財政委員会速記録第八号

平成十五年六月十九日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時七分開議
 出席委員 十三名
委員長川井しげお君
副委員長鈴木貫太郎君
副委員長矢部  一君
理事真木  茂君
理事松村 友昭君
理事桜井  武君
秋田 一郎君
北城 貞治君
鳩山 太郎君
馬場 裕子君
桜井良之助君
藤田 愛子君
藤川 隆則君

 欠席委員 一名

 出席説明員
財務局局長櫻井  巖君
経理部長佐藤  広君
契約調整担当部長小山 利夫君
主計部長熊野 順祥君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長江連 成雄君
参事三津山喜久雄君
建築保全部長福島 七郎君
コスト・調整担当部長松村 光庸君
参事齊間 孝一君
主税局局長川崎 裕康君
総務部長菅原 秀夫君
税制部長三橋  昇君
参事関口 修一君
参事後関 治久君
課税部長吉田 勝武君
資産税部長山本 武志君
徴収部長小林 宣光君
特別滞納整理担当部長尾芦 健二君
出納長室出納長大塚 俊郎君
理事津島 隆一君
副出納長中路 有一君
副出納長宇藤 雅隆君
銀行設立準備担当部長野口  孝君
参事岳野 尚代君
収用委員会事務局局長山内 隆夫君
審理担当部長三枝 秀雄君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
  報告事項(説明)
  ・新銀行の創設について
  ・平成十四年度資金管理実績報告(年間及び第四・四半期)について
 主税局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
  報告事項(説明・質疑)
  ・東京都都税条例の一部を改正する条例(案)について
 財務局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・都立葛飾ろう学校(十五)改築工事請負契約
  ・都立大塚ろう学校(十五)改築工事請負契約
  ・都営港南四丁目第三団地(第二期)建設工事請負契約
  ・南田中トンネル(仮称)築造工事その四(十五-環八)請負契約
  ・北町・若木トンネル(仮称)築造工事及び擁壁工事(十五-環八)請負契約
  ・旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その十)請負契約
  ・北町陸橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十五-環八)請負契約
  ・日暮里・舎人線荒川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事(その三)請負契約
  ・多摩地域ユース・プラザ(仮称)整備等事業契約の締結について
  報告事項
  ・平成十四度予算の繰越しについて(説明・質疑)
  ・「途半ばにある財政再建」について(説明)
  ・「東京都の会計制度改革の基本的考え方と今後の方向」について(説明)

○川井委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、議長から、去る五月二日付をもって本委員会に鳩山太郎議員を選任した旨の通知がありましたので、ご報告をいたします。
 この際、新任の鳩山委員をご紹介いたします。

○鳩山委員 このたび財政委員会に所属いたすことになりました鳩山太郎でございます。どうぞこれからよろしくお願いいたします。

○川井委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○川井委員長 次に、本委員会担当書記に交代がありましたので、ご紹介いたします。
 議事課担当書記の小笠原勝彦君です。議案調査課担当書記の村上さえ子さんです。
   〔書記あいさつ〕

○川井委員長 よろしくお願いいたします。

○川井委員長 次に、先般の人事異動に伴い、収用委員会事務局長に山内隆夫君が就任いたしました。
 山内君をご紹介いたします。
 なお、幹部職員の交代がありましたので、局長からあいさつの後に紹介があります。

○山内収用委員会事務局長 ただいま委員長からご紹介を賜りました収用委員会事務局長の山内隆夫でございます。
 もとより微力ではございますが、全力を尽くして職責を果たしていく所存でございます。
 委員長初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、去る六月十六日付の人事異動によりまして、当局の審理担当参事に三枝秀雄が就任いたしましたので、ご紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○川井委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○川井委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室関係の報告事項の説明聴取、主税局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取及び報告事項の説明聴取及び質疑、並びに財務局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取、報告事項の説明聴取及び質疑を行います。
 なお、主税局の報告事項、東京都都税条例の一部を改正する条例、及び財務局の報告事項、平成十四年度予算の繰り越しについてを除き、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、本日は説明を聴取し資料の要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、出納長から紹介があります。

○大塚出納長 本年四月一日以降において異動がありました出納長室の幹部職員をご紹介申し上げます。
 理事で銀行設立準備担当の津島隆一でございます。副出納長で警視庁・東京消防庁担当の宇藤雅隆でございます。銀行設立準備担当部長の野口孝でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○川井委員長 紹介は終わりました。

