財政委員会速記録第三号

平成十六年三月五日(金曜日)
第二委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長近藤やよい君
副委員長森田 安孝君
副委員長小美濃安弘君
理事松村 友昭君
理事川井しげお君
理事中村 明彦君
秋田 一郎君
鳩山 太郎君
執印真智子君
桜井  武君
藤川 隆則君
青木 英二君

 欠席委員 一名

 出席説明員
財務局局長櫻井  巖君
経理部長佐藤  広君
契約調整担当部長小山 利夫君
主計部長熊野 順祥君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長江連 成雄君
参事三津山喜久雄君
建築保全部長福島 七郎君
コスト・調整担当部長松村 光庸君
参事齊間 孝一君
主税局局長川崎 裕康君
総務部長菅原 秀夫君
税制部長三橋  昇君
参事関口 修一君
参事後関 治久君
課税部長吉田 勝武君
資産税部長山本 武志君
徴収部長小林 宣光君
特別滞納整理担当部長尾芦 健二君
出納長室出納長大塚 俊郎君
理事津島 隆一君
副出納長中路 有一君
副出納長宇藤 雅隆君
参事岳野 尚代君
参事関  敏樹君
収用委員会事務局局長山内 隆夫君
参事三枝 秀雄君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 平成十五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 出納長室所管分
 主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 平成十五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳入、歳出 主税局所管分
 収用委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 平成十五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 収用委員会事務局所管分
 財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 平成十五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、予算総則、歳入、歳出 議会局・財務局所管分、都債
・第百四十号議案  都立世田谷地区工業高等学校(仮称)(十五)増改築及び改修工事(その二)請負契約
・第百四十一号議案 都営住宅十五H-一〇三東(百人町四丁目第三)工事請負契約
・第百四十二号議案 都営住宅十五H-一〇二北(村山)工事請負契約
・第百四十三号議案 平成十五年度新海面処分場Gブロック西側護岸地盤改良工事請負契約

○近藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、所管四局の付託議案の審査を行います。
 なお、付託議案のうち契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案、補正予算(第五号)中、歳出、出納長室所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 発言がなければ、お諮りします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で出納長室関係を終わります。

○近藤委員長 これより主税局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案、補正予算(第五号)中、歳入、歳出、主税局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○近藤委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案、補正予算(第五号)中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○近藤委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案、補正予算(第五号)中、予算総則、歳入、歳出、議会局・財務局所管分、都債及び第百四十号議案から第百四十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 今回の補正予算の柱として、都市再生への取り組みと将来の財政運営への備えがここで挙げられておりますが、今年度は、銀行税の条例改正また都税の還付など、例年にはない補正予算が続いた後、歳出の見直しにも踏み込んで、私は一生懸命努力された補正予算だと考えております。
 そこで、まず、十五年度最終補正予算の基本的な考え方について改めてお伺いしたいと思います。

○熊野主計部長 十五年度の最終補正予算案につきましては、三つの柱を基本として編成をいたしました。
 一つは、国庫補助金の獲得増を活用いたしまして、都市再生などの緊急課題に対して、十六年度予算と合わせまして積極的に取り組むこと。それから、二つ目といたしまして、都税収入の増加への対応、あるいは歳出の精査などにつきまして必要な補正措置を講じるとともに、設置目的が薄れた果実活用型三基金を廃止すること。いわば整理のための補正。それから、三つ目といたしまして、こうした精査の結果として生じた財源につきまして、財政調整基金への積み立てを行い、将来の財政運営に活用可能な基金の残高確保を図ること。以上の三つでございます。

○秋田委員 昨年も私は財政委員会でございまして、そのとき補正予算についても質問させていただいたんですが、昨年の補正予算は国の経済対策にも連動したものだったと思うんですが、今回国がまず経済対策を行ったのかどうか、この間の経緯を教えてください。

○熊野主計部長 国の補正予算の状況でございますが、お話しのとおり、十四年度につきましては、構造改革推進型の公共投資の促進など、景気対策に重点を置いたものとなってございました。
 これに対しまして、今年度の補正、十二月の補正でございますが、義務的経費の追加、それから災害対策費、それからイラク復興支援の経済協力費などから成る補正を組みましたけれども、景気は持ち直しているという経済情勢の認識に基づきまして、特別な経済対策を行っていない状況にございます。

○秋田委員 今の部長のお話ですと、景気が何となくよくなり始めたので、国の方は経済対策を行っていない、こういうお話だったと思うんですが、そういった中で、補正予算で公共投資を計上した理由はまず何かというのが一点。二点目として、なぜ都市再生の予算を補正したのかをしっかりと説明していただきたいと思います。

