委員長 | 川井しげお君 |
副委員長 | 鈴木貫太郎君 |
副委員長 | 矢部 一君 |
理事 | 真木 茂君 |
理事 | 松村 友昭君 |
理事 | 桜井 武君 |
秋田 一郎君 | |
北城 貞治君 | |
馬場 裕子君 | |
桜井良之助君 | |
藤田 愛子君 | |
藤川 隆則君 | |
宮崎 章君 |
欠席委員 なし
出席説明員財務局 | 局長 | 田原 和道君 |
経理部長 | 佐藤 兼信君 | |
契約調整担当部長 | 松村 光庸君 | |
主計部長 | 松澤 敏夫君 | |
財産運用部長 | 小野田 有君 | |
調整担当部長 | 矢口 幸一君 | |
庁舎管理部長 | 中村 忠夫君 | |
営繕部長 | 福島 七郎君 | |
参事 | 齊間 孝一君 | |
主税局 | 局長 | 安間 謙臣君 |
総務部長 | 鮎澤 光治君 | |
税制部長 | 齋藤 熙君 | |
税制調査担当部長 | 三橋 昇君 | |
参事 | 尾芦 健二君 | |
課税部長 | 吉田 勝武君 | |
資産税部長 | 山中 史朗君 | |
徴収部長 | 菅原 秀夫君 | |
特別滞納整理担当部長 | 谷口 広見君 | |
出納長室 | 出納長 | 大塚 俊郎君 |
副出納長 | 中路 有一君 | |
副出納長 | 宮原 恒男君 | |
参事 | 岳野 尚代君 | |
収用委員会事務局 | 局長 | 平井 健一君 |
審理担当部長 | 市原 博君 |
本日の会議に付した事件
出納長室関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 出納長室所管分
収用委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 収用委員会事務局所管分
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳入、歳出 主税局所管分
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出 議会局・財務局所管分、都債
○川井委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室、収用委員会事務局、主税局及び財務局関係の付託議案の審査を行います。
なお、本日は質疑終了まで行いますので、ご了承願います。
これより出納長室関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、出納長室所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で出納長室関係を終わります。
○川井委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○川井委員長 これより主税局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳入、歳出、主税局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
○川井委員長 これより財務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、予算総則、歳入、歳出、議会局・財務局所管分、都債を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○秋田委員 今回の補正予算は、経済対策への取り組み、都税の減収等への対応、財政調整基金等の残高確保、その他補正事項、ディーゼル車対策等が四つの柱ということになっておりますが、私は、このうちの経済・雇用対策への取り組みについてお伺いしたいと思います。
日本の経済は、デフレ基調のもと、昨年後半から特に悪化が続いておりますし、現在の緊迫するイラク情勢が今後どういうふうに経済状況に影響を及ぼすかというのは、非常に私どもも関心があるところなんですが、いずれにせよ経済対策というのは、東京都でも待ったなしの緊急課題であることは間違いないと思います。
こうした中、都が積極的に雇用対策、経済対策について取り組んだことは非常に評価するところではありますが、まず最初に、都の経済対策の内容をお伺いする前に、現況の経済状況、雇用情勢といったものをどういうふうに認識しているかについてお伺いしたいと思います。
○松澤主計部長 今、先生の方からお話がございましたように、日本経済は、昨年後半から景気回復の兆しが遠ざかりまして、直近の先月一月十七日に出されました月例経済報告では、弱含みという判断が出されるなど、景気の停滞感が一段と鮮明になってきております。また、消費者物価指数が三年連続で過去最大の下げ幅を記録するなど、デフレにも依然として歯どめがかかっていない中で、十五年度の政府経済見通しは、GDPが実質〇・六%、名目がマイナス〇・二%と見込まれる深刻な状況でございます。
さらに、都内の状況で見ますと、雇用情勢では、昨年の東京都の完全失業率が五・六%と、全国の五・四%よりさらに悪い数値となっておりまして、完全失業者数も三十七万人に上っております。また、企業倒産件数も三千七百四十七件に達するなど、景気悪化の影響が顕著にあらわれてきております。
こうしたことから、景気の先行きにつきましても、残念ながら一向に明るさが見えないなど、極めて厳しい経済、雇用情勢にある、このように認識してございます。
○秋田委員 大変厳しい状況であることが本当によくわかったんですが、そうした中で、国の方でも補正予算が編成されて、先ごろ行われました国の補正予算における経済・雇用対策といったものはどういったものかを教えてください。
○松澤主計部長 今回の国の補正予算でございますけれども、昨年の十二月に策定されました改革加速プログラムに基づきまして、不良債権処理などによる構造改革の加速に緊急に対応することや、デフレ抑制に直接資することを目指しまして編成されたものでございます。
この補正予算における経済・雇用対策は、大きく二つの柱から成っておりまして、一つには、都市再生を中心に、三大都市圏の環状道路の整備や連続立体交差、あるいは環境問題等緊急対策などの構造改革推進型公共投資の促進に一兆五千億円、それから二つ目としまして、雇用対策や中小企業対策などのセーフティーネット充実対策に一兆五千億円、それぞれ計上されております。
○秋田委員 国と都がそれぞれに独立した仕事をするんじゃなくて、やっぱり連携してこそ都市再生にもつながるし、経済再生にもつながると思うんですが、今回提案された補正予算が、国と歩調を合わせて、連携した効果的な対策となることを期待するところです。
そこで、確認のためにお伺いしますが、今度は、今回の都の方の経済・雇用対策の補正規模と国庫支出金の措置状況について教えてください。
○松澤主計部長 今回の都の補正予算における経済・雇用対策につきましては、今お話がございましたように、国と歩調を合わせまして取り組むものでございまして、一般会計の計上額で申し上げますと、都市再生などの経済対策で千六十億円、緊急地域雇用創出特別基金への積み立てなどの雇用対策で五十八億円を計上し、全体で千百十八億円の補正規模となっております。
厳しい都財政の状況の中で、国庫支出金につきましては、こうした事業を進めるための財源としまして積極的に確保に努めておりまして、経済対策で三百五十四億円、雇用対策で五十四億円、合計で今回四百八億円を措置してございます。
○秋田委員 東京都というのは、これまでも国に対してずっと都市再生ということを強く訴えてきたわけですが、今回の国の補正の内容も、お話を聞く限りでは、ある程度というか、以前に比べればかなり都市再生の重要性というものを認識してきたのかなと思っているんですが、今回の都の補正予算における都市再生に向けた取り組みのうち、都市基盤事業にかかわる取り組みとしては、どのようなものが計上されているんでしょうか。
○松澤主計部長 今回の都の補正予算における経済対策として、都市基盤整備に取り組む主な事業でございますが、環状三号線あるいは調布保谷線など十八路線の骨格幹線道路の整備や、日暮里・舎人線、都営地下鉄などの公共交通網の整備、それから、交通渋滞解消のための首都高速道路中央環状新宿線の整備、また、活力と魅力ある市街地の形成に向けまして、架空線の地中化の推進や新橋・虎ノ門地区間の環二地区市街地再開発事業、さらには環境対策としまして、都内二百交差点に信号機のLED化による配備などを盛り込んでおります。
