財政委員会速記録第八号

平成十六年五月二十七日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十二名
委員長近藤やよい君
副委員長森田 安孝君
副委員長小美濃安弘君
理事松村 友昭君
理事川井しげお君
理事中村 明彦君
秋田 一郎君
鳩山 太郎君
執印真智子君
桜井良之助君
藤川 隆則君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長櫻井  巖君
経理部長佐藤  広君
契約調整担当部長小山 利夫君
主計部長熊野 順祥君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長江連 成雄君
参事三津山喜久雄君
建築保全部長福島 七郎君
コスト・調整担当部長松村 光庸君
参事南部 敏一君
主税局局長川崎 裕康君
総務部長菅原 秀夫君
税制部長川村 栄一君
参事関口 修一君
参事後関 治久君
課税部長吉田 勝武君
資産税部長安田 準一君
徴収部長小林 宣光君
参事齊藤 吉民君
出納長室出納長大塚 俊郎君
理事津島 隆一君
副出納長中路 有一君
副出納長宇藤 雅隆君
会計制度担当部長岳野 尚代君
参事関  敏樹君
参事吉田 長生君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
報告事項(説明)
・新銀行東京の開業準備状況について
・平成十五年度資金管理実績報告(年間及び第四・四半期)について
 財務局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都有特許権及び実用新案権の管理条例を廃止する条例
・環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)請負契約
・相生陸橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(十六 四-環八若木)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十一)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十二)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十四)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十五)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十六)請負契約
・東京消防庁本部庁舎(H十六)受変電設備改修工事請負契約
報告事項
・平成十五年度予算の繰越しについて(説明・質疑)
・地方分権改革に関する東京都の基本的見解について(説明)
 主税局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都都税条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
請願の審査
(1)一六第一二号 不動産取得税の低減を求める意見書提出に関する請願

○近藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、委員の退職について申し上げます。
 去る四月十八日付をもって、青木英二委員が公職選挙法第九十条の規定により退職した旨、議長から通知がありました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○近藤委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、ご紹介いたします。
 議事課の担当書記の山岸正幸さんです。同じく、議事課の担当書記の寺崎友子さんです。
 よろしくお願いします。
   〔書記あいさつ〕

○近藤委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、出納長室関係の報告事項の聴取、財務局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取、並びに主税局関係の提出予定案件の説明聴取及び請願の審査を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日は、提出予定案件及び平成十五年度予算の繰越しについてを除く報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、財務局関係の報告事項、平成十五年度予算の繰越しについては、説明を聴取した後、質疑終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い出納長室の幹部職員に交代がありましたので、出納長から幹部職員の紹介があります。

○大塚出納長 去る四月一日付で異動のありました出納長室の幹部職員をご紹介申し上げます。
 会計制度担当部長の岳野尚代でございます。参事で銀行設立準備担当の吉田長生でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○近藤委員長 紹介は終わりました。

