財政委員会速記録第十二号

平成十四年六月二十四日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時八分開議
 出席委員 十四名
委員長大西 英男君
副委員長近藤やよい君
副委員長鈴木貫太郎君
理事酒井 大史君
理事倉林 辰雄君
理事渡辺 康信君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
真木  茂君
北城 貞治君
桜井良之助君
林  知二君
桜井  武君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安樂  進君
経理部長佐藤 兼信君
主計部長松澤 敏夫君
主税局局長安間 謙臣君
総務部長佐藤 昭久君
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長小泉 克己君
収用委員会事務局局長有手  勉君
次長宇口 昌義君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百六十四号議案 東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百六十五号議案 土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百六十六号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百六十七号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
 ・第百六十八号議案 東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例
 ・第百八十二号議案 都立江東地区チャレンジスクール(十四)建設工事請負契約
 ・第百八十三号議案 戸吹トンネル(開削部)整備工事請負契約
 ・第百八十四号議案 綾部原トンネル(仮称)整備工事請負契約
 ・第百八十五号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その一)(十四・四-一)(環八南田中)請負契約
 ・第百八十六号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-二)(環八南田中)請負契約
 ・第百八十七号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その三)(十四・四-三)(環八南田中)請負契約
 ・第百八十八号議案 北町・若木トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-四)(環八若木)請負契約
 ・第百八十九号議案 旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その九)請負契約
 ・第百九十号議案  区部ユース・プラザ(仮称)整備等事業契約の締結について
 ・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○大西委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布の日程のとおり申し合わせました。内容については、みずほに対する検査の最終結果報告を中心とした質疑になります。よろしくお願いいたします。
 意見書について申し上げます。
 過日の委員会で、理事会にご一任いただきました意見書中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   地方公共団体の収納金の保護扱い等に関する意見書(案)
 ペイオフ解禁により、地方公共団体も一般預金者と同様に、自己責任が求められることとなった。
 しかしながら、地方公共団体は税等の公金の収納に当たり、様々な金融機関を収納代理金融機関に指定しているため、流動性預金がペイオフ解禁となる平成十五年四月以降、収納代理金融機関が破綻した場合には、当該金融機関に滞留している住民の納付した税等も保護されず、地方公共団体は大きな損失を被るおそれがある。これでは、住民は安心して納税等を行うことができない。
 地方公共団体の収納金は、保管や運用を目的として預けているものではなく、一時的に金融機関に滞留しているに過ぎないため、当該収納金は地方公共団体の自己責任の範囲外としてとらえるべきであり、金融機関の破綻時に保護扱いとする措置を講じる必要がある。
 また、定期性預金のペイオフ解禁に伴い、地方公共団体を始め預金者は、預金の安全性を確保するため、金融機関の経営状況を的確に把握しなければ適切な対応をとることができない状況に置かれている。
 経営状況を把握するためには、各金融機関による預金者に対する十分な情報開示が不可欠である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、流動性預金のペイオフ解禁に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 公金の収納金については、金融機関の破綻時に保護扱いとする措置を講じること。
二 金融機関の経営状況について、各金融機関が預金者に対してより充実した情報を提供するよう指導を強化するとともに、公金の安全性を確保する上で必要な情報の提供について、特段の配慮を行うこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十四年六月 日
         東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
金融担当大臣
金融庁長官  あて

○大西委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○大西委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、付託議案の審査並びに閉会中における請願陳情及び特定事件の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百六十四号議案から第百六十八号議案まで、第百八十二号議案から第百九十号議案まで及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 なお、第百八十二号議案から第百八十九号議案までの契約議案及びPFI法に基づく第百九十号議案につきましては、それぞれ所管の常任委員会から、お手元配布のとおり調査報告がありました。
 朗読は省略いたします。ご了承願います。