○熊野主計部長 まず、私どもの経済に関します認識でございますが、ご案内のとおり、景気はようやく回復基調にあるとはいえ、その動きはまだ確たるものではございません。依然として先行きは不透明、不安が残ってございます。こういうときにこそ、工夫を凝らしてこの回復基調を支えていくことが必要であるというふうに考えてございます。こうした認識のもとに、各事業局の努力などもございまして、国庫支出金の内示増を獲得いたしまして、補正予算を編成して、都市の活力を再生するための投資効果の高い事業に積極的に取り組むことといたしました。
 今回の補正予算では、公共交通網あるいは骨格幹線道路の整備、それから災害復旧事業などの緊急課題に対応いたしまして、十六年度予算と合わせて東京の社会資本の整備に必要な事業量を確保するということ、それとあわせまして、年度初めの端境期における事業執行の平準化を図ったところでございます。
 こうした取り組みは、限られた財源を最大限有効に活用しまして、都民ニーズにこたえて、景気回復ひいては東京の活力の再生につながるものと信じております。

○秋田委員 昨年のちょうど補正予算のころは、消費者物価指数が三年連続で過去最大の下げ幅を記録し、十五年度の政府経済見通しは、GDPが実質〇・六%、名目がマイナス〇・二%と見込まれるような深刻な状況であったと、当時の私の質問に対して昨年の松澤主計部長の方からお答えいただいているんですが、確かに、それに比べますと経済は持ち直してきたのかな。実際、株価も一万一千四百円を超えているということで、何となく明るい感じはしてきたのかなと思いつつも、実際、では、私の周りの中小企業の皆さんを初め、そういった景気の回復基調を実感しているのかといえば、全く実感していないというのが現実であり、昨年と比べてどうなのかといえば、そんなに変わった話ではないというのが実情だと思います。
 こうした中、国の経済対策に頼らず、東京都が直面する緊急課題に積極的に取り組んで、この補正予算でも経済対策としてやっていくということは非常に評価したいと思うんですが、都市再生などの公共投資の追加は国庫補助事業が中心だと思うんですが、補助事業の割合はどうなっているんでしょうか。

○熊野主計部長 今回の補正予算では、都市再生など緊急課題への取り組みとして八百億円を計上してございますが、そのうち投資的経費は六百十一億円でございます。さらに、この六百十一億円の約六五%に当たる三百九十六億円が国庫補助事業でございまして、この財源として二百五億円の国庫支出金を確保してございます。

○秋田委員 国庫支出金を確保して、おくれている東京の都市基盤の整備を推進していこうということだと思うんです。実際、何度も何度も昨年の話を引用させていただいて申しわけないんですが、都市基盤というのは、地方の方々がいうほど、私は東京というのは整備されていないと思うんです。毎日職員の皆様も本当に込んだ電車に乗ったり、あるいは休日も、マイカーで運転されるときも混雑した道路の中走っていらっしゃるんでしょうから、都市基盤の整備というのは本当に一生懸命これからも頑張っていただきたいなと思うわけです。
 ところで、この補正予算の財源としては、国庫補助金とともに都債を計上していますが、今回の最終補正予算における都債計上の基本的な考え方を確認させていただきたいと思います。

○熊野主計部長 今ご指摘いただきましたように、今回の補正予算では、国庫支出金などの財源確保を図った上で五百十二億円の都債を計上いたしております。
 都債につきましては、これまで、将来の公債費負担に十分配慮して、極力発行の抑制を図ってきておりますけれども、今回の補正予算におきましても、こうした考え方に立って、公共交通網の整備、あるいは道路、公園の整備、災害復旧、さらには東京港の水際対策の強化など、都民生活に密接に関連する事業に適切に都債の活用を図ったところでございます。

○秋田委員 今の部長のお話ですと、今回の補正予算で、都債は都市再生事業など緊急に実施すべき事業の財源として使っている、それは、公共交通網や道路などの整備だけじゃなくて、東京の安心・安全を確保するためにも使っている、そういった役割を担っているということなんですが、一方で、私どものような若い世代にしますと、都債の発行というものに対して、後々の財政的な負担になっていくというおそれもあるわけです。この点については十分考慮する必要があるというのは、部長がお話をされなくても、全都庁的に認識されていることだと思うんです。
 そこで、質問させていただきますと、十五年度の同時補正予算での起債依存度は七・六%で、全国の道府県を含めても最も低かったという発言は、代表質問、一般質問の中で局長の方からお答えいただきましたが、起債依存度の水準は、他の自治体と比べて、今回の起債によってどういった順位づけになるのかを確認させてください。

○熊野主計部長 十五年度の同時補正後の予算の起債発行額四千三百五十億に、今回の最終補正予算の五百十二億を合わせた都債計上額が四千八百六十二億となってございます。起債依存度は、同時補正後予算の七・六%から、今回上積みしたことによりまして八・〇%と〇・四ポイント上昇することとなってございます。他の道府県の最終補正後の起債依存度はまだ公表されてございませんので、各都道府県の当初予算ベースの起債依存度と比較して申し上げると、〇・四ポイント上昇した後でも、四十七都道府県の全体で一番低い数値となっております。

