委員長 | 近藤やよい君 |
副委員長 | 森田 安孝君 |
副委員長 | 小美濃安弘君 |
理事 | 松村 友昭君 |
理事 | 川井しげお君 |
理事 | 中村 明彦君 |
秋田 一郎君 | |
鳩山 太郎君 | |
執印真智子君 | |
桜井良之助君 | |
藤川 隆則君 | |
桜井 武君 |
欠席委員 なし
出席説明員出納長室 | 出納長 | 大塚 俊郎君 |
理事 | 津島 隆一君 | |
副出納長 | 中路 有一君 | |
副出納長 | 宇藤 雅隆君 | |
会計制度担当部長 | 岳野 尚代君 | |
参事 | 関 敏樹君 | |
参事 | 吉田 長生君 |
本日の会議に付した事件
出納長室関係
報告事項(質疑)
・新銀行東京の開業準備状況について
・平成十五年度資金管理実績報告(年間及び第四・四半期)について
○近藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、出納長室関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより出納長室関係に入ります。
報告事項、新銀行東京の開業準備状況について外一件に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中路副出納長 先般の委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の要求資料第1号、新銀行東京に係る準備経費等についてをごらんいただきたいと存じます。
まず、上段の1は、平成十五年度における調査研究委託に係る経費等でございます。平成十五年度において、新銀行の創設に関する調査研究を財団法人東京税務協会に委託をして行いました。委託期間は平成十五年六月十六日から平成十六年三月三十一日まで、委託金額は八億六千九百八十三万円でございます。
次に、下段の2は、株式会社新銀行東京の本年四月一日以降の本格開業に向けた準備経費でございます。合計で百四億円の見込みでございます。その内訳は、人件費が二十六億円、物件費が七十八億円でございます。
以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○近藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○小美濃委員 それでは、質問に先立ち、先日の本会議で大塚出納長が新副知事にご選任されましたことを心からお祝い申し上げる次第であります。今後は、また大所高所から、財政委員会初め、また新銀行なども、ご指導、ご尽力を賜ればと思っております。
それでは、質問に入らせていただきます。
いよいよ新銀行東京が、中小企業融資の充実を目的といたしまして、この四月に発足をしたわけでありますけれども、同じく四月に、中小企業向けの融資を事業内容とする日本振興銀行、いわゆるJC銀行と一時期いわれていたこともありましたが、東京青年会議所の当時理事長が先頭となって、さまざまな方にお声がけをさせていただいて開業いたしました銀行がございます。これら銀行は、同じく中小企業融資を対象とする銀行でありまして、新銀行東京におきましては、先にできました日本振興銀行の例というのは、貴重な前例になるのではないかと思っております。開業一カ月余りでありますけれども、この日本振興銀行の状況について、わかる範囲で教えていただければなと、そんなふうに思っております。
○関参事 四月二十一日開業の日本振興銀行は、ホームページや新聞報道等によりますれば、預金については、十六年度期末二百三十六億円の目標に対しまして開業一カ月で百三十六億円、融資についても、期末百八十二億円の貸出見込みに対しまして八十億円超の申し込みと、予想を大きく超える状況とのことでございます。
○小美濃委員 私も二年前までJCにおりまして、出身者といたしましては、この日本振興銀行が、よい、好調な滑り出しをしているということは、また喜ばしいことであるなと思っております。
また、新銀行と日本振興銀行とは規模が違うとはいえ、預金、融資とも、今のご答弁によりますと、目標をはるかに上回るような状況であるということを、銀行をこれから本格開業する東京都といたしましてはどのように評価をするのか、お伺いしたいと思います。
○関参事 振興銀行の預金量が当初の目標を上回ったことにつきましては、さまざまな要因が考えられますが、同行は、開業キャンペーンとして、〇・六五から一%と、他行に比較してかなり高い預金金利を設定しておりまして、これが当初目標を上回った一因ではないかと考えております。
なお、六月一日より、同行の預金金利は〇・一から〇・五%の設定に引き下げられたところでございます。
また、日本振興銀行が開業一カ月で受けた融資申込額を、期末から推計した一カ月当たりの融資目標額と比較いたしましても五倍以上となっていることから、ミドルリスクの中小企業の資金需要はいまだ非常に旺盛であるというふうに理解しております。
○小美濃委員 このミドルリスクの中小企業の資金需要が高いということは、私も実感としては認識しておりましたし、また、新銀行が来年度本格稼働するに当たりまして、実質的にも意味のあるよい環境に今あるのかなという実感を持っているわけであります。
ただ、このニーズに、少人数、少店舗の新銀行が対応していくためには、やっぱり地域金融機関との協調というのは不可欠であることは明らかであります。新銀行東京は、先ほど来お話の出ております日本振興銀行とは少し異なっておりまして、地域金融機関との連携を非常に重要視した経営を行っていく、これが大きな特徴になっているわけでありますけれども、このたび、去る五月二十四日に新銀行東京と東京都信用金庫協会とで包括提携契約を締結したということを、各種報道で知りました。これは地域金融機関との協調を大きく前に進めたと考えているところでありますけれども、ここで改めて確認の意味でお伺いするんですが、東京都信用金庫協会の概要についてお伺いしたいと思います。
○関参事 東京都信用金庫協会は、会員信用金庫の健全な発展を通じ、金融、経済の伸長に寄与し、もって公共の利益を増進することを目的といたしまして、昭和二十四年に設立されました社団法人でございます。都内に本店を置くすべての信用金庫を含む二十七金庫で構成されております。平成十六年三月末現在の都内の店舗数は一千四十八店舗でございます。また、平成十五年三月末現在、東京都信用金庫協会に所属する信用金庫の預金量の総額は約十九兆九千億円でございます。貸出金額の方は約十二兆八千億でございまして、地域のリレーションシップバンキングとして、中小企業金融の重要な役割を担っている存在でございます。
○小美濃委員 この地域金融機関である信金が、団体としてなってくると、先ほどご説明がありましたとおり、預金総量が十九兆九千億、また貸出総数十二兆八千億という大変大きな規模になるということは、大変力強く感じております。ちなみに、横浜銀行は地銀ですかね、横浜銀行の預金量の総額は九兆四千億円、貸し出しが七兆九千億円ということを考えますと、本当に大きな組織と提携を結んだなということが実感できるわけであります。
また、東京都信用金庫協会は、都内の信用金庫すべてが加盟している団体ということでもありますし、今回の包括提携契約は、そういう意味では中小企業にとっては画期的だと評価をいたしております。
しかし、その一方、一部に、これは見せかけの、ある意味では包括提携契約を結ぶことによって--民業圧迫という批判が今まであったわけでありますけれども、この民業圧迫を回避するねらいがあるのではないか、こういった声も聞かれているわけでありまして、ぜひともこういった声に答えるべく、改めて契約締結の意義についてお伺いしたいと思います。
○津島理事 新銀行は、地域経済の活性化と地域金融の円滑化を重要な使命としておりますけれども、同様の目的を有する信用金庫等の地域金融機関と、さまざまな局面で幅広く提携していくことで、より効果的な中小企業支援が可能となると考えております。このため、地域金融機関と密接な協調を実現することとして、本年二月に発表しましたマスタープランに、この旨を盛り込んだところでございます。
これまで、提携業務の具体的な運用や方法等については、新銀行の執行役候補と東京都信用金庫協会の理事等で構成する検討委員会を設置し、実務的な協議を行ってまいりましたが、今回の包括提携契約の締結で、新銀行と信用金庫業界との全面的な協力体制が確立したことになります。このことによりまして、中小企業の経営状況等、地域の実情に詳しい信用金庫との提携がより具体的に進展し、中小企業の総合的支援を図っていく新銀行の事業目的を一層確実に推進できるというふうに意義づけております。
○小美濃委員 今回、包括提携契約ということで、信用金庫協会とこういう形で契約をしているわけでありますが、この契約を受けて、今後、個別の信用金庫と契約を締結する、そういう運びになると思っております。この個別の信用金庫さんとはどのような内容の契約を締結することになるのか、お伺いいたします。
○関参事 個別の信用金庫とは、東京都信用金庫協会からのあっせんを受けまして、新銀行東京がそれぞれと契約をする予定でございます。
個別契約の内容につきましては、シンジケート型融資や、融資への一部保証などの業務面、人事交流、その他個別案件などを想定しております。各信用金庫の業務の実情やニーズに応じ、新銀行との協議の中で具体的に進めてまいりたいと思っております。
○小美濃委員 この個別の契約を進めることによりまして、新銀行には当然大きなメリットが幾つもあるということがわかるわけでありますけれども、じゃ、一体、信用金庫にとってはメリットがあるのかということが心配になってくるわけでありまして、この個別の契約によりまして、信用金庫にとってどのようなメリットが考えられるのか、お伺いしたいと思います。
○関参事 この提携契約によりまして、信用金庫にとりましては、私ども新銀行と提携することで、みずからの融資リスクの分散が図られることが、シンジケートローンや保証などで可能になります。また、こうした新たな融資によって、既存顧客に対するサービスの強化、さらには、新たに融資対象の拡大が可能となるほか、新銀行が組成いたします中小企業再生ファンドを利用することなどによって、みずからの財務体質の強化を図れるなどの利点が考えられます。
○小美濃委員 業務内容についていろいろな連携を深めていく、進めていくということは、新銀行と信用金庫の双方にとって有意義なことだということであります。また、今後そうあってほしいなと思うわけでありますけれども、協定の中に、中小企業等に対する金融商品に関する調査、企画などの金融業務のほかに、先ほども答弁の中にありましたけれども、人事交流が盛り込まれたということは、大変有意義なことではないかなと思っております。やはり組織同士のこういったノウハウというのも大切なんですけれども、そこに人が行き来するということは、いろいろな意味で大変メリットがあるのではないかと思うわけでありますが、この人事交流について、今後どのようなノウハウを持った人材を、どれぐらいの規模で受け入れる予定なのかということをお伺いしたいなと思っております。
○関参事 新銀行が求めます行員は、中小企業融資における審査や商品モデル、業務フローの構築など、豊富な経験に基づいた幅広い分野の業務を担い得る人材と考えております。
また、その規模につきましては、当面、三十代から四十代の業務経験豊富な中堅層を中心に、信用金庫から新たに十名程度受け入れる方向で調整をしております。この結果、信用金庫からの受け入れ行員の方は総計で十五名程度となるということでございます。
○小美濃委員 信用金庫さんと、人の受け入れなども含めた具体的な提携がこれから進んでいくことを望みますし、また、そういったさまざまなことが進んでいるなという印象を受けました。
それでは、こういった提携を、他の地域金融機関とも連携を深めていくのか、進めていくお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○関参事 当面、新銀行と信用金庫との提携を、業務のさまざまな側面で着実に推進してまいりますけれども、他の地域金融機関につきましては、信用金庫との提携関係の実績を踏まえまして、各地域金融機関の特性、業務態様を勘案した上で検討してまいりたいと考えております。
○小美濃委員 他の地域金融機関、信金さんだけじゃなくて信組さんなんかもありますので、ぜひさまざまなことを勘案した上でご検討されたいということを望んでおきます。
いろいろ信用金庫さんとの提携についてお伺いしたわけでありますが、そうはいっても、個別の信用金庫さんのレベルではさまざまありまして、一部にはやっぱり既存の融資先の取り合い、結局は同じパイからの取り合いになるのではないかと危惧する向きもあると聞いているわけであります。
今後、個別の信用金庫との契約を行っていくということでありますが、こういった不安ですね、町にある不安、町というか信用金庫さんの持っている不安に対して、どのように払拭していくのか、新銀行の姿勢というのは今後ますます見られていくのかなと思っております。
新銀行はどういう姿勢で信用金庫と提携をしていこうと考えているのか、お伺いいたします。
○津島理事 各信用金庫を個別に見ますと、顧客の状況や財務内容等、抱えている状況は異なりまして、お話のようなご懸念は私ども十分理解しております。
このため、包括提携契約の実効性を高めるためには、東京都信用金庫協会と密接な連携を図りながら、新銀行のさまざまな業務内容が各信用金庫に十分浸透し、提携が円滑に進むような種々の方策を講じていくこととしております。こうした取り組みを通じて、新銀行と信用金庫がともに発展する、新しい地域金融の仕組みを構築してまいります。
○小美濃委員 ぜひともお願いしたいなと思います。
実は先日、私、地元の信金の幹部の方とお話をする機会がありまして、やっぱり一番の心配は民業圧迫なんですね。先ほど申し上げましたとおり、結局は同じパイじゃないか、同じパイの中から顧客の取り合いになってしまうのではないか、これを一番心配していたわけであります。前も申し上げましたけれども、信金さんも中小企業なんですよね。ですから、中小企業の活性化ということを考えるならば、やっぱり民業圧迫によって地元の信金さんに悪影響を及ぼすというようなことは絶対にしてはいけない、あってはいけないと考えているわけであります。