○川井委員長 次に、理事者から二件の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中路副出納長 それでは、報告事項二件につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらんいただきたいと存じます。
 去る五月末に発表いたしました新銀行の創設についてご説明申し上げます。
 まず、新銀行を創設する目的でございますが、技術力や将来性等にすぐれた中小企業を総合的に支援し、安全、有利な金融商品を提供するとともに、ITの活用により利便性の向上を図ることでございます。
 東京都は、これまでも中小企業対策として、制度融資やCLO、CBO等の手段による資金供給、総合的支援を行ってまいりましたが、日本経済再生のためには、我が国の巨大な個人金融資産がさらに有効に活用される仕組みをつくることにより、優秀な中小企業が持てる力を十分に発揮できる環境を整えることが必要でございます。
 そのため、東京都が主体となり、内外の有力企業の先端的なノウハウと都の信用等を活用し、都民、国民が真に必要とする全く新しい銀行を創設することといたしました。
 次に、新銀行の特徴でございますが、これには三点ございます。二ページの新銀行の戦略と題しましたイメージ図をあわせてごらんいただきたいと存じます。
 一点目は、技術力や将来性等にすぐれた中小企業を総合的に支援していくことでございます。現場感覚にすぐれ、中小企業を熟知している信用金庫等と協調し、従来の担保主義を超越した戦略的融資モデルを新たに構築し、円滑な資金供給を実施してまいります。
 二点目は、安全、有利な金融商品を提供することでございます。高い信用力とグローバルな資金運用力を持つJPモルガングループ、BNPパリバグループ、AIG、信金中央金庫等と提携し、新たに安全、有利な資産運用の道を提供してまいります。
 三点目は、ICカードにより利便性の向上を図ることでございます。最先端のITを活用し、効率的で安全なシステムを新たに構築いたします。JR東日本のSuicaカードと銀行のカードとを融合したICカードを媒介として、金融、交通、流通、都立病院、都立スポーツ施設、商店街等をネットワーク化し、新銀行がそのハブとなり、他にはない豊富なサービスメニューを提供してまいります。
 次に、今後の予定でございますが、三ページをごらんいただきたいと存じます。新銀行設立に係る主な流れでございます。新銀行の設立に向け、大きく三つのステップを踏んで準備を進めてまいります。
 まず第一段階として、既に出納長室に準備組織を発足させております。今後、内外の有力企業と連携を進め、創設に向けて具体的な検討を行うとともに、システム開発に着手いたします。
 次に第二段階として、準備会社を設立し、銀行創設に向けた準備を加速するとともに、金融庁に対し予備審査申請を行います。
 最後に第三段階として、免許申請及び免許交付を経て銀行を設立し、システム本稼働とともに営業を開始いたします。
 なお、新銀行の設立の時期でございますが、平成十六年度中の設立、営業開始を目途としております。
 続きまして、お手元の資料第2号をごらんいただきたいと存じます。
 平成十四年度の年間及び第四・四半期の資金管理実績報告についてご説明申し上げます。
 1の概要でございますが、平成十四年度は、八月に東京都におけるポートフォリオなどを策定し、これに基づき、預金については定期性預金を基本とし、基金については債券運用を拡大するなど、安全かつ効率的な運用を行ってまいりました。
 二ページをごらんいただきたいと存じます。上の表は、平成十四年度一年間の運用商品別内訳でございます。
 上段の歳計現金等につきましては、期中平均残高は五千五百五十八億円となっており、法人二税の減収による影響等を受けて、前年度に比べ一千六百七十七億円減少しております。運用利回りは〇・〇一八%となっております。
 中段の基金につきましては、運用利回りは〇・一七二%となっております。
 三ページをごらんください。上の表は、平成十四年度第四・四半期の運用商品別内訳でございます。
 上段の歳計現金等につきましては、余裕資金は定期性預金を基本として保管した結果、期中平均残高は、第三・四半期に引き続き、定期性預金が普通預金を上回っております。
 中段の基金につきましては、債券による運用を拡大した結果、期中平均残高で見ると、預金が約四五%、債券が約四九%となっており、配分割合はおおむね五対五となっております。
 四ページをごらんいただきたいと存じます。上の表は、預金先の金融機関種別内訳でございます。
 上段の歳計現金等の保管先につきましては、年間を通じてすべて都市銀行となっております。
 中段の基金の運用先につきましては、ポートフォリオ策定以降、対象となる金融機関を拡大したこともあり、都市銀行から他の金融機関へシフトしております。
 なお、今年度の資金管理につきましては、東京都におけるポートフォリオ及び現在策定中である平成十五年度資金管理計画に基づき、安全性、流動性を確保しつつ、より効率的な運用を行ってまいります。
 以上をもちまして報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○川井委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○松村委員 新銀行の創設について何点かお願いします。
 一つは、免許要件など銀行法についてわかる資料。
 二つ目には、新銀行の構想検討過程の詳細な資料。
 三つ目が、新銀行創設について、関係団体、機関などの見解表明が幾つか出されておりますけれども、その資料。
 四点目が、都銀、地銀、信金などの資本金、行員数、貸出金額など。
 五点目が、二百人・二千億円の類似モデル、イメージがわく資料。
 六点目に、協調金融機関、提携保証会社についての考え方、提供しようとしている金融商品、発行するICカード、融資先の選定に対する考え方のわかる資料。
 それから、スケジュールについても、もう少し詳細なスケジュールをお願いします。
 最後に、都の中小企業融資制度とこれまでの実績がわかる資料をお願いします。
 以上です。

○藤田委員 ちょっと重なるところがありますので、二点ほど。
 債券市場の参加企業の実数と企業の規模。
 それから、都の融資制度なんですが、先ほど多分、保証受託実績というようなことだと思いますけど、それからもう少し落として、どのくらいの規模の会社が、--どのくらいの人がどのくらい借りられるような状況になっているかというのがわかるものがありましたらお願いいたします。

○鈴木委員 お二方とかち合わない資料をお願いします。
 昭和二十六年に東京都民銀行が設立をいたしました。そのときの東京都のかかわり、どういうかかわりをしたのか。それからまた、東証もどういうかかわりをして今日まで来ているのか、具体的にわかる内容でお示しをいただきたいと思います。
 それから、今発足をしているソニー銀行なども一つモデルにしたいと思いますので、これが新銀行設立にかかわるロードマップというふうに、ちょっとアバウトなものが出ていますけれども、こういうものに当てはめて、わかりやすく説明できる、見られる資料をお出しいただきたいと思っています。
 以上、二点であります。

○矢部委員 重複を避けようと思っておりますが、もしかして重複したらお許しをいただきたいと思います。
 まず、地方自治法との関係というか、地方自治法の中でどういう解釈をしてこれが可能になったかということ。
 それから、この中にあります、現行の東京都が行っている制度でできないというその問題点。
 次に、現行の金融機関ではなぜまずいのかという点。
 それから、相手先がずっと安全でいるという保証はないわけで、それに対する保険制度のようなものについて、どう考えているのか。
 それから、その信用保証についてどう判断するのか。
 それから、描かれている銀行の法人格というか、どういう位置づけをしようとしているのか。あるいは、そこの所員、職員の身分等について。
 質問項目のようなものもありますけれども、なるべくわかりやすくしていただければ、時間が省略されるかと思います。
 それから、CLO、CBOの実績、それと問題点。
 以上でございます。