○秋田委員 依然として全国の都道府県で一番低い水準だということですので、それは今後も堅持していただきたいなと思います。いろいろな考え方があると思うんですが、都債は何でも発行しなければいいというものでは私はないと思います。世代間公平という観点もありますし、ただ、先ほども申し上げましたとおり、適切に今後も発行していただかなければ、まだ若い世代に負担を過重に残すことになりかねないのかなと思いますが、その点でも頑張っていただきたいなと思っております。
 次に、財政調整基金の積み立てについてお伺いさせていただきたいと思います。
 銀行税の条例改正に伴い、財政調整基金の残高は大きく減少して、東京都の財政規模からいえば過小といわざるを得ない水準となっていたと思います。今回の積み立てで、十六年度末の基金残高は、社会資本等整備基金と合わせて何とか一千億円を超える水準となりました。安定した財政運営のために少しでも財政調整基金を積み立てておくということは、前回だか前々回だか忘れちゃいましたけれども、私もかねてより主張させていただいたところでございます。財政調整基金は都にとってはいわばとらの子の、何かあったときの本当に大切な基金でございますが、この積み立てはどのようにして可能となったのかをご説明いただければと思います。

○熊野主計部長 積み立ての財源でございますけれども、まず、都税の増収分、これに加えまして、歳出予算の執行を精査いたしまして、給与のベースダウンあるいは事業の実績減、こういったことによって現時点で明らかに不用額が見込まれる事業費を減額補正することによって生み出したものでございます。
 ご指摘のように、年度間の財源調整の役割を果たす財政調整基金の充実強化は、今東京都にとっては、その額が非常に少ないということ、それから景気の動向を受けやすい財政構造にあるということを考えて、喫緊の課題でございます。今回はまさに財源をかき集めて四百二十四億円の積み立てを行うこととしたものでございます。

○秋田委員 東京都も打ち出の小づちを持っているわけではございませんから、補正予算における歳出予算の精査というのは、限りある財源を本当に有効に使っていく上で大変必要なことだと思っております。最終補正予算では、必要なものは必要としてしっかり、ちょっと時代に合わなくなったものは思い切って減額あるいはカットするという大胆な改革が私は必要なんだと思うんです。
 最後に、今回の補正予算における都市再生などは緊急に取り組むべきものであり、議会としても、中途議決を予定して、速やかな執行を求めていきたいと思います。そこで、財務局長に万全な執行に向けての決意を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。

○櫻井財務局長 今回の補正予算では、厳しい財政状況の中ではありますが、明るい兆しが一部見え始めてきました東京の経済をより力強い回復基調に導くとともに、東京の再生を進めていくため、投資効果の高い都市再生など、現下の緊急課題に積極的に取り組むこととしたところであります。また、将来の財政運営にも配慮しまして、今お話し申し上げましたように、財政調整基金を積み増ししまして、今後の財政運営の一層の安定化も目指したところであります。
 今後、この補正予算につきまして、各局とともに速やかな執行に努め、十六年度予算とともに一体となった切れ目のない取り組みを行い、本予算の目的が十二分に達成されるよう万全な執行に全力を挙げてまいります。

○松村委員 私からも、補正予算の総則に関連して、補正予算全体を幾つか質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、この大変な不況に加えて、小泉政権が昨年来相次いで打ち出している方向というのが、医療や年金の改悪、それから、新たに配偶者特別控除が廃止になるとか、いわゆる増税。これらを合計しますと、新たに七兆円もの負担増が国民生活に襲いかかろうとしております。
 こういうときにこそ、本来の自治体としての役割を発揮しなければならない。憲法や地方自治法にうたわれている自治体としての福祉の増進を初めとする、都民の暮らしなどを守る緊急施策だというふうに思います。都民も当然都政に求める緊急課題は、雇用や住宅、福祉や暮らしの分野における都民生活への応援を求めているというふうに思います。また、そのことが消費不況といわれる状況を打開でき、景気回復、そして、そのことによってまた都財政の立て直しも図れるというふうに、従来から私も、我が党も主張しているところです。
 そういう点で、改めて、十五年度、二〇〇三年度の補正予算を見ますと、そういう都民の切実な要望に果たしてこたえるものになっているのかどうか。この点、まず基本的な点として補正予算の考え方を伺いたいと思います。

○熊野主計部長 今回の補正予算は、公共交通網の整備あるいは街路等の整備、災害復旧、環境保全、そういった東京の社会資本の充実を図って、都市再生などの緊急課題に取り組むということを主眼に編成したものでございます。
 公共事業は、次世代に引き継ぐ社会資本を整備するということと同時に、産業の活性化あるいは国際競争力の向上といった東京の活力を再生する上で極めて重要でございます。また、今回の補正予算と十六年度当初を合わせて十五カ月予算とすることによりまして、年度初めの端境期における事業の執行、仕事の確保の平準化を図るものでございます。
 こうした点を考慮しますと、今回の補正予算を着実に実施することが、今後の景気の回復あるいは雇用の促進、そういったものにつながる、さらには、渋滞の解消、それから生活環境の改善、そういった都民生活の安定と向上に極めて役に立つ意義深いものだと考えております。