○近藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中路副出納長 それでは、報告事項二件につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらんいただきたいと存じます。
 さきの第一回定例会にお諮りした平成十六年度予算案において都の出資に対するご承認をいただいた新銀行東京につきまして、その開業準備の状況をご説明申し上げます。
 まず、1の新銀行東京の発足についてでございます。
 都は、平成十六年四月一日に、ビー・エヌ・ピー・パリバ信託銀行を二十二億八千八百万円で買収し、株式会社新銀行東京が正式に発足いたしました。
 なお、新規の預金業務や融資業務等を開始する本格開業は平成十七年四月以降を予定しており、平成十六年度はその準備期間としております。
 次に、2の信用金庫との包括提携契約の締結についてでございます。
 新銀行東京は、都内に本店を置く全信用金庫等で構成する社団法人東京都信用金庫協会と、平成十六年五月二十四日付で業務提携に関する協定を締結いたしました。
 協定締結の目的は、中小企業等に対する支援のため、金融・資本市場を創造、育成することなどを通じて、地域金融機関である信用金庫と新銀行東京とが相互の連携を強化することでございます。こうした取り組みによりまして、地域経済の活性化と地域金融の円滑化を図ってまいります。
 業務提携の内容は、中小企業等に対する金融商品に関する調査、企画、融資手法の開発、審査、管理、回収、協調融資、保証、事業評価など多岐にわたる業務を含んでいるほか、人事交流等につきましても提携をしております。
 各信用金庫との契約は、本協定に基づき、今後、それぞれの地域性やニーズ等を勘案し、個別に締結してまいります。
 一枚おめくりください。
 次に、3の行員の採用についてでございます。
 新銀行東京では、平成十六年度中の開業準備作業の実施及び平成十七年四月以降の本格開業に向けて、その体制を整えるため、四月に行員の募集を行いました。
 初めに、(1)の応募状況でございますが、法人営業、リテール営業などの職種で募集を行ったところ、合計で、採用予定者数百名に対し、応募者数五千百二十七名という大変多数の応募がございました。
 (2)の応募者の出身内訳につきましては、銀行関係、証券・生命保険などの銀行以外の金融関係、製造業・商社などの一般企業から、それぞれ約三分の一ずつの応募がございました。
 (3)の採用時期についてでございますが、書類選考、面接を経て、平成十六年六月以降、順次採用する予定でございます。
 最後に、4の今後のスケジュールでございますが、平成十六年六月の定時株主総会での議決を経て、委員会等設置会社に移行し、八月には、現在第一本庁舎三十五階にある開業準備室を、本店となる千代田区大手町の大手センタービルへ移転する予定でございます。このようにいたしまして、平成十七年四月以降の開業に向けまして着実に準備を進めてまいります。
 続きまして、平成十五年度の年間及び第四・四半期の資金管理実績についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第2号をごらんいただきたいと存じます。
 1の概要でございますが、平成十五年度は、東京都におけるポートフォリオ及び平成十五年度資金管理計画に基づき、歳計現金の保管並びに基金の運用を行ってまいりました。
 また、基金につきましては、新たに取り組みを始めました債券の入れかえや資産担保コマーシャルペーパーの購入を積極的に行うなど、効率的な運用に努めてまいりました。
 次に、運用の実績でございますが、一枚おめくりいただきまして、上の表が年間の実績でございます。
 上段の歳計現金等につきましては、年間の期中平均残高は三千三百七十億円となっており、下の表、十四年度の五千五百五十八億円に比べ、二千百八十八億円、率にして三九・四%減少しております。運用利回りは、右側に記載してあるとおり、〇・〇〇七%となっております。
 中段の基金につきましては、年間の期中平均残高は一兆一千七百三十五億円となっており、十四年度の一兆三千五百九十三億円に比べ、一千八百五十八億円、率にして一三・七%減少しております。年間の預金と債券の配分は、預金が六千二十五億円、債券等が四千九百九十七億円で、この割合は五五対四五となりまして、配分割合の目標でございます五対五とおおむね同等となりました。年間の運用利回りは〇・一二八%となっております。
 一枚おめくりいただきまして、上の表が平成十五年度第四・四半期の実績でございます。
 上段の歳計現金等につきましては、運用利回りは〇・〇〇七%、中段の基金につきましては、運用利回りは〇・一四一%となっております。
 恐縮でございますが、もう一枚おめくりいただきまして、預金先の金融機関種別内訳でございます。
 上段の歳計現金等の保管先につきましては、年間を通じてすべて都市銀行となっております。
 中段の基金の運用先につきましては、年間では、都市銀行二九・〇%、信託銀行四九・三%、その他二一・七%となっております。
 資金管理につきましては、引き続き安全性、流動性を確保しつつ、より効率的な運用を行ってまいりたいと存じます。
 以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○近藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○松村委員 新銀行関係で二点お願いします。
 一つは、税務協会への委託費を含めて、これまでにかかった経費の内訳。
 二つは、パリバ銀行の買収費用を初め、新銀行開業までの経費。予定経費も含めて詳細について。
 この二点をお願いします。

○近藤委員長 ほかにはございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 ただいま松村理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上をもって出納長室関係を終わります。

○近藤委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い財務局の幹部職員に交代がありましたので、局長から幹部職員の紹介があります。

○櫻井財務局長 去る四月一日付で異動のありました財務局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 参事、技術管理担当の南部敏一でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○近藤委員長 紹介は終わりました。

