委員長 | 川井しげお君 |
副委員長 | 鈴木貫太郎君 |
副委員長 | 矢部 一君 |
理事 | 真木 茂君 |
理事 | 松村 友昭君 |
理事 | 桜井 武君 |
秋田 一郎君 | |
北城 貞治君 | |
鳩山 太郎君 | |
馬場 裕子君 | |
桜井良之助君 | |
藤田 愛子君 | |
藤川 隆則君 | |
宮崎 章君 |
欠席委員 なし
出席説明員出納長室 | 出納長 | 大塚 俊郎君 |
理事 | 津島 隆一君 | |
副出納長 | 中路 有一君 | |
副出納長 | 宇藤 雅隆君 | |
銀行設立準備担当部長 | 野口 孝君 | |
参事 | 岳野 尚代君 |
本日の会議に付した事件
出納長室関係
報告事項(質疑)
・新銀行の創設について
・平成十四年度資金管理実績報告(年間及び第四・四半期)について
○川井委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
初めに、傍聴者の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに二十名追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○川井委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室関係の報告事項の質疑を行います。
これより出納長室関係に入ります。
報告事項、新銀行の創設について及び平成十四年度資金管理実績報告(年間及び第四・四半期)については、いずれも関連がありますので、一括して議題といたします。
本件については既に説明を聴取しております。
その際要求がありました資料について、理事者の説明を求めます。
○中路副出納長 先般の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料をごらんいただきたいと存じます。
一ページをお開きください。要求資料第1号、新銀行設立と地方自治法との関係でございます。
地方自治法上、自治体による銀行設立を制限する規定はなく、参考として、本年五月の衆議院総務委員会での片山総務大臣の、地方自治関連法では銀行をやることを禁じていない旨の発言を記載してございます。
なお、地方自治法には、自治体の出資についての規定があり、地方自治法上、自治体が銀行を設立することに特段の制約はございません。
次に、二ページをごらんください。要求資料第2号、銀行業の免許に関する主な要件でございます。
銀行業の定義、銀行業の免許、免許の適合基準として、それぞれ銀行法及び同法施行規則の条文を掲載してございます。
次に、三ページをごらんください。要求資料第3号、新銀行の法人格及び職員の身分でございます。
新銀行は、銀行法に基づき、法人格を有する株式会社として設立するものであり、いわゆる普通銀行に位置づけられます。また、新銀行の行員は民間会社の社員でございます。
あわせて、その根拠となる法令及び参考として民間金融機関の種類について掲載してございます。
次に、四ページをごらんください。要求資料第4号、主な関係団体・関係機関のコメント等でございます。
平成十五年五月二十三日の新銀行構想の公表後に出されました各関係団体・関係機関の新聞報道等によるコメント及び都に寄せられた都民の意見について、主なものを掲載してございます。
次に、五ページをごらんください。要求資料第5号、代表的な銀行・信用金庫の概要でございます。
代表的な都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫につきまして、平成十五年三月期における資本金、従業員数、店舗数等をお示ししてございます。
次に、六ページをごらんください。要求資料第6号、資本金二千億円または従業員二百人程度の金融機関でございます。
資本金二千億円程度の金融機関の例として、横浜銀行及び千葉銀行について、また、従業員二百人程度の金融機関の例として、奈良銀行及び東京三協信用金庫について、その概要をお示ししてございます。
次に、七ページをごらんください。要求資料第7号、ソニー銀行の概要でございます。
平成十三年四月に設立されましたソニー銀行の企業概要、沿革等及び決算状況等を掲載してございます。
次に、八ページをごらんください。要求資料第8号、東京都民銀行創設時の都及び東京商工会議所のかかわりでございます。
「東京都民銀行二十年史」より、創設の経緯と、都及び東京商工会議所のかかわりについての記録を掲載したものでございます。
次に、九ページをごらんください。要求資料第9号、都における中小企業制度融資の実績でございます。
制度融資区分ごとに、平成十一年度から平成十三年度までの融資の件数及び金額の実績についてお示ししてございます。
次に、一〇ページをごらんください。要求資料第10号、都のCLO・CBOにおける資本金別参加企業数でございます。
平成十二年三月の第一回から平成十五年三月の第四回までの参加企業のうち、資本金の額が確認されている企業について、その資本金額ごとの内訳数をお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○川井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、質疑を行います。
発言をお願いします。
○桜井(武)委員 墨田区工業振興マスタープランの中にまちづくり新生プランというのがありまして、これはことしの四月に出されたものでありますが、その中の「転換期における新たな産業の芽」という題目で、平成十二年度に実施した区内製造業等実態調査によれば、平成十二年度の区内企業数は製造業で五千四百三十三社と、平成七年度に比べて約千四百社の減少というふうになっております。
それからまた、これは正確に全く厳密な調査をしたわけではないんですけれども、都内全域にまたがって、これは零細家内工業も含めてでございますが、総数のうち約七割ぐらいは大田区と墨田区に固まっているんではないか、このように思われるわけでございますので、あえて墨田区の例を取り上げさせていただきました。そのくらい現在の中小企業あるいはまた零細家内工業の経営状況は極めて厳しい状態であります。特に中国などからの圧力が、一般の方が想像するよりはるかに大きな圧力となって、中小零細家内工業を全滅の危機といってもいいくらい圧迫しているわけであります。
墨田区においても、ベンチャーサテライト、あるいはまたファッションセンターなど、そういったものを立ち上げまして、事業の継続、拡大、転換、そういったものに強い意欲を持ち続けようではないか、そういうようなことで全力を挙げて頑張っているところでございますが、そうした中において、一番といってもいいくらい困っておりますのが資金調達でありまして、それが非常に厳しいために、事業を維持する、継続していくということが極めて困難な状態に追い込まれるという状況でございます。
こういったことを一応前提に置いておきまして、中小企業の実情について、新しい銀行に今度東京都は取り組もうという意向でありますが、出納長室はどのようにお考えになっているか、まずもって冒頭に質問します。
○津島理事 都内の中小企業は、全体の企業数の九九%以上を占めており、まさに東京の産業や経済のかなめであると考えております。こうした中小企業の中には、高い技術や販売力を持ちながら、先生おっしゃるように、十分な資金調達ができず、経営に苦しんでいるケースがあると認識しております。各種統計などのデータや寄せられる地域の声から、そうした認識を私どもは持っております。
今後、準備室においてビジネスモデルに関するマーケティング調査等を行う中で、中小企業の実情をより詳細に把握していきたいと考えております。
○桜井(武)委員 申すまでもないのでございますが、中小企業または零細家内工業の資金調達力というのは、土地というような不動産担保に依存しているわけであります。しかし、地価の低落は、年々下がっております。反面において、従来の金融機関、これは大小問わないのでありますが、実態は不動産担保に依存していることは大きいのでありますし、極端にいうならば、これがなければ融資しない、金を貸さないといっても過言でないと思います。
あるいはまた、担保がないからというだけでなくて、既存の金融機関は、それにかわるノウハウを持っていないといった点も融資を厳しくしている理由ではないか。いうならば、研究が足らないというか、苦しんでいる中小零細家内工業をいかにして救うかということに対する研究が足らないのではないか、このようにも思われます。
一つの具体的な例を申し上げますが、うちの区は産業集積でございますが、一例でメッキ業というのがありますが、メッキは反面において土壌汚染がありまして、さもなくても土地の価格は下がっているわけです。何もなくても、無価値の土地でも下がっているのでして、土壌汚染がくっつくと、プラスさらに下がっちゃうという、ちゃんと事業をやっているんでございますが、土地担保能力というんですか、そういったものが、土壌汚染がくっついている土地だからという理由でさらに下がっちゃうということで、融資がより一層厳しくなっちゃう。
そういった例を挙げれば切りがないんですけれども、一例として挙げるわけでございますが、今回、東京都の新しい銀行というのは、担保主義を超えていこうというふうにも伺っているんでございますが、担保主義についてどのような認識を持っているのか、これについて一言質問します。
○野口銀行設立準備担当部長 不動産担保などの債権保全は、銀行の融資にとって重要であり、不動産の価格が安定している状況においては、融資を円滑に行う一つの手段であると認識しております。しかし、現在のように地価が下落している状況では、不動産担保による債権保全は機能しなくなります。また、現状の景気低迷と相まって、中小企業からの新たな物的担保の提供は、一般的に極めて困難であると考えております。
○桜井(武)委員 担保主義--担保主義なんて言葉が実際にあるのかどうか知りませんが、一応担保主義を超えた融資の方法あるいはまた融資機関、そういったものについて東京都は今後それをやろうと。地域の住民たち--地域という場合、この場合は墨田区というよりも、中小零細家内工業に従事している、商業も入れておいていいんでございますか、こういう担保主義を超えた融資をしようという考えがあるようでありますけれども、どういうふうな考え方なのか、できる限りわかりやすく説明してください。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行においては、従来の担保主義を超越した新たな仕組みにより、技術力や将来性等にすぐれた中小企業への融資を行います。一つには、融資先企業を固まり、ポートフォリオと申しておりますが、固まりとしてとらえる方式を採用し、全体の中で貸し倒れの損失を吸収し、設定したリスクの範囲におさめるようにしてまいります。
また、個別審査に当たっても、民間の先端的なノウハウを活用するとともに、地域金融機関等と緊密に連携して、具体的かつ有効な審査マニュアルを作成し、リスクに対応してまいります。
さらに、これらにあわせて有力保証会社等とも連携し、適正なリスク管理を行ってまいります。
○桜井(武)委員 今の答弁にありました、これは本会議場でも出納長ご自身が二回か三回にわたってご答弁されておりましたけれども、ポートフォリオ型融資というのはよくわからぬ。私にはよくわからないので、もう少し詳しく、できれば具体的な例を交えて説明していただきたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 ポートフォリオ型融資でございますけれども、これは、さまざまなリスクを持った企業を一つの固まりととらえまして、その固まりの中で、全体の中でリスク管理をしていこうというものでございます。
具体的に申し上げますと、信用力の高い企業と低い企業、さまざまなレベルの企業を一つの固まりでとらえまして、一つの企業が危機的になりましても、ほかの企業から上がる利潤をもちまして、ポートフォリオ全体の中で損失のないように管理をしていくという形でございます。
○桜井(武)委員 来年に向けて鋭意検討をこれからも続けていくということでございますので、きょうの段階で精密な回答をしろといっても無理なのかもしれませんが、できれば、別にきょうでなくて結構でございますが、委員長にお願いして、この問題についてあと二回でも三回でも委員会を開いていただいて、そのときにもう少し答弁ができるようにお願いしておきたいと思います。
これは、例えばですよ、先着三百社なら三百社、そういったものを機械的に融資をしちゃう。それで、もちろんその中にはそれなりにリスクが含まれてきますよね。でも、それを含めたまま融資を実行する。それで、今答弁されたような、そういうような形でリスクをカバーして融資を実行していく、そういうふうなことを一つの例として考えてもいいんでしょうか。いかがですか。
○津島理事 ポートフォリオの少し補足をさせていただきますけれども、基本的には、ポートフォリオを実施していく場合には、ただいま部長がいった考え方でいくんですけれども、債権管理と審査の面、この両面で仕組みが進んでまいります。つまり、まず、債権の管理という面では、新たに融資先の企業、今いった固まりととらえるわけでございますけれども、初めから一定の損失が出るものということでデフォルトを予定しておりまして、それをベースに貸し倒れをある程度想定した中で損失を吸収する形で貸倒引当金を積んでおきます。もちろん、この予定をどの程度に線を引くかというところが大事でございまして、これを間違えれば不良債権化するということは当然でございます。したがって、これからどの線で貸し倒れの線を引くかということは、今実行しております詳細な調査を踏まえて積み上げていくということでございます。
○桜井(武)委員 恐らく現在の金融庁が強く押しつけているというのですか、融資マニュアルみたいなものがあるようでありまして、そういったものから脱却を図るためには、つまり、もう少し踏み込まなければならない、そういう一つの方法としてお考えになっているんではないか、このように思います。
次に、これは新しい銀行と従来の銀行との違いというか、仕組みの違いばかりではなくて、哲学の違いというんですか、理念の違いというんですか、そういったものが初めにあって、そして、それを何とかクリアできないか。つまり、地域の産業、そしてまた人を育てる、その結果として利益を得るという、銀行がもともと持っておったそういう理念というんですか、そういったものに立脚してやっていこう、こういうふうにお考えになっているのかなと思うんですけれども、その点はいかがですか。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、新しく設立するという後発の利益を生かし、これまで蓄積されてきた最新の金融技術や最先端のシステムを導入することで、収益力強化や効率性の向上を目指してまいります。こうした最新技術をより一層生かしていくために、都としても、ご指摘のような銀行本来の役割を、運営全般にわたり行員一人一人にまで深く浸透させていきたいと考えております。
○桜井(武)委員 今のご答弁にありました、これは前にも出納長ご自身も話があったと思うんですけれども、新しく設立する銀行の大きな利点として、後発の利益を生かすと。今も答弁がされておりましたけれども、後発の利益というのは、具体的にいうと、言葉を変えていうならばどういうものか。わかるような気がするんですが、質問しますのでご説明ください。
○野口銀行設立準備担当部長 後発の利益についてのお尋ねでございますが、申し上げましたように、金融技術やシステムの面で後発の利益を生かすということでございまして、例えば先発の各金融機関が行っておりますさまざまな金融技術上の工夫ないしはシステム上の新機軸、こういったものを先行する事例から具体的に学べる、こういう意味でございます。
○大塚出納長 後発の利益ということでございますけれども、今部長の方からご答弁申し上げましたのはそのうちの一つでございますが、それよりも何よりも、バブルの生成と崩壊の過程で、既存のメガバンクを初め、地域金融機関を初め、どういうふうな成功と失敗を積み重ねてきたか。担保主義に偏重することのある意味では大きなリスクといいますか、あるいは新しい時代に向けての発展の芽を摘むようなそういうリスクといいますか、そういう実際の経済環境の変化に伴って金融機関自身が培ってきた経験則というのが一つあります。
もう一つは、その過程で、企業自身の財務データを含めていろいろな情報は、その過程、バブルの崩壊後も含めて積み重なってきている。そういう既存の情報、それもまた、先ほど来ご質問に出ておりますポートフォリオという債権管理、あるいは審査をやるに当たっての審査基準、そういうものの対象として、そのデータベース、経験則を含めて、後発の利益ということで生かしていけるというふうに思っています。
○桜井(武)委員 私は、今答弁されたことは、確かにそのとおりだと思いますが、さらにもう一つあるんではないかと思うんです。というのは、当たり前なんですけれども、新しく始めるんですから、不良債権ゼロですか、だから、不良債権でもって手足を縛られない、そういったことがあると思うんです。不良債権ゼロということは、その金融機関の信用力をかなり高めるというふうに思われるんです。後発の利益を生かすということは、そういう意味でも大きいんではないかと私は思います。
次に行きますが、そういうような新しい銀行が、銀行本来の役割、先ほど申しましたような地域の産業を生かし、育て、また人を育てる、その結果として利益を得る、こういう銀行本来の役割を果たしていくためにどういうような経営をしていくのか、経営のノウハウについて伺いたいと思います。これは、既にほとんどの方たちが心配されていることだと思いますので、質問いたします。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行の経営形態としては、本年四月に導入された委員会等設置会社を採用し、経営監視と執行の役割分担を徹底いたします。また、各委員会の過半数を社外取締役とすることにより、透明性の高いガラス張りの経営を行い、新銀行の自主的な運営を確保いたします。こうした経営手法を用い、都は、大株主として、政策融資の必要性を含め、経営の大枠を監視してまいります。
○桜井(武)委員 説明といいますか、理論としては正しいと思うんでございますが、実際に片方においては、従来の全金融機関が貸し渋る、貸しはがす、そういうような対象にも何とかして融資を回そう、踏み込んでいこう、そういう積極性というんですか、反面において、不良債権とかそういったものがめちゃくちゃに出ないようにしなきゃならない。こういう相反するというか、両方の能力を持った人たちにやっていただかなければならないわけでございますので、その人選について、慎重な人選をお願いしたいわけであります。
次に質問を行いますが、民間主体で行うのは、銀行サイドは当然であります。しかし、新しい銀行の目的の一つとして、いろいろ目的があるんでしょうけれども、私がきょう特に取り上げている目的は、中小零細企業の支援ということです。そういった点を改めて主張しまして、これまでにない新しい銀行を設立する、そういうことについて、結びになるわけでありますが、出納長の決意というか、お考えというものをお願いいたします。
○大塚出納長 先ほど後発の利益ということの先生からのご指摘がございました。そのことから今のご質問に続けて入らせていただきますが、ご案内のとおり、今、いわゆる貸し渋り、貸しはがし等といわれている事象は、実際には金融マニュアルのもとに、だめなところに貸せないわけではないんですけれども、貸した場合は、債務者区分の変更を通して、銀行自身、当然必要な引き当てが出てくる。必要な引き当てを積むとすると、結果として自己資本が劣化する。BIS規制等引っかかるようなそういう世界が出てくる。そういう意味では、桜井理事がおっしゃるように、不良債権がゼロからスタートいたしますから、知恵と工夫で、いわゆるハンディのない、本当に必要な資金供給ができるようなそういう銀行がつくれるというふうに考えております。
この銀行は、知事からも申し上げておりますように、我が国の巨大な個人金融資産と中小企業の潜在能力を結びつけることで、将来性ある中小企業に生きた資金を供給いたしまして、活力の源である中小企業の活性化に寄与していきたいということでありますけれども、この仕事は舞い上がってできる仕事だとは毛頭考えておりません。しかし、外部メンバーを入れた大規模プロジェクトが既に発足をしております。検討の内容を含め、フィージビリティーは日々高まっております。現在の金融システムを補完し、経済再生の一助となることを目指しまして、都を中心に、同じ志を持った優良企業の力を結集し、全力を挙げ、現下の都政の最優先課題の一つである新銀行創設を何としても実現をしてまいります。
○桜井(良)委員 ただいまの質疑を聞いていて、すばらしい質問であり、またお答えだと思うんですが、結論からいいますと、銀行をつくりますよということは厳然としてあるんですけれども、あとは考え方だけであって、具体的な、これはこういうふうにするというものはまだはっきり見えてこない中で、質疑する方も大変だし、答える方も大変ではないかと思うんです。
それで、これは非常に大事なことなので、ぜひ委員長にお願いなんですが、桜井理事からも話もありましたが、銀行設立に向けて今後いろいろな状況が出てくると思います。そういう中で、重要な状況があれば、理事者の方からも直ちに委員会に報告していただいて、また、いろいろと私たちの意見も聞いていただくような機会をぜひつくっていただければな、こういうふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
私たちは、代表質問で述べましたとおり、設立するという方向性、考え方は一定の評価をしているわけでありますが、同時に、銀行の機構や機能、あるいは人材を確保していく体制づくり、また、お話に出ましたように、貸し倒れに対するリスクの管理、各種の支援対策等との相乗効果や地域の金融機関との発展的な共存のあり方など、大変いろいろな課題があることを代表質問でも指摘したわけであります。しかし、それに対していろいろと述べられましたが、先ほどいったように、まだ考え方の域を出ていないわけでありますが、その中から、若干さらに聞いておきたいことについて、きょうは簡単にお聞きしたいと思います。
新しい銀行が目標として標榜している全く新しいタイプの銀行、あるいは機能、機構につきましては、私たちの先日の代表質問の大木田さんの質問に対しまして、知事は、委員会等設置会社を採用する。経営監視と執行の役割分担を徹底した企業統治を確立していきたい、こう答えているわけでありますが、初歩的なことなんで申しわけないんですが、委員会等設置会社の仕組みというのはどういうものなんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 委員会等設置会社の仕組みについてでございますが、従来の監査役制度にかわりまして、取締役会の中に委員会を設置し、経営を監視する制度であります。本年四月に施行されました改正商法特例法で認められたものでございます。具体的には、三つの委員会が必置とされております。
この委員会と申しますのは、まず指名委員会、これは、取締役の選任及び解任に関する議案の内容を決定するものでございます。二つ目が監査委員会、これは、会社の監査、取締役及び執行役の職務執行の監査、会計監査人の選任及び解任に関する議案の内容の決定等を行う委員会でございます。三つ目の委員会が、報酬委員会、これは、取締役及び執行役の報酬内容を決定するものでございます。
これら三つの委員会は、取締役三人以上で構成し、その過半数は社外取締役とされているところでございます。
○桜井(良)委員 経営の監視をするために三つの委員会を置いて、会社は、銀行そのものの執行業務はまた別に組織がある、こういうふうに、二重といったらおかしいですけれども、そんなふうに理解するわけであります。
これが四月の法改正で認められたと今お答えがありましたが、委員会等設置会社が法改正によって新たに導入された趣旨というのはどういうものなんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 法改正の趣旨は、次の二点でございます。
まず一点目でございます。企業の国際競争力を強化するため、取締役会の権限見直し等により機動的な業務決定を可能とすること。
二点目でございますが、米国を初めとする先進諸国において、監督と執行の分離によって取締役会の監督機能の強化を図ることが一般的になっていること、この二点でございます。
○桜井(良)委員 もう少し一般的にいっていただけるとありがたいんですが、要するに、これまでは取締役会というのが中心だったわけです。その取締役会に権限が集中してきたわけです。そういうものの実態に対して、法改正で導入していいとなったわけですから、もうちょっとわかりやすくお答えしていただけますか。
○野口銀行設立準備担当部長 おっしゃるように、今までは取締役会、特に代表取締役に権限が集中していたという点がございます。この代表取締役に集中していた権限につきまして、先ほど申し上げましたように、三つの委員会、この委員会に権限を分散させたわけでございます。また、業務の執行は別に執行役という組織が行う形にしたものでございます。
この三つの委員会につきましては、先ほど申し上げましたように、過半数が社外取締役という形になりますので、その意思決定については、社外取締役のチェック機能が大きく働くということでございます。これが経営の透明性を高めるという点でございます。
○桜井(良)委員 簡単にいいますと、今までいろいろな会社、問題を起こした、新聞の社会面をにぎわすような事件があったと。大体取締役会とか社長のところに権限が集中して、人事を決めるとか、報酬を決めるとか、あるいは監査の問題、いわば企業の三権ですよね、これがトップに集中している。トップの一存によってみんな会社が決まっちゃう、こういうことでは古い体質なのでとても国際競争力というものに対処していけないので、こういう方式を入れたんではないかなと思うんですが、こういう考え方でよろしいんですか。何か六法全書を読んでいるようで難しいんですよ。だから、もう少し簡単にわかりやすく……。
○野口銀行設立準備担当部長 大変失礼いたしました。簡単に申しますと、おっしゃるとおりでございます。
○桜井(良)委員 トップに権限が集中しているという弊害をなくして、会社運営、統治のあり方を新しくしていこうということで入れられたんではないかと思うんですが、聞くところによりますと、こういう企業統治はアメリカでは常識的になっているという話も聞きました。したがって、それが今の時代としては常識だというふうになれば、日本の企業、全部が古い体質の壁の中でやっていたと思いませんけれども、既にこういうことを導入した企業もあるんではないかと思うんですが、もしわかれば、ちょっと紹介だけしていただきたい。
○野口銀行設立準備担当部長 代表的な企業といたしましては、ソニー、東芝、日立製作所、HOYA、オリックス、西友などが採用しております。銀行で申しますと、りそな銀行及び東京スター銀行の二行が採用しております。
○桜井(良)委員 りそなの名前が出ましたが、りそなは、再建のためにこれに移行するということではないかと思うんですが、そこで、そういう委員会等設置会社を今度は全く新しいタイプの新銀行でも採用する、こういうことですよね。その理由について改めてお聞きしたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 中小企業に生きた資金を供給するという新銀行創設の政策目的と、株式会社としての自主性を確保するという要請とを両立させるため、この委員会等設置会社の制度をとることが最適と判断いたしたものでございます。
○桜井(良)委員 そこで、政策目的とは何ぞやということをいいますと、また考え方だけが先行してしまいますので、この辺のことは今後の検討の中でまたぜひご報告していただきたいと思うんですが、要求資料の中に、東京都民銀行設立当時の都及び東京商工会議所のかかわりというものの経緯が記されております。昭和二十六年六月の中小企業銀行計画に関する懇談会の最終案では、資本金三億円の半額以内を東京都が引き受ける、こうされていたんですが、この案が見送られて、八月の東京都地方銀行対策審議会では、都は一定額の預託をなすべきだ、こういうふうに変わったわけです。この経緯はなぜでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 昭和二十六年一月に、東京商工会議所内に設置された中小企業銀行計画に関する懇談会、この最終案では、資金難にあえぐ中小企業者が多額の出資をすることは困難であるとの理由から、資本金三億円の半額以内を東京都が引き受けることとされました。しかし、この案では、都が財政資金で株式の引き受けを行うため、銀行の性格及び運営が都の政策の影響を受けやすい懸念があるということで、出資は取りやめることとし、かわりに新銀行を健全に育成するため、設立後に一定額の預託を行うこととしたものであります。