○秋田委員 東京は社会資本が整備されている、されているなんていうふうによくいわれますが、私個人は、交通渋滞など新たな問題が起きていて、実際には大して社会資本なんか整備されてないんじゃないかというふうに思っていますから、そういった内容というのは、今後の東京都のために非常に重要であると私自身はすごく思っているんです。今お話しになった内容というのは、いわゆる世間一般でいうところの公共事業であって、わかりやすい大規模な公共事業というのも必要だとは思うんですが、地域や地元に密着した公共事業というのも必要なわけで、そういった都民生活や地域に密着したきめ細かな事業も計上されていると思うんですが、その点についてはどうなんでしょうか。
○松澤主計部長 今、先生からお話しのとおり、今回の補正予算の経済対策の中では、昨年度の最終補正予算も同じでございましたが、都民生活や地域に密着した公共施設の整備にも鋭意取り組むこととしております。
具体的に申し上げますと、待機児の解消に向けた保育所の整備、あるいは高齢者や障害者の方が安心して暮らせるよう、今回、都営住宅のエレベーター設置、これは二十基規模でございますが、それから介護予防拠点の整備、また、生活に密着した地域の道路の整備ということで十二路線など、きめ細かく予算を計上しているところでございます。
○秋田委員 よく都民生活にも密着した点に配慮されていることはわかったんですが、経済対策というのは、金額とか、あるいは事業内容ばかりが一般的には議論されることが多いと思うんですが、これから始まります四月とか五月というのは、いわゆる公共投資の端境期ともいわれているように、日々の資金繰りに苦しむ中小企業の皆様方にとっては非常に苦しい時期が続くのかなといった点で、すごく重要な時期だと思っております。
苦労して編成した補正予算も、すぐに執行しなければ意味が出てこないわけです。そこで、速やかな執行を求めているんですが、そういう中で、ことしは予算議会である第一回定例会も例年よりも早目にとっていることから、速やかに事業に着手すれば、補正予算の効果も今後大きくなっていくのかなと思っております。
そこで、我が党の山崎幹事長の代表質問にもあったように、補正予算に計上した経済対策はいずれも速やかに執行して、十五年度予算と一体となった、切れ目のない取り組みが大事なことと考えますが、最後に、財務局長の決意をお伺いしたいと思います。
○田原財務局長 国内の景気につきましては、先ほど主計部長の答弁のとおり、依然として深刻な状況が続いております。先行きも予断を許さない、こういう状況でございます。
このため、極めて厳しい財政状況、ご承知のとおりでありますけれども、国と歩調を合わせまして、今回補正予算を編成して、現下の緊急課題である経済対策に積極的に取り組もう、こういうことでありますが、この経済対策の効果を最大限に発揮させるためには、ご指摘のとおり、議決をいただき次第、今回計上いたしました事業に速やかに着手することが必要であります。これによりまして、お話がありました、端境期でありますこの年度末から十五年度前半にも事業量を確保いたしまして、十五年度予算とも一体となった、切れ目のない取り組みを行うことができると考えております。
契約の前倒しが容易になるように、債務負担行為の一つでありますゼロ都債、こういうものの活用を図りながら、各局においてより効率的な執行体制を確保する、こういうあらゆる工夫をいたしまして、経済対策を効果的に実行してまいります。
○馬場委員 私は、果実活用型基金についてお伺いをいたします。
最終補正予算で、財政調整基金の取り崩し抑制に加えて、積み立てとして百六十九億円が計上されております。この積み立ては、果実活用型基金のうち、男女平等推進基金、国際平和文化交流基金を廃止して行うものであり、ここで果実活用型基金の取り扱いについて、まず総括的な意味から、設置した考え方、目的はどんなものだったのかというところからお伺いをいたします。
○松澤主計部長 果実活用型基金につきましては、特定の目的のため、一定額の資金を基金にあらかじめ積み立てまして、その運用から生じる利子によって所要の事業を進めようとするものでございます。
地域福祉振興基金など、今回五つの果実活用型基金でございますが、いずれも昭和六十二年度から平成三年度にかけての、都財政がある程度豊かな時代といいますか、いわゆるバブル期に設置したものでございます。当時、金利が年利六から八%程度であった情勢のもとに、それが続くことを想定しながら、毎年得られるかなりの金額の利子をもって、それぞれの基金の設置目的に沿った事業を実施していくことというふうにしたものでございます。
○馬場委員 この基金、特定の目的のため、そしてその目的に沿った事業を実施していくためにつくられたということで、都財政が潤沢で、預金利息が高い時期に次々、一千四百億ほど積み立てられております。今、答弁いただくと、よい時代もこれで終わりなのかななんていう思いをしているところでございますが、それでは、つくられたこの果実活用型基金について、その役割を終えたということは、私なりにも感じるものはありますが、どういうことというふうに認識なさっているのか、もう一度お伺いいたします。
○松澤主計部長 ただいま申し上げました果実活用型基金につきましては、近年の超低金利のもとで、基金の運用利子が大幅に低下してきております。具体的に申し上げますと、五つの基金の合計となる利子額でございますが、四年度では百七億円ほど生み出されたのに対しまして、十四年度の当初予算では九億円まで低下しており、十年前と比較して十分の一以下の水準となっている、こういう状況でございます。
このように、現在では基金の運用利子をもって事業を行うという仕組み自体が効果を発揮できない状況にあることから、果実活用型基金としての役割を終えている、このように判断したものでございます。
○馬場委員 利子が激減したというのは、今、数値を伺っても本当に物すごい、予想を上回るものだというふうに私も思います。
しかし、この基金は、最初の質問にもありましたように、基金の設置目的があって、それに沿った事業を実施していくということでできております。今の、運用利子で事業を行うという役割は果たせなくなったことはよくわかりました。しかし、もう一つ、利子を生み出す元本があるというふうに思うんですが、この元本の使い方ということについて伺わせていただきます。
私どもは、元本も含めてこの基金は目的があるというふうに思っておりますので、この元本を設置目的に合わせて取り崩すというのが本来ではないのかと思っております。今回、地域福祉振興基金など三基金はそういう形で残され、男女平等推進基金、そして国際平和文化交流基金の二基金は廃止ということでご提案されています。この果実活用型基金の取り扱いにつきまして、我が会派の田中幹事長も代表質問で問うておりますが、もう一度この委員会で改めて理由をお聞かせください。
○松澤主計部長 果実活用型基金の役割が終わった現在、それぞれの基金が有する多額の元本を、今先生がおっしゃいましたように、まず、それぞれの設置目的に沿った事業に直接充当することが考えられることは、ご指摘のとおりでございます。
このため、地域福祉振興基金、中小企業振興基金、環境保全基金の三基金につきましては、条例の定めに従いまして、十五年度予算案では、それぞれの設置目的に沿った事業に元本を直接充当することとしたところでございます。
しかし、男女平等推進基金、それから国際平和文化交流基金の二基金につきましては、多額の元本を直接充当する事業がないことから、今回廃止をしまして、財政調整基金に統合することとしたものでございます。
○馬場委員 問題はそこの辺だというふうに私も思っているんですが、有効活用するということと、目的に向けて使用するということ。最後にお答えいただきましたように、しかしのところなんですね、この部分で、多額の元本を直接充当する事業がないという、これは生活文化局さんで担当ということ、そちらで同時に提案されておりますので、今、質疑等されていると思いますので、そこに触れるつもりはないんですが、有効活用というところでは、今、財務局さんの方でのお考えということだと思います。
そこで、有効活用という意味で、将来の財政運営に配慮してこういう二基金を廃止ということになったわけですが、もう一方の考え方からしますと、男女平等推進基金などの二基金は、そのまま基金として残しておいて使えるのではないか。なぜ財政調整基金という別の名前のものに移しかえなければならないのか。つまり、お金そのものが動くわけでも何でもないというふうに思いますので、この辺の移しかえの理由についてお尋ねします。