○川井委員長 他にございませんか。--ただいま松村理事、藤田委員、鈴木副委員長、矢部副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出願いたいと思います。
 以上で出納長室関係を終わります。

○川井委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、主税局長に川崎裕康君が就任いたしました。
 川崎君をご紹介いたします。
 なお、幹部職員の交代がありましたので、局長からあいさつの後、紹介があります。

○川崎主税局長 ただいま委員長からご紹介をいただきました川崎裕康でございます。
 本年六月一日付をもちまして主税局長を拝命いたしました。税収確保に向けまして、全力を尽くしてその職責を全うしたいと考えております。
 川井委員長を初め、委員の先生方のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、去る四月一日付及び六月十六日付をもちまして異動がございました主税局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 総務部長の菅原秀夫でございます。税制部長の三橋昇です。参事で税制調査担当の関口修一でございます。参事で調整担当の後関治久です。資産税部長の山本武志です。徴収部長の小林宣光です。特別滞納整理担当部長の尾芦健二です。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○川井委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○川井委員長 次に、第二回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○川崎主税局長 第二回定例会に提出を予定しております主税局関係の専決処分の報告・承認案につきまして、概要をご説明申し上げます。
 ご案内のとおり、本年三月、第百五十六回国会において地方税法の一部が改正されました。これに伴い、東京都都税条例等の改正を必要とする事項のうち、急施を要する部分につきましては、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく知事の専決処分により、所要の措置を講じ、本年四月一日に条例第九十八号として公布、施行させていただきました。
 主な改正項目は、不動産取得税の税率の引き下げ、特別土地保有税の課税の停止、新増設に係る事業所税の廃止などでございます。
 以上、簡単ではございますが、第二回定例会に提出を予定しております専決処分の報告・承認案に関する概要の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、税制部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○三橋税制部長 引き続きまして、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき知事が専決処分をいたしました東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、東京都都税条例等の一部を改正する条例の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、不動産取得税についての改正でございます。
 一点目は、土地の有効利用の促進等に資するため、平成十五年四月一日から平成十八年三月三十一日までの三年間に限り、税率を四%から三%に引き下げたものでございます。
 二点目は、宅地等の取得に係る税負担の軽減を図るため、課税標準を価格の二分の一とする特例措置を三年延長したものでございます。
 次に、自動車取得税でございますが、一点目は、地方道の整備状況等を勘案し、自家用自動車の税率を五%とする特例措置を五年延長したものでございます。
 二点目は、低公害車につきまして、その普及促進を図るため、税率を二・七%または二・二%軽減する特例措置を二年延長したものでございます。
 次に、軽油引取税でございますが、地方道の整備状況等を勘案いたしまして、税率を一キロリットル当たり三万二千百円とする特例措置を五年延長したものでございます。
 次に、特別土地保有税でございます。土地の有効利用の促進等に資するため、平成十五年度以降、課税を停止したものでございます。
 最後に、事業所税でございますが、同様の趣旨から、新増設に係る事業所税を平成十五年三月三十一日をもって廃止したものでございます。
 なお、お手元には、資料第2号、東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例関係資料をお配りしてございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、第二回定例会に提出を予定しております専決処分の報告・承認案についての説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○川井委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○三橋税制部長 東京都都税条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第3号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)の概要をごらんいただきたいと存じます。
 この改正は、地方税法の改正に伴う改正でございまして、平成十五年七月一日から施行するものでございます。
 改正内容についてでございますが、国、地方を通じた厳しい財政状況等を勘案し、都たばこ税の税率を、千本当たり八百六十八円から九百六十九円に引き上げるものでございます。
 あわせて、平成十五年七月一日前に売り渡し等が行われた製造たばこを、同日に販売のため所持する一定の小売販売業者等に対して、新税率と旧税率の差額分を課税する手持品課税を行うものでございます。
 なお、お手元には、資料第4号、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)関係資料をお配りしてございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、東京都都税条例の一部を改正する条例(案)についてのご報告とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○川井委員長 報告は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桜井(武)委員 たばこ税について質問をさせていただきます。
 どうも最近、たばこを吸う者たちは、非常に不利な立場に置かれているような感じがするんでありますが、今回たばこ税をまたですね、またまたまた引き上げると。その理由をとりあえずご説明願います。

○三橋税制部長 今回たばこ税の税率が引き上げられた理由でございますけれども、国及び地方の厳しい財政状況ということがあると思います。また、諸外国におきましては、近年たばこにかかる税が引き上げられておりまして、小売価格に占めます税負担割合が我が国と比べまして高くなっていること、これらを勘案をいたしまして税率を引き上げることとされたものでございます。

○桜井(武)委員 とにかく取りやすいところから取ろうという点が、非常にいつも感じられるんでございます。
 次の質問をしますが、現在、たばこ税の税収は、国それから地方それぞれでもってどのくらいになっているのかということが一点。それから、今回の引き上げでどのくらいの増収を見込んでいるのかということが二点目。それから三点目は、東京都の税収はどうなるか。
 以上三つ、答弁願います。

○三橋税制部長 たばこ税の税収でございますけれども、平成十三年度決算額で申し上げますと、国の方でございますが、国たばこ特別税を含めまして、約一兆一千億円でございます。地方は、都道府県及び市町村合計で、同じく約一兆一千億円でございます。
 今回の税率引き上げによりまして、平年度ベースで申し上げますと、国、地方それぞれ約一千百億円の増収になるものと見込まれております。
 また、都のたばこ税収でございますけれども、平成十三年度決算額は約三百三十億円でございまして、税率引き上げによります増収額は約三十七億円と見込んでおります。