○桜井(良)委員 当時は、都の政策の影響を受けやすいということが懸念されて、出資が預託に変わったわけです。今回の新しい銀行というのは、まさしく東京都の考えが中心になって運営されていくわけであります。今回が預託ではなくして出資になったのはなぜでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 当時と比べまして、今回は、都民銀行創設時と経済状況が大きく異なっております。眠っている巨大な個人金融資産を活用し、技術力や将来性はあるが資金調達に苦しむ中小企業に生きた資金を供給するという政策目的を達成するため、都みずからが出資し、主体的に新銀行を創設する必要があると判断したわけでございます。
○桜井(良)委員 銀行そのものができて、当初の政策的な目的が達成されて、中小企業の育成や活性化に役立っていけば、これは私たちとしてもいいと思っているわけですが、その辺の詰めはこれからだと聞いております。そこで、出資金についてはいろいろいわれています。千二百億とか千五百億とか、幾らぐらい出資すれば目的が達成されるのか、また、出資についての予算措置等の手順はどんなふうに考えているのか、お示しいただきたいと思います。
○津島理事 一つは、出資の規模でございますけれども、現在、どういう業務量、どういう種類の業務を行うか、こういうものを、先ほど申し上げましたようにビジネスモデルを詳細に積み上げている段階でございます。こういったものを積み上げる中で、業務量にふさわしい規模をつくっていきたい。そして、その規模の約過半を東京都として出資しようということで金額を決めたいというふうに考えております。
時期等につきましては、これから、進捗に合わせてできるだけ急いでおりますけれども、しかるべき時期になりましたら都議会にお願いするということで進めております。
○桜井(良)委員 要するに、出資額も予算措置の時期も、今のところは、準備はしているけれども、まだ決まっていないということでよろしいですか。
○大塚出納長 当然本体は、立ち上げの時期等から考えますと、来年の一定には、いずれにしても議会の審議をお願いすることになると思います。その前の段階でもう仕事が始まっているわけでございますので、今年度中に議会のご判断をいただけるような、そういう機会を設けることになるというふうに思っております。
それから、規模は、先ほど理事がお答えいたしましたけれども、会見で知事からも申し上げておりますけれども、おおむね一千億円程度をお願いしたいと思っております。
○桜井(良)委員 もう準備も入っちゃっているんで、準備の予算措置を今年度中にお願いしたい、本体の方は来年の一定にお願いするようになる、こんなふうにスケジュールは理解してよろしいんですか。
○大塚出納長 要するに、一千億円を、端的に申し上げますと、二段階でお願いしたいというふうに思っております。
○桜井(良)委員 非常に大事なところになると、まだ詰まっていないので答えられないんではないかと思います、良心的に考えて。ですから、これ以上あれしてもあれなんですが、だからこそ、状況が変わり次第、いろいろとまた議会側にもご報告をお願いしたいと、また改めて要求しておきたいと思います。
同じ資料に、ソニー銀行の概要をそろえていただいたわけでありますが、ソニー銀行の概要におきましては、設立の沿革等が記載されているわけですが、この例では、準備室の発足から営業開始まで一年半かかっておりますよね。さきの我が党の代表質問の中で、新銀行における金融専門家等の確保策につきまして、既に準備組織に外部の精鋭の参加をいただいているという答弁がございました。こうした専門家と、初めて金融の極めて専門的なところへ行政の方々が入って、いわば混成部隊で銀行経営の企画を行っていくわけなんでありますが、この辺はうまくいくのかどうか、自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新組織は、行政職員と外部の専門家により構成されております。その両者の役割は、内部で画然と整理されております。行政職員は、中小企業への政策融資に向けた基本的方針を示すとともに、そのアウトプットを検証し、適切な進行管理を行います。一方、民間の金融専門家は、それぞれの分野の先端的なノウハウを活用し、商品開発などさまざまな業務の企画を行ってまいります。この両者が新組織において共同し、相互の役割を的確に果たすことで、よりすぐれた銀行経営の企画が可能になると考えております。
○桜井(良)委員 専門的で、そういう答弁しか用意されていないんではないかと思いますが、いずれにしても、ネットバンクのソニー銀行が一年半かかったわけです。新しい銀行は、今度はフルバンクを目指すわけですから、常識的に考えても、それ以上時間がかかるのではないかなと思うわけです。来年の秋以降、来年度中に設立するという強い意思があるようですが、本当に大丈夫なのかどうか、その辺をお伺いしまして、また、どんな商品でどんなふうにしてお金を集めるのか、そういうことの質問もしたいんですが、恐らく考え方しか出てこないと思いますので、フルバンクとして、議会なり、また都民なり、社会に向けて来年度中につくるということは本当に大丈夫なのか、まずはその辺のことをお答えしていただいて、それで私は質問を終わります。
○大塚出納長 振り返りますと、相当前から、昨年来なんですけれども、出納長室の中で研究をいたしまして、(発言する者あり)わからないということもないんですけれども、かれこれもう一年以上前から、その段階で、あるいはコンサルを使い、あるいは外部のスキーム自体に中心的な役割を果たしていただける人を含めて、ずっと詰めてきました。それで、年明けからは、さらに具体的な研究に入ったわけであります。頭出しをする前までに、例えばどういうふうな企業にご参画いただき、どういうふうな内容の提携をし、どういうふうなスキームを組むかというところも含めて、実はずっと積み重ねてきております。
現在、既に外部メンバーを入れた大規模なプロジェクトが発足しておりまして、計画管理、設立渉外、経営戦略、IT商品開発、あるいはシステム戦略等の各部門ごとに、さらに提携する国内外の優良企業から優秀な人材を既に派遣をしていただいておりまして、その先端的なノウハウを結集して、鋭意検討を行っているわけであります。
チームによって進捗状況がなかなか違うんですけれども、チームによっては既に出口が見えているものもありまして、細部の詰めに入っているチームもこれありということでありまして、確かにタイトなスケジュールではありますけれども、十六年度中の創設は十分に可能だと考えております。
先行き目指すところまでいくには、それなりの幾つかのステップを踏んで、一歩一歩足元を見詰め、手がたくいくことになるというふうに思うんですけれども、ご指摘のとおり、道のりは決して平坦ではありませんけれども、社会的インフラの一つとして十分に機能する存在感のある銀行を何としても立ち上げてまいります。
○桜井(良)委員 正確かどうかわかりませんが、中国のことわざに、はかりごとは帷幄の中にめぐらし、戦いは万里の外に決せん、とありますが、恐らく今初めて内容をおっしゃった部分もあって、銀行そのものの構想が出たときも皆さん驚いたと思いますが、いろいろな問題がありまして、帷幄の中ではかりごとをするのも大変だと思いますが、一方で議会と執行部は車の両輪ということもありますので、できるだけ情報を密にしていただいて、しっかりと審議をしながらつくり上げていく機会をぜひ創造していただきたいと、重ねて重ねて要望いたします。ありがとうございました。
○真木委員 民主党の真木でございます。
本日は、今話題となっております都民関心の新銀行、早速入らせていただきたいところでございますが、その前に、東京都の出納長室におきましてもう一つ重要な課題であると私は考えますみずほ銀行の問題、東京都の指定金融機関の問題につきまして、まず触れさせていただきたいと思います。本題は新銀行だと思いますので、さっと気持ちよくやれたらというぐあいに思っておりますが、ぜひ明快なご答弁をお願い申し上げます。
と申しますのも、みずほ銀行の問題、私は、過去六回この財政委員会で質問をさせていただきました。最初は、指定金融機関指定の前、富士銀行時代でありました。そして、これは大したことないんだろうと思って、単に富士銀行が第一勧業銀行等と合併し、みずほとなるだけだ、何ら問題ないじゃないかと思っていたところ、四月一日、その最初の日にシステム障害を起こしました。
それ以降、何度かやりとりをし、最初、これだけ問題を起こしたみずほ銀行、そして、知事がとんでもない銀行だみたいな話もされました。そうした中で、私は、これ以上みずほ銀行とおつき合いをするのであるならば、都民に対する説明が必要だとお願い申し上げましたところ、その数日後に、国を上回る規模と内容で緊急調査に入っていただきました。
そして、この委員会の中で、では、預け入れの基準というものをつくるべきだということも重ねてお願いしました。そうしましたところ、ポートフォリオという形で、東京都のお金の預け入れのあり方というものもつくっていただきました。委員会審議というものは厳粛であり、また重たいものであるという意識を持っておりますし、東京都出納長室も、私どもの質疑を受けて対応していただいているというぐあいに認識をしております。
そうであるならば、今までのやりとりの中で、例えば七月の財政委員会の中で、大塚出納長のお言葉として、十五年四月という言葉が繰り返し出されました。私は、指定金融機関の更新時期、任期、期間一年間である。途中解約もできるけれども、もろもろある中で、既にこれだけ問題を起こしているんだから、期間一年後の十五年四月に向けて、指定金融期間の見直しも含めた公募等もすべきではないのかということをご提案した中で、十五年四月の段階を見るんだということをはっきりと申し上げられました。
そして、東京都みずからつくった財務基準、銀行の経営状況の基準ですね。その中には自己資本比率一〇%以上というような言葉もあります。そうした財務基準をつくられました。そして、みずほがシステム障害を起こした後に、七月に入って、運用上の基準というのもつくりました。銀行のトップレベルの安全性を有するということを基準とされております。
そして、さらに出納長のお言葉の中で、都議会が三月に指定金融機関の議決の際につけた付帯決議、中小企業貸し出しを十分に行うことということに関するその付帯決議三点を踏まえて、指定金融機関についての検討をしていくというお話をいただきました。明確に十五年四月の段階で基準をクリアしているということが指定金の条件だというふうに申し上げたわけですというような言葉もあります。その基準を下回った場合は、指定金としてはつき合い切れないんだということを公にしたんだというようなお言葉もございます。ですから、大塚出納長が示していただきました三つの基準それぞれにつきまして、まず一つずつ確認をしたいと思います。
まず、東京都が三月につくりました財務状況についての基準、一〇%以上であることとかいうことも一つあります。また、その前の東京都の考え方の基本であります審議会答申の中では、指定金はさらなる安全性を求めるという言葉もありました。そうした財務状況の基準に照らして、みずほ銀行の現状は基準を満たしていると考えているかどうか、お聞かせ願います。
○中路副出納長 みずほ銀行の財務状況についてということでございますが、格付は現在ムーディーズでA3でございます。メガバンクの中ではトップではございませんが、おおむね上位の水準でございます。
三月末時点での預金量は、九月三十日時点と比べますと四・五%の減少となっております。十五年三月期決算では、自己資本比率は九・二五%、自己資本に占める公的資金、税効果会計相当分の割合は約五六%でございます。また、不良債権比率は約五%というふうになっております。
株価は、最近上がってきておるという状況でございますが、旧額面五十円換算にいたしますと、百十円程度で推移しております。
先行きに対しては依然として不透明な部分があるということは否めないわけでございますが、三月決算の内容を適用した結果といたしましては、みずほ銀行は、預金制限を必要とする段階ではないというふうに考えております。
○真木委員 三月に東京都が正式に出しました公金管理方針の中で、指定金の記述は特にございません。しかしながら、お金を預けていいところの基準として、一つの考え方、自己資本比率一〇%というような言葉もあります。そして、答申の考え方では、さらに指定金融機関については、さらなる安全性が求められるという言葉まであります。そうした中で、今事実上都市銀行、りそながこけた中では四つのグループだと思いますが、その中で最も業績の悪い銀行とおつき合いしているということは事実だと思います。
しかしながら、東京都が、過去、議会とのやりとりの中で、少なくとも一応の考え方を示している、少なくとも預金制限を受けない銀行であることという考え方は何とかクリアしているのかな、答申にあるさらなる安全性を求めるというところには厳しいけれども、一応の基準は何とかクリアしているのかなというぐあいに私も考えることができるのかとは思います。
続きまして、システム障害、運用基準を満たしているのかどうかということであります。
東京都は、五月に調査に入って、そして六月に、その調査の報告とともに、さらに今までになかった財務基準に加えて、運用上の基準、システムの基準を加えました。その中の第一に、金融機関のトップレベルのサービス水準を維持することとあります。みずほ銀行が金融機関のトップレベルのサービス水準を維持しているのかどうか、確認します。
○中路副出納長 措置要求の中で、いろいろなことを要求したわけでございますが、措置要求のその後の対応では、システム統合については、十六年四月の開始に向けまして、今後とも金融機関のトップレベルのサービス水準を維持すべく、顧客サービスの向上を最重点に準備を進めているということでございます。また、現在、システム統合に向けて、システム全般にわたり総点検を実施して、改善点を洗い出し、順次対応策を立案、実施しているというような報告を受けております。
現在、顧客サービスに影響を与えるシステム障害というようなものは発生しておりません。また、都の指定金融機関としての業務にも支障は生じていないわけでございますが、東京都といたしましては、今後も引き続きシステムの安定稼動の状況を見守っていきたいというふうに考えております。
○真木委員 私は、トップレベルの水準であるという基準を満たしているのかというぐあいにお聞かせいただいたところであります。トラブルが起きていない、当たり前であります。トラブルが起きてからでは遅いわけであります。トラブルが起きない体制であるかの安全性を確認するのが東京都の仕事であります。やりとりの中で、今、とてもトップレベルにあるとはいえないということは皆さんがお認めになるところであります。確認の答弁を求めてもいいんですが、その必要はないですよね。
七月の過去のやりとりにおいても、今、このみずほ銀行が一生懸命やっているシステムは、捨てるシステムである。富士銀行のTOPのシステム、そして第一勧銀のSTEPSのシステムを統合しながら準備を取り繕っているシステムであって、本当は新しいシステムはこの後立ち上がるわけですから、その新しいシステムが立ち上がってからでないと、東京都の求める基準は満たさないわけですし、安全性の確認とはいえないわけであります。ここにおいては、明らかに丸はもらえないということだと思います。改めて答弁を求めなくていいですね。
続きまして、では、付帯決議の方はどうなっているのか。都議会の方がつけました中小企業貸し出しを十分に行うこと。ところが、国の金融庁から、年度途中の異例の業務改善命令、中小企業から五兆円のお金を引き上げたということで業務改善命令が出されました。この状況につきましては、都議会の付帯決議が守られているというぐあいにお考えでしょうか。
○中路副出納長 中小企業貸し出しにつきましては、これから七月下旬に公表される予定の経営健全化計画の履行状況において示されるというふうに聞いておりますので、まだそれを評価することはできないと思います。
○真木委員 そうしますと、この財政委員会の中でお示しいただきました三つの基準、一つは財務状況、これは、二重丸というか、決していいものではありませんけれども、ぎりぎり合格点、六十点ぎりぎり。ところが、安全性の基準、運用基準については、これは合格点である六十点はとても与えられる状況ではない。バツとはいわないけれども、三角である。そして、三つ目の付帯決議の中小企業貸し出しの基準は、バツ、もしくは答案未提出、こういう状況であります。
こうした学生さんに対して、大塚教授は合格の判こを押されるのかどうかということを確認したいと思います。本日、みずほ銀行について質問させていただきましたのは、今までに積み重ねた議論がうやむやになるまま終わってしまってはならない。しかしながら、時間も限られておりますので、あえて先ほど確認の答弁ももらわなかったわけでありますが、ぜひ明確に、合格点なのか、それとも退学を求めるのか、追試なのか、その辺につきまして大塚出納長の認識、東京都としての認識をお聞かせいただきたいと思います。
○大塚出納長 みずほ銀行についての真木理事の終始変わらぬ多大のご関心につきましては、改めて感謝を申し上げたいと思います。ご質問されている真木理事自身も、実は既におわかりだというふうに思っておりますけれども、実質的にみずほの指定金問題について今は判断をする時期ではありませんし、また、その必要もないと考えております。
一つ一ついえば切りがないわけでありますけれども、何よりもみずほは今総力を挙げて再生に向けて取り組んでいるさなかであります。その着地点をしっかりと見守っていきたいというふうに思っています。
なお、指定金業務については、きちんと仕事をしていただいていると考えております。
○真木委員 本日の本題の新銀行の方に移りたいという思いを持っていますので、出納長と激しいやりとりをするつもりは毛頭ございません。しかし、今ご答弁の中にありました、指定金としての判断をする必要はない、その時期にはないけれども、その必要もない。必要はあるんだと思うんです。出納長も、十五年四月の段階でという言葉をいわれているわけであります。だから、私は今まで待っていたわけであります。
必要はあるんだけれども、今、決して合格点は与えられないけれども、でも、退学にするわけにはいかない。退学にするほどではない、引き続き見守りたいというのであればわかるんです。東京都として、既にもう三つ明確に基準をつくったわけですから、すべてが丸になって初めて指定金として続けられるわけです。だけれども、どこまでだったら--すぐ指定金の更新ができないということはまた別次元の話でありまして、私は追試だと思っているんです。今合格点を与えることはできない。だけれども、追試が必要だという判断を今東京都としてすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○大塚出納長 追試だという、そういう真木理事の基本的なスタンス、それは確かに承りました。私は、追試ではなくて、試験期日の延期だと思っておりまして、確かに十五年四月というのは一つの時期だというふうに申し上げましたけれども、実は、ご答弁を申し上げた後、いろいろあるわけですけれども、一兆円の増資をし、それから、システムについても、総力を挙げて新規システムを組み、リストラについても今できることをすべてやっているというそういう状況の変化が、システム自体先送りされたわけでありますけれども、そういう意味で、ご答弁をさせていただいた時期と、前提条件といいますか、それが変わった。そういう意味で、それを受け入れて、試験期日の延期をしたいというふうに考えています。
○真木委員 ここで、追試か試験期日の延期かの議論をするつもりはございません。ただ、はっきりしておりますのは、今試験をしたら合格できないという東京都の判断があるということだと思います。必ずいつか試験をする。それは、九月になれば、中小企業貸し出しも出てくるわけであります。九月議会、もしくは十二月四定の中で、必ず試験の結果をお尋ねさせていただきますので、常にこれは試験の連続でありますけれども、一連のシステムトラブルの、そして議会の中でも、もっとドライに指定金の見直しを考えた方がいいのではないのかという議論があった中ですから、一度この問題に対する結論は出すべきだと思います。それが議会と行政とのあり方だと思いますので、追試でも試験期間の延期でも結構です。必ず試験があるものだということのご確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚出納長 私、真木理事にちょっと教えていただきたいんですけれども、先ほど真木理事は既に実質的にはおわかりになっていると思いますがということでご答弁申し上げましたが、今のこういう状況の中で、もし仮に東京都だけのためにみずほの指定金問題について一定の判断を、それはプラスマイナスを含めてですけれども、今のこういう状況の中で、私が申し上げているのは、対外的にその必要が本当にあるのか、あるいはそれをすべきなのかというところを、それは長い間いろいろな形で行政に携わってきておられる真木理事ですから当然おわかりだというふうに思って、先ほどああいうふうなご答弁を申し上げたわけでありまして、これで三回目のお答えになりますけれども、今の真木理事のご質問については既にお答えしているというふうに考えています。
○真木委員 ここでこれ以上やっていると、この問題で終わっちゃいますし、今の大塚出納長の言葉というのは非常に重たいです。めちゃくちゃ重たいというか、やったら大変なことになるということの裏返しでありまして、みずほさんも見えておりますけれども、そんな議事録が残ること自体が、本当にどうなのかなというぐあいに思ってしまうぐらいであります。
これ以上やって、東京発云々というのは避けたいというのは、出納長とのお互いの思いであります。私は、この間、みずほの問題に関して、東京発銀行何々ということは絶対に起こしてはならないというスタンスで臨んできたつもりであります。この点につきましては、引き続き九月議会、十二月議会の中で私は取り上げさせていただくつもりであることを申し上げ、試験の延期であるという言葉も重く受けとめ、このみずほの問題につきましては引き取らせていただきたいというぐあいに思います。
続きまして、新銀行の問題についてであります。
新銀行の問題につきまして、私は、この新銀行をつくるというのを選挙公約として掲げ、三百万もの得票をされて当選された石原知事、その新銀行も含めて信託をされたんだというぐあいに理解をするものであります。そして、担保主義の見直しというか、担保主義の金融を変えていくんだ、この試みには大いに賛同するものであります。
本日は、先ほど大塚出納長の方から、二段階というお話がありましたが、私どもは、一月議会の中で、一定の中で、予算の中で、この議会の議決が求められるんだというぐあいに思っておりますが、その議会の議決の際に気持ちよく賛成できるように、数少ない資料でありますが、今与えられている情報をもとにいたしまして、その疑問点をぶつけ、そして、これをクリアしていただくならば賛成ができるという問題点につきまして、きょうは、むしろ厳しく疑問点をぶつけさせていただきたいというぐあいに思います。
そして、私としては、一千億円という大変な莫大な東京都民の税金、一人都民一万円ということになります。この税金が守られるのかどうかというのが最大の関心事であります。その観点から幾つか質問させていただきたいと思いますが、先ほど大塚出納長から初めて、一年以上前から準備をしてきたという話を私は耳にいたしました。都議会の方でもらっている資料というのはレジュメ三枚だけでございまして、私がこれから質問させていただくのも、新聞情報によるところが大きいわけでありますというか、ほとんどが新聞情報であります。
一年以上前からやっているんだったら、もうちょっと資料をいただいていいんではないかなと思うわけでありますが、いずれにしろ、東京都の準備状況を確認する上で一つの目安になります。守秘義務契約をしてアドバイザー契約を交わしているというようなお話をいただいております。本会議でもいただきました。一番最初に守秘義務契約を交わしたのはいつで、それ以降、今何社ぐらいと守秘義務契約を交わしているんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 昨年来、多様な企業と協議を既に開始しておりまして、必要な契約を結んでおります。守秘義務契約につきましても、必要に応じて結んでおります。
○真木委員 議会に対して何もいえないということであります。どこと契約しているかということであれば、先方のあることであっていえないというのはわかります。しかしながら、東京都がいつから準備に入ったのか、これをいえないのは、東京都の事情だけではないのかな。こういう都民の税金一千億円にかかわる問題についてどの程度の準備がされているのか。このつくるという提案、つくることの検討に着手したというご報告ならば、私どもも資料二枚でもいいね、三枚でもいいねという話になります。しかしながら、つくるということを明確に知事が発表されているものに対して、資料がまだできていない。これはしようがないねというのは、議会としての機能を果たしているとは思いません。
また、議会で対応される方々がこの六月十六日から来られたばかりで、どの方と対応しても、私も来たばかりでわかりませんという話を今まで説明を受けております。しかしながら、一年も前からそういった勉強をされてきた人がいるんであれば、そういった方々が議会と対応していただきたいというぐあいに思うわけでありますが、この問題につきましては、引き続き、きょう何回聞いてもオープンにできないということでしょうから、オープンにできないということにつきまして、この後も質問していきたいというぐあいに思っております。
続きまして、新銀行の性格であります。この新銀行をつくるのは、新銀行が普通の民間の新規参入銀行、アイワイバンク銀行だとかソニー銀行だとか、そういうものと全く変わらない銀行なのか、それとも、官営銀行であって金もうけはしない銀行なのか、その辺の性格について明確にしていただきたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、銀行法に定める株式会社でございまして、いわゆる普通銀行でございます。
○真木委員 普通の銀行である。ですから、収益を上げていくんだということでいいんですね。
○野口銀行設立準備担当部長 銀行法施行規則で、営業開始後三年以内に当期利益が見込まれることが定められております。したがいまして、当然収益は求められております。
○真木委員 困っている人を救済するだけの銀行であるとかいうのもわかります。しかし、今明確にされたように、普通銀行であるということであります。収益を求めていくということであります。そうすると、今度は、一方で民業圧迫という声は声高に叫ばれております。民業圧迫という批判はもう気にしないんだというようなものなんでしょうか、そこら辺につきましてお答え願います。
○野口銀行設立準備担当部長 民業を圧迫する意図はございません。健全な競争関係を保ちつつも、協調関係を維持していきたいと考えております。
○真木委員 圧迫する意図はないけれども、結果として圧迫することになるかもしれないということになるのかなと、その辺はこれからまた議論をさせていただきたいんですが、ただ、東京都がバックにある銀行ということになれば、預金も殺到する可能性がございます。私の観点は、都民の税金一千億円が守られるかどうかという点でありますので、どんどん預金が集まって、どんどん貸し出しをして、そして、東京都に配当金がどんどん入ってくる。これはこれで結構なことではないかなと思うんですが、一方で、そうするとすごくもうかった銀行、民業圧迫という批判もあるわけであります。預金が集まる、どんどん貸し出す、配当金も出る。これは、成功ということでよろしいんですね。
○野口銀行設立準備担当部長 個別の預金者の行動でございますが、これは予測しにくい面もございます。新銀行の目的は中小企業の支援でございます。眠っている巨大な個人金融資産が生きた資産として中小企業に供給されることは、この目的にかなうものでございます。