ですから、前々からいわれていることかもしれませんけれども、いわゆる優良企業で信金さんでも対応できる、そういったところは、新銀行さんはとりあえず積極的にはね、株式会社ですから、なかなか難しいのかもしれませんけれども、積極的にはそういったところは対応の対象とせず、やはりリスクの大きな企業に対してシンジケートローンなどを組むことによって、信金さんにもメリットのある新銀行であってもらいたいな、そんなふうに思っております。
また、信金さんがこれから本来の--今までややもすると、信金さんもバンカーとしての役割をちょっと忘れているところもあったかもしれません。それはその幹部さんもいっていました。ですから、これから本当に地域に密着して、自分たちで査定をして、これから中小企業としっかり連携していくんだという信金さんに対しては、やっぱりリスクも出てまいりますので、そういったリスクに対して、また新銀行さんがしっかりと支える、そういう形であっていただきたいな、信金さんのためにも役に立つ新銀行であってもらいたいなということを心から望んでいるわけであります。
来年の開業に向けて、これからまだいろいろあると思いますけれども、都民の期待に沿うような新銀行になるよう期待をいたしまして、質問を終わります。
○藤川委員 私は本当は質問するつもりはなかったんです。皆さんから質問がありますかと聞かれたとき、質問はありませんよというふうにいうぐらいに、皆さんを信用していたわけです。ところが、一昨日の新聞を見まして、とんでもないことが起こっちゃったなというふうに思ったわけです。それに関して一問だけ質問させていただきます。
私の基本的な理念というのは、人間は不完全だということなわけです。だから、不完全だから何もやらないということじゃなくて、不完全だから注意深くいろいろなことをやるということ、注意してやるということが根本的な考え方なわけです。ですから、高邁な理想をもとに、皆さんが新銀行東京を立ち上げるということを考えたときに、ああ、これはすばらしいことだなと本能的に感じたわけです。本当にすばらしいと思うわけです。だけど、我々が考え、やることは不完全。要するに、完全なのは神様しかいないと思うわけですから、不完全な人間がやるわけですから、不完全なことである。
そのときに、一昨日の新聞で見たことは、とんでもないふらちなことを、東京都が採用した人--東京都が採用したことになるんですか。どこが採用したかわからない。頼んだところ、委託したところが採用したのかもしれないですけれども、いずれにしましても、ふらちなことをした。僕には信じられないことなんですね。かかあ天下といわれればそれまでですけれども、自分自身ではもうそういう機能がなくなっちゃったのか何かわからないですけれども、自分ではやらない。そういうことをやるやつがいるということは信じられない。東京都は高邁な理想のもとにすばらしいことをやろうとしていると考えている人が随分いると思うんですよね。そういう人たちに大きな影を落とすようなことがあってはならないと思うわけですけれども、それについて東京都としてはどういうような対処をしていくのかということを聞きたい。そのことが、先ほど申し上げました一つの質問であります。
○津島理事 今回の新銀行行員の不祥事でございますけれども、これは、当該行員が新銀行に採用される前の行為ではございますけれども、新銀行に対する期待と関心が高まる中で、甚だしく信用を損なう行為であり、まことに遺憾でございます。当該行員については、新銀行において直ちに懲戒解雇したものでございます。
今後の発生の防止策を含めての新銀行の姿勢でございますけれども、また、東京都の姿勢でございますけれども、現在進めている行員の採用に当たりましては、執行役を中心に三回の慎重な面接を行っておりまして、能力、適性を十分評価して採用することといたしております。
また、入社後におきましても、銀行の社会的使命を日ごろから十分自覚させるとともに、さまざまな研修等を通じまして、行員のモラルを高めていくことが非常に重要であると考えておりまして、都としても適切に新銀行を指導していくつもりでございます。
○藤川委員 意見だけ述べさせていただきます。
私は、息子がロンドンのシティーで仕事をしていた関係で、二年ぐらい前ですか、ロンドンに行ったことがあるんです。そのときに、ロンドンの一流銀行といわれるところでもって、簡単な仕事を、何と三十分も四十分も待たされて、やきもきしたことがあるんです。ということは、我々は、日本の金融機関が本当に優秀であるというふうに、なれなれになっていますからね、そういうふうに思い込んでいるわけです。ところが、実際にあのような不祥事が起きると、すごいダメージを受けるわけですね。だから、今、津島さんがおっしゃいましたように、東京が高邁な思想のもとにつくり上げようという、そういう銀行については、やはり不祥事があっちゃいけないと思うんですね。
ということは、そのことだけではなくて、そういう考え方がほかのところにも波及していった場合に、我々が一番心配していることは、都民の税金で仕事をするわけですから、それをどぶに捨てるようなことになってはいけないと思うわけです。だから、その点について本当に注意して、企業というのは本当に人ですからね、いい人を採用していただきたいと思います。
以上です。
○桜井(良)委員 初めに、大塚出納長、副知事就任おめでとうございます。長い間、大塚さんとのおつき合いがあるわけですが、どの部署にいても常に一生懸命で、一点を見詰めて、しかも新しい方向を探りなから努力してきた結果が副知事就任に結びついたと思いまして、心からお祝いを申し上げます。
株式会社新銀行東京が四月に発足したわけでありますが、発足に至るまでの議論の中で、中小企業に対する積極的な支援という観点から、さまざまな要望や提案が、この委員会でも、我が党を初めそれぞれの先生方からあったわけでございます。それを踏まえながら、現在、開業準備を着実に進めている、このように思います。
そして、都は、この資料にもありますが、銀行設立のための具体的な調査研究を東京税務協会に委託してきたわけでありますが、その調査に関連して何点かお伺いしたいと思います。
まず初めに、調査委託の内容について簡単にご説明していただきたい。
○関参事 東京都が東京税務協会へ委託した調査研究内容についてでございますけれども、まず第一に、中小企業を総合的に支援する新しい銀行及び融資の基本モデルの調査研究、第二に、中小企業の資金調達円滑化に向けた各種支援策の検討、第三に、ITを活用した決済システムや、ICカードをコアにしたネットワーク系システムの調査研究などでございます。こうした幅広い調査研究によりまして、中小企業への円滑な資金供給を行うための新しい銀行の全体スキームや、各種ビジネスモデルの構築が可能となったところでございます。
○桜井(良)委員 次に、調査に要した経費は、資料によりますと、八億六千九百八十三万円と出ております。約八億七千万円でありますが、内訳はどうなっていらっしゃいますか。
○関参事 新銀行設立に要しました各種調査研究経費は、全体で約八億七千万円でございます。その内訳でございますが、人件費が約二億五千万円で、そのうち都からの派遣職員分が一億八千万円、民間出向等の職員分が約七千万円となっております。事業費などは約六億二千万円でございまして、この中には、経済、金融を中心とした幅広いデータの収集、専門家による商品モデルの調査研究及び総合コンサルタント、さらに、新銀行のシステムの基本構想検討の費用などが含まれております。
○桜井(良)委員 東京税務協会への委託につきましては、当初のご説明では、期間は十五年六月から十二月まで、このように理解していたわけであります。その後、十六年三月まで延長されまして、費用も、今ご説明があったとおり八億七千万円となったわけでありますが、その理由をお伺いしたいと思います。
○関参事 新銀行モデルにつきましては、極めて広範囲かつ慎重な調査と検討を要しまして、その構想から設立までのステップは、東京税務協会に委託した当初から明確に確定することができない面がございました。このため、昨年の本委員会においても、委託期間につきましては、事業の検討状況などを踏まえ、延長することもあり得る旨ご説明させていただいたところでございますが、検討精度を十分に高めるため、結果として延長したものでございます。
一月から三月までの延長期間における調査研究費用は約五億円でございまして、人件費が約一億円、その他、マスタープランで示した商品モデルの検討、システムの業務フローの作成や、ICカード導入のためのアドバイザリー費用など調査研究事業費が約四億円ということになっております。
○桜井(良)委員 中小企業に対する効果的な融資を行うために、期間を延長して、商品モデル等につきましてより詳細な調査研究を行ったためだ、このように理解いたしたいと思います。
それでは次に、さまざまな調査検討の成果が新銀行の開業準備の中でどのように生かされているのか、お答えいただきたいと思います。
○関参事 この調査報告は、銀行業務の効率的かつ安全な稼働を支えるシステムの構築や、融資の業務基本フロー、さらにICカード事業の構築など、新銀行の体制の整備や業務の骨格をつくり上げましたわけでございまして、この調査研究そのものは、本年二月に発表いたしました新銀行のマスタープランとして取りまとめ、また、都議会においてもご審議、ご協議いただいたわけでございます。現在、これらをすべて踏まえまして、新銀行において開業準備作業を進めているところでございます。
○桜井(良)委員 これまでの調査研究が新銀行設立のために十分に活用されているというご説明じゃないかと思うんですが、多くのことが、この新銀行東京のために活用されているならば、ほとんどが銀行の業務に資するものだと思いますね。銀行の業務に資するものであれば、銀行側に費用負担を求めていくのが当然ではないかなという考えになるわけでありますが、その辺はどうなのか。
そしてまた、その内容については私ども議会側に説明があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○津島理事 調査研究費用のうち、銀行システムの設計など、新銀行に帰属する資産を初め各種ノウハウの構築のために費やされた経費につきましては、新銀行東京に対し応分の負担を求めることとしております。このため、現在、都と新銀行とのそれぞれの負担額について、専門家に委託し、法律面、会計面から整理を行っているところであり、金額が確定し次第、清算を行います。
なお、その内容につきましては、都議会へご報告させていただく予定でございます。
○桜井(良)委員 清算をして、銀行側に負担をしていただくものはちゃんと負担をして返してもらうよ、こういうことですよね。そして、その結果は当然、議会にも報告いたしますということではないかと思うわけであります。そうでなければいけない部分がやはりあると思いますので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思うんです。
次に、新銀行の今年度の経費についてお伺いしたいと思うんです。
マスタープランにも記載されておりますが、平成十六年度の経費として約百億円計上されているわけでありますが、この経費の趣旨を説明していただきたいと思います。
○吉田参事 一般的に会社は営業を開始するまでに、社員の採用、事務所の賃借、広告宣伝など多種多様な準備を行います。開業後の会社が円滑に事業を展開していくためには、この準備行為に万全を期すことが必要でございます。計上しました準備経費約百億円は、開業に向けた準備を滞りなく進めるために必要な経費を計上したものでございます。
○桜井(良)委員 百億円は準備経費として計上したということでありますが、一期以降の減価償却費などを見ますと、百億円以外にも経費の支出が出てくるんじゃないかと思うんですが、準備経費以外の支出についてお伺いしたいと思います。
○吉田参事 準備経費約百億円は、損益計算書に計上しているものでございます。このほかに実際に現金が支給されるものといたしましては、システム関連の費用や店舗の工事費用などもございます。これらは貸借対照表に固定資産等として約百億円資産計上しております。
○桜井(良)委員 貸借対照表に計上した経費が準備経費に含められないのはどうしてでしょうか。
○吉田参事 マスタープランの準備経費約百億円は、開業前時点での費用として翌年度以降に繰り越されるものを示したものでございます。これに対しまして、貸借対照表に計上しました経費は、今年度に現金支出されるものの資産への計上が会計原則上認められているものでございます。これらの資産は、開業後の営業資産といたしまして長期間にわたって使用されるものであることから、数年にわたり減価償却費として費用計上することといたしまして、準備経費には含まれないものでございます。
○桜井(良)委員 そうしますと、損益計算書に計上したものだけが準備経費であるということでありますが、一般的にもそういうことがいえるんでしょうかね。
○近藤委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○近藤委員長 速記を始めてください。
○吉田参事 企業会計上、費用とは、その期に損益計算書に費用として計上されたものを指し、その期に形成された資産など貸借対照表上の資産に計上されるものは、費用と区別されます。マスタープラン上にお示しした準備経費は、企業会計原則にのっとり、今期の損益計算書に費用計上する約百億円を見込んだものでございます。
○桜井(良)委員 開業に向けて、さまざまな経費が必要になってくるのは当然だと思います。しかし、百億円もの経費が準備経費として必要なのかどうかということは、なかなか実感としてわからない面もあるわけでありまして、表によりますと、人件費二十六億円と書いてありますが、この人件費二十六億円とはどのような経費なのか、お答えいただきたいと思います。
○吉田参事 人件費の二十六億円でございますが、この額には、業務の詳細検討やシステムの構築など、開業準備を進める上で必要となる行員等の給与、手当及び福利厚生費等の費用が含まれております。
なお、平常時であります開業第三期目では、三十七億円を人件費総額として予定しておりますけれども、本年度は年度当初からすべての行員を採用しているわけではございませんので、二十六億円と想定しております。