○桜井(武)委員 大変な貢献をしているんじゃないかと思うわけであります。
 諸外国では、我が国に比較しましてたばこの税負担が今高いという説明でありましたけれども、我々というか、私といってもいいですが、たばこを吸う者は、今後、財政難を理由にしてさらにまた引き上げが行われるのじゃないかと。前回上げたのは--たしか一年たたないのじゃないかと思うんですけどね。
 それはそれとして、喫煙人口が減っているという中で、税率の引き上げがたばこを消費する量の減少を招いて、結果的に税収が減る、たばこによる税収ですよ、税収が減るということになると、税率を上げる意味がなくなってしまうのじゃないかなと。このように極めて単純な疑問を抱くのでありますが、これまでの税率引き上げ、もう何回も何回も何回も税率は上げられましたけれども、それと消費されている量の増減、その関係はどのようになっていますかね、わかりましたら。

○三橋税制部長 たばこ税につきましては、理事ご指摘のとおり、これまで何度か税率の引き上げが行われてきたわけでございます。まず、昭和六十一年度に、国、地方を合わせまして一本につき九十銭、それから平成十年度でございますが、国たばこ特別税の創設によりまして、一本につき八十二銭、それぞれ引き上げられたところでございます。
 この税率の引き上げが行われた年度におきますたばこの販売数量でございますが、昭和六十一年度には、前年度比〇・八%の減少となっておりますけれども、平成十年度におきましては、二・六%の増加という状況にございます。

○桜井(武)委員 何ていうんですかね、心配は要らないよといわれているような感じで(「東京都、三十七億ふえちゃうものね」と呼ぶ者あり)ええ。まあ、しようがないなということですよね、これね。
 世間では、たばこは健康によくないと、この東京都庁なんかは特にそういう意見が強いんですが、喫煙者は肩身の狭い思いをしているのでありますが、たしか主税局長はたばこを吸わないんですかな。いきなり質問で申しわけないが、何か一言これについてご見解を承って、質問を終わります。

○川崎主税局長 私、若いころからいろんなことに手を出してきましたけれども、なぜかわからないのですが、たばこだけはやらないんです。これは理由はよくわからないんですけれども。したがって、今、理事がおっしゃったとおり、私の周辺の喫煙職員は大変肩身の狭い思いをしているのではないかなと、今、先生にいわれて初めて自覚をしたところでございます。
 しかし、吸う吸わないというのは個人の問題でありまして、ルールさえしっかり守っていただければ、私は堂々と吸っていただいてもいいのではないかと、個人的には思っております。
 それはそれとして、主税局長の立場から申し上げますと、たばこ税というのは税収が安定的で、かつ住民に身近な税であり、この厳しい財政状況の中で貴重な財源となっております。今回の税率引き上げにより喫煙者の皆様方にはさらなる負担をお願いすることになりますが、ぜひともご理解をいただきたい、こう思っております。よろしくお願いいたします。

○桜井(良)委員 私も喫煙者なんですが、(「ヘビースモーカーだから」と呼ぶ)余計なことはいわなくていいですから。(笑声)若干、先輩の桜井さんとは見解が違いまして、確かにたばこは健康によくないと思うんですね。しかし、やめるやめないも、局長がおっしゃったように個人の意思でありますが、考えてみると、たばこはなくなった方がいいのかなという考えも私あるんですよ。ただやっぱり世の中、私鉄の駅なんか全部、たばこは吸えないんですけど、売店へ行くと売っていたりしてね、非常におかしな現象がたくさんあるわけですが、それはそれとして、意外とたばこを吸う人も、たばこには税金があって、どのぐらいかかっているかというのは、余り知らないで吸っている人が多いと思うんですね。ちなみに私は二百五十円のKENTを吸っているのですが、この税の中身はどうなっていますでしょうか。

○三橋税制部長 二十本入りのたばこ一箱にかかりますたばこ税でございますけれども、KENTで二百五十円--これは二百七十円の姿といいますか、今回の税率引き上げ後で申し上げますと、国のたばこ税が、国たばこ特別税を含めまして七十八円九十二銭でございます。地方のたばこ税が、都道府県たばこ税と市町村たばこ税を合わせまして、同じく七十八円九十二銭でございます。
 国と地方の税源配分もお答えしてよろしいんでしょうか。--国と地方の税源配分でございますけれども、引き上げ前と同様に、国と地方は一対一ということになっております。
 なお、地方の都道府県と市町村の配分割合でございますけれども、約一対三というふうになっております。

○桜井(良)委員 先ほど局長がいったように、一つ、このたばこ税は今のような内容で、二百五十円のうち税になる割合はかなり高いわけですね。これは間接税でありまして、私はもう前から、間接税は本来地方税じゃないかと、こういう考えがあります。今、税の配分は一対一というふうになっておりますが、局長の答弁にもありましたように、たばこは非常に生活に密着したものでありまして、しかも安定的であるということから、これは本来は全額地方の税金になった方がいいのじゃないかという考えを前から持っておりました。
 今回、国の方で税源移譲についていろんな議論がなされているわけでありますが、もちろん税源移譲は、消費税、所得税など国の基幹税を対象として行われなきゃならないと思っております。それはもう大前提でありますが、塩川財務大臣があるとき、たばこ税は地方に移譲することを検討しているという発言をされました。また、都税調の中でもたばこ税は移譲税目の一つになっているわけでございまして、たばこ税の中には、これも変な話で、旧国鉄の債務を返すためにたばこ特別税というのがあるわけで、何で国鉄の借金をたばこで返すんだという議論にもなってしまうわけなんですが、それはそれとして、やはりそういう議論の中で、私は、先ほどもいったのは、たばこ税はすべて地方にしてもいいのではないかと、こう思っております。
 そこで、このたばこの税収規模、先ほど、十三年度で一兆一千億となりましたが、全額移譲されるとそれだけ地方に来るというふうに、数字的にはそう考えていいのですか、税制部長。

