○倉林委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○松澤財務局長 それでは、財務局所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしております提出予定議案件名表をごらんいただきたいと存じます。
 今回の提出予定議案は、契約案三件、事件案一件の合計四件でございます。
 初めに、契約案についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、資料第1号の一ページをお開き願います。
 契約案は、いずれも建築工事でございまして、計三件でございます。これらの契約金額の合計は約四十一億円でございます。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。
 事件案は、当せん金付証票、いわゆる宝くじの発売についてでございます。これは、平成十七年度の宝くじの発売限度額を定めるものでございます。
 以上が概略の説明でございます。
 なお、詳細につきましては、それぞれの所管の部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○臼井経理部長 私の方からは、第四回定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の概要につきまして、資料第1号によりご説明を申し上げます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、工事請負契約議案一覧をお開きください。
 初めに、1の総括の表をごらんください。今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計三件、契約金額の総額は四十一億二百三十五万円でございます。契約の方法は、提案予定の三件すべてにつきまして、一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要につきましてご説明申し上げます。
 番号1は、青梅市勝沼一丁目地内に、学校名はまだ仮称でございますが、都立青梅地区総合学科高等学校の校舎を建設するものでございます。
 番号2は、東久留米市幸町五丁目地内に、これも学校名はまだ仮称でございますが、都立東久留米地区総合学科高等学校の校舎を建設するものでございます。
 番号3は、足立区皿沼三丁目地内から同区舎人一丁目地内にかけまして、日暮里・舎人線、これも駅名はまだ仮称でございますが、舎人公園駅の駅舎を建設するものでございます。
 それぞれ、契約の相手方は、表の右側の欄に記載してございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページ、三ぺージには、案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようにお願い申し上げます。
 また、各案件の入札の経過等につきましても、五ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんください。
 以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○熊野主計部長 それでは、引き続きまして、お手元の資料第2号、当せん金付証票の発売についてをご説明させていただきます。
 これは、当せん金付証票、いわゆる宝くじの平成十七年度分の発売限度額に関する議案でございます。
 議案の中ほどの記にございますように、宝くじの発売の目的として、公園整備等の費用の財源に充当するために発行するものでございまして、平成十七年度は二千百十七億円の発売限度額を定めるものでございます。
 提案の理由でございますが、裏面に参照条文を掲載してございますけれども、当せん金付証票法第四条第一項の規定に基づき提案するものでございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきました。