○桜井(良)委員 現場にいないわけか、まだよく実感がわいてこないんですけれども、開業準備するために行員の採用が必要なのはよくわかります。先ほど藤川委員からも質問があったとおり、採用の中でああいう問題が起きたわけでありますが、それぞれ物事は、準備をしていくと、必ず何か障害が起きてくるもので、それを乗り越えながら進んでいくことが大事なんですけれども、しかし、必要以上に多く採用したり、あるいは必要以上に早く行員を採用していくということはないんでしょうかね。それを伺いたいと思います。
○吉田参事 新銀行は、IT技術の活用により可能な限り事務の集中化を図るとともに、契約スタッフ、外部委託の導入を積極的に推進いたしまして、最少の行員数で業務に対応してまいります。今年度の行員採用につきましては、準備の進捗に合わせまして段階的に行ってまいるところでございます。
○桜井(良)委員 大事な問題は、必要最小限の人数で最大の効果が出るように開業準備を進めていくことだと思います。行員一人当たり給料はどのくらいか、いろいろ聞きたいんですけれども、それはそれとして、次に、物件費が七十八億円と計上されているわけでありますが、これは主にどんなものなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○吉田参事 物件費の主なものといたしましては、店舗等賃料、カード発行経費や備品の購入、業務マニュアル作成などの経費といたしまして約四十億円、コンサルタント料などの業務委託といたしまして約十六億円が計上されております。
○桜井(良)委員 今のだと、七十八億になるの。
○吉田参事 主なもので説明させていただきました。
○桜井(良)委員 了解いたしました。
業務マニュアルの作成など、開業に向けて必要な経費があることはよくわかるわけでありますが、この物件費七十八億円が、すべてこの開業準備期のみに発生する、いわゆる固有の経費なのかどうか、このことについてお答えいただきたいと思います。
○吉田参事 開業準備期に固有の経費として想定しておりますものは、業務マニュアルの作成やコンサルタント料など、物件費七十八億円のうち三分の一程度でございます。残りの経費は、開業準備段階から必要な店舗等賃料やカード発行経費など、開業一期目以降も発生する経常的な性質の経費でございまして、年度途中から費用が発生すると想定して計上してございます。
○桜井(良)委員 そうしますと、物件費については準備経費となっておりますが、一口にいって、今の説明ですと、開業時三分の一ですから、開業後も必要になる経費が約三分の二含まれているということじゃないかと思いますね。
そこで、人件費、物件費合わせて、その水準が、他の金融機関と比較して、開業三年後の場合はどの程度なのか、お示しいただきたいと思います。
○吉田参事 新銀行はアウトソーシングを積極的に活用しておりますため、従来の銀行であれば人件費に計上される経費も、物件費の業務委託費などに計上されておりまして、他の銀行と単純に比較できないものでございます。
そこで、融資事務に関する提携企業の活用によるアウトソーシング費用など、物件費に含まれる人件費的な経費を人件費に分類いたしまして計算した場合におきまして、平成十五年三月期の地方銀行平均と比較してみますと、人件費を業務粗利益で除した新銀行の人件費率は二〇%程度となりまして、地銀の三二%と比べて圧倒的に低いという状況でございます。また物件費率は、最先端のICカードの導入などに取り組んでいること、開業準備に係るシステム関連費用の減価償却費の影響が大きいにもかかわりませず、三〇%をわずかながら下回りまして、これは地銀平均の三一%とほぼ同程度となってございます。これら人件費と物件費を合算した経費率で見ますと、地銀平均の六四%に対しまして新銀行が四七・二%と、低コスト体質の銀行となっております。
○桜井(良)委員 新銀行の準備経費百億円が開業に向けて必要な経費であるということは、ちょっと細かいことまでお聞きしたんですが、経営努力をされながら、それが必要な経費であるということは、何となく理解したような感じなんですが、しかし、開業準備を行っている間に必要な経費がふえることは、これはよくあることではないかと思うんですね。
そこで、新銀行の開業年度の経費の支出については先ほどもお伺いしたんですが、私たち議会との関連において、そういうことについて議会の方にちゃんと報告していただけるのかどうか、それをお聞きしておきたいと思います。
○津島理事 先生おっしゃいますように、銀行の準備状況、いわゆる準備体制がこれからの銀行の成否を決するということで、今、私ども全力を挙げて準備に取りかかっているわけでございますけれども、この新銀行の経営状況につきましては、他の報告団体と同様に議会に報告を行ってまいります。この報告の中身でございますが、事業実績の概要や会社経理の状況全般に関する事項でございまして、その中に今回の準備経費についても報告していきたいというふうに考えております。
○桜井(良)委員 ぜひ報告をしていただきたいと思います。これまで、主たる経過の中で、議会側がよく情報がわからなかった。突然その日の朝か前の日の夕方に方針を聞いて、私たち何回もとまどった経験がありますので、意思の疎通を欠かないようにして、しっかりと情報の提供をしていただきたいと思いますし、我々議会側も、大半の会派の人たちは、この新銀行の開業に対して大きな期待を持っているわけでございます。期待を持っているからこそ、いろんなことも質問するわけであります。民業圧迫の問題もそうでありますし、さまざまな問題の心配事をみんな持っていますので、情報の提供だけはぜひよろしくお願いしたいと思います。
ほかにも細かいことをお聞きしたいことがあるんですが、時間の制限もございますので、新銀行が発足して、それで今、現況と準備の中身についてお伺いしたわけでありますが、こうした現況をとらえて、きょうが最後の出納長としての答弁になりますので、感想をお聞かせいただきまして、私の質疑を終わりにしたいと思います。
○大塚出納長 振り返れば、基本スキームを初めこれまでいろいろと、特にこの財政委員会の先生方のご指導をいただきながら、ここまで参りました。その間、桜井委員がおっしゃいましたとおり、いろいろとご迷惑、あるいは十分対応できなかった、事後的に対応せざるを得なかったような、そういうことも多々あったと思います。この場をおかりして、まずおわびを申し上げたいというふうに思います。
新銀行は、ほぼ予定どおり、当初スケジュールを含めて、私が頭の中で想定をしたスケジュールに沿って、ご指導いただきながら、ここまで参りました。しかし、今申し上げられること、あるいは申し上げられないことを含めて、この新銀行が発足するまでに解決をしなければならない課題というのは山積しているというふうに思っております。
まだまだ入り口ではございますけれども、先ほどお話がありましたように、都民のため、中小企業のため、本当に役立つ新銀行をつくるというその一点を見据えて、新銀行の行員、あるいは準備本部のメンバーと力を合わせて、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。しっかりとやれる、結果をお示ししたいというふうに思っております。どうぞご指導をよろしくお願いします。
○桜井(良)委員 頑張ってください。
○松村委員 新銀行について伺わせていただきます。
まず、石原知事は、先日のテレビの出演で新銀行のねらいを尋ねられ、安心して預けられる銀行はありませんからねなどと、都民の不安をあおるような発言をしました。また、担保はとるよなどと、無担保無保証はやらない旨の発言をしているように私には思われる発言もありました。多くの都民が見ているテレビ番組での知事の発言としては重大だと思います。また、一千億円もの都民の税金投入を賛成多数で決めた議会の責任も問われるものであり、知事の発言の詳細と、その発言の真意を明らかにしていただきたいと思います。
○津島理事 テレビの発言に基づいたご質問だと思うんですけれども、この新銀行設立の目的と理由につきましては、これまで、都議会において知事みずから何度も明言しております。中小企業を総合的に支援するという知事の真意は、私ども不変であると理解しております。
○松村委員 そうしますと、当初より標榜している無担保無保証、そして今度は個人保証もとらないということの議会での発言、それには変わりはないということを確認していいんですね。
○津島理事 都議会において説明したとおりでございます。
○松村委員 私は、一体何のために銀行をつくろうとしているのかを、やはりこの時点でも、改めて議会からも問うていかなければならないというふうに思うんです。
そこで、中小企業支援という政策目的があっても、それがなぜ銀行なのか。産業労働局は、新たに中小企業向けの投資法人の設立や、中小企業再生ファンドの創設を図るとしております。政策目的がダブるのではないかというふうに私は思いますし、また、制度融資の拡充など、幾らでも中小企業を応援できる施策があるというふうに思います。それからまた、既存の金融機関が、最近、一番新しいのはみずほですか、最長七年の無担保融資をやるというようなことも出されてきておりますし、大分この間、そういう意味では既存金融機関が新たにそういう分野にも踏み出している。絶えずそういう今の金融情勢、経済情勢をしっかり把握しながら取り組んでいかなければならないというふうに思いますけれども、この時点に立って、改めて、今いった東京都の産業労働局の分野とか、今の民間の金融市場などの動向を踏まえて、やはり私は転換すべきじゃないかと。
結論をいったら、次の質問はないので、それはもういいですけれども、その点について、今の直近の状況について、どう把握、分析されているのかをお答えいただきたいと思います。
○津島理事 この銀行設立の趣旨、目的につきましては、もう何度も都議会においてお話をさせていただいておりますので、この場はご容赦願いたいんですけれども、現在の状況ということでお答えさせていただくと、例えば、帝国バンクの全国企業倒産、二〇〇三年の速報によりますと、多くの中小企業は依然として収益低迷と過剰債務に悩まされておりまして、倒産リスクは解消されていないという報告も出ております。新銀行が融資対象とする中小企業の景気回復は、まだ道半ばであるというふうに理解しております。
○松村委員 繰り返しているとか、そういう答弁ではなく、あくまでもこれは都民から一千億円もの税金を投入する銀行であることから、絶えずこの点は検証していかなければならないというふうに思うんですけれども、私は、銀行でなければならないという、そのことのやはり疑問というか、多くの都民のそういう点では心配というか不安があるというふうに思います。
例えば、都がやるべき仕事だという点では、全国の自治体が同じような立場に立つ中小企業支援という点では、自治体としての苦労もあるというふうに思いますよ。
そこで、私、ちょっと例を出したいのは大阪ですよね。日本でも商都、商業の都市といわれている。そこも今どういう状況の中で、大阪府としての認識を持っているかということで、例えば今度の予算などを見ても、大阪の産業労働費というのは、もちろん予算規模が東京よりもずっと低いんですね。東京はご承知のとおり五兆七千八十億、大阪の平成十六年度、二〇〇四年度予算は三兆一千六百三十六億円なんですよ。六〇%ぐらいでしょうか。その中で、この商工労働費というのは、東京が二千八百四十七億六千に対して、大阪は四千二百二十一億円と、全体の予算総額は東京の六割ぐらいにもかかわらず、今いった、二倍とはいきませんけれども、予算は相当多いですよね。この予算の構成比率も、東京は産業労働費というのが四・九九、大阪は一三・三四。
一体何なのかということで、中身も改めて見たら、やっぱりすごいんですよ、やっている中身も。もちろん制度融資の充実もあります。東京よりもけた違いに多いんですよ。一つゼロが違うんじゃないかというぐらい。それから、例えば新年度の新規事業としては、大阪ではリレーションシップバンキング促進費ということで、地域金融機関のリレーションシップバンキング機能を活用して、府内中小企業の経営革新や技術開発を金融面から誘導、支援する制度を創設とか、以下、中小企業金融新戦略策定費とか、元気出せ大阪ファンド事業費、これも新規事業としてやる等々、そういう面での行政としての予算投入というか、相当頑張って充実させているということを改めて紹介しながら、なぜ、だから新銀行でなければならないのかと。そういう面での今までのノウハウもあるし、十分対応できるのではないかという点を、これまでも繰り返しいってきた。そこら辺は、やはりオール都庁として、出納長という一部門ではなくて、今東京都の政策課題として、中小企業を支援して、東京から日本の経済を活性化していこうということは、共通のみんな思いなんですから、やはりそういう分析を絶えず行って、場合によっては速やかに政策転換するとか、そういう判断も引き続き必要だというふうに思います。
その上に立って、第三セクターでやることの是非がどう庁内的に検討されてきたのかという点も、私は改めて問いたいと思うんです。これまでの都の第三セクターは、どれか成功していますか。全部やっぱり失敗しているような状況だというふうに思いますけれども、この辺についての現状認識も、セクションが違うというんじゃなくて、そういう新銀行で膨大な都民の税金を使う以上、今の第三セクターの抱える問題点などをどう把握されているのかも、所管外だということじゃなくて、私は伺いたいというふうに思います。
○津島理事 この銀行は、東京都が出資をいたしましたけれども、純粋な銀行法に基づく民間の銀行でございまして、経済原則、金融ルールに従って預金を中小企業に回す、こういう形の手法をとりながら中小企業を支援していくものでございます。
○松村委員 東京都が投資、出資するけど、これは民間の純然たる株式会社だ、だから違うなどということでは済まされないと思うんです。だって、実際同じような形で、例えば東京の臨海三セクのビル事業だとか、鉄道も含めたそういう三セク事業が--これは東京だけじゃありませんよ。全国でもそういう経営手法が行き詰まっているということは、これは天下周知の事実だというふうに思うんですよ。銀行という業態は初めてのケースですからね、イコールだとはいいません。しかし、そこにおいては大きな赤字が生まれて、やはり税金投入ということが現実の事実として今起きているわけですよ。そういう点もぜひ踏まえなければなりません。
そこで、都民は、都の信用力を頼って相当預金をすることが予測されます。もし都が特別に関与したこの新銀行が破産した場合、都はどういう責任をとるんですか。
○関参事 東京都の責任は、出資の範囲というふうに考えております。