○松澤主計部長 若干繰り返しになって恐縮ですが、果実活用型基金などのいわゆる特定目的基金は、基金としての性格から、条例に定めた設置目的のためでなくては取り崩すことができないものとなっているわけでございます。したがいまして、男女平等推進基金、国際平和文化交流基金をそのまま残したとしても、ただいま申し上げましたとおり、充当事業そのものがないことから、その元本を他の使途に有効利用することは困難なわけでございます。これに対して財政調整基金は、使途に全然制約がなく、財源として直ちに活用が可能であることから、厳しい財政状況の中で将来の財政運営に備えるため、今回、二基金を廃止しまして積み立てることとしたものでございます。
家計に例えていいますと、使い道の決まっている例えば財形貯蓄みたいなものを、金利の低下などにより役割が終わったので、何にでも使える普通預金に移しかえたものである、このようにご理解いただければというふうに思っております。
○馬場委員 私の方も繰り返しになって申しわけありませんが、今回の男女平等推進基金、平和基金等含めて充当事業がないこと、また、どう使うかということについては、当委員会ではないということも含めてなんですが、あえて今回廃止ということが出ておりますので、取り崩しや廃止をするとすると、これまで基金の利子で行ってきた事業は本当に影響がないのか、それから、例えば男女平等推進基金の廃止で施策等が後退しないのかという、その部分が納得できないというか、どうしてもその思いが残ります。これまでの果実活用型基金で行ってきた事業の継続がきちんと担保されるのかどうか、お答えいただければありがたいと思います。
○松澤主計部長 今回、五つの果実活用型基金について、元本の取り崩しや基金の廃止を行いましても、これまで基金の運用利子で実施してきた事業まで同時に廃止されるということではございません。東京ウィメンズプラザの運営や地域福祉振興事業、あるいは中小企業創業支援など、これまで実施してきた五つの基金のそれぞれの事業につきましては、引き続き一般財源、税を充当しまして、効率的、効果的に実施していく考えでございます。
ちなみに、今お話がございました、男女平等推進基金の運用利子で実施してきました東京ウィメンズプラザの運営事業につきましては、平成十五年度予算案におきましても、前年度とほぼ同規模の予算を計上しているところでございます。
○馬場委員 最後にお答えいただきました、十五年度予算において、前年度とほぼ同規模の予算でいいかどうかも含めてなんですが、私どもは、これだけの基金があることを目標に男女平等施策、これから財政難の折ですが、いろいろなところに使ってやっていけるのではないかというふうに思っておりました。そういう意味では、ここで特に補正という形で十四年度で、看板のかけかえといわせていただいてよろしいでしょうか、自由に使える、有効活用ができる基金にという都側の考え方について、納得しかねるところがあるんです。都側としても、財政調整基金をたくさん積み増しをしておきたい、私どもの真木理事からもそういう提案もあったと思いますが、あえて銀行課税への対応というふうにいわせていただいていいかどうかわかりませんが、そうした有効に使える基金をたくさんつくりたいという思いはわかりますが、目的が終了したとは思えない時点でこういう基金を廃止するということについては、都民の皆さんに、東京都は男女平等施策について決して軽んじてないということを強く説明する必要があるというふうに思っております。そういう意味で、今回は補正の問題ですが、さらに十五年の予算編成に向けても引き続きこの問題を問うていきたいと思っております。
局としては、今お願いをしました都民への周知というところも含めて、ぜひ対応の方よろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。
○鈴木委員 私の方から、今お二方から質問があったそのほかのことについて、重点的に、都債の活用のあるべき姿論、昨年の補正のときも、私と桜井委員とでこの質問はさせていただきました。補正絡みになると必ずこれについて、当初予算、それから補正で何%になったんだという論議は、恐らく毎年のように交わされてくるわけですが、昨年は昨年、またことしはことしということで、NTT債のあれもありませんので、ずばり聞いていきたい、こう思っております。決して私たちは都債悪玉論に立ってやっているわけじゃありません、申し上げておきますけれども。必要なときに適宜適切にこれを発行して、予算を組み立てていくべきだという立場に立っていますから、ご安心をしていただきたい、こう思います。
今回の補正、一目見て、これは秋田委員からもお話がありましたとおり、景気・雇用対策へのにらみ、国と連動した形でセットしてあるわけですから、評価をしておきたい、こう思います。それから、都税の減収対策、将来への備え、財政調整基金等々の姿からこれは浮き彫りになってくると私は思い、評価をしたい。皆さんの努力がその中にうっすらと見えるような感じがしてなりません。評価をいたしたいと思います。
それで、ずばり聞くんですけれども、この最終補正の中で私は気になるんですが、七百四十四億円もの減収という数字がずばっと出て、特に今回、おやっと目を引くのが、四百十三億円にも及ぶ過誤納還付金の問題もありますよね。これ、どうしたらいいんだろうという、そういう備えの中できちっと整理整とんをした問題でありますので、まず一点伺っておきたいのは、今回の最終補正の中で、都債をどういう考え方、どういう原理原則で計上なさったのか、改めて伺っておくことも大事ではないのかなと私は思います。
○松澤主計部長 今お話がありました都債計上の考え方でございますが、今回の補正予算、国の補正に合わせた経済対策ほか、いろいろな緊急課題に対応しているわけでございますが、このうち、現下の深刻な不況、雇用情勢に対する経済対策等への財源としまして、国庫支出金などの確保を図った上で、今回、七百二十一億円の都債を計上したところでございます。
都債は、ご案内のとおり、これまで、将来の公債費負担に十分配慮しまして、極力発行の抑制を図ってきておりますが、今回の補正予算でもそうした考え方に立ちながら、道路、公園や社会福祉施設など公共施設の整備に適切に活用することとしてございます。
○鈴木委員 確かに都債というのは、後年度負担というものを考えれば、それは慎重に、しかし、理論と現実というものはなかなか一致しないのでありまして、必要なときに必要なものに充てていくというのは、私は当然だと思っております。
そこで、今、主計部長から具体的に七百二十一億円、これはどんな事業に充当をなされたのか、もう少し具体的にお示しをいただきたい。
○松澤主計部長 今回の最終補正予算で計上しております都債七百二十一億円は、経済対策としまして、東京の活力の回復を図るために不可欠な都市基盤の整備や、あるいは災害対策などの事業に充当しております。
具体的に充当事業の内容及び充当額について申し上げますと、道路、街路の整備や架空線の地中化の推進などで百七十四億円、それから首都高速道路の整備などで二百七十七億円、河川、公園の整備で百三十九億円、日暮里・舎人線の整備等公共交通網の整備で七十五億円、また伊豆諸島の港湾施設の災害復旧などに十六億円、このようになってございます。
○鈴木委員 今、北城先生もおいでになりますけれども、日暮里・舎人線など、エトセトラで十六億円ですね。これなんかも、平成十九年度、完全に事業を終了してほしいという地元からの要請もありますから、そこを積極的に、効果的に投入をしているということでは、これまた評価をさせていただきたいと思います。そのほかに、経済対策、都市再生などに重点的にこれは活用をなさっているわけであります。
もう一つ、ちょっと枝葉の問題でありますけれども、先ほど経済対策の中で、待機児童解消の保育所の問題だとか、都営住宅のエレベーターの設置の問題だとか、そこの辺は具体的にはどうなんですか。
○松澤主計部長 今回、都財政は大変厳しい状況でございますので、国庫支出金を極力確保しながら、その裏財として都債を入れていく、こういう考え方でやっておりまして、今先生お話のございました都営住宅の整備とか、それから保育所の整備とか、こういうのは基本的に、それから介護拠点ですね、国庫が中心に参りますので、起債についてはほとんど充当していない、こういうようなことでございます。
○鈴木委員 重ねて問うならば、これは起債というよりも国庫補助金の方でという対応をなさっているということですから、それはよしとしたいと思います。昨年はたしか、そういうきめ細かな生活関連重点施設にはそういうものを投入していたという、年度ごとに充当の道については変わっていくということは了としたいと思います。しかし、それは国庫支出金を投入しているわけですから、私は賢明な考え方だと思っております。
そこで、今回の都債の計上の仕方の中で一つ確認をしておきたいのでありますけれども、今回は減税補てん債ですか、普通なら、私たちが理論上考えていうならば減収補てん債を充ててもよかったのかなと、こう思わないでもないんですけれども、その辺はどういう理屈でどういうふうになったのか、教えていただきたい。
