財政委員会速記録第二十三号

平成十四年十二月十六日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時七分開議
 出席委員 十四名
委員長川井しげお君
副委員長鈴木貫太郎君
副委員長矢部  一君
理事真木  茂君
理事松村 友昭君
理事桜井  武君
谷村 孝彦君
秋田 一郎君
北城 貞治君
馬場 裕子君
桜井良之助君
藤田 愛子君
藤川 隆則君
宮崎  章君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長田原 和道君
経理部長佐藤 兼信君
主計部長松澤 敏夫君
主税局局長安間 謙臣君
総務部長鮎澤 光治君
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長中路 有一君
収用委員会事務局局長平井 健一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第二百二十四号議案 東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例
 ・第二百二十五号議案 東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例
 ・第二百三十七号議案 都立新宿地区単位制高等学校(十四)改築工事請負契約
 ・第二百三十八号議案 都立豊島地区商業高等学校(十四)改修・増築工事請負契約
 ・第二百三十九号議案 平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その一)請負契約
 ・第二百四十号議案  平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その二)請負契約
 ・第二百四十一号議案 東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十四-放三十四支一)請負契約
 ・第二百四十二号議案 新交通臨海線延伸部鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その四)請負契約
 ・第二百四十三号議案 当せん金付証票の発売について
 請願の審査
 (1)一四第四七号 多摩地区都税事務所統廃合計画の見直し等に関する請願
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○川井委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日、委員会で理事会にご一任いただきました意見書八件中、NPO法人税制に関する意見書につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   NPO法人税制に関する意見書(案)
 今日、NPO法人(特定非営利活動法人)は、福祉分野ばかりでなく地域社会の中に着実に根付きつつあり、地域経済や雇用の側面との結びつきを強めつつある。しかし、法人の財政的基盤の強化は多くの団体が抱えている課題である。
 しかるに、国税庁が認定したNPO法人(認定NPO法人)に対して寄付を行った個人・法人には、一定金額まで寄付金が課税所得から控除される制度が昨年十月一日に施行されたが、認定NPO法人として認定された法人は、制度実施後一年余りを経て、全国でわずか十団体にすぎない。
 これは、認定要件が現実のNPO法人の活動実態と乖離しているためで、九千近いNPO法人のわずか〇・一%しか実質的に使えない制度であり、欠陥制度と言わざるを得ない。総収入金額等に占める受け入れ寄付金額等の割合の要件、特定非営利活動の広域性の要件などの認定要件の緩和、更に認定期間の延長と更新制度の導入など、検討すべき課題は多いと言わざるを得ない。
 よって東京都議会は、国会及び政府に対し、NPO法人にかかわる支援税制の改善について、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 認定NPO法人の認定要件を緩和すること。
二 認定NPO法人の認定期間の延長と更新制度の導入を行うこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十四年十二月 日
         東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣  あて

○川井委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○川井委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、付託議案審査、請願の審査及び閉会中における請願陳情並びに特定事件の継続審査及び調査の申し出を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百二十四号議案、第二百二十五号議案及び第二百三十七号議案から第二百四十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、契約議案の第二百三十七号議案から第二百四十二号議案までにつきましては、所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査報告がございました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十四年十二月十二日
           文教委員長 渡辺 康信
財政委員長 川井 しげお殿
   議案の調査について(報告)
 十二月十一日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百三十七号議案 都立新宿地区単位制高等学校(十四)改築工事請負契約
 第二百三十八号議案 都立豊島地区商業高等学校(十四)改修・増築工事請負契約
2 調査結果
 (1) 自民党、公明党、民主党、ネットは全議案に対し異議はありません。
 (2) 日本共産党は、第二百三十八号議案に対して、次の意見がありました。第二百三十七号議案に対しては、異議はありません。
 (意見)
 将来の生徒の増加や、学級定員の少人数化への展望を持たないまま、また関係者の疑問や反対の声を押し切って大幅な都立高校の削減を進めている都立高校改革推進計画全体について、生徒の教育条件の改善の見地から抜本的な再検討が必要と考える。
 本契約案件は、推進計画に基づく商業高校同士の統廃合の最初の案件であること、また都立商業高校の果たす役割はむしろこれからこそ重要であり、安易な削減は許されないことなどから本議案に反対する。
 (3) 無(自治市民)は、第二百三十七号議案及び第二百三十八号議案に対し、次の意見がありました。
 (意見)
 公教育においては、エリートを育てるのではなく、一般常識と一般的学力・知識を持って社会を支え得る人材育成を目指すべきであり、自然にエリートが生まれる環境をつくるべきである。その意味で、現在進められている高校改革のあり方には疑問がある。両議案は、一連の高校改革に基づく契約案件であり、新宿区単位制高等学校はエリート育成校であること、豊島地区商業高等学校についても、統廃合によりエリート育成校をつくることになるため、反対する。

