財政委員会速記録第十四号

平成十四年九月十三日(金曜日)
第二委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長大西 英男君
副委員長近藤やよい君
副委員長鈴木貫太郎君
理事酒井 大史君
理事倉林 辰雄君
理事渡辺 康信君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
真木  茂君
北城 貞治君
桜井良之助君
林  知二君
桜井  武君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長田原 和道君
経理部長佐藤 兼信君
契約調整担当部長松村 光庸君
主計部長松澤 敏夫君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長矢口 幸一君
庁舎管理部長中村 忠夫君
営繕部長福島 七郎君
参事齊間 孝一君
主税局局長安間 謙臣君
総務部長鮎澤 光治君
税制部長齋藤  熙君
税制調査担当部長三橋  昇君
参事尾芦 健二君
課税部長吉田 勝武君
資産税部長山中 史朗君
徴収部長菅原 秀夫君
特別滞納整理担当部長谷口 広見君
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長中路 有一君
副出納長宮原 恒男君
参事岳野 尚代君
収用委員会事務局局長平井 健一君

本日の会議に付した事件
 出納長室関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都基金管理条例の一部を改正する条例
  報告事項(説明)
  ・東京都におけるポートフォリオ及び平成十四年度資金管理計画等について
 主税局関係
  請願の審査
  (1)一四第三六号 消費税の増税計画中止と税率の三%への引下げによる景気回復に関する請願
 財務局関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・警視庁北沢警察署庁舎改築工事請負契約
  ・東雲一号橋(仮称)下部工事(その二)請負契約
  ・日暮里・舎人線下部工事(その二十)請負契約
  ・地盤改良工事及び擁壁工事(十四・四-六)(環八若木)請負契約
  ・日暮里・舎人線荒川横断橋りょう鋼けた製作・架設工事(その二)請負契約
  ・多摩川原橋(Ⅲ期線)鋼けた製作・架設工事請負契約
  ・晴豊一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(その一)請負契約
  ・晴豊一号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(その二)請負契約
  報告事項(説明)
  ・東京再生都債の発行について
  ・財政再建の取り組み状況と平成十五年度予算編成について
  陳情の審査
  (1)一四第一九号 江東区塩浜二丁目六番地の都有地の一般競争入札による売却手続きの中止に関する陳情
  (2)一四第三三号 都立大学深沢校舎跡地開発計画に関する陳情

○大西委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、よろしくお願いいたします。
 次に、先般の人事異動に伴い、収用委員会事務局長に平井健一君が就任いたしました。
 平井健一君をご紹介いたします。

○平井収用委員会事務局長 ただいま委員長からご紹介を賜りました収用委員会事務局長の平井でございます。
 もとより微力ではございますが、誠心誠意職責を果たしていく所存でございます。委員長初め委員の皆様方のご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

○大西委員長 紹介は終わりました。

○大西委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、出納長室関係の第三回定例会提出予定案件の説明聴取及び報告事項の説明聴取、主税局関係の請願審査並びに財務局関係の定例会提出予定案件の説明聴取、報告事項の説明聴取及び陳情審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料の要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより出納長室関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の交代がありましたので、出納長から紹介があります。

○大塚出納長 去る七月十六日付の人事異動によりまして異動がございました出納長室の幹部職員をご紹介申し上げます。
 副出納長の中路有一でございます。参事で会計制度担当の岳野尚代でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 紹介は終わりました。