○松澤主計部長 今先生がおっしゃったように、今回、当初予算に比べまして都税収入が七百四十四億円減収ということになっておりますので、通常ならば、お話のとおり、他の地方団体のように減収補てん債を発行することは可能でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたが、後年度の負担を考慮しまして、都債の発行を極力抑制するという考え方を踏まえ、今回、発行を控えたということでございます。
ご案内のとおり、減収補てん債を発行すれば、翌年度からその元利償還金が出てくるわけです。これは、普通の団体ですと地方交付税措置で行われますけれども、都は不交付団体ということでございますので、結局は後年度の税負担になってしまうということになります。そういうことで、財政再建推進プランがスタートした十二年度以降では、健全財政を確保するということもありまして、減税補てん債の発行には手を出していないというか、発行していない、こういう状況でございます。
○鈴木委員 よくわかりました。やっぱり賢明な選択をなさって、後年度負担を極力避けるという都民への配慮ということがその中から読み取れたのかなという、私もそのように理解をさせていただきました。局長以下、主計部長、皆さん、財務当局のご苦労がその中にしのばれるのかなと、こう思うんですよ。
それは評価をしながら、もう一つ聞いておきたいことは、最終補正後の、問題は起債依存度のパーセントになると思うんですね。これが他の自治体と比べて、国と比べて、高いのか低いのか。例えば今回、国は、赤字債ひっくるめて四六%強かな、要するに四百万円の年収しかないのに八百万の生活を国民にしろという、荒っぽいいい方をするならば、そんな財政規模を持ち込んでいるわけですけれども、東京都の場合、平成十四年度補正後、国や他の自治体と比べてどんな数字なのか、そのレベルをお示しいただきたいと思います。
○松澤主計部長 十四年度の当初予算の三千七百十五億円に今回の最終補正予算を合わせた都債計上額は、四千四百十六億円になるわけでございますが、起債依存度では、当初予算の六・三%から最終補正後では七・三%と、一ポイントほど上昇することになります。この起債依存度七・三%の水準でございますけれども、ピーク時であった五年度当初予算の一五・一%の半分以下でありまして、また、財政再建推進プランのスタート前である十一年度の一一・三%と比較しましても、かなり低い状況となっております。
お尋ねの国や地方団体の状況でございますが、まず、国の十四年度の補正後の国債依存度は四一・八%でございまして、また、十四年度の地方財政計画における地方団体全体の起債依存度では一四・四%といった、こういう状況でございます。
○鈴木委員 それに比べれば東京都のこの数字のレベルの低さというものは、評価に値しますよね。国なんか、先ほどいったとおり、すさまじいレベルでありますし、全体の中からしても、東京都がいかに努力をなさっているか。十五年度予算についても、その辺の努力の跡は、本予算のときにまた論議をさせていただきますけれども、それはそれとして、きちっとなされているのではないのかなと私は思っておりますし、それは評価に値する数字ではないのかなと思っております。
そのことを申し上げながら、次に移らせていただきたいと思いますが、財政調整基金の取り崩しというものは、十四年度当初予算の財源対策として盛り込まれているわけですが、今回、そのうち四百三十八億円の取り崩しの抑制が図られているわけですね。これは既定予算の中で見ますと、どんなふうにして抑制をしたのか、この辺をちょっと具体的にご説明をいただきたいと思います。
○松澤主計部長 今先生からお話がございましたように、十四年度の当初予算では二千五百七十七億円の財源不足対策をやっておりますが、その一環としまして、財政調整基金からは六百億円の取り崩しを見込んでいたわけでございます。しかし、都財政は今後とも大変厳しい状況が続くと見込まれることから、将来の財政運営にも配慮し、財源として直ちに活用可能な財政調整基金につきましては、できる限り残高の確保を図っていくことが望ましいと考えまして、今回の補正予算では思い切った抑制措置を講じることとしたものでございます。
具体的には、年間を通じた予算の執行を徹底的に精査しまして、三十二の事業について不用額が生じることが見込まれたため、その減額補正を行うことといたしました。また、それ以外にも歳入の増も活用しまして、当初予定しておりました財政調整基金の取り崩し額六百億円のうち、今お話のありました四百三十八億円を今回抑制を図ったものでございます。
○鈴木委員 それはよくわかるんですが、ただ、これは、我々が十四年度の一定で議決をした予算であります。それが、今の言葉の中で、いろんな精査をしたと。となると、考えておかなければならないのは、例えば、ある事業が突然中止になったとか、そういうことは恐らくないと思うんだけれども、もしそれがあれば大問題ですけれども、その辺はどうなんですか、念のためにお聞かせをいただきたいと思います。
○松澤主計部長 ただいま申し上げましたとおり、予算の執行を徹底的に精査したわけでございますが、この中で、いわゆる競争入札あるいはコスト縮減を反映した契約差金が発生したこと、それから、都債の発行にかかわる利率の低下など、予算で見込んだものが、実際にやってみて実績の減が出たもの、そういう等々の理由から明らかに不用となる経費が見込まれる事業に限りまして、今回事業費の減額を行うこととしたものでございます。したがいまして、十四年度当初予算で措置しております各種施策について、事業執行に支障が生じたり、施策低下を伴うものではございません。
○鈴木委員 今のご答弁は了としたいと思います。競争入札やコスト縮減を反映した契約差金ですか、これが出たこと。それから、都債の発行による利率の低下、発行手数料の引き下げによる不用額とか、きめ細かい目線で皆さんやっておられるから、こういうことにきちっと対応できたのだと私は思います。ぜひそれも、今後ともきちっとやっていただきたい、こう思いますし、またこれは御局の努力がその中にしのばれると私は思います。別にこれはよいしょしているわけじゃありません。そういう立場じゃなくて、きちっと我々も評価すべきことは評価をさせていただいております。この取り組みというものは、これからの予算の執行率をより向上させることに結びつくと思うんですよ。ぜひそれは努力をしていただきたいと私は思います。
最後に局長に伺いますが、局長も先ほどからにこにこしながら聞いておりましたね。自信を持ってこの補正予算を提出なさったと、ありありとうかがえますよ、私には。そんな中で、これからはやはり創意工夫、知恵の出しっくらと私は表現をさせていただきますし、また、適宜適切に都債を発行して、都債の持つ二つの意味をその中で散らばしていくなどなどの、その姿勢が凝縮をされていたものだと思います。
それで、最後に局長に伺いますけれども、こうした立場、そしてまた都財政のかじ取りを担う局長として、今回のこういう東京都財務局のとった姿勢、また局長としての今後の決意、また本予算に臨む決意のほどをお聞かせ願って、私の質問を終わらせていただきたいと存じます。
○田原財務局長 今後の財政運営についてでございます。
先ほどからお話が出ておりますように、国内の景気はますます不透明、それから都財政もさらに厳しさを増している、こういう状況でございますけれども、そうした中にあっても、東京の活力の再生を目指しまして、都市再生や都民の安心、安全の確保をめぐる課題には的確に対応していかなければならないと思っております。また一方、将来の財政運営を考えまして、都債の発行抑制、それから基金の残高確保に努めることも必要でございます。
こうした考えのもとに、十四年度最終補正予算は、経済対策、それから都税の減収等に的確に対応するために、既定経費の精査によって財源の捻出を図るなど、先生がおっしゃるように、創意工夫を重ねながら努力をしてまいったつもりでございます。
今後も、限られた財源をむだにしないように、予算の隅々まで目を配りまして、さらに内部努力、施策の見直しを強化いたしまして、都民のために必要な事業を積極的に推進ができる、そういう財政体質をつくり上げるようにさらに努力をしてまいります。
○松村委員 補正予算について、私の方からも何点か質問させていただきます。
都民は、かつて経験したことのない不況、またリストラ、こういうことに苦しめられている中、しかも先ほど来答弁もありましたけれども、まだまだ厳しい経済、雇用情勢が続くという中で、今回の補正予算は、まさにそういう不況に苦しむ都民生活の防衛に全力を挙げることが求められていたというふうに思うんです。