○松村委員 主計部長は言葉を多く費やしていますけれども、例えば都市再生、これに八百億円をつぎ込むということが予算概要にもはっきり述べられておりますけれども、しかも、この都市再生絡みの大型環状道路とか公共交通、営団地下鉄への委託金ですか、そういうのもありますけれども、中身を見たら用地買収などが多いんですね。そういう用地買収がどうして景気回復につながるのか。
 それから、従来からも、公共事業というのに一生懸命つぎ込んでいけば、水が滴るように景気が回復すると。確かにこの間の時代の流れの中にはそういうことも非常に効果があった時代もあったことは認めますけれども、しかし、もはや公共投資とか公共事業に国や自治体が財政をつぎ込んでも景気回復につながらない。
 私も前も財政委員会で論議したことがありますけれども、例えば大手ゼネコンとかそういうところは、公共事業というか、主に開発だとか道路だとかですね。しかし、そういうところは逆に、雇用を本当に減らしているというか、みんな機械化していたり、逆に今そういうのが、中小企業に対しては本当にダンピングまがいの--仕事をやっても中小企業などが採算が合わない、もう怖くてやれないとか、そういった町場の声も聞いていて、ヨーロッパというか欧米諸国では、景気回復には公共事業というのは役立たないというか、もっと生活に密着したさまざまな雇用ですよね、そういう転換をしなければならないということは、私は、ある意味での時代の流れというか、大きな、世界的な上での流れだというふうに思うんです。
 ところが、今主計部長は、都市再生絡みへの八百億円余もつぎ込むことが、今日のそういう都民の不況や暮らしの大変な事態の中でこれにこたえる道だというわけですけれども、都民の生活に本当に役立つ予算だというふうにいえるんですか。もっとほかにやるべきことが--私は社会資本整備は決して否定するものではありません。必要な公共事業はあるんですけれども、今新たにもう一本の地下鉄を建設するとか、または大きな道路をつくるとか、そういうときの、しかも用地買収費が多くを占めているんです。違うんじゃないでしょうか。もう一回その認識をお聞きしたいと思います。

○熊野主計部長 まず、用地買収は景気の回復にはつながらないのではないかというご指摘でございますが、これは、私どもは全く逆に、用地買収というのは非常に効果的だと思っておりまして、なぜならば、景気の回復というのは何かというと、金が循環することだと思っております。今なぜ不景気かというと、企業が金を、もうかっても、不良債権処理で金が回らない、そこから先に金が行かないというのが非常に大きな原因になっておりますので、そういった流れでお金の流れをつくるという意味では非常に効果的ではないかと思っております。
 それから、今回の補正予算に組まれた公共事業が都民生活の役に立たないのではないかというご指摘でございますが、これは、福祉・保健といった行政を必要としている方もいらっしゃるかもしれませんが、公共交通機関であるとか道路とか、そういった整備に大きな期待を寄せている都民の方もいらっしゃるということをぜひご理解いただきたいと思います。

○松村委員 一つの点は、そういうことで用地買収なども含めたこの間の景気対策というというのは、バブルが崩壊以来さんざんやってきたわけでしょう。しかし、論より証拠というか、事実はどうなったのかといったら、全然不況打開につながらないし、ますます不況が深まっているということが何よりもその証左になっているんじゃないでしょうか。その現実を私は一つは踏まえなければいけないというふうに思います。
 それから、もう一つの点は、今消費不況という点は認識は一致すると思うんです。どうとらえているのか。確かに、一定の生活費とか所得があっても、先行きの将来不安から家計のひもが開かないというか、そういう消費者マインドも反映して悪循環を繰り返しているということは、これはもうだれもが認める一つの事実じゃないんでしょうか。そういうときに、今いった社会保障や福祉や、そういう関連の応援ということがそこを脱却できる大きな要因になるということは、これも私は火を見るよりも明らかだ。実際それが、バブルの崩壊以降、この大不況の中での今日の流れの実態です。
 しかも、一たん立ち直りかけたこともあるんですね。これは都政よりも国政の問題で、ちょうど橋本内閣時代のときに立ち直りかけていたことは認めるんです。ところが、あのときにも何を行ったかといったら、やはり医療とか社会保障分野とか、消費税の三%から五%に引き上げというような九兆円もの国民負担増があった中で、せっかく立ち直りかけていた日本の経済も本当に底が見えない今日の大不況になったということは、これまた多くの方々が指摘している事実だというふうに私は思います。
 そういう点では、やはり財務当局としてもしっかりそういう流れを見て、今都民の税金、都財政を何に投入するのが最も今の国民の課題にこたえ、日本経済にこたえる道かを、そこはきちっと総括的に進めるべきだというふうに思うんです。
 そこで、私は、石原都政のこれまでの補正予算を大型幹線道路中心と我が党は批判してきましたけれども、それでも、二〇〇二年度、平成十四年度の補正予算を見ますと、都営住宅などの整備、介護予防拠点の整備、保育所の整備、信号機の整備とか、そしてもちろん、これは国の景気対策というか雇用対策ということで、緊急地域雇用創出特別基金などの、そういう補正予算を組んでおりましたね。
 それから、そのさらに前年、平成十三年度の補正予算を見ましても、やはり同じように保育所の整備、公営住宅の改修や介護予防の拠点とか信号機の整備、もちろん骨格幹線道路などの補正予算もありましたけれども。それから、さらにその前の年を見ても、同じく公営住宅とか、やはり暮らしに、中小企業金融支援とか、介護保険特別対策だとか、そういうのがありました。私もこの間、何回か財政委員会を務めたので論議もさせていただいた中、改めて思い返しております。
 しかし、今度のこの平成十五年度の補正予算は、全くそうした住宅とか保育とか介護だとか、また交通安全のそういう信号機の整備だとか、そういうのは含まれておりません。そういう今までの補正予算としても、わずかながらでもやはりそういう姿勢はとっていたというふうに私は思いますけれども、これまでの配慮さえ一切しない、それで文字どおり掲げているのが、石原都政の、すべて都市再生、そういう姿勢がむき出しになっているのではないでしょうか。