○松村委員 それを例えば何か法的にといいますか--今までの第三セクター、今、例に挙げました臨海のビル事業とか、いろいろありますけれども、そこではもう破綻寸前なのに、なぜ倒産できないのかといえば、いろいろ東京都が念書を入れたりとか、東京都のかかわりがあるからとか、信用とか、さまざまなそういう政策面というか、かかわりによって、これはできない。これは私たちの党だけの見方でしょうか。そういう現実の事実があるんですよね。
だから、本当に投資したその範囲だと、それは、民間企業では、民間の個人の株とか、投資家が出資するとかいうことだというふうに思います、私も専門家じゃありませんから。しかし、少なくとも、道義的にというか、やはり都が深く関与し、しかも、そのことの信用というものを背景に都民が相当預金したりする。そうすると、今の金融は預金者保護ですから、やはりさまざまな規制や関与がある中で、じゃ、どこかお墨つきというか、失礼な話ですけれども、もらっているのかどうか、足利銀行とかいろんなほかの例がありますし、今、金融というか銀行でも経営者責任が問われておりますけれども。
私は、だから、今ある第三セクターが破綻するどころじゃなくて、大変な預金を、一兆数千億円ですか、もっとそれ以上かもしれませんけれども、集める中において、やっぱりそこのところはしっかり開示というか、どういう形になるのかを議会や都民にも明らかにしなければならない。
今までは、追加出資は絶対ありませんということと、今の発言では、一千億円の出資の限りでございますということは、この席上でもしっかり確認したいというふうに思うんですけれども、それ以上のというか、そういう事態が本当に起きないのかどうか。あらゆる万全なことを踏まえて進めなければならないというふうに思います。
それは意見として。
○大塚出納長 デフォルトのお話がありましたけれども、そういうことにならないようにするというふうに申し上げるしかありません。そういうふうにできるというふうに思っておりますし、松村理事の先ほど来のお話というのは、いってみれば、もう本委員会でやるべき話なのかどうかというのも含めて、過日のこれまでの経過、それから本会議、一定本会議を含めて既にお答えをしている内容であります。で、松村理事及び松村理事が所属する会派のご意向、ご意見については、もう重々承知をしておりますので、おっしゃるとおりにならないようにするというふうに申し上げます。
○松村委員 おっしゃるとおりにならないようにするといっても、現実には生きた経済の中でやっていく事業でありますし、やはりそういう意味での都民への大きな影響、議会そのものも問われる大問題であり、もう既に尽くされているといっても、私も、今まで知る限り、いろんな外部からの協力もいただいたり、我々の会派の中でも検討したりして、できることの範囲で精いっぱい指摘したり、追及したり、提案したりとかやってきましたけれども、私も、この問題が起きて、しょせん素人ですよ、全くの。で、皆さん方は、そのことをこの間、一年も二年もかかり切りでやってきたから、私よりもずっと専門家になっていらっしゃるというふうに思うんですよ。
だから、少なくとも私は今までも当委員会で、外部からの関係者とか専門家とか、そういうのを招致したり、または、ほかの委員会との合同でやるなり、また、先ほども、それは知事がいっているんだというんですけれども、知事がこの委員会に来て、知事みずから東京トップの責任者として、きちっと委員会としても説明責任を果たしてもらうとかいうことをやらなきゃならないということを再三申し上げてきたわけです。私は決して、今まで再三いってきたんだ、尽くされてきているんだということではないと。私は、引き続き、委員長を含めて当委員会に、そういう専門家も呼んで審議するようなことを、あらゆる事態の中でやっぱりやっていかなければ、都民の負託にはこたえられないということも、この機会に申し上げて、先に移らせていただきたいというふうに思うんです。
そういう時点に立っても、今、新銀行、我々が指摘したように、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ中小企業を支援する政策目的を果たせない銀行になるか、それとも、極端に少ない人数で、融資は申し込みから三日で自動審査、全くの形式審査で回収不能貸付が激増する、回収業務は外部委託でまともな回収ができない、結局、膨大な回収不能が発生し、破綻あるいは再び税金投入となる、そういうどちらかであると本当に心配といわざるを得ないというふうに思うんですよ。
そこで伺いますが、新銀行は、リスクが極めて高い銀行でありながら、収益性や健全性が他業態に比べて圧倒的にすぐれているということを、この新銀行マスタープランの経営計画で出されましたけれども、問題は、本当にこのとおりになるのかですよね。議会も、このマスタープランの経営計画を踏まえて、賛成多数で一千億の税金投入に踏み切ったわけですから、マスタープランの事業収益計画というのは非常に大事だと思うんですね。これは現在も、間違いなくこのとおりいけるというふうに確認できるんですね。
○関参事 マスタープランの内容どおり着実に事業を進めていくため準備しているところでございます。
○松村委員 それは先ほどいったように、私ども、議会で審議して、これでいけるとか、そういう判断ができるほどの専門家では、私も率直にいってありません。一番は、私は例えば金融庁にもそういう点ではお伺いしたわけですけれども、金融庁が、銀行を開業するには、その事業計画、収支計画なり、三年目に黒字になるかということで、やっぱり金融商品やそういうのを厳密に審査して、果たしてそれで大丈夫なのかどうかというので開設許可を出しますよね。私、一つはそこがあると思ったんです。我々素人よりも、今のこの新銀行、皆さん方がいろいろ委託して検討してきて、これでいこうという、そういうものを金融庁がオーケーすれば、それはそれなりに、今までのすべての銀行の業態を見て、不良債権や、いろいろ抱える中でも、新たに銀行をつくる、しかも東京都がかかわる銀行でオーケーだというふうに金融庁が銀行の開設許可をおろしたら、これは私たちとしても相当信頼があるなと。もし違ったら、金融庁の判断を逆に問いたい思いですけれども。ところが、その金融庁の銀行開設許可のハードルをくぐり抜けちゃったというか、本当に拍子抜けしたというか、ええっと思ったのは、既存のビー・エヌ・ピー・パリバ、外資系融資を買収する、だから、金融庁の開設の認可というか、その開業前の審査というのがなくなってしまった。これは本当にびっくりしましたよね。だからこそ私たちは、本当にこれで大丈夫なのかということ、念には念を押して、この一千億円の税金投入は決めなければならないという思いで、この間ずっとやってきた次第であります。
そこで、さっき、もう間違いありませんということがあったんで、それで、ここでの答弁としては尽きると思うんですけれども、私が改めてそういう心配をするのは、実は我々のところにもメールが来まして、投書というかメールの範囲ですが、改めてちょっと心配になり、念には念を押しておきたいんですけれども、こういうことなんです。
当初のマスタープランを秘密裏に改定、三年後の黒字化は全くの絵そらごとと執行役員は判断し、五年後の黒字化想定。それに合わせた決算書、特にBSを想定した開業準備にシフトするよう、内々の社長通達がありました。このことをお知らせしておきますというようなメールだったんです。
これは、真偽というか、私どもも驚きましたけれども、まさかそんなことはないと、内部告発としたら、もう少し資料つけてほしいと思ったから、私はこれは軽々にいいませんけれども、しかし、そういうことの意見もあったからこそ、私は念には念を押して、そうじゃないんですねと。我々は、これを前提として議会で本当に論議して、いろんな批判や提案をしました。
そういうことがあったからこそ、当委員会で私は改めてこのことを確認したいと思うんですけれども、そういうことは全くとんでもないあれだということがいえるのか、またはちょっと調査してみると、調査して、もしそういう事実があるんだったら、今後この委員会にも説明をしていただきたいし、資料を出していただきたい。
○大塚出納長 その議論自体が、もう既に十分議会でご審議いただいた内容ばかりを松村先生おっしゃっているという感じがするんですけれども、議会の質疑というのは、やっぱり一つ一つ積み重ねがあって、そのステップステップで議会としての意思決定があり、それから先へということで進んでいるものとばかり思っていまして、私、随分、常任委員会長いんですけれども、意思決定が終わったものについて、もう一度同じ議論を延々と続けるという委員会の質疑というのは初めてでありますけれども、せっかくのお話ですので、一つだけ補足をいたします。
金融庁の判断というのを非常に頼っていたというお話、それはまあ、それがあるからということでおっしゃっていますので、その点についてだけお答え申し上げます。
パリバを買収いたしました。しかし買収するに当たっては、買収してその新銀行を設立するという手法そのものについての、形式じゃなくて実質的な金融庁とのやりとりというのをやっているわけです。その中で、当然のことながら、実質的には、BS、PLを含めた一定の判断というのがあった上で、その買収を認めているという状況であります。したがって、買収という手法によって新銀行を設立するということを、新銀行、四月一日発足を既にしているわけでありますけれども、それは、松村先生いろいろご心配になっているんですけれども、金融庁の専門的な一定の判断、評価、それは少なくとも実質的には終わっているというふうに思っています。
それから、何かメールの話がありましたけれども、初めて聞いたわけで、それは、私は、マスタープランで初めからそういうふうに、要するに三年目で経常、単黒にするというのは初めからお示ししているわけでありまして、もう当たり前の話を当たり前に……(「それに間違いないんですね」と呼ぶ者あり)そういうことです。これで終わりになるのかどうかわかりませんけれども、ぜひぜひ、既に終わった話じゃなくて、新しい話をぜひお願いしたい。
○松村委員 議会の多数で一千億円を決めたから、何かもう議論とか質疑は終わったなんてとんでもない話で……(「終わったんですよ」と呼ぶ者あり)私は、それを決定にすりかえていると。だって、まだまだ全然情報開示もされていないし、例えば今度の信金協会との提携も、この間、信金協会の代表は既に派遣されていて、さっきも検討委員会っていってましたよね、ずっと協議はやってこられたわけでしょう。改めて、じゃ、どういうところで、どういう分野でこういうことだというんだったらいいけれども、今度の報告といっても、全然新鮮味がないというふうに私は受けとめざるを得ないし、もっともっとそういう点では情報を開示しなければいけないというふうに思います。
そこで、もう一つ、都民もまだわからない点で、この間議論を積み重ねてきた中で、ようやく私もいろいろ分析してみると、個別引当金をなぜ引き当てないんだという再三の議論をやる中で、出納長を初め、既存の銀行とは違うんだという話がありました。改めて、償却というのがほかよりも多いということのようです。そうすると、例えば、一期目の期末にもうすべて償却する銀行、次の期首には不良債権がない、こういう仕組みの銀行だということは、都民は意外とまだ、どういう銀行なのかわかっていないんですよ。我々、こういう質疑を通じていろいろやってきましたけれども、そういうことだというふうに受け取っていいわけですね。この辺はちょっと私は確認したいというふうに思うんです。
○津島理事 これも何度もご説明させていただいたんですけれども、この銀行のモデルとして想定したやり方として、一般引当金を積み、そしてもちろん、期中、期末--期末の段階で、そういうものを償却するというやり方をとるということでございます。
○松村委員 ですから、三月十八日の委員会の質疑でも、津島理事は、なお償却しないで、新銀行がデフォルトした債権を抱えるケースも場合によってはあると、こういう答弁ですよね。しかし、それはあくまでも場合によってはということで、基本的には、その期中に起きた不良債権は実際上は償却するということで、私は、わずか期中の一年間でそういう形になる銀行というのは、本当に今の中小企業は資金繰りで--そういう銀行を私は知らないから聞くわけですけれども、今、RCCなどがそういうことですけれども、本当に助かるものが助からなかったり。新銀行の考え方は、早めに業種転換を促したりとか、場合によっては倒産してあれした方が、相手方、借入側にとっていいんだというような説明もなされたことがありますけれども、これは私は本当に冷たいというか、大変な銀行で、やはり相手にするのは--貸し渋りや貸しはがしで困っている中小企業に対し融資して、何とかそれが再建できるまで見守ってやろう、あらゆる手だてをいろいろ尽くそうという銀行ではないんだというような気がしております。
そこで、もう一つ具体的な点で一点聞きたいことは……(発言する者あり)皆さん方がいった、一年のデフォルト率、それは、今までの中小企業庁などのデータ四十五万件ぐらい分析して、それで大体、百社中小企業があれば二社ぐらいが倒産していると。大体二%だ。一・七%ですか、そういうデフォルト率を想定し、これは既存の金融機関よりも高く見積もっている、そういうことも今までの議論の中でありましたけれども、私、ちょっとここで聞きたいのは、確かに今、中小企業が困難な中でデフォルトになる、一年間に倒産する件数は二社、大体二%ぐらいということでも、融資で苦しんで申し込むという実際の姿を見れば、すなわちそのデフォルト率が、引いてこられる正しい数字かという点では、私も、もちろん素人だからよくわからないんですよね。
で、私が一番信用というか、ある意味での目安となったのが、同じ委員会で桜井武委員が質問した中で、信用保証協会の融資というか保証に対する代位弁済、それがどのぐらいあるのかということで、改めてそのことを見ましたけれども、数字をおっしゃった中で、二〇〇二年、平成十四年度、信用保証協会の融資実績一兆九千億円に対して、代位弁済が一千二百五十七億円というふうな数字を、これは津島理事でしたか、関参事でしたか、答弁されております。そうすると、融資実績に対して、平成十四年度の代位弁済は一〇・五%ですよね。私も改めてその答弁を聞いて、すごいな、大変な状況だなというふうに思ったんですけれども、そこまでいかなくても、融資に苦しんでいる中小企業、しかも信用保証協会、割とハードルが高いというか、銀行も保証協会みずからもいろいろ審査しますよね。そういうのをくぐり抜けても、なおかつ今いった一兆九千億円に対して代位弁済が一千二百五十七億円も発生している。そのぐらい大変な実態にあるんじゃないかということを、一つの感じとしてつかんだわけですよね。