○真木委員 民業を圧迫する意図はない。意図はないけれども、経営が成り立って、そして利益が出て、そして配当も出ることは目的にかなうことであるということだと思います。
そうしますと、ほとんど民間銀行、普通の銀行であるなというぐあいに思うわけでありますけれども、一方で、東京都は、これも新聞報道で知った話でありますが、一千億円の資本金、これは全体の資本金の五割を超えるように東京都がお金を出していくということであります。それは、商法等に定めがある筆頭株主、五一%を超える株主は決定的な影響力を持つ、その影響力をキープしたいから東京都は五一%を確保するんだということでございます。
そうすると、何のためにこの五一%を確保したいんでありましょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 出資を過半とする意味でございますが、新銀行の経営の大枠を監視し、一定の政策目的を達成するために、過半の出資が必要と判断したものでございます。
○真木委員 そうすると、一定の政策目的、何をされてはいけないから監視をしていかなければいけないのか、何をするために監視をしていくのか、そこは明確にならないと、何も東京都が一千億円も出さなくても、トヨタさんだ、NTTさんだ、イトーヨーカ堂さんだと、ぼんぼん出資してくれて、そしてお金が集まった、合計で二千億円になった。それでいいではないですか。何をされてはいけないのか、何を実行していくために五一%をキープしなきゃいけないのか、そこをもうちょっと明確にしていただかなければわからないと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、中小企業支援という政策目的を使命として負っております。
○真木委員 よくわかりませんが、要は、もうけてはいけない、つぶれてはいけないという銀行で、そんなのはあるのかということにもなるわけです。もうけてはいけない、つぶれてはいけない。もうけようと思ってなかなかもうからないわけでありますから、もうける銀行をつくるんだというんであればわかるんです。だけれども、一方で、民業を圧迫する意図はないということをいわれると、意図はないだけであって、結果は知りませんというんだったらまだわかるんですけれども、民業圧迫ではないといわれちゃうと、何が何だかわからなくなっちゃうわけです。
ですから、もうけを追求する銀行ですということをはっきりといっていただいた方が、私はむしろわかりやすい。そして、民業圧迫ということに関しては、金融監督庁が一銀行として指導すればいいわけです。金融政策は金融監督庁がやることであります。私は、一千億円が守られるということが、都民の税金が守られるということが何よりもの課題だと思っておりますので、その辺の銀行の性格というものをもうちょっと明確にしていただかないと、批判を恐れず明確にしていただかないと、議論が先に進まないのではないかと思いますので、その辺の色がはっきりと見えるように、今後よろしくお願いしたいと思います。
その上で、東京都の新銀行が行う業務三つ、一つは、中小企業への貸し出し。技術があって将来性があるにもかかわらずお金が借りられない、貸し渋りに遭っている、そういった中小企業を助けていきたいんだというお気持ち、非常によくわかります。二つ目が金融商品をつくっていく。三つ目がICカードをつくっていくということでありますが、その一点目の中小企業への貸し出しについてお尋ねをしたいと思うんです。
先ほど来の答弁でもありました、信金さんと協力をしてやっていくということです。そうすると、今ある信金と協力していく。その今ある信金ができなくて、なぜお役人さんが入る第三セクターの新銀行ならばそういったところに融資ができるのか、その辺を明確にしていただきたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は不良債権がゼロからスタートする銀行でございます。かつ、内外の有力企業と提携して創設される銀行でありますことから、不良債権を抱えた既存金融機関にはできない中小企業の総合的支援等が可能となります。また、新銀行は、他の金融機関と協調できるスキームをつくり提示していくことで、例えば信用金庫単独では実行できない融資であっても、協調融資という形で可能になるわけでございます。
○真木委員 ほかの銀行と連携するとなぜできるようになるのかというのは、今の答弁は全然わかりません。協調融資ということであるからできるんだということであれば、例えば信金さんだけなら五百万円までしか貸せない、それ以上は怖くてできない。それが、新銀行が連携することによってもう五百万円積み足すことができる。今までは五百万しか借りられないものが、一千万まで借りられることができるということなのかどうか、その辺がはっきりわかりません。
二百人しかいない銀行、信金さんと協力をする、そして、今まで貸せなかったところにも貸していけるんだ。そこをなぜ信金と協力してやっていけるのか、新銀行ならできるのかということを明確に説明していただけるようにしないといけないんではないかと思います。そこをぜひ次回までにできるようにお願いしたいと思います。
そして、今まで、そのお答えとしては、ポートフォリオ型で融資を固めていくんだ、束で考えていくんだというお答えでありました。今までの信金さんが、ここから上以上の安全性の信用の高いところの中小企業にしか貸せなかった。新銀行も、将来性のない斜陽企業には貸し出すつもりはないということを明白にしています。それは今までのやりとりの中でも明白にされています。
一部の商工会の皆さん等が期待している、この緊急非常事態に東京都銀行がずぶずぶとお金をつぎ込んでくれるんだ、これは非常事態だから新銀行がお金をつぎ込んでくれるんだというご期待がありますけれども、それは違うということも明確にされております。問題は、今まで貸せるところから少しでも下に貸していきたいということで、この貸せるところの基準の下の債権と信用の高い債権を一緒に考えて、一緒に貸し倒れ比率等を踏まえ、そして貸していくんだということがポートフォリオということの考え方だというぐあいに私は理解しております。
しかしながら、今まで信金さんも貸していたような信用性の高い中小企業と、ここがいなければ、東京都が貸そうとしている、今までの信金が手を出せなかったここの企業にはお金を貸せないわけですよね。ここだけだったらだめなんです。こことセットになることによって一緒に貸せるわけです。というと、今まで信金さんが貸していた、都市銀行さんが貸していたこの優良債権、経営のいい中小企業も、東京都の新銀行が奪っていくということになりはしませんか。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、既存金融機関に対しても、新たなビジネスチャンスの広がりを提供するものでございます。一般論としてお答えいたしますが、金利については、世の中に多種ある金融商品の中で、たとえ同じ商品であっても、それぞれの企業戦略の中で決定していくものでございます。
○真木委員 金利については聞いておりません。新しいものができるということは、今のお答えではわからないわけです。だから、ポートフォリオという考え方は、上があって初めて下を救うことができるわけですから、上をとるということは、これは僕は決して悪いことではないと思いますよ。民業圧迫だって、僕は民業を圧迫してはいけないとはいっていませんから。新銀行がどんどんもうけていいんです。だけれども、結果として信金さんとかが相当打撃を受けるだろうなということは、ポートフォリオの考え方からして明らかなんではないかというぐあいに思います。
いいところ、今まで信金さんが貸していたというところもとっていくということになるわけです。理屈としては、そういった民業圧迫になります。だけれども、もう一方、現実の問題として、二百人しかいない新銀行が、こういった今まで信金さんがつき合っているような優良企業に、営業がいないのに新銀行さんに借りにきてくれるのかという現実の問題があるわけです。今まで信金さんが貸していただいていた優良な企業は、常に信金さんの営業と仲よくしているわけでありまして、わざわざ東京都じゅうで十店舗しかない新銀行にお金を借りにいくなんてことは、これはあり得ないです。
そしてもう一つは、ポートフォリオという考え方で無担保でもありますので、金利が高くなることは、これは絶対事実であります。そうしますと、金利が高いのに、この今まで貸していた優良の企業までがそちらに飛びついていくということはあり得ないというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。
○津島理事 ポートフォリオという融資の仕方をとったがために、新銀行に信金から優良な企業が流れてくる、こういうお話だと思うんですけれども、既存の信金が現在どういうふうな融資をしているか、これは個別融資だけでございます。私どもは、そういう個別融資ばかりではなくて、ポートフォリオというような融資をすることによって、一つの新しいビジネスチャンスを広げていこう。
これはまた、ポートフォリオのような形でやる融資の規模、それから、個別審査をしていく融資の規模、これはおのずと規模は違います。ですので、今まで個別審査でだめだった、個別審査で優良な企業という、これがポートフォリオの中でやるということ、そもそもポートフォリオというのは、数日で審査をしてどんどん貸していくという形をとりますから、おのずと金額というものについては小型のものになります。そういうことで、先生がおっしゃるように、個別審査のものとポートフォリオを混在してお話しするというものは、ちょっと違うと思います。
○真木委員 違うといわれちゃうと、そこで議論しなきゃいけなくなっちゃうわけですけれども、この問題について余り納得できる説明をいただいておりません。要は、今まで信金さんからお貸しいただいていたところが、わざわざ都民銀行に、金利も高いでしょう、営業もいない、わざわざ借りてくれといって信金さんの営業さんが来るような優良企業が、わざわざ新銀行に行くのかというところがあり得ないんではないんですかという話なんです。その辺につきましてもぜひご説明をいただきたいと思いますが、どうぞお願いします。
○大塚出納長 ご質問なり議論は、かなりブレークダウンした具体の銀行経営の現場の話に近いところでのご議論になっていまして、それはいずれきちっとできるだけ早くお示ししたいというふうに考えておりますけれども、今の段階で、信金の客を奪うというお話が先ほどから出ておりますので、そこに限ってお答えを申し上げますが、それと民業圧迫との関連でありますけれども、もう真木理事はご存じかもしれませんけれども、住友が約一年前に、セレクトビジネスローンというビジネスローンの新しい商品を発売いたしました。
この住友のビジネスローンは、実は、一年前に実際は商品として完成して発売したわけでありますけれども、組織の中では、その二年ほど前からいろいろ議論をしてずっとやってきた。しかし、なかなか本当に消費できるような製品が発売できなかった。構築できなかった。そこで、従来の融資部門で検討させることをやめて、全く新しい部門で、融資の経験にどっぷり、いわゆる担保主義の延長という形での融資の経験のないチームで、極めて少数のチームで立ち上げて、それで組み立てたものが住友のビジネスローンであります。
これは、約一年で、今融資残高は四千七百億ぐらいに来ていると思うんですけれども、この顧客の半分は、住友にとっては全部新規の客であります。もちろん東京都の新しい銀行は、この住友のビジネスローンと全くイコールの形でやるというふうには申し上げておりません。対象も違いますし、それから、条件なんかも違ってくるというふうに思いますので、返済期間も含めてもうちょっとファジーにやりたいと思っていますので、住友は三年でございますから、それだと、先ほど来のいろいろなご要望にはこたえられないというふうに思っておりますので、その辺は別のスキームになりますが、その新しく来るそこのところはどこから来るのか。例えば住友に半分新しく来るところ、それで、東京都が新しい商品をつくって売り出して、それで来た。それはどこから来るかなんというのは、実はわからないわけです。
ただ、基本的なスタンスとして民業圧迫をするつもりはないというのは、例えば金利の設定、それは貸し出し金利にしても、受け入れ金利にしてもそうですけれども、マーケットの水準を大きく混乱させるようなことはするつもりはないということです。その先は、これは株式会社ですから、その株式会社の中で一定の自己規制をもって、それである意味では淡々と整々とこの仕事をやっていくということになります。
ほかの銀行との最大の違いは、生み出した余剰を、政策目的である中小企業融資のところに、そこに振り向けるということです。ですから、一方でできるだけマーケットを混乱させないような形でいろいろな商品運用をし、それから、一部収益も稼ぎ、それから、海外の資産運用もするかもしれません。そういうことによって生み出した余剰、その余剰の総体が実は中小企業のところに行く無担保融資の規模と程度を決めるということでありまして、それは明らかに政策目的をきちっと満たして、それが出口でありますから、そこの一点に収れんをして、それで全体のスキームを運営していきたいというふうに考えております。
○真木委員 その政策目的であります中小企業融資、今まで貸してくれなかったところへもお金をつぎ込んでいくということにぜひなっていただくように努力をしていただきたいと思いますが、そのもとは、今いみじくもお話もあった、どこから来るのかわからないということは、信金の層を相当食っていく可能性はあるということは事実だと思います。ですから、そこは、民業圧迫をしないというのは、東京都の財力のもとにめちゃくちゃな金利設定をしないということであるというような、そういった説明もやっていかないと、誤解というか、必ずしもそんな甘いものではない、信金と必ず協調できるものではないんだということはいっておくべきだというぐあいに思います。
○大塚出納長 先ほど来信金の話が出ていますけれども、預金者の行動というのは実際予測はできないわけでありまして、ですから、それはマーケットを混乱させないように、適正な仕事の仕方をしていくわけでありますけれども、信金と協調することになって、いろいろな形で協調することになって、これは個々の信金の判断になるわけですけれども、もし仮に預金量が減って、それで協調する信金の業務に影響が出てくるようなことがあれば、それは場合によっては、ほかの面のつき合いも含めて、必要な預託の手当てをするなり、あるいはそれ以外もあるかもしれませんけれども、それはいろいろなスキームが考えられる、そういうふうに思っています。
○真木委員 ぜひそういった対策と、何も競争しないよというのが対策ではないと思いますので、いうことをいっていくということはしっかりとお願いしたいと思います。
そして、ポートフォリオが、なぜ新しい、今まで貸せなかったところにいけるのかということについては、私は理屈はわかりますけれども、現実として、ポートフォリオが成功するためには、上が来なきゃいけない。だけれども、上は本当に来るのか。営業がいないのに来るのか。これは、私はまだ納得できません。その辺が理解できるように、金利も高くなる、その中で、次回、ぜひそういったご説明をいただいた上で議論ができるようにお願いしたいと思います。
最後に、融資に関する最後の部分をお尋ねいたしますが、貸し倒れ比率はどのようにお考えでございましょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、先ほど申し上げましたように、中小企業支援という政策目的を使命として負っております。また、その一方、株式会社としての健全経営を行います。多様なビジネスモデルの中で、リスクの高いモデルについては、当然高い貸し倒れ比率を見込むことになります。
○真木委員 新聞報道等によれば、普通の銀行、都市銀行の貸し倒れ比率が五から一〇%程度というぐあいに出ておりました。信用保証協会というか、国が信用保証公庫に安定化資金を設定したときには、二〇%の貸し倒れを見込みました。そして、それ以上の貸し倒れが出ています。普通の融資であれば、貸し倒れが出ても、半分は回収できるということになります。担保があるからです。担保があれば、倒れても、取り上げて半分は回収できるんで、資本金はそんなに要らないとありますが、今回やろうとしているのは無担保であります。
そうしますと、資本金といういい方でいいんですか、二千億円のお金をもとに、自己資本比率四%、国内銀行であります四%基準をクリアするためには、五兆円までの融資ができるというのが簡単な大ざっぱな説明、実際にはいろいろあるらしいですけれども、説明になろうかと思います。
五兆円までの資金量があって、仮に四兆円を貸し出しした。四兆円貸し出しをして、そして五%貸し倒れたといったら、そうしたら二千億円、資本金は全部すっ飛んでしまう。都民の税金一千億円は消えてしまうということになります。その辺の見込みを十分にお願いして、他の都市銀行の貸し倒れ比率とは比べ物にならないというか、考え方は全く異なってくると思いますので、ぜひ都民の税金一千億円が守られるようにお願いしたいと思います。
続きまして、二番目の金融商品についてであります。これも、新銀行は安全で有利な金融商品をつくるということでありますが、なぜAIGやJPモルガンと連携すると、AIGやJPモルガンでできないものが、さらなる優秀なものができてくるのか、その辺の説明をお願いします。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、内外十数社の有力企業と提携して創設されます。各提携企業の保有する商品に係るノウハウが新銀行の準備組織の中で十分生かされることによりまして、提携企業単独では開発しにくい商品が、新銀行において開発が可能になります。また、新銀行は、開発されてはいても販売機会が少なかった商品に対して、販売チャンネルを提供することができます。
○真木委員 この二番目の事業であります金融商品の調達、これは、金融商品の販売、そもそも安全で有利なという、これは公正取引委員会から注意されるのではないかと思うんですけれども、それはそれとしまして、安全で有利なんてものがそもそもあるはずがないというのが金融の常識だと思うんですが、それは別としまして、この金融商品を売り出すというのは、資金調達のためですよね。ですけれども、AIGの商品を売るというだけであったら、手数料収入が稼げるだけであります。資金の調達にはならないわけです。
AIGの商品をどこで買うことができるのかなと思って調べてみますと、確かに国内では七つの銀行でしか買うことができない。愛知銀行、大垣共立銀行、香川銀行、紀陽銀行、西日本銀行、百五銀行、福岡シティ銀行、ここでしかAIGの商品を買うことはできないわけでありますから、東京で初めて販路をつくるという意味ではあるのかもしれませんが、手数料収入でしかないということになりますから、この目的を達成するためには、新商品でなければならない、独自の商品でなければならない。だけれども、独自の商品というのは、なぜAIG単独でできないのが、役人が入るとできるようになるのか、そのことの説明は明確にしていただきたいというぐあいに思うところであります。
続きまして、三つ目の事業でありますICカードの問題であります。これはびっくりいたしました。私は、中小企業にお金を貸すということでは大変いいことではないかという思いを持っていました。しかしながら、ICカードまでやられるということになると、何でという思いを強く持たざるを得ません。新銀行をつくろう、中小企業に貸し出しの銀行をつくろうといって指にとまっていただいたのがJRさんやイトーヨーカ堂さんであった。そうすると、JRさんやイトーヨーカ堂さんに、その出資の見返りとして何か事業を始めなければならない、そんなことでこのカードが始まったんではないかという邪推すら起きてしまうわけでありますが、いかがでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 出資と提携とは別でございます。出資するかどうかについては、各企業のビジネス上の判断となります。イトーヨーカー堂グループについては、日本最大の流通ネットワークグループということで参加をいただいております。
○真木委員 それは、腹の底は見えないわけでありますので、どうでもいいわけでありますけれども、ただ、この提携した企業は相当有利になることは間違いありません。だけれども、本当に有利になるのかということに関しては、もう一つ議論があります。というのは、都民の利便性向上のためにこのICカードをつくるんだということでありますが、この新銀行のカードを持つ方が都内に五百人や千人しかいないというのであれば、それは一部特定の人のためのものであって、そんなことをするわけではないですよね。都民が広くこの利便性を享受することができなければならない。しかし、広く多くの都民がこの利便性を享受するんだとするならば、新銀行のカードをつくるということになりますから、そうすると、預金が集中するという結果になるわけです。
だけれども、一方、預金活動、営業活動はしないというようなご説明があります。利便性の向上ということと預金の集中ということは、これは避けて通れない。本当に都民にとって利便性が向上した、都民が喜んでいるといったら、多くがそのカードを持っているということですよね。それは望ましいことでは--それが望ましいということであれば、民業を圧迫するんだということでやるならばいいんですけれども、その辺の整合性はいかがでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 これから私どもが進めようとしておりますICカードの利便性、これは、多くの顧客の満足を得られるものと見込んでおります。また、そうした満足できるICカードにしていきたいとは思っておりますが、営業活動までするとはまだ決めておりません。
○大塚出納長 当然株式会社であります。営業活動はします。それはICカードに限らず、顧客を獲得するための営業活動は、この銀行には必須であります。
○真木委員 きょうは、すべての問題、今までもそうですが、特に問題点というか、疑問点を提示し、ぜひ一月の採決までに、きょう提示した疑問点がクリアになっていただくことをお願いする意味で質問をさせていただいておりますので、次の問題に移らせていただきたいと思いますが、東京都の交通局、これは独立企業体であります。この交通局がICカードを導入する。都営地下鉄がICカードを導入することによって、独立企業体である都営地下鉄からして増収が見込まれるのか。ICカードを導入することによってコストの削減が図れるのか。そして、導入することによるコストはどれくらいなのか。この辺につきまして検討されていると思うんですが、教えてください。
○野口銀行設立準備担当部長 交通局も統一ICカードに参加することによりメリットがあるという前提で話を進めております。
○真木委員 きょうは全部詰めませんのであれですが、ICカードにしたから増収が見込めるとは到底思えません。今既にパスネットができている中で、ICカードにしたからといって、都営地下鉄のコスト減が図れるということもまずゼロです。一方、すべての都営地下鉄の改札機を取りかえるには莫大なコストがかかります。この辺を、だれのためのICカードであるというか、この銀行と都営地下鉄だけで考えてみてください。銀行と都営地下鉄だけで考えた場合、どちらのためのICカードであり、どちらがコストを負担するんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 ICカードと交通局の関係でございますが、双方にメリットがあると考えております。今後、ビジネス上のメリット等に基づいて負担割合は決まってまいります。
○真木委員 都営地下鉄はただでさえ経営が厳しい。そうしたところに過度な負担をかけるようなことは絶対にあってはならないということは申し添えておきたいと思います。
まだまだお尋ねしたいところがあるわけですが、改めてお尋ねいたします。新銀行の存在意義というのはどこに集約されてくるんでしょうか。三つの事業とかをされるわけでありますけれども、改めて確認をしたいと思います。
○津島理事 東京都はこれまでに、制度融資あるいはCLO等の中小企業への資金供給を初めとしまして多様な支援を行ってきたわけでございます。しかし、現在の厳しい経済情勢のもとでは、まだまだ十分だといえないという認識でございます。今必要なことは、日本経済の抱える負の連鎖を断ち切ることでございまして、その突破口となることがこの新銀行の存在理由だと考えております。
○真木委員 自分で考えておりました六十分になろうとしております。これで終わりたいと思いますが、私は今の津島理事のご答弁、大賛成であります。であるならば、中小企業融資、今まで貸せなかったところに貸していくんだということに最大限力を注いでいただきまして、金融商品、安全で有利ななんていわれちゃうと、これは本当にという感じになっちゃいますし、また、ICカードというと、随分また構想がでかいなという気がぬぐえません。
一点目の貸せなかったところに貸していくんだ、この姿勢をより強く出していただきまして、そして、それが本当のものになっていくという保証を明確に出していただくことをお願いしたいと思います。
しかしながら、有担保主義というんでしょうか、担保主義を乗り越えていただきたい、壊していただきたいというぐあいに思うわけでありますが、その所期の目的を達成したならば、新銀行の役割というものがどうなのか。例えば信用保証協会が担保にこだわらない新制度のノウハウを構築したといったら、この銀行は、すべての銀行を信用保証協会がやってくれたらば必要なくなるわけです。そうしたら、この銀行の存在意義がなくなるのではないのか。そうすれば、民業圧迫なんていう批判もされない。サンセット政策というのがありますけれども、一定の目的を達成したらやめるというような考え方があります。この銀行も、時限的な銀行ということになれば、多くの国民、都民が理解されるんではないかと思うんですが、そういったお考えは持たないのでしょうか。
○津島理事 新銀行をサンセット銀行とするつもりはございません。新銀行は、信用保証協会とは趣旨が異なる内容でございます。先生、信用保証協会が新制度をつくったらとおっしゃいましたが、おっしゃる新制度の意味は不明でございますけれども、新銀行の役割がこれで終わるとは考えておりません。
○真木委員 約束の時間というか、予定しておりました時間を超えましたので終わりたいと思いますが、きょうの質問につきまして、ご答弁に納得というか、私は説明いただいたというぐあいには思っておらないところがたくさんございます。どうぞきょうの質問は、一月だと思っておりますが、議会に賛否を問われる際に、気持ちよく賛成させてもらいたいなという思いから、疑問点を提示させていただきました。これらの問題点がクリアされればいいでしょうし、クリアされなければ、残念ながら反対せざるを得ないということになろうかと思います。そうしないと、議会として、一千億円ものお金でございますので、チェック機能を果たしてきたのかというそしりは免れなくなってしまう。そういったそしりを受けないように、ぜひことしじゅうに明確な姿を示していただける、明確な説明をしていただけることをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○川井委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
午後三時六分休憩
午後三時十八分開議
○川井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いします。
○松村委員 私の地元の商店街で、若手商店主が集まったある集まりの中で、この新しい銀行の話で持ち切りで、借りるんだ、いや、貸してくれるわけがないとか、そういう話で持ち切りだったそうであります。松村都議に聞いてみようということで一件落着したそうだということで、クリーニング屋がそのことをいってきました。
先日の知事のテレビの発言を聞いたそういう商店の皆さん方は、一体どういう思いに立つのか。我が党は代表質問でもこの問題をただしました。ところが、知事は、サンタクロースや救世軍ではない。新銀行が融資する対象が一部の優良企業に限られ、そうでない企業には融資することはしないことを事実上表明しました。