そこで、今回の補正予算、どういう補正予算であったかというのは、既に出されている補正の四つの柱とか、今も説明がありましたが、私が最初に聞きたいことは、そういう今日都民が直面している危機、しかも国の、小泉内閣の医療の新たな負担増だとか増税だとか来る中で、本当に都民生活を緊急に防衛するような補正予算になっているのかと。どういう考え方でということだけじゃなくて、そういう評価といいますか、これは今後都民が評価をすると思いますけれども、財務局としての考え方も伺いたいと思います。
○松澤主計部長 今先生からお話がありましたように、現在、非常に深刻な経済、雇用情勢ということで、当初予算でもかなりそういう面を十四年度予算で措置したつもりでございますが、またそれに加えて、国の補正予算と歩調を合わせまして、今回緊急に対応が求められる各種の事業に積極的に取り組む、こういうことで編成したものでございます。
先ほどとちょっと繰り返しになるかもしれませんが、幹線道路あるいは公共交通網の整備などの都市再生事業や、地域幹線道路、都営住宅の整備などの都民生活や地域に密着した公共施設の整備を実施するとともに、雇用対策では、緊急地域雇用創出特別基金の充実などを行いまして雇用創出を図るということにしておりまして、そういう面では非常にタイムリーで、かつ的確な内容になっていると、私どもはそのように思っております。
○松村委員 例えば、雇用対策ということで緊急地域雇用創出基金五十四億円、しかし、これは国の国庫支出金を基金に計上するので、都独自の、さらにそういう--この施策が重要で、国ですらそこに対しての思い切った支援ということが考えられたわけですから、なぜ倍ぐらいに思い切って上乗せして、さらにこれを拡充して緊急な手を打つとか、そういうことをやらなかったんですか。
また、雇用においても、既に私たちも本会議質問などで取り上げました若年雇用対策とか、いろいろ考えられるわけですね。今、雇用対策といわれながら、そういう施策が少ないんじゃないかというか、これで果たしていいのかという、そういう都民からの思いもあるというふうに思うんですけれども、その点についてはいかがなんでしょうか。
○松澤主計部長 今、先生の方から、五十四億というのは非常に少ない額じゃないか、また都単独でやるべきじゃないかという、そういうお話もございましたけれども、まず五十八億の問題につきましては、今回の最終補正だけでとらえるわけではなくて、現在の基金の原資が、国の方からの分が二百三十八億ありますから、これに今回五十四億円を積み増して二百九十二億円に拡大してやるということでございますし、十四年度の事業費もそういう意味で、当初で九十六億円組んだものから拡大していくというような形になっております。
したがいまして、今回の補正措置だけで不十分ということではなくて、全体的に十四年度予算あるいは十五年度予算、トータルにとらえて雇用対策ということに取り組んでいるということをまずご理解をいただきたいと思います。
それからまた、都の単独の問題でございますが、都はこの補正予算の前に、昨年十月には、年末を控えて雇用を確保するために経済・雇用緊急プロジェクトも実施しまして、離職中のベテラン中高年の緊急雇用とか、求人求職先の発掘などにも積極的に取り組んでございますし、また、当初予算でも、企業ニーズに対応した職業訓練、はつらつ高齢者就業機会創出支援事業とか、いろいろやっているわけでございますので、トータルにとらえて、今回、補正予算の時期に雇用対策としてこういうことをやった、こういうふうに私どもは考えております。
○松村委員 やっていないとはもちろんいいませんし、それが今日の、今の都民の雇用とか、そういう苦境にある中で本当にこたえたものになっているのか。もっと都の支援というか、雇用においても、また特に中小企業というか、零細商店や商店街の振興とか、例えば都の借りかえ融資などの思い切った改善とか、私は打つ手はあると思うんですよ。
今までは厳しい財政状況だからということもあるかもしれませんけれども、国からのそういう一定の経済状況を反映した国庫支出だとかいうことがとれるんだったら、私はもっと思い切った手を打つべきではなかったか、打つべき補正予算にすべきではないかというふうに思います。
そのほか、保育所事業、それから高齢者介護基盤、そういうもので若干あります。またはエレベーター、エスカレーター等があるといいますけれども、私、予算上ちょっとわからない点があるので、一、二伺いたいんです。
私、ここに補正予算書を持っているんですけれども、福祉費のところの保育所整備助成費で、例えば、国が保育園の待機児童の解消ということで、今度の経済対策の予算ということでやったわけです。東京都の場合、保育所整備助成ということはありますけれども、全体的には国庫支出金はマイナスになっていますよね。これは予算書ですから、トータルでそういう数字になるんですけれども、具体的には、どのぐらい国の補助というか、例えば保育所整備だったら国庫支出金が入っているということになるのか、ちょっとわからなかったんですよ。鉄道駅のエレベーター等の助成では、予算で見ますと、逆にマイナス一億八千万というような数字になっているという、そのあり方がよくわからないんです。
○松澤主計部長 まず、保育所の整備でございますが、今回、これは五所、新設、既設でやるわけでございますが、この負担割合につきましては、国が二分の一、都が四分の一、設置者が四分の一となっておりまして、国の二分の一は直接設置者に行きますので、都の四分の一負担の分が、今回、歳出化されているということでございます。
それから、都営住宅の整備につきましては、ご案内のとおり、特別会計でございますので、一般会計にはこの分が出てまいりませんが、これは都債と、先ほど申し上げましたように国庫とを使いまして、半分半分でやっていく、こういうような形になっております。
○松村委員 この鉄道駅のエレベーターは、予算書では一億八千万のマイナスになっていますけれども、これはどのように見るわけですか。逆に、バリアフリーで、一つの考え方としての経済対策ということでしょうけれども、一億八千万というのはどういうことなんですか。
○松澤主計部長 今回の補正予算では、国から経済対策で国庫が来たものとしてやる部分と、あとは歳出の中で、先ほどございましたけれども、執行の中を十分見て、実績である程度減が出ているものについては、そういうものを一応減額する。これはやるべきものはちゃんとやって減額する、こういう形になっていますので、それぞれ福祉費とか、ちょっと款の中の細かいところは、私も今ここに資料がございませんが、基本的にはそういう考え方でやっておりますので、今回、経済対策でやっているのは、都営住宅のエレベーターであるとか、あるいは手すりであるとか、既設住宅の改善であるとか、そういうもののバリアフリー、そういう形でこの中に盛り込んでいるということでございます。
○松村委員 エレベーターやエスカレーターとか、鉄道駅のバリアフリーなども、当初、なかなか国の補助がつかないので減らしているとか、もっと前倒しでそういうものを積極的にやるべきだというふうに私たちは考えていますし、せっかくそういう考え方を国がとったならば、もっと積極的に組むなり、さらに国庫をもらうなりしなければいけないけれども、予算上は少なくともマイナスになっているというか、今までの実績減があるんだから、差し引きすれば今回の最終補正でもさらにふやすんだよという考え方を持っているというふうに、私はそれでは不十分だということと、例えば待機児解消で保育園五園ということですけれども、今、都内にも待機児童は大体一万二千人といいますから、百人規模でも百二十カ所ぐらい必要なんですよね。そういう点では、それは前向きだとは思いますよ、たとえ五カ所でも評価いたしますけれども、もっと今の保育園増設とかをやるような補正予算を組むべきではないかというふうに思います。
必ずしも、十五年度予算が十分組んであるから、補正ではこのぐらいだということにおいて、東京の待機児の解消にはならない。認証保育についてはここではいいませんけれども、私はそういうふうに考えます。
その一方において、補正のうち、さっきこれも経済対策だという都市再生絡みの都市基盤、合わせると大体一千億ぐらいが、私たちがふだんから指摘するような大型開発事業といいますか、しかも、首都高速道路への無利子貸付金。しかも、この貸付金をやる場合、トータルで見れば、わざわざ都債まで使って無利子で貸し付けることを、何でこの補正でやらなければならないのかということが、私は非常に疑問に思うわけです。
まず、この首都高速道路貸付金百五十億円、補正予算を組むほどの緊急性や必要性があるのかどうか、財務当局の考え方も伺っておきたいと思います。