○熊野主計部長 まず、景気対策に絡むお話がございましたけれども、今回の補正予算の事業の目的は、景気対策というのはあくまでも付随的でございまして、主目的は、社会資本の整備を行うことによって都民の生活の利便性を向上する、東京という都市の再生を図っていくということが目的でございますので、景気対策というのはあくまでも国の仕事であって、我々は付随的な効果であるというふうに理解しておりますし、それから、財政出動がもはや効果を生まないということについては、我々はまた違った考え方を持っております。
 それから、今回、福祉であるとか、あるいは交通安全とか、そういったものが全く含まれていないじゃないかというご指摘でございますけれども、私どもは補正予算を組む前からそういったものを排除するという考え方は毛頭持ってございませんで、補正を組むということは、当然十五年度についても当初予算で年間総合予算を組んでおりますので、十五年度の予算執行の状況であるとか、あるいは十六年度の予算の内容であるとか、それから財源確保の状況であるとか、それから前倒しで予算を組むことによるその事業の効果であるとか、そういったものを総合的に勘案の上、判断した結果が今回の八百億円でございます。

○松村委員 主計部長は今、福祉とか保健とか、そういうのを組むつもりは全くないといったけれども、では、今までの補正予算の、昨年、二〇〇三年度、平成十五年度のときには--松澤部長でしたね、失礼しました。熊野部長にかわって、一切変えたのかどうかわかりませんけれども、少なくとも東京都の今までの補正予算というのは、私が前年度だけいったら、あ、そのときはそのとき限りでしたというお答えがあるかもしれませんので、私、さかのぼって、石原都政になってからどういう補正予算が組まれたのかということを調べたんですよ。それを今指摘したんですよ。それが、じゃ、間違っていたというんですか、全然組むつもりはございませんですか。
 少なくとも今までは、そういう補正予算の性格からいって、やっぱり当初予算では見れなかったとか、対応の必要性については当然組むという姿勢だった。今回はそれすら見られない。そして専ら都市再生という。そのことをただしているんですよ。では、今までの補正予算というのは、いいとは私たち、いいませんでしたよ、大型道路やそういう開発、今までも偏重でしたから。しかし、その中にも少なくともあったんですよ、公営住宅整備だとか。だから私たちはいつも、その点は評価するけど、それでは不十分なんじゃないでしょうか、もっと雇用なら雇用を広げることが、大型幹線道路をつくる以上に喫緊の課題じゃないですかといってきた。その点についてはどういう認識なんですか。

○熊野主計部長 今のご発言は全く私の発言の誤解でございまして、私は当初から、補正予算を組む前から、住宅であるとか福祉関係であるとか、そういったものを排除するつもりは全くございませんというふうに申し上げたので、繰り返して申し上げますけれども、補正予算を組むということは、そこの現場にニーズがあること、例えば保育所の整備ということをおっしゃるのであれば、そこに社会福祉法人が手を挙げて早急に整備をしなきゃいけないというニーズがあるということがまず前提でございます。
 それから、当然のことながら、先ほど申し上げたように、十五年度の当初予算では年間総合予算を組んでおりますので、補正予算を組む必要があるかどうかということが問題になってございますので、要は執行状況等、それから十六年度予算でそういう事業はカバーできないかというふうな状況、それから国庫支出金等の、非常に財政状況は厳しいですので、そういった、ほかからの財源が確保できているかどうかという状況、それから、先ほど申しました、一カ月前に補正予算を組んで契約することによるそういった効果があるのかどうか。十六年度でそういうことがやれれば、それで同じ効果があるのであれば、わざわざ補正予算を組む必要はございませんので、そういった点も踏まえて総合的に判断した結果がこの八百億円でございます。