今いったみたいに、銀行が実際お金を貸す、返してもらうの中での、今、全体的な全国の中小企業のデフォルト率、倒産件数だけで、それに見合ったデフォルトを想定している。しかも、今いったように、大体一期で全部不良債権化したら、償却するか、もしくは債権回収会社にやって、新銀行としては個別引き当てを--運用が、そういうものは抱えないというわけですから、それに基づく、この銀行マスタープランの損益計算や収支計算があるわけですから、どうなんだろうかという疑問というか、批判が新たにわいてきたんですけれども、今のどうですか。保証協会のそういう具体的な現実に起きている生データからいったとき、一般引当金またはこの償却額で、本当にこの経営計画は成り立つのかどうかということを伺います。
○津島理事 今、理事のさまざまなご意見は十分伺いました。これは私ども十分成り立つと思って進めております。また、この銀行の業務の状況については、開業までに、その場その場で開示していくつもりでございますので、よろしくお願いします。
○松村委員 そういう答弁しかないということは、本当にあらゆることを尽くして、盤石な体制で経営計画なりを成り立たせているかというと、今の答弁でも、私は大いに危惧というか、不安を感じざるを得ません。
そこで、最後に、先ほども出ました新銀行東京に係る準備経費について伺います。
資料を出していただきまして、ありがとうございますというところなんですけれども、実際、これなぜ--確かに今までの東京税務協会の委託については、この委員会でも議論がありました。そのときにも、十二月三十一日以降継続するというような、そういうのはないんですね。そういうときに新会社でいくのか、それともどうするのかは検討すると。しかし、今度資料をとってみて、改めてこの契約委託期間が三月三十一日までになっている。委託金額も今までの額をはるかに超える金額になっているということで、私もびっくりいたしました。
ならば、どういう契約を新たに取り交わしたのか、公金を使う以上、きちっとその資料を出していただきたいという話をしましたけれども、この当初の委託契約書、私ここに持っておりますが、この最初の委託契約の中身はどうなっていますか。
○関参事 その契約書にございますとおり、着実に調査研究を実施したということでございます。
○松村委員 きちっとした委託契約書ですよね。それが、一つは、なぜこういう延長するなり、これだけの期間が変わり、契約金額も変わったということが、当委員会、議会に報告されなかったんでしょうか。報告したんですか。
○関参事 この調査は、当初から、構想から設立までのステップに、この調査内容で明確に確定することができない面がございましたため、昨年の本委員会におきましても、委託期間について、当事業の検討状況を踏まえて延長することもあり得る旨ご説明したところでございます。検討精度を十分高めるため、結果として延長したということでございます。
○松村委員 そうしたら、どういうふうに変更されたのか、委託契約書の新しいものを提出していただきたいんですけれども、どういう変更の手続というか、中なんですか。こういうふうにここの期日を変えたり、ここをしたのか、明らかにしてください。
○中路副出納長 当初の契約につきましては、十二月三十一日までということでございました。その後、今、参事の方から説明しましたように、さらに内容を深めるというような状況も必要が生じましたので、その後、十二月三十一日までの中で、相手の税務協会と協議をしまして、相手からも承諾いただきまして、三月までの延長、その中で金額も変更した、そういうことでございます。
○松村委員 そうすると、新たに委託契約書とかそれに伴うものは交わしていないんですか。やっぱりこれ出資金という意味じゃなくて--公金だから、もちろん一円たりともそれはしっかりやっていると思うんですよ、出納長室なんだから。だれよりも全都庁的に、お金を一円動かすときでも、きちっとそういう契約はしっかりしなきゃいけませんから。できたら、委員長ね、後日でもいいですから、改めてわかるように、こういうことで結んだんだ、日付はこうだとかいうのを出してくださいよ。余り長くなるから、それを要望しておきます、出していただきたいと。
もう一つ、そういうやり方について、ちょっと私伺いたいんですけれども、この予備費の充当という点については……。
〔大塚出納長「委員長」と呼ぶ〕
○大塚出納長 松村理事、私、一つだけ、こういう委員会の席ですけれども、申し上げますけれども、もう全部お話ししてあるじゃないですか。原議の形で整理してありますと、中身についてもこういうふうに整理してありますということをお話ししてありますよ。(「いつですか」と呼ぶ者あり)うちの方の担当から、そういうふうに報告を受けている。だから、仕事の仕方も、こういうやり方も、それも含めて、こういうふうにしましたということでご説明をしたはずですよ。で、ネットとしての紙をお届けした。そういう形で手続としてもきちっと手当てをしてありますというふうに申し上げてあります。それで、わかったというお話だったんじゃないですか、私はそういうふうに報告を受けていますけれども。何もこんなもの出すの、別になんてことないんですよ。幾らでも出せる。それを何か意図的に隠しているような、そういう意図は全くないわけですよ。だから、形式論で、既に事前調整、もう十分時間かけてやっているにもかかわらず、それを逆手にとったようないい方は、それは避けていただきたい。
○松村委員 私、出納長、何をいっているかさっぱりわからないし、聞いている皆さんもわからないと思うんですよ。先ほど理事会でも、そのことについて、契約書なりその写しなり、もし必要があったら、改めて委員会の場で資料提出を求めてくださいと、そういう委員長の--違いますか、委員長。
○近藤委員長 質問を通じて明らかにしてくださいとは申し上げましたよ、私は。
〔「質疑を通じて明らかにしていってください、委員会の資料としての資料要求じゃないという形で、理事会は扱った」と呼ぶ者あり〕
○中路副出納長 先ほどの件でございますが、十二月にこちらから税務協会に対して協議書を送りまして、それで税務協会の側から承諾書をいただいております。ですから、文書によるやりとりもきちんとしておりまして、その中で、金額の変更、それから期間の変更、内容の追加、そういったことをすべて明確にしております。
その中で、出納長が先ほど申しましたとおり、先生との関係では、事前の調整の中で、そういう形のものの中の一番大事な費用の部分について、内訳も含めてご提供したというふうに考えております。
○松村委員 それは私は、出したときには繰り返しいいましたよ、こういう委託契約書があるんですかと。委託契約書はありますというふうに、その中で答えられたんです。それは、やりとりした中では、その場に出納長や中路さんいなかったからあれなんですけれども、だから、言葉の聞き違いだとかそうじゃないですよ。それを、あなたはその部下から、部下というか、そちらから聞いて、そういってあるんだって。それで何で委員会の席でむきになっていわなきゃいけないんですか。私、いわれる覚えはないのと、あるんだったら、大した問題ないでしょう。きちっとあるんだったら、そういうふうになってますというんだったら、それを幾らでも出していただいて全然問題ない話なのと、私がそもそもいいたい趣旨は、この予備費の充当というのが、財務の資料の中にもありますよね。予算がない場合、予算金額が不足している場合には、追加予算を議会に提出して、その議決を得なければならない、しかし比較的軽易な事件である場合とか、金額が極少である場合、緊急を要する場合等に対処する手段として予備費の制度が認められている云々というのがありますよね。
だから、当初、この委員会でも我々知らなかった。東京税務協会に委託する、しかもその金額は、そういう質疑があった後で、改めて、こういうことをやられているということがわかりましたよね。だから、それは緊急を要するという項に入るかもしれません。極少じゃないですよね、四億だから。で、いよいよ十二月三十一日が終わって、さらに今いったみたく期間を延長して予算を追加する場合、十分そういうことが見越せてあるんですから、きちっと、例えば補正予算なりまたはそういう手段、幾らでもできるし、またはそういうことじゃなくて、引き続きやってきたんだから、予備費の充当なりでやらせていただきたいというなら、私が問題にしたいのは、なぜそういうことを委員会に説明しないのか。または委員会じゃなくても、そういうことは議会や我々の委員会のメンバー、入れかわった方もいますけれども、承知しているんだから、なぜそれを事前にいってこなかったのか。
私、この事実、委員の皆さん方にも聞きたいんですけれども、この資料を持ってきたときに、三月三十一日まで東京税務協会と期間を延長していた、金額も八億六千九百八十三万円になっていたというのは、恐らく私は説明受けたり、知ってなかったと思いますよ。今までもさんざん、そういうやり方で進めていいんですか、そういうんじゃなくて、もっときちっと議会にもオープンにしてやるべきだということを、それこそ何度も何度もやりとりしてきたでしょう。出納長、私に向かって、もう決着済みだ、いってあるとか、あなたは声を荒げて--本当にそういう態度は、先輩ですしね、長年の経験があるから敬いますけれども、それにしても逆に私だっていいたいですよ。(「やり方の問題なのか、中身なのか、はっきり質問しなさいよ。私、十五分でやったんだからね、質問をちゃんとまとめて」と呼ぶ者あり)私、あらかじめ、委員会のを見ながらやっていますよ、質疑。(「みんな縮めているんだよ」と呼ぶ者あり)
そういう意味で、やはり、東京のお金というか、都民の予算を使うのはやり方が違うのではないかと。そして、これ予備費を執行するには、予備費は財務局の所管に属しているから、局長は予備費充当を必要とするときは、事業計画その他参考となる資料を付して予備費充当請求書を財務局長に提出しなければならないと。そして、請求書を提出して財務局長がオーケーといって、その予備費が出納長の予算に移されて初めてそれが執行できるんだというのが私の理解です。
じゃ、その予備費充当の請求書を、事業計画その他の参考資料をつけて財務局長にいつ提出されたんでしょうか。で、いつそれが認められたんでしょうか。
○中路副出納長 予備費充当請求書を三月三十一日に提出いたしまして、同日、承諾いただいてあります。
○松村委員 予算は三月三十一日ですよね。私の解釈では、予備費というのはあくまでも請求書が出されて、それが認められて、こちらに移って、そして支出というか、その目的に沿って使うというんですけれども、そうすると、三月三十一日に今いった合計の金額、八億六千九百八十三万円となるんですか。私は、ここにおいても随分疑問があるというか、そういうやり方で本当にいいんだろうかという気がしますし、やはり今までの議会で指摘されてきた問題点も含めて、重要な問題点がある。今後とも、この点については、本当に私は、もうその出資が認められたからということではいかない問題だと思います。
最後に、先ほどもありましたけれども、今までの質疑の中で、この予備費支出での委託金額は、これは準備経費に当たらない、政策あれだというんで、かつて馬場委員の質問に答えておりますよね。私は、当然、準備経費にしなければいけないし、こういう八億、九億円もの金額は、きちんと都民というか予算にというか、戻すべきだというふうに思いますけれども、この点について重ねてお答えいただきたいと思います。
その答えというのは、当初の四億のときに、それは準備経費に入らないという答弁がありますよね。されているでしょう。それで、これは新銀行の経費として後で東京都に戻されるんですね。
○津島理事 当初もお話ししたかと思いますし、ただいま桜井委員にもお話ししたとおり、これは清算を前提としておりまして、きちっと会社の負担するものと東京都の負担するものを整理いたしまして、後日ご報告いたします。
○松村委員 引き続ききちっとして、今度は報告してください。そのときにもきちっとした、本当に都民の公金ですから、一円たりともむだにできない、そういう立場から質疑をする責任が私は議員としてありますので、よろしくお願いして、時間がまだ五分間残っておりますけれども、皆さんがいろいろ協力しろということなので、終わらせていただきます。
○近藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十六分休憩
午後二時五十九分開議
○近藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○執印委員 それでは、質問させていただきます。
先ほどもちょっと出たんですけれども、日曜日に知事がテレビ朝日で、新銀行の設立意図、役割を聞かれたのに対して、UFJだけでなく、都も大きくかかわっている危ない銀行もあるというふうに発言されて、さらに、預金するに値する銀行がないからというふうに答えられたということなんです。私どもとしては反対はしましたけれども、議会は通ったわけですから、最初に中小企業対策ということを一番にいわれるであろうということを期待もするわけですけれども、そういうお答えではなかったということなんです。
まず、私、銀行の設立の真意はどこにあるのかと質問したかったんですが、先ほどやりとりがあって、中小企業支援であるということは、担当としては変わらないということですから、この質問はいたしませんが、知事の発言をずうっと聞いていきますと、預金するに値する銀行がないから新しく銀行をつくるというふうにおっしゃっているということは、東京都は公金を新銀行へ預金するのかというふうに普通は聞こえるわけですけれども、その点についてはどのようなことになっているのでしょうか。
○大塚出納長 前段、先ほどお答えもしたんですけれども、担当としての考えは変わりがないというふうにおっしゃいましたので、若干補足をさせていただきますけれども、知事が申し上げたのは、当然のことながら、中小企業を総合的に支援するというところはもうしっかり踏まえた上で、ちょっと別の角度からアプローチをして、ああいうふうないい方をしたんだというふうに思います。