○大西委員長 次に、第三回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○大塚出納長 平成十四年第三回定例会に提出を予定しております出納長室関係の条例案につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 去る八月十六日、東京都におけるポートフォリオを策定し、預金先金融機関を新たに信用金庫などにも拡大することとしたことから、東京都基金管理条例の一部を改正するものでございます。
 詳細につきましては中路副出納長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中路副出納長 今定例会に提出を予定しております条例案をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、東京都基金管理条例の一部を改正する条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 東京都のポートフォリオに基づき、都として健全性や安全性が確認できる場合には、これまでの枠組みにとらわれず、新たに信用金庫なども預金先金融機関に加えていくこととしたことから、改正するものでございます。
 なお、お手元には、資料第2号、東京都基金管理条例の一部を改正する条例案関係資料をお配りしてございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、本定例会に提出を予定しております案件の説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大西委員長 次に、理事者から、東京都におけるポートフォリオ及び平成十四年度資金管理計画等についての報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中路副出納長 東京都におけるポートフォリオ及び平成十四年度資金管理計画等についてご報告いたします。
 お手元の資料第3号の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 まず、1、東京都におけるポートフォリオについてご説明申し上げます。
 (1)、目的でございます。
 東京都の歳計現金及び基金について、中期的資金見通しをもとに具体的な資金配分基準を策定したものでございます。
 次に、(2)、資金配分基準のうち、ア、預金先金融機関の選定でございます。
 選定に当たっては、これまでの基準に加え、自己資本について公的資金及び不良債権など三つの要素を勘案し、資本の質を重視するとともに、株価水準を判断要素に加えることといたしました。また、都として、健全性や安全性が確認できる場合には、地方銀行や外国銀行など、新たな金融機関との取引を行うことといたしました。
 次に、イ、資金別の配分基準のうち、(ア)、歳計現金でございます。
 日々の支払いに備えるため、流動性預金で保管することとし、余裕資金は、効率性を追求するため、可能な限り長い期間、定期性預金を基本として保管することといたしました。
 次に、(イ)、基金でございます。
 財政が厳しいことから、運用期間の上限は二年までといたします。また、預金と債券の配分割合は五対五といたします。具体的な運用は、金利見通しに影響されないラダー型ポートフォリオと一括運用を組み合わせ、安定的かつ効率的な資金配分を実施してまいります。
 恐れ入りますが、二ページをお開きいただきたいと存じます。
 2、平成十四年度資金管理計画についてご説明申し上げます。
 まず、(1)、歳計現金保管計画による想定配分でございます。
 支払い資金として、五百億円を準備し、残りの余裕資金は、表のとおり余裕期間に応じ預金することといたします。
 次に、(2)、基金運用計画による想定配分でございます。
 配分表のとおり、預金可能期間に応じ、預金と債券に配分し運用を行ってまいります。
 恐れ入りますが、三ページをお開きいただきたいと存じます。
 3、資金残高及び運用収入実績については、平成十三年度実績及び十四年度第一・四半期の実績を記載してございます。
 なお、お手元には、資料第4号、東京都におけるポートフォリオ及び平成十四年度資金管理計画の報告書をお配りしてございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で出納長室関係を終わります。

○大西委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の交代がありましたので、局長から紹介があります。

○安間主税局長 去る七月十六日付をもちまして異動がございました主税局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 総務部長の鮎澤光治でございます。税制部長の齋藤熙でございます。資産税部長の山中史朗でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 紹介は終わりました。

○大西委員長 これより請願の審査を行います。
 一四第三六号、消費税の増税計画中止と税率の三%への引下げによる景気回復に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○齋藤税制部長 一四第三六号、消費税の増税計画中止と税率の三%への引下げによる景気回復に関する請願についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会付託請願審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 本件請願の趣旨は、消費税の増税計画を直ちに中止すること及び消費税を三%に戻し、景気回復を図ることを内容とする国への意見書の提出を求めるものでございます。
 消費税につきまして、政府税制調査会は、消費税は、少子高齢化社会において、世代間の公平の確保、経済社会の活力の発揮、安定的な歳入構造の確保のため極めて重要な税であるとしております。
 また、平成九年四月から消費税率が三%から五%へ引き上げられたのは、所得、消費、資産の間における均衡のとれた税体系を構築するために、平成七年に先行実施された所得税、住民税の恒久的な制度減税などとおおむね見合うものとして一体的に措置されたものでございます。その際、地方分権の推進、地域福祉の充実のために地方消費税が新たに創設され、地方税源の充実が図られたところでございます。
 本件請願についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○渡辺委員 請願の採択という立場から、一言意見を申し上げたいと思います。
 これは何回も繰り返し出されている請願と思いますけれども、やはり今日の景気動向を見ますと、政府のいわゆる財政諮問会議の報告とか、あるいは政府税調の報告でも、この税問題についてのあり方そのものがいろいろと検討されている。
 特に竹中大臣の発言というのは、将来的に二けたという話だと思うのですが、将来的な消費税の税率引き上げ、こういうものを述べております。広く、しかも浅くというような言葉でも発言しているという点から見まして、しかも、今の経済動向ということだけじゃなくて、政府のいわゆる借金、こういうことを考えた場合に、やはり今後の税のあり方として、消費税の税率の引き上げという問題は避けて通れないという考え方の立場に立っていると思うのですね。
 政府は、景気動向については底入れ宣言を発表したし、何とか景気そのものは上向きつつあるという判断でありますけれども、実態はどうかというと、そういう状況には決してないというふうに私は思っています。
 例えば、雇用そのものを見ましても、せんだって発表された率、五・四%という話ですけれども、三百七十五万人、特に女子の場合は五・三%ということで、これまた過去最悪の状態になっているということも報道されておりましたし、あるいは倒産件数におきましても、六月でしたか、バブル崩壊後二番目の大きな倒産だということでいわれておりました。いろいろな指数を見ましても、私は、今のこの経済動向ということでいえば、底打ち、底入れ宣言をしたということはあっても、決してそういう状況にはない、引き続きやはり後退しているということがいえると思うのですね。
 それで、例えば日本経済の立て直しということでいえば、どうしてもこれは消費そのものを大きく拡大するということなしに、今の低迷した不況というか、経済動向そのものをきちっとした形で上向きの方向に乗せるということにはつながらないというふうに思います。
 したがって、消費そのものを拡大するためには、今の消費税率そのものを、私たちは基本的にはなくすという方向を考えておりますけれども、しかし、当面、三%に引き下げるということで、消費そのものを大きく拡大していこうということで私たちは考えています。
 そういう立場に立ってこの請願を見たときに、請願そのものは私たちの政策的なものと合致しているということで、この請願についてはぜひひとつ採択をしていただいて、そして、日本経済の新たな方向への一歩として踏み出せるようなことを願ってやまない次第です。ぜひひとつ、皆さん方の採択に対するご支持をお願い申し上げて、意見といたします。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立少数と認めます。よって、請願一四第三六号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で主税局関係を終わります。