○倉林委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○宮川財産運用部長 私からは、資料第3号、神宮前一丁目民活再生プロジェクトの実施方針等につきましてご報告をいたします。
 A4判の三枚の資料のほか、参考資料といたしまして冊子を二冊、神宮前一丁目民活再生プロジェクト実施方針と、神宮前一丁目民活再生プロジェクト業務要求水準書(案)をお配りしてございます。
 A4判の三枚の資料の方でご説明をさせていただきます。
 まず初めに、実施方針等の策定の趣旨についてでございます。
 基本構想策定後の経緯にございますように、昨年十二月に基本構想を策定いたしまして、その後も、地元住民の方々とも真剣に話し合いを続けてまいりました。本年七月には、これまでの協議の経過を踏まえ、本件都有地の利用計画に関する要請書が渋谷区長から提出されました。これを受けまして、都といたしましては、留置場の定員につきましては、現下の都政の重要かつ緊急な課題である治安対策を推進する上から、三百人をぜひとも確保する必要があるといたしまして、あわせて、緑地の保全や避難通路の設置など、地元からのさまざまな要望には最大限の配慮をする内容の回答をいたしました。
 そして、今回、施設の内容や事業の手法につきまして、基本となる計画として、実施方針、それと業務要求水準書(案)をまとめたものでございます。
 この実施方針につきましては、PFI事業を行うに当たりまして、法律によって定めるべき事項が規定をされております。具体的には、民間事業者の募集及び選定に関する事項や、その責任の明確化に関する事項など、民間事業者がこのプロジェクトに参加するに際しての基本的な条件等を提示する内容でございます。
 また、業務要求水準書(案)は、通常の契約における仕様書に相当するものでございまして、民間事業者がこのプロジェクトに参加するかどうかを検討いたしまして、また、その創意工夫を引き出すために役立つ具体的な事項を提示する内容でございます。
 次に、本事業の目的でございますが、下にございますように、本事業は、治安対策の推進と東京の再生と地域の活性化を図るため、老朽化いたしました原宿警察署を移転、改築するとともに、商業、居住等の機能を有します民間施設を整備すること等により、安全・安心で地域に調和したまちづくりを推進することを目的としております。
 恐れ入りますが、二ページをお開きいただきたいと存じます。本事業の概要と特色についてご説明をさせていただきます。
 事業の概要につきましては、ここにございます立地条件、事業方式及び事業期間、施設の規模に記載をしているとおりでございます。
 事業方式のところをごらんいただきたいんですが、警察施設につきましては、民間事業者が設計、建設した後に、都に所有権を移転いたしまして、事業期間中の維持管理、運営を行います、いわゆるBTO方式のPFI事業として整備する考えでございます。また民間施設につきましては、定期借地権を設定いたしまして、民間事業者の提案に基づいて行いますPFI事業の附帯事業として整備を行う考えでございます。
 事業の特色でございますが、その下にございますように、一つ目は、都心に残されました広大な都有地を有効活用することでございます。警察施設のほかに、商業、居住等の機能を有します民間施設を整備しますとともに、豊かな緑や貴重な自然を残しまして、オープンスペース等も整備して防災機能の強化を図るなど、都有地を有効に活用してまいります。
 特色の二つ目といたしましては、老朽化いたしました原宿警察署を移転、改築する中で、留置場は三百名定員で整備いたしまして、治安対策推進の礎としてまいります。
 三ぺージをごらんいただきたいと存じます。特色の三つ目でございますが、民間事業者の提案に基づきまして、商業系施設を配置し、にぎわいを創出するほか、都心居住を推進するための居住機能の施設を配置するなど、民間施設の整備によりまして、東京の再生と地域の活性化を図ってまいります。
 なお、〔4〕にありますように、事業者の選定に当たりましては、価格や事業の運営能力、業務の遂行能力などを総合的に評価いたします総合評価一般競争入札を導入する予定でございます。
 以上が本事業の特色でございます。
 最後に、これからの予定でございますが、今後のスケジュールにありますように、平成二十一年三月の施設の竣工を目指しまして、引き続き地域の理解と協力を得ながら、所要の手続を進めてまいります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○倉林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきました。
 以上をもって財務局関係を終わります。