それから、担保の話も、既にこれまでの議会の質疑の中でも申し上げてありますけれども、無担保無保証、これがメーンでありますけれども、それ以外のモデルもありますので、そういうものもまた別途あるんだよということを申し上げたわけでありまして、知事はこういうけれども、担当セクションとしての考え方に変わりはないということではなくて、知事の考えと担当セクションの考え方というのは全く同じであります。その一点だけ補足をさせていただきました。
それから、公金の預金につきましては、出納長室としては公金管理を所管しているわけでありますけれども、当然一つの物差しがあるわけであります。公金管理委員会をバックに控えた物差しがあるわけでありまして、今の段階で新銀行に具体的に預金をするかどうかということは検討はしておりません。
ただ、一つだけ申し上げれば、マスタープランで公にしているようなBS、PL、あれが実現できれば、これは大変安全、しかも堅実な銀行でありますので、預金の対象にはなり得るというふうに思っております。現時点では検討はしておりません。
○執印委員 前段のところで、知事も担当も変わりはないということでしたね。それで、知事がどこでどのようなご発言をされるかについては、だれも口を押さえることはできませんから、そのお話しされたように物事は伝わっていくわけでございまして、先ほど来質疑の中でも、民業圧迫になるんじゃないかとか、同じパイを取り合うことになるんじゃないかとか、そういうようなさまざまな心配があるわけですから、知事がどこでどんなご発言をされるか、口は押さえられないにしても、その影響力というものを--今度は副知事にもなられるわけですから、ぜひ十分にお話しいただくということをまずしていただかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけです。今ご答弁があったから、お話をさせていただいているんですけれども、やっぱり何か東京都の姿勢というものがきちんと伝わらないなというような感じがしております。
それは質問したわけではないんですけれども、お答えいただきましたので、副知事になられるお祝いも含めて、いわせていただきました。
それで、今この計画については、必ずこれでうまくやりますというふうにおっしゃっているわけですから、公金を新銀行へ預金するかどうかについては今のところ決めてないということですが、いつごろ、どのような形になったら決めるであろうというようなことは、想定される段階があるんだろうというふうに思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○中路副出納長 先ほど出納長からお答えいたしましたように、新銀行に預金するかどうかについては、現在、具体的な検討はしてないわけでございまして、いつそういったことを検討するかどうかということも特に決めておりません。
○執印委員 全く決めてないということですから、そうですね、知事も、何もないけどしゃべっちゃったということなんでしょうかね。こういうことも含めて、この名前を出された銀行もそうですし、東京都が大きくかかわっている、今危ない銀行というふうにいわれたところも、おおよそ予測がつくでしょうから、新銀行をつくるに当たっても、私ども何度もいいますが、反対をしておりますが、民間銀行との関係性というのをきちんと保っていく必要があるだろうというふうに思います。
それで、公金について新銀行へ預けるかどうかということについては、先ほどの委員会ですか、そういうものを通しながらきちんとやるということですが、意見としてここで申し上げておきます。都の第三セクターに貸し出ししやすくするようなことだけは、そういう安易なことだけはしないようにお願いしたいというふうに思います。
次の質問に行きますが、次に、民間から資本金を五百億円集めることというふうになっております。これは途中で、一千億円から五百億円というふうに数字も下がったわけですが、この現状と見通しですね、今のところどのようになっているのか。数字で幾らぐらいというふうに示されるものがあれば、それも含めてお教えいただきたいと思います。
○吉田参事 民間出資につきましては、新銀行の開業時を目途に、現在さまざまな企業と話を進めている段階でございます。進捗状況につきましては、相手先企業との関係もございますことから、お示しはできませんけれども、しかるべき時期が参りましたら、議会にご報告することにいたしております。
○執印委員 しかるべき時期がときどきずれたりしまして、そこが大変見えにくくなっているわけなんですけれども、もう少し詳しく聞かせていただきますが、どのような方たちが何人体制でこのことにかかわっていらっしゃるんでしょうか。
○津島理事 この出資というものは、相手方企業にとって、投資という事業活動でございまして、さまざまな企業自体の戦略があるわけでございまして、これに対して都としては、これはもちろん銀行自身と協力してでございますけれども、各企業の投資戦略に対応したような形で新銀行への出資を要請するというやり方で進めております。人数は申し上げられませんけれども、見通しとして十分確保が可能だということで進めております。
○執印委員 しかるべきときというのがどういう時期というふうに想定されているのかわからないんですけれども、例えば議会ごとに、あと九月と十二月ですから、議会ごとにきちんと現状の報告をするというようなことがあって当然だと思いますし、議会から見ると、それがしかるべきときなのかと思うわけですが、その辺の検討はいかがでしょうか。
○津島理事 出資をする企業側の取締役会、もちろん株主総会、こういった経過を経て相手の企業は決定するわけでございますので、それとの時期のすり合わせもございますので、今の段階で、いついつという形ではご説明できない状況でございます。
○執印委員 株主総会って大体三月ですかね。(「五月だよ」と呼ぶ者あり)五月だそうですから、終わるところは終わっている。そうすると、銀行の開業は四月、そういうめどになっているわけなんですけれども、明らかにできないというようなことになるとすれば、この五百億の資本金がきちんとした形で集められるかどうかわからないままに四月を迎える--四月はめどなんですかね--ということにはならないんでしょうか。
○津島理事 これは前からお話ししていますように、開業までにきちんとめどをつけるということでお話ししておりますので、そういうことで進めております。
○執印委員 その開業の時期というのは、今、四月以降というふうになっていたというようなお話もあったんですけれども、そういう意味だということでよろしいんでしょうか。五百億を集めて、それができたところで開業するということをおっしゃっているんだという意味でしょうか。
○津島理事 その五百億のプラスの出資分が直接開業の成否を決するというものではございませんので、おおむねその時期までにお示しするということでございまして、それが開業の条件というか、開業の前提だという意味ではございません。
○執印委員 わかりました。
そうすると、一千億でも始める場合があるということですよね。そうすると、見通しどおりにいかないということが想定されるんじゃないかという質問を考えていたんですけれども、見通しどおりにいかないときは、そのまま進むということですかね。
それで、私が質問しているのは、出資先の会社をはっきりしなきゃならないということももちろんあると思うんですけれども、今、額で大体どれぐらい見通しが立っているのかということは知らせるべきじゃないかと思うわけなんですけれども、そのあたりはどうですか。
○大塚出納長 いろいろとご心配をおかけして申しわけありません。
開業に当たっての要件というのは、前に、たしか、どこかの会派でご質疑あったと思うんですけれども、あるいは本会議だったかもしれませんけれども、来年の四月のペイオフの状況、新銀行のソフト、ハードの全体の準備状況、新銀行を取り巻く環境、それから出資の状況を含めて、一番最も適切な時期に四月以降開業することになります。わけのわからないうちに開業するというふうなことは決してありませんで、都議会それから所管の常任委員会を含めて、きちんと必要な情報をディスクロージャーし、株式会社新銀行としてディスクロージャーいたしまして、ご理解の上、きちんと開業したいというふうに思っております。
○執印委員 出納長にご説明いただいたら、一体どうしたいんだかよくわからなくなったんですけれども、見通しどおりいかないときの想定というのもないのかなというふうに思うんです。私どももいっておりますように、ペイオフのこともあるんでしょうし、五百億円集めることについては、実はこの質問するについては、例えば、半分ぐらい今見通しがありますというような、そういうお答えがあるのだろうかと思ったわけですが、そういうことでもないようですから、引き返す勇気を持てというふうに意見でもいっておりますので、ぜひ状況を見ながらご判断していただきたいというふうに思います。
次に、社外取締役という方ももう選ばれているということですから、社外取締役は何人で、人選はどのように行われているのでしょうか。
○関参事 社外取締役の人選につきましては、現在、人数等を含め最終段階に来ておりますけれども、選定する人材につきましては、既に本委員会でご説明したとおりでございまして、都の関係者のほか、経営全般に高い識見を有する人材を、経済界、弁護士、公認会計士、学識経験者など、さまざまな分野から選任する方向で調整中でございます。
○執印委員 都の関連の方が既に選ばれているというふうに伺っているんですが、この方はどういうふうに選ばれたのか。例えば、銀行に詳しいとか、東京都全体に目が行き届くとか、何かしら選定の基準があっただろうと思うんですけれども、その点教えていただけますでしょうか。
○津島理事 委員会等設置会社の社外取締役という形では、今、都の関係者が入っているわけでございませんので、四月段階で銀行が設立した、その非常勤取締役ということの位置づけでございますけれども、ここで先ほど関参事が申し上げましたとおり、都の関係者の中で経営全般に識見を有する人材だというふうに判断しまして、お願いしたわけでございます。
○執印委員 じゃ、これは結構です。
次に、関連でいうと、社外取締役に関連しているわけではございませんが、採用の件ですね、先ほども藤川委員からご質疑がございましたが。
いろいろ事件が起きる中で、新聞の記事によれば余りにひどいというのと、発言の内容も新聞に紹介されておりましたけれども、大人の発言とは思えないというか、まことに身勝手な、男独特の考え方というんですか……(「ひどいな、それは」と呼ぶ者あり)を持っている一部分の男性の方のなさったことですかね、そういう感じがしたわけです。みんながそうだとは私ももちろん思ってないんですが、最初のところで、新銀行としてはイメージとしてつまずいたということがいえるというふうに思うんです。
すぐに雇用を取り消したということだと思うんですけれども、これが三回の面接の結果ということです。面接した方が悪いというふうに私ももちろん思いませんけれども、なかなか見えにくい部分だというふうには思うんですが、こういうことが起きた以上、これからつくる銀行の中で、セクシュアルハラスメントの対応など、通常の会社で行われている以上の研修を組むというようなことをして、信用の挽回を図ることが必要と思いますが、いかがでしょうか。これから、顧客のところに行くとか、さまざまなことが出てきたときに、本当にこの銀行は大丈夫かと思われないようなことが当然必要になってくるわけですが、いかがでしょうか。
○関参事 基本的には、行員の指導をしっかりということだと思いますけれども、入社後におきましても、銀行の社会的使命、公共性を日ごろから十分自覚させるよう努力するとともに、先生おっしゃるようなさまざまな研修を通じて、行員のモラルを日常的に高めていくことが重要であると考えておりまして、新銀行に対して東京都としても適時適切に指導を続けていきたいと考えております。
○執印委員 そういう点については十分に私どももご協力できると思いますので、進めるに当たってはぜひ、どういうものが必要かということも含め、相談をしていただきたいというふうに思います。
先ほど申し上げましたことが、ちょっと表現が足りなかったかと思いますが、そういう考えを持っている一部の男性特有の事件だったというふうに思いますので、これからそういうことがないように、なかなか採用のときにこれを見るのは本当に大変だというふうに思うんですけれども、ぜひ重ねて、こういうことが起きないように対応していただきたいというふうに思います。
次に、私、一番最初のこの財政委員会の出納長室の質疑に臨みましたときに、一点だけ説明していただきましたのが、この出納長室に銀行の準備会があるということがおかしいのではないかということですね。お金を出すところが事業を持っているということについては、細かく見ていけば、自治法上抵触はしないというお答えはありましたけれども、本来あるべきではないというふうに思うわけなんです。この点については、いろいろ検討されているというような話は、私どもも聞かないわけではないですけれども、今後どのようになっていくのか、お答えいただきたいと思います。
○中路副出納長 事業の所管につきましてはいろいろな考え方があるとは思います。組織を所管しております総務局でも、現在いろいろ検討しているというふうに聞いているところでございます。
○執印委員 どうもすっきりとしたお答えではないわけですが、いってみれば、わからないというような、これから先のことのご答弁があったわけですけれども、税金を出していく話ですから、どういうふうに正確を期して--内部でやっていらっしゃる方はもちろん正確を期してやっていらっしゃると思いますけれども、外から見ても、それから都民から見ても、見える形にしていかなくちゃいけないというふうに思うわけです。大塚出納長も副知事になられるわけですので、この際、そのあたりのお考えをはっきりとお答えいただいてからお移りいただくのがいいのではないかと思いますが、見直しについては、わかっているなら、検討があるなら、ぜひ答えていただきたいし、このまま出納長に置くのかどうか、そのあたりまではお答えいただけないものかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○大塚出納長 執印委員のこれは初めからのご懸念といいますか、課題だというふうに承知しておりまして、ご心配のないようにきちんとやりたいと思っています。