○三橋税制部長 国のたばこ税の税収規模でございますけれども、今、委員からご指摘がありましたように、国たばこ特別税の方も含めますと一兆一千億円でございますけれども、純然たる国のたばこ税のみの税収規模で申し上げますと、平成十三年度決算額で約九千億円ございます。
 これが全額地方に移譲された場合の都の増収額でございますけれども、地方たばこ税の都道府県と市町村の配分割合が、現行と同様一対三であると仮定して試算をいたしますと、約三百億円というふうになります。

○桜井(良)委員 都だけで三百億円ですね。区市町村へはまたその三倍来るわけ、さっきの一対三からすると。そういうことですね。
 非常に大きな額なんで、これはこれからの税源移譲の一つの、国との争いというか闘いの中でも、大きな項目としてやはり要求していくべきじゃないかなというふうに私思います。
 三位一体の改革についてはいろいろ議論されておりまして、毎日、新聞をにぎわしておりますが、補助金は減らすけど税源は何をよこすかわからないといったような状況では、全く困るわけでありまして、しかも、減らした額の八割程度だというのも困るわけであります。
 都と大阪が国に対して共同でアピールされましたが、私たちの党もやはり大阪府と共同して、首相官邸に三位一体についての国の姿勢を改めていただくように要求をしたわけでありますが、きちっと税源移譲を明確にした上で、やはり七兆円以上の税源移譲が必要だと思うわけなんです。
 それを実現するためには、さらに都として戦略を見直して、国に対して強く呼びかけていく必要がありますが、それはそれとして、きょうはたばこのことですから、このたばこの税源移譲について、国との税源移譲のいわゆる綱引きの中で、東京都としてはどんな考えでいるのか、改めてお聞きしたい。質問を終わりたいと思います。

○川崎主税局長 桜井委員ご指摘のとおり、たばこ税は税収が安定的で、税源の偏在が少ないことから、地方税にふさわしい税の一つでありますが、一方で、税収は約九千億と、相対的にいえば小規模であります。したがって、消費税や所得税などの基幹税の移譲が不可欠でございまして、たばこ税は、これらの税と組み合わせて移譲することが適当であるというふうに考えております。
 先ほどお話がございましたけれども、二十三日に取りまとめられます骨太の方針二〇〇三では、四兆円の補助金削減、基幹税の税源移譲などが盛り込まれる予定と伝えられておりますが、地方主権を確立するためには、国と地方の事務配分を踏まえた税源移譲を、国庫補助負担金の廃止、縮減、地方交付税の見直しを先行させることなく、あくまでも三位一体で実施することが不可欠であると考えます。
 東京都はこれまでも、先ほどお話がございましたけれども、大阪府と共同で、あるいは八都県市と連携して、アピールを出すなどの取り組みを行ってまいりました。
 今後とも、都税調を活用するとともに、都議会の皆様方のご協力をいただきながら、また他の自治体とも連携を図りながら、改革の実現に向けて全力を尽くす所存でございます。よろしくご協力のほどお願い申し上げます。

○松村委員 意見表明だけにとどめますけれども、嗜好品といえども、庶民増税として国会でも我が党は反対しました。よって、都税条例の改正でありますけれども、反対という立場をとらせていただきます。
 以上です。

○川井委員長 他に発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○川井委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、財務局長に櫻井巖君が就任いたしました。
 櫻井君をご紹介いたします。
 なお、幹部職員の交代がありましたので、局長からあいさつの後、紹介があります。

○櫻井財務局長 ただいま委員長よりご紹介をいただきました櫻井巖でございます。六月一日付をもちまして、財務局長を拝命いたしました。
 今後も、先進的な取り組みを発展させ、都民ニーズを踏まえた施策展開をしていくため、財政再建に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 川井委員長を初め、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、去る四月一日付及び六月十六日付で異動のありました財務局の幹部職員を紹介させていただきます。
 経理部長の佐藤広でございます。契約調整担当部長の小山利夫でございます。主計部長の熊野順祥でございます。調整担当部長の江連成雄でございます。参事、特命担当の三津山喜久雄でございます。コスト・調整担当部長の松村光庸でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○川井委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○川井委員長 次に、第二回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○櫻井財務局長 お手元に、第二回定例会に提出を予定しております議案の件名表をお配りしておりますが、財務局所管の案件は、契約案八件、事件案一件、合わせて九件でございます。
 初めに、契約案についてご説明申し上げます。
 契約案は、建築工事が三件、土木工事が三件、設備工事が二件で、合わせて八件でございます。これらの契約金額は、合計で約二百十九億円となっております。
 次に、事件案についてご説明いたします。
 事件案は、仮称多摩ユース・プラザの整備等の事業契約の締結についてでございます。これは民間資金等の活用、いわゆるPFI方式により、多摩ユース・プラザの整備運営等の事業を行うものでございます。
 以上が概略の説明でございます。
 引き続きまして、これらの詳細につきまして、所管の部長から説明をいたさせますので、よろしくお願い申し上げます。