○松村委員 私も、この点については、もう繰り返しませんけれども。
 ただ、今まで財政、財源不足だということで、福祉とか保健とか、そういう都民施策に必要な部分を財政難を理由にやはり我慢してもらうとか、そういうことなども私はやってきておりますよ。言葉は福祉の再構築だといっても、現に予算は、財政危機だ、財政再建だというので減っているわけですから。
 ところが、やはり税収増があった。私はきょう改めて、本来でしたら、第一次財政再建推進プランをぜひ総括してもらいたいと思うんですよ。今まで税収不足だといってきたけれども、実際には、この補正を組むぐらいの都税収入がふえているわけですね。そして逆に、今まではそういうのは臨時的な税収増だったと盛んにいいましたけれども、今度は臨時的じゃないですね、しっかりした都税収入の増で。逆に減ったのが、臨時的だといっていた銀行税などの返さなければならないとか過誤納還付金だとか。しかしそれを差し引いても、事実、十五年度当初予算よりも税収が伸びて、都民のために使える財源がふえたわけですから、もっとそれは都民のために還元すべきだということ。
 それと、十五年度予算で、では、主計部長の認識は、福祉も保健も住宅ももうすべて事足りて都民ニーズはないなどという認識なんでしょうか。私は、少なくとも今までの補正予算としてこういうものが石原知事のもとでもあった、組んできたのが、この二〇〇三年度、十五年度予算にはない点を指摘した。どんなに主計部長がそこでいうか知りませんですけれども、それはもう事実ですから、そのことを厳しく指摘して……。
 私は問題だというふうに思うのは、こういう都市再生八百億円、しかもそのうちの大半がやはり投資的経費の中の起債、都債などに頼っているという点じゃないかというふうに思うんです。
 そこで伺いますけれども、補正予算の投資的経費、これと十六年度当初予算の投資的経費の合計は幾らでしょうか。また、十五年度当初予算の投資的経費は幾らで、差引増減はどうだったんでしょうか。

○熊野主計部長 お答えする前に、まず税の話がございましたが、今年度、当初、同時補正後の予算額からは、三百五十一億円、税の増収がございました。しかしながら、そのうちの二百八十二億円は、税連動経費として、例えば特別区の財政調整会計繰出金とか、そういった形で区市町村に渡りますので、ネットで申し上げれば七十億円しか手元に残らないということをご認識いただきたいと思います。
 それから、お答えいたします。
 投資的経費の額でございますが、十五年度最終補正予算の投資的経費が六百十一億円、それから十六年度の当初予算の投資的経費が五千七百二十一億円、合わせまして六千三百三十二億円となってございます。
 また、十五年度の当初予算額の投資的経費は六千二百六十五億円でございますので、約七十億円の増というふうになってございます。

○松村委員 いつも予算論議のときには、いや、経常経費の削減だけじゃないんだ、投資的経費も抑えているんだというので数字を挙げて盛んに強調しましたけれども、事実は、今いったように、この補正予算と十六年度の当初予算では、抑制どころか七十億上回っている、こういうことですね。投資的経費抑制というのはどうしたんでしょうか。

○熊野主計部長 財政分析をする上では長期的な視点が不可欠でございます。投資的経費は、過去にさかのぼって相当に削減をしております。

○松村委員 正確に答えてくださいよ。過去にさかのぼってと、いつですか。確かに、バブルのときには七千億とか、それで盛んに、いや、現在四千億、時には三千五、六百億で半分だということを強調しておりますけれども、盛んにバブル前の都税収入に戻ったということをいいますね。しかし、じゃ、バブル以前の投資的経費はどういう状況でしたか。それは半減しているんでしょうか。

○熊野主計部長 投資的経費の額を申し上げますと、昭和六十二年度六千八百億、それから六十三年度一兆三百億でございますので、それと比べましても減っております。

○松村委員 だめですよ、そういう数字を使っては。それはもうバブルに入ったころなんですよ。バブルの最盛が六十三年でしょう、昭和でいうと。だから、バブル以前は正確にいうと今から二十年前、一九八三年、昭和五十八年ですよ。その五十九年、それからだんだんバブルに入って急激にやはり伸びているわけですよ。バブル期というのは一年じゃないんですから。バブルが崩壊したのは元年、二年、三年ぐらいですか、三年ぐらいからビークだったから。
 それで、昭和五十八年、一九八三年、そのときに、私、手元に持っているんですけれども、投資的経費は四千七百一億です。その前は、昭和五十七年、四千五百七十一億、五十六年、四千四百七十九億、大体こういう数字でバブル前というか、推移しているんですよ。それが今はどうなっているかといえば、さっきのを合計すれば四千億円というか、四千億円じゃないですね、この補正を合わせて六千三百三十二億、抑制どころかはるかにふえているというのが事実ではないんでしょうか。

○熊野主計部長 バブルがいつ始まっていつ終わったかというのは非常に、まあ人によって見方が違うと思うんですが、私が六十二年、六十三年を申し上げたのは、税収が現在とほぼ同額である、その時点と比べて投資的経費が下がっているということを申し上げました。