○大西委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、財務局長に田原和道君が就任いたしました。
 田原和道君をご紹介いたします。
 なお、幹部職員の交代がありましたので、局長からあいさつの後、紹介があります。

○田原財務局長 ただいま委員長よりご紹介をいただきました田原和道でございます。
 本年七月十六日付をもちまして財務局長を拝命いたしました。財政再建に向けまして、全力を尽くしてその職責を全うしたいと考えております。
 大西委員長を初め、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、同じく七月十六日付でございますが、異動がございました財務局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 契約調整担当部長の松村光庸でございます。庁舎管理部長の中村忠夫でございます。営繕部長の福島七郎でございます。技術管理担当参事の齊間孝一でございます。
 以上でございます。よろしくどうぞお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大西委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○大西委員長 次に、第三回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○田原財務局長 財務局所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りをしてございます提出予定議案件名表、A4のペラ一枚でございますけれども、これをごらんいただきたいと存じます。
 警視庁北沢警察署庁舎改築工事請負契約など、契約案件が八件でございまして、その内訳は、建築工事が一件、土木工事が三件、設備工事が四件でございます。
 契約金額につきましては、合計いたしますと約二百億円となっております。
 以上が概略の説明でございます。
 引き続きまして、詳細を経理部長からご説明させていただきます。よろしくどうぞお願いいたします。

○佐藤経理部長 第三回定例会に提出を予定しております工事請負契約案件の概要につきまして、資料第1号によりご説明を申し上げます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、工事請負契約議案一覧をお開きください。
 初めに、1の総括の表をごらんください。
 今回ご審議いただきます契約議案は、右側の計の欄にございますとおり、合計八件、契約金額の総額は二百億十九万円でございます。
 契約の方法は、提出予定の八件すべてにつきまして、一般競争入札により契約を締結しようとするものでございます。
 次に、2の案件別の表によりまして、概要についてご説明申し上げます。
 番号1は、世田谷区松原六丁目地内に警視庁北沢警察署庁舎を改築するものでございます。
 番号2及び番号3は、橋脚の築造工事でございます。番号2は、江東区有明一丁目地内に、これは仮称でございますが、東雲一号橋の橋脚を、番号3は、荒川区西日暮里二丁目地内から同区西日暮里五丁目地内にかけて、新交通日暮里・舎人線の橋脚をそれぞれ築造するものでございます。
 番号4は、環状八号線の工事で、板橋区若木二丁目地内から同区若木三丁目地内にかけて、地盤を改良し、擁壁を築造するものでございます。
 番号5から番号8につきましては、いずれも鋼けたの製作・架設工事でございます。番号5は、足立区小台一丁目地内に新交通日暮里・舎人線の荒川横断橋梁の鋼けたを、番号6は、稲城市矢野口地内から調布市多摩川三丁目地内にかけまして多摩川原橋の鋼けたを、番号7及び番号8は、中央区晴海二丁目地内から江東区豊洲六丁目地内にかけまして、これも仮称でございますが、晴豊一号橋の鋼けたをそれぞれ製作し架設するものでございます。
 契約の相手方といたしましては、表の右側の欄にございますとおり、単体もしくは二者で構成される建設共同企業体とそれぞれ契約を締結しようとするものでございます。
 もう一枚おめくりをいただきまして、二ページから五ページにかけましては、案件ごとに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法及び工事概要等を記載してございますので、ご参照いただきますようお願い申し上げます。
 また、各案件の入札の経過等につきましては七ページ以降に記載をしてございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
 以上が、今回提出を予定しております契約案件の概要でございます。どうかよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大西委員長 次に、理事者から、二件の報告事項の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京再生都債の発行について報告を聴取いたします。