私自身も一般質問に立って、東京の経済を支えるのはお魚屋さんや八百屋さんを初め、製造業や建設業などの零細企業で、こうした業者が貸し渋りや貸しはがしで苦しんでいるときこそ、自治体がつくるというなら、その銀行が融資を拒むなどあってはならないということを私自身も本会議で指摘いたしました。どういう銀行になるかという点においては、だから、本当に徹底的にというか、都議会の中でも十分明らかにされて審議が尽くされなければならないという、そういう立場から伺いたいと思います。
まず、前回の委員会で説明がありました。そこで、先ほど来各委員からも指摘がありましたけれども、わずか三枚の資料、これでは審議できないという立場からも、新銀行の構想検討過程の詳細な資料、それから、融資先を審査する協調金融機関、提携保証会社、提携しようとしている金融商品、発行するICカードなりについての資料要求を私からさせていただきましたけれども、提出されていないので、改めてこの新銀行の戦略、この出されておりますペーパーについて伺っていきたいと思うんです。
そこで、まず、新銀行の戦略として、ここに新銀行と真ん中にありますね。先ほど来経営形態、米国型企業統治形態といわれる委員会等の設置会社だと。そして、経営監視機関と執行体制云々とありましたけれども、そういうこともきちっとペーパーで出していただきたいというふうに私は思うんです。
それにしても、これは職員が二百人で資本金が二千億円というので、資料としても、どういうイメージなのかということで、類似の都銀や信金や信用機関とか、資料も出していただきましたけれども、全然想定されないということで、改めて、この新銀行は、先ほども営業活動をやるといいました。当然融資もするわけですから、二百人という規模でどういう組織展開をなされるんですか。本社を、この都庁内に入れたら置くというような話も、はっきりしているかどうかわかりませんけれども、もう少し具体的に、どういう企業展開を二百人という従業員でなさっていくのか伺いたいと思います。
○大塚出納長 知事のご指摘がまずございましたので、それに関連して。
魚屋さん、八百屋さんのお話、それから、サンタクロース、救世軍ではないというふうに申し上げました。あれは、秋田先生のご質問のときも知事からお答え申し上げましたけれども、業態として魚屋さん、八百屋さん、クリーニング屋さんのお話がありましたけれども、その業種について支援をしないとか、そういうふうにいったわけではなくて、それは補助金を配るわけではありませんから、その業態の中で、一定のそれなりの株式会社である新銀行の一つの判断が入ってくる。
サンタクロース、救世軍ではないというのも全く同じ意味でありまして、それは資金繰りにあえぐ中小零細企業の方々に対して円滑な資金を供給するというのがこの銀行の第一眼目でありますので、それをやっていくわけでありますけれども、それをやっていく中でリスクカウントはせざるを得ない。一定のリスクカウントはせざるを得ない。それは、個々の企業についての要するに現在のリスク、それから先行きについての劣化リスク、あるいは業態としての劣化リスク、そういったものも、実際に融資をするに当たってはカウントする材料に入れるということは、これは株式会社である以上当然でありまして、そういうことはやるんだということを、サンタクロース、救世軍ではないというふうに、知事はあの表現をさせていただいたわけであります。
ある意味では当たり前のことを当たり前に、ただ、いい方が非常にわかりやす過ぎて、そのために松村先生を初めとして何か変な入り方をされたなという、そういうふうな思いで実は私は受けとめておりまして、中身は至極当たり前のことを当たり前に申し上げていただけにすぎないというふうに思っております。
それから、二百人のお話がございましたけれども、これは仮置きであります。これから実際に、ビジネスモデルも一つではありませんので、多様なビジネスモデルを組み立てていきますから、そういうモデルあるいは商品を新銀行の材料として仕事をしていくわけでありますから、それをきちっと固める過程でこの数字は最終的に固まってきます。
ただ、二百人の数字を申し上げますと、中と外とおおむね半分ずつ、それぞれ組織も既に一定の想定をしておりますけれども、ぎりぎりでいくとこれぐらいの数字でもやれるかなということで、とりあえずカウントした数字であります。
○松村委員 そういう知事の誤解を与えるような発言といいますか、私たちは撤回を求めたんですけれども、それは今後、また知事のいる場できちっと真意をたださなきゃならない問題として進めたいというふうに思うんです。
二百人も、仮置きという今出納長からの答弁がありましたけれども、さらに審査も、どういう審査のノウハウがあるところに委託というか提携を結ぶのか。そういう意味では、店舗も含めて、信用金庫は都内に三十行ですか、都民銀行、店舗数約七十というような新聞報道も聞いていますけれども、そういうすべてを対象としたところの形なのか。今いったみたく、仮置きだとか、どういう形になるのかということをはっきりさせていただきたい。
そして、現場感覚にすぐれ、中小企業を熟知している金融機関と協調するということですけれども、具体的にどことどういう提携をするのか。先ほど来、一年間かけて構想を検討してきている。もうでき上がっているものもある。今細部を詰めている段階だとかいう話は聞くんですけれども、なぜそれをオープンにというか、私たちの前にも、きょうのこの委員会でも提出していただけないのか。再度具体的にどことどういう提携をするのかということの答弁を求めたいと思います。
○大塚出納長 当初お配りした絵の中に具体的な企業名を入れてありまして、その商号等をつけてあるわけですけれども、それが提携する相手のすべてではありません。だから、今の段階で固まっている提携先の企業をとりあえず入り口としてお示ししないと、具体的なご理解がいただけないのではないかということで、精いっぱいお示ししたわけであります。
その企業名からある程度それぞれの企業の得意分野といいますか、それは既に周知の内容でありますから、一定のイメージはお持ちいただいていると思うんですけれども、それでは、枠組みの中で、それぞれの提携する分野の中で、何をどういうふうに具体的に提携し、その提携のもとにどういうふうな新銀行のアウトプットを出していくかというところはもう少しお時間をいただきたい。必ずできるだけ早い時期に先生方にご理解いただけるようなものをお示ししたいというふうに思っています。
○松村委員 そうしますと、例えば今挙げた、東京都にも都民銀行やいろいろな金融機関があるわけですけれども、そういうところに呼びかけて、そして、そこの持っているいろいろな技術力とかすぐれたものをしながらだんだん絞っていったということなんですか。それとも、いやそうでないと。私、わからないから聞くんですけれども、うちは声はかかっていなかった、こういうあれがある。東京都という行政がやることが一体どうなのかとかいう、そういう信頼関係や信用関係、いろいろあります。そういうことでやっているのか、見えてこないんです。
そういうことから、決まった結果の段階で示されて、あとはその間の過程はお示しできないとかいうことになると、また話が違うというふうにも思いますし、それから、例えば融資先の選定、先ほど来ポートフォリオが、融資先を固まりとして融資の総枠をつくって、いろいろなリスクも踏まえたりしながらやっていくんだということですけれども、融資先を選定するのは、東京都はノウハウを持たないというんですけれども、どういう形になるんですか。例えば、今いった最もそれがすぐれている金融機関の部門に任せるのか、それとも、幾つかの複数のそういうところとの提携や連携になるのか。また、そういうところから職員に来てもらって、審査機関をこの本店の中に設けるのかとか、さっぱり見えてこないんです。いかがですか。
○大塚出納長 ご質問は、当然そういうご質問が出てくるだろうというふうに思っているわけですけれども、先ほどお答えをしたことでもう少しお待ちいただきたいというのが本音なんですけれども、今の段階でその一部を申し上げるとすれば、融資先を選定するについては、当然具体の融資マニュアルが必要になります。その融資マニュアルは、これまでの融資の基準、既に担保主義を中心にした融資基準でずっと来ているわけでありますけれども、その融資基準とは違って、金融マニュアルの一般的なオーダーというのは、今度の新銀行についても当然クリアしなくちゃいけないわけです。
ただ、そのクリアの仕方が、工夫をすることによって、例えば同じ債務者区分であっても、今まではこのレベルは要注意先だった、しかし、そこのマニュアルをベースにした基礎数字を広げることによって、要注意先じゃなくて正常先になるような、そういうカウントができるということを考えているわけです。
例えば、一番わかりやすくいうと、金融マニュアルには別冊があるわけです。あれは国のレベルで自民党を中心にした金融財政部会とかいろいろありまして、そこで相当強いオーダーがいろいろ出てきて、そういったことを含めて、自民党だけではないかもしれませんけれども、入り口は自民党で、その強いオーダーがあって、それ以外のことを含めて別冊が出てきたわけです。
それで、あの別冊を見ますと、例えば要するに大企業と中小零細については、わかりやすくいうと、全く同じような物差しでやったんでは、中小零細の実態というのがきちっと反映できないよと。では、そこのところを一工夫も二工夫もしなくちゃいけないんだというふうな、そういう基本的なトーンで出ているわけです。
一つだけわかりやすく申し上げますと、例えばキャッシュフローがあります。キャッシュフローも債務者区分の判断の一つになるわけですけれども、重要な要素になるわけですが、中小零細企業の場合には、個人のキャッシュフローもまたある意味では一体なわけです。しかし、本来の金融マニュアルというのは、もともとの金融マニュアルというのは、法人と個人を峻別していますから、だから、そういう意味では、法人は法人、個人は個人ということで整理をしますから、キャッシュフローが不十分だと、リスクカウントが高過ぎる、あるいは破綻の懸念があるとかというそういう分類になるわけですけれどももし仮に個人のキャッシュフローも含めて全体のキャッシュフローをカウントした場合には、物差しが変わってくるわけです、債務者区分のオーダーが。
そういうことを含めて、今の東京の中小企業の実態に合うような、金融マニュアルというのは幾つかの例を挙げているだけですから、一般化し、普遍化して、物差しをつくって、その物差しを提携する金融機関に提示し、それで仕事をしてもらう、そういう作業、例えば一つ申し上げますけれども、そういう作業になるということです。その結果として、融資の切り分けというのが出てくるだろう。
当然具体的な融資判断については、最近新しく金融庁でも検討しておりますけれども、アウトソーシングも可ということですから、アウトソーシングでやるというふうに今申し上げているわけではありませんけれども、銀行本体の審査部門は当然構えます。しかし、それだけではなくて、提携の金融機関の審査機能、あるいはそれ以外の審査についてのアウトソーシング等を、モデルによって複合的に、いろいろな組み合わせの中で全体としての融資の審査を行っていきたいというふうに考えております。
○松村委員 今、まだ資料がない中で、私はそれ以上詳しく繰り返したくありませんけれども、ただ、確かにそういう金融マニュアルをつくると、話を聞けばそういうことにもなるのかなというふうに思う部分もありますけれども、それはあくまでもマニュアルであって、私はそれを判断したりする判断力とか力とか、優秀な行員によるところの部分が多いと思うんです。そういう人材を、まだ東京都はノウハウを持っていない。しかし、そういう審査部門をつくるとなったら、その人材はどうするのか。または、そういう提携の金融機関とも、そういうすぐれた銀行行員というのは当然民間部門でも重要ですから、逆にそんなことでうまくいくのかなとか、もちろん競合部分も出てくるとか、そういう心配がいろいろ具体的に出てこないと判断できないということは、率直に申し上げたいというふうに思うんです。
次に、この有力保証会社、リスク管理ですね。オリックス株式会社という名前がここに例示されておりますけれども、このオリックス一社なんですか。一社というか、具体的にどういう形になるのか。これもまた、今の例示にあって、保証機関がよくわからないんですけれども、そことの提携ということももう少し具体的にお答えください。
○野口銀行設立準備担当部長 ここの保証会社等と連携という欄にオリックス株式会社を挙げさせていただいておりますが、これは例示でございまして、今後の検討の中で別の企業も入ってくる可能性はあると思います。
○松村委員 リスク管理の例えば担保の枠を決めて、その範囲で優良企業かということでのトータルということですけれども、だから、万一不良債権化したら、それを保証してもらうそういう提携をするということなんですけれども、だから、それが損失を出さないのに保証の提携なんていうのは、今までのイメージとしてよくわからないんです。具体的にはどういう、素人でもわかるような解説をしてください。
○大塚出納長 オリックスは例示ではありません。オリックスは、提携する金融機関として、保証会社として既に一緒に仕事をしていくということであって、ただ、オリックスにとどまらないことはあり得るというふうにご理解いただきたいと思います。それが一つ。
ビジネスモデルは当然一つではありませんで、これは融資先企業の財務内容を含めた、財務内容だけではありませんけれども、体力といいますか、あるいは今の状況といいますか、そういうものを当然段階的に整理するわけであります。どこの部分を相手の方にお貸しするかによって、スキームもまた変わってくるということです。
ですから、もっとわかりやすくいいますと、保証会社をかませないでも貸せるところもあるかもしれません。そういう意味です。それから、一定のリスクが高くなった場合、しかも、融資を受けるお客様が、保証を使ってもこの際融資を受けたいというふうなお申し出があるかもしれません。それは、個々の顧客の方々のご要望と、それから客観的なカウントの中で、例えば一つのスキームでも、組み合わせといいますか、それはいろいろと変わってくるということであります。
○松村委員 次に、Ⅲの安全・有利な金融商品の提供ということで、ここにはJPモルガンを初め四つの機関が挙げられておりますけれども、先ほどの部長の答弁で、内外十六企業と提携するということで、その数を十六というふうにいったわけです。答弁がありましたよね。どことどこですか。
○野口銀行設立準備担当部長 先ほどはたしか内外の有力企業と提携してという形でご答弁申し上げたと思います。(発言する者あり)失礼いたしました。私のいい方が悪かったと思います。有力企業でございます。訂正させていただきます。
○松村委員 だから、その有力企業というのはどこなんですか。
それからもう一つ、あと安全・有利な金融商品の提供とありますけれども、具体的にはどういう金融商品かもう少しわかるように。
○大塚出納長 十数社ということで、今お持ちのそこを数えていただくと、それなりの数が……。それにとどまるわけではないんですけれども、それが一つのイメージです。
松村委員、強い関心をお持ちいただいていて、大変ありがたいわけでありますけれども、ちょっと抑えていただいて、もう出口の話を、いきなり商品名をいえとか、そういう話になっていますので。ですから、それは必ずきちっとしたスキームをお示しするような時期が、ご判断をいただく時期にきちっとお示しするようにしたいというふうに考えております。
○松村委員 Ⅲのところで、先ほど来委員からも質問がありましたけれども、新銀行は決済業務を行う。そして、ICカードを目玉とするようですけれども、ここにも七機関が例示されているんですけれども、これもどういう範囲で参加を呼びかけているんですか。うちに声がかかってこなかったとか、東京都が恣意的にやっているんですか。そういうことだったらうちも参加したいとかいうところなども含めて、もっとオープンに参加を募るとか、なぜやらないんでしょうか。
それから、私も素人なりに、JRと私鉄民間のカードが提携できないというか、あれは物すごく不便を感じているんです。そういう難しさがあるようなことも聞いておりますけれども、そんな話というか、机上プランではないものができるのかという、ここに関心もあるわけですけれども、この発行に当たっての課題は何なのか。
○大塚出納長 当然この銀行というのは、確かに税金を使わせていただいて、それで立ち上げる銀行でありますけれども、株式会社ということで、いずれ株式会社になるわけですが、それを初めからターゲットに置いた、より効率的な、より有利なといいますか、そういうことで、ここに例えばICカードのところで挙げております会社は、いずれもその一つ一つのエリアの最有力といいますか、これに近いようなところはあるかもしれませんけれども、それなりにこの銀行を経営するに当たって大きくプラスになる企業をセレクトしたということであります。
ただ、これにとどまらず、今、実はいろいろな売り込みは非常に頻繁にありまして、そういうふうなご希望があって、しかも、この銀行のために何ができるのかということが一番大事ですけれども、そういうことをきちっとプロポーザルできる、松村先生のご推薦の何かありましたら、それはおっしゃっていただければ、お話をお伺いするのは別にやぶさかではありません。
それから、ICカードは、今JRと私鉄とがうまく連携していないというお話がありまして、そのとおりでありまして、ただ、このICカードは段階開発をやるつもりです。最終的な見通しとしては、全体として共通して、例えば交通だけをとっても、それで全部が使えるというふうなものをつくり上げていきたいというふうに思っております。段階的にやります。
○松村委員 提出されたペーパーから、新銀行の戦略の幾つかを聞いてきましたけれども、出納長みずから立って答弁していただきましたが、構想の具体的内容はこれからだということで、明確にならない部分が多いわけですけれども、先ほど来都民の税金を使ってやる事業ということが強調されています。このようなはっきりしない段階で我々は白紙委任するわけにはいかないと率直にいわざるを得ないというふうに思いますし、くれぐれも既成事実だけをつくり上げていくやり方だけは避けてほしいということをはっきり申し上げておきたいというふうに思うんです。
その上に立って、現時点での問題点を何点かお聞きするわけですけれども、一つは、新銀行には都の一千億円を出資するということ、しかも、この一千億円も、業務量を実際に積み上げてみないとわからない。しかし、はっきりしていることは、その半分の出資金だということです。ですから、今は一千億円ぐらいを想定しているけれども、これはふえるかもしれないわけです。
現在、都財政は非常に厳しい状況にありますし、そういう中で、昨日も財政委員会で議論いたしましたけれども、財政再建推進のパートツー、第二次が出され、その中は引き続き都民施策の切り捨ての方向が示唆されている。そういう中で、一千億円という巨額な費用、財源をどうやって措置するのか。先ほども質問がありましたけれども、具体的に今都の財政の中で、大塚出納長も、主税局長のときにご苦労されて徴税努力をやっていた中での大変な都財政の状況の中で、具体的にどこにそういう余裕があるのかお聞きしたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 出資の原資についてでございますが、現在のところ一定の見通しは持っております。しかるべき時期にご審議をいただきたいと考えております。
○松村委員 先ほど来は、民間企業で当然企業戦略だと、経済活動だから競争競合の関係にあるからということでの守秘義務とかいう話があり、私は、公がかむ以上、本当に個人のプライバシーだとかそういうことを除いては徹底的に情報公開し、オープンにしてやるべきだという考えですけれども、今いった東京都の一千億円はどこからどう出すのかというのは、何も企業秘密でも戦略でもないし、どういう形で出すのか私はわからない。今部長さんは--一定の見通しがあるんだというんだったら、明らかにしてください。
○大塚出納長 部長はわからないと思うんです。私はわかっていまして、いろいろな選択肢がある。ただ、一つではなくて、いろいろな選択肢があると実は考えていまして、きちっとご審議をいただける時期に、それはこうこうこういう形でということを含めてご提示させていただきたいというふうに思います。
これは守秘義務も何ももちろんありません。ただ、金でありますから、財務局も含め、全体のスキームの中で手当てがされるものですから、きちっと必要な時期にお示しをいたしますので、それを前提にご審議をいただきたいというふうに考えています。
○松村委員 今東京都の基金は、二千飛んで幾らかという基金が確かにあります。しかし、これは、赤字財政団体転落寸前という中で、使うにも使えない、私は東京都の貯金だというふうに思いますし、まさかこれに手をつけることはないと思いますけれども、それから、きのうの質疑の中で、二十年債、三十年債、そういう財務局からの答弁もあって、私もはっと思ったわけで、その二十年債、三十年債のいい悪いはこの議論ではありませんけれども、それも一つのあれなんですか。
そしてもう一つは、最後に具体的に聞きたいのは、中小企業への現在の制度融資の預託原資です。これは、引き上げるようなことがあったら、金融機関の自己資本比率を引き下げるとなって、どういう事態をもたらすかというと、今の貸し渋りや貸しはがし、自己資金回収に民間企業が一斉に走って大変な事態になる。こういう預託原資には絶対手をつけるべきではないということもこの機会に強くいって、まさかそういうことはしませんねということも含めて、今出納長は、もう一千億の見通しを持っているんだということですから、再度お答え願いたいと思います。
○大塚出納長 松村理事に対する答弁がちょっと多くなり過ぎているなと今思っています。この辺でやめたいなと思っているんですけれども、何かいうと質問が入ってきますので、それを避けるために無理して答弁しているんですけれども……。
一つは、さっき財務局の質疑のお話がありまして、それは私の方からお答えをするわけにはいかないんですけれども、それは、財務局は財務局、所管のセクションでありますから、多様な選択肢としていろいろなことを考えているというふうに思います。そのご答弁は私の方からできません。
それから、もう一つ、預託原資の話がありましたけれども、一つだけご認識をお願いしたいことがありまして、今、貸し渋り、貸しはがしが行われているのは、預金量が足りないからではありません。そこは前とは状況が全く変わっています。要するに、貸し渋り、貸しはがしが行われているのは、自己資本の劣化なんです。金は、流動性を含めて、全体の日銀を含めた政策の中で、これは十分な供給が行われているわけです。その意味で、貸し渋り、貸しはがしの一番大きな原因というのは、預金量ではなくて、それぞれの金融機関本体の財務状況、預金が幾らあっても、それは自己資本の中には入りませんので、ですから、ひところとは全く状況が違うということが一つです。
それから、預託金については、今申し上げましたような長い経緯があるわけでありますけれども、私が預託金をどうするとかこうするとかということを申し上げているわけではありませんよ。ただ、これとかかわりなく預託金についてのご答弁を申し上げるとすれば、預託金が果たしてきた機能は全く様変わりをしているということです。ですから、それは現実に、預託金を入れて中小企業融資の原資にしなければならない状況ではなくなってきている。特にメガバンクと有力地銀については、むしろ金なんか要らないと思いますね。
ただ、見かけとしての預金量については、中小の零細な金融機関については信金、信組になりますけれども、全部ではありませんけれども、それなりの構えが必要ですから、それは預託金の持つ意味というのは間違いなくあると思います。ですから、金融機関によって預託金の機能自体が状況が変わってきているというのが一つ。
それから、変わってきているんだけれども、強いていえば--強いていっても、メガバンク、大銀行と中小の金融機関との預託金の位置づけというのは全く変わってきているということを--原資にするといっていませんよ。私は出納長ですから、そういう権限もありませんし、預託金についてのご説明も、単なる客観的なご説明ということでとりあえずご答弁申し上げます。
○松村委員 我々は銀行関係者からもたくさん意見を聞きました。率直にいって、民業圧迫だとの声です。民間金融機関にとって中小企業融資というのは社会的使命で、経営基盤の根幹をなすもの、そこに公が二分の一を出資して銀行を設立するというのはいかがなものか。都市銀行は、大手も相手にしているが、大企業には今資金があり、大手銀行でも銀行貸し出しの八割は中小企業なんだと。もちろん、中小企業に対する貸し出しは不十分という指摘も十分感じているという率直な声もありました。
そういう点で、本当に民業圧迫になりかねないということ。出していただいた資料には、銀行協会の会長さんの意見も率直にここに出されておりますけれども、ここにはない、私ども行って、東京信用金庫協会の会長さんからの会長コメントや、そういう団体とも私たちは話も聞いてきましたが、先ほど来、民業圧迫という点での質問がもう既にありましたけれども、繰り返しませんけれども、こういう声ですよね。
当然やはり新銀行と既存金融機関との競合は生まれるわけですから、そうなれば、全体として地域金融機関の地盤沈下にもつながりかねないというふうに思いますけれども、ここで再度お答えいただきたいというふうに思います。
○大塚出納長 我々、一つだけ整理をしておかなければならないことがあると思うんです。先ほど来、民業圧迫のお話がいろいろ出ておりますけれども、私たちが、あるいは知事がこの銀行をつくるというのは、金融機関を助けることが目的じゃありません。一番大事なのは、窮迫する中小企業を助けるということです。その目的をどうして達成しようかという話です。既存の金融機関が必要な機能を果たしているんだったら、本当に果たしているんだったら、こんな銀行をつくる必要は全くない。ですから、プライオリティーがあるということです。相手の中小企業、必要な中小企業の手当てをどうやったらいいかというやむにやまれぬ知事の使命感といいますか、だから、それを執行体としては受けとめて、この銀行の構想を考えております。
ですから、もちろん、何回もご説明をしておりますけれども、民業の圧迫をこの銀行が意図的にやることは考えていません。それは一つの自己規制を持って、いかに不良債権がなくとも、マーケットをいたずらに混乱するような有利な金利水準を提供することによって民業を圧迫するなんていうことは、毛頭考えていません。
しかし、大事なのは、これからつくる銀行が、今のこの経済状況の中で何を成果物として提供できるかということでありまして、それをプライオリティー一番にし、民業圧迫のお話については、それを自戒としながら、決してそういう意図はありませんので、きちんとした協調関係、いろんな意味での協調関係を保ちながら、必要な政策目的を達成していきたいというふうに考えています。
○松村委員 いや、出納長、こういうことはいえませんか。確かに新銀行創設の目的が中小企業への円滑な資金供給ということは嫌というほど強調されておりますけれども、資金供給のためには原資となる預金が、だって資本金が二千億ですから、当然、預金というか、獲得しなければなりません。そうなると、確かにたんす預金というあれもありますけれども、どちらかといったら既存の金融機関から移動してくる預金ですよ。そうなってきた場合、既存の金融機関、これは文字どおり今度は自己資本比率の低下がもたらされますよね。そうすると、今のマーケット、市場の状態ですから、これは新たな貸し渋りとか貸しはがし、こういうものが発生してくる。そうすると、助けようと思った中小企業は--この東京の新しい銀行は、すべての中小企業のあれを賄う取引銀行になるとは限らないでしょう。おおむね民間とも協調しなければならないということになれば、私はそういう側面の影響は出ざるを得ないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○大塚出納長 私の説明が悪いのか、それとも松村理事が何か別のことをお考えになったのかわかりませんけれども、先ほど、貸し渋り、貸しはがしは預金量の増減で出てこないというふうに申し上げました。貸し渋り、貸しはがしが出てくるのは、その金融機関の自己資本の劣化です。預金は自己資本の中身には入らないといっています。ですから、預金量が動いて貸し渋りがあるんじゃないんです。そういう意味では、北海道拓殖とか、あるいはおかしくなったあの時期、あれは流動性で倒れましたけれども、もうそういう流動性で倒れるという状況では客観的になくなってきているわけです。それをひとつご理解いただきたい。