○松村委員 ただ、私の質問は、かなり下がったというから、じゃ、ちゃんと正確にとらえて見るべきだという質問をした、それに答えてなくて、都合のいいような数字だけをいっておりましたけれども。
 しかし、それにしても、もう一つ指摘したいのは、その投資的経費の中に占める一般財源の割合も相当今高いんですね。当時は二千幾らだったのが、今は一般、投資的経費--失礼しました、公債費の中で一般財源が投入されている額というのは相当多いんですね。そこも、だから私は今日やはり非常に財政を窮屈にしているというか、そういう原因だというふうに思います。
 それと、だから明らかにやはり投資的経費を抑制しているといっても、それはバブル期の異常な、今の現知事ですらが、何でああいう箱物とかこういうことをやったのかと就任以来批判せざるを得ないような、そういうめちゃくちゃなことを--もうバブルがはじけて都税収入が右肩上がりが終わったということがありながらも、都債、起債を発行して借金をつくって、今日の重いこういう財政危機をつくってきた原因になっているというふうに思います。
 もう一つ、私は、そういう投資的経費のもとで、今回の補正予算も都債をふやしていますね。財政再建「途半ば」といいながら、相変わらずの借金財政ではないかというふうに私は思いますけれども、こういう補正予算を組んで、十五年度の起債残高は幾らになるのか。また、既に平成十六年度予算案が出されていますけれども、今度、十六年度末には起債残高はどうなるんでしょうか。

○熊野主計部長 平成十五年度の最終補正後の都債残高見込みは六兆九千二百四十八億円でございます。それから、十六年度当初予算におきます都債残高見込みは六兆九千六百八十二億円でございます。
 ちなみに、十五年度の同時補正後予算時における都債残高見込みが六兆九千三百三十五億円でございましたけれども、今申し上げたとおり、補正後、六兆九千二百四十八億円になるという見込みでございます。
 なお、先ほど投資的経費に占める一財がふえているというふうなご指摘がございましたが、これは財政状況に応じて都債の額をふやしたり減らしたりして、再三申し上げているように、将来の負担に配慮しながら起債を活用して社会資本等の整備を進めて、都民の生活の利便性を向上させるというのは、これは財政運営のセオリーでございます。

○松村委員 起債残高の点について触れる前に、もう一つやはり、投資的経費というのには、我が党が従来から指摘している、経常経費の中に含まれているいわゆる投資型といいますか、出資金とか貸付金とか、本来直接東京都が公共事業をやるものじゃない、そういうものが多分に含まれていますね。その額、きょう詳しくは私、補正予算だからお聞きしませんけれども、これが例えば十六年度予算案で拾ってみますと三千四百四十六億円なんですね。もちろん首都高の出資、貸し付けとか、いろいろな繰出金などを含めてです。ですから、今の純然たる財務局が仕分けする投資的経費にプラスこの三千四百四十六億円を加えれば、一兆円近いんですよ。それがやはり非常に問題で、その中に多くの起債が含まれていて押し上げているというふうに思うんです。既に今ご答弁いただきました数字、十六年度末では六兆九千六百八十二億という、これは都政史上最高なんですね。そうじゃありませんか。
 だから、私たち、この点、石原知事になって借金財政ノーと、都民は本当に信じたと思いますよ、ああ、いいなと。ところが事実は、借金はこのように都政史上最高の起債残高にいよいよ二〇〇四年度、平成十六年度にはなろうとしている。これで果たして十六年度は、これから審議をやりますから余り触れませんけれども、財政再建に一歩--書いてありますね、十六年度には財政再建に新たな一歩を踏み出したと、本当にそういうことがいえるんですか。

○熊野主計部長 起債残高が過去最高というのは事実でございますが、再三申し上げているように、石原知事になってからは起債の発行額は三千億台ないし四千億台に抑制してございます。それ以前は七千億、多いときは一兆を超えておりました。
 それで、起債を抑制しているのになぜ残高が減らないのか、ふえるのか、過去最高になぜなるのかということでございますが、これは、本会議で知事並びに財務局長の方からご答弁申し上げたように、過去のたくさん発行した状況、並びに、平成三年、四年から定時償還から満期一括償還に変えましたので、その影響で残高が十年の償還時を迎えるまで減らないという構造になっておりますので、その結果でございますので、そういった、残高が過去最高であるから起債を抑制していないじゃないか、借金財政じゃないかというご指摘は全く当たらないと思います。