○松澤主計部長 それでは、お手元の資料第2号、東京再生都債の発行についてをご説明させていただきます。
 この東京再生都債は、発行目的としまして二つございまして、一つには、従来の機関投資家向けだけでなく、今回初めて個人向けの都債を発行することによりまして、都債を都民に身近なものとすること、それから二つには、都民による都債の購入を通じまして、東京の都市づくりに対する理解と参加意欲を高めることでございます。
 2にございますように、購入できる方は、都内在住者または在勤者、それからまた発行額は二百億円でございまして、資金の使途としまして、東京の再生に資する道路、公共交通網の整備事業などに限定して明確にしたものでございます。
 それから、5にございますように、募集期間は、先週の九月四日から十七日まで二週間を予定しておりましたが、おかげさまで大変好評でございまして、四日当日、午前九時の販売開始からわずか一時間二十分で完売をいたしました。
 7の発行条件につきましては、期間三年、利率〇・一二%、購入限度額は一人当たり五百万円までとしております。
 取扱会社は、新光証券など十一社でございますが、今回、国内公募地方債として初めて入札方式を導入いたしまして、手数料コストの削減を図ったところでございます。
 また、今回の都債購入者の方には、抽せんで事業現場の見学会を開催しまして、都債を都民の方に身近なものにしていただくこととしております。
 なお、資料には記載してございませんが、今回希望したにもかかわらず購入できなかった都民の方々が多数おられることから、十一月には二回目の都債の募集を予定しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大西委員長 次に、理事者から、財政再建の取り組み状況と平成十五年度予算編成について報告を聴取します。

○松澤主計部長 それでは、引き続きまして、お手元の資料第3号、財政再建の取り組み状況と平成十五年度予算編成についてご説明させていただきます。
 この小冊子につきましては、去る七月十九日、平成十五年度予算の見積もり方針とあわせまして発表したものでございます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、左側の「はじめに」に記載しておりますように、都はこれまで、財政再建推進プランに基づきまして財政再建の取り組みを進め、着実に成果を上げてきたところでございますが、一方で、都財政をめぐる状況は、ご案内のとおり、引き続き厳しい状況となってきております。このため、十五年度予算では、このまま手をこまねいておりますと、三千六百億円という巨額の財源不足が生じることが見込まれる状況となっております。
 こうしたことから、今回の冊子では、これまでの財政再建の取り組みと十五年度予算編成をめぐる状況を明らかにしまして、これを予算見積もり方針とあわせて庁内各局等に配布することにより、財政再建推進プランの最終年度となる十五年度予算につきまして理解を深めるため、今回作成をしたものでございます。
 それでは、内容に入らせていただきますが、構成としまして二つの柱となっております。一つが、一ページ目にございますように、財政再建の取り組みと残された大きな課題、それから二つ目が、後ほど、四ページからでございますが、厳しい歳出削減が避けられない十五年度予算編成ということで、それぞれQアンドA方式でまとめているところでございます。
 それでは、まず、右の一ページをごらんいただきたいと思いますが、(1)の財政再建の取り組み状況はどうなっていますか、についてでございます。
 四角い囲みにございますように、これまで財政再建の取り組みを進めてきたことによりまして、財政再建団体への転落を免れるとともに、プランの三年目となる十四年度予算までに財源確保目標額の八割を達成するなど着実に成果を上げてきておりますが、一方で、財政再建を達成する道のりには、歳入歳出の両面におきまして、今後乗り越えるべきハードルが残されているところでございます。
 そのハードルとしましては、この一ページの右下にございますように、プランの見込みを下回る都税収入、それから、進まない税源移譲、想定外の歳出増要因、高どまりを続ける経常的な経費、この四点でございます。
 次の二ページでございますが、財政再建に向けて何がハードルになっているのですかということで、まず、低迷が予測される都税収入と一向に進まない税源移譲についてでございます。
 これも上の方の囲みにございますように、都税収入は、銀行税の導入による増収分を除きますと、財政再建推進プランにおける見込みを、十四年度では千二百七十三億円、十五年度見込みでは二千八百八十億円と大きく下回っております。また、国から地方への税源移譲につきましては、ご案内のとおり一向に進んでいない状況でございまして、最近になってようやく国でも議論が活発になったものの、その実現にはまだなお時間を要するものと見込まれるところでございます。
 次に、右の三ページの方でございますが、想定外の歳出増要因と高どまりを続ける経常的な経費の存在についてでございます。
 財政再建推進プラン策定時には想定していなかった経費としまして、例えば介護保険給付費負担金、十四年度予算では五百五十六億円などが生じまして、歳出増要因となっているところでございます。
 また、下の方に例示を記載してございますが、給与関係費や区市町村に対する補助金など高どまりを続ける経常的な経費がなお多く存在しておりまして、今後の歳出削減での課題となっているところでございます。
 四ページをお開き願います。
 厳しい歳出削減が避けられない十五年度予算編成ということで、(1)として、このままだと十五年度の収支見込みはどうなるかということでございます。
 本年一月末に策定いたしました都財政の収支見通し、平成十五から十八年度までの期間でございますが、この収支見込みを前提にいたしまして今回試算しておりまして、十四年度予算では二千五百七十七億円の財源不足だったものが、十五年度予算ではさらに増加しまして、このままでは、冒頭申し上げましたように、三千六百億円という巨額の財源不足が生じる見込みでございます。
 右の五ページの方では、十五年度予算が十四年度予算に比べより厳しくなるのはなぜですかということで、収支見込みにおける歳入減、歳出増の主な項目をお示ししてございます。
 この中で、都税収入につきましては、国税の動向などから見て、十五年度は八百億円程度減少すると見込んでおります。また、歳出では、十四年度に比べまして、他会計からの借入金返済を含むその他の経常経費などが一千億円も増加すると見込まれるところでございます。
 次の六ページをごらんいただきたいと思います。
 (3)としまして、十五年度予算編成では、財政再建を推進する立場から、まず何をしなければならないのですかというような問いに対しまして、真ん中のグラフにもございますように、十四年度の都税収入はほぼ六十二年度の水準まで落ち込んでいるにもかかわらず、都の歳出水準では依然として高いままでございまして、その差は八千億円程度乖離がある状況となっているところでございます。
 このため、十五年度予算編成におきましては、まず、歳出総額の抑制に厳しく取り組むことが不可欠であるということでございます。
 右の「おわりに」にもございますように、以上のようなことから、都財政はイバラの道が続いておりますが、十五年度予算編成に当たりましては、都政が直面する課題に対して、限りある財源を重点的、効率的に配分しまして、的確に対応しながら、引き続き財政再建に向けて全力を挙げて取り組むことが必要である、このように考えてございます。
 以上、雑駁ではございますが、この小冊子の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○藤田委員 都債の引き受け手とその額について、最近の状況をお知らせください。