○倉林委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○川村税制部長 去る十一月十六日に提出されました平成十六年度東京都税制調査会答申につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、平成十六年度東京都税制調査会答申の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、答申の取りまとめの方向について申し上げます。
 本年度は、国の三位一体改革をめぐりさまざまな動きがございました。このため、答申の取りまとめは、国の経済財政諮問会議の動向、全国知事会の国庫補助負担金改革案の取りまとめの状況、さらには都の基本的見解の発表内容等を注視しながら行われたところでございます。
 とりわけ、税源移譲の動きに逆行するかのような事態が見受けられ、税源移譲そのものが後戻りしかねないことが危惧されましたことから、答申は、税源移譲の実現を後押しするよう、平成十二年度答申で初めて主張されました税源移譲について、改めて強く提言したものとなってございます。
 また、今後の地方税財政制度改革論議に一石を投じるという意味を込めまして、地方税制改革を前面に打ち出したものとなってございます。
 以下、章別に要点を説明させていただきます。
 第1章、進まない地方税財政制度改革についてでございます。
 この章は、主に、国の進める三位一体改革の現状に関する問題点を指摘した部分でございます。
 まず、地方行財政につきましては、依然として中央集権体制は維持されたままであること、三位一体改革の本来の目的は、地方行財政の分権改革のはずであること、税源移譲論議が後回しになっているなど、国民の目から見るという視点が欠落していることを指摘した上で、国庫補助負担金をめぐる論議には、国と地方の事務分担と負担のあり方の見直しといった本質的論議が見受けられないことから、地方分権の推進という原点に立ち返り、国民、都民、住民の視点から改革に向けた議論をすべきであることがそれぞれ提言されてございます。
 恐れ入りますが、資料をおめくりいただきまして、二ページをごらんいただきたいと存じます。第2章、地方税制改革のあるべき方向についてでございます。
 この章は、答申の主要なテーマであります地方税制改革に関する総論に相当する部分でございます。
 1では、二十一世紀を担う税制の再設計、再構築が、我が国の将来設計につながり、とりわけ地方税制改革の姿を示すことが急務であるとの問題認識が示され、2以下では、地方税の役割と地方分権下におけるそのあり方について、税源移譲により地方税を充実することを基本に、検討の方向性と、あるべき地方税体系が示されております。
 次に、第3章、基幹税の税源移譲、個人住民税と地方消費税の充実についてでございます。
 1では、国税から地方税への税源移譲について、個人住民税は、一〇%比例税率化により三兆円規模、地方消費税は、地方の割合を消費税率に換算して二・五%相当とすることにより、三・七兆円規模の移譲が可能でございまして、国と地方の税源配分をおおむね一対一とすべきとされております。
 2では、個人住民税は、地域社会の費用を地域住民が負担し合うという性格を有していることから、一〇%比例税率化により、負担分任機能を重視すべきとされ、また、税源移譲に伴う課題として、個々の納税者が税負担増とならないよう緩和措置を講じるべきであることが提言されております。
 3では、個人住民税の将来的な検討課題について種々述べられており、このうち、二ページの最後の行から、恐れ入りますが、次の三ページの一行目にお示ししております高齢化対策に資する寄附金控除については、今後、高齢化が進展し、地方自治体の対人サービスや地域福祉の充実などがますます求められる中にありまして、地域住民が地域福祉の充実に貢献しやすい仕組みづくりを行う必要があるとして、地域福祉の充実の観点から、住民の寄附に対するインセンティブが働くよう、地方税独自の寄附金控除を創設することが提言されております。これは本答申で初めて提言される内容のものでございます。
 4の地方消費税のあり方につきましては、少子高齢社会を支える地方の基幹税として充実させていく必要があり、将来は、国が地方にかわって当分の間行っております賦課徴収を地方みずからが行うことを検討していく必要があるとされております。
 この章の最後の5では、法人事業税の分割基準の見直しや地方譲与税の譲与制限といった不合理な財源調整は、本来あるべき地方税制をゆがめるものであり、断じて行うべきでないと指摘されております。
 また、二つ目の丸になりますが、この答申が公表されました前日の十一月十五日の経済財政諮問会議に提出されました総務省資料によりますと、税源移譲額と国庫補助負担金削減額について、都単独では差し引き五百億円の減収になると見込まれるにもかかわらず、都と特別区、市町村とをあえて合算し、東京の区域では六百億円の財源超過であるとし、法人事業税の分割基準の見直し等の財源調整により、税源の偏在を極力ゼロに近づけるとしております。これは、大都市をねらい撃ちにした、税収の均てん化そのものを目的とした数字合わせであるばかりか、自治体間の税源偏在の問題を、東京と地方の対立構造にすりかえるものであり、また、市町村の個人住民税の増収分を都の道府県税収で調整しようというもので、全く不当で筋違いであると強く指摘されております。
 次に、第4章、自動車関連税制の抜本的見直しについてでございます。
 1から3までをまとめて申し上げますと、自動車に対する税は、現在、取得段階、保有段階、走行段階の各段階においてさまざまな税が課されておりますが、自動車本体に対する課税は、昭和十五年の税制改正における自動車税の創設以来、一貫して地方税とされております。このため、現在、保有段階として課されております自動車税と自動車重量税につきましては、地方税に一本化するよう、自動車重量税を自動車税に統合して、道府県税である新たな自動車税を創設することが提言されております。
 また、少し飛んで、次の四ページの5をごらんいただきたいと存じますが、この新自動車税の創設により、さらなる税源移譲の対象とすることが提言されており、その移譲の規模は、自動車重量税の税収が現在一・一兆円ございますことから、市町村に自動車重量譲与税として交付されております三千七百億円を差し引いた残りの〇・七兆円が実質的な税源移譲額となるとされております。
 新自動車税の創設と税源移譲は、本答申で初めて提言されるものでございます。
 次に、第5章、法人事業税のあり方についてでございます。
 法人事業税の外形標準課税は、付加価値に対して課される付加価値割と、資本金に対して課される資本割とから成っております。このうち、付加価値割の課税標準であります付加価値額につきましては、金融業等における支払い利子などは、事業の実態を反映していない不合理なものとなっており、早急に改正すべきであるとされております。
 また、今後、一定規模以上の法人について外形標準課税の定着化を図っていくとともに、法人事業税収の安定化を図るため、その割合をふやしていく必要があるとされております。
 次に、第6章、固定資産税制の見直しについてでございます。
 固定資産税は、応益税として、また、安定的な税収を確保できる税として、市町村にとって最も重要な税源でございます。しかし、固定資産税制をめぐってはこれまでもさまざまな問題点が指摘されており、特に、バブルの生成、崩壊の過程における地価の急騰、急落に伴って講じられた負担調整措置等が、土地に係る課税の仕組みを複雑化させてまいりました。また、家屋の評価額についても、複雑な評価方法と相まって問題点が指摘されております。このため、今後、土地家屋の評価方法の簡素化や課税の仕組みの簡明化に取り組んでいく必要があり、引き続き翌年度に検討していくべき課題であるとされております。
 恐れ入りますが、五ページをごらんいただきたいと存じます。第7章、国庫補助負担金及び地方交付税の改革は、地方税制改革に直接関係しているものではございませんので、恐縮ではございますが、説明は省略させていただきたいと存じます。
 最後に、答申本文の「むすび」でございます。ここでは、答申の第1章から第7章までに述べられてきたことにつきまして、特に重要な点の総まとめという形で述べられております。
 この重要な点のうち一点だけ申し上げますと、税源移譲については、平成十二年度答申において先見的に提言されており、その後、いわゆる骨太の方針二〇〇一で税源移譲が初めて明記されるなど、税源移譲に向けた動きが活発化いたしましたが、最近の三位一体改革をめぐる状況を見ると、そうした動きに逆行するかのような事態が見受けられ、今や我が国は、地方分権に向かって進むのか、それとも中央集権に後戻りするのかという大きな岐路に立っているといっても過言ではないと指摘されております。その上で、地方分権に向かって進もうとしている歴史の歯車を逆回転させないためにも、税源移譲を中心とした地方税制改革のあり方を主要テーマとし、自動車税の充実という新たな提案も含め、いま一度強く提言しようとしたものであるとされております。
 以上をもちまして、平成十六年度東京都税制調査会答申についてのご報告とさせていただきます。
 なお、答申本文につきましては、お手元に資料第2号として配布させていただいております。後ほどごらんいただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。