○近藤委員長 次に、第二回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○櫻井財務局長 財務局所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております提出予定議案件名表をごらんいただきたいと存じます。今回の提出予定案件は、条例案一件、契約案八件の計九件でございます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 資料第1号の東京都有特許権及び実用新案権の管理条例を廃止する条例でございます。
 これは、都が所有する知的財産権の有効活用を図るとともに、都の産業振興等の観点から、より柔軟に活用していくために条例を廃止し、あわせて所定の規則を整備するものでございます。
 次に、契約案についてご説明申し上げます。
 契約案は、土木工事が一件、設備工事が七件で、合わせて八件でございます。これらの契約金額は、合計で約百三十四億円でございます。
 以上が概略の説明でございますが、引き続きまして、これらの詳細につきまして所管の部長から説明をいたさせますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小野田財産運用部長 資料第1号につきましてご説明を申し上げます。
 この資料は、東京都有特許権及び実用新案権の管理条例を廃止する条例についてでございます。
 東京都におきましては、中小企業の育成を主眼といたしまして、都が保有する知的財産を有効活用していくこととしております。しかし、現在の東京都有特許権及び実用新案権の管理条例は昭和二十六年に制定されたものでございまして、例えば、都が保有する特許の使用料を中小企業の実態に即して柔軟に設定することが困難なこと、あるいは、都と共有で特許を取得しても、実用化に当たってその企業だけに都の共有特許を使わせる専用実施権の規定がないため商品化が進みにくいなどの問題がございます。
 また、国においては、変化の激しい知的財産制度に柔軟に対応するため、法令ではなくガイドラインによりまして特許権等の管理処分ができることとなっています。また、他のほとんどの自治体も、条例ではなく規則等で管理処分を行っています。
 これらを踏まえまして、今回、条例を廃止していただきまして、規則と要綱により、市場や技術の動向に柔軟に対応しながら、知的財産の活用を進めていきたいと考えています。
 あわせて、現在財務局が所管しております、処分を含めた知的財産の活用権限を所管局に移譲いたしまして、産業労働局など各局において、都が保有する知的財産を産業振興などに柔軟に活用していけるよう、規則も改正していく予定でございます。
 条例の廃止という形で提案をさせていただいておりますが、内容といたしましては、都が保有する知的財産権を中小企業育成のために柔軟に生かしていくための規定の整備と考えております。
 よろしくご審議をお願い申し上げます。

○佐藤経理部長 第二回定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の概要について、資料第2号によりご説明申し上げます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、工事請負契約議案一覧をお開きいただきたいと思います。
 初めに、上段、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計八件、契約金額の総額は百三十三億六千五百二十四万円でございます。契約の方法は、提出予定の八件すべてにつきまして、一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明申し上げます。
 番号1は、港区東新橋二丁目地内に、仮称でございますが、環二地下トンネルを築造するものでございます。
 番号2は、鋼けた工事で、板橋区若木三丁目地内から同区相生町地内にかけて、これも仮称でございますが、相生陸橋の鋼けた及び鋼支柱を製作・架設するものでございます。
 番号3から番号7は、日暮里・舎人線の鋼けた工事でございまして、番号3は、荒川区東尾久四丁目地内から同区東尾久五丁目地内にかけて、また番号4は、荒川区東尾久五丁目地内から同区東尾久八丁目地内にかけて、また番号5は、足立区扇二丁目地内から同区扇三丁目地内にかけて、番号6は、足立区江北一丁目地内から同区西新井七丁目地内にかけて、それぞれ鋼けた及び鋼支柱を製作・架設するものでございます。番号7は、足立区舎人公園地内から同区入谷一丁目地内にかけて、鋼けたを製作・架設するものでございます。
 番号8ですが、千代田区大手町一丁目三番五号にあります東京消防庁本部庁舎の受変電設備を改修するものでございます。
 以上、それぞれの契約の相手方は、表の右側の欄に記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページ、このページから五ページには、案件ごとに件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願い申し上げます。
 また、各案件の入札の経過等につきましても七ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
 以上が今回提出を予定しております契約議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○近藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○近藤委員長 次に、理事者から報告の申し出があります。