○大西委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 ただいま藤田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認めます。
 理事者においては要求されました委員と調整の上、提出願います。

○大西委員長 これより陳情の審査を行います。
 一四第一九号、江東区塩浜二丁目六番地の都有地の一般競争入札による売却手続きの中止に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野田財産運用部長 ただいま議題に供されました一四第一九号、江東区塩浜二丁目六番地の都有地の一般競争入札による売却手続きの中止に関する陳情につきまして、ご説明申し上げます。
 この陳情は、本件都有地に隣接するマンションのクリオレジダンス東京管理組合理事長古市信義氏から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、江東区塩浜二丁目六番地に東京都が所有する土地については、公園とすることが望ましいため、一般競争入札による売却手続を即時中止していただきたいというものでございます。
 本件都有地については、平成十三年九月に財務局に引き継がれました後に、各局の利用意向を調査いたしまして、特段の計画がないことを確認いたしました。次に、本年三月、地元の江東区に対して、地域の施設需要などを踏まえた土地の取得意思を照会いたしましたが、四月にその意向がない旨の回答を得たところでございます。
 こうした状況から、本件地につきましては、今後売却する方向で検討を進めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○渡辺委員 この件につきましては、東京都が進めている、いわゆる大型開発というんでしょうか、特に都市開発そのものについていえば、本当に二〇〇三年問題というのがありますけれども、さらにそれを上回る大型開発というのがこれからメジロ押しにある、そういう状況の中で環境悪化というものも避けられない。特にヒートアイランド問題というのは、深刻な問題になってきているということもご案内のとおりだと思います。そういう点で、東京都も屋上緑化というものを、いわゆる義務づけたり、促進したりというようなことまでやっておるわけですよね。したがって、ここの地域については、積極的な緑化、こういう立場から、公園にしていただくということは妥当ではないかという感じが私はいたします。
 そういう点から、この陳情そのものにつきましては、やはり採択していただく、そのことをお願いをしたいというふうに思っております。
 以上です。

○藤田委員 何点か質問させていただきます。
 この土地は臨海貨物鉄道、いわゆる東京都でいえば港湾局の土地だったわけでありますが、平成元年二月十日に廃止となったとき、何に使用するかは、都と区で協議されたというふうにいわれているんですけれども、この協議というのはどんなふうになっていましたでしょうか。

○小野田財産運用部長 ただいまの件につきまして、私どもとして鋭意調査をいたしましたが、現在の時点では、ご指摘の協議の事実というものが確認できておらないところでございます。

○藤田委員 区の対応も、議会の中でもそんなふうになっているようでありましたけれども、公園にするのが望ましいので、都と協議をしていくというふうになっていたといわれているんですけれども、このことについて提案がどんなふうに都にされたのかをお伺いします。

○小野田財産運用部長 本件土地が平成十三年九月に財務局に引き継がれたとき以降、区から公園建設の要望は受けておりません。また、本年度に入りまして、区に対しまして都の売却方針を伝えたときに、区民から区へ公園設置の陳情が行われている旨は聞いております。しかしながら、区から、都が公園を設置するようにといった要請はございません。

○藤田委員 財務局の説明では、先ほどもありましたけれども、区はこの土地を買う意思がないというふうにいっているわけですけれども、これはいつ表明をされましたでしょうか。

○小野田財産運用部長 本件土地は平成十三年九月に、先ほど申し上げましたとおり、財務局に引き継がれたわけでございますが、その後都の利用計画がないことから、平成十四年三月に地元の江東区に取得希望意思の照会をいたしました。これに対しまして本年四月十七日に、意向がない旨の正式回答を得たところでございます。