当然のことながら、もちろん、先ほどご答弁申し上げましたけれども、信金、信組等で万が一、そういうことはないと思っていますけれども、それが貸し渋りの原因にはなりませんけれども、預金量等が動いた結果、信金、信組等の金融機関が経営上いろんな意味で必要性があるということならば、そういうふうなリンケージということも当然考えられるわけでありまして、何回も繰り返しますけれども、民業圧迫をすることのないようにきちっと自己規制をしながら、プライオリティー一番である中小企業融資に資金供給ができるような、健全で安定的な銀行経営を目指していきます。
○松村委員 やはり中小企業への支援だということならば、今、本当に東京の経済を支えている中小企業が、構造不況の中で大変な事態になっている。零細業者や商店などもそうでありますけれども。そういう本当に資金が必要で、そこは頑張れば立ち直れる部分も多くあるわけですよね。どういう点でのラインを引くというか、私は非常に難しいと思うんですけれども、だから私はああいう知事みたいな発言にもなるというふうに、それは出納長ととらえ方は違うんですけれども、一方では都民の期待もある。しかし、どうなんだろうかという点では、本当に困っているというか、今、資金を求めて頑張りたい、東京のために尽くしたいというそういう方々、必要としている方々にこそ融資をすべきだというふうに思うんですけれども、再度そういう姿勢にしっかり立ってもらいたいというふうに思うんですよ。
ここのところはどんなに声を強調しても、公の金で東京都がやる仕事なんですから、はっきりしてもらわなければいけないことだと思います。
○津島理事 この銀行の果たすべき最も重要な役割ということでございますけれども、何度も申し上げておりますように、技術力、将来性がありながら資金調達が難しい中小企業に融資すること、これが最大の役割でございまして、融資対象規模で中小企業を第一義に考えるということでございます。
○松村委員 最後に二つ意見と要望を述べて終わりたいと思いますけれども、我が党は、真に都民に役立たないものであれば新銀行の設立には反対でありますし、また、銀行設立の前に、今ある都の融資制度を--きょうは融資の話は所管局も違いますから余りやりませんけれども、今ある都の融資制度を、融資を必要とする都民に使いやすく借りやすい制度に拡充、改革することが求められているというふうに思います。
さらに、必要な新たな無担保無保証人融資制度を創設するなど、やはり都がやるべき仕事である、そういうことを優先させるべきだという、これは意見として述べておき、最後に要望としては、資金繰りや融資について、中小企業などの都民はもとより、関係団体、関係機関など幅広く集まってもらって、円卓会議のような関係者の意見を聞く場を開催することも求めたいと思います。また、今後、議会としての審議も、知事や参考人を招致して審議する、また経済・港湾委員会との合同の審査もやることなどを求めて、質問を終わります。
○藤田委員 私のところも代表質問の中で何点かお尋ねしてきましたけれども、重ならないことで質問をしたいと思っています。所管局が違うような話のところで入らなくちゃいけないんですけれども、ただ、それはお答えも難しいと思いますから……。
中小企業の制度融資ということと、それからCLO、CBOというようなことになりますと、実際には制度融資の中でも、一億は融資があって、八千万までが無担保ということになっている。それから、CLOの場合にも無担保である。それから、CBOに至っては無保証人だというふうになっているわけなんですが、そうはいっても、じゃ、どういうふうになっているかというと、信用保証協会が要するに担保をとっているということで、無担保でやっていますからといいながらも、そこが全く担保主義の権化のようになっているという、そういう状況は一向に変わらない。
それから、CBOの場合にも、銀行が劣後債を出して、要するに信用保証協会の役割を担っているんだということでは、一向に担保主義は変わっていないというのが実態ということでありますけれども、そういう中で今回の担保なしの融資というふうになっているわけですけれども、じゃ、制度融資、CLO、CBOで救えない企業というのは実際どんな企業であって、そして、その企業が既に、多分ある意味では制度融資も受けているかもしれない、それからCLO、CBOの中でもお金をローンで借りているというような状況になっているかと思うんですけれども、実際にはそういう企業というのはどういうようなところなのかというのをお尋ねしたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 CLO、CBOは先進的な試みであり、不断の改善が続けられております。しかし、市場性の観点から、その資金供給対象は優良企業が中心になっております。また、制度融資については、安定化資金を除くと担保つき融資が多く--ご指摘のとおりでございますが、優秀な中小企業が持てる力を発揮できる環境をつくるにはまだ十分とはいえません。当然のことながら、財務内容が悪いものや構造的な不況業種には苦しんでいる企業が多いわけですが、それらの企業は、必ずしも規模や業種で一概に区分できるものではございません。
○藤田委員 よく知事がおっしゃるのは、どこどこへ行って話を聞いたら、こういうところがお金が欲しいと思っているんだけれども、借りられないんだよというふうにおっしゃるんですけれども、具体的にいって、もう一回質問しますが、そういう企業は、今の制度の中で使っていてさらに借りたいというときに、ここの銀行を使うんですか。
○大塚出納長 制度融資とのかかわりだというふうに思うんですけれども、それはいろいろなケースがあると思うんですね。例えば、制度融資で資金需要が五千万あった。五千万のうち制度融資で三千万借りた。しかし、まだ二千万足りない。ですから、そういう意味では、スキームの中で足りない部分を補完的な機能としてこの銀行は融資をするというケースが一つ。
それから、もう初めから制度融資だとかCLO、CBOじゃ相手にされない世界ですね。そういう企業に対して、これは当然リスクカウントはさせていただきますけれども、一定の条件を満たして融資を申し上げるといういろいろなケースがあり得るというふうに思います。
○藤田委員 今まさにおっしゃったとおりで、そうすると、本当にリスクということが大きくなるというふうに思うんですけれども、実際にはそれ以上の収益がなければこの銀行は成り立たないわけでありますから、そうすると、収益構造といいますか、それは実際にはどういうふうに構築しようとしているのかを伺いたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行は、人員や店舗等を極限まで絞り込んだ低コスト体質と、グローバルな資金運用力を誇る外資系を含めた金融機関を最大限に活用すること等によりまして、十分な余剰を生み出します。また、融資等に当たりましては、先端的な金融ノウハウを活用し、新銀行自体として厳密なリスク管理を行います。これに加えて、最先端のICカードを導入し、十分な役務利益を上げます。こうした取り組みにより、健全かつ安定的な費用、収益の構造を構築してまいります。
○藤田委員 字面だとすばらしいなというふうに思いますし、どこの銀行でもきっとこれはやっているんだろうけれども、でも、できない事情がいろいろあるというか、収益が上がらないというふうになるんだと思うんですが、それの一番大きな原因がもしかすると不良債権かもしれませんけれども、そこを持っていないというのが一番強みだというふうに思うんです。
先ほどもちょっと出ましたけれども、委員会等設置会社なんですが、そういう意味で委員会等設置会社をつくっていくという中で、導入目的の中に、大枠の監視ができる、それから、中小企業に政策的に政策目的を達成することができるというふうにおっしゃったと思うんですけれども、これは今までの監査と代表取締役の癒着というようなのが非常に大きな問題であって、いわゆる企業の不祥事を防止するためにということでこの商法改正があったと思うんですけれども、そういうことも含めてですけれども、この導入目的は、先ほどおっしゃった大枠の監視、中小企業に政策的にということでは、普通の株式会社ではできないんですか。
○津島理事 これは普通の会社でできるか銀行かということだと思うんですけれども、この銀行というものの性格からいきまして、二つの側面から両方の要請を満足させなきゃいけない。つまり、中小企業といういわゆる融資を必要としている企業に対して東京都の政策をできるだけ浸透させたいという要請と、これはやっぱり銀行でございますから、機関銀行化したり、いろんな形で銀行の自立性が損なわれるというのは、普通のといいますか、今あるそれぞれの三セクの目的に基づいたような事業とはまた重要性がおのずから違ってまいりますので、そういった自立性、機関銀行化を防ぐ、こういうことをより徹底する必要があるということで、特にこの委員会制度というものを設定したということでございます。
○藤田委員 そうじゃなくて、この委員会等設置会社じゃなくて、そういう形の株式会社じゃなくて銀行ですけれども、普通の今までどおりの株式会社であって、監査役と代表取締役が少しきちっとした形になるというような形では考えたことはないんですかというふうに聞いたんです。
○大塚出納長 当然、この制度というのはことしの四月に入ったものでありますから、先ほどちょっと申し上げましたけれども、大分前からずっとやってきていますので、当初は普通の株式会社でやるということでずっと詰めてきました。
ただ、いろいろ詰めてまいりますと、東京都が代表取締役に入って、執行権も持ってそれでやるんだったら、それは普通の株式会社でもそごのないようなやり方になるわけですけれども、そこは、先ほど理事が申し上げましたように、機関銀行にはしない、しかし、あわせて政策目的は達成したいということ、その両方の要請を満たそうとすると、やっぱりいろんな形で普通の株式会社では無理があるということで、委員会等設置会社の仕組みをつくるのが一番透明性が高くなる、大枠が監視できる、あわせて意思決定が非常に早くなる等々の利点がございますので、この仕組みでやらせていただきたいというふうに考えております。
○藤田委員 商法の改正で、私も法律自体は読み切れませんからわかりませんけれども、その中で、アメリカ型のモデルの採用とその選択性を認めている本法の改正は、その必然性や立法の理念が問われるかもしれないけれども、いわゆるアメリカを拠点として国際的な経済活動を行う企業にとっては、国際社会に通用する、あるいは外国投資家に理解されやすいグローバルスタンダードとしてアメリカ型の構造の採用が認められるんだというふうに、大体どこの論文を読んでもそういうふうに書いてあるわけなんですけれども、まさに株主にとって非常に有益なこの商法の改正だと思うんですが、ただ、委員会等設置会社にすると、さっき最低三つの委員会を設置するというふうにして、そうすると、先ほどはこの銀行は非常に低コスト体質でというようなことをいわれたんですけれども、この委員会等設置会社をつくることによって、さらにそこに人がたくさんになるというようなことにはならないんですか。
○津島理事 この委員会等設置会社には、取締役、そしてその下に最低三つ以上の委員会を構成することになっておりますけれども、その半分以上、過半数は社外取締役ということが位置づけられております。これはあくまで役員の問題でございますので、二百人というのは、基本的にはこの銀行の実際に業務をするボリュームの、それに携わる人たちの職員の問題でございますので、それとこの問題はちょっと違うだろうということでございます。
○藤田委員 社外取締役というのは、三委員会の中でいろいろあるんですが、これは極端に専門家じゃないといけないんですか。
○津島理事 先ほど委員会等設置会社の例でソニーとか東芝とか出ておりましたけれども、その辺を見ますと、いろんな分野の方が入られている。そこで経済の幅広い視点から、当該会社の営業目的に対して広い見地から判断をさせるということでございますので、かなり広い分野の方が入られているということでございます。
○藤田委員 私は、財政委員会の中でアメリカの加州住友銀行の話をさせていただいたことがあるんです。要は、何かといったら、地域の中でその銀行がどれだけ地域貢献をしているかということなんですけれども、この加州住友銀行は、地域の中でマイノリティーに対してどれだけ融資をするとか、それから、地域の中でマイノリティーが事業をしたときにどれだけ優先的に貸すとか、そういうことをやってようやくアメリカ社会にも認められたというような銀行なんですけれども、私は、こういう委員会等設置会社をつくるのであれば、一千億、約半分以上を税金で投入するということであれば、その中にまさに都民を代表して入れるとか、そういうような幅広い考え方がないと、やはりこれは税金でやるという、これは認めて以降の話になるかもしれませんけれども、そういう柔軟な考え方を、多様なところからということであれば、ぜひ検討していただけるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、その観点はいかがでしょうか。
○津島理事 先ほど申しました、いろんな企業の、どういう方が取締役になっているかということで、幅広いということで申しましたけれども、例えば法律に詳しい方とか、例えば大学教授、それもそれぞれの分野にわたっております。今回私どもがつくり上げようとしている銀行というその性格から見て、いろんな目的を幅広く実施していくつもりでございます。例えばICカードにいたしましても、交通なり病院、あるいは福祉、そういったところとの連携をしながらのICカードということも考えておりますので、そういった幅広い事業にいいアドバイスといいますか、いいご意見が承れるような方々を選んでいきたいというふうに思っております。
○藤田委員 実際には中小企業の方々が入ってもいいし、いろんな意味でそこに預金をしてくれる人の代表が入ってもいいわけですから、そういう意味では、税金を投入するということの意味をぜひそこには投入していただきたいと思うわけなんです。
それで、ある意味では中小企業の制度融資、CLO、CBOをやっているけれども、総合的支援を行ってきたけれども、なかなかそういうことだけでは無理だというようなことで今回の銀行というふうになっているわけなんですけれども、一千億円をかけたときに、じゃ、提案が銀行だけかどうかということなんですね。例えば、どういう形でやるかわかりませんけれども、直接的に一千億を中小企業対策にできなかったのかどうか。
そして、それは、もしかしたら大塚さんの頭の中だけでその計算をはじかれたのかもしれないんだけれども、片一方に中小企業対策、現ナマをこうするのがどのくらいの費用対効果があるか、それから銀行にしたらどういうような効果があるかというのを、どこかでだれかが、頭の中でもあるいは数字の上でも計算したと思うんですけれども、そういうようなことはどんな状況にありましたでしょうか。
○津島理事 予定貸借対照表を、この銀行をつくるに当たって、いろんな既存制度と比較してつくるべきではないか、検討したのかというご質問でございますけれども、例えば具体的に制度融資ということ等を考えた場合でございますけれども、例えば制度融資等の既存の中小企業支援策と新銀行の融資、この目的は共通であろうというふうに思います。目的は共通ではございますけれども、具体的に必ずしも対象とする企業は一律ではないというのはこれまでのご説明でご理解していただけたと思うんですけれども、そういうことになりますと、単純にその効果を比較するということはやはりできないのではないかと我々は考えております。
また、既存の制度と、つまり、制度融資等と新銀行の持っている機能、これは代替的なものではございません。代替だと思っておりません。我々は補完だと思っております。そういうことで、予定貸借対照表を検討する際には、いろいろ代替として、例えば橋をつくった場合、これをつくらなかった場合とどうだとか、橋をつくる場合の幾つかの構造の選択の中で選ぶということで、Aを選ぶかBを選ぶかというときに予定貸借対照表というのは非常に力を発揮するというのはそうだと思うんですけれども、我々はこれを二者択一ということじゃなくて、補完的なものとして考えております。
したがいまして、予定貸借対照表をつくる予定はございませんけれども、これまでの新銀行の融資モデルの検討の中では、それぞれの違い、あるいは特色、これを整理しまして、相互にいい意味での補完体系をつくっていきたいというふうに考えております。
○藤田委員 まだ予定貸借対照表の話はしていなかったんですけれども、ただ、実際に政策提案するときというのは、どなたかが絶対に何か考えているはずですよ。頭の中で計算はしているはずです。しかし、さっきからみんながいっているのは、要するにいつの時点で出すかどうかです。そして、一千億を使う、この大きさを考えたときには、やっぱり都民に提示をして、そして、こういうことなんだけれどもどうだろうかというのが、やっぱりしかるべき方法であろうと思います。
それについては、ある意味では今まさにお話ししてくださったように、予定貸借対照表という考え方は有効な手段だと思いますし、複数案を出して、そして、これについてはどうだろうか、これについてはどうだろうかというのがあって初めてそれは進む方向であろうと思いますし、そのことがなければ、これはどうかといわれて、いや、どうかじゃなくて、もう準備室はつくってあるから--私も、説明にいらしたときに、もし何らかの支障があってできないかもしれないとなったときには、カジノのごとく引き返すことも有効ではないかといったら、そんなことはありませんというふうにおっしゃいましたけれども、やはりそういう問題ではないというふうに思うんですね。
もちろんさっきの商品の話までは、それは先発のところの優位性というのがありますから、それはすぐ模倣されるというところもありますから出せない部分はよくわかりますけれども、根本の考え方で、じゃ、制度融資なり何なりで中小企業対策に入れたというところのものと、今回の銀行をつくることによっての一千億の比較というのは、確実に示されなければいけないというふうに私は思っていますけれども、いかがでしょうか。
○大塚出納長 しかるべきときに、ご判断をいただくときにお示ししたいと思っています。
ただ、一つだけ申し上げるとすれば、先ほど理事がお答えいたしましたけれども、オルタナティブなものじゃもともとないということですね。だから、それを前提にして、この新銀行の、例えば制度融資に限って申し上げますけれども、その違いを申し上げますと、単年度で一千億の出資金をお認めいただけるということが前提になりますけれども、一千億を単年度で入れて使ってしまえば、もうそれで--だから、ある意味では次のまた一千億が出てくるという世界です。
この銀行は、窮迫する都財政の中で、しかし、やむにやまれず、ここの手当てがどうしても必要だと。そのためには、どういう仕組みで限られた財政の原資を使って必要な手当てをしていったらいいかということで、ゴーイングコンサーンとして一千億をもとに生み出したものをもって継続的に相手のところに届けていきたい。それは可能だといういろんな検証を積み重ねてきておりまして、それをもとに、さらにブラッシュアップしますので、とりあえず入り口の段階でこういうことでやらせていただきたいということを知事が政策として発表させていただいたということであります。
藤田委員ご指摘のとおり、オルタナティブなものではありませんけれども、その効果の違いといいますか、そういうものはお示ししたいと考えております。
○藤田委員 ちょっと初めの方に戻るんですけれども、先ほど、準備室の中で行政と銀行から出向してくださっている方との役割分担ができていますという中で、中小企業へどういうふうに融資をしていくのか、リスクも含めてどういうパターンを決めていくのか、その他この他を行政の側がやっていらっしゃるというふうにおっしゃいましたけれども、そもそも中小企業の支援策というものについてどういう考えを持っておやりになっていらっしゃるんでしょうか。
○津島理事 随分幅広いご質問でございますけれども、銀行という装置を使って行おうとしている中小企業支援策、これはもろもろ、それ以外の現在産業労働局が中心になって行っている経営支援なり仕事のあっせんなり技術支援も含めまして、制度融資もでございますけれども、さまざまな中小企業の支援という中で、銀行という装置を使って支援するということの意味というのは、我が国の巨大な個人金融資産、これが十分使われていない、これを回す血液として使うというやり方というのは、今まで、もちろん民間の銀行はあったわけでございますけれども、これが機能不全になっている以上、やむにやまれぬということで、そういう中小企業への支援策を私どもでやらせていただきたい、こういうことでございます。
○藤田委員 そもそも論のように話をいたしましたけれども、ある意味では、中小零細企業、それから町場ということを考えれば、一千万円前後の収入での商売が全く成り立たないというような状況にあるわけですね。中小企業でもちろん三億までがありますから、いろいろな幅があるかと思いますけれども、二十年前の預貸率が八五%ぐらい、それから今もう六〇%にまで落ちているというようなことを考えると、それがまさに貸し渋りが顕著であるということだと思いますけれども、融資の基準というものも全部つくり直さなくちゃいけないというところで考えて、それやこれや考えますと、やはりお金を回す、融資するだけでない、ライフスタイルとして、あるいは働き方として中小企業の対策をどういうふうに考えるかというところまでやらないと、幾ら一千四百兆のお金があるといっても、これはみんな安心できないから、次の社会のビジョンが見えないから囲っているお金であって、新銀行で新しい銀行だから、じゃ、それこそ単なる預金者じゃなくて、大きな人たちが入れてくれるかどうかというところから、眠っている細かい、銀行の言葉でいうと、ごみ預金みたいなことですけれども、そこまでも含めて動かせるかどうかというと、これは私は非常に危ういことだと思うんですね。
実際に将来に対して、そして老後に対して不安がなければ、そして金利がある程度のところまであれば、それはみんな預けるかもしれませんけれども、今の状況、これを変えていくというのは、一つの銀行として何かができるというふうには、とても私はそこまでは思えないし、そこまで動かすというほど大それたところまでは、二千億であればなかなかいかないような、そういうようなことになってしまうと思いますので、ある意味では、出納長が考えている銀行だけではなくて、産労の考えている制度融資と、それから本当に中小企業に対しての仕事のあり方まで含めて、それから生活の仕方、働き方まで含めてを一緒にやっていかなければ、絶対にこれは回っていかないというふうに思っているんですね。ですから、その辺についてはぜひ連携をしっかりとしていただきたいというふうに思っています。
それから、実は、出納長は、代表質問のときで、ひな壇の方へ、向こう側へ座っていらっしゃいますので見えなかったかもしれないんですけれども、うちの代表質問をしたときに、こうやったんですね。ごめんなさい。これはあれでできませんね。おかしいんじゃないの、頭がというふうにいったんです。うちの代表質問をしたときに。(「だれがいったの」と呼ぶ者あり)知事が。
それは何を聞いたかというと、三セクの話をしまして、要するに制度融資であれば、予算ということを考えて、きちっと私たちはチェックすることができます。二五%以上の出資について行っている東京都の問題については、報告はあります。しかし、この三セクと同様に、やはり株式会社となれば、株主に対しての報告だけであるということからすれば、なかなかそこは見えにくいものであるということを申し上げたら、そういう態度を示されたわけなんです。
私は、やはりそこが全然感覚が違うなというふうに思うんですね。幾ら株式会社であって、株主であって、東京都にといって、だれに報告するんだかちょっとよくわかりませんけれども、それは報告義務があるとしても、じゃ、都民に向けてこれをどういうふうに報告をしていくかというところの、代表質問や一般質問でどんどん聞けばいいというふうにあるかもしれませんけれども、そこは経理状況やら何やら含めて、あるいは中小企業対策に対してどうなっているんだということが、なかなかふだんから明らかになってくるという状況にはないというふうに思うんですね。
だから、そのときにどういうような見せ方をしていくのかというようなこと、私は、そこは知事の説明責任だというふうにあの場では申し上げたんですけれども、そこが非常に心外でもありましたし、税金を使っていくという感覚がないなというふうに思いましたので、その辺について提示をしていく説明責任の方法についてお尋ねをしておきたいと思います。
○大塚出納長 私、それは知りませんけれども、知事がそういうふうなアクションをそのことでやるとは考えられないんですけれども。だから、恐らく何かすれ違いというか、そういうものがあったんじゃないかという感じがしていますけれども、都議会でこれからお認めいただけるという前提になりますけれども、税金を使うわけですから、経営の大枠を監視するためには、執行はプロに任せますけれども、その執行の前提となる枠組みとか、それから政策的な必要性とかということは、当然、東京都は役員となって入って、先ほど三つの委員会というふうに申し上げましたけれども、その委員会のどこに入るかはもちろん決めておりません。しかし、そこで入って、それで税金を支出しているというそこの重み、その意味を、会社をコントロールする過程でそれはきちっと果たしていきたい。
同時に、それは所管がどこになるかわかりませんけれども、所管の委員会ができるわけですから、どこの局になるかわかりませんけれども、それは財政委員会じゃないかもしれませんけれども、例えば常任委員会の中に一定の折り目、節目で新銀行の経営状況を含めてご報告をし、ご理解をいただくような、そういうスキームに当然なるというふうに思っております。
○北城委員 ほとんど重複しております。ただ、この新銀行に関しましては期待をたくさん持っておりますので、確認をさせてもらいますことをご了承願いながら質疑をさせてもらいたいと思っております。
新銀行の役割は、今の金融機関がやればいいんですよね。僕は本当にそう思うんです。これは本当に素朴に感じます。ただ、それができ得ないということは、今の日本の金融システムが機能不全に陥ってしまった、それが根本理由なのかなと思います。ですから、何が何でもこの新銀行が成功していただいて、日本の金融システムの改善につなげてもらいたいなと、こんなふうに思っておりますので、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
そしてもう一つ、東京都内の中小企業でありますが、これは東京都が調査をされたものだと思うんですけれども、そのうちの四八%が技術向上に重視を置く、こんなコメントをされております。そんなことを考え合わせますると、もはや中小企業というのは、コストの競争ではなくて、いかに技術を向上するかによって生き残りをかけられているのかなと、こんなふうに変わってきているのかなと思うわけであります。ですから、そのような意味におきましても銀行に対する期待が大きいのかなと、こんなふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
先ほど出納長の方からいろんな説明がありました。私もそう思うのであります。今の銀行、金融機関というのは、資金量は本当にたくさんあるんですよね。ただ、それが貸し出しができないというのは、金融検査マニュアルの高い水準のところに貸し出しをしますると、高い引き当てをしなくちゃいけない。それが嫌で貸し出しができないんですよね。ただ、新銀行といえども、やはり高いリスクの水準のところに貸し出しをしますると、それなりの高い引き当てをしなくちゃいけないわけであります。当然、経営の母体にも影響してくるわけであります。ただ、片方、やはりそういうところにも貸し出しをしていかなければいけないというような使命があるわけであります。
ですから、要管理先まで視野に入れるのかどうか、どの程度まで視野に入れるのか、これは金利の設定との関係もあると思いますけれども、大変重要な視点になってくるのかなと思いますので、今後煮詰めて、線引きに関しましては報告をしたいというようなご答弁はありましたけれども、もう一度この点につきましてご見解を述べてもらいたいと思います。
○大塚出納長 いきなり核心の話で、用意した答弁は、改めてよく検討してまたという答弁になっているんですけれども、せっかくのお話ですから。