○熊野主計部長 お手元の資料第3号に基づきまして、平成十五年度予算の繰り越しについてご説明を申し上げます。
 これは、一般会計及び特別会計の繰越明許費に係る繰り越し並びに事故繰越についてでございまして、いずれも地方自治法施行令の規定に基づきまして議会にご報告するものでございます。
 まず、一ページをごらんいただきたいと思います。これは一般会計の繰越明許費に係る繰り越しでございます。
 繰り越しをいたしました事業は、左上の区分欄に款と事業名がございますが、土木費の街路整備など全体で三十事業でございます。表の一番下に合計欄がございますが、今回繰り越しをいたしました事業に係る予算現額は五千八百四十九億三百万、これに対しまして繰越明許費として議決いただいた額が、その右側でございますが、八百八十三億九千百万円、そのうち繰り越しをいたしました額は五百五十六億一千八百万円でございます。
 次に、二ページをお開きいただきたいと思います。二ページは特別会計に係る繰越明許費でございます。
 繰り越しをいたしました事業は、都営住宅等事業会計、用地会計など四会計四事業でございます。一番下の合計欄でございますが、予算現額が二千二百九十九億九千七百万円、繰越明許費として議決いただいた額が二百五十七億六千万円、そのうち翌年度に繰り越しをいたします額が百六十億二千百万円でございます。
 次に、三ページ目でございますが、一般会計の事故繰越でございまして、環境費の粒子状物質減少装置の装着促進など六事業でございます。翌年度に繰り越しをいたしました額は、合計で三十三億一千五百万円でございます。
 次に、四ページをごらんいただきたいと思います。特別会計の事故繰越でございまして、繰り越しをいたしました事業は用地会計の公共用地先行取得事業でございます。翌年度に繰り越しました額は一億四千五百万円でございます。
 以上でお手元の資料の説明を終わらせていただきますが、このほかに、当委員会の所管ではございませんので資料はお配りしてございませんが、公営企業会計の建設改良費繰越及び事故繰越といたしまして、中央卸売市場会計など七会計で合わせて二百九十億六百万円の繰り越しがございます。これらにつきましても、今回の議会にあわせてご報告させていただくこととしております。よろしくお願い申し上げます。

○近藤委員長 報告は終わりました。
 ただいまの報告に対し質問等がありましたら、発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 なければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○近藤委員長 次に、「地方分権改革に関する東京都の基本的見解について」を聴取いたします。