平成十四年十二月十二日
        経済・港湾委員長 三宅 茂樹
財政委員長 川井 しげお殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月十一日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百三十九号議案 平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その一)請負契約
 第二百四十号議案 平成十四年度新海面処分場Gブロック西側護岸建設工事(その二)請負契約
2 調査結果
 (1) 自民党、公明党、民主党は、全議案に対し異議はありません。
 (2) 日本共産党は、全議案に対し次の意見がありました。
 (意見)
 新海面処分場は東京に残された最後の埋め立て処分場であり、東京港の環境に負担を与えるような開発は極力抑えるべきである。また、中央防波堤外側処分場の処分容量はまだ余裕があるとともに新海面処分場についても、平成十年度から平成十三年度の四年間の廃棄物・浚渫土・建設残土の実績は埋立処分計画に比べ八五・六%の処分量である。
 これは、ゴミの発生抑制、リサイクル、浚渫土や建設残土の有効利用など処分場延命化へ向けて、都民や自治体など各分野の努力が反映しているものであり、計画を見直すべきことを示している。こうした状況の下で、巨額の建設資金を投入してGブロックの護岸建設工事を急ぐ必要はない。
 したがって、両議案に反対である。

平成十四年十二月十二日
       建設・住宅委員長 高島 なおき
財政委員長 川井 しげお殿
   契約議案の調査について(報告)
 十二月十一日付けをもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
 第二百四十一号議案 東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十四-放三十四支一)請負契約
 第二百四十二号議案 新交通臨海線延伸部鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その四)請負契約
2 調査結果
 (1) 自民党、公明党、民主党、ネットは、全議案に対し、異議はありません。
 (2) 日本共産党は、第二百四十一号議案に対して、次の意見があり、その他の議案については異議はありません。
 (意見)
 既にその破綻が明らかな臨海副都心開発を一層推進するため、広域幹線道路の放射第三四号線・支線一の豊洲・有明北水域に架かる橋梁の整備をするものである。東雲一号橋(仮称)の契約額三十八億四千三百万円の莫大な資金投入は、都財政に一層深刻な負担を押し付けるもので、認められない。臨海副都心開発事業計画自体を都民参加で抜本的に見直すべきであるとの立場から、第二百四十一号議案に反対する。
 (3) (無)市民の党は、第二百四十一号議案及び第二百四十二号議案に対して、次の意見がありました。
 (意見)
 臨海副都心計画は、既に破綻しており、これ以上税金をつぎ込むことは、無駄であると考え、第二百四十一号議案及び第二百四十二号議案に反対する。特に、第二百四十一号議案については、この道路建設計画によって車の流入量が増加し、環境の悪化が心配され、住民に不安を与えている。

○川井委員長 この際、松村理事から発言を求められておりますので、これを許します。

○松村委員 第二百二十五号議案、東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例についてですが、既に質疑を行いましたのでここでは繰り返しませんけれども、質疑を通じて、支所における各種相談業務など、これまでの納税者サービスが明らかに後退すること、また、管理職のみならず多くの職員が削減されることにより、公平、公正な税務行政の遂行に支障を来すおそれがあることなどが明らかになりました。ましてや、税務行政を支える職員組合との合意も図られていない段階での来年四月の実施は拙速であり、再検討を求めます。よって、反対です。
 次に、第二百三十七号、第二百三十八号、これは一括して意見を述べたいと思います。
 我が党は、都立高校改革推進計画全体に対して、将来の生徒の増加や学級定員の少人数化の展望を持たないまま、また関係者の疑問や反対の声を押し切って都立高校の大幅削減が進められており、生徒の教育条件の改善の見地から、計画の抜本的な再検討を求めています。
 ただし、新タイプも含めた高校の建設や改修については、いろいろ問題点は指摘しつつも、単純に反対するという態度はとっていません。この点から、二百三十七号議案、新宿地区の高校の建てかえについては賛成です。
 豊島地区商業高校の改修、増築も、工事内容としては拡充として評価します。しかし、この工事契約案件は都立の二つの商業高校の統廃合に連動しており、なおかつ推進計画第一期計画の商業高校同士の統廃合の最初の案件です。よって、計画の再検討を求める立場から、本案件には反対します。
 次に、第二百三十九号議案、第二百四十号議案も一括して意見を述べたいと思います。
 新海面処分場については、我が党はかねてより、廃棄物の発生量などに照らして建設計画そのものが過大であることを指摘してまいりました。ごみの発生抑制やリサイクル、しゅんせつ土や建設残土の有効利用など、処分場延命化に向けて都民や自治体など各分野の努力が反映して、中央防波堤外側処分場の処分容量はまだ余裕があり、巨額の建設資金を投入してGブロックの護岸建設工事を急ぐ必要はありません。よって、この二つの議案ともに反対いたします。
 それから、第二百四十一号議案、東雲一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事請負契約ですが、臨海副都心開発事業と一体のものであり、我が党は反対です。
 以上です。

○川井委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百二十五号議案及び第二百三十八号議案から第二百四十一号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○川井委員長 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百二十四号議案、第二百三十七号議案、第二百四十二号議案及び第二百四十三号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○川井委員長 これより請願の審査を行います。
 一四第四七号、多摩地区都税事務所統廃合計画の見直し等に関する請願を議題といたし
ます。
 本件については、既に質疑を終了いたしております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立をお願いします。
   〔賛成者起立〕

○川井委員長 起立少数と認めます。よって、請願一四第四七号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○川井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、委員の派遣が必要な場合につきましては、その取り扱いを委員長に一任いただきたいと思いますので、ご了承願います。
 この際、所管四局を代表いたしまして、大塚出納長から発言を求められておりますので、これを許します。

○大塚出納長 所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、当委員会に付託されました各議案につきまして、それぞれご審議の上、委員会としてご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 皆様方からいただきました貴重なご指摘、ご意見につきましては、今後の行政運営、事務執行に反映をさせ、万全を期してまいります。
 今後とも、よろしくご指導のほどをお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○川井委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十六分散会

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