○執印委員 ご心配がないようにきちっとやりたいということですから、透明に、見えるように、それから、都民から見てもわかりやすくという私の質問に対して、心配がないようにやるということですから、今のままでは問題もあるというふうにお考えなんだと思いますが、その私の質問の趣旨をわかっていただいて対応していただくのかどうかということを最後に。私、都議会の答弁もなるべくわかりやすくしていただくのが一番いいんじゃないかと思うんです。こういう銀行の質問も、先ほど来、わかりにくいんだというようなことがほかの方からも出ているわけですけれども、最後に、都民的な答弁というのをぜひお願いしたいと思います。
○大塚出納長 再度のご質問でございます。
もちろん、ですから、事業の所管をどういうふうな形でというのは、考え方いろいろあるわけでありますけれども、別に出納長室のままで、これ絶対できないということではないわけですけれども、いずれにしても、そういうふうなご懸念なり、あるいはご意見が残るというのは好ましいことではないというふうに思っておりますので、そういうご懸念がないようにやりたいというふうに思っております。
○秋田委員 先般締結されました信用金庫との包括提携契約については、仲間でございます小美濃副委員長からも先ほど質疑がございましたので、私からは、会計監査と行員の採用について、簡単な質問を幾つかさせていただきたいと思います。
UFJホールディングスの平成十六年三月期の決算は、ご存じのとおり大幅な赤字となりましたが、新聞報道等によりますと、会計監査人から不良債権に対する厳格な引き当てを求められたことがその原因であるようでございます。もちろん、そのバックには、金融庁当局による指導があったんだと思うんですが、こうした事例からも、会計監査人というのは銀行経営にも非常に重要な地位を占めていることは今や間違いないと思います。
そこで、まず、新銀行においては、経営の健全性を確保するために、会計監査人をどのような観点で選任するのかを伺いたいと思います。
○関参事 新銀行におきましては、会計監査人について、豊富な会計監査の経験のある大手監査法人や、地域金融機関の会計監査に秀でた監査法人など、実績のある複数の監査法人の中から、監査体制、監査姿勢、新銀行ビジネスモデルに対する理解度、リスクアプローチ、アドバイザリーサービス体制などをさまざまに総合的に検討して、選任することとしております。
○秋田委員 それでは、会計監査人がどのような手順で選任されるのかをお答えください。
○関参事 新銀行の監査役で組織する選定委員会におきまして、先ほどの複数の会計監査人の中から候補を絞り込みます。続いて、取締役会の承認を経た後、最終的には六月の定時株主総会で決定させていただくということになります。
○秋田委員 先般の代表質問のときであったか、一般質問のときであったか、ちょっと忘れてしまいましたが、石原知事も、会計監査の外部監査の重要性についてはかなり強く--河西議員の質問に対する答えでしたかな、そのときにも大変強くおっしゃっておられました。特にこの銀行については、先ほども申し上げましたが、UFJホールディングスの件で、軒並み他の銀行の株価も下がるというような事態も起こりましたし、しっかりとした会計監査人を選んでいただきたいと思います。
新銀行が成功するためには、今申し上げた厳格な監査体制も重要でございますが、やっぱり何といっても構成する人というのが一番重要だと思います。そうした中にあって、先ほど来お話がございましたが、一昨日、新銀行東京の行員による不祥事が発生したことは、都民の新銀行への期待と関心が高まる中で、信用を損なう大変残念な行為であり、都としても新銀行に対して、再発防止を強く働きかけていただくことを求めておきたいと思います。
とはいえ、先ほどの執印委員のお話じゃないですが、採用した方に責任があるわけでもなく、その方の日常生活二十四時間を監視しているわけではないですから、むしろ何か起きたときに、不祥事が起きたときに的確な対処を、スピードをもって対処するということが重要だと思うんですが、その点においては、今回は、本当にスピードという点でもすぐに対処されて、私は逆に危機管理という部分で評価をさせていただきたいと思います。
それでは、行員の確保について何点かお伺いしたいと思います。決しておもしろくはない質問でございますが、採用についてはかなり人気があったようでございますので、都民の方々に広く一般に知らしめるという点で、おつき合い願えればと思います。
まず、現時点における行員の配置状況についてお伺いします。
○関参事 新銀行の行員の配置につきましては、四月一日の新銀行設立後、まず銀行業務の推進体制を早急に整える必要があるため、主に部長級の幹部職員や、業務の中核となる企画関連部門、先行して準備が必要となるシステム構築部門などを中心に配置を行っております。それらについてはほぼ配置を終えております。ちなみに、六月十一日、本日現在の行員の配置状況は、行員六十八名、契約社員五名、都派遣職員二十五名、民間出向者十三名の計百十一名となっております。
○秋田委員 四月に行った行員の募集では、採用予定者百名に対して五千人を超える多数の応募があったということでございますが、これだけ多数の応募があったことを、当局としてはどう評価しているんでしょうか。
○関参事 四月の行員募集では、実務経験のある総合職の募集を行ったところでございますけれども、応募者数は全体で五千百二十七名でございまして、応募者の出身業界の内訳を見ますと、今回主に金融などの実務経験者を求めたことから、銀行や証券、生命保険などが約七割を占めましたが、そのほか、製造業、それから商社などの一般企業からも多数の応募がございました。
さまざまな業界から多数の応募があった背景でございますけれども、当然、労働市場における厳しい状況を反映している面もあるとは思われますけれども、応募者の志望動機を見ますると、中小企業を総合的に支援し東京の経済再生を突破口とする、また、IT技術を活用した新たな金融サービスを創造する、さらには、金融、産業、行政などの業種の枠を超えた金融モデルを構築する、以上のような新銀行の設立理念に共感する者が圧倒的に多く、新銀行に対する期待が応募者の間で非常に高いことがわかると考えております。また、見方を変えますれば、既存の金融機関に対する不満の裏返しともいえるのではないかと考えておるところでございます。
○秋田委員 ただいまの志望動機を額面どおり受け取っていいのかどうか、ちょっとよくわかりませんが、少なくとも大変熱意のある方が少なからず、いっぱい応募されてきたということだけはよくわかりましたので、その期待を受けとめ、意欲と熱意のある優秀な人材を一人でも多く採用していただきたいと思うんですが、その期待を受けとめる側の皆様方が、新銀行にふさわしいと思う人材をどういった基準で採用していくのか、採用に当たっての考え方についてお尋ねします。
○津島理事 新銀行におきましては、これまでの金融業、ともすれば受動的といいますか、保守的という傾向が見られる金融業とは異なりまして、積極的に新たな金融サービスを創造し、東京発金融改革を実践できるような人材、これを確保することが重要だと考えております。したがいまして、知識や技能のほかに、厳しい環境において本当に成果を出せる、意欲の高い人材を確保することとしております。
このため、まず第一に、金融、財務、システム等について十分な現場感覚と実務経験を持っていること、第二に、中小企業融資を中心とする新銀行の理念をきちんと理解し、積極的に実現しようとする高い意識を持っていること、三番目に、創業時の激務やさまざまな困難な状況でも耐えられるような、強い精神力と健全な体力を持っていること、こういった点を特に重視して、先ほど申し上げました執行役を中心に三回の面接を経て、現在、採用を進めているところでございます。
○秋田委員 採用の考え方についてはわかりましたが、では、具体的にどのような選考を行うのか、選考の内容とそのポイントについて教えてください。
○関参事 選考のポイントでございますが、まず第一に、今回の採用者は、現場の第一線で中心的業務を担うこととなるため、それぞれの分野での高度な専門知識や実務能力が求められると考えております。
具体的には、法人営業、ICカード、事務企画など、各職種に関する実務経験やスキルを選考のポイントとしておりまして、約五千名の応募者全員に対して、履歴書や従事した職務の詳細が記された職務経歴書を基本として、即戦力となる実務経験者を書類選考によって選抜しております。
第二段階でございますけれども、書類選考により選抜された、約二千名と想定しておりますけれども、に対して、新銀行の理念や意義に対する理解度や、新しい金融サービスの創造への問題意識、その他意欲を把握するため、レポートの提出を求めて評価を行います。
並行いたしまして、第三に、個人の能力、資質や新銀行プロジェクトへの参加姿勢などを総合的に評価するため、順次対象者を絞り込みつつ、代表取締役みずからを含め、役員による三回の面接を行うというふうに選考していく予定でございます。
○秋田委員 先ほどのお答えにございましたとおり、幹部職員はほぼ決まったということで、今お選びになっているのは、まさに実務を担当する実戦部隊でしょうか、しっかりお選びいただければと思うんですが、ところで、今回の募集は実務経験のある総合職ということですが、ほかにはどのような採用区分があるのかが一点目。そして次に、それぞれにどのような役割を期待しているのかを伺わせていただきます。
○関参事 新銀行でございますけれども、従来の銀行スタイルとは異なり、顧客本位の考え方に基づきまして、本部及び本支店など、業務のあらゆる面で、知識や経験豊富な総合職が対応することを基本としております。したがって、行員は、原則として総合職を中心といたしまして、一部これを補佐する一般職を配置するということでございます。また、新銀行の少人数、少店舗体制を補完する役割を担うため、契約社員も配置いたします。
総合職は、業務の第一線に立ち、預金、融資の受け付けやコールセンター業務の指導、融資審査など、すべての業務に一貫して対応していくということでございまして、一般職は、総合職を補佐して、主として、本支店における定型的ではあるが守秘性の高い事務処理などの業務に従事することを想定しております。
契約社員は、本部や本支店で行員を補佐するとともに、豊富な経験を生かす形で、事務集中センターやコールセンターにおける業務に従事することを予定しているところでございます。
○秋田委員 何でも開業するときというのは、先ほどもちょっとお話がございましたが、大変な激務が待っておりますので、ある程度余裕を持った人員配置をしていただければと思います。
採用区分についてはわかりましたので、次に、スケジュールについてお伺いします。
今回募集を行った行員の採用時期や今後の募集予定等も含めて、平成十七年四月以降の本格開業に向けて、どのようなスケジュールで行員の採用を行うのでしょうか。
○関参事 四月の公募分につきましては、今月から、開業準備室が大手町の大手センタービルに移転する九月までの間に、準備の進捗状況に合わせまして順次正式採用を行う予定でございます。一般職の行員、契約社員につきましては、九月以降に採用を行っていく予定でございまして、本格開業に備えて着実に体制を整えてまいりたいと考えております。
○秋田委員 ここまで、行員の採用について何点か伺いましたので、最後の質問にさせていただきたいと思うんですが、どんなに優秀な人材を確保しても、来た、新しく行員になった方々が、こんな環境じゃ働けない、ちょっと失敗したなあなんと思われちゃったらしようがないわけで、行員が働きやすい環境をつくるというのも大変重要なことだと思うんですが、この点についてはどう考えているんでしょうか。
○津島理事 新銀行の経営に当たりましては、今回、多くのジャンルから、豊富な知識、経験を有する多彩な人材が集まりまして、その人たちがそれぞれの特徴を生かしていくわけですけれども、それらを一つの目的に収れんする、そういった経営をすることが何よりも重要であろうというふうに考えております。
そのためには、個々の力を結集して組織力を高めていくために、経営陣の適切なガバナンス、あわせて行員一人一人のモラルを高めるという、両面の必要性が高いだろうと思います。
具体的には、年功にとらわれない、能力そして役割、業績、こういったものに基づく人事給与システムを基本といたしまして、組織横断的なプロジェクトチームの結成や、社長へ直接意見表明ができるような透明性の高いシステムの設置など、一体性のある組織づくりを積極的に進め、個人の能力の向上と組織全体のレベルアップをともに確保して、都民の期待にこたえる体制、環境、こういったものを構築してまいりたいと思っております。
○秋田委員 質問はもう終わりましたが、こうした形で大塚出納長と質疑を交わさせていただくのが最後になりますので、私なりにちょっと意見をいわせていただければと思うんです。
銀行をつくる、東京都がやるということになってから、私なりにいろいろ調べたり、また専門家の方に個人的に意見を聞いたりしましたが、私の頭が悪いせいだと思うんですが、はっきりいって、銀行業務というのは難し過ぎてよくわからない。専門用語も多いですし、設立するとなってから、皆さんも日夜連日奮闘されて、お勉強されていることはよくわかるんですが、それでも私はよくわからない部分が正直多うございます。
けれども、なぜ今回、銀行について賛成をしたかといいますと、それは最終的には、大塚出納長と津島理事の熱意というか、自信というか、要は信用で、私個人は賛成をさせていただいた思いがございます。今度、出納長から副知事におなりになるということですが、その副知事の担当業務の中に新銀行についてもしっかり入っていたようでございますから、出納長の立場と、また副知事の立場、できること、できないことがまた違ってくるのかもしれませんが、今後も熱意を忘れずに頑張っていただきたいことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○森田委員 今までさまざまな議論がありまして、今後の新しい銀行へのスタート、ぜひ見事にスタートしていただきたいと思うんですが、このマスタープランの中で、幾つかお伺いしたい点があります。
それは、このマスタープランの冒頭に、経営理念とか特徴、顧客本位を貫くとか、社会に貢献するというようなことが出ておりまして、役割と機能の中に、三項目ある中の二番目に、金融・行政・提携企業のITハブ機能、ちょっと何かよくわからないんですが、ここに、新銀行が発行するICカードを軸に、金融・行政・異業種企業と連携し、顧客に決済面での安全性・利便性に加え、複合的な取引やサービスを提供する、こんなことが出ております。