○松澤主計部長 今回、補正予算で計上しております首都高速道路公団への貸付金につきましては、今ご案内のとおり、十八年度の竣工を目指して中央環状新宿線の大橋と中野の間の工事をどんどんやっているわけでございますが、とにかく、これを十八年度までに竣工するということで、この事業進捗に対応するものでございます。
こうした事業につきましては、やはり都心も含めて渋滞解消効果が大きくて、緊急かつ必要性が高い事業でございますので、貸付金についても、これまでと同様、経費を精査した上で、今回、ルールに従って国と折半で負担する、こういうようなものでございます。
○松村委員 今の答弁で、都民が本当に納得するんでしょうか。確かに、できて渋滞解消すれば、経済効果というような議論もいろいろありますけれども、この補正の百五十億を追加することが、本当に今の近々の、補正という性格からいって、しかも経済不況対策ということでの必要性や緊急性はないということは、私は声を大にしていっておきたいと思いますし、財務当局はこのような支出こそ抑えるべきではないかという立場に立ってほしいということを述べたいと思います。
もう一つ、国直轄事業負担金も、この間、膨大なものであります。しかも、この追加額が大きいんですけれども、この要素はどうなんですか。どことどこの事業路線でこういう額になってくるのかもお答えいただきたいと思うのです。
○松澤主計部長 ご答弁する前に、恐縮ですが、一つ、先ほどの答弁で訂正させていただきたいと思います。
保育所の関係で、国庫との負担の関係で、国が二分の一で都が四分の一、国庫は直接保育所に行くというお話をしましたが、そうではなくて、国庫も一応受け入れて、四分の三で各設置者のところへ行く、こういうことでございますので、この点につきましては、恐縮でございますが、訂正をさせていただきたいと思います。
それから、ただいまの国直轄の負担金についてでございますが、これは東京都の地域における道路、河川整備などの国直轄事業の実績の増加によりまして、今回、二百六十五億円の補正を行うものでございます。
その内容についてでございますが、道路の整備で百二十八億円、河川の整備で三十七億円、有明の丘防災公園の整備で百億円、このようになっております。
○松村委員 所管局ではないので、中身に今は入りませんけれども、それにしても、今、東京都が独自に、例えばこういう道路を国が直接やって、それに対する負担金などといっても、いろいろ事前に協議とか、必要性とか、なかなか明らかではない、そういうものまで含めて補正予算での、しかも緊急不況対策ということでは、全く適切じゃないということをいわざるを得ないというふうに思うのです。
逆に、大型公共事業というふうに今まで私たちはいってまいりましたけれども、それが本当に景気や雇用というものにつながるかといったら、今まで国はさんざん景気対策で莫大な国の税金を使って、また、それに今までも東京都などはおつき合いというか、やってきて、その結果が、今日の一向に出口の見えない不況が続いているということで、都民の目から見ても、こういう公共事業の積み増しは全くの経済・雇用対策にならないというのは、既に私は国民的な常識になっていると。
だから、今、全国の自治体でも、例えば長野だとか、そういうところでも、今までの公共事業、国からの借金とか補助金をもらった公共事業から、もっと労働集約的な、例えば福祉とか、医療とか、教育とか、または独自の長野の産業ということで、森林対策で十万人の雇用をふやすということで、そういう今までの予算の使い方のあり方や、国に頼った、または借金財政によるものから脱却しようという方向、これは長野だけじゃありませんけれども、それが私は今、全国の自治体が模索して、求めようとしている新しい方向だと思います。
確かにこれから、十五年度予算が出されておりますから、石原知事がいうように、いや、東京からの都市再生というので、議会のほかの会派のいろいろな論議があると思いますよ。それはそれでまたやりたいと思うんですよ。それが本当に活力や、今の東京や日本の国の雇用を強めていく方向になるか、私はそうじゃないんじゃないかと思います。
そこで、最後に、私たちが主張しているのは、よく共産党は公共事業とか反対しているというけれども、決してそんなことじゃないですよ。公共事業というのは必要であります。先ほども意識してか、いや、生活、都民にきちっと密着した保育所とか介護基盤だとかやっているということで、そういうことも意識して、大分切りかえていかなきゃならないんじゃないかという合意もできつつあるのかなというふうに思うんですけれども、例えば今回の場合でも、そういう大型公共事業の追加じゃなくて、中小零細企業向けの道路補修など、なぜそういう事業費を計上しないのか。当初予算の中でも、各会派とも道路補修については復活財源まで使ってやるという合意があるわけですから、もしこういう補正ができるんでしたら、それを前倒ししてでもやるべきじゃないかと思うんですけれども、その点についての考え方はどうなんですか。
○松澤主計部長 景気対策の効果とかとらえ方、何を打ったらいいかというのは、これはいろいろ見方がございますので、先生のような考え方もあるかもしれませんが、一方では、また別の考え方もあるのではないかというふうに思っておりますし、今大事なことは、公共事業につきましては、都においても、平成四年のときには二兆円近くあった投資的経費が、今は六千五百から七千億弱で、三分の一に落とした中で、どういうふうにやっていったらいいかということになっておりますので、当然、使い勝手については、めり張りのついた、やるべきところにさらに財源を重点的、効率的に配分していく、こういうやり方でやっているわけでございます。
その意味からいくと、マクロ的に見ても、今まで、どちらかというと地方に優先的にやっていた、いわゆる土木型の公共投資というのは、乗数効果も含めて、なかなか景気対策に効果がないということで、小泉内閣になってからは、都市の方に重点的に投資をして、いろんな形で経済効果を高めて、それが一時的な効果でなくて、それが都市の再生ということになれば、ひいては、長い目で見ても都市再生が大きな面の景気効果にもつながっていく、こういうとらえ方をしているわけでございまして、そういう中での幹線道路の整備、あるいはいろんな都市の根幹となる社会資本の整備ということでございますので、ここら辺は考え方の問題ではないかなというふうにも思っております。
それから、道路補修などのご指摘でございますが、確かに、こういう面もやっていかなければいけない大きな課題でございますし、十五年度当初予算においてもご議論いただきますが、道路補修については十四年度当初予算を上回る百八十五億円を計上するなど、十分配慮したところでございまして、そういう意味では、投資効果が高く、かつ都民サービスの向上に直接寄与するようなものを厳選して、公共事業というのはこれからも都はやっていかなければいけないし、我々もそういうことを心してこれから取り組んでいく、こういうふうに考えております。
○松村委員 今の道路補修ですけれども、これは本当に中小零細業者というか、わらをもつかむ思いで、やってほしいという要望や期待があるわけですよね。今みたいに、十五年度はふやしているといいますけれども、石原知事になる前に組まれた十一年度予算は、道路補修費は二百七億二千万円あったんですね。この十四年度は、最終補正も含めて八十億ですよ。これでは大変だと思いますよ。大変だというか、道路も傷むし、事業量がこれだけ減っているわけですから、なぜそういうところへ思い切ってやらないのかというのが、これは私の要望というか、出しておきたいと思います。
それから、今、主計部長が公共投資はずっと減っているんだと。私も、いろいろ勉強させていただいております。特に石原知事、借金財政ノーですから、そしてまた本会議でも盛んに都債を抑制しているんだということなので、今、投資的経費や都債の現状も分析させていただいておりますけれども、やっぱり、前には清掃工場の建設なんかがあったんですね、それから住宅も。それも今はもうない、住宅もほとんどゼロ。それから、さっきおっしゃったような常磐新線とか、そういうところの出資金や貸付金も相当の額に上っておりましたし、そういうことを差し引くと、減った減ったといっているけれども、決してそういうものじゃない。中身はそういう要素だということと、あわせて、生活密着型といえば、今いった道路補修費、あとは学校整備費、それから社会教育・体育施設などは、十一年に比べて今は全くゼロとか、そういう都民生活にかかわるものの中身だということも、先ほど主計部長から反論めいた話がありましたから、私も反論しておきたいし、決して違うと。