○佐藤経理部長 第二回定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の概要について、資料第1号によりご説明申し上げます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、工事請負契約議案一覧をお開きください。
 初めに、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計八件、契約金額の総額は二百十九億七千五百四十五万円でございます。
 契約の方法は、提案予定の八件すべてにつきまして、一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明申し上げます。
 番号1及び番号2は、都立ろう学校の改築工事で、番号1は、葛飾区西亀有二丁目地内に都立葛飾ろう学校の校舎等を、番号2は、豊島区巣鴨四丁目地内に都立大塚ろう学校の校舎等を、それぞれ改築するものでございます。
 番号3は、港区港南四丁目地内に都営港南四丁目第三団地の住宅を建設するものでございます。
 番号4及び番号5は、環状第八号線のトンネル築造等の工事でございます。
 番号4は、練馬区富士見台三丁目地内から同区貫井四丁目地内にかけて、これは仮称でございますが、南田中トンネルを、番号5は、板橋区若木一丁目地内から同区若木二丁目地内にかけて、これも仮称でございますが、北町・若木トンネルを、それぞれ築造等するものでございます。
 番号6は、江戸川区東葛西三丁目地内から同区東葛西一丁目地内にかけて、旧江戸川防潮堤を耐震補強するものでございます。
 番号7及び番号8は、鋼けた工事で、番号7は、練馬区北町四丁目地内から同区北町一丁目地内にかけて、これも仮称でございますが、北町陸橋の鋼けたを、番号8は、足立区小台一丁目地内から同区扇一丁目地内にかけて、日暮里・舎人線荒川横断橋梁の鋼けたを、それぞれ製作、架設するものでございます。
 契約の相手方といたしましては、表の右端の欄にございますとおり、二者から十一者で構成される建設共同企業体、もしくは建設共同企業体になじまない工事については単独企業と、それぞれ契約を締結しようとするものでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページには、案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願い申し上げます。
 また、各案件の入札の経過等につきましても、七ページ以降に記載してございますので、あわせてごらんください。
 以上が、今回提出を予定しております契約案件の概要でございます。
 次に、事件案について、資料第2号によりご説明申し上げます。
 本件は、これは仮称でございますが、多摩地域ユース・プラザ整備等事業契約の締結についてでございます。
 この議案は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第九条の規定に基づきまして提出を予定しておりますもので、八王子市川町地内において、多摩地域ユース・プラザの整備運営をするものでございます。
 契約の相手方は、京王ユース・プラザ株式会社でございます。
 契約金額は、六十四億四千八百七十万二百六十四円でございます。
 以上が、今回提出を予定しております議案の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○矢部委員 どうっていうことはないんですが、改めて確認の意味も含めて、資料としてお出しいただければと思っておるんですが、今回の工事請負の中に、改築工事、建設工事、築造工事、耐震補強工事、架設工事と出ておりますね。これのほかにもあると思うんですが、東京都が認知しているというか、この種別とその根拠を一覧にしていただきたい。

○川井委員長 他にございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 ただいま矢部副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認めますので、理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○川井委員長 次に、理事者から、平成十四年度の予算の繰り越しについて報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○熊野主計部長 それでは、お手元の資料第3号に基づきまして、平成十四年度予算の繰り越しについてご説明申し上げます。
 これは一般会計及び特別会計の繰越明許費に係る繰り越し並びに事故繰越についてでございます。いずれも、地方自治法施行令の規定に基づきまして議会にご報告するものでございます。
 まず、一ページ目をごらんいただきたいと思います。これは一般会計の繰越明許費に係る繰り越しでございます。
 繰り越しをいたしました事業は、左上の区分欄に款と事業名がございますが、土木費の街路整備など全体で三十四事業ございます。左の一番下に合計欄がございますが、今回繰り越しをいたしました事業に係る予算現額は六千二百六十一億七千四百万円、これに対しまして、繰越明許費として議決いただいた額が、その右側でございますが、一千三百四億二千七百万円、そのうち、繰り越しをいたしました額は一千五十六億四千五百万円でございます。
 次に、二ページをお開き願います。二ページは、特別会計に係る繰越明許費でございます。
 繰り越しをいたしました事業は、都営住宅等事業会計、用地会計など四会計五事業でございます。
 一番下の合計欄でございますが、予算現額が二千八百九十三億五千五百万円、繰越明許費として議決をいただいた額が三百二十一億九千三百万円、そのうち、翌年度に繰り越しをいたします額が百八十七億五千百万円でございます。
 次に、三ページ目でございますが、一般会計の事故繰越でございまして、環境費の粒子状物質減少装置の装着促進など七事業でございます。翌年度に繰り越しをいたしました額は、合計で三十六億八千五百万円でございます。
 次に、四ページ目をごらんいただきたいと思います。特別会計の事故繰越でございまして、繰り越しをいたしました事業は、用地会計及び新住宅市街地開発事業会計の二会計二事業でございます。翌年度に繰り越しました額は一億一千六百万円でございます。
 以上でお手元の資料の説明を終わらせていただきますが、このほかに、当委員会の所管ではございませんので、資料はお配りしてございませんが、公営企業会計の建設改良費繰越といたしまして、都市再開発事業会計など七会計で、合わせて四百十二億三千六百万円の繰り越しがございます。これらにつきましても、今回の議会にあわせてご報告をさせていただくこととしております。よろしくお願い申し上げます。