○倉林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○倉林委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(46)までの、請願一六第二八号外二十一件、請願一六第二九号外十九件、陳情一六第七一号外一件及び陳情一六第七二号外一件は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○川村税制部長 請願一六第二八号外二十一件、都市計画税の軽減措置の継続に関する請願、請願一六第二九号外十九件、小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置の継続に関する請願、陳情一六第七一号及び第七三号、都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情、陳情一六第七二号及び第七四号、小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置の継続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 これらは、固定資産税等の軽減措置に関する内容でございますので、一括してご説明させていただきます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会付託請願・陳情審査説明表をおめくりいただきまして、一ページと九ページをあわせてごらんいただきたいと存じます。
 都市計画税の軽減措置の継続に関する請願及び陳情の趣旨は、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置を、現行のまま平成十七年度以降も継続することを求めるものでございます。この小規模住宅用地に係る都市計画税につきましては、住民の定住確保、地価高騰に伴う負担緩和の見地から、昭和六十三年度より都独自の措置として、その税額の二分の一を軽減する措置を講じてきたものでございます。
 次に、恐れ入りますが、五ページと一一ページをあわせてごらんいただきたいと存じます。
 小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免措置の継続に関する請願及び陳情の趣旨は、小規模非住宅用地に係る固定資産税、都市計画税の減免措置を、平成十六年度同様、平成十七年度以降も継続することを求めるものでございます。
 この非住宅用地の減免は、過重となっております二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、極めて厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため、平成十四年度より実施してきたものでございます。
 これらの措置についての平成十七年度のあり方につきましては、社会経済状況の変化、景気の動向、都の財政状況、都民の負担感等を踏まえながら、今後検討してまいります。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○秋田委員 私からは、確認を含めて二問ほどお尋ねさせていただきたいと思います。
 私も地元の各種会合に出ますと、とにかく一番いわれるのは、何といっても、地価が下がっているのに固定資産税は下がらないじゃないかとか、商業地の固定資産税は高過ぎるとか、ひどくおしかりを受けるわけでございます。現行の固定資産税の問題点については、今ちょっと部長の方から説明もありましたし、私も何度か質問に取り上げてまいりましたので、ここでは繰り返しませんけれども、二十三区、とりわけ何といっても私の地元、新宿など都心区、その中でも商業地の固定資産税というのは、下落したとはいえ、まだまだ高いといった印象が、普通の都民の皆さんの感想なんじゃないかなと思っております。
 そこで、まず最初にお尋ねしたいのは、都は、冒頭申し上げたような都民、中小企業者の声をどのように受けとめているのか、教えてください。