違うというか、そういう強い意見があるということで、私は、今、全国の自治体から始まる新しい予算や財政の使い方、今までのようなやり方じゃ、もう時代に合わないと。私たちはよく逆立ち財政というんですけれども、本当にこれを切りかえて、新しい住民や国民が求める方向へと切りかえてほしい。
そういう点では、今回の補正予算はそうはなっていないということで、厳しく指摘して、この転換を強く求めて終わりたいと思いますが、一言、申しわけない、最後に、果実活用型基金について意見だけ述べさせていただきたいと思います。
利子による基金の役割を終えたという先ほどの答弁がありましたけれども、一定のそういう面があることは私たちも否定しませんし、これについては、見直しは当然求められていると思うのです。
ただ、その場合も、先ほど来ありました、例えば男女基金ならば、その設置目的はやっぱり重要で、変わらないと思うんですね。ただ、それが、果実を使ったものが効果がなくなってきているから、できなくなってきているというならば、当然、今日の求められる新たな制度をつくるとかいうことをやった上で、廃止なら廃止という考え方に立つべきではないかと私は思います。
ましてや、充当する事業がないからということだったら、あの女性財団を廃止したということは、私たちも反対いたしましたけれども、まさにその不当性がこういう点においても明らかになってきたというふうに思いますし、そういう点では、この男女基金の廃止については、我が党は反対の立場を恐らくとることを申し上げて、終わりたいと思います。
○藤田委員 大分重なってまいりましたんですが、今回の補正の内容は、経済・雇用対策に対応するものというふうにしているわけですけれども、先ほど来、都市再生がどういうものであるかというような議論がありまして、いろいろ見方によって違うということで、私たちも石原知事がいっている都市再生とは違う考え方をしています。都市再生は、まさに環境とコミュニティを大事にしたものでなければだめだというようなところ、そして、東京構想ということについても、新たなものをきちっとつくり上げる中で、予算特別委員会の中で、またそれはさせていただきたいと思っています。
私も代表質問の中で、これまでの企業内社会保障と公共事業で日本型福祉国家、いわゆるセーフティーネットを張ってきたけれども、今では、この公共事業が経済不況対策になるとは思えないというふうに申し上げたわけなんです。ここの部分について、いま一度どんなふうに考えていらっしゃるかをお聞かせいただきたいと思うのです。
○松澤主計部長 実はこれは大変難しい話で、私も正直いって、はっきりしたことはあれですが、ただいえることは、ケインズ経済学的な、公共投資の乗数効果による投資によって、それが一・何倍、二倍とどんどん進むような、そういう投資は、低成長に入ってからはなかなかそういう形にはなっていないと。もう一点は、そういうことを含めていえば、税収も、常に税収の弾性値というのがあって、経済成長率がある程度いけば、それに合わせて税収はもっと伸びるというような、そういう形の中で公共投資というのは考えられていましたけれども、先生たちご案内のとおり、今はそういう時代じゃないわけでございます。
こういう中で公共投資をどういうふうに考えていくかというと、新社会資本整備みたいな考え方も何回か出されておりますが、やはり重点的に投資効果の高いものにシフトしていかないと、本当の意味の効果は出ないということはいわれているわけでございます。
そういう意味で、繰り返しになりますが、地方的な公共投資じゃなくて、架空線の地中化であるとか、情報インフラだとか、それから道路なんかも、道路罪悪論の見方の方もいらっしゃいますけれども、都市における道路は、ある程度重点的に投資していけばいろんな経済効果も出ますし、そういう面では、やはり都市型の公共インフラを多く進めていくとか、そういうような形で、重点的なものに絞った投資にしていかなければいけない、こういうふうに考えてございます。
○藤田委員 もちろん私たちも、必要なところは、例えば環二を途中でやめてしまうなんていうのは余りにも悲劇的なことになっていると思いますから、それはしっかりやってほしいというふうには思いますけれども、それができてから、じゃ、外環のことを考えてもいいんじゃないかと。二割削減するんだというふうにいっているわけですから、それを見きわめた上でもいいじゃないか、そんなふうにもその部分では考えているわけなんです。
また、おっしゃったように、環境問題というようなことは、これからもっとどんどん技術開発がされれば、それを重点的にやっていけば、かなりの部分、例えば、車のCO2の削減なんかについてもしかりでございますけれども、やはり道路との関係というのも見直される大きな視点になるかと思いますので、一概に道路、悪者ではありませんけれども、もう少し先を見据えた中での話ができるんじゃないかなと思っているところです。
それで、十二月の十五年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度というので、閣議了解というのの中に、いわゆる雇用や中小企業のセーフティーネットには万全を期していくんだ、構造改革をするけれども、影響には十分配慮していくというふうになっているんですが、実際には、国として、雇用保険なんかは、本当はもっときちっと長期的なものを、諸外国であるような状況の中で整えていかなければいけないと思っていますけれども、都の中で、いわゆる雇用や中小企業のセーフティーネットに万全を期していくためのものというのは、何か具体的に考えていらっしゃいますでしょうか。
○松澤主計部長 今、先生からお話がありました雇用とか中小企業のセーフティーネットということになると、制度論、かなり制度改革をしていかないと、なかなか難しい面がございます、保険制度もそうですし、いろんな資金的なものも含めて。そういう意味で、都道府県行政の中で雇用あるいは経済対策としてのセーフティーネットということになれば、おのずから現在やっているような施策であるとか、国の方から、今回の補正予算のように、雇用対策特別交付金みたいに十分の十お金が来て、それをそれぞれの地域の実情に合った形で雇用創出を図るとか、そういう形でやっていくというようなことが基本的じゃないかなと考えております。
○藤田委員 私も、もっと地域に雇用を創出していくということで、代表質問の中でも一貫して、これからの少子高齢社会に向けての社会要求で、子どもだとか、男女平等だとか、もっと地域型の福祉というものをやっていかなくちゃいけないというふうに申し上げて、そこのところには、まさに福祉に関していえば、二百兆の雇用がというか、二百兆の財政規模があるんだというようなこともいわれているし、NPOが、実際にGDPにして、三年前で既に一%を超えているというようなことになっていますので、本来でいえば、そこに雇用創出していくというのが、これからの常道的な考え方であろうかと思いますけれども、今は、もちろん、中小企業の資金に貸していくというようなところにしかできていない。あるいは、先ほどおっしゃったような研修だとかということにはたくさん使われているわけです。
実は、この経済対策の内容では、国の一兆五千億に対して、約一割程度の対策として都のものが出ているんです。一千百十一億というのは、約一割なんですけれども。この雇用対策の内容というのは、積み増しにしても、やはり同様な考え方といいますか、一割ぐらいは何とかできるというような、そんなことにはならなかったんでしょうか。
○松澤主計部長 雇用対策特別交付金については、国の方の今回の補正で、全国ベースで、当初額三千五百億円に追加して八百億円というのが今回の追加分でございます。今の雇用対策特別交付金の当初額の全国ベースで三千五百億円に対して、今回、全国ベースで八百億の追加でございます、一兆五千億の中の。そういうことでございますので、あと、国の方がそれを都道府県に対して割り振りをしてきて、先ほど申し上げましたように、今回の基金の積み増しとしては五十四億円、こういう形になっておるわけでございます。
○藤田委員 それで、昨年の補正が決定してから、緊急地域雇用創出というのは、地域に周知するまで、非常に時間が少なくて、使い勝手が悪かったというような声がたくさんあったんですけれども、今回はどんなふうに改善をされているのか。改善点があれば、それをお示しいただきたいと思います。
それから、計上に当たって、そういう点を確認しなければ実効性が確保できないのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○松澤主計部長 今、先生からお話がありましたように、昨年度は、実は旧の緊急地域雇用の基金と現在やっている新たな基金とが両方錯綜しまして、そこら辺のところで、切りかえの問題とか、事業要件の確認などが必要となりまして、年度末の限られた時間の中で、対応に手間取った面がございました。