どこまで貸せるかは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ポートフォリオとして債権管理をする中小企業向けの融資の塊の外に、それを外した、新銀行としてそこにどれぐらいの引き当てが可能かという、新銀行がランニングの中でかち得る余剰といいますか、それが一つの水準になるというふうに思っています。それで、それを根っこにしながら、PL、BSを整理した上で、いわゆる出口の中小企業融資の、ポートフォリオでやるんですけれども、ポートフォリオでやるとはいいながら、どの程度リスクの高い融資を仕組めるかというのは、結局は根っこのところに影響されると実は思っています。
私は、特に調べれば調べるほど、中小企業に対する融資について金融マニュアルを画一的に適用したのではもうどうにもならないというのはひしひしと感じていまして、要は債務者区分をどういうふうに、はっきりいえば動かせるかという--要管理先で新規融資をするなんていうのは、今のマニュアルで絶対考えられない。ご存じのとおりだと思います。ですから、これは要管理先じゃないと、理由はこうだ、そういうマニュアルを中小企業の実態に合わせてつくることによって、今現実に行われていないダブルスタンダードの現実化を行い、それを普遍化して、それで提示をすることによってそこの手当てを何とかしたいというふうに思っていまして、だれが見ても、どう工夫しても絶対要管理先だというところについては、これはなかなか新規融資というのは相当つらいだろうというふうに思っています。しかし、やりようがあると。研究すればするほど、やりようがあると私は思っております。
○北城委員 ぜひ許せる範疇でリスクの高い水準のところにも貸し出しをしてもらいたいなと思います。許せる範疇の中で。私は、そうすることによりまして、今ありまする金融検査マニュアルが、今おっしゃいましたように、中小企業に合ったマニュアルに見直しされてくるきっかけができるのかなと、こんなふうに思っておりますので、期待を申し上げたいと思っているところでございます。
もう一つ、さらにお聞きしたいことは、よく皆様方が地域経済に精通した信用金庫の協力を得たいんだと、こんなお話をなさいます。信用金庫のどこのどういうところに協力を求めるのか、また、信用金庫に対しましてそのような協力要請をされてきた経過につきましてご報告願いたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 信用金庫との関係でございます。東京都信用金庫協会でございますが、新銀行創設に関しまして基本的合意をいただいております。現在、具体的スキームづくりについて検討を進めておりますが、技術力や将来性等にすぐれた中小企業に対する生きた資金供給という新銀行の目的は信用金庫業界の経営目標とも一致しており、必ずやよい関係が築けるものと考えております。
○北城委員 私、危惧していたんですけれども、ごめんなさい。二十六日の東京都信金協会総会の中で、会長は協力には消極的であるというようなコメントも出されているわけですよね。本当に心配しているんです。また、再三再四、信金の持つ懸念というような関係の中で、民業圧迫というようなお話もありました。私はそういうふうにはならないと思っております。これは当然、東京都が預金金利を高くしたり、貸出金利を低くしたり、そんなことはあり得ない話でありますから。
ただ、今の信金というのは経営基盤が弱いですよね。わかるんですよ。例えば、信金中金が、弱い信金に対して資本投入をするというような報道もありましたよ。ですから、信金が心配なさることもわかるんですよ。ですから、信金に対して協力を求めていくとするのならば、やはりそういう懸念事項を一つ一つ払拭していく努力も私は必要なことなのかなと、こんなふうに思うんですけれども、この点につきましてひとつご答弁を願いたいと思います。
○津島理事 具体的に民業圧迫、信金に対する圧迫という観点でございますけれども、信用金庫を代表とする地域金融機関、それから私ども東京都、これは自治体でございますけれども、ともに地域住民の生活、そして経済活動に基盤を置くということで、その地域に深く根差した存在であるというふうにいえると思います。
現在、金融機関を取り巻く環境を見ますと、非常に激しい競争が行われております。メガバンクなどの大手の金融機関、先ほどの三井住友銀行の金融商品の説明をさせていただきましたけれども、こういった大手金融機関も、今や積極的に中小企業融資に参入してきている現状がございます。こういう中で、ともに地域に根差す金融機関と東京都が手を携えて、新しいスキームを開発して新たな顧客層を開発する、これが地域金融機関にとっても経営基盤の充実につながるものというふうに考えております。信金の業界とは、ともに新しい方向性を切り開くパートナーとして連携を深めてまいりたいと思っております。
○北城委員 そうだと思うんです。例えば中小企業の持っている技術力、また将来性、あるいは経営者の力量というのは、決算書とか、あらゆる財務諸表では判断がつかないですよね。やはりそれを判断するには、その中小企業とひざを交えて、かなりの年月おつき合いしてわかることなのかなと思うんですよね。そうしますると、当然、信金の持っているそのようなノウハウをやはり活用せざるを得ない。また、活用することによって新銀行の役割も果たせるのかなと、こんなふうに思いますので、この点につきましては、ぜひ信金とは十二分なる協議を詰めてもらいたいと思います。
そこで、技術力と将来性を評価して新たな審査基準を設けるんだ、新たな融資の仕組みをつくるんだと、これが一つの目玉ですよね。そうしますると、本会議の答弁の中では、評価手法の関係では経営戦略上まだ答弁ができない、いましばらく待ってもらいたいと、こんな答弁がありました。それはそれでいいです。ただ、目きき役をどこに求めていくかというのはやはり基本になることだと思いますので、この点につきましてご答弁願いたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 無担保融資を行う際、技術力や将来性、経営者の力量等について分析、評価する手法を確立することは、おっしゃるとおり重要な課題でございます。
今後、現場感覚にすぐれ、中小企業を熟知する地域金融機関や、先端的な分析評価手法のモデルの企画立案に際しその中心的役割を果たした経験のある専門家等の力をかりまして、共同してつくってまいりたいと考えております。
○北城委員 これも期待しているんです。そのような審査基準が新銀行で確立されたならば、私は、他の金融機関もこの審査基準に立って中小企業に対して融資をするというような流れができてくるのかなと思っております。そうしますると、やはり総体として中小企業の力の底上げができるような仕組みがまた新たに講じられるんじゃないかなと、こんなふうに思っておりますので、ぜひいい審査基準を設けてもらいたいと思います。
もう一つ、銀行法の関係の中で若干お聞きしておきたいと思っております。銀行法の施行規則の中で、三年以内に黒字でなければいけないという項目があるわけでございますけれども、この点につきましてご答弁をお願いしたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 三年以内の黒字転換という点についてお答え申し上げます。
これまでの検討で行ってまいりましたシミュレーションにおきまして、新銀行の収支見通しについても十分な見通しを持っております。開業後三年以内の黒字転換につきましては、当然視野に入れております。具体的には、収益源といたしまして、人員や店舗等を極限まで絞り込んだ低コスト体質と、グローバルな資金運用力を誇る外資系を含めた金融機関を最大限に活用すること等によりまして十分な余剰を生み出すこと、それに最先端のITを活用した統一ICカードを導入いたしまして十分な役務収益を上げること、この二点を見込んでおります。
なお、これに加えまして、融資等に当たっては、先端的な金融ノウハウを活用し、新銀行自体として厳密なリスク管理を行います。幾つかのステップを踏むことになりますが、社会的インフラの一つとして、環境変化にも十分対応できる健全で安定的な銀行を造成してまいります。
○北城委員 ぜひそうなってもらいたいなと思います。ただ、これは主として決済業務を扱う銀行でございますので一概には比較できませんけれども、三年目となりまするジャパンネット銀行とかイーバンク、ソニー銀行、アイワイバンクですか、やはり今年度の決算で赤字なんですよね。預金口座とか預金量は確かにふえているんです。ただ、赤字なんです。ただ、その主たる理由というのは、恐らくコンピューターシステムの初期投資でかなりの莫大な投資をされてきたことが主たる原因なのかなと、こんなふうに思うわけでありますけれども、先ほど新銀行のシステム構築は段階的にやっていくんだと、こんな答弁もありましたけれども、一番かかるシステム投資の関係の中で、どの程度初期投資を考えておられるのか、もしわかりましたならば、ご答弁を願いたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行におきましては、人員や店舗等を極限まで絞り込んだ低コスト体質を実現してまいります。また、システム構築におきましても、最先端のITを活用し、効率的で安全なシステムを新たに構築する考えでございます。システム構築等に当たりましては、イニシアルコストも含め、できる限り低コスト体質を実現するつもりでございまして、その費用につきましては既に一定の見通しを持っております。
○北城委員 具体的にお伺いさせてもらいますると、今回の一つの目玉でありますJR東日本、これは東京都の信用力がなければ、恐らく私はJR東日本は提携をしなかったんじゃないかなと思っております。これは最高の提携なのかなと僕は思っております。そうしますると、JR東日本のシステムにはビュー・スイカカードがあるわけですよね。おのずと自分のシステムが構築をされているわけですよね。そうすると、これからの新銀行と今持っているシステムとの整合性がどうなってくるのかということも一つ大きな課題なのかなと、こんなふうに思いますので、これにつきましてちょっとご見解をお聞かせ願いたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 JR東日本との提携でございますが、これまでICカードの統合化の検討を通じまして、システムそのものの連携についてもあわせて検討しておりまして、現時点で一定の見通しを持っております。今後、新銀行のシステムを構築していく中で、十分な検討とその具体的な検証を行ってまいりたいと考えております。
○北城委員 わかりました。明確なご答弁だったと思います。
最後にさせてもらいますけれども、本当にこの新銀行、成功してもらいたいと思います。この新銀行が成功することによりまして、銀行本来が持たなければいけない役割、例えば資金面で中小企業を支援していくことが一つ、また、東京都内にある、また日本全国にある優秀な中小企業を見つけ出してそれを成長させていく本来の銀行、金融機関のあり方に戻ってもらいたいなと、こんなふうに思うわけであります。
ぜひ新銀行の成功を期待申し上げながら、私の質疑を終了させてもらいたいと思っております。
○鈴木委員 私の方から、もうワンクール終えて、それぞれまた二クール目に入りますので、大体もう質問は大方出尽くした感がなきにしもあらずだと思います。また、私もあらかじめ質問通告しないで、その間、すき間の質問をさせていただくということでいってありますので、そのことをご了解していただきたいと思うのであります。
私たちは、今、先ほど桜井委員の方からも我が党の基本的なスタンスは申し述べたとおりでありますし、知事の発言がありまして直ちにプロジェクトチームを立ち上げて、私も各所随分回ってまいりましたし、いろんな要望等々、私たちも聞いてまいりました。その中で、先ほどから各委員のお言葉の中に一つ一つ散りばめられているとおりでもあります。大きな賛同の声、それから、いや、ちょっとねという声もあるし、半信半疑の声もありました。しかし、私どもも一定の評価をしながら、中小企業を側面的に、都の融資制度、それからCLO、CBOのこの問題、そして、また今度の銀行という、こういう一つのリンクの中で、できれば立派に育て上げていきたいなという個人的な思いはあります。
そして、また今、貸し渋り、貸しはがしという言葉が随分出ていました。私は、今度の新銀行の役目は、貸し足し、新しく足していくという、こういう位置づけになるのかなという、四文字言葉でいうなら、貸しはがしじゃなくて、貸し渋りでもなく、逆にいうと貸し足しという位置づけになるのかなと、ずっとさっきから皆さんの論議を聞きながら私は頭の中を整理しつつあるんですけれども、そういう中で一、二ちょっと疑問に思って、確認の意味で出納長等々にちょっとお伺いしておきたいんですが、先ほど経営監督と執行分離の体制という、新しい商法の改正に伴ってこの制度を設けるといいました。
そして、この経営監督の方に三つの分類を、その中に東京都からも、どこのセクションかわからないけれども、しっかりと派遣をすると、こう明言をされましたね。これは新しい答弁だと私は思いますけれども、端的にいうならば、このいわゆる報酬だとか指名だとか監査ですか、この中で、私は、東京都からどういう立場の、どういうレベルのしかるべき人を--社外取締役として出す以上、これは三つの委員会にそれぞれ過半数を超える社外の方々となっているわけですから、最低東京都から何名出すとか、そういうマクロ的な数字というものがお示しなければ、恐らくこれは判断材料にならないと思うんですが、どうなんでございましょうか。
○大塚出納長 これもまたご容赦をいただきたい。もちろん計算はしてあるんです。してあるんですが、組織的にオーソライズしておりませんし、知事とももちろんやっていない。だから、それなりの計算はあるわけです。
一つだけいえるのは、現役から派遣することを決めたわけじゃない。だから、要するに東京都が大株主として、それは例えば財政委員会でやるとすれば、ずっと財政委員会までつながる世界があるわけですよ。だから、そういう意味で、財政委員会に限らず、議会までつながる世界を、きちっと政策、東京都のガバナンスといいますか、ある意味ではガバナンス、それは大枠のガバナンスですけれども、それをきちっと都議会の意向を含めて貫徹できるような、そういう人を派遣することになると思います。
間違いなくいえるのは、一つは、この三つの委員会の中の監査委員会、これはまず絶対に必要だというふうに思っています。あと報酬委員会と指名委員会がありますけれども、これは知事を含めて組織的な意思決定が必要だと思いますけれども、そちらの方もやっぱり必要なのかなというふうに考えています。
ただ、これは、今の仕組みの中からいきますと各委員会の委員の兼務も可能ですので、数目についてはいろんなやり方があるなと。大事なのは、先ほど申し上げた必要な役割をきちっと果たせるような役員を派遣していきたいというふうに思っています。
○鈴木委員 そこまでしかいえないと思います。まだこれからでございますから。
それともう一つ、この改正商法の中で、有限責任のあるそういう方々が無限責任を負うのか、我々は素人でわかりません。そういう社外取締役はどういう責任を負うんですか。無限、有限どっちになるんですか。
○津島理事 社外取締役も含めまして、取締役会の下に業務執行の組織がございますね。執行役員は執行についての責任を当然株主に対して負うわけですけれども、その上の取締役会は、それぞれの委員会でもって役割があるわけでございますけれども、その監視としての責任を株主に負うということになると思います。
○鈴木委員 よくわからないので、もう少し具体的に。有限か無限かはっきり。二者択一なんですから。
○大塚出納長 分野が分かれておりまして、それぞれの分野について有限責任を負うことになります。
○鈴木委員 よくわかりました。
それともう一つ聞いておきたいんですけれども、先ほど北城委員からもありました債権の四分類の中で、その前に、出納長は、いわゆるキャッシュフローの流れの中でどうのこうのという言葉を、これを論理を組み立てていきますと、これから金融庁に--金融庁かどこだかわかりませんが、銀行の申請に行く。都独自の検査マニュアル、わかったよと。どういう仕組みでこれは書類を出すのか。それは、後から勝手に東京都として金融マニュアルはこんなふうにやりましたといえるのか、それとも、締めつけがあって、金融庁は、金融庁の今の金融マニュアルどおりやらなきゃいけないよ、そうでなければ免許をおろさないよ、こういうことになるのかならないのか、その辺の問題点は精査をしているんでしょうか。
○大塚出納長 権限は金融庁が持っているわけでありまして、その根っこにあるのは金融マニュアルでありますから、新しい銀行もまた金融マニュアルの適用はあるということです。これが一つ。
ただ、先ほど来申し上げておりますけれども、中小企業の実態を踏まえた、金融マニュアルの画一的な適用をするなということで、そういう趣旨を含めて別冊が出ています。その別冊の中に事例が載っているわけです。そんなにたくさんあるわけじゃないんですけれども、その事例の中に、例えば中小零細については、キャッシュフローを考える場合に、法人としてのキャッシュフローだけじゃなくて、一体となっている代表者個人のキャッシュフローも含めてカウントすることは構わないという、ほかもあるんですけれども、そういう記述があるわけです。その記述を含めて、ただ、それだけだと、現実には金融機関というのは審査は動かせない。言葉でやれませんから、具体的な水準がないとできないということで、そういう取っかかりをベースにして、それで具体的、普遍的、しかも有効な中小企業の実態に合わせた融資のマニュアルをつくり、それを金融庁に認知していただいて具体的には動かすことになるんだろうというふうに思います。それが一つ。
あともう一つは、ポートフォリオというふうに先ほど来申し上げておりますけれども、一定金額までの融資については、金融マニュアルをベースにした金融庁の検査の対象外という仕組みがありまして、その辺のところも、トータルとしては安全性が必要なわけですけれども、個々のものについては、そういうことも含めて活用しながら、知恵を出して必要な資金供給を行っていきたいというふうに思います。
○鈴木委員 よくわかりました。例えばベンチャー企業を立ち上げて、いわゆる町場の金融機関から、おたくはもう破綻先だと。懸念先じゃなくて、もう破綻。第四分類の一番右端。しかし、個人のキャッシュフローを見ると、それは何とかやればということになると、破綻先であろうとも、ポートフォリオを利用しながら救ってあげることは可能という解釈を今私はしたんですが、そういうことが適用される新しい貸し出しの銀行というふうに我々はすぐ理解するんですが、そういう理解の仕方でこれはよろしいんでしょうか。
○大塚出納長 先ほど北城委員のご質問について、要管理先を例にとりながらご説明申し上げました。今度は破綻のお話でありまして、そこのところはケースによると思うんですね。ただ、キャッシュフローだけではなくて、債務者区分の要素というのはもっとほかにたくさんありますので、破綻をしているところに新規融資というのはやっぱりちょっと難しいんじゃないかなという感じは……。もし仮に破綻という債務者区分の認定がされているものについて融資をするということになると、それは一つ具体のケースについて精査をしてみないとわかりませんけれども、そこまではなかなか難しいんじゃないかという感じは持っておりますけれども。救える道があるならば、それはいろいろ知恵を出して検討していきたいというふうに思っております。
○鈴木委員 だから、先ほど都のメーンスローガンは、技術力、将来性という、そういう面で底上げをしてあげたいという理論体系があるはずなんですよね。今はみんなそれで、トカゲのしっぽ切りじゃありませんが、すべてちょんになっているわけですよね。もし立ち上がった場合に、これはいろんな事例が実はかかってくると予想されます。こんな第一分類、第二分類、第三、第四と格好いいものじゃありませんから。すべてが縦横斜め十文字になっているわけですから、そういうものをどう見てあげるか、ポートフォリオの中でどうそれを組み立てていくべきなのかということが、先ほど来の各委員の質問の中で、私自身、このことだけは聞いておきたいという、そういう思いで今お伺いをしたわけでございます。
それからもう一つ、三つ目でありますけれども、準備組織を立ち上げて、既に水面下では数年前から、大塚出納長になってから、恐らくその前からかな、やっておったのではないのかと私は推察をいたします。この準備組織の中で、東京都の行政職は何名この中におられるのか、また、民間から何名来て今準備組織を立ち上げておられるのか、その辺はつまびらかにすることは可能なのでございましょうか。わかる範囲内で。
○津島理事 現在の準備室の体制でございますけれども、東京都の職員が二十六名、民間からは、これはいろんな形態がございます。派遣されている方もあれば、提携した中で作業として一緒にやっているやり方もございますし、三十三名、現在時点で合わせて五十九名の体制を組んでおります。今後、徐々に業務の進捗に合わせて必要な人員をふやしていくということになると思います。
○鈴木委員 五十九名。都の二十六名というのは、産労が中心になって、制度融資等々にかかわる問題でありますから、その方々がメーンになっての二十六名とこれは理解をしてよろしいのでしょうか。
○津島理事 産労局ではございませんで、二十六名は出納長室に所属してございます。
○鈴木委員 先ほど、いわゆる中小企業の制度融資の問題等々、これは極めて現場サイドに立たなければならない、物すごく微妙なニュアンスの問題を含めた面までありますから、出納長室所属の方々だけでこれはおやりになっているというふうに今私は理解をしたんですが、重ねて、それだけでいいわけですか。
○津島理事 これは所属として出納長室に所属して職員が二十六名いるということでございますけれども、この新銀行を立ち上げる中で、新銀行が行うもろもろの業務内容、これはICカードも含めまして、これは産労局だけでなくて交通なり、あるいは病院なり、実に幅広い行政サービスとのかかわりもございますので、それはまたそういう関係局との協力あるいは協議を幅広くやりながら進んでおりますけれども、実際に核となってやる人間が二十六名ということでございます。
○鈴木委員 わかりました。
それから、外の三十三名でありますけれども、これは守秘義務を云々という言葉でおやりになっていますけれども、当然、金融アナリストだとか証券アナリストとか、各界各層からの、いわゆる俗にいう、こういう言葉で志願兵なのか、それとも皆さんが一本釣りでお願いして要請なされたのか、この中に外国籍の方もおられるのかどうか、その辺をわかる範囲内で。
○津島理事 五月二十三日に知事が発表させていただいたときに、この新銀行の戦略という絵がございましたけれども、ここの中に出ているような企業、これはそれぞれの分野のいわばトップクラスの企業でございます。いろいろな得意分野を持っている、そういうところから主として支援をいただいているというところでございます。
○鈴木委員 あとは細かいことですので。いろいろな説明は、年内に行程表、また詳しいものを恐らくお出しになると思います。それは予算の編成とも絡んでまいるのでありましょうし、アバウトでよろしゅうございますから、これは三定から四定の間なのか。ところが、四定が終わっていつも物事が出てくるんですよ、東京都の悪い癖で。いろんな重要書類は、各議会が終わるとぽっと出る。それはちょっとまずいなと私は思うのでありまして、対象になるもの度最重要度のレベルの高い重要な課題でありますので、やはり三定から四定の間なのかなと私自身推察をいたしますけれども、出納長、すばりお答えいただきたいと思います。
○大塚出納長 お見込みのとおりであります。
○鈴木委員 終わります。
○川井委員長 この際、議事の都合により十分間休憩いたします。
午後五時十九分休憩
午後五時三十二分開議
○川井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いします。
○馬場委員 それでは、新銀行についてお伺いいたします。目的等についてはたくさんの委員の皆さんから質疑がありました。私は、真木理事に引き続き、それの中の今準備を進めている段階でのことについて質問をさせていただきます。
私が気がついたのは、五月二十四日の新聞に、提携企業などの新銀行関係者数十人は来月一日、ということは六月一日ですね、東京税務協会に派遣され、新銀行設立準備に着手する。今年度内に株式会社を発足させ、十六年度中に新銀行を発足させる予定という記事を見ました。民主の真木理事も同じことに関心を持たれておりまして、この東京税務協会への委託ということについて資料をいただいておりました。ですので、その両方の点から、今回のこの準備をしていらっしゃる中での問題点というか状況を少しお尋ねさせていただきたいと思います。
今まで大塚出納長さん、経過、昨年からの準備を進めていらっしゃる、そういうことで出納長室が今のこの新銀行の担当になったのであろうというふうに思われるわけですが、知事がこの構想を発表し、それからこうした記事もあって、結果的には、いただいた東京税務協会への委託についてというペーパーによりますと、六月一日ということではなく、委託期間は六月十六日から十二月三十一日までというふうになっております。委託目的がありまして、人数、それから委託金額の中身の内訳というふうになっているんですが、まず、この税務協会への委託というようなことが行われている、このことについてお伺いさせていただきます。
まず、今までの質疑の中でも、出納長室で検討されているというふうに皆さん思われているのではないかなということを感じながら質疑を伺っていたんですが、実際は税務協会さんへ委託をしている。また、今回の質問等でお話を承っている方も、肩書が東京税務協会派遣というふうになっていらっしゃいますね。今回のこの税務協会への委託というのはどういう経緯で決められたことであるのか、まずそこからお伺いいたします。
○中路副出納長 税務協会の委託につきましては、十五年、本年の六月に、東京都といたしまして新銀行の創設に係る調査研究等を税務協会に委託するということを決定いたしまして、十六日から委託を開始して、税務協会の方でその仕事をやっていただいている、そういうことでございます。
○馬場委員 それでは、この委託の契約者はどういうふうになるのでしょうか。相手とこちら、委託それぞれの契約者、それはどうでしょうか。
○中路副出納長 契約者でございますが、東京都側は東京都出納長でございます。それから、財団法人税務協会の方は理事長でございます。
○馬場委員 寄附行為との関連なんですが、この税務協会の委託目的のところに委託目的を述べられております。寄附行為も真木理事が取り寄せているんですが、東京税務協会の寄附行為の中に、新銀行をつくるということ、これがこの委託の内容として適当かどうかということをちょっと疑問に思うんですが、この辺、委託するに当たって、私どもが今まで思っていた税務協会の役割の中に、寄附行為の上で、今回の新銀行の調査に関することというふうになっておりますが、そのことが、ここが適当なのかどうか、なぜここを委託先というふうになさったのか、その点お伺いいたします。
○中路副出納長 委託の内容は、細目はいろいろございますが、中心は新銀行の創設に係る調査研究等でございます。税務協会の事業の内容は、これまた寄附行為にはいろいろ書いてあるわけでございますが、地方税財政制度に関する調査研究を中心とした研究、または研修会、講習会、そういったものの開催であるとか、いろいろな調査研究を中心とした事業、また他団体からの地方税財政制度の運営等に関する業務の受託等でございます。
そういったことから考えまして、先ほど申しましたような新銀行の創設に係る調査研究でございますので、税務協会の事業内容にも合致いたしておりますし、また、寄附行為でいいますと、各団体からの地方税財政制度の運営等に関する業務の受託というような条項にも該当しております。こういったことから適切ということで判断いたしまして、協会の方にも打診いたしましたところ、協会側も組織の内部で理事等に諮りまして了承いただいたということでございます。
○馬場委員 今の寄附行為第四条七号というところに合致するというご答弁でございました。無理繰りというようなイメージが私にはあるんですが、ここが適当かどうかということも含めて、これからまた何点か質問させていただきますが、今までやったことのない事業だというふうに思うんですね。この新事業というのを税務協会さんが今まで手がけているということではないというふうに思います。