○熊野主計部長 去る五月十四日、財務局及び知事本局、主税局と共同で、お手元に配布してございます資料第4号地方分権改革に関する東京都の基本的見解を発表いたしました。これにつきまして、今回、あわせて三枚つづりの概要版をお配りしていると思いますが、そちらをごらんいただきながら説明を申し上げたいと思います。
 この基本的見解は四章立てになっておりまして、まずⅠ章は、「この国のかたちをかえる」と題して、いわば歴史認識をお示ししてございます。
 一項目めは、「中央集権・官治の統治システムは、歴史的な使命を終えた」でございまして、ここでは、地方交付税制度や国庫補助負担金など旧来のシステムは、国民が一定水準のサービスを享受できるようにする上で大きく貢献をしてまいりましたが、社会の変動によって歴史的使命を終えたことなどを述べております。
 二つ目の項目が、「大都市と地方が共存共栄するシステムをつくり出す」ということでございますが、大きな社会変動に対応いたしまして、大都市が先頭に立って我が国の発展を促進し、地方も地域の個性を発揮して、みずからの足で立ち、大都市とともに共存共栄するシステムをつくり出すことが必要であることを述べております。
 その一方で、地方分権の本旨に即した新たな財政調整制度の必要性を認め、さらに、いわゆる東京ひとり勝ち論は的外れの議論であるとの主張を展開してございます。
 三つ目の項目が、「地方の自主・自立が日本を再生させる」ということでございまして、地方の自主自立の営みの総和が国を支える新たなシステムへと、この国の形を変えることが日本再生への道筋であることを述べております。
 右側へ参りまして、第Ⅲ章でございますが、「自治を破壊し、膨大なムダを生んでいる地方財政制度」といたしまして、現行制度の問題点について記載してございます。
 まず、一項目めが、「国による、全国画一基準・フルセットの事業メニューが、自治の発展を妨げている」ということで、そこに書いてあるような、高速道路、新幹線、空港等々を初め、国が全国画一の基準、フルセットの事業メニューを展開していることが、地域の実情を無視した膨大なむだの発生と没個性的なまちを生んでいるとの主張を展開してございます。
 二項目めが、「国税の相当部分を国が地方に配分する仕組みが、地方支配・国依存の構造を温存している」ということで、経済活動が活発な大都市圏を中心に納められた国税の相当部分を国が地方に配分するシステムが、日本の発展を阻害し、国による地方支配と地方の国依存の構造を温存する結果をもたらしていると考えております。
 三つ目の項目が、「交付税制度は、本来の目的から逸脱し、景気対策、減税補てん、政策誘導で水ぶくれして、膨大な借金を残した」ということで、まず、国が交付税の本来の目的を逸脱して、国の景気対策あるいは減税補てんなどに利用した結果、水膨れした交付税の現状を、下の左の図でお示ししてございます。それから、その結果、交付税制度に百二十兆もの膨大な借金が積み上がって既に破綻状態であることを、右の表でおわかりいただけると思いますが、記載してございます。
 二ページをお開きいただきたいと思います。四つ目が、「国による過剰な再配分が大都市圏の活力を十分に発揮させていない」という項目で、人口一人当たりの納税額と実質的配分額の逆転状況を示し、その結果、大都市における投資が阻害され、大都市の活力を低下させているということを述べてございます。
 Ⅲ章に移ります。
 Ⅲ章は、「地方分権改革、東京都はこう考える」といたしまして、都の考える地方分権改革の内容につきまして記載してございます。
 まず、一項目めが、「国のかたちをかえることが改革の本旨である」ということで、国の役割を明確にした上で、地方がみずからの足で立ち、みずからの頭で考えることのできる仕組みを構築することが地方分権改革の本旨であることなどを主張しております。
 二つ目の項目が、「自立と自己責任を基本に、地方の知恵と力が発揮できる仕組みをつくる」ということで、改革の具体的内容を一体として実施すべきことを提案してございます。
 各項目についてブレークダウンしてございますが、2-(1)で、国の責務である基礎的行政サービスは国が全額負担し、その他の国庫補助負担金については全廃すべきであるという項目で、生活保護あるいは義務教育など、国民生活の基盤を支える行政サービスについては、国がその財政責任をすべて負って全額負担するとともに、国庫補助負担金については廃止すべきことを提案してございます。
 2-(2)では、「基幹税による税源移譲を実施すべき」ということで、国と地方の役割分担を明確にした上で、地方の事務と権限に見合う税源が、基幹税である所得税、消費税により移譲されるべきことを提案してございます。
 2-(3)では、「新たな財政調整制度を導入すべき」ということで、税源移譲を行っても財政的自立が困難な自治体に対して、現行制度を抜本的に見直した新たな財政調整制度の導入について提案してございます。
 2-(4)では、「地方交付税制度に累積した百二十兆円の借金について、国は解消策を示せ」ということで、交付税制度に累積した膨大な借金解消策の具体的な措置を示すことを国に求めております。
 三項目めでございますが、「改革を進める上での課題」ということで、国と地方の歳出構造と国の役割のあり方など、今後の検討課題につきまして記載をしてございます。これらにつきましては今後検討を進めまして、この秋にも制度構築に向けた具体的な提案を行う予定でございます。
 三ページをお開きいただきたいと思います。第Ⅳ章でございます。
 こちらは、来月上旬にも経済財政諮問会議が策定すると聞いております骨太の方針二〇〇四に向けた緊急提言でございます。当面必要な最低限の事項について緊急に提言を行ったものでございます。
 下の表をごらんいただきたいと思いますが、まず税源移譲では、当面の優先課題として、国税と地方税の比率が一対一となるよう、基幹税である所得税、消費税による六・七兆円の税源移譲を行うことを提言してございます。
 それから、真ん中の国庫補助負担金の改革では、国と地方の役割分担等に即した見直しを行い、奨励的国庫補助金の原則廃止、あるいは国庫負担金につきましては、国が特に責任を持つべきものを除いて廃止、十五、十六に行った義教の国庫の一般財源化については復元、こういったことによりまして三・五兆円の削減を行うことを提言してございます。
 それから、右端でございますが、地方交付税等の改革では、今申し上げた税源移譲、国庫補助負担金の削減効果などを交付税に反映させることなどによって、四・六兆円の削減を行うことを提言してございます。
 これらの提言で見込まれる効果は、下に書いてございますように、国、地方を合わせて一・四兆円のスリム化が可能になる、国、地方を通じてのスリム化に寄与するというふうに考えてございます。
 それから、右上に参りまして、本文では参考資料としておつけしてございますが、四月二十六日の経済財政諮問会議で発表されました総務大臣案、いわゆる麻生プランと、それに対する財務大臣意見書、これらの問題点をまとめてございます。ごらんいただきたいと思います。
 以上、雑駁ではございますが、説明を終わります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○近藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上をもって財務局関係を終わります。

○近藤委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い主税局の幹部職員に交代がありましたので、局長から幹部職員の紹介があります。

○川崎主税局長 去る四月一日付をもちまして異動がございました主税局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 税制部長の川村栄一です。資産税部長の安田準一です。参事で特別滞納整理担当の齊藤吉民です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○近藤委員長 紹介は終わりました。