○川村税制部長 現行の固定資産税は、ご指摘のとおり、商業地等の負担が過重である、制度が複雑でわかりにくいなど、さまざまな問題を抱えております。
 都はこれまでも、負担軽減等を求める都民の方々の切実な声を真摯に受けとめ、国に対し、固定資産税制の抜本的な見直しを求めてまいりました。
 また、厳しい経済状況のもとにある中小企業者を支援する等の観点から、都独自に、小規模非住宅用地に対する減免措置を単年度の特例措置として導入するなどの取り組みを行ってきたところでございます。

○秋田委員 ただいま部長の答弁にございました小規模非住宅用地の減免措置は、平成十四年度に、我が党の強い要請を受けて、知事の英断によって創設されたものでありますが、中小企業者の皆様方からは、大変助かったといった声が多数聞こえてまいります。実際、私も、都の主税局がおつくりになったパンフレットを随分といただいて、配ったところ、大変な好評を得て、珍しく歓迎されたような思いがございます。
 そこで確認なんですけれども、小規模非住宅用地の減免対象者一人当たり減免額はどのくらいか、そして小規模住宅用地についてはどうなのかを教えてください。

○川村税制部長 小規模非住宅用地に係る減免措置の適用を受けた納税者数は、本年十月までの平成十六年度分の課税実績で約二十万人であり、一人当たりの軽減額は約十一万一千円でございます。
 また、小規模住宅用地の軽減措置の適用を受けた者は、同じく約百八十万人でございまして、一人当たりの軽減額は約一万五千円となってございます。