平成十四年六月二十日
         文教委員長 東ひろたか
財政委員長 大西 英男殿
   議案の調査について(報告)
 六月十九日付をもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
(1) 契約議案
   第百八十二号議案 都立江東地区チャレンジスクール(十四)建設工事請負契約
(2) PFI法に基づく議案
   第百九十号議案 区部ユース・プラザ(仮称)整備等事業契約の締結について
2 調査結果
(1) 自民党、民主党、公明党、ネット、無(行革一一〇番)は、全議案に対し異議はありません。
(2) 日本共産党は、第百九十号議案に対し、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
 (意見)
    今回の施設・事業計画は、PFI方式に転換したため、社会教育活動の諸条件より事業の収益性・採算性が優先されたものと言わざるを得ない。また、都がPFI方式を選択した第一の理由である財政負担面も確実に軽減されるという根拠はない。したがってユース・プラザの整備・運営は都が直接事業を行い、より充実したものに再検討すべきであり、本議案に反対する。

平成十四年六月二十日
         建設・住宅委員長 田代ひろし
財政委員長 大西 英男殿
   契約議案の調査について(報告)
 六月十九日付をもって議長から依頼のあったこのことについて、左記のとおり報告します。
     記
1 調査議案
(1) 第百八十三号議案 戸吹トンネル(開削部)整備工事請負契約
(2) 第百八十四号議案 綾部原トンネル(仮称)整備工事請負契約
(3) 第百八十五号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その一)(十四・四-一)(環八南田中)請負契約
(4) 第百八十六号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-二)(環八南田中)請負契約
(5) 第百八十七号議案 南田中トンネル(仮称)築造工事(その三)(十四・四-三)(環八南田中)請負契約
(6) 第百八十八号議案 北町・若木トンネル(仮称)築造工事(その二)(十四・四-四)(環八若木)請負契約
(7) 第百八十九号議案 旧江戸川(東葛西)防潮堤耐震補強工事(その九)請負契約
2 調査結果
(1) 自民党、民主党、公明党、ネット、無(市民の党)は、全議案に対し、異議はありません。
(2) 日本共産党は、第百八十三号議案及び第百八十五号議案から第百八十八号議案までに対して、次の意見がありました。その他の議案については異議はありません。
 (意見)
    第百八十三号議案は、地元の要望でもある「生活道路、河川などの整備・改修」の遅れに応えず、圏央道に結ぶ幹線道路整備を優先することになるので反対する。
 第百八十五号議案から第百八十八号議案は、緊急性のない事業なので反対する。
 財政難を理由に福祉、医療を削減する一方、環状八号線関係では、併せて二百七十七億円の巨額の予算を費やすものであり、環境対策についても、地元協議が継続中で住民との合意に到っていないまま着工してはならない。
 環状八号線、調布保谷線、及び外環道路等の幹線道路の同時多発的な事業化は、財政面では、大きな圧迫となるばかりか、東京の大気汚染の状況をさらに悪化させることは明らかである。