○川井委員長 報告は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑を終了いたします。

○川井委員長 次に、理事者から、「途半ばにある財政再建」についての報告の申し出がありますので、これを聴取します。

○熊野主計部長 それでは、資料第4号、「途半ばにある財政再建」という小冊子についてご説明申し上げます。
 目次をお開きいただきまして、一ページ、「はじめに」をごらんいただきたいと思います。一番最後にございますように、本冊子は、引き続き厳しい状況が続く都財政の現状と課題を明らかにするために作成したものでございまして、副題にございますように、第二次財政再建推進プランの策定に向けて、議論の素材としていただければと思っております。
 ページをお開きいただきまして、二ページをごらんいただきたいと思います。左側に、これまでの財政再建への取り組みの状況、三ページには、十五年度予算における財源対策を記してございます。
 ごらんのとおり、既にご案内だと思いますが、十五年度では、二千五百億円近い財源対策をとって、ようやく均衡予算が組めたという状況でございまして、三ページの下の方にございますように、赤字限度額二千七百ないし二千八百億と比較しますと、まだまだ財政再建団体転落への危機を脱したとはいえない状況にあるということを申し上げております。
 四ページをごらんいただきたいと思います。それに加えて、言葉が適切かどうかわかりませんが、隠れ借金といわれるものが約一兆円あるということを示しております。例えば、減債基金積立金の不足額であるとか、あるいは他会計からの借入金の累積でございます。
 五ページから現状と課題に移っております。
 まず、五ページでは、依然として都税収入と歳出のギャップがある。下のグラフをごらんいただければおわかりだと思いますが、まだまだ一・八兆円ギャップがあるということをお示ししてございます。
 六ページをごらんいただきたいと思います。期待できない税収の大幅な伸びということで、これまでの税収の落ち込みを六ページに記述するとともに、七ページで、今後、税収の動向といたしまして、大幅な伸びが期待できないことをお示ししてございます。
 八ページをごらんいただきたいと思います。それに加えまして、実質的な都税収入、いわゆる特別区財政調整交付金であるとか、地方消費税交付金のように、税の一定割合を区市町村に交付する、いわゆる税連動経費がございますが、それを差し引いた東京都の手取りとしての税収は、八ページの表に示してありますように、税収全体では六十二年度と同レベルでございますが、実質的な都税収入は、六十二年度と比べても約四千億落ちているという状況を示してございます。
 九ページには、それを指数といたしまして、市町村、特別区、東京都と比較しております。東京都が九九という指数に対しまして、市町村、特別区においては、堅調な伸びを示していることをおわかりいただけると思います。
 一〇ページをごらんいただきたいと思います。歳出に移りまして、経常経費の中でも、高どまりしている経費があるということを示してございます。
 一一ページのグラフをごらんいただければ、わかりやすいかと思いますが、十一年度の歳出を基本といたしまして、十五年度の歳出を黒塗りのところでお示ししてございますが、扶助費等、下の四項目がかなり削減されているのに対しまして、補助費等、給与関係費、公営企業会計支出金の三つが、まだまだ高どまりしている状況がおわかりいただけると思います。しかも、その下の表でおわかりのように、この三項目が、一般財源に占める割合が八〇%以上あるということをお示ししてございます。
 一二ページをごらんいただきたいと思います。それのブレークダウンとなっておりますが、まず給与関係費につきましては、定数削減等、プランにのっとって目標以上にやってまいりましたが、今後、退職者の増加が見込まれる中で、大幅な退職手当の増加が見込まれることを示してございます。
 ページをおめくりいただきまして、一四ページ、補助金についてでございます。今回、新たに補助金の調査を行いまして、〔1〕から〔5〕までの私どもの課題としてとらえた点をお示ししてございます。
 まず〔1〕は、膨大な額、事業数に上る補助金ということで、金額にいたしますと、一兆円を超える補助金があり、また事業数でも七百三十三に達する事業数があるということ。〔2〕といたしまして、区市町村に対する補助金がそのうち四千億を占めているということ。〔3〕といたしまして、全体の中で任意補助が七割を占めているという現状。〔4〕といたしまして、補助事業の中でも、二十年以上あるいは三十年以上長期にわたって継続しているものがたくさん存在するということ。〔5〕といたしまして、補助率が二分の一を超えているものが約五六%を占めているということ。こういった点をお示ししてございます。
 次のページをごらんいただきたいと思います。もう一つ高どまりしている経費の公営企業会計支出金でございます。十五年度におきます支出金は、十一年度とほぼ同額でございまして、そのうち、下水道事業が七割を占めているという表をお示ししてございます。
 一八ページをごらんいただきたいと思います。そういったこれまで高どまりしている経費に加えまして、今後、構造的に歳出増をもたらす要因があるということを二つ挙げてございます。
 一つは、社会資本の老朽化でございまして、一八ページの表をごらんいただければおわかりのように、例えば、都営住宅約二十六万戸ございますが、そのうち、整備後三十一年以上たったものが約半数の十三万戸ある、こういった状況を示してございます。今後、老朽化のための更新といった費用が増加することが考えられます。
 もう一つ、一九ページは、増加要因といたしまして、高齢者の人口の増加ということで、現在、二百万人いらっしゃる六十五歳以上の高齢者が、平成二十七年には約四人に一人が高齢者になる。それに伴って、福祉関係費の増加が見込まれることを示してございます。
 そういったことを含めまして、ページをおめくりいただきまして、二〇ページでございますが、今後の財政収支見通しを、あらあらでございますが、お示ししてございますが、十六年度から十八年度、依然として三千億から四千億の財源不足が見込まれることを、表としてお示ししてございます。
 そのために、二一ページでございますが、真ん中の四角にございますように、まず身の丈に合わせて財源不足を解消するということ。それから、それを継続し得る財政構造を確立すること。これが大切な目標になろうかと思います。
 そのためには、今までの取り組みに加えて、施策の見直しといたしまして、新しい発想で都政を変えていく必要があるだろうということ。それから、新たな施策を構築していくためには、スクラップ・アンド・ビルドを徹底していく必要があるだろう。そういった方法論について、若干抽象的ではございますが、触れさせていただいております。
 二二ページをごらんいただきたいと思います。もう一つ、ここで身の丈に合った財政規模の実現ということをご説明してございます。
 これはご案内のとおりでございますが、この間、バブル崩壊後、基金を取り崩したり、あるいは都債を活用したりして歳出水準を守ってまいりましたが、その結果、基金が、六十二年、過去に比べて五分の一になり、都債残高は五倍になってきたという現状がございます。また、他会計からの借り入れとか、そういったやりくりをやってきましたけれども、もはやそういった対策も限界に来ている。そういったことから、やはり、身の丈に合った歳出規模を実現することが、まず喫緊の課題であるということをお示ししてございます。
 二四ページをごらんいただきたいと思います。そのために、先ほど若干申し上げましたが、新しい発想で、施策の体系や実施手法など、思い切って再構築していく必要があるということを述べさせていただいております。
 ページをめくりまして、二六ページ、最後になりますが、現在、三位一体の改革が行われておりますが、速やかに三位一体の地方税財政制度の改革が行われるよう、国に強く働きかける必要がある。しかも、そのときに、税源の移譲につきましては、たばことか酒税とか、そういったことではなくて、所得税から住民税へ、あるいは地方消費税の配分の問題、そういった基幹税で移譲を行うことが大切であるということを申し上げております。
 以上、雑駁でございますが、説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○川井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○松村委員 二点お願いします。
 一つは、財政再建推進プランによる百三十八事業を総括した資料。
 二つ目が、補助率が二分の一を超える事業の一覧表、詳しくお願いします。