○近藤委員長 次に、第二回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○川崎主税局長 第二回定例会に提出を予定しております主税局関係の条例案及び専決処分の報告・承認案につきまして、概要をご説明申し上げます。
 本年三月、第百五十九回国会において地方税法の一部が改正されました。今回提出する案件は、いずれもこの改正に伴う東京都都税条例の改正でございます。
 初めに、東京都都税条例の一部を改正する条例案でございます。
 生計同一の妻に対する個人都民税均等割の経過措置の創設、自動車税のいわゆるグリーン税制の延長等を内容とするものでございます。
 次に、専決処分の報告・承認案でございます。
 地方税法の改正に伴い東京都都税条例の改正を必要とする事項のうち、急施を要する部分につきましては、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく知事の専決処分により、所要の措置を講じ、本年四月一日に条例第百十二号として公布、施行させていただきました。主な改正項目は、狩猟税の創設、自動車取得税に係る課税標準の特例措置の延長等でございます。
 以上、簡単ではございますが、第二回定例会に提出を予定しております条例案及び専決処分の報告・承認案に関する概要の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては税制部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川村税制部長 引き続きまして、お手元の資料に従いまして、第二回定例会に提出を予定しております条例案及び専決処分の報告・承認案の詳細をご説明申し上げます。
 初めに、東京都都税条例の一部を改正する条例案について申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)の概要をごらんいただきたいと存じます。
 改正内容の一点目は、個人都民税において、夫と生計を一にする妻に対する均等割の非課税措置が廃止されたことに伴い、平成十七年度分の税率を、本則税率千円から五百円に軽減する経過措置を設けるものでございます。
 二点目は、自動車税におけるいわゆるグリーン税制について、低公害車の普及状況等を踏まえ、軽課の対象等を見直した上、適用期限を平成十八年度まで二年延長するものでございます。
 なお、お手元には資料第2号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)関係資料をお配りしておりますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 続きまして、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき知事が専決処分いたしました、東京都都税条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号、東京都都税条例の一部を改正する条例の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、不動産取得税についての改正でございます。
 一点目は、土地の有効利用の促進等に資するため、新築特例適用住宅用土地に係る税額の減額措置について、適用要件を緩和する措置の適用期限を二年延長したものでございます。
 二点目は、密集市街地における防災街区の整備促進に資するため、防災街区整備事業組合等が防災建築物またはその敷地を取得し、一定期間内に組合員等に譲渡した場合に、納税義務を免除する措置を講じたものでございます。
 次に、狩猟税でございます。
 狩猟者登録税及び入猟税を統合し、目的税として新たに狩猟税を創設したものでございます。
 最後に、自動車取得税でございます。
 一点目は、低燃費車に係る課税標準の特例措置について、普及状況等を踏まえ、排出ガス性能及び燃費性能を基準に対象を限定し、価格からの控除額を三十万円または二十万円の二段階に変更した上、適用期限を二年延長したものでございます。
 二点目は、平成十七年度排出ガス規制適合ディーゼル車について、その早期取得を促進するため、平成十六年四月一日から平成十七年九月三十日までの間に取得した場合に、税率から二%または一%を控除することとしたものでございます。
 なお、お手元には資料第4号、東京都都税条例の一部を改正する条例関係資料をお配りしてございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単でございますが、第二回定例会に提出を予定しております条例案及び専決処分の報告・承認案についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○近藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○近藤委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願一六第一二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○安田資産税部長 一六第一二号、不動産取得税の低減を求める意見書提出に関する請願についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会付託請願審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 本件請願の趣旨は、無番地国有地を購入したときの不動産取得税の課税額について、固定資産評価基準をもとに計算するのではなく、実際の購入価格をもとに計算することにより低減するよう、国への意見書の提出を求めるものでございます。
 不動産取得税の課税標準となる価格につきましては、地方税法において、固定資産課税台帳に価格が登録されている不動産については当該価格により、固定資産課税台帳に価格が登録されていない不動産については固定資産評価基準に基づき、都道府県知事が価格を決定する旨定められております。この規定に基づき、無番地国有地の価格については、固定資産評価基準に基づき決定されております。
 本件請願についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○近藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 発言がなければ、お諮りします。
 本件は保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第一二号は保留といたします。
 以上で請願の審査は終了しました。
 主税局関係を終わります。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十三分散会

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