いただいた資料では、そこに東京都からの派遣職員が二十三人、民間派遣の方が五十名程度というふうになっております。期間はさっき申し上げました。委託金額がそれぞれありまして、約五億円、四億八千六百万円という多額な金額の委託料でございます。
こうした事業を、税務協会側が寄附行為に合っているからということで、理事会も開かれていないのではないか。先ほどのご答弁にありましたように、理事にそれぞれお話をして受けられたというふうなことなんですが、今、都でもきょうもこうして質疑をしているわけですが、これだけ大きなものを、金額も大きなものをここに委託をするということについて、その検討の過程というんでしょうか、もう一度お聞きしたいんですが、この地方税財政制度の運営等に関する業務の受託というところで考えてよろしいんでしょうか。
○中路副出納長 寄附行為の中で該当するものというのは、先ほど申しましたように、第四条七項の、第五号に規定する各団体からの地方税財政制度の運営等に関する業務の受託ということでございまして、それに該当するということで、協会側としてはこの事業も寄附行為に反するものではないということでご了解したということでございます。
○馬場委員 そういうことで契約をなさっていらっしゃるわけですから、それはそれでこれから頑張っていただかなければいけないわけですが、では、今回の約五億円になるこの多額な委託料ですが、契約をする、六月十六日ということで決められているというふうに伺っておりますが、今までこの新銀行については予算等もあるわけではありません。この委託料はどんなふうに工面をなさっているんでしょうか。
○中路副出納長 委託料の約五億円につきましては、平成十五年度当初予算では予算措置はなされておりませんので、予備費の充当により対応することとしております。
○馬場委員 予備費から五億円がすっと出るという、そういう庁内の状況なんだなというふうに思わざるを得ないんですが、このさっき述べました約五億円の中身、これは先ほどお話しした東京都からの派遣職員二十三人、それから民間五十名程度、この人件費が全部含まれている。人件費としてここは委託金額の内訳で出ているわけではありませんで、委託目的に合わせて二つ項目がありまして、先ほどの地方税財源に有効な施策の調査ということでありますが、これは、早い話、銀行をつくるという--調査をするということではなく、先ほどの質疑にもありましたように、調査してつくるかつくらないかということではなくて、もう銀行はつくるということに決めていらっしゃるわけですよね。だから、そういう意味で、ここでこういう項目で調査というのは、有効な施策の調査をして結果的に銀行をつくるということになるのかなというふうには思っているんですが。
それから、もう一つ、先ほども出ていましたIC関連ということで、ネットワークを活用した新たな納税システム等の調査研究というふうになっております。ここでなぜ税務協会でこの研究をするかということを考えていましたところ、きちんと二番目の委託金額の内訳が、ネットワークを活用した納税システム等の調査研究ということになっておりました。
ここで、銀行と、それからICの方で出てくる納税システム、このことも両面考えていらっしゃるということなんですが、こんなふうに考えてよろしいでしょうか。
○中路副出納長 委託目的は、今、先生がおっしゃいましたように、地域経済の再生及び地方税財源の涵養につながる有効な施策の調査研究というのが一つでございます。これは大きく地域経済の再生というふうに銘打ってございますが、その内容として、項目の中に、技術力や将来性等にすぐれた中小企業を総合的に支援する施策として新しい銀行の創設及び戦略的な融資モデルの詳細研究ということのほかに、さらに中小企業への資金調達円滑化に向けた支援等の調査研究であるとか、企業活動を活性化させ、地方税財政の安定化につながる施策の調査研究、こういった銀行の創設並びにそれを経営し、中小企業を支援し活性化していくことによって東京の地域経済全体が活性化していく、そういうことを一つの目的とした大きな研究というふうな形になっております。
それからもう一つは、先ほどおっしゃいましたとおり、ネットワークを活用した新たな納税システム等の調査研究ということで、中身といたしまして、最先端のITを活用した決済システムの調査研究、これは、当然のことながら、銀行の決済システムということも新しい形でのITを活用した決済システム、それからICカードをコアにしたネットワーク経営システムの調査研究、三番目に新しい納税システムの調査研究ということで、銀行の決済システムとICカードを使った、JRとかイトーヨーカ堂グループとか、いろいろなところとのネットワーク、さらには東京都の中の都立病院であるとか公園、スポーツ、そういった施設とのネットワーク、レジャー、スポーツ施設とのネットワークとか、そういったようないろいろなシステムの調査研究に加えて、将来的な新しい納税システム、そういったものがこの銀行のシステムの中で研究できるんじゃないかということの中で、非常に大きな新しいシステムということで研究対象にしているということでございます。
○馬場委員 それでは、この税務協会へ委託しました新銀行設立準備室のようなものでしょうか、これはどこに設けられたんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行の創設に係る調査研究等の事務は、都庁第一本庁舎の北側三十五階執務室において行っております。
○馬場委員 それでは、この委託の事業名もよくわからないんですが、ここの準備室の名称のようなものはあるのでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 組織の名称でございますが、東京税務協会特別調査研究室でございます。
○馬場委員 これは委託の事業と連動している名前ですね。室長という形の責任者のような方はいらっしゃるんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 室の責任者は室長でございます。
○馬場委員 室長はどなたでしょうか。
○津島理事 室長は森祐二郎でございまして、ここに座っております。あとは関係管理職も座っております。
○馬場委員 先ほど準備室ということで鈴木副委員長さんが質問なさったときに、都の職員二十六名、民間の方が三十三名というようなお話がありました。この新銀行の準備室と委託をしております今の特別調査研究室との関係はどうなんでしょうか。
○津島理事 先ほど都の職員二十六名、民間から三十三名、現在五十九名と申し上げましたのは、現在の時点でございまして、現在二十六名、このうち三名は都に直接所属しておる都の職員でございまして、私と野口担当部長ともう一人の担当の課長、この三名が都に直接所属しております。残り二十三名が協会に派遣されるということでございます。
それから、民間の五十名と先ほど申し上げました三十三名というのは、これから人数をふやしてまいりますので、契約上はいわゆるアッパーでもって契約しております。
○馬場委員 済みません、単純な質問が続きますが、先ほどおっしゃった都庁にあるというこの家賃、この予算、見込みというか、それはどうなっているでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 新銀行の創設に係る調査研究等につきましては、委託の条件として業務の遂行場所を都庁舎の執務室と定めているため、使用料は徴収しておりません。
○馬場委員 そうしますと、今伺ってきますと、委託をした特別調査研究室は、要するに銀行の準備室であるということで認識をしてよろしいでしょうか。そういうことで質問を続けさせていただきますが、税務協会への委託四億八千六百万、これはどのような見積もりでこの金額になったんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 都から派遣する職員の人件費を初め、民間から参加する共同研究者の人件費やシステムの調査研究費など必要な事業費、事務費を見積もりましたものでございます。
○馬場委員 私も概算で人数を割ってみたんですが、人件費、そうですよね、今は三十三名、計五十九名ですが、これが五十名民間予定ということになれば、月に八十人近い人がこの準備室で働くということになるわけで、人件費だけでも相当な額、全体の予算の半分以上になるのかなと思ってはいるんですが、そういう民間の皆さんの人件費も含めて、この委託で準備室になっているということで理解をさせていただきます。さらに、家賃は払わなくていいという、かなりいい条件でこの新銀行の準備が進められているということでよろしいですね。
それでは、この委託は十二月までなんですが、十二月末日、三十一日までということになっているんですが、先ほどの準備の状況等もあるでしょうが、十二月末までということに決められた理由、それから、もしその後、委託も含めてですが、準備室は設立まで行うというふうに考えてよろしいでしょうか。つまり、この税務協会の委託は、十二月三十一日までにこの株式会社の銀行が設立されない場合は、年度内ということですから三月三十一日まで延びるのではないかというふうに思いますが、その辺の経緯はいかがでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 委託期間につきましては、当面、十二月末までの期間としております。その後の事業の進め方につきましては、事業の進捗を見ながら、税務協会に委託するかどうかも含めて検討をいたします。
○馬場委員 このままの形で延長になれば、またさらに二億円超でしょうか、かかるような計算になります。今の答弁にありましたように、事業の進捗によっては人件費等がそうかからないということもあるかもしれませんが、とにかく委託という形ではありますが、これははっきりいって新銀行の準備の費用になる経費ではないかというふうに私は思います。この新銀行の準備の費用につきまして、私は一般的な会社の設立の費用というのは本来会社が持つべきものだというふうに思っておりますが、今回の五億円を含めての新銀行の準備金に当たるようなこの経費というのは、都はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 この経費につきましては、会社が負担すべき経費ではないと認識しております。都が負担する方針のもと、税務協会が調査研究業務を行っているものでございます。
○馬場委員 会社が負担するものでないというふうにお答えされると、なぜですかというふうにお聞きしなければならないんですが、要は、都がつくるものなので、どの時点まで都がその経費を負担し、会社はどの時点から自分の会社のための費用になるかということがきちんとわからなければならない。普通は、会社は、創業準備なり設立準備というものは、その後の会社の運営の中からきちんと賄っていく。一般の株式会社はそのようにしているのではないかというふうに私は今まで思ってきましたので、今のようなご答弁をいただくと、これで都がつくるということをあえて強調するということに結果的にはなりますが、そういうことでよろしいでしょうか。
○津島理事 内容につきまして、法律事務所等とも相談の上で進めておりますけれども、会社設立にかかった経費をすべて会社が負担するという義務は法律上ございません。それは契約によって、相手方との契約の中で一定の額を設立会社が負担し、あるいは一定の部分を発注者が負担する、こういうことはさまざまなケースがあるということでございます。
○馬場委員 こういう新しい銀行をつくるということで、簡単ではない、その間のいろいろな調査も、それから準備も必要ですし、人もかかるというのはわかります。でも、先ほどからの質疑の中であるように、実際に銀行の業務が始まってからはコストをできるだけ縮めるというお話で、職員も二百人というようなお話で、これは準備の段階でもう八十人からかかるわけですよね。そういうことも含めて、実際に銀行が本当に生まれ出るまで、都としてそんなふうに手厚くするということは、逆にその後の自立ということ、それからもう一つ大きくは、これ、全部、先ほどから出ている一千億の出資も含めて、この費用も税金で賄われる。つまり、このことの見返りは何なのかと都民に説明ができなければなりませんし、その新しくできた会社の利益を供与する、それがだれなのか、どういうことなのか、私の立場からすると、都民は負担だけするというふうに見えてしまいます。
そういう意味では、もう一度お尋ねしますが、会社の設立まで都がかける費用は、今のところ全部都が負担をするということでしょうか。
○大塚出納長 先ほど理事からご説明申し上げましたけれども、東京都の政策目的を達成するための新銀行をつくる。立ち上げるまでの過程というのは幾つかステップがあるわけでありますけれども、今やっているのはいわば助走の世界でありまして、その助走の世界については、税務協会との契約の中で一定のスタンバイをする。その次の段階では、当然、新銀行の前身である株式会社をスタートすることを考えておりますので、そこからはまさに株式会社の世界になるということであります。
それからもう一点、都民の負担というお話がございましたけれども、これは先ほど来ご答弁をしておりますように、窮迫する中小企業を何とかして手当てをしたいという東京都の政策目的のために、それを実現するためにこの銀行を立ち上げたいということで、その助走をやっているわけでありまして、それの享受といいますか、出口の享受というのは、まさに都民が享受をするということであります。
○馬場委員 繰り返しになって申しわけありませんが、この委託そのものも含めて、要するに、民間の皆さんと準備をするところの場所が必要だったというふうにしか受け取れないんですが、それも含めて、費用も含めて、この銀行をつくるためには仕方ないんだということで理解をせざるを得ないんですが、このことはきちんと、額も大きい額です、本来きちんと報告すべきであったのではないかというふうに思います。例えばきょうのこういう委員会等でも、どういう状況でその準備をしているかということの資料として出すべきであったというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○津島理事 一般的に金額の大きな契約につきましては、議会に事項ということで議案として提出させております。工事請負契約等につきましては九億円以上は議会にお諮りする。普通のさまざまな研究の調査委託、こういったものについては、それぞれの所管の局が知事の行政的な権限として支出させていただいているということでございます。
ただ、これは、そういう契約の手続ばかりではなくて、発表して、六月十六日から実際に契約をしたわけでございますけれども、知事が五月二十三日に新銀行立ち上げの発表をした以降は、オープンにして広くお話をしたわけでございます。
○馬場委員 昨日の質疑でも二次の財政再建をするという話で、どういうふうにこれから都がそのやりくりをするかという話をきのう一日していたわけです。そういう中で、大事な仕事、新銀行の目的等よくわかります。本当にそのとおり中小企業が元気になってほしい。今まで大企業がある意味ではきちんと下請も含めて面倒を見ていた部分を切り離してきていることも大きいというふうに思いますし、また別にきちんと新しい形の中小零細企業がそれなりの役割を果たしていく土壌をつくるということも大事だというふうに思います。でも、それをなぜ都がやるかということは、皆さんから質問が出たように、一千億という、あえていえば持参金のようなもの、それから今回のこの準備の費用も支度もすべて整えてそしてやるということは、かなり大変なことだというふうに思います。
ですので、最後に一点だけ関連して、出資について、一千億円の出資の質問のときに、新銀行の経営の大枠を監視するために委員会形式でやっていく。外部の委員を入れる。それを私伺ったときに、私は、この外部というのは、もしかしたら都の、藤田理事さんは有識者というふうなご質問でありましたが、私は、最初に伺ったときには、先ほどの都の関係者、つまり、監視をしたりするために都の職員なり、もしかしたら大塚出納長さんが行くのかなとかと思ったりしたくらいなんですが、そういう何らかの形でこの新銀行の運営にかかわっていくということも含めて、そういう委員会形式にしたのかななんていうふうに勝手に思ったりしたんですが、この辺の役員、つまり、委員会等設置会社という形にしたときの役員、外部役員というんですかね、そういうところの関係は、都民のかわりに行くということになると思いますので、外部役員というところと都のかかわりについてもう一度、ある部分というふうにさっきお答えいただきましたが、そこだけもう一度お答えいただいて、質問を終わります。
○大塚出納長 本当にどういうふうな形で--もちろん経営監視と執行と分離するわけですけれども、経営監視のところに都はどういうふうな形で、具体的に人数も含めて、どういう委員会にどういうふうにということは本当に決めていません。ただ、都議会のご賛同をいただいて税金を投入してこの銀行をつくるわけですから、当然のことながら、先ほどお答えをいたしましたけれども、都議会とつながる世界を、ひいては都民とつながる世界ということになりますけれども、それを統治スキームの中で、統治機構の中できちっと担保できるようなということでやっていきたいというふうに思っています。私ではなく、ちゃんと適任者を手当てしたいというふうに思っております。
○秋田委員 新銀行の創設は、約五十五万社、都内企業の九九%を占める中小企業、特に資金繰りに困っている中小企業を支援するものとして大いに期待するものですが、一方で、先ほどどなたかがおっしゃったように、私どもに与えられた資料はこの三枚ということですので、守秘義務があるとはいえ、議論すべきところは議論しなくちゃいけないのかなと思っております。
そこで、一番最初に目的についてもう一度確認させていただきたいと思います。技術力や将来性等にすぐれた中小企業を総合的に支援しと、こう書かれておりますが、技術力や将来性にすぐれた中小企業を総合的に支援しなのか、中小企業を総合的に支援し、すなわち、技術力や将来性等にすぐれたという部分を除いた場合は、やっぱり支援していくんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 お尋ねの趣旨は、中小企業全般を支援するのか、それとも技術力や将来性等にすぐれたという限定がつくのかというご質問かと思いますが、これは先ほど来ご説明申し上げておりますように、技術力や将来性等にすぐれた中小企業を支援していくというものでございます。
○秋田委員 よくわかりました。この点は私は重要だと思いましたので、一応確認させていただきました。
それから、先ほどいただいた財政委員会要求資料のところにも書いてありますし、また出納長もおっしゃったとおり、新銀行は株式会社だということでございますが、またこれ、原則的なことを聞いて大変申しわけないんですが、会社というのはどのような会社であれ、利潤の最大化を唯一といっていいぐらい最大の目的とするはずだと思います。平たくいっちゃえば一円でも多くもうけようというのが会社だと思うんですが、新銀行はその利潤の最大化ももちろん目的とするんでしょうか。
○津島理事 利潤は利潤として追求するというつもりでございます。ただ、その利潤をどういう形で還元するかということで、預金者、融資者、いわゆる顧客に還元するという形で営業していくということでございます。
○秋田委員 この新銀行の目的、一番最初に聞きました、技術力や将来性等にすぐれた中小企業を総合的に支援するという目的と、利潤を図っていくという目的が相反するときが仮にあった場合、どちらを優先するんでしょうか。
○大塚出納長 まずその前提として、確かに技術力や将来性等、それが対象になるわけですけれども、技術力一つをとって考えても、融資判断のすべてをその技術力だけで出し切れる、そういう環境ではないというふうに思っております。もっとわかりやすくいいますと、ほかの要素もあり、それは当然、技術力だけでいけるところもあるかもしれない。あるいは将来性だけでいけるところもあるかもしれない。しかし、ほかの要素もあり、それに技術力がありと。そのウエートは、これはいろんなウエートがあり得るだろうというふうに思っています。それが一点。
利潤の最極大化というのは、当然、株式会社、資本主義社会でありまして、当たり前の話なんですけれども、利潤をかち得るという株式会社本体の当然の目的は、出口のために利潤を極大化するということで、途中過程として利潤の極大化、それはいろんなスキームの中で考えていかなければならないというふうに思っております。
○秋田委員 出納長の柔和な顔を拝見すると、ついついそうなのかななんて思っちゃいますが、それはそれとして、もう一方で株式会社という点について、今度は責任問題についてお尋ねしたいと思います。
ここに有名な鈴木竹雄さんの「会社法」という本がございますが、ここに株式会社の概念として、さっと読ませていただきたいのですが、重要だと思うから読ませていただきたいんですが、株式会社は、社員の地位が、株式と称する細分化された割合的単位の形をとり、その社員、すなわち株主が、会社に対して各自の有する株式の引き受け価格を限度とする有限の出資義務を負うだけで、会社債権者に対しては責任を追わない会社である。したがって、株式と社員の有限責任とが株式会社の最も根本的な二特質であると書かれて、有限責任とは、株主は会社債権者に対し何ら責任も負担せず、単に会社に対し一定額の出資義務を負担するにすぎないと、こう書いてあるわけですが、これをいいかえれば、東京都は新銀行において大株主ということになると思うんですが、その大株主である東京都は、東京都が設立する新しい銀行の会社債権者に対し何らの責任も負担せず、単に新銀行に対し一定額の出資義務を負担するにすぎないと、こう読み込むこともできると思うんですが、そういうふうに解釈してよろしいんでしょうか。
○野口銀行設立準備担当部長 先ほど来お答え申し上げておりますように、新銀行につきましては銀行法に基づく銀行でございまして、株式会社でございます。したがいまして、委員今読み上げしていただきましたように、法律上、その業務執行につきまして、都として株主としての有限責任を負うにとどまるものでございます。
○秋田委員 ありがとうございました。非常に根本的な部分だと思ったものですから、改めて確認させていただいた次第でございます。
次に、各論的な部分についてお尋ねしたいと思いますが、既に各委員からるるお話がございましたので、重なる部分はもちろん割愛させていただきたいと思っております。新しい銀行に限らず、会社をつくるとなれば、人、物、金と、こういうのが必要だと思っております。そこで、割愛するにせよ、このペーパーの中から拾った中で重要な部分についてお聞かせいただければと思います。
新銀行では、ポートフォリオ型の無担保融資を行うとされていますが、このポートフォリオ、先ほど塊とおっしゃいましたが、私はどちらかというと組み合わせという認識を持っておりますが、いずれにせよ単なる思いつきではないと思います。先ほどたまたまどなたかの委員のときに、出納長より、三井住友ビジネスローンという初めて個別のお話が出ましたが、他の先進国で、あるいは他の先進国のどこぞの銀行かでも結構なんですが、こういったポートフォリオ型の融資をしているところがあるのかどうかというところを調べているのか、認識しているのか。実例があるとすれば、今までの運用状況はどうなっているのか。またさらに、それをモデルとして提示できないか、お尋ねしたいと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 ポートフォリオ型の無担保融資についてでございますが、国内におきましては--国外の件がお尋ねの件かと思いますが、まず国内におきましては、東京都民銀行や、先ほどお話させていただきました三井住友銀行で既に商品化し、最近、東京三菱銀行でも同種の商品の提供を開始しております。しかし、いずれにつきましても金利水準の設定方法や審査方法、顧客の属性など新銀行の対象とは若干異なり、直接のモデルとすることはできないという状況でございます。
海外のポートフォリオ型の融資の状況につきましては、調査はまだ進んでおりません。
○秋田委員 この点につきましては、恐らく、私見ではございますが、国内よりも海外の方が進んでいると思いますので、ぜひともお調べいただいて、参考にできるところは参考にしていただきたいと思います。
また言葉的なもので申しわけないんですが、先ほどもお尋ねしたんですが、この目的にも特徴にも書いてある、技術力や将来性等にすぐれた中小企業の総合的支援ということですが、技術力や将来性という評価は非常に難しいんだろうなと思っております。従来の銀行の、先ほどからいわれております担保主義、担保なら客観的な評価ができると思いますけれども、技術がすぐれているとか将来性があるということは、どうしても主観的、恣意的にならざるを得ないんだろうと思っております。その意味で、リスクを回避するために一番重要なのは、先ほど来出ているように事前審査なんだと思うんですが、マニュアルをつくるというようなお話も先ほど来出ておりますが、どのような判断材料を使って、どのような段階を踏んで、ここには融資できる、融資できないを、あるいはポートフォリオの中に入れる--ポートフォリオの中に入れることができない企業ももちろん出てくるはずですから、入れることができるということを判断するのか。
また、既存の日本の銀行というのは担保主義でずっとやってきたわけですよね。けれども、今度の新銀行は担保主義じゃないということは、既存の銀行員の方に、将来性や技術性を判断できるだけの経験はなかなかないのだろうというふうなことが容易に予想されるわけですが、では、そういった高い能力を持った人材というのは一体どこからいらっしゃるんでしょうか。
この二点についてお聞かせ願えればと思います。
○野口銀行設立準備担当部長 中小企業の技術力や将来性等の評価につきましては、定量的要素だけではなくて、定性的要素も必要であると考えております。定量的要素につきましては、これまでの客観的な積み重ねがありますが、定性的要素につきましては、いずれにしても、おっしゃるように判断という要素が必要でございます。現場感覚にすぐれ、中小企業を熟知する地域金融機関等と緊密に連携するとともに、先端的な金融ノウハウを活用して、具体的かつ有効な審査マニュアルを、現段階ではまだ具体的にお示しすることはできませんが、作成し、このマニュアルに基づき判断をしてまいります。
また、人材についてでございますが、国内外の有力企業等から高度な判断力や先端的なノウハウを持つ精鋭に既に参加をいただいているところでございます。今後、必要な人材をさらに充足してまいります。
○秋田委員 なかなか苦しい答弁にならざるを得ないんでしょうが、来年になったら笑顔でお答えできるようにお願いするところでございます。
次に、第二点目にある、安全、有利な金融商品の提供と書いてありますが、金融商品、安全で有利。安全で有利というのはそんなに簡単にできるのかなとだれもが思うわけで、これ、あればみんな買いたいわけですね。一般的に有利というのは、利子率がいいというふうに私は解釈させていただいているんですが、そう考えると、安全で利率がいいということになりますと、ローリスク・ハイリターン、すばらしい商品のように聞こえるわけですね。ただ、一般概念としては、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターン、これが当たり前だと思うんですが、そのようなローリスク・ハイリターンの商品を、大変失礼なんですが、開発できるんですかね。
○野口銀行設立準備担当部長 リスクとリターンについてでございますが、これはやはり一定の比例関係がございます。その組み合わせにつきましてはさまざまでございますが、どのような組み合わせで商品化するかがまさに重要なポイントでございます。新銀行は、東京都の高い信用力と不良債権ゼロという高い格付を生かすとともに、人員や店舗を極限まで絞り込んだ低コスト体質、高い信用力とグローバルな資金運用力を誇る外資系を含めた金融機関を活用すること等によりまして、安全で有利な金融商品を開発してまいります。
○秋田委員 何回いっても難しいことは難しいのかもしれません。
先ほどのところにちょっと戻していただきたいんですが、先ほど、現在五十九名、準備室にいらっしゃると。うち二十六名という話がございましたが、きょういただいた財政委員会要求資料の五ページを拝見すると、ずらっと従業員数、いろいろと書いてあるんですが、一番少ないところで第二地銀の神奈川銀行、四百七十二人というふうに書いておりますが、二百人というふうに一応いう以上は、二百人となる根拠が必ずあると思うんです。一体二百人となったのは--五十人じゃなくて、五千人じゃなくて、五百人じゃなくて、二百人となった根拠というものはあるんでしょうか。