○川井委員長 他にございませんか。--ただいま松村理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出を願います。

○川井委員長 次に、理事者から、「東京都の会計制度改革の基本的考え方と今後の方向」についての報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○熊野主計部長 お手元の資料第5号に基づきまして、東京都の会計制度の改革に関します基本的考え方と今後の方向についてご説明申し上げます。
 まず、表紙をおめくりいただきまして、「はじめに」をごらんいただきたいと思います。
 最後のパラグラフ、十一年度から、東京都では機能するバランスシートをつくってまいりました。
 次のページをおめくりいただきまして、二番目のパラグラフの後半でございますが、それとあわせまして、東京都の会計制度改革に関する検討委員会を設置しまして、昨年九月からその具体的方策について検討を進めてまいりました。先般、その報告がありましたので、今回はそれを受けて、東京都として今後の方向を取りまとめたものが、この小冊子でございます。
 目次をおめくりいただきたいと思います。第Ⅰ部、東京都の公会計改革の基本的方向でございます。
 まず、公会計が抱える欠点と申しますか、四つの欠如ということで、二ページにお示ししてございます。
 現在の官庁会計で四つ欠如がある。一つ目は、(1)、ストック情報の欠如ということで、現金以外の資産や負債の情報が蓄積されていない。あるいは(2)、コスト情報の欠如ということで、単式簿記あるいは現金主義をとっている関係で、事業の費用対効果等に関する正確な測定ができない。(3)としましては、アカウンタビリティーの欠如ということで、総合的な、かつ明瞭な形で、住民に資産あるいは負債がお示しできないということ。それから、(4)、マネジメントの欠如ということで、獲得した予算をさらに効率的に執行していくインセンティブに乏しいといったような欠点を申し上げて、四ページをごらんいただきたいんですが、より効率的な行政を実現するために、複式簿記あるいは発生主義会計を導入していこうということで、その目的としまして、(1)から(4)、これは先ほど申し上げた欠如の表裏の関係になりますけれども、(1)、ストック情報の欠如への対応、それからコスト情報の欠如への対応、アカウンタビリティーの欠如への対応、マネジメントの欠如への対応が可能になるということでございます。
 また、六ページをごらんいただきたいと思いますが、それを敷衍しまして、今後の企業会計の導入に際しまして、その活用方法としまして、マネジメントへの活用、職員の意識改革を行うための活用、それからアカウンタビリティーの向上、こういったことを目的として導入したいというふうに考えております。
 八ページをごらんいただきたいと思います。都における公会計改革の基本的考え方でございます。
 東京都の方式の、今までやってきた機能するバランスシートには、やはり限界がございます。九ページにありますように、速やかな財務諸表の作成に時間的な限界がある。それから、一部の固定資産の残高把握にも限界がある。(3)、事業別のバランスシートの作成にも、やはり時間的な問題等々限界があるということで、次のページをごらんいただきたいと思いますが、そういったことから、今回、発生主義会計の導入を目指すものですけれども、まず、基本的なスタンスとしまして、一般会計及び十九特別会計すべてに導入して、既に採用しております公営企業を含めて、東京都の会計処理はすべて複式簿記・発生主義とするということ。
 それから、複式簿記・発生主義会計を法制度上正当に位置づけるよう、国に対し提案要求を行うとともに、システム対応により効率的な仕組みを構築するということ。これは今回、夏の前期の国への提案要求の中でも、重点事項として盛り込んだところでございます。
 それから、次のページになりますが、公共部門と企業部門との相違点を十分に認識した上で、あるべき公会計のモデルを今後具体的に構築していくこと。こういったことをここに記述してございます。
 一三ページの囲みの中にございますように、十六年度に一部の特別会計において試行を行い、十八年度の本格導入を目指すこととさせていただきたいと思っております。
 次のページをごらんいただきたいと思います。その際、多様な形式の財務諸表を作成する必要があるということで、事業部門レベルの効率化を目的とする事業経営の視点に立った財務諸表、さらには、東京都全体の財政運営の効率化を目的とする財政運営の視点に立った財務諸表、こういったものをつくる必要があるということ。
 5といたしまして、予算等への反映ということで、財務諸表に基づく決算情報を財政運営に速やかに反映する仕組みを検討していきたいというふうに思っております。
 次のページをおめくりいただいて、一七ページから、第3章、改革の着実な実施に向けてということでございます。
 まず1、具体的な会計基準の確立ということで、官庁会計において、財務諸表を作成するための会計基準試案を新たに策定する必要があると考えております。
 また、次のページ、2でございますが、国への提案要求へ向けた法制度上の問題点の整理ということで、複式簿記・発生主義会計を法制度上正当に位置づけるために、理論的な整理を進めて、より具体的な形で国への提案要求に反映させていきたいと考えております。
 一九ページでございますが、3、具体的な活用方策のさらなる検討、職員の意識改革等々でございますが、財務諸表の活用の仕方について、具体的な事例なども含めて、できるだけわかりやすく整理いたしまして、職員にその使い方を周知徹底し、意識改革を促進する必要があるというふうに考えております。
 それから、ページをさらにおめくりいただいて、二二ページでございます。第Ⅲ部、具体的な取り組み方向ということで、第1章で会計処理の方法についてということで、若干技術的な記述がございますが、勘定科目の設定あるいは資産の評価に関する方向性をここで提示をしてございます。
 それから、おめくりいただきまして、二五ページ、第2章でございますが、財務情報にかかわるシステム間の連携ということで、既存のシステムとの連携あるいは今後開発を進める財務会計システムについての方向性を記述してございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○川井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十五分散会

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