○秋田委員 この軽減措置を廃止した場合の影響というのはすごく大きいものだと私は思います。確かに最近になって日本の経済は随分と回復したといわれておりますが、それはどちらかというと大企業中心でございまして、中小企業の皆様の先行きはまだまだ不透明といったところが実態だと思います。
 都財政が厳しいことはもちろん重々承知しておりますけれども、ただいま申し上げましたような、中小企業の皆さんあるいは都民の皆様の負担感といったことを十分と勘案していただきたいと思います。そして、平成十七年度の取り扱いについてはまだ検討中、そういうことでございますが、ぜひ前向きに検討していただきたいということを最後にお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○森田委員 私も、これに関連して二、三質問させていただきますけれども、私どものところにも、この制度の存続というのが手紙等で随分来ておりますし、また、さまざまな方から要請が来ております。ぜひこれは存続をお願いしたいんですが、まず、この制度について、東京都としてはこの目的と効果をどの程度、どういうふうに理解しているのか、まず伺います。

○川村税制部長 小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減措置は、昭和六十三年度に、地価高騰に伴う税負担を緩和し、都民の定住を確保するため創設されたものでございます。
 また、小規模非住宅用地に対する固定資産税等の減免措置は、平成十四年度に、現行税制のもとで過重となっております商業地等の税負担を緩和するとともに、現下の厳しい経済状況下における中小企業への支援策として創設したものでございます。
 いずれの措置も、全国一律の税制が、大都市地域における地価の急騰、急落という環境変化に対応できない中で、都が課税自主権を活用して都独自に導入したものであり、それぞれの目的達成のために相応の政策効果を上げてきたものと考えております。

○森田委員 先ほどもちょっとお話がありましたけれども、固定資産税については、かつての大都市税制研究会ですか、そういうところでも随分問題になって、この東京という大都市の中で、地価の高騰によって非常に大変な負担になっているということで、政策的に実行しているわけですが、ここのところ、存続されてずっと行われているんですが、これは単年度のために、毎年こういう審議が行われるし、また、都民の皆さんや中小企業の皆さんも、その都度真剣な要望をせざるを得ない。これを単年度にしている理由について、存続をするのであれば、継続してできるようにした方がいいのではないか。東京都の抱えている課題というのはまだ解決しないわけですし、こういう方向で、継続してできるような方向にしない理由は何でしょうか。

○川村税制部長 都独自の軽減措置は、その時々の経済状況の変化の中で、特例措置として導入したものでございますが、そのあり方につきましては、導入後の環境変化を踏まえ、税負担の公平等の観点から不断の見直しを行う必要があることから、単年度の措置として導入したものでございます。
 また、平成十五年度、十六年度に適用期限を延長したのは、厳しい経済環境のもとで、制度を廃止した場合に、都民、中小企業に与える影響等を考慮したものでございます。

○森田委員 もう質問を終わりますけれども、これらの制度、小規模住宅用地では財源として二百六十億円、小規模非住宅用地について二百二十億円、こういう大きな財源が必要なことで、その都度見直さなくちゃいけないということはよくわかるんですが、担当の局でもおわかりのように、やはり都民、中小企業の皆さんはこのことを非常に強く要望しているわけです。景気がよくなったといえども、まだまだ現場の中小企業においてはその影響というのはほとんど出ていませんし、地価の高騰もおさまっていない。そういう意味では、この制度をぜひ存続することを要請いたしまして、私の質問を終わります。

○松村委員 私の方からも、重ならない点で一、二、質問させていただくんですけれども、この請願に対する現状の考え方の中に、社会経済状況の変化とか景気の動向というふうに述べられて、今後検討していくと、踏まえてということですけれども、そこでまずお尋ねしたいのは、大企業中心に企業の収益は改善しているということはいろいろ伝えられておりますけれども、中小企業の今の状況についてはどのようにとらえているのか、また、個人消費の動向についてもどのように把握しているのかをまずお伺いさせていただきます。