○松村委員 もうそろそろそういう制度論とか仕組み論などという答弁で済まされる問題じゃない。だって、事実、石原知事は、そういうことはもちろん知っているというか、知事になるのですから、そういうことで知事になっている。しかも、五年たっているんですよ。じゃ、この間どういうふうな形になるかといったら、借金財政ノーで行くんだというんだったら、少なくとも残高を減らすために一千億、二千億にするとか、あらゆる手段があるじゃありませんか。ところがそういうふうに、それが十年一括だからふえて当たり前だ、そんな公約はどこ吹く風なんというのは、絶対通じないというふうに思います。
 それともう一つ、じゃ、そのころの十年一括満期が、そろそろバブル期の、知事の責任じゃない時期に入ってきたときには本当に減って、そういうことから脱却して財政再建になるかといったら、私どもがかねてからいっているように、今までの三千五百とか三千七百の都債を新たに発行していたら、三十年後にだって七兆円という一般会計の借金が減らない。しかも、今は超低金利ですけれども、これが金利が上がったらどうなるんですか。ますます大変な、さっきいった、それでなくても公債費の中の--当時のバブル以前の公債費を私も調べてみましたけれども、そのときの一般財源に使われている公債費の倍近いんですよ、倍とまではいいませんけれども。そのぐらい今財政が硬直化している。
 先ほど来、国なんというのはもう石原知事も論外ですよね、ああいうみずから本当に天文学的なことをやって、めちゃくちゃなことをやっている。しかし、今までの地方、地方財政計画上低いんだといっても、地方も大変ですよ。今までのバブル期を含めて国にめちゃくちゃ財政支出をさせられたわけです。東京都は財政力があったというか、大きいから辛うじて残っているだけであって、国とか地方を比べて起債依存率が低いからそれで済むんだ。じゃ、都税収入も同じ時期だったバブル以前の、さっきの六十二年とかそんな数字を使わないで、調べてみてくださいよ。どういう起債依存度だったのか。それでも過去の東京は、美濃部都政のときも含めて大変厳しい時代もあったということを指摘しなければならないと思います。
 それと最後に--まあ聞いてくださいよ。私、問題なのは、いよいよこれから十五年度補正予算があって、十六年度の案が出ていますけれども、都市再生、今、補正予算ですら都市再生、何が何でも都市再生だと。それがすべて東京都民のニーズだ、課題だなどという予算に今度のめり込んだら、羽田空港の再拡張も既に一千億円約束して初年度が始まりましたね。それから中央環状新宿品川線、あの大橋ジャンクションを、東京都はもう都施行でやらないといったにもかかわらず、これを急ぐ余り、総事業費四百億円もこれからかけるような、そういう都施行が始まるわけでしょう。それから、大手町とか、これを見ると、みんな調査費だとか支援だとか、都市再生絡みの、芽出しの予算がたくさん出てきているんですよ。こんなことに踏み込んだら、都債、起債、こんな数字じゃ済まないと思いますし、今私がなぜあえていったかといったら、今までが異常なのをしょい込んで、制度の仕組みで起債がふえていてもしょうがないんだといっていても、私は、これから検証される、そういうときに、今いったような都市再生絡みで十分いえる、絶対そうならない。
 私が本当に声を大にして強調しなければいけないのは、赤字団体に転落するんだ、そしたら国から、今都の上乗せとか福祉だとか暮らしにかかわる予算が全部切られちゃうからということで、赤字団体転落論を最大限に、いわば都民を恫喝するような、という言葉は語弊がありますか、そういう形で、我慢しろというようなことをいって、さんざん、一方においては福祉や暮らしの予算を後退させているんですね。ちょっと税収が入る、またはあれしたら、途端に今度、都市再生が都政の最優先、すべての緊急課題と。絶対私は、間違っている、本来の自治体というのは、やはり憲法や地方自治法でうたわれている都民の福祉を増進させることを初めとするやはり諸要求にこたえるべきだというふうに思います。また、そうやれば、私は財政再建、財政も立て直すことができるということを、繰り返し強調したいというふうに思います。
 答弁を求めても同じ繰り返しですね。今までのやりとりでも--いや、そちらがそういうことをいったら、私は、委員長、過去に我が党の議員が挙げていたときにとまらなかったこともありますけれども、私は何回でも主張を繰り返しますよ。(「質疑をしてもらう時間なんだよ」と呼ぶ者あり)質疑をしているから、討論でないから、答弁は要りません。

○熊野主計部長 これも再三申し上げていることですが、都債には年度間の財源調整機能のほかに、住民の、将来の住民との負担の公平という大きな役割がございます。社会資本の整備について将来の住民の負担で償還していくという制度、この都債を活用して、都民が必要としている道路、河川、公園、羽田空港もそうですけれども、そういった必要な事業についてはやっていくということでございますので、都債イコール借金、イコール悪という図式には私どもは賛同できないところでございます。

○松村委員 財務局はずっと続いてきていますよ、主計部長は交代するかもしれませんけれども。しかし、現知事ですらが、これまでの財政出動とか運営は何だったのかと、バブル期も含めて、要らない、むだな、都民から批判されるもの、または談合だとかやってさんざん公共事業、吸い上げられて、一体どうなのかという。そして今ではその知事が、みんな切り捨てたり不要、無用だといって民間に投げ出すとか、さんざんなことをやってるじゃありませんか。どこにその責任を感じて財政運営をやっているんですか。それが、そういうこともやはりすべて都民のために必要だったというようなことで、一体胸を張れるんですか。もしそうだったら、初めて私はそういうことを--まあ、いいです。
 終わります。

○近藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三分散会

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