新銀行、中小企業支援、これが一番大きい目的というふうに聞いておりますし、それは非常に大事なこと。その売りの中で、一つICカード、IC化というのがしきりに出てくるわけです。この点について改めてこのマスタープランを読んでみると、どういうことなのかなということが幾つかありますので、その点についてお伺いしたいんですが、まず、この新銀行が発行するICカード、交通系と非交通系というふうに出ているんですが、この違いというのはどういうふうにとらえたらいいんでしょうか。
○関参事 新銀行のICカードが二つのタイプということでございますけれども、そもそも現在、ICカードの技術は大きく二つの流れがございまして、それぞれの技術の制約の中で事業を進めているところでございます。
現在、交通、具体的にはJRのSuicaでございますけれども、そうしたカードにつきましては、ICカードを進める過程では、当然、JR・Suicaのタイプ、Cカードと申しておりますけれども、そうしたカードという形を採用せざるを得ません。その他、事業の営業等の過程で広く流通しておりますのが、Bカードというタイプでございまして、こちらを非交通系、具体的には商業施設や行政施設等の利便性を確保するという形で、二つのカードを選択できるということでございます。
こうしたことによって、顧客利便性を可能な限り拡大していきたいということでございます。
○森田委員 もう既にカード社会になっている。今後ますますカードが我々の生活に密着してくることは、もう事実だと思います。もう今、JRに乗る場合も、Suicaで乗る人が大半だということを考えると、今後カードは進んでいくわけですが、この交通系と非交通系という二種類のカード、今の説明ですと、銀行のお金の引き出しと預金等と電車に乗る場合には交通系のカード、預金の引き出し、あるいは預金をする場合と買い物する場合は非交通系のカード、二種類のカードがあるようですが、一人の人が電車にも乗りたい、買い物にも活用したいという場合はどうなるんでしょうか。
○関参事 当然、交通系のカードにおきましても買い物等はできるわけですが、若干、その提携企業の関係から限定性がございますので、当面は、どちらか、二つのうちの一つをご選択いただいて、ご利用いただきたいというふうに考えております。
○津島理事 まず、このカードの前提として、キャッシュ機能とクレジット機能は両方持っておりますので、買い物は、日本全国あるいは海外でも同じようにできます。ただ、さらにポイント的なカードでの買い物をより重視した部分と、交通を重視した部分、ここで分かれるということでございまして、かなり共通部分についてのレベルというのが高くできるということは、このカードの特徴でございます。
○森田委員 要するに、二種類にした理由は何なのか。共通するんだったら一種類でいいと思うし、それから、二種類のカードを一人の人が持つことが可能なのか、あるいはどっちのカードかを選択するのか、それはどうですか。
○関参事 まず、二種類にした理由でございますけれども、基本的には、現在のICカードの技術が二つの体系になっているということで、それをそれぞれ取り込んだ形でやっていきたいということで、最大の顧客利便性を確保したいということでございます。
新銀行のカードにつきましては、そのどちらかの機能をご選択いただいて、お使いいただきたいというふうに、当初はそういう形でございますけれども、私どもの計画といたしましては、平成十八年度以降、十九年程度になるとは思いますけれども、すべてが一枚のカードで可能になるということで、マスタープランにもお示ししたとおりでございます。
○森田委員 十八年にはパスネットも使えるということは聞いています。そういう方向にやっていこうと。
ちょっと今答えなかったんですが、当初は、一人の人、仮に私、森田が交通系も欲しい、あるいはもう一つ買い物にも使いたい、二枚のカードを持つことは可能なのか。これは面倒くさいことですけれども、仮に二枚持つとしたら、それは可能なんでしょうか。
○津島理事 現在の銀行も、一つの口座で二枚のカードを持つことはできないんです。したがって、出発の段階では、一つの口座ではどちらかを選択していただくことになりますけれども、今後の今いったような技術の進歩を含めまして、一枚のカードで対応できるように進めていくということで考えております。
○森田委員 十八年ぐらいからそうなるんですかね。具体的にいうと、皆さん方が銀行の窓口にいるわけじゃないけれども、当初のころ、窓口で百万枚つくろうという予定ですよね。そうすると、カードが欲しいといった場合に、顧客、預金者に対して聞くわけですね。交通系がいいですか、非交通系がいいですかということを聞いた上でつくる、一つ一つその活用方法を説明する、こんな形になるんですか。
○関参事 基本的には、お客様にご選択いただくということになります。先ほども説明いたしましたとおり、交通の機能と若干のポイントの機能の違いがございますけれども、キャッシュレス決済等の機能はおおむね同様でございますので、その辺についてのご説明を申し上げた上で、ご選択いただくということになると思います。
○森田委員 一緒とおっしゃっているけど、多分使い勝手が違うんじゃないかな。片方は交通に重点を置いて、JRなり、あるいは私鉄に乗る場合はそのカードでいい。それと一緒にクレジット機能がついているだけ。もう片方は、もう少し買い物がしやすいようなカードになっているはず。じゃなければ、分ける理由がないんでね。そういうんでいうと、預金者、都民の側からすると結構わかりにくいし、面倒くさいカードかなというふうに思うんですけれども、もし間違っていたら、後で修正してください。
それともう一つは、クレジットカード、いろんなブランドがあるんだけれども、その中で、JCBと日本信販と契約をするというふうに出ているんですが、この二つだけにした理由と、もしかしたら今もう少し広げているのか、その辺はどうでしょうか。
○関参事 私どものカードにつきましては、顧客利便性を何よりも優先するということから、当初におきましては、最も使いやすい業界の状況等を踏まえまして、カードの提携先を選定したところでございまして、当面は、先生のご指摘の二社を中心に事業を実施していくということでございます。
○森田委員 それから、買い物をする場合の提携企業が幾つか出ておりますよね。JALだとか、三越だとか、これでいうと三六、三七ページ。三六が買い物系の図なんですけれども、ここには、デパート、三越とか、そういうところと契約をしているというふうに出ているんです。この契約企業というのは、商店まで広げようという考え方ですが、契約企業あるいは商店、この辺の広がりというのは、ここに出ている以上にもう少し広がっているとは思うんですけれども、その辺の具体的なものは発表できませんか。
○関参事 現在、さまざまな企業と提携の内容について詰めておりますけれども、相手先のご事情もございますので、現在のところ、合意を得て発表させていただいたのは以上のような企業でございます。
また一方で、私どもは、それぞれの企業ときっちりした提携関係を結ぶということで、選択と集中ということから、こうした企業群との提携を優先しながら事業を進めていきたいというふうに考えております。
○津島理事 先ほどの参事の説明で、日本信販とJCBだけかということでございましたけれども、日本信販とJCBと提携を行うんですけれども、これは、国際ブランドとしては、VISA、Master、JCBの三つのクレジットを利用できるようになっておりますので、契約は日本信販とJCBでございますけれども、VISA、Master両方使える形になっております。
○森田委員 先ほどの話に戻るんですが、交通系というのは非常にわかりやすいんですよね。既に私たちも使っているし、わかりやすい。この非交通系、先ほどは、契約した企業、提携企業等まだ発表できないというけれども、目標は持っていますよね。大体どの程度で、買い物系のカードが使えるようにするのか。その目標というのは、例えば十七年度中にはどのくらい、十八年度中にはどのくらいと、当然目標を持って進めていると思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
○関参事 既にこうした提携企業は、クレジット機能、デビット機能で多様なネットワークを持っております。こうしたネットワークのさらなる拡大という形で目標を設定しているところでございます。
○森田委員 目標を設定しているって、設定しているのはいいんだけれども、もう少し具体的に、どの程度の目標を持っているのか。
○津島理事 お答えが具体的になるかどうかなんですけれども、買い物をベースにするということは、つまりポイントといいますか、そういう利便性の交渉をしていかなければいけないということで、デパートも、それからほかの業についても、今いろいろ具体的に交渉しております。要は、生活のレベルの中で一番重要性があるといいますか、密着度があるようなところからやっていきたいというふうに考えておりまして、もちろん行政もそうでございますけれども、それを一つ一つ進めているという状況でございます。
○森田委員 例えばデパートでいうと、ここに明示されているのは三越だけですよね。デパートはいっぱいある。このデパートはほとんど使えるようになると思っていいわけですか。
○津島理事 まずクレジットとしての機能であれば、すべてのデパートが使えます。それで、このポイントをキャッシュカードで使えるという形は、今度は逆に、契約の相手方である三越側から見ると、ある種の顧客囲い込みといいますか、顧客についての営業戦略というのがあります。これがうまくマッチしなければいけない。それから、新銀行側にとってみれば、都民に一番広くシェアなり買い物枠なり、そういうものがあるところを選びたいということで、まず第一段はそういうところから選ぶ。それから、独占といいますか、三越自身の経営判断にもかかわるわけでございますけれども、相手方企業との関係で、これが開放的に関係を進めるということであれば、私どももだんだん広げていきたいという気持ちは強く持っております。
○森田委員 クレジット機能というのは、だったら交通系も非交通系も分ける必要ないんですよ。買い物中心としてやっているというんで、そういうカードをつくるというんだから、クレジットの場合は、例えば暗証番号入れて自分のサインやって、非常に面倒くさいわけでしょう。買い物系というのはもう少し簡単に買えるはずですよね。例えば、今世の中に広がっているEdyというカードがありますよね。EdyというのはSuicaみたいに五万円までチャージできる。Edyを使える店に行けば、例えばファミリーレストランでもいいし、あるいは何か小さな買い物をする場合でも、おつりが要らないわけですよ。そのカードをかざすだけで、もう決済できちゃう。これは非常に使い勝手がいいんではないかな。そういう方向にこの非交通系は持っていかないと、何のためのカードかなと。クレジットカードだったらもう新たにつくることもないし、新しいカードをつくる以上は、ユーザーが本当に使いやすいなと思えるようなカードを、Edyを推奨するつもりはありませんけれども、そういう方向性に持っていくことが新しいカードの展開じゃないかな。既成の銀行であればいいですよ。しかし、新しい銀行、そして東京都が出資してつくる銀行、そこには都民が、都民全部じゃないけれども、預金者が本当に使いやすい形をつくっていかないと、これは広がりができないんではないかな。そういう意味では、そういう方向性を持った検討をぜひしてもらいたい。
今のように、非交通系、交通系で、二枚持つのか一枚だけなのかよくわからない。それでいて、やがてはドッキングするといっても、いつになるかはわからない。こういうような形であると、本来この銀行が掲げている都民サービスあるいは預金者サービスという精神とはちょっと違うんじゃないかなという感じがするんですが、この辺はいかがでしょうか。
○関参事 現在の新銀行のカード戦略は、カードが提供するサービスの総体を、顧客にとって質量ともに最大にするということでございます。そのため、より利便性の高い提携サービスを導入するなどの努力を続けていく必要があると認識しております。
厳しい市場競争の中でございますけれども、ご指摘をしっかり踏まえさせていただいて、新銀行の総合的な戦略に基づいて、個々の具体的な事業内容を判断させていただきたいというふうに考えております。
○森田委員 ごまかされた感じです。
ICカードというのは、今さら皆さんにいうこともないけれども、すごくボリュームがあるわけだから、サービスを充実しようと思ったらできるはずですし、準備はもう進んでいるでしょうけれども、まだスタートしていない銀行ですから、本当に都民の側に立ったサービスということを前提に、すべての面で、カードに限らず進めていっていただきたいな。既成の銀行と同じようなことをやるんであれば--何かさっきいろいろ意見がありましたけれども、私は必要ではあると思いますよ。しかし、新しい銀行をつくる以上は、そういうサービスの機能まで含めて、しっかりと検討していただきたいと思います。
出納長としては最後のご答弁になるかもしれませんけれども、最後に、その辺の抱負を含めて、今後の決意をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大塚出納長 ICといいますか、IC関連といいますか、あるいはこの分野について森田副委員長の、今回に限らず、ずっとご指導をいただいてまいりまして、いつも敬服をしております。
先ほど、参事の方からご答弁申し上げましたけれども、確かにマーケットはあるわけでございますけれども、そのマーケットの制約条件の中で、いかに都民に利便性を、質、量含めて総合的にきちんと提供するか、これが新銀行のカードの目的でありますので、ご指摘を踏まえさせていただきまして、しっかりと検討していきたいというふうに思っております。
○近藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○近藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で出納長室関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時二分散会
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