○川村税制部長 まず、中小企業の業況についてでございますが、都の産業労働局が十一月に調査をいたしました十月の都内中小企業の業況におきましては、業況がよいと答えた企業の割合から、悪いと答えた企業の割合を差し引いた指数は、十六年八月がマイナス三二、九月がマイナス三四、十月がマイナス三八となっておりまして、三カ月連続で景況感が悪化しております。
 また、個人消費の動向についてでございますが、総務省の家計調査によれば、本年七月の実質消費支出は、前年同月と比べ一・一%の増、八月は〇・六%の増となっておりましたが、九月は一・〇%の減となっております。

○松村委員 今も答弁があったように、大企業とは裏腹にといいますか、都内の中小企業の状況も、逆に、今いった、このところ、八月、九月、十月というふうに下降しているということです。それから、一番これまで消費不況といわれておりましたけれども、個人消費の実質消費支出も、今ご答弁がありましたとおり、なかなか上向かない。一進一退というか、むしろ九月に入ったらまた一%減ということで、まだまだどころか、中小企業や都民にとっては大変厳しい状況が続いてきている現状の中で、私どももこれまでも、この制度といいますか、減免措置が、非常に都民の暮らしや生活、また中小企業の支えになっていると。しかも、これは精神的というか、心理的影響がすごく大きいと思うんですよね、こういう東京都の支援というのは。わずかというか、全体にすれば額は大きいですけれども、個々においてはわずかであろうとも、非常に助かっているということではないかというふうに思うんです。
 そういう点では、今、景気の動向とか社会状況の変化ということを踏まえるというならば、当然これは今後継続させていかなければ、都政の役割は果たせないんじゃないか。
 それからもう一点、では、都の財政状況はどうなのかということですけれども、さきの委員会でも、主税局からも都税収入の動向については見解を述べられておりましたけれども、当時は、恐らく九月末だったと思うんですね。来年度の主税局の局要望も、私たち受け取りましたけれども、そこに参考資料としてついていたのも九月末でした。一番直近、十月末が出ているというふうに思いますけれども、改めて、その都税収入の実績調においてはさらにどういう傾向を示しているんでしょうか。

○川村税制部長 最近の都税収入の状況につきまして、本年十月末の実績で申し上げますと、都税総額で二兆五千六十六億円、前年同月末と比べまして千五百七十三億円の増収、率にして六・七%の増となってございます。そのうち、都税総額の約四割を占める法人二税は、大企業製造業を中心とする企業収益の改善によりまして、前年同月比で千五百二十四億円の増収、率にして一七・三%の増となっております。

○松村委員 答弁がありましたとおり、九月末よりもさらに、十月末の実績調においても、都税収入全体でも、恐らく前年度に対して、今、パーセントはお話がありませんでしたけれども、私は伸びは倍ぐらいじゃないかと思うんですよね。今、法人二税でも一七・三%ということで、その同じ、さらに、前年度と前々年度を比較した伸びよりもかなり上回っていると。
 ですから、これは単純に推定すると、私自身がちょっとやってみたら、そうはならないかもしれませんけれども、二千六百五十億ぐらいの増になるんじゃないかと。財務局も、そこまではいかなくても、恐らく二千億はかたいんじゃないかというような、ちょっと説明も私たちはいただきました。
 いずれにしても、次の二〇〇五年、平成十七年度のこういう見通しも立っていますし、また、これが当初の都税収入よりもふえるわけですから、当然、最終補正というか、補正も組む事態になるというふうに思うんです。
 そういうことを考えれば、都財政の状況等を踏まえてという点でも、今まで我々も--今、それぞれの委員からも指摘がありましたとおり、それぞれやはり、これは残念ながら単年度ごとということで、こういう強い都民の要望を受けて、私も三年、財政委員をやらせていただいていますけれども、この時期、本当にそういう要望を受けて、毎年こういう質疑を行っているところでありますけれども、今までも苦しかった、もっと大変だったというときも、都民ももっと大変なんだから何とかこの期待にこたえるべきだということで、強く要求してきた、そしてそれが実ってきたという点から考えれば、少なくともこの時点においての、我々のそういう請願を受けた願意として、強く主張できると私は思うんですね。
 いずれにしても、景気の動向、それが与える中小企業や都民の状況と、それから都財政の状況等を踏まえたら、都民の心理的な影響が極めて大きいということで、こういう大きな請願が寄せられておりますから、私は早く、その姿勢を示すべきだというふうに思いました。
 今、検討ということですけれども、これは来年度は当然続ける。さらには、今も要望があったとおり、これが一定の期間。そうすれば、もっと安心して商売に取り組んだり、中小企業の活動や、また、都民の住み続けたいという、そういうことに対する税負担の心理的な効果からいっても、もう少し継続して、制度として確立する、そういうことができると思いますけれども、それについていかがでしょうか。