○藤田委員 地下埋設物といいますか、下に鉄道が走っているわけでありますけれども、この土地に建物をつくるとしたら、どういうような制限がかかるのかをお伺いします。

○小野田財産運用部長 お尋ねの地下埋設物は、JR京葉線の地下鉄道施設でございまして、土地全体の面積約三千六百平米のうち約七百七十平方メートルにつきまして、地下約二十メートルまでの区分地上権が設定されております。
 これにつきましては、建造物をつくる場合は、現地の地表面におきまして、一平方メートル当たり二トンの荷重の建物、聞くところによりますと、これは大体木造ないし軽量鉄骨の二階建て程度の重量というふうに聞いております、それから平米当たり四トンの荷重の工作物、これは平面ないし二階建て程度の駐車場程度というふうに承っておりますが、そうしたものの建設は可能と聞いております。しかし、それ以上は制約があるということでございます。そして、この地上権に伴う制約は、土地利用者がJRの方と具体的には協議をしていくという条件になっております。
 なお、本件土地は間口が狭く、奥行きが大変長い、細長い土地でございます。容積率も、三ツ目通りから三十メートル部分が三〇〇%、他の部分が二〇〇%でございます。こうした制約から、一概には申し上げられませんが、本件土地につきましては、大規模かつ高層の建築物を建てるのにはなかなか厳しい条件下にあると考えております。

○藤田委員 先ほどのご説明でも、公募によって土地の売り払いということになっているというふうにお話がありましたけれども、今の、現在の状況はどんなふうになっていますでしょうか。

○小野田財産運用部長 この物件につきましては、現在財務局のホームページに、平成十四年十月以降に入札予定であるという旨で掲載しておりますが、具体的な入札スケジュールについては決定しておりません。

○藤田委員 実は、この陳情者から直接お話があったわけなんです。区議会の中での陳情もあったということも、先ほどのお答えの中でもありました。東京都が財産運用して、東京都の土地でありますから、それが他の局で使わないとなったら、それぞれに関係する市区町村で使わないかどうかをまず聞いて、そしてそれが何もなければ、一般公募で財産を売り払うんだというお約束が一応あるわけなんですけれども、なかなかその辺のルールが区の方にも伝わってないんじゃないかというような感じがするんですね。区の方は区の方で、都と協議をしていくというような状況の中でお答えをしているのを、区議会の方々がお聞きになれば、それは期待もするでしょうし、住民に対してでも、そういうようなお話がなされるんだと思います。
 ですから、そういう意味では、東京都の財産というのをどういうふうに運用していくかということを、もう少し皆さん方に周知をしていくというようなことも必要になろうかというふうに思っております。この地域の中で、今お話がありましたけれども、ますますマンションが建っていくような状況があるやに聞いております。そういう意味では本当に緑を残していくということは重要なことでありますけれども、財産を運用するということがなかなか大事な時期でもありますから、そういう意味ではしっかりと丁寧に説明をしていくというところに重点を置いていただきたいというふうに思います。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一四第一九号は不採択と決定いたしました。

○大西委員長 次に、一四第三三号、都立大学深沢校舎跡地開発計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野田財産運用部長 ただいま議題に供されました陳情一四第三三号、都立大学深沢校舎跡地開発計画に関する陳情につきまして、ご説明申し上げます。
 この陳情は、深沢の環境を守る会代表の山田豊彦氏から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都立大学深沢校舎跡地の開発事業者の計画が、都立大学跡地の利用についての都の基本的な考え方に沿ったものとなるよう、指導していただきたいというものでございます。
 都立大学深沢校舎跡地の売却に当たりましては、契約書において、都立大学跡地の利用についての都の基本的な考え方の遵守を求めており、都としては、長谷工コーポレーション事業グループの開発計画は、この基本的な考え方に沿ったものと考えております。
 なお、世田谷区及び目黒区は、同グループから提出された開発申請に基づく開発行為の許可を平成十四年五月三十日に行っており、また、建築基準法に基づく建築確認も、同年七月三十一日までにすべて完了しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大西委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桜井(良)委員 この問題につきましては、昨年の十一月にもご質問申し上げましたが、地元の要望また生活支援サービス機能をどういうふうにしていくのかということが、一つの大きな条件になりました。それから一年ほどたちました。経過については、今、部長から確認の期日あるいは開発の許可の期日がありましたから、そのご説明は要らないんですが、一年たちまして、私なりに、住民の気持ちもかなり分化してきたと思っております。その間、都が長谷工側といろいろ協議している事実も知っておりますが、実際どのような話し合いをしてきたのか、このことについてまずご説明いただきたいと思います。

○小野田財産運用部長 長谷工側の計画が、地元区等との調整によりまして、どのように実現されていくのか、また、その計画が都の基本的考え方に即したものとなっているかどうかを節目節目で長谷工側に対し報告を求めるとともに、契約者としての立場から意見も伝えまして、計画が契約の趣旨に即したものとなるよう、これまで努めてまいりました。