現在の交付金事業というのは、当たり前ですが、雇用の創出に力点が置かれておりますので、かなり条件が厳しくなっております。ご案内のとおり、例えば事業費のうち、八〇%以上が人件費であるとか、新規雇用失業者の割合が四分の三以上でなければならないとか、そういう形で限定されておりますので、実際に事業を実施する場合には、かなり支障が生じておりました。
そういうことで、都としても、国に対して改善を強く働きかけてきたところでございますが、今回は、大幅な条件緩和も出ておりますので、そういう面では円滑な執行が図られると思いますし、また時期的にも、最終補正予算で議決をいただく時期も大分早いので、あとは、その要件に合わせてメニューを、今先生がおっしゃったように的確に、市町村と都道府県両面からございますので、十分精査して取り組んでいきたい、このように思っております。
○藤田委員 雇用創出の話ですから、人件費が八〇%以上というのは、まさしく当を得ているわけなんですけれども、実際にはなかなか難しいという、非常に裏腹の関係でございますので、ぜひ昨年の実績を検証して、また、これからもそれがどれだけうまくいったか、やはり雇用創出に力を置くということでは、使い勝手が悪かったところは緩和するけれども、でも、ちゃんと雇用創出につながっているよという検証をぜひしていただきたいというふうに思っています。
それから、ちょっと前後しちゃうかもしれませんけれども、この補正は、国と歩調を合わせてやってきているわけなんですけれども、最終補正に計上した事業をどんなふうな選択の仕方といいますか、手順はどんなふうになっているのかをお尋ねいたします。
○松澤主計部長 今回の国の補正予算の選択の前提となる手順がどうだったかということでございますが、昨年の十二月二十日に国の方の補正予算が閣議決定を経て、年明けの通常国会に提出されまして、先月一月三十日に成立したということでございます。
都としても、この雇用中小企業対策あるいは都市再生の取り組みを遅滞なく進めていくためには、国の補正予算に合わせて積極的に取り組む必要があることから、最終補正予算で対応していく考えを、昨年の第四回定例会で知事の方から明らかにしたわけでございます。
これを踏まえまして、最終補正予算に盛り込む具体的な事業の選択に当たりまして、建設局とか都の所管局がそれぞれに、国の動向の把握に努めながら、事業の内容や実施規模などを国の省庁と調整しまして、都としての緊急性、優先性が高いと判断する事業を取りまとめまして、昨年暮れに予算要求があった、こういう経緯がございます。
それを受けまして、私ども財務局の方でこの要求を取りまとめまして、国の補正予算との整合などを図った後、本年一月中旬の知事査定によって都の補正予算を決定して、一月十七日に発表する、こういう手順になったわけでございまして、それが今回の補正予算の内容でございます。
今月に入ってから、具体的な箇所づけとか、そういうものについては、一応事前に各省庁と関係局で調整もしておりますが、国の方が予算案が成立しましたので、これから具体的なものもはっきり出てくる、こういうような状況でございます。
○藤田委員 それでは、経済対策に計上した一千百十一億円ですか、先ほど国の直轄事業、ごめんなさい、私、有明だけが百億というのをメモしたんですが、あと二つあったと思うんですが、その事業の金額と、それから一千億円のうち、十五年度の前倒しの事業といいましょうか、これはどのようになっているのかをお示しください。
○松澤主計部長 今回の補正で国の直轄事業負担金、全体で二百六十五億でございます。このうち、道路の関係で百二十八億円ということで、道路あるいは交通安全施設、電線の共同溝とか、こういうものに対する直轄負担金でございます。それから、河川の関係が三十七億円、これも災害復旧とか、そういうのも含めた河川でございます。それから、公園の関係が百億円ということで、有明の丘防災公園の分で百億円、これで全体で二百六十五億円ということでございまして、これにつきましては、前倒しということでなくて、国の方でこういうものを実施するということも含めて、先ほど申し上げましたように、都が対応していくという性格のものでございます。
○藤田委員 それでは、男女平等推進基金について一つだけお尋ねをしておきます。
今回提案されているのは二基金の話でありますけれども、どうしても前後がありますので、他の三基金でございますが、今後どのような形にしていくのか、お示しをいただきたいと思うのです。
○松澤主計部長 今お話のありました三基金については、十五年度予算において元本そのものを取り崩しまして、それぞれの設置目的に従って、地域福祉、振興対策など幅広い分野で事業の財源として有効に活用を図ったということでございますが、そういう結果として、三基金について、実質的な残高は、特別な取り扱いを必要とするものを除きまして、十五年度末でこれもゼロとなる見込みでございますので、果実活用型基金としての使命は事実上終了することになるわけでございます。
したがいまして、これらの三基金の取り扱いについては、今後、廃止も含めまして適切に判断していきたい、このように考えております。
○藤田委員 ある意味では、五つの果実型ですので、どの基金も非常に利子の活用はできなくなっているという状況だと思うんですね。そうしたときに、今、なぜ二つの基金だけかというのは、他の基金もおよそ一年後には事業の充当の額もほぼ終わるので、廃止も含めて考えていきたいということでありましたけれども、一緒じゃだめだったんですか。
○松澤主計部長 これは先ほど馬場議員のときにもご答弁させていただきましたが、今の条例の設置目的からいけば、運用事業だけじゃなくて、元金も取り崩して使うことができる、そういうふうになっておりますので、まずは、充当事業がある場合には、三基金については元金を取り崩して行うという考え方で取り組んだわけでございますし、男女等の二基金については、充当事業そのものがございませんので、これは今回廃止して財政調整基金の方に積み立てをする、こういう対応をとったわけでございます。
○藤田委員 ちょっと今のでは、ストレートにはお答えになっていなかったかと思いますけれども、どうしてもことし財政調整基金に積まなければならないのか。財政調整基金ですから、ある意味では、そこを何かのときに使えるようにしておきたいということですよね。家計に例えれば、まさに教育のためにこれをとってある。でも、今は使わないから、緊急のことがあるから、できたらこれを崩してこっちに、一般の貯金の方に入れたい。でも、教育の部分はまだ残っているというようなときにはどうするかという話になったら、やっぱり我慢しようかとかいう話もありますよね。あるいは、幾つかあったら、どうしても大きく使いたいときには、今じゃなくて、一緒だっていいじゃないという話にも絶対なるはずだと私は思うんです。そこに政治的、恣意的なものを感じるというところなわけです。
これは代表質問でもいいましたけれども、知事がだれであっても、こういう基金というものは、きちっと残しておこうという意図があったからこそつくったはずですし、こういうふうにこの二基金だけ先にやってしまうと--五基金が、果実運用型のものがもう役割を終えたんだということであれば、それはそれなりのことで納得がいくところもたくさんあるかと思いますけれども、これからまさに必要としている国際平和交流というところと、それから、男女平等というこれからやらなくちゃいけないという問題を、代表質問、一般質問を聞いていても、女性に対する力が、ある意味では少しついてきたかな、わずかだと私は思っていますけれども、そういうときになると、何かひどく揺れ戻しで、バッシングでバーンと逆さまに戻るような、そういうような恣意的な、政治的なものをすごく感じてしまうというようなことがありました。
これについては代表質問の中でも申し上げましたので、あえて財政委員会の中でいいませんけれども、でも、ほぼ一年後にはどうにかしなくちゃいけないかなと思っているのを、なぜあえて二つだけやったというところについては、非常に危惧を感じているということを申し上げまして、終わりにいたします。
○川井委員長 他に発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑を終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時四十一分散会
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