○川村税制部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、都独自のこれらの措置につきましては、今後、社会情勢あるいは経済環境、都の財政状況等含めまして、改めて検討してまいりたいと存じます。

○松村委員 今それぞれ、自民党さんからも、公明党さんからも--民主党さんは今、質問はないというので、その態度がわからないというか--いずれも、理事会で私どもは採択を態度表明して、他の会派は継続ということがあって、委員長はこの後、継続ということで諮るというふうに思いますけれども、私は、今、聞いて、やはりそれぞれが前向きに検討していただきたい、それから存続はすべきだ、そういうお願いをしたいということでした。私は、執行部が方針を決めてから議会が態度を決めるのでは、議会の本来の役割を果たすことができないというふうに思うんですね。先ほどの理事会では、そういう態度が、残念ながら継続が多数だったんですけれども、改めて今の意見を聞いた場合、議会の意思としてきちっと示すためには、こういう請願の審議においてきちっとするということが、我々議会の務めじゃないかと思うんですね。だから、この点については、そういう態度だったら、私は改めて理事会を開いて、趣旨採択なり採択なりすべきだというふうに思いますけれども、ぜひ委員長、諮っていただきたいというふうに思いますけれども……。

○倉林委員長 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○倉林委員長 速記を再開してください。
 質疑を続行します。
 発言願います。

○松村委員 委員長、まだ終わっていませんよ。

○倉林委員長 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○倉林委員長 では、速記を再開してください。
 質疑を続行します。
 発言願います。

○執印委員 質問がいろいろありましたので、意見だけということにさせていただきたいんですが、よろしいでしょうか。--それでは、これらの請願陳情に趣旨採択の立場から、一言意見を申し上げます。
 昨日、十一月二十五日、政府税制調査会答申が出されました。これには、現在行っている所得税と個人住民税の定率減税を二〇〇六年度に半減、二〇〇七年度に全廃することが明記されました。また、低所得者の高齢者に対する個人住民税の非課税措置の縮小も明記されております。これは、年収一千万円の夫婦と子ども二人の世帯で年間約十八万円、年収七百万円だと約八万円もの実質増税になります。
 政府税調は定率減税廃止の理由を、経済状況が著しく好転しているとしているものの、市中では、ことし七月から九月期の国内総生産の伸び率鈍化など、景気減退を示す指標が目立ち始めていることも指摘されております。体感的にも景気の回復が停滞している中で、この答申は家計を直撃するものであり、生活者の視点を持たない非情な答申であります。さらに少子化に拍車をかけかねないものであると懸念をいたします。
 東京都では、生活者の視点に立ち、固定資産税についての軽減措置を行ってきたわけですので、今後とも継続されるよう、都税条例の改正に向けて検討いただきたいことをお願いして、意見といたします。

○倉林委員長 ちょっと速記をとめてくれますか。
   〔速記中止〕

○倉林委員長 速記を再開してください。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認めます。よって、請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(46)までの、請願一六第二八号外二十一件、請願一六第二九号外十九件、陳情一六第七一号外一件及び陳情一六第七二号外一件は、いずれも継続審査といたします。
 以上で請願陳情の審査は終了いたしました。
 主税局関係を終わります。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時九分散会

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