○大西委員長 この際、渡辺理事から発言を求められておりますので、これを許します。

○渡辺委員 反対の議案についてのみ、ちょっと意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、百六十五号議案、百六十六号議案、これは土地収用法改正に伴う条例の一部改正ということであります。これは、第一回定例会に提出された土地収用法に伴う土地収用に関する条例の一部改正と一体的なものであるという立場から反対をいたします。
 百六十七号議案、この議案は不動産の取得税を免除するというものでありますが、これは、土地の流動化を促進し、再開発をより容易に進められるようにしようとするもので、容認しがたいということで反対です。
 百六十八号議案、これは宿泊税の集中処理を千代田都税事務所に置くというものですけれども、第一回定例会に提案された宿泊税そのものと、これも一体的なものでありますので、反対をいたします。
 百八十三号議案、戸吹トンネルですが、これは滝山街道の戸吹地区トンネルの工事であります。しかも、これは圏央道へのアクセス道路であるということで、大型開発に準ずるものということで、私どもは反対をしたいと思っております。
 それから、百八十五号議案、百八十六号議案、百八十七号議案、百八十八号議案、これらはいずれも環八のトンネル化を目指すものであります。現道のないところへの道路をつくるというもの、そして財政難の折、莫大な費用もかかるということから、必ずしも急ぐ必要のあるものではない、こういう立場から、私どもは反対です。
 それから百九十号議案です。このユース・プラザは、九九年に基本計画が決定されましたけれども、そこでは、青少年の学習、交流、相談など多様な活動の拠点として位置づけられたものでありました。
 しかし、今回PFI事業者が提案した施設事業計画では、ユース・プラザの真髄ともいうべき社会教育事業について、人的配置も予算や都の関与も極めて制約され、施設面でも当初計画より大幅に縮小されるなど、本格的な事業を展開し得るものとはいえないものであります。
 利用料についても、従来の青少年三百五十円だったものを二千円から三千円にする、一般は七百円だったものを四千円に引き上げるというものであり、また財政的にも、総額百六十二億円、この中で建設費と開業時備品購入で約二十五億円といわれ、しかも、この間の利率が五・二%という高利率で、この利息総額は二十二億円に達するものであり、疑問を抱かざるを得ないものであります。
 さらに、PFIは民間企業ということから、事務内容や運営方針などへの調査もおのずから制約があるといわれ、議会のチェック機能も果たし得ないものになることは明らかである。よって、我が党はこの百九十号議案には反対をするものです。
 なお、専決処分ですけれども、これは賛成です、承認いたしますが、ただ、その中の一つ、土地保有税の規制緩和についてでありますけれども、これについては認めがたいということだけ申し添えて、この専決処分には賛成、承認をするという立場です。
 以上です。

○大西委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百六十五号議案から第百六十八号議案まで、第百八十三号議案、第百八十五号議案から第百八十八号議案まで、及び第百九十号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大西委員長 起立多数と認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百六十四号議案、第百八十二号議案、第百八十四号議案及び第百八十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認めます。よって、本案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例及び東京都における銀行業等に対する事業税の課税標準等の特例に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○大西委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大西委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、委員の派遣が必要な場合につきましては、その取り扱いを委員長に一任いただきたいと思います。ご了承願います。

○大西委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、大塚出納長から発言を求められておりますので、これを許します。

○大塚出納長 所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 ただいま当委員会に付託されました各議案につきまして、それぞれご審議の上、ご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 委員の皆様方からいただきました貴重なご意見、ご指摘につきましては、今後の財政運営、事務執行に反映をさせ、万全を期してまいります。
 なお、みずほの検査結果等につきましては、既にご連絡を申し上げているところでございますけれども、七月十二日、先ほど委員長から、改めて報告、質疑をいただくということになりました。
 検査結果等につきましては、委員会の質疑を踏まえて対応したつもりでございますけれども、行き届かなかった点につきましては、おわびを申し上げたいと思います。
 財政委員会当日の夜でございますけれども、あの後、七時半まで公金管理委員会を開きまして、そこで議論の上、翌日、都としてのスタンスを決めたということでございまして、みずほの株主総会が今週ございまして、あしたなんですけれども、その辺のスケジュール等もありまして、配慮といいますか、ああいう切迫した中での発表になりました。七月十二日、改めてしっかりしたご質疑をいただきます。
 なお、知事も申し上げておりますけれども、先週出したものは、検査結果を踏まえたとりあえずの対応であります。そういう意味では仮締めでございまして、検査自体、それから都として最終的にどうするかということを含めて、これから再度、出納長室といたしましても対応が必要になるわけでございますけれども、そういう意味で、七月十二日のご質疑は、この先の東京都の最終的な対応に向けた、いろいろなご指導をいただければ大変ありがたいというふうに思っております。
 今後とも所管四局、全力を挙げて都政の運営に携わってまいります。どうかよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○大西委員長 発言は終わりました。
 以上をもって閉会といたします。
   午後一時十九分散会

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