○桜井(良)委員 その結果は私も認識しているわけなんですが、当初は契約どおりにいってない部分も確かにあったと思います。かなり話し合いをして、双方いろいろと努力しているというふうに認識をしております。ただ、今、この生活支援サービス機能に関しまして、事業者側がどんなことを提示しているのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

○小野田財産運用部長 生活支援サービスについて申し上げますと、まず福祉サービスにつきましては、現段階では、入居予定者の家族構成等を踏まえまして、外部の私立保育施設のサービス枠を確保、提供するよう準備を進めているとのことでございます。
 今後は、周辺地域の需要も含めまして、マンション内の共用スペースを活用した保育施設の設置や、マンションフロントでのベビーシッターやデイケアサービスへの対応を可能にすることなど、地域に対しても開かれたサービスを提供できるよう検討していくとのことでございます。
 また、マンションの集会室を地域住民に有償で貸し出すことも考えているとのことでございます。
 さらに、震災時の対応といたしまして、区民防災組織用の倉庫や非常災害用のベンチ兼炊き出しがまなどを、内部だけでなく、地域に開かれた施設設備として設置するとしております。

○桜井(良)委員 それと、地域と開発したところの住民またはその事業者との問題なんですが、周辺には駒沢公園等もありまして、その利用者からもいろいろ希望が出ている部分もあります。そういうことも踏まえまして、今後さらに生活支援サービスを充実するように指導していただきたいと思いますが、地元区との話し合いが今どうなっていますか。

○小野田財産運用部長 ただいま申し上げました計画等につきましては、地域の住民の方々の要望も踏まえまして、地元区でございます世田谷区、目黒区などと調整を行って、積み上げられ、策定されてきたものというふうに聞いております。

○桜井(良)委員 請願の趣旨は、指導していただきたいということなんですが、私は、今のところ、この計画そのものが十分とはいえないまでも、一生懸命東京都は指導しているというふうに認識をいたします。
 そして、最後に要望なんですが、問題は、この土地の売却に関しましては、ただ売ればいい、財政難だから売ればいいという考え方は、これはぜひ改めてもらいたい。どんな小さな土地でも、やはり地域や、あるいはその住民から要望のあるということも考慮に入れていくことが大事だと思うんですね。ただ売らんかなで売ったところに建ったものは、少なくとも十年、五十年、百年その場にあるわけでありまして、それが地域の百年後にとっていいものかどうかということは、今の時点では判断できないものがあります。やはり環境ということを重視して、売却のあり方、ただ売ればいいというあり方を、今後はぜひ改めていただきまして、その売却に当たっていただきたいということを要望いたします。
 以上です。

○真木委員 今回陳情が上がってきているわけであります。建設をめぐるこの案件が、なぜ当委員会で議論されるかということになりますと、それは売り主が東京都であるということであって議論されるんだと存じますが、この売り主が、公の機関であります東京都が行う売却と、民間が民間に対して売る売却、この公から民への売却と、民から民への売却とにおいて、法律上の違いはあるんでありましょうか。

○小野田財産運用部長 財務局が行政の用に供さない未利用地を売却する場合につきましては、民法上の契約に基づいて行っておりまして、民間相互における土地売却と基本的性格は同様のものと考えております。

○真木委員 たとえ売り主が東京都、パブリックであっても、この土地の売買をめぐっては、民民の取引であるということかと存じます。しかしながら、そうはいっても、大東京都であります。売り主が東京都であるということで、行政的な立場で買い主を、民間を指導することはできないんでありましょうか。そこについて確認をしたいと思います。

○小野田財産運用部長 東京都は買い主と対等な立場で売買契約を締結するものでございまして、土地の売り主として、土地の使用などに関し、法令上の権限に基づく指導とか、いわゆる行政指導を行う立場にはございません。しかしながら、土地の売り主として、各種法令を遵守するよう、また地元の自治体とよく相談、あるいは協議をして計画を進めるよう、要請をしているところでございます。