○津島理事 ビジネスモデルをつくってきたわけでございますけれども、基本的に店舗数をおおむね十店舗ほどの支店を想定しておりまして、本店と支店を合わせまして業務量を積算しまして二百人。これから実際に商品をつくって、いろいろ審査等でこの人数については動くことがあるかもしれませんけれども、その人数でこの業務量をこなし得るということで考えたわけでございます。
そのためには、さまざまなITを活用するなり、信金と協調して信金の店舗を活用するなり、できる限り低コストの仕組みを前提として組み立てたものでございます。
○秋田委員 割愛したら大分短くなったので、これが最後の質問とさせていただきますが、冒頭にも申し上げましたとおり、新銀行には大いに期待するところでございます。けれども、一方で大いなる不安も抱いているのが正直なところでございます。確かに知事のおっしゃるとおり、新しくゼロからスタートするわけですから不良債権もないということで、最初のころ三、四年、あるいは五年ぐらいは私は比較的うまく、順調--貸すばかりであれば、ある程度は文句も出ることなくいくのかなと。むしろ貸した後、融資をした後の結果が出てくる段階を私はすごく心配しているんですね。
十年後、二十年後、知事がいらっしゃるのかどうかはわかりませんけれども、そのときに、例えば三セクのようにはならないと知事はたしか明言されたと思います。既存の銀行のような不良債権で四苦八苦するようなことはないというふうには思いますが、きのうもちょうど財務局で二十年債、三十年債という話がございましたが、そういう二十年後--十年後でもいいですが、十年後、二十年後、三十年後に負担がぐっと増すようなことになったら、私ども若い世代も大変心配する、大いに心配するところでございますので、将来の未来像というのを最後に出納長に大いに語っていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○大塚出納長 いろいろとご宸襟を悩ませて申しわけありません。ずっと答弁をしてきておりますけれども、私はこれはやれると、本当にそう思っていまして、ただ、秋田委員おっしゃるように、どんな金融機関もそうなんですけれども、これまでの創設からの過程を見ますと、融資残高がいきなり立ち上げてどんと上がるという、そういう世界じゃないんですね。ですから、そこは一歩一歩積み重ねていく過程になると思います。手がたく、それはやっぱり足元を見ながら、一方でリスクの高い中小企業融資をどの程度やれるかというのは、この銀行の持つ運用力にかかってくる。別のいい方をしますと、リスクの高い中小企業融資以外のところでどれぐらいのランニングの余剰の見通しができるか、そこを確かめながら、預金量もこれはある日突然どかんと来るわけじゃなくて、やっぱり積んでいくわけでありまして、PL、BSを含めて手がたくきちっとやれば間違いなくいけるというふうに思っております。
ほかのメガバンクや地銀のことを申し上げるわけではありませんけれども、実際、業務粗利益は市場空前といいますか、バブル期と変わらないような業務粗利益を現実に上げているわけでありまして、ただ問題は、例えばメガバンクでいきますと、一番低い三井住友でも経費率がたしか三七%か飛んじゃっている。要するに業務粗利益の少なくとも三分の一強は内部で食われてしまっている、人件費、物件費も含めてですね。それから、三井住友は特に一番経費率が低いところでありますけれども、ほかのメガバンクは軒並み五〇%を超える、六〇%に達するような経費率で業務粗利益の大部分を食ってしまっている。それにかてて加えて不良債権があるということで、非常に苦しんでいるわけであります。
そうしたまさに先行例といいますか、そういうことをきちっと勉強の材料にしながら手がたくいけば、間違いなく、あってよかったというふうに都民の皆さんに思っていただける、そういう銀行にし得るというふうに思っています。
知事のお話が出ました。もちろんこれは知事の公約、それから私どもで一定の準備段階の検討をさせていただいて、公約から政策に昇華させていただいて、東京都の政策としてとりあえず頭出しをさせていただいたわけであります。この後、都議会のご理解、ご協力をいただきながら何とか立ち上げていくわけでありますけれども、為政者がだれになろうと、もちろん私もいないわけでありますけれども、必要な社会的機能をきちっと果たせる存在感のある銀行を立ち上げていきたい。それはできるというふうに思っています。
○矢部委員 もう大分重複というか、出尽くしている感もありますから、少し質問させていただきますが、観点を変えてお尋ねをしていきたいと思います。
地方自治法上、自治体が銀行を設立することについて何の制限もないということでございますが、昭和二十二年に地方自治法が制定されて以来、今日まで銀行はなかったわけですね。初めてだと思うんですが、それはなぜだと思いますか。
○津島理事 昭和二十六年に都民銀行が設立されたわけでございまして、その際東京都が関与したわけでございますけれども、その後、日本経済が順調に推移をして、民間の金融機関の役割の中で、経済の血液としての金融がうまく流れてきたんだろうと思います。ここに来てそういった経済の血液としての金融が非常に滞ってきたということで、東京都としてやむにやまれぬということでこの構想を出したわけでございます。
○矢部委員 都民銀行ができたときの経緯、経過と今回とは違うと思うんですね。もう一つは、ついこの間までは東京都も信用組合を監督する立場にあったということも、私は大きく理由としてあるんだろうと思っているんです。それができなくなってというか、取り上げられてしまったんではないかと思うんですが、そういう立場からすると、東京都は、信用組合ではあったかもしれないけれども、必ずしも監督する能力があったんだろうかという疑問がわくんですね。その東京都が銀行をつくろうというんですから、大丈夫なのかなとふと不安になるんですが、いかがでございますか。
○大塚出納長 信用組合を監督するセクションと、この新銀行の創設を企画し、準備しているセクションは局が違いまして、それは必ずしも前のところでできなかったから今度もできないということではないというふうに思っております。それは、東京都もいろんな組織がございますし、いろんな人材がございますので。
何よりも、先ほど来ご答弁を申し上げておりますように、私はずっといっているんですけれども、この新銀行構想について、我々ができることとできないこととの峻別をしよう。できないことをできるふりをするのはやめようと。この新銀行の構想を実現する過程で、我々は何をやる、それをきちっと見きわめて、できないことは外のノウハウを、それはセレクトさせていただくことになりますけれども、それを最大限活用して、それをこの準備組織の中でまさに融合して、何の縛りもありませんので、系列化もされていません、必要なところのどことでも組めます。そういう制約のない中で融合して、それで立ち上げていこうと。
それをいつもいっているわけでありまして、できないことをできるふりをするつもりはありませんし、それからそれをやるつもりもありません。できないことはできないことで率直に認めて、しかし、ガバナンス、コーディネート、スタンバイ、それから出口のチェック、これはまさに一定の政策目的を達成するために我々ができるし、やれる。やらなくちゃいけないことだというふうな考えでやっていきたいというふうに思っております。
○矢部委員 大変意地の悪い質問をして申しわけなく思っておりますが、もう一つは、社会経済情勢が変わったというのが一番大きなところでありましょうし、それこそ右肩上がりの経済状況、要するにバブルがなかりせば今でもそのままでいられたんだろうと、もう一面思うわけですね。残念ながらバブルがあったわけですから、それからいろんな価値観が変わってしまったわけですし、平成元年、あるいは昭和六十三年ころの状況といいますと、担保物件に対して、その評価額の一二〇%を融資しますよなんていうのを銀行の側から持ちかけられて話が進んだというような時代があったわけです。それがバブルの元凶になっていると私は思っていますけれども、なおかつ急激に地価が下がるという中でいや応なく不良債権化してしまっているということで、それをどう処理するかということが大変大きな課題であるというふうに思うんですね。
そういう中で、今町の中では、それこそ先ほど来出ていますように、担保の評価が下がったために貸しはがしなんていうようなことが起きたり、あるいは運転資金も融資してくれなかったり、あるいは新たな融資を申し込んでも応じてくれないというようなケースがいっぱいあって、そういう体験、経験をしている多くの都民がいるという現実の中で、今回のこの提案については、それこそ大変な歓迎ぶりなわけです。
その無担保というところが特にクローズアップされているものですから、そうであればすごいことだなというふうに思うんですが、先ほど来出ていますように、今回の東京都の銀行、名前は、いい名前を知事は考えているということですが、どういう名前になるのか知りませんけれども、その銀行も、先ほど来のお話のように、私もいろんな本を買ってあちこち読みかじりましたけれども、最終的にはこの百六十二ページにわたります金融検査マニュアルの検査対象になるということです。その追補版が出されて、別冊も出されて、こちらは四十二ページですか、トータル二百ページにもなるこの検査マニュアルがあって、この管理下に置かれるわけですから、そういう意味では今の銀行と基本的には変わらないと思うんですね。
そうであれば、既存の銀行でできないことをどうしてできるんだ、こういうことになるわけでございまして、そこについては先ほど来のいろんな議論がありましたし、私も重複は避けたいと思うんですが、その中で、代表者等の一体性というようなことについてはこの別冊の方で述べていますし、企業の技術力や販売力、成長性などというようなこともこの別冊のマニュアルで述べているわけです。
これを素直に理解してくれれば、今、貸しはがしに遭わないで済む人たちもいっぱいいるんだろうというふうに思いますし、しかし、そういうところについてどうするかということになったときに、結局のところ、それぞれの銀行が金融庁の検査マニュアルとは別に独自のマニュアルを持って貸し出しに当たっている。担当者がそれと首っ引きで融資可能かどうかというような判断をしているという現実があるわけですね。ですから、この検査マニュアルがやっとだし、どちらかというと、これよりもっときつく設定をしているわけですから、ましてや別冊の概念はその中には全然入っていないというふうに私は思うんです。
それが、それぞれの銀行ごとのノウハウとして蓄積されたもののばらつきがありますものですから、さらに難しさを増しているということの中で、その境目に当たる部分については、先ほどの大塚出納長のお話のようなことからすれば、可能性が出てくるということになるんだろうと思うんですね。その可能性が出てくる場所についてということになったときに、そういうところはもう既にどこかで融資を受けているわけですよね。新たにじゃなくて、ベンチャーじゃない部分ですね、今は。そうするとすれば、借りかえをしてもらえればいいわけですけれども、そういうことも念頭にはあるんですか。
○大塚出納長 副委員長がおっしゃっているのは、いってみれば、返済を含めた、経営計画を含めたリスケジュールのお話だと思うんですね。恐らく今一番困っている世界というのはその世界だろうというふうに思っています。そのリスケジュールの要件が極めて厳しい。例えば債務の長期化じゃなくて、むしろ債務返済の短縮といいますか、それが非常に要求されているわけです。
別冊ではいろんなことが書いてあるわけです。しかし、書いてはあるんですけれども、言葉で書いてありますから、現実に融資の現場では、あの別冊をもとに融資はできないんですよね。もっときちっとスコアリングされていて、ウエートがちゃんと、どういうものをもってどういうふうに判断するかという具体的な物差しでない限りは、言葉で幾ら書いても、それをもとに現実の金融機関は、結局、もとの金融マニュアル、あれで仕事をせざるを得ないというのが、これは信金を含めた現場の実態であります。
私は、今お話しの債務の長期化といいますか、それをどの程度やるかというのは、その置かれた状況によって変わってくると思うんですけれども、それはどうしても検討しなければならないというか、重要な一つのポイントだろうというふうに思っています。
その場合のいろんな条件が恐らく出てくるというふうに思っているんですが、少なくとも単黒であること。ですから、累積を除いて、単年度の営業については赤ではない。しかし、その黒の数字が極めて少ないために、累積債務がもしマニュアルがいっているような条件では返し切れない、そこをどうするかというのが、実際に先ほど来、理事なり部長が答弁している中身の一つのポイントだろうというふうに思っています。
○矢部委員 ですから、そういう意味では、無担保ではなくて、有担保も当然視野に入っているということですよね。
○大塚出納長 細かな話というか、出口の話が出てきて、本当はご容赦いただきたいと思っているんですけれども、そういう話も含めて一定の段階ではきちっとご報告をしたいと思っているんですが、とりあえずきょうのあれでいきますと、無担保融資は、だから一番大きな物差しになると思います。旗になると思います。
それをどういうふうな形でやるかということは、これは私は二つに分かれると思っていまして、一つは、スコアリングモデルを使って、極めて短時間のうちに、短期間のうちに、一々目ききなんか要らない世界ですよ。スコアリングモデルの中でチェックすることによって、極めて短時間のうちに結論が出てくる、いってみれば低額の比較的スモールビジネスといいますか、そういう世界。それから、同じ無担保でも、ある程度規模のあるところは、これはスコアリングモデルだけではいかなくて、フェース・ツー・フェースといいますか、スコアリングモデルをベースにしながらプラスアルファで審査をしていく、そういう領域がある。これは無担保の世界です。
一方、これは個々の顧客の条件によりますけれども、担保が提供できるところ、それもあるかもしれません。それから、それは金額にもよる、それから条件にもよる。そういうものについては、モデルとしては全く考えていないわけではありません。
○矢部委員 全部これを読みこなすわけにはいきませんでしたが、その中でいろいろ出てくるんですが、特に横文字が多く出てきまして、この意味は何だろうなと考えるんですが、コンプライアンスという言葉がずらずらっと出るところがあって、それについてはコンプライアンスマニュアルを作成すること、こうなっています。この辺が一つのポイントだろうと。
もう一つは、ずっと読んでいきますと、今度は格付マニュアルをこしらえると。これによって物差しができてくるのでというのが今のお話なのかなと思っているんですが、その物差しによって救えるようになるだろうと。しかし、それらのことは自己の責任によってと、こうただし書きがつくわけですね。自己の責任と同時に、それから内部監査をしっかりするということが条件づけられているんですが、この辺の兼ね合いを教えていただきたいんです。
○津島理事 今、先生おっしゃいましたとおり、金融監督庁の検査マニュアルを通知する、冒頭の通知文の検査マニュアルの位置づけについて記載してございまして、この検査マニュアルは、あくまでも検査官が金融機関を検査する際に用いる手引書として位置づけられるものであり、各金融機関においては、自己責任原則のもと、このマニュアル等を踏まえ、創意工夫を十分に生かし、それぞれの規模、特性に応じた、より詳細なマニュアルを自主的に作成し云々と、こう書いてございます。つまり、金融庁のマニュアルと銀行のマニュアルというのは同列ではなくて、もともとそれぞれの金融機関がそれぞれの規模、特性に応じて詳細マニュアルをつくれることになっております。
したがいまして、じゃ、つくればいいじゃないかということですけれども、その自主性をどういうふうにつくり上げていくかということが問題でございまして、この自主性を、現在の私どもの新銀行が兼ね備えたメリット、特性、これを生かして、余剰を生かして、担保主義を超えたマニュアルをつくっていきたいというふうに考えてございます。
○大塚出納長 今、理事からご答弁申し上げたとおりなんですけれども、端的に申し上げますと、悪いところに幾らでも貸してもいいんです。それは自分のマニュアルの中で貸しても構わない。それはそれぞれの金融機関の判断で構わないんです。そのかわり、貸した場合には、それに応じた引き当てを積めという話。例えば要管理債権だと三〇%の引き当てを積めとか、要注意も最近大分上がってきて、昔はせいぜい二、三%だったんですけれども、五%とか一〇%の引き当てを積む。引き当てを積めないために、結果としてはより厳しい物差しで危なそうなところは全部はじいていってしまう。要は、じゃ、何で決まるかということになりますと、結局はその金融機関の持つ体力で決まるということになろうかというふうに思います。
○矢部委員 大いに期待をしたいというふうに思いながら、なかなか大変だなというふうにも思えるところでございますが、一般的に無担保というのは、東京都というか、一般の銀行でという話をしたときには、制度融資というようなものが該当するんだろうと思うんですね。そうすると、それは信用保証協会の保証づきという前提の中で成り立つ話ということになるんですが、この新銀行については、その信用保証協会に当たる部分が、先ほど来のことからいくとオリックスという会社が当たるのかなと、ふとこう思うんですが、そういう解釈でよろしいんですか。
○津島理事 制度融資における信用保証協会の位置づけと、私どもの新銀行における保証機関としての保証会社、これは全く別でございまして、制度融資における保証機関というのは、貸し出しをするかしないかという基本的な貸し出し枠について、保証という切り口から入るわけでございますけれども、結局、代位弁済が満杯になりますと、保証枠を超えますと保証をしない。そうすると、結果的に金融機関も融資できない、こういう形になるわけでございまして、事実上その金融機関の融資の枠にたがをはめちゃう、こういう形になると思います。
私どもの考えている新銀行は、あくまでも銀行が主体的に融資マニュアルをつくって、その中で保証をかけていく。もちろん保証をかけない金融商品も出てくると思いますし、これはいろいろ出てくると思いますが、あくまで我々の銀行が主体となってつくっていくということで、保証機関と銀行との関係ですが、現在の制度融資とは違うということでございます。
○矢部委員 そうであればあるほど、審査というのが、大変慎重でかつ相当な経験を要求されるなという感じがしております。そこの部分が、先ほど来のお話からすれば信金協会等々との連携ということになるんでしょうが、そこは問題なくいけそうですか。
○津島理事 五月二十三日に新銀行の構想を発表したわけでございますけれども、発表に当たりましては東信協と基本的な合意を得ておりまして、現在、具体的な連携の方法につきまして検討に入るという状況にございます。
○矢部委員 よくよく話を詰めてスムーズにいくようにご努力をいただきたいと思っております。
観点を変えて決算書という見方をしたときに、銀行と一般の企業とはまるっきりひっくり返ってしまって、銀行における資産は貸出金、負債は預金という立場になるわけですから、預金は集まるだろうけれども、資産をつくらなけりゃプラスになっていかないわけですから、この辺のところを、預金もそういかないかもしれませんが、二千億の元があったとして、相当な預金が集まるだろう。今、一般の銀行も預金は十分にあり過ぎる。危険の少ないところへ貸したいと思うけれども、そこがないので困っているということで詰まっちゃうんでしょうか。そういう意味では、この新銀行がその辺のところを積極的にやっていただくと、それは既存の銀行に対してのすごくいい刺激になるのではないかと私は思っているんですね。全体東京の中の金融が動き出していくということは、東京の経済が活性化をしていくことになるんだろうと思っていまして、その点大いに期待をしているんです。
もう一面、まとめてお尋ねをして、見方を変えたときに、いろんな状況を見るんですが、まだ残念ながら東京の地価は下がっているんですね。これがどのぐらいいくだろうかという中で、いろんなところを聞いてみると、あと二年だろうと。これは厳しいというんですね。逆にいえば来年できるんじゃ困るんで、本当は今あってほしいんですね。ことしの暮れをどうしようかなんていうところについて考えれば、もっと早くやっていただいた方が現実は助かる人がいっぱいいるんだろうという気がするんですが、その点についてはいかがでございましょうか。それは現実はできないですよね。
○津島理事 私ども現在の中小企業の窮状を認識しておりますので、さまざまな関係の企業と連携をして、できる限り早急に立ち上げたいと思っておりますけれども、これからクリアしていかなければいけない金融庁の申請も含めまして、都民に将来にもわたって安定的で存在感のある銀行をつくっていくためには、融資マニュアルも含めまして、しっかりしたものをつくっていくということでお時間をいただきたいというふうに思っております。
○矢部委員 終わりにいたしますけれども、十六年といっておりますが、設立総会をいつごろに定めて準備をされているんでしょうか。
○大塚出納長 いや、本当に決めていません。ただ、理事からもご答弁申し上げましたけれども、とにかく今の状況からいって一刻も早くという知事の思いがあるわけでありまして、ご提示申し上げている十六年度中にというのは、それをクリアするということで、到底、設立総会という、十六年度の早い時期では決してない、もうぎりぎりだというふうに考えています。
○矢部委員 十六年が東京全体の大きな山だと私は思うんです。だから極力、極力詰めて、前へ前へ持っていく努力をぜひお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○宮崎委員 いろいろご意見はもう出ているようですが、新しい銀行ということで、大変にこやかな中にも自信に満ちた出納長のご答弁をいただいております。その中で私も確認の意味だけでご質問をさせていただきたいと思いますが、なぜ出納長室がこの都立の新銀行の設立準備の仕事をしているのか、こういうことをまずお聞きしたいと思います。
○大塚出納長 宮崎委員、本当にわからないんですね。それは率直な世界で。出納長室の仕事とはちょっと違うだろうというふうに私は思っているわけでありますけれども、経緯がこれありで特命でしょったということで、ただ、しょったからには、覚悟を決めてきちっとやり遂げたいというふうに思っております。
○宮崎委員 違うというご答弁でございますが、私が思っている中では、地方自治法百七十条あたりに、出納長はその地方公共団体の会計事務をつかさどるといった規定があったと思うわけでございますが、地方公共団体の会計事務と銀行の設立、余りにも仕事がかけ離れているのかなと、どうしても私はこんな感じがしてならないわけです。今ご答弁をいただきましたが、その辺はもう少し詳しくご説明をいただけますか。
○津島理事 これまでの出納長室の組織を歴史的に見てみますと、必ずしも会計ばかりやっていたわけでございません。用品会計という会計を設けましたけれども、さまざまないわゆる物品という財産を分配する仕事、こういった事業も行ってまいりました。それから、現在、オール都庁を見渡しても、それではどこが新しい銀行というものをつくり上げていくに一番ハウツーを持っているかということになると思うんですけれども、やはり公金管理という管理面を通して一番銀行という業態、銀行というおつき合い、関連を深めてきたということで、積極的に出納長室がふさわしいかどうかというよりも、今の時点で相対的に見て能力として出納長室が一番よろしいかと思っております。
○宮崎委員 石原知事さんの二期目の選挙公約、治安と新銀行という二つの大変大きな公約があったというふうに私は記憶いたしております。そうしますと、治安については、副知事さんまで置いて東京の安心、安全のために努力をしていこうと、こういうお話もあります。これだけ新銀行設立という形になれば、本来は副知事さんを担当として取り組んでいくのが私は筋ではないかと。そうしますと、公約でございますから、知事本部が一番仕事的にはふさわしいのかなと、私なりに思っております。しかしながら、知事が、銀行の設置目的を東京の中小企業の活性化といっております。なおかつ金融システムの再生と位置づけておりますから、そう考えれば産業労働局が担当でもおかしくなかったのかなと、こんなふうに思っております。
もちろん庁内ではいろいろなご意見があったと察しますが、どういう経過で、地方自治法だとか東京都の条例というものがあるわけですから、その辺のいろいろな根拠があって出納長室が担当したという、また今、経過もお聞きしましたが、どうしてもこの辺の説明を、いろいろな知事の公約なり取り組みなり、要するに東京の中小企業の活性化なり金融システムの再生ということになってきますと、いろいろ解釈すると、出納長室が行うのはどうなのかな、こんなふうにどうしても考えるわけでございますが、再度出納長よりご説明をいただきたいと思います。
○大塚出納長 宮崎委員、ご質問の中でいろんなチョイスを含めておっしゃいました。まさにそのとおりでありまして、私も宮崎委員のおっしゃるとおりだというふうに思っています。実質的な理由は津島理事からお答えした、銀行とのかかわりを含めて、オール都庁の中で恐らくいろんな意味でそこのところの知識なりノウハウなりを持っているのは出納長室だということになるわけでありますけれども、あと形式的には、出納長の職務というのは、ご存じのとおり知事から独立をしてやる仕事と知事の補佐機能と二つありまして、その知事の補佐機能の中には、いろんな事業を含めて仕事を受けられるような制度になっておりますので、制度的には出納長室でやることについて何ら問題はありません。
それから、体制でございますけれども、先ほど来ご答弁をさせていただいております津島理事でありますけれども、この津島理事を準備担当として迎えることができまして、これで別に副知事じゃなくても私のところで十分きちっとやれる、私のところでやるのが一番いいと、そういうふうに今思っております。
○宮崎委員 大変自信に満ちたお答えをいただいて、何となく出納長室がやったのが一番いいのかなと、こんなふうな感じを受けてまいりました。そうしますと、随分役所も柔軟で機動的な対応ができる時代になってきたのかなと、私なりに思っております。ぜひ新しい立ち上げを一日も早くして、中小企業の活性化なり金融システムの再生に取り組んでいただきたい。このことは特に要望しておきたいと思います。
しかしながら、都民の税金を使う仕事であることは間違いございません。他の委員さんからも何度かいろいろなご質問がありますが、都民の理解を得るためには、皆さんがしっかりした取り組みをしていただきたいということをお忘れにならないようにお願いしておきます。
昨日も私なりに聞いておりましたが、財政難が大変厳しく続くわけでございます。昨日の財政委員会でも財政再建推進プランというものが出てまいりましたし、必要性が大変高いということで、厳しい歳出削減を実行しようというお話が再三にわたってあるわけでございますが、多額の税金を投入するわけですから、契約上の問題もあろうと思うし、なおかつ守秘義務ということが先ほどからのいろいろな問題で出ておりますが、具体的にあくまで理解を得られるよう、あらゆる方策を講じていただきたいと思うのですが、その辺のご意見はいかがですか。
○津島理事 銀行をこれから立ち上げていくに当たりまして、先生おっしゃいますように、都議会の先生方にこれからのさまざまなご審議をいただくと同時に、我々今企画しております例えば都政モニターとか、あるいは都民の意見、いろいろ来ております。資料にも載せさせていただきましたけれども、今後もこういったいろんな形で都民の意見を聴取しまして、ぜひともご理解をいただけるような形に、いい銀行につくり上げていきたいというふうに思っております。
○宮崎委員 政策を実現するためには、基本的な条件は都民と議会の理解を得ることだろうと私は思っていますから、今のご答弁を含めて前向きに取り組んでいただきたいとお願いして、終わります。
○川井委員長 他に発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で出納長室関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時十三分散会
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