○真木委員 都として、権限を持った公として買い主を指導することはできないということかと存じます。今確認をさせていただきましたのは、この陳情をめぐりましては、地元世田谷区の花輪ともふみ議員、同じく同僚の目黒区の青木英二議員から、どうにかこの陳情、地元の皆様のお気持ちを酌んで、採択の方向で検討できないかということで、私ども同僚議員に対して強く働きかけがございました。私ども本当に、地元の皆様のお気持ち、そしてそれを代弁してのお二人の同僚議員からの気持ちを酌んで、その方向で検討させていただきたいというぐあいに思っていたところでございます。
 しかしながら、この陳情の趣旨が、指導しろと、指導していただきたいということでございますので、そうしますと、この陳情を採択ということになりますと、やはり東京都議会の陳情採択ということの重さ、指導をしろという議会での採択をしたならば、行政としてそれを指導しなければならないということになろうかと存じますので、その場合一体どういった権限で、どういった立場で東京都が指導するのか、これが非常に不明確なのは、売り主にとりましても、買い主にとりましても、非常に不幸なことになりはしないかなということで、私どもとしては、今回のこの陳情、採択には同意できなかったということでございます。しかしながら、気持ちとしては、今まで住んでいた住環境が大きく変わるわけでありますので、地元の皆さんのお気持ちというのは非常によくわかるつもりでございます。わかるような気がいたします。
 しかしながら、民民でしかないと。東京都は売却に当たっては、都立大学跡地の利用についての都の基本的な考え方というものを示して、そしてこれを長谷工さんとお約束をしているわけでありますが、民民と何ら変わらないということであれば、著しく違うということであれば、やっぱり裁判しかないのかなと。裁判するような状況にあるのかといえば、なかなかまたそれも厳しいのかなということなんだと存じます。
 ですので、今回のこの陳情につきましては、なかなか私どもとしても採択に応じられないところでございますけれども、しかしながら、東京都は、これからも都有地売却を促進していくことと存じますが、こうした陳情案件がいつまでも出てくるということは、決してハッピーなことじゃありません。売却に当たっては、地元の方に喜ばれるような、そうした売却について今後とも工夫をしていただきたい。
 地元市や区との協議をさらに十分にしていただくとともに、地元市区が売却に当たっては、必要に応じて容積率や建ぺい率を変更していくというようなことも、地元市区にその時間的な猶予を与えていただくとか、また場合によっては、地元市区に売却を依頼するというようなことがあってもいいのかなと、地元市区が買わなくても、民間への売却を市区にやっていただくなんてことがあってもいいのかなというぐあいに思います。
 いずれにいたしましても、指導しろという陳情には採択に応じられないわけでありますけれども、どうぞ引き続き、長谷工さんとは必要に応じて十分な話し合いをしていただきますことをお願いを申し上げ、意見とさせていただきます。
 以上です。

○渡辺委員 私は、この陳情につきましては、採択してほしいという立場から意見を述べたいと思います。
 一つは、ここにも書かれておりますが、世田谷区が区条例に基づいて設置した専門機関、ここが半年間にわたって調査をしてきたということですね。その中身というのは、区と、それから東京都が合意した、いわゆる都立大跡地の利用についての都の基本的な考え方というのがあるわけですけれども、ここと比較した場合に、必ずしもそういう方向になっていないんではないかという指摘です。
 私も図面を見せてもらいましたけれども、この基本的な考え方という合意の中には、一つは生活支援サービス機能の導入ということがありますし、あるいは歩行者ネットワークと広場、緑地などの空間機能の確保、それから通路、道路の機能の確保、緑地空間を大きく持つ、いろいろあるわけですけれども、この図面から見る限りでは、そういう基本的な考え方という合意の中身は、やはり陳情をしてこられた方々と同じように、私は不十分じゃないのかという感じはするんです。
 やはり行政指導というのは、確認がもうおりてしまっているということがあるから、それは難しい面はあるかもしれないけれども、しかし、行政機関が、そういう合意があるということだったら、その立場に立って強力に指導するということになれば、それはある程度従うというのが、幾ら民間で大手であっても、やっぱりそういうことについては従わざるを得ないということがあると思うんです。ましてや、確認がおりる前の段階で、そういう指導をきちっとしておくべきではなかったのかというふうにも思うんです。
 いずれにしても、この図面で見る限りは、これを見ておわかりかもしれませんが、広大な敷地ですよね。この中で緑地空間ということで公園をつくるということだけど、この広大な中の両端にこれだけの公園しかないんです。道路だって、それは確かに真ん中をぶち抜くということになれば、それはここに居住する方々、お話に聞きますと五百世帯ぐらいあるということですから、そういう点からいうと、いわゆる事故ということも考慮することを考えれば、道路を通路という形でどんどんつくるというのは、必ずしもいいというふうには思いませんけれども、途中まであって、あとの関係では本当に細い補助道路的なものしか見当たらないということですね。
 この図で見れば、十九階が一番高くて、あとは十四階、十一階、九階、そしてまたさらに低くなるというようなことですけれども、実際にこれだけの大きな建物が建てられるということで、一定の高層になるわけですから、そういう意味では空間ということになるかもしれませんが、実際に近隣住民も含めていろいろと利用できるような、そういう共有スペースというのか、そういうものをもっと指導を強めて提供させる必要があるのではないか、こういうふうに私は思うんです。
 そういうことで、多くは申し上げませんが、いずれにしても、この都立大跡地の問題については、やはり住民側の立場に立って、もう少し強力な指導をする、決して今からでも遅くはない、こういうふうに思っておるところです。
 そういう立場から採択を主張して、意見といたします。

○大西委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一四第三三号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時七分散会

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